複写禁止情報を含む2次元コードを抽出可能な画像形成装置、その画像形成方法、プログラム
【課題】不正複写を防止する機能を搭載したMFPにおいて、不正な原稿を読み取った場合でも動作不正を起こさない制御を実現する。
【解決手段】原稿を読み取って原稿画像を生成する生成手段と、原稿画像に含まれる2次元コードを検出する検出手段と、を備え、検出した2次元コードに、複写に係る制御指示を示す複写制御情報を含む2次元コードと、複写制御情報を含まない2次元コードと、がそれぞれ検出された場合に、前記検出した2次元コードが所定数以上の場合には前記制御指示にかかわらず画像形成を実行しない。
【解決手段】原稿を読み取って原稿画像を生成する生成手段と、原稿画像に含まれる2次元コードを検出する検出手段と、を備え、検出した2次元コードに、複写に係る制御指示を示す複写制御情報を含む2次元コードと、複写制御情報を含まない2次元コードと、がそれぞれ検出された場合に、前記検出した2次元コードが所定数以上の場合には前記制御指示にかかわらず画像形成を実行しない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写禁止情報を含む2次元コードを抽出可能な画像形成装置、その画像形成方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル複合機(MFP/Multi Function Peripheral)の普及に伴い、原稿の不正複写問題が増大している。この対策技術として、特定の原稿の複写を抑制する技術がある。この複写を抑制する技術として以下のような方法がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、原稿に対して複写禁止情報を持つ2次元コードを付加しておき、MFPがこの原稿を読み取った場合に、原稿の複写を禁止する方法が開示されている。
【0004】
MFPは、複写だけではなく、ストレージへの保存や、E−mail送信、FAX送信などの出力機能を有するものがあり、複写禁止情報が付加された原稿を読み取った場合には、どの出力機能を指示されたとしては一律出力を禁止している。
【0005】
また、原稿に埋め込まれる2次元コードとして、特許文献2で開示しているようにQRコード(登録商標)が知られている。この特許文献2に記載のQRコードは、特許文献1記載の2次元コードに比べて、汎用的に使用されている。したがって2次元コードとしてQRコードを使用し、複写禁止情報を埋め込んで原稿に付加されることがある。
【0006】
この2次元コードをMFPが解釈する場合、QRコードの中のデータは、予め定めた特定の識別子やデータ(情報)の並びを示すフォーマット、及びそのフォーマットの種別を示すバージョンやIDなどの型式情報などが含まれること想定される。
【0007】
画像形成装置において複写対象となる原稿に対して、複写禁止情報や複写許可情報など、複写動作の複写制御情報が埋め込まれた2次元コードが複数、付加されている場合がある。さらに2次元コードとして、QRコードなど汎用的な2次元コードを使用する場合、複写動作の制御情報が埋め込まれた2次元コードと、同じ種類ではあるが異なる情報が埋め込まれた2次元コードとが、同時に付加されている場合がありうる。
【0008】
これは例えば、すでに2次元コードが付加された文書に、新たに別の2次元コードを付加してしまった場合である。あるいは、複数の原稿が一度に複写対象となり、それら原稿の一つ一つに別々の2次元コードが含まれている場合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平04−009963号公報
【特許文献2】特開平10-312447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、こうした複写動作の制御情報が入った2次元コードと、複写動作の制御情報が含まれない2次元コードが付加された文書の取り扱いについて規定した公知技術は存在しない。
【0011】
従って、本願発明は、複写動作の制御情報が埋め込まれた2次元コードと、複写動作の制御情報が含まないが2次元コードの種類は同じ2次元コードが一度に複写対象となった場合の制御に関する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本願発明は、原稿を複写して画像を形成する画像形成装置であって、原稿を読み取って、原稿画像を生成する生成手段と、前記原稿画像に含まれる2次元コードを検出する検出手段と、を備え、検出した2次元コードに、複写に係る制御指示を示す複写制御情報を含む2次元コードと、複写制御情報を含まない2次元コードと、がそれぞれ検出された場合に、前記検出した2次元コードが所定数以上の場合には前記制御指示にかかわらず画像形成を実行しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複写動作の制御情報が埋め込まれた2次元コードと、複写動作の制御情報を含まない2次元コードが一度に読み取られた場合に、動作不正を起こさない制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例におけるMFP1001の構成を示すブロック図である。
【図2】MFP1001のQRコードが付加された原稿画像の作成処理を示すフローチャートである。
【図3】印刷セキュリティ設定の画面の一例を示す図である。
【図4】QRコードが付加された原稿画像の一例を示す図である。
【図5】実施例1における複写処理を示すフローチャートである。
【図6】実施例2における複写処理を示すフローチャートである。
【図7】実施例3における複写処理を示すフローチャートである。
【図8】実施例4における複写処理を示すフローチャートである。
【図9】実施例5における複写処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
(実施例1)
通常、複写制御情報を持つ2次元コードが埋め込まれるのは、1ページの印刷対象の原稿に対して1種類であるか、予め定められた所定の領域に1種類あるようにして運用される。従って、スキャンした原稿に規定数以上(所定数以上)の2次元コードが付加されていた場合、ユーザにより意図的に処理された原稿であると想定できる。なお、規定数とは、ユーザ又はメーカーにより設定される、2次元コードの予め定められている数である。
【0017】
悪意のあるユーザの例は、複写動作の制御情報を含んだ複写対象となる原稿に対し、複写動作の制御情報を持たない同じ種類の2次元コードを、大量個数一度スキャンさせることによって、MFPに動作不正を起こさせようとする場合である。
【0018】
そこで、本実施例1は、複写対象となる原稿に含まれた2次元コードから、複写動作に係る指示を示す複写制御情報と、それ以外の情報とを規定数以上情報化したとき、ユーザによる不正な複写であると判断する。そして、2次元コードに含まれる複写制御情報が示す指示内容にかかわらず、複写を禁止する画像形成に係る装置に関する。
【0019】
なお、本実施例では、スキャンする文書に含まれる2次元コードの一例として、QRコードを使用する。これはあくまで本実施例の場合であり、これ以外の2次元コードを使用しても良い。
【0020】
まず、本実施例において使われる用語について説明する。
【0021】
原稿には、複写されたときに各種の制御指示を実行させるための制御情報を含んだ2次元コードが付加される。本明細書では、この制御情報を「複写制御情報」と称することとする。なお、複写制御情報には、複写禁止情報と複写許可情報との2種類がある。
【0022】
また、QRコードは、複写制御情報以外にも、複写したユーザ名や複写日時、MFP固有のシリアル番号、ジョブなども含むことが可能である。本実施例ではこれら複写制御情報以外の情報を「追跡情報」と称することとする。
【0023】
本実施例ではQRコード1つに対して、複数、例えば2つの追跡情報を格納することが可能であり、MFPは、追跡情報をQRコードにさらに付加できる機能を持つものとする。
【0024】
本実施例では、追跡情報が2つの例について説明する。具体的には、2つの追跡情報のうち、1つは、一番初めにQRコードを原稿画像に付加したユーザとMFPを示す追跡情報である。本実施例では、この追跡情報を「第1ユーザ情報」とする。また、もう1つは、最後にQRコードを原稿画像に付加したユーザとMFPを示す追跡情報である。本実施例では、この追跡情報を「最終ユーザ情報」とする。なお、追跡情報は、一番初めに原稿に付加して複写するように指示したユーザ名、複写日時、デバイス名、最後に複写したユーザ名、複写日時、デバイス名とすることができる。
【0025】
本実施例では、複写処理において原稿を読み取った原稿画像にQRコードが含まれていない場合でも、追跡情報を追加する設定であれば、QRコードを新たに生成し、原稿画像に新たなQRコードを付加することができる。
【0026】
また、原稿画像にQRコードが含まれている場合であって、追跡情報を追加する設定であれば、複写を実行した現在の追跡情報を最終ユーザ情報とし、原稿画像に含まれるQRコードの第1ユーザ情報を含んだ新たなQRコードを生成する。そして、原稿画像において、当該新たなQRコードを原稿画像に含まれていたQRコードと置き換える。これを本実施例では「QRコードの更新」と称する。
【0027】
なお、これら追跡情報は、複写制御情報と一緒に1つのQRコードに対して埋め込まれてもよいとし、特に限定しない。
【0028】
この複写制御情報や追跡情報を持つQRコードは、それらの情報を含んでいること、またはそれらの情報が格納される領域を持つことを示す識別子を持つ。この識別子を本実施例では「複写制御フォーマット識別子」又は「複写制御識別子」と称する。なお、この複写制御フォーマット識別子は、複写制御情報と追跡情報の両方またはどちらか一方がQRコードに埋め込まれる場合にQRコードにさらに埋め込まれる。
【0029】
以上のように、本実施例ではQRコードに「複写制御情報」「追跡情報」「複写制御フォーマット識別子」がそれぞれ埋め込まれているものとする。なお、これらの情報が埋め込まれたQRコードを本実施例では「複写制御QRコード」と称する。一方、これらの情報が埋め込まれていないQRコードを、本実施例では「一般情報QRコード」と称する。
【0030】
なお、本実施例では、QRコードの埋め込み情報において、複写制御フォーマット識別子がある場合は、「複写制御QRコード」と扱い、無い場合は「一般情報QRコード」として扱われる。したがって、一般情報QRコードは、複写制御フォーマット識別子が埋め込まれておらず、複写制御情報があったとしても複写機が解釈できないQRコードである。
【0031】
次に、複写制御情報、追跡情報、及び複写制御フォーマット識別子が付加された原稿画像を作成して複写する処理について説明する。
【0032】
当該処理では、まず、複写制御情報、追跡情報、及び複写制御フォーマット識別子を符号化して、埋め込み情報を得る。2番目に、この埋め込み情報を画像化して2次元コードを生成する。3番目に、生成した2次元コードと読み取った原稿画像とを合成し、2次元コードの合成された新たな原稿画像を生成する。最後に、2次元コードの合成された新たな原稿画像を印刷する。
【0033】
以上の処理により、複写制御情報、追跡情報、及び複写制御フォーマット識別子が2次元コードで付加された原稿画像が複写されて印刷される。なお、複写制御情報、追跡情報、及び複写制御フォーマット識別子を符号化し、画像化する処理を、「2次元コード化」と称することとする。
【0034】
本実施例も含め以降の実施例では、このように2次元コードを利用する形態(即ち、2次元コードを原稿画像に合成して印刷する形態、及び、その印刷により得られた原稿を読み取り、複写を制御する形態)を例に各ステップの処理の説明を行うこととする。
【0035】
なお、本実施例では、2次元コードとして汎用的な2次元コードの1つであるQRコードを使用し、原稿の1面(1ページ)に、QRコードが付加されているものとする。
【0036】
次に、複写制御情報や追跡情報を含むQRコードが付加されている原稿から、複写制御情報を抽出する処理について説明する。
【0037】
始めに、原稿台の上、または、ADF(Auto Document Feeder)に置かれた原稿を光学的に読み取り、原稿画像を生成する。このように、原稿の1ページ分に対応する原稿画像が1つ生成される。2番目に、その原稿画像を分析してQRコードを見つけ出す。3番目に、見つけ出したQRコードを情報化して埋め込み情報を得る。4番目に、埋め込み情報を復号化して複写制御情報、追跡情報、及び複写制御フォーマット識別子を得る。これにより、複写制御情報がQRコードとして付加されている原稿から、複写制御情報を得ることができる。この一連の処理の内、2番目以降の処理を、情報の「抽出」と称することとする。
【0038】
なお、一般的には、埋め込み情報には、誤り訂正符号が含まれており、一方、複写制御情報、追跡情報、及び複写制御フォーマット識別子には、誤り訂正符号は含まれていない。
【0039】
なお、本実施例においてMFP1001が複写制御QRコードから埋め込み情報を得た場合、その埋め込み情報をログとしてMFP1001内に保存するものとする。
【0040】
次に、図1を参照して本発明の第1の実施例におけるMFP1001の構成について詳細に説明する。ここで、図1は、本実施の形態に係るMFP1001の構成を例示するブロック図である。
【0041】
制御部1は、MFP1001の各ユニットの動作制御を行う。制御部1は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置から構成される。なお、制御部1は、埋め込み情報を復号化する。
【0042】
読取部2は、原稿を光学的に読み取り(例えば、スキャン)、原稿画像を生成する。なお、原稿が印刷物等の紙文書であるのに対して、原稿画像は、原稿を再現するための色情報を備えるデジタルデータである。
【0043】
情報化部3は、原稿画像からQRコードを見つけ出して情報化を行う。
【0044】
操作部5は、MFP1001に対するユーザからの操作入力を受け付ける。
【0045】
ユーザ認証部6は、MFP1001を使用するユーザを認証する際に必要となる情報を保持する。なお、ユーザ認証部6の詳細な動作については後述する。
【0046】
メモリ7は、原稿画像を記憶する。
【0047】
出力部8は、メモリ7から原稿画像を読み出した後、原稿画像を用紙に印刷、または、原稿画像を外部装置に送信する等、外部に対して出力を行う。なお、外部装置とは、MFP1001とネットワークを介して接続されているPC等が一例である。
【0048】
表示部9は、制御部1の制御に従って、表示用の画像を画面に表示する。
【0049】
データベース10は、MFP1001の印刷設定や使用ログ等を記録する。
【0050】
エンコード部11は、上述の符号化及び画像化を行う。
【0051】
次に、複写制御情報を付加したい場合にユーザが行う手続き、及びそれに応じてMFP1001が行う処理について詳細に説明する。
【0052】
原稿に複写制御情報を付加したいユーザは、まず、表示部9に表示される設定画面を見ながら、ユーザID及びパスワードを、操作部5を介して入力する。
【0053】
操作部5を介して入力されたユーザID及びパスワードは、ユーザ認証部6に送られる。ユーザ認証部6は、入力されたユーザID及びパスワードと、保持している情報とを比較して、入力されたパスワードが適切なパスワードであるかどうかを判断する。
【0054】
判断の結果、パスワードが適切なパスワードである場合に、ユーザ認証部6は、適切なパスワードであるという旨とユーザIDとを制御部1に送信する。
【0055】
適切なパスワードであるという旨とユーザIDとを受信した制御部1は、表示部9に、複写制御情報を付加するか否かをユーザに問うチェックボックスを表示する。ユーザがチェックボックスを介して複写制御情報を付加することを選択した場合、制御部1は、図3に示す印刷セキュリティ設定ダイアログボックス31を表示部9に対して表示する。
【0056】
ユーザは、操作部5を介して印刷セキュリティ設定ダイアログボックス31内のラジオボタン32にチェックを入れることにより、「複写を禁止する」又は「複写を許可する」の選択肢のうちの1つを選択する。選択された選択肢が「複写を禁止する」の場合は、複写制御情報として複写禁止情報が印刷対象の原稿に付加されることになる。一方、選択された選択肢が「複写を許可する」の場合は、複写制御情報として複写禁止情報が印刷対象の原稿に付加されることになる。
【0057】
さらに、ユーザは、操作部5から追跡情報追加設定ダイアログボックス31内のラジオボタン37にチェックを入れることにより、「追跡情報を追加する」又は「追跡情報を追加しない」のうちの1つを選択する。選択された選択肢が「追跡情報を追加する」の場合は、QRコードに追跡情報が追加されることになる。
【0058】
本実施例ではユーザに追跡情報の追加を選択できるようにしているが、ユーザに選択させること無しに、予め追跡情報を追加する設定になっていてもよい。すなわちラジオボタン32の複写制御情報の設定が行われた時に、追跡情報が追加されるように設定することができる。
【0059】
さらに、ユーザは、操作部5を介して印刷セキュリティ設定ダイアログボックス31内のラジオボタン33にチェックを入れることにより、原稿画像に追加されるQRコードの位置を設定できる。本実施例では原稿に対して「右上」「右下」「左上」「左下」の選択肢の中から1つの選択肢を選択することができる。また、選択された位置について、印刷セキュリティ設定ダイアログボックス31内の設定確認画面34に、原稿のどの位置にQRコードが配置されるかを表示させることができる。例えば、図3の設定確認画面34は、「右上」が選択された場合の例を示している。
【0060】
なお、一連の複写において作成される原稿画像には、すべて同じ複写制御情報が付加されることになる。ここで、一連の複写とは、原稿台やADFに置かれた原稿群を1度の複写指示で複写物を生成するように複写することである。
【0061】
例えば、ユーザが原稿群(例えば、4枚)をADFに置いて、3部複写する指示をMFP1001にした場合、3部の複写物(つまり、12枚)が一連の複写により生成される。そして、その3部の複写物には、すべて同じ複写制御情報や追跡情報が付加される。
【0062】
また、複写制御情報や追跡情報を付加するための入力指示は、MFP1001と接続されているPCのドライバやユーティリティ上から行うように構成することも可能である。また、本発明の実施例1において、1枚の原稿に対して付加する複写制御情報は、複写禁止情報か複写許可情報のいずれか1つである。
【0063】
次に、QRコードが埋め込まれた原稿画像を作成する作成方法について、図2を参照して詳細に説明する。
【0064】
処理が開始すると、制御部1は、まず、印刷セキュリティ設定でQRコードの付加が設定されているかを判断する(S201)。
【0065】
S201において、印刷セキュリティ設定でQRコードの付加が設定されていると判断した場合、制御部1は、印刷セキュリティ設定ダイアログボックス31を介してユーザにより行われた選択を示す情報を操作部5から受け取る。そして、その選択に応じた複写制御情報をエンコード部11に送信する(S202)。上述したように、選択された選択肢が「複写を禁止する」の場合は、その選択に応じた複写制御情報は、複写禁止情報を含むことになる。また、選択された選択肢が「複写の許可する」の場合は、その選択に応じた複写制御情報は、複写許可情報を含むことになる。
【0066】
次に、読取部2は、原稿を読み取って原稿画像を生成し、当該原稿画像をメモリ7と情報化部3に送信する(S203)。
【0067】
次に、エンコード部11は、複写制御情報を、符号化及び画像化することにより、QRコードを生成する。さらに、エンコード部11は、当該QRコードをメモリ7に送信する(S204)。
【0068】
次に、制御部1は、印刷セキュリティ設定においてユーザにより指示された、QRコードを配置する位置を取得する(S205)。
【0069】
次に、制御部1は、メモリ7がQRコードと原稿画像を受け取ったことを検知すると、メモリ7において、原稿画像に対して、QRコードを指示された位置に合成して、QRコードの合成された原稿画像を生成する(S206)。
【0070】
図4は、QRコードを合成した原稿画像の一例である。図4に示すように、原稿画像401に対して、複写制御情報を持つQRコード402が付加されている。
【0071】
次に、制御部1は、QRコードの合成された原稿画像をメモリ7から出力部8に送信し、出力部8に、QRコードの合成された原稿画像を出力させる(S207)。出力部8がQRコードの合成された原稿画像を出力する方法としては、例えば、QRコードの合成された原稿画像の印刷等がある。
【0072】
なお、S201において、印刷セキュリティ設定でQRコードの付加が設定されていないと判断された場合、読取部2は、原稿を読み取って原稿画像を生成し、メモリ7に送信する(S208)。
【0073】
次に、制御部1は、メモリ7が原稿画像を受け取ったことを検知すると、原稿画像をメモリ7から出力部8に送信して、出力部8に原稿画像を出力させる(S209)。
【0074】
次に、原稿画像から複写制御情報を抽出する処理について説明する。
【0075】
情報化部3は、原稿画像内からQRコードの隅にある切り出しシンボル(ファインダパターン)を検出する。ファインダパターンを検出した場合、情報化部3は、原稿画像にQRコードがあると判断する。これを、「QRコードを見つけ出す」と称する。次に、見つけ出したQRコードを情報化して埋め込み情報を得る。そして最後に、QRコードを1つ見つけた制御部1は、当該QRコードに含まれる埋め込み情報を復号化する。このように復号化を行うことで、制御部1は、複写制御情報を得ることができる。なお、本実施例で使用するQRコードは一般的なQRコードであるため、この復号化の処理の詳細な内容や手順は割愛する。
【0076】
以上のように、原稿画像からQRコードを見つけ出す、見つけ出したQRコードを情報化して埋め込み情報を得る、埋め込み情報を復号化して複写制御情報を得る処理という一連の処理を「抽出処理」と称する。抽出処理により、原稿画像から複写制御情報を得ることができる。
【0077】
次に、不正複写を防止する機能を搭載したMFP1001が行う複写処理を、図1、図5を参照して詳細に説明する。
【0078】
まず、ユーザは、操作部5を介して複写処理を開始する指示を入力する(S501)。操作部5は、複写処理開始指示の旨を制御部1に連絡する。
【0079】
制御部1は、読取部2に対し、原稿を読み取るように制御する。これにより生成された原稿画像は、メモリ7と情報化部3に送信される(S502)。なお、制御部1は、メモリ7が原稿画像を受け取ると、その原稿画像に対して、出力部8が印刷するために必要な画像処理(例えば、ハーフトーニングなど)の実行を開始する。
【0080】
情報化部3は、原稿画像に含まれるQRコードを見つけ出し、見つけ出したQRコードの情報化を行い、埋め込み情報を得る(S503)。
【0081】
なお、このS503の処理は、N回(例えば、5回)行われるため、結果的に、埋め込み情報が最大でN個得られる可能性がある。
【0082】
次に、制御部1は、情報化部3に対してステップS503で実行したQRコードの情報化処理が完了したかを問い合わせる(S504)。QRコードの情報化処理が未完了の場合、ステップS503の処理に戻る。
【0083】
ステップS504において、情報化部3は全てのQRコードの情報化処理を完了した場合、制御部1は、情報化部3が原稿画像からQRコードの情報化処理により埋め込み情報を1つでも得られたかを判断する(S505)。
【0084】
ステップS505において、情報化部3が原稿画像から埋め込み情報を1つも得られなかった場合、ステップS511の処理に移る。
【0085】
ステップS505において、情報化部3が原稿画像から埋め込み情報を1つでも得られた場合、制御部1は、得られた複写制御QRコードの埋め込み情報の数と、一般情報QRコードの埋め込み情報の数をカウントする(S506)。このとき、複写制御フォーマット識別子が得られた埋め込み情報は複写制御QRコードの埋め込み情報の数とカウントし、それ以外の埋め込み情報は一般情報QRコードの埋め込み情報とカウントする。
【0086】
次に、制御部1は、カウントした埋め込み情報の個数は規定数以上かを判断する(S507)。
【0087】
ステップS507において、制御部1は、カウントした埋め込み情報の個数は規定数以上と判断しなかった場合、得られた埋め込み情報を復号化する(S508)。そして、制御部1は、原稿に複写制御QRコードの埋め込み情報を得られた場合、すわなち、複写制御フォーマット識別子が得られた場合、複写制御情報、追跡情報を得るこの複写制御情報の中には、複写禁止情報や複写許可情報のどれかが含まれている可能性がある。
【0088】
制御部1は、すべての埋め込み情報の復号化が完了したかを判断する(S509)。
【0089】
ステップS509において、制御部1がすべての埋め込み情報の復号化を完了したと判断しなかった場合、ステップS508の処理に戻る。
【0090】
ステップS509において、制御部1がすべての埋め込み情報の復号化を完了したと判断した場合、制御部1は、複写制御情報の中に複写禁止情報が含まれているかを判断する(S510)。
【0091】
ステップS510において、制御部1が複写制御情報の中に複写禁止情報が含まれていると判断した場合、制御部1は、MFP1001の複写動作を停止する。即ち、読取部2が生成した原稿画像の複写を行わない。
【0092】
ステップS510において、制御部1が複写制御情報の中に複写禁止情報が含まれていない判断した場合、制御部1は印刷セキュリティ設定を取得する(S510)。そして、QRコードに埋め込む複写制御情報と、原稿に印字するQRコードの位置を取得する(S511)。
【0093】
次に制御部1は、印刷セキュリティ設定でQRコードの付加が設定されているかを判断する(S512)。
【0094】
ステップS512において、印刷セキュリティ設定でQRコードの付加が設定されていると制御1が判断した場合、制御部1は複写制御QRコードを1つ以上復号化できたかを判断する(S513)。
【0095】
ステップS512において、印刷セキュリティ設定でQRコードの付加が設定されていないと制御1が判断した場合、MFP1001は印刷処理を開始する(S519)。
【0096】
ステップS513において、制御部1が複写制御QRコードを1つ以上復号化できたと判断した場合、その複写制御QRコードをQRコードの更新を行う対象に設定する(S514)。本実施例ではこの更新の対象となるQRコードを「更新対象QRコード」と称する。
【0097】
制御部1は、更新対象QRコード (S515)から得られた埋め込み情報と印刷セキュリティ設定、MFP1001の情報から新たにQRコードの画像データを生成する。本実施例では、更新対象QRコードから得られた第1ユーザ情報、印刷セキュリティ設定から得られた複写制御情報、MFP1001の情報から得られた最終ユーザ情報をもとにQRコードの埋め込み情報を生成し、QRコードの画像データを生成する。
【0098】
制御部1は印刷対象の画像データにおける更新対象QRコードの位置に、ステップS515で生成したQRコードの画像データを上書きして付加する(S516)。そしてステップS519に移行する。
【0099】
ステップS513において、制御部1が複写制御QRコードを1つ以上復号化できなかった場合、制御部1は、印刷セキュリティ設定から得られた複写制御情報、MFP1001の情報から得られた最終ユーザ情報をもとにQRコードを生成する(S517)。
【0100】
制御部1は取得した印刷セキュリティ設定から得られたQRコードの印字位置に、ステップS517で生成したQRコードの画像データを上書きして付加する(S518)。そしてステップS519に移行する。
【0101】
次に、MFP1001は、原稿画像の複写を開始する(S519)。
【0102】
次に、ステップS520において、制御部1は、読取部2がスキャンする文書の残り枚数は1枚以上あるか否かを判断する。
【0103】
ステップS520において、読取部2がスキャンする文書の残り枚数は1枚以上あると判断された場合には、S502の処理に戻る。
【0104】
ステップS520において、読取部2がスキャンする文書の残り枚数は1枚以上ないと判断された場合には、処理が終了する。
【0105】
ステップS507において、制御部1は、カウントした埋め込み情報の個数は規定数以上と判断した場合、制御部1は、MFP1001の複写動作を停止する。即ち、読取部2が生成した原稿画像の複写を行わない。
【0106】
これによって、悪意のあるユーザが、複写動作の制御情報を含む複写制御QRコードと複写動作の制御情報を持たない同じ種類の2次元コードを、大量個数一度スキャンした場合でも、MFPが動作不正を起こすことを防ぐことが可能となる。
【0107】
以上、実施例1は、複写禁止機能を搭載したMFP1001が、複写動作の制御情報を持つQRコードと、それ以外の情報を持つQRコードとを合わせて規定数以上情報化したとき、複写を禁止する。また、複写制御情報にいかなる情報が含まれているかにかかわらず、複写を禁止するものである。
【0108】
この制御により、複写動作の制御情報が入った2次元コードと、複写動作の制御情報が含まれず情報は全く別だが2次元コードの種類は同じ2次元コードが付加された文書の複写について、不正な複写が行われないように取り決めることが可能となる。
【0109】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2では、実施例1に加え、複写制御QRコードにバージョンやリビジョンの情報が含まれている場合の制御について説明する。なお、バージョン及びリビジョンは、複写制御QRコードの複写制御情報、追跡情報、及び複写制御フォーマット識別子の埋め込み情報と共に含まれる情報である。本実施例では「複写制御フォーマットバージョン」、「複写制御フォーマットリビジョン」と称する。
【0110】
はじめに、この「複写制御フォーマットバージョン」、「複写制御フォーマットリビジョン」について具体的に説明する。本実施例における複写制御フォーマットバージョン、複写制御フォーマットリビジョンは、2次元コードの仕様を特定するための情報であり、また、得られた埋め込み情報の中身のデータの並びを管理・識別するために使用するものである。
【0111】
本実施例で使用するQRコードは、2次元コードの情報化を行うために、2次元コードのモジュールサイズの情報を示す型番(Version)や誤り訂正レベル、バイナリデータや文字コードを示すモードなどの情報が一般的に使用される。
【0112】
複写制御フォーマットバージョン、複写制御フォーマットリビジョンはこれらのような情報とは別であり、埋め込み情報の中に含まれたデータについての情報の解釈に使用するものである。
【0113】
例えば、あるMFPで使用されている複写制御QRコードの機能が、別の将来のMFPにおいて機能追加となり、次世代の複写制御QRコードに埋め込まれる情報の種類や情報量が変更になったとする。その場合、次世代の複写制御QRコードはバージョンまたは/かつリビジョンがカウントアップされることになる。
【0114】
尚、本実施例では、複写制御QRコードにおいて、埋め込み情報が格納されるデータの並び順、及びサイズはどの複写制御フォーマットバージョン、複写制御フォーマットリビジョンでも同じとしている。なぜならば、これらの情報のデータの並びやサイズが異なる場合、読み取ったQRコードが複写制御QRコードであるかが現行機のMFPで判別できず、従って、複写制御QRコードのバージョン、リビジョンも非対応のため、判別できないこととなる。
【0115】
また、複写制御フォーマットバージョンと複写制御フォーマットリビジョンとの違いは、数値がカウントアップした場合、現行機での埋め込み情報の解釈(情報の認識)を保証できないものを複写制御フォーマットバージョンとする。
【0116】
例えば、複写制御情報や追跡情報のデータの並びが変更される場合や、複写制御情報に複写許可情報や複写禁止情報以外の条件情報(パスワード情報)などが定義された場合に、本実施例では複写制御フォーマットバージョンがカウントアップされる。
【0117】
一方、数値がカウントアップしていた場合でも、現行機ですでに対応していた項目の埋め込み情報であれば、解釈可能となることを保証するものを複写制御フォーマットリビジョンとする。
【0118】
例えば、追跡情報のデータの末尾に新しい追跡情報の項目が追加された場合、現行機では、当該項目が追加される前の複写制御QRコードの埋め込み情報は解釈できるため、複写制御フォーマットリビジョンがカウントアップされる。
【0119】
次に、本発明の実施例2に係る処理について、実施例1とは異なる部分を中心に説明する。
【0120】
実施例1では、1ページに含まれる複写制御QRコードと一般情報QRコードの合計が規定数以上である場合に、対象となる原稿画像を複写しないものであった。
【0121】
本実施例2では、複写制御QRコードと一般情報QRコードの合計が規定数より少なく、且つ複写制御QRコードが複数個有る場合に、どの複写制御QRコードを更新対象QRコードにするかを決定するものである。
【0122】
例えば、原稿画像内に複写制御フォーマットバージョンが異なる複数の複写制御QRコードがあり、その1つ以上の複写制御QRコードの複写制御フォーマットバージョンが、埋め込み情報を抽出するMFPに対応していないバージョンである場合の処理に関する。しかし、その場合、複写制御フォーマットバージョンが異なるため、複写制御情報に含まれている情報が複写許可情報なのか複写禁止情報なのかについて、MFPは判別できない。そこで、本実施例では、対応していない複写制御フォーマットバージョンを抽出した場合、複写制御情報の内容にかかわらず、複写を禁止する。なお、対応している複写制御フォーマットバージョンと複写許可情報とを持つ複写制御QRコードが付加された原稿を同時に読み込んだ場合も同様である。
【0123】
これは、対応していない複写制御フォーマットバージョンの複写制御QRコードに複写禁止情報が含まれているかもしれないため、セキュリティ面で安全性の高い制御を行うからである。
【0124】
また、同様に複写制御フォーマットリビジョンが異なる複数の複写制御QRコードがあり、その1つ以上の複写制御QRコードのリビジョンが、埋め込み情報を抽出するMFPに対応していないリビジョンである場合がある。
【0125】
リビジョンが異なる場合、対応している項目や複写制御情報についてはMFPが判別可能である。
【0126】
そのため、本実施例では、対応していない複写制御フォーマットリビジョンを抽出した場合、複写制御情報がすべて同じであれば、新しいリビジョンの複写制御QRコードを更新対象QRコードとする。
【0127】
これは、新しい複写制御フォーマットリビジョンの方が、次世代の複写制御QRコードということもあり、追跡情報などの情報量が多いと想定されるためである。したがって複写制御情報が同じであるならば、情報量が多いと見込まれる複写制御フォーマットリビジョンの複写制御QRコードを更新対象QRコードとし、埋め込み情報を引き継ぐ。
【0128】
尚、本実施例では、これらの複写制御フォーマットバージョン、複写制御フォーマットリビジョンは印刷セキュリティ設定でQRコードの付加が設定されている場合に自動的にQRコードの埋め込み情報に含まれるものとする。
【0129】
次に、本発明の実施例2における、不正複写を防止する機能を搭載したMFP1001が行う複写動作の制御について図6を参照して詳細に説明する。
【0130】
この制御は、図6で示したフローチャートのステップS504、S514の処理がステップS605、S614の処理に置き換わる。またステップS621〜626の処理が追加される。
【0131】
以下、実施例1から変更になる部分を説明する。複写禁止情報が付加された原稿を読み取った場合に出力を禁止する制御や、規定数以上の埋め込み情報を得た場合に複写動作を停止する制御は、実施例1と同じである。
【0132】
制御部1は、すべての埋め込み情報の復号化が完了したかを判断する(S609)。
【0133】
ステップS609において、制御部1がすべての埋め込み情報の復号化を完了したと判断した場合(S609;YES)、MFP1001が対応していない複写制御フォーマットバージョン情報を1つ以上抽出したかを判断する(S621)。
【0134】
ステップS621において、制御部1が埋め込み情報の中で、MFP1001が対応していない複写制御フォーマットバージョン情報を1つ以上抽出した場合、制御部1は、MFP1001の複写動作を停止する。即ち、読取部2が生成した原稿画像の複写を行わない。
【0135】
なお、複写制御フォーマットバージョンが異なると、複写制御フォーマット識別子、複写制御フォーマットバージョン、及び複写制御フォーマットリビジョン以外の情報の並びやサイズ、種類が変更され、複写制御情報を正しく解釈できない可能性がある。複写を実行してしまうと、複写禁止情報が埋め込まれたQRコードが付加された原稿を印刷してしまう場合がある。そのため、本実施例では、複写制御フォーマットバージョンが異なると、その原稿に対する複写動作を停止している。
【0136】
複写制御フォーマットバージョンがMFP1001に対応し、複写制御情報が解釈できる複写制御QRコードと、対応しない複写制御フォーマットバージョンの複写制御QRコードとを同時に読み込んだとしても、上述の理由で複写動作の停止を行う。
【0137】
ステップS621において、制御部1が埋め込み情報の中で、MFP1001が対応していない複写制御フォーマットバージョン情報を1つも抽出していないと判断した場合、制御部1は、複写制御情報の中に複写禁止情報が含まれているかを判断する(S610)。
【0138】
ステップS610からステップS613までは実施例1と同じであるため、記載を割愛する。
【0139】
ステップS613において、制御部1が複写制御QRコードを1つ以上復号化できたと判断した場合、制御部1は、埋め込み情報の第1ユーザ情報の中で最も古い複写日時が2つ以上存在しているかを判断する(S622)。
【0140】
ステップS622において、制御部1が埋め込み情報の第1ユーザ情報の中で最も古い複写日時が2つ以上存在しなかったと判断した場合、最も古い複写日時の第1ユーザ情報の埋め込み情報を持つ複写制御QRコードを更新対象QRコードとする(S623)。そして、ステップS615に進む。最も古い複写日時が含まれている複写制御QRコードを更新対象QRコードとする理由は、複写制御QRコードを初めて原稿に付加したユーザの情報を残したいためである。
【0141】
制御部1が、第1ユーザ情報の中で最も古い複写日時が2つ以上存在したと判断した場合(S622)、該当する埋め込み情報の中で、最新の同一の複写制御フォーマットリビジョンを含む複写制御QRコードが2つ以上検出できたかを判断する(S624)。
【0142】
ステップS624において、制御部1が、最も新しい複写制御フォーマットリビジョンを含む複写制御QRコードが2つ以上存在しないと判断した場合、最も新しい複写制御フォーマットリビジョンの複写制御QRコードを更新対象QRコードとする(S625)。
【0143】
これは、複写制御フォーマットリビジョンが新しい複写制御QRコードのほうが、複写制御フォーマットリビジョンが古い複写制御QRコードよりも、追跡情報に含まれる情報が多い可能性があるため、上記の通り処理している。そして、最も新しい複写日時が2つ以上存在した場合は、複写制御フォーマットリビジョンが新しい埋め込み情報を採用する。
【0144】
ステップS624において、制御部1が、最も新しい複写制御フォーマットリビジョンを含む複写制御QRコードが2つ以上存在すると判断した場合、複写制御QRコードのどれを更新対象QRコードとするかのユーザ指定値を取得する(S626)。次にステップS614に進む。
【0145】
本実施例ではS626の処理は、表示部9に更新対象QRコードの位置を選択させるUI(ここでは図示しない)を表示し、ユーザに対して操作部5を介して入力させることにより決定させるものとする。
【0146】
しかし、印刷セキュリティ設定で予め優先するQRコードの印字位置を指定する場合、MFP1001が予めデフォルトの更新対象QRコードの位置を持っている場合、MFP1001が最初に抽出した複写制御QRコードとする場合なども想定される。しかし、本発明においては特に限定するものではない。
【0147】
ステップS614では、指定された複写制御QRコードを更新対象QRコードとして、次にステップS615に進む。
【0148】
ステップS615、S616及びステップS617、S618は実施例1と同じであるため、記載を割愛する。ステップS616またはステップS618の処理のあとはステップS627に進む。
【0149】
ステップS627において、制御部1は複写制御フォーマット識別子を持つ埋め込み情報を2つ以上抽出したかを判断する。
【0150】
ステップS627において、制御部1が複写制御フォーマット識別子を持つ埋め込み情報を2つ以上抽出した場合、上書きしていない複写制御フォーマット識別子をもつQRコードの画像を読み込んだ原稿画像からすべて削除する(S628)。ここで削除とは、原稿画像から複写制御QRコードが読み取れないようにする処理であり、本実施例では白抜き処理とする。が、他にも背景色に置き換える、複写制御QRコードを黒塗りする、他の画像に置き換えるなどがあり、特に限定はしない。
【0151】
このステップS627の処理は、複写制御フォーマット識別子をもつQRコードが複数ある場合、ユーザがどの複写制御QRコードが更新対象となっているか原稿を見ただけではわからず、紛らわしいために削除している。
【0152】
尚、本実施例では、複写制御フォーマット識別子持たない一般情報QRコードの埋め込み情報が同時に得られていたとしても、一般情報QRコードは削除してよいQRコードなのが判断できないため、原稿からの削除は行わない。
【0153】
ステップS627において、制御部1が複写制御フォーマット識別子を持つ埋め込み情報を2つ以上抽出していないと判断した場合、制御部1はステップS619に進む。
【0154】
以上、複写禁止機能を搭載したMFP1001が、スキャン対象となる原稿にバージョンやリビジョンの情報を含んだ複写制御QRコードと、それ以外の情報を持つQRコードとを、各々規定個数以上情報化したときの制御に関する発明である。
【0155】
この制御により、異なるバージョンやリビジョンの情報を含んだ複数の複写制御QRコードと、複写動作の制御情報を含まない2次元コードが一度の読み取りで混在していても、動作不正を起こさない制御が可能となる。
【0156】
(実施例3)
次に、本発明の実施例3について説明する。
実施例3では、QRコードを検出したときに、複写制御QRコードに複写禁止情報が含まれていたとしても強制的に複写を許可する設定が存在する場合の制御について説明する。なお、実施例3において、このように強制的に複写を実行するMFPの設定を「禁止情報無視モード」と称することとする。
【0157】
この禁止情報無視モードの設定が有効となっている場合、複写禁止情報の複写制御QRコードが付加された原稿画像を複写することが可能である。この禁止情報無視モードは、例えばMFPの管理者権限や機密情報を扱う権限を持つユーザが複写禁止情報を含む原稿を一時的に複写したいときにのみ設定を変更して使用することを想定している。
【0158】
実施例2において、複写制御フォーマットバージョンが、これを読み取ったMFPが対応していない複写制御QRコードである場合に、複写を禁止していた。
【0159】
しかし、管理者権限や機密情報を扱う権限を持つユーザは、対応していない複写制御フォーマットバージョンを含む複写制御QRコードが付加された原稿も、複写をしたい場合があると考えられる。
【0160】
そこで、実施例3では、禁止情報無視モードの設定が有効の場合、対応していない複写制御フォーマットバージョンの埋め込み情報が得られた場合であっても、複写を許可する制御を実行する。このように制御することにより、管理者権限や機密情報を扱う権限を持つユーザは、MFPが対応していない複写制御フォーマットバージョンを含む複写制御QRコードが付加された原稿であっても、一時的に複写することができ、利便性を向上する。
【0161】
本実施例では、この禁止情報無視モードの設定は、表示部9によって表示され(ここでは図示しない)、ユーザは操作部5を介して設定を入力する。また本実施例では、この禁止情報無視モードはMFP1001の管理者権限を持つユーザのみに設定可能なモードとする。ただし、本発明としては、特に限定はしない。
【0162】
また、禁止情報無視モードの設定が無効の場合でも、ユーザは操作部5から印刷セキュリティ設定を指定し、複写制御QRコードの付加を設定可能とする。ただし、本実施例では、複写禁止情報の原稿を複写する際に、複写許可情報のQRコードの付加が設定された場合、複写禁止情報を複写許可情報に置き換えることはできない運用を想定している。したがって複写禁止情報の付加が設定されていたとしても、複写禁止情報のまま出力するか、出力自体を中止することとなる。
【0163】
これは複写を禁止する機密文書においてセキュリティ強度を弱くすることを防ぐためである。
【0164】
本発明の実施例3における、不正複写を防止する機能を搭載したMFP1001が行う複写動作の制御について図7を参照して詳細に説明する。
【0165】
ここでは、本発明の実施例2とは異なる部分について説明する。
【0166】
この制御は、図6で示したフローチャートに、ステップS729〜S735の処理が追加される。
【0167】
以下、実施例2から変更になる部分を説明する。複写制御QRコードが1つ、または複数個付加された原稿を読み取った場合に、出力を禁止する制御は、実施例1及び/または実施例2と同じである。
【0168】
ステップS721において、制御部1が埋め込み情報の中で、MFP1001が対応していない複写制御フォーマットバージョン情報を1つ以上抽出したかを判断した場合、制御部1は、MFP1001の禁止情報無視モードは有効かを判断する(S729)。
【0169】
ステップS721において、制御部1が、埋め込み情報の中で、MFP1001が対応していない複写制御フォーマットバージョン情報を1つも抽出していないと判断した場合、1つ以上複写禁止情報を抽出したかを判断する(S710)。
【0170】
ステップS710において、制御部1が埋め込み情報の中で、1つ以上複写禁止情報を抽出したか判断した場合、制御部1は、MFP1001の禁止情報無視モードは有効かを判断する(S729)。
【0171】
ステップS710において、制御部1が埋め込み情報の中で、1つも複写禁止情報を抽出していないと判断した場合、制御部1は、ステップS711に進む。
【0172】
ステップS729において、制御部1が、MFP1001の禁止情報無視モードは有効であると判断しなかった場合、制御部1は、MFP1001の複写動作を停止する。即ち、読取部2が生成した原稿画像の複写を行わない。これは前述の実施例1や実施例2において、対応していない複写制御フォーマットバージョンや複写新規情報の埋め込み情報を得た場合の動作と同じとなる。
【0173】
ステップS729において、制御部1が、MFP1001の禁止情報無視モードは有効であると判断した場合、制御部1は、印刷セキュリティ設定を取得する(S730)。そして、ステップS731に進む。
【0174】
ステップS731において、制御部1は印刷セキュリティ設定で、複写制御QRコードの付加が設定されているかを判断する。
【0175】
ステップS731において、制御部1が印刷セキュリティ設定で、複写制御QRコードの付加が設定されていないと判断した場合、MFP1001は、原稿画像の複写を開始する(S719)。
【0176】
ステップS731において、制御部1が印刷セキュリティ設定で、複写制御QRコードの付加が設定されていると判断した場合、制御部1は得られた埋め込み情報の中で、最も新しい複写制御フォーマットバージョンが2つ以上存在したかを判断する(S732)。
【0177】
ステップS732で、制御部が得られた埋め込み情報のうち、最も新しい複写制御フォーマットバージョンが2つ以上存在していないと判断した場合、即ち最も新しい複写制御フォーマットバージョンの複写制御QRコードが1つの場合、ステップS733に進む。
【0178】
ステップS733において、制御部1は最も新しい複写制御フォーマットバージョンの複写制御QRコードを更新対象QRコードにとする。そして、ステップS715に進む。
【0179】
ステップS732において、制御部1が得られた埋め込み情報の中で、最も新しい複写制御フォーマットバージョンが2つ以上存在していると判断した場合、制御部1は該当する埋め込み情報の中で複写禁止情報を2つ以上抽出したかを判断する(S734)。
【0180】
ステップS734において、制御部1が該当する埋め込み情報の中で複写禁止情報を2つ以上抽出したと判断した場合、ステップS722に進む。即ち、実施例1や実施例2と同様に、更新対象QRコードの設定処理を行う。
【0181】
ステップS734において、制御部1が該当する埋め込み情報の中で複写禁止情報を2つ以上は抽出していないと判断した判断した場合、制御部1は該当する埋め込み情報の中で複写禁止情報が存在したかを判断する(S735)。
【0182】
ステップS735において、制御部1が該当する埋め込み情報の中で複写禁止情報が存在しなかったと判断した場合、ステップS722に進む。即ち、数ある複写制御QRコードがすべて許可であるため、実施例1や実施例2と同様に、更新対象QRコードの設定処理を行う。
【0183】
ステップS735において、制御部1が該当する埋め込み情報の中で複写禁止情報が存在すると判断した場合、複写禁止情報を持つ複写制御QRコードを更新対象QRコードに設定する(S736)。そして、ステップS715に進む。
【0184】
このように、本実施例では、禁止情報無視モードが有効の場合、複写禁止情報だけでなく、対応していない複写制御フォーマットバージョンを含む複写制御QRコードが付加された原稿も、利便性のために印刷を許可している。また、その印刷において印刷セキュリティ設定が有効である場合、複写制御QRコードの上書きも可能としている。
【0185】
以上、複写禁止機能を搭載したMFPが、禁止情報無視モードにおいて、スキャンする文書にバージョンやリビジョンの情報を含んだ複写動作の制御情報を持つQRコードと、それ以外のQRコードとを、各々規定個数以上情報化したときの制御に関する発明である。
【0186】
この制御により、禁止情報無視モードが有効であるならば、複写禁止情報だけでなく、対応していない複写制御フォーマットバージョンを含む複写制御QRコードが付加された原稿の複写が可能となり、利便性を向上することができる。
【0187】
(実施例4)
次に、本発明の実施例4について説明する。
実施例2や実施例3では、更新対象QRコードを設定する条件として、複写日時が複写制御フォーマットリビジョンよりも優先されて設定されている。例えば同じ複写制御フォーマットバージョンと同じ複写制御情報を持つ複写制御QRコードを2つ読み込んだとする。この複写制御QRコードが更新対象QRコードとなるのは、埋め込み情報の第1ユーザ情報の複写日時が最も古い方である。この理由は、複写制御QRコードを初めて原稿に付加したユーザの情報を残したいためである。また、第1ユーザ情報の複写日時が同じである場合、複写制御フォーマットバージョンが新しい方が採用される。この理由は、複写制御フォーマットバージョンが新しい方が、古い方よりも埋め込み情報が多い可能性があるためである。
【0188】
しかしながら、新しい複写制御フォーマットリビジョンの埋め込み情報の方が古い複写制御フォーマットリビジョンの埋め込み情報よりもデータの情報量が大きいため、古い第1ユーザ情報よりも優先して残したいという運用も想定される。
【0189】
そこで、本実施例4では、複数の複写制御QRコードから更新対象QRコードを設定する際に、第1ユーザ情報の複写日時よりも複写制御フォーマットリビジョンを優先し、複写制御フォーマットリビジョンが新しい方を更新対象QRコードに設定する。
【0190】
尚、この実施例4の制御と実施例2または3の制御については、MFP1001がデフォルト値としてどちらを優先するかの設定を持つだけでなく、その設定値を管理者などのユーザで変更できてもよいだろう。例えば、表示部9に更新対象QRコードの設定時に優先する項目は「第1ユーザ情報が最古となるものか」「複写制御フォーマットリビジョン」を選択させるUI(ここでは図示しない)を表示部9に表示する。そして、ユーザが操作部5を介して入力させる。
【0191】
本発明の実施例4における、不正複写を防止する機能を搭載したMFP1001が行う複写動作の制御について図8を参照して詳細に説明する。
【0192】
ここでは本発明の実施例3とは異なる部分について説明する。
【0193】
この制御は、図7で示したフローチャートのステップS822とS824、ステップS823とS825の処理の順番をそれぞれ入れ替えたものである。
【0194】
以下、実施例3から変更になる部分を説明する。複写制御QRコードが1つ、または複数個付加された原稿を読み取った場合に出力を禁止する制御や、禁止情報無視モードが有効化された場合の制御は実施例3と同じである。
【0195】
ステップS813において、制御部1が複写制御QRコードを1つ以上復号化できたと判断した場合、該当するそれらの埋め込み情報の中で、最も新しい複写制御フォーマットリビジョンを含む複写制御QRコードが2つ以上存在したかを判断する(S824)。
【0196】
ステップS824において、制御部1が、最も新しい複写制御フォーマットリビジョンを含む複写制御QRコードが2つ以上存在しないと判断した場合、最も新しい複写制御フォーマットリビジョンの複写制御QRコードを更新対象QRコードとする(S825)。次にステップS815に進む。
【0197】
ステップS824において、制御部1が、最も新しい複写制御フォーマットリビジョンを含む複写制御QRコードが2つ以上存在すると判断した場合、埋め込み情報の第1ユーザ情報の中で最も古い複写日時が2つ以上存在しているかを判断する(S822)。
【0198】
ステップS822において、制御部1が、埋め込み情報の第1ユーザ情報の中で最も古い複写日時が2つ以上存在しと判断した場合、それらの複写制御QRコードのどれを更新対象QRコードとするかのユーザ指定値を取得する(S826)。次にステップS814に進む。
【0199】
ステップS822において、制御部1が埋め込み情報の第1ユーザ情報の中で最も古い複写日時が2つ以上存在しないと判断した場合、埋め込み情報の第1ユーザ情報の中で最も古い複写日時を持つ複写制御QRコードを更新対象QRコードとする(S823)。そして、次にステップS815に進む。
【0200】
以上のように、同じ複写制御フォーマットバージョンと同じ複写制御情報を持つ複写制御QRコードを2つ読み込んだ場合に、新しい複写制御フォーマットリビジョンを含む複写制御QRコードを更新対象QRコードに優先する。これにより、新しい複写制御フォーマットリビジョンの埋め込み情報を引き継ぐことが可能となる。
【0201】
(実施例5)
実施例2では、対応していない複写制御フォーマットバージョンを抽出した場合、実際にどの複写制御情報が入っているか否かにかかわらず、セキュリティ面で安全な制御として複写を禁止していた。
【0202】
しかしながら、同じ原稿に対応する複写制御フォーマットバージョンを含む複写制御QRコードを抽出した場合、利便性を重視して、対応する複写制御フォーマットバージョンの複写制御情報に従う利用も考えられる。
【0203】
本実施例5では、対応する複写制御フォーマットバージョンと対応しない複写制御フォーマットバージョンの複写制御QRコードを同時に読み込んだ場合、対応する複写制御フォーマットバージョンの複写制御情報を優先する制御に関するものである。
【0204】
尚、この実施例5の制御と実施例2〜実施例4の制御については、MFP1001がデフォルト値としてどちらを優先するかの設定を持つだけでなく、その設定値を管理者などのユーザで変更できてもよいだろう。例えば、表示部9に更新対象QRコードの設定時に優先する項目は「第1ユーザ情報が最古となるものか」「複写制御フォーマットリビジョン」を選択させるUI(ここでは図示しない)を表示部9に表示する。そして、ユーザが操作部5を介して入力させる。
【0205】
次に、本発明の実施例2における、不正複写を防止する機能を搭載したMFP1001が行う複写動作の制御について図6を参照して詳細に説明する。
【0206】
ここでは本発明の実施例2とは異なる部分について説明する。
【0207】
この制御は、図6で示したフローチャートのステップS921の処理が変更される。
【0208】
ステップS909において、制御部1がすべての埋め込み情報の復号化を完了したと判断した場合、制御部1は埋め込み情報の中で、MFP1001が対応する複写制御フォーマットバージョン情報を1つ以上抽出したかを判断する(S921)
ステップS921において、制御部1がMFP1001に対応する複写制御フォーマットバージョン情報を1つも抽出しなかった判断した場合、制御部1は、MFP1001の複写動作を停止する。即ち、読取部2が生成した原稿画像の複写を行わない。これは抽出した複写制御フォーマットバージョン情報が全て対応していなかった場合の動作であり、実施例2〜実施例4において、対応しない複写制御フォーマットバージョン情報を1つ以上抽出した時の処理と同じである。
【0209】
ステップS921において、制御部1がMFP1001に対応する複写制御フォーマットバージョン情報を1つ以上抽出した判断した場合、制御部1は、複写制御情報の中に複写禁止情報が含まれているかを判断する(S910)。即ち、抽出した複写制御フォーマットバージョン情報が1つでも対応しているのであれば、その複写制御QRコードの複写制御情報をもとに処理を行う。
【0210】
以上のように、本実施例では、対応する複写制御フォーマットバージョンと対応しない複写制御フォーマットバージョンの複写制御QRコードを同時に読み込んだ場合を想定する。そして、対応する複写制御フォーマットバージョンが1つでもあれば、その複写制御QRコードの複写制御情報を優先することで、利便性を高めることを可能としている。
【0211】
(その他の実施例)
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0212】
1 制御部
2 読取部
3 情報化部
5 操作部
6 ユーザ認証部
7 メモリ
8 出力部
9 表示部
10 データベース
11 エンコード部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写禁止情報を含む2次元コードを抽出可能な画像形成装置、その画像形成方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル複合機(MFP/Multi Function Peripheral)の普及に伴い、原稿の不正複写問題が増大している。この対策技術として、特定の原稿の複写を抑制する技術がある。この複写を抑制する技術として以下のような方法がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、原稿に対して複写禁止情報を持つ2次元コードを付加しておき、MFPがこの原稿を読み取った場合に、原稿の複写を禁止する方法が開示されている。
【0004】
MFPは、複写だけではなく、ストレージへの保存や、E−mail送信、FAX送信などの出力機能を有するものがあり、複写禁止情報が付加された原稿を読み取った場合には、どの出力機能を指示されたとしては一律出力を禁止している。
【0005】
また、原稿に埋め込まれる2次元コードとして、特許文献2で開示しているようにQRコード(登録商標)が知られている。この特許文献2に記載のQRコードは、特許文献1記載の2次元コードに比べて、汎用的に使用されている。したがって2次元コードとしてQRコードを使用し、複写禁止情報を埋め込んで原稿に付加されることがある。
【0006】
この2次元コードをMFPが解釈する場合、QRコードの中のデータは、予め定めた特定の識別子やデータ(情報)の並びを示すフォーマット、及びそのフォーマットの種別を示すバージョンやIDなどの型式情報などが含まれること想定される。
【0007】
画像形成装置において複写対象となる原稿に対して、複写禁止情報や複写許可情報など、複写動作の複写制御情報が埋め込まれた2次元コードが複数、付加されている場合がある。さらに2次元コードとして、QRコードなど汎用的な2次元コードを使用する場合、複写動作の制御情報が埋め込まれた2次元コードと、同じ種類ではあるが異なる情報が埋め込まれた2次元コードとが、同時に付加されている場合がありうる。
【0008】
これは例えば、すでに2次元コードが付加された文書に、新たに別の2次元コードを付加してしまった場合である。あるいは、複数の原稿が一度に複写対象となり、それら原稿の一つ一つに別々の2次元コードが含まれている場合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平04−009963号公報
【特許文献2】特開平10-312447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、こうした複写動作の制御情報が入った2次元コードと、複写動作の制御情報が含まれない2次元コードが付加された文書の取り扱いについて規定した公知技術は存在しない。
【0011】
従って、本願発明は、複写動作の制御情報が埋め込まれた2次元コードと、複写動作の制御情報が含まないが2次元コードの種類は同じ2次元コードが一度に複写対象となった場合の制御に関する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本願発明は、原稿を複写して画像を形成する画像形成装置であって、原稿を読み取って、原稿画像を生成する生成手段と、前記原稿画像に含まれる2次元コードを検出する検出手段と、を備え、検出した2次元コードに、複写に係る制御指示を示す複写制御情報を含む2次元コードと、複写制御情報を含まない2次元コードと、がそれぞれ検出された場合に、前記検出した2次元コードが所定数以上の場合には前記制御指示にかかわらず画像形成を実行しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複写動作の制御情報が埋め込まれた2次元コードと、複写動作の制御情報を含まない2次元コードが一度に読み取られた場合に、動作不正を起こさない制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例におけるMFP1001の構成を示すブロック図である。
【図2】MFP1001のQRコードが付加された原稿画像の作成処理を示すフローチャートである。
【図3】印刷セキュリティ設定の画面の一例を示す図である。
【図4】QRコードが付加された原稿画像の一例を示す図である。
【図5】実施例1における複写処理を示すフローチャートである。
【図6】実施例2における複写処理を示すフローチャートである。
【図7】実施例3における複写処理を示すフローチャートである。
【図8】実施例4における複写処理を示すフローチャートである。
【図9】実施例5における複写処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
(実施例1)
通常、複写制御情報を持つ2次元コードが埋め込まれるのは、1ページの印刷対象の原稿に対して1種類であるか、予め定められた所定の領域に1種類あるようにして運用される。従って、スキャンした原稿に規定数以上(所定数以上)の2次元コードが付加されていた場合、ユーザにより意図的に処理された原稿であると想定できる。なお、規定数とは、ユーザ又はメーカーにより設定される、2次元コードの予め定められている数である。
【0017】
悪意のあるユーザの例は、複写動作の制御情報を含んだ複写対象となる原稿に対し、複写動作の制御情報を持たない同じ種類の2次元コードを、大量個数一度スキャンさせることによって、MFPに動作不正を起こさせようとする場合である。
【0018】
そこで、本実施例1は、複写対象となる原稿に含まれた2次元コードから、複写動作に係る指示を示す複写制御情報と、それ以外の情報とを規定数以上情報化したとき、ユーザによる不正な複写であると判断する。そして、2次元コードに含まれる複写制御情報が示す指示内容にかかわらず、複写を禁止する画像形成に係る装置に関する。
【0019】
なお、本実施例では、スキャンする文書に含まれる2次元コードの一例として、QRコードを使用する。これはあくまで本実施例の場合であり、これ以外の2次元コードを使用しても良い。
【0020】
まず、本実施例において使われる用語について説明する。
【0021】
原稿には、複写されたときに各種の制御指示を実行させるための制御情報を含んだ2次元コードが付加される。本明細書では、この制御情報を「複写制御情報」と称することとする。なお、複写制御情報には、複写禁止情報と複写許可情報との2種類がある。
【0022】
また、QRコードは、複写制御情報以外にも、複写したユーザ名や複写日時、MFP固有のシリアル番号、ジョブなども含むことが可能である。本実施例ではこれら複写制御情報以外の情報を「追跡情報」と称することとする。
【0023】
本実施例ではQRコード1つに対して、複数、例えば2つの追跡情報を格納することが可能であり、MFPは、追跡情報をQRコードにさらに付加できる機能を持つものとする。
【0024】
本実施例では、追跡情報が2つの例について説明する。具体的には、2つの追跡情報のうち、1つは、一番初めにQRコードを原稿画像に付加したユーザとMFPを示す追跡情報である。本実施例では、この追跡情報を「第1ユーザ情報」とする。また、もう1つは、最後にQRコードを原稿画像に付加したユーザとMFPを示す追跡情報である。本実施例では、この追跡情報を「最終ユーザ情報」とする。なお、追跡情報は、一番初めに原稿に付加して複写するように指示したユーザ名、複写日時、デバイス名、最後に複写したユーザ名、複写日時、デバイス名とすることができる。
【0025】
本実施例では、複写処理において原稿を読み取った原稿画像にQRコードが含まれていない場合でも、追跡情報を追加する設定であれば、QRコードを新たに生成し、原稿画像に新たなQRコードを付加することができる。
【0026】
また、原稿画像にQRコードが含まれている場合であって、追跡情報を追加する設定であれば、複写を実行した現在の追跡情報を最終ユーザ情報とし、原稿画像に含まれるQRコードの第1ユーザ情報を含んだ新たなQRコードを生成する。そして、原稿画像において、当該新たなQRコードを原稿画像に含まれていたQRコードと置き換える。これを本実施例では「QRコードの更新」と称する。
【0027】
なお、これら追跡情報は、複写制御情報と一緒に1つのQRコードに対して埋め込まれてもよいとし、特に限定しない。
【0028】
この複写制御情報や追跡情報を持つQRコードは、それらの情報を含んでいること、またはそれらの情報が格納される領域を持つことを示す識別子を持つ。この識別子を本実施例では「複写制御フォーマット識別子」又は「複写制御識別子」と称する。なお、この複写制御フォーマット識別子は、複写制御情報と追跡情報の両方またはどちらか一方がQRコードに埋め込まれる場合にQRコードにさらに埋め込まれる。
【0029】
以上のように、本実施例ではQRコードに「複写制御情報」「追跡情報」「複写制御フォーマット識別子」がそれぞれ埋め込まれているものとする。なお、これらの情報が埋め込まれたQRコードを本実施例では「複写制御QRコード」と称する。一方、これらの情報が埋め込まれていないQRコードを、本実施例では「一般情報QRコード」と称する。
【0030】
なお、本実施例では、QRコードの埋め込み情報において、複写制御フォーマット識別子がある場合は、「複写制御QRコード」と扱い、無い場合は「一般情報QRコード」として扱われる。したがって、一般情報QRコードは、複写制御フォーマット識別子が埋め込まれておらず、複写制御情報があったとしても複写機が解釈できないQRコードである。
【0031】
次に、複写制御情報、追跡情報、及び複写制御フォーマット識別子が付加された原稿画像を作成して複写する処理について説明する。
【0032】
当該処理では、まず、複写制御情報、追跡情報、及び複写制御フォーマット識別子を符号化して、埋め込み情報を得る。2番目に、この埋め込み情報を画像化して2次元コードを生成する。3番目に、生成した2次元コードと読み取った原稿画像とを合成し、2次元コードの合成された新たな原稿画像を生成する。最後に、2次元コードの合成された新たな原稿画像を印刷する。
【0033】
以上の処理により、複写制御情報、追跡情報、及び複写制御フォーマット識別子が2次元コードで付加された原稿画像が複写されて印刷される。なお、複写制御情報、追跡情報、及び複写制御フォーマット識別子を符号化し、画像化する処理を、「2次元コード化」と称することとする。
【0034】
本実施例も含め以降の実施例では、このように2次元コードを利用する形態(即ち、2次元コードを原稿画像に合成して印刷する形態、及び、その印刷により得られた原稿を読み取り、複写を制御する形態)を例に各ステップの処理の説明を行うこととする。
【0035】
なお、本実施例では、2次元コードとして汎用的な2次元コードの1つであるQRコードを使用し、原稿の1面(1ページ)に、QRコードが付加されているものとする。
【0036】
次に、複写制御情報や追跡情報を含むQRコードが付加されている原稿から、複写制御情報を抽出する処理について説明する。
【0037】
始めに、原稿台の上、または、ADF(Auto Document Feeder)に置かれた原稿を光学的に読み取り、原稿画像を生成する。このように、原稿の1ページ分に対応する原稿画像が1つ生成される。2番目に、その原稿画像を分析してQRコードを見つけ出す。3番目に、見つけ出したQRコードを情報化して埋め込み情報を得る。4番目に、埋め込み情報を復号化して複写制御情報、追跡情報、及び複写制御フォーマット識別子を得る。これにより、複写制御情報がQRコードとして付加されている原稿から、複写制御情報を得ることができる。この一連の処理の内、2番目以降の処理を、情報の「抽出」と称することとする。
【0038】
なお、一般的には、埋め込み情報には、誤り訂正符号が含まれており、一方、複写制御情報、追跡情報、及び複写制御フォーマット識別子には、誤り訂正符号は含まれていない。
【0039】
なお、本実施例においてMFP1001が複写制御QRコードから埋め込み情報を得た場合、その埋め込み情報をログとしてMFP1001内に保存するものとする。
【0040】
次に、図1を参照して本発明の第1の実施例におけるMFP1001の構成について詳細に説明する。ここで、図1は、本実施の形態に係るMFP1001の構成を例示するブロック図である。
【0041】
制御部1は、MFP1001の各ユニットの動作制御を行う。制御部1は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置から構成される。なお、制御部1は、埋め込み情報を復号化する。
【0042】
読取部2は、原稿を光学的に読み取り(例えば、スキャン)、原稿画像を生成する。なお、原稿が印刷物等の紙文書であるのに対して、原稿画像は、原稿を再現するための色情報を備えるデジタルデータである。
【0043】
情報化部3は、原稿画像からQRコードを見つけ出して情報化を行う。
【0044】
操作部5は、MFP1001に対するユーザからの操作入力を受け付ける。
【0045】
ユーザ認証部6は、MFP1001を使用するユーザを認証する際に必要となる情報を保持する。なお、ユーザ認証部6の詳細な動作については後述する。
【0046】
メモリ7は、原稿画像を記憶する。
【0047】
出力部8は、メモリ7から原稿画像を読み出した後、原稿画像を用紙に印刷、または、原稿画像を外部装置に送信する等、外部に対して出力を行う。なお、外部装置とは、MFP1001とネットワークを介して接続されているPC等が一例である。
【0048】
表示部9は、制御部1の制御に従って、表示用の画像を画面に表示する。
【0049】
データベース10は、MFP1001の印刷設定や使用ログ等を記録する。
【0050】
エンコード部11は、上述の符号化及び画像化を行う。
【0051】
次に、複写制御情報を付加したい場合にユーザが行う手続き、及びそれに応じてMFP1001が行う処理について詳細に説明する。
【0052】
原稿に複写制御情報を付加したいユーザは、まず、表示部9に表示される設定画面を見ながら、ユーザID及びパスワードを、操作部5を介して入力する。
【0053】
操作部5を介して入力されたユーザID及びパスワードは、ユーザ認証部6に送られる。ユーザ認証部6は、入力されたユーザID及びパスワードと、保持している情報とを比較して、入力されたパスワードが適切なパスワードであるかどうかを判断する。
【0054】
判断の結果、パスワードが適切なパスワードである場合に、ユーザ認証部6は、適切なパスワードであるという旨とユーザIDとを制御部1に送信する。
【0055】
適切なパスワードであるという旨とユーザIDとを受信した制御部1は、表示部9に、複写制御情報を付加するか否かをユーザに問うチェックボックスを表示する。ユーザがチェックボックスを介して複写制御情報を付加することを選択した場合、制御部1は、図3に示す印刷セキュリティ設定ダイアログボックス31を表示部9に対して表示する。
【0056】
ユーザは、操作部5を介して印刷セキュリティ設定ダイアログボックス31内のラジオボタン32にチェックを入れることにより、「複写を禁止する」又は「複写を許可する」の選択肢のうちの1つを選択する。選択された選択肢が「複写を禁止する」の場合は、複写制御情報として複写禁止情報が印刷対象の原稿に付加されることになる。一方、選択された選択肢が「複写を許可する」の場合は、複写制御情報として複写禁止情報が印刷対象の原稿に付加されることになる。
【0057】
さらに、ユーザは、操作部5から追跡情報追加設定ダイアログボックス31内のラジオボタン37にチェックを入れることにより、「追跡情報を追加する」又は「追跡情報を追加しない」のうちの1つを選択する。選択された選択肢が「追跡情報を追加する」の場合は、QRコードに追跡情報が追加されることになる。
【0058】
本実施例ではユーザに追跡情報の追加を選択できるようにしているが、ユーザに選択させること無しに、予め追跡情報を追加する設定になっていてもよい。すなわちラジオボタン32の複写制御情報の設定が行われた時に、追跡情報が追加されるように設定することができる。
【0059】
さらに、ユーザは、操作部5を介して印刷セキュリティ設定ダイアログボックス31内のラジオボタン33にチェックを入れることにより、原稿画像に追加されるQRコードの位置を設定できる。本実施例では原稿に対して「右上」「右下」「左上」「左下」の選択肢の中から1つの選択肢を選択することができる。また、選択された位置について、印刷セキュリティ設定ダイアログボックス31内の設定確認画面34に、原稿のどの位置にQRコードが配置されるかを表示させることができる。例えば、図3の設定確認画面34は、「右上」が選択された場合の例を示している。
【0060】
なお、一連の複写において作成される原稿画像には、すべて同じ複写制御情報が付加されることになる。ここで、一連の複写とは、原稿台やADFに置かれた原稿群を1度の複写指示で複写物を生成するように複写することである。
【0061】
例えば、ユーザが原稿群(例えば、4枚)をADFに置いて、3部複写する指示をMFP1001にした場合、3部の複写物(つまり、12枚)が一連の複写により生成される。そして、その3部の複写物には、すべて同じ複写制御情報や追跡情報が付加される。
【0062】
また、複写制御情報や追跡情報を付加するための入力指示は、MFP1001と接続されているPCのドライバやユーティリティ上から行うように構成することも可能である。また、本発明の実施例1において、1枚の原稿に対して付加する複写制御情報は、複写禁止情報か複写許可情報のいずれか1つである。
【0063】
次に、QRコードが埋め込まれた原稿画像を作成する作成方法について、図2を参照して詳細に説明する。
【0064】
処理が開始すると、制御部1は、まず、印刷セキュリティ設定でQRコードの付加が設定されているかを判断する(S201)。
【0065】
S201において、印刷セキュリティ設定でQRコードの付加が設定されていると判断した場合、制御部1は、印刷セキュリティ設定ダイアログボックス31を介してユーザにより行われた選択を示す情報を操作部5から受け取る。そして、その選択に応じた複写制御情報をエンコード部11に送信する(S202)。上述したように、選択された選択肢が「複写を禁止する」の場合は、その選択に応じた複写制御情報は、複写禁止情報を含むことになる。また、選択された選択肢が「複写の許可する」の場合は、その選択に応じた複写制御情報は、複写許可情報を含むことになる。
【0066】
次に、読取部2は、原稿を読み取って原稿画像を生成し、当該原稿画像をメモリ7と情報化部3に送信する(S203)。
【0067】
次に、エンコード部11は、複写制御情報を、符号化及び画像化することにより、QRコードを生成する。さらに、エンコード部11は、当該QRコードをメモリ7に送信する(S204)。
【0068】
次に、制御部1は、印刷セキュリティ設定においてユーザにより指示された、QRコードを配置する位置を取得する(S205)。
【0069】
次に、制御部1は、メモリ7がQRコードと原稿画像を受け取ったことを検知すると、メモリ7において、原稿画像に対して、QRコードを指示された位置に合成して、QRコードの合成された原稿画像を生成する(S206)。
【0070】
図4は、QRコードを合成した原稿画像の一例である。図4に示すように、原稿画像401に対して、複写制御情報を持つQRコード402が付加されている。
【0071】
次に、制御部1は、QRコードの合成された原稿画像をメモリ7から出力部8に送信し、出力部8に、QRコードの合成された原稿画像を出力させる(S207)。出力部8がQRコードの合成された原稿画像を出力する方法としては、例えば、QRコードの合成された原稿画像の印刷等がある。
【0072】
なお、S201において、印刷セキュリティ設定でQRコードの付加が設定されていないと判断された場合、読取部2は、原稿を読み取って原稿画像を生成し、メモリ7に送信する(S208)。
【0073】
次に、制御部1は、メモリ7が原稿画像を受け取ったことを検知すると、原稿画像をメモリ7から出力部8に送信して、出力部8に原稿画像を出力させる(S209)。
【0074】
次に、原稿画像から複写制御情報を抽出する処理について説明する。
【0075】
情報化部3は、原稿画像内からQRコードの隅にある切り出しシンボル(ファインダパターン)を検出する。ファインダパターンを検出した場合、情報化部3は、原稿画像にQRコードがあると判断する。これを、「QRコードを見つけ出す」と称する。次に、見つけ出したQRコードを情報化して埋め込み情報を得る。そして最後に、QRコードを1つ見つけた制御部1は、当該QRコードに含まれる埋め込み情報を復号化する。このように復号化を行うことで、制御部1は、複写制御情報を得ることができる。なお、本実施例で使用するQRコードは一般的なQRコードであるため、この復号化の処理の詳細な内容や手順は割愛する。
【0076】
以上のように、原稿画像からQRコードを見つけ出す、見つけ出したQRコードを情報化して埋め込み情報を得る、埋め込み情報を復号化して複写制御情報を得る処理という一連の処理を「抽出処理」と称する。抽出処理により、原稿画像から複写制御情報を得ることができる。
【0077】
次に、不正複写を防止する機能を搭載したMFP1001が行う複写処理を、図1、図5を参照して詳細に説明する。
【0078】
まず、ユーザは、操作部5を介して複写処理を開始する指示を入力する(S501)。操作部5は、複写処理開始指示の旨を制御部1に連絡する。
【0079】
制御部1は、読取部2に対し、原稿を読み取るように制御する。これにより生成された原稿画像は、メモリ7と情報化部3に送信される(S502)。なお、制御部1は、メモリ7が原稿画像を受け取ると、その原稿画像に対して、出力部8が印刷するために必要な画像処理(例えば、ハーフトーニングなど)の実行を開始する。
【0080】
情報化部3は、原稿画像に含まれるQRコードを見つけ出し、見つけ出したQRコードの情報化を行い、埋め込み情報を得る(S503)。
【0081】
なお、このS503の処理は、N回(例えば、5回)行われるため、結果的に、埋め込み情報が最大でN個得られる可能性がある。
【0082】
次に、制御部1は、情報化部3に対してステップS503で実行したQRコードの情報化処理が完了したかを問い合わせる(S504)。QRコードの情報化処理が未完了の場合、ステップS503の処理に戻る。
【0083】
ステップS504において、情報化部3は全てのQRコードの情報化処理を完了した場合、制御部1は、情報化部3が原稿画像からQRコードの情報化処理により埋め込み情報を1つでも得られたかを判断する(S505)。
【0084】
ステップS505において、情報化部3が原稿画像から埋め込み情報を1つも得られなかった場合、ステップS511の処理に移る。
【0085】
ステップS505において、情報化部3が原稿画像から埋め込み情報を1つでも得られた場合、制御部1は、得られた複写制御QRコードの埋め込み情報の数と、一般情報QRコードの埋め込み情報の数をカウントする(S506)。このとき、複写制御フォーマット識別子が得られた埋め込み情報は複写制御QRコードの埋め込み情報の数とカウントし、それ以外の埋め込み情報は一般情報QRコードの埋め込み情報とカウントする。
【0086】
次に、制御部1は、カウントした埋め込み情報の個数は規定数以上かを判断する(S507)。
【0087】
ステップS507において、制御部1は、カウントした埋め込み情報の個数は規定数以上と判断しなかった場合、得られた埋め込み情報を復号化する(S508)。そして、制御部1は、原稿に複写制御QRコードの埋め込み情報を得られた場合、すわなち、複写制御フォーマット識別子が得られた場合、複写制御情報、追跡情報を得るこの複写制御情報の中には、複写禁止情報や複写許可情報のどれかが含まれている可能性がある。
【0088】
制御部1は、すべての埋め込み情報の復号化が完了したかを判断する(S509)。
【0089】
ステップS509において、制御部1がすべての埋め込み情報の復号化を完了したと判断しなかった場合、ステップS508の処理に戻る。
【0090】
ステップS509において、制御部1がすべての埋め込み情報の復号化を完了したと判断した場合、制御部1は、複写制御情報の中に複写禁止情報が含まれているかを判断する(S510)。
【0091】
ステップS510において、制御部1が複写制御情報の中に複写禁止情報が含まれていると判断した場合、制御部1は、MFP1001の複写動作を停止する。即ち、読取部2が生成した原稿画像の複写を行わない。
【0092】
ステップS510において、制御部1が複写制御情報の中に複写禁止情報が含まれていない判断した場合、制御部1は印刷セキュリティ設定を取得する(S510)。そして、QRコードに埋め込む複写制御情報と、原稿に印字するQRコードの位置を取得する(S511)。
【0093】
次に制御部1は、印刷セキュリティ設定でQRコードの付加が設定されているかを判断する(S512)。
【0094】
ステップS512において、印刷セキュリティ設定でQRコードの付加が設定されていると制御1が判断した場合、制御部1は複写制御QRコードを1つ以上復号化できたかを判断する(S513)。
【0095】
ステップS512において、印刷セキュリティ設定でQRコードの付加が設定されていないと制御1が判断した場合、MFP1001は印刷処理を開始する(S519)。
【0096】
ステップS513において、制御部1が複写制御QRコードを1つ以上復号化できたと判断した場合、その複写制御QRコードをQRコードの更新を行う対象に設定する(S514)。本実施例ではこの更新の対象となるQRコードを「更新対象QRコード」と称する。
【0097】
制御部1は、更新対象QRコード (S515)から得られた埋め込み情報と印刷セキュリティ設定、MFP1001の情報から新たにQRコードの画像データを生成する。本実施例では、更新対象QRコードから得られた第1ユーザ情報、印刷セキュリティ設定から得られた複写制御情報、MFP1001の情報から得られた最終ユーザ情報をもとにQRコードの埋め込み情報を生成し、QRコードの画像データを生成する。
【0098】
制御部1は印刷対象の画像データにおける更新対象QRコードの位置に、ステップS515で生成したQRコードの画像データを上書きして付加する(S516)。そしてステップS519に移行する。
【0099】
ステップS513において、制御部1が複写制御QRコードを1つ以上復号化できなかった場合、制御部1は、印刷セキュリティ設定から得られた複写制御情報、MFP1001の情報から得られた最終ユーザ情報をもとにQRコードを生成する(S517)。
【0100】
制御部1は取得した印刷セキュリティ設定から得られたQRコードの印字位置に、ステップS517で生成したQRコードの画像データを上書きして付加する(S518)。そしてステップS519に移行する。
【0101】
次に、MFP1001は、原稿画像の複写を開始する(S519)。
【0102】
次に、ステップS520において、制御部1は、読取部2がスキャンする文書の残り枚数は1枚以上あるか否かを判断する。
【0103】
ステップS520において、読取部2がスキャンする文書の残り枚数は1枚以上あると判断された場合には、S502の処理に戻る。
【0104】
ステップS520において、読取部2がスキャンする文書の残り枚数は1枚以上ないと判断された場合には、処理が終了する。
【0105】
ステップS507において、制御部1は、カウントした埋め込み情報の個数は規定数以上と判断した場合、制御部1は、MFP1001の複写動作を停止する。即ち、読取部2が生成した原稿画像の複写を行わない。
【0106】
これによって、悪意のあるユーザが、複写動作の制御情報を含む複写制御QRコードと複写動作の制御情報を持たない同じ種類の2次元コードを、大量個数一度スキャンした場合でも、MFPが動作不正を起こすことを防ぐことが可能となる。
【0107】
以上、実施例1は、複写禁止機能を搭載したMFP1001が、複写動作の制御情報を持つQRコードと、それ以外の情報を持つQRコードとを合わせて規定数以上情報化したとき、複写を禁止する。また、複写制御情報にいかなる情報が含まれているかにかかわらず、複写を禁止するものである。
【0108】
この制御により、複写動作の制御情報が入った2次元コードと、複写動作の制御情報が含まれず情報は全く別だが2次元コードの種類は同じ2次元コードが付加された文書の複写について、不正な複写が行われないように取り決めることが可能となる。
【0109】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2では、実施例1に加え、複写制御QRコードにバージョンやリビジョンの情報が含まれている場合の制御について説明する。なお、バージョン及びリビジョンは、複写制御QRコードの複写制御情報、追跡情報、及び複写制御フォーマット識別子の埋め込み情報と共に含まれる情報である。本実施例では「複写制御フォーマットバージョン」、「複写制御フォーマットリビジョン」と称する。
【0110】
はじめに、この「複写制御フォーマットバージョン」、「複写制御フォーマットリビジョン」について具体的に説明する。本実施例における複写制御フォーマットバージョン、複写制御フォーマットリビジョンは、2次元コードの仕様を特定するための情報であり、また、得られた埋め込み情報の中身のデータの並びを管理・識別するために使用するものである。
【0111】
本実施例で使用するQRコードは、2次元コードの情報化を行うために、2次元コードのモジュールサイズの情報を示す型番(Version)や誤り訂正レベル、バイナリデータや文字コードを示すモードなどの情報が一般的に使用される。
【0112】
複写制御フォーマットバージョン、複写制御フォーマットリビジョンはこれらのような情報とは別であり、埋め込み情報の中に含まれたデータについての情報の解釈に使用するものである。
【0113】
例えば、あるMFPで使用されている複写制御QRコードの機能が、別の将来のMFPにおいて機能追加となり、次世代の複写制御QRコードに埋め込まれる情報の種類や情報量が変更になったとする。その場合、次世代の複写制御QRコードはバージョンまたは/かつリビジョンがカウントアップされることになる。
【0114】
尚、本実施例では、複写制御QRコードにおいて、埋め込み情報が格納されるデータの並び順、及びサイズはどの複写制御フォーマットバージョン、複写制御フォーマットリビジョンでも同じとしている。なぜならば、これらの情報のデータの並びやサイズが異なる場合、読み取ったQRコードが複写制御QRコードであるかが現行機のMFPで判別できず、従って、複写制御QRコードのバージョン、リビジョンも非対応のため、判別できないこととなる。
【0115】
また、複写制御フォーマットバージョンと複写制御フォーマットリビジョンとの違いは、数値がカウントアップした場合、現行機での埋め込み情報の解釈(情報の認識)を保証できないものを複写制御フォーマットバージョンとする。
【0116】
例えば、複写制御情報や追跡情報のデータの並びが変更される場合や、複写制御情報に複写許可情報や複写禁止情報以外の条件情報(パスワード情報)などが定義された場合に、本実施例では複写制御フォーマットバージョンがカウントアップされる。
【0117】
一方、数値がカウントアップしていた場合でも、現行機ですでに対応していた項目の埋め込み情報であれば、解釈可能となることを保証するものを複写制御フォーマットリビジョンとする。
【0118】
例えば、追跡情報のデータの末尾に新しい追跡情報の項目が追加された場合、現行機では、当該項目が追加される前の複写制御QRコードの埋め込み情報は解釈できるため、複写制御フォーマットリビジョンがカウントアップされる。
【0119】
次に、本発明の実施例2に係る処理について、実施例1とは異なる部分を中心に説明する。
【0120】
実施例1では、1ページに含まれる複写制御QRコードと一般情報QRコードの合計が規定数以上である場合に、対象となる原稿画像を複写しないものであった。
【0121】
本実施例2では、複写制御QRコードと一般情報QRコードの合計が規定数より少なく、且つ複写制御QRコードが複数個有る場合に、どの複写制御QRコードを更新対象QRコードにするかを決定するものである。
【0122】
例えば、原稿画像内に複写制御フォーマットバージョンが異なる複数の複写制御QRコードがあり、その1つ以上の複写制御QRコードの複写制御フォーマットバージョンが、埋め込み情報を抽出するMFPに対応していないバージョンである場合の処理に関する。しかし、その場合、複写制御フォーマットバージョンが異なるため、複写制御情報に含まれている情報が複写許可情報なのか複写禁止情報なのかについて、MFPは判別できない。そこで、本実施例では、対応していない複写制御フォーマットバージョンを抽出した場合、複写制御情報の内容にかかわらず、複写を禁止する。なお、対応している複写制御フォーマットバージョンと複写許可情報とを持つ複写制御QRコードが付加された原稿を同時に読み込んだ場合も同様である。
【0123】
これは、対応していない複写制御フォーマットバージョンの複写制御QRコードに複写禁止情報が含まれているかもしれないため、セキュリティ面で安全性の高い制御を行うからである。
【0124】
また、同様に複写制御フォーマットリビジョンが異なる複数の複写制御QRコードがあり、その1つ以上の複写制御QRコードのリビジョンが、埋め込み情報を抽出するMFPに対応していないリビジョンである場合がある。
【0125】
リビジョンが異なる場合、対応している項目や複写制御情報についてはMFPが判別可能である。
【0126】
そのため、本実施例では、対応していない複写制御フォーマットリビジョンを抽出した場合、複写制御情報がすべて同じであれば、新しいリビジョンの複写制御QRコードを更新対象QRコードとする。
【0127】
これは、新しい複写制御フォーマットリビジョンの方が、次世代の複写制御QRコードということもあり、追跡情報などの情報量が多いと想定されるためである。したがって複写制御情報が同じであるならば、情報量が多いと見込まれる複写制御フォーマットリビジョンの複写制御QRコードを更新対象QRコードとし、埋め込み情報を引き継ぐ。
【0128】
尚、本実施例では、これらの複写制御フォーマットバージョン、複写制御フォーマットリビジョンは印刷セキュリティ設定でQRコードの付加が設定されている場合に自動的にQRコードの埋め込み情報に含まれるものとする。
【0129】
次に、本発明の実施例2における、不正複写を防止する機能を搭載したMFP1001が行う複写動作の制御について図6を参照して詳細に説明する。
【0130】
この制御は、図6で示したフローチャートのステップS504、S514の処理がステップS605、S614の処理に置き換わる。またステップS621〜626の処理が追加される。
【0131】
以下、実施例1から変更になる部分を説明する。複写禁止情報が付加された原稿を読み取った場合に出力を禁止する制御や、規定数以上の埋め込み情報を得た場合に複写動作を停止する制御は、実施例1と同じである。
【0132】
制御部1は、すべての埋め込み情報の復号化が完了したかを判断する(S609)。
【0133】
ステップS609において、制御部1がすべての埋め込み情報の復号化を完了したと判断した場合(S609;YES)、MFP1001が対応していない複写制御フォーマットバージョン情報を1つ以上抽出したかを判断する(S621)。
【0134】
ステップS621において、制御部1が埋め込み情報の中で、MFP1001が対応していない複写制御フォーマットバージョン情報を1つ以上抽出した場合、制御部1は、MFP1001の複写動作を停止する。即ち、読取部2が生成した原稿画像の複写を行わない。
【0135】
なお、複写制御フォーマットバージョンが異なると、複写制御フォーマット識別子、複写制御フォーマットバージョン、及び複写制御フォーマットリビジョン以外の情報の並びやサイズ、種類が変更され、複写制御情報を正しく解釈できない可能性がある。複写を実行してしまうと、複写禁止情報が埋め込まれたQRコードが付加された原稿を印刷してしまう場合がある。そのため、本実施例では、複写制御フォーマットバージョンが異なると、その原稿に対する複写動作を停止している。
【0136】
複写制御フォーマットバージョンがMFP1001に対応し、複写制御情報が解釈できる複写制御QRコードと、対応しない複写制御フォーマットバージョンの複写制御QRコードとを同時に読み込んだとしても、上述の理由で複写動作の停止を行う。
【0137】
ステップS621において、制御部1が埋め込み情報の中で、MFP1001が対応していない複写制御フォーマットバージョン情報を1つも抽出していないと判断した場合、制御部1は、複写制御情報の中に複写禁止情報が含まれているかを判断する(S610)。
【0138】
ステップS610からステップS613までは実施例1と同じであるため、記載を割愛する。
【0139】
ステップS613において、制御部1が複写制御QRコードを1つ以上復号化できたと判断した場合、制御部1は、埋め込み情報の第1ユーザ情報の中で最も古い複写日時が2つ以上存在しているかを判断する(S622)。
【0140】
ステップS622において、制御部1が埋め込み情報の第1ユーザ情報の中で最も古い複写日時が2つ以上存在しなかったと判断した場合、最も古い複写日時の第1ユーザ情報の埋め込み情報を持つ複写制御QRコードを更新対象QRコードとする(S623)。そして、ステップS615に進む。最も古い複写日時が含まれている複写制御QRコードを更新対象QRコードとする理由は、複写制御QRコードを初めて原稿に付加したユーザの情報を残したいためである。
【0141】
制御部1が、第1ユーザ情報の中で最も古い複写日時が2つ以上存在したと判断した場合(S622)、該当する埋め込み情報の中で、最新の同一の複写制御フォーマットリビジョンを含む複写制御QRコードが2つ以上検出できたかを判断する(S624)。
【0142】
ステップS624において、制御部1が、最も新しい複写制御フォーマットリビジョンを含む複写制御QRコードが2つ以上存在しないと判断した場合、最も新しい複写制御フォーマットリビジョンの複写制御QRコードを更新対象QRコードとする(S625)。
【0143】
これは、複写制御フォーマットリビジョンが新しい複写制御QRコードのほうが、複写制御フォーマットリビジョンが古い複写制御QRコードよりも、追跡情報に含まれる情報が多い可能性があるため、上記の通り処理している。そして、最も新しい複写日時が2つ以上存在した場合は、複写制御フォーマットリビジョンが新しい埋め込み情報を採用する。
【0144】
ステップS624において、制御部1が、最も新しい複写制御フォーマットリビジョンを含む複写制御QRコードが2つ以上存在すると判断した場合、複写制御QRコードのどれを更新対象QRコードとするかのユーザ指定値を取得する(S626)。次にステップS614に進む。
【0145】
本実施例ではS626の処理は、表示部9に更新対象QRコードの位置を選択させるUI(ここでは図示しない)を表示し、ユーザに対して操作部5を介して入力させることにより決定させるものとする。
【0146】
しかし、印刷セキュリティ設定で予め優先するQRコードの印字位置を指定する場合、MFP1001が予めデフォルトの更新対象QRコードの位置を持っている場合、MFP1001が最初に抽出した複写制御QRコードとする場合なども想定される。しかし、本発明においては特に限定するものではない。
【0147】
ステップS614では、指定された複写制御QRコードを更新対象QRコードとして、次にステップS615に進む。
【0148】
ステップS615、S616及びステップS617、S618は実施例1と同じであるため、記載を割愛する。ステップS616またはステップS618の処理のあとはステップS627に進む。
【0149】
ステップS627において、制御部1は複写制御フォーマット識別子を持つ埋め込み情報を2つ以上抽出したかを判断する。
【0150】
ステップS627において、制御部1が複写制御フォーマット識別子を持つ埋め込み情報を2つ以上抽出した場合、上書きしていない複写制御フォーマット識別子をもつQRコードの画像を読み込んだ原稿画像からすべて削除する(S628)。ここで削除とは、原稿画像から複写制御QRコードが読み取れないようにする処理であり、本実施例では白抜き処理とする。が、他にも背景色に置き換える、複写制御QRコードを黒塗りする、他の画像に置き換えるなどがあり、特に限定はしない。
【0151】
このステップS627の処理は、複写制御フォーマット識別子をもつQRコードが複数ある場合、ユーザがどの複写制御QRコードが更新対象となっているか原稿を見ただけではわからず、紛らわしいために削除している。
【0152】
尚、本実施例では、複写制御フォーマット識別子持たない一般情報QRコードの埋め込み情報が同時に得られていたとしても、一般情報QRコードは削除してよいQRコードなのが判断できないため、原稿からの削除は行わない。
【0153】
ステップS627において、制御部1が複写制御フォーマット識別子を持つ埋め込み情報を2つ以上抽出していないと判断した場合、制御部1はステップS619に進む。
【0154】
以上、複写禁止機能を搭載したMFP1001が、スキャン対象となる原稿にバージョンやリビジョンの情報を含んだ複写制御QRコードと、それ以外の情報を持つQRコードとを、各々規定個数以上情報化したときの制御に関する発明である。
【0155】
この制御により、異なるバージョンやリビジョンの情報を含んだ複数の複写制御QRコードと、複写動作の制御情報を含まない2次元コードが一度の読み取りで混在していても、動作不正を起こさない制御が可能となる。
【0156】
(実施例3)
次に、本発明の実施例3について説明する。
実施例3では、QRコードを検出したときに、複写制御QRコードに複写禁止情報が含まれていたとしても強制的に複写を許可する設定が存在する場合の制御について説明する。なお、実施例3において、このように強制的に複写を実行するMFPの設定を「禁止情報無視モード」と称することとする。
【0157】
この禁止情報無視モードの設定が有効となっている場合、複写禁止情報の複写制御QRコードが付加された原稿画像を複写することが可能である。この禁止情報無視モードは、例えばMFPの管理者権限や機密情報を扱う権限を持つユーザが複写禁止情報を含む原稿を一時的に複写したいときにのみ設定を変更して使用することを想定している。
【0158】
実施例2において、複写制御フォーマットバージョンが、これを読み取ったMFPが対応していない複写制御QRコードである場合に、複写を禁止していた。
【0159】
しかし、管理者権限や機密情報を扱う権限を持つユーザは、対応していない複写制御フォーマットバージョンを含む複写制御QRコードが付加された原稿も、複写をしたい場合があると考えられる。
【0160】
そこで、実施例3では、禁止情報無視モードの設定が有効の場合、対応していない複写制御フォーマットバージョンの埋め込み情報が得られた場合であっても、複写を許可する制御を実行する。このように制御することにより、管理者権限や機密情報を扱う権限を持つユーザは、MFPが対応していない複写制御フォーマットバージョンを含む複写制御QRコードが付加された原稿であっても、一時的に複写することができ、利便性を向上する。
【0161】
本実施例では、この禁止情報無視モードの設定は、表示部9によって表示され(ここでは図示しない)、ユーザは操作部5を介して設定を入力する。また本実施例では、この禁止情報無視モードはMFP1001の管理者権限を持つユーザのみに設定可能なモードとする。ただし、本発明としては、特に限定はしない。
【0162】
また、禁止情報無視モードの設定が無効の場合でも、ユーザは操作部5から印刷セキュリティ設定を指定し、複写制御QRコードの付加を設定可能とする。ただし、本実施例では、複写禁止情報の原稿を複写する際に、複写許可情報のQRコードの付加が設定された場合、複写禁止情報を複写許可情報に置き換えることはできない運用を想定している。したがって複写禁止情報の付加が設定されていたとしても、複写禁止情報のまま出力するか、出力自体を中止することとなる。
【0163】
これは複写を禁止する機密文書においてセキュリティ強度を弱くすることを防ぐためである。
【0164】
本発明の実施例3における、不正複写を防止する機能を搭載したMFP1001が行う複写動作の制御について図7を参照して詳細に説明する。
【0165】
ここでは、本発明の実施例2とは異なる部分について説明する。
【0166】
この制御は、図6で示したフローチャートに、ステップS729〜S735の処理が追加される。
【0167】
以下、実施例2から変更になる部分を説明する。複写制御QRコードが1つ、または複数個付加された原稿を読み取った場合に、出力を禁止する制御は、実施例1及び/または実施例2と同じである。
【0168】
ステップS721において、制御部1が埋め込み情報の中で、MFP1001が対応していない複写制御フォーマットバージョン情報を1つ以上抽出したかを判断した場合、制御部1は、MFP1001の禁止情報無視モードは有効かを判断する(S729)。
【0169】
ステップS721において、制御部1が、埋め込み情報の中で、MFP1001が対応していない複写制御フォーマットバージョン情報を1つも抽出していないと判断した場合、1つ以上複写禁止情報を抽出したかを判断する(S710)。
【0170】
ステップS710において、制御部1が埋め込み情報の中で、1つ以上複写禁止情報を抽出したか判断した場合、制御部1は、MFP1001の禁止情報無視モードは有効かを判断する(S729)。
【0171】
ステップS710において、制御部1が埋め込み情報の中で、1つも複写禁止情報を抽出していないと判断した場合、制御部1は、ステップS711に進む。
【0172】
ステップS729において、制御部1が、MFP1001の禁止情報無視モードは有効であると判断しなかった場合、制御部1は、MFP1001の複写動作を停止する。即ち、読取部2が生成した原稿画像の複写を行わない。これは前述の実施例1や実施例2において、対応していない複写制御フォーマットバージョンや複写新規情報の埋め込み情報を得た場合の動作と同じとなる。
【0173】
ステップS729において、制御部1が、MFP1001の禁止情報無視モードは有効であると判断した場合、制御部1は、印刷セキュリティ設定を取得する(S730)。そして、ステップS731に進む。
【0174】
ステップS731において、制御部1は印刷セキュリティ設定で、複写制御QRコードの付加が設定されているかを判断する。
【0175】
ステップS731において、制御部1が印刷セキュリティ設定で、複写制御QRコードの付加が設定されていないと判断した場合、MFP1001は、原稿画像の複写を開始する(S719)。
【0176】
ステップS731において、制御部1が印刷セキュリティ設定で、複写制御QRコードの付加が設定されていると判断した場合、制御部1は得られた埋め込み情報の中で、最も新しい複写制御フォーマットバージョンが2つ以上存在したかを判断する(S732)。
【0177】
ステップS732で、制御部が得られた埋め込み情報のうち、最も新しい複写制御フォーマットバージョンが2つ以上存在していないと判断した場合、即ち最も新しい複写制御フォーマットバージョンの複写制御QRコードが1つの場合、ステップS733に進む。
【0178】
ステップS733において、制御部1は最も新しい複写制御フォーマットバージョンの複写制御QRコードを更新対象QRコードにとする。そして、ステップS715に進む。
【0179】
ステップS732において、制御部1が得られた埋め込み情報の中で、最も新しい複写制御フォーマットバージョンが2つ以上存在していると判断した場合、制御部1は該当する埋め込み情報の中で複写禁止情報を2つ以上抽出したかを判断する(S734)。
【0180】
ステップS734において、制御部1が該当する埋め込み情報の中で複写禁止情報を2つ以上抽出したと判断した場合、ステップS722に進む。即ち、実施例1や実施例2と同様に、更新対象QRコードの設定処理を行う。
【0181】
ステップS734において、制御部1が該当する埋め込み情報の中で複写禁止情報を2つ以上は抽出していないと判断した判断した場合、制御部1は該当する埋め込み情報の中で複写禁止情報が存在したかを判断する(S735)。
【0182】
ステップS735において、制御部1が該当する埋め込み情報の中で複写禁止情報が存在しなかったと判断した場合、ステップS722に進む。即ち、数ある複写制御QRコードがすべて許可であるため、実施例1や実施例2と同様に、更新対象QRコードの設定処理を行う。
【0183】
ステップS735において、制御部1が該当する埋め込み情報の中で複写禁止情報が存在すると判断した場合、複写禁止情報を持つ複写制御QRコードを更新対象QRコードに設定する(S736)。そして、ステップS715に進む。
【0184】
このように、本実施例では、禁止情報無視モードが有効の場合、複写禁止情報だけでなく、対応していない複写制御フォーマットバージョンを含む複写制御QRコードが付加された原稿も、利便性のために印刷を許可している。また、その印刷において印刷セキュリティ設定が有効である場合、複写制御QRコードの上書きも可能としている。
【0185】
以上、複写禁止機能を搭載したMFPが、禁止情報無視モードにおいて、スキャンする文書にバージョンやリビジョンの情報を含んだ複写動作の制御情報を持つQRコードと、それ以外のQRコードとを、各々規定個数以上情報化したときの制御に関する発明である。
【0186】
この制御により、禁止情報無視モードが有効であるならば、複写禁止情報だけでなく、対応していない複写制御フォーマットバージョンを含む複写制御QRコードが付加された原稿の複写が可能となり、利便性を向上することができる。
【0187】
(実施例4)
次に、本発明の実施例4について説明する。
実施例2や実施例3では、更新対象QRコードを設定する条件として、複写日時が複写制御フォーマットリビジョンよりも優先されて設定されている。例えば同じ複写制御フォーマットバージョンと同じ複写制御情報を持つ複写制御QRコードを2つ読み込んだとする。この複写制御QRコードが更新対象QRコードとなるのは、埋め込み情報の第1ユーザ情報の複写日時が最も古い方である。この理由は、複写制御QRコードを初めて原稿に付加したユーザの情報を残したいためである。また、第1ユーザ情報の複写日時が同じである場合、複写制御フォーマットバージョンが新しい方が採用される。この理由は、複写制御フォーマットバージョンが新しい方が、古い方よりも埋め込み情報が多い可能性があるためである。
【0188】
しかしながら、新しい複写制御フォーマットリビジョンの埋め込み情報の方が古い複写制御フォーマットリビジョンの埋め込み情報よりもデータの情報量が大きいため、古い第1ユーザ情報よりも優先して残したいという運用も想定される。
【0189】
そこで、本実施例4では、複数の複写制御QRコードから更新対象QRコードを設定する際に、第1ユーザ情報の複写日時よりも複写制御フォーマットリビジョンを優先し、複写制御フォーマットリビジョンが新しい方を更新対象QRコードに設定する。
【0190】
尚、この実施例4の制御と実施例2または3の制御については、MFP1001がデフォルト値としてどちらを優先するかの設定を持つだけでなく、その設定値を管理者などのユーザで変更できてもよいだろう。例えば、表示部9に更新対象QRコードの設定時に優先する項目は「第1ユーザ情報が最古となるものか」「複写制御フォーマットリビジョン」を選択させるUI(ここでは図示しない)を表示部9に表示する。そして、ユーザが操作部5を介して入力させる。
【0191】
本発明の実施例4における、不正複写を防止する機能を搭載したMFP1001が行う複写動作の制御について図8を参照して詳細に説明する。
【0192】
ここでは本発明の実施例3とは異なる部分について説明する。
【0193】
この制御は、図7で示したフローチャートのステップS822とS824、ステップS823とS825の処理の順番をそれぞれ入れ替えたものである。
【0194】
以下、実施例3から変更になる部分を説明する。複写制御QRコードが1つ、または複数個付加された原稿を読み取った場合に出力を禁止する制御や、禁止情報無視モードが有効化された場合の制御は実施例3と同じである。
【0195】
ステップS813において、制御部1が複写制御QRコードを1つ以上復号化できたと判断した場合、該当するそれらの埋め込み情報の中で、最も新しい複写制御フォーマットリビジョンを含む複写制御QRコードが2つ以上存在したかを判断する(S824)。
【0196】
ステップS824において、制御部1が、最も新しい複写制御フォーマットリビジョンを含む複写制御QRコードが2つ以上存在しないと判断した場合、最も新しい複写制御フォーマットリビジョンの複写制御QRコードを更新対象QRコードとする(S825)。次にステップS815に進む。
【0197】
ステップS824において、制御部1が、最も新しい複写制御フォーマットリビジョンを含む複写制御QRコードが2つ以上存在すると判断した場合、埋め込み情報の第1ユーザ情報の中で最も古い複写日時が2つ以上存在しているかを判断する(S822)。
【0198】
ステップS822において、制御部1が、埋め込み情報の第1ユーザ情報の中で最も古い複写日時が2つ以上存在しと判断した場合、それらの複写制御QRコードのどれを更新対象QRコードとするかのユーザ指定値を取得する(S826)。次にステップS814に進む。
【0199】
ステップS822において、制御部1が埋め込み情報の第1ユーザ情報の中で最も古い複写日時が2つ以上存在しないと判断した場合、埋め込み情報の第1ユーザ情報の中で最も古い複写日時を持つ複写制御QRコードを更新対象QRコードとする(S823)。そして、次にステップS815に進む。
【0200】
以上のように、同じ複写制御フォーマットバージョンと同じ複写制御情報を持つ複写制御QRコードを2つ読み込んだ場合に、新しい複写制御フォーマットリビジョンを含む複写制御QRコードを更新対象QRコードに優先する。これにより、新しい複写制御フォーマットリビジョンの埋め込み情報を引き継ぐことが可能となる。
【0201】
(実施例5)
実施例2では、対応していない複写制御フォーマットバージョンを抽出した場合、実際にどの複写制御情報が入っているか否かにかかわらず、セキュリティ面で安全な制御として複写を禁止していた。
【0202】
しかしながら、同じ原稿に対応する複写制御フォーマットバージョンを含む複写制御QRコードを抽出した場合、利便性を重視して、対応する複写制御フォーマットバージョンの複写制御情報に従う利用も考えられる。
【0203】
本実施例5では、対応する複写制御フォーマットバージョンと対応しない複写制御フォーマットバージョンの複写制御QRコードを同時に読み込んだ場合、対応する複写制御フォーマットバージョンの複写制御情報を優先する制御に関するものである。
【0204】
尚、この実施例5の制御と実施例2〜実施例4の制御については、MFP1001がデフォルト値としてどちらを優先するかの設定を持つだけでなく、その設定値を管理者などのユーザで変更できてもよいだろう。例えば、表示部9に更新対象QRコードの設定時に優先する項目は「第1ユーザ情報が最古となるものか」「複写制御フォーマットリビジョン」を選択させるUI(ここでは図示しない)を表示部9に表示する。そして、ユーザが操作部5を介して入力させる。
【0205】
次に、本発明の実施例2における、不正複写を防止する機能を搭載したMFP1001が行う複写動作の制御について図6を参照して詳細に説明する。
【0206】
ここでは本発明の実施例2とは異なる部分について説明する。
【0207】
この制御は、図6で示したフローチャートのステップS921の処理が変更される。
【0208】
ステップS909において、制御部1がすべての埋め込み情報の復号化を完了したと判断した場合、制御部1は埋め込み情報の中で、MFP1001が対応する複写制御フォーマットバージョン情報を1つ以上抽出したかを判断する(S921)
ステップS921において、制御部1がMFP1001に対応する複写制御フォーマットバージョン情報を1つも抽出しなかった判断した場合、制御部1は、MFP1001の複写動作を停止する。即ち、読取部2が生成した原稿画像の複写を行わない。これは抽出した複写制御フォーマットバージョン情報が全て対応していなかった場合の動作であり、実施例2〜実施例4において、対応しない複写制御フォーマットバージョン情報を1つ以上抽出した時の処理と同じである。
【0209】
ステップS921において、制御部1がMFP1001に対応する複写制御フォーマットバージョン情報を1つ以上抽出した判断した場合、制御部1は、複写制御情報の中に複写禁止情報が含まれているかを判断する(S910)。即ち、抽出した複写制御フォーマットバージョン情報が1つでも対応しているのであれば、その複写制御QRコードの複写制御情報をもとに処理を行う。
【0210】
以上のように、本実施例では、対応する複写制御フォーマットバージョンと対応しない複写制御フォーマットバージョンの複写制御QRコードを同時に読み込んだ場合を想定する。そして、対応する複写制御フォーマットバージョンが1つでもあれば、その複写制御QRコードの複写制御情報を優先することで、利便性を高めることを可能としている。
【0211】
(その他の実施例)
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0212】
1 制御部
2 読取部
3 情報化部
5 操作部
6 ユーザ認証部
7 メモリ
8 出力部
9 表示部
10 データベース
11 エンコード部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を複写して画像を形成する画像形成装置であって、
原稿を読み取って、原稿画像を生成する生成手段と、
前記原稿画像に含まれる2次元コードを検出する検出手段と、
を備え、
検出した2次元コードに、複写に係る制御指示を示す複写制御情報を含む2次元コードと、複写制御情報を含まない2次元コードと、がそれぞれ検出された場合に、前記検出した2次元コードが所定数以上の場合には前記制御指示にかかわらず画像形成を実行しない
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複写制御情報を含む2次元コードは、
前記複写制御情報を持つことを示す複写制御識別子と、
前記複写制御情報を含む2次元コードを一番初めに原稿に付加して複写するように指示したユーザ名、複写日時、デバイス名、最後に複写したユーザ名、複写日時、デバイス名を示す追跡情報と
を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
検出した2次元コードが前記所定数より小さい場合、前記複写制御情報を含む2次元コードが持つ前記追跡情報を変更した新たな2次元コードを生成し、
前記原稿画像において、前記複写制御情報を含む2次元コードを前記新たな2次元コードに変更した新たな原稿画像を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複写制御情報を持つ2次元コードは、2次元コードの仕様を特定するためのフォーマットリビジョンまたはフォーマットバージョンを持ち、
前記フォーマットリビジョン又は前記フォーマットバージョンの内容に応じて、前記複写制御情報を含む2次元コードが持つ前記追跡情報を変更した前記新たな2次元コードを生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記フォーマットバージョンが、非対応のバージョンであることを示す場合に原稿を複写しないことを特徴とする請求項1又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
より最新の前記フォーマットリビジョンを持つ2次元コードの前記追跡情報を変更した前記新たな2次元コードを生成する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
より最新の同一の前記フォーマットリビジョンを持つ2次元コードが2つ以上検出された場合、ユーザにより指定された2次元コードの前記追跡情報を変更して前記新たな2次元コードを生成する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
検出した2次元コードが前記所定数よりも小さい場合、検出した2次元コードが含む前記複写制御情報に複写を禁止する指示が含まれていても、当該指示を無視する設定をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至4に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記新たな原稿画像において、更新されなかった2次元コードを削除する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項10】
原稿を複写して画像を形成する画像形成装置における画像形成方法であって、
原稿を読み取って、原稿画像を生成する生成ステップと、
前記原稿画像に含まれる2次元コードを検出する検出ステップと、
を備え、
検出した2次元コードに、複写に係る制御指示を示す複写制御情報を含む2次元コードと、複写制御情報を含まない2次元コードと、がそれぞれ検出された場合に、前記検出した2次元コードが所定数以上の場合には前記制御指示にかかわらず画像形成を実行しない
ことを特徴とする画像形成方法。
【請求項11】
請求項10に記載の装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
原稿を複写して画像を形成する画像形成装置であって、
原稿を読み取って、原稿画像を生成する生成手段と、
前記原稿画像に含まれる2次元コードを検出する検出手段と、
を備え、
検出した2次元コードに、複写に係る制御指示を示す複写制御情報を含む2次元コードと、複写制御情報を含まない2次元コードと、がそれぞれ検出された場合に、前記検出した2次元コードが所定数以上の場合には前記制御指示にかかわらず画像形成を実行しない
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複写制御情報を含む2次元コードは、
前記複写制御情報を持つことを示す複写制御識別子と、
前記複写制御情報を含む2次元コードを一番初めに原稿に付加して複写するように指示したユーザ名、複写日時、デバイス名、最後に複写したユーザ名、複写日時、デバイス名を示す追跡情報と
を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
検出した2次元コードが前記所定数より小さい場合、前記複写制御情報を含む2次元コードが持つ前記追跡情報を変更した新たな2次元コードを生成し、
前記原稿画像において、前記複写制御情報を含む2次元コードを前記新たな2次元コードに変更した新たな原稿画像を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複写制御情報を持つ2次元コードは、2次元コードの仕様を特定するためのフォーマットリビジョンまたはフォーマットバージョンを持ち、
前記フォーマットリビジョン又は前記フォーマットバージョンの内容に応じて、前記複写制御情報を含む2次元コードが持つ前記追跡情報を変更した前記新たな2次元コードを生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記フォーマットバージョンが、非対応のバージョンであることを示す場合に原稿を複写しないことを特徴とする請求項1又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
より最新の前記フォーマットリビジョンを持つ2次元コードの前記追跡情報を変更した前記新たな2次元コードを生成する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
より最新の同一の前記フォーマットリビジョンを持つ2次元コードが2つ以上検出された場合、ユーザにより指定された2次元コードの前記追跡情報を変更して前記新たな2次元コードを生成する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
検出した2次元コードが前記所定数よりも小さい場合、検出した2次元コードが含む前記複写制御情報に複写を禁止する指示が含まれていても、当該指示を無視する設定をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至4に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記新たな原稿画像において、更新されなかった2次元コードを削除する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項10】
原稿を複写して画像を形成する画像形成装置における画像形成方法であって、
原稿を読み取って、原稿画像を生成する生成ステップと、
前記原稿画像に含まれる2次元コードを検出する検出ステップと、
を備え、
検出した2次元コードに、複写に係る制御指示を示す複写制御情報を含む2次元コードと、複写制御情報を含まない2次元コードと、がそれぞれ検出された場合に、前記検出した2次元コードが所定数以上の場合には前記制御指示にかかわらず画像形成を実行しない
ことを特徴とする画像形成方法。
【請求項11】
請求項10に記載の装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2012−257046(P2012−257046A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128396(P2011−128396)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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