説明

角度及び変位センサ

【課題】回転中心周りに回転する部位の角度変化の測定にはロータリーエンコーダ等が適用可能であるが、身体の関節部のように、回転中心が不明な場合や、回転に伴って回転中心が移動する部位の角度変化を測定することとは困難であった。
【解決手段】柔軟な弾性体10の両面を圧電フイルム1A、1Bで挟んだ歪検出素子200を、柔軟な材質の張力伝達部材30の一方の端部付近の中立軸に配設し、該張力伝達部材30と歪検出素子200の一部を重ねて拘束して歪検出素子200の曲げ変形を拘束する部分を形成する。張力伝達部材30の他の端部には該部材に張力を与える手段を取り付けて構成し、張力伝達部材30に外力が加わって生じた曲がり角度を歪検出センサー200の電気出力として検出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線分が移動したときの、移動前の線分と移動後の線分の角度変化と、相対的変位を測定する変位センサに関する。とくに、構造部材の変形、ロボットや身体部位の関節部の角度変化や変形、2つの対象物の移動に伴う相対的位置の変化を測定する技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、角度変化を測定するセンサにはロータリーエンコーダやポテンショメータがある。また長さ変化を測定するセンサには、レーザ変位計、作動トランス型変位計、静電容量型変位計、歪みゲージ式変位計などがある。また、本発明者らはゴムのような柔軟な弾性部材の伸び、あるいは伸びた状態からの収縮量を測定するセンサを特許文献1で提案している。しかしながら、ロータリーエンコーダやポテンショメータは回転中心周りに回転する部位の角度変化を測定するもので、対象物が変形したときの対象物の所定の2つの点を結ぶ線分の角度変化を測定することは困難であった。また、身体の関節部のように、回転中心が不明な場合や、回転に伴って回転中心が移動する部位の角度変化を測定することとは困難であった。
【0003】
特許文献2は、圧電性セラミックを混入した柔軟な樹脂圧電素子を使用した角度センサーを使用して、回転中心が不明な場合や、回転に伴って回転中心が移動する部位、例えば屈伸運動をする部位の角度計測を行なう方法を提案している。しかし、屈伸運動を行なう部材上の特定の点の位置を計測するには回転角度の計測に加えて屈伸運動の支点と前記点の間の距離を知る必要があり、屈伸運動前後で該距離が変化する場合は回転角度の計測のみでは前記点の位置決定は困難である。従って、対象物の所定の2つの点を結ぶ線分が回転すると同時に長さ変化を生じる場合には、角度変化を検出するセンサと長さ変化を検出するセンサを2つ併用する必要があった。
【特許文献1】特願2005−170378
【特許文献2】特開平6−174407号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、対象物が変形するときの対象物の所定の2つの点を結ぶ線分の角度変化を検出できる角度センサ及び、対象物の所定の2つの点を結ぶ線分が回転すると同時に長さ変化を生じる場合に、角度変化と長さ変化を一体化したセンサ部で検出して、2つの点を結ぶ線分の相対的変位を測定できる変位センサを提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の角度及び変位センサは、図1に示すように柔軟な弾性薄板10とその両面に配設された一対の圧電フィルム1A、1Bからなる歪み検出素子200を、柔軟な張力伝達部材30の一方の端部の曲げの中立軸位置に配設し、該柔軟な張力伝達部材30の所定長さに亘って設けられた変形拘束部材40により、前記歪検出素子200の一部の長さの曲げ変形を拘束するよう配置し、前記柔軟な張力伝達部材30の他方の先端部には張力負荷部材60を取り付けて構成したことを特徴とする。ここで歪検出素子200としては、柔軟な弾性薄板10を圧電フイルム1A,1Bでサンドイッチ状に挟んで構成されるもの又はそれに類似する構成が適用できる。歪検出素子200を柔軟な張力伝達部材30の曲げの中立軸位置に配設するとは、例えば柔軟な張力伝達部材30の一方の端から前記中立軸に沿って、同張力伝達部材30の幅方向に平行な溝を設け、該溝に歪検出素子を挟むことあるいは類似の方法を言う。変形拘束部材40は、典型的には断面形状がコ字形のクリップ状の部材、又は剛性のある2枚の板材であって相互の間隔を調整する手段を付したもの等により、コ字形の部分又は前記2枚の剛性のある板材の間に歪検出素子200を配設した柔軟な張力伝達部材を置き、外面から強く挟む機構又は類似の機構を有する部材である(請求項1)。
【0006】
上記課題を解決するための本発明の角度及び変位センサの他の構成は、図2に示すように柔軟な弾性薄板11とその両面に配設された一対の圧電フィルム2A、2Bからなる歪み検出素子201を、柔軟な張力伝達部材31の一方の端部の曲げの中立軸位置に配設し、該柔軟な張力伝達部30の材所定長さに亘って設けられた変形拘束部材41により、前記歪検出素子201の一部の長さの曲げ変形を拘束するよう配置し、柔軟な弾性薄板12とその両面に配設された一対の圧電フィルム3A、3Bからなる歪み検出素子202を、前記の柔軟な張力伝達部材31の他方の端部の曲げの中立軸位置に配設し、該柔軟な張力伝達部31の該他方の端部の材所定長さに亘って設けられた変形拘束部材42により、前記歪検出素子202の一部の長さの曲げ変形を拘束するよう配置して構成したことを特徴とする。ここで歪検出素子201及び202は上記0005において記述した歪検出素子200と同様の構成であり、また、柔軟な張力伝達部材31は前記0005において記載した同張力伝達部材30と同様な構成であり、変形拘束部材41、42も同様に0005に記載した変形拘束部材40と同様の構成である(請求項2)。
【0007】
本発明の角度及び変位センサは、前記変形拘束部材40あるいは41及び42を対象物に回転不可に固定し、前記柔軟な張力伝達部材30又は31に張力を負荷した状態で使用したことを特徴とする(請求項3)。
【0008】
本発明の角度及び変位センサは、前記歪検出素子200の曲げ変形により、同素子を構成する圧電フィルム1Aの裏表面間に生じた電荷に対応する出力信号をV1,同じく1Bに生ずる同様の出力信号をV2とし、式(V1−V2)の値を変形拘束部材40と張力伝達部材30のなす角度変化θに応じた信号として出力することを特徴とする。図2の場合には歪検出素子201又は同202を構成する圧電フィルムの表裏に生じた電荷に対応する出力信号をV1,V2として、式(V1−V2)の値を変形拘束部材41と張力伝達部材31のなす、又は変形拘束部材42と張力伝達部材31のなす角度θに応じた信号とする(請求項4)。
【0009】
本発明の角度及び変位センサの角度検出原理について図3を用いて説明する。ゴム帯板のように、引っ張り剛性に対して曲げ剛性の小さい柔軟な弾性部材の一方の端を、図3(a)のように回転不可に固定して垂直に垂らした状態で、下端部を水平方向に押すと、柔軟な弾性部材は面外に柔軟に変形するので、緩やかなカーブを描いて湾曲する。柔軟な弾性部材には張力が作用していないため、押す速度が速い場合には湾曲部に曲げ振動が生じたり、また、先端部を指で摘んで押す場合には摘み方によって湾曲形状が大きく変化する。また、先端部に大きな角度変化を生じさせるには、柔軟な弾性部材の長さを長くする必要がある。
【0010】
ところが、前記柔軟な弾性部材に垂直方向に張力を加えて引き延ばした状態で、水平方向に押すと、図3(b)のように固定部付近のみが小さな曲率半径で湾曲し、固定部から少し離れた位置から下方の柔軟な弾性部材は張力によって曲がりにくくなっているので直線的に伸びる形状に変形する。固定部分の曲率半径は張力が大きいほど小さくなる。このときの柔軟な弾性部材には張力が作用しているので、押す速度が速くても曲げ振動が生じにくく、また、先端部の摘み方によっても固定部付近の角度変化はほとんど変化しない。また、柔軟な弾性部材の長さが短くても角度変化が同じであれば、固定部付近の曲げ変形状態はほとんど影響を受けない。
【0011】
本発明の角度及び変位センサは、柔軟な弾性部材に張力を負荷した状態で角度変化を生じさせることにより、センサに局部的な曲げ変形を集中して生じさせ、局部的に曲げ変形した部分に圧電フィルムを配設して曲げ歪みを検出することにより、小さな寸法のセンサで角度変化を精度良く測定でき、角度変化による振動が生じにくく、かつ、張力の負荷方法に影響を受けにくい角度及び変位センサを構成するものである。
【0012】
本発明の角度及び変位センサの歪み検出素子200、201、および202について説明する。歪み検出素子を構成する柔軟な弾性薄板10、11および12は厚さ0.1mm〜0.5mmとする。また、柔軟な弾性薄板10、11および12には、弾性率が0.2Mpa〜20Mpaの柔軟な弾性素材を使用する。たとえば、前記柔軟な弾性薄板として、硬度30〜80の天然ゴム、合成ゴム、あるいは各種ゴム素材を組み合わせてなる素材を使用する(請求項5、請求項6)。
【0013】
歪み検出素子の圧電フィルム1A、1B、2A、2B、3Aおよび3Bには、両面全体に電極を設けた0.02mm〜0.1mmの厚さのものを使用する。圧電フィルムの両面の電極にはそれぞれ電気配線を接続する。また、前記電気配線には積分回路(又はチャージアンプ)または圧電フィルム裏表に生じる電荷を計測する手段を接続し、積分回路を介して得られる出力信号を圧電フィルムの出力信号として測定する。
【0014】
前記柔軟な弾性部材10、11および12の厚さを0.1mm〜0.5mmにする理由について説明する。前記柔軟な弾性部材の厚さが0.5mmよりも厚いと、一対の圧電フィルムの間隔が大きくなって、曲げ変形によって圧電フィルムには大きな曲げ歪みが生じる。このため、歪み検出素子は曲がりにくくなり、無理に曲げると圧縮側の圧電フィルムに座屈が生じる。また、前記柔軟な弾性部材の厚さを0.1mmよりも薄くすると、容易に曲げ変形するようになるが、圧電フィルムの出力信号が小さくなって、角度変化を精度良く測定することができない。
【0015】
前記柔軟な弾性薄板10、11および12に弾性率が、0.2Mpa〜20Mpaの柔軟な弾性素材を使用する理由について説明する。柔軟な弾性薄板として金属薄板や硬い樹脂薄板を使用すると、歪み検出素子200、201または202の曲げの剛性が大きくなって、局部的な曲げ変形が生じにくくなる。また、張力伝達部材30あるいは31から歪み検出素子200、201又は202の先端部に移る境界部分でも別の角度変化を生じて、柔軟な張力伝達部材の複数箇所で角度変化を生じるようになるので、角度変化を精度良く測定することができない。曲げ変形を変形拘束部材40、41又は42と張力伝達部材30又は31との境界部の一箇所に集中して生じさせ、かつ、曲率半径を小さく曲げるためには、上記弾性率の範囲の柔軟な弾性薄板を使用するのが好適である。
【0016】
柔軟な張力伝達部材30および31には、弾性率が0.2Mpa〜20Mpaの柔軟な弾性部材を用いる。たとえば、柔軟な張力伝達部材30又は31には硬度30〜80の天然ゴム、合成ゴム、あるいは各種ゴム素材を組み合わせてなる柔軟な弾性部材を使用する。柔軟な張力伝達部材30又は31と前記歪み検出素子の柔軟な弾性薄板10、11又は12には同じ素材を用いても良い。あるいは、柔軟な張力伝達部材30又は31に弾性特性のある伸縮布帛などを用いることもできる(請求項7)。
【0017】
前記柔軟な張力伝達部材30および31に硬い弾性部材を用いない理由は、歪み検出素子200、201及び202を配設した部分で張力伝達部材は2層構造となるので、張力伝達部材が硬いとこの部分が小さな曲率半径では曲がりにくくなり、無理に曲げると圧縮側の張力伝達部材に座屈が生じるためである。すなわち、歪み検出素子を配設した部分のセンサの曲げ剛性を小さくして、局部的な曲げ変形を集中して生じさせるには柔軟な弾性部材を用いるのが好適である。
【0018】
次に、本発明の角度及び変位センサの歪み検出素子200、201及び202を配設した部分の横断面形状について説明する。上述したように、柔軟な張力伝達部材30又は31に柔軟な弾性部材を用いた場合であっても、柔軟な張力伝達部材30又は31の横断面積が大きいと、歪み検出素子200、201又は202の局部的な曲げを阻害することになる。柔軟な張力伝達部材30又は31は、歪み検出素子200、201又は202に張力を伝達する役目と、歪み検出素子の曲げ変形を阻害することなく形状を保持する役目を果たせれば、できるだけ曲げ剛性が小さいのが好適である。
【0019】
このため、前記歪み検出素子200、201又は202を配設した部分の角度及び変位センサの横断面において、柔軟な張力伝達部材の曲げ剛性(E2×I2)が、歪み検出素子の曲げ剛性(E0×I0+E1×I1)、(但しE0、E1、E2はそれぞれ圧電フィルム、柔軟な弾性薄板、柔軟な張力伝達部材の弾性率、I0、I1、I2はそれぞれ、一対の圧電フィルム、柔軟な弾性薄板、柔軟な張力伝達部材の断面ニ次モーメント)よりも小さくなるように作製するのが良い(請求項8)。
【0020】
図4は本発明の角度及び変位センサに張力を負荷して使用するもう一つの理由を、請求項1に記載の角度及び変位センサを例に説明する図である。図4(a)のように張力を負荷しない状態で角度及び変位センサが曲げ変形すると、変形拘束部材40付近の柔軟な張力伝達部材30と圧電フィルム1Aは、引っ張り側では滑らかに伸びて曲げ変形するが、圧縮側では圧縮歪みによって柔軟な張力伝達部材30と圧電フィルム1Bに座屈が生じて表面が凹凸状態になる。圧縮側表面の凹凸は曲げ角度がある程度以上に大きくなると生じ、また、柔軟な張力伝達部材30の厚さが厚くなるほど生じ易くなる。ところが、図4(b)のように張力を負荷した状態で曲げ変形すると、柔軟な張力伝達部材30と歪み検出素子200の横断面全体に一様な引っ張り歪みが加わるので、検出素子200が大きく折れ曲がった場合でも圧縮側表面に凹凸が生じることなく滑らかに変形するようになる。
【0021】
変形拘束部材40、41および42について説明する。変形拘束部材は歪み検出素子の一部分を曲げ変形しないように拘束した状態で対象物に角度及び変位センサを固定するものであるから、金属などの剛性のある素材で作製し、また、歪み検出素子200、201又は202の両面側を拘束できるものが良い。
【0022】
歪み検出素子200、201および202の長さと、歪み検出素子端部の所定長さの部分において曲げ変形を拘束する変形拘束部材の寸法関係について請求項1に記載の角度及び変位センサを例に説明する。図1において、変形拘束部材40で変形を拘束されていない部分の歪み検出素子200の長さは、歪み検出素子200と柔軟な張力伝達部材30の厚さを加えた全体厚さの5倍よりも長く作製する。また、歪み検出素子が変形拘束部材で変形が拘束されている部分の長さは、同拘束されていない部分の長さと略同じ長さにする(請求項9)。
【0023】
図5は本発明の角度及び変位センサの引っ張り側の圧電フィルム1Aに作用する曲げ歪みε(x)(但しxは図5における圧電フィルムの左端からの距離)と、張力による引っ張り歪みε(x)を模式的に示した図である。局部的に曲げ変形を生じた部分の歪み検出素子200の曲率半径は、図5(a)に示す圧電フィルム1Aの曲げ歪み分布からわかるように、曲がり部分で一様ではなく、変形拘束部材40との境界部で最大になり、柔軟な張力伝達部材30の先端部に移動するに従って減少する。したがって、歪み検出素子200の拘束されていない部分の全体の長さは、同曲げ変形している部分の長さより長いことが必要である。
【0024】
ところが、歪み検出素子200における曲げ変形が完全に直線的変形に移り変わる位置を判定することは困難であるし、また、張力の大きさによって曲げ変形部分の長さは変化する。曲げ角度を精度良く測定するには、柔軟な張力伝達部材30が直線状になる部分まで歪み検出素子200が伸びている必要があるため、変形拘束部材40で変形を拘束されていない部分の歪み検出素子200の長さは、歪み検出素子200と柔軟な張力伝達部材30の厚さを加えた全体厚さの5倍よりも長く作製するのが良い。
【0025】
また、変形拘束部材40で変形を拘束された部分の柔軟な張力伝達部材30は、表面では変形を拘束されているが、内部の歪み検出素子200の圧電フィルム1A、1Bには曲げ歪みが生じるので、変形拘束部材40で変形を拘束された部分の歪み検出素子200の長さも、変形拘束部材40で変形を拘束されていない部分の歪み検出素子200の長さと同程度の長さとするのがよい。
【0026】
請求項1の角度及び変位センサを例に、一対の圧電フィルム1A、1Bの出力信号と角度変化θ及び伸び変化δの関係について説明する。歪み検出素子200には張力と曲げが作用するので、圧電フィルム1A、1Bには曲げ歪みε(x)と引っ張り歪みε(x)が生じ、上面が凸に湾曲した場合には、上面側の圧電フィルム1Aの歪みはε(x)=ε(x)+ε(x)、下面側の圧電フィルム1Bの歪みはε(x)=−ε(x)+ε(x)になる。
【0027】
圧電フィルムの出力信号は歪みの総和に比例するので、一定幅で長さLの圧電フィルムの場合、圧電フィルム1Aの裏表面の電位差V1(又は前記の積分回路の出力電圧をV1とすることもできる。V2も同様)と、圧電フィルム1Bの裏表面の電位差V2はそれぞれ数1のようになる。
【0028】
【数1】

【0029】
但しkは比例定数である。
【0030】
材料力学より、曲げ歪みε(x)と角度変化θの関係は数2で、また、引っ張り歪みε(x)と伸びδの関係は数3で与えられる。
【0031】
【数2】

【0032】
【数3】

【0033】
但しhは張力伝達部材40の曲げの中立軸から圧電フィルムの中心までの距離である。
これらの関係を用いて、数1のV1とV2の差分(V1−V2)及び和(V1+V2)を計算すると数4になる。
【0034】
【数4】

【0035】
すなわち、一対の圧電フィルムの出力信号の差分(V1−V2)が変形拘束部材40と張力伝達部材30とのなす角度変化θに比例し、また、出力信号の和(V1+V2)が張力伝達部材30の伸び変化δに比例することになる。
【0036】
また、数4において(V1−V2)は張力伝達部材30の伸びδに無関係であり、(V1+V2)は角度変化θに無関係である。このことは、角度センサとしての使用中にセンサが伸び変形をしても、(V1−V2)は伸びδの影響を受けないことを意味する。一方、後述する本発明の角度及び変位センサーと同様の構成のセンサーで変位計測を行なう場合には、張力伝達部材(30又は31)に角度変化が生じても、(V1+V2)は角度変化θの影響を考慮する必要がないことを意味する。
【0037】
本発明の請求項1に記載の角度及び変位センサに張力を負荷する張力負荷部材60について説明する。張力負荷部材60は、柔軟な張力伝達部材30に張力を負荷した状態で対象物などに固定できるものであれば良い。たとえば金属製の張力負荷部材を張力伝達部材に接着して取り付けるか、張力伝達部材にネジ穴をあけて締付けて取り付けることができる。張力負荷部材60の対象物への固定方法は回転自在に固定するのが望ましいが、フックを用いた掛止手段であっても、ボルトによる固定手段であっても良い。
【0038】
また、図6に示すように、バネ付の張力負荷部材61のバネを引き延ばして対象物に固定するようにしても良い。このようにすると、柔軟な張力伝達部材30の長さが短くて張力伝達部材の伸び(又は縮み)が少ない場合でも、必要な張力をバネの張力で補うことができる。
【0039】
次に、本発明の角度及び変位センサーを変位センサとして使用する場合について図12を用いて説明する。説明にあたり、まず、図5(b)の歪み検出素子の圧電フィルム1A、1Bの引っ張り歪みの分布について説明する。角度センサに曲げ変形が生じた場合に、圧電フィルム1A、1Bには負荷した張力に応じて図5(b)に示すような引っ張り歪みε(x)が分布するが、その分布は引っ張り側の圧電フィルム1Aと圧縮側の圧電フィルム1Bで同じである。従って、数4に示したように、一対の圧電フィルム1A、1Bの出力信号の和(V1+V2)からセンサの伸びδに応じた信号を測定することができる。
【0040】
すなわち,上述の角度及び変位センサは、一対の圧電フィルムの出力信号の和(V1+V2)からセンサの長さ変化δに応じた信号を検出し、また、(V1―V2)から角度変化θを検出することで変位センサとして用いることができる。この変位は,角度センサを張設したときの張設軸方向をX軸に,張設軸に直角方向をY軸に取ると,図12に示すように、δy=(L1+δ)×sinθ、δx=(L1+δ)×cosθ−L1(但しL1は張設時の角度センサの長さ)で求めることができる(請求項12)。
【0041】
以上説明したように,上記に記載した角度及び変位センサは、いずれも変位センサとしても使用することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明の角度及び変位センサによれば、簡単な構造で、角度変化を精度良く測定できる小型の角度センサを提供することができる。また、角度変化と長さ変化を一体化したセンサ部で検出することにより、対象物の所定の2点、又は2つの対象物の所定の点の間の相対的変位を精度良く測定できる小型の変位センサを提供することができる。これにより、構造部材の変形、ロボットや身体部位の関節部の角度変化や変形、2つの対象物の角度変化や変位の測定を容易に実現することができる。また、複数の角度センサや変位センサを連結したセンサは、複数の点、又は複数の対象物の所定の点を結ぶ複数の線分の角度変化や変位の測定を容易に実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】

(実施例1)
図7は請求項1に記載のセンサを例に、角度変化を測定する方法の一実施例を説明する図である。いま、破線で示す有効長さL0の角度センサの変形拘束部材40を第1の対象物に回転不可に固定し、柔軟な張力負荷部材30に張力を負荷して引き延ばした状態で柔軟な張力負荷部材30を第2の対象物に固定する。このときのセンサの有効長さをL1とする。第2の対象物は変形拘束部材40の延長方向であっても良く、また、初期角度を持って固定しても良い。
【0044】
次に、たとえば、第2の対象物が移動して、図のように角度センサに角度変化θが生じたとする。すると角度変化θは、数4よりθ=(V1−V2)/2khで求めることができる。このとき、角度センサには図のような伸びδ(あるいは、伸びた状態から縮み)を生じるが、上述したように(V1−V2)は伸びδによって影響を受けない。
【0045】
(実施例2)
図8は請求項2に記載の角度及び変位センサで角度変化を測定する方法の一実施例を説明する図である。まず、柔軟な張力伝達部材31に張力を負荷した状態で、両端部の変形拘束部材41、42を第1と第2の対象物の面にそれぞれ回転不可に固定する。次に第1と第2の対象物の少なくとも一方が移動して図(b)のように変位したとする。このときの両端部の歪み検出素子201、202の出力信号から、角度変化θ1、θ2をそれぞれ測定すると、2つの対象物の所定の面の相対的な角度変化を測定することができる。
【0046】
(実施例3)
図9は請求項10に記載の角度及び変位センサの一実施例を説明する図である。金属などで作製され、回転関節50で回転自在に連結された2つの剛性部材90、91の回転関節部分に、前記回転関節50の中心に歪み検出素子203の曲げの中立軸が一致し、かつ、前記回転関節50の中心に歪み検出素子が曲げ変形する部分の変形拘束部材44の端部が一致するようにして、変形拘束部材44を剛性部材90に取り付ける。次に、柔軟な張力伝達部材33に張力を負荷した状態で張力負荷部材62をもう一方の剛性部材91に止めピンなどで取り付ける。2つの剛性部材90、91が回転関節部分で回転するときの(V1−V2)を上述した方法で測定すると、2つの剛性部材の角度変化θを測定することができる。
【0047】
(実施例4)
図10は請求項10に記載の角度及び変位センサの別の実施例を説明する図である。金属などで作製した3つの剛性部材92、93、94を、2つの回転関節51、52で直列に連結する。次に、両端部に歪み検出素子を配設した角度センサの柔軟な張力伝達部材34に張力を負荷した状態で、変形拘束部材45、46を剛性部材92、94に回転不可にそれぞれ固定する。回転関節部で2つの剛性部材92、94が回転すると、歪み検出素子204、205はそれぞれ、回転関節51、52の角度変化に応じて曲げ変形する。そのときの角度変化を両端部の歪み検出素子204,205でそれぞれ測定することで、剛性部材92、93、94の角度変化の状態を測定することができる。
【0048】
(実施例5)
図11は請求項11に記載の角度及び変位センサを連結して長い構造物の変形や複数の対象物の相対変位を計測する用途に適用する実施例である。角度及び変位センサ500、501、502を、図11に示すように連結部材70、71を介して少なくとも2つ連結して、各センサの柔軟な張力伝達部材にそれぞれ張力を負荷した状態で、変形拘束部材を固定具で所定の位置にそれぞれ回転負荷に固定すると、寸法の長い構造部材などの変形や、複数の対象物の相対位置の変化を測定することができる。
【0049】
(実施例6)
図18は変形拘束材40の部分であって柔軟な張力伝達部材30の一部を挟み込む開口の端部48を滑らかな形状に成形した実施例である。前記終端部48において伝達部材30に生じる曲げ変形を滑らかにする目的で該48を半円等、丸みを有する形状とする(請求項13)。なお、変形拘束部材41又は42の同様な開口端部に前記の丸みを帯びた形状を適用することは本発明の実施の範囲である。
【0050】
変形拘束部材40の端部48の角部の形状が直線的であると、該端部において柔軟な張力伝達部材30に滑らかな曲げ変形を形成させることが出来ない場合がある。例えば柔軟な張力伝達部材が直線上に伸びた状態から90度を超えて大きく角度変化した場合に前記状態が発生し得る。ところが、図18のように変形拘束部材40の端部48を滑らかな形状にすると柔軟な張力伝達部材30が90度を超える角度に変形しても、その変形形状は滑らかであり、角度計測に影響がない。
【0051】
アクリルで製作した変形拘束部材40の開口端部にさらに半径1mmの半円形状の棒を接着して丸みを帯びた端部形状48に成形した後、柔軟な張力伝達部材30を片側90度以上に変形させて角度を計測した実験データを図19に示す。図19より90度以上曲げた状態においても、精度の良い角度計測が可能であることが確認できた。
【0052】
(実施例7)
本発明の角度及び変位センサを用いて行った実験について説明する。図13は0.2mm厚さのシリコンゴムの弾性薄板の両面に長さ50mm、幅13mmの圧電フィルムを配設した歪み検出素子の両面に、0.5mm厚さのシリコンゴムの張力伝達部材を接着し、アクリル樹脂の変形拘束部材を歪み検出素子の端部から25mmの間隔に渡って設けた角度センサ510を、上端部の変形拘束部材をジグに固定して垂直に垂らし(角度センサの初期の有効長さL0=237mm)、センサ先端部に重さ5.7N、10.4N、および12.8Nの錘をそれぞれ吊して振り子のように振らせた。角度変化は分度器を描いたボードをセンサ背面に置いて測定した。振れ角度を種々変化させてセンサの出力信号V1とV2を測定し、抵抗とコンデンサで構成した積分回路を介して電圧記録計で測定した。
【0053】
そのときの出力信号の差分(V1−V2)と振れ角度変化θとの関係を図14に示す。図において、錘の重さ、すなわちセンサに作用する張力によらず(V1−V2)と角度変化θの間には良い比例関係があることがわかる。すなわち、本発明の角度センサは張力の大きさに影響されることなく角度変化を精度良く測定できることがわかる。
【0054】
次に、角度及び変位センサを用いた変位計測実験について説明する。図15に示すように、角度及び変位センサ600を吊した状態から、センサ先端部の張力負荷部材62を指で掴んで、所定の点Pまで引っ張った状態で一端停止し、次に、指で張力負荷部材62を持って、点Pからさらに別の位置(たとえば点Q)に移動させる実験を行った。実験は碁盤目を描いた板をセンサ背面に置き、角度変化、長さ変化、あるいは角度変化と長さ変化の両方が変化する所定の位置に虫ピンを立てて行った。P点とQ点の座標は種々変えて実験した。
【0055】
図16に一例として、角度及び変位センサを垂直に垂らして真下に引き延ばし、初期伸びL1−L0=53mmを与えた点Pから、碁盤目板の左側半分の種々の点Qに張力負荷部材62を移動させた場合、および点Qから点Pに戻したときの、圧電フィルムの出力信号の差分(V1−V2)と角度変化θの関係を示す。図より、(V1−V2)と角度変化θの間には、角度変化が90度に達するまで良い比例関係があることがわかる。
【0056】
図17は、上記実験で得られた、圧電フィルムの出力信号の和(V1+V2)と伸びδ(又は伸びた状態からの縮み)の関係を示す。図より、角度変化を生じたときの出力信号の大きさに対して、伸びδが変化したときの出力信号の大きさが小さくて多少ばらつきは見られるが、伸びδに応じた出力信号を得ることができることがわかる。
【0057】
図中の実線は、前記角度及び変位センサ600を真っ直ぐに引っ張ったときの(V1+V2)と伸びδの関係を実験で別途求め、初期伸びL1−L0=53mm分だけ原点を移動させて、同図に書き加えたものであるが、角度及び変位センサを点Pから点Qに移動させたとき、あるいは点Qから点Pに戻したときの(V1+V2)とδの関係のプロット点と良く一致している。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】角度及び変位センサの構成の一実施例を説明する図である。
【図2】角度及び変位センサの構成の別の実施例を説明する図である。
【図3】角度及び変位センサの角度検出原理を説明する図である。
【図4】本発明の角度及び変位センサに張力を負荷した状態で使用する理由を説明する図である。
【図5】角度及び変位センサの局部的な曲げ変形部分の曲げ歪みの分布状態を説明する図である。
【図6】本発明の角度及び変位センサの張力負荷部材の別の実施例を説明する図である。
【図7】請求項1に記載の角度及び変位センサの角度測定方法を説明する図である。
【図8】請求項2に記載の角度及び変位センサの角度測定方法を説明する図である。
【図9】請求項10に記載の角度及び変位センサの一実施例を説明する図である。
【図10】請求項10に記載の角度及び変位センサの別の実施例を説明する図である。
【図11】少なくとも2つの角度及び変位センサを連結してなる角度センサの一実施例を説明する図である。
【図12】角度及び変位センサを用いた変位測定方法を説明する図である。
【図13】角度及び変位センサの張力負荷部材に錘を吊して振らせる実験を説明する図である。
【図14】実験で求めた圧電フィルムの出力信号の差分(V1−V2)と振り角度変化θの関係を示す図である。
【図15】角度及び変位センサの角度変化と伸び変化を測定する実験を説明する図である。
【図16】角度及び変位センサを用いた実験で求めた圧電フィルムの出力信号の差分(V1−V2)と角度変化θの関係を示す図である。
【図17】角度及び変位センサを用いた実験で求めた圧電フィルムの出力信号の和(V1+V2)と伸びδの関係を示す図である。
【図18】変形拘束部材の開口端部の形状を改善した角度及び変位センサを示す図である。
【図19】改善した開口端部を有する変形拘束部材の効果を示す実験データである。
【符号の説明】
【0059】
1A、1B 圧電フィルム
2A、2B 圧電フィルム
3A、3B 圧電フィルム
4A、4B 圧電フィルム
10、11、12、13 柔軟な弾性薄板
30、31、32 柔軟な張力伝達部材
33、34 柔軟な張力伝達部材
40、41、42 変形拘束部材
43、44 変形拘束部材
45、46 変形拘束部材
48 変形拘束部材開口端部
50 回転関節
51、52 回転関節
60 張力負荷部材
61、62 張力負荷部材
70 連結部材
90、91 剛性部材
92、93、94 剛性部材
200、201、202 歪み検出素子
203 歪み検出素子
204、205 歪み検出素子
500、501、502 角度センサ
510 角度センサ
600 変位センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟な弾性薄板10とその両面に配設された一対の圧電フィルム1A、1Bからなる歪み検出素子200と、柔軟な張力伝達部材であって、一方の端部付近の曲げの中立軸位置に前記歪み検出素子200を配設した柔軟な張力伝達部材30と、前記柔軟な張力伝達部材30の端部の所定長さに渡って設けられ、前記歪み検出素子200の一部分の長さの曲げ変形を拘束する変形拘束部材40と、前記柔軟な張力伝達部材30の先端部に取り付けた張力負荷部材60とから構成したことを特徴とする角度及び変位センサ(図1参照)。
【請求項2】
柔軟な弾性薄板11とその両面に配設された一対の圧電フィルム2A及び2Bからなる歪み検出素子201と、柔軟な弾性薄板12とその両面に配設された一対の圧電フィルム3A及び3Bからなるもう一つの歪み検出素子202と、柔軟な張力伝達部材であって両方の端部付近の曲げの中立軸位置に前記歪み検出素子201及び202をそれぞれ配設した柔軟な張力伝達部材31と、前記柔軟な張力伝達部材31の両端の所定長さに渡って設けられ前記歪み検出素子201及び202の一部分の長さの曲げ変形をそれぞれ拘束する変形拘束部材41及び42とから構成したことを特徴とする角度及び変位センサ(図2参照)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載した変形拘束部材(40あるいは41及び42)を角度又は変位を計測する対象物に回転不可に固定し、前記柔軟な張力伝達部材(30又は31)に張力を負荷した状態で使用したことを特徴とする請求項1又は2に記載の角度及び変位センサ(図7及び図8参照)。
【請求項4】
請求項1ないし3に記載した歪検出素子(200あるいは201及び202)を構成する一対の圧電フィルムの変形により一方の圧電フイルムから出力される信号V1と他方の圧電フイルムから出力される信号V2の差分(V1−V2)により、それぞれ、変形拘束部材(40あるいは41及び42)と張設された柔軟な張力伝達部材(30又は31)のなす角度変化θに応じた信号の検出をおこなうことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の角度及び変位センサ。
【請求項5】
請求項1ないし4に記載の歪検出素子を構成する柔軟な弾性薄板(10あるいは11及び12)が厚さ0.1mm〜0.5mmであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の角度及び変位センサ。
【請求項6】
請求項1ないし5に記載した柔軟な弾性薄板(10あるいは11及び12)の弾性率E1が、0.2Mpa<E1<20Mpaであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の角度及び変位センサ。
【請求項7】
請求項1ないし6に記載した柔軟な張力伝達部材(30又は31)の弾性率E2が0.2Mpa<E2<20Mpaであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の角度及び変位センサ。
【請求項8】
請求項1ないし7に記載した歪み検出素子(200あるいは201及び202)を配設した部分の角度センサの横断面において、柔軟な張力伝達部材(30又は31)の曲げ剛性(E2×I2)が、前記歪み検出素子の曲げ剛性(E0×I0+E1×I1)、(但しE0、E1、E2はそれぞれ、圧電フィルム、柔軟な弾性薄板、柔軟な張力伝達部材の弾性率、I0、I1、I2はそれぞれ、一対の圧電フィルム、柔軟な弾性薄板、柔軟な張力伝達部材の断面二次モーメント)よりも小さいことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の角度及び変位センサ。
【請求項9】
請求項1ないし8に記載の歪み検出素子(200あるいは201及び202)を配設した部分において、変形拘束部材(40あるいは41及び42)で変形を拘束されていない部分の歪み検出素子(200あるいは201及び202)の長さが、前記歪み検出素子の厚さと柔軟な張力伝達部材(30又は31)の厚さを加えた全体厚さの5倍よりも長いことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の角度及び変位センサ。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の角度及び変位センサを、回転関節を介して連結された2つまたは3つの剛性部材に、請求項1ないし9のいずれかに記載の張力伝達部材に張力を負荷した状態で取り付けてなる角度及び変位センサであって、前記回転関節の中心に請求項1ないし9のいずれかに記載の歪み検出素子の曲げの中立軸が一致し、かつ、前記回転関節の中心に歪み検出素子が曲げ変形する部分の請求項1ないし9のいずれかに記載の変形拘束部材の端部が一致するように構成したことを特徴とする角度及び変位センサ。
【請求項11】
請求項1ないし9のいずれかに記載の角度及び変位センサを、連結部材を介して少なくとも2つ連結してなる角度及び変位センサ。
【請求項12】
請求項1ないし9のいずれかに記載の角度及び変位センサにおいて、請求項4に記載の一対の圧電フィルムの出力信号V1及びV2の和(V1+V2)から、角度及び変位センサの長さ変化δに応じた信号を検出し、角度センサを張設したときの張設軸方向(X軸方向)および張設軸に直角方向(Y軸方向)からの変位を、δy=(L1+δ)×sinθ、δx=(L1+δ)×cosθ−L1(但しL1は張設時の角度及び変位センサの有効長さ)で求めたことを特徴とする角度及び変位センサ。
【請求項13】
請求項1ないし9に記載の変形拘束材(40あるいは41及び42)の部分であって柔軟な張力伝達部材(30又は31)の端部から所定長さの部分を挟み込む開口部分の端部(48)を滑らかな形状に成形したことを特徴とする請求項1ないし9に記載の角度及び変位センサ(図18参照)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−76122(P2008−76122A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−253700(P2006−253700)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【Fターム(参考)】