複写システムおよび複写装置および情報処理装置および複写方法および複写原稿生成方法およびプログラムおよび記録媒体
【課題】配付先により配付すべき頁と配付してはならない頁が混在する機密性のある紙文書を複写する場合であっても、人手を煩わすことなく、文書のセキュリティレベルを頁毎に識別して、配付先毎に複写頁を取捨選択し、配付先別に仕分けして複写印刷すること。
【解決手段】コピー機103が、頁毎に付セキュリティレベルを示す加されているQRコードが付加された印刷物109から頁毎に画像データを読み取り、頁毎にQRコードからセキュリティレベルを解析し、配付先毎に、該配付先のセキュリティレベルと頁毎のセキュリティレベルとを比較して、配付先毎及び頁毎に複写印刷の可否を判定し、複写印刷可と判定された頁の画像データを配付先毎に仕分け印刷して配付資料112を出力する構成を特徴とする。
【解決手段】コピー機103が、頁毎に付セキュリティレベルを示す加されているQRコードが付加された印刷物109から頁毎に画像データを読み取り、頁毎にQRコードからセキュリティレベルを解析し、配付先毎に、該配付先のセキュリティレベルと頁毎のセキュリティレベルとを比較して、配付先毎及び頁毎に複写印刷の可否を判定し、複写印刷可と判定された頁の画像データを配付先毎に仕分け印刷して配付資料112を出力する構成を特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕分け条件を解析して仕分けしながら複写印刷する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、紙文書のように、ページがバラバラに分離でき、複写することにより、情報が簡単に拡散できる媒体の取扱いには、情報漏洩や誤配等の様々な観点から、その保護策が検討されてきた。
【0003】
近年になり、特にセキュリティに対する保護意識の高まりに呼応して、社会的にも重要な問題として取り上げられることが多くなった。セキュリティは、様々な情報媒体に適用され特に電子媒体には技術面でも多種多様な管理手法が取り入れられている。
【0004】
紙文書は、保管上ではきちんと管理されても、持ち出した後のセキュリティは人間に任される場合が多く、その保護管理は非常に脆弱なものになる。このため、配付後の紙文書の保護対策には、ICタグを文書に付着させる方法や、第三者が複写する際、認証チェックから、その資格を判定する方法等が為されてきた。
【0005】
一方で、複写作業では機密文書であっても人間が介在することが多く、セキュリティ上の問題が潜在している。人間が関係する以上、セキュリティの確保は一重に人間のコンプライアンス意識に依存せざるを得ない状況にある。また、複写時の操作には操作ミスや判断ミスなどの人間の操作上のミスに関連する事故が多い。そこで、コピー部数を人間が判断する際の数え間違い等から不要なコピーが発生することを防ぐ等の簡便な操作性を付与する方法の提案されている。
【0006】
特許文献1は、このような人間の操作上のミスに関連する事故に関する問題点の解決に当たり、あらかじめ設定された組織別人員構成から組織別に必要部数を取得し、無駄のない複写印刷と簡便な操作性を実現している。特許文献1は、必要なコピー出力枚数を数えなくてもコピーの配付先である組織を指定するだけで、組織別に必要な出力枚数をコピーし、組織別に仕分けするので、人間の操作、判断部分が少なく、人間の数え間違い等によりうっかりと不要なコピーを行ってしまう等のミスを排除できるものである。
【特許文献1】特開平7−244446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示の方法では、文書内に混在するページに関して、配付先の条件を解析して、複写可否を判定するといったことができない。よって、権限のある者以外に開示してはいけないページ(機密ページ)が混在した文書を特許文献1の方法で複写して配付すると、機密ページも他のページと同様に複写され配付されてしまう危険がある。
【0008】
また、特許文献1では、機密文書を取り扱う操作者への開示制御が無く、複写操作を行う者は、機密文書を自由に閲覧することができてしまう。複写機を用いて原稿を複写する操作者に対しては、職務上の規則遵守や個人の倫理性を前提として、機密文書をやむを得ず開示していることが多い。
【0009】
しかし、内部の者への無防備な開示は、犯罪や漏洩事件を誘発し、機密保護にとって、最も解決困難な課題となっている。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、
配付先により配付すべき頁と配付してはならない頁が混在する機密性のある紙文書を複写する場合であっても、人手を煩わすことなく、文書のセキュリティレベルを頁毎に識別して、配付先毎に複写頁を取捨選択し、配付先別に仕分けして複写印刷する仕組を提供することである。
【0011】
また、機密文書の複写操作を行う者に対しても機密文書の開示を制限することができる仕組を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、作成された文書データの頁毎に複写印刷を許可するセキュリティレベルを設定するセキュリティレベル設定手段と、前記セキュリティレベル設定手段により頁毎に設定されたセキュリティレベルを所定のコード形式に変換して第1の情報として前記文書データの頁毎に付加するセキュリティレベル付加手段と、前記セキュリティレベル付加手段により頁毎に第1の情報が付加された文書データに基づいて複写原稿を印刷する原稿印刷手段と、配付先の名称と該配付先のセキュリティレベルを特定可能な情報を含む配付先情報を複数記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された複数の配付先情報から1又は複数の配付先を選択して指定する指定手段と、前記原稿印刷手段により印刷された複写原稿から頁毎に画像データを読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた頁毎の画像データから、頁毎に付加されている前記第1の情報を読み出してセキュリティレベルを解析する解析手段と、前記指定手段により指定された配付先毎に、該配付先のセキュリティレベルと前記解析手段により解析した前記頁毎のセキュリティレベルとを比較して、配付先毎及び頁毎に複写印刷の可否を判定する判定手段と、前記判定手段により複写印刷可と判定された頁の画像データを配付先毎に印刷する複写印刷手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の配付先に配付する内容が混在した紙文書に対して、人手を煩わすことなく、文書のセキュリティレベルを頁毎に識別して、配付先毎に複写頁を取捨選択し、配付先別に仕分けして複写印刷することができる。
【0014】
また、紙媒体そのものが開示状態であるために、セキュリティの確保が困難な機密文書の内容を、機密文書の複写操作を行う者に対しても適切に開示制限することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、紙文書の各頁毎に、独立して当該頁の複写条件(複写の可否を判別するための根拠となる条件要素や範囲を指定した情報)が判別できる情報を付加し、複写時には、前記頁の複写条件を複写機などが解析可能な2次元バーコード等のコード化された情報として読み取り、別途与えられた配付先の資格条件と前記頁複写条件と照合して、複写が許可される条件範囲内にあれば、当該配付先に当該頁を複写・配付することを意図している。
【0016】
本実施形態では、機密性を伴った文書を企業内における各部門やグループ(以下、配付先グループと言う)に配付する際、企業内稼動のサーバが配付先グループの配付対象者とそのセキュリティ権限情報を提供し、コピー機が配付対象者毎、文書を構成する各頁毎、両者のセキュリティ権限に応じた選別を行い、複写印刷及び仕分けする事例である。即ち、配付先の資格条件として、配付対象者のセキュリティ権限、頁の複写条件として、頁のセキュリティ権限という具体的な条件を使用して説明するものである。従って、本発明は、セキュリティ権限以外の条件や資格を利用できることは言うまでもない。
【0017】
紙文書は事前に、社内で作成し、当該文書のページ毎にセキュリティを付与し、一度、紙文書にする方法を採用している。文書へのセキュリティ権限付与の方法が同じであるならば、紙文書を構成するページは、別々に作成し、それらを混在させたものであっても構わない。
【0018】
また、本実施形態で使用するコピー機は、セキュリティ識別等を情報に持つQRコードの解析機能を持ち、印刷判断や仕分け分類機能を有するデジタル複合機を想定している。
【0019】
以下、この実施形態について具体的に説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態を示す複写システムの一例を示すシステム構成図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の複写システムは、サーバ101、サーバ101のクライアント装置として動作可能なパーソナルコンピュータ(PC)等の端末102(102a〜102c)、デジタル複合機等のコピー機103、プリンタ104等がネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0022】
サーバ101は、配付先マスタ107により、配付先グループ情報を記憶管理する。なお、配付先グループ情報は、配付先グループ名、各個人(社員)の所属部署・氏名・役職、セキュリティレベル、及び、その他のコード類等を含むものであり詳細は後述する図7に示す。また、この配付先グループ情報は、サーバ101が制御する配付先グループ登録機能により、端末102aから配付先マスタ107に登録可能である。
【0023】
また、サーバ101は、セキュリティ付与について、図示しない人事マスタに基づき、配付先権限を社内組織構造に合わせて登録(記憶)されている。
【0024】
以下、本複写システムにおける複写手順について説明する。
【0025】
まず、ユーザは端末102bによりサーバ101への文書登録処理を行う。この文書登録処理では、ユーザは端末102bにより、文書等の印刷物データを作成し、該作成した印刷物データの機密部分をバーコード(QRコード等)化し、該印刷データの各頁にバーコードにてセキュリティレベルを設定し、印刷物データ105としてサーバ101に登録する。なお、この文書登録処理の詳細は後述する。サーバ101は、この印刷物データ105を記憶保持する。
【0026】
次に、ユーザは端末102cによりサーバ101に記憶される印刷物データ105の印刷処理を行う。この印刷処理では、ユーザは端末102cにより印刷物データ105の印刷指示を行い、プリンタ104等を用いて印刷物データ105を印刷する。これにより、機密部分がバーコードにて印字され、各頁にバーコードにてセキュリティ情報が印字された印刷物109が出力される。
【0027】
この印刷物109は、各頁にバーコードにてセキュリティレベルを登録する方式が同一のルールに従っている限り、複数の印刷物を混在してコピーでき、仕分けを行うことができる。
【0028】
次に、ユーザはコピー機103に上記印刷処理により印刷された印刷物109をセットする。コピー機103は、サーバ101に登録されている全ての配付先グループ情報110を読み込み、この配付先グループ情報110に基づいてコピー機103のタッチパネル上に全配付先グループを表示する。
【0029】
そして、ユーザは、表示された配付先グループより配付先を指定し、コピースタートボタンを押下する。これを検知したコピー機103は、印刷物109を読み取り、印刷物109の各頁にバーコードにて記録されているセキュリティレベルと、指定された配付先各人のセキュリティレベルを比較し、該当頁がコピー対象か否かを判定する。なお、セキュリティレベルが印刷物以上の上位であるならばコピー対象となる。
【0030】
そして、コピー機103は、配付先各人のセキュリティレベルに合った頁のみをコピーし、機密部分を文字(図)に変換(復元)し、配付資料112を出力する。
【0031】
なお、コピー機103にて配付先グループが複数指定された場合、コピーされた資料112は各配付先グループ毎にまとめられる。また、各仕分けされた資料112の先頭頁には、配付先となる人の名前等が印刷され、誤配付が無いように配慮されている。
【0032】
なお、図示していないが、配付先別に仕分けされた1組の複写印刷物をステイプルにより封緘(または、4隅を閉じる)すれば、複写操作者の目に触れる部分は表紙と裏表紙だけになり、中身をみることができなくなるので、より保護が強化される。
【0033】
なお、端末102a〜102cは、同一の端末であってもよいし、異なる端末であってもよい。以下、端末102a〜102cを単に端末102と呼ぶ。
【0034】
図2は、図1に示したサーバ101,コピー機103のハードウェア構成の一例を示すブロック図であり、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0035】
図2に示すように、サーバ101はLAN230を介してコピー機103と通信可能に接続されている。
【0036】
サーバ101は、CPU201、RAM202、ROM203、外部メモリ204、入力装置206、表示装置207、通信インタフェース208等を備え、これらがシステムバス209を介して互いに接続されている。なお、実際には201〜208とシステムバス209との間にはインタフェース回路やチップセット等が存在するが、図では省略されている。
【0037】
CPU201は、ROM203又は外部メモリ204等に記憶保存されたプログラムを読み出して実行することにより、各種制御処理を実行する。RAM202は、CPU201の作業領域として使用される。
【0038】
通信インタフェース208は、LAN230に接続され、コピー機103等と通信を行うためのものである。外部メモリ204は、配付先マスタ107,図示しない人事マスタ,印刷物データを格納するDB205が設けられている。
【0039】
なお、図1に示した端末102も、サーバ103と同様のハードウェア構成である。
【0040】
コピー機103には、スキャナ部210、タッチパネル部211、印刷装置(プリンタ部)217、通信インタフェース212、CPU213、RAM214、ROM215、外部メモリ216等を備え、これらがシステムバス219を介して互いに接続されている。なお、実際には210〜217とシステムバス219との間にはインタフェース回路やチップセット等が存在するが、図では省略されている。
【0041】
スキャナ部210は、原稿から画像データを読み取るためのものであり、コピーする資料の読み込みを行う。また、スキャナ部210は、循環式の原稿給送装置を備えるものであり、原稿給送台に載置された原稿束から原稿を一枚ずつ給送して読み取ることができる。なお、一度読み取られた原稿は原稿給送台に戻り再度読み込み可能となる。
【0042】
タッチパネル部211は、液晶ディスプレイにタッチパネルが付加されたものであり、このタッチパネル部211上に表示されたボタンをユーザがタッチ(押下)することにより、コピー機103を操作指示可能である。ユーザはこのタッチパネル部211を用いて、コピーの配付先グループの指定などを行うことができる。
【0043】
印刷装置217は、スキャナ部210から読み込まれた画像データを印刷するためのものである。
【0044】
CPU213は、ROM215又は外部メモリ216等に記憶保存されたプログラムを読み出して実行することにより、各種制御処理を実行する。RAM214は、CPU213の作業領域として使用される。なお、後述するQRコード解析及び生成についても、CPU213がプログラムをRAM214上で実行し、処理する。
【0045】
通信インタフェース212は、LAN230に接続し、サーバ101等と通信を行うためのものである。
【0046】
外部メモリ216には、サーバ101から送付され、更新する配付先グループ情報を格納したDB218が設けられている(図2)。稼働時には、コピー機103は、DB218からRAM214に配付先グループ情報を読み取り記憶する。この情報は、サーバ101から稼動時毎に配付先グループ情報が送付されるならばRAM214に格納するように構成してもよい。
【0047】
以下、図3〜図5を参照して、印刷物登録処理について説明する。
【0048】
まず、図3を参照して、文書中の機密事項の伏字化(セキュリティ化領域の設定)とセキュリティレベルの設定を行うためのユーザインタフェースについて説明する。
【0049】
図3A,図3Bは、本実施形態の印刷物登録処理において文書中の機密事項の伏字化(セキュリティ化領域の設定)とセキュリティレベルの設定方法を説明するための図である。
【0050】
図3A,図3Bにおいて、301はセキュリティ設定画面である。このセキュリティ設定画面301は、ユーザからの指示に応じて端末102のCPUによりサーバ101からダウンロ−ドされて端末102の表示装置に表示される。なお、この際、セキュリティ設定画面301の制御プログラムもダウンロードされ、以後、このプログラムを端末102のCPUが実行することにより、端末102のCPUはセキュリティ設定画面301を制御する。
【0051】
311は文書選択ボタンであり、このボタンをマウス等の入力装置により押下指示されると、端末102のCPUは図示しない文書選択ダイアログを表示して、アプリケーションプログラム等により作成され端末102の外部メモリに格納された文書データを選択させる。文書データが選択されると、端末102のCPUは、選択された文書データを文書表示領域302に表示制御する。なお、文書表示領域302にて、文書を新規作成したり、編集可能に構成してもよい。
【0052】
303は文字セキュリティ化設定部であり、ユーザは文書表示領域302において、マウス等の入力装置により、306に示すように機密事項該当箇所を選択し、チェックボックス303aをONにした後、実行ボタン303bを押下することで、306に示したように選択された文字列を機密事項文字(伏字)に設定することができる。なお、ここでは、文字列を伏文字にする例を示したが、機密事項となる画像等を含む領域を選択して該選択領域をモザイクや黒塗り等で識別不可能に画像処理するように構成してもよい。以下、文字セキュリティ化設定部303での設定を、セキュリティ化領域の設定という。
【0053】
304はページ毎のセキュリティレベル設定部であり、ユーザは、マウス等の入力装置により、チェックボックス304aをON(チェック付け)した後、コンボボックス304bよりセキュリティレベル(H:高、M:中、L:低)の選択を行った後、実行ボタン304cを押下することで、302に表示されているページにセキュリティレベルを設定することができる。
【0054】
312は文書登録ボタンであり、このボタンをマウス等の入力装置により押下指示されると、端末102のCPUは、文書データを印刷物データ105としてサーバ101に送信して登録を要求する。
【0055】
307はセキュリティレベルが設定された文書(印刷物データ105)の一例を示すものであり、印刷結果も同様となる。
【0056】
308は、306に示したように選択されセキュリティ化領域設定された文字列が塗りつぶしされ伏字にされた状態を示す。
【0057】
309は、セキュリティ化領域のデータ(ここでは文字列"1億5000万")をQRコード化したビットマップ情報であり、セキュリティ化領域308の先頭に印刷される。
【0058】
310は頁セキュリティコードであり、当該頁のセキュリティレベルとセキュリティ化領域308の位置情報を合わせた情報がQRコード化され、頁右下の欄外に付加された状態を示す。
【0059】
以下、図4を参照して、図3に示した頁セキュリティコード310について説明する。
【0060】
図4は、図3に示した頁セキュリティコード310の示すデータを説明する図である。
【0061】
図3に示した頁セキュリティコード310は、801又は802に示すようなデータを示している。なお、801はセキュリティ化領域が設定されていない場合に対応し、802はセキュリティ化領域が設定されている場合に対応する。
【0062】
801において、"/SC"はセキュリティレベル情報の開始を示し、最後の"/"はセキュリティレベル情報の終了を示す。
【0063】
セキュリティレベル情報"/SC<H>/"において、"<H>"はHレベルのセキュリティを示す。その他、"<M>"、"<L>"、"<>"の順でセキュリティレベルが設定されている。なお、"<>"は無条件複写を示すセキュリティレベルを示す。
【0064】
802においても同様に、"/SC<H>"はセキュリティレベル情報の開始を示し、"<H>"はHレベルのセキュリティを示し、最後の"/"はセキュリティレベル情報の終了を示す。
【0065】
なお、802内のカンマ"、"は、情報が続くことを示す。そして、802内の"PS"はセキュリティ化領域が設定されていることを表す。"PS"直後の"<"、">"で囲んだ数値2つは、セキュリティ化領域の右上の横方向と縦方向の座標である。次の"<"、">"で囲んだ数値2つは、セキュリティ化領域の左下の横方向と縦方向の座標である。
【0066】
なお、2つ目以降のセキュリティ化領域がある場合も、カンマ"、"で区切り、同様に"PS"から始める。そして、上述のように、最後は"/"で識別する。
【0067】
以上示したように、図3の頁セキュリティコード310は、801や802に示したような情報がQRコード化されたものとなる。
【0068】
なお、本実施形態では、309,310に示したように、紙文書に付加する頁セキュリティコード310やセキュリティ化領域のデータ309は、2次元バーコードのQRコードを使用して説明しているが、QRコードのどのモデル、どのバージョンでもよい。また、QRコード以外の他のバーコード等を使用しても実施可能である。さらに、バーコード以外の電子透かし等を使用しても実施可能であることは言うまでもない。また、バーコードを印刷したシールを紙文書(複写原稿)に貼り付けるように構成してもよい。さらに、紙に漉き込んだ(又は貼り付けた)RFIDも読み込み/書き込みの手法をRFIDに合わせた形態に変更することにより、本発明に利用可能である。
【0069】
以下、図5のフローチャートを用いて印刷物登録処理について説明する。
【0070】
図5は、本発明における第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、本実施形態の印刷物登録処理に対応する。なお、図中、S401〜S409はユーザによる判断・操作を示す。また、S410〜S418は端末102のCPUがサーバ101よりダウンロードしたプログラムをRAM上で実行することにより実現される。
【0071】
まず、ユーザがセキュリティ設定画面301から文書選択ボタン311をマウス等の入力装置により押下指示して登録する文書を選択指示すると、該指示に応じて、端末102のCPUが、選択された文書を読み込み、文書表示領域302に表示し、ユーザからの指示を受け付ける。以下、本フローチャートに示す。
【0072】
ユーザは、選択した文書の全頁に対して、次のS402〜S407の判断・操作を行う(S401)。
【0073】
ユーザは、選択した文書に文字のセキュリティ化をする場合(S402)、マウス等の入力装置により、文書中の該当箇所(セキュリティ化領域)を図3の306のように選択し(S403)、文書セキュリティ化のチェックボックス303aをオン(チェック済み)にして(S404)、実行ボタン303bを押下する。
【0074】
この操作を検知した端末102のCPUは、選択されている全てのセキュリティ化領域に対して順次S411〜S414の処理を実行するように制御する(S410)。
【0075】
まず、端末102のCPUは、セキュリティ化領域の位置情報を取得してRAMに記憶し、該セキュリティ化領域の位置情報から当該セキュリティ化領域のビットマップ情報を取得しRAMに記憶する(S411)。
【0076】
次に、端末102のCPUは、セキュリティ化領域を黒く塗りつぶした表現に入れ替える(S412)。なお、黒く塗りつぶした表現の代わりに、枠線付き白抜きでも、モザイク等でもよく、セキュリティ化領域の文字を解読不可能にする画像処理であればどのような画像処理を施してもよい。
【0077】
次に、端末102のCPUは、当該セキュリティ化領域のビットマップ情報をQRコード化し(S413)、セキュリティ化領域306の先頭にQRコードをセット(付加)する(S414)。
【0078】
以上の処理をセキュリティ化領域として選択された全ての領域に対して実行したと判定した場合には、端末102のCPUは、ユーザからの指示を受け付ける。
【0079】
次に、ユーザは、当該頁にセキュリティレベルを設定する場合(S405)、マウス等の入力装置により、セキュリティレベル設定のチェックボックス304aをオンにする(S406)。次に、ユーザは、マウス等の入力装置により、コンボボックス304bにより頁のセキュリティレベルを設定し、実行キー304cを押下する(S407)。
【0080】
この操作を検知した端末102のCPUは、まず、当該頁のセキュリティレベルのシーケンス情報(図4に示した"/SC<H>/"等)を生成する(S415)。次に、端末102のCPUは、当該頁にセキュリティ化領域があるか否かを判定する(S416)。そして、当該頁にセキュリティ化領域があると判定した場合には、端末102のCPUは、頁セキュリティレベルのシーケンスへ保存していたセキュリティ化領域位置情報(図4に示した"PS<20、45><30、50>、・・・"等)を連結する(S417)。
【0081】
次に、端末102のCPUは、頁セキュリティレベルのシーケンス情報からQRコードを生成し、該生成したQRコードを図3の310のように当該頁の右下に添付するように制御する(S418)。なお、生成する当該頁のQRコードは、当該頁のセキュリティレベルとセキュリティ領域の位置情報が合体したものとして形成される。その情報の詳細は図4に示してある。
【0082】
ステップS418の処理が終了すると、端末102のCPUは、ユーザからの指示を受け付ける。
【0083】
ユーザは、次の頁の判断・操作に移る。そして、選択した文書の全頁に対してS402〜S407の判断・操作の終了後、ユーザが文書を印刷物データ105としてサーバ101に登録する場合(S408)、ユーザはマウス等の入力装置により文書登録ボタン312を押下する。
【0084】
この操作を検知した端末102のCPUは、S410〜S418等の処理を施した文書を印刷物データ105としてサーバ101に送信して登録を要求する。
【0085】
この印刷物データ105を受信したサーバ101のCPUは、該印刷物データ105をDBに記憶させる。以上の処理により、印刷物データ105はサーバ101に登録される。
【0086】
なお、図3,図5に示した登録処理は、端末102のCPUがサーバ101よりダウンロードしたプログラムを実行することにより実現されるものとして説明した。しかし、端末102のCPUが端末102の外部メモリに格納されたプログラムをRAM上に読み出して実行することにより上記登録処理を実現するように構成してもよい。
【0087】
また、本実施形態では、印刷物データ105を一旦サーバ101に登録し、該登録された印刷物データを印刷処理するように構成しているが、端末102で作成された印刷物データ105をサーバ101に登録することなく、端末102から直接、図3の307に示したように処理された文書を印刷処理するように構成してもよい。
【0088】
以下、図6〜図9を参照して、本実施形態の仕分け複写処理について説明する。
【0089】
図6は、本実施形態における配付先グループの選択及びグループメンバの参照を行う画面の一例を示す模式図である。
【0090】
図6において、501は配付先グループ選択画面であり、コピー機103のスキャナ部210上に原稿がセットされたことに応じて、コピー機103のCPU213213の制御により、タッチパネル部211に表示される。この配付先グループ選択画面501は、選択可能な配付先グループが表示される。ユーザは、504に示すように配付先グループ名をタッチして、コピーの配付先を複数選択可能である。
【0091】
509は詳細ボタンであり、配付先グループのメンバを確認する場合に使用される。この詳細ボタン509がタッチされると、コピー機103のCPU213は、詳細画面506をタッチパネル部211に表示制御する。
【0092】
配付先グループ及びその構成員は、図1に示した登録処理により、管理者等により予めサーバ101の配付先マスタ107に登録されているものであり、コピー時には配付先を勝手に変更することはできないように構成されている。
【0093】
コピー機103のCPU213は、サーバ101の配付先マスタ107から定期的に取得更新してRAM214等に格納してある配付先グループ情報に基づいて配付先グループ選択画面501,詳細画面506を表示している。
【0094】
なお、図7は、図1に示した配付先マスタ107に登録される配付先グループ情報の一例を示す模式図である。
【0095】
なお、配付先グループ情報において、キーは配付先コードであるが、この配付先コードは画面に表示せず、コピー機103が内部で認識及び識別している。同様に各個人毎の社員番号や所属グループコードも同様である。以下、図6の説明に戻る。
【0096】
詳細画面506は、構成員の役職510、名前511、セキュリティレベル512を表示する。なお、セキュリティレベル512は、プルダウンメニュー513により変更可能である。配付物の種類により、下位の者も参照できる場合があるからである。但し、管理者等がセキュリティレベル512を変更不可能に設定できるように構成してもよい。
【0097】
508は戻りボタンであり、この戻りボタン508がタッチされると、コピー機103のCPU213は、タッチパネル部211の表示を配付先グループ選択画面501に画面を戻すように制御する。
【0098】
502は終了ボタンであり、この終了ボタン502がタッチされると、コピー機103のCPU213は、配付先グループ選択画面501を閉じ、作業は終了する。
【0099】
505はコピースタートボタンであり、このコピースタートボタン505がタッチされると、コピー機103のCPU213は、本実施形態のコピー処理を開始する。
【0100】
図8は、本発明における第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、本実施形態の仕分けコピー(仕分け複写)処理に対応する。なお、図中、S601〜S606はユーザによる判断・操作を示す。また、S607〜S621はコピー機103のCPU213がROM215又は外部メモリから読み出したプログラムを実行することにより実現される。
【0101】
まず、配付機能のバーコードの付いたコピー原稿(即ち、図1に示した印刷物109)をコピー機103のスキャナ部210の原稿台にセットする(S601)。
【0102】
これを検知したコピー機103のCPU213は、定期的にサーバ101からダウンロードされてRAM214に記憶されている配付先グループ情報110に基づいて図6の配付先グループ選択画面501をタッチパネル部211上に表示させ(S607)、ユーザからのタッチパネル操作を受け付ける。
【0103】
ユーザは、配付先グループ選択画面501に表示された全配付先グループから、該当するグループをコピー機103のタッチパネル部211より選択する(S602)。
【0104】
ここで、ユーザは、処理を行わず終了する場合は、終了ボタン502をタッチする(S603)。これを検知したコピー機103のCPU213は、配付先グループ選択画面501を閉じて処理を終了する。
【0105】
ユーザは、各配付先グループに設定されているセキュリティレベルの参照や変更を行う場合は、詳細ボタン509をタッチする(S604)。これを検知したコピー機103のCPU213は、RAM214に記憶されている配付先グループ情報110に基づいてタッチパネル部211上に配付先グループの構成員の詳細画面506を表示し(S608)、ユーザからのタッチパネル操作を受け付ける。
【0106】
ユーザが、セキュリティレベルを個人単位で変更したい場合は、参照ボタン513をタッチしてセキュリティレベルを変更設定する(S605)。これを検知したコピー機103のCPU213は、変更設定されたグループの構成員のセキュリティレベルを取得し、RAM214に保持する(S609)。
【0107】
なお、ユーザが、戻りボタン508をタッチすると、コピー機103のCPU213は、タッチパネル部211の表示を配付先グループ選択画面501に戻し、ユーザからのタッチパネル操作を受け付ける。
【0108】
ユーザが、コピー(仕分け複写)を開始したい場合は、コピースタートボタン505をタッチする(S606)。これを検知したコピー機103のCPU213は、ステップS610に処理を進め、仕分けコピー(仕分け複写)を開始する。
【0109】
まず、コピー機103のCPU213は、選択された配付先グループ構成員毎に以下のステップS611〜S621の処理を繰り返すように制御する(S610)。
【0110】
コピー機103のCPU213は、カレントの構成員の所属,役職,氏名,セキュリティレベルをRAM214から取得して(S611)、構成員の宛先表紙を作成し、最初に印刷する(S612)。
【0111】
次に、当該文書の各頁毎に以下のステップS614〜S620の処理を繰り返すように制御する(S613)。
【0112】
コピー機103のCPU213は、コピー原稿をスキャナ部210により1頁読み込み、読み込んだ画像データをRAM214上に格納し、該読み込んだ頁の右下のQRコードを解析する(S614)。このQRコードは、図3に示した頁セキュリティコード310に相当する。このQRコード化された情報が読み込んだ頁内に無い場合は、図示していないが、コピー機103のCPU213は無条件コピーであると解析する。なお、頁セキュリティコード310のデータ例は図4に示してある。
【0113】
次に、コピー機103のCPU213は、S611で取得したカレントの構成員のセキュリティレベルがS614で解析したカレント頁のセキュリティレベル以上か否かを判定する(S615)。
【0114】
そして、ステップS615で、カレントの構成員のセキュリティレベルがカレント頁のセキュリティレベル未満であると判定した場合には、コピー機103のCPU213は、当該頁を印刷することなく、ステップS613に処理を進め、そのまま次の頁の処理に移行する。
【0115】
一方、ステップS615で、カレントの構成員のセキュリティレベルがカレント頁のセキュリティレベル以上であると判定した場合には、コピー機103のCPU213は、ステップS616に処理を進める。
【0116】
コピー機103のCPU213は、頁セキュリティコード310内のシーケンス情報を解析し、セキュリティ化領域の位置情報(機密文字を伏せ字化した領域の位置情報)が指定されているか否かをチェックする(S616)。図4の802に示したように、PSから始まるシーケンスがあればセキュリティ化領域の位置情報が記録されている。
【0117】
そして、セキュリティ化領域が指定されていると判定した場合には、ステップS617に処理を進める。
【0118】
ステップS617では、コピー機103のCPU213は、セキュリティ化領域毎に以下のステップS618〜S620の処理を繰り返すように制御する。
【0119】
コピー機103のCPU213は、セキュリティ化領域の位置情報(図4の802に示したようにPSの後に記録された座標)からセキュリティ化領域の情報であるQRコード(例えば図3の309)を検索する(S618)。
【0120】
コピー機103のCPU213は、検索したセキュリティ化領域の位置情報に基づいて、RAM214内の頁の画像データからQRコード(図3の309)を取得し、QRコードを解析してセキュリティ化領域内のビットマップ情報(即ち、伏せ字化された文字や図のビットマップ)に復元する(S619)。
【0121】
そして、コピー機103のCPU213は、復元したビットマップ情報をセキュリティ化領域の位置情報に合わせてRAM214内の頁の画像データ上にセットする(S620)。
【0122】
次に、コピー機103のCPU213は、RAM214内に格納されるカレント頁の画像データ(S617〜S620の処理が施された画像データ)を印刷装置217により印刷する(S621)。そして、ステップS617に処理を戻し、次のセキュリティ化領域の処理を行う。
【0123】
一方、ステップS616で、カレント頁にセキュリティ化領域が指定されていないと判定した場合には、コピー機103のCPU213は、そのままステップS621に処理を進め、RAM214内に格納されるカレント頁の画像データを印刷装置217により印刷する(S621)。そして、ステップS617に処理を戻し、次のセキュリティ化領域の処理を行う。
【0124】
そして、全てのセキュリティ化領域の処理が終了した場合には、コピー機103のCPU213は、ステップS613に処理を戻し、次の頁の処理を行う。
【0125】
そして、全ての頁の処理が終了したと場合には、コピー機103のCPU213は、ステップS610に処理を戻し、次の配付先グループ構成員の処理を行う。
【0126】
そして、全ての配付先グループ構成員の処理が終了した場合には、コピー機103のCPU213は、本フローチャートの処理を終了する。
【0127】
なお、このフローチャートでは、S614において、毎回、スキャナ部210によりコピー原稿を1頁読み込み、読み込んだ画像データをRAM214上に格納し、該読み込んだ頁の右下のQRコードを解析する処理について示した。しかし、S610の直前に、一度だけコピー原稿の全頁をスキャナ部210により1頁読み込み、読み込んだ画像データを外部メモリ216に格納しておき、以後、S614では外部メモリから該当する頁の画像データを読み出して頁の右下のQRコードを解析するように構成してもよい。
【0128】
以上の処理の結果、セキュリティに合わせた頁が各メンバに仕分けされ、コピーされる。このコピー結果の一例を図9に示す。
【0129】
図9は、本実施形態の仕分けコピー処理を実行した仕分けコピー結果の一例を示す模式図である。なお、この例では、配付先グループとして図7に示した営業部営業1課を指定した場合を示す。
【0130】
図9において、701はコピーする文書であり、この文書は、1〜4頁で構成されており、702に示すように各頁の右下にはQRコードが付加されセキュリティレベルが設定されている。1頁目はセキュリティレベル"H"、2頁目はセキュリティレベル"M"、3頁目はセキュリティレベル"H"、4頁目はセキュリティレベル"L"が設定されている。
【0131】
また、3頁目には、703に示すように隠蔽文字(セキュリティ化領域)が設定されている。
【0132】
このように設定された文書(コピー原稿)に対して、ユーザは図7に示した営業部営業1課を指定して仕分けコピー処理を指示するだけで、以下に示すように仕分けコピーすることができる。
【0133】
まず、課長の特許太郎は、セキュリティレベルが"H"であるため、1〜4の全頁が出力される。また、機密事項伏字化がされた703が、コピー後は704に示すように復元されて印刷される。
【0134】
また、係長の登録望は、セキュリティレベルが"M"であるため、セキュリティレベルが"H"の3頁目は印刷されない。
【0135】
さらに、課員の申請作と鈴木次朗の2名は、セキュリティレベルが"L"であるため、1頁目と4頁目のみが印刷される。
【0136】
なお、全員に、誤配防止のため、名前を印刷した表紙が頭に印刷添付される。さらに、仕分け印刷物にステイプル処理を施すように構成してもよい。これにより、仕分けされた印刷物がバラバラになってしまうことを防止できる。
【0137】
また、上記実施形態では、配付先グループを選択指示する構成について説明したが、配付先の受領者を直接選択指示するように構成してもよい。
【0138】
以上示した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0139】
また、以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0140】
以上説明したように、紙文書を配付先の複数の者に複写印刷して配付する場合に、ページ毎に配付先(受領者)の資格(セキュリティレベル)を記録した情報を、2次元バーコードに変換し、当該頁に付加する。この2次元バーコードを複写印刷時、複写印刷機は読み取り、受領者の資格(セキュリティレベル)が当該頁の資格指定範囲に入るならば印刷し、入らないならば印刷しない機能を有する。この機能により、受領者を選別して印刷する頁を選別できる。
【0141】
そして、上記の処理を配付先グループの構成メンバに行うので、複写する紙文書を、メンバの資格に合わせて、一斉に仕分けしながら印刷することが可能になる。
【0142】
また、複写する紙文書の頁に、一定の資格がある者だけにしか開示できない情報がある場合は、この情報を隠し(例:塗りつぶし)、2次元バーコードに変換して置き換える。前記頁の資格を記録した2次元バーコードにこの隠した情報の位置を追記し、印刷時に復元する。これにより、情報の不必要な開示を防止できる。よって、紙媒体そのものが開示状態であるために、セキュリティの確保が困難な紙文書の内容を、機密文書の複写操作を行う者に対しても適切に開示を制限することができる。
【0143】
従来では、配付対象者により配付すべきページと配付してはならないページが混在する機密性のある紙文書を複写する場合であっても、人手を介しては複写印刷を混在ミスなく仕分けるのは困難であり、セキュリティに関連した文書や、顧客宛の文書では、しばしば重大なトラブルを引き起こすことがあり、その解決が求められていたが、本発明では、複写印刷する機器が、複写原稿から仕分け条件が添付されたコードを読み取り、別途指定された配付先の受取条件と照合し、セキュリティ等に配慮しなければならない機密文書を、一度に複数の配付対象者に正しく仕分けした紙文書を複写印刷することにより、この問題を解決することができる。
【0144】
従って、ページ毎に配付先をチェック、仕分け編集、数える手間を排除し、過不足の無い複写ができるので、安心で簡便な操作から操作ミスを排除でき、情報開示上のセキュリティを容易に確保することができる。
【0145】
また、複写印刷時に操作者が原文書や複写された文書を見ることができない制御を可能にすることから、不必要な開示を防止できる。
【0146】
以下、図10に示すメモリマップを参照して本発明に係るシステムを構成するサーバ101,端末102,コピー機103で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0147】
図10は、本発明に係るシステムを構成するサーバ101,端末102,コピー機103で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【0148】
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0149】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0150】
本実施形態における図5のS410〜S419,図8のS607〜S621に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0151】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0152】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0153】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0154】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0155】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0156】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウエアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0157】
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0158】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0159】
以上により、紙文書を配付先の複数の者に複写印刷して配付する場合に、ページ毎に受領者の資格を記録した情報を、2次元バーコードに変換し、当該頁に付加する。この2次元バーコードを複写印刷時、複写印刷機は読み取り、受領者の資格が当該頁の資格指定範囲に入るならば印刷し、入らないならば印刷しない機能を有するので、一束の紙印刷物を複写印刷機にかけ、複数の者に配付するための複写印刷をするときに、配付される者の受取資格のある頁のみを仕分けして一斉に印刷できる。
【0160】
また、上記の処理を配付先グループの構成メンバに行うので、複写する紙文書を、メンバの資格に合わせて、一斉に仕分けしながら印刷することが可能になる。
【0161】
さらに、複写する紙文書の頁に、一定の資格がある者だけにしか開示できない情報がある場合は、この情報を隠し(例:塗りつぶし)、2次元バーコードに変換して置き換え、前記頁の資格を記録した2次元バーコードにこの隠した情報の位置を追記し、印刷時に復元する。これにより、紙文書の原本に資格のない者に開示したくない情報がある場合、複写時に第三者に見られないように伏せ字にしておき、情報の不必要な開示を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明の一実施形態を示す複写システムの一例を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示したサーバ101,コピー機103のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3A】本実施形態の印刷物登録処理において文書中の機密事項の伏字化(セキュリティ化領域の設定)とセキュリティレベルの設定方法を説明するための図である。
【図3B】本実施形態の印刷物登録処理において文書中の機密事項の伏字化(セキュリティ化領域の設定)とセキュリティレベルの設定方法を説明するための図である。
【図4】図3に示した頁セキュリティコード310の示すデータを説明する図である。
【図5】本発明における第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態における配付先グループの選択及びグループメンバの参照を行う画面の一例を示す模式図である。
【図7】図1に示した配付先マスタ107に登録される配付先グループ情報の一例を示す模式図である。
【図8】本発明における第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態の仕分けコピー処理を実行した仕分けコピー結果の一例を示す模式図である。
【図10】本発明に係るシステムを構成するサーバ101,端末102,コピー機103で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0163】
101 サーバ
102 端末
103 コピー機
104 プリンタ
105 印刷物データ
107 配付先マスタ
109 印刷物
110 配付先グループ情報
112 配付資料
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕分け条件を解析して仕分けしながら複写印刷する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、紙文書のように、ページがバラバラに分離でき、複写することにより、情報が簡単に拡散できる媒体の取扱いには、情報漏洩や誤配等の様々な観点から、その保護策が検討されてきた。
【0003】
近年になり、特にセキュリティに対する保護意識の高まりに呼応して、社会的にも重要な問題として取り上げられることが多くなった。セキュリティは、様々な情報媒体に適用され特に電子媒体には技術面でも多種多様な管理手法が取り入れられている。
【0004】
紙文書は、保管上ではきちんと管理されても、持ち出した後のセキュリティは人間に任される場合が多く、その保護管理は非常に脆弱なものになる。このため、配付後の紙文書の保護対策には、ICタグを文書に付着させる方法や、第三者が複写する際、認証チェックから、その資格を判定する方法等が為されてきた。
【0005】
一方で、複写作業では機密文書であっても人間が介在することが多く、セキュリティ上の問題が潜在している。人間が関係する以上、セキュリティの確保は一重に人間のコンプライアンス意識に依存せざるを得ない状況にある。また、複写時の操作には操作ミスや判断ミスなどの人間の操作上のミスに関連する事故が多い。そこで、コピー部数を人間が判断する際の数え間違い等から不要なコピーが発生することを防ぐ等の簡便な操作性を付与する方法の提案されている。
【0006】
特許文献1は、このような人間の操作上のミスに関連する事故に関する問題点の解決に当たり、あらかじめ設定された組織別人員構成から組織別に必要部数を取得し、無駄のない複写印刷と簡便な操作性を実現している。特許文献1は、必要なコピー出力枚数を数えなくてもコピーの配付先である組織を指定するだけで、組織別に必要な出力枚数をコピーし、組織別に仕分けするので、人間の操作、判断部分が少なく、人間の数え間違い等によりうっかりと不要なコピーを行ってしまう等のミスを排除できるものである。
【特許文献1】特開平7−244446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示の方法では、文書内に混在するページに関して、配付先の条件を解析して、複写可否を判定するといったことができない。よって、権限のある者以外に開示してはいけないページ(機密ページ)が混在した文書を特許文献1の方法で複写して配付すると、機密ページも他のページと同様に複写され配付されてしまう危険がある。
【0008】
また、特許文献1では、機密文書を取り扱う操作者への開示制御が無く、複写操作を行う者は、機密文書を自由に閲覧することができてしまう。複写機を用いて原稿を複写する操作者に対しては、職務上の規則遵守や個人の倫理性を前提として、機密文書をやむを得ず開示していることが多い。
【0009】
しかし、内部の者への無防備な開示は、犯罪や漏洩事件を誘発し、機密保護にとって、最も解決困難な課題となっている。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、
配付先により配付すべき頁と配付してはならない頁が混在する機密性のある紙文書を複写する場合であっても、人手を煩わすことなく、文書のセキュリティレベルを頁毎に識別して、配付先毎に複写頁を取捨選択し、配付先別に仕分けして複写印刷する仕組を提供することである。
【0011】
また、機密文書の複写操作を行う者に対しても機密文書の開示を制限することができる仕組を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、作成された文書データの頁毎に複写印刷を許可するセキュリティレベルを設定するセキュリティレベル設定手段と、前記セキュリティレベル設定手段により頁毎に設定されたセキュリティレベルを所定のコード形式に変換して第1の情報として前記文書データの頁毎に付加するセキュリティレベル付加手段と、前記セキュリティレベル付加手段により頁毎に第1の情報が付加された文書データに基づいて複写原稿を印刷する原稿印刷手段と、配付先の名称と該配付先のセキュリティレベルを特定可能な情報を含む配付先情報を複数記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された複数の配付先情報から1又は複数の配付先を選択して指定する指定手段と、前記原稿印刷手段により印刷された複写原稿から頁毎に画像データを読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた頁毎の画像データから、頁毎に付加されている前記第1の情報を読み出してセキュリティレベルを解析する解析手段と、前記指定手段により指定された配付先毎に、該配付先のセキュリティレベルと前記解析手段により解析した前記頁毎のセキュリティレベルとを比較して、配付先毎及び頁毎に複写印刷の可否を判定する判定手段と、前記判定手段により複写印刷可と判定された頁の画像データを配付先毎に印刷する複写印刷手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の配付先に配付する内容が混在した紙文書に対して、人手を煩わすことなく、文書のセキュリティレベルを頁毎に識別して、配付先毎に複写頁を取捨選択し、配付先別に仕分けして複写印刷することができる。
【0014】
また、紙媒体そのものが開示状態であるために、セキュリティの確保が困難な機密文書の内容を、機密文書の複写操作を行う者に対しても適切に開示制限することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、紙文書の各頁毎に、独立して当該頁の複写条件(複写の可否を判別するための根拠となる条件要素や範囲を指定した情報)が判別できる情報を付加し、複写時には、前記頁の複写条件を複写機などが解析可能な2次元バーコード等のコード化された情報として読み取り、別途与えられた配付先の資格条件と前記頁複写条件と照合して、複写が許可される条件範囲内にあれば、当該配付先に当該頁を複写・配付することを意図している。
【0016】
本実施形態では、機密性を伴った文書を企業内における各部門やグループ(以下、配付先グループと言う)に配付する際、企業内稼動のサーバが配付先グループの配付対象者とそのセキュリティ権限情報を提供し、コピー機が配付対象者毎、文書を構成する各頁毎、両者のセキュリティ権限に応じた選別を行い、複写印刷及び仕分けする事例である。即ち、配付先の資格条件として、配付対象者のセキュリティ権限、頁の複写条件として、頁のセキュリティ権限という具体的な条件を使用して説明するものである。従って、本発明は、セキュリティ権限以外の条件や資格を利用できることは言うまでもない。
【0017】
紙文書は事前に、社内で作成し、当該文書のページ毎にセキュリティを付与し、一度、紙文書にする方法を採用している。文書へのセキュリティ権限付与の方法が同じであるならば、紙文書を構成するページは、別々に作成し、それらを混在させたものであっても構わない。
【0018】
また、本実施形態で使用するコピー機は、セキュリティ識別等を情報に持つQRコードの解析機能を持ち、印刷判断や仕分け分類機能を有するデジタル複合機を想定している。
【0019】
以下、この実施形態について具体的に説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態を示す複写システムの一例を示すシステム構成図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の複写システムは、サーバ101、サーバ101のクライアント装置として動作可能なパーソナルコンピュータ(PC)等の端末102(102a〜102c)、デジタル複合機等のコピー機103、プリンタ104等がネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0022】
サーバ101は、配付先マスタ107により、配付先グループ情報を記憶管理する。なお、配付先グループ情報は、配付先グループ名、各個人(社員)の所属部署・氏名・役職、セキュリティレベル、及び、その他のコード類等を含むものであり詳細は後述する図7に示す。また、この配付先グループ情報は、サーバ101が制御する配付先グループ登録機能により、端末102aから配付先マスタ107に登録可能である。
【0023】
また、サーバ101は、セキュリティ付与について、図示しない人事マスタに基づき、配付先権限を社内組織構造に合わせて登録(記憶)されている。
【0024】
以下、本複写システムにおける複写手順について説明する。
【0025】
まず、ユーザは端末102bによりサーバ101への文書登録処理を行う。この文書登録処理では、ユーザは端末102bにより、文書等の印刷物データを作成し、該作成した印刷物データの機密部分をバーコード(QRコード等)化し、該印刷データの各頁にバーコードにてセキュリティレベルを設定し、印刷物データ105としてサーバ101に登録する。なお、この文書登録処理の詳細は後述する。サーバ101は、この印刷物データ105を記憶保持する。
【0026】
次に、ユーザは端末102cによりサーバ101に記憶される印刷物データ105の印刷処理を行う。この印刷処理では、ユーザは端末102cにより印刷物データ105の印刷指示を行い、プリンタ104等を用いて印刷物データ105を印刷する。これにより、機密部分がバーコードにて印字され、各頁にバーコードにてセキュリティ情報が印字された印刷物109が出力される。
【0027】
この印刷物109は、各頁にバーコードにてセキュリティレベルを登録する方式が同一のルールに従っている限り、複数の印刷物を混在してコピーでき、仕分けを行うことができる。
【0028】
次に、ユーザはコピー機103に上記印刷処理により印刷された印刷物109をセットする。コピー機103は、サーバ101に登録されている全ての配付先グループ情報110を読み込み、この配付先グループ情報110に基づいてコピー機103のタッチパネル上に全配付先グループを表示する。
【0029】
そして、ユーザは、表示された配付先グループより配付先を指定し、コピースタートボタンを押下する。これを検知したコピー機103は、印刷物109を読み取り、印刷物109の各頁にバーコードにて記録されているセキュリティレベルと、指定された配付先各人のセキュリティレベルを比較し、該当頁がコピー対象か否かを判定する。なお、セキュリティレベルが印刷物以上の上位であるならばコピー対象となる。
【0030】
そして、コピー機103は、配付先各人のセキュリティレベルに合った頁のみをコピーし、機密部分を文字(図)に変換(復元)し、配付資料112を出力する。
【0031】
なお、コピー機103にて配付先グループが複数指定された場合、コピーされた資料112は各配付先グループ毎にまとめられる。また、各仕分けされた資料112の先頭頁には、配付先となる人の名前等が印刷され、誤配付が無いように配慮されている。
【0032】
なお、図示していないが、配付先別に仕分けされた1組の複写印刷物をステイプルにより封緘(または、4隅を閉じる)すれば、複写操作者の目に触れる部分は表紙と裏表紙だけになり、中身をみることができなくなるので、より保護が強化される。
【0033】
なお、端末102a〜102cは、同一の端末であってもよいし、異なる端末であってもよい。以下、端末102a〜102cを単に端末102と呼ぶ。
【0034】
図2は、図1に示したサーバ101,コピー機103のハードウェア構成の一例を示すブロック図であり、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0035】
図2に示すように、サーバ101はLAN230を介してコピー機103と通信可能に接続されている。
【0036】
サーバ101は、CPU201、RAM202、ROM203、外部メモリ204、入力装置206、表示装置207、通信インタフェース208等を備え、これらがシステムバス209を介して互いに接続されている。なお、実際には201〜208とシステムバス209との間にはインタフェース回路やチップセット等が存在するが、図では省略されている。
【0037】
CPU201は、ROM203又は外部メモリ204等に記憶保存されたプログラムを読み出して実行することにより、各種制御処理を実行する。RAM202は、CPU201の作業領域として使用される。
【0038】
通信インタフェース208は、LAN230に接続され、コピー機103等と通信を行うためのものである。外部メモリ204は、配付先マスタ107,図示しない人事マスタ,印刷物データを格納するDB205が設けられている。
【0039】
なお、図1に示した端末102も、サーバ103と同様のハードウェア構成である。
【0040】
コピー機103には、スキャナ部210、タッチパネル部211、印刷装置(プリンタ部)217、通信インタフェース212、CPU213、RAM214、ROM215、外部メモリ216等を備え、これらがシステムバス219を介して互いに接続されている。なお、実際には210〜217とシステムバス219との間にはインタフェース回路やチップセット等が存在するが、図では省略されている。
【0041】
スキャナ部210は、原稿から画像データを読み取るためのものであり、コピーする資料の読み込みを行う。また、スキャナ部210は、循環式の原稿給送装置を備えるものであり、原稿給送台に載置された原稿束から原稿を一枚ずつ給送して読み取ることができる。なお、一度読み取られた原稿は原稿給送台に戻り再度読み込み可能となる。
【0042】
タッチパネル部211は、液晶ディスプレイにタッチパネルが付加されたものであり、このタッチパネル部211上に表示されたボタンをユーザがタッチ(押下)することにより、コピー機103を操作指示可能である。ユーザはこのタッチパネル部211を用いて、コピーの配付先グループの指定などを行うことができる。
【0043】
印刷装置217は、スキャナ部210から読み込まれた画像データを印刷するためのものである。
【0044】
CPU213は、ROM215又は外部メモリ216等に記憶保存されたプログラムを読み出して実行することにより、各種制御処理を実行する。RAM214は、CPU213の作業領域として使用される。なお、後述するQRコード解析及び生成についても、CPU213がプログラムをRAM214上で実行し、処理する。
【0045】
通信インタフェース212は、LAN230に接続し、サーバ101等と通信を行うためのものである。
【0046】
外部メモリ216には、サーバ101から送付され、更新する配付先グループ情報を格納したDB218が設けられている(図2)。稼働時には、コピー機103は、DB218からRAM214に配付先グループ情報を読み取り記憶する。この情報は、サーバ101から稼動時毎に配付先グループ情報が送付されるならばRAM214に格納するように構成してもよい。
【0047】
以下、図3〜図5を参照して、印刷物登録処理について説明する。
【0048】
まず、図3を参照して、文書中の機密事項の伏字化(セキュリティ化領域の設定)とセキュリティレベルの設定を行うためのユーザインタフェースについて説明する。
【0049】
図3A,図3Bは、本実施形態の印刷物登録処理において文書中の機密事項の伏字化(セキュリティ化領域の設定)とセキュリティレベルの設定方法を説明するための図である。
【0050】
図3A,図3Bにおいて、301はセキュリティ設定画面である。このセキュリティ設定画面301は、ユーザからの指示に応じて端末102のCPUによりサーバ101からダウンロ−ドされて端末102の表示装置に表示される。なお、この際、セキュリティ設定画面301の制御プログラムもダウンロードされ、以後、このプログラムを端末102のCPUが実行することにより、端末102のCPUはセキュリティ設定画面301を制御する。
【0051】
311は文書選択ボタンであり、このボタンをマウス等の入力装置により押下指示されると、端末102のCPUは図示しない文書選択ダイアログを表示して、アプリケーションプログラム等により作成され端末102の外部メモリに格納された文書データを選択させる。文書データが選択されると、端末102のCPUは、選択された文書データを文書表示領域302に表示制御する。なお、文書表示領域302にて、文書を新規作成したり、編集可能に構成してもよい。
【0052】
303は文字セキュリティ化設定部であり、ユーザは文書表示領域302において、マウス等の入力装置により、306に示すように機密事項該当箇所を選択し、チェックボックス303aをONにした後、実行ボタン303bを押下することで、306に示したように選択された文字列を機密事項文字(伏字)に設定することができる。なお、ここでは、文字列を伏文字にする例を示したが、機密事項となる画像等を含む領域を選択して該選択領域をモザイクや黒塗り等で識別不可能に画像処理するように構成してもよい。以下、文字セキュリティ化設定部303での設定を、セキュリティ化領域の設定という。
【0053】
304はページ毎のセキュリティレベル設定部であり、ユーザは、マウス等の入力装置により、チェックボックス304aをON(チェック付け)した後、コンボボックス304bよりセキュリティレベル(H:高、M:中、L:低)の選択を行った後、実行ボタン304cを押下することで、302に表示されているページにセキュリティレベルを設定することができる。
【0054】
312は文書登録ボタンであり、このボタンをマウス等の入力装置により押下指示されると、端末102のCPUは、文書データを印刷物データ105としてサーバ101に送信して登録を要求する。
【0055】
307はセキュリティレベルが設定された文書(印刷物データ105)の一例を示すものであり、印刷結果も同様となる。
【0056】
308は、306に示したように選択されセキュリティ化領域設定された文字列が塗りつぶしされ伏字にされた状態を示す。
【0057】
309は、セキュリティ化領域のデータ(ここでは文字列"1億5000万")をQRコード化したビットマップ情報であり、セキュリティ化領域308の先頭に印刷される。
【0058】
310は頁セキュリティコードであり、当該頁のセキュリティレベルとセキュリティ化領域308の位置情報を合わせた情報がQRコード化され、頁右下の欄外に付加された状態を示す。
【0059】
以下、図4を参照して、図3に示した頁セキュリティコード310について説明する。
【0060】
図4は、図3に示した頁セキュリティコード310の示すデータを説明する図である。
【0061】
図3に示した頁セキュリティコード310は、801又は802に示すようなデータを示している。なお、801はセキュリティ化領域が設定されていない場合に対応し、802はセキュリティ化領域が設定されている場合に対応する。
【0062】
801において、"/SC"はセキュリティレベル情報の開始を示し、最後の"/"はセキュリティレベル情報の終了を示す。
【0063】
セキュリティレベル情報"/SC<H>/"において、"<H>"はHレベルのセキュリティを示す。その他、"<M>"、"<L>"、"<>"の順でセキュリティレベルが設定されている。なお、"<>"は無条件複写を示すセキュリティレベルを示す。
【0064】
802においても同様に、"/SC<H>"はセキュリティレベル情報の開始を示し、"<H>"はHレベルのセキュリティを示し、最後の"/"はセキュリティレベル情報の終了を示す。
【0065】
なお、802内のカンマ"、"は、情報が続くことを示す。そして、802内の"PS"はセキュリティ化領域が設定されていることを表す。"PS"直後の"<"、">"で囲んだ数値2つは、セキュリティ化領域の右上の横方向と縦方向の座標である。次の"<"、">"で囲んだ数値2つは、セキュリティ化領域の左下の横方向と縦方向の座標である。
【0066】
なお、2つ目以降のセキュリティ化領域がある場合も、カンマ"、"で区切り、同様に"PS"から始める。そして、上述のように、最後は"/"で識別する。
【0067】
以上示したように、図3の頁セキュリティコード310は、801や802に示したような情報がQRコード化されたものとなる。
【0068】
なお、本実施形態では、309,310に示したように、紙文書に付加する頁セキュリティコード310やセキュリティ化領域のデータ309は、2次元バーコードのQRコードを使用して説明しているが、QRコードのどのモデル、どのバージョンでもよい。また、QRコード以外の他のバーコード等を使用しても実施可能である。さらに、バーコード以外の電子透かし等を使用しても実施可能であることは言うまでもない。また、バーコードを印刷したシールを紙文書(複写原稿)に貼り付けるように構成してもよい。さらに、紙に漉き込んだ(又は貼り付けた)RFIDも読み込み/書き込みの手法をRFIDに合わせた形態に変更することにより、本発明に利用可能である。
【0069】
以下、図5のフローチャートを用いて印刷物登録処理について説明する。
【0070】
図5は、本発明における第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、本実施形態の印刷物登録処理に対応する。なお、図中、S401〜S409はユーザによる判断・操作を示す。また、S410〜S418は端末102のCPUがサーバ101よりダウンロードしたプログラムをRAM上で実行することにより実現される。
【0071】
まず、ユーザがセキュリティ設定画面301から文書選択ボタン311をマウス等の入力装置により押下指示して登録する文書を選択指示すると、該指示に応じて、端末102のCPUが、選択された文書を読み込み、文書表示領域302に表示し、ユーザからの指示を受け付ける。以下、本フローチャートに示す。
【0072】
ユーザは、選択した文書の全頁に対して、次のS402〜S407の判断・操作を行う(S401)。
【0073】
ユーザは、選択した文書に文字のセキュリティ化をする場合(S402)、マウス等の入力装置により、文書中の該当箇所(セキュリティ化領域)を図3の306のように選択し(S403)、文書セキュリティ化のチェックボックス303aをオン(チェック済み)にして(S404)、実行ボタン303bを押下する。
【0074】
この操作を検知した端末102のCPUは、選択されている全てのセキュリティ化領域に対して順次S411〜S414の処理を実行するように制御する(S410)。
【0075】
まず、端末102のCPUは、セキュリティ化領域の位置情報を取得してRAMに記憶し、該セキュリティ化領域の位置情報から当該セキュリティ化領域のビットマップ情報を取得しRAMに記憶する(S411)。
【0076】
次に、端末102のCPUは、セキュリティ化領域を黒く塗りつぶした表現に入れ替える(S412)。なお、黒く塗りつぶした表現の代わりに、枠線付き白抜きでも、モザイク等でもよく、セキュリティ化領域の文字を解読不可能にする画像処理であればどのような画像処理を施してもよい。
【0077】
次に、端末102のCPUは、当該セキュリティ化領域のビットマップ情報をQRコード化し(S413)、セキュリティ化領域306の先頭にQRコードをセット(付加)する(S414)。
【0078】
以上の処理をセキュリティ化領域として選択された全ての領域に対して実行したと判定した場合には、端末102のCPUは、ユーザからの指示を受け付ける。
【0079】
次に、ユーザは、当該頁にセキュリティレベルを設定する場合(S405)、マウス等の入力装置により、セキュリティレベル設定のチェックボックス304aをオンにする(S406)。次に、ユーザは、マウス等の入力装置により、コンボボックス304bにより頁のセキュリティレベルを設定し、実行キー304cを押下する(S407)。
【0080】
この操作を検知した端末102のCPUは、まず、当該頁のセキュリティレベルのシーケンス情報(図4に示した"/SC<H>/"等)を生成する(S415)。次に、端末102のCPUは、当該頁にセキュリティ化領域があるか否かを判定する(S416)。そして、当該頁にセキュリティ化領域があると判定した場合には、端末102のCPUは、頁セキュリティレベルのシーケンスへ保存していたセキュリティ化領域位置情報(図4に示した"PS<20、45><30、50>、・・・"等)を連結する(S417)。
【0081】
次に、端末102のCPUは、頁セキュリティレベルのシーケンス情報からQRコードを生成し、該生成したQRコードを図3の310のように当該頁の右下に添付するように制御する(S418)。なお、生成する当該頁のQRコードは、当該頁のセキュリティレベルとセキュリティ領域の位置情報が合体したものとして形成される。その情報の詳細は図4に示してある。
【0082】
ステップS418の処理が終了すると、端末102のCPUは、ユーザからの指示を受け付ける。
【0083】
ユーザは、次の頁の判断・操作に移る。そして、選択した文書の全頁に対してS402〜S407の判断・操作の終了後、ユーザが文書を印刷物データ105としてサーバ101に登録する場合(S408)、ユーザはマウス等の入力装置により文書登録ボタン312を押下する。
【0084】
この操作を検知した端末102のCPUは、S410〜S418等の処理を施した文書を印刷物データ105としてサーバ101に送信して登録を要求する。
【0085】
この印刷物データ105を受信したサーバ101のCPUは、該印刷物データ105をDBに記憶させる。以上の処理により、印刷物データ105はサーバ101に登録される。
【0086】
なお、図3,図5に示した登録処理は、端末102のCPUがサーバ101よりダウンロードしたプログラムを実行することにより実現されるものとして説明した。しかし、端末102のCPUが端末102の外部メモリに格納されたプログラムをRAM上に読み出して実行することにより上記登録処理を実現するように構成してもよい。
【0087】
また、本実施形態では、印刷物データ105を一旦サーバ101に登録し、該登録された印刷物データを印刷処理するように構成しているが、端末102で作成された印刷物データ105をサーバ101に登録することなく、端末102から直接、図3の307に示したように処理された文書を印刷処理するように構成してもよい。
【0088】
以下、図6〜図9を参照して、本実施形態の仕分け複写処理について説明する。
【0089】
図6は、本実施形態における配付先グループの選択及びグループメンバの参照を行う画面の一例を示す模式図である。
【0090】
図6において、501は配付先グループ選択画面であり、コピー機103のスキャナ部210上に原稿がセットされたことに応じて、コピー機103のCPU213213の制御により、タッチパネル部211に表示される。この配付先グループ選択画面501は、選択可能な配付先グループが表示される。ユーザは、504に示すように配付先グループ名をタッチして、コピーの配付先を複数選択可能である。
【0091】
509は詳細ボタンであり、配付先グループのメンバを確認する場合に使用される。この詳細ボタン509がタッチされると、コピー機103のCPU213は、詳細画面506をタッチパネル部211に表示制御する。
【0092】
配付先グループ及びその構成員は、図1に示した登録処理により、管理者等により予めサーバ101の配付先マスタ107に登録されているものであり、コピー時には配付先を勝手に変更することはできないように構成されている。
【0093】
コピー機103のCPU213は、サーバ101の配付先マスタ107から定期的に取得更新してRAM214等に格納してある配付先グループ情報に基づいて配付先グループ選択画面501,詳細画面506を表示している。
【0094】
なお、図7は、図1に示した配付先マスタ107に登録される配付先グループ情報の一例を示す模式図である。
【0095】
なお、配付先グループ情報において、キーは配付先コードであるが、この配付先コードは画面に表示せず、コピー機103が内部で認識及び識別している。同様に各個人毎の社員番号や所属グループコードも同様である。以下、図6の説明に戻る。
【0096】
詳細画面506は、構成員の役職510、名前511、セキュリティレベル512を表示する。なお、セキュリティレベル512は、プルダウンメニュー513により変更可能である。配付物の種類により、下位の者も参照できる場合があるからである。但し、管理者等がセキュリティレベル512を変更不可能に設定できるように構成してもよい。
【0097】
508は戻りボタンであり、この戻りボタン508がタッチされると、コピー機103のCPU213は、タッチパネル部211の表示を配付先グループ選択画面501に画面を戻すように制御する。
【0098】
502は終了ボタンであり、この終了ボタン502がタッチされると、コピー機103のCPU213は、配付先グループ選択画面501を閉じ、作業は終了する。
【0099】
505はコピースタートボタンであり、このコピースタートボタン505がタッチされると、コピー機103のCPU213は、本実施形態のコピー処理を開始する。
【0100】
図8は、本発明における第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、本実施形態の仕分けコピー(仕分け複写)処理に対応する。なお、図中、S601〜S606はユーザによる判断・操作を示す。また、S607〜S621はコピー機103のCPU213がROM215又は外部メモリから読み出したプログラムを実行することにより実現される。
【0101】
まず、配付機能のバーコードの付いたコピー原稿(即ち、図1に示した印刷物109)をコピー機103のスキャナ部210の原稿台にセットする(S601)。
【0102】
これを検知したコピー機103のCPU213は、定期的にサーバ101からダウンロードされてRAM214に記憶されている配付先グループ情報110に基づいて図6の配付先グループ選択画面501をタッチパネル部211上に表示させ(S607)、ユーザからのタッチパネル操作を受け付ける。
【0103】
ユーザは、配付先グループ選択画面501に表示された全配付先グループから、該当するグループをコピー機103のタッチパネル部211より選択する(S602)。
【0104】
ここで、ユーザは、処理を行わず終了する場合は、終了ボタン502をタッチする(S603)。これを検知したコピー機103のCPU213は、配付先グループ選択画面501を閉じて処理を終了する。
【0105】
ユーザは、各配付先グループに設定されているセキュリティレベルの参照や変更を行う場合は、詳細ボタン509をタッチする(S604)。これを検知したコピー機103のCPU213は、RAM214に記憶されている配付先グループ情報110に基づいてタッチパネル部211上に配付先グループの構成員の詳細画面506を表示し(S608)、ユーザからのタッチパネル操作を受け付ける。
【0106】
ユーザが、セキュリティレベルを個人単位で変更したい場合は、参照ボタン513をタッチしてセキュリティレベルを変更設定する(S605)。これを検知したコピー機103のCPU213は、変更設定されたグループの構成員のセキュリティレベルを取得し、RAM214に保持する(S609)。
【0107】
なお、ユーザが、戻りボタン508をタッチすると、コピー機103のCPU213は、タッチパネル部211の表示を配付先グループ選択画面501に戻し、ユーザからのタッチパネル操作を受け付ける。
【0108】
ユーザが、コピー(仕分け複写)を開始したい場合は、コピースタートボタン505をタッチする(S606)。これを検知したコピー機103のCPU213は、ステップS610に処理を進め、仕分けコピー(仕分け複写)を開始する。
【0109】
まず、コピー機103のCPU213は、選択された配付先グループ構成員毎に以下のステップS611〜S621の処理を繰り返すように制御する(S610)。
【0110】
コピー機103のCPU213は、カレントの構成員の所属,役職,氏名,セキュリティレベルをRAM214から取得して(S611)、構成員の宛先表紙を作成し、最初に印刷する(S612)。
【0111】
次に、当該文書の各頁毎に以下のステップS614〜S620の処理を繰り返すように制御する(S613)。
【0112】
コピー機103のCPU213は、コピー原稿をスキャナ部210により1頁読み込み、読み込んだ画像データをRAM214上に格納し、該読み込んだ頁の右下のQRコードを解析する(S614)。このQRコードは、図3に示した頁セキュリティコード310に相当する。このQRコード化された情報が読み込んだ頁内に無い場合は、図示していないが、コピー機103のCPU213は無条件コピーであると解析する。なお、頁セキュリティコード310のデータ例は図4に示してある。
【0113】
次に、コピー機103のCPU213は、S611で取得したカレントの構成員のセキュリティレベルがS614で解析したカレント頁のセキュリティレベル以上か否かを判定する(S615)。
【0114】
そして、ステップS615で、カレントの構成員のセキュリティレベルがカレント頁のセキュリティレベル未満であると判定した場合には、コピー機103のCPU213は、当該頁を印刷することなく、ステップS613に処理を進め、そのまま次の頁の処理に移行する。
【0115】
一方、ステップS615で、カレントの構成員のセキュリティレベルがカレント頁のセキュリティレベル以上であると判定した場合には、コピー機103のCPU213は、ステップS616に処理を進める。
【0116】
コピー機103のCPU213は、頁セキュリティコード310内のシーケンス情報を解析し、セキュリティ化領域の位置情報(機密文字を伏せ字化した領域の位置情報)が指定されているか否かをチェックする(S616)。図4の802に示したように、PSから始まるシーケンスがあればセキュリティ化領域の位置情報が記録されている。
【0117】
そして、セキュリティ化領域が指定されていると判定した場合には、ステップS617に処理を進める。
【0118】
ステップS617では、コピー機103のCPU213は、セキュリティ化領域毎に以下のステップS618〜S620の処理を繰り返すように制御する。
【0119】
コピー機103のCPU213は、セキュリティ化領域の位置情報(図4の802に示したようにPSの後に記録された座標)からセキュリティ化領域の情報であるQRコード(例えば図3の309)を検索する(S618)。
【0120】
コピー機103のCPU213は、検索したセキュリティ化領域の位置情報に基づいて、RAM214内の頁の画像データからQRコード(図3の309)を取得し、QRコードを解析してセキュリティ化領域内のビットマップ情報(即ち、伏せ字化された文字や図のビットマップ)に復元する(S619)。
【0121】
そして、コピー機103のCPU213は、復元したビットマップ情報をセキュリティ化領域の位置情報に合わせてRAM214内の頁の画像データ上にセットする(S620)。
【0122】
次に、コピー機103のCPU213は、RAM214内に格納されるカレント頁の画像データ(S617〜S620の処理が施された画像データ)を印刷装置217により印刷する(S621)。そして、ステップS617に処理を戻し、次のセキュリティ化領域の処理を行う。
【0123】
一方、ステップS616で、カレント頁にセキュリティ化領域が指定されていないと判定した場合には、コピー機103のCPU213は、そのままステップS621に処理を進め、RAM214内に格納されるカレント頁の画像データを印刷装置217により印刷する(S621)。そして、ステップS617に処理を戻し、次のセキュリティ化領域の処理を行う。
【0124】
そして、全てのセキュリティ化領域の処理が終了した場合には、コピー機103のCPU213は、ステップS613に処理を戻し、次の頁の処理を行う。
【0125】
そして、全ての頁の処理が終了したと場合には、コピー機103のCPU213は、ステップS610に処理を戻し、次の配付先グループ構成員の処理を行う。
【0126】
そして、全ての配付先グループ構成員の処理が終了した場合には、コピー機103のCPU213は、本フローチャートの処理を終了する。
【0127】
なお、このフローチャートでは、S614において、毎回、スキャナ部210によりコピー原稿を1頁読み込み、読み込んだ画像データをRAM214上に格納し、該読み込んだ頁の右下のQRコードを解析する処理について示した。しかし、S610の直前に、一度だけコピー原稿の全頁をスキャナ部210により1頁読み込み、読み込んだ画像データを外部メモリ216に格納しておき、以後、S614では外部メモリから該当する頁の画像データを読み出して頁の右下のQRコードを解析するように構成してもよい。
【0128】
以上の処理の結果、セキュリティに合わせた頁が各メンバに仕分けされ、コピーされる。このコピー結果の一例を図9に示す。
【0129】
図9は、本実施形態の仕分けコピー処理を実行した仕分けコピー結果の一例を示す模式図である。なお、この例では、配付先グループとして図7に示した営業部営業1課を指定した場合を示す。
【0130】
図9において、701はコピーする文書であり、この文書は、1〜4頁で構成されており、702に示すように各頁の右下にはQRコードが付加されセキュリティレベルが設定されている。1頁目はセキュリティレベル"H"、2頁目はセキュリティレベル"M"、3頁目はセキュリティレベル"H"、4頁目はセキュリティレベル"L"が設定されている。
【0131】
また、3頁目には、703に示すように隠蔽文字(セキュリティ化領域)が設定されている。
【0132】
このように設定された文書(コピー原稿)に対して、ユーザは図7に示した営業部営業1課を指定して仕分けコピー処理を指示するだけで、以下に示すように仕分けコピーすることができる。
【0133】
まず、課長の特許太郎は、セキュリティレベルが"H"であるため、1〜4の全頁が出力される。また、機密事項伏字化がされた703が、コピー後は704に示すように復元されて印刷される。
【0134】
また、係長の登録望は、セキュリティレベルが"M"であるため、セキュリティレベルが"H"の3頁目は印刷されない。
【0135】
さらに、課員の申請作と鈴木次朗の2名は、セキュリティレベルが"L"であるため、1頁目と4頁目のみが印刷される。
【0136】
なお、全員に、誤配防止のため、名前を印刷した表紙が頭に印刷添付される。さらに、仕分け印刷物にステイプル処理を施すように構成してもよい。これにより、仕分けされた印刷物がバラバラになってしまうことを防止できる。
【0137】
また、上記実施形態では、配付先グループを選択指示する構成について説明したが、配付先の受領者を直接選択指示するように構成してもよい。
【0138】
以上示した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0139】
また、以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0140】
以上説明したように、紙文書を配付先の複数の者に複写印刷して配付する場合に、ページ毎に配付先(受領者)の資格(セキュリティレベル)を記録した情報を、2次元バーコードに変換し、当該頁に付加する。この2次元バーコードを複写印刷時、複写印刷機は読み取り、受領者の資格(セキュリティレベル)が当該頁の資格指定範囲に入るならば印刷し、入らないならば印刷しない機能を有する。この機能により、受領者を選別して印刷する頁を選別できる。
【0141】
そして、上記の処理を配付先グループの構成メンバに行うので、複写する紙文書を、メンバの資格に合わせて、一斉に仕分けしながら印刷することが可能になる。
【0142】
また、複写する紙文書の頁に、一定の資格がある者だけにしか開示できない情報がある場合は、この情報を隠し(例:塗りつぶし)、2次元バーコードに変換して置き換える。前記頁の資格を記録した2次元バーコードにこの隠した情報の位置を追記し、印刷時に復元する。これにより、情報の不必要な開示を防止できる。よって、紙媒体そのものが開示状態であるために、セキュリティの確保が困難な紙文書の内容を、機密文書の複写操作を行う者に対しても適切に開示を制限することができる。
【0143】
従来では、配付対象者により配付すべきページと配付してはならないページが混在する機密性のある紙文書を複写する場合であっても、人手を介しては複写印刷を混在ミスなく仕分けるのは困難であり、セキュリティに関連した文書や、顧客宛の文書では、しばしば重大なトラブルを引き起こすことがあり、その解決が求められていたが、本発明では、複写印刷する機器が、複写原稿から仕分け条件が添付されたコードを読み取り、別途指定された配付先の受取条件と照合し、セキュリティ等に配慮しなければならない機密文書を、一度に複数の配付対象者に正しく仕分けした紙文書を複写印刷することにより、この問題を解決することができる。
【0144】
従って、ページ毎に配付先をチェック、仕分け編集、数える手間を排除し、過不足の無い複写ができるので、安心で簡便な操作から操作ミスを排除でき、情報開示上のセキュリティを容易に確保することができる。
【0145】
また、複写印刷時に操作者が原文書や複写された文書を見ることができない制御を可能にすることから、不必要な開示を防止できる。
【0146】
以下、図10に示すメモリマップを参照して本発明に係るシステムを構成するサーバ101,端末102,コピー機103で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0147】
図10は、本発明に係るシステムを構成するサーバ101,端末102,コピー機103で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【0148】
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0149】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0150】
本実施形態における図5のS410〜S419,図8のS607〜S621に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0151】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0152】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0153】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0154】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0155】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0156】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウエアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0157】
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0158】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0159】
以上により、紙文書を配付先の複数の者に複写印刷して配付する場合に、ページ毎に受領者の資格を記録した情報を、2次元バーコードに変換し、当該頁に付加する。この2次元バーコードを複写印刷時、複写印刷機は読み取り、受領者の資格が当該頁の資格指定範囲に入るならば印刷し、入らないならば印刷しない機能を有するので、一束の紙印刷物を複写印刷機にかけ、複数の者に配付するための複写印刷をするときに、配付される者の受取資格のある頁のみを仕分けして一斉に印刷できる。
【0160】
また、上記の処理を配付先グループの構成メンバに行うので、複写する紙文書を、メンバの資格に合わせて、一斉に仕分けしながら印刷することが可能になる。
【0161】
さらに、複写する紙文書の頁に、一定の資格がある者だけにしか開示できない情報がある場合は、この情報を隠し(例:塗りつぶし)、2次元バーコードに変換して置き換え、前記頁の資格を記録した2次元バーコードにこの隠した情報の位置を追記し、印刷時に復元する。これにより、紙文書の原本に資格のない者に開示したくない情報がある場合、複写時に第三者に見られないように伏せ字にしておき、情報の不必要な開示を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明の一実施形態を示す複写システムの一例を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示したサーバ101,コピー機103のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3A】本実施形態の印刷物登録処理において文書中の機密事項の伏字化(セキュリティ化領域の設定)とセキュリティレベルの設定方法を説明するための図である。
【図3B】本実施形態の印刷物登録処理において文書中の機密事項の伏字化(セキュリティ化領域の設定)とセキュリティレベルの設定方法を説明するための図である。
【図4】図3に示した頁セキュリティコード310の示すデータを説明する図である。
【図5】本発明における第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態における配付先グループの選択及びグループメンバの参照を行う画面の一例を示す模式図である。
【図7】図1に示した配付先マスタ107に登録される配付先グループ情報の一例を示す模式図である。
【図8】本発明における第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態の仕分けコピー処理を実行した仕分けコピー結果の一例を示す模式図である。
【図10】本発明に係るシステムを構成するサーバ101,端末102,コピー機103で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0163】
101 サーバ
102 端末
103 コピー機
104 プリンタ
105 印刷物データ
107 配付先マスタ
109 印刷物
110 配付先グループ情報
112 配付資料
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作成された文書データの頁毎に複写印刷を許可するセキュリティレベルを設定するセキュリティレベル設定手段と、
前記セキュリティレベル設定手段により頁毎に設定されたセキュリティレベルを所定のコード形式に変換して第1の情報として前記文書データの頁毎に付加するセキュリティレベル付加手段と、
前記セキュリティレベル付加手段により頁毎に第1の情報が付加された文書データに基づいて複写原稿を印刷する原稿印刷手段と、
配付先の名称と該配付先のセキュリティレベルを特定可能な情報を含む配付先情報を複数記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された複数の配付先情報から1又は複数の配付先を選択して指定する指定手段と、
前記原稿印刷手段により印刷された複写原稿から頁毎に画像データを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた頁毎の画像データから、頁毎に付加されている前記第1の情報を読み出してセキュリティレベルを解析する解析手段と、
前記指定手段により指定された配付先毎に、該配付先のセキュリティレベルと前記解析手段により解析した前記頁毎のセキュリティレベルとを比較して、配付先毎及び頁毎に複写印刷の可否を判定する判定手段と、
前記判定手段により複写印刷可と判定された頁の画像データを配付先毎に印刷する複写印刷手段と、
を有することを特徴とする複写システム。
【請求項2】
前記文書データの各頁に1又は複数の隠蔽化領域を設定可能な隠蔽化領域設定手段と、
前記隠蔽化領域設定手段により設定された頁内の各隠蔽化領域を解読不可能に画像処理するとともに、各隠蔽化領域の画像処理前のビットマップ画像データを所定のコード形式に変換して第2の情報として当該頁内に付加する隠蔽化領域付加手段とを設け、
前記判定手段により複写印刷可と判定された頁の画像データに、前記第2の情報が付加されている場合、前記第2の情報を読み出して対応する隠蔽化領域上にビットマップ画像を復元する復元手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の複写システム。
【請求項3】
前記セキュリティレベル付加手段は、前記セキュリティレベルに加えて、前記隠蔽化領域設定手段により設定された各隠蔽化領域の位置情報を、所定コード形式に変換して第1の情報として前記文書データの頁毎に付加するものであり、
前記解析手段は、前記読取手段により読み取られた頁毎の画像データから、頁毎に所定のコード形式で付加されている前記第1の情報を読み出してセキュリティレベル及び各隠蔽化領域の位置情報を解析するものであり、
前記復元手段は、前記判定手段により複写印刷が許可された頁の画像データに、前記第2の情報が付加されている場合、前記第2の情報を読み出して前記隠蔽化領域の位置情報に対応する隠蔽化領域上にビットマップ画像を復元することを特徴とする請求項2に記載の複写システム。
【請求項4】
前記複写印刷手段は、配付先毎に、表紙頁を付加して該表紙頁に配付先の名称を印刷することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の複写システム。
【請求項5】
前記複写印刷手段により配付先毎に印刷された印刷物を配付先毎に仕分けて出力する仕分け手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複写システム。
【請求項6】
前記所定コード形式は、1次元バーコード形式,2次元バーコード形式を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の複写システム。
【請求項7】
配付先の名称と該配付先のセキュリティレベルを特定可能な情報を含む配付先情報を複数記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された複数の配付先情報から1又は複数の配付先を選択して指定する指定手段と、
頁毎にセキュリティレベルが所定のコード形式に変換されて第1の情報として付加されている複写原稿から頁毎に画像データを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた頁毎の画像データから、頁毎に付加されている前記第1の情報を読み出してセキュリティレベルを解析する解析手段と、
前記指定手段により指定された配付先毎に、該配付先のセキュリティレベルと前記解析手段により解析した前記頁毎のセキュリティレベルとを比較して、配付先毎及び頁毎に複写印刷の可否を判定する判定手段と、
前記判定手段により複写印刷可と判定された頁の画像データを配付先毎に印刷する複写印刷手段と、
を有することを特徴とする複写装置。
【請求項8】
前記複写原稿は、解読不可能に画像処理された頁内の1又は複数の隠蔽化領域を有して各隠蔽化領域の画像処理前のビットマップ画像データが所定のコード形式に変換された第2の情報が付加されているものを含み、
前記判定手段により複写印刷可と判定された頁の画像データに、前記第2の情報が付加されている場合、前記第2の情報を読み出して対応する隠蔽化領域上にビットマップ画像を復元する復元手段を有することを特徴とする請求項7に記載の複写装置。
【請求項9】
前記第1の情報は、前記セキュリティレベルに加えて、前記各隠蔽化領域の位置情報が所定コード形式に変換されたものを含み、
前記解析手段は、前記読取手段により読み取られた頁毎の画像データから、頁毎に所定のコード形式で付加されている前記第1の情報を読み出してセキュリティレベル及び各隠蔽化領域の位置情報を解析するものであり、
前記復元手段は、前記判定手段により複写印刷が許可された頁の画像データに、前記第2の情報が付加されている場合、前記第2の情報を読み出して前記隠蔽化領域の位置情報に対応する隠蔽化領域上にビットマップ画像を復元することを特徴とする請求項8に記載の複写装置。
【請求項10】
前記複写印刷手段は、配付先毎に、表紙頁を付加して該表紙頁に配付先の名称を印刷することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の複写装置。
【請求項11】
前記複写印刷手段により配付先毎に印刷された印刷物を配付先毎に仕分けて出力する仕分け手段を有することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の複写装置。
【請求項12】
前記所定コード形式は、1次元バーコード形式,2次元バーコード形式を含むことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の複写装置。
【請求項13】
作成された文書データの頁毎に複写印刷を許可するセキュリティレベルを設定するセキュリティレベル設定手段と、
前記セキュリティレベル設定手段により頁毎に設定されたセキュリティレベルを所定のコード形式に変換して第1の情報として前記文書データの頁毎に付加するセキュリティレベル付加手段と、
前記セキュリティレベル付加手段により頁毎に第1の情報が付加された文書データに基づいて複写原稿を印刷するための印刷データを生成する原稿印刷データ生成手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
前記文書データの各頁に1又は複数の隠蔽化領域を設定可能な隠蔽化領域設定手段と、
前記隠蔽化領域設定手段により設定された頁内の各隠蔽化領域を解読不可能に画像処理するとともに、各隠蔽化領域の画像処理前のビットマップ画像データを所定のコード形式に変換して第2の情報として当該頁内に付加する隠蔽化領域付加手段と、
を有することを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記セキュリティレベル付加手段は、前記セキュリティレベルに加えて、前記隠蔽化領域設定手段により設定された各隠蔽化領域の位置情報を、所定コード形式に変換して第1の情報として前記文書データの頁毎に付加することを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記所定コード形式は、1次元バーコード形式,2次元バーコード形式を含むことを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
作成された文書データの頁毎に複写印刷を許可するセキュリティレベルを設定するセキュリティレベル設定ステップと、
前記セキュリティレベル設定ステップにより頁毎に設定されたセキュリティレベルを所定のコード形式に変換して第1の情報として前記文書データの頁毎に付加するセキュリティレベル付加ステップと、
前記セキュリティレベル付加ステップにより頁毎に第1の情報が付加された文書データに基づいて複写原稿を印刷する原稿印刷ステップと、
配付先の名称と該配付先のセキュリティレベルを特定可能な情報を含む配付先情報を複数記憶する記憶手段に記憶された複数の配付先情報から1又は複数の配付先を選択して指定する指定ステップと、
前記原稿印刷ステップにより印刷された複写原稿から頁毎に画像データを読み取る読取ステップと、
前記読取ステップにより読み取られた頁毎の画像データから、頁毎に付加されている前記第1の情報を読み出してセキュリティレベルを解析する解析ステップと、
前記指定ステップにより指定された配付先毎に、該配付先のセキュリティレベルと前記解析ステップにより解析した前記頁毎のセキュリティレベルとを比較して、配付先毎及び頁毎に複写印刷の可否を判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより複写印刷可と判定された頁の画像データを配付先毎に印刷する複写印刷ステップと、
を有することを特徴とする複写方法。
【請求項18】
配付先の名称と該配付先のセキュリティレベルを特定可能な情報を含む配付先情報を複数記憶する記憶手段に記憶された複数の配付先情報から1又は複数の配付先を選択して指定する指定ステップと、
頁毎にセキュリティレベルが所定のコード形式に変換されて第1の情報として印刷されている複写原稿から頁毎に画像データを読み取る読取ステップと、
前記読取ステップにより読み取られた頁毎の画像データから、頁毎に付加されている前記第1の情報を読み出してセキュリティレベルを解析する解析ステップと、
前記指定ステップにより指定された配付先毎に、該配付先のセキュリティレベルと前記解析ステップにより解析した前記頁毎のセキュリティレベルとを比較して、配付先毎及び頁毎に複写印刷の可否を判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより複写印刷可と判定された頁の画像データを配付先毎に印刷する複写印刷ステップと、
を有することを特徴とする複写方法。
【請求項19】
作成された文書データの頁毎に複写印刷を許可するセキュリティレベルを設定するセキュリティレベル設定ステップと、
前記セキュリティレベル設定ステップにより頁毎に設定されたセキュリティレベルを所定のコード形式に変換して第1の情報として前記文書データの頁毎に付加するセキュリティレベル付加ステップと、
前記セキュリティレベル付加ステップにより頁毎に第1の情報が付加された文書データに基づいて複写原稿を印刷するための印刷データを生成する原稿印刷データ生成ステップと、
を有することを特徴とする複写原稿生成方法。
【請求項20】
請求項1乃至6のいずれかに記載された複写システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、請求項7乃至12のいずれかに記載された複写機としてコンピュータを機能させるためのプログラム、又は、請求項13乃至16のいずれかに記載された情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項21】
請求項1乃至6のいずれかに記載された複写システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、請求項7乃至12のいずれかに記載された複写機としてコンピュータを機能させるためのプログラム、又は、請求項13乃至16のいずれかに記載された情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムをコンピュータが読み取り可能に記憶した記録媒体。
【請求項1】
作成された文書データの頁毎に複写印刷を許可するセキュリティレベルを設定するセキュリティレベル設定手段と、
前記セキュリティレベル設定手段により頁毎に設定されたセキュリティレベルを所定のコード形式に変換して第1の情報として前記文書データの頁毎に付加するセキュリティレベル付加手段と、
前記セキュリティレベル付加手段により頁毎に第1の情報が付加された文書データに基づいて複写原稿を印刷する原稿印刷手段と、
配付先の名称と該配付先のセキュリティレベルを特定可能な情報を含む配付先情報を複数記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された複数の配付先情報から1又は複数の配付先を選択して指定する指定手段と、
前記原稿印刷手段により印刷された複写原稿から頁毎に画像データを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた頁毎の画像データから、頁毎に付加されている前記第1の情報を読み出してセキュリティレベルを解析する解析手段と、
前記指定手段により指定された配付先毎に、該配付先のセキュリティレベルと前記解析手段により解析した前記頁毎のセキュリティレベルとを比較して、配付先毎及び頁毎に複写印刷の可否を判定する判定手段と、
前記判定手段により複写印刷可と判定された頁の画像データを配付先毎に印刷する複写印刷手段と、
を有することを特徴とする複写システム。
【請求項2】
前記文書データの各頁に1又は複数の隠蔽化領域を設定可能な隠蔽化領域設定手段と、
前記隠蔽化領域設定手段により設定された頁内の各隠蔽化領域を解読不可能に画像処理するとともに、各隠蔽化領域の画像処理前のビットマップ画像データを所定のコード形式に変換して第2の情報として当該頁内に付加する隠蔽化領域付加手段とを設け、
前記判定手段により複写印刷可と判定された頁の画像データに、前記第2の情報が付加されている場合、前記第2の情報を読み出して対応する隠蔽化領域上にビットマップ画像を復元する復元手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の複写システム。
【請求項3】
前記セキュリティレベル付加手段は、前記セキュリティレベルに加えて、前記隠蔽化領域設定手段により設定された各隠蔽化領域の位置情報を、所定コード形式に変換して第1の情報として前記文書データの頁毎に付加するものであり、
前記解析手段は、前記読取手段により読み取られた頁毎の画像データから、頁毎に所定のコード形式で付加されている前記第1の情報を読み出してセキュリティレベル及び各隠蔽化領域の位置情報を解析するものであり、
前記復元手段は、前記判定手段により複写印刷が許可された頁の画像データに、前記第2の情報が付加されている場合、前記第2の情報を読み出して前記隠蔽化領域の位置情報に対応する隠蔽化領域上にビットマップ画像を復元することを特徴とする請求項2に記載の複写システム。
【請求項4】
前記複写印刷手段は、配付先毎に、表紙頁を付加して該表紙頁に配付先の名称を印刷することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の複写システム。
【請求項5】
前記複写印刷手段により配付先毎に印刷された印刷物を配付先毎に仕分けて出力する仕分け手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複写システム。
【請求項6】
前記所定コード形式は、1次元バーコード形式,2次元バーコード形式を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の複写システム。
【請求項7】
配付先の名称と該配付先のセキュリティレベルを特定可能な情報を含む配付先情報を複数記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された複数の配付先情報から1又は複数の配付先を選択して指定する指定手段と、
頁毎にセキュリティレベルが所定のコード形式に変換されて第1の情報として付加されている複写原稿から頁毎に画像データを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた頁毎の画像データから、頁毎に付加されている前記第1の情報を読み出してセキュリティレベルを解析する解析手段と、
前記指定手段により指定された配付先毎に、該配付先のセキュリティレベルと前記解析手段により解析した前記頁毎のセキュリティレベルとを比較して、配付先毎及び頁毎に複写印刷の可否を判定する判定手段と、
前記判定手段により複写印刷可と判定された頁の画像データを配付先毎に印刷する複写印刷手段と、
を有することを特徴とする複写装置。
【請求項8】
前記複写原稿は、解読不可能に画像処理された頁内の1又は複数の隠蔽化領域を有して各隠蔽化領域の画像処理前のビットマップ画像データが所定のコード形式に変換された第2の情報が付加されているものを含み、
前記判定手段により複写印刷可と判定された頁の画像データに、前記第2の情報が付加されている場合、前記第2の情報を読み出して対応する隠蔽化領域上にビットマップ画像を復元する復元手段を有することを特徴とする請求項7に記載の複写装置。
【請求項9】
前記第1の情報は、前記セキュリティレベルに加えて、前記各隠蔽化領域の位置情報が所定コード形式に変換されたものを含み、
前記解析手段は、前記読取手段により読み取られた頁毎の画像データから、頁毎に所定のコード形式で付加されている前記第1の情報を読み出してセキュリティレベル及び各隠蔽化領域の位置情報を解析するものであり、
前記復元手段は、前記判定手段により複写印刷が許可された頁の画像データに、前記第2の情報が付加されている場合、前記第2の情報を読み出して前記隠蔽化領域の位置情報に対応する隠蔽化領域上にビットマップ画像を復元することを特徴とする請求項8に記載の複写装置。
【請求項10】
前記複写印刷手段は、配付先毎に、表紙頁を付加して該表紙頁に配付先の名称を印刷することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の複写装置。
【請求項11】
前記複写印刷手段により配付先毎に印刷された印刷物を配付先毎に仕分けて出力する仕分け手段を有することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の複写装置。
【請求項12】
前記所定コード形式は、1次元バーコード形式,2次元バーコード形式を含むことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の複写装置。
【請求項13】
作成された文書データの頁毎に複写印刷を許可するセキュリティレベルを設定するセキュリティレベル設定手段と、
前記セキュリティレベル設定手段により頁毎に設定されたセキュリティレベルを所定のコード形式に変換して第1の情報として前記文書データの頁毎に付加するセキュリティレベル付加手段と、
前記セキュリティレベル付加手段により頁毎に第1の情報が付加された文書データに基づいて複写原稿を印刷するための印刷データを生成する原稿印刷データ生成手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
前記文書データの各頁に1又は複数の隠蔽化領域を設定可能な隠蔽化領域設定手段と、
前記隠蔽化領域設定手段により設定された頁内の各隠蔽化領域を解読不可能に画像処理するとともに、各隠蔽化領域の画像処理前のビットマップ画像データを所定のコード形式に変換して第2の情報として当該頁内に付加する隠蔽化領域付加手段と、
を有することを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記セキュリティレベル付加手段は、前記セキュリティレベルに加えて、前記隠蔽化領域設定手段により設定された各隠蔽化領域の位置情報を、所定コード形式に変換して第1の情報として前記文書データの頁毎に付加することを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記所定コード形式は、1次元バーコード形式,2次元バーコード形式を含むことを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
作成された文書データの頁毎に複写印刷を許可するセキュリティレベルを設定するセキュリティレベル設定ステップと、
前記セキュリティレベル設定ステップにより頁毎に設定されたセキュリティレベルを所定のコード形式に変換して第1の情報として前記文書データの頁毎に付加するセキュリティレベル付加ステップと、
前記セキュリティレベル付加ステップにより頁毎に第1の情報が付加された文書データに基づいて複写原稿を印刷する原稿印刷ステップと、
配付先の名称と該配付先のセキュリティレベルを特定可能な情報を含む配付先情報を複数記憶する記憶手段に記憶された複数の配付先情報から1又は複数の配付先を選択して指定する指定ステップと、
前記原稿印刷ステップにより印刷された複写原稿から頁毎に画像データを読み取る読取ステップと、
前記読取ステップにより読み取られた頁毎の画像データから、頁毎に付加されている前記第1の情報を読み出してセキュリティレベルを解析する解析ステップと、
前記指定ステップにより指定された配付先毎に、該配付先のセキュリティレベルと前記解析ステップにより解析した前記頁毎のセキュリティレベルとを比較して、配付先毎及び頁毎に複写印刷の可否を判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより複写印刷可と判定された頁の画像データを配付先毎に印刷する複写印刷ステップと、
を有することを特徴とする複写方法。
【請求項18】
配付先の名称と該配付先のセキュリティレベルを特定可能な情報を含む配付先情報を複数記憶する記憶手段に記憶された複数の配付先情報から1又は複数の配付先を選択して指定する指定ステップと、
頁毎にセキュリティレベルが所定のコード形式に変換されて第1の情報として印刷されている複写原稿から頁毎に画像データを読み取る読取ステップと、
前記読取ステップにより読み取られた頁毎の画像データから、頁毎に付加されている前記第1の情報を読み出してセキュリティレベルを解析する解析ステップと、
前記指定ステップにより指定された配付先毎に、該配付先のセキュリティレベルと前記解析ステップにより解析した前記頁毎のセキュリティレベルとを比較して、配付先毎及び頁毎に複写印刷の可否を判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより複写印刷可と判定された頁の画像データを配付先毎に印刷する複写印刷ステップと、
を有することを特徴とする複写方法。
【請求項19】
作成された文書データの頁毎に複写印刷を許可するセキュリティレベルを設定するセキュリティレベル設定ステップと、
前記セキュリティレベル設定ステップにより頁毎に設定されたセキュリティレベルを所定のコード形式に変換して第1の情報として前記文書データの頁毎に付加するセキュリティレベル付加ステップと、
前記セキュリティレベル付加ステップにより頁毎に第1の情報が付加された文書データに基づいて複写原稿を印刷するための印刷データを生成する原稿印刷データ生成ステップと、
を有することを特徴とする複写原稿生成方法。
【請求項20】
請求項1乃至6のいずれかに記載された複写システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、請求項7乃至12のいずれかに記載された複写機としてコンピュータを機能させるためのプログラム、又は、請求項13乃至16のいずれかに記載された情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項21】
請求項1乃至6のいずれかに記載された複写システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、請求項7乃至12のいずれかに記載された複写機としてコンピュータを機能させるためのプログラム、又は、請求項13乃至16のいずれかに記載された情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムをコンピュータが読み取り可能に記憶した記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−137233(P2008−137233A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−324765(P2006−324765)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】
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