角度センサ
【課題】高精度の角度センサを低コストで提供する。
【解決手段】角度センサ(10)は、回転軸(21)の軸芯方向に対して斜向する主面(22A,22B)を有し、回転軸(21)の軸芯回りの回転に連動して回転するロータ(22)と、ロータ(22)の回転時に生じるロータ(22)の面ブレに伴い磁界強度及び磁界方向が周期的に変化する磁界を検出し、回転軸(21)の回転角の情報を含む検出信号を出力する磁気センサ(30)と、検出信号に基づいて回転軸(21)の回転角を算出する信号処理回路(40)を備える。
【解決手段】角度センサ(10)は、回転軸(21)の軸芯方向に対して斜向する主面(22A,22B)を有し、回転軸(21)の軸芯回りの回転に連動して回転するロータ(22)と、ロータ(22)の回転時に生じるロータ(22)の面ブレに伴い磁界強度及び磁界方向が周期的に変化する磁界を検出し、回転軸(21)の回転角の情報を含む検出信号を出力する磁気センサ(30)と、検出信号に基づいて回転軸(21)の回転角を算出する信号処理回路(40)を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転軸の回転角を検出する角度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
外部磁界を検出するための磁気センサとして、巨大磁気抵抗効果素子や磁気トンネル効果素子等の磁気抵抗効果素子が利用されている。磁気抵抗効果素子は、磁化方向が特定の方向に設定されていて、外部磁界の変位に対して磁化状態(例えば、磁化方向や磁化の強さ)が影響を受けないように構成された磁化固定層(ピン磁性層)と、外部磁界の変化によって磁化状態が変位する磁化自由層(フリー磁性層)とを備えている。磁気抵抗効果素子に外部磁界が作用すると、磁化自由層の磁化状態が変動し、磁化状態が固定されている磁化固定層の磁化状態と、磁化状態が変動する磁化自由層との間に磁化状態の変位差が発生する。この磁化状態の変位差は、磁気抵抗効果素子の磁気抵抗の変化として現れる。この種の磁気抵抗効果素子の応用例として、例えば、特開2006−214862号公報には、磁気トラックを一様な幅と強度でNS着磁し、磁気トラックの円周面に対向するように配置された磁気抵抗効果素子から出力される磁気強度信号に基づいて回転体の回転角度位置を検出する位置検出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−214862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、磁気トラックを一様な幅と強度でNS着磁することは技術的に困難であり、コスト上昇の要因となる。
【0005】
そこで、本発明は高精度の角度センサを低コストで提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明に係わる角度センサは、回転軸の軸芯方向に対して斜向する主面を有し、回転軸の軸芯回りの回転に連動して回転するロータと、ロータの回転時に生じるロータの面ブレに伴い磁界強度及び磁界方向が周期的に変化する磁界を検出し、回転軸の回転角の情報を含む検出信号を出力する磁気センサと、検出信号に基づいて回転軸の回転角を算出する信号処理回路と、を備える。回転軸の回転に伴うロータの面ブレにより、磁気センサに作用する磁界の振れ角を増大できるので、検出分解能を向上できる。また、回転軸が回転するときにロータが面ブレするように構成されているため、角度検出の分解能を低下させることなく、ロータ形状を小型化できる。これにより、角度センサ全体の小型化を実現できる。
【0007】
磁気センサは、磁化方向が固定されている磁化固定層と、磁界の作用を受けて磁化方向が変化する磁化自由層とを備える磁気抵抗効果素子を含む。磁化固定層の磁化方向の軸芯方向に直交する二成分が磁化固定層の磁化方向の軸芯方向に平行な一成分よりも磁界の作用を強く受けるように磁化固定層の磁化方向を調整し、磁気センサをロータの面ブレの最高点と最低点との間の位置に配置してもよい。これにより、磁気センサから出力される検出信号は、ロータの一回転につき極大及び極小をそれぞれ二つ有する信号波形となる。
【0008】
検出信号が回転軸の一回転につき非対称な二つの信号波形を出力する信号となるように、ロータの回転中心からずれた位置に磁気センサを配置してもよく、磁化固定層の磁化方向の軸芯方向に平行な一成分の値がゼロより大きくなるように調整してもよく、或いは、ロータを軸芯方向に平行な平面で切断した断面の形状をロータの回転中心に関して点対称となる形状以外の形状に調整してもよい。これにより、角度検出精度を向上できる。
【0009】
磁化固定層の磁化方向の軸芯方向に直交する二成分が磁化固定層の磁化方向の軸芯方向に平行な一成分よりも磁界の作用を強く受けるように磁化固定層の磁化方向を調整し、磁気センサをロータの面ブレの最高点より高い位置、又はロータの面ブレの最低点より低い位置に配置してもよい。これにより、磁気センサから出力される検出信号は、ロータの一回転につき最大及び最小をそれぞれ一つ有する信号波形となる。
【0010】
磁化固定層の磁化方向の軸芯方向に平行な一成分が磁化固定層の磁化方向の軸芯方向に直交する二成分よりも磁界の作用を強く受けるように磁化固定層の磁化方向を調整してもよい。これにより、磁気センサから出力される検出信号は、ロータの一回転につき最大及び最小をそれぞれ一つ有する信号波形となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高精度の角度センサを低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係わる角度センサの概略構成図である。
【図2】本実施形態に係わる角度センサの概略構成図である。
【図3】本実施形態に係わる磁気抵抗効果素子の断面図である。
【図4】磁化固定層の磁化方向の各成分を示す説明図である。
【図5】検出信号の変化を示すグラフである。
【図6】検出信号の変化を示すグラフである。
【図7】検出信号の変化を示すグラフである。
【図8】検出信号の変化を示すグラフである。
【図9】検出信号の変化を示すグラフである。
【図10】本実施形態に係わるロータの構成図である。
【図11】本実施形態に係わる角度センサの概略構成図である。
【図12】本実施形態に係わるロータの構成図である。
【図13】本実施形態に係わる角度センサの概略構成図である。
【図14】本実施形態に係わる角度センサの概略構成図である。
【図15】本実施形態に係わる角度センサの概略構成図である。
【図16】本実施形態に係わる角度センサの概略構成図である。
【図17】本実施形態に係わる磁気センサの構成図である。
【図18】本実施形態に係わる磁化固定層の磁化方向の説明図である。
【図19】本実施形態に係わる磁気センサの構成図である。
【図20】本実施形態に係わる磁化固定層の磁化方向の説明図である。
【図21】本実施形態に係わる磁気センサの構成図である。
【図22】本実施形態に係わる磁化固定層の磁化方向の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、各図を参照しながら本発明に係わる実施形態について説明する。同一の部材については、同一の符号を付すものとし、重複する説明を省略する。
【0014】
図1は本実施形態に係わる角度センサ10の概略構成を示す。角度センサ10は、所定の基準位置からの回転軸21の一回転以内の回転角(0deg〜360deg)を検出するための角度検出装置である。回転軸21として、例えば、ステアリングシャフトを挙げることができるが、これに限定されるものではない。角度センサ10は、回転軸21の軸芯回りの回転に連動して回転するロータ22と、回転軸21の回転角の情報を含む検出信号を出力する磁気センサ30と、磁気センサ30から出力される検出信号に基づいて回転軸21の回転角を算出する信号処理回路40とを備える。ロータ22は、強磁性材質(例えば、鉄、コバルト、ニッケル等)から成る回転部材であり、その平面形状(ロータ22の厚み方向に垂直な平面で切断した断面形状)は、例えば、円、楕円等が好適であるが、特定の形状に限定されるものではなく、様々な形状を採り得る。ロータ22は、第一の主面22A及びその裏面である第二の主面22Bを有しており、これらの主面22A,22Bが回転軸21の軸芯方向に対して斜向するように、ロータ22が回転軸21に取り付けられている。ロータ22は、回転軸21に固定してもよく、或いはセレーション結合してもよい。回転軸21の軸芯方向をZ方向とすると、回転軸21の回転に伴い、ロータ22はZ軸方向に面ブレしながら回転する。図1において、Z0はロータ22の回転中心のZ座標を示し、Z1はロータ22の面ブレの最高点のZ座標を示し、Z2はロータ22の面ブレの最低点のZ座標を示す。
【0015】
磁気センサ30は、外部磁界50を発生させるための磁界発生手段として機能する磁石32と、ロータ22の回転時に生じるロータ22の面ブレに伴い磁界強度及び磁界方向が周期的に変化する外部磁界50の変化を電圧変化として検出する磁気抵抗効果素子31とを主要構成として備える。磁気センサ30の実装形態として、例えば、図17に示すように、磁石32の中心点と磁気抵抗効果素子31の中心点とを結ぶ線がX方向に平行になるようにプリント配線基板33の表面に磁気抵抗効果素子31を配置し、プリント配線基板33の裏面に磁石32を配置してもよい。このような配置構成の場合、図18に示すように、磁気抵抗効果素子31の磁化固定層の磁化方向63Aは、YZ平面内の任意の方向を向く。また例えば、図19に示すように、磁気抵抗効果素子31の中心点とプリント配線基板33の中心点とを結ぶ線がZ方向に平行になるようにプリント配線基板33の裏面に磁気抵抗効果素子31を配置してもよい。このような配置構成の場合、図20に示すように、磁気抵抗効果素子31の磁化固定層の磁化方向63Aは、XY平面内の任意の方向を向く。また例えば、図21に示すように、磁気抵抗効果素子31の中心点とプリント配線基板33の中心点とを結ぶ線がY方向に平行になるようにプリント配線基板33の表面に磁気抵抗効果素子31を配置してもよい(プリント配線基板33は磁気抵抗効果素子31の裏面に配置されているため図示されていない点に留意されたい)。このような配置構成の場合、図22に示すように、磁気抵抗効果素子31の磁化固定層の磁化方向63Aは、ZX平面内の任意の方向を向く。また、磁石32から発生する外部磁界50を効率よく集磁するために磁石32の両極にヨーク(図示せず)を配置するのが好ましい。磁気抵抗効果素子31として、巨大磁気抵抗(GMR)型、トンネル磁気抵抗(TMR)型、弾道磁気抵抗(BMR)型、異方性磁気抵抗(AMR)型等の公知の磁気抵抗効果素子を用いることができる。
【0016】
図3は磁気抵抗効果素子31の断面構造を示す。磁気抵抗効果素子31は、下地層61、反強磁性層62、磁化固定層63、非磁性導電層64、磁化自由層65、及び保護層66を積層してなる構造を有している。磁化固定層63の磁化方向63Aは、反強磁性層62の磁化方向62Aと強固に磁気カップリングしているため、外部磁界50の影響を殆ど受けない。一方、磁化自由層65の磁化方向65Aは、外部磁界50の磁界方向に追随するように変化する。磁気抵抗効果素子31の磁気抵抗は、磁気抵抗効果素子31が検出する外部磁界50の磁界強度とその磁界方向に依存して変化することが知られている。仮に外部磁界50の磁界強度が一定である場合には、磁気抵抗効果素子31の磁気抵抗は、磁化固定層63の磁化方向63Aと磁化自由層65の磁化方向65Aとの角度差(ξ)に依存して変化する。より詳細には、磁気抵抗効果素子31の磁気抵抗は、(1−cosξ)に比例して変化する特性を有しており、磁化固定層63の磁化方向63Aと磁化自由層65の磁化方向65Aとが同一方向かつ平行であるときに磁気抵抗は最小となり、磁化固定層63の磁化方向63Aと磁化自由層65の磁化方向65Aとが逆方向かつ平行であるときに磁気抵抗は最大になる。上述の如く、ロータ22は回転軸21の回転時に面ブレが生じるように回転軸21に取り付けられているので、ロータ22の縁部と磁気センサ30との間の距離、及び磁石32からロータ22の縁部に向かう外部磁界50の方向は周期的に変化し、これに伴い、磁気抵抗効果素子31に作用する外部磁界50の磁界強度及び磁界方向は周期的に変化する。磁気抵抗効果素子31には、プリント配線基板33からセンス電流が供給されており、磁気抵抗効果素子31の磁気抵抗の変化は、出力電圧の変化として検出される。磁気抵抗効果素子31の出力電圧は、回転軸21の回転角の情報を含む検出信号として信号処理される。回転軸21の回転に伴い、ロータ22はZ軸方向に面ブレしながら回転するため、単位角度変化あたりの検出信号の変化量は大きくなる。このため、ロータ22の直径を短くしても、実用上十分な角度検出の分解能を得ることができ、角度センサ10全体の小型化及びロータ22の高速回転対応が可能になる。
【0017】
説明の便宜上、図1では、一つの磁気抵抗効果素子31を図示したが、検出信号の一つの値に対応する回転軸21の回転角が複数存在し得るので、図2に示すように、回転軸21の中心に関して二つの磁気センサ30を角度θで配置し、所定の位相差(例えば90deg)を有する二つの検出信号に基づいて回転軸21の回転角を求めるのが好ましい。磁気抵抗効果素子31から出力される検出信号は、(1)磁化固定層63の磁化方向63A、(2)磁気センサ30の位置、(3)ロータ22の形状等の各種の要因の影響を受けて、回転軸21の一回転につき一波形又は二波形の周期信号となる。検出信号が回転軸21の一回転につき一波形の周期信号となる場合は、図2において、θ=90degで二つの磁気センサ30を配置すればよい。検出信号が回転軸21の一回転につき二波形の周期信号となる場合は、図2において、θ=45degで二つの磁気センサ30を配置すればよい。信号処理回路40は、それぞれの磁気センサ30から出力される検出信号と回転軸21の回転角との対応関係を示すデータテーブル(又は関数)をメモリ(図示せず)に保持しており、それぞれの磁気センサ30から出力される検出信号とデータテーブル(又は関数)とを比較して回転軸21の回転角を求める。
【0018】
次に、図4乃至図9を参照しながら、磁化固定層63の磁化方向63Aと磁気センサ30の検出信号との関係について説明する。図4に示すPx,Py,Pzは、それぞれ磁化固定層63の磁化方向63AのX成分、Y成分、及びZ成分を示す。Pzは回転軸21の軸芯方向に平行であるので、磁気抵抗効果素子31のPzに起因する磁気抵抗成分は、ロータ22の一回転につき最大及び最小をそれぞれ一つ有する。一方、Px,Pyは回転軸21の軸芯方向に直交するので、磁気抵抗効果素子31のPx,Pyに起因する磁気抵抗成分は、ロータ22の一回転につき極大及び極小をそれぞれ二つ有する。
【0019】
磁気抵抗効果素子31から出力される検出信号の波形は、以下の三つの場合に分けることができる。
【0020】
まず、第一の場合として、磁化固定層63の磁化方向63AのZ方向に直交する二成分(Px,Py)が磁化固定層63の磁化方向63AのZ方向に平行な一成分(Pz)よりも外部磁界50の作用を強く受けるように磁化固定層63の磁化方向63Aが調整されており、且つ、磁気センサ30のZ座標がロータ22の面ブレの最高点(Z1)と最低点(Z2)との間に位置する場合には、磁気センサ30から出力される検出信号は、ロータ22の一回転につき極大及び極小をそれぞれ二つ有する信号波形となる。
【0021】
次に、第二の場合として、磁化固定層63の磁化方向63AのZ方向に直交する二成分(Px,Py)が磁化固定層63の磁化方向63AのZ方向に平行な一成分(Pz)よりも外部磁界50の作用を強く受けるように磁化固定層63の磁化方向63Aが調整されており、且つ、磁気センサ30のZ座標がロータ22の面ブレの最高点(Z1)より高い位置又はロータ22の面ブレの最低点(Z2)より低い位置にある場合には、磁気センサ30から出力される検出信号は、ロータ22の一回転につき最大及び最小をそれぞれ一つ有する信号波形となる。
【0022】
最後に、第三の場合として、磁化固定層63の磁化方向63AのZ方向に平行な一成分(Pz)が磁化固定層63の磁化方向63AのZ方向に直交する二成分(Px,Py)よりも外部磁界50の作用を強く受けるように磁化固定層63の磁化方向63Aが調整されている場合には、磁気センサ30から出力される検出信号は、ロータ22の一回転につき最大及び最小をそれぞれ一つ有する信号波形となる。
【0023】
例えば、円形状のロータ22を使用し、回転中心を含み回転軸21を法線ベクトルとする面内に磁界抵抗素子31が存在する場合、磁気抵抗効果素子31のPzに起因する磁気抵抗成分をsinφとし、磁気抵抗効果素子31のPx,Pyに起因する磁気抵抗成分をsin2φとし、a,bを定数とすると、磁気抵抗効果素子31から出力される検出信号は、b×sinφ+a×sin2φと記述することができる。図5はa=1,b=1とし、且つ、磁気センサ30のZ座標=Z0としたときに、ロータ22一回転あたりの検出信号の変化を示すグラフである。この場合、検出信号は電圧0を跨いで極大及び極小をそれぞれ二つ有する信号波形となる。図6はa=0.5,b=1とし、且つ、磁気センサ30のZ座標=Z0としたときに、ロータ22一回転あたりの検出信号の変化を示すグラフである。この場合、検出信号は電圧0を跨いで最大及び最小をそれぞれ一つ有し、且つ、電圧0で変曲点を有する信号波形となる。図7はa=0.25,b=1とし、且つ、且つ、磁気センサ30のZ座標=Z0としたときに、ロータ22一回転あたりの検出信号の変化を示すグラフである。この場合、検出信号は電圧0を跨いで最大及び最小をそれぞれ一つ有する信号波形となる。従って、磁気抵抗効果素子31のPx,Py, Pz成分の影響によって、ロータ22の一回転における検出信号が変化することがわかる。つまり、実際には更に磁気抵抗素子31の配置場所の影響も受けることになるので、検出信号は結果として、対称性が崩れることになる。
【0024】
磁気センサ30から出力される検出信号がロータ22の一回転につき極大及び極小をそれぞれ二つ有する信号波形となる場合には、ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形が検出信号として出力されるように、磁気センサ30の位置(Z座標)、磁化固定層63の磁化方向63AのZ方向に平行な一成分(Pz)の値、又はロータ22の形状を調整するのが好ましい。これらの三つの要因のうち何れか一つのみを調整してもよく、或いは二つないし三つの要因を調整してもよい。これらの要因が相互に影響し合うことにより、検出信号は電圧0を中心としてその対称性が崩れ、ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形となる。例えば、二つの磁気センサ30のうち一方の検出信号をf(ψ)とし、他方の検出信号をf(ψ+α)とする。ここで、ψは回転軸21の回転角(0〜360deg)を示し、αは二つの検出信号の位相差を示す。回転軸21の任意の回転角度をβとし、f(ψ)=f(β)のときに、f(ψ+α)=f(β+α)とならないようにするためには、ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形となる検出信号を利用するのが好適である。二つの磁気センサ30から出力される二つの検出信号に所定の位相差を持たせて回転軸21の回転角度を検出する場合、ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形となる検出信号を利用することで、高精度な角度検出性能を得ることができる。上述の説明は、回転軸21の一回転につき二つ以上の波形信号が出力される場合にも適用される。但し、上述の説明で対応できない場合には、角度センサ10を新たに追加し、組み合わせの数を増やすことで角度検出は可能となる。例えば、n個の角度センサ10のそれぞれの検出信号は、f(φ)、f(φ+α1)、f(φ+α2)…、f(φ+αn)となる。任意の角度βのときのn個の角度センサ10のそれぞれの検出信号は、f(β)、f(β+α1)、f(β+α2)…、f(β+αn)となる。もし、f(φ)=f(β)のとき、f(φ+α1)=f(β+α1)、…f(φ+αm)≠f(β+αm)、…f(φ+αn)=f(β+αn)のように、一つでも異なる検出信号の値が存在すれば、角度検出が可能となる。
【0025】
尚、f(ψ)=f(β)のときに、f(ψ+α)=f(β+α)となる例として、例えば、図8及び図9に示す検出信号を取り上げることができる。図8はa=1,b=0とし、且つ、磁気センサ30のZ座標=Z0としたときに、ロータ22一回転あたりの検出信号の変化を示すグラフである。図9はある一定期間にわたり同一の電圧値をとる検出信号のグラフである。図8及び図9に示す検出信号は、二つの磁気センサ30から出力される二つの検出信号に所定の位相差を持たせて回転軸21の回転角度を検出する場合に不向きであるため、好ましくない。なお、f(ψ)が回転軸21の一回転につき極大及び極小がそれぞれ二つ有する場合には、曲率の符号が変化しない信号波形となることが好ましい。曲率の符号が変化すると、同一の回転角に対応するf(ψ)の値が最大二つ存在し、角度検出ができなくなるためである。
【0026】
ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形が検出信号として出力されるためには、磁気センサ30の位置(Z座標)をロータ22の回転中心(Z0)からZ方向に所定距離(ΔZ)だけずれた位置に設定するか(図1参照)、或いは磁化固定層63の磁化方向63AのZ方向に平行な一成分(Pz)の値がゼロより大きくなるように磁化方向63Aを調整するのが好ましい。これにより、検出信号は電圧0に対してオフセットした位置にずれるので、ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形となる。但し、磁気センサ30のZ座標は、ロータ22の面ブレの最高点(Z1)と最低点(Z2)との間にあるものとする。
【0027】
ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形が検出信号として出力されるためには、図10乃至図16に示すように、ロータ22の形状やその取り付け構造を工夫してもよい。
【0028】
図10及び図11は、ロータ22の主面22A,22Bが回転軸21の軸芯方向に対して斜向するように、肉厚一定の円形状のロータ22の中心点Pから所定距離ずれた位置Qに回転軸21を取り付ける例を示す。この例では、磁気センサ30のZ座標は、ロータ22の面ブレの最高点(Z1)と最低点(Z2)との間にあればよい。回転軸21へのロータ22の取り付け位置が偏心しているため、磁気センサ30から出力される検出信号は、ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形となる。
【0029】
図12及び図13は、ロータ22の主面22A,22Bが回転軸21の軸芯方向に対して斜向するように、肉厚一定の楕円形状のロータ22の中心点Rに回転軸21を取り付ける例を示す。この例では、磁気センサ30のZ座標は、ロータ22の面ブレの最高点(Z1)と最低点(Z2)との間にあればよい。ロータ22の平面形状が楕円であるため、磁気センサ30から出力される検出信号は、ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形となる。
【0030】
図14乃至図16に示すように、ロータ22を回転軸21の軸芯方向に平行な平面で切断した断面の形状は、ロータ22の回転中心に関して点対称となる形状以外の形状としてもよい。ロータ22の断面形状をこのような形状に加工することにより、磁気センサ30に作用する外部磁界50の角度が不均等に変化するため、磁気センサ30から出力される検出信号は、ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形となる。例えば、図14に示すロータ22の断面形状は、線対称となるように加工されており、図15に示すロータ22の断面形状は、両側の縁部が異なる形状となるように加工されており、図16に示すロータ22の断面形状は、ロータ22の肉厚が変化するように加工されている。
【0031】
尚、磁気センサ30から出力される検出信号がロータ22の一回転につき最大及び最小をそれぞれ一つ有する信号波形となる場合には、検出信号を非対称とするための調整は不要となる。
【0032】
本実施形態に係わる角度センサ10によれば、回転軸21の回転に伴うロータ22の面ブレにより、磁気センサ30に作用する外部磁界50の振れ角を増大できるので、検出分解能を向上できる。また、磁気センサ30から出力される検出信号がロータ22の一回転につき極大及び極小をそれぞれ二つ有する信号波形となる場合には、磁気センサ30の位置やロータ22の形状に誤差が生じたとしても、検出信号は非対称であればよいので、低い加工精度で十分な検出精度を得ることができる。また、二つの磁気センサ30を回転軸21に関して45degの角度で配置すればよいので、角度センサ10を小型化できる。また、ロータ22を小型化することで角度センサ10を更に小型化することができる。
【0033】
なお、本実施例において、磁気抵抗効果素子31を使用する場合、磁化自由層65の長手方向は、回転中心方向に直交する方向であって、かつ、回転中心を含む面内方向を向く方向が好ましい。磁化自由層65の長手方向が回転中心方向に直交する方向であって、かつ、回転中心を含む面内方向を向くことにより、磁化自由層65は長手方向での反転がなくヒステリシスが存在しないので、検出精度の向上が望める。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係わる角度センサは、ステアリングシャフトや回転角度差を利用したトルク検出機等のさまざまな回転軸の回転角の検出に利用できる。
【符号の説明】
【0035】
10…角度センサ
21…回転軸
22…ロータ
22A,22B…主面
30…磁気センサ
31…磁気抵抗効果素子
32…磁石
33…プリント配線基板
40…信号処理回路
50…外部磁界
61…下地層
62…反強磁性層
63…磁化固定層
64…非磁性導電層
65…磁化自由層
66…保護層
【技術分野】
【0001】
本発明は回転軸の回転角を検出する角度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
外部磁界を検出するための磁気センサとして、巨大磁気抵抗効果素子や磁気トンネル効果素子等の磁気抵抗効果素子が利用されている。磁気抵抗効果素子は、磁化方向が特定の方向に設定されていて、外部磁界の変位に対して磁化状態(例えば、磁化方向や磁化の強さ)が影響を受けないように構成された磁化固定層(ピン磁性層)と、外部磁界の変化によって磁化状態が変位する磁化自由層(フリー磁性層)とを備えている。磁気抵抗効果素子に外部磁界が作用すると、磁化自由層の磁化状態が変動し、磁化状態が固定されている磁化固定層の磁化状態と、磁化状態が変動する磁化自由層との間に磁化状態の変位差が発生する。この磁化状態の変位差は、磁気抵抗効果素子の磁気抵抗の変化として現れる。この種の磁気抵抗効果素子の応用例として、例えば、特開2006−214862号公報には、磁気トラックを一様な幅と強度でNS着磁し、磁気トラックの円周面に対向するように配置された磁気抵抗効果素子から出力される磁気強度信号に基づいて回転体の回転角度位置を検出する位置検出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−214862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、磁気トラックを一様な幅と強度でNS着磁することは技術的に困難であり、コスト上昇の要因となる。
【0005】
そこで、本発明は高精度の角度センサを低コストで提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明に係わる角度センサは、回転軸の軸芯方向に対して斜向する主面を有し、回転軸の軸芯回りの回転に連動して回転するロータと、ロータの回転時に生じるロータの面ブレに伴い磁界強度及び磁界方向が周期的に変化する磁界を検出し、回転軸の回転角の情報を含む検出信号を出力する磁気センサと、検出信号に基づいて回転軸の回転角を算出する信号処理回路と、を備える。回転軸の回転に伴うロータの面ブレにより、磁気センサに作用する磁界の振れ角を増大できるので、検出分解能を向上できる。また、回転軸が回転するときにロータが面ブレするように構成されているため、角度検出の分解能を低下させることなく、ロータ形状を小型化できる。これにより、角度センサ全体の小型化を実現できる。
【0007】
磁気センサは、磁化方向が固定されている磁化固定層と、磁界の作用を受けて磁化方向が変化する磁化自由層とを備える磁気抵抗効果素子を含む。磁化固定層の磁化方向の軸芯方向に直交する二成分が磁化固定層の磁化方向の軸芯方向に平行な一成分よりも磁界の作用を強く受けるように磁化固定層の磁化方向を調整し、磁気センサをロータの面ブレの最高点と最低点との間の位置に配置してもよい。これにより、磁気センサから出力される検出信号は、ロータの一回転につき極大及び極小をそれぞれ二つ有する信号波形となる。
【0008】
検出信号が回転軸の一回転につき非対称な二つの信号波形を出力する信号となるように、ロータの回転中心からずれた位置に磁気センサを配置してもよく、磁化固定層の磁化方向の軸芯方向に平行な一成分の値がゼロより大きくなるように調整してもよく、或いは、ロータを軸芯方向に平行な平面で切断した断面の形状をロータの回転中心に関して点対称となる形状以外の形状に調整してもよい。これにより、角度検出精度を向上できる。
【0009】
磁化固定層の磁化方向の軸芯方向に直交する二成分が磁化固定層の磁化方向の軸芯方向に平行な一成分よりも磁界の作用を強く受けるように磁化固定層の磁化方向を調整し、磁気センサをロータの面ブレの最高点より高い位置、又はロータの面ブレの最低点より低い位置に配置してもよい。これにより、磁気センサから出力される検出信号は、ロータの一回転につき最大及び最小をそれぞれ一つ有する信号波形となる。
【0010】
磁化固定層の磁化方向の軸芯方向に平行な一成分が磁化固定層の磁化方向の軸芯方向に直交する二成分よりも磁界の作用を強く受けるように磁化固定層の磁化方向を調整してもよい。これにより、磁気センサから出力される検出信号は、ロータの一回転につき最大及び最小をそれぞれ一つ有する信号波形となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高精度の角度センサを低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係わる角度センサの概略構成図である。
【図2】本実施形態に係わる角度センサの概略構成図である。
【図3】本実施形態に係わる磁気抵抗効果素子の断面図である。
【図4】磁化固定層の磁化方向の各成分を示す説明図である。
【図5】検出信号の変化を示すグラフである。
【図6】検出信号の変化を示すグラフである。
【図7】検出信号の変化を示すグラフである。
【図8】検出信号の変化を示すグラフである。
【図9】検出信号の変化を示すグラフである。
【図10】本実施形態に係わるロータの構成図である。
【図11】本実施形態に係わる角度センサの概略構成図である。
【図12】本実施形態に係わるロータの構成図である。
【図13】本実施形態に係わる角度センサの概略構成図である。
【図14】本実施形態に係わる角度センサの概略構成図である。
【図15】本実施形態に係わる角度センサの概略構成図である。
【図16】本実施形態に係わる角度センサの概略構成図である。
【図17】本実施形態に係わる磁気センサの構成図である。
【図18】本実施形態に係わる磁化固定層の磁化方向の説明図である。
【図19】本実施形態に係わる磁気センサの構成図である。
【図20】本実施形態に係わる磁化固定層の磁化方向の説明図である。
【図21】本実施形態に係わる磁気センサの構成図である。
【図22】本実施形態に係わる磁化固定層の磁化方向の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、各図を参照しながら本発明に係わる実施形態について説明する。同一の部材については、同一の符号を付すものとし、重複する説明を省略する。
【0014】
図1は本実施形態に係わる角度センサ10の概略構成を示す。角度センサ10は、所定の基準位置からの回転軸21の一回転以内の回転角(0deg〜360deg)を検出するための角度検出装置である。回転軸21として、例えば、ステアリングシャフトを挙げることができるが、これに限定されるものではない。角度センサ10は、回転軸21の軸芯回りの回転に連動して回転するロータ22と、回転軸21の回転角の情報を含む検出信号を出力する磁気センサ30と、磁気センサ30から出力される検出信号に基づいて回転軸21の回転角を算出する信号処理回路40とを備える。ロータ22は、強磁性材質(例えば、鉄、コバルト、ニッケル等)から成る回転部材であり、その平面形状(ロータ22の厚み方向に垂直な平面で切断した断面形状)は、例えば、円、楕円等が好適であるが、特定の形状に限定されるものではなく、様々な形状を採り得る。ロータ22は、第一の主面22A及びその裏面である第二の主面22Bを有しており、これらの主面22A,22Bが回転軸21の軸芯方向に対して斜向するように、ロータ22が回転軸21に取り付けられている。ロータ22は、回転軸21に固定してもよく、或いはセレーション結合してもよい。回転軸21の軸芯方向をZ方向とすると、回転軸21の回転に伴い、ロータ22はZ軸方向に面ブレしながら回転する。図1において、Z0はロータ22の回転中心のZ座標を示し、Z1はロータ22の面ブレの最高点のZ座標を示し、Z2はロータ22の面ブレの最低点のZ座標を示す。
【0015】
磁気センサ30は、外部磁界50を発生させるための磁界発生手段として機能する磁石32と、ロータ22の回転時に生じるロータ22の面ブレに伴い磁界強度及び磁界方向が周期的に変化する外部磁界50の変化を電圧変化として検出する磁気抵抗効果素子31とを主要構成として備える。磁気センサ30の実装形態として、例えば、図17に示すように、磁石32の中心点と磁気抵抗効果素子31の中心点とを結ぶ線がX方向に平行になるようにプリント配線基板33の表面に磁気抵抗効果素子31を配置し、プリント配線基板33の裏面に磁石32を配置してもよい。このような配置構成の場合、図18に示すように、磁気抵抗効果素子31の磁化固定層の磁化方向63Aは、YZ平面内の任意の方向を向く。また例えば、図19に示すように、磁気抵抗効果素子31の中心点とプリント配線基板33の中心点とを結ぶ線がZ方向に平行になるようにプリント配線基板33の裏面に磁気抵抗効果素子31を配置してもよい。このような配置構成の場合、図20に示すように、磁気抵抗効果素子31の磁化固定層の磁化方向63Aは、XY平面内の任意の方向を向く。また例えば、図21に示すように、磁気抵抗効果素子31の中心点とプリント配線基板33の中心点とを結ぶ線がY方向に平行になるようにプリント配線基板33の表面に磁気抵抗効果素子31を配置してもよい(プリント配線基板33は磁気抵抗効果素子31の裏面に配置されているため図示されていない点に留意されたい)。このような配置構成の場合、図22に示すように、磁気抵抗効果素子31の磁化固定層の磁化方向63Aは、ZX平面内の任意の方向を向く。また、磁石32から発生する外部磁界50を効率よく集磁するために磁石32の両極にヨーク(図示せず)を配置するのが好ましい。磁気抵抗効果素子31として、巨大磁気抵抗(GMR)型、トンネル磁気抵抗(TMR)型、弾道磁気抵抗(BMR)型、異方性磁気抵抗(AMR)型等の公知の磁気抵抗効果素子を用いることができる。
【0016】
図3は磁気抵抗効果素子31の断面構造を示す。磁気抵抗効果素子31は、下地層61、反強磁性層62、磁化固定層63、非磁性導電層64、磁化自由層65、及び保護層66を積層してなる構造を有している。磁化固定層63の磁化方向63Aは、反強磁性層62の磁化方向62Aと強固に磁気カップリングしているため、外部磁界50の影響を殆ど受けない。一方、磁化自由層65の磁化方向65Aは、外部磁界50の磁界方向に追随するように変化する。磁気抵抗効果素子31の磁気抵抗は、磁気抵抗効果素子31が検出する外部磁界50の磁界強度とその磁界方向に依存して変化することが知られている。仮に外部磁界50の磁界強度が一定である場合には、磁気抵抗効果素子31の磁気抵抗は、磁化固定層63の磁化方向63Aと磁化自由層65の磁化方向65Aとの角度差(ξ)に依存して変化する。より詳細には、磁気抵抗効果素子31の磁気抵抗は、(1−cosξ)に比例して変化する特性を有しており、磁化固定層63の磁化方向63Aと磁化自由層65の磁化方向65Aとが同一方向かつ平行であるときに磁気抵抗は最小となり、磁化固定層63の磁化方向63Aと磁化自由層65の磁化方向65Aとが逆方向かつ平行であるときに磁気抵抗は最大になる。上述の如く、ロータ22は回転軸21の回転時に面ブレが生じるように回転軸21に取り付けられているので、ロータ22の縁部と磁気センサ30との間の距離、及び磁石32からロータ22の縁部に向かう外部磁界50の方向は周期的に変化し、これに伴い、磁気抵抗効果素子31に作用する外部磁界50の磁界強度及び磁界方向は周期的に変化する。磁気抵抗効果素子31には、プリント配線基板33からセンス電流が供給されており、磁気抵抗効果素子31の磁気抵抗の変化は、出力電圧の変化として検出される。磁気抵抗効果素子31の出力電圧は、回転軸21の回転角の情報を含む検出信号として信号処理される。回転軸21の回転に伴い、ロータ22はZ軸方向に面ブレしながら回転するため、単位角度変化あたりの検出信号の変化量は大きくなる。このため、ロータ22の直径を短くしても、実用上十分な角度検出の分解能を得ることができ、角度センサ10全体の小型化及びロータ22の高速回転対応が可能になる。
【0017】
説明の便宜上、図1では、一つの磁気抵抗効果素子31を図示したが、検出信号の一つの値に対応する回転軸21の回転角が複数存在し得るので、図2に示すように、回転軸21の中心に関して二つの磁気センサ30を角度θで配置し、所定の位相差(例えば90deg)を有する二つの検出信号に基づいて回転軸21の回転角を求めるのが好ましい。磁気抵抗効果素子31から出力される検出信号は、(1)磁化固定層63の磁化方向63A、(2)磁気センサ30の位置、(3)ロータ22の形状等の各種の要因の影響を受けて、回転軸21の一回転につき一波形又は二波形の周期信号となる。検出信号が回転軸21の一回転につき一波形の周期信号となる場合は、図2において、θ=90degで二つの磁気センサ30を配置すればよい。検出信号が回転軸21の一回転につき二波形の周期信号となる場合は、図2において、θ=45degで二つの磁気センサ30を配置すればよい。信号処理回路40は、それぞれの磁気センサ30から出力される検出信号と回転軸21の回転角との対応関係を示すデータテーブル(又は関数)をメモリ(図示せず)に保持しており、それぞれの磁気センサ30から出力される検出信号とデータテーブル(又は関数)とを比較して回転軸21の回転角を求める。
【0018】
次に、図4乃至図9を参照しながら、磁化固定層63の磁化方向63Aと磁気センサ30の検出信号との関係について説明する。図4に示すPx,Py,Pzは、それぞれ磁化固定層63の磁化方向63AのX成分、Y成分、及びZ成分を示す。Pzは回転軸21の軸芯方向に平行であるので、磁気抵抗効果素子31のPzに起因する磁気抵抗成分は、ロータ22の一回転につき最大及び最小をそれぞれ一つ有する。一方、Px,Pyは回転軸21の軸芯方向に直交するので、磁気抵抗効果素子31のPx,Pyに起因する磁気抵抗成分は、ロータ22の一回転につき極大及び極小をそれぞれ二つ有する。
【0019】
磁気抵抗効果素子31から出力される検出信号の波形は、以下の三つの場合に分けることができる。
【0020】
まず、第一の場合として、磁化固定層63の磁化方向63AのZ方向に直交する二成分(Px,Py)が磁化固定層63の磁化方向63AのZ方向に平行な一成分(Pz)よりも外部磁界50の作用を強く受けるように磁化固定層63の磁化方向63Aが調整されており、且つ、磁気センサ30のZ座標がロータ22の面ブレの最高点(Z1)と最低点(Z2)との間に位置する場合には、磁気センサ30から出力される検出信号は、ロータ22の一回転につき極大及び極小をそれぞれ二つ有する信号波形となる。
【0021】
次に、第二の場合として、磁化固定層63の磁化方向63AのZ方向に直交する二成分(Px,Py)が磁化固定層63の磁化方向63AのZ方向に平行な一成分(Pz)よりも外部磁界50の作用を強く受けるように磁化固定層63の磁化方向63Aが調整されており、且つ、磁気センサ30のZ座標がロータ22の面ブレの最高点(Z1)より高い位置又はロータ22の面ブレの最低点(Z2)より低い位置にある場合には、磁気センサ30から出力される検出信号は、ロータ22の一回転につき最大及び最小をそれぞれ一つ有する信号波形となる。
【0022】
最後に、第三の場合として、磁化固定層63の磁化方向63AのZ方向に平行な一成分(Pz)が磁化固定層63の磁化方向63AのZ方向に直交する二成分(Px,Py)よりも外部磁界50の作用を強く受けるように磁化固定層63の磁化方向63Aが調整されている場合には、磁気センサ30から出力される検出信号は、ロータ22の一回転につき最大及び最小をそれぞれ一つ有する信号波形となる。
【0023】
例えば、円形状のロータ22を使用し、回転中心を含み回転軸21を法線ベクトルとする面内に磁界抵抗素子31が存在する場合、磁気抵抗効果素子31のPzに起因する磁気抵抗成分をsinφとし、磁気抵抗効果素子31のPx,Pyに起因する磁気抵抗成分をsin2φとし、a,bを定数とすると、磁気抵抗効果素子31から出力される検出信号は、b×sinφ+a×sin2φと記述することができる。図5はa=1,b=1とし、且つ、磁気センサ30のZ座標=Z0としたときに、ロータ22一回転あたりの検出信号の変化を示すグラフである。この場合、検出信号は電圧0を跨いで極大及び極小をそれぞれ二つ有する信号波形となる。図6はa=0.5,b=1とし、且つ、磁気センサ30のZ座標=Z0としたときに、ロータ22一回転あたりの検出信号の変化を示すグラフである。この場合、検出信号は電圧0を跨いで最大及び最小をそれぞれ一つ有し、且つ、電圧0で変曲点を有する信号波形となる。図7はa=0.25,b=1とし、且つ、且つ、磁気センサ30のZ座標=Z0としたときに、ロータ22一回転あたりの検出信号の変化を示すグラフである。この場合、検出信号は電圧0を跨いで最大及び最小をそれぞれ一つ有する信号波形となる。従って、磁気抵抗効果素子31のPx,Py, Pz成分の影響によって、ロータ22の一回転における検出信号が変化することがわかる。つまり、実際には更に磁気抵抗素子31の配置場所の影響も受けることになるので、検出信号は結果として、対称性が崩れることになる。
【0024】
磁気センサ30から出力される検出信号がロータ22の一回転につき極大及び極小をそれぞれ二つ有する信号波形となる場合には、ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形が検出信号として出力されるように、磁気センサ30の位置(Z座標)、磁化固定層63の磁化方向63AのZ方向に平行な一成分(Pz)の値、又はロータ22の形状を調整するのが好ましい。これらの三つの要因のうち何れか一つのみを調整してもよく、或いは二つないし三つの要因を調整してもよい。これらの要因が相互に影響し合うことにより、検出信号は電圧0を中心としてその対称性が崩れ、ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形となる。例えば、二つの磁気センサ30のうち一方の検出信号をf(ψ)とし、他方の検出信号をf(ψ+α)とする。ここで、ψは回転軸21の回転角(0〜360deg)を示し、αは二つの検出信号の位相差を示す。回転軸21の任意の回転角度をβとし、f(ψ)=f(β)のときに、f(ψ+α)=f(β+α)とならないようにするためには、ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形となる検出信号を利用するのが好適である。二つの磁気センサ30から出力される二つの検出信号に所定の位相差を持たせて回転軸21の回転角度を検出する場合、ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形となる検出信号を利用することで、高精度な角度検出性能を得ることができる。上述の説明は、回転軸21の一回転につき二つ以上の波形信号が出力される場合にも適用される。但し、上述の説明で対応できない場合には、角度センサ10を新たに追加し、組み合わせの数を増やすことで角度検出は可能となる。例えば、n個の角度センサ10のそれぞれの検出信号は、f(φ)、f(φ+α1)、f(φ+α2)…、f(φ+αn)となる。任意の角度βのときのn個の角度センサ10のそれぞれの検出信号は、f(β)、f(β+α1)、f(β+α2)…、f(β+αn)となる。もし、f(φ)=f(β)のとき、f(φ+α1)=f(β+α1)、…f(φ+αm)≠f(β+αm)、…f(φ+αn)=f(β+αn)のように、一つでも異なる検出信号の値が存在すれば、角度検出が可能となる。
【0025】
尚、f(ψ)=f(β)のときに、f(ψ+α)=f(β+α)となる例として、例えば、図8及び図9に示す検出信号を取り上げることができる。図8はa=1,b=0とし、且つ、磁気センサ30のZ座標=Z0としたときに、ロータ22一回転あたりの検出信号の変化を示すグラフである。図9はある一定期間にわたり同一の電圧値をとる検出信号のグラフである。図8及び図9に示す検出信号は、二つの磁気センサ30から出力される二つの検出信号に所定の位相差を持たせて回転軸21の回転角度を検出する場合に不向きであるため、好ましくない。なお、f(ψ)が回転軸21の一回転につき極大及び極小がそれぞれ二つ有する場合には、曲率の符号が変化しない信号波形となることが好ましい。曲率の符号が変化すると、同一の回転角に対応するf(ψ)の値が最大二つ存在し、角度検出ができなくなるためである。
【0026】
ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形が検出信号として出力されるためには、磁気センサ30の位置(Z座標)をロータ22の回転中心(Z0)からZ方向に所定距離(ΔZ)だけずれた位置に設定するか(図1参照)、或いは磁化固定層63の磁化方向63AのZ方向に平行な一成分(Pz)の値がゼロより大きくなるように磁化方向63Aを調整するのが好ましい。これにより、検出信号は電圧0に対してオフセットした位置にずれるので、ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形となる。但し、磁気センサ30のZ座標は、ロータ22の面ブレの最高点(Z1)と最低点(Z2)との間にあるものとする。
【0027】
ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形が検出信号として出力されるためには、図10乃至図16に示すように、ロータ22の形状やその取り付け構造を工夫してもよい。
【0028】
図10及び図11は、ロータ22の主面22A,22Bが回転軸21の軸芯方向に対して斜向するように、肉厚一定の円形状のロータ22の中心点Pから所定距離ずれた位置Qに回転軸21を取り付ける例を示す。この例では、磁気センサ30のZ座標は、ロータ22の面ブレの最高点(Z1)と最低点(Z2)との間にあればよい。回転軸21へのロータ22の取り付け位置が偏心しているため、磁気センサ30から出力される検出信号は、ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形となる。
【0029】
図12及び図13は、ロータ22の主面22A,22Bが回転軸21の軸芯方向に対して斜向するように、肉厚一定の楕円形状のロータ22の中心点Rに回転軸21を取り付ける例を示す。この例では、磁気センサ30のZ座標は、ロータ22の面ブレの最高点(Z1)と最低点(Z2)との間にあればよい。ロータ22の平面形状が楕円であるため、磁気センサ30から出力される検出信号は、ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形となる。
【0030】
図14乃至図16に示すように、ロータ22を回転軸21の軸芯方向に平行な平面で切断した断面の形状は、ロータ22の回転中心に関して点対称となる形状以外の形状としてもよい。ロータ22の断面形状をこのような形状に加工することにより、磁気センサ30に作用する外部磁界50の角度が不均等に変化するため、磁気センサ30から出力される検出信号は、ロータ22の一回転につき二つの非対称な信号波形となる。例えば、図14に示すロータ22の断面形状は、線対称となるように加工されており、図15に示すロータ22の断面形状は、両側の縁部が異なる形状となるように加工されており、図16に示すロータ22の断面形状は、ロータ22の肉厚が変化するように加工されている。
【0031】
尚、磁気センサ30から出力される検出信号がロータ22の一回転につき最大及び最小をそれぞれ一つ有する信号波形となる場合には、検出信号を非対称とするための調整は不要となる。
【0032】
本実施形態に係わる角度センサ10によれば、回転軸21の回転に伴うロータ22の面ブレにより、磁気センサ30に作用する外部磁界50の振れ角を増大できるので、検出分解能を向上できる。また、磁気センサ30から出力される検出信号がロータ22の一回転につき極大及び極小をそれぞれ二つ有する信号波形となる場合には、磁気センサ30の位置やロータ22の形状に誤差が生じたとしても、検出信号は非対称であればよいので、低い加工精度で十分な検出精度を得ることができる。また、二つの磁気センサ30を回転軸21に関して45degの角度で配置すればよいので、角度センサ10を小型化できる。また、ロータ22を小型化することで角度センサ10を更に小型化することができる。
【0033】
なお、本実施例において、磁気抵抗効果素子31を使用する場合、磁化自由層65の長手方向は、回転中心方向に直交する方向であって、かつ、回転中心を含む面内方向を向く方向が好ましい。磁化自由層65の長手方向が回転中心方向に直交する方向であって、かつ、回転中心を含む面内方向を向くことにより、磁化自由層65は長手方向での反転がなくヒステリシスが存在しないので、検出精度の向上が望める。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係わる角度センサは、ステアリングシャフトや回転角度差を利用したトルク検出機等のさまざまな回転軸の回転角の検出に利用できる。
【符号の説明】
【0035】
10…角度センサ
21…回転軸
22…ロータ
22A,22B…主面
30…磁気センサ
31…磁気抵抗効果素子
32…磁石
33…プリント配線基板
40…信号処理回路
50…外部磁界
61…下地層
62…反強磁性層
63…磁化固定層
64…非磁性導電層
65…磁化自由層
66…保護層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸の軸芯方向に対して斜向する主面を有し、前記回転軸の軸芯回りの回転に連動して回転するロータと、
前記ロータの回転時に生じる前記ロータの面ブレに伴い磁界強度及び磁界方向が周期的に変化する磁界を検出し、前記回転軸の回転角の情報を含む検出信号を出力する磁気センサと、
前記検出信号に基づいて前記回転軸の回転角を算出する信号処理回路と、
を備える角度センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の角度センサであって、
前記磁気センサは、磁化方向が固定されている磁化固定層と、前記磁界の作用を受けて磁化方向が変化する磁化自由層とを備える磁気抵抗効果素子を含み、
前記磁化固定層の磁化方向の前記軸芯方向に直交する二成分は、前記磁化固定層の磁化方向の前記軸芯方向に平行な一成分よりも前記磁界の作用を強く受けるように前記磁化固定層の磁化方向が調整されており、
前記磁気センサは、前記ロータの面ブレの最高点と最低点との間の位置に配置されている、角度センサ。
【請求項3】
請求項2に記載の角度センサであって、
前記検出信号が前記回転軸の一回転につき非対称な二つの信号波形を出力する信号となるように、前記磁気センサの位置、前記磁化固定層の磁化方向の前記軸芯方向に平行な一成分の値、又は前記ロータの形状が調整されている、角度センサ。
【請求項4】
請求項3に記載の角度センサであって、
前記磁気センサは、前記ロータの回転中心からずれた位置に配置されている、角度センサ。
【請求項5】
請求項3に記載の角度センサであって、
前記磁化固定層の磁化方向の前記軸芯方向に平行な一成分の値はゼロより大きい、角度センサ。
【請求項6】
請求項3に記載の角度センサであって、
前記ロータを前記軸芯方向に平行な平面で切断した断面の形状は、前記ロータの回転中心に関して点対称となる形状以外の形状である、角度センサ。
【請求項7】
請求項1に記載の角度センサであって、
前記磁気センサは、磁化方向が固定されている磁化固定層と、前記磁界の作用を受けて磁化方向が変化する磁化自由層とを備える磁気抵抗効果素子を含み、
前記磁化固定層の磁化方向の前記軸芯方向に直交する二成分は、前記磁化固定層の磁化方向の前記軸芯方向に平行な一成分よりも前記磁界の作用を強く受けるように前記磁化固定層の磁化方向が調整されており、
前記磁気センサは、前記ロータの面ブレの最高点より高い位置、又は前記ロータの面ブレの最低点より低い位置に配置されている、角度センサ。
【請求項8】
請求項1に記載の角度センサであって、
前記磁気センサは、磁化方向が固定されている磁化固定層と、前記磁界の作用を受けて磁化方向が変化する磁化自由層とを備える磁気抵抗効果素子を含み、
前記磁化固定層の磁化方向の前記軸芯方向に平行な一成分は、前記磁化固定層の磁化方向の前記軸芯方向に直交する二成分よりも前記磁界の作用を強く受けるように前記磁化固定層の磁化方向が調整されている、角度センサ。
【請求項1】
回転軸の軸芯方向に対して斜向する主面を有し、前記回転軸の軸芯回りの回転に連動して回転するロータと、
前記ロータの回転時に生じる前記ロータの面ブレに伴い磁界強度及び磁界方向が周期的に変化する磁界を検出し、前記回転軸の回転角の情報を含む検出信号を出力する磁気センサと、
前記検出信号に基づいて前記回転軸の回転角を算出する信号処理回路と、
を備える角度センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の角度センサであって、
前記磁気センサは、磁化方向が固定されている磁化固定層と、前記磁界の作用を受けて磁化方向が変化する磁化自由層とを備える磁気抵抗効果素子を含み、
前記磁化固定層の磁化方向の前記軸芯方向に直交する二成分は、前記磁化固定層の磁化方向の前記軸芯方向に平行な一成分よりも前記磁界の作用を強く受けるように前記磁化固定層の磁化方向が調整されており、
前記磁気センサは、前記ロータの面ブレの最高点と最低点との間の位置に配置されている、角度センサ。
【請求項3】
請求項2に記載の角度センサであって、
前記検出信号が前記回転軸の一回転につき非対称な二つの信号波形を出力する信号となるように、前記磁気センサの位置、前記磁化固定層の磁化方向の前記軸芯方向に平行な一成分の値、又は前記ロータの形状が調整されている、角度センサ。
【請求項4】
請求項3に記載の角度センサであって、
前記磁気センサは、前記ロータの回転中心からずれた位置に配置されている、角度センサ。
【請求項5】
請求項3に記載の角度センサであって、
前記磁化固定層の磁化方向の前記軸芯方向に平行な一成分の値はゼロより大きい、角度センサ。
【請求項6】
請求項3に記載の角度センサであって、
前記ロータを前記軸芯方向に平行な平面で切断した断面の形状は、前記ロータの回転中心に関して点対称となる形状以外の形状である、角度センサ。
【請求項7】
請求項1に記載の角度センサであって、
前記磁気センサは、磁化方向が固定されている磁化固定層と、前記磁界の作用を受けて磁化方向が変化する磁化自由層とを備える磁気抵抗効果素子を含み、
前記磁化固定層の磁化方向の前記軸芯方向に直交する二成分は、前記磁化固定層の磁化方向の前記軸芯方向に平行な一成分よりも前記磁界の作用を強く受けるように前記磁化固定層の磁化方向が調整されており、
前記磁気センサは、前記ロータの面ブレの最高点より高い位置、又は前記ロータの面ブレの最低点より低い位置に配置されている、角度センサ。
【請求項8】
請求項1に記載の角度センサであって、
前記磁気センサは、磁化方向が固定されている磁化固定層と、前記磁界の作用を受けて磁化方向が変化する磁化自由層とを備える磁気抵抗効果素子を含み、
前記磁化固定層の磁化方向の前記軸芯方向に平行な一成分は、前記磁化固定層の磁化方向の前記軸芯方向に直交する二成分よりも前記磁界の作用を強く受けるように前記磁化固定層の磁化方向が調整されている、角度センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−169700(P2011−169700A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32835(P2010−32835)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
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