説明

複合顔料の適用を含む毛髪染色のための方法

【課題】複合顔料の適用を含む毛髪染色のための方法の提供。
【解決手段】橋員を介して結合された有機発色団を表面上に含む少なくとも1種の官能化された粒子でケラチン含有繊維を処理することを含む、該繊維の染色方法であって、
該粒子は、SiO2、Al23又はそれらの混合物に基づき、かつ
該官能化された粒子は、正電荷を有するところの方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の官能化された粒子が染料として使用されるところの、ケラチン含有繊維、特にヒトの毛髪の染色方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、国際公開第95/01772号パンフレットから、カチオン性染料がケラチン含有繊維の染色のために使用され得ることが知られている。この染料類は、非常に鮮やかな色調を示す。しかしながら、それらの欠点は、加水分解及び光に対する不十分な洗浄堅牢性、還元又は酸化条件下におけるそれ等の頻繁に起こる不十分な安定性及び度々起こる不十分な貯蔵安定性である(John F.Corbett著:‘‘ヘアケア製品の化学’’,JSCD 1976年8月,290頁参照)。しばしば、肌の変色も問題である。更に、広範囲の着色に容易に利用できる化合物を用いて毛髪を染色する必要がある。
【特許文献1】国際公開第95/01772号パンフレット
【非特許文献1】John F.Corbett著:‘‘ヘアケア製品の化学’’,JSCD 1976年8月,290頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、深い染色によって区別され、同時に、洗浄、光、シャンプー及び摩擦に関して良好な堅牢性を有し、好ましくは、還元又は酸化染色条件下において十分な安定性を示し、かつ肌により少ない変色を起こすような、ケラチン含有繊維の染色のための染料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の対象事項は、少なくとも、化学的に結合した染料で、更に必要ならば、化学的に結合したカチオン性基で、及び、溶媒に対して相溶性にしたいのであれば、相溶化剤基で表面変性された二酸化珪素又はアルミナのナノ−、サブ−マイクロ−又はマイクロ粒子を使用するという考えに基づく。この方法により及び様々な着色染料を使用することによって、要求されるあらゆる色を有する、相当に均一な分散粒子を合成することができる。更に、カチオン電荷は、必ずしも染料の一部である必要がなく;カチオン電荷は又、電荷を所望のレベルに調整可能な他の更なる基によって導入され得る。
【0005】
それ故、本発明は、表面上に橋員を介して結合された有機発色団を含む少なくとも1種の官能化された粒子で繊維を処理することを含む、ケラチン含有繊維の染色方法であって、
該粒子は、SiO2、Al23又はそれらの混合物に基づき、かつ
該官能化された粒子は、正電荷を有するところの方法に関する。
【0006】
共有結合した有機発色団を含む官能化された粒子は、正電荷を有する(例えば、電荷保持原子として、窒素原子、硫黄原子又はリン原子を有する)。カチオン性基の例は、カチオン性アンモニウム、ホスホニウム又はスルホニウム基である。粒子はカチオン性のアンモニウム基を含むことが好ましい。
【0007】
カチオン性のアンモニウム基の例は、式−N(R1*3[式中、3つの基R1*は、同じ又は異なる意味を有し得、そして、R1*は、水素原子;−O−によって中断され得かつヒドロキシル基又はフェニル基によって置換され得る炭素原子数1ないし12のアルキル基(ここで、フェニル基は炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のア
ルコキシ基又はハロゲン原子によって更に置換され得る。);又は、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基又はハロゲン原子によって置換され得るフェニル基を表わす。]で表わされるものである。R1*が、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数1ないし12のヒドロキシアルキル基、より好ましくは水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基、特に炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わすことが好ましい。
【0008】
カチオン性ホスホニウム基の例は、式−P(R1*3(式中、3つの基R1*は、同じ又は異なる意味を有し得、かつ上記で定義した通りである。)で表わされるものである。
【0009】
スルホニウム基の例は、式−S(R1*2(式中、2つの基R1*は、同じ又は異なる意味を有し得、かつ上記で定義した通りである。)で表わされるものである。
【0010】
本発明の脈絡において、カチオン性基は、対応するアニオン性対イオンも含み得ると理解されるべきである。
【0011】
アニオン性対イオンは、例えば、有機又は無機アニオン、例えばハロゲン化物、好ましくは塩化物及びフッ化物、スルフェート、硫酸水素塩、ホスフェート、四フッ化ホウ素、カーボネート、バイカーボネート、オキサレート又は炭素原子数1ないし8のアルキルスルフェート、特にメチルスルフェート又はエチルスルフェートを示す;アニオン性対イオンはまた、ラクテート、ホルメート、アセテート、プロピオネート又は複合アニオン、例えば塩化亜鉛複塩も示す。アニオン性対イオンは、特に、ハロゲン化物、好ましくは塩化物、フッ化物又はヨウ化物、スルフェート、硫酸水素塩、メチルスルフェート、エチルスルフェート、ホスフェート、ホルメート、アセテート又はラクテートである。アニオン性対イオンは、より特には、フッ化物、塩化物、ヨウ化物、メチルスルフェート、エチルスルフェート、ホルメート又はアセテートである。
【0012】
有機発色団に関して、定義及び好ましいものは、以下のDについての適用で示す。
【0013】
好ましいものは、表面上で酸素原子に共有結合している、式(1)
【化1】

(式中、
1及びR2は、各々互いに独立して、水素原子、粒子表面−O−又は置換基を表わし、
Bは、直接結合又は橋員を表わし、
Dは、有機発色団の基を表わし、及び
nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12を表わす。)で表わされる基を含む官能化された粒子である。
【0014】
1及びR2は、例えば、各々互いに独立して、水素原子;−O−、−S−又は−N(R3)−によって中断され得る炭素原子数1ないし25のアルキル基;炭素原子数2ないし24のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;−OR5
【化2】

を表わし、
5は、水素原子;−O−、−S−又は−N(R3)−によって中断され得る炭素原子数1ないし25のアルキル基;炭素原子数2ないし24のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;
【化3】

;又は粒子表面を表わし、
6及びR7は、各々互いに独立して、水素原子;−O−、−S−又は−N(R3)−によって中断され得る炭素原子数1ないし25のアルキル基;炭素原子数2ないし24のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;又は−OR5を表わし、及び、
8、R9及びR10は、各々互いに独立して、水素原子;−O−、−S−又は−N(R3)−によって中断され得る炭素原子数1ないし25のアルキル基;炭素原子数2ないし24のアルケニル基;フェニル基;又は炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基を表わす。
【0015】
3は、水素原子又は所望により置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わす。アルキル基としてのR3は、上記したカチオン性基によって、特にカチオン性のアンモニウム基によって置換され得る。好ましくは、R3は、水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基、特に水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わす。R3の非常に好ましい意味は、水素原子である。
【0016】
炭素原子数1ないし25のアルキル基としてのR1、R2、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、枝分かれした又は非枝分かれの基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イコシル基又はドコシル基であり得る。アルキル基は、未中断であり得るか、又は、−O−、−S−又は−N(R3)−によって中断され得る。−O−又は−S−によって中断される炭素原子数2ないし25のアルキル基、特に炭素原子数3ないし25のアルキル基等のアルキル基は、例えば、CH3−O−CH2CH2−、CH3−S−CH2CH2−、CH3−O−CH2CH2−O−CH2CH2−、CH3−O−CH2CH2−O−CH2CH2−、CH3−(O−CH2CH2−)2O−CH2CH2−、CH3−(O−CH2CH2−)3O−CH2CH2−又はCH3−(O−CH2CH2−)4O−CH2CH2−である。好ましいものは、炭素原子数1ないし12のアルキル基、特に炭素原子数1ないし8のアルキル基であり、ここで、該アルキル基は、未中断であり得るか、又は、−O−によって中断され得る。
【0017】
2ないし24個の炭素原子を有するアルケニル基としてのR1、R2、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、例えば、ビニル基、プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、n−2,4−ペンタジエニル等、3−メチル−2−ブテニル基、n−2−オクテニル基、n−2−ドデセニル基、イソ−ドデセニル基、オレイル基、n−2−オクタデセニル基又はn−4−オクタデセニル基等の枝分かれした又は非枝分かれの基であり得る。好ましいものは、3ないし18個の、特に3ないし12個の、例えば3ないし6個の、特に3ないし4個の炭素原子を有するアルケニル基である。
【0018】
炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基としてのR1、R2、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、例えばベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基又は2−フェニルエチル基である。好ましいものは、ベンジル基である。
【0019】
5は、好ましくは水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又は粒子表面、特にAl23表面又はSiO2表面等の粒子表面を表わす。R5の非常に好ましい意味は、SiO2表面である。
【0020】
6、R7、R8、R9及びR10は、好ましくは炭素原子数1ないし4のアルキル基、特にメチル基を表わす。
【0021】
好ましくは、R1及びR2は、−OR5
【化4】

、特に、式−OR5で表わされる基を表わし、ここで、R5、R6及びR7については、上記で言及した意味及び好ましいものが適用される。
【0022】
より好ましくは、R1及びR2は、式−OR5(式中、R5は、Al23表面又はSiO2表面等の粒子表面、特にSiO2表面を表わす。)で表わされる基を表わす。
【0023】
nは、好ましくは1、2、3、4、5、6、7又は8、好ましくは2、3又は4、特に3を表わす。
【0024】
Bは、例えば、直接結合、−O−、−S−、−N(R3)−、−NH−SO2−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−CO−又は炭素原子数1ないし25のアルキレン基[ここで、アルキレン基は、−O−、−S−、−N(R3)−、−N+(R32−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R3)−CO−、−CO−N(R3)−及びフェニレン基からなる群から選択される少なくとも1つの基(上記式中、R3は水素原子又は所望により置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わす。)によって結合及び/又は中断され得る。]を表わす。炭素原子数1ないし25のアルキレン基は、未置換であり得るか、又は、例えば、上記したカチオン性基又はヒドロキシ基、好ましくはヒドロキシ基によって置換され得る。上記したフェニレン基は、未置換であり得るか、又は、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホネート基、アミノ基、アセチルアミノ基、モノ−又はジ(炭素原子数1ないし8のアルキル)アミノ基又は上記したカチオン性基によって置換され得る。アルキル基としてのR3は、上記したカチオン性基によって、特にカチオン性のアンモニウム基によって置換され得る。好ましくは、R3は、水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基、特に水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わす。R3の非常に好ましい意味は、水素原子である。
【0025】
好ましくは、Bは、直接結合、−O−、−S−又は−N(R3)−又は式−A1−炭素原子数1ないし25のアルキレン−A2−、−A1−炭素原子数1ないし25のアルキレン−フェニレン−A2−又は−A1−フェニレン−炭素原子数1ないし25のアルキレン−A2−で表わされる橋員を表わし、
ここで、炭素原子数1ないし25のアルキレン基は、未中断であり得るか、又は、上記したように中断され得、A1及びA2は、直接結合又は上記した基を表わす。A1及びA2のための好ましい意味は、直接結合、−O−、−S−、−N(R3)−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R3)−CO−、−CO−N(R3)−、特に−N(R3)−、−O−又は−S−である(上記式中、R3は、上記で定義した通りである。)。A1及びA2のための非常に好ましい意味は、直接結合又は−N(R3)−、特に直接結合又は−NH−である。炭素原子数1ないし25のアルキレン基に関して、該アルキレンは、未中断であるか、又は、−O−、−N(R3)−、−N+(R32−、−CO−、−CO−O−、−CO−N(R3)−及びフェニレン基、特に−O−、−NH−、−CO−O−、−CO−NH−及びフェニレン基、及びより好ましくは-CO−O−、−CO−NH−及びフェニレン基からなる群から選択される少なくとも1つの基によって中断されることが好ましい。炭素原子数1ないし25のアルキレン基及びフェニレン基は、上記したように置換され得るか、又は、好ましくは未置換であり得る。一般に、炭素原子数1ないし25のアルキレン基については、炭素原子数2ないし25のアルキレン基、特に炭素原子数2ないし16のアルキレン基が好ましい。
【0026】
より好ましくは、Bは、直接結合、−O−、−S−又は−N(R3)−又は式−A1−炭素原子数1ないし25のアルキレン−A2−、−A1−炭素原子数1ないし25のアルキレン−フェニレン−A2−又は−A1−フェニレン−炭素原子数1ないし25のアルキレン−A2−で表わされる橋員を表わし、
ここで、
1及びA2は、直接結合、−O−、−S−、−N(R3)−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R3)−CO−又は−CO−N(R3)−を表わし、
上記の炭素原子数1ないし25のアルキレン基は、未中断であるか又は−O−、−S−、−N(R3)−、−N+(R32−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R3)−CO−、−CO−N(R3)−及びフェニレン基からなる群から選択される少なくとも1つの基によって中断され、及び
3は、上記で定義した通りである。
【0027】
Bのための重要な意味は、直接結合、−O−、−S−、−N(R3)−又は式−A1−炭素原子数1ないし25のアルキレン−A2−、−A1−炭素原子数1ないし25のアルキレン−フェニレン−A2−又は−A1−フェニレン−炭素原子数1ないし25のアルキレン−A2−で表わされる橋員であり、
ここで、
1及びA2は、直接結合、−N(R3)−、−O−又は−S−を表わし、
ここでR3は、上記で定義した通りであり、そして
該炭素原子数1ないし25のアルキレン基は、未中断であるか又は−O−、−S−、−NH−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−NH−CO−、−CO−NH−及びフェニレン基からなる群から選択される少なくとも1つの基によって中断される。
【0028】
Bのための非常に重要な意味は、直接結合、−O−、−S−、−NH−又は式−NH−炭素原子数1ないし25のアルキレン−A2−、−NH−炭素原子数1ないし25のアルキレン−フェニレン−A2−又は−NH−フェニレン−炭素原子数1ないし25のアルキレン−A2−で表わされる橋員であり、
ここで、
2は、直接結合又は−NH−を表わし、そして
該炭素原子数1ないし25のアルキレン基は、未中断であるか又は−CO−O−、−CO−NH−及びフェニレン基からなる群から選択される少なくとも1つの基によって中断される。
炭素原子数1ないし25のアルキレン基及びフェニレン基は、上記したように置換され得るか、又は、好ましくは未置換であり得る。
【0029】
Dは、好ましくは、アクリジン、アントラキノン、アゾメチン、モノアゾ、ジアゾ、ポリアゾ、ベンゾジフラノン、クマリン、ジケトピロロピロール、ジオキサジン、ジフェニルメタン、ホルマザン、インジゴイド、メチン、ポリメチン、ナフタールイミド、ナフトキノン、ニトロアリール、オキサジン、ペリノン、ペリレン、フェナジン、フタロシアニン、ピレンキノン、キナクリドン、キノンイミン、キノフタロン、スチルベン、スチリル、チアジン、チオキサンテン、トリアリールメタン、キサンテン又は金属錯体染料の基、及びより好ましくは、アントラキノン、モノアゾ、アゾメチン、メチン、ポリメチン、スチリル、トリアリールメタン又は金属錯体染料の基を表わす。非常に好ましいものは、アントラキノン、モノアゾ、アゾメチン又は金属錯体染料の基、特にモノアゾ又はアゾメチン染料の基である。
【0030】
モノアゾ染料の好ましい基Dは、以下の通りである:
【化5】

(式中、B1及びB2は、各々互いに独立して、所望により置換されたフェニル基、ナフチル基又は複素環基を表わす)。
【0031】
複素環基としては、イミダゾール基、トリアゾール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基及びピリジン基等の対応する芳香族基が好ましい。
【0032】
複素環基としてのB1又はB2は、式
【化6】

(式中、
2及びZ5は、−O−;−S−;又は基NR112を表わし、
1、Z3、Z4、Z6、Z7、Z8及びZ9は、各々互いに独立して、N又は基CR113を表わし;
100、R101、R102、R105、R106、R107、R109、R110及びR113は、各々互いに独立して、水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシ基;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;未置換の又は置換されたフェニル基;ニトリル基;炭素原子数2ないし4のアルカノイルアミノ基;カルバモイル基;ウレイド基;スルホニルアミノ基;炭素原子数1ないし12のアルキルチオ基;又は、式−N(R114)R115、−N(R114)R115116又は−OR114で表わされる基を表わし;
103、R104、R107、R111及びR112は、各々互いに独立して、水素原子;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;又は、未置換の又は置換されたフェニル基を表わし;及び、
114、R115及びR116は、各々互いに独立して、水素原子;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;又は、未置換の又は置換されたトリアジニル基又はフェニル基を表わす。)で表わされる、芳香族の置換された又は未置換の複素環基であ
ることが特に好ましい。
【0033】
式(3a)ないし(3j)下において上記したフェニル基及びトリアジニル基及びフェニル基又はナフチル基としての意味のB1又はB2は、未置換であり得るか、又は、例えば、炭素原子数1ないし8のアルキル基;炭素原子数1ないし8のヒドロキシアルキル基;炭素原子数1ないし8のアルコキシ基;炭素原子数1ないし8のヒドロキシアルコキシ基;ヒドロキシル基;ハロゲン原子;又は式−N(R114)R115、−N(R114)R115116又は−OR114(式中、R114、R115及びR116は、上記で定義した通りである。)で表わされる基によって置換され得る。
【0034】
式(3a)ないし(3j)下において上記した炭素原子数1ないし12のアルキル基は、未置換であり得るか、又は、例えば、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基;炭素原子数1ないし8のヒドロキシアルコキシ基;上記したような未置換の又は置換され得るフェニル基;ヒドロキシル基;ハロゲン原子;又は式−N(R114)R115、−N(R114)R115116又は−OR114(式中、R114、R115及びR116は、上記で定義した通りである。)で表わされる基によって置換され得る。
【0035】
100、R101、R102、R105、R106、R108、R109、R110及びR113は、好ましくは、各々互いに独立して、水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシ基;炭素原子数1ないし12のアルキル基;フェニル基;炭素原子数2ないし4のアルカノイルアミノ基;又は、式−N(R114)R115、−N(R114)R115116又は−OR114で表わされる基を表わす。非常に好ましいものは、水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシ基;炭素原子数1ないし12のアルキル基;又は、式−N(R114)R115、−N(R114)R115116又は−OR114で表わされる基、特に水素原子としての意味である。
【0036】
103、R104、R107、R111及びR112は、好ましくは、各々互いに独立して、未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;又は、未置換の又は置換されたフェニル基;特に、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はフェニル基、及びより好ましくは炭素原子数1ないし12のアルキル基、特に炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わす。
【0037】
114、R115及びR116に関しては、これ等の基に対して上記R*で示した定義及び好ましいものを適用することが好ましい。
【0038】
1、Z3、Z4、Z6、Z7、Z8及びZ9は、好ましくは基CR113を表わす。R113に関しては、水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基、特に水素原子としての意味が好ましい。
【0039】
2は、好ましくは−S−又は基NR112、特に基NR112を表わす。R112に関しては、炭素原子数1ないし12のアルキル基、特に炭素原子数1ないし4のアルキル基としての意味が好ましい。
【0040】
5は、好ましくは−S−又は基NR112、特に−S−を表わす。R112に関しては、炭素原子数1ないし12のアルキル基、特に炭素原子数1ないし4のアルキル基としての意味が好ましい。
【0041】
複素環基としてのB1又はB2は、より好ましくは式(3a)、(3c)、(3e)、(3g)又は(3i)で表わされる基、特に式(3a)、(3c)又は(3e)で表わされる基である。非常に好ましいのは、式(3a)又は(3c)で表わされる基、特に式(3a)で表わされる基である。
【0042】
更に、B1及びB2の少なくとも1方がフェニル基又はナフチル基、特にフェニル基を表わすことが好ましい。
【0043】
ジアゾ染料の好ましい基Dは、以下の通りである:
【化7】

[式中、B1及びB2は、上記式(2)で定義した通りであり、及びB3はフェニレン基又はナフチレン基(その各々は、上記式(2)において、フェニル基又はナフチル基としての意味においてのB1及びB2で示したように置換され得る。)を表わす。]。
【0044】
アゾメチン染料の好ましい基Dは、以下の通りである:
【化8】

(式中、B1及びB2は、上記式(2)で定義した通りである。)。B1がフェニル基又はナフチル基、特にフェニル基を表わすことが好ましい。
【0045】
スチリル染料の好ましい基Dは、以下の通りである:
【化9】

(式中、B1及びB2は、上記式(2)で定義した通りである。)。B1がフェニル基又はナフチル基、特にフェニル基を表わすことが好ましい。
【0046】
トリアリールメタン染料の好ましい基Dは、式
【化10】

(式中、
4、B5及びB6は、各々互いに独立して、フェニル基、ナフチル基又は複素環基を表わす。)で表わされるものである。B4、B5及びB6に関しては、上記式(2)のB1及びB2で示した定義及び好ましいものが適用される。好ましくは、B4、B5及びB6は、対応するフェニル基を表わす。式(8)で表わされるトリアリールメタン染料が式−N(R114)R115又は−N(R114)(R115)R116(式中、R114、R115及びR116は、上記式(
2)で定義した通りである。)で表わされる基を少なくとも1つ、特に少なくとも3つ含むことが非常に好ましい。
【0047】
アントラキノン染料の好ましい基Dは、以下の通りである:
【化11】

[式中、
117、R120及びR123は、水素原子;又は、未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わし、
118、R119、R121及びR122は、水素原子;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;炭素原子数2ないし4のアルカノイルアミノ基;ハロゲン原子;カルボキシ基;スルホネート基;ウレイド基;カルバモイル基;シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシル基又は式−N(R114)R115、−N(R114)(R115)R116又は−OR114(式中、R114、R115及びR116は上記で定義した通りである。)で表わされる基を表わし、
124は、水素原子;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;又は、未置換の又は置換されたフェニル基を表わす。]。
【0048】
上記式(9)、(10a)及び(10b)で言及したフェニル基は、未置換であり得るか、又は、例えば炭素原子数1ないし8のアルキル基;炭素原子数1ないし8のヒドロキシアルキル基;炭素原子数1ないし8のアルコキシ基;炭素原子数1ないし8のヒドロキシアルコキシ基;ヒドロキシル基;ハロゲン原子;スルホネート基;カルボキシ基;又は、式−N(R114)R115、−N(R114)(R115)R116又は−OR114(式中、R114、R115及びR116は上記で定義した通りである。)によって置換され得る。
【0049】
上記式(9)、(10a)及び(10b)で言及した炭素原子数1ないし12のアルキル基は、未置換であり得るか、又は、例えば炭素原子数1ないし8のアルコキシ基;炭素
原子数1ないし8のヒドロキシアルコキシ基;未置換の又は上記したように置換され得るフェニル基;ヒドロキシル基;ハロゲン原子;又は、式−N(R114)R115、−N(R114)(R115)R116又は−OR114(式中、R114、R115及びR116は上記で定義した通りである。)によって置換され得る。
【0050】
金属錯体染料の好ましい基Dは、ターピリジン配位子を含むものである。好ましい金属は、鉄、特にFe2+である。
【0051】
ターピリジン配位子は、式
【化12】

(式中、
125は、水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わし;
126、R127及びR128は、各々互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし12のアルキル基;炭素原子数1ないし12のアルコキシ基;ヒドロキシ基;未置換の又は炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、フェニル基によって又はヒドロキシ基によって置換されたフェニル基;ヒドラジノ基;アミノ基;未置換の又はアルキル部分をヒドロキシル基によって置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基;又は、未置換の又は炭素原子数1ないし8のアルキル基で置換されたピロリジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、モルホリン基又はアゼパン環を表わす。)で表わされるものである。
【0052】
125は、好ましくは、炭素原子数1ないし12のアルキル基、より好ましくは炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わす。R126、R127及びR128は、好ましくは水素原子を表わす。
【0053】
本発明の更なる態様に従って、官能化された粒子は、式(1)で表わされる基に加えて、表面上で酸素原子に共有結合している、式(11)
【化13】

[式中、
12及びR13は、上記式(1)のR1及びR2で示した意味を有し、
11は、炭素原子数1ないし25のアルキル基又は炭素原子数2ないし24のアルケニル基(ここで、その各々は、未置換であるか又はアミノ基、メルカプト基、フェニル基又はヒドロキシル基によって置換され、かつ未中断であるか又は−O−、−S−、−N(R14)−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R14)−CO−、−CO−N(R14)−又はフェニレン基によって中断される。);炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数5ないし12のシクロアルケニル基;又は重合可能な基又はポリマー(ここで、その各々は、橋員を介して結合され得る。)を表わし、及び
14は、水素原子又は未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、特に水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はヒドロキシル基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、及びより好ましくは水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わす。]で表わされる基を含み得る。
【0054】
式(11)で表わされる基は、例えば、分散媒体で粒子を相溶化するために、粒子中に導入され得る。
【0055】
12及びR13に関して、R1及びR2のために上記した定義及び好ましいものが適用される。
【0056】
14は、好ましくは水素原子又はメチル基、特に水素原子を表わす。
【0057】
炭素原子数1ないし25のアルキル基及び炭素原子数2ないし24のアルケニル基としての意味でのR11に関して、上記R1、R2、R5、R6、R7、R8、R9及びR10で示した定義及び好ましいものが適用される。R11の好ましい定義は、炭素原子数2ないし12のアルキル基、特に炭素原子数2ないし8のアルキル基である。
【0058】
ヒドロキシル基で置換された炭素原子数1ないし25のアルキル基としてのR11は、好ましくは1ないし3個の、特に1又は2個のヒドロキシ基、例えばヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、4−ヒドロキシペンチル基、3−ヒドロキシペンチル基、2−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基、5−ヒドロキシヘキシル基、4−ヒドロキシヘキシル基、3−ヒドロキシヘキシル基、2−ヒドロキシヘキシル基、7−ヒドロキシヘプチル基、6−ヒドロキシヘプチル基、5−ヒドロキシヘプチル基、4−ヒドロキシヘプチル基、3−ヒドロキシヘプチル基、2−ヒドロキシヘプチル基、8−ヒドロキシオクチル基、7−ヒドロキシオクチル基、6−ヒドロキシオクチル基、5−ヒドロキシオクチル基、4−ヒドロキシオクチル基、3−ヒドロキシオクチル基、2−ヒドロキシオクチル基、9−ヒドロキシノニル基、10−ヒドロキシデシル基、11−ヒドロキシウンデシル基、12−ヒドロキシドデシル基、13−ヒドロキシトリデシル基、14−ヒドロキシテトラデシル基、15−ヒドロキシペンタデシル基、16−ヒドロキシヘキサデシル基、17−ヒドロキシヘプタデシル基、18−ヒドロキシオクタデシル基、20−ヒドロキシエイコシル基又は22−ヒドロキシドコシル基等を含む枝分かれした又は非枝分かれの基である。R11の好ましい定義は、ヒドロキシル基で置換された炭素原子数2ないし12のアルキル基、特にヒドロキシル基で置換された炭素原子数4ないし8のアルキル基である。
【0059】
−O−、−S−、−N(R14)−、−CO−、−O−CO−又は−CO−O−によって中断されるアルキル基としてのR11は、対応する炭素原子数2ないし25のアルキル基、例えばCH3−O−CH2CH2−、CH3−NH−CH2CH2−、CH3−N(CH3)−CH2CH2−、CH3−S−CH2CH2−、CH3−O−CH2CH2−O−CH2CH2−、CH3−O−CH2CH2−O−CH2CH2−、CH3−(O−CH2CH2−)2O−CH2CH2−、CH3−(O−CH2CH2−)3O−CH2CH2−、CH3−(O−CH2CH2−)4O−CH2CH2−、CH3−(O−CH2CH2−)4O−CH2CH2−O(CO)−CH2CH2−、CH3CH2−(O−CH2CH2−)4O−CH2CH2−O(CO)−CH2CH2−又はCH3−(CH211−O(CO)−CH2CH2−である。
【0060】
ヒドロキシル基によって置換され、かつ−O−、−S−、−N(R14)−、−CO−、−O−CO−又は−CO−O−によって中断されるアルキル基としてのR11は、対応する炭素原子数2ないし25のアルキル基、例えば−CH2−CH(OH)−CH2−O−CH
3、−CH2−CH(OH)−CH2−O−CH2CH3、−CH2−CH(OH)−CH2−O−CH(CH32又は−CH2CH2−CO−O−CH2CH2−O−CO−(CH25−O−CO−(CH25−OHである。
【0061】
アミノ−、メルカプト−又はヒドロキシル基によって置換され、かつ−O−、−S−、−N(R14)−、−CO−、−O−CO−又は−CO−O−によって中断されるアルキル基としてのR11は、対応する炭素原子数2ないし25のアルキル基、例えばHO−CH2CH2−O−CH2CH2−、H2NCH2CH2−NH−CH2CH2−、HOCH2CH2−NH(CH3)−CH2CH2−、HOCH2CH2−S−CH2CH2−、H2NCH2CH2−O−CH2CH2−O−CH2CH2−、HOCH2CH2−O−CH2CH2−O−CH2CH2−、HSCH2CH2−(O−CH2CH2−)2O−CH2CH2−、H2NCH2CH2−(O−CH2CH2−)3O−CH2CH2−、H2NCH2CH2−(O−CH2CH2−)4O−CH2CH2−、HSCH2CH2−(O−CH2CH2−)4O−CH2CH2−O(CO)−CH2CH2−又はHOCH2CH2CH2CH2−(O−CH2CH2−)4O−CH2CH2−O(CO)−CH2CH2−である。
【0062】
炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基としてのR11は、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基又はシクロドデシル基である。好ましいものは、シクロヘキシル基である。
【0063】
炭素原子数5ないし12のシクロアルケニル基としてのR11は、例えばシクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロノネニル基、シクロデセニル基、シクロウンデセニル基又はシクロドデセニル基である。好ましいものは、シクロヘキセニル基である。
【0064】
重合可能な基としてのR11は、例えば
【化14】

である。
【0065】
例えば、上記で説明したような重合可能な基が重合される場合、ポリマーとしてのR11は、重合生成物である。更に、ポリマーとしてのR11について、ポリオルガノシロキサン、例えばポリジメチルシロキサンが考慮される。式
【化15】

(式中、nは1ないし100、特に10ないし80、及びより好ましくは40ないし70の数を表わす。)で表わされるポリジメチルシロキサンが好ましい。
【0066】
ポリマーR11は、橋架け基を介して結合され得る。この橋架け基に関して、上記Bで示した定義及び好ましいものが適用される。
【0067】
11は、好ましくは、未置換で又はヒドロキシル基によって置換され、かつ未中断の又は−O−、−S−、−N(R14)−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R14)−CO−又は−CO−N(R14)−によって、特に−N(R14)−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R14)−CO−又は−CO−N(R14)−によって中断される炭素原子数1ないし25のアルキル基を表わすか、又はR11は、炭素原子数1ないし25のアルキレン基[ここで、アルキレン基は、−O−、−S−、−N(R14)−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R14)−CO−又は−CO−N(R14)−からなる群から選択される少なくとも1つの基によって、特に−NH−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−NH−CO−又は−CO−NH−によっても又結合及び/又は中断され得る。]を介して結合されるポリエチレングリコール基、ポリプロピレングリコール基又はポリアクリレート基を表わす。
【0068】
より好ましくは、R11は、炭素原子数1ないし12のアルキル基;ヒドロキシ基によって置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;上記したような重合可能な基によって置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;−NH−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−NH−CO−又は−CO−NH−によって中断され、かつ所望によりヒドロキシ基によって置換された炭素原子数2ないし25のアルキル基;又は、炭素原子数1ないし25のアルキレン基[ここで、アルキレン基は、−NH−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−NH−CO−又は−CO−NH−からなる群から選択される少なくとも1つの基によって結合及び/又は中断され得る。]を介して結合されるポリエチレングリコール基、ポリプロピレングリコール基又はポリアクリレート基を表わす。ポリマーは、−O−CO−又は−CO−O−を介してアルキレン基に結合されることが好ましい。アルキレン基に関しては、式(11)において示したSi原子に直接結合されることが好ましい。更に、アルキレン基は、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−NH−CO−又は−CO−NH−の少なくとも1つによって、特に−NH−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−NH−CO−又は−CO−NH−によって、及びより好ましくは−NH−、−O−CO−、−CO−O−、−NH−CO−又は−CO−NH−によって中断されることが好ましい。
【0069】
本発明の更なる態様に従って、官能化された粒子は、式(1)で表わされる基に加えて又は式(1)及び(11)で表わされる基に加えて、表面上で酸素原子に共有結合している、式(12)
【化16】

[式中、
16及びR17は、上記式(1)のR1及びR2で示した意味を有し、
15は、炭素原子数1ないし25のアルキル基又は炭素原子数2ないし24のアルケニル基(ここで、その各々は、未置換であるか又はアミノ基、メルカプト基、フェニル基又はヒドロキシル基によって置換され、かつ未中断であるか又は−O−、−S−、−N(R18)−、−N+(R182−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R18)−CO−、−CO−N(R18)−又はフェニレン基によって中断される。);炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数5ないし12のシクロアルケニル基;又は重合可能な基又はポリマー(ここで、その各々は、橋員を介して結合され得る。)を表わし、
18は、水素原子又は未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わし、及び
15又はR18は、更に、カチオン基、特にカチオン性のアンモニウム基、例えば式−N(R114)(R115)R116(式中、R114、R115及びR116は上記で定義した通りである。)で表わされる基を含む。]で表わされる基を含み得る。
【0070】
式(12)で表わされる基は、所望の電荷を有する粒子を得るために、粒子中に導入され得る。基D等の電荷を与える基が既に存在する場合、式(12)で表わされる基は、電荷を所望のレベルに調整するために導入され得る。
【0071】
16及びR17に関して、上記R1及びR2で示した定義及び好ましいものが適用される。
【0072】
アルキル基としてのR18は、上記したカチオン性基、特にカチオン性のアンモニウム基、例えば式−N(R114)(R115)R116で表わされる基によって置換され得る。好ましくは、R18は水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基、特に水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わす。R18の非常に好ましい意味は、水素原子である。
【0073】
15に関して、上記R11で示した定義及び好ましいものが適用される。R15は、上記式(12)で言及したカチオン性基によって置換され得ると理解されるべきである。R15は、更に、カチオン性のアンモニウム基、例えば式−N(R114)(R115)R116で表わされる基を含むことが好ましい。
【0074】
本発明に従った官能化された粒子は、好ましくは球形である。
【0075】
好ましくは、粒子は、1ないし1000nm、特に1ないし600nm、そしてより好ましくは1ないし400nmの平均粒子サイズを有する。1ないし300nm、特に1ないし200nmの平均粒子サイズが好ましい。非常に重要なのは、1ないし100nmの平均粒子サイズを有する粒子である。平均粒子サイズの下限については、10nm、特に20nmが好ましい。粒子サイズは、例えば電子顕微鏡法によって決定され得る。
【0076】
本発明に従った粒子の有機含量は、粒子の総質量に基づき、例えば5ないし90質量%、特に20ないし90質量%、及びより好ましくは40ないし90質量%である。
【0077】
粒子は、典型的には二酸化珪素、酸化アルミナ、それらの異種混合物又は混合酸化物としてシリコンアルミニウム酸化物である。本発明に従ったシリコンアルミニウム酸化物粒子は、1ないし99金属−原子%のシリコン含量を示し得る。
【0078】
官能化された粒子はシリカ(SiO2)又はアルミナ(Al23)粒子、特にシリカ粒子であることが好ましい。
【0079】
未変性粒子、特にこのようなナノ粒子等は、粉末として又は分散液として、デグサ社、ハンス ケミ社、ニッサン ケミカルズ社、クラリアント社、H.C.スターク社、ナノプロダクツ社又はナイアコル ナノ テクノロジーズ社等の様々な供給業者から市販で入手可能である。市販で入手可能なシリカナノ粒子の例は、デグサ社製エアロシル(登録商標:Aerosil)、デュポン社製ルドックス(登録商標:Ludox)、ニッサン ケミカル社製スノーテックス(登録商標:Snowtex)、バイエル社製レバシル(登録商標:Levasil)又はフジ シリシア ケミカル社製シリシア(登録商標:Sylysia)である。市販で入手可能なAl23ナノ粒子の例は、ナイアコル ナノ テクノロジーズ インコーポレーテッド製ナイアコル(登録商標:Nyacol)又はサソル社製ディスペラル(登録商標:Disperal)である。当業者は、様々な物理的性質を有し、かつ様々な組成を有する様々なサイズの粒子を得るための多種多様な確立され
た方法、例えば火炎加水分解(エーロゾル法)、プラズマ法、アーク法及び気相又は固相反応のための高温壁反応器法又はイオン交換法及び溶液に基づく反応のための沈殿法が知られている。欧州特許出願公開第1236765号明細書、米国特許第5,851,507号明細書、米国特許第6,719,821号明細書、米国特許出願公開第2004−178530号明細書又は米国特許第2,244,325号明細書、国際公開第05/026068号パンフレット、欧州特許出願公開第1048617号明細書等の詳細な方法を記載する幾つかの文献を参照とする。
【0080】
表面上に少なくとも式(1)で表わされる基を含む官能化された粒子の製造は、好ましくは、対応する粒子(例えば、官能化されていないシリカ又はアルミナ粒子)と式(1a)
【化17】

(式中、
Xは、酸素原子、硫黄原子又は
【化18】

等の基を表わし、
0は、炭素原子数1ないし25のアルキル基を表わし、
R’1は、水素原子を表わし、
R’2及びR’3は、各々互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし25のアルキル基、酸素原子又は硫黄原子又は−N(R3)−によって中断される炭素原子数3ないし25のアルキル基;炭素原子数2ないし24のアルケニル基、フェニル基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基又は−OR’5を表わし、
R’4は、水素原子、炭素原子数1ないし25のアルキル基、又は、酸素原子又は硫黄原子又は−N(R3)−によって中断される炭素原子数3ないし25のアルキル基を表わし、
R’5は、水素原子又は炭素原子数1ないし25のアルキル基を表わし、及び、
nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12を表わす。)で表わされる化合物の反応によって行われる。
【0081】
式(1a)で表わされる化合物と粒子の反応は、既知の方法と同様にして行われ得る。反応は、例えば、有機媒体、又は、好ましくは水と有機媒体の混合物中で行われ得る。有機媒体としては、アルコール、特にメタノール又はエタノール等の有機媒体溶媒が使用され得る。20ないし90℃、特に40ないし60℃等の温度で反応を行うことが好ましい。式(1a)で表わされる化合物に関して、R0、R’2及びR’3の少なくとも1つがメトキシ基又はエトキシ基を表わところの、特にR0、R’2及びR’3がメトキシ基又はエトキシ基を表わところのものを使用することが好ましい。R0、R’2及びR’3がメトキシ基を表わすことが非常に好ましい。所望により、得られた生成物は適当な媒体、例えば水、エタノール、トルエン又はキシロール中に再分散され得る。
【0082】
更なる工程において、粒子と式(1a)で表わされる化合物の反応生成物は、例えばエステル化、アミド化、マイケル付加又はエポキシドの開口等の既知の方法によって、式(
1)で表わされる基を含む粒子を得るために、容易に誘導され得る。
【0083】
以下に、このような反応の幾つかの例を一般用語で示す:
a)−SH又は−NH2等の活性結合基を示す粒子は、エステル−、エポキシ−、カルボキシ−、カルボニル−、アクリル−、メタクリル−、アルキルハロゲニド−、アルキルスルフェート−、無水物−、末端二重結合−、ニトリル−及び例えばα,β−不飽和カルボニル−基を有する遊離体で容易に表面変性され得る。これらの物質の化学的性質及び分子の有機合成(例えば、求核置換、求核付加、マイケル付加、開環反応、ラジカル付加等)は、よく知られており、そして固相有機化学に容易に適応され得る。
b)表面上にエステル−、エポキシ−、カルボキシ−、カルボニル−、アクリル−、メタクリル−、アルキルハロゲニド−、アルキルスルフェート−、無水物−、末端二重結合−、ニトリル−及び例えばα,β−不飽和カルボニル−基等の官能基を示す粒子は、上記a)において言及した化学反応で、−SH、−RNH(R=有機基)又は−NH2基を有する遊離体と、容易に更に反応し得る。
c)染料等の遊離体において、官能基は、出発化合物として、フルオロ−含有染料の使用によって導入され得る、及び、国際公開第04/076564号パンフレット(特に、5ないし8頁参照)に記載される方法と同様にして、官能基は導入され得る。
d)−OH、−RNH(R=有機基)又は−NH2基を示す遊離体は、塩基条件下で塩化アクリロイルを使用し、マイケル付加を使用することによって−SH又は−NH2基を有する粒子と容易に反応し得る遊離体アクリレートを発生させること(アシル化)によって活性化され得る。a)及びb)において言及した官能基をもたらす他の合成は、よく知られている。
e)遊離体は、a)、b)又はd)で言及した官能基及びメカニズムを示す反応性アルコキシシランを使用することによって官能化され、そしてその後、最先端のシラン化反応を使用することによって粒子表面上にグラフト化され得る。
【0084】
式(1)で表わされる基を含む官能化された粒子の製造のための二者択一的な方法に従って、市販で入手可能なシリカ又はAl23粒子等の対応する官能化されていない粒子は、式(1b)
【化19】

(式中、R0、R’2及びR’3は、上記式(1a)で定義した通りであり、そしてn、B及びDは、上記式(1)で定義した通りである。)で表わされる化合物と反応させられ得る。この方法によって、式(1)で表わされる基を含む粒子は、更なる誘導化なく直接得ることができる。反応条件は、上記の官能化されていない粒子と式(1a)で表わされる化合物の反応において示したように選択され得る。反応は、例えば、国際公開第03/002652号パンフレットに記載された製造方法と同様にして行われ得る。
【0085】
式(11)及び(12)で表わされる基は、上記製造方法と同様にして導入され得る。これらの反応は式(1)で表わされる基の導入と同時に又は段階的に行われ得る。
【0086】
上記で説明した製造方法に関して、官能化されていない粒子(例えば、シリカ又はアルミナ粒子等)は表面上に遊離したヒドロキシル基を含むことに注目すべきである。これらの基は、本発明に従って使用される官能化された粒子を得るために、反応させられ、そして、それはまた、以下の式
【化20】

(式中、Zは、式(1)で表わされる基を表わし、並びに垂直線は粒子表面に対応する。)によって記載され得る。更に、式(11)及び/又は(12)で表わされる基は、Zのために上記した方法と同様にして、ヒドロキシル基に結合され得る。
【0087】
本発明の更なる対象は、表面上で酸素原子に共有結合している、式(1’)
【化21】

で表わされる基を含む新規の官能化された粒子であって、
ここで、該粒子は、SiO2、Al23又はそれらの混合物に基づき、
該官能化された粒子は、正電荷を有し、
1及びR2は、各々互いに独立して、水素原子;粒子表面−O−又は置換基を表わし、
Bは、直接結合又は橋員を表わし、
nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12を表わし、及び、
Dは、式
【化22】

で表わされる基を表わし、
3は、未置換の又は置換されたフェニレン基又はナフチレン基を表わし、及び、
1及びB2は、各々互いに独立して、所望により置換されたフェニル基、ナフチル基又は式
【化23】

で表わされる複素環基を表わし、
2及びZ5は、−O−;−S−;又は基NR112を表わし、
1、Z3、Z4、Z6、Z7、Z8及びZ9は、各々互いに独立して、N又は基CR113を表わし;
100、R101、R102、R105、R106、R107、R109、R110及びR113は、各々互いに独立して、水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシ基;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;未置換の又は置換されたフェニル基;ニトリル基;炭素原子数2ないし4のアルカノイルアミノ基;カルバモイル基;ウレイド基;スルホニルアミノ基;炭素原子数1ないし12のアルキルチオ基;又は、式−N(R114)R115、−N(R114)(R115)R116又は−OR114で表わされる基を表わし;
103、R104、R107、R111及びR112は、各々互いに独立して、水素原子;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;又は、未置換の又は置換されたフェニル基を表わし;及び、
114、R115及びR116は、各々互いに独立して、水素原子;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;又は、未置換の又は置換されたトリアジニル基又はフェニル基を表わすところの官能化された粒子である。
【0088】
式(1’)で表わされる共有結合した基を含む新規の官能化された粒子に関して、上記で示した定義及び好ましいものが適用される。Dのために示された基の各々において、基B1及びB2の少なくとも1方が、式(3a)ないし(3j)から選択される複素環基を表わすことが好ましい。更に、基B1及びB2の他方が未置換の又は置換されたフェニル基を表わすことが好ましい。
【0089】
本発明に従った官能化された粒子は、ケラチン含有繊維、好ましくはヒトの毛髪の染色に適している。得られる染色は、得られる染色は、それらの色調の深さ及びそれらの良好な洗髪堅牢性、例えば、光、シャンプー及び摩擦に対する堅牢性等によって区別される。本発明に従った官能化された粒子は、安定性、特に貯蔵安定性が優れている。
【0090】
一般に、合成塩基に基づく毛髪染色剤は、3つの群に分類され得る:
−一時的な染色剤、
−半永久性染色剤、及び、
−永久性染色剤。
【0091】
本発明の官能化された粒子の色調の多様性は他の染料と組み合わせることによって増加され得る。
【0092】
それ故、本発明の官能化された粒子は、同じ又は他の染料類の染料、特に直接染料、酸化染料;カップリング化合物並びにジアゾ化化合物、又はキャップ化されたジアゾ化化合物及び/又はカチオン性反応性染料の染料前駆体の組み合わせと組み合わせられ得る。
【0093】
直接染料は、天然由来のものであるか、又は合成により製造され得る。それらは、非荷電の、カチオン性又はアニオン性であり、例えば酸性染料である。
【0094】
本発明の官能化された粒子は、本発明の官能化された粒子とは異なる少なくとも1種の単一直接染料と組み合わせて使用され得る。
【0095】
直接染料は、それらの染色効果を発現するために、如何なる酸化剤の添加も必要としない。従って、染色結果は、永久性染色組成物を用いて得られたものよりも永久性が乏しい。それ故、直接染料は、好ましくは半永久性の毛髪染色のために使用される。
【0096】
直接染料の例は、“皮膚科学”,Ch.クルナン、H.マイバッハ編,Verlag Marcel Dekker社,ニューヨーク,バーゼル,1986年,第7巻、Ch.ツバィク著のヘアケアの科学,第7章,248〜250頁及びBundesverband der deutschen Industrie− und Handelsunternehmen fur Arzneimittel,Reformwaren und Korperpflegemittel e.V.,Mannheimからディスクとして入手することができる“Europaisches Inventar der
Kosmetikrohstoffe”(欧州委員会が1996年に公表)に記載されている。
【0097】
特に、半永久性染色のために、本発明の官能化された粒子の少なくとも1種との組み合わせのために有用なより好ましい直接染料は、2−アミノ−3−ニトロフェノール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノ−アニソールスルフェート、2−アミノ−6−クロ
ロ−4−ニトロフェノール、2−クロロ−5−ニトロ−N−ヒドロキシエチレン−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシエチル−ピクラミン酸、2,6−ジアミノ−3−((ピリジン−3イル)−アゾ)ピリジン、2−ニトロ−5−グリセリル−メチルアニリン、3−メチルアミノ−4−ニトロ−フェノキシエタノール、4−アミノ−2−ニトロジフェニレンアミン−2’−カルボン酸、6−ニトロ−1,2,3,4,−テトラヒドロキノキサリン、4−N−エチル−1,4−ビス(2’−ヒドロキシエチルアミノ−2−ニトロベンゼンヒドロクロリド、1−メチル−3−ニトロ−4−(2’−ヒドロキシエチル)−アミノベンゼン、3−ニトロ−p−ヒドロキシエチル−アミノフェノール、4−アミノ−3−ニトロフェノール、4−ヒドロキシプロピルアミン−3−ニトロフェノール、ヒドロキシアントリルアミノプロピルメチルモルホリノメチルスルフェート、4−ニトロフェニル−アミノエチルウレア、6−ニトロ−p−トルイジン、アシッド ブルー62、アシッド
ブルー9、アシッド レッド35、アシッド レッド87 (エオシン)、アシッド バイオレット43、アシッド イエロー1、ベーシック ブルー3、ベーシック ブルー6、ベーシック ブルー7、ベーシック ブルー9、ベーシック ブルー12、ベーシック ブルー26、ベーシック ブルー99、ベーシック ブラウン16、ベーシック ブラウン17、ベーシック レッド2、ベーシック レッド22、ベーシック レッド76、ベーシック バイオレット14、ベーシック イエロー57、ベーシック イエロー9、ディスパース ブルー3、ディスパース オレンジ3、ディスパース レッド17、ディスパース バイオレット1、ディスパース バイオレット4、ディスパース ブラック9,ファストグリーン FCF、HC−ブルー2、HC−ブルー7、HC−ブルー8、HC−ブルー12、HC−オレンジ1、HC−オレンジ2、HC−レッド1、HC−レッド10−11、HC−レッド13、HC−レッド16、HC−レッド3、HC−レッドBN、HC−レッド7、HC−バイオレット1,HC−バイオレット2、HC−イエロー2、HC−イエロー5、HC−イエロー5、HC−イエロー6、HC−イエロー7、HC−イエロー9、HC−イエロー12、HC−レッド8、ヒドロキシエチル−2−ニトロ−p−トルイジン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、HC−バイオレット BS、ピクラミン酸、ソルベント グリーン7である。
【0098】
更に、本発明の官能化された粒子は、少なくとも1種のカチオン性アゾ染料、例えば、英国特許出願公開第2319776号明細書に開示された化合物、並びに独国特許出願公開第29912327号明細書に記載されたオキサジン染料、及びそこで言及される他の直接染料とのその混合物と、及びより好ましくは、ベーシックイエロー 87、ベーシックオレンジ 31又はベーシックレッド 51等のカチオン性染料と、又は国際公開第01/66646号パンフレット、特に実施例4に記載されたカチオン性染料と、又は国際公開第02/31056号パンフレット、特に実施例6に記載されたカチオン性染料(式(106)で表わされる化合物)と、又は欧州特許出願公開第714,954号明細書に記載された式(3)で表わされるカチオン性染料と、又は式
【化24】

(式中、
1及びR2は、各々互いに独立して、炭素原子数1ないし8のアルキル基;又は、未置換の又は置換されたベンジル基を表わし、
3は、水素原子;炭素原子数1ないし8のアルキル基;炭素原子数1ないし8のアルコキシ基;シアニド基;又はハロゲン化物;好ましくは水素原子を表わし、
-は、アニオンを表わす。)で表わされる黄色カチオン性染料、そして好ましくは、R1がメチル基を表わし、R2がベンジル基を表わし、R3が水素原子を表わし、及びX-
アニオンを表わすか、又はR1がベンジル基を表わし、R2がベンジル基を表わし、R3が水素原子を表わし、X-がアニオンを表わすか、又はR1がベンジル基を表わし、R2がメチル基を表わし、R3が水素原子を表わし、及びX-がアニオンを表わすところの式(DD1)で表わされる化合物と組み合わせられ得る。
【0099】
更に、カチオン性ニトロアニリン及びアントラキノン染料、例えば、以下の特許明細書に記載された染料が、本発明の官能化された粒子との組み合わせのために有用である:米国特許第5298029号明細書、特に、2欄、33行ないし5欄、38行;米国特許第5360930号明細書、特に、2欄、38行ないし5欄、49行;米国特許第5169403号明細書、特に、2欄、30行ないし5欄、38行;米国特許第5256823号明細書、特に、4欄、23行ないし5欄、15行;米国特許第5135543号明細書、特に、4欄、24行ないし5欄、16行;欧州特許出願公開第818193号明細書、特に、2頁、40行ないし3頁、26行;米国特許第5486629号明細書、特に、2欄、34行ないし5欄、29行;及び欧州特許出願公開第758547号明細書、特に、7頁、48行ないし8頁、19行。
【0100】
本発明の官能化された粒子は、酸性染料、例えば国際名称(カラーインデックス)又は登録商標名によって既知の染料とも又組み合わせられ得る。
【0101】
本発明の官能化された粒子との組み合わせのために有用な好ましい酸性染料は、米国特許第6,248,314号明細書に記載されている。それらは、レッドカラーNo.120、イエローカラーNo.4、イエローカラーNo.5、レッドカラーNo.201、レッドカラーNo.227、オレンジカラーNo.205、ブラウンカラーNo.201、レッドカラーNo.502、レッドカラーNo.503、レッドカラーNo.504、レッドカラーNo.506、オレンジカラーNo.402、イエローカラーNo.402、イエローカラーNo.406、イエローカラーNo.407、レッドカラーNo.213、レッドカラーNo.214、レッドカラーNo.3、レッドカラーNo.104、レッドカラーNo.105(1)、レッドカラーNo.106、グリーンカラーNo.2、グリーンカラーNo.3、オレンジカラーNo.207、イエローカラーNo.202(1)、イエローカラーNo.202(2)、ブルーカラーNo.202、ブルーカラーNo.203、ブルーカラーNo.205、ブルーカラーNo.2、イエローカラーNo.203、ブルーカラーNo.201、グリーンカラーNo.201、ブルーカラーNO.1、レッドカラーNo.230(1)、レッドカラーNo.231、レッドカラーNo.232、グリーンカラーNo.204、グリーンカラーNo.205、レッドカラーNo.401、イエローカラーNo.403(1)、グリーンカラーNo.401、グリーンカラーNo.402、ブラックカラーNo.401及びパープルカラーNo.401、特に、ブラックカラーNo.401、パープルカラー401、オレンジカラーNo.205を含む。
【0102】
これらの酸性染料は、単一成分として、又はそれらのあらゆる組み合わせにおいて使用され得る。
【0103】
酸性染料を含む毛髪染料組成物は既知である。それらは、例えば“皮膚科学”,Ch.クルナン、H.マイバッハ編,Verlag Marcel Dekker社,ニューヨーク,バーゼル,1986年,第7巻、Ch.ツバィク著,ヘアケアの科学,第7章,248ないし250頁、特に253頁及び254頁に記載されている。
【0104】
酸性染料を含む毛髪染料組成物は、2ないし6、好ましくは2ないし5、より好ましくは2.5ないし4.0のpHを有する。
【0105】
本発明の官能化された粒子はまた、酸性染料及び/又は補助剤、例えば、
−米国特許第6,248,314号明細書、特に実施例1及び2に記載されるような酸性染料及びアルキレン炭酸塩、
−特開昭61−210023号公報及び特開平7−101841号公報に記載されるような、毛髪へ良好な浸透性を有する浸透溶媒としてベンジルアルコールに代表される様々な有機溶媒類を含む酸性毛髪染料組成物、
−例えば、特開平10−87450号公報、特開平9−255540号公報及び特開平8−245348号公報に記載されたような、毛髪染料組成物がたれるのを防止する水溶性ポリマー又はその種の他の物を有する酸性毛髪染料組成物、
−例えば、特開平10−53970号公報、特開昭48−23911号公報に記載されたような芳香族アルコール、低級アルキレン炭酸塩、又はその種の他の物の水溶性ポリマーを有する酸性毛髪染料組成物、
との組み合わせにおいても容易に使用され得る。
【0106】
本発明の官能化された粒子はまた、例えば、ニトロアニリン、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アントラキノン、インドフェノール、フェナジン、フェノチアジン、ビスピラゾロン、ビスピラゾールアザ誘導体及びメチンの群から選択される非荷電染料とも組み合わせられ得る。
【0107】
更に、本発明の官能化された粒子は、酸化染料系との組み合わせにおいても使用され得る。
【0108】
初期状態において染料ではなく染料前駆体である酸化染料は、それらの化学特性に従って、顕色化合物及びカップリング化合物に分類される。
【0109】
適当な酸化染料は、例えば、
−独国特許(出願)第19959479号明細書、特に、2欄、6行ないし3欄、11行、
−“皮膚科学”,Ch.クルナン、H.マイバッハ編,Verlag Marcel Dekker社,ニューヨーク,バーゼル,1986年,第7巻、Ch.ツバィク著,ヘアケアの科学,第8章,264ないし267頁(酸化染料)、
に記載される。
【0110】
好ましい顕色化合物は、例えば、未置換の又は置換されたヒドロキシ又はアミノ残基でパラ又はオルト位を置換された第1芳香族アミン、又は、ジアミノピリジン誘導体、複素環式ヒドラゾン、4−アミノピラゾール誘導体、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン誘導体、又は、独国特許(出願)第19717224号明細書、特に、2頁、50行ないし66行及び3頁、8行ないし12行に記載されたような不飽和アルデヒド、又は国際公開第00/43367号パンフレット、特に2頁、27行ないし8頁、24行、特に、9頁、22行ないし11頁、6行に記載されたようなカチオン性顕色化合物である。
【0111】
更に、塩酸塩又は硫酸塩のようなそれらの生理的相溶性酸付加塩形態の顕色化合物が使用され得る。芳香族OH基を有する顕色化合物はまた、アルカリ金属フェノレートのような、塩基とのそれらの塩形態でも適当である。
【0112】
好ましい顕色化合物は独国特許第19959479号明細書、2頁、8行ないし29行に開示されている。
【0113】
より好ましい顕色化合物は、p−フェニレンジアミン、p−トルイレンジアミン、p−、m−、o−アミノフェノール、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニ
レンジアミンスルフェート、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソールスルフェート、ヒドロキシエチル−3,4−メチレンジオキシアニリン、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジアミノベンゼン、2,6−ジメトキシ−3,5−ジアミノ−ピリジン、ヒドロキシプロピル−ビス−(N−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン)ヒドロクロリド、ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミンスルフェート,4−アミノ−3−メチルフェノール、4−メチルアミノフェノールスルフェート、2−アミノメチル−4−アミノフェノール、4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール、4−アミノ−m−クレゾール、6−アミノ−m−クレゾール、5−アミノ−6−クロロ−クレゾール、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン又は4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジンスルフェートである。
【0114】
好ましいカップリング化合物は、m−フェニレンジアミン誘導体、ナフトール、レゾルシン及びレゾルシン誘導体、ピラゾロン及びm−アミノフェノール誘導体、及び最も好ましくは独国特許第19959479号明細書、1頁、33行ないし3頁、11行に開示されたカップリング化合物である。
【0115】
本発明の官能化された粒子はまた、直接染料として使用され得る独国特許第19717224号明細書(2頁、50行ないし66行及び3頁、8行ないし12行)に開示されるような不飽和アルデヒドと一緒に使用され得るか、さもなくば酸化染料前駆体と一緒に使用され得る。
【0116】
更に、本発明の官能化された粒子との組み合わせのために好ましいものは、以下の酸化染料前駆体である:
−赤色の色調を評価するための、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン及び2−メチルレゾルシンの顕色化合物/カップリング化合物の組み合わせ、
−青紫色の色調とするための、p−トルエンジアミン及び4−アミノ−2−ヒドロキシトルエン、
−青色の色調を評価するための、p−トルエンジアミン及び2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール、
−青色の色調を評価するための、p−トルエンジアミン及び2,4−ジアミノ−フェノキシエチノール、
−オレンジ色の色調を評価するための、メチル−4−アミノフェノール及び4−アミノ−2−ヒドロキシトルエン、
−緑褐色の色調を評価するための、p−トルエンジアミン及びレゾルシン、
−青紫色の色調を評価するための、p−トルエンジアミン及び1−ナフトール、
−琥珀色の色調を評価するための、p−トルエンジアミン及び2−メチルレゾルシン。
【0117】
更に、自己酸化性化合物が、本発明の官能化された粒子との組み合わせにおいて使用され得る。
【0118】
自己酸化性化合物は、非常に低い酸化還元電位を有し、及びそのため、空気に曝露された場合、酸化されるであろう、芳香族環に2つ以上の置換基を有する芳香族化合物である。これらの化合物を用いて得られた染色は、非常に安定であり、シャンプー耐性を有する。
【0119】
自己酸化性化合物は、例えば、ベンゼン、インドール、又はインドリン、特に、国際公開第99/20234号パンフレット、特に、26頁、10行ないし28頁、15行、又は国際公開第00/28957号パンフレット、2頁、3段落に記載されたような5,6−ジヒドロキシインドール又は5,6−ジヒドロキシインドール誘導体である。
【0120】
好ましい自己酸化性ベンゼン誘導体は、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、1−メチル−2,4,5−トリヒドロキシベンゼン、2,4−ジアミノ−6−メチルフェノール、2−アミノ−4−メチルアミノフェノール、2,5−ジアミノ−4−メチル−フェノール、2,6−ジアミノ−4−ジエチルアミノフェノール、2,6−ジアミノ−1,4−ジヒドロキシベンゼン、及び酸を用いて得られ得るこれらの化合物の塩である。
【0121】
好ましい自己酸化性インドール誘導体は、5,6−ジヒドロキシインドール、2−メチル−5,6−ジヒドロキシインドール、3−メチル−5,6−ジヒドロキシインドール、1−メチル−5,6−ジヒドロキシインドール、2,3−ジメチル−5,6−ジヒドロキシインドール、5−メトキシ−6−ジヒドロキシインドール、5−アセトキシ−6−ヒドロキシインドール、5,6−ジアセトキシインドール、5,6−ジヒドロキキシインドール−2−カルボン酸、及び酸を用いて得られ得るこれらの化合物の塩である。
【0122】
本発明の官能化された粒子はまた、ヘンナレッド、ヘンナニュートラル、ヘンナブラック、カモミール花、ビャクダン、紅茶、セイヨウクロウメモドキ樹皮、セージ、カンペチェの木(campeche wood)、アカネの根、カテキュー、セードル(sedre)及びアルカンナの根等の自然に存在する染料との組み合わせにおいて使用され得る。このような染色は、例えば、欧州特許出願公開第404868号明細書、特に3頁、55行ないし4頁、9行に記載されている。
【0123】
更に、本発明の官能化された粒子はまた、キャップ化されたジアゾ化化合物との組み合わせにおいて使用され得る。
【0124】
適当なジアゾ化化合物は、例えば、国際公開第2004/019897号パンフレット(1ないし2頁にかけて)の式(1)ないし(4)で表わされる化合物、及び、同パンフレット(3頁以降)に開示される対応する水溶性カップリング成分(I)ないし(IV)である。
【0125】
本発明の官能化された粒子との組み合わせにおいて有用な更なる好ましい染料又は染料の組み合わせは、以下のものに記載されている。
(DC−01):国際公開第95/01772号パンフレット、ここには、少なくとも2種のカチオン性染料の混合物が、特に2頁、7行ないし4頁、1行、好ましくは4頁、35行ないし8頁、21行に開示されている;配合物、11頁、最終章ないし28頁、19行。
(DC−02):米国特許第6,843,256号明細書、ここには、カチオン性染料、特に式(1)、(2)、(3)及び(4)で表わされる化合物(1欄、27行ないし3欄、20行)、並びに好ましくは実施例1ないし4で製造された化合物(10欄、42行ないし13欄、37行;配合物(13欄、38行ないし15欄、8行)が、開示されている。
(DC−03):欧州特許第970685号明細書、ここには、直接染料が、特に2頁、44行ないし9頁、56行、及び好ましくは9頁、58行ないし48頁、12行に記載されている;ケラチン含有繊維の染色方法が、特に、50頁、15行ないし43行に記載されている;配合物、50頁、46行ないし51頁、40行。
(DC−04):独国特許出願公開第19713698号明細書、ここには、直接染料が特に2頁、61行ないし3頁、43行に記載されている;配合物、5頁、26行ないし60行。
(DC−05):米国特許第6,368,360号明細書、ここには、直接染料(4欄、1行ないし6欄、31行)及び酸化剤(6欄、37行ないし39行)が開示されている;配合物、7欄、47行ないし9欄4行。
(DC−06):欧州特許第1166752号明細書、ここには、カチオン性染料(3頁、22行ないし4頁、15行)及びアニオン性UV吸収剤(4頁、27行ないし30行)が開示されている;配合物、7頁、50行ないし9頁、56行。
(DC−07):欧州特許第998,908号明細書、ここには、カチオン性直接染料及びピラゾロ−[1,5−a]−ピリミジン(2頁、48行ないし4頁、1行)を含む酸化染色が開示されている;染色配合物、47頁、25行ないし50頁、29行。
(DC−08):仏国特許第2788432号明細書、ここには、カチオン性染料とアリアノス(Arianors)の組み合わせが、特に、53頁、1行ないし63頁、23行、より特には51ないし52頁に開示されており、最も特には、ベーシック ブラウン17、ベーシック ブラウン16、ベーシック レッド76及びベーシック レッド118、及び/又は少なくとも1種のベーシック イエロー57、及び/又は少なくとも1種のベーシック ブルー99との組み合わせ;又は、アリアノレン(arianoren)及び/又は酸化性染料の組み合わせ、特に、2頁、16行ないし3頁、16行;染色配合物、53頁、1行ないし63頁、23行。
(DC−09):独国特許出願公開第19713698号明細書、ここには、直接染料と酸化剤、酸化染料及び直接染料を含むパーマネントウェーブの固定剤の組み合わせが開示されている;特に4頁、65行ないし5頁、59行。
(DC−10):欧州特許第850638号明細書、ここには、顕色化合物及び酸化剤が、特に、2頁、27行ないし7頁、46行、及び好ましくは7頁、20行ないし9頁26行に開示されている;染色配合物、2頁、3ないし12行及び2頁、30行ないし14頁、及び、28頁、35行ないし30頁、20行、好ましくは30頁、25行ないし32頁、30行。
(DC−11):米国特許第6,190,421号明細書、ここには、1種又はそれ以上の酸化染料前駆体及び所望により1種又はそれ以上のカップリング剤を含む組成物(A)の、所望により有機微粉賦形剤及び/又は無機微粉賦形剤中に分散される、直接染料(5欄、40行ないし7欄、14行)を1種又はそれ以上含む粉末形態の組成物(B)、及び1種又はそれ以上の酸化剤を含む組成物(C)の即席混合物が開示されている;配合物、8欄、60行ないし9欄、56行。
(DC−12):米国特許第6,228,129号明細書、ここには、少なくとも1種の酸化塩基、少なくとも1種のカチオン性直接染料及び2−電子酸化還元酵素型の酵素のための少なくとも1種の供与体の存在下において少なくとも1種の2−電子酸化還元酵素型の酵素を含むすぐ使用できる組成物が開示されている;特に、8欄、17行ないし13欄、65行;染色配合物、2欄、16行ないし25欄、55行、多区画染色装置が26欄、13行ないし24行に記載されている。
(DC−13)国際公開第99/20235号パンフレット、ここには、少なくとも1種の直接カチオン性染料及び少なくとも1種の硝酸化ベンゼン染料とカチオン性直接染料及びニトロベンゼン直接染料の組成物が記載されている;2頁、1行ないし7頁、9行、及び39頁、1行ないし40頁、11行、好ましくは8頁、12行ないし25頁、6行、26頁、7行ないし30頁、15行;1頁、25行ないし8頁、5行、30頁、17行ないし34頁、25行、8頁、12行ないし25頁、6行、35頁、21行ないし27行、特に36頁、1行ないし37頁。
(DC−14)国際公開第99/20234号パンフレット、ここには、少なくとも1種の直接カチオン性染料、好ましくは、2頁、19行ないし26頁、4行に記載された直接染料及び少なくとも1種の自己酸化性染料、特に、ベンゼン、インドール及びインドリン誘導体、特に26頁、10行ないし28頁、15行に開示された自己酸化性染料を含む組成物が記載されている;染色配合物、特に34頁、5行ないし35頁、18行。
(DC−15)欧州特許第850636号明細書、ここには、少なくとも1種の直接染料及びカップリング成分としての少なくとも1種のメタアミノフェノール誘導体及び少なくとも1種の顕色化合物及び酸化剤を含む酸化染色組成物が、特に、5頁、41行ないし7頁、52行に開示されている;染色配合物、19頁、50行ないし22頁、12行。
(DC−16)欧州特許出願公開第850637号明細書、ここには、パラ−フェニレンジアミン及びビス(フェニル)アルキレンジアミンから選択される少なくとも1種の酸化塩基、及びその酸付加塩、メタジフェノール類から選択される少なくとも1種のカップリング化合物、及びその酸付加塩、少なくとも1種のカチオン性直接染料及び少なくとも1種の酸化剤を含む酸化染色組成物が、特に6頁、50行ないし8頁、44行に開示されている;染色配合物、21頁、30行ないし22頁、57行。
(DC−17)国際公開第99/48856号パンフレット、ここには、カチオン性カップリング剤を含む酸化染色組成物が、特に、9頁、16行ないし13頁、8行、及び11頁、20行ないし12頁、13行に開示されている;染色配合物、36頁、7行ないし39頁、24行。
(DC−18)独国特許(出願)第19717224号明細書、ここには、不飽和アルデヒド及びカップリング化合物及び1級及び2級アミノ化合物、窒素原子含有複素環化合物、アミノ酸、オリゴペプチド、芳香族ヒドロキシ化合物、及び/又は少なくとも1種のCH−活性化合物を含む染色剤が3頁、42行ないし5頁、25行に開示されている;染色配合物、8頁、25行ないし9頁、61行。
【0126】
上記文献(DC−01ないしDC−18)に開示された染料の組み合わせにおいて、本発明の官能化された粒子は、染料の組み合わせ又は染色配合物に添加され得るか、又は本発明の官能化された粒子の少なくとも1種に置き換えられ得る。
【0127】
本発明はまた、ケラチン含有繊維、及び最も好ましくはヒトの毛髪の染色のために使用される配合物であって、本発明の官能化された粒子の少なくとも1種を含む配合物に関する。
【0128】
本発明の官能化された粒子は、配合物中に、該配合物の総質量に基づき0.001ないし5質量%(以後、単に%として示す。)、特に0.005ないし4%、より特には0.2ないし3%の量で配合され得る。
【0129】
配合物は、ケラチン含有繊維、好ましくはヒトの毛髪に、様々な技術形態において適用され得る。
【0130】
配合物の技術形態は、例えば溶液、特に、とろみをつけた水溶液又はアルコール水溶液、クリーム、フォーム、シャンプー、粉末、ゲル、又は乳濁液である。
【0131】
一般に、染色組成物は、ケラチン含有繊維に、50ないし100gの量で適用される。
【0132】
配合物の好ましい形態は、すぐ使用できる組成物又は多区画染色装置又は“キット”又は、例えば、米国特許第6,190,421号明細書、2欄、16行ないし31行に記載されたような、区画を有する多区画パッケージ系のいずれかである。
【0133】
すぐ使用できる染色組成物のpH値は、通常、2ないし11、好ましくは5ないし10である。
【0134】
好ましくは、還元に対して安定ではない染色組成物は、染色プロセスの直前に、酸化剤を含まない組成物を用いて製造される。
【0135】
本発明の一つの好ましい態様は、本発明の官能化された粒子が粉末形態であるところの染料配合物に関する。
【0136】
粉末配合物は、例えば、独国特許第19713698号明細書、2頁、26行ないし5
4行及び3頁、51行ないし4頁、25行、及び4頁、41行ないし5頁、59行に記載されるような安定性及び又は溶解性に関する問題が生ずる場合、好ましく使用される。
【0137】
適当な化粧用ヘアケア配合物は、毛髪用製品、例えば、シャンプー及びコンディショナーの形態の毛髪洗浄用製品、ヘアケア用製品、例えば、前処理用製品又はスプレー、クリーム、ゲル、ローション、ムース及びオイルのようなつけたままにしておく製品、ヘアートニック、スタイリングクリーム、スタイリングゲル、ポマード、ヘアーリンス、トリートメントパック、集中的ヘアートリートメント、毛髪構成化用製品、例えば、パーマネントウェーブ用ヘアーウェーブ用製品(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)、直毛化用製品、液体ヘアーセット用製品、ヘアーフォーム、ヘアースプレー、漂白用製品、例えば、過酸化水素溶液、淡色化シャンプー、漂白クリーム、漂白パウダー、漂白ペースト又はオイル、一時的、半永久性又は永久性毛髪着色料、自己酸化性染料を含む製品又はヘンナ又はカモミールのような天然毛髪着色料である。
【0138】
ヒトの毛髪における使用のために、本発明の染色組成物は、通常、化粧品用水性キャリヤーに組み込まれ得る。適当な化粧品用水性キャリヤーは、例えば、W/O、O/W、O/W/O、W/O/W又はPITエマルジョン及びあらゆる種類のマイクロエマルジョン、クリーム、スプレー、エマルジョン、ゲル、粉末及びまた、ケラチン含有繊維における使用に適当な界面活性剤含有フォーミング溶液、例えば、シャンプー又は他の製品を含む。このような使用形態は、Research Disclosure 42448(1999年8月)に詳細に記載されている。必要ならば、例えば、米国特許第3,369,970号明細書、特に1欄70行ないし3欄、55行に記載されているように、染色組成物を無水キャリヤーに混和することも可能である。本発明に従った染色組成物はまた、独国特許出願公開第3,829,870号明細書に記載されている、染色くし又は染色ブラシを使用する染色方法に非常に適当である。
【0139】
水性キャリヤー成分は、本発明の染色組成物中に一般量において存在し、例えば、乳化剤は、染色組成物中に、染色組成物の総量に基づき0.5ないし30質量%の濃度で存在し得、及び増粘剤は、染色組成物中に、染色組成物の総量に基づき0.1ないし25質量%の濃度で存在し得る。
【0140】
染色組成物のための更なるキャリヤーは、例えば、“皮膚科学”,Ch.クルナン、H.マイバッハ編,Verlag Marcel Dekker社,ニューヨーク,バーゼル,1986年,第7巻、Ch.ツバィク著のヘアケアの科学,第7章,248〜250頁、特に243頁、1行ないし244頁、12行に記載されている。
【0141】
シャンプーは、例えば以下の組成を有する:
0.01ないし5質量%の本発明の官能化された粒子;
8質量%の二ナトリウムPEG−5ラウリルシトレートスルホスクシネート、ナトリウムラウレススルフェート;
20質量%のナトリウムココアムフォアセテート;
0.5質量%のメトキシPEG/PPG−7/3アミノプロピルジメチコーン;
0.3質量%のヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;
2.5質量%のPEG−200水素化グリセリルパルメート;PEG−7グリセリルココエート;
0.5質量%のPEG−150ジステアレート;
2.2質量%のクエン酸;
香料、防腐剤;及び、
100質量%までの水。
【0142】
本発明の官能化された粒子は、液体ないしペースト状調製物(水性又は非水性)で、又は、乾燥粉末の形態で貯蔵され得る。
【0143】
本発明の官能化された粒子及び補助剤が、液状調製物中に一緒に貯蔵される場合、化合物の反応を減少するため、調製物は実質的に無水であるべきである。
【0144】
本発明に従った染色組成物は、このような調製物のために既知のあらゆる活性成分、添加剤又は補助剤、例えば、界面活性剤、溶媒、塩基、酸、香料、ポリマー状補助剤、増粘剤及び光安定剤を含み得る。
【0145】
以下の補助剤が、好ましくは、本発明の毛髪染色組成物中に使用される:
−非イオン性ポリマー、例えば、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー及びポリシロキサン、
−カチオン性ポリマー、例えば、四級化セルロースエーテル、四級基を有するポリシロキサン、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドポリマー、メルクォート(登録商標:Merquat)280の名で市販で入手可能なジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸のコポリマー、及び毛髪染色におけるその使用は、例えば、独国特許出願公開第4421031号明細書、特に2頁、20行ないし49行又は欧州特許出願公開第953334号明細書に記載される、
−アクリルアミド/ジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー、ジエチル−スルフェート−四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルピロリドンコポリマー、ビニルピロリドン/イミダゾリニウムメトクロリドコポリマー、
−四級化ポリビニルアルコール、
−双性イオン性及び両親媒性ポリマー、例えば、アクリルアミド−プロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー及びオクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/第3ブチルアミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、
−アニオン性ポリマー、例えば、ポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸、ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びアクリル酸/エチルアクリレート/N−第3ブチルアクリルアミドターポリマー、
−増粘剤、例えば、寒天、グアーガム、アルギネート、キサンタンゴム、アラビアゴム、カラヤゴム、ローカストビーン粉、アマニゴム、デキストラン、セルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、デンプン断片及び誘導体、例えば、アミロース、アミロペクチン及びデキストリン、クレー、例えば、ベントナイト又は完全合成ヒドロコロイド、例えば、ポリビニルアルコール、
−構造化剤、例えば、グルコース及びマレイン酸、
−毛髪コンディショニング化合物、例えば、リン脂質、例えば、大豆レシチン、卵レシチン及びセファリン、シリコーンオイル、及びまたコンディショニング化合物、例えば、独国特許出願公開第19729080号明細書、特に2頁、20行ないし49行、欧州特許出願公開第834,303号明細書、特に2頁、18行ないし3頁、2行、又は欧州特許出願公開第312,343号明細書、特に2頁、59行ないし3頁、11行に記載されているもの、
−タンパク質水解物、特にエラスチン、コラーゲン、ケラチン、乳タンパク質、大豆タンパク質及び小麦タンパク質水解物、脂肪酸とのそれらの縮合生成物並びに四級化タンパク質水解物、
−香油、ジメチルイソソルビトール及びシクロデキストリン、
−可溶化剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール及びジエチレングリコール、
−ふけ止め有効成分、例えば、ピロクトーン、オラミン及びジンクオマジン(zinc Omadine)、
−pH値を調節するための物質、
−パンテノール、パントテン酸、アラントイン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、植物抽出物及びビタミン、
−コレステロール、
−下記表に列挙する光安定剤及びUV吸収剤
【表1】

【表2】

【0146】
UV吸収剤の使用は、自然の及び染色した毛髪を、太陽光線による損傷から効果的に保護し、かつ染色した毛髪の洗髪堅牢性を増加させ得る。
【0147】
更に、以下のUV吸収剤又は組み合わせが本発明に従った染色組成物において使用され得る:
−例えば、国際公開第01/36396号パンフレット、特に1頁、20行ないし2頁、24行、及び好ましくは3頁ないし5頁、及び26頁ないし37頁に記載されたようなカチオン性ベンゾトリアゾールUV吸収剤、
−国際公開第01/36396号パンフレット、特に11頁、14行ないし18頁に記載されたような抗酸化剤との組み合わせのカチオン性ベンゾトリアゾールUV吸収剤、
−米国特許第5922310号明細書、特に2欄、1行ないし3行に記載されたような抗酸化剤との組み合わせのUV吸収剤、
−米国特許第4786493号明細書、特に1欄、42行ないし2欄、7行、及び好ましくは3欄、43行ないし5欄、20行に記載されたような抗酸化剤との組み合わせのUV吸収剤、
−米国特許第5830441号明細書、特に4欄、53行ないし56行に記載されたようなUV吸収剤の組み合わせ、
−国際公開第01/36396号パンフレット、特に11頁、9行ないし13行に記載されたようなUV吸収剤の組み合わせ、
−国際公開第98/22447号パンフレット、特に1頁、23行ないし2頁、4行、好ましくは2頁、11行ないし3頁、15行、そして最も好ましくは6頁ないし7頁、及び12頁ないし16頁に記載されたようなトリアジン誘導体。
【0148】
適当な化粧品は、通常、1種又はそれ以上のUV吸収剤を、組成物の総質量に基づき0.05ないし40質量%、好ましくは0.1ないし20質量%含み得る。;
−更なる成分としては稠度調節剤、例えば、糖エステル、ポリオールエステル又はポリオールアルキルエーテル;
−脂肪及びワックス、例えば、鯨ワックス、蜜ワックス、モンタンワックス、パラフィン、脂肪アルコール及び脂肪酸エステル;
−脂肪酸アルカノールアミド;
−150ないし50,000の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、例えば、欧州特許出願公開第801,942号明細書、特に3頁、44行ないし55行に記載されているもの;
−錯化剤、例えば、EDTA、NTA及びホスホン酸;
−膨潤及び浸透物質、例えば、欧州特許出願公開第962,219号明細書、特に27頁、18行ないし38行で広く挙げられているポリオール及びポリオールエーテル、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ブチルグリコール、ベンジルアルコール、炭酸塩、炭酸水素塩、グアニジン、ウレア、及びまた、第一級、第二級及び第三級ホスフェート、イミダゾール、タンニン、ピロール;
−不透明化剤、例えば、ラテックス;
−真珠光沢剤、例えば、エチレングリコールモノ及びジステアレート;
−推進剤、例えば、プロパン−ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2及び空気;
−抗酸化剤;好ましくは、ip.comに開示されるようなフェノール系抗酸化剤及び障害性ニトロキシル化合物(IPCOM#000033153D);
−欧州特許出願公開第970687号明細書に記載されたような糖含有ポリマー、
−国際公開第00/10517号パンフレットに記載されたような四級アンモニウム塩、−グラム陽性菌に対して特定の作用を有する、防腐剤等の抗菌剤、例えば、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、クロロヘキシジン(1,6−ジ(4−クロロフェニル−ビグアニド)ヘキサン)又はTCC(3,4,4’−トリクロロカルバニリド)。多数の芳香族物質及びエーテルオイルがまた、抗菌特性を有する。典型例は、チョウジ油、ミント油及びタイム油中の活性成分、オイゲノール、メントール及びチモールである。興味深い天然消臭剤は、ライム花のオイル中に存在する、テルペンアルコールファルネソール(3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエノ−1−オール)である。グリセロールモノラウレートもまた、静菌剤であることが分かっている。更なる抗菌剤の存在量は、通常、調製物の固体含有量に基づき0.1ないし2質量%である。
【0149】
本発明に従った染色組成物は、一般に、少なくとも1種の界面活性剤を含む。
【0150】
適当な界面活性剤は、双性又は両性、又はより好ましくはアニオン性、非イオン性及び/又はカチオン性界面活性剤である。
【0151】
本発明に従った染色組成物における適当なアニオン性界面活性剤は、人体における使用に適当な全てのアニオン性界面活性物質を含む。このような物質は、水溶性を付与するアニオン基、例えば、カルボキシレート基、スルフェート基、スルホネート基又はホスフェート基及び約10ないし22個の炭素原子を有する親油性アルキル基を特徴とする。加えて、グリコール基又はポリグリコールエーテル基、エステル基、エーテル基及びアミド基及びまたヒドロキシ基が分子中に存在し得る。それぞれナトリウム、カリウム又はアンモニウム塩、又はアルカノール基中に2又は3個の炭素原子を有するモノ、ジ又はトリアルカノールアンモニウム塩の形態の適当なアニオン性界面活性剤の例を以下に記す:
−10ないし22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪酸(石鹸)、
−式R−O−(CH2−CH2−O)x−CH2−COOH(式中、Rは、10ないし22個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基を表わし、及びx=0又は1ないし16である。)で表わされるエーテルカルボン酸、
−アシル基中に10ないし18個の炭素原子を有するアシルサルコシド、
−アシル基中に10ないし18個の炭素原子を有するアシルタウリド、
−アシル基中に10ないし18個の炭素原子を有するアシルイソチオネート、
−アルキル基中に8ないし18個の炭素原子を有するスルホコハク酸モノ−及びジ−アルキルエステル、及びアルキル基中に8ないし18個の炭素原子を有し、1ないし6個のオキシエチル基を有するスルホコハク酸モノアルキルポリオキシエチルエステル、
−12ないし18個の炭素原子を有する直鎖状アルカンスルホネート、
−12ないし18個の炭素原子を有する直鎖状α−オレフィンスルホネート、
−12ないし18個の炭素原子を有する脂肪酸のα−スルホ脂肪酸メチルエステル、
−アルキルスルフェート及び式R’−O(CH2−CH2−O)x'−SO3H(式中、R’は、好ましくは、10ないし18個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基を表わし、x’=0又は1ないし12である。)で表わされるアルキルポリグリコールエーテルスルフェート、
−独国特許出願公開第3,725,030号明細書に記載の界面活性ヒドロキシスルホネートの混合物、
−独国特許出願公開第3,723,354号明細書、特に4頁、42行ないし62行に記載の硫酸化ヒドロキシアルキルポリエチレン及び/又はヒドロキシアルキレンプロピレングリコールエーテル
−独国特許出願公開第3,926,344号明細書、特に2頁、36行ないし54行に記載の、12ないし24個の炭素原子及び1ないし6個の二重結合を有する不飽和脂肪酸のスルホネート、
−酒石酸及びクエン酸とエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド約2ないし15分子と8ないし22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとの付加生成物であるアルコールのエステル、又は、
−国際公開第00/10518号明細書、特に45頁、11行ないし48頁、3行に記載されたようなアニオン性界面活性剤。
【0152】
好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキル基中に10ないし18個の炭素原子を有し、かつ分子中に12個までのグリコールエーテル基を有するアルキルスルフェート、アルキルポリグリコールエーテルスルフェート及びエーテルカルボン酸、及びまた、特に、飽和及び特に不飽和の炭素原子数8ないし22のカルボン酸、例えば、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸及びパルミチン酸の塩である。
【0153】
分子中に少なくとも1種の四級アンモニウム基及び少なくとも1種の−COO-又は−SO3-基を有する界面活性化合物が、双性イオン性界面活性剤と呼ばれる。好ましいものは、いわゆるベタイン、例えば、アルキル基又はアシル基中に8ないし18個の炭素原子を有するN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアル
キルジメチルアンモニウムグリシネート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート及び2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン、及びまたココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン性界面活性剤は、CTFA名ココアミドプロピルベタインとして知られる脂肪酸アミド誘導体である。
【0154】
両性界面活性剤は、炭素原子数8ないし18のアルキル基又はアシル基に加えて、少なくとも1種の遊離アミノ基及び少なくとも1種の−COOH又は−SO3H基を分子中に有し、そして内部塩を形成することができる界面活性化合物である。適当な両性界面活性剤の例は、いずれもアルキル基中に約8ないし18個の炭素原子を有するN−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピン酸及びアルキルアミノ酢酸を含む。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート及び炭素原子数12ないし18のアシルサルコシンである。
【0155】
適当な非イオン性界面活性剤は、国際公開第00/10519号パンフレット、特に45頁、11行ないし50頁、12行に記載されている。
非イオン性界面活性剤は、親水性基として、例えばポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基又はポリオール基とポリグリコールエーテル基との組み合わせを含む。
【0156】
このような化合物は、例えば、以下のものである:
−エチレンオキシド2ないし30モル及び/又はプロピレンオキシド0ないし5モルと、8ないし22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪アルコール、12ないし22個の炭素原子を有する脂肪酸及びアルキル基中に8ないし15個の炭素原子を有するアルキルフェノールとの付加生成物、
−エチレンオキシド1ないし30モルとグリセロールとの付加生成物の炭素原子数12ないし22の脂肪酸モノ及びジエステル、
−炭素原子数8ないし22のアルキルモノ及びオリゴグリコシド及びそれらのエトキシ化類似体、
−エチレンオキシド5ないし60モルとヒマシ油及び水素化ヒマシ油との付加生成物、
−エチレンオキシドとソルビタン脂肪酸エステルとの付加生成物、
−エチレンオキシドと脂肪酸アルカノールアミドとの付加生成物。
【0157】
エチレン及び/又はプロピレンオキシドと脂肪アルコールの付加生成物又はこのような付加生成物の誘導体である界面活性剤は、‘‘通常(normal)の’’同族体分布を有する生成物又は制限された同族体分布を有する生成物であり得る。‘‘通常の’’同族体分布は、触媒としてアルカリ金属、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ金属アルコラートを使用した脂肪アルコールとアルキレンオキシドの反応において得られる同属体の混合物である。他方、例えば、ハイドロタルサイト、エーテルカルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ金属酸化物、水酸化物又はアルコラートが触媒として使用される場合、制限された同族体分布が得られる。
【0158】
制限された同族体分布を有する生成物の使用が好まれ得る。
【0159】
本発明に従った染色組成物中に使用され得るカチオン性界面活性剤の例は、特に四級アンモニウム化合物である。好ましいものは、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、及びトリアルキルメチルアンモニウムクロリ
ド、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びトリセチルメチルアンモニウムクロリドのようなアンモニウムハライドである。本発明に従って使用され得る更なるカチオン性界面活性剤は、四級化タンパク質水解物である。
【0160】
例えば、市販で入手可能な生成物、Q2−7224(製造者:ダウ コーニング;安定化されたトリメチルシリルアモジメチコン(trimethylsilylamodimethicone))、ダウ コーニング 929乳濁液(ヒドロキシアミノ変性シリコーンを含みアモジメチコーンとしても言及される。)、SM−2059(製造者:ジェネラル エレクトリック)、SLM−55067(製造者:ワッカー)及びまた、アビル(登録商標:Abil)−クォート3270及び3272(製造者:Th.ゴールドシュミッド;ジ四級ポリジメチルシロキサン、クォーターニウム−80(quaternium−80)のようなカチオン性シリコーンオイル、又は、国際公開第00/12057号パンフレット、特に45頁、9行ないし55頁、2行に記載されたようなシリコーンもまた適当である。
【0161】
アルキルアミドアミン、特に、テゴ アミド(登録商標:Tego Amid)18の名で得られ得るステアリルアミドプロピルジメチルアミンのような脂肪酸アミドアミンもまた、本発明の染色組成物中の界面活性剤として好ましい。それらは、良好な状態調節作用によってだけではなく、特にそれらの良好な生物分解性によってもまた区別される。
【0162】
四級エステル化合物、ステパンテックス(登録商標:Stepantex)の登録商標下で市販されているメチルヒドロキシアルキルジアルコイルオキシアルキルアンモニウムメトスルフェートのような、いわゆる、“エステルクォーツ”はまた、非常に容易に生物分解可能である。
【0163】
カチオン性界面活性剤として使用され得る四級糖誘導体の例は、CTFA名‘‘ラウリルメチルグルセス−10ヒドロキシプロピルジモニウムクロリド’’、市販品グルククォート(登録商標:Glucquat)100である。
【0164】
界面活性剤として使用されるアルキル基含有化合物は単一の物質であり得るが、このような物質の製造には植物又は動物起源の天然原料の使用が一般的に好ましく、その結果、得られる物質混合物は、使用される特定の出発物質に従った異なるアルキル鎖長を有する。
【0165】
通常、染料組成物は、50ないし100gの量でケラチン含有繊維に適用される。
【0166】
本発明の官能化された粒子は、毛髪の全体的染色、即ち、初めて髪を染色する場合、及びまた、その後再染色する場合、又は髪の房を又は部分染色する場合に適当である。
【0167】
本発明の官能化された粒子は、例えば、手によるマッサージ、くし、ブラシ、又はボトル、又はくしもしくはノズルを組み合わせたボトルによって毛髪に適用される。
【0168】
本発明に従った染色方法において、更なる染料の存在下において染色が行われるか否かは、得るべき色調に依存し得る。
【0169】
更に好ましいのは、本発明の官能化された粒子の少なくとも1種、塩基及び酸化剤を用いてケラチン含有繊維を処理することを含むケラチン含有繊維の染色方法である。
【0170】
酸化染色方法は、通常、淡色化、即ち塩基性のpHにおいて、ケラチン含有繊維に塩基と過酸化水素水溶液の混合物を適用し、適用した混合物を毛髪上で放置し、そしてその後、毛髪をすすぐことを含む。これにより特に、毛髪染色の場合、メラニン色素を減色させ、そして毛髪を染色させる。
【0171】
メラニン色素を減色させることは、白髪の場合、平均的に染色する有利な効果を、天然色素の毛髪の場合、色を引き出す、即ちより目立つようにする有利な効果を有する。
【0172】
一般に、酸化剤を含む組成物は、通常、30ないし200gの量を、繊維上に、0ないし15分間、特に0ないし5分間、15ないし45℃において放置される。
【0173】
酸化剤は、例えばペルスルフェート、又は希釈過酸化水素溶液、過酸化水素エマルジョン、又は過酸化水素ゲル、アルカリ土類金属ペルオキシド、有機ペルオキシド、例えばウレアペルオキシド、メラミンペルオキシドであり、半永久性の直接毛髪染料に基づく色調粉末が使用される場合、アルカリ金属ブロメート固定剤も適用可能である。
【0174】
更に好ましい酸化剤は、
−国際公開第97/20545号パンフレット、特に9頁、5行ないし9行に記載の軽い着色を達成するための酸化剤、
−独国特許出願公開第19713698号明細書、特に、4頁、52行ないし55行、及び60行ないし61行、又は欧州特許出願公開第1062940号明細書、特に、6頁、41行ないし47行(及び対応する国際公開第99/40895号パンフレット)に記載されたようなパーマネントウェーブ固定溶液の形態の酸化剤、
である。
【0175】
最も好ましい酸化剤は、過酸化水素であり、好ましくは対応する組成物の約2ないし30質量%、より好ましくは約3ないし20質量%、そして最も好ましくは6ないし12質量%の濃度で使用される。
【0176】
酸化剤は、好ましくは、染色組成物の総質量に基づき、0.01%ないし6%、特に0.01%ないし1%の量で本発明に従った染色組成物中に存在し得る。
【0177】
一般に、酸化剤を用いた染色は、塩基、例えばアンモニア、アルカリ金属炭酸塩、土類金属(カリウム又はリチウム)炭酸塩、アルカノールアミン、例えばモノ−、ジ−又はトリエタノールアミン、アルカリ金属水酸化物(ナトリウム)、土類金属水酸化物又は式
【化25】

(式中、
Rは、OH又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換され得るプロピレン残基を表わし、
3、R4、R5及びR6は、各々互いに独立せずに又は独立して、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はヒドロキシ−(炭素原子数1ないし4)アルキル基を表わす。)で表わされる化合物の存在下において行われる。
【0178】
酸化剤を含む組成物のpH値は、通常、約2ないし7、及び特に約2ないし5である。
【0179】
ケラチン含有繊維、好ましくは毛髪上への本発明の官能化された粒子を含む配合物の好
ましい適用方法の1つは、例えば、国際公開第97/20545号パンフレット、4頁、19行ないし27行に記載されるような、多区画染色装置又は‘‘キット’’又は他のあらゆる多区画パッキング系を使用することである。
【0180】
第一区画は、例えば、本発明の官能化された粒子の少なくとも1種、及び所望により更なる直接染料及び塩基化剤を含み、そして第二区画において、酸化剤を含む;又は、第一区画において、本発明の官能化された粒子の少なくとも1種及び所望により、更なる直接染料を含み、第二区画において、塩基化剤を含み、第三区画において、酸化剤を含む。
【0181】
一般に、毛髪は、染色溶液及び/又はパーマネントウェーブ溶液で処理した後、すすがれる。
【0182】
本発明の更なる好ましい態様は、酸化染料を用いた毛髪の染色方法であって、
a.本発明の官能化された粒子の少なくとも1種及び所望により、少なくとも1種のカップリング化合物及び少なくとも1種の顕色化合物及び酸化剤、及び所望により少なくとも1種の更なる染料を混合すること、並びに
b.ケラチン含有繊維を工程aで調製した混合物と接触させること
を含む染色方法に関する。
【0183】
酸化剤を含まない組成物のpH値は、通常、3ないし11、及び特に5ないし10、そして最も特には約9ないし10である。
【0184】
好ましくは、すぐ使用できる組成物は、第1の好ましい態様に従って、一方に、染色のために適当な媒体中に、特に、パラ−フェニレンジアミン及びビス(フェニル)アルキレンジアミン及びそれらの酸付加塩から選択された少なくとも1種の顕色化合物、特に、メタ−フェニレンジアミン及びその酸付加塩から選択された少なくとも1種のカップリング剤、及び本発明の官能化された粒子の少なくとも1種を含む組成物(A)を、他方に、染色のために適当な媒体中に、少なくとも1種の酸化剤を含む組成物(B)を別々に貯蔵し、そしてケラチン含有繊維へ使用する直前に、(A)及び(B)を一緒に混合することを含む予備工程を含むプロセスによって、製造される。
【0185】
すぐ使用できる染料組成物の製造のための第2の好ましい態様に従って、方法は、一方に、染色のために適当な媒体中に、特に、パラ−フェニレンジアミン及びビス(フェニル)アルキレンジアミン及びそれらの酸付加塩から選択された少なくとも1種の顕色化合物、特に、メタ−フェニレンジアミン及びその酸付加塩から選択された少なくとも1種のカップリング剤を含む組成物(A)を、他方に、染色のために適当な媒体中に、本発明の官能化された粒子の少なくとも1種を含む成分(A’)を、そして最後に、染色のために適当な媒体中に、少なくとも1種の上記したような酸化剤を含む組成物(B)を別々に貯蔵し、そしてこの混合物をケラチン含有繊維へ適用する直前に、それらを一緒に混合することからなる予備工程を含む。
【0186】
この第2の態様に従って使用される組成物(A’)は、所望により粉末形態であり得り、この場合、本発明の官能化された粒子(類)(それら自体)は前記組成物(A’)の全てを構成するか、又は任意に有機及び/又は無機微粉賦形剤中に分散される。
【0187】
有機賦形剤が組成物(A’)中に存在する場合、有機賦形剤は、合成物又は天然由来の物であり得、そして特に、架橋及び未架橋合成ポリマー、セルロース及び変性又は未変性澱粉のようなポリサッカリド、並びにおがくず及び植物ゴム(グアーゴム、カロブゴム、キサンタンゴム等)等の天然物から選択される。
【0188】
無機賦形剤が組成物(A’)中に存在する場合、無機賦形剤は、酸化チタン、酸化アルミニウムのような金属酸化物、カオリン、タルク、珪酸塩、雲母及びシリカを含み得る。
【0189】
本発明に従った染色組成物中に非常に適当な賦形剤は、おがくずである。
【0190】
粉末化された組成物(A’)はまた、結合剤又はコーティング製造物を、前記組成物(A’)の総質量に比して、好ましくは約3質量%を超えない量で含み得る。これらの結合剤は、好ましくは、無機、合成、動物又は植物起源のオイル及び液体脂質物質から選択される。
【0191】
更に、本発明は、自己酸化性化合物及び所望により更なる染料と一緒に、本発明の官能化された粒子を用いてケラチン含有繊維を染色する方法に関する。
【0192】
更に、本発明は、本発明の官能化された粒子及びキャップ化されたジアゾ化化合物を用いたケラチン含有繊維の染色方法であって、
a.少なくとも1種のキャップ化されたジアゾ化化合物及びカップリング化合物、及び所望により顕色化合物、及び所望により酸化剤、及び所望に本発明の官能化された粒子の少なくとも1種を用いて、所望により更なる染料の存在下において、アルカリ条件下でケラチン含有繊維を処理すること、及び、
b.所望により、更なる染料及び所望により、本発明の官能化された粒子の少なくとも1種の存在下において、酸を用いて処理することによってpHを6ないし2の範囲内に調整すること
を含むが、但し、工程a又はbの少なくとも1方において、本発明の官能化された粒子の少なくとも1種が存在するところの染色方法に関する。
【0193】
キャップ化されたジアゾ化化合物及びカップリング化合物及び所望により、酸化剤及び顕色化合物は、あらゆる所望の順序で連続的に又は同時に適用され得る。
【0194】
好ましくは、キャップ化されたジアゾ化化合物及びカップリング化合物は、一つの組成物中に、同時に適用される。
【0195】
‘‘アルカリ条件’’は、8ないし10、好ましくは9ないし10、特に9.5ないし10の範囲のpHを示し、そしてそれは、塩基、例えば炭酸ナトリウム、アンモニア又は水酸化ナトリウムの添加によってなされる。
【0196】
塩基は、毛髪、染料前駆体、キャップ化されたジアゾ化化合物及び/又は水溶性カップリング成分へ又は染料前駆体を含む染色組成物へ添加され得る。
【0197】
酸は、例えば酒石酸又はクエン酸、クエン酸ゲル、所望により、酸性染料との適当な緩衝溶液である。
【0198】
第一段階において適用されるアルカリ性染色組成物の量と第二段階において適用される酸性染色組成物の量の比は、好ましくは約1:3ないし3:1、特に約1:1である。
【0199】
以下の実施例は、本発明を制限することなく、説明するために用いられる。特に記載がない限りは、部及びパーセント(%)は質量に対するものである。特定の染料の量は着色する材料に対するものである。
【実施例】
【0200】
実施例A−製造方法
実施例A1:3−アミノプロピルシラン変性シリカナノ粒子
ルドックスTMA(ヘルム アーゲー、水中34%のナノシリカ分散液) 510gをエタノール(EtOH) 2490gと混合した。3−アミノプロピル−トリメトキシシラン(フルカ プルム) 345gを均一な混合物に滴下添加した。添加後、混合物を、50℃で18時間加熱した。その後、回転エバポレーター中でEtOH/H2Oを蒸発させることによって、該混合物の体積を約1Lまで減少させた。計4Lのヘキサンを添加し、混合物を強く振盪し、そして分離漏斗中で2相に分離させ、未反応のアミノシランを除去した。回転エバポレーター中で真空にて、水/エタノールの下相を濃縮して湿潤ペーストとし、そしてその後、エタノール 1L中で再懸濁させた。固体含量27.3質量%の溶液を、計1199g得た。
分析値:
熱重量分析(TGA;加熱速度:10℃/分で50℃ないし600℃):質量損失:有機材料の25.2%に相当する。
元素分析:実測値:C:17.68%,H:4.65%,N:6.73%:有機含量の28.1%に相当し、TGA値と比較的十分に一致している。
透過型電子顕微鏡(TEM):35ないし40nmの平均径が、個々の粒子で観察された。
動的光散乱(DLS):平均径d=90ないし110nm。
【0201】
実施例A2:3−アミノプロピルシラン変性アルミナナノ粒子
【化26】

アルミナナノ粒子(ナイアコル コーポレーション、ナイアコル Al20 DW、水中22%のナノアルミナ分散液) 150gをエタノール(EtOH) 250mLと混合した。3−アミノプロピルトリメトキシシラン(フルカ プルム) 27gをこの均一な混合物に滴下添加した。添加後、混合物を、50℃で15時間加熱した。その後、回転エバポレーター中でEtOH/H2Oを蒸発させることによって、該混合物の体積を約1Lまで減少させた。得られた個体を、EtOH中で再懸濁させて、不透明な分散液 11.4質量%とした。
分析値:
熱重量分析(TGA;加熱速度:10℃/分で50℃ないし800℃):質量損失:有機材料の27.9質量%に相当する。
元素分析:実測値:N:4.16質量%:有機含量の17.3質量%に相当する。TGAとEAの差は、無機マトリックスからの水及び熱処理中の表面上の縮合プロセスから発生した水の損失のためにもたらされる。
透過型電子顕微鏡(TEM):50ないし60nmの平均径が、個々の一次粒子で観察された。
動的光散乱(DLS):平均径d=164nm。
【0202】
実施例A3:
a)式(101)で表わされるアントラキノン染料(前駆体)の製造
【化27】

1−フルオロ−アントラキノン 6.0g、ヘキサノールアミン(フルカ) 3.4g及び炭酸カリウム 4.0gの混合物を、出発フッ化物が消費されるまで、95℃において25時間、攪拌しながら加熱した。その後、反応混合物を濾過した。赤色残渣を酢酸エチルで処理し、そして1N 塩化水素(3回)、飽和塩化水素ナトリウム溶液及び塩水で連続して抽出した。溶媒を蒸発させて、赤色残渣を得、該残渣を短いシリカゲルカラム(230ないし400メッシュ、フルカ)及び溶離液(ヘキサン−酢酸エチル 10:2(v/v))を経て精製して、所望の式(101)で表わされる赤色アルコール 6.3gを得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):1.40−1.81(m,8H);3.26(ddd,2H);3.66(t,2H);6.98(dd,1H);7.45(ddd,1H);7.50(dd,1H);7.62−7.73(m,2H);8.15−8.22(m,2H).
13C−NMR(CDCl3,75MHz):25.85;27.29;29.34;32.79;43.06;62.70;112.94;115.76;118.11;126.78;126.83;133.05;133.13;134.13;134.74;135.18;135.45;151.78;184.06;184.99.
【0203】
b)式(102)で表わされるアントラキノン染料の製造
【化28】

式(101)で表わされる化合物を、生体触媒 ノボ 435(ノボザイム、デンマーク国)の存在下でエステル化した。50℃、約450ミリバールの真空下で、式(101)で表わされる化合物 10.0g、アクリル酸メチルエステル 22.2mL及び生体触媒 5.0gを、式(101)で表わされる出発化合物の全てが消費されるまで、トルエン 75mL中で24時間、反応させた。その後、混合物を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、そして溶媒を蒸発させた。真空下で乾燥させた後、所望の式(102)で表わされる赤色アクリルエステル 11.5gを得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):1.35−1.77(m,8H);3.25(dt,2H);4.10(t,2H);5.73(dd,1H);6.04(dd,1H);6.28(dd,1H);6.96(dd,1H);7.44(dd,1H);7.50(dd,1H);7.60(dt,1H);7.66(dt,1H);8.14(m,2H);9.64(ブロード,t,1H).
13C−NMR(CDCl3,75MHz):26.15;27.23;28.93;29.40;43.19;64.77;113.11;115.77; 117.98;126.83;126.88;128.78;130.67;133.04;133.22;134.06;134.87;135.22;135.43;151.90;166.40;183.87;185.04.
【0204】
実施例A4:
a)式(103)で表わされるアントラキノン染料(前駆体)の製造
【化29】

1−N−メチル−4−ブロモアントラキノン 1.0g、6−アミノヘキサノール(フルカ) 1.0g、炭酸カリウム 0.6g及び銅粉末 0.2gをトルエン5mL中で100℃において26時間加熱した。反応混合物を濾過し、アセトンで洗浄し、残渣をジクロロメタン中に溶解させた。青色溶液をシリカゲルカラム(230ないし400メッシュ、フルカ)に適用し、そしてジクロロメタン−メタノール 10:2(v/v)で溶離して、所望の式(103)で表わされる青色溶液 0.5gを得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):1.32−1.61(m,6H);1.69(quint.,2H);2.99(d,3H);3.29(q,2H);3.58(t,2H);7.10(dd,2H);7.60(dd,2H);8.21(dd,2H);10.51(ブロード,1H);10.64(ブロードt,1H).
13C−NMR(CDCl3,75MHz):25.86;27.27;29.83;29.88;32.95;43.11;63.04;109.90;110.09;123.24;123.69;126.17(2xC);132.10(2xC);134.03;134.68;146.34;147.03;182.35(2xC).
【0205】
b)式(104)で表わされるアントラキノン染料の製造
【化30】

実施例A3b)と同様にして、式(103)で表わされるアルコール 5.0gを、生体触媒及びメタクリル酸メチルエステル 4.0gの存在下において、式(104)で表わされるエステルに転換した。触媒から濾過し、ジクロロメタンで生体触媒を洗浄した後、式(104)で表わされるエステル 5.8gを得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):1.35−1.76(m,8H);3.02(d,3H);3.32(dt,2H);4.09(t,2H);5.74(dd,1H);6.04(dd,1H);6.28(dd,1H);7.15(s,2H);7.61(m,2H);8.23(m,2H);10.53(ブロード q,1H);10.66(ブロード t,1H).
【0206】
実施例A5:カチオン性の表面基を有するアントラキノン変性シリカナノ粒子
反応スキーム:
【化31】

合成を丸底フラスコ中で行った。3−アミノプロピルシラン変性シリカナノ粒子(上記の実施例A1に従って得ることができる、N:6.73質量%) 26.2質量%を含むジメチルアセトアミド(DMA)分散液 3.25gをDMA 10g中式(102)で表わされるアントラキノン化合物 0.775gの溶液と混合した。反応混合物を、50℃で15時間攪拌した。その後、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート 0.59gを反応分散液に添加し、そして再度、50℃で15時間攪拌した。その後、アクリル基は、1H−NMRで分析されなかった。その後、ヨウ化メチル 0.6gをこの分散液にゆっくりと添加して、反応を50℃で15時間行った。冷却した後、赤色に着色した反応分散液の溶媒を、回転エバポレーターを使用して蒸発させた。水中に容易に再分散可能なえんじ色の樹脂を得た。
分析値:
熱重量分析(TGA;加熱速度:10℃/分で50℃ないし800℃):質量損失:有機材料の85.1質量%に相当する。
動的光散乱(DLS):平均径d=65nm。
UV/VIS:λmax=549nm
【0207】
実施例A6:カチオン性の表面基を有するアントラキノン変性シリカナノ粒子
反応スキーム:
【化32】

合成を丸底フラスコ中で行った。3−アミノプロピルシラン変性シリカナノ粒子(上記の実施例A1に従って得ることができる、N:6.73質量%) 26.2質量%を含むDMA分散液 3.25gをDMA 10g中式(102)で表わされるアントラキノン化合物 0.775gの溶液と混合した。反応混合物を、50℃で15時間攪拌した。その後、反応混合物を氷/水浴を使用して0℃まで冷却した。その後、以下の式(105)
【化33】

で表わされる化合物 0.405g及び1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド 0.43gを反応分散液に添加し、0℃において5時間攪拌した。その後、反応分散液を室温までもどした。赤色分散液を得た。回転エバポレーターを用いて溶媒を蒸発させた後、得られた樹脂を、水/アセトン混合物(1:1) 50mL中に再分散させ、そして2000rpmで20分間、遠心分離した。溶媒を固体から分離し、そして新たな溶媒を添加した。遠心分離を使用した洗浄手段を5回繰り返した。その後、赤色生成物を水中に再分散させて、固体含量 5質量%の分散液を得た。
分析値:
熱重量分析(TGA;加熱速度:10℃/分で50℃ないし800℃):質量損失:有機材料の60質量%に相当する。
動的光散乱(DLS):平均径d=127nm。
UV/VIS:λmax=547nm
【0208】
実施例A7:カチオン性の表面基を有するアントラキノン変性シリカナノ粒子
3−アミノプロピルシラン変性シリカナノ粒子(実施例A1に従って得ることができる、N:6.73質量%) 26.2質量%を含む分散液 1.12gをMPEG(8)アクリレート(=ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、CAS登録番号 32171−39−4、アルドリッチ、MW=454) 1.9g及びエタノール 30mL中式(104)で表わされるアントラキノン染料アクリレート(実施例A4に従
って得ることができる) 0.3gの溶液と混合した。反応混合物を50℃で15時間攪拌した。その後、反応混合物を室温まで冷却した。その後、1H−NMRによって、アクリル基に基づく小さなシグナルが分析された。分散液を3000rpmにおいて15分間、遠心分離することによって洗浄した。青色固体をエタノールを用いて洗浄し、水/エタノール中で再分散させ、再度、遠心分離した。1H−NMR分析において、アクリル結合が観察されなくなるまで、洗浄プロセスを繰り返した。その後、生成物を、水中に再分散させ、2mol/L HCl溶液 1mLを添加した。最終青色分散液のpHは、2であった。
分析値:
熱重量分析(TGA;加熱速度:10℃/分で50℃ないし800℃):質量損失:有機材料の59質量%に相当する。
動的光散乱(DLS):平均径d=2250nm。
【0209】
実施例A8:カチオン性の表面基を有するアントラキノン変性シリカナノ粒子
3−アミノプロピルシラン変性シリカナノ粒子(実施例A1に従って得ることができる、N:6.73質量%) 26.2質量%を含む分散液 3.25gをMPEG(8)アクリレート(=ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、CAS登録番号 32171−39−4、アルドリッチ、MW=454) 0.93g及びエタノール
40mL中式(102)で表わされるアントラキノン染料アクリレート(実施例A3に従って得ることができる) 0.78gの溶液と混合した。反応混合物を50℃で15時間攪拌した。その後、反応混合物を室温まで冷却した。その後、1H−NMRによって、アクリル基に基づく小さなシグナルが分析された。分散液を3000rpmにおいて15分間、遠心分離することによって洗浄した。赤色固体をエタノールを用いて洗浄し、水/エタノール中で再分散させ、再度、遠心分離した。1H−NMR分析において、アクリル結合が観察されなくなるまで、洗浄プロセスを繰り返した。その後、生成物を、水中に再分散させ、2mol/L HCl溶液を添加し、pH値を2に調整した。
分析値:
熱重量分析(TGA;加熱速度:10℃/分で50℃ないし800℃):質量損失:有機材料の62質量%に相当する。
動的光散乱(DLS):平均径d=180nm。
UV/VIS(水):λmax=518nm(pH2)、524nm(pH5)。
【0210】
実施例A9:カチオン性の表面基及びFe2+錯体基で変性されたシリカナノ粒子表面
反応スキーム:
【化34】

以下に記載した合成を丸底フラスコ中で行った。3−アミノプロピルシラン変性シリカナノ粒子(実施例A1に従って得ることができる、N:6.73質量%) 26.2質量%を含む分散液 3gをMPEG(8)アクリレート(=ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、CAS登録番号 32171−39−4、アルドリッチ、MW=454) 1.2g及びTHF 30g中配位子(I)[該配位子の構造については、上記反応スキーム参照。] 0.425gの溶液と混合した。反応物を50℃で15時間攪拌した。その後、反応混合物を室温まで冷却した。その後、1H−NMRによって、アクリル基は分析されなかった。回転エバポレーターを用いて溶媒を蒸発させた後、得られた樹脂を、水85g及びエタノール 3gの混合物中に再分散させた。並行して、新たなFe3+の60mmol溶液AをFeCl3・6H2Oを用いて調製した。更に、新たなビタミンCの60mmol溶液Bを調製した。
ナノ粒子分散液に溶液A及びBをそれぞれ18mL添加すると、直ちに、乳白色から紫色に変色した。超音波処理を使用して、反応及び錯体形成を行い、そして暗紫色に着色したナノ粒子分散液を得た。
分析値:
熱重量分析(TGA;加熱速度:10℃/分で50℃ないし800℃):質量損失:有機材料の79質量%に相当する。
動的光散乱(DLS):平均径d=91nm。
UV/VIS(水):λmax=571nm
【0211】
実施例A10:アゾ染料変性シリカナノ粒子
反応スキーム:
【化35】

実施例A1に従って得られたエタノール懸濁液を真空中で濃縮した乾燥させ、そしてイソプロパノール中で再懸濁させて、固体含量27.8質量%の懸濁液を得た。還流冷却器及び滴下漏斗を備えた丸底フラスコ中で、該懸濁液 5gを還流温度まで加熱した。その後、イソプロパノール 40mL中式(106)
【化36】

で表わされる化合物(国際公開第2004/076564号パンフレットに記載されるように製造) 1.0gの溶液を、還流温度において、6時間かけて添加した。結果として得られた赤色沈殿物を濾去し、そしてイソプロパノール 50mLで2時間還流した。濾過後、生成物を真空中で乾燥させて、赤色粉末 2.7gを得、水中に再分散させた。
分析値:
元素分析:実測値:C:33.22質量%,H:4.57質量%,N:12.75質量%,50.54質量%の有機含量に相当する。
動的光散乱(DLS):平均径d=69nm。
走査型電子顕微鏡(SEM):観察された粒子のサイズは30ないし70nmの範囲内である。
UV/VIS(水):λmax=505nm
【0212】
実施例A10において、同じ反応条件下で、式(106)で表わされるフルオロ−置換染料が式(107)
【化37】

で表わされるメトキシ−置換染料(米国特許第2004187231号明細書と同様に製造)に置き換えられる場合、同一の生成物が得られる。
【0213】
実施例A5ないしA10において、3−アミノプロピルシラン変性アルミナナノ粒子(実施例A2に従って得ることができる)が3−アミノプロピルシラン変性シリカナノ粒子
の代わりに使用される場合、対応する官能化されたアルミナナノ粒子を得ることができる。
【0214】
実施例A11:
テトラエトキシシラン(18g)、アンモニア(水中25%溶液、8.9g)及びエタノール(210g)の混合物を室温で一晩攪拌した。その後、(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン(5.20g)を最初の分散液 110gに添加し、そして、混合物を55℃において一晩加熱した。その後、混合物を室温まで冷却し、そして溶媒の3/4を蒸発させた。等量のヘキサンを添加し、そして混合物を遠心分離した。結果として得られた母液をデカンテーションにより除去し、そして白色固体を、再度、ヘキサンで洗浄した。その後、これらの官能化シリカ粒子をエタノール中で再分散させた。該分散液(10mL、固体物質 0.17g)及び式(106)で表わされる化合物(0.2g)及びイソプロパノール(10mL)の混合物を還流にて一晩加熱した。その後、該混合物を室温まで冷却し、そして赤色沈殿物を濾過し、エタノールで洗浄し、その後、アセトンで洗浄して、カチオン性染料官能化ナノ粒子を赤色粉末として得た(0.155g)。DLS及びSEMは、それぞれ、平均径90nm及び約70nmの単分散粒子を示した。TGAは、有機材料の44.065%に相当する損失を示し、そして元素分析は27.71%(C、H、N)を示した。UV/VIS(水):λmax=505nm
【0215】
実施例A12ないしA16:
上記の実施例A11の方法におけるシラン/アンモニア/エタノール比の変更により、様々なシリカナノ粒子サイズが得られる。上記の実施例A11と同様の方法における、これらの様々なサイズの粒子の反応により、以下の近似直径を有するカチオン性染料官能化ナノ粒子が得られる:
【表3】

*技術等級のエタノールを使用。
**O 18.75mLも添加。
EA=C、H及びNの総量の元素分析(生成物の質量に基づく質量%)。
【0216】
実施例A17ないしA18:
実施例A10で使用した式(106)で表わされる染料の量を変更することにより、アミノプロピル基及びカチオン性染料の混合物で置換された粒子を得た。
反応スキーム:
【化38】

実施例A1に従って得ることができるアミノプロピル−置換ナノ粒子、式(106)で表わされる染料及びイソプロパノールの混合物を還流にて一晩加熱した。その後、混合物を室温まで冷却し、濾過し、イソプロパノールで洗浄した。この固体をイソプロパノール中で還流にて1時間以上加熱し、その後、室温まで冷却し、濾過し、イソプロパノールで洗浄し、その後、ジエチルエーテルで洗浄した。これにより、生成物をえんじ色の固体として得た。
【表4】

【0217】
実施例A19:
反応スキーム:
【化39】

カチオン性染料及び実施例A10に従って得ることができるアミノ−置換ナノ粒子(250mg)、ジメチルスルフェート(1.715g)、炭酸カリウム(2.257g)及びメタノール(100mL)を還流にて一晩加熱した。その後、混合物を室温まで冷却し、そして白色沈殿物を濾去した。その後、ジエチルエーテル(200mL)を添加し、そして再度、白色沈殿物を濾去した。1時間、放置すると、濾液は、えんじ色の沈殿物を形成し、そして、それを濾去し、ジエチルエーテルで洗浄して、生成物を、えんじ色の固体として得た(170mg)。
【0218】
実施例A20及びA21:
実施例A19と同様の反応条件下において、実施例A17及びA18に従って得ることができる生成物をジメチルスルフェート(DMS)で処理した。
【表5】

【0219】
実施例A22:
反応スキーム:
【化40】

実施例A10に従って得ることができる生成物(300mg)及び無水酢酸(10mL)の混合物を110℃にて2時間加熱した。その後、混合物を室温まで冷却し、アセトン(30mL)を添加し、そして形成した沈殿を濾過し、再度アセトンで洗浄し、その後、ジエチルエーテルで洗浄して、生成物を、赤色固体として得た(240mg)。元素分析は、C:27.68;H:4.31;N:10.54%を示した。
【0220】
実施例A23:
工程1:式(108)ないし(110)で表わされる化合物の製造
【化41】

式(107)で表わされる染料(2.0g)、1,3−ジアミノプロパン(2.22g)及びアセトニトリル(15mL)の混合物を、55℃にて3時間加熱した。その後、混合物を室温まで冷却し、ジエチルエーテル 50mLを添加し、そして赤色沈殿物を濾過し、再度ジエチルエーテルで洗浄して、アミノプロピル置換染料を得た。その後、該アミノプロピル−置換染料(500mg)を、アセトニトリル 10mL中で塩化クロロアセチル(220mg)及びトリエチルアミン(327g)で処理し、そして室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させた後、カラムクロマトグラフィー(SiO2、溶離液 H2O/EtOAc/n−BuOH/HCO2H)を行って、式(108)で表わされるクロロアセトアミドを赤色固体として得た(320mg)。
それぞれ、炭素原子数6及び炭素原子数12の鎖を有する式(109)及び式(110)で表わされる化合物を同様の方法で製造した。
【0221】
工程2:式
【化42】

で表わされる化合物の製造
実施例A1に従って得ることができるアミノプロピル−置換ナノ粒子(0.4g、エタノール中26.2%分散液)、式(108)で表わされるクロロアセトアミド(200mg)、炭酸カリウム(72mg)及びイソプロパノール(15mL)の混合物を90℃で一晩加熱した。その後、混合物を室温まで冷却し、そして沈殿物を濾過し、イソプロパノ
ール、アセトン、その後水の順で洗浄した。これにより、上記式で表わされる結合した粒子を、赤色固体として得た(189mg)。TEMは、平均径 約40nmの単分散粒子を示した。TGAは、有機材料の47.46%に相当する損失を示し、及び元素分析はC:24.59;H:3.68;N:9.68%を示した。
【0222】
実施例A24:
【化43】

上記化合物を、式(110)で表わされる化合物を使用し、実施例A23と同様にして製造した。TGAは、有機材料の41.74%に相当する損失を示した。元素分析はC:22.93;H:3.05;N:4.13%を示した。更に水で洗浄すると、元素分析はC:36.54;H:4.89;N:6.72%を示した。TEM分析は、直径 30ないし40nmの均一な球形を示した。
【0223】
実施例A25:
【化44】

上記化合物を、式(109)で表わされる化合物を使用し、実施例A23と同様にして製造した。TGAは、有機材料の38.44%に相当する損失を示した。元素分析はC:29.62;H:4.22;N:8.70%を示した。TEMは、30ないし40nmの均一な球形を示した。
【0224】
実施例B/適用
染色した毛髪の洗髪堅牢性を、Herbst&Hunger,第2版.engl.p.61,no.10:DIN 54001−8−1982,‘‘Herstellung und Bewertung der Anderung der Farbe’’,ISO 105−A02−1993による工業用有機顔料に従ったグレースケールを使用して分析した。
【0225】
実施例B1:
上記実施例A6に従って得ることができる官能化された粒子 50mgを、水 50g中に分散させた。この赤色染色剤を乾いている毛髪(2房のブロンド色の毛髪、2房のミドルブロンド色の毛髪及び2房の損傷毛髪)に室温において適用し、20分間放置した。その後、該毛髪を水道水ですすぎ、12時間乾かした。
洗髪堅牢性:10回シャンプーで洗浄。
結果:
【表6】

【0226】
同様にして、以下の染料を毛髪に適用し、以下の結果を得た:
実施例B2:実施例A10の染料
【表7】

【0227】
実施例B3:実施例A11の染料
【表8】

【0228】
実施例B4:実施例A14の染料
【表9】

【0229】
実施例B5:実施例A17の染料
【表10】

【0230】
実施例B6:実施例A21の染料
【表11】

【0231】
実施例B7:実施例A20の染料
【表12】

【0232】
実施例B8:実施例A22の染料
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋員を介して結合された有機発色団を表面上に含む少なくとも1種の官能化された粒子で繊維を処理することを含むケラチン含有繊維の染色方法であって、ここで
該粒子は、SiO2、Al23又はそれらの混合物に基づき、かつ
該官能化された粒子は、正電荷を有するところの方法。
【請求項2】
前記官能化された粒子が、表面上で酸素原子に共有結合している、式(1)
【化1】

(式中、
1及びR2は、各々互いに独立して、水素原子、粒子表面−O−又は置換基を表わし、
Bは、直接結合又は橋員を表わし、
Dは、有機発色団の基を表わし、及び
nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12を表わす。)で表わされる基を含むところの、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1及びR2は、各々互いに独立して、水素原子;−O−、−S−又は−N(R3)−によって中断され得る炭素原子数1ないし25のアルキル基;炭素原子数2ないし24のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;−OR5
【化2】

を表わし、
5は、水素原子;−O−、−S−又は−N(R3)−によって中断され得る炭素原子数1ないし25のアルキル基;炭素原子数2ないし24のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;
【化3】

;又は粒子表面を表わし、
6及びR7は、各々互いに独立して、水素原子;−O−、−S−又は−N(R3)−によって中断され得る炭素原子数1ないし25のアルキル基;炭素原子数2ないし24のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;又は−OR5を表わし、及び、
8、R9及びR10は、各々互いに独立して、水素原子;−O−、−S−又は−N(R3)−によって中断され得る炭素原子数1ないし25のアルキル基;炭素原子数2ないし24のアルケニル基;フェニル基;又は炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基を表わし、及び
ここで、R3は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はヒドロキシル基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わすところの、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
nが、1、2、3、4、5、6、7又は8、好ましくは、3を表わすところの、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
Bが、直接結合、−O−、−S−又は−N(R3)−又は式−A1−炭素原子数1ないし25のアルキレン−A2−、−A1−炭素原子数1ないし25のアルキレン−フェニレン−A2−又は−A1−フェニレン−炭素原子数1ないし25のアルキレン−A2−で表わされる橋員を表わし、
ここで、
1及びA2は、直接結合、−O−、−S−、−N(R3)−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R3)−CO−又は−CO−N(R3)−を表わし、
上記の炭素原子数1ないし25のアルキレン基は、未中断であるか又は−O−、−S−、−N(R3)−、−N+(R32−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R3)−CO−、−CO−N(R3)−及びフェニレン基からなる群から選択される少なくとも1つの基によって中断され、及び
3は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はヒドロキシル基で置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わすところの、請求項2ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
Dが、アクリジン、アントラキノン、アゾメチン、モノアゾ、ジアゾ、ポリアゾ、ベンゾジフラノン、クマリン、ジケトピロロピロール、ジオキサジン、ジフェニルメタン、ホルマザン、インジゴイド、メチン、ポリメチン、ナフタールイミド、ナフトキノン、ニトロアリール、オキサジン、ペリノン、ペリレン、フェナジン、フタロシアニン、ピレンキノン、キナクリドン、キノンイミン、キノフタロン、スチルベン、スチリル、チアジン、チオキサンテン、トリアリールメタン、キサンテン又は金属錯体染料の基を表わすところの、請求項2ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
Dが、アントラキノン、モノアゾ、アゾメチン、スチリル、メチン、ポリメチン、トリアリールメタン又は金属錯体染料の基を表わすところの、請求項2ないし6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記官能化された粒子が、更に、表面上で酸素原子に共有結合している、式(11)
【化4】

[式中、
12及びR13は、請求項2のR1及びR2で示した意味を有し、
11は、炭素原子数1ないし25のアルキル基又は炭素原子数2ないし24のアルケニル基(ここで、その各々は、未置換であるか又はアミノ基、メルカプト基、フェニル基又はヒドロキシル基によって置換され、かつ未中断であるか又は−O−、−S−、−N(R14)−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R14)−CO−、−CO−N(R14)−又はフェニレン基によって中断される。);炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数5ないし12のシクロアルケニル基;又は重合可能な基又はポリマー(ここで、その各々は、橋員を介して結合され得る。)を表わし、
14は、水素原子又は未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わす。]で表わされる基を含むところの、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記官能化された粒子が、更に、表面上で酸素原子に共有結合している、式(12)
【化5】

[式中、
16及びR17は、請求項2のR1及びR2で示した意味を有し、
15は、炭素原子数1ないし25のアルキル基又は炭素原子数2ないし24のアルケニル基(ここで、その各々は、未置換であるか又はアミノ基、メルカプト基、フェニル基又はヒドロキシル基によって置換され、かつ未中断であるか又は−O−、−S−、−N(R18)−、−N+(R182−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−N(R18)−CO−、−CO−N(R18)−又はフェニレン基によって中断される。);炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数5ないし12のシクロアルケニル基;又は重合可能な基又はポリマー(ここで、その各々は、橋員を介して結合され得る。)を表わし、
18は、水素原子又は未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わし、及び
15又はR18は、更に、カチオン基、好ましくは、カチオン性のアンモニウム基を含む。]で表わされる基を含むところの、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記官能化された粒子が、式−N(R1*3[式中、3つの基R1*は、同じ又は異なる意味を有し得、及びR1*は、水素原子;−O−によって中断され得かつヒドロキシル基又はフェニル基によって置換され得る炭素原子数1ないし12のアルキル基(ここで、フェニル基は炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基又はハロゲン原子によって更に置換され得る。);又は、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基又はハロゲン原子によって置換され得るフェニル基を表わす。]で表わされるカチオン性アンモニウム基を少なくとも1つ有するところの、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
1*が、水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わすところの、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記官能化された粒子が球形であるところの、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記官能化された粒子が、1ないし1000nm、好ましくは1ないし600nmの平均粒子サイズを有するところの、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記官能化された粒子が、1ないし200nm、好ましくは1ないし100nmの平均粒子サイズを有するところの、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記官能化されたナノ粒子がSiO2に基づくところの、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記ケラチン含有繊維が、請求項1で定義した官能化された粒子の少なくとも1種及び酸化剤及び所望により、更なる直接染料で処理されるところの、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記ケラチン繊維が請求項1で定義した官能化された粒子の少なくとも1種及び少なくとも1種の酸化染料で処理されるところの、又は前記ケラチン含有繊維を請求項1で定義した官能化された粒子の少なくとも1種及び少なくとも1種の酸化染料及び酸化剤で処理
するところの、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記ケラチン含有繊維がヒトの毛髪であるところの、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
表面上で酸素原子に共有結合している、式(1’)
【化6】

で表わされる基を含む官能化された粒子であって、
ここで、該粒子は、SiO2、Al23又はそれらの混合物に基づき、
該官能化された粒子は、正電荷を有し、
1及びR2は、各々互いに独立して、水素原子;粒子表面−O−又は置換基を表わし、
Bは、直接結合又は橋員を表わし、
nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12を表わし、及び、
Dは、式
【化7】

で表わされる基を表わし、
3は、未置換の又は置換されたフェニレン基又はナフチレン基を表わし、及び、
1及びB2は、各々互いに独立して、所望により置換されたフェニル基、ナフチル基又は式
【化8】

で表わされる複素環基を表わし、
2及びZ5は、−O−;−S−;又は基NR112を表わし、
1、Z3、Z4、Z6、Z7、Z8及びZ9は、各々互いに独立して、N又は基CR113を表わし;
100、R101、R102、R105、R106、R107、R109、R110及びR113は、各々互いに独立して、水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシ基;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;未置換の又は置換されたフェニル基;ニトリル基;炭素原子数2ないし4のアルカノイルアミノ基;カルバモイル基;ウレイド基;スルホニルアミノ基;炭素原子数1ないし12のアルキルチオ基;又は、式−N(R114)R115、−N(R114)R115116又は−OR114で表わされる基を表わし;
103、R104、R107、R111及びR112は、各々互いに独立して、水素原子;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;又は、未置換の又は置換されたフェニル基を表わし;及び、
114、R115及びR116は、各々互いに独立して、水素原子;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;又は、未置換の又は置換されたトリアジニル基又はフェニル基を表わすところの官能化された粒子。
【請求項20】
基B1及びB2の少なくとも1方が、式(3a)ないし(3j)から選択された複素環基を表わすところの、請求項19に記載の官能化された粒子。
【請求項21】
103、R104、R107、R111及びR112が、炭素原子数1ないし12のアルキル基、好ましくは炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わすところの、請求項19又は20に記載の官能化された粒子。


【公表番号】特表2009−513596(P2009−513596A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537052(P2008−537052)
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067417
【国際公開番号】WO2007/048722
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】