説明

製造方法および装置

【課題】製造方法および装置を提供する。
【解決手段】繊維層および多孔質接着層を形成して、単一方向の繊維の積層体を形成する。繊維の積層体を加圧下で加熱して、繊維を所望の構成で実質的に保つために所望の厚みの単一方向の複合テープを形成する。単一方向の複合テープに所望の幅に切れ目を入れ、切れ目の入った単一方向の複合テープを多軸織物機械に装着する。第1の層は多軸機械における複合テープから構築され、第2の層は多軸機械において第1の層から予め定められた角度で第1の層の上に複合テープから構築される。第1および第2の層を一体化して、連続したプロセスで複合織物を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景情報
1.分野
この開示は、概してノンクリンプ織物に関し、特に嵩の低いノンクリンプ織物の製造方法および装置に関する。さらにより詳細には、この開示は、嵩の低いノンクリンプ織物から複合材料を作製するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2.背景
航空機は、ますます大きな割合の複合材料で設計および製造されるようになっている。航空機によっては、一次構造のうちの50%以上が複合材料でできている場合がある。複合材料は、航空機の重量を減らすために航空機で用いられることができる。この重量の減少によって、ペイロード容量および燃料効率が改善し得る。さらに、複合材料は、航空機における種々の構成部品の耐用年数をより長くすることができる。
【0003】
複合材料は、2つ以上の非類似の構成要素を組合せることによって作製された、丈夫で軽量の材料であり得る。たとえば、複合物は繊維および樹脂を含んでいてもよい。繊維および樹脂は、組合せられて硬化複合材料を形成してもよい。
【0004】
さらに、複合材料を用いることによって、航空機の一部をより大型の部品またはセクションの状態で作製できる。たとえば、航空機における胴体は、集められて航空機の胴体を形成し得る円筒形セクションの状態で作製されてもよい。他の例は、接合されて翼を形成する翼セクションまたは接合されて安定板を形成する安定板セクションを含み得るが、それらに限定されない。
【0005】
航空機用のこれらの複合構成部品は、たとえば複合織物などであるがそれに限定されない複合材料を含み得る。複合材料を用いて作製できる航空機用のさまざまな構成部品には、たとえば胴体、翼パネル、翼小骨、翼桁、補助翼、安定板のセクション、および他の好適な構成部品があるが、それらに限定されない。
【0006】
現在使用されている複合織物は、オートクレーブなどのツールにおいて、熱、圧力および真空の組合せを用いて処理されてもよい。オートクレーブにおけるバッグの内部に特定の部品を配置してもよい。空気および揮発性生成物を除去するためにバッグに真空をかけてもよい。次いで、硬化のために熱および圧力をかけてもよい。このタイプのプロセスは通常有効に機能する。ただし、場合によっては、特定の部品がオートクレーブに対して大き過ぎる場合もあれば、部品を収めるのに十分に大きな高価なオートクレーブを必要とする場合もある。
【0007】
代替的なタイプの複合構成部品の処理は、オーブンを用いるものなどの、オートクレーブを用いる必要がない製造プロセスを用いて行なわれてもよい。これらのタイプのプロセスは、低圧モールディングプロセスと呼ぶこともできる。
【0008】
現在使用されている複合織物の作製プロセスは、たとえばあるエリアにわたってトウを引張り、それらのトウを異なる向きに留めて所望の織物を作る編み機を用いることを含む(たとえば、米国特許第5,809,805号)。トウとは、概してスプールに蓄えられ、複合織物を作製するために典型的に用いられる連続した繊維の束である。あるエリアにわたってトウを引張り、それらのトウを留めて織物を生産することの代替案は、予め一体
化された織物を用いるというものであってもよく、そこではピックアンドプレース法(たとえば、米国特許第6,585,842号)を利用して、編み合わせられる前に織物のためのこれらの層を作製する。
【特許文献1】米国特許第5,809,805号
【特許文献2】米国特許第6,585,842号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、これらのタイプのプロセスは、層間材料がプライ同士の間に導入されるときに低圧モールディングプロセスで複合構成部品を生産する場合に、所望の品質、低い嵩、または繊維の広がりを有することができない。したがって、上述の問題を克服する、織物の不均一性を最小にするための方法および装置が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
概要
さまざまな有利な実施例が製造方法および装置を提供する。一実施例では、ある方法が製造に用いられる。繊維層および多孔質接着層を形成して、単一方向の繊維の積層体を形成してもよい。繊維の積層体を加圧下で加熱して、繊維を所望の構成で実質的に保つために単一方向の複合テープを形成してもよい。第1の層は複合テープから構築されてもよい。第2の層は、第1の層から予め定められた角度で第1の層の上に複合テープから構築されてもよい。第1および第2の層を一体化して、複合織物を形成してもよい。
【0011】
別の有利な実施例では、装置は、コンベアベッドと、テープ供給源と、一セットのテープ敷設ユニットとを備える。テープ供給源は、選択された厚みに広げられた繊維の層と、繊維の層の上に溶融接着された多孔質接着材料の層とを有する複合テープの第1の層を備えるテープを有する。一セットのテープ敷設ユニットは、一セットの角度でテープ供給源からコンベアベッドの上に一セットのテープを敷設して、複合織物のための一セットのテープの層を形成することができる。
【0012】
異なる有利な実施例では、製造方法が提供される。繊維層が第1の多孔質接着層と第2の多孔質接着層との間に位置し得る、繊維層、第1の多孔質接着層、および第2の多孔質接着層を形成して、単一方向の繊維の積層体を形成してもよい。単一方向の繊維の積層体を加圧下で加熱して、第1の多孔質接着層および第2の多孔質接着層を繊維層に溶融接着し、繊維の位置を固定して、所望の厚みのテープからなる単一方向の複合テープを形成してもよく、単一方向の複合テープにおける繊維は実質的に所望の構成で保たれることができる。単一方向の複合テープに所望の幅に切れ目を入れて、切れ目の入った単一方向の複合テープを形成してもよい。切れ目の入った単一方向の複合テープを多軸織物機械に装着してもよい。第1の層は、多軸機械における複合テープから構築されてもよい。第2の層は、多軸機械において第1の層から予め定められた角度で第1の層の上に複合テープから構築されてもよい。第1および第2の層を一体化して、連続したプロセスで連続した複合織物を形成する。連続した複合織物の一部は、複合構成部品の形態でツールの上に積層される。樹脂が複合織物に導入される。複合構成部品を形成するために、複合構成部品の形態のツール上の連続した複合織物を硬化させる。
【0013】
別の有利な実施例では、装置は、コンベアベッドと、一セットのテープスプールと、一セットのテープ敷設ユニットと、ステッチングヘッドとを備える。一セットのテープスプールは、選択された厚みに広げられた繊維の層と、繊維の層の上に溶融接着された多孔質接着材料の層とを有する複合テープの第1の層を備えるテープを有する。一セットのテープ敷設ユニットは、一セットの角度でテープ供給源からコンベアベッドの上に一セットのテープを敷設して、複合織物のための一セットのテープの層を形成することができ、一セ
ットのテープ敷設ユニットにおける各テープ敷設ユニットは、一セットのテープスプールにおけるあるテープスプールからコンベアベッドの上にテープを敷くことができるテープヘッドと、コンベアベッドが動いている間にコンベアベッドの上にテープヘッドを位置決めできる可動アームとを備える。ステッチングヘッドは、一セットのテープ敷設ユニットによって形成された複合織物内の異なる層を接続できる。
【0014】
複合テープにおける繊維層は、多孔質接着層を繊維層の上に溶融接着することによって所望の厚みに圧縮される(8:請求項1に従属する方法)。
【0015】
広がった繊維トウは、溶融接着によって固定される(12:請求項10に従属する方法)。
【0016】
繊維トウ同士の間の間隙は、溶融接着によって固定される(13:請求項11に従属する方法)。
【0017】
複合構成部品は、翼パネル、胴体セクション、補助翼、隔壁、縦通材、フレーム、リブセクション、尾翼セクション、操縦翼面、および翼桁のうちの1つから選択される(14:請求項2に従属する方法)。
【0018】
多孔質接着層は、熱可塑性接着層である(15:請求項1に従属する方法)。
熱可塑性接着層は、不織布および織布のうちの1つを備える(16:請求項15に従属する方法)。
【0019】
一セットのテープ敷設ユニットによって形成された複合織物内の異なる層を接続できるステッチングヘッドをさらに備える(22:請求項19に従属する装置)。
【0020】
製造方法であって、
繊維層が第1の多孔質接着層と第2の多孔質接着層との間に位置する、繊維層、第1の多孔質接着層、および第2の多孔質接着層を形成して、単一方向の繊維の積層体を形成するステップと、
単一方向の繊維の積層体を加圧下で加熱して、第1の多孔質接着層および第2の多孔質接着層を繊維層に溶融接着し、繊維の位置を固定して、所望の厚みのテープからなる単一方向の複合テープを形成するステップとを備え、単一方向の複合テープにおける繊維は実質的に所望の構成で保たれ、上記方法はさらに、
単一方向の複合テープに所望の幅に切れ目を入れて、切れ目の入った単一方向の複合テープを形成するステップと、
切れ目の入った単一方向の複合テープを多軸織物機械に装着するステップと、
多軸機械における複合テープから第1の層を構築するステップと、
多軸機械において第1の層から予め定められた角度で第1の層の上に複合テープから第2の層を構築するステップと、
第1および第2の層を一体化して、連続したプロセスで連続した複合織物を形成するステップと、
複合構成部品の形態でツール上に連続した複合織物の一部を積層するステップと、
複合織物に樹脂を導入するステップと、
複合構成部品を形成するために、ツール上の複合構成部品の形態の複合織物を硬化させるステップとを備える、方法(23)。
【0021】
装置であって、
コンベアベッドと、
選択された厚みに広げられた繊維の層と、繊維の層の上に溶融接着された多孔質接着材
料の層とを有する複合テープの第1の層を備えるテープを有する一セットのテープスプールと、
一セットの角度でコンベアベッドの上にテープ供給源から一セットのテープを敷設して、複合織物のための一セットのテープの層を形成することができる一セットのテープ敷設ユニットとを備え、一セットのテープ敷設ユニットにおける各テープ敷設ユニットは、一セットのテープスプールにおけるあるテープスプールからコンベアベッドの上にテープを敷くことができるテープヘッドと、コンベアベッドが動いている間にコンベアベッドの上にテープヘッドを位置決めできる可動アームとを備え、上記装置はさらに、
一セットのテープ敷設ユニットによって形成された複合織物内の異なる層を接続できるステッチングヘッドを備える、装置(24)。
【0022】
有利な実施例の特徴を示していると考えられる新規の特徴が特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、有利な実施例、ならびに好ましい使用形態、さらにそれらの目的および利点は、添付の図面とともに読むときにこの開示の有利な実施例の以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
詳細な説明
図面をより詳細に参照して、この開示の実施例は、図1に示される航空機の製造および点検方法100ならびに図2に示される航空機102の文脈で記載されてもよい。生産開始前には、例示的な方法100は、航空機102の仕様および設計104ならびに材料の調達106を含んでいてもよい。生産中、構成部品および半組立品の製造108ならびに航空機102のシステム統合110が行なわれる。その後、航空機102は、使用できる状態114にするために、認証および納品112を経てもよい。航空機102は、顧客によって使用されている間、(修正、再構成、改装なども含み得る)定期的なメンテナンスおよび点検116が予定される。
【0024】
方法100のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者および/またはオペレータ(たとえば、顧客)によって行なわれるかまたは実行されてもよい。この説明の目的で、システムインテグレータは任意の数の航空機製造業者および主要なシステムの下請け業者を含み得るがそれらに限定されず、第三者は任意の数のベンダー、下請け業者および供給業者を含み得るがそれらに限定されず、オペレータは航空会社、リース会社、軍隊、サービス組織などであってもよい。
【0025】
図2に示されるように、例示的な方法100によって生産された航空機102は、複数のシステム120を有する機体118と内装122とを含んでいてもよい。高レベルシステム120の例は、推進システム124、電気システム126、油圧システム128、および環境システム130のうちの1つ以上を含む。任意の数の他のシステムが含まれていてもよい。航空宇宙産業の例が示されているが、この開示の原理は自動車産業などの他の産業に適用されてもよい。
【0026】
本明細書において実施される装置および方法は、生産および点検方法100のいずれか1つ以上の段階中に利用され得る。たとえば、生産プロセス108に対応する構成部品または半組立品は、航空機102の使用中に生産される構成部品または半組立品と類似の態様で製作または製造されてもよい。また、たとえば航空機102の組立を実質的に早めることによって、または航空機102のコストを低減することによって、1つ以上の装置の実施例、方法の実施例、またはそれらの組合わせが生産段階108および110中に利用されてもよい。同様に、たとえばメンテナンスおよび点検116のためであるがそれに限定されない目的で、航空機102の使用中に1つ以上の装置の実施例、方法の実施例、またはそれらの組合わせが利用されてもよい。
【0027】
さまざまな有利な実施例は、複合構成部品の製造または形成に適用されてもよい。より具体的には、さまざまな有利な実施例は、複合構成部品が低圧硬化プロセスによって形成され得るプロセスに適用されてもよい。低圧プロセスとは、これらの有利な実施例では、複合構成部品を硬化させる際に通常の大気圧が存在し得るプロセスであってもよい。このタイプのプロセスは、さらなる圧力を加えることができるオートクレーブを用いた複合構成部品の硬化とは対照的であり得る。
【0028】
現在使用されている織物の作製プロセスが、層間材料をプライ同士の間に導入するときに低圧モールディングプロセスで複合構成部品を生産する場合に所望の品質、低い嵩、または繊維の広がりを有することができないということをさまざまな有利な実施例は認識している。したがって、さまざまな有利な実施例によって認識されている問題に基づいて、上述の問題を克服する、織物の不均一性を最小にするための方法および装置が必要である。
【0029】
現在の織物、および繊維の向きが異なる層またはプライ同士の間に層間材料を含む織物の製造方法が、低圧モールディングプロセスでは不所望の層の位置ずれを招く可能性があるということをさまざまな有利な実施例は認識している。これらの位置ずれは、望ましくない間隙および重複を引起す可能性がある。層間材料は、織り材料に加えて、スパンボンド式不織材料、スパンレース式不織材料、または短繊維ベースの不織材料を含んでいてもよいが、それらに限定されない。たとえば、非限定的に、現在使用されている層間材料を有する織物の嵩および/または厚みが大き過ぎて設計仕様を満たす複合構成部品を作ることができない場合があるということをさまざまな有利な実施例は認識している。たとえば、非限定的に、トウ同士の間に不所望の間隙が存在することにより、部品の注入および硬化後に、樹脂を多量に含むエリアが含まれる可能性がある。これらのタイプの不均一性は、複合部品を作製する際には望ましくないであろう。これらのタイプの問題は、プリプレグ蓄積物にも存在し得る。
【0030】
さらに、この嵩の結果、繊維体積分率が低くなり、複合構成部品において重量が過剰になる場合があるということもさまざまな有利な実施例は認識している。これらの低圧モールディングプロセスは、複合織物における繊維を完成部品の所望の厚みに十分に圧縮するために必要な圧力を提供することができない。
【0031】
したがって、さまざまな有利な実施例は、繊維層および接着層を用いて繊維の積層体を形成し得る製造方法および装置を提供する。接着層は多孔質の接着層である。繊維の積層体は多孔質接着層とともに加圧下で加熱されて、隣接する繊維トウ同士の間の間隙がほとんどないかまたは制御される安定した複合テープを形成する。第1の層は複合テープから構築され、第2の層は第1の層から予め定められた角度で第1の層の上に複合テープから構築されて、複合織物を形成する。例示的な実施例では、第2の接着層は、2つの接着層が繊維に十分に溶融接着されるように複合テープを形成する際に繊維層が2つの接着層同士の間に位置するように存在してもよく、それによって嵩を低減し、繊維の広がりおよび間隔を固定する。
【0032】
複合織物の一部は、複合構成部品の形態でツールの上に積層されてもよい。これらの例では、複合織物をツール上で硬化させて、複合構成部品を形成してもよい。
【0033】
ここで図3を参照して、製造システム300の図が有利な実施例に従って示される。この例示的な例では、製造システム300は、テープ生産ユニット302と、織物生産ユニット304と、積層ユニット306と、オーブン308とを含んでいてもよい。
【0034】
テープ生産ユニット302は、トウ310および多孔質熱可塑性材料312を用いてテープ314を生み出してもよい。トウとは、典型的に、連続したフィラメントまたは繊維の撚り合わされていない束である。トウは、トウが含んでいる繊維の数によって表わすことができる。たとえば、12Kのトウは約12,000本の繊維を含んでいる。トウはスプールに位置していてもよい。トウ310にくるまれるスプールはそれぞれ、異なる数のフィラメントまたは繊維を含み得る。テープ生産ユニット302は、延展機316によって、トウ310からあるトウを引張り、束を引張ってもよい。延展機316は、トウ310からのある束の中の繊維を所望の幅に「広げて」、広がったトウ318を形成してもよい。所望の幅は、たとえば3〜4インチまたは他の好適な幅であってもよいが、それらに限定されない。次いで、ラミネーションユニット(貼合せユニット)320を用いて広がったトウ318を処理してもよい。
【0035】
ラミネーションユニット320は、広がったトウ318の両側に多孔質熱可塑性材料312の層を配置して、接着層を形成してもよい。次いで、ラミネーションユニット320は、多孔質熱可塑性材料312および広がったトウ318に熱および圧力をかけてもよい。熱および圧力をかけることによって、広がったトウ318の厚みが所望の厚みに概して圧縮または低減される。このタイプのプロセスは、溶融接着と呼ぶこともできる。多孔質熱可塑性材料312は、溶融接着可能な熱可塑性材料である。
【0036】
換言すれば、広がったトウ318の両側の層は、広がったトウ318における繊維が互いに対して動かない態様で、広がったトウ318における繊維に溶融、接着または取付けられてもよい。テープ314におけるトウの中の繊維を溶融接着または取付けることによって、テープ314が安定して、所望の厚みおよび均一性を保つ。その結果、後に織物322が織物生産ユニット304によってテープ314から作られ得るときに、繊維は所望の厚みよりも大きな厚みに伸張することができない。換言すれば、溶融接着は、ラミネーションユニット320を用いてテープ314の不所望の嵩を最小にするまたはなくすように行なわれてもよい。
【0037】
したがって、テープ314は、十分に溶融した、接着された多孔質熱可塑性材料を有していてもよい。しかしながら、溶融接着は好ましくは、接着層の織物のフィラメント形状が損傷を受けないままであるように接着層のスミアリングまたはカレンダリングを最小にするまたはなくすように行なわれるべきである。多孔質熱可塑性材料312におけるフィラメントは上面に溶融されてもよいが、概して溶融して束自体になるべきではない。
【0038】
テープ生産ユニット302は、修正を加えた任意の市販のテープ生産ユニットを用いて、広がったトウ318への多孔質熱可塑性材料312の溶融接着を行なって所望の特徴を有するテープ314を生み出すように実現されてもよい。これらの例では、テープ生産ユニット302は、テープ314の生産に適合された従来のテープ生産システムを用いて実現されてもよい。たとえば、横型オーブンを有する従来のラミネート機械がテープ生産ユニット302としての使用に適合されてもよい。
【0039】
次いで、織物生産ユニット304がテープ314から織物322を生産してもよい。織物生産ユニット304は、任意の標準的な織物生産ユニットを用いて実現されてもよい。非制限的な例は編み機である。編み機はトウ310の代わりにテープ314を用いるように修正されてもよく、通常は織物を作製するために用いられる。
【0040】
代わりに、織物生産ユニット304はテープ314の巻きを用いて、織物322のための材料を敷設してもよい。テープ314は、互いに対して異なる角度で織物生産ユニット304によって敷設されて、織物322を生み出してもよい。織物生産ユニット304は、表面上にテープ314を引張り、テープ314を適切な大きさに切断し、概して縦糸編
み機の可動ベッドの幅を用いて織物を生産する。テープ314の追加のストリップを表面上に引張って、複数の向きの上に配置し、編み合わせて、織物322を形成してもよい。このように、さまざまな有利な実施例は、トウ310から直接織物322を作製するのではなく、テープ314を用いて織物322を作製する。
【0041】
その後、織物322はツール324を有する積層ユニット306によって用いられて、複合部品326を作製してもよい。ツール324はたとえば、織物322の一部を複合部品326の形態に積層することができる型であり得るが、それに限定されない。織物322は、複合部品326のために積層ユニット306によってツール324の上に敷設されてもよい。織物322がツール324上に敷設されて、敷設された材料328を形成した後、ツール324上の敷設された材料328を硬化のためにオーブン308に入れてもよい。
【0042】
これらの例では、オーブン308は低圧オーブンであってもよく、典型的には複合部品326を作製するためにさらなる圧力は不必要である。このタイプの硬化では、織物322の厚みに関する問題は、織物322を作製するために用いられたテープ314における材料が安定しているために、問題にならないであろう。それに対して、現在利用可能な織物およびプライ同士の間に層間材料を含む織物を作製するためのプロセスでは、低圧硬化プロセスが用いられる場合に織物内部の層の嵩または厚みが設計または仕様を満たさない可能性がある。その結果、所望の嵩および/または厚みを有する織物を生産する際に、オートクレーブによって提供される加圧硬化プロセスを回避することができる。
【0043】
ここで図4を参照して、複合織物を製造するためのブロック図が有利な実施例に従って示される。この例では、プロセスは、繊維層400と多孔質接着層402とを形成して、単一方向の繊維の積層体404を形成する。この例示的な実施例では、単一方向の繊維の積層体404に熱および圧力406をかけて、単一方向の複合テープ408を形成する。単一方向の複合テープ408は所望の幅に切れ目を入れられて、切れ目の入った単一方向の複合テープ410を形成する。次いで、切れ目の入った単一方向の複合テープ410は多軸機械412に装着される。多軸機械412は第1の角度で層414を構築し、次いで第1の角度の層414の上に第2の角度で層416を構築する。これら2つの層が複合織物416を形成する。この例では2つの層しか示されていないが、特定の実現例次第で、たとえば5つ、7つおよび10個などであるがそれらに限定されない追加の層が用いられてもよい。これらの例では、複合織物416の生産は連続したプロセスで行なわれるかまたは一体化される。
【0044】
ここで図5を参照して、織物生産ユニット500の図が有利な実施例に従って示される。この例示的な実施例では、織物生産ユニット500は図3における織物生産ユニット304の一例である。これらの例では、織物生産ユニット500は多軸機械である。多軸機械とは、異なる向きに材料を敷設して織物を製造できる機械である。
【0045】
織物生産ユニット500は、織物506を形成するための面504を提供するコンベアベッド502を含む。織物生産ユニット500は、一セットのテープ敷設ユニット508、510、512および514も含む。本明細書において用いられる「一セット」という語句は1つ以上のアイテムを指している。たとえば、一セットのテープ敷設ユニットは1つ以上のテープ敷設ユニットである。別の例として、一セットのテープスプールは1つ以上のテープスプールである。
【0046】
これらの例では、テープ敷設ユニット508、510、512および514は、織物506のためのテープを異なる向きに敷設してもよい。これらの異なるユニットは、織物506の異なる層またはプライのためにテープを敷設してもよい。この例では、テープ敷設
ユニット508は、線517によって示されるようにX軸に沿って動くことができる可動アーム516を含む。テープヘッド518は、線519によって示されるように可動アーム516に沿ってY軸に沿って動くことができる。さらに、テープヘッド518は、線521によって示されるように上下に動くことができ、Z軸または線521の周りを回転可能であり得る。このテープヘッド518の回転は、織物506を形成するためにスプール522上のテープ520がコンベアベッド502の上に敷設され得る向きを変更するように行なわれてもよい。テープを保持するスプールはテープスプールと呼ぶこともできる。テープ敷設ユニット510も、可動アーム524と、テープヘッド526と、テープ530を有するスプール528とを含む。同様に、テープ敷設ユニット512は、可動アーム532と、テープヘッド534と、テープ538を有するスプール536とを含む。テープ敷設ユニット514は、可動アーム540と、テープヘッド542と、テープ546を有するスプール544とを含む。
【0047】
さらに、これらのテープ敷設ユニットの各々は、同じ層内でおよび異なる層においてテープが敷設され得る向きを変更できる。この例では、テープ敷設ユニット508は層548を作製してもよく、テープ敷設ユニット510は層550を作製する。これらの例では、テープ敷設ユニット512は層552を作製してもよく、テープ敷設ユニット514は層554を作製する。
【0048】
加えて、織物生産ユニット500は、糸558を用いて異なる層を互いに接続して、層を一体化し、織物を形成し得るステッチングヘッド556も含んでいてもよい。これらの例では、糸558は、低密度のステッチングを生み出して、織物506の異なる層を互いに保持するために用いられてもよい。他の例示的な実施例では、たとえば熱を用いたまたは熱を用いない仮縫いなどであるがそれに限定されない他の手法によって織物506内の異なる層を互いに接続してもよい。
【0049】
これらの例では、織物生産ユニット500は4つのテープ敷設ユニットを含んでいる。もちろん、他の有利な実施例では、他の数のテープ敷設ユニットを用いてもよい。たとえば、特定の実現例次第で、3つ、6つ、8つ、または他の好適な数のテープ敷設ユニットを利用してもよい。織物生産ユニット500は、修正を加えた任意の従来のツールを用いて実現されてもよい。たとえば、非限定的に、織物生産ユニット500は、個々のトウのクリールから得られた広がったトウの代わりに単一方向のテープを用いるように修正された、LIBAマシーネンファブリークGmbH(LIBA Maschinenfabrik GmbH)からのコプセントラ(Copcentra)MAX 5 CNCを用いて実現されてもよい。
【0050】
ここで図6を参照して、テープ600の断面図が有利な実施例に従って示される。この例では、テープ600は、多孔質接着層602と、繊維層604と、多孔質接着層606とを含む。テープ600は、図3におけるテープ生産ユニット302を用いて生産され得る図3におけるテープ314の一例である。繊維層604は、これらの例では、トウから繊維を広げることから形成されて、図3における広がったトウ318などの広がったトウを形成する。繊維層604のための材料は、たとえば炭素、ガラス繊維、ホウ素、玄武岩、ビスコース(たとえば、レーヨン(登録商標))、耐火性酸化物(アルミナベース(たとえば、ネクステル(登録商標))もしくはジルコニアベース)、シリコンカーバイド、アラミド(たとえば、ケブラー(登録商標)もしくはトワロン(登録商標))、ポリベンゾオキサゾール(たとえば、ザイロン(登録商標))、または他の好適な材料であり得るが、それらに限定されない。
【0051】
この例では、多孔質接着層602は、多孔質熱可塑性材料、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポ
リフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリールアミド、ポリケトン、ポリフタルアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、または他の好適な材料などのたとえば溶融接着可能な熱可塑性物質などであるがそれらに限定されない材料を用いて形成されてもよい。
【0052】
さまざまな有利な実施例では、たとえば不織または織り熱可塑性繊維のベールなどであるがそれに限定されない多孔質熱可塑性材料を用いてもよい。もちろん、さまざまな有利な実施例では、繊維層604に接着できる任意の材料を用いてもよい。これらの接着層は多孔質の層であってもよく、その結果、テープ600から織物が作られた後の硬化プロセス中に、テープ314または図3におけるテープ314から製造された織物に塗布された樹脂が、繊維層604に流入し得るおよび/または繊維層604の周りを流れ得る。多孔質接着層606は、同じタイプの材料を用いて形成されてもよい。
【0053】
テープ600は、これらの層に熱および圧力をかけて、多孔質接着層602および多孔質接着層606を繊維層604に接着することによって処理されてもよい。これらの例では、溶融接着プロセスが用いられる。テープ600に熱および圧力をかけて、繊維層604を所望の厚みに圧縮してもよい。さらに、繊維層604への多孔質接着層602および多孔質接着層606の接着は、繊維層604内の繊維が伸張するまたは熱および圧力をかける前に存在した以前の厚みに「跳ね返る」ことを防ぐまたは低減する態様で行なわれてもよい。換言すれば、テープ600を形成するためにかけられる圧力および熱は、繊維層604における繊維を所望の構成で実質的に保ち得る。この所望の構成は、たとえば隣接する繊維トウ同士の間の間隙をなくすまたは制御するように繊維を所定の位置に固定してもよいが、それに限定されない。所望の構成はまた、たとえば処理前の繊維と比較して繊維の厚みをより薄く保ってもよいが、それに限定されない。さらに、繊維はまた、処理中の広がりからある特定の幅を有していてもよく、その幅が実質的に保たれてもよい。繊維層は、溶融接着前に所望の範囲内で隣接する繊維トウ同士の間に切れ目の間隙を作製するように広げられてもよい。
【0054】
テープ600の厚みは約0.30mmであってもよい。熱および圧力をかけた後、テープ600の厚みは約0.20mmであってもよい。この厚みは非制限的な一例として提示されており、実現例次第で他の厚みを用いてもよい。たとえば、単一方向の織物は、所望の0.20mmの厚みの代わりに、熱および圧力をかける前には0.25〜0.30mmという一体化されていない厚みを有していてもよい。多孔質接着層は各々が、熱および圧力をかける前には10〜100ミクロンの間であってもよく、熱および圧力をかけることにより厚みは50〜90%低減することになる。多孔質接着層のみが概してこのプロセス中に厚みの変化を経る。なぜなら、多孔質接着層が溶融接着される構造繊維は典型的に、多孔質の層を溶融接着するのに必要な温度では溶融しないためである。これらの例では2つの接着層が示されているが、実現例次第で、2つの接着層の代わりに単一の接着層を用いてもよい。
【0055】
ここで図7を参照して、織物700の図が有利な実施例に従って示される。この例では、織物700は織物322の一例であり、図3における複合部品326を製造するために用いられてもよい。この例では、織物700は、図3におけるテープ314などのテープから製造される。セクション702、704、706、708、710および712は、テープ314から引張られて切断され得るテープ314のストリップから形成される。これらのセクションは、破線によって示されているセクションであるセクション714、716、718および720とは異なる向きにあってもよい。この例では、さらに別の層またはプライが、点線によって示されているセクション722、724、726および728から形成される。これらのセクションは、他のセクションに対して別の向きにあっても
よい。
【0056】
この例では、セクション702、704、706、708、710および712の向きは、セクション714、716、718および720から約45°であってもよい。この例では、セクション722、724、726および728は、セクション714、716、718および720から約90°である。他の有利な実施例では、示される織物700のための層の上に追加のテープの層を配置してもよい。これらの層は、現在示されている層に対して異なる向きにあってもよい。
【0057】
この例では、織物700の中に3つのテープの層またはプライが示されている。他の有利な実施例では、他の数の層を用いてもよい。たとえば、2つの層、5つの層および/または8つの層を織物700のために用いてもよい。これらのさまざまな例では、層の中の異なるセクションが互いに接続されてもよい。さらに、示されている異なる層も互いに接続されてもよい。これらの異なる接続は、図3における織物生産ユニット304などのツールを用いてなされてもよい。特に、非制限的な例として、織物700を生産するために編みツールを用いてもよい。
【0058】
ここで図8を参照して、製造プロセスのフローチャートが有利な実施例に従って示される。図8に示されるプロセスは、図3における製造システム300などの製造システムにおいて実現されてもよい。
【0059】
このプロセスは、繊維の積層体を形成すること(操作800)によって開始する。繊維の積層体は、2つの多孔質接着層の間に位置する繊維層を含んでいてもよい。実施例によっては、単一の多孔質接着層を用いてもよい。繊維の積層体を加圧下で加熱して、複合テープを形成してもよい(操作802)。圧力は、繊維をおよそ所望の厚みに圧縮するまたは広げるためにかけられ得る。熱は、多孔質接着層を溶融するまたは多孔質接着層を繊維層における繊維に付着させるためにかけられ得る。この接着または取付は、繊維層における繊維がおよそ所望の厚みを有する圧縮状態にとどまるようなものであってもよい。
【0060】
この繊維の積層体の処理は、接着層における多孔性が保たれて、複合構成部品を形成するために織物において用いられる際に、この材料の硬化中に樹脂が繊維層における繊維に入り込み、繊維層における繊維と結合することができるように行なわれてもよい。この繊維の積層プロセスが複合テープを形成する。
【0061】
その後、複合テープから層を構築してもよい(操作804)。この層は織物のための1つの層を形成する。織物における層はプライと呼ぶこともできる。この層は、選択された向きに敷設されてもよい。この向きは、織物を形成するために用いられ得る他の層とは異なっていてもよい。たとえば、1つの層を0°の角度で配置してもよく、別の層を45°の角度で配置する。さらに別の層を90°の角度で配置してもよく、別の層を−45°の角度で配置してもよい。これらの角度は、これらの例では、選択された基準を基準にしてもよい。基準は、繊維が配置されている面を基準にしてもよい。
【0062】
追加の層が必要であるかどうかについて判断がなされる(操作806)。追加の層が必要である場合、プロセスは操作804に戻る。この判断は、所望の数の層と比較して、織物において層またはプライを形成するためにいくつの層を配置または蓄積したかに基づいてなされてもよい。
【0063】
ステップ806において織物にそれ以上の層が必要でなければ、プロセスはツール上に複合織物の一部を積層してもよい(操作808)。このツールは、たとえば織物の一部が配置される型であってもよいが、それに限定されない。この型は、製造されるべき複合構
成部品の形を有していてもよい。複合織物は、注入および硬化後に完成部品を形成するための樹脂をまだ含んでいない。次いで、ツール上のプリフォームに樹脂を注入してもよい(操作810)。
【0064】
複合織物の一部をツール上に積層した後、ツール上の複合織物には樹脂が注入され、次いで硬化されて、複合構成部品を形成してもよい(操作812)。このプロセスはその後終了する。これらの例では、ツールまたは型をオートクレーブに入れる必要がないであろう低圧プロセスを用いて、複合構成部品を硬化させてもよい。
【0065】
したがって、さまざまな有利な実施例は製造方法および装置を提供する。繊維層および対応する層を形成して、繊維の積層体を形成してもよい。繊維の積層体を加圧下で加熱して、複合テープを形成してもよい。第1の層は複合テープから構築されてもよく、第2の層は、第1の層から予め定められた角度で第1の層の上に複合テープから構築されて、複合織物を形成してもよい。
【0066】
複合織物の一部は、複合構成部品の形態でツールにおいて積層されてもよい。ツール上の複合織物を硬化させて、複合構成部品を形成してもよい。
【0067】
その結果、さまざまな有利な実施例は、多くのオートクレーブに収めることができない大きさの複合構成部品を積層する能力を提供する。さらに、また、さまざまな有利な実施例の下で製造された織物を用いて複合構成部品を生産するのにより大型でより高価なオートクレーブを購入することは不必要になるであろう。さまざまな有利な実施例は、複合構成部品を積層するためにおよそ所望の厚みを概して有する複合織物を提供する。その結果、所望の厚みに織物を一体化するのに必要な圧力および熱は不必要である。
【0068】
さまざまな有利な実施例の記載は、例示および説明の目的で提示されており、網羅的であるようにまたは開示されている形態の実施例に限定されるように意図されるものではない。多くの修正例および変形例が当業者に明らかである。たとえば、さまざまな有利な実施例は、航空機用の複合構成部品の製造に関して記載されている。有利な実施例の中には、他のアイテム用の複合構成部品の生産に適用されてもよいものもある。たとえば、非限定的に、さまざまな実施例における複合織物を用いて、宇宙船、潜水艦、車、トラック、建物および船のための複合構成部品を生産してもよい。さらに、さまざまな有利な実施例は、他の有利な実施例と比較して、さまざまな利点を提供できる。選択された実施例は、実施例の原理、現実的な適用例を最もよく説明するため、および種々の修正を加えた種々の実施例についての開示を、企図される特定の用途に適したものとして当業者が理解できるようにするために選ばれており、記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】有利な実施例を実現し得る航空機の生産および点検の方法論のフロー図である。
【図2】有利な実施例に従う航空機のブロック図である。
【図3】有利な実施例に従う製造システムの図である。
【図4】有利な実施例に従う複合織物を製造するためのブロック図である。
【図5】有利な実施例に従う織物生産ユニットの図である。
【図6】有利な実施例に従うテープの断面図である。
【図7】有利な実施例に従う織物の図である。
【図8】有利な実施例に従う製造プロセスのフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
400 繊維層、402 多孔質接着層、404 単一方向の繊維の積層体、408
単一方向の複合テープ、410 切れ目の入った単一方向の複合テープ、412 多軸機械、414 第1の角度の層、416 第2の角度の層、418 複合織物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造方法であって、
繊維層および多孔質接着層を形成して、単一方向の繊維の積層体を形成するステップと、
前記繊維の積層体を加圧下で加熱して、繊維を所望の構成で実質的に保つために単一方向の複合テープを形成するステップと、
前記複合テープから第1の層を構築するステップと、
前記第1の層から予め定められた角度で前記第1の層の上に前記複合テープから第2の層を構築するステップと、
前記第1および第2の層を一体化して、複合織物を形成するステップとを備える、方法。
【請求項2】
複合構成部品の形態でツール上に前記複合織物の一部を積層するステップと、
前記複合織物に樹脂を導入するステップと、
前記複合構成部品を形成するために前記ツール上の前記複合織物を硬化させるステップとをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記硬化させるステップは、
前記ツール上の前記複合織物を加熱して、前記複合織物を硬化させ、前記複合構成部品を形成するステップを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記硬化させるステップは、
オーブンの中で前記複合構成部品を硬化させるステップを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の層から予め定められた一セットの角度で前記第2の層の上に前記複合テープから一セットの追加の層を構築して、前記複合織物を形成するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記構築するステップは、織物製造ユニットを用いて行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記繊維の積層体は第2の多孔質接着層を含み、前記繊維層は、前記多孔質接着層と前記第2の多孔質接着層との間に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記単一方向の複合テープは、前記多孔質接着層を前記繊維層に溶融接着して、前記繊維の位置を前記単一方向の複合テープ内で固定することによって生産される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記単一方向の複合テープの前記繊維層は、溶融接着の前に、隣接する繊維トウ同士の間の間隙を実質的になくすように広げられる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記単一方向の複合テープの前記繊維層は、溶融接着の前に、所望の範囲内で隣接する繊維トウ同士の間に切れ目の間隙を作製するように広げられる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記単一方向の複合テープに所望の幅に切れ目を入れて、切れ目の入った単一方向の複合テープを形成するステップと、
前記切れ目の入った単一方向の複合テープを多軸機械に装着するステップとをさらに備え、前記多軸機械は、前記第1の層および前記第2の層を構築して、連続したプロセスで
連続した複合織物として前記複合織物を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記一体化は、編み糸で種々の層を編み合わせることによって達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
装置であって、
コンベアベッドと、
選択された厚みに広げられた繊維の層と、前記繊維の層の上に溶融接着された多孔質接着材料の層とを有する複合テープの第1の層を備えるテープを有するテープ供給源と、
一セットの角度で前記コンベアベッドの上に前記テープ供給源から一セットのテープを敷設して、複合織物のための一セットのテープの層を形成することができる一セットのテープ敷設ユニットとを備える、装置。
【請求項14】
前記テープ供給源は、前記一セットのテープ敷設ユニットに接続された一セットのテープスプールであり、
ステッチングヘッドは、前記一セットのテープ敷設ユニットによって形成された前記複合織物内の異なる層を接続できる、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記一セットのテープ敷設ユニットにおける各テープ敷設ユニットは、
前記一セットのテープスプールにおけるあるテープスプールから前記コンベアベッドの上にテープを敷くことができるテープヘッドと、
前記コンベアベッドの上に前記テープヘッドを位置決めできる可動アームとを備える、請求項14に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−114615(P2009−114615A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284558(P2008−284558)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】