説明

複合テープコースを規定するコンピュータで実現される方法、複合テープコースを規定するためのコンピュータプログラムプロダクトおよびテープコース生成機

【課題】比較的複雑な表面にテープコース定義を効率的に生成できる方法および装置を提供する。
【解決手段】テープコース生成機はCNC複合テープ積層機械をプログラムする際の使用のためのテープコース定義を生成する。テープコース生成機は外形付きの表面をパラメトリック基準表面にマッピングする基準表面パラメータ化機と、基準表面を基準面にマッピングする基準面インスタンス化機とを含む。テープコース生成機はテープ境界を描くテープ境界プロッタと、テープ境界および層境界を基準面にマッピングする境界マッパーとをさらに含む。さらに、テープコース生成機は層境界とテープ境界との交点を識別する交点ロケータと、テープ切断を規定し、基準面のどの点がテープコース内にあるかを判定するテープコースデリミタとを含む。さらに、テープコース生成機は規定されたテープコースをマッピングして外形付きの表面に戻すテープコーストランスフォーマを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明は一般に複合部品の製造に関する。特に、この発明は、複合テープ積層機械のためのコンピュータ数値制御複合部品プログラムで使用するためにテープコース定義を生成することに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
複合材料は、自動車、海洋および航空宇宙産業を含むさまざまな産業でますます使用されるようになってきている。場合によっては、複合部品は、複合テープ積層機械または複合繊維配置機械などの自動化された複合材料適用機械を使用して形成することができる。
【0003】
一部の既存の複合材料適用機械、たとえば、平坦テープ積層機械(FTLM)または外形付きテープ積層機械(CTLM)は、比較的幅の広い複合テープの帯をマンドレルなどの一般的に水平または垂直のツーリング表面へと置くことによって平坦なまたは軽く外形を付けられた複合部品を生産することができる。さらに、一部のテープ積層機械は、複合テープの比較的細い帯、または「トウ(tow)」を一般的に円筒形または球形の表面を含むより複雑な外形を付けられた表面へと置くことができる。
【0004】
航空機の胴体セクションを含む比較的大きな複合部品をより効率的に生産するために、高速マルチヘッド複合材料適用機械が構想されている。構想されるように、マルチヘッド複合材料適用機械は、平坦なスパー、縦通材装入物(stringer charges)、翼の外板および機体の胴のセクションなどのさまざまな複合部品、および自動車、海洋、産業用乗物およびプレハブ式建築構造産業などの他の産業の複合部品を製造することができなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、既存の複合部品プログラミングシステムは、さまざまな複合部品を形成するために複数の複合材料適用ヘッドを備えた複合材料適用機械をプログラムするために比較的複雑な表面に対してテープコースを効率的に規定する能力を有さない。したがって、過度な手動のプログラミングを必要とせずに、さまざまな複合部品を形成するために複数の複合材料適用ヘッドを備えた高速の複合材料適用機械に対して複合部品プログラムを生成する際に使用するために比較的複雑な表面に対してテープコース定義を効率的に生成することのできる方法および装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
上述の必要性は、この発明によって大きく満たされ、この発明では、一局面において、一部の実施例で、さまざまな複合部品を形成するために複数の複合材料適用ヘッドを備えた高速の複合材料適用機械に対して複合部品プログラムを生成する際に使用するために比較的複雑な表面に対してテープコース定義を効率的に生成することのできる装置が提供される。
【0007】
この発明の一局面によると、複合部品層の少なくとも一部分を形成するために複合テープコースを規定するコンピュータで実現される方法は、外形をつけられた表面を基準面に
近似するステップと、層の境界を外形をつけられた表面から基準面の基準層境界へとマッピングするステップと、境界面の基準テープ境界へとマッピングするステップとを含む。さらに、この方法は基準層境界と基準テープ境界との基準交点に少なくとも部分的に基づいてテープエッジを規定するステップを含む。
【0008】
この発明の別の局面によると、複合部品層の少なくとも一部分を形成するために複合テープコースを規定するためのコンピュータプログラムプロダクトは、予め定められたオペレーションを行なうためにプロセッサによって実行されるように構成された命令でコード化されたコンピュータ読取可能媒体を含み、これは外形をつけられた表面を基準面に近似するステップと、層の境界を外形をつけられた表面から基準面の基準層境界へとマッピングするステップと、テープ境界を外形をつけられた表面から基準面の基準テープ境界へとマッピングするステップとを含み得る。さらに、予め定められたオペレーションは、基準層境界と基準テープ境界との基準交点に少なくとも部分的に基づいてテープエッジを規定するステップを含み得る。
【0009】
この発明のさらに別の局面によると、複合部品層の少なくとも一部分を形成するために複合テープコースを規定するためのテープコース生成機は、外形をつけられた表面を基準面に近似し、層の境界を外形をつけられた表面から基準表面上の中間層境界へとマッピングし、かつテープ境界を外形をつけられた表面から基準表面上の中間テープ境界へとマッピングするように構成された基準表面パラメータ化機を含み得る。テープコース生成機はさらに、基準表面を基準面に近似し、中間層境界を基準面の基準層境界へとマッピングし、かつ中間テープ境界を基準面の基準テープ境界へとマッピングするように構成された基準面インスタンス化機を含み得る。さらに、テープコース生成機は、基準層境界と基準テープ境界との基準交点に少なくとも部分的に基づいてテープエッジを規定するように構成されたテープコースデリミタを含み得る。
【0010】
この発明の詳細な説明がここでよりよく理解され、かつ業界に対するこの発明の寄与がよりよく理解されるために、この発明のある実施例を大まかに述べてきた。当然のことながら、以下に説明され、請求項の主題を形成するこの発明の他の実施例もある。
【0011】
この点で、この発明の少なくとも1つの実施例を詳細に説明する前に、この発明は、その適用において以下の説明で述べられるかまたは図面で示される構造の詳細および構成要素の配置に限定されないことが理解される。この発明は、説明されたもの以外の実施例が可能であり、さまざまなやり方で実現および実行が可能である。さらに、ここおよび要約で用いられる語法および用語は説明のためのものであり、制限するものとしてみなされるべきではないことが理解される。
【0012】
そのため、当業者はこの開示が基づく概念が、この発明のいくつかの目的を実行するために、他の構造、方法およびシステムの設計のための基礎として容易に利用され得ることを理解するであろう。したがって、請求項は、均等な構成がこの発明の精神および範囲を離れない限りそのような均等な構成を含むようにみなされることが重要である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
詳細な説明
この発明による実施例は、複合テープ積層機械などのシングルヘッドまたはマルチヘッドのコンピュータ数値制御(CNC)複合材料適用機械をプログラミングする際に使用するためにテープコース定義を生成することのできる複合テープコース生成機を提供する。テープコース生成機は、比較的平坦な、外形付きの、または一般に円筒形の複合部品を含むさまざまな大型の複雑な複合部品、または比較的複雑な外形をつけられた表面を有する複合部品のために複合テープコース定義を生成することができる。
【0014】
テープコース生成機は、本当の外形をつけられた表面、たとえば、複合製造ツール表面または複合部品表面をパラメトリック基準表面へとマッピングすることのできる基準表面パラメータ化機を含み得る。テープコース生成機は、基準表面を基準面へとマッピングすることのできる基準面インスタンス化機も含み得る。したがって、テープコース生成機は最終的に本当の外形をつけられた表面をパラメトリック基準面へとマッピングすることができ、そうする際に、テープコース生成機は外形をつけられた表面での比較的複雑な、3次元のトポロジの分析を、より容易に計算される2次元または平面の分析のインスタンスへと低減することができる。
【0015】
さらに、テープコース生成機は、外形をつけられた表面で規定されたツール経路(tool
path)に基づいてテープセグメントの仮想の輪郭またはテープ境界を描くことのできるテープ境界プロッタ、および外形をつけられた表面で規定されたテープ境界および層の境界を基準面へとマッピングすることのできる境界マッパーを含み得る。テープコース生成機はさらに、層の境界とテープ境界との交点を識別するために基準面の境界を分析することのできる交点ロケータを含んでもよく、これはテープの切れ目(cuts)を規定し、かつ複合材料適用機械の複合材料適用ヘッドの位置の要件を特定するために使用され得る。さらに、テープコース生成機は、基準面の点が閉じられた曲線内にあるかどうかを判定することができ、したがって、基準面のどの点がテープコースの一部であるかを判定することができるテープコースデリミタを含み得る。さらに、テープコース生成機は、規定されたテープコースをマッピングして外形をつけられた表面へと戻すことのできるテープコーストランスフォーマを含み得る。したがって、テープコース生成機は、各層を覆うように置かれる個々のテープコースを規定することができる。
【0016】
全体を通して同様の参照番号が同様の部品を示す図面を参照して、この発明を説明する。この発明による実施例は、単一の複合材料適用ヘッドを有するか、または複数の複合材料適用ヘッドを有する、複合テープ積層機械またはテープ敷設機械などのCNC複合材料適用機械を制御するために複合部品プログラムを生成する際に使用するためにテープコース定義を生成することのできる複合テープコース生成機を提供する。たとえば、この発明の実施例は、2005年11月9日にHagenらによって出願された「複合構造を製造するためのマルチヘッド複合材料適用機械プログラミング方法および装置(“Multihead Composite Material Application Machine Programming Method and Apparatus for Manufacturing Composite Structures”)」と題される同時継続中の特許出願に開示される方法とともに使用可能であり、この出願の内容を全体においてここに引用により援用する。
【0017】
図1はテープコース生成機10の代表的な実施例を示し、プロセッサ12、メモリ14、基準表面パラメータ化機16、基準面インスタンス化機18、テープ境界プロッタ20、境界マッパー22、交点ロケータ24、テープコースデリミタ26、テープコーストランスフォーマ、および入出力(I/O)装置28を含み、これらのすべてはデータリンク30によって互いに接続される。プロセッサ12、メモリ14および入出力装置28は、パーソナルコンピュータ(PC)、サーバ、メインフレームコンピュータ、携帯情報端末(PDA)またはこれらの何らかの組合せなどの一般的なコンピュータの一部であってもよい。残りの構成要素は、テープコース生成機10の所望の機能を行なうためにメモリ14へとロードされプロセッサ12によって処理され得るコンピュータ読取可能媒体上に記憶される、ソースコード、オブジェクトコードまたは実行可能なコードなどのプログラミングコードを含み得る。
【0018】
動作中、テープコース生成機10は、たとえば、コンピュータ支援設計(CAD)フォーマットまたはテープコース生成機10と互換性のあるようにCAD複合部品設計定義から変換されたフォーマットで複合部品定義と関連付けられた製造ツール表面定義および複
数の複合層定義を受取ることができる。さらに、テープコース生成機10は、複合部品を形成するために、複合材料適用ヘッドが製造ツール表面上または以前の層の表面上で複合材料を適用するためにたどることのできる、製造ツール表面または複合層表面上で規定された機械から独立したツール経路のセットをさらに受取ることができる。したがって、たとえば、各層の表面領域は、隙間または重なりの規格もしくは限界と合致する許容差内で標準の複合テープの名目上の幅によって間隔を空けられた経路で埋められ得る。
【0019】
たとえば、図2は、製造ツール32の表面にわたって一般に水平方向に指定された8つの代表的なツール経路34とともに大型の一般的に円筒形の複合部品のための製造ツール32またはマンドレルを示す。図2はさらに、第1の層の境界36および第2の層の境界38を示す。ツール経路34に対応する8つの連続的な複合テープコース40は、第1の層の境界36内に描かれる。同様に、7つの連続的な複合テープコース42は第2の層の境界38内に描かれ、ツール経路34の隣接する対の各々の間の距離未満の幅または名目上の複合テープ幅を有する非標準のテープコース44を含む。
【0020】
例として、複合テープ積層機械は、ツールキャリッジに取付けられ、かつ3インチ、6インチの標準または名目上の幅、もしくは他の好適な幅を有する複合テープを適用するように構成された1つまたは複数の複合材料適用ヘッドを有してもよい。複合テープ積層機械はさらに、非標準の幅を有する複合テープの帯または複数の帯を適用する複合材料適用ヘッドを含んでもよい。たとえば、代表的なマルチヘッド複合テープ積層機械は、名目上の3インチ幅の複合テープの帯を適用する1つまたは複数の標準ヘッド、および8分の1インチまたは4分の1インチの幅の帯または「トウ」などの非標準の幅の複合テープの帯を適用する1つまたは複数の特化されたヘッドを含んでもよい。さらに、特化されたヘッドは、名目上のテープ幅に等しい集計された幅までの複数の非標準の帯、たとえば、24個までの8分の1インチの複合テープのトウを3インチの標準の名目上のテープ幅を有する機械に適用する能力を有してもよい。
【0021】
図2に示されるツール経路34およびテープコース40、42は、製造ツール32の軸に対して一般に水平または平行であるが(参考までに、この例ではゼロ度の繊維の方向付け)、付加的な層は、複合部品の設計要件を満たすために90度または45度などの他の繊維の方向付け、もしくは好適な繊維の方向付けを有してもよい。
【0022】
次にテープコース生成機10は、機械から独立したツール経路および複合部品層に対応するテープコース40、42、44のセットを規定することができる。つまり、テープコース生成機10は、複合材料適用のヘッドアップおよびヘッドダウンの位置、ならびに各経路に沿ったテープ切断位置などの、一連の切断および複合材料適用ヘッドの作動要件を規定することができるため、層の境界36、38内にある経路の部分のみが実際に複合テープで埋められる。
【0023】
一実施例では、テープコース生成機10は、たとえば、平坦なまたは外形をつけられた部品を生産するためにデカルト座標系を実現することができる。他の実施例では、テープコース生成機10は、あらゆる好適な座標系を実現することができ、たとえば、回転する製造ツール28上で一般に円筒形の部品を生産するために、角度基準系などの極座標系、円座標系、球座標系、曲線座標系等を実現することができる。
【0024】
図3に示されるように、テープコース生成機10は、真の製造ツールの形状または真の複合部品の形状などの、本当の外形をつけられた表面46を2次元(2−D)のパラメトリック基準表面、または基準面48に近似することができる。パラメトリック表面は、それに対して、数式によって、または2つの独立変数またはパラメータの関数である数式のセットによって、構成点の座標を正確に規定することのできる表面である。
【0025】
テープコース生成機10は、外形をつけられた表面46を基準面48へとマッピングする、マッピングアルゴリズムまたは関数gを展開することができる。したがって、マッピング関数gは、外形をつけられた表面46の3次元(3−D)の座標を基準面48の平面座標に相関させることができる。つまり、テープコース生成機10は外形をつけられた表面をパラメータ化することができ、言換えると、関数gは、外形をつけられた表面46で規定された各点にパラメータ、たとえば、平面座標を代入することができる。
【0026】
同様に、テープコース生成機10は、基準面48を外形をつけられた表面46へとマッピングする、逆マッピングアルゴリズムまたは逆関数fを展開することができる。テープコース生成機10の一部の実施例では、逆関数fがまず決定され、関数gは、関数fから決定され得る。つまり、マッピング関数gは関数fの逆数として規定することができる。一般に、関数gは外形をつけられた表面46のパラメータ化と称される。なぜなら、関数gは外形をつけられた表面46上の各点にパラメータを代入するからである。
【0027】
理想的には、マッピング関数fおよびgは、外形をつけられた表面46上の点と基準面48の点との間に1対1の対応を確立することができる。そうであれば、外形をつけられた表面46上および基準面48内のすべての点について、マッピング関数gは、外形をつけられた表面46上の厳密に1つの点を基準面48の厳密に1つの点に相関させ、逆関数fは、基準面48の厳密に1つの点を外形をつけられた表面46上の厳密に1つの点に相関させる。
【0028】
さらに、マッピング関数fおよびgは、理想的にはそれぞれの表面上で連続的であるべきである。これは、外形をつけられた表面46上の隣接する点が基準面48の隣接する点に相関されることを意味する。マッピング関数fおよびgが1対1の対応を有し、かつ連続的である場合、外形をつけられた表面46のすべてのトポロジ関係は、基準面48へとマッピングされたとき、およびその逆のときに保たれる。最後に、マッピング関数fおよびgは、方法を実用的なコンピュータプログラムで使用することができるように計算するのに効率的であるべきである。
【0029】
ほぼ平坦であるかまたは微妙に曲げられた表面などの比較的単純な場合、好適なマッピング関数fおよびgは、従来の方法を使用して決定することができる。たとえば、ほぼ平坦な表面では、好適な基準面への垂直の投影の実現は成功している。しかしながら、基準面へのまっすぐな垂直の投影は、より複雑な表面、たとえば、一般に円筒形の表面の場合には十分ではないことがあり得る。なぜなら、結果として生じるマッピング関数fおよびgは1対1の関係を有さないからである。
【0030】
例として、航空機の胴体の外形をつけられた表面がタールマカダム舗装の路(tarmac)(基準面)へと下方に直接的に投影された場合、胴体の上方および下方の表面上のある点は、地上の単一の点に投影されるであろう。というのは、垂直線は一般に2ヶ所で胴体に貫通するからである。したがって、結果として生じるマッピング関数は、せいぜい2対1である(逆マッピング関数も同様)。したがって、より複雑な表面を1対1の対応を有するマッピング関数に近似するために、異なるタイプの基準表面が使用されなければならない。
【0031】
この困難に対処するため、テープコース生成機10は、本当の外形をつけられた表面46を基準面48に近似するタスクを2つのモジュールに分けることができる。たとえば、図4に示されるように、基準表面パラメータ化機16(図1を参照)は、本当の外形をつけられた表面46を3次元(3−D)のパラメトリック基準表面50に近似することができ、基準面インスタンス化機18(図1を参照)は、基準表面50を適切な基準面48に
近似することができる。つまり、基準表面パラメータ化機16は、外形をつけられた表面46を基準表面50へとマッピングするため、およびその逆のためにマッピング関数g1およびf2を決定することができ、基準面インスタンス化機18は、基準表面50を基準面48へとマッピングするため、およびその逆のためにマッピング関数g2およびf1を決定することができる。
【0032】
したがって、基準表面パラメータ化機16は、外形をつけられた表面のものと比較して、比較的単純な、基準表面の形状を選択することができる。具体的には、基準表面パラメータ化機16は、幾何学的な外形をできるだけ保持するように外形をつけられた表面46の一般的な形状に十分に類似であり、かつ容易に規定されるかまたはパラメータ化され得る、もしくは少なくとも合理的に便利に評価され得る、基準表面の形状を選択することができる。たとえば、テープコース生成機10の一部の実施例では、基準表面パラメータ化機16は、外形をつけられた表面46を近似するために、円柱、球、半球または円錐などの、比較的単純な幾何学的表面を選択することができる。他の実施例は、単一のパラメトリック表面に十分に類似しない外形をつけられた表面を近似するためにそのような表面の組合せを使用することができる。
【0033】
比較的単純な表面の形状を選択することの重要な利点は、結果として生じるマッピング関数fおよびgが比較的容易な、または些細ともいえる計算を必要とし得ることである。したがって、テープコース生成機10の実施例をサポートするのに必要な計算能力は、一部の代替の分析方法と比較されるように、大きく低減することができる。
【0034】
テープコース生成機10の他の実施例では、基準表面パラメータ化機16は、半球、多面体、トーラス、回転楕円体、楕円、放物面、双曲面などの、数学的な関数によってモデル化され得るあらゆる好適なパラメトリック表面を選択することができる。一部のトポロジ的に円筒形の表面では、代替の実施例において、基準表面パラメータ化機16は、たとえば、外形をつけられた表面46を近似するために曲げられた縦方向の背骨について規定された一定の断面を含む掃引表面(swept surface)を選択することができる。
【0035】
結果的に、基準表面パラメータ化機16は、外形をつけられた表面46の幾何学的外形に基づいて基準表面50を構成するか、または規定することができる。つまり、基準表面パラメータ化機16は、図4に示されるように、外形をつけられた表面46を基準表面50へとマッピングするマッピングアルゴリズム、または関数g1を展開することができる。同様に、基準表面パラメータ化機16は、基準表面50を外形をつけられた表面46へとマッピングする逆マッピングアルゴリズム、または逆関数f2を展開することができる。
【0036】
一部の実施例では、基準表面パラメータ化機16は、外形をつけられた表面46を基準表面50上に重ね合わせ、かつ基準表面50に対して垂直な光線を投じるかまたは投影することによって、マッピング関数g1およびf2を規定することができる。他の実施例では、基準表面パラメータ化機16は、基準表面50の軸に垂直な光線を投じることができる。たとえば、基準表面50が円形の断面を備えた円柱または掃引表面である場合、基準表面パラメータ化機16は、円柱の軸から、または掃引表面の背骨から、基準表面50へと光線を投影することができる。同様に、球形の基準表面では、基準表面パラメータ化機16は、球の中心から光線を投影してマッピング関数g1およびf2を得ることができる。一般に、基準表面パラメータ化機16は、マッピング関数g1およびf2を導き出すために垂直光線の各々が基準表面50および外形をつけられた表面46に交差する相関された点を識別することができる。一部の実施例では、マッピング関数f2は経験的に決定することができ、マッピング関数g1はマッピング関数f2の逆数として規定することができる。
【0037】
さらにより一般的な表面では、テープコース生成機10の別の代替の実施例において、基準表面パラメータ化機16は、外形をつけられた表面46のサンプリングに基づいて、適切なパラメータドメインを備えた最もよく適合する単一スプライン表面を構成することができる。この実施例では、基準表面パラメータ化機16は、外形をつけられた表面46を最もよく適合する単一スプライン表面上に重ね合わせ、かつ基準表面50から垂直光線を投影することによって、マッピング関数g1およびf2を規定することができる。しかしながら、光線は内側方向および外側方向の両方で基準表面50から投影されなければならない。なぜなら、スプラインはある点では基準表面50の内側にあり、別の点では基準表面の外側にあり得るからである。繰返すが、基準表面パラメータ化機16は、マッピング関数g1およびf2を得るために垂直光線の各々が基準表面50および外形をつけられた表面46に交差する相関された点を識別することができる。
【0038】
しかしながら、基準表面50から両方の方向に光線を投影するとき、基準表面パラメータ化機16は、外形をつけられた表面の反対側との光線の外部からの交点も識別することがあり得る。したがって、基準表面パラメータ化機16は、基準表面50と外形をつけられた表面46との間の最大許容距離に限定しきい値を適用して、それにより外部からの表面の交差点を拒否するように変更することができる。
【0039】
さらに、基準表面パラメータ化機16は、基準表面50への垂直投影が外形をつけられた表面46と1対1の対応を有すること、およびマッピング関数g1およびf2が連続的であること、つまり、マッピング関数g1およびf2がそれぞれの表面上で一義的に規定されることを検証することができる。これを実現するため、基準表面50のすべての点から、または基準表面50の軸に沿ったすべての点からの垂直光線は、外形をつけられた表面46の一義的な点に各々交差しなければならない。たとえば、基準表面として航空機の胴体上にほぼ同心円状に重ね合わされた円柱の場合、円柱の軸から投影された垂直光線は、円円柱の軸から投影することのできるすべての他の垂直光線の交点から一義的である単一の点で胴体表面に交差し、1対1のマッピング関数g1およびf2が生じる。一般に、基準表面パラメータ化機16は、マッピング関数g1およびf2が1対1の対応を有することができるように、外形をつけられた表面46に十分に類似する形状を有するために基準表面50を選択することができる。
【0040】
場合によっては、基準表面パラメータ化機16は、1対1の対応を確立するために、マッピング関数g1およびf2に調整を行なうことができる。たとえば、外形をつけられた表面46に対するCAD表面定義は、共同で複雑な外形をつけられた表面46を規定する、複数の部分的な表面、何千もの部分的な表面からなり得る。2つの部分的な表面52、54を含む表面定義の例が図5に示される。さらに、部分的な表面の一部は、図5の左の部分的な表面52の上端への右の部分的な表面54の上端の重なり56によって示されるように、意図せずに重なることがある。
【0041】
この場合、たとえば、円筒形の基準表面50の軸70から光線60が投影されたとき、基準表面50に対して垂直に外向きの方向で基準表面50上の点62を通り抜け、光線60は、部分的な表面52、54の両方に交差し得る。たとえば、図5にさらに示されるように、光線60は左の部分的な表面52に点64で交差し、右の部分的な表面に点66で交差し得る。この場合、マッピング関数f2は1対1の対応を有さない。したがって、基準表面パラメータ化機16は、1対1の対応を確立するために、複数の交点64、66の加重平均を計算することによって、マッピング関数f2を調整することができる。
【0042】
他の場合、基準表面パラメータ化機16は、関数を連続的にするために、マッピング関数g1およびf2に調整を行なうことができる。たとえば、外形をつけられた表面46に対するCAD表面定義の部分的な表面の一部は、図5の左および右の部分的な表面52、5
4の下端の間の隙間58によって示されるような、意図されない隙間によって間隔を空けられ得る。つまり、外形をつけられた表面46はすべての点で規定されるわけではない。この場合、たとえば、円筒形の基準表面50の軸70から光線68が投影されたとき、基準表面50に対して垂直な外向きの方向で基準表面50上の点72を通り抜け、光線68は、図5に示されるように部分的な表面52、54のうちのどちらかに交差しないことがあり得る。この場合、マッピング関数f2は連続的ではない。したがって、基準表面パラメータ化機16は、連続関数を導き出すために、近くの表面52、54の先端間で内挿することによって、マッピング関数f2を調整することができる。
【0043】
それにも関わらず、結果として生じる基準表面50は、外形をつけられた表面46の分析を基本的な数学的問題へと減じるのに望まれるような、平坦な表面ではない。したがって、上述のように、基準面インスタンス化機18は、図4に示されるように、基準表面50を適切な基準面48に近似し得る。基準表面50の形状に従って、基準面インスタンス化機18は、基準表面50に対応する代表的な2−D表面、または基準面48を作るために、基準表面50を有効に展開し、広げ、または平らにすることができる。たとえば、円筒形の基準表面50の場合、基準面48は、基準面48を円筒形の基準表面50の周りに有効に巻くことができるように、図4に示されるように、矩形であり得る。他の基準表面の形状では、基準表面50を正確に表すことのできるあらゆる好適な基準面の形状が基準面48として選択され得る。
【0044】
基準表面50はパラメトリック表面であるように選択され得るため、基準面インスタンス化機18は、基準表面50を基準面48へと相関させるために、従来のパラメトリック数式、または数式のセットを使用することができる。たとえば、図4に示されるように、基準表面50が円柱であるように選ばれ、かつ基準面48が矩形の面になるように選ばれた場合、f1は以下の周知の式による従来の円柱座標のマップへと減じることができる。
【0045】
1(μ,ν)=(μ,sin(ν),cos(ν))
したがって、外形をつけられた表面46を基準面48に相関させることができるマッピング関数fおよびgは、外形をつけられた表面46の基準面48に対する同じ相関関係を結合的に生成することのできる、マッピング関数f1およびf2、ならびにg1およびg2の2つの対によって置換することができるか、またはそれへと分解することができる。たとえば、マッピング関数g1が、まず外形をつけられた表面46へと適用され、外形をつけられた表面46を基準面50に相関させるために、その後マッピング関数g2が基準表面50に適用され得る。同様に、マッピング関数f1が、まず基準面48に適用され、基準面50を外形をつけられた表面46に相関させるために、その後マッピング関数f2が基準面50に適用され得る。
【0046】
さらに、マッピング関数f1およびf2(またはg1およびg2)の各々が1対1の対応を有する場合、定義上、外形を付けられた表面46と基準面48との間の全体的なマッピングf(またはg)も1対1の対応を有する。さらに、マッピング関数f1およびf2(またはg1およびg2)の各々が連続的である場合、定義上、外形をつけられた表面46と基準面48との間の全体的なマッピングf(またはg)も連続的である。
【0047】
しかしながら、場合によっては、1対1の対応を有するマッピング関数f1およびf2(またはg1およびg2)を規定することができない。たとえば、(周知の、根本的な数学的理由のため)原則的にでも、閉じた球は、1対1の対応を伴って平面の表面にマッピングすることはできない。さらに、円柱または半球を面へとマッピングする場合のように、1対1のマッピングが可能なときでも、この発明の実施例の目的のために望ましいマッピング関数f1およびg2は、面全体にわたって1対1の対応を有さないことがあり得る。
【0048】
したがって、基準表面パラメータ化機16は基準面50を選択することができ、基準面インスタンス化機18は、マッピング関数f1およびg2が1対1の対応を有さないか、または連続的でない特異点または領域を含む基準面48を選択することができる。具体的には、マッピング関数f1およびg2は、図6の円筒形の基準表面50上のシーム74および基準面ボーダー76、78のような、限られた数の分離された特異点の例外はあるが、基準面48および基準表面50のすべての点で連続的であり、かつ1対1の対応を有することができる。
【0049】
たとえば、特異点は、マッピング関数f1およびg2が1対1の相関関係を有さないように、マッピング関数f1およびg2が基準面48の2つの点、線、または曲線を基準表面50上の単一の点、線または曲線に相関させる位置を含み得る。具体的な例として、図6に示されるような、円柱座標によって表わされる基準表面50の場合、基準面48の上方ボーダー76および下方ボーダー78は共に基準表面50上の単一の線またはシーム74に相関する。同様に、極の形の特異点は、極または球形の座標系に基づく基準表面50に特有であり得る。
【0050】
さらに、マッピング関数f1およびg2は、特異点で連続的でないことがあり得る。たとえば、そのうちの1つが円筒形の基準表面50上のシームの各側にある2つの点80、82は、そこへと80、82がg2によってマッピングされる基準面内48の対応する点84、86は矩形の基準面48の対向するボーダー76、78の近くにあり得るが、任意で互いに近くにあってもよい。
【0051】
そのような特異点を考慮するため、基準面インスタンス化機18は、上方および下方の基準面ボーダー76、78のような特異点を通って交差する基準面48内の曲線の部分を有効に分離することができる。たとえば、基準面インスタンス化機18は、基準面50で曲線の区分的な定義を作ることができ、曲線部分または断片の大部分は、その上でマッピング関数f1およびg2が連続的でありかつ1対1の対応を有する基準面48の内部に独占的にある。これら曲線部分または断片は、「通常曲線セグメント」と称され得る。さらに、基準面インスタンス化機18は、曲線が上方ボーダー76に交差する点90を、曲線が下方ボーダー78に交差する点92へと接続するために、基準面48で「仮想曲線セグメント」88を導入することができる。
【0052】
仮想曲線セグメント88は、特別なシーム横断マーカの役割を果たすことができ、対応する点90、92を相関させる。実際には、2つの点90、92は3−D基準表面上でシーム74に沿って単一の点94に対応することができ、仮想曲線セグメント88は基準表面46と基準面48との間でマッピング関数f1およびg2において必要な連続性を提供することができる。つまり、仮想曲線セグメント88は、曲線がシーム74に交差する点94に対応する、特異点内に完全にあると考えられ得る抽象的な曲線セグメントである。したがって、基準表面50上でシーム74に交差する各曲線は、基準面48で通常および仮想の曲線セグメントの組合せによって置換することができる。
【0053】
文字通り理解すると、仮想曲線セグメント88は、図6に示されるように、円筒形の基準表面50の周囲の周りの円96に相関する。しかしながら、慣例により、基準面インスタンス化機18は、基準面48の仮想曲線セグメント88を、仮想曲線セグメント88の2つの終点(点90、92)の、共通のイメージまたは点94に相関させるために修正することができる。さらに、仮想曲線セグメント88が基準面50で作られるとき、基準面インスタンス化機18は仮想曲線セグメント88にフラグを立てることができるため、仮想曲線セグメント88は後に識別することができ、分析中に特別な処理を与えることができる。
【0054】
一旦2−Dの近似、または基準面48が外形をつけられた表面46に対して規定されると、テープコース40、42(図2を参照)の定義を含む、外形をつけられた表面46に関するトポロジー分析が基準面48で実行され得る。後に、テープコース定義を含む分析の結果は、マッピングされて外形をつけられた表面46へと戻され得る。
【0055】
図7に示されるように、テープ境界プロッタ20(図1を参照)は、外形をつけられた表面46で一時的なテープ境界100を描くことができる。テープ境界100は、対応するツール経路102に基づき得る。たとえば、テープ境界100は、ツール経路102をたどる中心線を備えた名目上のテープ幅として描くことができる。テープコースは、テープ境界100と対応する層の境界106との交点104に基づいて規定することができる。
【0056】
必要な計算が外形をつけられた表面46での同等の計算よりはるかに複雑ではなくなり得る、テープコース定義の分析を基準面48で実行するために、境界マッパー22(図1を参照)は、マッピング関数g1およびg2、または同等の関数gを使用して、テープ境界100および層の境界106を基準面48へとマッピングすることができる。したがって、境界マッパー22は、境界面48で2−Dイメージ、たとえば、図8に示されるイメージ108を作ることができる。イメージ108は基準テープ境界110および基準層境界112を含み得る。
【0057】
さらに、交点ロケータ24(図1を参照)は、イメージ108を分析して基準テープ境界110の基準層境界112との基準交点114の位置を決定することができる。分析は2−D基準面で行なうことができるため、基準交点114の位置を規定する曲線と曲線との交点の解は、基本の数学的な計算を使用して、正確かつ確実に決定することができる。
【0058】
さらに、テープコースデリミタ26(図1を参照)は、基準面48でフラグをつけられた仮想曲線セグメント88(図6を参照)を識別することができ、曲線と曲線との交点分析で仮想曲線セグメント88を含むことはできない。つまり、テープコースデリミタ26は、通常曲線セグメントのみを使用して、基準テープ境界110の基準層境界112との基準交点114の位置を決定することができる。事実上、仮想曲線セグメント88は、基準面48で、曲線または境界の交点についてテストするときに、識別および単に無視することができる。
【0059】
さらに、テープコースデリミタ26(図1を参照)は、基準交点114の位置および基準テープ境界110の内側の基準層境界112の部分の定義に基づいて、図9に示されるテープ切断パターン116を規定することができる。基準テープ境界110の内側の点、または基準層境界112の内側の点を識別するため、テープコースデリミタ26は、点包含分析(point containment analysis)を行なうことができる。つまり、テープコースデリミタ26は、基準面48の所与の点が基準面48の所与の閉じた曲線の内側にあるかどうかを判定することができる。
【0060】
具体的には、外形をつけられた表面46上の点は、(マッピング関数g1およびg2によって相関される)基準面48の対応する点が基準面48上で基準層境界112の内側にある場合、およびその場合にのみ、外形をつけられた表面46(図7を参照)上の層の境界106の内側にある。したがって、テープコースデリミタ26は、外形をつけられた表面46上ではなく基準面48での計算によって点包含問題を解くことができる。
【0061】
一般に、平面領域の点の包含は、表面上で表面上の点から無限大へと光線を作り、かつ対象の光線と閉じられた曲線との交点の数を決定することによって決定することができる。一般に、曲線と閉じた曲線との間の交点の数が奇数の場合、点は閉じた曲線の内側にあ
り、交点の数が偶数の場合、点は閉じた曲線の外側にある。しかしながら、基準面48の特異点の存在があるため、テープコースデリミタ26は、この一般的な点包含アルゴリズムの新規の適応を行なうことができる。
【0062】
テープコースデリミタ26は、基準表面50上の閉じた曲線に対応する基準面48の閉じた基準曲線の内側に点がある場合、最終的に基準面48の「本当」のボーダー、たとえば、基準表面50の現実のボーダーに対応する基準面ボーダーに交差する方向で、基準面48内の点から基準面48で光線を投じることができる。一旦適切な方向で光線が投じられると、テープコースデリミタ26は、それが基準表面境界に到達する前に光線と閉じた曲線との間の交点の数を決定することができる。
【0063】
例として、図6の円筒形の基準表面50の場合、光線は基準面48で垂直方向で投じることはできない。なぜなら、これは誤った結果をもたらし得るからである。たとえば、閉じた基準曲線126の内側の点124から光線が上方に投じられた場合、点124は閉じた基準曲線126の内側にあるが、光線は上方ボーダー76に到達する前に閉じた基準曲線126とのゼロの交点を有する。同様に、光線が点124から下方に投じられた場合、点124は閉じた曲線126の内側にあるが、光線は下方ボーダー78に到達する前に閉じた曲線126と2回交差する。
【0064】
同様の理由で、図6の円筒形の基準表面50の場合、閉じた基準曲線126の外側であるが閉じた基準曲線126と垂直に整列する点128から光線が上方に投じられた場合、点128は閉じた基準曲線126の外側にあるが、光線は上方ボーダー76に到達する前に閉じた基準曲線126と1つの交点を有する。同様に、光線が点128から下方に投じられた場合、点124は閉じた曲線126の内側にあるが、光線は下方ボーダー78に到達する前に閉じた曲線126と一度だけ交差する。
【0065】
したがって、たとえば、円筒形の基準表面の場合、光線は、基準表面50の軸に平行な真っ直ぐな線であるか、または基準面48内の水平な真っ直ぐな線であり得る。なぜなら、線は最終的に本当のボーダーに到達しなければならないからである。同様に、掃引基準表面の場合、光線は、基準表面50の軸に平行に走る線であり得る。しかしながら、異なる基準表面の形状の場合、対象の点が基準表面50上の閉じた曲線に対応する基準面48内の閉じた基準曲線の内側にある場合、光線は基準面48の本当のボーダーに最終的に交差する光線になるあらゆる方向で投じることができる。
【0066】
さらに、テープコースデリミタ26は、テープ切断パターン116および隣接する基準交点114間の基準テープ境界110の部分のような、テープエッジ定義を含む、図9に示される基準テープコース118を規定するか、またはその境界を定めることができる。さらに、テープコースデリミタ26は、基準面48においてイメージ108の点包含分析を行なって、テープエッジ定義を含む点を含む、基準テープコース118に対応する基準面48内の点のすべて、およびテープエッジ定義によって囲まれる領域内にあるすべての点を決定することができる。
【0067】
したがって、テープコースデリミタ26は、テープ切断パターン116に従って領域が切取られた、基準テープ境界110に関する基準テープコース118を都合よく規定することができる。テープ切断パターン116は、たとえば、テープコース118の端部を規定する「終端切断」120、テープコース118の1つの側の「ノッチ切断」122、または「部分的な幅の切断」(「全体的でない幅の切断」でもあり、これは図に示されない)を表わすことができる。
【0068】
さらに、層の境界36、38(図2を参照)の内側のテープコースのセットに対する点
包含の決定/は、テープコースを形成するテープの層の厚みを考慮するためのオフセットを含むように層の境界36、38内で外形をつけられた46の部分を更新するのを容易にするために、複合部品プログラミング中に有用であり得る。つまり、層の境界36、38の内側のすべての点は、外形をつけられた表面46に対して垂直な方向で外側に動かすことができる。したがって、複合部品プログラムは、外形をつけられた表面46上に適用されるべき次の層、または層のシーケンスを規定することができる。同様に、点の包含は、たとえば、外形をつけられた表面46で曲線を追跡するときに層の領域を出たときを認識するために、付加的な複合部品プログラムアルゴリズムで使用可能である。
【0069】
基準テープコース118が規定された後、テープコーストランスフォーマ27(図1を参照)は、基準テープコースを変形するかまたはマッピングして外形をつけられた表面46へと戻すことができる。この変形は、たとえば、マッピング関数fを使用して、または同等に、マッピング関数f1およびf2を使用して実現することができる。結果として生じるテープコースのデータは、複合部品を製造するために複合材料適用機械で実行され得るCNC部品プログラムを生成するために使用可能である。
【0070】
図10は、テープコース定義を生成するために行なわれ得るステップのシーケンスを示すフローチャートである。プロセスは、ステップ番号130、「表面をパラメータ化する」へと進むことによって始めることができ、ここでテープコース生成機は、複合部品定義と関連付けられた製造ツール表面定義および複数の複合層定義、ならびに製造ツール表面上で規定された機械から独立したツール経路のセットを受取ることができる。テープコース生成機は、たとえば、図11のフローチャートに示されるステップのシーケンスに従って、製造ツール表面定義をパラメータ化することができる。
【0071】
図11は、製造ツール表面をパラメータ化するために行なわれ得る詳細なステップのシーケンスを示すフローチャートである。ステップ132、「基準表面を選択する」では、テープコース生成機は、製造ツールの外形をつけられた表面の一般的な形状に実質的に類似した比較的単純な3−Dの基準表面の形状を選択することができる。たとえば、上述のように、テープコース生成機は比較的単純な幾何学的表面を選択することができる。具体的な例として、テープコース生成機は、航空機の複合胴体セクションに対して製造ツールを近似するために円柱を選択することができる。
【0072】
プロセスは、次にステップ134、「垂直光線を投影する」へと続き、ここでテープコース生成機は、外形をつけられた表面または製造ツール表面を基準表面に重ね合わせ、基準表面に対して垂直であるかまたは基準表面の軸に対して垂直な光線を投じるかまたは投影することができる。たとえば、上述のように、基準表面が円形の断面を備えた円柱または掃引表面である場合、テープコース生成機は、円柱の軸から、または掃引表面の背骨から、基準表面へと光線を投影することができる。
【0073】
次に、ステップ136、「表面を基準表面へとマッピングする」では、テープコース生成機は、基準表面を外形をつけられた表面へとマッピングするマッピング関数f2を規定することができる。たとえば、上述のように、テープコース生成機は、測定された距離に基づいて基準表面を外形をつけられた表面へとマッピングする、マッピング関数f2を導き出すために、垂直光線の各々が基準表面50および外形をつけられた表面46に交差する相関された点を識別することができる。上述のように、テープコース生成機は、外形をつけられた表面を基準表面へとマッピングするために、マッピング関数f2の逆数として、マッピング関数g1を規定することができる。
【0074】
次に、ステップ138、「隙間を内挿する」では、テープコース生成機は、製造ツール表面を規定する部分的な表面間に意図されない隙間が存在する領域で部分的な表面の端部
間で内挿することによって、結果として生じるマッピング関数g1およびf2が連続的であるようにするためにマッピング関数f2を調整することができる。同様に、基準表面が外形をつけられた表面と1対1の対応を有するように、つまり、マッピング関数g1およびf2がそれぞれの表面で一義的に規定されるように、ステップ140、「重なりを明確にする」では、テープコース生成機は、製造ツール表面を規定する部分的な表面の意図されない重なりが存在する領域で、投じられた光線の複数の部分的な表面との複数の交点の加重平均を計算することによって、マッピング関数関数f2を調整することができる。
【0075】
次にステップ142、「基準面を選択する」では、テープコース生成機は、基準表面に対応する基準面を作るために、基準表面を有効に展開し、広げまたは平らにすることができる。たとえば、円筒形の基準表面の場合、上述のように、テープコース生成機は、円筒形の基準表面に有効に巻付けることができる矩形の基準面を選択することができる。
【0076】
テープコース生成機は、ステップ144、「基準表面を基準面へとマッピングする」で、基準面を基準表面へとマッピングするために、従来のパラメトリック数式または数式のセットを適用することができる。さらに、上述のように、テープコース生成機は、基準表面を基準面へとマッピングするために、マッピング関数f1の逆数として、マッピング関数g2を規定することができる。
【0077】
上述のように、基準面は、マッピング関数f1およびg2が基準面48内の2つの点、線または曲線を、基準表面上の単一の点、線または曲線に相関させる位置、または円筒形の基準表面上のシームの各側の2つの点が矩形の基準面の対向するボーダーの近くにあり得る位置のような、特異点を備えた領域を含み得る。したがって、テープコース生成機は、面内の曲線が面の上方ボーダーに交差する点を、曲線が下方ボーダーに交差する点と接続するために、ステップ146、「仮想曲線を規定する/フラグを立てる」において、基準面で「仮想曲線セグメント」を後に導入することができる。上述のように、仮想曲線セグメントは、特別なシーム横断マーカの役割を果たすことができる。
【0078】
一旦ステップ130で製造ツール表面がパラメータ化されると、図10に戻って、テープコース生成機は、ステップ148、「テープ境界を描く」で、対応するツール経路に基づいて、外形をつけられた表面で一時的なテープ境界を描くことができる。次に、ステップ150、「境界をマッピングする」では、テープコース生成機は、マッピング関数g1およびg2を使用して、テープ境界および層の境界(複合層規定で受取られた)を基準面へとマッピングすることができる。
【0079】
次に、ステップ152、「交点を探す」では、上述のように、テープコース生成機は、結果として生じる基準テープ境界と結果として生じる基準層境界との基準交点の位置を決定することができる。しかしながら、上述のように、テープコース生成機は、曲線と曲線との交点の分析においてフラグを立てられた仮想曲線セグメントを無視することができる。続いて、ステップ154、「切断を規定する」では、テープコース生成機は、基準交点の位置に基づいてテープ切断パターンを規定することができ、次にステップ156、「テープコースの境界を定める」でテープコースの境界を定め、たとえば、テープ切断パターンに従って領域が切取られている対応する基準テープ境界に関して、テープエッジを規定する。このステップ中、上述のように、テープコース生成機は、テープコースを形成するすべての点を識別するために点包含分析をさらに行なうことができる。
【0080】
さらに、ステップ158、「ツールヘッドの位置を特定する」では、テープ端部切断位置と関連して、テープコース生成機は、そこから複合材料適用ヘッドがテープコースに近づく方向のテープコース端部における複合材料適用のヘッドアップ位置、および反対のテープコース端部におけるヘッドダウン位置のような、一連の複合材料適用ヘッド作動要件
を特定することができる。
【0081】
その後、ステップ160、「テープコースを変形する」では、テープコース生成機は、たとえば、マッピング関数f1をおよびf2を使用して、基準テープコースを変形またはマッピングして外形をつけられた表面へと戻すことができる。結果として生じるテープコースのデータは、複合部品を製造するために複合材料適用機械で実行することのできるCNC部品プログラムを生成するために使用可能である。
【0082】
図1、図10および図11は、この発明のさまざまな実施例による、方法、装置およびコンピュータプログラムプロダクトのブロック図およびフローチャートである。ブロック図、フローチャートおよび制御フロー図の各ブロックまたはステップ、およびブロック図のブロック、フローチャートおよび制御フロー図の組合せは、コンピュータプログラムの命令または他の手段によって実現することができる。コンピュータプログラムの命令が論じられるが、この発明による装置は、開示された機能を行なうため、1つまたは複数のプロセッサもしくはコントローラを含む、ハードウェアまたはハードウェアとソフトウェアとの何らかの組合せのような他の手段を含み得る。
【0083】
この点で、図1は、この発明の実施例を実現可能な汎用コンピュータの主な構成要素のいくつかを含む一実施例の装置を示す。当業者は、コンピュータは図1に示されるものより多くの構成要素を含み得ることを理解するであろう。しかしながら、この発明を実行するための例示的な実施例を開示するために、これら一般的な従来の構成要素のすべてを示す必要はない。汎用コンピュータは処理ユニット12およびシステムメモリ14を含み、これはランダムアクセスメモリ(RAM)および読取専用メモリ(ROM)を含んでもよい。コンピュータは、付加的なデータを記憶することのできるハードディスクドライブなどの不揮発性記憶メモリを含んでもよい。
【0084】
この発明の実施例は、マウス、キーボード、モニタ等のような、1つまたは複数の入力または出力の装置28も含んでもよい。ユーザが特定のオペレーションを要求することができるように、テキストおよびグラフィカルデータを見るためのディスプレイ、ならびにユーザインターフェイスを設けてもよい。さらに、この発明の実施例は、ネットワークインターフェイスを介して1つまたは複数の遠隔コンピュータに接続されてもよい。接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)ワイドエリアネットワーク(WAN)上であってもよく、そのような接続に必要な回路のすべて含んでもよい。この発明の一実施例では、ドキュメントの集まりはインターネット上で受取られたドキュメントを含む。ローカルドキュメントの集まりを含む、すなわち、1つのコンピュータ上のすべてのドキュメント、ネットワーク環境においてサーバまたはクライアントに記憶されたドキュメント等を含む、他の実施例も可能である。
【0085】
典型的には、コンピュータまたは他のプログラム可能な機械で実行する命令が、ブロック図、概略図またはフローチャートで特定された機能を実現するための手段を作るように、コンピュータプログラムの命令は、特化された機械を生成するためにコンピュータまたは他の汎用プログラム可能機械にロードされ得る。そのようなコンピュータプログラムの命令は、コンピュータ読取可能媒体に記憶された命令がブロック図、概略図またはフローチャートで特定された機能を実行する命令手段を含む製造物を生成するように、コンピュータまたは他のプログラム可能な機械にロードされたときに機械に特定の態様で機能するように指示することのできるコンピュータ読取可能な媒体に記憶されてもよい。
【0086】
さらに、コンピュータまたは他のプログラム可能な機械で実行する命令がブロック図、概略図、フローチャートのブロックまたはステップで特定された機能を実現するためのステップを提供するように、コンピュータプログラムの命令は、コンピュータで実現される
プロセスを生成するためにコンピュータまたは他のプログラム可能な機械によって一連の動作ステップが行なわれるようにコンピュータまたは他のプログラム可能機械にロードされ得る。
【0087】
したがって、ブロック図、フローチャートまたは制御フロー図のブロックまたはステップは、特定された機能を行なうための手段の組合せ、特定された機能を行なうためのステップの組合せ、および特定されたステップを行なうためのプログラム命令手段をサポートする。ブロック図、概略図またはフローチャートの各ブロックまたはステップ、およびブロックまたはステップの組合せは、特定された機能またはステップを行う、専用のハードウェアに基づくコンピュータシステム、または専用のハードウェアおよびコンピュータの命令の組合せによって実現可能であることが理解される。
【0088】
例示のみのために提供される例として、サーチエンジンアプリケーションのデータ入力ソフトウェアツールは、1つまたは複数のサーチ用語を含む照会を受取るための代表的な手段であり得る。アプリケーションの同様のソフトウェアツール、またはこの発明の実施例の実現例は、特定された機能を行なうための手段であり得る。たとえば、この発明の実施例は、マウス、キーボード、タッチスクリーンディスプレイ、スキャナ等のようなユーザに制御される入力装置と処理要素をインターフェイスで連結するためのコンピュータソフトウェアを含み得る。同様に、この発明の実施例の出力は、たとえば、ディスプレイソフトウェア、ビデオカードハードウェア、およびディスプレイハードウェアの組合せを含んでもよい。処理要素は、たとえば、中央処理ユニット(CPU)、算術論理演算装置(ALU)または制御ユニットのようなコントローラまたはマイクロプロセッサを含んでもよい。
【0089】
この発明の多くの特徴および利点は詳細な明細書から明らかであり、したがって、発明の真の精神および範囲内にあるこの発明のすべてのそのような特徴および利点を含むことが特許請求の範囲によって意図される。さらに、多くの変形および変更が当業者には容易に思い浮かぶため、この発明を図示および説明されたまさにその構成およびオペレーションに制限することは望まれず、したがって、すべての好適な変形および均等物はこの発明の範囲内にあるものと見なされる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】この発明の実施例の機能を実行するために好適なタイプのテープコース生成機を示すブロック図である。
【図2】この発明の好ましい実施例によって規定され得るテープコースを示す大型の一般的に円筒形の複合部品の斜視図である。
【図3】外形をつけられた表面と基準面との間のマッピング関数を表す図である。
【図4】外形をつけられた表面、基準表面および基準面の間のマッピング関数を表す図である。
【図5】基準表面上に重ね合わされた2つの部分的な表面を含む外形をつけられた表面の断面図である。
【図6】外形をつけられた表面および特異点を含む基準面の間のマッピング関数を表す図である。
【図7】ツール経路に沿って複合層境界および複合テープ境界を示す大型の一般的に円筒形の複合部品を示す斜視図である。
【図8】基準面上の層の境界およびテープ境界のイメージを表す図である。
【図9】基準面上のテープコースのイメージを表す図である。
【図10】方法またはプロセスの一実施例によるテープコースを生成するために従われ得るステップを示すフローチャートである。
【図11】方法図10で表面をパラメータ化するために従われ得るステップを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
10 テープコース生成機、12 プロセッサ、14 メモリ、16 基準表面パラメータ化機、18 基準面インスタンス化機、20 テープ境界プロッタ、22 境界マッパー、24 交点ロケータ、26 テープコースデリミタ、27 テープコーストランスフォーマ、46 外形をつけられた表面、48 基準面、50 基準表面、100 テープ境界、102 ツール経路、106 層の境界、110 基準テープ境界、112 基準層境界。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合部品層の少なくとも一部分を形成するために複合テープコースを規定するコンピュータで実現される方法であって、
外形をつけられた表面を基準面に近似するステップと、
層の境界を前記外形をつけられた表面から前記基準面の基準層境界へとマッピングするステップと、
テープ境界を前記外形をつけられた表面から前記基準面の基準テープ境界へとマッピングするステップと、
前記基準層境界と前記基準テープ境界との基準交点に少なくとも部分的に基づいてテープエッジを規定するステップとを含む、コンピュータで実現される方法。
【請求項2】
前記外形をつけられた表面を近似するために三次元の基準表面を選択するステップと、
第1の点を前記外形をつけられた表面から前記基準表面上の第1の中間点に相関させるために第1の関数を規定するステップと、
前記基準表面を近似するために前記基準面を選択するステップと、
前記第1の中間点を前記基準面の基準点に相関させるために第2の関数を規定するステップとをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項3】
前記外形をつけられた表面上の前記第1の点を前記基準面の前記基準点に相関させるために前記第1の関数および前記第2の関数に基づいて基準関数を規定するステップをさらに含む、請求項2に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項4】
前記第1の関数は前記基準表面上で連続的であるように規定され、前記第2の関数は前記基準面の1つまたは複数のボーダーを除いて前記基準面上で連続的であるように規定される、請求項2に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項5】
前記第1の関数を規定するステップは、
内挿された点を規定するために少なくとも前記外形をつけられた表面上の第2の点と前記外形をつけられた表面上の第3の点との間で内挿するステップと、
前記第2の関数を使用して、前記内挿された点を前記基準表面上の第2の中間点に相関させるステップとをさらに含み、前記外形をつけられた表面は前記第2の点と前記第3の点との間では規定されない、請求項4に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項6】
前記第1の関数を規定するステップは前記外形をつけられた表面と前記基準表面との間で1対1の対応を確立するステップを含む、請求項2に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項7】
前記第1の関数を規定するステップは前記第1の点を明確にするステップをさらに含み、前記第1の関数はさもなければ少なくとも前記外形をつけられた表面上の第2の点および前記外形をつけられた表面上の第3の点を前記第1の中間点に相関させる、請求項6に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項8】
前記第1の点を明確にするステップは前記第2の点および前記第3の点に少なくとも部分的に基づいて加重平均を計算するステップを含む、請求項7に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項9】
前記基準点を前記第1の中間点に相関させるために前記第1の関数に基づいて第1の逆関数を規定するステップと、
前記第1の中間点を前記外形をつけられた表面上の前記第1の点に相関させるために前
記第2の関数に基づいて第2の逆関数を規定するステップをさらに含む、請求項2に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項10】
前記基準面の前記基準点を前記外形をつけられた表面上の前記第1の点に相関させるために前記第1の逆関数および前記第2の逆関数に基づいて逆基準関数を規定するステップをさらに含む、請求項9に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項11】
前記基準表面は少なくとも1つのパラメトリック表面を含む、請求項2に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項12】
前記パラメトリック表面は、円柱、球、半球、円錐、多面体、トーラス、回転楕円体、楕円、放物面、双曲面、掃引表面および一般的なスプライン表面から選択された少なくとも1つを含む、請求項11に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項13】
前記基準面の第1の対応するボーダー上の第1の基準境界点を前記基準面の第2の対応するボーダー上の第2の基準境界点に接続する仮想曲線を規定するステップをさらに含み、前記第1および第2の対応するボーダーは共に前記基準表面上のシームに相関し、前記第1および第2の基準境界点は共に前記シーム上の単一の中間境界点に相関する、請求項2に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項14】
前記仮想曲線を識別するために前記仮想曲線にフラグを立てるステップと、
対応する基準境界を描くときに前記仮想曲線を無視するステップとをさらに含む、請求項13に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項15】
前記仮想曲線を識別するために前記仮想曲線にフラグを立てるステップと、
前記基準面で対応する基準境界と線との交点についてテストするときに前記仮想曲線を無視するステップをさらに含む、請求項13に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項16】
前記基準層境界と前記基準テープ境界との交点の位置を決定するステップをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項17】
前記規定されたテープエッジに少なくとも部分的に基づいてテープ切断を規定するステップをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項18】
前記規定されたテープエッジに少なくとも部分的に基づいて複合材料適用ヘッド作動位置を規定するステップをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項19】
前記基準面内の基準点から予め定められた方向で光線を投じるステップをさらに含み、前記予め定められた方向は、前記光線が前記基準表面上のシームに相関しない前記基準面の本当のボーダーに交差するようにし、前記方法はさらに、
前記基準面で前記光線と閉じた曲線との交点の数を定量化するステップと、
前記交点の数に基づいて前記基準点が前記閉じた曲線内に含まれるかどうかを判定するステップとを含む、請求項1に記載のコンピュータで実現される方法。
【請求項20】
予め定められたオペレーションを行なうためにプロセッサによって実行されるように構成された命令でコード化されたコンピュータ読取可能媒体を含む、複合部品層の少なくとも一部分を形成するために複合テープコースを規定するためのコンピュータプログラムプロダクトであって、
外形をつけられた表面を基準面に近似するステップと、
層の境界を前記外形をつけられた表面から前記基準面の基準層境界へとマッピングする
ステップと、
テープ境界を前記外形をつけられた表面から前記基準面の基準テープ境界へとマッピングするステップと、
前記基準層境界と前記基準テープ境界との基準交点に少なくとも部分的に基づいてテープエッジを規定するステップとを含む、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項21】
前記予め定められたオペレーションは、
前記外形をつけられた表面を近似するために三次元の基準表面を選択するステップと、
第1の点を前記外形をつけられた表面から前記基準表面上の第1の中間点に相関させるために第1の関数を規定するステップと、
前記基準表面を近似するために前記基準面を選択するステップと、
前記第1の中間点を前記基準面の基準点に相関させるために第2の関数を規定するステップとをさらに含む、請求項20に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項22】
前記予め定められたオペレーションは、前記外形をつけられた表面上の前記第1の点を前記基準面の前記基準点に相関させるために前記第1の関数および前記第2の関数に基づいて基準関数を規定するステップをさらに含む、請求項21に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項23】
前記第1の関数は前記基準表面上で連続的であるように規定され、前記第2の関数は前記基準面の1つまたは複数のボーダーを除いて前記基準面上で連続的であるように規定される、請求項21に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項24】
前記第1の関数を規定する前記予め定められたオペレーションは、
内挿された点を規定するために少なくとも前記外形をつけられた表面上の第2の点および前記外形をつけられた表面上の第3の点の間で内挿するステップと、
前記第2の関数を使用して、前記内挿された点を前記基準表面上の第2の中間点に相関させるステップとをさらに含み、前記外形をつけられた表面は前記第2の点と前記第3の点との間では規定されない、請求項23に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項25】
前記第1の関数を規定するステップは前記外形をつけられた表面と前記基準表面との間で1対1の対応を確立するステップを含む、請求項21に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項26】
前記第1の関数を規定する前記予め定められたオペレーションは前記第1の点を明確にするステップをさらに含み、前記第1の関数はさもなければ少なくとも前記外形をつけられた表面上の第2の点および前記外形をつけられた表面上の第3の点を前記第1の中間点に相関させる、請求項25に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項27】
前記第1の点を明確にする前記予め定められたオペレーションは前記第2の点および前記第3の点に少なくとも部分的に基づいて加重平均を計算するステップを含む、請求項26に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項28】
前記予め定められたオペレーションは、
前記基準点を前記第1の中間点に相関させるために前記第1の関数に基づいて第1の逆関数を規定するステップと、
前記第1の中間点を前記外形をつけられた表面上の前記第1の点に相関させるために前記第2の関数に基づいて第2の逆関数を規定するステップとをさらに含む、請求項21に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項29】
前記予め定められたオペレーションは前記基準面の前記基準点を前記外形をつけられた表面上の前記第1の点に相関させるために前記第1の逆関数および前記第2の逆関数に基づいて逆基準関数を規定するステップをさらに含む、請求項28に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項30】
前記基準表面は少なくとも1つのパラメトリック表面を含む、請求項21に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項31】
前記パラメトリック表面は、円柱、球、半球、円錐、多面体、トーラス、回転楕円体、楕円、放物面、双曲面、掃引表面および一般的なスプライン表面から選択された少なくとも1つを含む、請求項30に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項32】
前記予め定められたオペレーションは前記基準面の第1の対応するボーダー上の第1の基準境界点を前記基準面の第2の対応するボーダー上の第2の基準境界点に接続する仮想曲線を規定するステップをさらに含み、前記第1および第2の対応するボーダーは共に前記基準表面上のシームに相関し、前記第1および第2の基準境界点は共に前記シーム上の単一の中間境界点に相関する、請求項21に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項33】
前記予め定められたオペレーションは、
前記仮想曲線を識別するために前記仮想曲線にフラグを立てるステップと、
対応する基準境界を描くときに前記仮想曲線を無視するステップとをさらに含む、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項34】
前記予め定められたオペレーションは、
前記仮想曲線を識別するために前記仮想曲線にフラグを立てるステップと、
前記基準面で対応する基準境界と線との交点についてテストするときに前記仮想曲線を無視するステップとをさらに含む、請求項32に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項35】
前記予め定められたオペレーションは前記基準層境界と前記基準テープ境界との交点の位置を決定するステップをさらに含む、請求項20に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項36】
前記予め定められたオペレーションは前記規定されたテープエッジに少なくとも部分的に基づいてテープ切断を規定するステップをさらに含む、請求項20に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項37】
前記予め定められたオペレーションは前記規定されたテープエッジに少なくとも部分的に基づいて複合材料適用ヘッド作動位置を規定するステップをさらに含む、請求項20に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項38】
複合部品層の少なくとも一部分を形成するために複合テープコースを規定するためのテープコース生成機であって、
外形をつけられた表面を基準表面に近似し、層の境界を前記外形をつけられた表面から前記基準表面上の中間層境界へとマッピングし、かつテープ境界を前記外形をつけられた表面から前記基準表面上の中間テープ境界へとマッピングするように構成される基準表面パラメータ化機と、
前記基準表面を前記基準面に近似し、前記中間層境界を前記基準面の基準層境界へとマッピングし、かつ前記中間テープ境界を前記基準面の基準テープ境界へとマッピングするように構成される基準面インスタンス化機と、
前記基準層境界と前記基準テープ境界との基準交点に少なくとも部分的に基づいてテープエッジを規定するように構成されるテープコースデリミタとを含む、テープコース生成機。
【請求項39】
前記基準表面パラメータ化機は、第1の点を前記外形をつけられた表面から前記基準表面上の第1の中間点に相関させるために前記外形をつけられた表面を近似しかつ第1の関数を規定するように三次元の基準表面を選択するようにさらに構成される、請求項38に記載のテープコース生成機。
【請求項40】
前記第1の関数は前記基準表面上で連続的であるように規定され、前記第2の関数は前記基準面の1つまたは複数のボーダーを除いて前記基準面上で連続的であるように規定される、請求項39に記載のテープコース生成機。
【請求項41】
前記基準表面パラメータ化機は、内挿された点を規定するために少なくとも前記外形をつけられた表面上の第2の点と前記外形をつけられた表面上の第3の点との間で内挿し、かつ前記第2の関数を使用して前記内挿された点を前記基準表面上の第2の中間点に相関させるようにさらに構成され、前記外形をつけられた表面は前記第2の点と前記第3の点との間では規定されない、請求項40に記載のテープコース生成機。
【請求項42】
前記第1の関数は前記外形をつけられた表面と前記基準表面との間で1対1の対応を確立する、請求項39に記載のテープコース生成機。
【請求項43】
前記基準表面パラメータ化機はさらに構成され、前記第1の関数を規定するステップは前記第2の点および前記第3の点に少なくとも部分的に基づいて加重平均を計算することによって前記第1の点を明確にするステップをさらに含み、前記第1の関数はさもなければ少なくとも前記外形をつけられた表面上の第2の点および前記外形をつけられた表面上の第3の点を前記第1の中間点に相関させる、請求項42に記載のテープコース生成機。
【請求項44】
前記基準面インスタンス化機は、前記基準表面を近似するために前記基準面を選択し、かつ前記第1の中間点を前記基準面の基準点に相関させるために第2の関数を規定するようにさらに構成される、請求項39に記載のテープコース生成機。
【請求項45】
前記基準面インスタンス化機は、前記基準点を前記第1の中間点に相関させるために前記第1の関数に基づいて第1の逆関数を規定し、かつ前記第1の中間点を前記外形をつけられた表面上の前記第1の点に相関させるために前記第2の関数に基づいて第2の逆関数を規定するようにさらに構成される、請求項44に記載のテープコース生成機。
【請求項46】
前記基準表面は少なくとも1つのパラメトリック表面を含む、請求項38に記載のテープコース生成機。
【請求項47】
前記パラメトリック表面は、円柱、球、半球、円錐、多面体、トーラス、回転楕円体、楕円、放物面、双曲面、掃引表面および一般的なスプライン表面から選択された少なくとも1つを含む、請求項46に記載のテープコース生成機。
【請求項48】
前記基準面インスタンス化機は、前記基準面の第1の対応するボーダー上の第1の基準境界点を前記基準面の第2の対応するボーダー上の第2の基準境界点に接続する仮想曲線を規定するようにさらに構成され、前記第1および第2の対応するボーダーは共に前記基準表面上のシームに相関し、前記第1および第2の基準境界点は共に前記シーム上の単一の中間境界点に相関する、請求項38に記載のテープコース生成機。
【請求項49】
前記基準面インスタンス化機は、前記仮想曲線を識別するために前記仮想曲線にフラグを立て、かつ対応する基準境界を描くときに前記仮想曲線を無視するようにさらに構成される、請求項48に記載のテープコース生成機。
【請求項50】
前記基準面インスタンス化機は、前記仮想曲線を識別するために前記仮想曲線にフラグを立て、かつ前記基準面で対応する基準境界と線との交点についてテストするときに前記仮想曲線を無視するようにさらに構成される、請求項48に記載のテープコース生成機。
【請求項51】
前記基準層境界と前記基準テープ境界との交点の位置を決定するように構成される交点ロケータをさらに含む、請求項38に記載のテープコース生成機。
【請求項52】
前記テープコースデリミタは、前記規定されたテープエッジに少なくとも部分的に基づいてテープ切断を規定するようにさらに構成される、請求項38に記載のテープコース生成機。
【請求項53】
前記テープコースデリミタは、前記規定されたテープエッジに少なくとも部分的に基づいて複合材料適用ヘッド作動位置を規定するようにさらに構成される、請求項38に記載のテープコース生成機。
【請求項54】
前記テープコースデリミタは、予め定められた方向で前記基準面の基準点から光線を投じ、前記基準面で前記光線と閉じた曲線との交点の数を定量化し、かつ前記交点の数に基づいて前記基準点が前記閉じた曲線内に含まれるかどうかを判定するようにさらに構成され、前記予め定められた方向は、前記基準表面上のシームに相関しない前記基準面の本当のボーダーに光線が交差するようにする、請求項38に記載のテープコース生成機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−185947(P2007−185947A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−303194(P2006−303194)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】