説明

複合コネクタ、複合コネクタに用いられるホルダ、回路基板への蛍光管の端子の接続構造、および回路基板への蛍光管の端子の接続方法

【課題】複数のコネクタを回路基板に1つずつ実装していくのは手間がかかる。
【解決手段】複合コネクタ6は、複数のコネクタ10と、これらのコネクタ10を横方向に整列させて保持するホルダ11とを備えている。各コネクタ10は、ハウジング15と、ハウジング15により保持されるコンタクト16とを含んでいる。コンタクト16は、対応する冷陰極管5のアウターリード14に接続されるとともに、回路基板4の対応する導体パターン8に接続される。複数のコネクタ10をホルダ11で保持した状態で、これら複数のコネクタ10を一括して回路基板4に接続できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合コネクタ、複合コネクタに用いられるホルダ、回路基板への蛍光管の端子の接続構造、および回路基板への蛍光管の端子の接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光管の端子を、コネクタを介して回路基板等に電気的に接続する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−259645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
液晶表示装置等の機器には、蛍光管が複数設けられており、各蛍光管のそれぞれにコネクタが取り付けられる。これら各コネクタは、回路基板に取り付けられる。したがって、機器の組立の際には、複数のコネクタを1つずつ回路基板に取り付ける作業が必要である。回路基板には、薄い導電パターン等が設けられているので、コネクタを回路基板に取り付ける作業は慎重を要する。このような慎重を要する作業を、1つの回路基板につき多数回行わなければならないので、手間がかかる。
【0004】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、回路基板等への取り付けにかかる手間を低減することのできる複合コネクタ、複合コネクタに用いられるホルダ、回路基板への蛍光管の端子の接続構造、および回路基板への蛍光管の端子の接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、複数のコネクタと、これらのコネクタを横方向に整列させて保持するホルダとを備え、各コネクタは、ハウジングと、ハウジングにより保持され、対応する蛍光管の端部の端子を取り付けて電気的接触を確保する蛍光管接続用コンタクトとを含んでいることを特徴とする複合コネクタである。
本発明によれば、複数のコネクタをホルダに整列させて1まとめにした状態で、これら複数のコネクタを一括して回路基板等に取り付けることができる。取り扱いに細心の注意が必要な回路基板等に対して、複数のコネクタを1つずつ別個に取り付ける必要がなく、複数のコネクタの回路基板等への実装作業にかかる手間を格段に低減することができる。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1において、上記各コネクタのハウジングは、コネクタの整列方向と直交する方向に、回路基板をスライド挿入可能な挿入凹部を含み、各コネクタは、ハウジングにより保持された回路基板接続用コンタクトを含み、回路基板接続用コンタクトは、挿入凹部にスライド挿入された回路基板の導体パターンに弾性的に接触する接触部を含んでいることを特徴とする複合コネクタである。
【0007】
本発明によれば、挿入凹部に回路基板をスライド挿入することにより、回路基板接続用コンタクトと回路基板の導体パターンとを電気的に接続することができる。コネクタを回路基板に取り付ける作業と、回路基板接続用コンタクトと回路基板とを電気的に接続する作業とを一括して行うことができる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2において、上記ホルダは、各コネクタのハウジングをそれぞれ取り付けるための複数の取付孔を形成していることを特徴とする複合コネクタである。本発明によれば、各取付孔に対応するハウジングを嵌めこむことにより、コネクタをホルダに保持できる。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項3において、上記各コネクタのハウジングを取付孔に取り外し可能にロックするロック機構を備えていることを特徴とする複合コネクタである。本発明によれば、コネクタをホルダから外れないように確実にロックしておくことができる。また、コネクタをホルダから取り外して新しいコネクタに交換することができる。
請求項5記載の発明は、請求項4において、上記各コネクタのハウジングを、取付孔への挿入方向に押し込むことでロックするロック機構を備えていることを特徴とする複合コネクタである。本発明によれば、コネクタのハウジングをホルダの取付孔に嵌め込む取付作業と、ハウジングおよびホルダを互いに固定する固定作業とを一括して行うことができる。
【0009】
請求項6記載の発明は、請求項4において、上記各コネクタのハウジングを、取付孔への挿入方向に対して直交する方向にスライドさせてロックするロック機構を備えていることを特徴とする複合コネクタである。本発明によれば、コネクタのハウジングをホルダに対してスライドさせるという簡易な動作により、ハウジングおよびホルダの互いの固定を容易に行うことができる。
【0010】
請求項7記載の発明は、請求項3〜6のいずれか1項において、上記各コネクタのハウジングは、ホルダの取付孔を挿通可能な主体部と、主体部から延設され、ホルダの取付孔の周縁の少なくとも一部を覆う鍔部とを含む防塵構造を有していることを特徴とする複合コネクタである。本発明によれば、コネクタのハウジングの主体部の周縁に鍔部を設けることで、防塵構造を容易に実現できる。また、主体部と鍔部とで共同して取付孔を確実に塞ぐことができる。
【0011】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7の何れか1項において、上記各コネクタのハウジングは、コネクタの整列方向と直交する方向に、回路基板をスライド挿入可能な挿入凹部を含み、上記ホルダは、挿入凹部にスライド挿入された回路基板の相対向する表面または裏面を受ける受け部を含んでいることを特徴とする複合コネクタである。本発明によれば、ホルダの受け部が回路基板の相対向する表面または裏面を受けることで、回路基板を補強することができる。
【0012】
請求項9記載の発明は、請求項2〜8の何れか1項において、上記回路基板接続用コンタクトの接触部は、挿入凹部と回路基板との相対的なスライド方向に関して回路基板の導体パターンと摺接可能であることを特徴とする複合コネクタである。本発明によれば、回路基板に対するコネクタの位置が所望の位置から多少ずれていても、回路基板接続用コンタクトと回路基板の導体パターンとの電気的な接続を確実に達成できる。
【0013】
請求項10記載の発明は、請求項1〜9の何れか1項において、上記各コネクタのハウジングは、コネクタの整列方向と直交する方向に、回路基板をスライド挿入可能な挿入凹部を含み、上記複合コネクタは、回路基板に対して、挿入凹部に回路基板が挿入されている挿入位置と、挿入凹部に回路基板が挿入されていない非挿入位置とに変位可能であることを特徴とする複合コネクタである。本発明によれば、複合コネクタを回路基板に対してスライドさせることにより、回路基板への実装と、回路基板からの取り外しとを行うことができる。
【0014】
請求項11記載の発明は、請求項1〜10の何れか1項において、上記各コネクタのハウジングは、コネクタの整列方向と直交する方向に、回路基板をスライド挿入可能な挿入凹部を含み、上記ホルダは、挿入凹部にスライド挿入された回路基板の厚み方向に沿って延びるスリットを含んでいることを特徴とする複合コネクタである。
本発明によれば、ホルダの曲げ剛性を部分的に小さくしていることにより、基板の反り(曲がり)等に追従するようにホルダを曲げることができる。ホルダを基板により確実に沿わせることができる。
【0015】
請求項12記載の発明は、請求項1〜11の何れか1項に記載の複合コネクタに用いられるホルダであって、各コネクタを横方向に整列させて保持するためのホルダである。本発明によれば、ホルダを用いて複数のコネクタを一括して保持することができる。
請求項13記載の発明は、回路基板への蛍光管の端子の接続構造であって、複数のコネクタと、これらのコネクタを横方向に整列させて保持するホルダとを備え、各コネクタは、ハウジングと、ハウジングにより保持され且つ対応する蛍光管の端部の端子を取り付けて電気的接触を確保する蛍光管接続用コンタクトと、ハウジングにより保持され且つ回路基板の導体パターンと接触して電気的接触を確保する回路基板接続用コンタクトとを含み、蛍光管接続用コンタクトおよび回路基板接続用コンタクトを介して蛍光管の端子と回路基板とを電気的に接続することを特徴とする回路基板への蛍光管の端子の接続構造である。本発明によれば、複数のコネクタをホルダに整列させて1まとめにした状態で、これら複数のコネクタを一括して回路基板等に取り付けることができる。取り扱いに細心の注意が必要な回路基板等に対して、複数のコネクタを1つずつ別個に取り付ける必要がなく、複数のコネクタの回路基板等への実装作業にかかる手間を格段に低減することができる。
【0016】
請求項14記載の発明は、請求項13に記載の回路基板への蛍光管の端子の接続構造における回路基板への蛍光管の端子の接続方法であって、回路基板接続用コンタクトを回路基板の導体パターンと接触させて電気的接触を確保する工程と、蛍光管接続用コンタクトを対応する蛍光管の端部の端子に取り付けて電気的接触を確保する工程とを含むことを特徴とする回路基板への蛍光管の端子の接続方法である。
【0017】
本発明によれば、各コネクタの回路基板接続用コンタクトを回路基板の導体パターンに一括して接続し、その後、蛍光管接続用コンタクトを対応する蛍光管の端子に接続することができる。複数の回路基板接続用コンタクトを回路基板に容易に接続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、この発明の一実施の形態にかかる複合コネクタを備える液晶表示装置の概略構成を示す模式的な断面図である。図1を参照して、液晶表示装置1は、例えば、テレビやパーソナルコンピュータのモニタとして用いられるものである。
液晶表示装置1は、筐体2と、液晶パネル3と、回路基板4と、蛍光管としての冷陰極管5と、複合コネクタ6と、インバータ回路7とを備えている。
【0019】
液晶パネル3は、非自発光式の表示パネルであり、筐体2の正面の開口に取り付けられている。液晶パネル3の表面3aは、筐体2の前方を向いており、背面3bは筐体2の後方を向いている。
回路基板4は、液晶パネル3と略平行に配置されて筐体2に固定された板状の部材であり、液晶パネル3の背面3bに対向する表面4aと、表面4aと反対側を向く裏面4bとを含んでいる。表面4aおよび裏面4bのそれぞれに、導体パターン8,9が形成されている。
【0020】
冷陰極管5は、液晶パネル3のバックライトであり、液晶パネル3の背面3bと回路基板4の表面4aとの間に複数(図1において、2つの冷陰極管5のみを図示)設けられている。冷陰極管5の数は、例えば、液晶パネル3の大きさ1インチあたり2本である。
各冷陰極管5は、筐体2の上下方向Aに沿って所定の間隔をあけて配置されており、液晶パネル3に光を照射するようになっている。各冷陰極管5の長手方向は、筐体2の左右方向B(紙面に垂直な方向)に沿っており、液晶パネル3の背面3bと平行である。
【0021】
複合コネクタ6は、回路基板4に取り付けられているものであり、左右方向Bに関する回路基板4の一対の端部のそれぞれに配置されている(図1において、一方の複合コネクタ6のみを図示)。
この複合コネクタ6は、複数の電気コネクタ10(以下、単にコネクタ10という)と、これらのコネクタ10を横方向(本実施の形態において、上下方向A)に整列させて保持するホルダ11とを備えている。なお、図1は、2つのコネクタ10のみを図示している。
【0022】
コネクタ10は、冷陰極管5と回路基板4(インバータ回路7)との間の電気的な接続を達成するためものである。このコネクタ10は、各冷陰極管5の一対の端部のそれぞれに隣接して配置されている。各コネクタ10は、回路基板4の表面4aから液晶パネル3側に突出している。
インバータ回路7は、冷陰極管5に駆動電力を供給するためのものであり、回路基板4の裏面4bに取り付けられている。インバータ回路7と各冷陰極管5とは、回路基板4および対応するコネクタ10を介して電気的に接続されている。
【0023】
図2は、回路基板4、複合コネクタ6および冷陰極管5の要部の斜視図である。図3は、複合コネクタ6の一部分解斜視図である。図4は、単品のコネクタ10の斜視図である。図5は、図4のV−V線に沿う断面斜視図である。図6は、コネクタ10の要部の分解斜視図である。図7は、図5の矢印VII方向に沿って見たコネクタ10の断面図である。
【0024】
図2を参照して、以下では、冷陰極管5の長手方向に沿う方向(左右方向B)をX方向、X方向に直交する方向のうち、上下方向Aに沿う方向をY方向、X方向およびY方向の双方に直交する方向(筐体2の前後方向)をZ方向として説明する。
各冷陰極管5は、X方向にまっすぐに延びる筒状の本体部12と、本体部12の一対の端部13,13のそれぞれに設けられた一対の端子としてのアウターリード14,14(電極)とを含んでいる。
【0025】
本体部12は、例えば、直径が数mm〜十数mm程度のガラス製の部材である。一対のアウターリード14,14は、それぞれ、軟鉄等の金属製の軸状の導電部材であり、対応する端部13からX方向にそれぞれ露出している。これらのアウターリード14の直径は、例えば1mm程度、長さは数mm程度である。X方向に関する本体部12の中間部は、サポート部材(図示せず)によって保持されるようになっている。
【0026】
各冷陰極管5は、アウターリード14の径方向に相当する取付方向としての第1の方向D1に沿って移動されることで、対応するコネクタ10に取り付けられるようになっている。また、各冷陰極管5は、第1の方向D1と反対の方向である第2の方向D2に沿って移動されることで、コネクタ10から取り外されるようになっている。
前述したように、各コネクタ10は、Y方向(上下方向。整列方向。)に所定の間隔をあけて整列しており、各冷陰極管5の一対のアウターリード14に対応して設けられている。各コネクタ10の構成は同様であるので、以下では、1つのコネクタ10について主に説明する。
【0027】
図4および図5を参照して、コネクタ10は、X,Y,Z方向の長さがそれぞれ10〜15mm程度であり、ハウジング15と、このハウジング15により保持された蛍光管接続用コンタクトおよび回路基板接続用コンタクトとしての複合コンタクトであるコンタクト16と、このコンタクト16を操作するための操作部材17とを含んでいる。
ハウジング15は、Y方向に関して略対称な形状をなしている。図5では、ハウジング15の一部を図示しているが、残りの部分は、図5に示されている部分とY方向に対称な形状をなしている。このハウジング15は、合成樹脂製の一体成形品であり、主体部18と、主体部18から延設された鍔部19とを有している。
【0028】
主体部18は、大略的にボックス状をなしている。第2の方向D2に関する主体部18の先端部のうち、X方向に関して冷陰極管5の本体部12から近い側の部分には、冷陰極管5の対応する端部13を導入するための導入空洞20が区画されている。導入空洞20の一部を区画する円弧状の周面21が、この端部13を取り囲んで保護するようになっている。
【0029】
第2の方向D2に関する主体部18の先端部のうち、X方向に関して冷陰極管5の本体部12から遠い側の部分には、受入空洞22が区画されている。この受入空洞22は、冷陰極管5の対応するアウターリード14を第1の方向D1に沿って受け入れるためのものであり、略直方体状に区画されている。
図5および図6を参照して、受入空洞22は、周壁23と底壁24とによって区画されている。周壁23は、X方向に相対向する第1および第2の側部25,26と、Y方向に相対向する一対の第3の側部27(図6において、一方の第3の側部27のみを図示)とを含んでいる。
【0030】
図4を参照して、第1の側部25は、導入空洞20と受入空洞22との間を仕切っている。第1の側部25は、Y方向に対称な形状をなす第1および第2の部分25a,25bを有している。これら第1および第2の部分25a,25b間には、挿通口28が設けられている。挿通口28は、第2の方向D2に開放されており、対応するアウターリード14をZ方向に沿って通すことができる。
【0031】
第1および第2の部分25a,25bには、挿通口28に臨むストッパ部29がそれぞれ設けられている(図4では、一方のストッパ29のみ図示)。ストッパ29は、アウターリード14がハウジング15に対して傾いたときに、アウターリード14を受けて当該アウターリード14がそれ以上傾かないようにするためのものである。
なお、「アウターリード14がハウジング15に対して傾く」とは、冷陰極管5全体(主体部12およびアウターリード14)がハウジング15(回路基板)に対して傾くことと、冷陰極管5の本体部12はハウジング15に対して傾いていない(回路基板に対して平行である)が、当該本体部12に対してアウターリード14が傾くことの、少なくとも一方を含むものである。
【0032】
図5および図6を参照して、第2の側部26は、第2の方向D2に関して第1の側部25よりも低く形成されている。Y方向に関する第2の側部26の中間部には、第2の方向D2側に開放された凹部26aが形成されており、操作部材17の一部が導入されるようになっている。
第3の側部27は、第2の方向D2に関して第2の側部26と面一に形成されている。第3の側部27のそれぞれには、貫通孔30が形成されている(図6において、一方の貫通孔30のみを図示)。これらの貫通孔30には、操作部材17の後述する第1および第2の凸部65,68が挿通されるようになっている。底壁24は、第1〜第3の側部25,26,27のそれぞれと連なっており、受入空洞22の底を区画している。
【0033】
図8は、コンタクト16の斜視図である。図5および図8を参照して、コンタクト16は、冷陰極管5の対応するアウターリード14と電気的に接続するとともに、回路基板4の導体パターンと電気的に接続することにより、冷陰極管5の対応するアウターリード14と回路基板4との間の電気的な接続を達成するものである。
このコンタクト16は、金属等の導電部材からなる単一の部材で一体に形成された板金部材であり、主体部31と、主体部31から延設された一対の第1の弾性片部32,33と、主体部31から延設された一対の第2の弾性片部34,35とを含んでいる。
【0034】
主体部31は、一対の第1の弾性片部32,33間を繋ぐ上部36と、上部36に対して第1の方向D1の下方に位置する中間部37と、中間部37に対して第1の方向D1の下方に位置する下部38とを含んでいる。
上部36は、Z方向に沿って見てU字形形状をなしており、Y方向に相対向する一対の部分36a,36bに対応する第1の弾性片部32,33がそれぞれ接続されている。この上部36は、Y方向に対称な形状をなしている。
【0035】
中間部37は、Y方向に対称な形状をなしており、Y方向に関して上部36よりも幅広に形成されている。Y方向に関する中間部37の一対の端部のそれぞれには、ハウジング15に係合するための係合凸部39が設けられている。
下部38は、Z方向に細長い形状をなしており、Y方向に関する中間部37の略中央に連なっている。
【0036】
主体部31は、ハウジング15に保持されている。具体的には、図5および図7に示すように、主体部31は、ハウジング15の主体部18に形成された保持溝40に収容されている。
保持溝40は、底壁24から第1の方向D1に沿って延びている。中間部37の各係合凸部39は、保持溝40の周面の相対向する部分にそれぞれ摩擦係合している。これにより、コンタクト16の主体部31が、ハウジング15に保持されている。
【0037】
再び図5および図8を参照して、一対の第2の弾性片部34,35は、回路基板4の表面4aおよび裏面4bのそれぞれに形成された導体パターン8,9と弾性的に接触して電気的な接続を行うためのものであり、フォーク状をなしている。一対の第2の弾性片部34,35によって、回路基板4の表面4aおよび裏面4bを挟持するようになっている。一対の第2の弾性片部34,35は、回路基板4の導体パターン8,9を介して、上述のインバータ回路に電気的に接続されている。
【0038】
各第2の弾性片部34,35は、X方向に細長く延びており、基端が下部38に連なっている。各第2の弾性片部34,35は、その先端部41が、その中間部42に対して相対的に大きく形成されており、先端部41同士がZ方向に近接している。各先端部41は、回路基板4の対応する表面4aおよび裏面4bに対向しており、対応する導体パターン8,9に接触するようになっている。
【0039】
各中間部42は、ハウジング15の対向部43によってY方向に挟まれている(図5において、一方の対向部43のみを図示)これにより、第2の弾性片部34,35は、Y方向の力を受けたときに、対向部43に受けられて倒れないようになっている。
図7を参照して、第2の弾性片部34,35間には、回路基板4を挿入するための挿入空間100が区画されている。挿入空間100には、回路基板4を所定の挿入方向としてのX方向に沿ってスライド挿入することができる。
【0040】
各第2の弾性片部34,35の先端部41は、ハウジング15の主体部18に形成された挿入凹部44に臨んでいる。挿入凹部44は、第1の方向D1に関するハウジング15の主体部18の先端部側に形成されており、回路基板4をスライド方向としての上記X方向(コネクタ10の整列方向に直交する方向)に沿って挿入できるようになっている。
X方向に関して、挿入凹部44の長さは、ハウジング15の主体部18の長さの略半分にされている。Y方向に関して、挿入凹部44は、ハウジング15の主体部18を貫通している。Z方向に関して、挿入凹部44の長さは、回路基板4の厚みと略同じか、わずかに広いものとされている。
【0041】
挿入凹部44には、回路基板4の相対向する端面4cを受けるための受け部45が形成されている。また、挿入凹部44のうち、Z方向に相対向する一対の対向面44a,44bは、回路基板4の対応する表面4aおよび裏面4bを受けるようになっている。上記の構成により、回路基板4が受け部45に受けられることで、ハウジング15および回路基板4がX方向およびZ方向に位置決めされる。
【0042】
ハウジング15の底部46は、一方の第2の弾性片部34に近接して配置されており、当該ハウジング15の底面を覆っている。
図5および図8を参照して、一対の第1の弾性片部32,33は、対応する冷陰極管5のアウターリード14を取り付けて(弾性接触させて)当該アウターリード14との電気的な接続を達成するためのものであり、Y方向に対称な形状をなしている。
【0043】
これら一対の第1の弾性片部32,33は、主体部31の上部36の対応する部分36a,36bからそれぞれ第2の方向D2に向けて延設されている。一対の第1の弾性片部32,33は、Y方向に相対向しつつ、受入空洞22に突出している。一対の第1の弾性片部32,33の略全部が受入空洞22に露出している。
これら一対の第1の弾性片部32,33は、それぞれ、主体部31の上部36の対応する部分36a,36bから第2の方向D2に沿って延びる第1の片部47と、対応する第1の片部47の先端部47bから折り返されて第1の方向D1に沿って延びる第2の片部48とを含んでいる。Y方向に関して、一対の第1の片部47は互いに相対的に遠くに配置され、一対の第2の片部48は互いに相対的に近くに配置されている。
【0044】
第1の弾性片部32,33の対をなす第1の片部47は、基端部47aを支点にして、互いに弾力的に近接、離隔することができる。自由状態(外力の作用していない状態)において、各第1の片部47は、互いに平行に並んでいる。
各第1の片部47の先端部47bには、後述する拡開操作部59と係合するための係合部49が設けられている(図8において、一方の拡開操作部59のみを図示)。各係合部49は、対応する第1の片部47の先端部47bからX方向の一方に突出する小片からなる。
【0045】
各第2の片部48は、対応する第1の片部47の先端部47bに連なる折り返し部50と、第1の絞り部51と、アウターリード14を径方向に挟持するための挟持部としての直線状部52(接触部)と、第2の絞り部53と、先端部54とを含んでいる。
一対の折り返し部50の一側面(外側面)には、アウターリード14の取付を案内するための案内部55がそれぞれ設けられている(図5および図8において、一方の案内部55のみを図示)。これら一対の案内部55は、第1の方向D1に進むにしたがい互いの間隔が狭まっている。
【0046】
一対の第1の絞り部51は、対応するアウターリード14が、一対の直線状部52から第2の方向D2に不用意に抜けることを防止するためのものである。これら一対の第1の絞り部51は、第1の方向D1に関する一対の折り返し部50の先端に設けられている。
これら一対の第1の絞り部51間の間隔は、一対の案内部55間の間隔よりも狭くされているとともに、一対の直線状部52間の間隔よりも狭くされている。一対の第1の弾性片部32,33が互いに近接したとき、一対の第1の絞り部51間の間隔は、アウターリード14の直径よりも狭くなる。
【0047】
一対の直線状部52は、対応するアウターリード14との電気的な接続を達成しつつ、当該アウターリード14の第1および第2の方向D1,D2(Z方向)への相対移動を許容するものである。各直線状部52は、対応する第1の絞り部51に対して第1の方向D1側に設けられている。各直線状部52は、自由状態においてZ方向に沿って延びており、互いに平行に対向している。
【0048】
一対の第2の絞り部53は、対応するアウターリード14が、一対の直線状部52から第1の方向D1に不用意に抜けることを防止するためのものである。これら一対の第2の絞り部53は、一対の直線状部52に対して第1の方向D1側に設けられている。
これら一対の第2の絞り部53間の間隔は、一対の直線状部52間の間隔よりも狭くされている。一対の第1の弾性片部32,33が互いに近接したときにおいて、一対の第2の絞り部53間の間隔は、アウターリード14の直径よりも狭くなる。
【0049】
一対の先端部54は、対応する第2の絞り部53に対して第1の方向D1側に設けられている。これらの先端部54は、対応する第1の片部47にそれぞれ押圧されることにより、一対の直線状部52間の間隔を狭めるようにするためのものである。これにより、一対の直線状部52によるアウターリード14の挟持力を増すことができる。また、一対の第1の弾性片部32,33のへたり(疲労)による挟持力の低下を防止できる。
【0050】
一対の先端部54は、X方向に沿ってみたときにおいて、ハ字形形状をしており、第1の方向D1に進むにしたがって互いの間隔が拡がっている。各先端部54の第1の方向D1の先端は、互いに近づく方向に屈曲されており、対応する第1の片部47と滑らかに係合できるようになっている。
操作部材17は、一対の直線状部52によるアウターリード14の挟持と、この挟持の解除を操作するためのものであり、ハウジング15の受入空洞22に、第1および第2の方向D1,D2に相対移動可能に嵌め込まれている。
【0051】
図9は、図3のIX−IX線に沿う要部の断面図であり、アウターリード14がコンタクト16に接続されていない状態を示している。図10は、図2のX−X線に沿う要部の断面図であり、アウターリード14がコンタクト16に接続されている状態を示している。
図6および図9を参照して、操作部材17は、Y方向に対称な形状に形成された樹脂成形品である。この操作部材17は、Y方向に間隔をあけて相対向する一対の部分56,57と、これら一対の部分56,57間を連結する連結部58と、連結部58に設けられた一対の拡開操作部59とを有している。
【0052】
一対の部分56,57は、受入空洞22内で一対の第1の弾性片部32,33を挟むように配置されている。一対の部分56,57は、周壁23の一対の第3の側部27に挟まれている。一対の部分56,57はそれぞれ、Z方向に延びている。
一対の部分56,57には、周壁23の第1の側部25と相対向する凸条60がそれぞれ形成されている(図6において、一方の凸条60のみ図示)。凸条60は、Z方向に延びており、第1の側部25に形成されたガイド溝61と係合している。これにより、ハウジング15に対する操作部材17のZ方向の移動が案内される。
【0053】
一対の部分56,57の外側面62はそれぞれ、第2の方向D2側の先端が、受入空洞22の開口の周縁63に対してY方向の外側に突出しており、この突出した部分が摘み部64となっている。作業者が摘み部64を摘んで操作部材17を操作することができる。
一対の外側面62のうち、第1の方向D1側の端部には、第1の凸部65がそれぞれ設けられている。これら一対の第1の凸部65は、操作部材17が受入空洞22から不用意に抜けることを防止するためのものである。
【0054】
各第1の凸部65は、周壁23の対応する貫通孔30に嵌め入れられており、当該対応する貫通孔30の周縁に受けられることで、操作部材17の受入空洞22からの抜けを防止する。
各第1の凸部65の第1の方向D1側の先端が傾斜状をなしている。これにより、操作部材17を受入空洞22に嵌め入れる際に、この傾斜状の部分が周壁23の開口の周縁63に滑らかに係合しつつ、各第1の凸部65を対応する貫通孔30に挿通できるようにしている。
【0055】
図9を参照して、コネクタ10には、第1および第2の保持機構66,67が設けられている。第1の保持機構66は、操作部材17を拡開位置C1に保持するためのものである。拡開位置C1とは、操作部材17が一対の第1の弾性片部32,33間の間隔を相対的に拡げているときの位置をいう。
第1の保持機構66は、操作部材17の第1の凸部65と第2の凸部68との間に区画された第1の凹部69と、周壁23の一対の第3の側部27のそれぞれに設けられて対応する第1の凹部69に係合する係合部70とを含んでいる。
【0056】
第2の凸部68は、操作部材17の一対の外側面62のそれぞれに設けられており、対応する第1の凸部65と摘み部64との間に配置されている。
係合部70は、周壁23の一対の第3の側部27のそれぞれにおいて、貫通孔30に対して第2の方向D2側に配置された部分を含んでおり、拡開位置C1において、第1の凹部69に嵌まっている。
【0057】
図10を参照して、第2の保持機構67は、操作部材17を拡開解除位置C2に保持するためのものである。拡開解除位置C2とは、操作部材17が一対の第1の弾性片部32,33間の間隔を相対的に狭めているときの位置をいう。
第2の保持機構67は、操作部材17の第2の凸部68と摘み部64との間に区画された第2の凹部71と、係合部70とを含んでいる。係合部70は、第1の保持機構66の一部を構成しているとともに第2の保持機構67の一部を構成している。係合部70は、拡開解除位置C2において、第2の凹部71に嵌まっている。
【0058】
一対の部分56,57の内側面72は、一対の第1の弾性片部32,33を挟んでY方向に所定の間隔をあけて相対向している。これら一対の部分56,57の内側面72は、第2の方向D2の先端が傾斜状カム面となっており、第2の方向D2に進むにしたがい互いの間隔が狭くなっている。
この傾斜状カム面が加圧部73とされている。一対の加圧部73は、一対の第1の弾性片部32,33の対応する第1の片部47の先端部47bに設けられた被加圧部74を加圧することができる。
【0059】
拡開解除位置C2において、一対の加圧部73が対応する被加圧部74に当接して加圧することにより、一対の直線状部52間の間隔が狭められ、これら直線状部52によるアウターリード14の挟持力を増すことができる。また、一対の第1の弾性片部32,33のへたりによる挟持力の低下を防止できる。
一対の加圧部73は、操作部材17が拡開位置C1(図9参照)から第1の方向D1に沿って拡開解除位置C2(図10参照)に変位するときに、対応する被加圧部74に当接して加圧することにより、対応する被加圧部74を第1の方向D1に押す力を第1の方向D1と直交するY方向の力に変換する。これにより、一対の第1の弾性片部32,33が互いに近接する。
【0060】
図6および図10を参照して、連結部58は、X方向に関する一対の部分56,57の一端同士を連結している。連結部58には、受入空洞22からX方向の一方に突出する突出部75が形成されている。この突出部75は、周壁23の第2の側部26の凹部26aとZ方向に相対向しており、拡開解除位置C2において、凹部26aに受けられるようになっている。
【0061】
図8および図9を参照して、一対の拡開操作部59は、一対の第1の弾性片部32,33の対応する係合部49と係合することにより、一対の直線状部52間の間隔を拡開するためのものであり、連結部58の内側面76に設けられた小片からなる。これら一対の拡開操作部59は、Y方向に並んでおり、一対の係合部49に挟まれている。
一対の拡開操作部59はそれぞれ、第1の方向D1の先端に設けられた第1の傾斜状カム面77と、第2の方向D2の先端に設けられた第2の傾斜状カム面78とを有している。
【0062】
一対の第1の傾斜状カム面77は、操作部材17を第1の方向D1に沿って受入空洞22内に嵌めるときに、一対の係合部49間の間隔を拡げるためのものであり、第1の方向D1に進むにしたがい互いの間隔が狭くなっている。
これら一対の第1の傾斜状カム面77は、操作部材17が第1の方向D1に変位するときに対応する係合部49に当接することにより、一対の係合部49間の間隔を拡げる。
【0063】
一対の第2の傾斜状カム面78は、操作部材17が第2の方向D2に沿って動いて拡開解除位置から拡開位置C1に変位するときに、対応する係合部49に当接することにより、一対の係合部49間の間隔を拡げるためのものであり、第2の方向D2に進むにしたがい互いの間隔が狭くなっている。
これら一対の第2の傾斜状カム面78は、操作部材17が拡開位置C1に変位するときに対応する係合部49に当接することにより、一対の係合部49間の間隔を拡げる。
【0064】
図10を参照して、各拡開操作部59は、第1の規制部79を含んでいる。各第1の規制部79は、操作部材17が拡開解除位置C2にあるときに、対応する第1の片部47がX方向の一方(アウターリード14の軸方向に沿う方向。図10において、紙面の奥側)に変位することを規制するためのものである。
拡開解除位置C2において、各第1の規制部79は、対応する第1の片部47の基端部47aと相対向しており、当該対応する第1の片部47が上記X方向の一方に移動することを規制している。
【0065】
また、各拡開操作部59は、第2の規制部80を含んでいる。各第2の規制部80は、操作部材17が拡開解除位置C2にあるときに、対応する第2の片部48がX方向の一方(アウターリード14の軸方向に沿う方向。図10において、紙面の奥側)に変位することを規制するためのものである。
拡開解除位置C2において、各第2の規制部80は、対応する第2の片部48の先端部54と相対向しており、当該対応する第2の片部48が上記X方向の一方に移動することを規制している。
【0066】
図5を参照して、周壁23の第1の側部25は、第3の規制部81を含んでいる。第3の規制部81は、一対の第1の弾性片部32,33のそれぞれがX方向の他方(冷陰極管の本体部側)に変位することを規制するためのものである。第3の規制部81は、一対の第1の弾性片部32,33と相対向しており、これらの第1の弾性片部32,33が上記X方向の他方に移動することを規制している。
【0067】
図9および図10を参照して、拡開位置C1は、アウターリード14を無挿入力で一対の直線状部52間に挿入できるように、これら一対の直線状部52間の間隔を、拡開操作部59によって拡開している位置ともいえる。拡開解除位置C2は、上記拡開を解除している位置ともいえる。
図11は、図3のXI−XI線に沿う断面図である。図3および図11を参照して、ホルダ11は、合成樹脂等を用いて形成されており、Y方向に細長い板状をしている。ホルダ11は、Z方向に相対向する表面11aおよび裏面11bを有しており、これら表面11aおよび裏面11bは、互いに略平行である。
【0068】
Z方向に関して、ホルダ11は、回路基板4よりも厚肉に形成されており、回路基板4の厚みの例えば2倍以上とされている。これにより、ホルダ11を回路基板4に沿わせたときに、回路基板4を十分に補強することができる。なお、ホルダ11の厚みは、回路基板4の厚みの2倍未満であってもよい。Y方向に関して、ホルダ11の長さは、回路基板4の長さと略等しくされている。
【0069】
ホルダ11には、複数のコネクタ10を取り付けるための複数の取付孔82が形成されている。各取付孔82は、対応するコネクタ10の配置場所に対応して形成されている。
各取付孔82には、対応するコネクタ10のハウジング15の主体部18が挿通されている。ハウジング15の鍔部19は、取付孔82の周面82aから突出する段部83に受けられている。段部83は、周面82aの周方向の少なくとも一部(本実施の形態において、全周)に亘って配置されている。
【0070】
また、各コネクタ10のハウジング15を対応する取付孔82に取り外し可能にロックするためのロック機構84が設けられている。具体的には、各コネクタ10のハウジング15に係合凸部85が設けられている。係合凸部85は、各ハウジング15の主体部18のうち、第1の方向D1に関する鍔部19の先端部近傍に配置されている。
この係合凸部85は、主体部18の4つの側面のそれぞれに設けられている。なお、係合凸部85は、上記4つの側面の何れか1つ、2つまたは3つにのみ設けられていてもよい。
【0071】
各取付孔82には、対応するコネクタ10を挿入方向としての第1の方向D1に押し込むことにより、当該対応するコネクタ10が取り付けられる。これにより、各取付孔82の段部83に、対応する鍔部19が当接し、また、各取付孔82の周面82aに対応する係合凸部85が圧接される。その結果、各取付孔82に、対応するコネクタ10のハウジング15が位置決めされ且つロックされる。このように、コネクタ10を対応する取付孔82に第1の方向D1に押し込むことで、両者のロックが達成される。
【0072】
各コネクタ10のハウジング15とホルダ11とがロックされた状態において、各コネクタ10は、主体部18および鍔部19によって、対応する取付孔82を覆っている。このように、コネクタ10のハウジング15の主体部18および鍔部19によって、取付孔82を覆って防塵をするための防塵構造が形成されている。なお、鍔部19は、ホルダ11の対応する取付孔82の周縁の一部のみを覆うように形成されていてもよい。
【0073】
一方、各取付孔82から対応するコネクタ10のハウジング15を取り外す際には、対応するコネクタ10を第2の方向D2に引き抜く。このとき、係合凸部85は、取付孔82の周面82aに対して摩擦抵抗を生じつつ、第2の方向D2に引き抜かれる。
以上の概略構成を有する液晶表示装置において、冷陰極管5のアウターリード14と回路基板4との電気的な接続は、以下のようにして行われる。すなわち、まず、ホルダ11および複数のコネクタ10を用意する。
【0074】
次に、各コネクタ10をホルダ11に組み付けて、複合コネクタ6を形成する。具体的には、各コネクタ10を、ホルダ11の対応する取付孔82に対して第1の方向D1に押し込む。これにより、各コネクタ10のハウジング15の各係合凸部85が、対応する取付孔82の周面82aと摩擦係合して、各ハウジング15がホルダ11にロック(圧入固定)される。
【0075】
このとき、各コネクタ10のハウジング15は、その鍔部19が対応する取付孔82の段部83に受けられる。また、ハウジング15の主体部18および鍔部19によって対応する取付孔82が覆われ、取付孔82に塵等の異物が入らないように防塵される。
図12(A)および図12(B)を参照して、次に、複合コネクタ6を回路基板4に実装する。具体的には、複合コネクタ6と回路基板4とをX方向に相対向させた状態から、両者をX方向(スライド方向)に相対移動させる。
【0076】
これにより、図13(A)および図13(B)に示すように、各コネクタ10のハウジング15の挿入凹部44に回路基板4がスライド挿入される。
すなわち、複合コネクタ6は、回路基板4に対して、挿入凹部44に回路基板4が挿入されていない非挿入位置E1(図12(B)参照)から、挿入凹部44に回路基板4が挿入されている挿入位置E2(13(B)参照)に変位する。
【0077】
各挿入凹部44への回路基板4の挿入に伴い、これら各挿入凹部44内の一対の第2の弾性片部34,35は、回路基板4の対応する導体パターン8,9に弾性接触しつつ、互いの先端部41間の間隔が拡げられる。これら一対の第2の弾性片部34,35の先端部41は、それぞれ、回路基板4の表面4aおよび裏面4bの対応する導体パターン8,9とX方向にスライド可能に弾性的に接触して、接触部86を形成する。一対の第2の弾性片部34,35と回路基板4との電気的な接続が達成される。
【0078】
回路基板4は、各挿入凹部44に挿入されて、対応する受け部45に係合する。これにより、図13(A)および図13(B)に示すように、複合コネクタ6がX方向およびZ方向の双方に位置決めされる。このとき、ホルダ11の裏面11bの一部は、回路基板4の相対向する表面4aと当接して受け部87を形成する。受け部87と回路基板4の表面4aとは、面接触している。回路基板4とホルダ11とは、ねじ等の固定手段(図示せず)を用いて互いに固定される。
【0079】
なお、上記複合コネクタ6は、X方向に関する回路基板4の一対の端部のそれぞれに実装される。
次に、図9および図10に示すように、各コネクタ10の一対の第1の弾性片部32,33のそれぞれに、対応するアウターリード14を取り付けて両者の電気的接な触を確保する。具体的には、まず、図9に示すように、操作部材17を拡開位置C1に保持しておく。これにより、操作部材17の一対の拡開操作部59は、第1の弾性片部32,33の対応する係合部49にそれぞれ係合し、一対の第2の片部48間の間隔が拡がる。このとき、一対の直線状部52間の間隔は、アウターリード14の直径よりも広くされているとともに、一対の第1の絞り部51間の間隔は、アウターリード14の直径よりも広くされている。
【0080】
この状態で、対応する冷陰極管の本体部を手(図示せず)等で把持し、アウターリード14を、操作部材17とZ方向に対向させる。そして、冷陰極管を矢印Fに示すように第1の方向D1に移動させて、対応するアウターリード14を受入空洞22内の一対の直線状部52間に配置する。
次に、操作部材17を第1の方向D1に動かして、操作部材17を拡開位置C1から図10に示す拡開解除位置C2に変位させる。これにより、一対の拡開操作部59による一対の係合部49の係合が解除され、一対の第1の弾性片部32,33の弾性力によって、一対の直線状部52が対応するアウターリード14を挟持する。このとき、一対の直線状部52は、その接触部88で上記対応するアウターリード14と接触する。これら一対の接触部88は、対応するアウターリード14を挟んだ相対向する位置に配置されており、当該アウターリード14をその径方向に弾性的に挟持する。
【0081】
これにより、コンタクト16と対応するアウターリード14との電気的な接続が達成される。すなわち、冷陰極管のアウターリード14は、コンタクト16を介して回路基板の導体パターンに電気的に接続される。
このとき、一対の第1の絞り部51間の間隔および一対の第2の絞り部53間の間隔は、それぞれ、対応するアウターリード14の直径よりも狭くなっている。また、操作部材17が拡開解除位置C2に変位することにより、一対の加圧部73は対応する被加圧部74を矢印G1に示すように押圧して、これらの被加圧部74を互いに近接するようにY方向に移動させる。これにより、一対の第1の片部47の間隔を狭め、その結果、一対の第2の片部48に、直線状部52間の距離を狭めるように加圧力が作用する。一対の直線状部52による対応するアウターリード14の挟持力が高められる。
【0082】
さらに、操作部材17が拡開解除位置C2に変位することにより、一対の第1の片部47の基端部47aは、対応する第2の片部48の先端部54を、矢印G2で示すように押圧して、これらの先端部54を互いに近接するようにY方向に移動させる。これにより、一対の先端部54間の間隔を狭め、その結果、一対の直線状部52間の距離を狭めるように加圧力が作用し、一対の直線状部52による対応するアウターリード14の挟持力がさらに高められる。
【0083】
一方、液晶表示装置の分解作業は、以下のようにして行われる。すなわち、まず、アウターリード14と対応するコンタクト16との接続を解除する、具体的には、操作部材17を拡開解除位置C2から第2の方向D2に移動して、図9に示すように拡開位置C1に変位させる。操作部材17を拡開位置C1に変位させる際、一対の拡開操作部59の第2の傾斜状カム面78は、対応する係合部49に係合してこれら一対の係合部49間の距離を広げる。これに伴い、一対の直線状部52間の間隔が広がる。一対の直線状部52と対応するアウターリード14との電気的な接続が解除される。
【0084】
次に、冷陰極管の本体部を手等で把持して第2の方向D2に移動させる。これにより、冷陰極管の対応するアウターリード14は、一対の直線状部52から一対の第1の絞り部51間および一対の案内部55間を通って、受入空洞22から取り出される。
図13(A)および図13(B)を参照して、各コネクタ10から冷陰極管を取り外した後は、複合コネクタ6を回路基板4から取り外す。具体的には、複合コネクタ6を回路基板4に対してX方向に相対的にスライドさせる。すなわち、複合コネクタ6を、回路基板4に対して、挿入位置E2から図12(A)および図12(B)に示す非挿入位置E1に変位させる。
【0085】
これにより、回路基板4は、各コネクタ10のハウジング15の挿入凹部44に対してX方向に相対的にスライドし、挿入凹部44から抜き出される。各コネクタ10の一対の第2の弾性片部34,35と回路基板4の導体パターン8,9との接触が解除され、コンタクト16と回路基板4との電気的な接続が解除される。このとき、上記一対の第2の弾性片部34,35は、弾性復元力により、互いの先端部41間の間隔が狭まる。
【0086】
複合コネクタ6を回路基板4から取り外した後は、複合コネクタ6を分解する。具体的には、図11を参照して、ホルダ11の各取付孔82から対応するコネクタ10の主体部18を第2の方向D2に引き抜く。このとき、各コネクタ10のハウジング15は、その係合凸部85と対応する取付孔82の周面82aとの摩擦抵抗に抗して、第2の方向D2に引き抜かれる。
【0087】
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。すなわち、複数のコネクタ10をホルダ11に整列させて1まとめにした状態で、これら複数のコネクタ10を一括して回路基板4に取り付けることができる。取り扱いに細心の注意が必要な回路基板4に対して、複数のコネクタ10を1つずつ別個に取り付ける必要がなく、複数のコネクタ10の回路基板4への実装作業にかかる手間を格段に低減することができる。さらに、各コネクタ10と回路基板4との接続に半田を用いる必要がなく、地球環境保全の観点からも好ましい。これに加え、コストのかかる半田作業が不要でコスト低減効果も奏することができる。
【0088】
また、各コネクタ10のハウジング15の挿入凹部44に回路基板4をスライド挿入することにより、各コンタクト16と回路基板4の導体パターン8,9とを電気的に接続することができる。コネクタ10を回路基板4に取り付ける作業と、コンタクト16と回路基板4とを電気的に接続する作業とを一括して行うことができる。
さらに、ホルダ11に複数の取付孔82を形成している。これにより、各取付孔82に対応するコネクタ10のハウジング15を嵌め込むことにより、これら各コネクタ10がホルダ11に保持できる。
【0089】
また、各コネクタ10のハウジング15を対応する取付孔82に取り外し可能にロックしていることにより、各コネクタ10をホルダ11から外れないように確実にロックしておくことができる。また、各コネクタ10をホルダ11から取り外して新しいコネクタに交換することができる。
さらに、各コネクタ10のハウジング15を、取付孔82への挿入方向に押し込むことでホルダ11にロックするようになっている。これにより、コネクタ10のハウジング15をホルダ11の対応する取付孔82に嵌め込む取付作業と、ハウジング15およびホルダ11を互いに固定する固定作業とを一括して行うことができる。
【0090】
また、各コネクタのハウジング15の主体部18と鍔部19とでホルダ11の取付孔82を防塵している。このように、ハウジング15の主体部18の周縁に鍔部19を設けることで、防塵構造を容易に実現できる。また、主体部18と鍔部19とで共同して取付孔82を確実に塞ぐことができる。
さらに、ホルダ11は、挿入凹部44にスライド挿入された回路基板4の相対向する表面4aを受ける受け部87を形成するようになっている。このように、ホルダ11の受け部87が回路基板4の相対向する表面4aを受けることで、回路基板4を補強することができる。
【0091】
また、コンタクト16の一対の第2の弾性片部34,35の各接触部86は、X方向に関して回路基板4の対応する導体パターン8,9と摺接可能である。これにより、回路基板4に対するコネクタ10の位置が所望の位置から多少ずれていても、コンタクト16と回路基板4の導体パターン8,9との電気的な接続を確実に達成できる。
さらに、複合コネクタ6を、回路基板4に対して、挿入位置E2と非挿入位置E1とに変位可能である。複合コネクタ6を回路基板4に対してX方向にスライドさせることにより、複合コネクタ6の回路基板4への実装と、回路基板4からの取り外しとを行うことができる。
【0092】
また、ホルダ11を用いることにより、複数のコネクタ10を一括して保持することができる。
さらに、回路基板4と冷陰極管5のアウターリード14との電気的な接続の際には、各コネクタ10のコンタクト16の第2の弾性片部34,35を、回路基板4の導体パターン8,9に一括して接続し、その後、各コンタクト16の第1の弾性片部32,33を冷陰極管5のアウターリード14に接続することができる。複数のコンタクト16を回路基板4に容易に接続することができる。
【0093】
また、冷陰極管5のアウターリード14は、単一の部材であるコンタクト16を介して、回路基板4の導体パターン8,9に電気的に接続される。冷陰極管5のアウターリード14と回路基板4との電気的な接続を達成するために必要な部品が1つでよく、部品点数を少なくできる。また、コンタクト16は、冷陰極管5のアウターリード14および回路基板4の導体パターン8,9の双方と弾性的に接触する。したがって、コンタクト16は、これら冷陰極管5のアウターリード14および回路基板4の導体パターン8,9の双方と確実に接触することができる。冷陰極管5のアウターリード14と回路基板4との間に導通不良が生じることを防止できる。
【0094】
さらに、各コンタクト16において、冷陰極管5のアウターリード14を一対の第1の弾性片部32,33で挟み込むことにより、これらアウターリード14と第1の弾性片部32,33との電気的な接続を確実に行わせることができる。
また、各コンタクト16において、一対の第2の弾性片部34,35が、回路基板4の表面4aおよび裏面4bを挟持するようになっている。これにより、一対の第2の弾性片部34,35と回路基板4との電気的な接続をより確実にすることができる。
【0095】
さらに、回路基板4の表面4aおよび裏面4bの少なくとも一方(本実施の形態において、双方)に形成された導体パターン8,9に、対応する第2の弾性片部34,35が接触するようになっている。これにより、第2の弾性片部34,35と回路基板4の導体パターン8,9との接触圧をより高くすることができる。
図14は、本発明の別の実施の形態の要部の側面図である。なお、本実施の形態では、図1〜図13に示す実施の形態と異なる点について主に説明し、同様の構成については、図に同様の符号を付してその説明を省略する。
【0096】
図14を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、一対の第2の弾性片部34A,35Aの先端部41Aが、それぞれ、対応する中間部42Aに対してZ方向に対向するように折り曲げられている点にある。
一対の第2の弾性片部34A,35Aにおいて、Z方向に関する先端部41A間の間隔J1は相対的に狭くされ、Z方向に関する中間部42A間の間隔J2は相対的に広くされている。これにより、先端部41Aの弾力性を高めることができ、回路基板4とより弾性的に接触することができる。
【0097】
図15は、本発明のさらに別の実施の形態の要部の側面図である。図15を参照して、本実施の形態が図14に示す実施の形態と異なるのは、一対の第2の弾性片部34B,35Bの先端部41Bが、スライド方向としてのX方向に関して相異なる位置に配置されている点にある。これにより、対をなす第2の弾性片部34B,35Bの接触部86Bは、X方向に関して相異なる位置に配置される。
【0098】
本実施の形態では、一方の第2の弾性片部34Bの中間部42BがX方向に相対的に短く形成され、他方の第2の弾性片部35Bの中間部42BがX方向に関して相対的に長く形成されている。
本実施の形態によれば、対をなす第2の弾性片部34B,35Bを回路基板4に対してスライドさせて、対をなす第2の弾性片部34B,35B間に回路基板4を挿入する際、一方の第2の弾性片部34Bが回路基板4に接触して弾性変形を開始するタイミングと、他方の第2の弾性片部35Bが回路基板4に接触して弾性変形を開始するタイミングとをずらすことができる。その結果、対をなす第2の弾性片部34B,35B間への回路基板4の挿入をスムーズなものにできる。
【0099】
図16(A)は、本発明のさらに別の実施の形態の要部の側面図であり、図16(B)は、図16(A)の矢印XVIB方向からみた図である。図16(A)および図16(B)を参照して、本実施の形態が図14に示す実施の形態と主に異なるのは、複数対の第2の弾性片部が設けられている点にある。具体的には、対をなす第2の弾性片部34C1,35C1と、対をなす第2の弾性片部34C2,35C2とが設けられている。
【0100】
第2の弾性片部34C1,35C1と第2の弾性片部34C2,35C2とは、Y方向に所定の間隔をあけて並んでいる。
第2の弾性片部34C1,35C1および第2の弾性片部34C2,35C2は、それぞれ、回路基板4の表面4aおよび裏面4bを挟持するようになっている。具体的には、第2の弾性片部34C1は、回路基板4の裏面4bの導体パターン9にスライド可能に弾性的に接触し、第2の弾性片部35C1は、回路基板4の表面4aの導体パターン8にスライド可能に弾性的に接触する。
【0101】
同様に、第2の弾性片部34C2は、回路基板4の裏面4bの導体パターン9にスライド可能に弾性的に接触し、第2の弾性片部35C2は、回路基板4の表面4aの導体パターン8にスライド可能に弾性的に接触する。
本実施の形態によれば、第2の弾性片部34C1,35C1、34C2,35C2と回路基板4との電気的な接続をより確実にすることができる。
【0102】
図17(A)は、本発明のさらに別の実施の形態の要部の斜視図である。図17(B)は、図17(A)の矢印XVIIB方向からみた要部の平面図である。なお、本実施の形態では、図1〜図13に示す実施の形態と異なる点について主に説明し、同様の構成については、図に同様の符号を付してその説明を省略する。
図17(A)および図17(B)を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、コンタクト16Dにおいて、第2の弾性片部34Dが唯一(1つのみ)設けられている点にある。
【0103】
第2の弾性片部34Dは、主体部31Dの下部38Dから延設されており、当該下部38Dに連なる中間部42Dと、中間部42Dの先端に設けられた先端部41Dとを含んでいる。
中間部42Dは、板状をなしてX方向に延びており、Y方向に幅広となっている。先端部41Dは、中間部42Dに対して折り曲げられるようにして形成されており、当該中間部42DとZ方向に相対向している。先端部41Dは、先端側に進むにしたがい幅狭となる略テーパ状に形成されている。
【0104】
図18(A)および図18(B)を参照して、コンタクト16Dと回路基板4との電気的な接続は、下記のようにして行われる。すなわち、コネクタ10Dと回路基板4とをX方向に相対向させた状態から、両者をX方向に相対移動させる。これにより、各コネクタ10のハウジング15の挿入凹部44に回路基板4がスライド挿入される。
これにより、挿入凹部44内の第2の弾性片部34Dは、回路基板4の裏面4bに弾性的に接触する。第2の弾性片部34Dの先端部41Dは、回路基板4の裏面4bの導体パターン9に押圧されつつ、X方向にスライド可能に弾性的に接触して、接触部86Dを形成する。第2の弾性片部34Dと回路基板4との電気的な接続が達成される。
【0105】
本実施の形態によれば、第2の弾性片部34Dの数を1つのみにすることにより、当該唯一の第2の弾性片部34Dが専有することのできるスペースをより多く確保できる。その結果、第2の弾性片部34Dを可及的に大きくして丈夫なものにでき、第2の弾性片部34Dの強度を高めて耐久性を高くすることができる。また、第2の弾性片部34DがY方向の力を受けたときでも、この力を十分に受けとめることができ、倒れが生じることを防止できる。なお、Y方向に並ぶ複数の第2の弾性片部34Dを用いてコンタクトを構成してもよい。
【0106】
図19は、本発明のさらに別の実施の形態の要部の一部分解斜視図である。図20は、図19のXX−XX線に沿う要部の断面図である。なお、本実施の形態では、図1〜図13に示す実施の形態と異なる点について主に説明し、同様の構成については図に同様の符号を付してその説明を省略する。
図19および図20を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、各コネクタ10Eのハウジング15Eを、第1の方向D1(対応する取付孔82への挿入方向)に対して直交するY方向にスライドさせることにより、ハウジング15Eを対応する取付孔82Eに対してロックするロック機構84Eが設けられている点にある。
【0107】
具体的には、各コネクタ10Eのハウジング15Eの鍔部19Eは、主体部18に対してY方向の一方に突出している部分19Eaを含んでいる。
各取付孔82Eの周面82Eaには、レール部90と、押さえ片91と、カバー92とが設けられている。各周面82Eaにおいて、レール部90は、X方向に相対向して一対設けられており、Y方向に延びている。これらのレール部90は、対応する鍔部19Eを受けるためのものであり、対応する鍔部19EとX方向にスライド可能となっている。
【0108】
押さえ片91は、レール部90と協同して鍔部19Eを挟持するためのものである。押さえ片91は、上記一対のレール部90に対応して例えば一対設けられており、対応するレール部90とZ方向に間隔があけられている。これら一対の押さえ片91は、Y方向に関して対応する周面82Eaの一端寄りに配置されており、対応するコネクタ10Eのハウジング15Eを取付孔82E内に挿入する際に、ハウジング15Eが押さえ片91に接触しないようにされている。
【0109】
カバー92は、コネクタ10Eのハウジング15Eと協同して取付孔82Eを塞ぐためのものである。このカバー92は、Y方向に関して、対応する取付孔82Eの他端寄りに配置されており、一対のレール部90と面一に形成されている。カバー92によって、対応する取付孔82Eの一部が覆われている。
各コネクタ10Eの対応する取付孔82Eへの取り付けは、以下のようにして行われる。すなわち、まず、各コネクタ10Eとホルダ11Eの対応する取付孔82EとをZ方向に相対向させる。(この状態のコネクタ10Eを、図19および図20の左側に図示)。
【0110】
次に、各コネクタ10Eを第1の方向D1に移動させて、鍔部19Eを対応するカバー92および一対のレール部90の上に載置する(この状態のコネクタ10Eを、図19および図20の中央に図示)。
次に、各コネクタ10EをY方向の一方にスライドさせる。これにより、鍔部19Eは、一対のレール部90と一対の押さえ片91との間に挟まれ、所定の挟持力をもって挟持される。(この状態のコネクタ10Eを、図19および図20の右側に図示)。これにより、各取付孔82Eは、対応するカバー92およびハウジング15Eによって塞がれる。
【0111】
以上説明したように、本実施の形態によれば、各コネクタ10Eのハウジング15Eをホルダ11Eに対してスライドさせるという簡易な動作により、各ハウジング15Eおよびホルダ11Eの互いの固定を容易に行うことができる。
図21は、本発明のさらに別の実施の形態の要部の斜視図である。なお、本実施の形態では、図1〜図13に示す実施の形態と異なる点について主に説明し、同様の構成については図に同様の符号を付してその説明を省略する。
【0112】
図21を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、ホルダ11Fに、1ないし複数(本実施の形態において、複数)のスリット93が設けられている点にある。スリット93は、Y方向に関して、例えば、コネクタ10と交互に配置されている。
各スリット93は、ホルダ11Fの厚み方向、すなわち、Z方向に沿って延びており、当該ホルダ11Fを貫通している。換言すれば、挿入凹部44にスライド挿入されたときにおける回路基板4の厚み方向に沿って、スリット93が延びている。
【0113】
本実施の形態によれば、ホルダ11Fの曲げ剛性を部分的に小さくしていることにより、回路基板4の反り(曲がり)等に追従するようにホルダ11Fを曲げることができる。ホルダ11Fを回路基板4により確実に沿わせることができる。
本発明は、以上の各実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0114】
例えば、上記各実施の形態において、回路基板4の表面4aおよび裏面4bの向きを逆にしてもよい。また、回路基板4の表面4aおよび裏面4bの何れか一方にのみ導体パターンが形成されていてもよい。この場合、当該導体パターンに対応する第2の弾性片部が弾性的に接触する。
また、上記各実施の形態の何れか2つ以上を組み合わせて本発明を実現してもよい。
【0115】
さらに、本発明を、外陰極管等の他の蛍光管との接続に適用することができる。また、本発明を、エッジライト型の液晶表示装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】この発明の一実施の形態にかかる複合コネクタを備える液晶表示装置の概略構成を示す模式的な断面図である。
【図2】回路基板、複合コネクタおよび冷陰極管の要部の斜視図である。
【図3】複合コネクタの一部分解斜視図である。
【図4】単品のコネクタの斜視図である。
【図5】図4のV−V線に沿う断面斜視図である。
【図6】コネクタの要部の分解斜視図である。
【図7】図5の矢印VII方向に沿って見たコネクタの断面図である。
【図8】コンタクトの斜視図である。
【図9】図3のIX−IX線に沿う要部の断面図であり、アウターリードがコンタクトに接続されていない状態を示している。
【図10】図2のX−X線に沿う要部の断面図であり、アウターリードがコンタクトに接続されている状態を示している。
【図11】図3のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】(A)は、複合コネクタを回路基板に実装する動作について説明するための斜視図であり、(B)は、(A)のXIIB−XIIB線に沿う要部の断面図である。
【図13】(A)は、複合コネクタを回路基板に実装する動作について説明するための斜視図であり、(B)は、(A)のXIIIB−XIIIB線に沿う要部の断面図である。
【図14】本発明の別の実施の形態の要部の側面図である。
【図15】本発明のさらに別の実施の形態の要部の側面図である。
【図16】(A)は、本発明のさらに別の実施の形態の要部の側面図であり、(B)は、(A)の矢印XVIB方向からみた図である。
【図17】(A)は、本発明のさらに別の実施の形態の要部の斜視図であり、(B)は、(A)の矢印XVIIB方向からみた要部の平面図である。
【図18】(A)および(B)は、それぞれ、複合コネクタと回路基板との接続について説明するための要部の断面図である。
【図19】本発明のさらに別の実施の形態の要部の一部分解斜視図である。
【図20】図19のXX−XX線に沿う要部の断面図である。
【図21】本発明のさらに別の実施の形態の要部の斜視図である。
【符号の説明】
【0117】
4 回路基板
4a (回路基板の)表面
4b (回路基板の)裏面
5 冷陰極管(蛍光管)
6 複合コネクタ
8,9 導体パターン
10,10D,10E コネクタ
11,11E,11F ホルダ
13 (冷陰極管の)端部
14 アウターリード(端子)
15,15E (コネクタの)ハウジング
16,16D コンタクト(蛍光管接続用コンタクト。回路基板接続用コンタクト。)
18 (ハウジングの)主体部
19,19E(ハウジングの)鍔部
44 挿入凹部
82,82E 取付孔
84,84E ロック機構
86,86D (回路基板接続用コンタクトの)接触部
87 (ホルダの)受け部
93 スリット
D1 第1の方向(取付孔への挿入方向)
E1 非挿入位置
E2 挿入位置
X方向(コネクタの整列方向と直交する方向。スライド方向。)
Y方向(横方向。コネクタの整列方向。取付孔への挿入方向に対して直交する方向。)
Z方向(取付孔への挿入方向。回路基板の厚み方向。)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコネクタと、
これらのコネクタを横方向に整列させて保持するホルダとを備え、
各コネクタは、ハウジングと、ハウジングにより保持され、対応する蛍光管の端部の端子を取り付けて電気的接触を確保する蛍光管接続用コンタクトとを含んでいることを特徴とする複合コネクタ。
【請求項2】
請求項1において、上記各コネクタのハウジングは、コネクタの整列方向と直交する方向に、回路基板をスライド挿入可能な挿入凹部を含み、
各コネクタは、ハウジングにより保持された回路基板接続用コンタクトを含み、
回路基板接続用コンタクトは、挿入凹部にスライド挿入された回路基板の導体パターンに弾性的に接触する接触部を含んでいることを特徴とする複合コネクタ。
【請求項3】
請求項1または2において、上記ホルダは、各コネクタのハウジングをそれぞれ取り付けるための複数の取付孔を形成していることを特徴とする複合コネクタ。
【請求項4】
請求項3において、上記各コネクタのハウジングを取付孔に取り外し可能にロックするロック機構を備えていることを特徴とする複合コネクタ。
【請求項5】
請求項4において、上記各コネクタのハウジングを、取付孔への挿入方向に押し込むことでロックするロック機構を備えていることを特徴とする複合コネクタ。
【請求項6】
請求項4において、上記各コネクタのハウジングを、取付孔への挿入方向に対して直交する方向にスライドさせてロックするロック機構を備えていることを特徴とする複合コネクタ。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか1項において、上記各コネクタのハウジングは、ホルダの取付孔を挿通可能な主体部と、主体部から延設され、ホルダの取付孔の周縁の少なくとも一部を覆う鍔部とを含む防塵構造を有していることを特徴とする複合コネクタ。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項において、上記各コネクタのハウジングは、コネクタの整列方向と直交する方向に、回路基板をスライド挿入可能な挿入凹部を含み、
上記ホルダは、挿入凹部にスライド挿入された回路基板の相対向する表面または裏面を受ける受け部を含んでいることを特徴とする複合コネクタ。
【請求項9】
請求項2〜8の何れか1項において、上記回路基板接続用コンタクトの接触部は、挿入凹部と回路基板との相対的なスライド方向に関して回路基板の導体パターンと摺接可能であることを特徴とする複合コネクタ。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項において、上記各コネクタのハウジングは、コネクタの整列方向と直交する方向に、回路基板をスライド挿入可能な挿入凹部を含み、
上記複合コネクタは、回路基板に対して、挿入凹部に回路基板が挿入されている挿入位置と、挿入凹部に回路基板が挿入されていない非挿入位置とに変位可能であることを特徴とする複合コネクタ。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか1項において、上記各コネクタのハウジングは、コネクタの整列方向と直交する方向に、回路基板をスライド挿入可能な挿入凹部を含み、
上記ホルダは、挿入凹部にスライド挿入された回路基板の厚み方向に沿って延びるスリットを含んでいることを特徴とする複合コネクタ。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか1項に記載の複合コネクタに用いられるホルダであって、各コネクタを横方向に整列させて保持するためのホルダ。
【請求項13】
回路基板への蛍光管の端子の接続構造であって、
複数のコネクタと、これらのコネクタを横方向に整列させて保持するホルダとを備え、
各コネクタは、ハウジングと、ハウジングにより保持され且つ対応する蛍光管の端部の端子を取り付けて電気的接触を確保する蛍光管接続用コンタクトと、ハウジングにより保持され且つ回路基板の導体パターンと接触して電気的接触を確保する回路基板接続用コンタクトとを含み、
蛍光管接続用コンタクトおよび回路基板接続用コンタクトを介して蛍光管の端子と回路基板とを電気的に接続することを特徴とする回路基板への蛍光管の端子の接続構造。
【請求項14】
請求項13に記載の回路基板への蛍光管の端子の接続構造における回路基板への蛍光管の端子の接続方法であって、
回路基板接続用コンタクトを回路基板の導体パターンと接触させて電気的接触を確保する工程と、
蛍光管接続用コンタクトを対応する蛍光管の端部の端子に取り付けて電気的接触を確保する工程とを含むことを特徴とする回路基板への蛍光管の端子の接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−257881(P2007−257881A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−77396(P2006−77396)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】