説明

複数の骨格部材を接合金物によって接合構成する立体空間構造物

【目的】 単一化された複数の骨格部材を特殊な接合金物によって接合・緊結することにより耐震性に優れた立体空間構造物をつくることにある。専門職人でなく構築可能な立体空間構造物の仕組み(取扱説明書)をつくることにある。立体空間構造物が多目的に応用可能なものであること。
【構成】 立体空間構造物を構成するためには、単一化された複数の骨格部材及び部品(下地材・仕上材等)からなること。標準化された構造フレーム(格子状、H状耐力フレーム)を基本とし、小規模、中規模建築及び立体空間構造物を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
小規模建築物及び安全・安心・やすらぎ空間の構築等、即ち建築基準法に定める建築構造物、土台・柱・梁等用いる構造方法に適用することによる小規模建築構造物、或いは、耐震シェルターとして、避難空間、防災備蓄倉庫、勉強室、店舗、海の家・山の家等の売店、温室、ガレージ、ベットを覆うやすらぎ空間等の分野に適用できる広い応用範囲を有するものである。
【背景技術】
【0002】
地震力又は風圧力により生じる水平荷重、積雪、屋根、床荷重等の鉛直荷重に対する建築基準法及び住宅性能表示制度に定め基準等に対する安全性は確保される。しかし、地震、水害による建物の倒壊、土砂崩れ、地盤沈下、土砂、土石流による建物への衝撃、打撃には耐えられるものではない。
なお、建物の構築においては専門的知識と技術を有する者が現場において建築図面から各部材の寸法形状を割り出して墨出しを行い、必要な穴開け、切除加工等を行った後、釘打ち等によりこれらの部材を組み立てるようにしている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記、背景技術
【0002】
に示す地震、水害による建物の倒壊、土砂崩れ、地盤沈下、土砂、土石流による建物への衝撃、打撃に耐えられる立体空間構造物を、複数の骨格部材を接合金物によって緊結し構築することにある。
【0004】
専門的知識と技術を有する者を必要としないで、構築可能な立体空間構造物の技術開発を行うことを目標に、加工、生産技術の合理化を図る、単位部材のユニット化による規格化された、立体構造物の実現。多方向から受ける衝撃、打撃に耐えられる耐震・剛構造、立体空間構造物及び梱包、運搬、搬入のシステム化を図る。接合、組み立て作業の合理化、作業性、安全性の配慮等。
立体空間構造物の多目的利用、広い応用範囲への対応、啓蒙・販売計画及び無計画資材供給による余剰端材の再利用。資源保護と廃棄物処理問題への対応、地球規模での環境問題への対策が急務とされている。
【0005】
また、これらの合理化に当って部材、分類数と煩雑さに加え、受注生産における多様極まる需要が相まって、その実現を阻んでいる。さらに受注生産であるため、共通部材の種分けし、受注前のストックより生産性の効率化を図ることは業界の果たせぬ長年の念願でもある。
【0006】
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を鑑み、プレカット工法によるキット部材・部品化のための設計・部材供給システムにおいて、高度な技術を要せず、誰にでも簡単に設計や現場での作業が行えるようにすることにある。また、計画的な資材供給により余剰端材を無くし、資源保護と廃棄物処理問題を解決することにある。さらに、受注・販売ストックを容易化し、生産の効率化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の立体空間構造物を構成する複数の骨格部材の単位(長さ及び断面寸法等)を単一化することにより理想的なH状及び格子状の耐力壁を規格化することにある。なお、規格化された耐力壁をバランスよく配置した床構面、壁構面、屋根構面によって構成された6面体によるモーメント抵抗接合構造・剛構造(ラーメン構造)により、地震による建物の倒壊、土砂崩れ、地盤沈下、土石流による建物への衝撃に耐えられる立体空間構造物を構築することにある。
【0008】
立体空間構造物を構築するためには、単一化された複数の骨格部材を接合するための接合金物の開発により上記、地震・衝撃等から生命を守ることのできるモーメント抵抗接合構造・剛構造(ラーメン構造)による立体構造物を可能とする。アルミ合金の押出成形技術によるアルミ中空形材によるマルチホールダウン接合金物、鋼板をプレス加工した接合金物、金形成形技術及び折り曲げ加工等による接合金物を用いて接合することにある。
【0009】
立体空間構造物構成する骨格部材・部品及び仕様に対応した下地材、仕上材等をキット化することにより簡単に組み立て可能にすることにある。そのためには骨格部材を接合する接合金物は単純で接合しやすい金物でなくてはならない。なお、組み立て方法についても取扱説明書及び軽微な工具によって簡単にできるものでなくてはならない。さらに、その単位は人の力で組み立て可能な重量であったり、大きさでなくてはならない。作業手順もわかりやすいものであり、手もどりあるものでなく、作業性の良いものとする。
【0010】
このみ、価格で立体空間構造物の構造躯体の種類、各仕様を選択できるものでなくてはならない。構造躯体を構成する単一化された複数の骨格部材の種類には、アルミ合金の押出成形材(アルミ中空形材)鋼材の押出成形材(薄板軽量形鋼)及び木材等、仕様としては、耐震防災型、環境・健康快適型、趣味実用型、ビジネス型等に対応した下地材、仕上材、設備機器等を準備する。
【0011】
既存建物の部屋のなかに組み立て可能な立体空間構造物を規格化し、キット化し販売することにより家族の生命、在宅時間内での安全な場所(避難空間)を確保する。あるいは、保育園、幼稚園の園児の安全な非難場所として、日常は玩具として使用できる立体空間構造物を提供することにある。
【発明の効果】
【0012】
本発明の立体空間構造物は発明が解決しようとする課題
【0003】
に示す、地震・水害による建物の倒壊、土砂崩れ、地盤沈下、土砂、土石流による建物の衝撃、打撃に耐え本発明の立体空間構造物の内部にいる人間の避難場所として選んだ人間の生命を守ることができることにある。
【0013】
本発明の立体空間構造物は単一化された複数の骨格部材を接合金物によって接合、緊結することによりモーメント抵抗接合構造・剛構造(ラーメン構造)構築出来ることにある。
【0014】
課題を解決するための手段
【0009】
に示すように単一化された複数の骨格部材・部品等の接合及び構成・準備から完成までを取扱説明書及び軽微な工具によって簡単に組み立て可能としていることにある。
【0015】
本発明には、このみ、価格で構造躯体である立体空間構造物の種類及び各仕様(耐震防災型、環境・健康・快適型、趣味実用型、ビジネス型等)から選択できることにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
小住宅に対応する本発明の立体空間構造物の最良の形態は、耐震構造物としての目的で構築することのみではなく、立面空間構造物を構成する単一化された複数の骨格部材を接合金物で接合して、構築した立体構造物を選択したことにより、安全、安心、やすらぎ等が得られることにある。
【0017】
本発明の立体空間構造物の販売及び施工において、専門分野のみではなく、専門的知識が無くても販売及び施工が出来ることが発明を実施するための最良の形態である。住宅の展示場での販売でなく、ホームセンターのガーデニングコーナーであるとか、デパートの安全、安心、やすらぎコーナーであるとか、インターネットで販売するとか、新しい販売計画を模索する。
【実施例1】
【0018】
図1及び図2は本発明の単一化された複数の骨格部材を接合金物を用いて緊結し、各面(床、壁、屋根等)を構成した6面体の立体空間構造物である。モーメント抵抗接合構造・剛接合(ラーメン構造)とする基本的なH状及び格子状から構成されている。なお、屋根面が水平なものと勾配を持つものとがある。
【実施例2】
【0019】
図3は本発明である単一化された複数の骨格部材の接合方法である。アルミ合金の押出成形技術によるアルミ角形中空形材による接合金物(マルチホールダウン金物)の1例である。
【0020】
図4は本発明である単一化された複数の骨格部材の接合方法である。鋼板をプレス加工した接合金物の1例である。
【0021】
図5は本発明である単一化された複数の骨格部材の接合方法である。鋼板を金型成形技術及び折り曲げ加工による接合金物の1例である。
【0022】
図6は、上記図5に示す接合金物と同様な技術により作成した三角形を構成可能な接合金物の一例である。本発明である立体空間構造物をより強化するために用いる接合金物として使用する。
【0023】
図7は、アルミ合金による押出角形中空形材及び鋼材の薄板軽量形鋼等用いる場合の接合方法の1例である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明による立体空間構造物は耐震防火型として、耐震シェルター、防災備蓄倉庫、避難空間、安眠空間等に環境・健康型として小住宅、省エネ・シックハウス対応住宅、蔵等に。趣味・実用型として温室、勉強室、アトリエ、作業部屋、ガレージ等に。ビジネス型として店舗、海・山の家、売店等に。あるいは、保育園、幼稚園の玩具として、地震時に避難場所として、使用可能なもの等利用可能性を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明である単一化された複数の骨格部材を特殊な接合金物によって接合・緊結された立体空間構造物の例を示す。屋根構面が水平なものと勾配を持つものとがある。
【図2】本発明である立体空間構造物の断面図である。床面、壁面及び屋根面によって構成される。屋根面においては、水平なもの及び勾配を持つものとを示す。
【図3】本発明である立体空間構造物を構成するための接合方法を示す。骨格部材・縦フレームと骨格部材・横フレームを接合・緊結方法の1例である。アルミ合金による角形中空形材(接合金物・マルチホールダウン金物)と接合ボルト及び接合ビスを用いて接合している。
【図4】上記 図3同様、接合方法を示す。鋼板をプレス加工した接合金物図4−1及び図4−2から成る。図4−3は、図4−2を組合せした接合金物の1例である。接合金物に装着された穴に、接合用ピンを落ち込むことにより接合・緊結した1例である。
【図5】上記 図3及び 図4同様、接合方法を示す。鋼板を金型成型技術により折り曲げ加工した接合金物である。骨格部材・縦フレームに取り付けられた接合金物と骨格部材・構フレームに取り付けられた接合金物とを一体化するため一体化を計るための接続穴を持つことを特徴とする。接合金物同志が重なり合う。重なり合った後、接合用ピンを打ち込むことにより接合、緊結した一例である。
【図6】上記 図5に接合金物B(16)を加え三角型を構成した接合金物である。図に示すように本発明である立体空間構造物をより剛構造とするための補強用の接合金物を用いて接合・緊結した1例である。
【図7】本発明である立体空間の構造物を構成する単一化された複数の骨格部材の種類の内、アルミ合金による角形中空形材及び鋼材による中空形材を用いる場合に用いる接合金物の1例である。 図5に示す接合金物と折り曲げ加工した補強用アングルとを一体化した接合金物である。図に示すように角形中空形材に挿入し、接合用ビスによって接合・緊結した1例である。
【符号の説明】
【0026】
1.単一化された複数の骨格部材を接合金物で接合、緊結された立体空間構造物。
2.床構面
3.壁構面
4.屋根構面
5.屋根構面・水平面
6.屋根構面(勾配を持つ屋根構面)
7.骨格部材・縦フレーム
8.骨格部材・横フレーム
9.アルミ合金による押出成形角形中空形材(マルチホールダウン金物)
10.接合ボルト
11.接合ビス
12.鋼板をプレス加工した接合プレートW
13.鋼板をプレス加工した接合プレートS
14.金型及びプレス加工した接合金物A
15.接合用ピン
16.金型及びプレス加工した接合金物B
17.骨格部材 斜材
18.金型及びプレス加工した接合金物C
19.補強用アングル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一化された複数の骨格部材を接合金物を用いてH状及び格子状に緊結し、各面(床、壁、屋根等)を構成することを特徴とする立体空間構造物。
【請求項2】
単一化された複数の骨格部材を特殊な接合金物によって緊結し、立体空間構造物を構築することを特徴とする。
【請求項3】
単一化された複数の骨格部材及び下地材、仕上材等を、部材・部品化し、セット材料とし、販売することを可能とした立体空間構造物。なお、明確にセット化した部材・部品を取扱説明書及びドライバー、ハンマー等、軽微な工具によって簡単に組み立てを可能とすることを特徴とする立体空間構造物。
【請求項4】
単一化された複数の骨格部材にアルミ合金によるアルミ押出中空形材、鋼材の薄板軽量形鋼及び木材等用いてを特殊な接合金物によって緊結し、立体空間構造物を構築することを特徴とする。
【請求項5】
単一化された複数の骨格部材を特殊な接合金物、アルミ合金の押出成形技術によるアルミ中空形材による接合金物、マルチホールダウン金物、鋼板をプレス加工した接合金物、金形成形技術及び折り曲げ加工等による接合金物を用いることにより緊結し、モーメント抵抗接合構造・剛接合とすることを特徴とする立体空間構造物。
【請求項6】
既存建物の室内に安全且つ安心を目的として、単一化された複数の骨格部材を接合金物により緊結し、立体空間構造物を構築する。或いは、安眠を目的として寝室のベットを覆う立体空間構造物、又は保育園、幼稚園の玩具として、地震時の避難場所として、使用するなど多肢・目的に使用出来ることを特徴とする立体空間構造物。
【請求項7】
上記
請求項1
を具備すると共に単一化された複数の骨格部材に使用する木材の樹種にヒノキ、スギ等を選択することにより、嗅覚を通して森林浴、健康空間等とすることを特徴とする立体空間構造物。
【請求項8】
上記
請求項1
を具備すると共に、火災から生命・財産を守るため防火性能を持つ外・内装材で覆う。天変地異から生命、健康を守るため建物の気密・断熱化・換気システム等の万全な対策を装備することを、特徴とする立体空間構造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−161527(P2006−161527A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−382376(P2004−382376)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(592096993)
【Fターム(参考)】