説明

親水性チオール−反応性シアニン色素及び蛍光診断のための生物分子との接合体

本発明は、シアニン色素、特に700〜900nmのスペクトル範囲の吸光度及び蛍光最大値、チオール−特異的反応基、及び3個、好ましくは4個のスルホネート基を有するインドトリカルボシアニンの種類からの新規蛍光色素、水溶性の上昇、及び色素の生成に関する。本発明はまた、それらの色素と生物分子との接合体、及びその使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シアニン色素、特に700〜900nmのスペクトル範囲の吸光度及び蛍光最大値、チオール−特異的反応基、及び3個、好ましくは4個のスルホネート基を有するインドトリカルボシアニンの種類からの新規蛍光色素、水溶性の上昇、及び色素の生成に関する。本発明はまた、それらの色素と生物分子との接合体、及びその使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
医学的診断への光の使用は最近、重要なものになって来た(例えば、Biomedical Photonics Handbook (Editor: T. Vo-Dinh), CRC Pressを参照のこと)。広範囲の診断方法が、種々の医学的訓練、例えば内視鏡検査、マモグラフィー、手術又は婦人科学への適用のための実験試験において見出される。光に基づく方法は、高い器具感受性を有し、そして最少量の発光団及び/又は蛍光団の分子検出及びイメージングを可能にする(Weissleder など. (2001) Molecular Imaging, Radiology 219, 316-333)。
【0003】
蛍光診断及びイメージングのための外因性コントラスト媒体として組織に供給される色素、及び特に、700〜900nm(組織の診断窓)スペクトル範囲の吸光度及び蛍光最大値を有する蛍光色素は、インビボ使用のために特に興味あるものである。この波長の光子は、組織により比較的ほとんど吸収されず、そして従って、吸収工程(主に、オキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンによる)が光輸送を終結する前、組織中に数センチメートル侵入することができる。吸収は、組織中に導入されるが、しかし長い波長の蛍光線の形でその吸収されたエネルギーを放出する蛍光色素により生じることができる。このスペクトル的に分離された蛍光線は、検出され得、そして色素の局在化、及び色素が結合した分子構造体との相互関係を可能にする(これに関しては、Licha, K. (2002) Contrast Agエンts for Optical Imaging (Review). In: Topics in Currエンt Chemistry-Contrast Agエンts II (Editor: W. Krause), Volume 222, Springer Heidelberg, pp. 1- 31.を参照のこと)。
【0004】
疾病構造体と健康な組織との間の診断的に有意な区別を達成するために、供給される色素は、できる限り組織間の高い濃度差異を誘導すべきである。これは、腫瘍−生理学的性質(血液供給、分布運動学、遅延された除去)に基づいて行われ得る。疾病−特異的構造体の分子ラベリングに関しては、標的物−関連の生物分子、例えばタンパク質、ペプチド及び抗体と共に、蛍光色素から成る接合体が使用され得る。注入の後、それらの接合体の一定の部分が分子標的構造体、例えば受容体マトリックスタンパク質に結合し、そして結合されていない部分は身体から排泄される。この手段で、高い濃度差異及び従って、蛍光診断の実施における高いイメージコントラストがもたらされる。
【0005】
シアニン色素の種類からの蛍光色素は、有望な代表物のカテゴリーに分類され、そして多くの異なった構造幅で合成された。特に、インドカルボシアニン、インドジカルボシアニン及びインドトリカルボシアニン骨格を有するカルボシアニンは、高い消衰係数及び良好な蛍光量収量を有する。[Licha, K. (2002) Contrast Agエンts for Optical Imaging (Review). In: Topics in Currエンt Chemistry-Contrast Agエンts II (Editor: W. Krause), Volume 222, Springer Heidelberg, pp. 1-31、及びそこに引用される引例]。
【0006】
従って、WO96/17628号は、近赤外線によるインビボ診断方法を記載する。この場合、水溶性色素及び特定の光物理学及び薬物化学性質を有するその生物分子アダクトは、蛍光及び光透過診断のためのコントラスト媒体として存在する。
【0007】
インドカルボシアニン、インドジカルボシアニン及びインドトリカルボシアニン骨格を有するシアニン色素の合成は、従来技術において良く記載されている。これに関する適切な文献は、例えば、次の通りである:Bioconjugate Chem. 4,105-111, 1993; Bioconjugate Chem. 7,356-62, 1996; Bio- conjugate Chem. 8,751-56, 1997; Cytometry 10,11-19, 1989 and 11,418-30, 1990; J. Het- erocycl. Chem. 33,1871-6, 1996; J. Org. Chem. 60,2391-5, 1995; Dyes and Pigments 17,19- 27,1991, Dyes and Pigments 21,227-34, 1993; J. Fluoresc. 3,153-155, 1993; 及び Anal. Bio- chem. 217,197-204, 1994。追加の方法は、特許公報アメリカ特許第4,981, 977号; アメリカ特許第5,688, 966号; アメリカ特許第5,808, 044号; WO 97/42976号; WO 97/42978号; WO 98/22146号 ; WO 98/26077号; 及び EP 0 800 831号に記載されている。
【0008】
さらに、変更された置換基を有するインドトリカルボシアニンが合成され、そして生物分子にカップリングされた(Photochem. Photobiol. 72,234, 2000; Bioconjugate Chem. 12,44, 2001; Nature Biotechnol. 19,237, 2001; J. Biomed. Optics 6,122, 2001; J. Med. Chem. 45,2003, 2002に記載されている)。他の例は、特にWO 00/61194 号("Short-Chain Peptide Dye Conjugates as Contrast Agents for Optical Diagnos- tics"), WO 00/71162号, WO 01/52746号, WO 01/52743号 及び WO 01/62156号に見出される。
【0009】
しかしながら、従来技術においてこれまで使用してきた既知のインドトリカルボシアニンは、それらの効果的な使用を害する欠点を有する。
【0010】
インドトリカルボシアニンの低い蛍光量収量は常に、生物分子へのカップリングの後に存在する。市販の色素Cy7に関しては、Gruber など. (Bioconjugate Chemin. 11,696-704, 2000)は、蛍光効率の損失が、生物分子へのカップリングの後に生じることを記載する。Becker など. (Photochem. Photobiol. 72,234, 2000)は、2.9%又は2.8%の蛍光量収率、及び生理学的媒体における変形された吸光度スペクトルを有する、HSA及びトランスフェリンとインドトリカルボシアニンとの接合体を記載する。
【0011】
さらに、色素接合体は、凝集する傾向がある。HSA及びトランスフェリンとインドトリカルボシアニンとの接合体についてのBecker など. (Photochem. Photobiol. 72,234, 2000)、及び受容体−結合ペプチドについてのLicha など. (Bioconjugate Chem. 12,44-50, 2001)は、生理学的媒体において変形された吸収スペクトルを有するものとしてそれらを記載する。それらの変形は、凝集体形成及び結果として生じる蛍光消衰を示す。類似する問題が、色素の不適切な水溶性の場合、存在する。
【0012】
反応性基による、誘導体への常に無効果の接近がまた存在する。従って、Gruber など. (Bioconjugate Chem. 11,696-704, 2000)は、2個の生物分子の架橋を実質的に生成する、2個の反応性基を有するCy7−二官能価NHS−エステルの使用を記載する。しかしながら、分子における2つのカルボキシ基により、誘導体への合成手段は、わずか1つの反応性基により阻害され、そして副生成物を導く(例えば、非活性化された、及び二重活性化されたCy7分子のCy7部分の単一反応性NHSエステルを含む)。
【0013】
従って、上記欠点を低めるか、又は有さない蛍光診断を効果的且つ容易に生成するシアニン色素についての連続した必要性が存在する。さらに、それらの色素は、生物分子との接合体の生成のために十分に適切であるべきである。
【0014】
本発明の第1の目的は、下記一般式(I):
【化1】

【0015】
[式中、Xは、O, S, 又はC(2つの位置で置換される)であり、ここで置換基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及び/又はブチルから選択され;
Yは、CH2-CH2又はCH2-CH2-CH2であり;
Zは、C1-C5アルキル(ここで前記C原子は任意には、O又はSにより置換されていてもよい)、又は下記式:
【0016】
【化2】

【0017】
であり;
R1〜R4はお互いに独立して、SO3H又はHであり、但しR1〜R4の少なくとも3個がSO3Hであり;
R5は、-CO-NH-R8-R9,-NH-CS-NH-R8-R9 又は-NH-CO-R8-R9であり、ここでR8は枝なしのC2-C13アルキルから成る基から選択され、ここでC原子は任意には、O又はSにより置換されていてもよく;そしてR9は、下記式:
【0018】
【化3】

【0019】
又はクロロアセチル、ブロモアセチル、ヨードアセチル、クロロアセトアミド、ヨードアセトアミド、クロロアルキル、ブロモアルキル、ヨードアルキル、ピリジルジスルフィド及びビニルスルホンアミドから選択され、そしてR6及びR7はCHであるか、又は一緒になってC3−アルキルであってヘキシル環を形成し、この環はC1-C4−アルキル基によりパラ位置で任意に置換されていてもよい]で表されるインドトリカルボシアニン色素、及びその塩及び溶媒化合物の調製により達成される。
【0020】
Yが、CH2-CH2であり;Zが、C1-C5アルキルであり、それによりC原子は任意には、O又はSにより置換されていてもよく、そしてR6及びR7がCHである、本発明のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物が好ましい。
ZがC1-C5アルキルである、本発明のインドトリカルボシアニン色素がより好ましい。
【0021】
Zが、下記式:
【化4】

【0022】
であり、そしてR6及びR7が一緒になってC3-アルキルであってヘキシル環を形成している、本発明のインドトリカルボシアニン色素がさらにより好ましい。
従って、シアニン色素の種類、特に700〜900nmのスペクトル範囲の吸光度及び蛍光最大値、チオール−特異的反応基、及び3個、好ましくは4個のスルホネート基を有するインドトリカルボシアニンからの蛍光色素が、本発明の対象である。後者は、水溶性を高めるためにも使用される。
【0023】
驚くべきことには、上記構造(スルホナトエチル基と共に3〜4個のスルホネート基のコンパクト位置)を有する本発明のインドトリカルボシアニンが、15%以上の高い蛍光量収率を有し、そして生物分子へのカップリングン後、その蛍光量収率がほぼ変化しないまま(約10%の最大損失)存続することが現在見いだされた。さらに、接合体の吸収スペクトルは、約750nmでNIR範囲の色素吸収の変形を示さない。特に、Cy7及び他の既知構造体の場合、3個よりも少ないスルホネート基を有する従来のインドトリカルボシアニン又はCy7誘導体に対して、良好な親水性、低められた凝集及び高められた蛍光量収率が生成される。
【0024】
本発明の蛍光診断のためのシアニン色素の調製におけるもう1つの必須観点は、標的特異的生物分子への共有カップリングを可能にするための反応性官能基を有するそれらの誘導体に関する。適切な誘導体は、例えばアミノ基、例えばチオール基と反応する、マレイミド、α−ハロケトン又はα−ハロアセトアミドと反応する(Bioconjugate Chem. 13,387-391, 2002; Bioconjugate Chem. 11,161-166, 2000)、NHSエステル及びイソチオシアネート(Bioconjugate Chem. 4,105-111, 1993; Bioconjugate Chem. 8,751-56, 1997)である。他の二官能価リンカーは、アリーレンジイソチオシアネート、アルキレンジイソチオシアネート、ビス−N−ヒドロキシ−スクシンイミジルエステル、ヘキサメチレンジイソシアネート及びN−(γ−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステルを含んで成る基に起因することができる。
【0025】
WO01/77229号は、スルホアリール基、メチン鎖のメソ−位置でのアルキル置換基、及び生物分子への結合を可能にする少なくとも1つの反応性基の組合せを有するシアニン色素を記載する。この態様は、インドジカルボシアニン(5C炭素から成るポリメチン鎖)に関し、そしてしかしながら、この化合物はメソ−位置に反応性基を有さない。
WO00/16810号(“近赤外蛍光コントラスト剤及び蛍光イメージング”)は、C7−ポリメチン鎖のメソ−置換に置換基を有するインドトリカルボシアニンを記載する。しかしながら、反応性基がどのようにして導入されるか又は生成されるかが示されていない。
本発明のもう1つの観点は、R5がCOOH又はNH2であるインドトリカルボシアニン色素に関する。
【0026】
公開された誘導体は、主としてCy3-, Cy5-, Cy5.5-及びCy7−基本構造に基づかれている(Amersham Pharmacia Biotechから市販されている;アメリカ特許第5,268,486号; Cy3 = インドカルボシアニン, Cy5=インドジカルボシアニン, Cy7=インドトリカルボシアニン)。チオール基−反応性誘導体は、特に興味あるものである。なぜならば、後者は、生物分子において特異的に位置する生物工学的システインとの指図された接合体を可能にするからである。従来技術は、主にCy3及びCy5誘導体に集中されている。
【0027】
本発明の特に好ましいインドトリカルボシアニンは、下記表1〜表7に列挙される式(II)〜(XX)の色素から選択される:
表1〜表7:本発明の好ましい色素:
【0028】
【表1】

【0029】
【表2】

【0030】
【表3】

【0031】
【表4】

【0032】
【表5】

【0033】
【表6】

【0034】
【表7】

【0035】
本発明のもう1つの観点は、本発明のインドトリカルボシアニン色素の生成方法に関する。この場合、4−置換されたピリジンを通しての単純なアクセスが見出された。種々の4−置換されたピリジンは、メソ−置換されたグルタコンアルデヒド−ジアニリド(シアニン色素への前駆体)において、Zincke反応(Zincke-Konig 反応, Romps Chemie Lexikon [Rompps Chemical Dictionary], 10th Edition, page 5067を参照のこと)により転換され得た。
【0036】
4−置換されたピリジンの単純且つ効果的な合成の他に、本発明の色素の対称構造は、分子の対称メソ−置換におけるチオール基−選択的反応基を有する定義された誘導体化の可能性を開く。
従って、チオール基−反応性化合物へのさらなる誘導体化が行われた。チオール基−反応性官能価は、例えばマレイニミド(マレイミド)、クロロアセチル、ブロモアセチル、ヨードアセチル、クロロアセトアミド、ブロモアセトアミド、ヨードアセトアミド、クロロアルキル、ピリジルジスルフィド及びビニルスルホンアミドである。
【0037】
本発明のさらにもう1つの観点は、生物分子への本発明のインドトリカルボシアニン色素のカップリングを含んで成る、接合体の生成方法に関する。本発明の範囲内においては、“生物分子”とは、生物学的活性、特に酵素活性を有する生物学的起源のいずれかの分子、又は合成又は生物学的起源の物質、例えば医薬剤、ペプチド、タンパク質、受容体又は核酸の接合として定義されるべきである。好ましい生物分子は、タンパク質、例えば酵素、ペプチド、抗体及び抗体フラグメント(例えば、一本鎖、FAb、F(ab)2、ジアボディー(diabody)、リポタンパク質、核酸、例えばDNA又はRNAからのオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド、アプタマー、PNA、及び糖、例えば一−、二−、三−、オリゴ−及び多糖である。
【0038】
腫瘍のインビボ蛍光診断のための、生物分子、例えばペプチド、抗体及びそのフラグメント、及びタンパク質とのシアニン色素接合体の合成及び生物学的特徴化は、種々の出版物における従来技術に記載されている。この場合、主に上記Cy3, Cy5, Cy5.5及びCy7が使用された(これに関しては、Nature Bio- technol. 15,1271, 1997; Cancer Detect. Prev. 22,251, 1998; J. Immunol. Meth. 231,239, 1999; Nature Biotechnol. 17,375, 1999; Nature Medicine 7,743, 2001を参照のこと)。
【0039】
本発明のもう1つの観点は、本発明の方法に従って生成される生物分子と、本発明のインドトリカルボシアニン色素との接合体に関する。この接合体は、それが上記に定義されるような生物分子を含んで成ることにおいて特徴づけられ得、それにより、生物分子として、ペプチド、タンパク質、リポタンパク質、抗体又は抗体フラグメント、核酸、例えばDNA又はRNAからのオリゴ−又はポリヌクレオチド、アプタマー、PNA、及び糖、例えば一−、二−、三−、オリゴ−及び多糖類から選択された少なくとも1つの生物分子がまた好ましい。従って、カップリングされたタンパク質は、それが身体の骨格タンパク質又は可溶性タンパク質の群から選択されることにおいて特徴づけられる。血清タンパク質(例えば、HAS)、抗体/抗体フラグメント、例えばscFv-フラグメント又はF(ab), 及びペプチド、BSA、卵アルブミン又はそれに由来するペルオキシダーゼが特に好ましい。
【0040】
脈管形成的活性組織において強く、そして隣接する組織において非常に低いレベルで発現される分子に対して指図される抗体は、従来技術から知られている(WO96/01653号を参照のこと)。血管成長因子のための受容体、炎症メディエーターが結合する内皮細胞を有する受容体、及び新規血管の形成において特異的に発現されるマトリックスタンパク質に対して存在する抗体は特に興味あるものである。マトリックスタンパク質EDB−フィブロネクチン及びそれらの本発明の接合体に対して指図される他の抗体又は抗体フラグメントが好ましい。腫瘍胎児性フィブロネクチンとしても知られている、EDB−フィブロネクチンは、脈管形成工程における新しく形成された血管の周囲で特別に形成される、フィブロネクチンのスプライス変異体である。EDB−フィブロネクチンに対する抗体L19, E8, AP38及びAP39が特に好ましい(Cancer Res 1999,59, 347; J Immunol Meth 1999,231, 239; Protein Expr Purif 2001, 21,156)。
【0041】
インドトリカルボシアニン色素がSH基を通して生物分子に、特にSH基を通してシステインにカップリングすることにおいて特徴づけられる本発明の接合体が好ましい。任意には、さらにより好ましくは、C−末端又はN−末端上に(外部の1〜10個のアミノ酸内)、それらの抗体及びそれらのフラグメントが、いずれかの分子内S−S−橋を形成せず、そして従って、本発明の色素へのカップリングのために使用され得るシステインを含むよう、組換え技法により生成されるそれらの抗体及びそれらのフラグメントがそれらから生成される。
【0042】
発明のもう1つの観点は、本発明のインドトリカルボシアニン色素及び/又は本発明の接合体を含んで成る診断キットに関する。さらに、前記キットは、特に腫瘍のインビボ診断を実施するための追加のアジュバントを含むことができる。それらのアジュバントは、例えば適切な緩衝液、容器、検出試薬又は使用のための指図である。キットは好ましくは、本発明の色素の静脈内投与のためのすべての材料を含む。本発明のそのようなキットの特定の態様は、例えば次の通りである:
【0043】
遊離SH基を有する抗体(生物分子)、及び標準の緩衝液/添加剤を、溶液又は凍結乾燥された材料として含む第1容器。溶液(通常の添加剤)又は凍結乾燥された材料として、本発明の色素を、0.1:1のモル比(等モル量における10倍の不足)で含むもう1つの容器。色素含有容器は任意には、緩衝液又は蒸留水と共に混合され、そして生物分子含有容器に添加され、1〜10分間インキュベートされ、そして注射用溶液として直接的に使用される。
【0044】
もう1つの態様のおいては、キットは、1つのチャンバーに抗体溶液を含み、そして破壊できる壁により物理的に分離され、第2チャンバーに溶液又は固体材料として色素を含む2つのチャンバーシステム(例えば、注射器)において存在する。壁が破られた後、注射用溶液の混合及び生成が行われる。
【0045】
次に、本発明の最後の観点は、腫瘍のインビボ診断のための蛍光コントラスト媒体としての本発明の接合体の使用に関する。これに関してのCy7の吸収最大値は、745nmの範囲で存在し、そして従って、より深い組織層からの蛍光のインビボ検出のために特に適切である。チオール基−選択反応性基を有するCy7誘導体はまだ記載されていない。さらに、腫瘍の端領域の検出のためへの抗体接合体の使用は、WO01/23005号(Antibody Dye Conjugates for Binding to Target Structures of Angiogエンesis in Order to Intraoperatively Depict Tumor Peripheries)にすでに記載されているが、本発明の好都合な色素の使用に関しては記載されていない。
本発明の次の例によりさらに記載されるが、それらの例は本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0046】
例1〜16マレイミド基を有するインドトリカルボシアニン色素の合成
例1三ナトリウム3,3−ジメチル−2−{7−[3,3−ジメチル−5−スルホナト−1−(2−スルホナトエチル)−3H−インドリウム−2−イル]−4−(2−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]カルバモイル}−エチル)ヘプタ−2,4,6−トリエン−1−イリデン}−1−(2−スルホナトエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホネート、内部塩(式II):
【化5】

【0047】
a)1−(2−スルホナトエチル)−2,3,3−トリメチル−3H−インドレニン−5−スルホン酸、内部塩
10g(0.04モル)の2,3,3−トリメチル−3H−インドレニン−5−スルホン酸(Bioconjugate Chem 1993, 4, 105), 6.8g (0.04モル)の2−クロロエタンスルホン酸塩化物及び4.2g(0.04モル)のトリエチルアミンを、200mlのアセトニトリルにおいて6時間、還流する。沈殿物を吸引し、そして乾燥する。収量5.0g(理論値の35%)。And Biochem 1994, 217. 197。
【0048】
b)3−ピリジン−4−イル−プロピオン酸−tert−ブチルエステル
50mlのTHF中、20g(89mモル)のt−ブチル−P, P−ジメチルホスホノアセテートを、250mlのTHF中、3.9g(98mモル)の水素化ナトリウム(鉱油中、60%)の懸濁液に0℃で滴下する。0℃での1時間の攪拌の後、50mlのテトラヒドロフラン中、10g(93mモル)のピリジン−4−カルバルデヒドの溶液を滴下し、そして反応混合物を、0℃で1時間及び室温で18時間、混合する。
【0049】
沈殿した固形物を濾過により除去し、そしてその溶液を蒸発により濃縮する。残渣を、加熱しながら、イソプロパノールに溶解し、不溶性部分を濾過し、そしてその溶液を、結晶化のために0℃に冷却する。生成される固形物を濾過し、ヘキサンと共に攪拌し、濾過し、そして乾燥する。中間体生成物(15.3g)を、10%パラジウム/活性炭0.15gにより6時間、150mlのエタノールにおいて水素化する。触媒を濾過し、溶液を蒸発により濃縮し、そして残渣をシリカゲル上で濾過する(移動溶媒ジエチルエーテル)。13.0gの淡黄色の油状物(理論的に71%)を得る。
【0050】
c) 3- [2- (tert-ブチルオキシカルボニル) エチル] グルタコンアルデヒド-ジアニリド-臭酸塩
150mlのジエチルエーテル中、10g(48mモル)の3−ピリジン−4−イルプロピオン酸−tert−ブチルエステルの溶液を、8.9g(96mモル)のアニリンと共に混合し、そして次に、2mlのジエチルエーテル中、5.4g(48mモル)のブロモシアノゲンの溶液と共に0℃で混合する。0℃での3時間の攪拌の後、生成される赤色の固形物を濾過し、エーテルにより洗浄し、そして真空乾燥する。
収量:20.3g(理論的に92%)。
【0051】
d) 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-l- (2-スルホナトエチル)-3H- インドリウム-2-イル]-4- (2-カルボキシエチル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1- (2-スルホナトエチル)- 2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩
20mlの無水酢酸及び5mlの酢酸中、1.0g(2.2mモル)の3- [2- (tert-ブチルオキシカルボニル) エチル] グルタコンアルデヒド-ジアニリド-臭酸塩(例1c)及び1.5g(4.4mモル)の1−(2−スルホナトエチル)−2,3,3−トリメチル−3H−インドレニン−5−スルホン酸(例1a)の懸濁液を、0.75g(9.1mモル)の酢酸ナトリウムと共に混合し、そして120℃で1時間、混合する。冷却の後、それをジエチルエーテルと共に混合し、沈殿した固形物を濾過し、そしてクロマトグラフィー(RP−C18−シリカゲル、移動溶媒水/メタノール)により精製し、そして生成物を凍結乾燥する(0.5g)。保護基の切断を、4mlのジクロロメタン/1mlのトリフルオロ酢酸において中間体生成物を1時間、攪拌することにより行う。蒸発による濃縮及びクロマトグラフィー精製(RP−C18−シリカゲル、移動溶媒水/メタノール)の後、0.45g(理論的に23%)の青色の凍結乾燥物を得る。
【0052】
e) 三ナトリウム 3, 3-ジメチル2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1- (2-スルホナトエチル)-3H- インドリウム-2-イル]-4- (2-{ [2- (2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-1 H-ピロール-1- イル) エチル] カルバモイル} エチル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1- (2-スルホナトエチル)-2, 3- ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩
0.4g(0.45mモル)の例1dの標記化合物及び45mg(0.45mモル)のトリエチルアミンを、10mlのジメチルホルムアミドに溶解し、0.15g(0.45mモル)のTBTUと共に0℃で混合し、そして10分間、攪拌する。次に、0.5mlのジメチルホルムアミド中、0.17g(0.68mモル)のN−(2−アミノエチル)マレイミド−トリフルオロアセテート(Int J Pept Protein Res 1992, 40, 445)及び68mg(0.68mモル)のトリエチルアミンの溶液を添加し、そしてそれを、室温で1時間、攪拌する。10mlのジエチルエーテルの添加の後、固形物を遠心分離し、乾燥し、そしてクロマトグラフィー(RP−C18−シリカゲル、移動溶媒水/メタノール)により精製する。収量:0.30g(理論的に65%)の青色の凍結乾燥物。
元素分析:計算値:C 47.24 H4. 26 N 5. 51 S 12.61 Na6.78;
実測値:C 47.74 H 4. 47 N 5. 40 S 11.99 Na 7.02。
【0053】
例2: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1- (2- スルホナトエチル)-3H-インドリウム-2-イル]-4-(2-{[6-(2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH-ピロール-l- イル) ヘキシル] カルバモイル} エチル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ- 1H-インドール-5-スルホネート, 内部塩 (式 III):
【化6】

【0054】
分析を、0.4g(0.45mモル)の例1dの標記化合物及び0.21g(0.68mモル)のN−(6−アミノヘキシル)マレイミド−トリフルオロアセテート(Int J Pept Protein Res 1992, 40, 445)から、例1eに類似して行う。収量:0.38gの青色の凍結乾燥物(理論的に81%)。
元素分析:計算値:C 49.25 H 4. 79 N 5. 22 S 11.95 Na 6. 43;
実測値:C 48.96 H 4. 92 N 5. 32 S 11.88 Na 6. 56。
【0055】
例3: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1- (2-スルホナトエチル)- 3H-インドリウム-2-イル]-4- (2-{[13- (2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH-ピロール-1-イル)-4, 7,10- トリオキサトリデシル] カルバモイル} エチル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3- ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩 (式 IV):
【化7】

【0056】
分析を、0.4g(0.45mモル)の例1dの標記化合物及び0.28g(0.68mモル)のN−(13−アミノ−4,7,10−トリオキサトリデシル)マレイミド−トリフルオロアセテート(Int JPept Protein Res 1992, 40, 445)から、例1eに類似して行う。収量:0.27g(理論的に51%)の青色の凍結乾燥物。
元素分析:計算値:C 48.97 H 5. 05 N 4. 76 S 10.89 Na 5. 86;
実測値:C 49.22 H 5.16 N 4.62 S 10.67 Na 5.66。
【0057】
例4: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1- (2-スルホナトエチル)- 3H-インドリウム-2-イル]-4-(4-{[2-(2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH-ピロール-l-イル) エチル] カルバモイル}- ブチル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5- スルホネート, 内部塩 (式 V)
【化8】

【0058】
a) (3-tert-ブトキシカルボニル-プロピル)-トリフェニル-臭化ホスホニウム
50g(0.30モル)の4−ブロモ酪産を、187g(0.89モル)の無水トリフルオロ酢酸と共に−40℃で、400mlのTHFにおいて少しづつ混合する。−40℃での30分の攪拌の後、400mlのtert−ブタノール/30mlのTHFを、1時間以内に滴下する。室温での16時間の攪拌の後、反応混合物を、氷冷却された炭酸ナトリウムに溶液上に注ぎ、水性相をジエチルエーテルにより3度、抽出し、そして有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして蒸発により濃縮する。残渣を真空下で蒸留する(沸点72℃/0.9mバール;収量:41g)。ホスホニウム塩を形成するための反応を、41g(0.18モル)の中間体生成物、44.6g(0.17モル)のトリフェニルホスフィン及び32.5g(0.36モル)の炭酸水素ナトリウムを、250mlのアセトニトリル中において20時間、還流−加熱することにより行う。反応混合物を濾過し、蒸発により濃縮し、そして残渣を、ジエチルエーテルと共に攪拌することにより結晶化する。収量58.5g(4−ブロモ略酸に対して、理論的に40%)の白色固形物。
【0059】
b) 5-ピリジン-4-イル-ペンタン酸-t-ブチル エステル
100mlの無水THF中、14g(28mモル)の(3-tert-ブトキシカルボニル-プロピル)-トリフェニル-臭化ホスホニウム(例4a)の溶液を、17.5ml(28mモル)のブチルリチウム(ヘキサン中、1.6M)と共に、空気のない環境下で−40℃で20分以内、混合し、そして−40℃で1時間、攪拌する。20mlのTHF中、2.78g(26mモル)の4−ピリジンカルバルデヒドの溶液を、滴下し、そして室温で16時間、攪拌し、次に、氷水上に注ぎ、水性相をジエチルエーテルにより3度、抽出し、そして有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして蒸発し、そして蒸発により濃縮する。クロマトグラフィーによる精製(シリカゲル、移動溶媒へキサン/酢酸エチル)の後、生成物を、E, Z−混合物(1H−NMR処理の後、4:1;5.0g)として得る。二重結合を水素化するために、中間体生成物を200mlのメタノールに溶解し、そして100mgのPtO2触媒と共に、水素上で室温で攪拌する。濾過及び蒸発による濃縮の後、黄色の油状物を得る。収量:4.9g(理論的に74%)。
【0060】
c) 3- [4- (tert-ブチルオキシカルボニル) ブチル] グルタコンアルデヒド-ジアニリド-臭酸塩
35mlのジエチルエーテル中、4.0g(17mモル)の5−ピリジン−4−イル−ペンタン酸−t−ブチルエステルの溶液を、3.2g(34mモル)のアニリンと共に、及び次に0℃で、8mlのジエチルエーテル中、1.9g(17mモル)のプロモシアノゲンの溶液と共に混合する。0℃での3時間の攪拌の後、生成される赤色の固形物を、濾過し、エーテルにより洗浄し、そして真空乾燥する。収量:7,8g(理論的に95%)。
【0061】
d) 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1-(2-スルホナトエチル)-3H- インドリウム-2-イル]-4- (4-カルボキシブチル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)- 2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩
合成を、例4cの標記化合物(2.5mモル)及び1−(2−スルホナトエチル)−2,3,3−トリメチル−3H−インドレニン−5−スルホン酸(5mモル)から、例1dに類似して行う。収量:0.85g(理論的に37%)の青色凍結乾燥物。
【0062】
e) 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1- (2-スルホナトエチル)-3H- インドリウム-2-イル]-4- (4-{[2- (2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH-ピロール-1-イル) エチル] カルバモイル}- ブチル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ-1 H-インドール-5- スルホネート, 内部塩:
合成を0.4g(0.43mモル)の例4dの標記化合物から、例1eに類似して行う。収量:0.31g(理論的に69%)の青色凍結乾燥物。
元素分析:計算値:C 48. 27 H4. 53 N5. 36 S 12.27 Na6.60;
実測値:C 48. 01 H 4. 44 N 5. 56 S 12.10 Na 6.81。
【0063】
例5: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1- (2-スルホナトエチル)- 3H-インドリウム-2-イル]-4-(4-{[6-(2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH-ピロール-l- イル) ヘキシル] カルバモイル} ブチル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ- lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩 (式 VI):
【化9】

【0064】
合成を、0.4g(0.43mモル)の例4dの標記化合物及び0.20g(0.66mモル)のN−アミノヘキシル)マレイミド−トリフルオロアセテートから、例1eに類似して行う。収量:0.35g(理論的に74%)の青色凍結乾燥物。
元素分子:計算値:C 50.17 H 5. 03 N 5. 09 S 11.65 Na 6.26;
実測値:C 49.83 H 4. 89 N 5. 34 S 12.05 Na 6.42。
【0065】
例6: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1- (2-スルホナトエチル)- 3H-インドリウム-2-イル]-4-(4-{[13-(2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH-ピロール-1-イル)-4, 7,10- トリオキサトリデシル] カルバモイル} ブチル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3- ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩 (式 VII):
【化10】

【0066】
合成を、0.4g(0.43mモル)の例1dの標記化合物及び0.30g(0.72mモル)のN−(13−アミノ−4,7,10−トリオキサトリデシル)マレイミド−トリフルオロアセテートから、例1eに類似して行う。収量:0.27g(理論的に52%)の青色凍結乾燥物。
元素分析:計算値:C 49.83 H 5. 27 N 4. 65 S 10.64 Na 5.72;
実測値:C 49.45 H 5. 19 N 4. 66 S 10.85 Na 5.80。
【0067】
例7: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-l- (2-スルホナトエチル)- 3H-インドリウム-2-イル]-4-(6-{[2-(2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH-ピロール-l- イル) エチル] カルバモイル} ヘキシル) ヘプタ-2, 4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ- lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩 (式 VIII):
【化11】

【0068】
a) (3-tert-ブトキシカルボニル-ペンチル)-トリフェニル-臭化ホスホニウム
生成を、例4aに記載のようにして行い、それによれば、中間体生成物6−ブロモヘキサン酸−tert−ブチルエステルを、天然生成物として反応させる。79g(理論的に69%)の生成物を、50gの6−ブロモヘキサン酸から、粘性の無色の油状物として得る。
b) 7-ピリジン-4-イル-ヘプタン酸-t-ブチル エステル
生成を、例4bに記載のようにして行う。7.5g(理論的に65%)の7−ピリジン−4−イル−ヘプタン酸−t−ブチルエステルを、25g(48.7mモル)の(3−tert−ブトキシカルボニル−ペンチル)−トリフェニル−ホスホニウム臭化物(例7a)から、黄色の油状物として得る。
【0069】
c) 3-[6-(tert-ブチルオキシカルボニル) ヘキシル] グルタコンアルデヒド-ジアニリド-臭酸塩:
30mlのジエチルエーテル中、5.0g(19mモル)の7−ピリジン−4−イル−ヘプタン酸−t−ブチルエステルの溶液を、3.6g(38mモル)のアニリンと共に、及び次に、5mlのジエチルエーテル中、2.1g(19mモル)のブロモシアノゲンの溶液と共に0℃で混合する。0℃での2.5時間の攪拌の後、生成される赤色固形物を濾過し、エーテルにより洗浄し、そして真空乾燥する。収量:8.9g(理論的に91%)。
【0070】
d) 三ナトリウム3,3-ジメチル-2-{7-[3,3-ジメチル-5-スルホナト-l- (2-スルホナトエチル)-3H-インドリウム-2-イル]-4-(6-カルボキシヘキシル)ヘプタ-2,4,6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)-2,3-ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩:
合成を、例1cの標記化合物(3mモル)及び1−(2−スルホナトエチル)−2,3,3−トリメチル−3H−インドレニン−5−スルホン酸(6mモル)から、例1dに類似して行う。収量:1.5g(理論的に54%)の青色凍結乾燥物。
【0071】
e) 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1- (2-スルホナトエチル)-3H- インドリウム-2-イル]-4- (6-{ [2- (2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH-ピロール-l- イル) エチル] カルバモイル} ヘキシル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3- ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩
合成を、0.4g(0.43mモル)の例7dの標記化合物から、例1eに類似して行う。収量:0.31g(理論的に69%)の青色凍結乾燥物。
元素分析:計算値:C 49.25 H 4. 79 N 5. 22 S 11.95 Na 6.43;
実測値:C 48.98 H 4. 86 N 5. 12 S 11.76 Na 6.77。
【0072】
例8: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1- (2-スルホナトエチル)- 3H-インドリウム-2-イル]-4-(6-{[6-(2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH-ピロール-l- イル) ヘキシル] カルバモイル} ヘキシル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ- lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩 (式 IX)
【化12】

【0073】
合成を、0.5g(0.53mモル)の例7dの標記化合物及び0.23g(0.75mモル)のN−(6−アミノヘキシル)マレイミド−トリフルオロアセテートから、例1eに類似して行う。収量:0.42g(理論的に70%)の青色凍結乾燥物。
元素分析:計算値:C 51.05 H 5. 27 N 4. 96 S 11.36 Na 6.11;
実測値:C50. 74 H5. 55 N4. 76 S 11. 38 Na6.35。
【0074】
例9: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-l- (2-スルホナトエチル)- 3H-インドリウム-2-イル]-4- (6-{ [13- (2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH-ピロール-1-イル)-4, 7,10-トリオキサトリデシル] カルバモイル} ヘキシル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3- ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩 (式 X):
【化13】

【0075】
合成を、0.5g(0.53mモル)の例7dの標記化合物及び0.44g(1.06mモル)のN−(13−アミノ−4,7,10−トリオキサトリデシル)マレイミド−トリフルオロアセテートから、例1eに類似して行う。収量:0.24g(理論的に37%)の青色凍結乾燥物。
元素分析:計算値:C 50.64 H 5.48 N 4.54 S 10.40 Na 5.59;
実測値:C 50.30 H5. 56 N4. 34 S 10.15 Na5.73。
【0076】
例10: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-l- (2- スルホナトエチル)-3H-インドリウム-2-イル]-4-(5-{[2- (2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH-ピロール-l- イル) エチル] カルバモイル}-3-オキサ-ペンチル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3- ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩 (式 XI):
【化14】

【0077】
a) 3-オキサ-6- (4-ピリジニル) ヘキサン酸-tert-ブチルエステル
400mlのトルエン/50mlのTHF中、75g(0.4モル)の3−(4−ピリジニル)−1−プロパノールの溶液を、10gのテトラブチルアンモニウムスルフェート及び350mlの32%水酸化ナトリウム溶液と共に混合する。次に、123g(0.68モル)のブロモ酢酸−tert−ブチルエステルを滴下し、そして室温で18時間、攪拌した。有機相を分離し、そして水性相をジエチルエーテルにより3度、抽出する。組合された有機相をNaCl溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして蒸発により濃縮する。クロマトグラフィー精製(シリカゲル:移動溶液へキサン:酢酸エチル)の後、56g(理論的に41%)の生成物を、褐色の油状物として得る。
【0078】
b) 3- [4-オキサ-5- (tert-ブチルオキシカルボニル) ペンチル] グルタコンアルデヒド-ジアニリド-臭酸塩:
60mlのジエチルエ−テル中、5.0g(20mモル)の3−オキサ−6−(4−ピリジニル)へキサン酸−tert−ブチルエステルの溶液を、3.7g(40mモル)のアニリンと共に、及び次に0℃で、8mlのジエチルエーテル中、2.2g(20mモル)のブロモシアノゲンの溶液と共に混合する。0℃での1時間の攪拌の後、50mlのジエチルエーテルを混合し、そして生成される赤色の固形物を濾過し、エーテルにより洗浄し、そして真空乾燥する。収量:8.5g(理論的に85%)の揮発性固形物。
【0079】
c) 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1- (2-スルホナトエチル)-3H- インドリウム-2-イル]-4- (6-カルボキシ-4-オキサヘキシル) ヘプタ-2,4,6-トリエン-1-イリデン}-1- (2- スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩:
50mlの無水酢酸及び10mlの酢酸中、3.0g(6mモル)の3- [2- (tert-ブチルオキシカルボニル) エチル] グルタコンアルデヒド-ジアニリド-臭酸塩(例10b)及び4.2g(12mモル)の1−(2−スルホナトエチル)−2,3,3−トリメチル−3H−インドレニン−5−スルホン酸(例1a)の懸濁液を、2.5g(30mモル)の酢酸ナトリウムと共に混合し、そして120℃で50分間、攪拌する。冷却の後、それをジエチルエーテルと共に混合し、沈殿した固形物を濾過し、アセトンにおいて吸収沈殿し、そして高い真空下で乾燥する。クロマトグラフィー精製(RP-C18−シリカゲル、移動溶媒水/メタノール)、真空下でのメタノールの除去、及び凍結乾燥の後、標記化合物をすぐに得る。収量:2.3g(理論的に41%)の青色の凍結乾燥物。
【0080】
d) 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1- (2-スルホナトエチル)-3H- インドリウム-2-イル]-4- (5-{ [2- (2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH-ピロール-l-イル) エチル] カルバモイル}-3- オキサ-ペンチル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5- スルホネート, 内部塩:
合成を、1.0g(1.1mモル)の例10cの標記化合物から、例1cに類似して行う。収量:0.85(理論的に73%)の青色の凍結乾燥物。
元素分析:計算値:C 47.54 H 4. 46 N 5. 28 S 12.09 Na 6.50;
実測値:C 47.97 H 4. 65 N 5. 10 S 12.02 Na 6.68。
【0081】
例11: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-l- (2- スルホナトエチル)-3H-インドリウム-2-イル]-4-(5-{[6-(2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH-ピロール-l- イル) ヘキシル] カルバモイル}-3-オキサ-ペンチル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3- ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩 (式 XII):
【化15】

【0082】
合成を、0.5g(0.55mモル)の例10cの標記化合物及び0.23g(0.75mモル)のN−(6−アミノヘキシル)マレイミド−トリフルオロアセテートから、例1eに類似して行う。収量:0.42g(理論的に68%)の青色の凍結乾燥物。
元素分析:計算値:C49. 46 H4. 96 N5. 01 S 11.48 Na6.17;
実測値:C48. 95 H5. 21 N5. 22 S 11. 23 Na6.60。
【0083】
例12: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1- (2- スルホナトエチル)-3H-インドリウム-2-イル]-4- (5-{[13- (2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH-ピロール-l-イル)- 4,7, 10-トリオキサトリデシル] カルバモイル}-4-オキサペンチル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2- スルホナトエチル) -2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩 (式 XIII):
【化16】

【0084】
合成を、0.5g(0.55mモル)の例10cの標記化合物及び0.46g(1.06mモル)のN−(13−アミノ−4,7,10−トリオキサトリデシル)マレイミド−トリフルオロアセテートから、例1eに類似して行う。収量:0.34g(理論的に56%)の青色の凍結乾燥物。
元素分析:計算値:C 49.17 H 5. 20 N 4. 59 S 10.50 Na 5. 65;
実測値:C 49.34 H 5. 32 N 4. 45 S 10.28 Na 5. 56。
【0085】
例13: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-[2-(1-{[3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1-(2- スルホナトエチル)-3H-インドリウム-2-イル] ビニレン}-2- [4- (2-{[2- (2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-1H- ピロール-1-イル) エチル] カルバモイル} エチル)-フェノキシ] シクロヘキシ-l-エン-3-イリデン) エチリデン]-1-(2- スルホナトエチル) -2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩 (式 XIV)
【化17】

【0086】
a) 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2- [2- (l-{ [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1-(2-スルホナトエチル)-3H- インドリウム-2-イル] ビニレン}-2-クロロ-シクロヘキシ-1-エン-3-イリデン) エチリデン]-l- (2- スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ-1H-インドール-5-スルホネート, 内部塩
5.0g(14.4mモル)の1−(2−スルホナトエチル)−2,3,3−トリメチル−3H−インドレニン−5−スルホン酸(例1a)及び2.6g(7.2mモル)のN−[(3−(アニリノメチレン)−2−クロロ−1−シクロヘキサン−1−イル)メチレン]アニリン塩酸塩(Aldrich Company)を、100mlのメタノール中、2.5g(30mモル)の無水酢酸ナトリウムと共に還流し、冷却し、150mlのジエチルエーテルと共に混合し、そして一晩、攪拌する。沈殿物を吸引し、乾燥し、そしてクロマトグラフィー(シリカゲル、グラジエント:ジクロロメタン/メタノール)により精製する。収量:3.8g(理論的に58%)の青色固形物。
【0087】
b) 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-[2-(1-{ [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1-(2-スルホナトエチル)-3H- インドリウム-2-イル] ビニレン}-2- [4- (2-カルボキシエチル) フェノキシ] シクロヘキシ-l-エン-3- イリデン) エチリデン]-1- (2-スルホナトエチル) -2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩
30mlのジメチルホルムアミド中、0.37g(2.2mモル)の3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸を、0.18g(4.5mモル)の水素化ナトリウム(60%鉱油分散液)と共に混合する。室温での30分間の攪拌の後、それを0℃に冷却し、100mlのジメチルホルムアミド中、2.0g(2.2mモル)の例12aの標記化合物の溶液を滴下し、そして室温で2時間、攪拌する。混合物をドライアイスにより急冷し、そして溶媒真空下で除去する。残渣をメタノールに溶解し、200mlのエタノールと共に攪拌し、そして沈殿した固形物を濾過する。クロマトグラフィー精製(シリカゲル、グラジエント:酢酸エチル/メタノール)を行う。収量1.9g(理論的に83%)の青色固形物。
【0088】
c) 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2- [2- (1-{ [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1-(2-スルホナトエチル)-3H- インドリウム-2-イル] ビニレン}-2- [4- (2-{ [2- (2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH-ピロール-l- イル) エチル] カルバモイル} エチル)-フェノキシ] シクロヘキシ-l-エン-3-イリデン) エチリデン]-1-(2- スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩
0.1mg(0.10mモル)の例12bの標記化合物を、トリエチルアミンの存在下で、TBTU及びN−(2−アミノエチル)マレイミド−トリフルオロアセテートと、例1eに記載のように反応せしめ、そして得られる生成物を、クロマトグラフィーにより精製する。収量:93mg(理論的に81%)の青色の凍結乾燥物。
元素分析:計算値:C 51.21 H4. 47 N4. 88 S 11. 16 Na6.00;
実測値:C 51.50 H 4. 55 N 4. 95 S 10.93 Na 6.15。
【0089】
例14: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2- [2- (1-{ [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1- (2- スルホナトエチル)-3H-インドリウム-2-イル] ビニレン}-2- [4- (2-{ [6- (2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH- ピロール-1-イル) ヘキシル] カルバモイル} エチル)-フェノキシ] シクロヘキシ-l-エン-3-イリデン) エチリデン]-1-(2- スルホナトエチル) -2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩 (式 XV)
【化18】

【0090】
合成を、0.7g(0.68mモル)の例14aの標記化合物及び0.53g(1.22mモル)のN−(13−アミノ−4,7,10−トリオキサトリデシル)マレイミド−トリフルオロアセテートから、例1eに類似して行う。収量:0.56g(理論的に68%)の青色の凍結乾燥物。
元素分析:計算値:C 48.27 H 4. 53 N 5. 36 S 12.27 Na 6.60;
実測値:C 48. 01 H 4. 44 N 5. 56 S 12.10 Na 6.81。
【0091】
例15: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-[2-(1-{[3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1-(2- スルホナトエチル)-3H-インドリウム-2-イル] ビニレン}-2- [4- (2-{[13- (2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH- ピロール-1-イル)-4, 7, 10-トリオキサトリデシル] カルバモイル} エチル) フェノキシ] シクロヘキシ-1-エン-3- イリデン) エチリデン]-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩 (式 XVI):
【化19】

【0092】
合成を、0.7g(0.68mモル)の例14aの標記化合物及び0.59g(1.36mモル)のN-(13−アミノ−4,7,10−トリオキサトリデシル)マレイミド−トリフルオロアセテートから例1eに類似して行う。2回のクロマトグラフィー精製を行う。収量:0.67g(理論的に75%)の青色の凍結乾燥物。
元素分析:計算値:C 52.29 H 5. 16 N4. 28 S 9.79 Na 5.27;
実測値:C 51. 88 H5. 40 N4. 34 S 9.53 Na5.68。
【0093】
例16: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-[2-(1-{[3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1-(2- スルホナトエチル)-3H-インドリウム-2-イル] ビニレン}-2-[4- (2-{[2- (2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-1H- ピロール-1-イル) エチル] カルバモイル} エチル)-フェノキシ]-5-tert-ブチル-シクロヘキシ-1-エン-3- イリデン) エチリデン]-1- (2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩 (式 XVII):
【化20】

【0094】
a) N- [ (3- (アニリノメチレン)-2-クロロ-5-tert-ブチル-1-シクロヘキセン-1-イル) メチレン] アニリン 塩酸塩:
6.7ml(73.5mモル)のオキシ塩化リンを、8mlのジメチルホルムアミドに0℃で滴下する。次に、30mlのジクロロメタン中、5.0g(32.4mモル)の4−tert−ブチルシクリヘキサノンの溶液を滴下し、そしてその反応混合物を環流下で3時間、攪拌する。0℃に冷却した後、5.5mlのエタノール中、6g(64.8mモル)をゆっくりと滴下し、その混合物を200gの氷上に注ぎ、そして5mlの濃塩酸を、攪拌しながら、添加する。沈殿した固形物を濾過し、エーテルにより洗浄し、そして乾燥する。収量:6.8g(理論的に50%)の赤色固形物。
【0095】
b) 三ナトリウム 3,3-ジメチル-2- [2- (1-{ [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1-(2-スルホナトエチル)-3H- インドリウム-2-イル]ビニレン}-2-クロロ-5-tert-ブチルシクロヘキシ-1-エン-3-イリデン) エチリデン]-1- (2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩:
5.0g(14.4mモル)の1−(2−スルホナトエチル)−2,3,3−トリメチル−3H−インドレニン−5−スルホン酸(例1a)及び3.0g(7.2mモル)のN- [ (3- (アニリノメチレン)-2-クロロ-5-tert-ブチル-1-シクロヘキセン-1-イル) メチレン] アニリン 塩酸塩(例16a)を、100mlのメタノール中、2.5g(30mモル)の無水酢酸ナトリウムと共に1.5時間、還流し、冷却し、200mlのジエチルエーテルと共に混合し、そして一晩、攪拌する。沈殿物を吸引し、乾燥し、そしてクロマトグラフィー(シリカゲル、グラジエント:ジクロロメタン/メタノール)により精製する。収量:4.7g(理論的に68%)の青色固形物。
【0096】
c) 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-[2-(1-{ [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1-(2-スルホナトエチル)-3H- インドリウム-2-イル] ビニレン}-2- [4- (2-カルボキシエチル) フェノキシ]-5-tert-ブチルシクロヘキシ-1-エン-3- イリデン) エチリデン]-1- (2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩
反応を、2.0g(2.1mモル)の例16bの標記化合物から、例13bに記載のようにして行う。収量:1.5g(理論的に66%)。
【0097】
d) 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2- [2- (1-{ [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1-(2-スルホナトエチル)-3H- インドリウム-2-イル] ビニレン}-2- [4- (2-{[2- (2, 5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-lH-ピロール-l- イル) エチル] カルバモイル} エチル)-フェノキシ]-5-tert-ブチル-シクロヘキ-1-エン-3- イリデン) エチリデン]-1- (2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ-1H-インドール-5-スルホネート, 内部塩
反応を、1.0g(0.92mモル)の例16cの標記化合物から、例13cに記載のようにして行う。クロマトグラフィーによる精製を、RP−C−18シリカゲル(移動溶媒:アセトニトリル/水)により2度行う。収量:0.24g(理論的に22%).
元素分析:計算値:C 52.82 H4. 93 N4. 65 S 10.64 Na5.72;
実測値:C 52.23 H5. 20 N4. 31 S 10.30 Na6.15。
【0098】
例17〜19ブロモアセチルアミド基を有するインドトリカルボシアニンの合成:
例17: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-l- (2- スルホナトエチル)-3H-インドリウム-2-イル]-4-(5-{[6-(ブロモアセチルアミノ) ヘキシル] カルバモイル}-4- オキサペンチル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-l-(2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5- スルホネート, 内部塩 (式 XIX):
【化21】

【0099】
a) 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1- (2-スルホナトエチル)-3H- インドリウム-2-イル]-4- (5-{ (6-アミノヘキシル) カルバモイル}-4-オキサペンチル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1- イリデン}-1- (2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ-1 H-インドール-5-スルホネート, 内部塩:
合成を、0.5g(0.55mモル)の例10cの標記化合物及び0.15g(0.70mモル)のN−boc−ヘキサンジアミン(Fhuka)から、例1eに類似して行う。反応生成物を、クロマトグラフィー(RP C18−クロマトグラフィー、グラジエント:メタノール/水)により精製し、そして凍結乾燥の後、それを2mlのトリフルオロ酢酸/8mlのジクロロメタンにおいて、氷により冷却しながら、15分間、攪拌する。真空下で回転した後、残渣をメタノールに溶解し、ジエチルエーテルにより沈殿し、そして単離する。収量:0.26g(理論的に41%)の青色固形物。
【0100】
b) 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1- (2-スルホナトエチル)-3H- インドリウム-2-イル]-4- (5-{ [6- (ブロモアセチルアミノ) ヘキシル] カルバモイル}-4-オキサペンチル) ヘプタ- 2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ-1 H-インドール-5-スルホネート, 内部塩:
0.26g(0.23mモル)の例18aの標記化合物を、5mlのジメチルホルムアミドにおいて−20℃に冷却し、28mg(0.28mモル)のトリエチルアミン、及び0.2mlのジメチルホルムアミド中、0.10g(0.46mモル)の臭化ブロモアセチルの溶液と共に混合する。最大0℃での5時間の攪拌の後、生成物を、ジエチルエーテルの添加により沈殿し、そしてジメチルホルムアミド/ジエチルエーテルからの反復された再沈殿及び続く乾燥により得る。0.23g(理論的に86%)の青色固形物。
元素分析:計算値:C 45.63 H 4. 87 N 4.84 S 11.07 Na 5.96;
実測値:C 45.13 H 4. 66 N 4. 67 S 10.83 Na(決定されていない)。
【0101】
例18: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-{7- [3, 3-ジメチル-5-スルホナト-l- (2- スルホナトエチル)-3H-インドリウム-2-イル]-4-(3-{[3-(ブロモアセチルアミノ) プロピル] カルバモイル}- エチル) ヘプタ-2,4, 6-トリエン-1-イリデン}-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5- スルホネート, 内部塩 (式 XVIII):
【化22】

【0102】
合成を、例1dの標記化合物(0.5g;0.56mモル)及びN−boc−プロピレンジアミンから出発して、例17に類似して行う。すべての段階上での収量:0.22g(理論的に37%)。
元素分析:計算値:C 43. 70 H4. 33 N 5. 23 S 11.96 Na 6.43;
実測値:C 43.21 H4. 14 N 5. 53 S 10.89 Na(決定されていない)。
【0103】
例19: 三ナトリウム 3, 3-ジメチル-2-[2-(1-{[3, 3-ジメチル-5-スルホナト-1-(2- スルホナトエチル)-3H-インドリウム-2-イル] ビニレン}-2- [4- (2-{ [3- (ブロモアセチルアミノ) プロピル] カルバモイル}エチル)-フェノキシ] シクロヘキシ-l-エン-3- イリデン) エチリデン]-1-(2-スルホナトエチル)-2, 3-ジヒドロ-lH-インドール-5-スルホネート, 内部塩 (式 XX):
【化23】

合成を、例13bの標記化合物(0.5g;0.49mモル)及びN−boc−プロピレンジアミンから出発して、例17に類似して行う。すべての段階上での収量:0.31g(理論的に53%)。
元素分析:計算値:C 47.88 H 4. 52 N 4. 65 S 10.65 Na 5.73;
実測値:C 48.04 H 4. 43 N 4. 69 S 10.72 Na 5.84。
【0104】
例20〜23生物分子との接合体の合成及びその接合体の光物理学的特徴化:
例20例1〜16の標記化合物によるBSA(ウシ血清アルブミン)のラベリング:
一般的な説明:5mlのリン酸緩衝液(0.1 M のNa2HP04/NaH2PO4, pH 6.8)中、5mg(0.074μモル)のBSA(Sigma Company)の溶液を、個々の場合、0.74μモルの例1〜16の標記化合物(PBS中、0.5mg/mの原液)と共に混合し、そして25℃で30分間インキュベートする。接合体の精製を、ゲルクロマトグラフィー(カラム:SephadexG50、直径1.5cm、Pharmacia, 溶離剤:PBS)により行う。
【0105】
例21例17〜19の標記化合物によるBSAのラベリング:
一般的な説明:5mlのリン酸緩衝液(0.1 M の硼酸緩衝液, pH 8.5)中、5mg(0.074μモル)のBSA(Sigma Company)の溶液を、個々の場合、1.10μモルの例17〜19の標記化合物(PBS中、0.5mg/mの原液)と共に混合し、そして25℃で5時間インキュベートする。接合体の精製を、ゲルクロマトグラフィー(カラム:SephadexG50、直径1.5cm、Pharmacia, 溶離剤:PBS)により行う。
【0106】
例22例1〜16の標記化合物による抗−ED−B−フィブロネクチンscFv抗体AP39(一本鎖フラグメント)のラベリング:
AP39は、C−末端システインを有するscFvであり、そして約56,000g/モルのモル質量の共有S-S−ダイマーとして存在する(Curr Opin Drug Discov Devel. 2002 Mar; 5 (2): 204-13)。ジスルフィド橋の還元により、接近でできるSH基を有する2つのモノマーを生成する(モル質量28,000g/モル)。
【0107】
一般的な説明:PBS中、AP39の溶液(濃度、0.93mgのダイマー/ml)0.3mlを、PBS(2.8mg/ml)中、トリス(カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の溶液60μlと共に混合し、そして窒素下で25℃で1時間インキュベートする。過剰のTCEPを、NAP−5カラム(溶離剤:PBS)上でのゲル濾過により分離する。測光法により測定された、得られるAP39−モノマー(OD280nm=1.4)の量は、230〜250μg(体積0.5〜0.6ml)である。溶液を、0.03μモルの例1〜16の標記化合物(PBS中、0.5mg/mlの原液)と共に混合し、そして25℃で30分間インキュベートする。接合体を、NAP−5カラム(溶離剤:PBS/10%グリセロール)上でのゲルクロマトグラフィーにより精製する。接合体溶液の免疫反応を、親和性クロマトグラフィー(ED−B−フィブロネクチン樹脂)により決定する(J Immunol Meth 1999, 231, 239)。得られる接合体の免疫反応性は80%以上であった(接合の前のAP39は95%以上である)。
【0108】
例23例17〜19の標記化合物による抗−ED−B−フィブロネクチンscFv抗体AP39(一本鎖フラグメント)のラベリング
一般的な説明:PBS中、AP39の溶液(濃度、0.93mgのダイマー/ml)0.3mlを、PBS(2.8mg/ml)中、トリス(カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の溶液60μlと共に混合し、そして窒素下で25℃で1時間インキュベートする。過剰のTCEPを、NAP−5カラム(溶離剤50mモルの硼酸緩衝液、pH 8.5)上でのゲル濾過により分離する。測光法により測定された、得られるAP39−モノマー(OD280nm=1.4)の量は、230〜250μg(体積0.5〜0.6ml)である。
【0109】
溶液を、0.06μモルの例17〜19の標記化合物(PBS中、0.5mg/mlの原液)と共に混合し、そして25℃で4時間インキュベートする。接合体を、NAP−5カラム(溶離剤:PBS/10%グリセロール)上でのゲルクロマトグラフィーにより精製する。接合体溶液の免疫反応を、親和性クロマトグラフィー(ED−B−フィブロネクチン樹脂)により決定する(J Immunol Meth 1999, 231, 239)。得られる接合体の免疫反応性は75%以上であった(接合の前のAP39は95%以上である)。
【0110】
例21及び22の色素−BSA−接合体及び例23及び24の色素−scFv抗体接合体の光物理学的特性決定:
濃度の程度(色素/抗体モル比)を、測光法により、及び短い波長の吸収肩(約690〜710nm)における75000L/モル/cmの消衰係数に基づいて決定し;抗体吸収(AP39)を、1.4のOD280nmにより決定し;そして/又はタンパク質吸収(BSA)を、0.58のOD277nmにより決定する。蛍光量収率を、インドシアニングリーンに対してSPEXフルオロログ(pluorolog)(ランプ及び検出器により検量される波長依存性感受性)により決定される(DMSO においてQ = 0.13, J Chem Eng Data 1977, 22, 379, Bioconjugate Chem 2001, 12, 44)。
【0111】
【表8】

【0112】
例24
本発明の接合体のイメージング性質を、腫瘍担持の無毛マウスへの注入の後、インビボで試験した。このためには、接合体を静脈内投与し、そして腫瘍領域における濃度を、0〜24時間、観察した。物質の蛍光を、レーザーダイオード(0.5Wの出力)により生成される、740nmの波長を有する近赤外光による動物の領域照射により励起する。蛍光線を、強められたCCDカメラにより検出し、そして蛍光像をデジタル的に貯蔵した。色素接合体のインビボ有効性を、例に基づいて図2に示す。
【0113】
さらに詳しく述べないが、当業者は、前述の記載を用いて、本発明をその十分な程度、利用できると思われる。従って、次の好ましい特定の態様は、単なる例示であって、本発明の範囲を制限するものではない。
前述及び次の例において、すべての温度は、特にことわらない限り、℃で訂正しないで示され、すべての部及び%は重量によってである。
本明細書に引用されるすべての出願、特許及び出版物の全開示は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0114】
前述の例は、本発明の一般的に又は特異的に記載される反応体及び/又は操作条件を、前述の例に使用されるそれらにより置換することにより、類似する好結果を伴って反復され得る。
前記の記載から、当業者は、本発明の必須特徴を容易に確めることができ、そして本発明の範囲内で、本発明の変更及び修飾を、種々の使用法及び条件を適合するために行われ得る。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】図1は、PBSにおける接合体K11(A)及びK15(B)の標準吸収度及び蛍光スペクトルを示す(表8を参照のこと)。
【図2】図2は、次の条件下で例24の本発明の接合体のイメージング性質の結果を示す:物質:接合体K15;腫瘍:マウスの右後側腹部におけるF9奇形癌:用量:50nモル/kg体重(色素に対するデータ);励起:740nm(ダイオードレーザー);検出;802.5±5nmバンド通過フィルターを備えたCCDカメラ(Hamamatsu)及び時間:注入前、及び注入後、1時間、6時間及び24時間。腫瘍の位置は矢印により同定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I):
【化1】

[式中、Xは、O, S, 又はC(2つの位置で置換される)であり、ここで置換基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及び/又はブチルから選択され;
Yは、CH2-CH2又はCH2-CH2-CH2であり;
Zは、C1-C5アルキル(ここで、前記C原子は任意には、O又はSにより置換されていてもよい)、又は下記式:
【化2】

であり;
R1〜R4はお互いに独立して、SO3H又はHであり、但しR1〜R4の少なくとも3個がSO3Hであり;
R5は、-CO-NH-R8-R9,-NH-CS-NH-R8-R9 又は-NH-CO-R8-R9であり、ここでR8は枝なしのC2-C13アルキルから成る基から選択され、ここでC原子は任意には、O又はSにより置換されていてもよく;そしてR9は、下記式:
【化3】

又はクロロアセチル、ブロモアセチル、ヨードアセチル、クロロアセトアミド、ヨードアセトアミド、クロロアルキル、ブロモアルキル、ヨードアルキル、ピリジルジスルフィド及びビニルスルホンアミドから選択され、そしてR6及びR7はCHであるか、又は一緒になってC3−アルキルであってヘキシル環を形成し、この環はC1-C4−アルキル基によりパラ位置で任意に置換されていてもよい]
で表されるインドトリカルボシアニン色素、及びその塩及び溶媒化合物。
【請求項2】
Yが、CH2-CH2であり;
Zが、C1-C5アルキルであり、それによりC原子は任意には、O又はSにより置換され、そしてR6及びR7がCHである請求項1記載のインドトリカルボシアニン色素。
【請求項3】
Zが、C1-C5アルキルである請求項1又は2記載のインドトリカルボシアニン色素。
【請求項4】
Zが、下記式:
【化4】

であり、そしてR6及びR7がC3-アルキルと共にヘキシル環を形成する請求項1又は2記載のインドトリカルボシアニン色素。
【請求項5】
R5が、COOH又はNH2である請求項1〜4のいずれか1項記載のインドトリカルボシアニン色素。
【請求項6】
下記式(II):
【化5】

で表される請求項3記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項7】
下記式(III):
【化6】

で表される請求項3記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項8】
下記式(IV):
【化7】

で表される請求項3記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項9】
下記式(V):
【化8】

で表される請求項3記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項10】
下記式(VI):
【化9】

で表される請求項3記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項11】
下記式(VII):
【化10】

で表される請求項3記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項12】
下記式(VIII):
【化11】

で表される請求項3記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項13】
下記式(IX):
【化12】

で表される請求項3記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項14】
下記式(X):
【化13】

で表される請求項3記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項15】
下記式(XI):
【化14】

で表される請求項2記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項16】
下記式(XII):
【化15】

で表される請求項2記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項17】
下記式(XIII):
【化16】

で表される請求項2記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項18】
下記式(XIV):
【化17】

で表される請求項4記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項19】
下記式(XV):
【化18】

で表される請求項4記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項20】
下記式(XVI):
【化19】

で表される請求項4記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項21】
下記式(XVII):
【化20】

で表される請求項4記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項22】
下記式(XVIII):
【化21】

で表される請求項3記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項23】
下記式(XIX):
【化22】

で表される請求項2記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項24】
下記式(XX):
【化23】

で表される請求項4記載のインドトリカルボシアニン色素、及びこの化合物の塩及び溶媒化合物。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか1項記載のインドトリカルボシアニン色素の生成方法であって、
a)1又は複数の4−置換されたピリジンを調製し;
b)Zincke-Koenig反応により、前駆体としてのメソ−置換されたグルタアルデヒド−ジアニリドにおける1又は複数の4−置換されたピリジンをシアニン色素に転換し;そして
c)シアニン色素への前駆体として前記メソ−置換されたグルタコンアルデヒド−ジアニリドを得る;
ことを含んで成る方法。
【請求項26】
請求項1〜24のいずれか1項記載のインドトリカルボシアニン色素を生物分子とカップリングさせることを含んで成る、接合体の生成方法。
【請求項27】
請求項26記載の方法に従って生成される、生物分子とのインドトリカルボシアニン色素の接合体。
【請求項28】
生物分子として、ペプチド、タンパク質、リポタンパク質、抗体又は抗体フラグメント、核酸、例えばDNA又はRNAからのオリゴ−又はポリヌクレオチド、アプタマー、PNA、及び糖、例えば一−、二−、三−、オリゴ−及び多糖類から選択される少なくとも1つの生物分子を含んで成ることを特徴とする請求項27記載の接合体。
【請求項29】
前記タンパク質が、身体の骨格タンパク質又は可溶性タンパク質の群から選択される請求項28記載の接合体。
【請求項30】
前記可溶性タンパク質が、血清タンパク質、例えばHSA、BSA、卵アルブミン、酵素、例えばペルオキシダーゼ又は抗体、scFvフラグメント又はF(ab)である請求項28又は29記載の接合体。
【請求項31】
前記可溶性タンパク質が、ED−B−フィブロネクチンに対して親和性を有する請求項27〜30のいずれか1項記載の接合体。
【請求項32】
前記インドトリカルボシアニン色素が、SH基を通して前記生物分子に、特にSH基を通してシステインにカップリングされる請求項27〜31のいずれか1項記載の接合体。
【請求項33】
請求項1〜24のいずれか1項記載のインドトリカルボシアニン色素及び/又は請求項27〜31のいずれか1項記載の接合体、並びに特に腫瘍のインビボ診断を実行するための追加のアジュバントを含んで成る診断キット。
【請求項34】
腫瘍のインビボ診断のための蛍光コントラスト媒体としての請求項27〜31のいずれか1項記載の接合体の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−513293(P2006−513293A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−566758(P2004−566758)
【出願日】平成15年11月14日(2003.11.14)
【国際出願番号】PCT/EP2003/012735
【国際公開番号】WO2004/065491
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(300049958)シエーリング アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】