複数の容器配列におけるガス貯蔵分配容器の切換え用自動切換えシステム
ガス消費プロセスに対してガスの継続的供給を提供するために、継続的な交換が必要になるガス分配容器の複数の容器配列を含み、ポンプが該配列とガス連通して接続されるガス貯蔵および分配システム。このシステムは、切換え運転の時間遅延自動切換えシーケンスの機能を備えており、この場合、稼動中のガス分配容器の終点限界検知の後、応答可能に、ポンプへのガス流れの停止、ポンプの休止、容器の自動切換え、ポンプへのガス流れの再開始、およびポンプの再起動が続く。このシステムは、複数の容器配列における一方の容器から他方の容器へのガス供給の切換えに付随するポンプ入口での圧力変動に応答して、ポンプ出口での圧力急上昇が発生するのを最小限に抑える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般にガス貯蔵分配容器に関し、詳細には、ガス消費プロセス装置に対してガスの継続的供給を提供するために、継続的な交換が必要になる複数の容器配列に関する。特定の態様では、本発明は、半導体製造設備における半導体製造ツールにガスを供給する複数のガス貯蔵分配容器を含むガスキャビネット、並びに、ガス分配操作の連続性を維持するための容器切換え用の自動切換えシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
トム(Tom)らの米国特許第5,518,528号明細書に開示されている物理的吸着剤に基づくガス貯蔵および分配システムは、半導体工業において危険ガスの輸送、供給、および使用に革命を起こした。このシステムは、容器内に貯蔵され、そこから選択的に分配されるべきガスに対して吸着親和力を有するモレキュラーシーブまたは活性炭などの物理的吸着剤媒体を保持する容器を含む。ガスは吸着剤媒体に吸着した状態で、「自由」(非吸着)状態にある同量のガスを保持する類似の(吸着剤が)空の容器と比較して、低い圧力下で、その容器に保持される。貯蔵分配容器における内部ガス圧力が、大気圧より低い圧力、大気圧、または大気圧を少し超える圧力であることは有利である。
【0003】
かかる減圧吸蔵のため、どんな漏れであっても、従来の高圧ガス貯蔵シリンダと比較して、ガスが非常に遅い速度で周囲環境に出ることになるので、ガス貯蔵分配操作の安全性が実質的に改善される。さらに、減圧下であることから、弁、流量制御装置、継手、接合個所等のシステム構成部品にかかる応力および摩耗が低減されるので、吸着剤に基づくシステムの低圧の操作では、かかるガス洩れ現象の確率がより少なくなる。
【0004】
半導体製造の実施に対する用途では、前述のタイプのガス貯蔵分配容器は、多くの場合ガスキャビネット内に配置され、この場合、複数の容器は、例えば配管、弁、流れが制限されたオリフィス構成要素、マニホルド、流量調整器、質量流量制御装置、パージループ、計測器、および監視装置等を含む適切な流れ回路にマニホルド化される。かかる流れ回路は、自動切換えシステムを含む場合があり、これにより、ガスが空になったとき、または、空の状態に近づいたとき、例えば、空になったか、実質的に空になった容器を、流れ回路とのガス供給関係から隔離して、容器の交換が容易になるように、弁を適切に切換えることによって、ガス貯蔵分配容器を流れから隔離するのが可能になる。同時に、例えば、マニホルド内の流量制御弁を適切に切換え、ガスが充満した新しい容器を流れ回路とのガス供給関係に置くことによって、充満したガス貯蔵分配容器がオンに切換えられる。次いで、隔離された空の容器は、流れ回路から外すことができて、ガスキャビネットから取り出され、前にオンに切換えた容器のガスが空になったときの後に続く操作の間に充満容器をその後に切換えて使用できるように、充満容器の据付けが可能になる。
【0005】
トムらの米国特許第5,528,518号明細書に記載されており、ATMI社(コネティカット州ダンベリ(Danbury)、USA)によって商標SDS(登録商標)およびSAGE(登録商標)の下で商品化された前述のタイプのガス貯蔵分配容器に加えて、ルーピングワング(Luping Wang)らに付与された米国特許第6,101,816号明細書、米国特許第6,089,027号明細書、および米国特許第6,343,476号明細書に記載されており、ATMI社(コネティカット州ダンベリ、USA)から商標VACの下に商業的に入手できる流体貯蔵分配容器は、同様に、半導体製造設備内のガスキャビネット内に配置され、ガス分配操作の連続性を維持するため、定期的に切換えることが必要になる。VAC(登録商標)容器は、流体圧力調整器を特徴としており、それは、流量制御弁などの流量制御構成要素の上流側に配置され、それによって容器から分配されるガスが、この調整器によって定められる設定点圧力で分配される。VAC(登録商標)容器内の流体は、半導体プロセス用のガス供給源として、調整器に逆らって閉じ込められる高圧の液体またはガスとすることができる。この調整器は、調整器を衝撃または環境汚染から保護するため、容器の内部に配置することが可能であり、容器は、特定の実施形態では、容器からガスを脱着分配するための物理的吸着材料を含むことができる。調整器に、大気圧より低い圧力、大気圧、または大気圧を少し超える圧力である圧力レベルの設定点を提供することによって、米国特許第5,518,528号明細書のガス貯蔵分配容器に関連して上記したのと同じ操作上および安全上の利点が実現される。
【0006】
SDS(登録商標)、SAGE(登録商標)、およびVAC(登録商標)の商標の下で商品化されている前述のタイプの容器は、低圧力の流体を含んで使用されるとき、ガスを発生するが、多くの用途では、ガスをその後の使用に適用できるように圧力を上げなければならない。このような場合、抽出システムを利用して、容器からガスを抽出することができる。抽出システムには、ガス供給設備の安全操作に必須の制御および保安システムに加えて、抽出ポンプおよびサージタンクが含まれる。抽出システムは、排気されかつ監視される金属密閉箱内に収納され、ガス供給ハードウェアは主キャビネット内に、制御用電子装置は、例えば主キャビネットの上に載置できる別の密閉箱内に配置される。ガス供給ハードウェアを含む別の専用ガスキャビネット内に、複数のガス貯蔵分配容器を、減圧モジュールとして含むことが可能であり、抽出システムは、この減圧モジュールと接続されて、マイルドな真空条件で操作される半導体製造ツールに一定圧力のガス供給を提供することができる。この減圧モジュールは、ガス分配容器を加熱する加熱機能を含み、分配操作を容易にすることができる。
【0007】
減圧モジュール内では、ガス分配ハードウェアおよび電子装置は、第1の容器が、もはや予め設定された圧力を維持することができない枯渇点に到達したとき、予め設定された圧力で容器自動切換えを実行するようにプログラム可能に配置することができる。かかる目的のため、ガス分配ハードウェアおよび電子装置は、ガス流路の自動または手動の真空排気、パージ、および漏れ検出ができるように組み立てられ、配置される。プログラム可能な論理調節器(PLC)は、システム内で、弁状態、システム圧力、容器重量、および温度を監視し、以下の機能の制御用に前もってプログラムされたシーケンスを提供するため、使用できる:容器交換、ガス流れの開始、容器の自動切換え、パージガス制御、プロセス/パージガス真空排気、プロセスガス流れの固定続けて閉止、および容器ヒータの温度制御例えばブランケットの加熱。
【0008】
上記タイプの減圧モジュールおよび抽出システムは、ATMI社(コネティカット州ダンベリ、USA)から商標RPMの下で商業的に入手可能である。
【0009】
このように、前述の吸着剤に基づく、および/または内部圧力調整器を備えたタイプの容器を、複数の容器配列内に配置することができ、この場合、動作状態(稼働中)の容器の終点に到達したとき、空の容器から充満容器への容器の自動切換えが行われる。この終点は、様々な方法で定めることができ、それは、容器含有物の枯渇を示す分配ガスの圧力および/または流速の低下によって定めることができ、あるいは、それは、そこからガスが引き続き分配されるのに付随する容器の重量減少によって、分配ガスの累積体積流量によって、予め定められた運転時間によって、または他の適切な方法によって定めることができる。
【0010】
容器の終点を定める手段またはモードに関係なく、空の容器から充満容器への自動切換えには、ポンプの入口において圧力の急激な変化が伴う。このポンプは、流れ回路を経由して下流側のガス消費プロセスまでのガス流れを生じさせるモータ駆動式流体駆動装置として使用されるものである。通常の設備においてポンプと共に使用される比例積分微分(PID)制御論理では、圧力変化の衝撃を回避するためにポンプを低速にするのに十分に速く反応することができず、その結果、高速運転ポンプの出口での圧力の急上昇が起こる。大気圧より低い圧力システム、例えばイオン注入に使用されるとき、この場合、注入チャンバの大気圧より低い操作が最適のプロセス構成を意味するが、では、この圧力の急上昇は、圧力がシステム設定点限界を超えるのを引き起こす可能性がある。かかる超過圧力条件から、今度は警報が作動するのを引き起こす可能性があり、極端な圧力変化条件下では、ガス供給システムの保安監視用の構成要素により、ガス流れの閉止および下流側のガス消費プロセスの望ましくない停止を引き起こすおそれがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、前述の米国特許第5,518,528号明細書、米国特許第6,101,816号明細書、米国特許第6,089,027号明細書、および米国特許第6,343,476号明細書に記載されているタイプの容器を含む、複数の容器配列と接続したポンプ圧送/抽出装置を含み、それにより、容器切換えに付随する圧力変動が最小限に抑えられるガス供給システムの自動切換え装置および方法を提供することは、技術が進歩することになろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の概要
本発明は、一般にガス貯蔵分配容器に関し、詳細には、ガス消費プロセスに対してガスの継続的供給を提供するために、配列において空になった容器から新しいガス含有容器への継続的な交換が必要になる複数の容器配列に関する。
【0013】
本発明は、一態様において、ガス供給分配システムに関し、このシステムは、
その配列内にある第1の容器から第2の容器への切換えを伴う連続稼動分配操作用に配置される、少なくとも2つのガス貯蔵分配容器からなる配列と、
前記配列内の容器のうち稼働中の容器からのガスのポンプ圧送とポンプ圧送ガスの吐出のための、該配列とガス連通して接続されるポンプと、
前記容器のうち稼働中の容器の終点限界を検知し、次の稼動容器である、ガスの入った配列内の他方の容器からガスを引き続き分配をするために、稼働中の容器から前記他方の容器への自動切換えを開始するように組み立てられ、配置される自動切換えシステムとを含み、ここで、
終点限界の検知をしてから自動切換えを開始するまでの間に、ポンプへのガスの流れを停止し、ポンプを休止させ、かつ、
自動切換えの開始後、ポンプへのガスの流れを再開始させて、ポンプを再起動させる。
【0014】
別の態様では、本発明は、ポンプから吐出されるポンプ圧送ガスの圧力変動を実質的に低減する方法に関し、
その配列内にある第1の容器から第2の容器への切換えを伴う連続稼動分配操作用に配置される、少なくとも2つのガス貯蔵分配容器からなる配列を含み、前記配列内の容器のうち稼働中の容器からのガスのポンプ圧送とポンプ圧送ガスの吐出のため、ポンプが該配列とガス連通して接続されるガス供給分配システムにおいて、
前記方法が、
前記容器のうち稼働中の容器の終点限界を検知し、次の稼動容器である、ガスの入った配列内の他方の容器からガスを引き続き分配をするために、稼働中の容器から前記他方の容器へ切換えることと、
ポンプへのガス流れを停止させ、ポンプを休止させることと、ただし、該停止および休止ステップが、終点限界を検知するステップと切換えステップの間に行われる、
ポンプへのガス流れを再開始させ、ポンプを再起動させることと、ただし、該再開始および再起動ステップが、切換えステップ後に行われる、
を含む。
【0015】
本発明のその他の態様、特徴、および実施形態は、後に続く開示および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明およびその好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は、ガス供給システムの自動切換え装置および方法を提供し、この場合、ポンプ圧送/抽出装置は、前述の米国特許第5,518,528号明細書、同第6,101,816号明細書、同第6,089,027号明細書、および同第6,343,476号明細書に記載されているタイプの容器を含む複数の容器配列と接続されている。
【0017】
本発明は、複数の容器配列における流体貯蔵分配容器の切換えによる有害な圧力効果を、自動切換えに先立ってポンプ圧送構成部分に信号を送ることを可能にするために、自動切換えシステムに時間遅延を設け、その結果、ポンプ圧送構成部分が応答可能に動作して、高速運転ポンプの入口への圧力急上昇の伝播を防止することによって、解消できるという発見に基づいている。このポンプは、流れ回路を経由して下流側のガス消費プロセスまでガス流れを生じさせるために使用されるものである。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に従って容器切換え機能を備えた減圧モジュールのガス供給システム10の正面図である。
【0019】
ガス供給システム10は、予備密閉箱としての主キャビネット12および電子装置密閉箱26を含み、主キャビネットおよび電気的密閉箱が一緒にボルト締めされ、一体化されたガス供給システムが形成される。ガス供給マニホルドおよびガス供給容器は、主キャビネット12内に収納され、それは、例えば12番冷間圧延鋼で組み立てることができる。主キャビネット12は、掛け金18および覗き窓22を有する左手ドア14、並びに掛け金20および覗き窓24を有する右手ドア16を特徴とする。電子装置密閉箱26は、オン/オフスイッチ28を特徴とするが、図示のように主キャビネット12の上に載置される。タッチ画面インターフェイス30は、キャビネットの上の電気的密閉箱の前面に配置される。
【0020】
電子装置密閉箱26には、タッチ画面インターフェイス30を介して一体化ガス供給システムを制御するためのプログラム可能な論理調節器(PLC)が含まれ、PLC装置とタッチ画面の間の交信は、PLC装置のシリアルポート接続を介して実行される。この画面は、テキストやグラフィックスに関係付けられ、命令をPLC装置に伝えるタッチに敏感なグリッドを有する。タッチ画面は、ユーザーメニュー、操作および情報画面、並びに、システムへの認可されたアクセスだけを助ける安全防壁を表示する。
【0021】
主キャビネット12は、吸着剤を保持した一対のガス貯蔵分配容器を含み、ここで、吸着剤媒体は、容器内のガスに対して吸着親和力を有する固相の物理的吸着剤の微粒子の床の形で提供される。ガス貯蔵分配容器に加えて、主キャビネットは、プロセス流れ回路を含み、それはまた、パージおよびベント操作用の配管、弁等を含む。
【0022】
ガス供給容器は、以下ではしばしばシリンダと称するが、適切なタイプのものはどれでもよい。固相の物理的吸着剤、例えば、モレキュラーシーブ、活性炭、シリカ、アルミナ、吸着性粘土、マクロ網状の高分子等に吸着的に保持されてその中にガスを有する固相の物理的吸着剤含有容器として本明細書に例示的に記載するが、ガス供給容器は、流体が、容器からガスを分配するように保持される他の適切なタイプのものでよいことを理解すべきである。本発明の幅広い実施において、前述の米国特許第5,518,528号明細書、同第6,101,816号明細書、同第6,089,027号明細書、および同第6,343,476号明細書に記載されている様々なタイプのガス供給容器が、現在では好ましく、かかる特許の開示内容は、それらのそれぞれ全体が参照により本明細書に援用される。
【0023】
図2は、図1の減圧モジュールの流れ回路の概略図であり、マニホルドガス流れ管路54、56、58、60、62、および64を含む流れ回路と相互接続される左のガス貯蔵分配容器50、並びに、右のガス貯蔵分配容器52を含む。この配置の流れ回路は、内部体積が小さく、死容積が最小限で、高流量の大気圧より低い圧力のガス用に設計されている。ガスマニホルド流れ回路への接続は4つのタイプがある:
(i)ポンプ/スクラバーマニホルド接続、
(ii)プロセスガス出口マニホルド接続、
(iii)パージガスマニホルド接続、および
(iv)ガス供給容器マニホルド接続。
これらのそれぞれについて以下に順番に述べる。
【0024】
ポンプ/スクラバーマニホルド接続では、真空発生源(図2に示されてない)が、その中に自動流量制御弁AV13を含む真空発生源用の管路60の第1の端部に接続される。真空発生源用の管路60は、これらの第2の端部でプロセスガス出口管路58に接続される。
【0025】
プロセスガス出口マニホルド接続では、下流側のガス消費プロセス装置(図2に示されてない)が、その中に手動弁MV11、並びに自動弁AV15およびAV10を含むプロセスガス出口管路58の第1の端部に接続される。プロセスガス出口管路58はさらにまた、その中に手動弁MV21、並びに自動弁AV25およびAV20を含むプロセスガス供給管路56に接続される。
【0026】
パージガスマニホルド接続では、パージガスの供給源(図2に示されてない)が、この第1の端部でパージガス供給管路62に接続される。パージガス供給管路62は、この第2の端部でプロセスガス出口管路58に接続される。パージガス供給管路62は、その中にフィルタ、圧力スイッチ(PS1)、流れが制限されたオリフィス(RFO)、および自動弁AV12を含む。パージガス供給管路62に接続されるのは、その中にフィルタ、圧力スイッチ(PS2)、流れが制限されたオリフィス(RFO)、および自動弁AV22を含むパージガス流れ管路64である。パージガス供給管路62との接合部からは反対側のその端部で、パージガス流れ管路64は、プロセスガス供給管路56に接続される。
【0027】
ガス供給容器マニホルド接続では、ガス貯蔵分配容器50が、プロセスガス出口管路58(自動弁AV10の上流側)に接続される。ガス貯蔵分配容器52は、自動弁AV20の上流側のプロセスガス供給管路56に接続される。
【0028】
図2のマニホルド配置では、3個の圧力変換器がマニホルドに配置される。圧力変換器PT−11は、ガス貯蔵分配容器50に係わる圧力を監視し、圧力変換器PT−21は、ガス貯蔵分配容器52に係わる圧力を監視する。圧力変換器PT−31は、下流側のガス消費プロセス装置に、または、減圧モジュールと下流側のガス消費プロセス装置との間に配置される抽出器モジュールに流れるプロセスガスの出口圧力を監視する。ポンプ/スクラバーの真空レベルは、ガス貯蔵分配容器50に係わるマニホルド部分の真空発生源用の管路60にある真空度センサVS−1によって、並びに、ガス貯蔵分配容器52に係わるマニホルド部分のプロセスガス供給管路56にある真空度センサVS−2によって、監視される。
【0029】
パージガス供給管路62に接続されてパージガスマニホルド接続を構成するパージガス供給源は、例えば、超高純度窒素、超高純度窒素/ヘリウムの混合物、または、他の適切な単一成分もしくは多成分気体媒体などのパージガスの供給タンクのようなマニホルド管路の流路および関連する構成部分のパージに効果のあるものとして適切な、いかなるパージガス供給源としてもよい。いわゆる「ハウス(house)窒素」(すなわち、半導体製造設備の一般的な供給用役から利用できる窒素)、または、そこの適切な供給源からのクリーン乾燥空気(CDA)は、マニホルドの空気圧式自動弁を駆動するのに、並びに、減圧モジュールの主キャビネットおよび関連する電子装置モジュールをパージするのに使用できる。ガスは、主キャビネットに接続され、半導体製造設備の排気システムに接続される配管によって主キャビネットから排気される。
【0030】
さて、減圧モジュールの主キャビネットに付随する電子装置モジュールのタッチ画面に表示される一連の画面を参照して、減圧モジュールの操作を説明する。
【0031】
初期の操作では、開始ボタン28(図1を参照されたい)を押すと、このシステム用のイベントのうちの操作開始シーケンスが始まり、図3に示す初期のメインメニュー画面に導かれ、この画面には、「アクセスコード入力」、「状態画面」、「現行の警報」、「保守メニュー」、「警報履歴」、「自動切換え」、および「システム待機」用のタッチ選択項目が含まれる。
【0032】
メインメニュー画面の「現行の警報」のタッチ選択から、警報設定、例えば、鳴動する警報を沈黙させること、活動状態にないシステム警報をリセットし、その結果それを再作動させること等、およびシステムの全ての警報器の現状を表示することを選択するためのサブメニューが作成される。
【0033】
警報器が所望通りに設定された後、メインメニューに戻ると、「アクセスコード入力」のタッチ選択によってアクセスコード入力が可能になり、それにより、操作アクセス、保守アクセス、および全てのアクセスを含めて、所望のアクセスレベルの選択を可能にするサブメニューが作成される。次いで、アクセスレベルサブメニューのレベルを選択すると、アクセスコード入力用のキーパッドが作成される。
【0034】
メインメニュー画面(図3)に戻ると、「保守メニュー」のタッチ選択(本明細書の図6の説明のところで後に詳細に述べる)により、始動時にガス供給容器を据付けるために利用できる自動ガス供給容器交換ルーチンにアクセスし、そのルーチンは、サイド(キャビネットの左側または右側)の選択で始まり、そのとき、最初のガス供給容器が据付けられることになる。左側のガス供給容器を据付ける場合、タッチ画面上の対応する選択を行うと、図4に示す「左のシリンダメニュー」が作成される。「右のシリンダメニュー」も同じ形式である。
【0035】
図4に示す「左のシリンダメニュー」には、「ツール真空排気」、「ガスオン」、「ツールパージ」、「局部的真空排気」、「ツールポンプパージ」、「局部的ポンプパージ」、「シリンダ交換」、および「メインメニュー」のタッチ選択が含まれる。
【0036】
タッチ画面上の「シリンダ交換」ボタンを押圧すると、ガス供給容器交換ルーチンが起動され、図5に示す画面表示が、プロンプトの「シリンダ交換」、すなわち、主キャビネット内に左側のガス供給容器の据付けが可能であることを示して作成される。減圧モジュールの主キャビネットの左の仕切部分に、充填されたガス供給容器が据付けられた後、画面下の左側にある「継続」をタッチ選択すると、このシステムが、シリンダ交換ルーチンを終了させ、据付けられたガス供給容器をガス分配操作の配置につかせる。その後、右側のガス供給容器の据付けの場合も対応するやり方でこのプロセスを繰り返すことができる。
【0037】
図1に示す実施形態では、この減圧モジュールにより、2個のガス供給容器から単一の出口接続部までの大気圧より低い圧力のガスの供給および制御が可能になる。このシステムは、始動ガス供給容器が枯渇したとき、始動ガス供給容器からバックアップガス供給容器への自動切換えを制御するように組み立てられ、配置される。枯渇したシリンダを交換した後、システムは、最初の始動サイドへの自動切換え復帰にリセットできる。
【0038】
上記検討したように、制御システムは、左側および右側のガス供給容器それぞれ用の「左のシリンダ」および「右のシリンダ」の2つの操作サブメニューを有する。これらのサブメニューへのアクセスは、タッチ画面のメインメニューを介して保守メニューボタンを押圧し、図6に示す画面を作成することによって行われ、それには、「L/C保守メニュー」、「R/C保守メニュー」、「アナログ較正」、「手動制御」、「現行の警報」、「操作パラメータ」、および「メインメニュー」のタッチ選択が含まれ、この場合、「L/C」は左のシリンダを意味し、「R/C」は右のシリンダを意味する。「手動制御」、あるいは、「l/C保守メニュー」または「R/C保守メニュー」を選択すると、「ガスオン」および保守操作を選択するのが可能になる(図4を参照されたい)。
【0039】
例示的な実施形態では、減圧モジュールは、6つの基本運転モードを有し、以下を含む:
1.全ての弁が閉:始動時、重大警報または電源故障/電源異常の後、両方のシリンダについてガスオフ。
2.左のシリンダのガスオン−自動切換えオフ:左のシリンダの枯渇まで運転、「空のシリンダ」信号を送信する。
3.右のシリンダのガスオン−自動切換えオフ:右のシリンダの枯渇まで運転、「空のシリンダ」信号を送信する。
4.左のシリンダのガスオン−自動切換えオン:左のシリンダの枯渇まで運転、右のシリンダに切換える。
5.右のシリンダのガスオン−自動切換えオン:右のシリンダの枯渇まで運転、左のシリンダに切換える。
6.手動運転:シリンダ弁以外の全ての弁の手動選択。
【0040】
減圧モジュールには、手動ガス供給容器弁または空気圧式ガス供給容器弁を取り付けることができ、バルブ型式の選択は、パラメータ設定操作において行われる。
【0041】
「状態画面」は、図7に示されており、「メインメニュー」の対応するタッチ画面を選択することによってアクセスされる。「状態画面」は、例えば、適切な色彩設計(対応する弁の赤着色は閉止弁を示し、対応する弁の緑着色は開放弁を示す)、または、他の視覚的に認識できる区別によって、減圧モジュール内の全ての弁の状態を表示する。「状態画面」はまた、減圧モジュール内の各ガス供給容器の「ガスオン」または「ガスオフ」状態、減圧モジュール内の各圧力変換器の例えばトールを単位にした圧力読取値、およびガス供給容器それぞれの温度を表示する。減圧モジュール内のガス流れは、「状態画面」からオフにすることができる。
【0042】
このシステムは、「ガスオン」モードにおいてガスが分配されるべきとき、マニホルド流れ回路の左または右のサイドのうちの特定の1つにおいて、局部的真空排気の運転を行わなければならないように配置される。この局部的真空排気の機能は、適切な(左または右の)ガス供給容器メニュー(「左のシリンダメニュー」または「右のシリンダメニュー」)の「局部的真空排気」ボタンのタッチ選択によって起動される。「メインメニュー」の「自動切換え」ボタンにアクセスして、自動切換え機能が休止され、その後、局部的真空排気およびガス流れのステップが開始される。
【0043】
局部的真空排気に続き、「ガスオン」ボタンが、適切な(左または右の)ガス供給容器メニュー(「左のシリンダメニュー」または「右のシリンダメニュー」)上でタッチ選択される。この処置により、左側容器が選択された場合、図8に示す左側ガス供給容器用の画面が作成され、右側容器が選択された場合、右側ガス供給容器用の対応する画面が作成され、「空気圧式シリンダ弁」が選択された場合、ガス供給容器弁(AV−10またはAV−20)を開き、「手動シリンダ弁」が選択された場合、ユーザーが手動ガス供給容器弁を開くようにプロンプトがでる(画面は示されてない)。ピグテール(pigtail)弁(AV−11またはAV−21)およびツール隔離弁(AV−15またはAV−25)も開き、大気圧より低い圧力のガスがマニホルドおよび供給管路に充填される。
【0044】
システムを自動切換えに設定するため、「メインメニュー」で「自動切換え」画面にアクセスされ、「自動切換え」ボタン(画面は示されない)が押圧され、それに続き、操作者は、この画面から出て、その前にオンにされたガス供給容器の相手方になる容器の「ガスオン」画面ボタンに戻り、すなわち、左側ガス供給容器が、その前に分配モードにおける動作状態の容器であった場合、「右のシリンダメニュー」の「ガスオン」ボタンが選択され、逆の場合も同様である。その前に非活動状態のかかるガス供給容器の「ガスオン」ボタンを押圧することによって、ピグテール弁(AV−11またはAV−21)だけでなく、ガス供給容器弁(AV−10またはAV−20)も開くことになる。「スティック(stick)」隔離弁(AV−15またはAV−25)は、自動切換え点に到達するまで開かない。
【0045】
「ガスオフ」条件は、「メインメニュー」の「状態画面」か、または、適切な「左のシリンダメニュー」または「右のシリンダメニュー」の「ガスオン」画面のいずれかによって制御できる。「ガスオフ」ボタンを押圧すると、選択されたガス供給容器側の全ての弁(左側の弁AV−10、AV−11、およびAV−15、右側の弁AV−20、AV−21、およびAV−25)が閉止され、ガス供給容器からマニホルドへの、および、マニホルドからツール供給管路へのガス流れを止める。操作者は、左または右のシリンダアイコンを押圧することによって、それぞれのガス供給容器の間で交互に切換えることができる。「自動切換え」設定が活動状態の場合、現行の「ガスオン」シリンダを「ガスオフ」にスイッチを入れると、自動切換えが開始されることになる。これにより、最初に待機中のガス供給容器をオフにし、次に活動状態のガス供給容器をオフにすることが起こるのが防止される。「ガスオフ」の確立後、マニホルド管路は、パージまたは真空排気されるまで、大気圧より低い圧力のガスによって充填されたままである。
【0046】
電子装置モジュールの「現行の警報」画面を起動して、全ての動作中の警報器を表示することができ、操作者に、その頻度および発生率によって、警報条件をリセットする機会、または、1つもしくは複数の種類の警報を止める機会、およびシステムの警報履歴を調べる機会を与える。警報器は、例えば以下の警報条件の場合に作動させることができる:キャビネット換気不良、ドアインタロック警報、有毒ガス検出、真空度/圧力の不足、真空度差、および無効なアナログ入力。電子装置モジュールはまた、監視装置、例えばセンサおよび検出器を有することができ、これは電子装置モジュールに接続され、かつ警報器と運転可能に関連付けられ、その結果、例えば、有毒ガス監視装置が、その特性上危険であるガス化学種の存在を検知した場合、警報が作動し、弁(例えばAV−15またはAV−25)は閉じるように駆動され、その後、警報トリガ条件が終了または解消したとき、再度開く。
【0047】
「メインメニュー」の「保守メニュー」ボタンを押圧すると、図6に示す画面が引き出され、二者択一の「L/C保守メニュー」および「R/C保守メニュー」ボタンのタッチ選択によって、操作者が左サイドまたは右サイドの保守操作を選択するのが可能になり、その次に、主キャビネットのそれぞれのサイド(およびガス供給容器)用の保守メニューのそれぞれの「ツール真空排気」、「ツールパージ」、「ツールポンプパージ」、「局部的真空排気」、「局部的ポンプパージ」、「シリンダ交換」、および「ガスオン」ボタンにアクセスされる。
【0048】
「シリンダ交換」ボタンが押圧された場合、図9に示す第1のシリンダ交換画面にアクセスされる。これは、交換前の漏れ試験用の画面である。交換前の漏れ試験画面は、弁状態および圧力変換器圧力レベルを含むガス区画の概略図を示す。交換前の漏れ試験画面の下部には、漏れ試験の経過時間および合計時間の表示がある。
【0049】
次に、プログラムは、操作者に、ガス供給容器閉鎖スイッチを「オフ」に入れ、自動ガス供給容器弁を閉の位置にロックし、次いで「実行」を押圧するよう促す。一旦「実行」が押圧されると、パージ入口圧力が、圧力センサPS−01で確認される。圧力が十分ある場合、自動弁AV−12が開き、圧力変換器PT−01で圧力が確認される。これら2つのステップの間でパージ圧力が不十分と判断された場合、今度はシステムが警報を鳴らし、操作者の入力を待つ。自動弁AV−11が開いて、ガス供給容器弁まで「スティック」(所与の容器に付随するマニホルド部分)を加圧する。短い遅延時間の後、自動弁AV−12が閉じられ、圧力値が取得され、圧力の漏れ降下試験タイマーが始動する。漏れ降下速度が設定表の値未満の場合、漏れ試験は成功裏に終了する。漏れ試験が好結果を得て終了したとき、局部的パージサイクル画面が現れる。
【0050】
第2のシリンダ交換画面は、局部的パージサイクル画面であり、図10に示されている。局部的パージサイクルを始めるため、自動弁AV−14が開き、真空度レベルが真空度センサVS−01で確認される。一旦真空度センサが条件を満たされ、応答可能に閉じると、ベント隔離弁AV−13が開き、圧力変換器PT−01での真空度レベルがシステムの設定パラメータにある値と比較される。検知された圧力変換器PT−01の圧力が、前もってプログラムされた真空度レベル未満であるとき、ベント弁AV−13が閉じ、パージ弁AV−12が開き、それによって予め設定されたパージガス圧力までガススティックが加圧される。上記シーケンスは、システムプログラムの設定ルーチンで決められた繰返し数の間繰り返される。このサイクルの完了後、シリンダ交換手順の次の画面が表示される。
【0051】
第3のシリンダ交換画面が図11に示されており、操作者にシリンダを交換するよう命令する。ガス供給容器が交換されるのに付随してCGA結合金具が解かれると、パージ窒素が、マニホルドの開いたピグテール部分から流れ出て、ピグテールの中への空気の逆流が防止される。新規のガス供給容器が据付けられ、CGA結合金具が適切なトルクまで締まったとき、継続ボタンが押圧され、それによって図12に示す画面が作成される。
【0052】
図12に示す画面は、シリンダ交換後の漏れ試験画面である。シリンダ交換後の漏れ試験は、上昇率または「漏れ上昇」率の試験である。システムは、ポンプ/スクラバーからの真空排気を使用して局部的真空排気手順によって排気され、次いでシールされ、漏れを示すなんらかの上昇変化について圧力が監視される。このプロトコルが実行されるとすぐに、自動弁AV−14が開き、短い遅延時間の後、自動弁AV−13が開き、システムが真空排気される。圧力変換器PT−11によって真空度レベルが測定される。短時間の安定化遅延時間の後、自動弁AV−13が閉じ、真空排気レベルが取得される。この時点で、タイマーが始動し、システム設定プログラムによって定められた時間の間試験が行われる。設定プログラムが許容するもの以上に真空度が変化しなかった場合、このシステムは、交換後の漏れ試験に合格したことになる。
【0053】
漏れ試験の時間が終了し、漏れ試験タイマーがゼロに到達したとき、図13に示すように、交換後のパージ画面が現れる。次いで、交換後のサイクルパージ運転により、その自動パージおよび真空排気ルーチンが始まる。交換後のパージの間、サイクル設定値および現行のサイクルカウント数が表示される。一旦システムがプログラムに従って真空排気およびパージサイクルの予め設定された数を完了すると、画面が現れて、操作者にシリンダ交換ルーチンが完了したことを知らせ、そこで操作者が実行ボタンを選択すると、メインメニューに戻ることができる。
【0054】
ツール真空排気操作を行うため、適切なガス供給容器の「シリンダメニュー」にアクセスされ、「ツール真空排気」ボタンが選択される。これにより、図14に示す画面が作成され、ツール隔離弁(AV−15またはAV−25)が開き、ツールの真空排気システムを使用してシリンダ弁(AV−10またはAV−20)までのガス区画が真空排気される。ツール真空度が不十分(設定パラメータで定められた設定値未満)な場合、ツール隔離弁(AV−15またはAV−25)は開かず、警報が作動する。「ツール真空排気」操作は、画面下の右側部分にある「停止」ボタンを押圧することによって操作者により停止されるまで、実施されたままである。
【0055】
次の「ツールパージ」メニューは、適切なガス供給容器の「シリンダメニュー」から選択され、図15に示す画面が作成される。次いで、「ツールパージ」が始まり、自動弁AV−12またはAV−22を開くことによって、および自動弁AV−15またはAV−25を開くことによって、パージ入口からプロセスツールまでの不活性ガスパージが提供される。圧力変換器PT−31において、パージが継続できるように、最小のツールパージ圧力設定点(全体の設定画面で決められ、画面順序「メインメニュー」→「保守メニュー」→「操作パラメータ」によってアクセスされる)が維持されなければならない。操作者が停止ボタンを押圧するまで、ツールパージは実施されたままである。
【0056】
次に、適切なガス供給容器の「シリンダメニュー」から「ツールポンプパージ」メニューを選択し、図16に示す画面を作成し、この操作を開始することによってツールポンプパージ操作が実行され、その間、マニホルドのスティックが交替に真空排気され、次いでパージガスで加圧される。自動弁AV−15またはAV−25が開き、ツールの真空排気システムを使用して、シリンダ弁AV−10またはAV−20までガススティックが排気される。圧力変換器PT−31におけるツール真空度が最小のツール真空度設定値未満にない限り、自動弁AV−15またはAV−25は開かない。一旦圧力変換器PT−11またはPT−21での圧力が最小の真空度レベル設定値未満になると、タイマーはカウントを始める。タイマーがカウントし終わると、自動弁AV−015またはAV−25が閉じ、自動弁AV−12またはAV−22が開き、マニホルドをパージガスで満たす。圧力変換器PT−11またはPT−21での圧力が最小のパージ設定値より高いとき、別のタイマーがカウントを始め、システムは、タイマーが設定のサイクル数に到達するまで、パージを続ける。この2つに分けたサイクルは、プログラムされたサイクル数の間繰り返され、ガス区画を減圧状態にしたままで自動的に終了する。
【0057】
次いで、適切なガス供給容器の「シリンダメニュー」から「局部的真空排気」メニューを選択し、図17に示す画面を作成し、この操作を開始することによって局部的真空排気操作が実行され、ポンプ/スクラバーから供給される真空排気を使用してガススティックが真空排気される。真空の存在は、真空度センサVS−01またはVS−02で確認され、自動弁AV−13またはAV−23が開き、真空度レベルは、圧力変換器PT−11またはPT−21で確認される。一旦PT−11またはPT−21での真空度レベルが最小の真空度設定値未満になると、自動弁AV−11またはAV−21が開き、シリンダ弁までスティックを真空排気する。操作者が停止ボタンを押圧するまで、局部的真空排気は実施されたままである。この操作の間、ガスキャビネットは、手動ツール隔離弁を閉じることによってツールおよび供給管路から隔離される。
【0058】
次に、適切なガス供給容器の「シリンダメニュー」から「局部的ポンプパージ」メニューを選択し、図18に示す画面を作成し、この操作を開始することによって、局部的ポンプパージ操作が実行される。これは、上記したような「局部的真空排気」機能を実行することによって始まる。圧力変換器PT−11またはPT−21での真空度レベルが最小の真空度設定値未満であるとき、真空排気タイマーがカウントを始める。タイマーがカウントし終わったとき、自動弁AV−13またはAV−23が閉じ、圧力センサPS−01が十分なパージ圧力があることを確認し、自動弁AV−12またはAV−22が開き、スティックにパージガスを供給する。圧力変換器PT−11またはPT−21での圧力が最小のパージ圧力設定値より高いとき、パージタイマーがカウントを始める。このタイマーがカウントし終わると、パージガス自動弁AV−12またはAV−22が閉じ、ベンチュリ隔離弁AV−013またはAV−23が開き、シリンダ弁までスティックを真空排気して戻す。このシーケンスは、プログラムされたサイクル数の間繰り返され、マニホルドを真空排気した状態で自動的に終了する。このシーケンスの間、ツールは、手動スティック隔離弁を閉じることによってガスキャビネットから隔離される。
【0059】
減圧モジュールは、「保守メニュー」にアクセスし、「手動制御」を選択することによって、手動モードで運転することができる。このモードでは、ガス区画を示す画面が作成され、弁状態および全ての変換器の圧力読取値が示され、画面上の弁アイコンを切換えて、マニホルドの対応する弁を開閉できる。
【0060】
操作パラメータは、上記したように、画面順序「メインメニュー」→「保守メニュー」→「操作パラメータ」によるシステムの設定で決めることができる。設定可能な操作パラメータ(単位は括弧で示される)は、以下を含む:
全体の設定
・シリンダ低圧(トール):システムが、シリンダが空に近づき、交換が指図されるべきであることをユーザーに警告する点。
・シリンダ交換(トール):システムが、シリンダが空であり、(自動切換えが活動状態の場合)バックアップシリンダへの切換えをユーザーに警告する点。
・最小ツール真空度(トール):システムがツールから検出しなければならない最小真空度。
・平衡遅延時間(秒):変換器読取値の安定化を可能にする遅延時間。
・真空度デルタP(トール):真空下の変換器の間で許容できる逆方向読取値。
・シリンダ弁:据付けられるシリンダの弁の型式を選択する。
ツール真空排気
・最小ツール真空度(トール):ツール真空排気およびツールポンプパージプロトコルにおいて、弁が開く前に圧力変換器PT−31で確かめなければならない最小真空度。
局部的真空排気
・最小真空度設定点(トール):局部的真空排気の継続を可能にするため、圧力変換器PT−11またはPT21で確かめなければならない最小真空度。
ツールポンプパージ
・真空排気サイクルの遅延時間(秒):真空排気が安定化するのを可能にするための時間遅延。
・最小パージ圧力(トール):パージ加圧の間に到達しなければならない圧力。
・加圧サイクルの遅延時間(秒):圧力が安定化するのを可能にするための時間遅延。
・最小ツール真空度(トール):ツールポンプパージの間、弁が開く前に圧力変換器PT−31で確かめなければならない最小真空度。
・パージサイクルの数:加圧/真空排気サイクルの数。
局部的ポンプパージ
・最小真空度設定点(トール):真空発生源が到達しなければならない最小真空度。
・真空排気サイクルの遅延時間(秒):真空排気が安定化するのを可能にするための時間遅延。
・圧力変換器PT−11またはPT21での最小パージ圧力(トール):到達しなければならないパージガス圧力。
・加圧サイクルの遅延時間(秒):加圧が安定化するのを可能にするための時間遅延。
・パージサイクルの数:加圧/真空排気サイクルの数。
シリンダ交換
・最小漏れ試験圧力(トール):漏れ降下試験の間で達成しなければならない最小圧力。
・許容される圧力減衰(トール):漏れ降下試験の間で許容される圧力損失。
・交換前の漏れ試験時間(分):これは、シリンダ交換開始時、シリンダ弁が適切にシールされていることを確認する漏れ試験時間である。
・圧力変換器PT11/PT21最小圧力(トール):ピグテールを分離しながらシリンダ交換の間に到達しなければならない最小圧力。
・最小漏れ試験真空度(トール):漏れ上昇試験を行うために到達しなければならない真空度。
・許容される圧力上昇(トール):これは、漏れ上昇試験の間に許容される許容範囲内の圧力上昇である。
・交換後の漏れ試験時間(分):これは、新規シリンダが接続された後、CGA結合金具が適切に締められていることを確認するための漏れ上昇試験の漏れ試験時間である。
・マニホルド圧力の遅延時間(秒):警報を鳴らす前の圧力安定化時間。
【0061】
減圧モジュールに接続されるポンプ/スクラバーは、ポンプ構成部分を介して、減圧モジュールのマニホルドを経由してガス流れを生じさせるモータ駆動の機能を提供するように、かつ、下流側ツールまたは他のガス消費プロセス装置へガスを輸送するように、あるいは、この代わりとして設備のスクラバー構成部分にガスを流すように適合される。
【0062】
ポンプ構成部分は、減圧モジュールおよび関連するポンプ構成部分が使用される設備におけるガスの供給および処理に適切なものとして、ポンプ、ブロワ、ファン、圧縮機、エジェクタ、エダクタ等のうちから選択される適切な装置を含めて、適宜の適切な型式とすることができる。同様に、スクラバーは、湿式スクラバー、乾式スクラバー、機械式スクラッバ、酸化スクラバー等を含めて、適宜の適切な型式とすることができる。
【0063】
ポンプ構成部分はまた、図19に示すように、抽出器モジュール100の構成要素とすることができ、それは、安全操作に適切な制御および保安システムと共に、ポンプおよびサージタンク(図19には示されない、以下により完全に説明される図20を参照されたい)を含むことができる。抽出システム構成部分は、排気され監視される密閉箱内に収納することができ、ガス供給ハードウェアは覗き窓108を備えた主キャビネット102内に収納され、上記したような減圧監視装置のハードウェアおよび電子装置配置に概ね類似した方法で、関連する制御用電子装置は主キャビネット104の上に載置される別の密閉箱104内に配置される。
【0064】
抽出システムは、減圧モジュールからガスを抽出し、マイルドな負圧で運転される下流側ガス消費ツールのために一定レベルまで圧力を上げ、ポンプ圧送システムは、ガスの流速に関係なく、サージタンク内を一定の大気圧より低い圧力に維持するように自動的に運転される。抽出システムの真空排気およびパージは、(ガスシリンダを定期的に交換しなければならないガスキャビネット内のように)定期停止する必要が全くないので、手動で行われる。
【0065】
プログラム可能な論理調節器(PLC)および手引き用の彩色タッチ画面106から、前もってプログラムされた機能、並びに、弁状態およびシステム圧力の局部的表示が提供される。サージタンクの圧力制御は、ポンプ速度の制御によって達成される。
【0066】
主キャビネット102は、図20に示すような、サージタンク120および抽出器ポンプ122、プロセス配管、並びにパージおよびベント配管を取り囲み、排圧が監視される。サージタンクは、必要とされる特定のガス供給操作に適切なものとして適宜の適切な体積、例えば約25リットル〜約150リットルとすることができる。主キャビネット102の上部ドアの窓108は、ドアを開く前のマニホルド状態の外観検査を可能にする防火規格の保安窓ガラス戸である。ドアは、手動ひねり掛け金で適切に固定される。彩色タッチ画面インターフェイス106、EMO[完全名称を教えてください]ボタン、および始動ボタンは、主キャビネット102の上の電気的密閉箱104の前面に配置される。
【0067】
ポンプ122のポンプ速度制御は、抽出器モジュールのプログラム可能な論理調節器(PLC)の比例積分微分(PID)制御ループによって調整される。PLCは、サージタンク120内のサージタンク圧力を設定点と比較し、周波数可変駆動装置(VFD)に送られる電圧出力を発生させ、それにより、今度は三相のモータに送られる周波数を変化させることによってポンプモータ速度が制御される。流量要求条件が大きくなるのにつれて、または、入口圧力が低下するにつれて、サージタンクの一定圧力を維持するようにポンプ速度が比例して速くなる。
【0068】
図21は、抽出器モジュールの例示的な状態画面を示す。この状態画面は、全ての弁の状態を表示し、それは、減圧モジュールの場合のように、状態に関して色分けするか、または、そうでない場合は視覚的に認識(例えば閉の場合赤で、開の場合緑で表示される)することが可能であり、各圧力変換器の圧力読取値、サージタンクの温度、圧力スイッチの状態、およびポンプの状態(オンまたはオフ)の状態を表示する。
【0069】
このように、図21は、抽出器モジュール内のマニホルドの流れ回路およびモジュールの構成部分を示し、例えば、手動弁MV−2によって閉止される漏れ試験ポートF1(「漏れチェックポート」)を含む。3個の圧力変換器がマニホルドに配置され、PT−1はシステム入口の圧力を監視し、PT−2はポンプ出口圧力を監視し、PT−3はサージタンク圧力を監視し、PT−3はまた、下流側プロセスツールへの出口圧力でもある。マニホルドをパージする際、流入パージガス圧力が、圧力スイッチPS1によって監視される。(ポンプ/スクラバーまたは他の真空発生源からの)真空度レベルは、真空度センサVS−1によって監視される。サージタンクへの入口でのガス温度は、熱電対TS−1によって監視される。圧力安全弁PRV−1またはPRV−2のいずれかが開くべき場合、流れ検出器FS−1は、流れをスクラバーに向ける。
【0070】
抽出器モジュールでは、減圧モジュールに類似した方法で「メインメニュー」が使用され、「メインメニュー」は、「メニューへアクセス」、「警報」、「警報履歴」、「システム状態」、「ポンプ制御」、「全体のメニュー」、および「システム待機」を含むタッチ選択を表示する。
【0071】
ポンプを起動するため、操作者は、「メインメニュー」から「ポンプ制御」を選択して、図22に示す画面を作成し、画面上の「ポンプ運転」の選択を行う。サージタンクの圧力が設定点(例えば〜600トール)未満である場合、ポンプがオンになり、圧力を設定点まで引き上げる。続いて画面表示が現れ、下流側プロセスツールまでのシステムの流路を開くために、操作者に手動弁MV−1を開くように指示する。操作者がこの手動弁が開いていること、およびガス供給操作を開始すべきであることを確認した後、空気圧式出口遮断弁AV−4がシステムによって開けられ、ツールまでのガス流れが生じる。ポンプをオフにするには、図22に示すポンプ制御画面の「ポンプ停止」の選択が行われる。その後、システムがポンプを止め、弁AV−1およびAV−4を閉じることによってシステムを隔離する。
【0072】
抽出器モジュールはまた、真空排気およびパージ運転を行うために選択的に作動可能であり、弁MV−1、MV−3、AV−1、AV−2、AV−3、AV−4、およびAV−7を含む。手動モードもシステムによって調整される。
【0073】
操作パラメータは、画面順序「メインメニュー」→「保守メニュー」→「操作パラメータ」による抽出器モジュールの設定において決めることができる。設定可能な操作パラメータ(単位は括弧で示される)は以下を含む:
操作パラメータ
・PT−1設定点(トール):システムが、それより上で入口遮断弁AV−1が開くのを許容しない圧力。
・PT−2設定点(トール):システムが、システムが大気圧より上であることをユーザーに警告する圧力。
・PT−3設定点(トール):システムが、それより上でポンプを止める圧力。
・PT−2/3デルタ(トール):フィルタが閉塞しつつあるかを判断するため微粒子フィルタ両端間の圧力損失を調べる。
【0074】
図23は、一体化された半導体製造設備200の概略ブロック図であり、抽出器モジュール(抽出器)204とガス連通して接続される減圧モジュール(RPM)202を示し、それは、その次に半導体製造ガス消費装置(ツール)206とガス連通して接続され、RPM、抽出器、および/またはツールからスクラバーまで流れるガス中の有毒/危険ガス化学種を排除するために、かつ、スクラバーからの処理された流出物を吐出管路210で最終的に吐出するため、RPM202、抽出器204、およびツール206のそれぞれが、スクラバー装置(スクラバー)208との排気の関係で接続される。
【0075】
本発明によれば、減圧モジュールの自動切換え動作に対して時間遅延を追加すると、自動切換えが起こるのに先立って、抽出器キャビネットに警告するのが可能になる。その場合、抽出器キャビネットは、高速運転の抽出器ポンプ入口に圧力急上昇が誘導されるのを防止する措置をとることができる。減圧モジュールおよび抽出器モジュールは、図24Aおよび24Bに確認されるステップシーケンスを実施するため、それらのそれぞれの電子装置モジュールにおいてプログラム調整される。
【0076】
本発明の時間遅延自動切換えシーケンスは、ガスを、下流側抽出器モジュールまで流すため活動状態で分配するガス供給容器が、その空または終点限界に到達したとき、開始される。かかる限界は、稼動中のガス供給容器の有効な分配操作の終了を指定するが、適宜の適切な手段および/または方法によってその境界を定めることができる。例えば、空/終点限界は、その自重に近い容器の特定重量によってその境界を定めることができ、それは、含まれていたガスが、新しいガス供給容器へ切換えるのが所望される程度まで枯渇したことを示すものである。別の代替法として、空/終点限界は、分配操作の累積時間によって定められる設定点とすることができる。さらに別の代替法として、空/終点限界は、ガス供給容器が空に近づいていること、または、空の状態であることを示すレベルまで、分配ガスの圧力および/または流速が低下することによって、定めることができる。他の任意の手法、例えば、分配ガスの1つもしくは複数の特性の変化率を使用して、稼動中のガス供給容器に関与するガス分配操作に対する終了段階の限界を決めるか、または検出することができる。
【0077】
どのような方法で定めるかに関係なく、空/終点限界は、到達したとき、特定モードの限界点測定に適切なものとして、例えば重量センサ、圧力変換器、流速センサ、体積(累積)流量計、サイクルタイマー等によって検知され(図24Aのステップ1)、減圧モジュールの電子装置回路において、限界検知信号が作成され、それは、抽出器モジュールの電子装置回路によってプログラム可能に調整されて、時間遅延自動切換えシーケンスを実行する。次いで、限界検知信号が、減圧モジュールの電子装置密閉箱内の閉止可能な接点、リレー、または他の作動可能な手段に送信され、かかる手段の切換えを、限界検知を示す切換え状態に誘導する。例えば、図24Aに例示したシーケンスでは、接点が閉じる(ステップ2)。
【0078】
次いで、抽出器モジュールは、減圧モジュールでの接点閉止を入力として検知する(図24Aのステップ3)。かかる入力は、減圧モジュールの閉じた接点を含む回路から、抽出器モジュールの電子装置区画の制御回路に送信されるその時点の信号によって実行できる。次いで、抽出器モジュールの電子装置区画内の制御回路は、応答可能に動作して、図24Aに時間T2として示す時間の間、ポンプ入口弁(図21および22に示す弁AV−3)を閉じる(ステップ4)。同時に、抽出器モジュール制御回路は、例えば、図24Aに時間T3として示す時間の間、ポンプ用の周波数可変駆動装置(VFD)への電源のスイッチを切ることによって、かかるポンプを失速させる(ステップ5)。
【0079】
減圧モジュールの閉止可能な接点が閉じると、かかるモジュールの電子装置回路のタイマーも作動する。タイマーが作動して、図24Aに時間T1として示す時間遅延の間隔を、時間遅延間隔T1に到達するまでカウントダウンする(ステップ6)。この時点で、減圧モジュール内のガス供給容器の自動切換えが行われ(ステップ7)、分配ガスの流れが、枯渇したガス供給容器から新しい(ガス充填)ガス供給容器に切換えられ、ガス分配操作の連続性が確保される。
【0080】
次いで、ガスは、減圧モジュールの新しいガス供給容器から抽出器モジュールに流され(ステップ8)、かかる流れは、ポンプ入口弁の閉止時間間隔T2に到達するまで継続し、それは、ステップ4の開始時に抽出器モジュールの電子装置回路で作動する時間によって定めることができる。ポンプ入口弁の閉止時間間隔T2に到達したとき(ステップ9)、ポンプ入口弁(図21および22に示されるAV−3)が開き、ポンプ入口にガスが導入される(ステップ10)。ポンプ入口弁のかかる作動は、タイマーを、ポンプ入口弁用の空気圧式駆動部と運転可能なように接続することによって実行でき、その結果、時間間隔T2に到達したとき、タイマーは、ポンプ入口弁用の空気圧式駆動部へのガス流れを開始するようにスイッチを作動させる。
【0081】
次いで、ガスは、ポンプ休止時間間隔T3に到達するまで、減圧モジュールから抽出器モジュールのポンプまで流れ続ける(ステップ11)。この時点で、ポンプが作動して運転を再開する。ポンプ休止時間間隔T3は、抽出器モジュールの電子装置回路の比例積分微分(PID)制御ループによって動的にプログラム可能に決めることができ、その制御ループは、抽出器モジュールの圧力変換器と運転可能に接続され、その結果、ポンプ運転の再開は、抽出器モジュールのマニホルドガス流れ回路の圧力に関して「平滑化」されて、流れ回路における圧力および流速の摂動が最小限に抑えられ、かつ、本発明の時間遅延自動切換えシーケンスがない従来技術のシステムの操作に特徴的な圧力急上昇が解消される。かかる目的のPID制御ループは、ポンプの周波数可変駆動装置(VFD)と運転可能に接続できて、ポンプ運転の再起動時にVFDに通電される。あるいは、時間間隔T3は、自動切換えシステムのタイマーによって設定することができる。
【0082】
前述の本発明の時間遅延自動切換えシーケンスを、抽出器モジュールと組み合わせた減圧モジュールに関して例示的に上記してきた。しかし、それによって本発明は限定されず、むしろ適宜の複数の容器配列で実施できることが認識されるであろう。この場合、下流側ポンプ、または、他のモータ駆動式流体駆動装置は、複数の容器配列において、一方の容器から他方の容器へのガス供給の切換えに付随するポンプ入口でのかなりの圧力変化に応答して、ポンプ出口で圧力急上昇を受けやすいものである。さらに、本発明を2つの容器配列に関して例示的に記載してきたが、本発明は、2つ以上のガス供給容器を含む複数の容器配列での実施に適用できることが認識されるであろう。最後に、本明細書の特定の回路および制御構成要素、並びにその関係を参照しながら本発明を記載してきたが、本明細書の図24Aおよび24Bに関して例示的に開示および記載した本発明の一般的な手順は、多数のハードウェア/ソフトウェア構成およびフォーマットのどれでも実施できることが認識されるであろう。
【0083】
いうまでもなく、本発明の装置および方法は、本明細書の幅広い開示内容と一致する広範な様々な方法で実施できる。したがって、特定の特徴、態様、および実施形態に関して本発明を本明細書に記載してきたが、本発明はそれによって限定されず、しかし、他の変形形態、修正形態、および実施形態における実施の影響を受けやすいことが認識されるであろう。したがって、本発明は、全てのかかる他の変形形態、修正形態、および実施形態を本発明の特許請求の範囲の範囲内であるとして包含すべく広く解釈されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の一実施形態に従って容器切換え機能を備えた減圧モジュールのガス供給システムの正面図である。
【図2】図1の減圧モジュールの流れ回路の概略図である。
【図3】図1の減圧モジュールの「メインメニュー」画面表示である。
【図4】図1の減圧モジュールの「左のシリンダメニュー」画面表示である。
【図5】図1の減圧モジュールのガス供給容器交換の画面表示である。
【図6】図1の減圧モジュールの「保守メニュー」の画面表示であり、これには「L/C保守メニュー」、「R/C保守メニュー」、「アナログ較正」、「手動制御」、「現行の警報」、「操作パラメータ」、および「メインメニュー」用のタッチ選択項目が含まれ、ここで、「L/C」は左のシリンダを意味し、「R/C」は右のシリンダを意味する。
【図7】図1の減圧モジュールの「状態画面」の画面表示であり、減圧モジュール内の全ての弁、減圧モジュール内の各ガス供給容器の「ガスオン」または「ガスオフ」状態、減圧モジュール内の各圧力変換器の圧力読取値、およびガス供給容器のそれぞれの温度の状態を表示する。
【図8】図1の減圧モジュールの「左のシリンダガスオン」画面表示である。
【図9】図1の減圧モジュールの交換前の漏れ試験の画面表示であり、ガス区画の概略図が示され、弁状態および圧力変換器の圧力レベル、並びに、漏れ試験の経過時間および合計時間が含まれる。
【図10】図1の減圧モジュールの局部的パージサイクルの画面表示である。
【図11】図1の減圧モジュールのシリンダ交換の画面表示である。
【図12】図1の減圧表示モジュールのシリンダ交換後の漏れ試験の画面表示である。
【図13】図1の減圧モジュールの交換後のパージの画面表示である。
【図14】図1に示される減圧モジュールの「ツール真空排気」画面表示である。
【図15】図1の減圧モジュールの「ツールパージ」画面表示である。
【図16】図1の減圧モジュールの「ツールポンプパージ」画面表示である。
【図17】図1の減圧モジュールの「局部的真空排気」画面表示である。
【図18】図1の減圧モジュールの「局部的ポンプパージ」画面表示である。
【図19】本発明の一実施形態に従う、例えば図1の減圧モジュールと組み合わせて使用される抽出モジュールの立面図である。
【図20】図19の抽出モジュールの一部分の正面図であり、これのサージタンクおよび抽出ポンプ構成部分を示す。
【図21】図19の抽出モジュールの「状態画面」であり、抽出モジュール内のマニホルドの流れ回路および抽出モジュールの構成部分を示す。
【図22】図19の抽出モジュールの「ポンプ制御」画面表示である。
【図23】一体化された半導体製造設備の概略ブロック図であり、抽出モジュール(抽出器)とガス連通して接続される減圧モジュール(RPM)を示し、それは、その次に、ガス連通して半導体製造ガス消費装置(ツール)と接続され、それぞれのRPM、抽出器、およびツールが、スクラバー装置(スクラバー)と排気の関係で接続される。
【図24A−24B】本発明の一実施形態に従って時間遅延自動切換えシーケンスに使用されるステップを含むプロセス流れ図を示す。
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般にガス貯蔵分配容器に関し、詳細には、ガス消費プロセス装置に対してガスの継続的供給を提供するために、継続的な交換が必要になる複数の容器配列に関する。特定の態様では、本発明は、半導体製造設備における半導体製造ツールにガスを供給する複数のガス貯蔵分配容器を含むガスキャビネット、並びに、ガス分配操作の連続性を維持するための容器切換え用の自動切換えシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
トム(Tom)らの米国特許第5,518,528号明細書に開示されている物理的吸着剤に基づくガス貯蔵および分配システムは、半導体工業において危険ガスの輸送、供給、および使用に革命を起こした。このシステムは、容器内に貯蔵され、そこから選択的に分配されるべきガスに対して吸着親和力を有するモレキュラーシーブまたは活性炭などの物理的吸着剤媒体を保持する容器を含む。ガスは吸着剤媒体に吸着した状態で、「自由」(非吸着)状態にある同量のガスを保持する類似の(吸着剤が)空の容器と比較して、低い圧力下で、その容器に保持される。貯蔵分配容器における内部ガス圧力が、大気圧より低い圧力、大気圧、または大気圧を少し超える圧力であることは有利である。
【0003】
かかる減圧吸蔵のため、どんな漏れであっても、従来の高圧ガス貯蔵シリンダと比較して、ガスが非常に遅い速度で周囲環境に出ることになるので、ガス貯蔵分配操作の安全性が実質的に改善される。さらに、減圧下であることから、弁、流量制御装置、継手、接合個所等のシステム構成部品にかかる応力および摩耗が低減されるので、吸着剤に基づくシステムの低圧の操作では、かかるガス洩れ現象の確率がより少なくなる。
【0004】
半導体製造の実施に対する用途では、前述のタイプのガス貯蔵分配容器は、多くの場合ガスキャビネット内に配置され、この場合、複数の容器は、例えば配管、弁、流れが制限されたオリフィス構成要素、マニホルド、流量調整器、質量流量制御装置、パージループ、計測器、および監視装置等を含む適切な流れ回路にマニホルド化される。かかる流れ回路は、自動切換えシステムを含む場合があり、これにより、ガスが空になったとき、または、空の状態に近づいたとき、例えば、空になったか、実質的に空になった容器を、流れ回路とのガス供給関係から隔離して、容器の交換が容易になるように、弁を適切に切換えることによって、ガス貯蔵分配容器を流れから隔離するのが可能になる。同時に、例えば、マニホルド内の流量制御弁を適切に切換え、ガスが充満した新しい容器を流れ回路とのガス供給関係に置くことによって、充満したガス貯蔵分配容器がオンに切換えられる。次いで、隔離された空の容器は、流れ回路から外すことができて、ガスキャビネットから取り出され、前にオンに切換えた容器のガスが空になったときの後に続く操作の間に充満容器をその後に切換えて使用できるように、充満容器の据付けが可能になる。
【0005】
トムらの米国特許第5,528,518号明細書に記載されており、ATMI社(コネティカット州ダンベリ(Danbury)、USA)によって商標SDS(登録商標)およびSAGE(登録商標)の下で商品化された前述のタイプのガス貯蔵分配容器に加えて、ルーピングワング(Luping Wang)らに付与された米国特許第6,101,816号明細書、米国特許第6,089,027号明細書、および米国特許第6,343,476号明細書に記載されており、ATMI社(コネティカット州ダンベリ、USA)から商標VACの下に商業的に入手できる流体貯蔵分配容器は、同様に、半導体製造設備内のガスキャビネット内に配置され、ガス分配操作の連続性を維持するため、定期的に切換えることが必要になる。VAC(登録商標)容器は、流体圧力調整器を特徴としており、それは、流量制御弁などの流量制御構成要素の上流側に配置され、それによって容器から分配されるガスが、この調整器によって定められる設定点圧力で分配される。VAC(登録商標)容器内の流体は、半導体プロセス用のガス供給源として、調整器に逆らって閉じ込められる高圧の液体またはガスとすることができる。この調整器は、調整器を衝撃または環境汚染から保護するため、容器の内部に配置することが可能であり、容器は、特定の実施形態では、容器からガスを脱着分配するための物理的吸着材料を含むことができる。調整器に、大気圧より低い圧力、大気圧、または大気圧を少し超える圧力である圧力レベルの設定点を提供することによって、米国特許第5,518,528号明細書のガス貯蔵分配容器に関連して上記したのと同じ操作上および安全上の利点が実現される。
【0006】
SDS(登録商標)、SAGE(登録商標)、およびVAC(登録商標)の商標の下で商品化されている前述のタイプの容器は、低圧力の流体を含んで使用されるとき、ガスを発生するが、多くの用途では、ガスをその後の使用に適用できるように圧力を上げなければならない。このような場合、抽出システムを利用して、容器からガスを抽出することができる。抽出システムには、ガス供給設備の安全操作に必須の制御および保安システムに加えて、抽出ポンプおよびサージタンクが含まれる。抽出システムは、排気されかつ監視される金属密閉箱内に収納され、ガス供給ハードウェアは主キャビネット内に、制御用電子装置は、例えば主キャビネットの上に載置できる別の密閉箱内に配置される。ガス供給ハードウェアを含む別の専用ガスキャビネット内に、複数のガス貯蔵分配容器を、減圧モジュールとして含むことが可能であり、抽出システムは、この減圧モジュールと接続されて、マイルドな真空条件で操作される半導体製造ツールに一定圧力のガス供給を提供することができる。この減圧モジュールは、ガス分配容器を加熱する加熱機能を含み、分配操作を容易にすることができる。
【0007】
減圧モジュール内では、ガス分配ハードウェアおよび電子装置は、第1の容器が、もはや予め設定された圧力を維持することができない枯渇点に到達したとき、予め設定された圧力で容器自動切換えを実行するようにプログラム可能に配置することができる。かかる目的のため、ガス分配ハードウェアおよび電子装置は、ガス流路の自動または手動の真空排気、パージ、および漏れ検出ができるように組み立てられ、配置される。プログラム可能な論理調節器(PLC)は、システム内で、弁状態、システム圧力、容器重量、および温度を監視し、以下の機能の制御用に前もってプログラムされたシーケンスを提供するため、使用できる:容器交換、ガス流れの開始、容器の自動切換え、パージガス制御、プロセス/パージガス真空排気、プロセスガス流れの固定続けて閉止、および容器ヒータの温度制御例えばブランケットの加熱。
【0008】
上記タイプの減圧モジュールおよび抽出システムは、ATMI社(コネティカット州ダンベリ、USA)から商標RPMの下で商業的に入手可能である。
【0009】
このように、前述の吸着剤に基づく、および/または内部圧力調整器を備えたタイプの容器を、複数の容器配列内に配置することができ、この場合、動作状態(稼働中)の容器の終点に到達したとき、空の容器から充満容器への容器の自動切換えが行われる。この終点は、様々な方法で定めることができ、それは、容器含有物の枯渇を示す分配ガスの圧力および/または流速の低下によって定めることができ、あるいは、それは、そこからガスが引き続き分配されるのに付随する容器の重量減少によって、分配ガスの累積体積流量によって、予め定められた運転時間によって、または他の適切な方法によって定めることができる。
【0010】
容器の終点を定める手段またはモードに関係なく、空の容器から充満容器への自動切換えには、ポンプの入口において圧力の急激な変化が伴う。このポンプは、流れ回路を経由して下流側のガス消費プロセスまでのガス流れを生じさせるモータ駆動式流体駆動装置として使用されるものである。通常の設備においてポンプと共に使用される比例積分微分(PID)制御論理では、圧力変化の衝撃を回避するためにポンプを低速にするのに十分に速く反応することができず、その結果、高速運転ポンプの出口での圧力の急上昇が起こる。大気圧より低い圧力システム、例えばイオン注入に使用されるとき、この場合、注入チャンバの大気圧より低い操作が最適のプロセス構成を意味するが、では、この圧力の急上昇は、圧力がシステム設定点限界を超えるのを引き起こす可能性がある。かかる超過圧力条件から、今度は警報が作動するのを引き起こす可能性があり、極端な圧力変化条件下では、ガス供給システムの保安監視用の構成要素により、ガス流れの閉止および下流側のガス消費プロセスの望ましくない停止を引き起こすおそれがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、前述の米国特許第5,518,528号明細書、米国特許第6,101,816号明細書、米国特許第6,089,027号明細書、および米国特許第6,343,476号明細書に記載されているタイプの容器を含む、複数の容器配列と接続したポンプ圧送/抽出装置を含み、それにより、容器切換えに付随する圧力変動が最小限に抑えられるガス供給システムの自動切換え装置および方法を提供することは、技術が進歩することになろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の概要
本発明は、一般にガス貯蔵分配容器に関し、詳細には、ガス消費プロセスに対してガスの継続的供給を提供するために、配列において空になった容器から新しいガス含有容器への継続的な交換が必要になる複数の容器配列に関する。
【0013】
本発明は、一態様において、ガス供給分配システムに関し、このシステムは、
その配列内にある第1の容器から第2の容器への切換えを伴う連続稼動分配操作用に配置される、少なくとも2つのガス貯蔵分配容器からなる配列と、
前記配列内の容器のうち稼働中の容器からのガスのポンプ圧送とポンプ圧送ガスの吐出のための、該配列とガス連通して接続されるポンプと、
前記容器のうち稼働中の容器の終点限界を検知し、次の稼動容器である、ガスの入った配列内の他方の容器からガスを引き続き分配をするために、稼働中の容器から前記他方の容器への自動切換えを開始するように組み立てられ、配置される自動切換えシステムとを含み、ここで、
終点限界の検知をしてから自動切換えを開始するまでの間に、ポンプへのガスの流れを停止し、ポンプを休止させ、かつ、
自動切換えの開始後、ポンプへのガスの流れを再開始させて、ポンプを再起動させる。
【0014】
別の態様では、本発明は、ポンプから吐出されるポンプ圧送ガスの圧力変動を実質的に低減する方法に関し、
その配列内にある第1の容器から第2の容器への切換えを伴う連続稼動分配操作用に配置される、少なくとも2つのガス貯蔵分配容器からなる配列を含み、前記配列内の容器のうち稼働中の容器からのガスのポンプ圧送とポンプ圧送ガスの吐出のため、ポンプが該配列とガス連通して接続されるガス供給分配システムにおいて、
前記方法が、
前記容器のうち稼働中の容器の終点限界を検知し、次の稼動容器である、ガスの入った配列内の他方の容器からガスを引き続き分配をするために、稼働中の容器から前記他方の容器へ切換えることと、
ポンプへのガス流れを停止させ、ポンプを休止させることと、ただし、該停止および休止ステップが、終点限界を検知するステップと切換えステップの間に行われる、
ポンプへのガス流れを再開始させ、ポンプを再起動させることと、ただし、該再開始および再起動ステップが、切換えステップ後に行われる、
を含む。
【0015】
本発明のその他の態様、特徴、および実施形態は、後に続く開示および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明およびその好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は、ガス供給システムの自動切換え装置および方法を提供し、この場合、ポンプ圧送/抽出装置は、前述の米国特許第5,518,528号明細書、同第6,101,816号明細書、同第6,089,027号明細書、および同第6,343,476号明細書に記載されているタイプの容器を含む複数の容器配列と接続されている。
【0017】
本発明は、複数の容器配列における流体貯蔵分配容器の切換えによる有害な圧力効果を、自動切換えに先立ってポンプ圧送構成部分に信号を送ることを可能にするために、自動切換えシステムに時間遅延を設け、その結果、ポンプ圧送構成部分が応答可能に動作して、高速運転ポンプの入口への圧力急上昇の伝播を防止することによって、解消できるという発見に基づいている。このポンプは、流れ回路を経由して下流側のガス消費プロセスまでガス流れを生じさせるために使用されるものである。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に従って容器切換え機能を備えた減圧モジュールのガス供給システム10の正面図である。
【0019】
ガス供給システム10は、予備密閉箱としての主キャビネット12および電子装置密閉箱26を含み、主キャビネットおよび電気的密閉箱が一緒にボルト締めされ、一体化されたガス供給システムが形成される。ガス供給マニホルドおよびガス供給容器は、主キャビネット12内に収納され、それは、例えば12番冷間圧延鋼で組み立てることができる。主キャビネット12は、掛け金18および覗き窓22を有する左手ドア14、並びに掛け金20および覗き窓24を有する右手ドア16を特徴とする。電子装置密閉箱26は、オン/オフスイッチ28を特徴とするが、図示のように主キャビネット12の上に載置される。タッチ画面インターフェイス30は、キャビネットの上の電気的密閉箱の前面に配置される。
【0020】
電子装置密閉箱26には、タッチ画面インターフェイス30を介して一体化ガス供給システムを制御するためのプログラム可能な論理調節器(PLC)が含まれ、PLC装置とタッチ画面の間の交信は、PLC装置のシリアルポート接続を介して実行される。この画面は、テキストやグラフィックスに関係付けられ、命令をPLC装置に伝えるタッチに敏感なグリッドを有する。タッチ画面は、ユーザーメニュー、操作および情報画面、並びに、システムへの認可されたアクセスだけを助ける安全防壁を表示する。
【0021】
主キャビネット12は、吸着剤を保持した一対のガス貯蔵分配容器を含み、ここで、吸着剤媒体は、容器内のガスに対して吸着親和力を有する固相の物理的吸着剤の微粒子の床の形で提供される。ガス貯蔵分配容器に加えて、主キャビネットは、プロセス流れ回路を含み、それはまた、パージおよびベント操作用の配管、弁等を含む。
【0022】
ガス供給容器は、以下ではしばしばシリンダと称するが、適切なタイプのものはどれでもよい。固相の物理的吸着剤、例えば、モレキュラーシーブ、活性炭、シリカ、アルミナ、吸着性粘土、マクロ網状の高分子等に吸着的に保持されてその中にガスを有する固相の物理的吸着剤含有容器として本明細書に例示的に記載するが、ガス供給容器は、流体が、容器からガスを分配するように保持される他の適切なタイプのものでよいことを理解すべきである。本発明の幅広い実施において、前述の米国特許第5,518,528号明細書、同第6,101,816号明細書、同第6,089,027号明細書、および同第6,343,476号明細書に記載されている様々なタイプのガス供給容器が、現在では好ましく、かかる特許の開示内容は、それらのそれぞれ全体が参照により本明細書に援用される。
【0023】
図2は、図1の減圧モジュールの流れ回路の概略図であり、マニホルドガス流れ管路54、56、58、60、62、および64を含む流れ回路と相互接続される左のガス貯蔵分配容器50、並びに、右のガス貯蔵分配容器52を含む。この配置の流れ回路は、内部体積が小さく、死容積が最小限で、高流量の大気圧より低い圧力のガス用に設計されている。ガスマニホルド流れ回路への接続は4つのタイプがある:
(i)ポンプ/スクラバーマニホルド接続、
(ii)プロセスガス出口マニホルド接続、
(iii)パージガスマニホルド接続、および
(iv)ガス供給容器マニホルド接続。
これらのそれぞれについて以下に順番に述べる。
【0024】
ポンプ/スクラバーマニホルド接続では、真空発生源(図2に示されてない)が、その中に自動流量制御弁AV13を含む真空発生源用の管路60の第1の端部に接続される。真空発生源用の管路60は、これらの第2の端部でプロセスガス出口管路58に接続される。
【0025】
プロセスガス出口マニホルド接続では、下流側のガス消費プロセス装置(図2に示されてない)が、その中に手動弁MV11、並びに自動弁AV15およびAV10を含むプロセスガス出口管路58の第1の端部に接続される。プロセスガス出口管路58はさらにまた、その中に手動弁MV21、並びに自動弁AV25およびAV20を含むプロセスガス供給管路56に接続される。
【0026】
パージガスマニホルド接続では、パージガスの供給源(図2に示されてない)が、この第1の端部でパージガス供給管路62に接続される。パージガス供給管路62は、この第2の端部でプロセスガス出口管路58に接続される。パージガス供給管路62は、その中にフィルタ、圧力スイッチ(PS1)、流れが制限されたオリフィス(RFO)、および自動弁AV12を含む。パージガス供給管路62に接続されるのは、その中にフィルタ、圧力スイッチ(PS2)、流れが制限されたオリフィス(RFO)、および自動弁AV22を含むパージガス流れ管路64である。パージガス供給管路62との接合部からは反対側のその端部で、パージガス流れ管路64は、プロセスガス供給管路56に接続される。
【0027】
ガス供給容器マニホルド接続では、ガス貯蔵分配容器50が、プロセスガス出口管路58(自動弁AV10の上流側)に接続される。ガス貯蔵分配容器52は、自動弁AV20の上流側のプロセスガス供給管路56に接続される。
【0028】
図2のマニホルド配置では、3個の圧力変換器がマニホルドに配置される。圧力変換器PT−11は、ガス貯蔵分配容器50に係わる圧力を監視し、圧力変換器PT−21は、ガス貯蔵分配容器52に係わる圧力を監視する。圧力変換器PT−31は、下流側のガス消費プロセス装置に、または、減圧モジュールと下流側のガス消費プロセス装置との間に配置される抽出器モジュールに流れるプロセスガスの出口圧力を監視する。ポンプ/スクラバーの真空レベルは、ガス貯蔵分配容器50に係わるマニホルド部分の真空発生源用の管路60にある真空度センサVS−1によって、並びに、ガス貯蔵分配容器52に係わるマニホルド部分のプロセスガス供給管路56にある真空度センサVS−2によって、監視される。
【0029】
パージガス供給管路62に接続されてパージガスマニホルド接続を構成するパージガス供給源は、例えば、超高純度窒素、超高純度窒素/ヘリウムの混合物、または、他の適切な単一成分もしくは多成分気体媒体などのパージガスの供給タンクのようなマニホルド管路の流路および関連する構成部分のパージに効果のあるものとして適切な、いかなるパージガス供給源としてもよい。いわゆる「ハウス(house)窒素」(すなわち、半導体製造設備の一般的な供給用役から利用できる窒素)、または、そこの適切な供給源からのクリーン乾燥空気(CDA)は、マニホルドの空気圧式自動弁を駆動するのに、並びに、減圧モジュールの主キャビネットおよび関連する電子装置モジュールをパージするのに使用できる。ガスは、主キャビネットに接続され、半導体製造設備の排気システムに接続される配管によって主キャビネットから排気される。
【0030】
さて、減圧モジュールの主キャビネットに付随する電子装置モジュールのタッチ画面に表示される一連の画面を参照して、減圧モジュールの操作を説明する。
【0031】
初期の操作では、開始ボタン28(図1を参照されたい)を押すと、このシステム用のイベントのうちの操作開始シーケンスが始まり、図3に示す初期のメインメニュー画面に導かれ、この画面には、「アクセスコード入力」、「状態画面」、「現行の警報」、「保守メニュー」、「警報履歴」、「自動切換え」、および「システム待機」用のタッチ選択項目が含まれる。
【0032】
メインメニュー画面の「現行の警報」のタッチ選択から、警報設定、例えば、鳴動する警報を沈黙させること、活動状態にないシステム警報をリセットし、その結果それを再作動させること等、およびシステムの全ての警報器の現状を表示することを選択するためのサブメニューが作成される。
【0033】
警報器が所望通りに設定された後、メインメニューに戻ると、「アクセスコード入力」のタッチ選択によってアクセスコード入力が可能になり、それにより、操作アクセス、保守アクセス、および全てのアクセスを含めて、所望のアクセスレベルの選択を可能にするサブメニューが作成される。次いで、アクセスレベルサブメニューのレベルを選択すると、アクセスコード入力用のキーパッドが作成される。
【0034】
メインメニュー画面(図3)に戻ると、「保守メニュー」のタッチ選択(本明細書の図6の説明のところで後に詳細に述べる)により、始動時にガス供給容器を据付けるために利用できる自動ガス供給容器交換ルーチンにアクセスし、そのルーチンは、サイド(キャビネットの左側または右側)の選択で始まり、そのとき、最初のガス供給容器が据付けられることになる。左側のガス供給容器を据付ける場合、タッチ画面上の対応する選択を行うと、図4に示す「左のシリンダメニュー」が作成される。「右のシリンダメニュー」も同じ形式である。
【0035】
図4に示す「左のシリンダメニュー」には、「ツール真空排気」、「ガスオン」、「ツールパージ」、「局部的真空排気」、「ツールポンプパージ」、「局部的ポンプパージ」、「シリンダ交換」、および「メインメニュー」のタッチ選択が含まれる。
【0036】
タッチ画面上の「シリンダ交換」ボタンを押圧すると、ガス供給容器交換ルーチンが起動され、図5に示す画面表示が、プロンプトの「シリンダ交換」、すなわち、主キャビネット内に左側のガス供給容器の据付けが可能であることを示して作成される。減圧モジュールの主キャビネットの左の仕切部分に、充填されたガス供給容器が据付けられた後、画面下の左側にある「継続」をタッチ選択すると、このシステムが、シリンダ交換ルーチンを終了させ、据付けられたガス供給容器をガス分配操作の配置につかせる。その後、右側のガス供給容器の据付けの場合も対応するやり方でこのプロセスを繰り返すことができる。
【0037】
図1に示す実施形態では、この減圧モジュールにより、2個のガス供給容器から単一の出口接続部までの大気圧より低い圧力のガスの供給および制御が可能になる。このシステムは、始動ガス供給容器が枯渇したとき、始動ガス供給容器からバックアップガス供給容器への自動切換えを制御するように組み立てられ、配置される。枯渇したシリンダを交換した後、システムは、最初の始動サイドへの自動切換え復帰にリセットできる。
【0038】
上記検討したように、制御システムは、左側および右側のガス供給容器それぞれ用の「左のシリンダ」および「右のシリンダ」の2つの操作サブメニューを有する。これらのサブメニューへのアクセスは、タッチ画面のメインメニューを介して保守メニューボタンを押圧し、図6に示す画面を作成することによって行われ、それには、「L/C保守メニュー」、「R/C保守メニュー」、「アナログ較正」、「手動制御」、「現行の警報」、「操作パラメータ」、および「メインメニュー」のタッチ選択が含まれ、この場合、「L/C」は左のシリンダを意味し、「R/C」は右のシリンダを意味する。「手動制御」、あるいは、「l/C保守メニュー」または「R/C保守メニュー」を選択すると、「ガスオン」および保守操作を選択するのが可能になる(図4を参照されたい)。
【0039】
例示的な実施形態では、減圧モジュールは、6つの基本運転モードを有し、以下を含む:
1.全ての弁が閉:始動時、重大警報または電源故障/電源異常の後、両方のシリンダについてガスオフ。
2.左のシリンダのガスオン−自動切換えオフ:左のシリンダの枯渇まで運転、「空のシリンダ」信号を送信する。
3.右のシリンダのガスオン−自動切換えオフ:右のシリンダの枯渇まで運転、「空のシリンダ」信号を送信する。
4.左のシリンダのガスオン−自動切換えオン:左のシリンダの枯渇まで運転、右のシリンダに切換える。
5.右のシリンダのガスオン−自動切換えオン:右のシリンダの枯渇まで運転、左のシリンダに切換える。
6.手動運転:シリンダ弁以外の全ての弁の手動選択。
【0040】
減圧モジュールには、手動ガス供給容器弁または空気圧式ガス供給容器弁を取り付けることができ、バルブ型式の選択は、パラメータ設定操作において行われる。
【0041】
「状態画面」は、図7に示されており、「メインメニュー」の対応するタッチ画面を選択することによってアクセスされる。「状態画面」は、例えば、適切な色彩設計(対応する弁の赤着色は閉止弁を示し、対応する弁の緑着色は開放弁を示す)、または、他の視覚的に認識できる区別によって、減圧モジュール内の全ての弁の状態を表示する。「状態画面」はまた、減圧モジュール内の各ガス供給容器の「ガスオン」または「ガスオフ」状態、減圧モジュール内の各圧力変換器の例えばトールを単位にした圧力読取値、およびガス供給容器それぞれの温度を表示する。減圧モジュール内のガス流れは、「状態画面」からオフにすることができる。
【0042】
このシステムは、「ガスオン」モードにおいてガスが分配されるべきとき、マニホルド流れ回路の左または右のサイドのうちの特定の1つにおいて、局部的真空排気の運転を行わなければならないように配置される。この局部的真空排気の機能は、適切な(左または右の)ガス供給容器メニュー(「左のシリンダメニュー」または「右のシリンダメニュー」)の「局部的真空排気」ボタンのタッチ選択によって起動される。「メインメニュー」の「自動切換え」ボタンにアクセスして、自動切換え機能が休止され、その後、局部的真空排気およびガス流れのステップが開始される。
【0043】
局部的真空排気に続き、「ガスオン」ボタンが、適切な(左または右の)ガス供給容器メニュー(「左のシリンダメニュー」または「右のシリンダメニュー」)上でタッチ選択される。この処置により、左側容器が選択された場合、図8に示す左側ガス供給容器用の画面が作成され、右側容器が選択された場合、右側ガス供給容器用の対応する画面が作成され、「空気圧式シリンダ弁」が選択された場合、ガス供給容器弁(AV−10またはAV−20)を開き、「手動シリンダ弁」が選択された場合、ユーザーが手動ガス供給容器弁を開くようにプロンプトがでる(画面は示されてない)。ピグテール(pigtail)弁(AV−11またはAV−21)およびツール隔離弁(AV−15またはAV−25)も開き、大気圧より低い圧力のガスがマニホルドおよび供給管路に充填される。
【0044】
システムを自動切換えに設定するため、「メインメニュー」で「自動切換え」画面にアクセスされ、「自動切換え」ボタン(画面は示されない)が押圧され、それに続き、操作者は、この画面から出て、その前にオンにされたガス供給容器の相手方になる容器の「ガスオン」画面ボタンに戻り、すなわち、左側ガス供給容器が、その前に分配モードにおける動作状態の容器であった場合、「右のシリンダメニュー」の「ガスオン」ボタンが選択され、逆の場合も同様である。その前に非活動状態のかかるガス供給容器の「ガスオン」ボタンを押圧することによって、ピグテール弁(AV−11またはAV−21)だけでなく、ガス供給容器弁(AV−10またはAV−20)も開くことになる。「スティック(stick)」隔離弁(AV−15またはAV−25)は、自動切換え点に到達するまで開かない。
【0045】
「ガスオフ」条件は、「メインメニュー」の「状態画面」か、または、適切な「左のシリンダメニュー」または「右のシリンダメニュー」の「ガスオン」画面のいずれかによって制御できる。「ガスオフ」ボタンを押圧すると、選択されたガス供給容器側の全ての弁(左側の弁AV−10、AV−11、およびAV−15、右側の弁AV−20、AV−21、およびAV−25)が閉止され、ガス供給容器からマニホルドへの、および、マニホルドからツール供給管路へのガス流れを止める。操作者は、左または右のシリンダアイコンを押圧することによって、それぞれのガス供給容器の間で交互に切換えることができる。「自動切換え」設定が活動状態の場合、現行の「ガスオン」シリンダを「ガスオフ」にスイッチを入れると、自動切換えが開始されることになる。これにより、最初に待機中のガス供給容器をオフにし、次に活動状態のガス供給容器をオフにすることが起こるのが防止される。「ガスオフ」の確立後、マニホルド管路は、パージまたは真空排気されるまで、大気圧より低い圧力のガスによって充填されたままである。
【0046】
電子装置モジュールの「現行の警報」画面を起動して、全ての動作中の警報器を表示することができ、操作者に、その頻度および発生率によって、警報条件をリセットする機会、または、1つもしくは複数の種類の警報を止める機会、およびシステムの警報履歴を調べる機会を与える。警報器は、例えば以下の警報条件の場合に作動させることができる:キャビネット換気不良、ドアインタロック警報、有毒ガス検出、真空度/圧力の不足、真空度差、および無効なアナログ入力。電子装置モジュールはまた、監視装置、例えばセンサおよび検出器を有することができ、これは電子装置モジュールに接続され、かつ警報器と運転可能に関連付けられ、その結果、例えば、有毒ガス監視装置が、その特性上危険であるガス化学種の存在を検知した場合、警報が作動し、弁(例えばAV−15またはAV−25)は閉じるように駆動され、その後、警報トリガ条件が終了または解消したとき、再度開く。
【0047】
「メインメニュー」の「保守メニュー」ボタンを押圧すると、図6に示す画面が引き出され、二者択一の「L/C保守メニュー」および「R/C保守メニュー」ボタンのタッチ選択によって、操作者が左サイドまたは右サイドの保守操作を選択するのが可能になり、その次に、主キャビネットのそれぞれのサイド(およびガス供給容器)用の保守メニューのそれぞれの「ツール真空排気」、「ツールパージ」、「ツールポンプパージ」、「局部的真空排気」、「局部的ポンプパージ」、「シリンダ交換」、および「ガスオン」ボタンにアクセスされる。
【0048】
「シリンダ交換」ボタンが押圧された場合、図9に示す第1のシリンダ交換画面にアクセスされる。これは、交換前の漏れ試験用の画面である。交換前の漏れ試験画面は、弁状態および圧力変換器圧力レベルを含むガス区画の概略図を示す。交換前の漏れ試験画面の下部には、漏れ試験の経過時間および合計時間の表示がある。
【0049】
次に、プログラムは、操作者に、ガス供給容器閉鎖スイッチを「オフ」に入れ、自動ガス供給容器弁を閉の位置にロックし、次いで「実行」を押圧するよう促す。一旦「実行」が押圧されると、パージ入口圧力が、圧力センサPS−01で確認される。圧力が十分ある場合、自動弁AV−12が開き、圧力変換器PT−01で圧力が確認される。これら2つのステップの間でパージ圧力が不十分と判断された場合、今度はシステムが警報を鳴らし、操作者の入力を待つ。自動弁AV−11が開いて、ガス供給容器弁まで「スティック」(所与の容器に付随するマニホルド部分)を加圧する。短い遅延時間の後、自動弁AV−12が閉じられ、圧力値が取得され、圧力の漏れ降下試験タイマーが始動する。漏れ降下速度が設定表の値未満の場合、漏れ試験は成功裏に終了する。漏れ試験が好結果を得て終了したとき、局部的パージサイクル画面が現れる。
【0050】
第2のシリンダ交換画面は、局部的パージサイクル画面であり、図10に示されている。局部的パージサイクルを始めるため、自動弁AV−14が開き、真空度レベルが真空度センサVS−01で確認される。一旦真空度センサが条件を満たされ、応答可能に閉じると、ベント隔離弁AV−13が開き、圧力変換器PT−01での真空度レベルがシステムの設定パラメータにある値と比較される。検知された圧力変換器PT−01の圧力が、前もってプログラムされた真空度レベル未満であるとき、ベント弁AV−13が閉じ、パージ弁AV−12が開き、それによって予め設定されたパージガス圧力までガススティックが加圧される。上記シーケンスは、システムプログラムの設定ルーチンで決められた繰返し数の間繰り返される。このサイクルの完了後、シリンダ交換手順の次の画面が表示される。
【0051】
第3のシリンダ交換画面が図11に示されており、操作者にシリンダを交換するよう命令する。ガス供給容器が交換されるのに付随してCGA結合金具が解かれると、パージ窒素が、マニホルドの開いたピグテール部分から流れ出て、ピグテールの中への空気の逆流が防止される。新規のガス供給容器が据付けられ、CGA結合金具が適切なトルクまで締まったとき、継続ボタンが押圧され、それによって図12に示す画面が作成される。
【0052】
図12に示す画面は、シリンダ交換後の漏れ試験画面である。シリンダ交換後の漏れ試験は、上昇率または「漏れ上昇」率の試験である。システムは、ポンプ/スクラバーからの真空排気を使用して局部的真空排気手順によって排気され、次いでシールされ、漏れを示すなんらかの上昇変化について圧力が監視される。このプロトコルが実行されるとすぐに、自動弁AV−14が開き、短い遅延時間の後、自動弁AV−13が開き、システムが真空排気される。圧力変換器PT−11によって真空度レベルが測定される。短時間の安定化遅延時間の後、自動弁AV−13が閉じ、真空排気レベルが取得される。この時点で、タイマーが始動し、システム設定プログラムによって定められた時間の間試験が行われる。設定プログラムが許容するもの以上に真空度が変化しなかった場合、このシステムは、交換後の漏れ試験に合格したことになる。
【0053】
漏れ試験の時間が終了し、漏れ試験タイマーがゼロに到達したとき、図13に示すように、交換後のパージ画面が現れる。次いで、交換後のサイクルパージ運転により、その自動パージおよび真空排気ルーチンが始まる。交換後のパージの間、サイクル設定値および現行のサイクルカウント数が表示される。一旦システムがプログラムに従って真空排気およびパージサイクルの予め設定された数を完了すると、画面が現れて、操作者にシリンダ交換ルーチンが完了したことを知らせ、そこで操作者が実行ボタンを選択すると、メインメニューに戻ることができる。
【0054】
ツール真空排気操作を行うため、適切なガス供給容器の「シリンダメニュー」にアクセスされ、「ツール真空排気」ボタンが選択される。これにより、図14に示す画面が作成され、ツール隔離弁(AV−15またはAV−25)が開き、ツールの真空排気システムを使用してシリンダ弁(AV−10またはAV−20)までのガス区画が真空排気される。ツール真空度が不十分(設定パラメータで定められた設定値未満)な場合、ツール隔離弁(AV−15またはAV−25)は開かず、警報が作動する。「ツール真空排気」操作は、画面下の右側部分にある「停止」ボタンを押圧することによって操作者により停止されるまで、実施されたままである。
【0055】
次の「ツールパージ」メニューは、適切なガス供給容器の「シリンダメニュー」から選択され、図15に示す画面が作成される。次いで、「ツールパージ」が始まり、自動弁AV−12またはAV−22を開くことによって、および自動弁AV−15またはAV−25を開くことによって、パージ入口からプロセスツールまでの不活性ガスパージが提供される。圧力変換器PT−31において、パージが継続できるように、最小のツールパージ圧力設定点(全体の設定画面で決められ、画面順序「メインメニュー」→「保守メニュー」→「操作パラメータ」によってアクセスされる)が維持されなければならない。操作者が停止ボタンを押圧するまで、ツールパージは実施されたままである。
【0056】
次に、適切なガス供給容器の「シリンダメニュー」から「ツールポンプパージ」メニューを選択し、図16に示す画面を作成し、この操作を開始することによってツールポンプパージ操作が実行され、その間、マニホルドのスティックが交替に真空排気され、次いでパージガスで加圧される。自動弁AV−15またはAV−25が開き、ツールの真空排気システムを使用して、シリンダ弁AV−10またはAV−20までガススティックが排気される。圧力変換器PT−31におけるツール真空度が最小のツール真空度設定値未満にない限り、自動弁AV−15またはAV−25は開かない。一旦圧力変換器PT−11またはPT−21での圧力が最小の真空度レベル設定値未満になると、タイマーはカウントを始める。タイマーがカウントし終わると、自動弁AV−015またはAV−25が閉じ、自動弁AV−12またはAV−22が開き、マニホルドをパージガスで満たす。圧力変換器PT−11またはPT−21での圧力が最小のパージ設定値より高いとき、別のタイマーがカウントを始め、システムは、タイマーが設定のサイクル数に到達するまで、パージを続ける。この2つに分けたサイクルは、プログラムされたサイクル数の間繰り返され、ガス区画を減圧状態にしたままで自動的に終了する。
【0057】
次いで、適切なガス供給容器の「シリンダメニュー」から「局部的真空排気」メニューを選択し、図17に示す画面を作成し、この操作を開始することによって局部的真空排気操作が実行され、ポンプ/スクラバーから供給される真空排気を使用してガススティックが真空排気される。真空の存在は、真空度センサVS−01またはVS−02で確認され、自動弁AV−13またはAV−23が開き、真空度レベルは、圧力変換器PT−11またはPT−21で確認される。一旦PT−11またはPT−21での真空度レベルが最小の真空度設定値未満になると、自動弁AV−11またはAV−21が開き、シリンダ弁までスティックを真空排気する。操作者が停止ボタンを押圧するまで、局部的真空排気は実施されたままである。この操作の間、ガスキャビネットは、手動ツール隔離弁を閉じることによってツールおよび供給管路から隔離される。
【0058】
次に、適切なガス供給容器の「シリンダメニュー」から「局部的ポンプパージ」メニューを選択し、図18に示す画面を作成し、この操作を開始することによって、局部的ポンプパージ操作が実行される。これは、上記したような「局部的真空排気」機能を実行することによって始まる。圧力変換器PT−11またはPT−21での真空度レベルが最小の真空度設定値未満であるとき、真空排気タイマーがカウントを始める。タイマーがカウントし終わったとき、自動弁AV−13またはAV−23が閉じ、圧力センサPS−01が十分なパージ圧力があることを確認し、自動弁AV−12またはAV−22が開き、スティックにパージガスを供給する。圧力変換器PT−11またはPT−21での圧力が最小のパージ圧力設定値より高いとき、パージタイマーがカウントを始める。このタイマーがカウントし終わると、パージガス自動弁AV−12またはAV−22が閉じ、ベンチュリ隔離弁AV−013またはAV−23が開き、シリンダ弁までスティックを真空排気して戻す。このシーケンスは、プログラムされたサイクル数の間繰り返され、マニホルドを真空排気した状態で自動的に終了する。このシーケンスの間、ツールは、手動スティック隔離弁を閉じることによってガスキャビネットから隔離される。
【0059】
減圧モジュールは、「保守メニュー」にアクセスし、「手動制御」を選択することによって、手動モードで運転することができる。このモードでは、ガス区画を示す画面が作成され、弁状態および全ての変換器の圧力読取値が示され、画面上の弁アイコンを切換えて、マニホルドの対応する弁を開閉できる。
【0060】
操作パラメータは、上記したように、画面順序「メインメニュー」→「保守メニュー」→「操作パラメータ」によるシステムの設定で決めることができる。設定可能な操作パラメータ(単位は括弧で示される)は、以下を含む:
全体の設定
・シリンダ低圧(トール):システムが、シリンダが空に近づき、交換が指図されるべきであることをユーザーに警告する点。
・シリンダ交換(トール):システムが、シリンダが空であり、(自動切換えが活動状態の場合)バックアップシリンダへの切換えをユーザーに警告する点。
・最小ツール真空度(トール):システムがツールから検出しなければならない最小真空度。
・平衡遅延時間(秒):変換器読取値の安定化を可能にする遅延時間。
・真空度デルタP(トール):真空下の変換器の間で許容できる逆方向読取値。
・シリンダ弁:据付けられるシリンダの弁の型式を選択する。
ツール真空排気
・最小ツール真空度(トール):ツール真空排気およびツールポンプパージプロトコルにおいて、弁が開く前に圧力変換器PT−31で確かめなければならない最小真空度。
局部的真空排気
・最小真空度設定点(トール):局部的真空排気の継続を可能にするため、圧力変換器PT−11またはPT21で確かめなければならない最小真空度。
ツールポンプパージ
・真空排気サイクルの遅延時間(秒):真空排気が安定化するのを可能にするための時間遅延。
・最小パージ圧力(トール):パージ加圧の間に到達しなければならない圧力。
・加圧サイクルの遅延時間(秒):圧力が安定化するのを可能にするための時間遅延。
・最小ツール真空度(トール):ツールポンプパージの間、弁が開く前に圧力変換器PT−31で確かめなければならない最小真空度。
・パージサイクルの数:加圧/真空排気サイクルの数。
局部的ポンプパージ
・最小真空度設定点(トール):真空発生源が到達しなければならない最小真空度。
・真空排気サイクルの遅延時間(秒):真空排気が安定化するのを可能にするための時間遅延。
・圧力変換器PT−11またはPT21での最小パージ圧力(トール):到達しなければならないパージガス圧力。
・加圧サイクルの遅延時間(秒):加圧が安定化するのを可能にするための時間遅延。
・パージサイクルの数:加圧/真空排気サイクルの数。
シリンダ交換
・最小漏れ試験圧力(トール):漏れ降下試験の間で達成しなければならない最小圧力。
・許容される圧力減衰(トール):漏れ降下試験の間で許容される圧力損失。
・交換前の漏れ試験時間(分):これは、シリンダ交換開始時、シリンダ弁が適切にシールされていることを確認する漏れ試験時間である。
・圧力変換器PT11/PT21最小圧力(トール):ピグテールを分離しながらシリンダ交換の間に到達しなければならない最小圧力。
・最小漏れ試験真空度(トール):漏れ上昇試験を行うために到達しなければならない真空度。
・許容される圧力上昇(トール):これは、漏れ上昇試験の間に許容される許容範囲内の圧力上昇である。
・交換後の漏れ試験時間(分):これは、新規シリンダが接続された後、CGA結合金具が適切に締められていることを確認するための漏れ上昇試験の漏れ試験時間である。
・マニホルド圧力の遅延時間(秒):警報を鳴らす前の圧力安定化時間。
【0061】
減圧モジュールに接続されるポンプ/スクラバーは、ポンプ構成部分を介して、減圧モジュールのマニホルドを経由してガス流れを生じさせるモータ駆動の機能を提供するように、かつ、下流側ツールまたは他のガス消費プロセス装置へガスを輸送するように、あるいは、この代わりとして設備のスクラバー構成部分にガスを流すように適合される。
【0062】
ポンプ構成部分は、減圧モジュールおよび関連するポンプ構成部分が使用される設備におけるガスの供給および処理に適切なものとして、ポンプ、ブロワ、ファン、圧縮機、エジェクタ、エダクタ等のうちから選択される適切な装置を含めて、適宜の適切な型式とすることができる。同様に、スクラバーは、湿式スクラバー、乾式スクラバー、機械式スクラッバ、酸化スクラバー等を含めて、適宜の適切な型式とすることができる。
【0063】
ポンプ構成部分はまた、図19に示すように、抽出器モジュール100の構成要素とすることができ、それは、安全操作に適切な制御および保安システムと共に、ポンプおよびサージタンク(図19には示されない、以下により完全に説明される図20を参照されたい)を含むことができる。抽出システム構成部分は、排気され監視される密閉箱内に収納することができ、ガス供給ハードウェアは覗き窓108を備えた主キャビネット102内に収納され、上記したような減圧監視装置のハードウェアおよび電子装置配置に概ね類似した方法で、関連する制御用電子装置は主キャビネット104の上に載置される別の密閉箱104内に配置される。
【0064】
抽出システムは、減圧モジュールからガスを抽出し、マイルドな負圧で運転される下流側ガス消費ツールのために一定レベルまで圧力を上げ、ポンプ圧送システムは、ガスの流速に関係なく、サージタンク内を一定の大気圧より低い圧力に維持するように自動的に運転される。抽出システムの真空排気およびパージは、(ガスシリンダを定期的に交換しなければならないガスキャビネット内のように)定期停止する必要が全くないので、手動で行われる。
【0065】
プログラム可能な論理調節器(PLC)および手引き用の彩色タッチ画面106から、前もってプログラムされた機能、並びに、弁状態およびシステム圧力の局部的表示が提供される。サージタンクの圧力制御は、ポンプ速度の制御によって達成される。
【0066】
主キャビネット102は、図20に示すような、サージタンク120および抽出器ポンプ122、プロセス配管、並びにパージおよびベント配管を取り囲み、排圧が監視される。サージタンクは、必要とされる特定のガス供給操作に適切なものとして適宜の適切な体積、例えば約25リットル〜約150リットルとすることができる。主キャビネット102の上部ドアの窓108は、ドアを開く前のマニホルド状態の外観検査を可能にする防火規格の保安窓ガラス戸である。ドアは、手動ひねり掛け金で適切に固定される。彩色タッチ画面インターフェイス106、EMO[完全名称を教えてください]ボタン、および始動ボタンは、主キャビネット102の上の電気的密閉箱104の前面に配置される。
【0067】
ポンプ122のポンプ速度制御は、抽出器モジュールのプログラム可能な論理調節器(PLC)の比例積分微分(PID)制御ループによって調整される。PLCは、サージタンク120内のサージタンク圧力を設定点と比較し、周波数可変駆動装置(VFD)に送られる電圧出力を発生させ、それにより、今度は三相のモータに送られる周波数を変化させることによってポンプモータ速度が制御される。流量要求条件が大きくなるのにつれて、または、入口圧力が低下するにつれて、サージタンクの一定圧力を維持するようにポンプ速度が比例して速くなる。
【0068】
図21は、抽出器モジュールの例示的な状態画面を示す。この状態画面は、全ての弁の状態を表示し、それは、減圧モジュールの場合のように、状態に関して色分けするか、または、そうでない場合は視覚的に認識(例えば閉の場合赤で、開の場合緑で表示される)することが可能であり、各圧力変換器の圧力読取値、サージタンクの温度、圧力スイッチの状態、およびポンプの状態(オンまたはオフ)の状態を表示する。
【0069】
このように、図21は、抽出器モジュール内のマニホルドの流れ回路およびモジュールの構成部分を示し、例えば、手動弁MV−2によって閉止される漏れ試験ポートF1(「漏れチェックポート」)を含む。3個の圧力変換器がマニホルドに配置され、PT−1はシステム入口の圧力を監視し、PT−2はポンプ出口圧力を監視し、PT−3はサージタンク圧力を監視し、PT−3はまた、下流側プロセスツールへの出口圧力でもある。マニホルドをパージする際、流入パージガス圧力が、圧力スイッチPS1によって監視される。(ポンプ/スクラバーまたは他の真空発生源からの)真空度レベルは、真空度センサVS−1によって監視される。サージタンクへの入口でのガス温度は、熱電対TS−1によって監視される。圧力安全弁PRV−1またはPRV−2のいずれかが開くべき場合、流れ検出器FS−1は、流れをスクラバーに向ける。
【0070】
抽出器モジュールでは、減圧モジュールに類似した方法で「メインメニュー」が使用され、「メインメニュー」は、「メニューへアクセス」、「警報」、「警報履歴」、「システム状態」、「ポンプ制御」、「全体のメニュー」、および「システム待機」を含むタッチ選択を表示する。
【0071】
ポンプを起動するため、操作者は、「メインメニュー」から「ポンプ制御」を選択して、図22に示す画面を作成し、画面上の「ポンプ運転」の選択を行う。サージタンクの圧力が設定点(例えば〜600トール)未満である場合、ポンプがオンになり、圧力を設定点まで引き上げる。続いて画面表示が現れ、下流側プロセスツールまでのシステムの流路を開くために、操作者に手動弁MV−1を開くように指示する。操作者がこの手動弁が開いていること、およびガス供給操作を開始すべきであることを確認した後、空気圧式出口遮断弁AV−4がシステムによって開けられ、ツールまでのガス流れが生じる。ポンプをオフにするには、図22に示すポンプ制御画面の「ポンプ停止」の選択が行われる。その後、システムがポンプを止め、弁AV−1およびAV−4を閉じることによってシステムを隔離する。
【0072】
抽出器モジュールはまた、真空排気およびパージ運転を行うために選択的に作動可能であり、弁MV−1、MV−3、AV−1、AV−2、AV−3、AV−4、およびAV−7を含む。手動モードもシステムによって調整される。
【0073】
操作パラメータは、画面順序「メインメニュー」→「保守メニュー」→「操作パラメータ」による抽出器モジュールの設定において決めることができる。設定可能な操作パラメータ(単位は括弧で示される)は以下を含む:
操作パラメータ
・PT−1設定点(トール):システムが、それより上で入口遮断弁AV−1が開くのを許容しない圧力。
・PT−2設定点(トール):システムが、システムが大気圧より上であることをユーザーに警告する圧力。
・PT−3設定点(トール):システムが、それより上でポンプを止める圧力。
・PT−2/3デルタ(トール):フィルタが閉塞しつつあるかを判断するため微粒子フィルタ両端間の圧力損失を調べる。
【0074】
図23は、一体化された半導体製造設備200の概略ブロック図であり、抽出器モジュール(抽出器)204とガス連通して接続される減圧モジュール(RPM)202を示し、それは、その次に半導体製造ガス消費装置(ツール)206とガス連通して接続され、RPM、抽出器、および/またはツールからスクラバーまで流れるガス中の有毒/危険ガス化学種を排除するために、かつ、スクラバーからの処理された流出物を吐出管路210で最終的に吐出するため、RPM202、抽出器204、およびツール206のそれぞれが、スクラバー装置(スクラバー)208との排気の関係で接続される。
【0075】
本発明によれば、減圧モジュールの自動切換え動作に対して時間遅延を追加すると、自動切換えが起こるのに先立って、抽出器キャビネットに警告するのが可能になる。その場合、抽出器キャビネットは、高速運転の抽出器ポンプ入口に圧力急上昇が誘導されるのを防止する措置をとることができる。減圧モジュールおよび抽出器モジュールは、図24Aおよび24Bに確認されるステップシーケンスを実施するため、それらのそれぞれの電子装置モジュールにおいてプログラム調整される。
【0076】
本発明の時間遅延自動切換えシーケンスは、ガスを、下流側抽出器モジュールまで流すため活動状態で分配するガス供給容器が、その空または終点限界に到達したとき、開始される。かかる限界は、稼動中のガス供給容器の有効な分配操作の終了を指定するが、適宜の適切な手段および/または方法によってその境界を定めることができる。例えば、空/終点限界は、その自重に近い容器の特定重量によってその境界を定めることができ、それは、含まれていたガスが、新しいガス供給容器へ切換えるのが所望される程度まで枯渇したことを示すものである。別の代替法として、空/終点限界は、分配操作の累積時間によって定められる設定点とすることができる。さらに別の代替法として、空/終点限界は、ガス供給容器が空に近づいていること、または、空の状態であることを示すレベルまで、分配ガスの圧力および/または流速が低下することによって、定めることができる。他の任意の手法、例えば、分配ガスの1つもしくは複数の特性の変化率を使用して、稼動中のガス供給容器に関与するガス分配操作に対する終了段階の限界を決めるか、または検出することができる。
【0077】
どのような方法で定めるかに関係なく、空/終点限界は、到達したとき、特定モードの限界点測定に適切なものとして、例えば重量センサ、圧力変換器、流速センサ、体積(累積)流量計、サイクルタイマー等によって検知され(図24Aのステップ1)、減圧モジュールの電子装置回路において、限界検知信号が作成され、それは、抽出器モジュールの電子装置回路によってプログラム可能に調整されて、時間遅延自動切換えシーケンスを実行する。次いで、限界検知信号が、減圧モジュールの電子装置密閉箱内の閉止可能な接点、リレー、または他の作動可能な手段に送信され、かかる手段の切換えを、限界検知を示す切換え状態に誘導する。例えば、図24Aに例示したシーケンスでは、接点が閉じる(ステップ2)。
【0078】
次いで、抽出器モジュールは、減圧モジュールでの接点閉止を入力として検知する(図24Aのステップ3)。かかる入力は、減圧モジュールの閉じた接点を含む回路から、抽出器モジュールの電子装置区画の制御回路に送信されるその時点の信号によって実行できる。次いで、抽出器モジュールの電子装置区画内の制御回路は、応答可能に動作して、図24Aに時間T2として示す時間の間、ポンプ入口弁(図21および22に示す弁AV−3)を閉じる(ステップ4)。同時に、抽出器モジュール制御回路は、例えば、図24Aに時間T3として示す時間の間、ポンプ用の周波数可変駆動装置(VFD)への電源のスイッチを切ることによって、かかるポンプを失速させる(ステップ5)。
【0079】
減圧モジュールの閉止可能な接点が閉じると、かかるモジュールの電子装置回路のタイマーも作動する。タイマーが作動して、図24Aに時間T1として示す時間遅延の間隔を、時間遅延間隔T1に到達するまでカウントダウンする(ステップ6)。この時点で、減圧モジュール内のガス供給容器の自動切換えが行われ(ステップ7)、分配ガスの流れが、枯渇したガス供給容器から新しい(ガス充填)ガス供給容器に切換えられ、ガス分配操作の連続性が確保される。
【0080】
次いで、ガスは、減圧モジュールの新しいガス供給容器から抽出器モジュールに流され(ステップ8)、かかる流れは、ポンプ入口弁の閉止時間間隔T2に到達するまで継続し、それは、ステップ4の開始時に抽出器モジュールの電子装置回路で作動する時間によって定めることができる。ポンプ入口弁の閉止時間間隔T2に到達したとき(ステップ9)、ポンプ入口弁(図21および22に示されるAV−3)が開き、ポンプ入口にガスが導入される(ステップ10)。ポンプ入口弁のかかる作動は、タイマーを、ポンプ入口弁用の空気圧式駆動部と運転可能なように接続することによって実行でき、その結果、時間間隔T2に到達したとき、タイマーは、ポンプ入口弁用の空気圧式駆動部へのガス流れを開始するようにスイッチを作動させる。
【0081】
次いで、ガスは、ポンプ休止時間間隔T3に到達するまで、減圧モジュールから抽出器モジュールのポンプまで流れ続ける(ステップ11)。この時点で、ポンプが作動して運転を再開する。ポンプ休止時間間隔T3は、抽出器モジュールの電子装置回路の比例積分微分(PID)制御ループによって動的にプログラム可能に決めることができ、その制御ループは、抽出器モジュールの圧力変換器と運転可能に接続され、その結果、ポンプ運転の再開は、抽出器モジュールのマニホルドガス流れ回路の圧力に関して「平滑化」されて、流れ回路における圧力および流速の摂動が最小限に抑えられ、かつ、本発明の時間遅延自動切換えシーケンスがない従来技術のシステムの操作に特徴的な圧力急上昇が解消される。かかる目的のPID制御ループは、ポンプの周波数可変駆動装置(VFD)と運転可能に接続できて、ポンプ運転の再起動時にVFDに通電される。あるいは、時間間隔T3は、自動切換えシステムのタイマーによって設定することができる。
【0082】
前述の本発明の時間遅延自動切換えシーケンスを、抽出器モジュールと組み合わせた減圧モジュールに関して例示的に上記してきた。しかし、それによって本発明は限定されず、むしろ適宜の複数の容器配列で実施できることが認識されるであろう。この場合、下流側ポンプ、または、他のモータ駆動式流体駆動装置は、複数の容器配列において、一方の容器から他方の容器へのガス供給の切換えに付随するポンプ入口でのかなりの圧力変化に応答して、ポンプ出口で圧力急上昇を受けやすいものである。さらに、本発明を2つの容器配列に関して例示的に記載してきたが、本発明は、2つ以上のガス供給容器を含む複数の容器配列での実施に適用できることが認識されるであろう。最後に、本明細書の特定の回路および制御構成要素、並びにその関係を参照しながら本発明を記載してきたが、本明細書の図24Aおよび24Bに関して例示的に開示および記載した本発明の一般的な手順は、多数のハードウェア/ソフトウェア構成およびフォーマットのどれでも実施できることが認識されるであろう。
【0083】
いうまでもなく、本発明の装置および方法は、本明細書の幅広い開示内容と一致する広範な様々な方法で実施できる。したがって、特定の特徴、態様、および実施形態に関して本発明を本明細書に記載してきたが、本発明はそれによって限定されず、しかし、他の変形形態、修正形態、および実施形態における実施の影響を受けやすいことが認識されるであろう。したがって、本発明は、全てのかかる他の変形形態、修正形態、および実施形態を本発明の特許請求の範囲の範囲内であるとして包含すべく広く解釈されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の一実施形態に従って容器切換え機能を備えた減圧モジュールのガス供給システムの正面図である。
【図2】図1の減圧モジュールの流れ回路の概略図である。
【図3】図1の減圧モジュールの「メインメニュー」画面表示である。
【図4】図1の減圧モジュールの「左のシリンダメニュー」画面表示である。
【図5】図1の減圧モジュールのガス供給容器交換の画面表示である。
【図6】図1の減圧モジュールの「保守メニュー」の画面表示であり、これには「L/C保守メニュー」、「R/C保守メニュー」、「アナログ較正」、「手動制御」、「現行の警報」、「操作パラメータ」、および「メインメニュー」用のタッチ選択項目が含まれ、ここで、「L/C」は左のシリンダを意味し、「R/C」は右のシリンダを意味する。
【図7】図1の減圧モジュールの「状態画面」の画面表示であり、減圧モジュール内の全ての弁、減圧モジュール内の各ガス供給容器の「ガスオン」または「ガスオフ」状態、減圧モジュール内の各圧力変換器の圧力読取値、およびガス供給容器のそれぞれの温度の状態を表示する。
【図8】図1の減圧モジュールの「左のシリンダガスオン」画面表示である。
【図9】図1の減圧モジュールの交換前の漏れ試験の画面表示であり、ガス区画の概略図が示され、弁状態および圧力変換器の圧力レベル、並びに、漏れ試験の経過時間および合計時間が含まれる。
【図10】図1の減圧モジュールの局部的パージサイクルの画面表示である。
【図11】図1の減圧モジュールのシリンダ交換の画面表示である。
【図12】図1の減圧表示モジュールのシリンダ交換後の漏れ試験の画面表示である。
【図13】図1の減圧モジュールの交換後のパージの画面表示である。
【図14】図1に示される減圧モジュールの「ツール真空排気」画面表示である。
【図15】図1の減圧モジュールの「ツールパージ」画面表示である。
【図16】図1の減圧モジュールの「ツールポンプパージ」画面表示である。
【図17】図1の減圧モジュールの「局部的真空排気」画面表示である。
【図18】図1の減圧モジュールの「局部的ポンプパージ」画面表示である。
【図19】本発明の一実施形態に従う、例えば図1の減圧モジュールと組み合わせて使用される抽出モジュールの立面図である。
【図20】図19の抽出モジュールの一部分の正面図であり、これのサージタンクおよび抽出ポンプ構成部分を示す。
【図21】図19の抽出モジュールの「状態画面」であり、抽出モジュール内のマニホルドの流れ回路および抽出モジュールの構成部分を示す。
【図22】図19の抽出モジュールの「ポンプ制御」画面表示である。
【図23】一体化された半導体製造設備の概略ブロック図であり、抽出モジュール(抽出器)とガス連通して接続される減圧モジュール(RPM)を示し、それは、その次に、ガス連通して半導体製造ガス消費装置(ツール)と接続され、それぞれのRPM、抽出器、およびツールが、スクラバー装置(スクラバー)と排気の関係で接続される。
【図24A−24B】本発明の一実施形態に従って時間遅延自動切換えシーケンスに使用されるステップを含むプロセス流れ図を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給分配システムであって、
その配列内にある第1の容器から第2の容器への切換えを伴う連続稼動分配操作用に配置される、少なくとも2つのガス貯蔵分配容器からなる配列と、
前記配列内の容器のうち稼働中の容器からのガスのポンプ圧送とポンプ圧送ガスの吐出のための、該配列とガス連通して接続されるポンプと、
前記容器のうち稼働中の容器の終点限界を検知し、次の稼動容器である、ガスの入った配列内の他方の容器からガスを引き続き分配をするために、稼働中の容器から前記他方の容器への自動切換えを開始するように組み立てられ、配置される自動切換えシステムであって、
終点限界の検知をしてから自動切換えを開始するまでの間に、ポンプへのガスの流れを停止し、ポンプを休止させ、かつ、
自動切換えの開始後、ポンプへのガスの流れを再開始させて、ポンプを再起動させる自動切換えシステムと、
を含むシステム。
【請求項2】
前記終点限界が、前記容器のうち稼働中の容器の終点限界重量として自動切換えシステムによって検知される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記終点限界が、前記容器のうち稼働中の容器から分配されるガスの終点限界圧力として自動切換えシステムによって検知される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記終点限界が、前記容器のうち稼働中の容器から分配されるガスの終点限界流速として自動切換えシステムによって検知される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記終点限界が、前記容器のうち稼働中の容器から分配されるガスの終点限界累積体積として自動切換えシステムによって検知される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記終点限界が、前記容器のうち稼働中の容器から分配されるガスの特性の終点限界変化率として自動切換えシステムによって検知される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記終点限界が、前記容器のうち稼働中の容器から分配されるガスの終点限界分配時間として自動切換えシステムによって検知される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記自動切換えシステムが、ポンプへのガスの流れを停止する時間間隔を制御可能に設定するためのタイマーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記自動切換えシステムが、ポンプへのガスの流れを停止する時間間隔を動的に設定するための手段を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記手段が、比例積分微分(PID)制御ループを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記比例積分微分(PID)制御ループが、ガス貯蔵分配容器の配列とガス連通してポンプに接続する流れ回路の圧力変換器手段と運転可能に接続される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記自動切換えシステムが、タイマーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記自動切換えシステムが、ポンプを休止させる時間間隔を制御可能に設定するためのタイマーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記自動切換えシステムが、ポンプを休止させるのに先立って、ポンプへのガスの流れを停止するように組み立てられ、配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記自動切換えシステムが、ポンプを再起動させるのに先立って、ポンプへのガスの流れを再開始させるように組み立てられ、構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記ガス貯蔵分配容器が、該容器内に貯蔵され、そこから分配されるガスに対して吸着親和力を有する固相の物理的吸着剤を保持する、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記固相の物理的吸着剤が、モレキュラーシーブ、炭素、シリカ、アルミナ、粘土、およびマクロ網状の高分子よりなる群から選択される材料を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記固相の物理的吸着剤が、炭素を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記ガスが、半導体製造ガスを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記ガス貯蔵分配容器が、内部に配置された調整器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記ガス貯蔵分配容器が、ガスキャビネット内に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記ガス貯蔵分配容器が、ガスキャビネット内の弁付きマニホルドにガス連通して接続される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記ポンプが、ポンプ用キャビネット内に含まれる、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記ポンプ用キャビネットが、ポンプに対して、ポンプ圧送ガスを受け入れる関係にあるサージタンクをさらに含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記ポンプおよびサージタンクが、ポンプ用キャビネット内の弁付きマニホルドにガス連通して接続される、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
ガスキャビネット内の前記弁付きマニホルドが、ポンプ用キャビネット内の弁付きマニホルドにガス連通して接続される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
図24Aおよび24Bの自動切換え運転シーケンスを実施するように組み立てられ、配置される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
自動切換えシステムが、配列内にある第1の容器から第2の容器への切換えに伴って、ポンプへのガスの流れの停止、ポンプの休止、ポンプへのガス流れの再開始、およびポンプの再起動をするように組み立てられ、配置されてない対応するガス供給分配システムと比べて、
自動切換えシステムによるポンプへのガス流れの停止、ポンプの休止、ポンプへのガス流れの再開始、およびポンプの再起動が、ポンプから吐出されるポンプ圧送ガスの圧力変動を実質的に低減する、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
配列内にある第1の容器から第2の容器への切換えの間にポンプから吐出されるポンプ圧送ガスが、圧力急上昇の挙動を示さないことを特徴とする、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
その配列内にある第1の容器から第2の容器への切換えを伴う連続稼動分配操作用に配置される、少なくとも2つのガス貯蔵分配容器からなる配列を含み、前記配列内の容器のうち稼働中の容器からのガスのポンプ圧送とポンプ圧送ガスの吐出のため、ポンプが該配列とガス連通して接続されるガス供給分配システムにおいて、ポンプから吐出されるポンプ圧送ガスの圧力変動を実質的に低減する方法であって、
前記方法が、
前記容器のうち稼働中の容器の終点限界を検知し、次の稼動容器である、ガスの入った配列内の他方の容器からガスを引き続き分配をするために、稼働中の容器から前記他方の容器へ切換えることと、
ポンプへのガス流れを停止させ、ポンプを休止させることと、ただし、該停止および休止ステップは終点限界を検知するステップと切換えステップの間に行われる、
ポンプへのガス流れを再開始させ、ポンプを再起動させることと、ただし、該再開始および再起動ステップは切換えステップ後に行われる、
を含む方法。
【請求項31】
前記終点限界が、前記容器のうち稼動中の容器の終点限界重量として検知される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記終点限界が、前記容器のうち稼動中の容器から分配されるガスの終点限界圧力として検知される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記終点限界が、前記容器のうち稼動中の容器から分配されるガスの終点限界流速として検知される、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記終点限界が、前記容器のうち稼動中の容器から分配されるガスの終点限界累積体積として検知される、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記終点限界が、前記容器のうち稼動中の容器から分配されるガスの特性の終点限界変化率として検知される、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記終点限界が、前記容器のうち稼動中の容器から分配されるガスの終点限界分配時間として検知される、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
ポンプへのガスの流れを停止する時間間隔を制御可能に設定するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
ポンプへのガスの流れを停止する時間間隔を動的に設定するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項39】
前記動的に設定するステップが、比例積分微分(PID)制御ループの使用を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記比例積分微分(PID)制御ループが、ガス貯蔵分配容器からなる配列とガス連通してポンプに接続する流れ回路の圧力変換器手段と運転可能に接続される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
ポンプを休止させる時間間隔を制御可能に設定することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項42】
タイマーの使用をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
ポンプを休止させるのに先立ち、ポンプへのガスの流れを停止することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項44】
ポンプを再起動させるのに先立ち、ポンプへのガスの流れを再開始させることを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項45】
前記ガス貯蔵分配容器が、該容器内に貯蔵され、そこから分配されるガスに対して吸着親和力を有する固相の物理的吸着剤を保持する、請求項30に記載の方法。
【請求項46】
前記固相の物理的吸着剤が、モレキュラーシーブ、炭素、シリカ、アルミナ、粘土、およびマクロ網状の高分子からなる群から選択される材料を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記固相の物理的吸着剤が、炭素を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記ガスが、半導体製造ガスを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項49】
前記ガス貯蔵分配容器が、内部に配置された調整器を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項50】
前記ガス貯蔵分配容器が、ガスキャビネット内に配置される、請求項30に記載の方法。
【請求項51】
前記ガス貯蔵分配容器が、ガスキャビネット内の弁付きマニホルドにガス連通して接続される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ポンプが、ポンプ用キャビネット内に含まれる、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記ポンプ用キャビネットが、ポンプに対して、ポンプ圧送ガスを受け入れる関係にあるサージタンクをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記ポンプおよびサージタンクが、ポンプ用キャビネット内の弁付きマニホルドにガス連通して接続される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
ガスキャビネット内の前記弁付きマニホルドが、ポンプ用キャビネット内の弁付きマニホルドにガス連通して接続される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
図24Aおよび24Bの自動切換え運転シーケンスを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
切換えに伴ってポンプへのガス流れの停止、ポンプの休止、ポンプへのガス流れの再開始、およびポンプの再起動を含まない対応する容器切換えと比べて、
ポンプへのガス流れの停止、ポンプの休止、ポンプへのガス流れの再開始、およびポンプの再起動が、ポンプから吐出されるポンプ圧送ガスの圧力変動を実質的に低減する、請求項30に記載の方法。
【請求項58】
配列内の第1の容器から第2の容器への切換えの間にポンプから吐出されるポンプ圧送ガスが、圧力急上昇の挙動を示さないことを特徴とする、請求項57に記載の方法。
【請求項1】
ガス供給分配システムであって、
その配列内にある第1の容器から第2の容器への切換えを伴う連続稼動分配操作用に配置される、少なくとも2つのガス貯蔵分配容器からなる配列と、
前記配列内の容器のうち稼働中の容器からのガスのポンプ圧送とポンプ圧送ガスの吐出のための、該配列とガス連通して接続されるポンプと、
前記容器のうち稼働中の容器の終点限界を検知し、次の稼動容器である、ガスの入った配列内の他方の容器からガスを引き続き分配をするために、稼働中の容器から前記他方の容器への自動切換えを開始するように組み立てられ、配置される自動切換えシステムであって、
終点限界の検知をしてから自動切換えを開始するまでの間に、ポンプへのガスの流れを停止し、ポンプを休止させ、かつ、
自動切換えの開始後、ポンプへのガスの流れを再開始させて、ポンプを再起動させる自動切換えシステムと、
を含むシステム。
【請求項2】
前記終点限界が、前記容器のうち稼働中の容器の終点限界重量として自動切換えシステムによって検知される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記終点限界が、前記容器のうち稼働中の容器から分配されるガスの終点限界圧力として自動切換えシステムによって検知される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記終点限界が、前記容器のうち稼働中の容器から分配されるガスの終点限界流速として自動切換えシステムによって検知される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記終点限界が、前記容器のうち稼働中の容器から分配されるガスの終点限界累積体積として自動切換えシステムによって検知される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記終点限界が、前記容器のうち稼働中の容器から分配されるガスの特性の終点限界変化率として自動切換えシステムによって検知される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記終点限界が、前記容器のうち稼働中の容器から分配されるガスの終点限界分配時間として自動切換えシステムによって検知される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記自動切換えシステムが、ポンプへのガスの流れを停止する時間間隔を制御可能に設定するためのタイマーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記自動切換えシステムが、ポンプへのガスの流れを停止する時間間隔を動的に設定するための手段を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記手段が、比例積分微分(PID)制御ループを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記比例積分微分(PID)制御ループが、ガス貯蔵分配容器の配列とガス連通してポンプに接続する流れ回路の圧力変換器手段と運転可能に接続される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記自動切換えシステムが、タイマーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記自動切換えシステムが、ポンプを休止させる時間間隔を制御可能に設定するためのタイマーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記自動切換えシステムが、ポンプを休止させるのに先立って、ポンプへのガスの流れを停止するように組み立てられ、配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記自動切換えシステムが、ポンプを再起動させるのに先立って、ポンプへのガスの流れを再開始させるように組み立てられ、構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記ガス貯蔵分配容器が、該容器内に貯蔵され、そこから分配されるガスに対して吸着親和力を有する固相の物理的吸着剤を保持する、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記固相の物理的吸着剤が、モレキュラーシーブ、炭素、シリカ、アルミナ、粘土、およびマクロ網状の高分子よりなる群から選択される材料を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記固相の物理的吸着剤が、炭素を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記ガスが、半導体製造ガスを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記ガス貯蔵分配容器が、内部に配置された調整器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記ガス貯蔵分配容器が、ガスキャビネット内に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記ガス貯蔵分配容器が、ガスキャビネット内の弁付きマニホルドにガス連通して接続される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記ポンプが、ポンプ用キャビネット内に含まれる、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記ポンプ用キャビネットが、ポンプに対して、ポンプ圧送ガスを受け入れる関係にあるサージタンクをさらに含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記ポンプおよびサージタンクが、ポンプ用キャビネット内の弁付きマニホルドにガス連通して接続される、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
ガスキャビネット内の前記弁付きマニホルドが、ポンプ用キャビネット内の弁付きマニホルドにガス連通して接続される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
図24Aおよび24Bの自動切換え運転シーケンスを実施するように組み立てられ、配置される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
自動切換えシステムが、配列内にある第1の容器から第2の容器への切換えに伴って、ポンプへのガスの流れの停止、ポンプの休止、ポンプへのガス流れの再開始、およびポンプの再起動をするように組み立てられ、配置されてない対応するガス供給分配システムと比べて、
自動切換えシステムによるポンプへのガス流れの停止、ポンプの休止、ポンプへのガス流れの再開始、およびポンプの再起動が、ポンプから吐出されるポンプ圧送ガスの圧力変動を実質的に低減する、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
配列内にある第1の容器から第2の容器への切換えの間にポンプから吐出されるポンプ圧送ガスが、圧力急上昇の挙動を示さないことを特徴とする、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
その配列内にある第1の容器から第2の容器への切換えを伴う連続稼動分配操作用に配置される、少なくとも2つのガス貯蔵分配容器からなる配列を含み、前記配列内の容器のうち稼働中の容器からのガスのポンプ圧送とポンプ圧送ガスの吐出のため、ポンプが該配列とガス連通して接続されるガス供給分配システムにおいて、ポンプから吐出されるポンプ圧送ガスの圧力変動を実質的に低減する方法であって、
前記方法が、
前記容器のうち稼働中の容器の終点限界を検知し、次の稼動容器である、ガスの入った配列内の他方の容器からガスを引き続き分配をするために、稼働中の容器から前記他方の容器へ切換えることと、
ポンプへのガス流れを停止させ、ポンプを休止させることと、ただし、該停止および休止ステップは終点限界を検知するステップと切換えステップの間に行われる、
ポンプへのガス流れを再開始させ、ポンプを再起動させることと、ただし、該再開始および再起動ステップは切換えステップ後に行われる、
を含む方法。
【請求項31】
前記終点限界が、前記容器のうち稼動中の容器の終点限界重量として検知される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記終点限界が、前記容器のうち稼動中の容器から分配されるガスの終点限界圧力として検知される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記終点限界が、前記容器のうち稼動中の容器から分配されるガスの終点限界流速として検知される、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記終点限界が、前記容器のうち稼動中の容器から分配されるガスの終点限界累積体積として検知される、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記終点限界が、前記容器のうち稼動中の容器から分配されるガスの特性の終点限界変化率として検知される、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記終点限界が、前記容器のうち稼動中の容器から分配されるガスの終点限界分配時間として検知される、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
ポンプへのガスの流れを停止する時間間隔を制御可能に設定するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
ポンプへのガスの流れを停止する時間間隔を動的に設定するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項39】
前記動的に設定するステップが、比例積分微分(PID)制御ループの使用を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記比例積分微分(PID)制御ループが、ガス貯蔵分配容器からなる配列とガス連通してポンプに接続する流れ回路の圧力変換器手段と運転可能に接続される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
ポンプを休止させる時間間隔を制御可能に設定することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項42】
タイマーの使用をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
ポンプを休止させるのに先立ち、ポンプへのガスの流れを停止することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項44】
ポンプを再起動させるのに先立ち、ポンプへのガスの流れを再開始させることを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項45】
前記ガス貯蔵分配容器が、該容器内に貯蔵され、そこから分配されるガスに対して吸着親和力を有する固相の物理的吸着剤を保持する、請求項30に記載の方法。
【請求項46】
前記固相の物理的吸着剤が、モレキュラーシーブ、炭素、シリカ、アルミナ、粘土、およびマクロ網状の高分子からなる群から選択される材料を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記固相の物理的吸着剤が、炭素を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記ガスが、半導体製造ガスを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項49】
前記ガス貯蔵分配容器が、内部に配置された調整器を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項50】
前記ガス貯蔵分配容器が、ガスキャビネット内に配置される、請求項30に記載の方法。
【請求項51】
前記ガス貯蔵分配容器が、ガスキャビネット内の弁付きマニホルドにガス連通して接続される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ポンプが、ポンプ用キャビネット内に含まれる、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記ポンプ用キャビネットが、ポンプに対して、ポンプ圧送ガスを受け入れる関係にあるサージタンクをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記ポンプおよびサージタンクが、ポンプ用キャビネット内の弁付きマニホルドにガス連通して接続される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
ガスキャビネット内の前記弁付きマニホルドが、ポンプ用キャビネット内の弁付きマニホルドにガス連通して接続される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
図24Aおよび24Bの自動切換え運転シーケンスを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
切換えに伴ってポンプへのガス流れの停止、ポンプの休止、ポンプへのガス流れの再開始、およびポンプの再起動を含まない対応する容器切換えと比べて、
ポンプへのガス流れの停止、ポンプの休止、ポンプへのガス流れの再開始、およびポンプの再起動が、ポンプから吐出されるポンプ圧送ガスの圧力変動を実質的に低減する、請求項30に記載の方法。
【請求項58】
配列内の第1の容器から第2の容器への切換えの間にポンプから吐出されるポンプ圧送ガスが、圧力急上昇の挙動を示さないことを特徴とする、請求項57に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【公表番号】特表2007−524793(P2007−524793A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526206(P2006−526206)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/028877
【国際公開番号】WO2005/025715
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/028877
【国際公開番号】WO2005/025715
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】
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