説明

記録ヘッド、液体吐出装置、及び記録ヘッドの製造方法

【課題】電気熱エネルギー変換体の温度を検知する際の精度を向上する。
【解決手段】記録ヘッドは、液体に熱エネルギーを作用させることにより、前記液体を吐出口から吐出させる記録ヘッドであって、半導体基板と、前記半導体基板の上に配された第1の絶縁層と、電気エネルギーを受けて、前記液体に作用させるための熱エネルギーを加熱領域に発生させる電気熱エネルギー変換体と、前記第1の絶縁層と前記電気熱エネルギー変換体との間に配された第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との間に配され、前記電気熱エネルギー変換体の温度を検知する薄膜温度検知素子と、前記電気熱エネルギー変換体に電流を供給するためのスイッチ素子と、前記スイッチ素子に接続された配線層とを備え、前記配線層に含まれる配線の膜厚よりも、前記薄膜温度検知素子の膜厚は薄い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録ヘッド、液体吐出装置、及び記録ヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示された技術では、発熱抵抗体におけるインクを加熱する領域(以下、加熱領域とする)と酸化膜を介して半導体基板中の対向する位置に選択的に不純物を注入することにより、半導体基板中に半導体拡散抵抗体を形成している。この半導体拡散抵抗体は、発熱抵抗体がインクを加熱した際にその抵抗値が変化する。これにより、特許文献1によれば、発熱抵抗体付近の温度を正確に検知することができるとされている。
【0003】
また特許文献2には、複数のヒータが基板上に設けられ、ヒータの各々の直下には、層間絶縁膜を介して温度検知素子が形成された構成が開示されている。
【特許文献1】特開2001−129995号公報
【特許文献2】特開2007-290361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に示された技術では、半導体拡散抵抗体が半導体基板中に形成されており、半導体拡散抵抗体の熱伝導率と半導体基板の熱伝導率とは略等しい。これにより、発熱抵抗体がインクを加熱した際に酸化膜を介して半導体拡散抵抗体に伝達された熱は、半導体拡散抵抗体から半導体基板へ拡散する可能性がある。この結果、半導体拡散抵抗体が発熱抵抗体付近の温度を検知する際の精度が低下することがある。
【0005】
また特許文献2においては、温度検知素子を設けたことによる、電気熱エネルギー変換体下における絶縁層の平坦性に関しては検討が充分ではなかった。
【0006】
本発明の目的は、電気熱エネルギー変換体の温度を検知する際の精度を向上と、電気熱エネルギー変換体下における絶縁性表面の平坦性の向上とを両立することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面に係る記録ヘッドは、液体に熱エネルギーを作用させることにより、前記液体を吐出口から吐出させる記録ヘッドであって、半導体基板と、前記半導体基板の上に配された第1の絶縁層と、電気エネルギーを受けて、前記液体に作用させるための熱エネルギーを加熱領域に発生させる電気熱エネルギー変換体と、前記第1の絶縁層と前記電気熱エネルギー変換体との間に配された第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との間に配され、前記電気熱エネルギー変換体の温度を検知する薄膜温度検知素子と、前記電気熱エネルギー変換体に電流を供給するためのスイッチ素子と、前記スイッチ素子に接続された配線層とを備え、前記配線層に含まれる配線の膜厚よりも、前記薄膜温度検知素子の膜厚は薄いことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2側面に係る液体吐出装置は、上記の記録ヘッドと、前記記録ヘッドの前記電気熱エネルギー変換体に電気エネルギーを供給する供給部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3側面に係る記録ヘッドの製造方法は、液体に熱エネルギーを作用させることにより、前記液体を吐出口から吐出させる記録ヘッドの製造方法であって、半導体基板の上に第1の絶縁層を形成する第1の工程と、前記第1の絶縁層の上に、温度検知素子となるべき薄膜抵抗体を形成する第2の工程と、前記第1の絶縁層及び前記薄膜抵抗体の上に第2の絶縁層を形成する第3の工程と、前記第2の絶縁層の上に、電気エネルギーを受けて前記液体に作用させるための熱エネルギーを加熱領域に発生させる電気熱エネルギー変換体を形成する第4の工程とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電気熱エネルギー変換体の温度を検知する際の精度を向上することができ、且つ、電気熱エネルギー変換体下における絶縁性表面の平坦性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、電気熱エネルギー変換体の熱エネルギーを記録用インクに作用させて吐出口から吐出させるタイプの記録ヘッドに関する。また、本発明は、該記録ヘッドにより記録用インク液滴を紙等の被記録材に吐出して付着させることにより各種情報の記録を行う液体吐出装置に関する。特に、フルライン型記録ヘッド及び該記録ヘッドを用いた液体吐出装置に好適な吐出不良を検出して画像の補正や回復作業に反映させ、なおかつ吐出量制御のできる記録ヘッドおよび液体吐出装置に関するものである。
本発明の実施形態に係る記録ヘッド1を、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る記録ヘッド1の断面図(図1のaで示す)及び平面図(図1のbで示す)である。図1では、吐出ノズル(吐出口、図示せず)の図示が省略されている。
【0012】
記録ヘッド1は、インク(液体)に熱エネルギーを作用させることにより、インクを吐出ノズルから吐出させる。記録ヘッド1は、図1のaに示すように、シリコン基板(半導体基板)11、蓄熱層(第1の絶縁層)12、電気熱エネルギー変換体16、層間絶縁膜(第2の絶縁層)15、温度検知素子14、及び配線31、32(図1のb参照)を備える。記録ヘッド1は、第1のメタル配線層13、第2のメタル配線層17、パッシベーション膜18、及び耐キャビテーション膜19を備える。更に、不図示の電気熱エネルギー変換体に電流を供給するためのスイッチ素子を有している。第1のメタル配線層13、第2のメタル配線層17の一部は、前記スイッチ素子に接続され、スイッチ素子の駆動もしくは電気エネルギーの供給を行なう。
【0013】
シリコン基板11は、シリコンで形成された基板であり、P型の不純物を含む。
【0014】
蓄熱層12は、シリコン基板11の上に配されている。蓄熱層12は、例えば、熱酸化膜としてのSiOで形成される。
【0015】
電気熱エネルギー変換体16は、電気エネルギーを受けて、インクに作用させるための熱エネルギーを加熱領域Ahに発生させる。電気熱エネルギー変換体16は、例えば、TaSiNで形成される。
【0016】
層間絶縁膜15は、蓄熱層12と電気熱エネルギー変換体16との間に配されている。層間絶縁膜15の上面は、電気熱エネルギー変換体16に接している。層間絶縁膜15の上面における電気熱エネルギー変換体16に接する部分15aが平坦である。
【0017】
温度検知素子14は、蓄熱層12と層間絶縁膜15との間に配されている。温度検知素子14は、電気熱エネルギー変換体16の温度を検知する。温度検知素子14は、電気熱エネルギー変換体16の加熱領域Ahの中心を通る法線NL1が蓄熱層12の上面と交差する位置に配されている。すなわち、温度検知素子14は、電気熱エネルギー変換体16の各々の加熱領域Ahの直下に分離独立して配置される(図1のb参照)。温度検知素子14は、薄膜抵抗体である。温度検知素子14は、例えば、Al、AlCu、Pt、Ti、TiN、TiSi、Ta、TaN、TaSiN、TaCr、Cr、CrSiN、Wで形成される。温度検知素子14は、配線層と同一の材料で形成するのが好ましい。更に、温度検知素子14は、配線材料を成膜する工程は同一工程で形成するのが好ましい。温度検知素子14は、薄膜抵抗体で形成されているため、薄膜温度検知素子とよぶこともできる。
【0018】
また、温度検知素子14は、上面視における形状が矩形状である(図1のb参照)。これにより、温度検知素子14の上面を平坦にすることが容易である。また、温度検知素子の膜厚を配線の膜厚よりも薄くしている。これにより、層間絶縁膜15の上面における電気熱エネルギー変換体16に接する部分15aを平坦にすることが容易である。このため、後述のように、吐出の安定性をより容易に確保できる。
【0019】
ここで、温度検知素子14とシリコン基板11との間に配される蓄熱層12の熱伝導率は、シリコン基板11の熱伝導率より低い。これにより、電気熱エネルギー変換体16がインクを加熱した際に層間絶縁膜15を介して温度検知素子14に伝達された熱は、温度検知素子14からシリコン基板11へ拡散しにくい。この結果、温度検知素子14が電気熱エネルギー変換体16の温度を検知する際の精度を向上できる。
【0020】
配線31、32(図1のb参照)は、各温度検知素子14を検出回路(図示せず)へ接続する。これにより、検出回路は、温度検知素子14の温度に応じて変化する物理量(例えば、抵抗値)を検出することにより、温度検知素子14を介して電気熱エネルギー変換体16の温度を検知する。配線31、32は、例えば、Alで形成される。
【0021】
第1のメタル配線層13は、電気熱エネルギー変換体16を外部の制御回路(供給部、図示せず)へ接続する。これにより、制御回路は、第1のメタル配線層13を介して電気熱エネルギー変換体に電気エネルギーを供給する。なお、記録ヘッド1と制御回路とは、液体吐出装置を構成する。第1のメタル配線層13は、例えば、Alで形成される。
【0022】
第2のメタル配線層17は、電気熱エネルギー変換体16を第1のメタル配線層13へ接続する。第2のメタル配線層17は、電気熱エネルギー変換体16とパッシベーション膜18との間であって電気熱エネルギー変換体16の図面上の左右端の位置に配される。これにより、第2のメタル配線層17は、電気熱エネルギー変換体16における加熱領域Ahを規定している。第2のメタル配線層17は、例えば、Alで形成される。
【0023】
パッシベーション膜18は、電気熱エネルギー変換体16及び第2のメタル配線層17を保護する。パッシベーション膜18は、例えば、SiNで形成される。
【0024】
耐キャビテーション膜19は、電気熱エネルギー変換体16上の耐キャビテーション性を高める為に設けられている。耐キャビテーション膜19は、例えば、半導体プロセスによりTaが高密度に積層されて形成される。耐キャビテーション膜19における加熱領域Ahに対応する部分の上面SFは、層間絶縁膜15の上面における電気熱エネルギー変換体16に接する部分15aが平坦であることに対応して、平坦になっている。すなわち、インクが吐出される面SFが平坦になっているので、インクの吐出性能の劣化を抑制できる。
【0025】
保護膜21は、第1のメタル配線層13を保護する。保護膜21は、例えば、Al、AlCu、Pt、Ti、TiN、TiSi、Ta、TaN、TaSiN、TaCr、Cr、CrSiN、Wで形成される。
【0026】
次に、本発明の実施形態に係る記録ヘッド1の製造方法を、図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施形態に係る記録ヘッド1の製造方法を示す工程断面図である。
【0027】
図2のAに示す工程(第1の工程)では、シリコン基板11に、上述の検出回路や制御回路を構成するトランジスタを形成する。具体的には、イオン注入法により、シリコン基板11におけるトランジスタのソース・ドレインとなるべき領域にN型の不純物を注入する。その後、注入された不純物を熱処理する(熱拡散させる)。そして、トランジスタのゲート酸化膜となるべき酸化膜をシリコン基板11の上に形成した後、ゲート及びゲート酸化膜をパターニングして形成する。
【0028】
次に、シリコン基板11の表面を熱酸化することにより、蓄熱層12を数μm程度の厚さで形成する。蓄熱層12は、熱酸化膜としてのSiOで形成される。そして、スパッタリング法などにより、蓄熱層12の上に第1のメタル配線層13となるべき膜13iを400nm程度の厚さで成膜する。
【0029】
図2のBに示す工程では、フォトリソグラフィー法により、温度検知素子14が形成されるべき領域及びその周辺領域が開口されたレジストマスクを形成する。そのレジストマスクを用いて、ドライエッチング法により、膜13iにおける温度検知素子14が形成されるべき領域及びその周辺領域を選択的にエッチングする。これにより、第1のメタル配線層13を形成する。
【0030】
図2のCに示す工程(第2の工程)では、スパッタリング法などにより、温度検知素子14となるべき膜14iを約30nm程度の厚さで堆積する。この膜14iは、Al、AlCu、Pt、Ti、TiN、TiSi、Ta、TaN、TaSiN、TaCr、Cr、CrSiN、W等で形成される。
【0031】
図2のDに示す工程(第2の工程)では、フォトリソグラフィー法により、温度検知素子14及び第1のメタル配線層13を除く領域が開口されたレジストマスクを形成する。そのレジストマスクを用いて、ドライエッチング法により、膜14iにおける温度検知素子14及び第1のメタル配線層13を除く領域を選択的にエッチングし、温度検知素子14及び保護膜21を形成する。
【0032】
ここで、温度検知素子14は電気熱エネルギー変換体16の加熱領域Ahの直下に所望の形状で形成する。また、使用するドライエッチング条件は高選択比の条件を使用しているため、温度検知素子14部の下地である蓄熱層12を大きくエッチングしないようにしている。その為、蓄熱層12の表面12aを平坦に保ちやすい。
【0033】
図2のEに示す工程(第3の工程)では、蓄熱層12及び温度検知素子14の上に絶縁膜を900nm程度の厚さで成膜する(成膜工程)。この絶縁膜は、例えば、P−SiOで形成する。CMP法などにより、成膜工程で成膜された絶縁膜の上面を平坦化し、層間絶縁層15を形成する(平坦化工程)。
【0034】
次に(第4の工程)、スパッタリング法などにより、層間絶縁層15の上に、電気熱エネルギー変換体16となるべき第1の膜を形成する。第1の膜は、TaSiNで形成される。第1の膜の上に、第2のメタル配線層17となるべき第2の膜を形成する。第2の膜は、Alで形成される。
【0035】
その後、フォトリソグラフィー法により、電気熱エネルギー変換体16を除く領域が開口されたレジストマスクを形成する。そのレジストマスクを用いて、ウェットエッチング法により、第1の膜における電気熱エネルギー変換体16を除く領域を選択的にエッチングして、電気熱エネルギー変換体16を形成する。
【0036】
そして、フォトリソグラフィー法により、第2のメタル配線層17を除く領域が開口されたレジストマスクを形成する。そのレジストマスクを用いて、ウェットエッチング法により、第2の膜における第2のメタル配線層17を除く領域を選択的にエッチングして、第2のメタル配線層17を形成する。
【0037】
次に、CVD法により、電気熱エネルギー変換体16及び第2のメタル配線層17の上にパッシベーション膜18を300nm程度の厚さで成膜する。このパッシベーション膜18は、P−SiNで形成される。
【0038】
その後、スパッタリング法により、パッシベーション膜18上に、耐キャビテーション膜19となるべき第3の膜を230nm程度の厚さで形成する。第3の膜は、Taで形成される。
【0039】
そして、フォトリソグラフィー法により、耐キャビテーション膜19を除く領域が開口されたレジストマスクを形成する。そのレジストマスクを用いて、ドライエッチング法により、第3の膜における耐キャビテーション膜19を除く領域を選択的にエッチングして、耐キャビテーション膜19を形成する。
【0040】
さらに、耐キャビテーション膜19の上方に、吐出ノズル(図示せず)を形成する。このようにして、記録ヘッドを製造することができる。具体的には、ノズル壁や天板等を回路基板上に設けて、吐出ノズル及びインク流路を備えた吐出部を作ればよい。
【0041】
以上のように、本実施形態によれば、温度検知素子がシリコン基板内でなくシリコン基板と電気熱エネルギー変換体16との間に配されるので、温度検知素子と電気熱エネルギー変換体16との距離を容易に近づけることができる。さらに、温度検知素子14とシリコン基板11との間に配される蓄熱層12の熱伝導率は、シリコン基板11の熱伝導率より低い。これにより、電気熱エネルギー変換体16がインクを加熱した際に層間絶縁膜15を介して温度検知素子14に伝達された熱は、温度検知素子14からシリコン基板11へ拡散しにくい。この結果、温度検知素子14が電気熱エネルギー変換体16の温度を検知する際の精度を向上できる。
【0042】
また、従来の記録ヘッド構造やその製造方法を大幅に変えることがなく、電気熱エネルギー変換体16の直下、すなわち層間絶縁膜15の上面における電気熱エネルギー変換体16に接する部分15aは、大きな凹凸がなく平坦性を保てる状態になっている。これにより、耐キャビテーション膜19におけるインクが吐出される面SFも平坦にすることができるので、インクの吐出性能の劣化を抑制できる。
【0043】
したがって、インクの吐出性能の劣化を抑制しながら、電気熱エネルギー変換体の温度を検知する際の精度を向上することができる。これにより、温度検知素子が十分に不吐出情報を検知することができ、工業生産的にも機能的にも大きな効果がもたらせることになる。
【0044】
なお、温度検知素子14は、上面視における形状が、矩形状以外の形状であっても良い。例えば、温度検知素子14は、図1のcに示すように、スネーク形状であってもよい。この場合、温度検知素子の抵抗値を大きく設定することが容易になるため、より微小の温度変化を精度良く検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明を説明する記録ヘッドの断面図と平面図。
【図2】本発明を説明する記録ヘッドの製造方法を示す図。
【符号の説明】
【0046】
1 記録ヘッド
14 温度検知素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体に熱エネルギーを作用させることにより、前記液体を吐出口から吐出させる記録ヘッドであって、
半導体基板と、
前記半導体基板の上に配された第1の絶縁層と、
電気エネルギーを受けて、前記液体に作用させるための熱エネルギーを加熱領域に発生させる電気熱エネルギー変換体と、
前記第1の絶縁層と前記電気熱エネルギー変換体との間に配された第2の絶縁層と、
前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との間に配され、前記電気熱エネルギー変換体の温度を検知する薄膜温度検知素子と、
前記電気熱エネルギー変換体に電流を供給するためのスイッチ素子と、
前記スイッチ素子に接続された配線層と、
を備え、
前記配線層に含まれる配線の膜厚よりも、前記薄膜温度検知素子の膜厚は薄い
ことを特徴とする記録ヘッド。
【請求項2】
前記薄膜温度検知素子は、薄膜抵抗体であり、
前記第2の絶縁層の上面は、前記電気熱エネルギー変換体に接しており、
前記第2の絶縁層の上面における前記電気熱エネルギー変換体に接する部分は、平坦である
ことを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の記録ヘッドと、
前記記録ヘッドの前記電気熱エネルギー変換体に電気エネルギーを供給する供給部と、
を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項4】
液体に熱エネルギーを作用させることにより、前記液体を吐出口から吐出させる記録ヘッドの製造方法であって、
半導体基板の上に第1の絶縁層を形成する第1の工程と、
前記第1の絶縁層の上に、薄膜温度検知素子となるべき薄膜抵抗体を形成する第2の工程と、
前記第1の絶縁層及び前記薄膜抵抗体の上に第2の絶縁層を形成する第3の工程と、
前記第2の絶縁層の上に、電気エネルギーを受けて前記液体に作用させるための熱エネルギーを加熱領域に発生させる電気熱エネルギー変換体を形成する第4の工程と、
を備えたことを特徴とする記録ヘッドの製造方法。
【請求項5】
前記第3の工程は、
前記第1の絶縁層及び前記薄膜抵抗体の上に絶縁膜を成膜する成膜工程と、
前記成膜工程で成膜された絶縁膜の上面を平坦化することにより、前記第2の絶縁層を形成する平坦化工程と、
を含む
ことを特徴とする請求項4に記載の記録ヘッドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−248517(P2009−248517A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101813(P2008−101813)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】