説明

記録媒体搬送処理ユニット及び画像形成装置

【課題】画像形成装置用の記録媒体搬送処理ユニットであって、(1)使い勝手がよい、(2)多数枚の画像形成を画像生産性を低下させることなく行える、(3)画像形成装置の記録媒体排出トレイ上方空間での定着部からの熱のこもりを抑制できるユニット及び該ユニットを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】ユニットU2(又はU3)は画像形成装置10(10’)の第2排出口部D2からの記録媒体Sを再供給口部101へ循環搬送する循環搬送機構11と、記録媒体Sを画像形成装置10の画像形成部へ供給するための追加記録媒体供給機構12と、第2排出口部D2からの記録媒体Sを受け取るための記録媒体排出機構13とを含み、一体的に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録紙等の記録媒体にトナー画像を形成する画像形成装置に装着して用いる記録媒体搬送処理ユニット及び該ユニットを組み合わせた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録紙等の記録媒体にトナー画像を形成する画像形成装置には種々のタイプのものがあるが、その中に、記録媒体供給部、該記録媒体供給部から供給される記録媒体にトナー像を形成する画像形成部及び該トナー像を該記録媒体に定着させる定着部が下から上へこの順序で配置されており、該画像形成部の上側に、該定着部を通過してきて第1排出口部から排出される記録媒体を受け取る記録媒体排出トレイが配置されている画像形成装置がある(以下、このタイプの画像形成装置を「要部縦配列形画像形成装置」ということがある。
【0003】
上記画像形成部としては、モノクロ画像を形成するもの、モノクロ画像だけでなく多色カラー画像も形成できるものがある。
【0004】
この種の画像形成装置であって カラー画像を形成できるものとして、画像形成部における静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を、静電潜像現像域に移動可能の複数の現像器のうち該静電潜像に応じた担当色トナーを保持した現像器で現像してトナー像を形成し、該トナー像を中間転写体に1次転写することで、該中間転写体上にモノクロトナー像又は2色以上のトナー像からなる多重トナー像を形成し、該中間転写体上のトナー像を下方から供給されてくる記録媒体へ2次転写し、定着部で該記録媒体に定着させ、画像形成部上方の記録媒体排出トレイへ排出できるサイクル型カラー画像形成装置を挙げることができる。
【0005】
このほか、所謂タンデム型カラー画像形成装置等も挙げることができる。
【0006】
このような画像形成装置は、通常、コンピュータ等から画像信号を供給されて画像を出力するプリンタとして使用できるのであるが、前記記録媒体排出トレイの上方に画像読取装置(イメージリーダ)を配置して、複写機として用いたり、ファクシミリ機として用いることもでき、プリンタ、複写機及びファクシミリ機等のうち2以上を組み合わせた複合機として用いられることもある。
【0007】
いずれにしても、要部縦配列形画像形成装置は、そのままでは記録媒体の片面に画像形成できるだけである。
【0008】
そこで、一方の面に画像形成された記録媒体の他方の面にも画像形成できるようにしたいユーザのために、一方の面に画像形成された記録媒体を反転させて他方の面にも画像形成すべく再度画像形成部へ供給するための所謂両面ユニットを装着できるようにした画像形成装置もある(例えば特開平5−24746号公報参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−24746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、今日では、プリンタ、複写機、ファクシミリ機、これらのうち2以上を組み合わせた複合機等の画像形成装置は、小型化が求められており、それにともなって高さ方向等の寸法の短縮化が求められている。前記の要部縦配列形画像形成装置においても同様の要請がある。
【0011】
この要請に応えるために高さ寸法を短縮しようとすると、記録媒体供給部、画像形成部及び定着部や、画像読取装置を組み合わせる場合の該画像読取装置については、その寸法の短縮化には限度がある。そのため、記録媒体排出トレイの記録媒体収容空間高さを短縮化せざるを得ない。
【0012】
そうすると、記録媒体排出トレイ上に受け入れることができる記録媒体枚数が限られてきて、受入れ可能枚数を超えてくる記録媒体に画像形成するには、該トレイ上の記録媒体の積載状態をユーザが監視していて、適当に取り出す作業が必要になったり、連続的に画像形成する枚数をトレイの積載能力以下に設定して、トレイ積載能力枚数ごとに分けて画像形成しなければならず、これらにより画像生産性が悪化する。
【0013】
例えば、画像形成装置の下方にオプションでさらなる記録媒体供給部を配置し、しかもその追加記録媒体供給部の記録媒体収容枚数が画像形成装置に元々備わっている前記排出トレイの記録媒体積載能力を超えるような場合には、せっかく追加記録媒体供給部を用いているにも拘らず、連続画像形成において画像生産性を上げることができないことがある。
【0014】
また、記録媒体排出トレイの上方に画像読取装置(イメージリーダ)を配置する場合には、該トレイ上に多くの記録媒体を排出すると、排出積載される記録媒体の取り出し作業が行い難くなったり、トレイ上方の、通気性が悪化した狭い空間に定着部からの熱がこもって記録媒体が冷却され難くなり、熱のためにカール(反り)が発生しやすくなって、その後の記録媒体の扱いが困難になったり、画像形成部の上側部分が加熱されて、画像形成に支障がでる恐れが生じたりする。
【0015】
そこで本発明は、記録媒体供給部、該記録媒体供給部から供給される記録媒体にトナー像を形成する画像形成部及び該トナー像を該記録媒体に定着させる定着部が下から上へこの順序で配置されており、該画像形成部の上側に、該定着部を通過してきて第1排出口部から排出される記録媒体を受け取る記録媒体排出トレイが配置されている画像形成装置に装着して使用する記録媒体搬送処理ユニットであって次の利点を有する記録媒体搬送処理ユニットを提供することを課題とする。
(1)使い勝手がよい、
(2)多数枚の画像形成を画像生産性を低下させることなく行える、
(3)たとえ記録媒体排出トレイの上方に画像読取装置が配置される場合でも記録媒体排出トレイ上方空間への定着部からの熱のこもりを抑制して、該熱のこもりによる弊害を低減することが可能である。
【0016】
また本発明は、記録媒体供給部、該記録媒体供給部から供給される記録媒体にトナー像を形成する画像形成部及び該トナー像を該記録媒体に定着させる定着部が下から上へこの順序で配置されており、該画像形成部の上側に、該定着部を通過してきて第1排出口部から排出される記録媒体を受け取る記録媒体排出トレイが配置されている画像形成装置であって次の利点を有する画像形成装置を提供することを課題とする。
(1)使い勝手がよい、
(2)多数枚の画像形成を画像生産性を低下させることなく行える、
(3)たとえ画像形成部の上方に画像読取装置が配置される場合でも記録媒体排出トレイ上方空間への定着部からの熱のこもりを抑制して、該熱のこもりによる弊害を低減することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するため本発明は次の記録媒体搬送処理ユニット及び画像形成装置を提供する。
(1)記録媒体搬送処理ユニット
記録媒体供給部、該記録媒体供給部から供給される記録媒体にトナー像を形成する画像形成部及び該トナー像を該記録媒体に定着させる定着部が下から上へこの順序で配置されており、該画像形成部の上側に、該定着部を通過してきて第1排出口部から排出される記録媒体を受け取る記録媒体排出トレイが配置されており、前記第1排出口部の他に、該定着部を通過してきた記録媒体を画像形成装置側方へ排出するための第2排出口部及び該第2排出口部から排出される記録媒体を前記画像形成部へ下方から再供給するための再供給口部を備えている画像形成装置に装着して使用する記録媒体搬送処理ユニットであり、
前記画像形成装置への装着状態において、該画像形成装置の前記第2排出口部から排出されてくる記録媒体を前記再供給口部へ循環搬送するための循環搬送機構と、
前記画像形成装置への装着状態において、これから画像形成しようとする記録媒体を該画像形成装置の前記画像形成部へ供給するための追加記録媒体供給機構と、
前記画像形成装置への装着状態において、該画像形成装置の前記第2排出口部から排出されてくる記録媒体を受け取るための記録媒体排出機構とを含み、
前記画像形成装置に前記側方から下方へわたって装着できるように一体的に構成されている記録媒体搬送処理ユニット。
【0018】
(2)画像形成装置
記録媒体供給部、該記録媒体供給部から供給される記録媒体にトナー像を形成する画像形成部及び該トナー像を該記録媒体に定着させる定着部が下から上へこの順序で配置されており、該画像形成部の上側に、該定着部を通過してきて第1排出口部から排出される記録媒体を受け取る記録媒体排出トレイが配置されており、前記第1排出口部の他に、該定着部を通過してきた記録媒体を画像形成装置側方へ排出するための第2排出口部及び該第2排出口部から排出される記録媒体を前記画像形成部へ下方から再供給するための再供給口部を備えている画像形成装置であって、本発明に係る記録媒体搬送処理ユニットを組み合わせた画像形成装置。
【0019】
本発明に係る記録媒体搬送処理ユニットは、要部縦配列形画像形成装置において記録媒体の第2排出口部及び再供給口部を備えているものを前提としたユニットであるが、本発明に係るユニットは一体的に構成されているのでそれだけ使い易い。
また、本発明に係るユニットによると、
(1)(a) 例えば、画像形成装置において定着部を通過したのちスイッチバックさせられて第2排出口部から排出されてくる記録媒体を循環搬送機構を利用して画像形成装置の再供給口部へ循環搬送し、或いは定着部を通過してきてそのまま第2排出口部から排出されてくる記録媒体を循環搬送機構付設のスイッチバック機構で反転させて該循環搬送機構で再供給口部へ搬送し、かくして該記録媒体の他面にも画像形成することができる(すなわち、両面画像形成が可能である)。そしてそれだけでなく、(b) 画像形成装置の記録媒体供給部とは別に前記追加記録媒体供給機構から記録媒体を画像形成部へ供給したり(例えば画像形成装置の記録媒体供給部にて供給可能の記録媒体とは異なるサイズの記録媒体を供給したり、画像形成装置の記録媒体供給部にて供給できる枚数より多い枚数の記録媒体を追加供給したり)、(c) 画像形成された記録媒体を前記記録媒体排出機構を利用して、画像形成装置の記録媒体排出トレイとは別に受け入れることができ、これらによりユーザーにとって使い勝手がよい。
【0020】
(2)画像形成装置の記録媒体排出トレイの記録媒体受入れ可能枚数より多い枚数の画像形成を行うときでも、例えば、該記録媒体排出トレイの記録媒体受入れ可能枚数を超えてくる枚数の記録媒体については、前記定着部を通過してくるとそのまま、或いはスイッチバックさせて前記第2排出口部から排出することで前記記録媒体排出機構に受け入れることができ、それにより画像生産性の低下を抑制できる。
【0021】
(3)たとえ画像形成装置の記録媒体排出トレイの上方に画像読取装置が配置される場合でも、例えば、該記録媒体排出トレイの記録媒体受入れ許容枚数をトレイ上方空間に未だ余裕があるように制限するとともに、その許容枚数を超える記録媒体については前記第2排出口部から排出することで前記記録媒体排出機構に受け入れることができ、そうすることで、前記記録媒体排出トレイ上方空間に定着部からの熱がこもり易くなることを抑制でき、該熱のこもりによる記録媒体の過度のカール発生、画像形成部上方部分の過度の加熱やそれに伴う画像不良の発生等の恐れを低減することができる。また、記録媒体排出トレイの記録媒体受入れ許容枚数をトレイ上方空間に未だ余裕があるように制限できることで、記録媒体排出トレイ上から記録媒体を取り出し易くすることができる。
【0022】
本発明に係る画像形成装置によると本発明に係る記録媒体搬送処理ユニットを組み合わせているので、それだけ
(1)使い勝手がよく、
(2)多数枚の画像形成を画像生産性を低下させることなく行うことができ、
(3)たとえ画像形成部の上方に画像読取装置が配置される場合でも記録媒体排出トレイ上方空間での定着部からの熱のこもりを抑制して、該熱のこもりによる弊害を低減することができる。また、記録媒体排出トレイの記録媒体受入れ許容枚数をトレイ上方空間に未だ余裕があるように制限できることで、記録媒体排出トレイ上から記録媒体を取り出し易くすることができる。
【0023】
本発明に係る記録媒体搬送処理ユニットにおいては、
前記循環搬送機構は前記画像形成装置の第2排出口部から排出されてくる記録媒体を受け取って前記画像形成装置の再供給口部へ循環搬送するための媒体循環搬送路を含むことができる。
また、前記記録媒体排出機構は前記画像形成装置の第2排出口部から排出されてくる記録媒体を受け取るトレイ及び該トレイへ記録媒体を搬送するための媒体搬送路を含むことができる。
この場合、ユニット構造を簡略化するために、前記循環搬送機構の媒体循環搬送路の一部は前記記録媒体排出機構の媒体搬送路の一部を兼ねていてもよい。
【0024】
前記追加記録媒体供給機構はこれから画像形成しようとする記録媒体を配置する1又は2以上の記録媒体配置トレイを含むことができる。
この場合、記録媒体配置トレイのうち少なくとも一つは前記記録媒体排出機構の記録媒体受け取りトレイを兼ねていてもよい。
【0025】
また、前記追加記録媒体供給機構はこれから画像形成しようとする記録媒体を配置する1又は2以上の記録媒体配置トレイを含んでおり、前記記録媒体排出機構の記録媒体受け取りトレイは該記録媒体配置トレイの下方に1又は2以上設けられていてもよい。
【0026】
この場合も、記録媒体配置トレイのうち少なくとも一つは記録媒体排出機構の記録媒体受け取りトレイを兼ねていてもよい。
【0027】
いずれにしても、記録媒体排出機構の記録媒体受け取りトレイを複数設けることで、ユーザー毎の受け取りトレイとすること、すなわち、所謂メールビン機能を持たせることが可能になってくる。この場合、1又は2以上の記録媒体受け取りトレイには鍵等を掛けられるロック機構を設けてもよく、そうすることで機密書類排出トレイとして利用できる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように本発明によると、記録媒体供給部、該記録媒体供給部から供給される記録媒体にトナー像を形成する画像形成部及び該トナー像を該記録媒体に定着させる定着部が下から上へこの順序で配置されており、該画像形成部の上側に、該定着部を通過してきて第1排出口部から排出される記録媒体を受け取る記録媒体排出トレイが配置されている画像形成装置に装着して使用する記録媒体搬送処理ユニットであって次の利点を有する記録媒体搬送処理ユニットを提供することができる。
(1)使い勝手がよい、
(2)多数枚の画像形成を画像生産性を低下させることなく行える、
(3)たとえ記録媒体排出トレイの上方に画像読取装置が配置される場合でも記録媒体排出トレイ上方空間への定着部からの熱のこもりを抑制して、該熱のこもりによる弊害を低減することが可能である。
【0029】
また本発明によると、
記録媒体供給部、該記録媒体供給部から供給される記録媒体にトナー像を形成する画像形成部及び該トナー像を該記録媒体に定着させる定着部が下から上へこの順序で配置されており、該画像形成部の上側に、該定着部を通過してきて第1排出口部から排出される記録媒体を受け取る記録媒体排出トレイが配置されている画像形成装置であって次の利点を有する画像形成装置を提供することができる。
(1)使い勝手がよい、
(2)多数枚の画像形成を画像生産性を低下させることなく行える、
(3)たとえ画像形成部の上方に画像読取装置が配置される場合でも記録媒体排出トレイ上方空間への定着部からの熱のこもりを抑制して、該熱のこもりによる弊害を低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る画像形成装置の1例の構成の概要を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置に装着されている本発明に係る記録媒体搬送処理ユニットの1例を画像形成装置とともに概略的に示す図である。
【図3】図1の画像形成装置に装着可能の本発明に係る記録媒体搬送処理ユニットの他の例を画像形成装置とともに概略的に示す図である。
【図4】図1の画像形成装置においてスイッチバック機構を省略した画像形成装置に装着可能の本発明に係る記録媒体搬送処理ユニットの例を画像形成装置とともに概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は本発明に係る画像形成装置の1例の構成の概要を示す図である。図1に示す画像形成装置10は本発明に係る記録媒体搬送処理ユニットU1を装着したものである。
【0032】
この画像形成装置10は所謂4サイクル型のカラー画像形成装置である。なお、以下の説明では記録媒体は記録紙として説明することがある。
【0033】
画像形成装置10は、静電潜像担持体であるドラム型感光体1(以下、「感光体1」という。)を備えており、その周囲に帯電器2、現像装置4、中間転写体6及びクリーニング装置5がこの順序で配置されている。帯電器2と現像装置4の間から感光体1へ画像露光を行なう画像露光装置3が設けられており、その下方に記録紙供給部9が設けられている。中間転写体6はここでは無端ベルト形態の中間転写ベルトである。
【0034】
感光体1は感光体駆動モータ(図示省略)により図中時計方向に回転駆動される。帯電器2には出力可変の帯電用電源(図示省略)から所定のタイミングで感光体帯電電圧が印加される。
【0035】
現像装置4は現像器ラック40にブラック現像器4K、シアン現像器4C、マゼンタ現像器4M及びイエロー現像器4Yを搭載したものである。現像器ラック40はステッピングモータを含む図示省略の駆動部により図中反時計方向まわりに回転駆動可能である。現像器は90度の等中心角度間隔で、ラック回転方向に現像器4K、4C、4M、4Yの順序で現像器ラック40に搭載されている。
【0036】
ブラック現像器4KにはブラックトナーカートリッジKCが、シアン現像器4CにはシアントナーカートリッジCCが、マゼンタ現像器4MにはマゼンタトナーカートリッジMCが、イエロー現像器4YにはイエロートナーカートリッジYCがそれぞれ交換可能に搭載されている。各現像器には感光体1上の静電潜像を現像するための現像ローラ(トナー担持体ローラ)41が搭載されている。各現像ローラ41は表層部が弾性を有するものである。
【0037】
各現像器は、現像ローラ41のほか、該ローラヘトナーを供給するトナー供給ローラ、トナー供給ローラから供給されるトナーの現像ローラ41上での層厚を規制するトナー規制ブレード等も含んでいる。各現像器は負帯電性トナーを用いて感光体1上の静電潜像を反転現像できる。
【0038】
各現像器は現像器ラック40を回動させることで感光体1上の静電潜像を現像ローラ41で現像する現像位置に配置することができる。現像位置に配置された現像ローラ41は感光体1表面に臨み、出力可変の現像バイアス電源(図示省略)から現像バイアス印加が可能となる。また、現像位置に配置された現像ローラ41は現像ローラ駆動モータ(図示省略)により回転駆動可能となる。さらに、図示省略の電源から、トナー供給ローラヘトナー供給バイアスを印加できるようになり、トナー規制ブレードに規制バイアスを印加できるようになる。
【0039】
中間転写ベルト6は駆動ローラ61、これに対向する従動対向ローラ62、感光体1に対向配置された1次転写ローラ63、1次転写ローラ63と共同して中間転写ベルト6を感光体1に当接させるローラ64からなるローラ群に巻き掛けられている。
【0040】
1次転写ローラ63には図示省略の1次転写電源から1次転写電圧を印加できる。駆動ローラ61を図示省略の転写ベルト駆動モータにより図中反時計方向まわりに回転駆動することで中間転写ベルト6を反時計方向回りに回転させることができる。
【0041】
中間転写ベルト6の駆動ローラ61に巻き掛けられた部分に対して2次転写ローラ7が配置されている。2次転写ローラ7は所定のタイミングで中間転写ベルト6に対し接離される。2次転写ローラ7には図示省略の2次転写電源から2次転写電圧を印加できる。
【0042】
中間転写ベルト6の対向ローラ62に巻き掛けられた部分に対して紙粉等(2次転写残トナーを含む)を除去清掃するクリーニング装置65が配置されている。
【0043】
このクリーニング装置65には、中間転写ベルト6に対してクリーニングブレード651を当接(圧接)させる状態と離隔させる状態とを切換える、図示省略のブレード駆動機構が設けられている。この圧接離隔機構は次のために設けられている。
【0044】
すなわち、二つ以上の現像器を用いてカラー画像形成するとき、1色目のトナー像を中間転写ベルト6上に形成した後、次の2色目のトナー像、或いはさらに3色目のトナー像、或いはさらに4色目のトナー像を中間転写ベルト6に形成している間は、中間転写ベルト6上のトナー像を乱さないように中間転写ベルト6からクリーニングブレード651を離隔させる。そして、目的とする全トナー像が記録紙Sに多重形成された後に、クリーニングブレードBLを中間転写ベルト6をクリーニングするタイミングで中間転写ベルト6に再び圧接して本来のクリーニング機能を発現させる。
【0045】
2次転写ローラ7の上方には定着部である定着装置8が、さらにその下流側には記録紙排出ローラR3及び記録紙排出トレイTが順次設けられている。排出ローラR3が設けられている部分が第1の記録媒体排出口部D1に相当する。
【0046】
2次転写ローラ7の下方にはタイミングローラ対R2及び記録紙供給部9からの記録紙Sをタイミングローラ対R2へ案内する案内ローラ対Rlが配置されている。
【0047】
以上説明した感光体1、現像装置4、中間転写ベルト6、1次転写ローラ63等はトナー画像を形成する画像形成部を構成している。記録紙供給部9、画像形成部及び定着装置8はこの順序で下から上へ順次配置されており、記録紙排出トレイTは画像形成部の上方に位置している。
【0048】
この画像形成装置10には、さらに記録紙Sを画像形成装置側方へ排出するための第2の記録紙排出口部D2が設けられているとともに第2排出口部D2から排出される記録紙Sを画像形成部へ下方から再供給するための再供給口部101が設けられている。再供給口部101には記録紙供給ローラ対R4が設けられている。
【0049】
定着装置8を通過してきた記録紙は、切り換え案内爪C1が図1において右寄り位置に配置されているとともに切り換え案内爪C2が上昇位置に配置されていると第1排出口部D1へ向け案内され、図1において爪C1が左寄り位置に配置されていると、第2排出口部D2へ向け案内される。
【0050】
また、定着装置8を通過してきて排出ローラR3によりトレイTへ排出される記録紙を該記録紙の後端部がローラR3を通過する前にローラR3を逆転させるとともに切り換え案内爪C2を下降位置に配置すると、ローラ逆転によりスイッチバックしてくる記録紙が第2排出口部D2へ案内される。
【0051】
画像形成装置10に組み合わせ装着された記録媒体搬送処理ユニットU1は、第2排出口部D2を設けた画像形成装置側方から画像形成装置下側へわたって装着されており、全体が一体的に構成されており、それだけ扱い易くなっている。
【0052】
ユニットU1は、図2に示すように、循環搬送機構11、追加の記録媒体供給機構12及び記録媒体排出機構13を含んでいる。
【0053】
循環搬送機構11は、画像形成装置10の第2排出口部D2から排出されてくる、一方の面に画像形成された記録紙Sを再供給口部101へ循環搬送して他方の面にも画像形成するためのもので(換言すれば、両面画像形成のためのもので)、この循環搬送のための循環搬送路P1と、該搬送路中の記録紙を案内搬送するローラ対r1とを含んでいる。循環搬送路P1はユニットU1が画像形成装置10に装着された状態で第2排出口部D2から下方へ延びたのち横方向に延びる部分P11とさらにそこから上方へ向け再供給口部101まで延びる部分P12とからなっている。
【0054】
追加の記録媒体供給機構12は画像形成装置10の下側に位置しており、これから画像形成しようとする記録紙Sを配置する記録媒体配置トレイ121を含んでおり、給紙ローラr2にてトレイ121上の記録紙Sを媒体搬送路P2を介して再供給口部101へ供給できる。
【0055】
記録媒体排出機構13は、第2排出口部D2から排出されてくる記録紙Sを受け取るトレイ131及び該トレイへ記録紙Sを搬送するための媒体搬送路P3を含んでいる。媒体搬送路P3は第2排出口部D2から下方へ延びたのち横方向に延びる部分P31とさらにそこから横方向へトレイ131へ向け延びる部分P32とからなっている。
【0056】
図2から分かるように、ユニットU1では、媒体循環搬送機構11の媒体搬送路P1の一部P11は記録媒体排出機構13の媒体搬送路P3の一部P31を兼ねており、追加記録媒体供給機構12のトレイ121は記録媒体排出機構13の記録紙を受け取るためのトレイ131を兼ねている。切り換え案内爪C3を下降位置におくと、搬送路P11(P31)から到来する記録紙を再供給口部101へ案内でき、切り換え案内爪C3を上昇位置におくと、搬送路P11(P31)から到来する記録紙をトレイ131へ案内できる。
【0057】
以上説明した画像形成装置10によると次のように記録紙S上にトナー画像を形成できる。
図示省略の制御部の指示のもとに4K、4C、4M及び4Yの現像器のうち1又は2以上を用いて記録紙S上にトナー画像を形成することができる。四つの現像器を用いてフルカラー画像を形成する例を以下に説明する。
【0058】
先ず、必要に応じ、図示省略のラック駆動部により現像器ラック40を回動させてイエロー現像器4Yをその現像ローラ41が感光体1に臨む現像位置に配置するとともに、感光体1を図中時計方向に回転させ、中間転写ベルト6も回転させる。この段階では2次転写ローラ7は中間転写ベルト6から離隔させておく。
【0059】
回転する感光体1の表面を帯電用電源から帯電用電圧が印加された帯電器2で一様に所定電位に帯電させ、その帯電域に画像露光装置3からイエロー画像のための画像露光を施してイエロー静電潜像を形成し、該潜像を現像器4Yで現像してイエロートナー像を形成する。このイエロートナー像を1次転写電圧が印加された1次転写ローラ63により中間転写ベルト6上に1次転写する。
【0060】
さらに、イエロートナー像の形成の場合と同様にして、マゼンタ現像器4Mを現像位置に配置して感光体1上にマゼンタトナー像を形成し、これを中間転写ベルト6上に転写し、次いでシアン現像器4Cを現像位置に配置して感光体1上にシアントナー像を形成し、これを中間転写ベルト6上に転写し、次いでブラック現像器4Kを現像位置に配置して感光体1上にブラックトナー像を形成し、これを中間転写ベルト6上に転写する。各色トナー像の感光体1への形成及び中間転写ベルト6への1次転写はこれらトナー像が重ねて中間転写ベルト6上に転写されるタイミングで行なう。
【0061】
なお、このカラー画像形成において中間転写ベルト6への1次転写が行なわれているときには、制御部の指示のもとに、クリーニング装置65のクリーニングブレード651は、圧接離隔機構により、中間転写ベルト6から離隔されている。
【0062】
一方、記録紙Sについては、これを記録紙供給部9から供給ローラ91により引き出してタイミングローラ対R2へ向け供給し、記録紙先端がタイミングローラ対R2の出口側にある図示省略のタイミングセンサに検出されると、タイミングローラ対R2を停止させ、記録紙Sをそこで待機させておく。
【0063】
そして、中間転写ベルト6上のトナー像が中間転写ベルト6の回転により2次転写ローラ7へ到達するに先立って該ローラ7を中間転写ベルト6へ接触させ、トナー像が2次転写領域に到達するタイミングで記録紙Sもタンミングローラ対R2で2次転写領域へ送り込む。
【0064】
かくして記録紙Sに多重トナー像が2次転写される。多重トナー像が転写された記録紙Sは定着装置8でそのトナー像が定着され、記録紙排出ローラR3にて排出トレイTに排出される。かくしてフルカラー画像が形成された記録紙Sを得ることができる。
【0065】
感光体1上の1次転写残トナー等はクリーニング装置5により除去清掃され、中間転写ベルト6上の紙粉等(2次転写残トナーを含む)はクリーニング装置65により除去清掃される。このとき、クリーニング装置65のクリーニングブレード651は、圧接離隔機構により、中間転写ベルト6に圧接される。
【0066】
以上説明した画像形成では、記録紙Sの一方の面にのみ画像形成して画像形成装置10のトレイTに排出した。
しかし、ユニットU1を装着した画像形成装置10によると、次のようにして記録紙Sの両面に画像形成することもできる。
【0067】
すなわち、定着装置8を通過してきた、一方の面に画像形成された記録紙Sを排出ローラR3にてトレイT上に排出し、そのとき該記録紙Sの後端部がローラR3を通過する前にローラR3を逆転させて該記録紙Sをその後端を先頭にしてスイッチバック開始させる。さらに、記録紙をトレイTへ向け案内する位置に置かれていた切り換え案内爪C2をスイッチバックしてくる記録紙を第2排出口部D2へ案内する下降位置に切り換え配置する。このようにして一方の面に画像形成された記録紙Sを第2排出口部D2からユニットU1の循環搬送機構11にわたし、再供給口部101へ搬送し、画像形成部へ再供給して該記録紙Sの他方の面にも画像形成できる。
【0068】
また、ユニットU1を装着した画像形成装置10によると、これから画像形成しようとする記録紙の供給を追加記録媒体供給機構12からでも行える。すなわち、機構12のトレイ121から給紙ローラr2にて記録紙を引き出し、搬送路P2から再供給口部101へ、さらに画像形成部へ供給して該記録紙に画像形成することもできる。
【0069】
ユニットU1を装着した画像形成装置10によると、片面又は両面に画像形成した記録紙を、トレイTだけでなく、ユニットU1の記録媒体排出機構13のトレイ131へも排出することができる。
【0070】
すなわち、画像形成装置10において、記録紙をトレイTへ案内する位置におかれていた切り換え案内爪C1を第2排出口部D2へ記録紙を案内する位置に切り換え配置し、定着装置8を通過してきた、片面又は両面に画像形成された記録紙を第2排出口部D2へ案内する。さらに、そこから記録媒体排出機構13の媒体搬送路P13(循環搬送路P1の媒体搬送路P11と同じ)へわたす。さらに、記録紙を再供給口部101へ案内する位置に置かれていた切り換え案内爪C3をトレイ131(トレイ121に同じ)に記録紙を排出する上昇位置に切り換え配置し、それにより、搬送路P31(P11)から到来する記録紙を、搬送路P32を介してトレイ131(トレイ121)へ排出することができる。このとき、ローラr2等が邪魔になるのであれば、それらを邪魔にならない位置へ退避させる駆動部を設けておけばよい。
【0071】
この例では、定着装置8を通過してくる記録紙Sをそのまま第2排出口部D2へ案内したが、両面画像形成する場合と同様にスイッチバックさせて第2排出口部D2から排出し、トレイ131へ排出してもよい。このように排出するのであれば、定着装置8を通過してくる記録紙Sをそのまま第2排出口部D2へ案内する通路は省略できる。
ユニットU1においては、追加記録媒体供給機構12における記録媒体供給トレイ121は一つであったが、複数設けてもよい。複数設ける場合にも、そのうち少なくとも一つに記録媒体排出機構の媒体排出トレイ(記録媒体受け取りトレイ)131を兼ねさせることもできる。
【0072】
図3は本発明に係る記録媒体搬送処理ユニットの他の例を示している。
図3に示すユニットU2も画像形成装置10に装着して使用するものである。
画像形成装置10には、これに複写機能、ファクシミリ機能等を持たせるために図1に破線で示すように画像読取装置IRを付設することもできる。
図3は、画像読取装置10を付設した画像形成装置10に装着したユニットU2を示している。
【0073】
記録媒体搬送処理ユニットU2は、図2に示すユニットU1において、記録媒体排出機構13の媒体排出トレイを追加記録媒体供給機構の媒体供給トレイ121を兼ねる媒体排出トレイ(記録媒体受け取りトレイ)131の下方にもう一つ追加したものである。それはトレイ131aである。
【0074】
そして、媒体搬送路P11(P31)から到来する記録紙をトレイ131aへ排出できるようにするための媒体搬送路P33を追加するとともにトレイ131aへも記録媒体を案内できるようにするための切り換え案内爪C4を追加したものである。
【0075】
ユニットU2のその他の点はユニットU1と実質同じ構成である。ユニットU1における部品、部分と同じものにはユニットU1と同じ参照符号を付してある。
【0076】
ユニットU2を装着した画像形成装置10においても、記録媒体循環搬送機構11を用いて1枚の記録紙の両面に画像形成できる。
また、これから画像形成しようとする記録紙の供給を画像形成装置10の記録紙供給部9からだけでなく、ユニットU2の追加記録媒体供給機構12からでも行える。
【0077】
さらに、ユニットU2を装着した画像形成装置10においても、片面又は両面に画像形成した記録紙を、トレイTだけでなく、ユニットU2の記録媒体排出機構13のトレイ131(トレイ121)にでも、或いはその下に位置するトレイ131aにでも排出できる。
【0078】
記録紙をトレイ131(トレイ121)へ排出するのであれば、切り換え案内爪C3を上昇位置に配置するとともに切り換え案内爪C4は下方位置に配置すればよい。
記録紙をトレイ131aへ排出するのであれば、切り換え案内爪C3を上昇位置に配置するとともに切り換え案内爪C4も上昇位置に配置すればよい。
【0079】
ユニットU2においては、追加記録媒体供給機構12における記録媒体供給トレイ121は一つであったが、複数設けてもよい。複数設ける場合にも、そのうち少なくとも一つに記録媒体排出機構の媒体排出トレイ(記録媒体受け取りトレイ)131を兼ねさせることもできる。
また、ユニットU2においては、記録媒体供給機構12におけるトレイ121は記録媒体排出トレイを兼ねるものとせず、記録媒体供給専用のトレイとしてもよい。
その場合、トレイ121の下方には複数のトレイ131aを設けてもよい。
【0080】
記録媒体排出(受け取り)専用のトレイ131aを複数段に設ける場合、それらをユーザー毎の受け取りトレイとすること、すなわち、所謂メールビン機能を持たせることが可能になってくる。この場合、1又は2以上の記録媒体受け取りトレイ131aには鍵等を掛けられるロック機構を設けてもよく、そうすることで機密書類排出トレイとして利用できる。
【0081】
図4は本発明に係る記録媒体搬送処理ユニットの他の例を示している。
図4に示すユニットU3は図1に示す画像形成装置10においてスイッチバック用の媒体搬送路を省略した画像形成装置10’に装着して使用できる。画像形成装置10’におけるその他の点は画像形成装置10と同じである。装置10における部品、部分等と同じ部品、部分等には装置10と同じ参照符号を付してある。
【0082】
記録媒体搬送処理ユニットU3は、図2に示すユニットU1において、記録媒体循環搬送機構11が記録媒体スイッチバック機構14を含むものである。
切り換え案内爪C5を下降位置に置くことで、定着装置8から出てそのまま第2排出口部D2から排出されてくる記録紙Sをそのまま排出搬送することができる。爪C5を上昇位置に置き、第2排出口部D2から排出されてくる記録紙Sをスイッチバック機構14へ導き、スイッチバックさせるとととも爪C5を下降位置においてガイド141に案内させて両面画像形成のために再供給口部101ヘ導くこともできる。
【0083】
ユニットU3のその他の点はユニットU1と実質同じ構成である。ユニットU1における部品、部分と同じものにはユニットU1と同じ参照符号を付してある。
【0084】
ユニットU3を装着した画像形成装置10’においても、スイッチバック機構を付設した記録媒体循環搬送機構11を用いて記録紙の両面に画像形成できる。
これから画像形成しようとする記録紙の供給を画像形成装置10’の記録紙供給部9からだけでなく、ユニットU3の追加記録媒体供給機構12からでも行える。
【0085】
さらに、ユニットU3を装着した画像形成装置10’においても、片面又は両面に画像形成した記録紙を、トレイTだけでなく、ユニットU3の記録媒体排出機構13のトレイ131(トレイ121)にでも排出できる。
【0086】
ユニットU3においても、追加記録媒体供給機構12における記録媒体供給トレイ12を複数設けてもよい。複数設ける場合、そのうち少なくとも一つに記録媒体排出機構の媒体排出トレイ(記録媒体受け取りトレイ)131を兼ねさせることもできる。
また、トレイ131についても複数個設けてもよい。
【0087】
以上説明したユニットU1、U2、U3は一体的に構成されているのでそれだけ使い易い。
また、ユニットU1、U2、U3によると、
(1)(a) 循環搬送機構11を利用して記録紙の両面に画像形成できるだけでなく、(b) 画像形成装置の記録紙供給部9とは別に追加記録媒体供給機構12から記録紙を画像形成部へ供給したり(例えば画像形成装置の記録紙供給部にて供給可能の記録紙とは異なるサイズの記録紙を供給したり、画像形成装置の記録紙供給部9にて供給できる枚数より多い枚数の記録紙を追加供給したり)、(c) 画像形成された記録紙を記録媒体排出機構13を利用して、画像形成装置の記録媒体排出トレイTとは別に受け入れることができ、これらによりユニットU1、U2、U3及びこれを装着した画像形成装置はユーザーにとって使い勝手がよい。
【0088】
(2)画像形成装置の排出トレイTの記録紙受入れ可能枚数より多い枚数の画像形成を行うときでも、排出トレイTの記録紙受入れ可能枚数を超えてくる枚数の記録紙については、定着装置8を通過してくるとそのまま、或いはスイッチバックさせて第2排出口部D2から排出することで記録媒体排出機構13に受け入れることができ、それにより画像生産性の低下を抑制できる。
【0089】
(3)図1に破線で示すように、或いは図3に示すように、画像形成装置の排出トレイTの上方に画像読取装置IRが配置される場合でも、例えば、排出トレイTの記録紙受入れ許容枚数をトレイTの上方空間に未だ余裕のあるように制限するとともに、その許容枚数を超える記録紙については第2排出口部D2から排出して記録媒体排出機構13に受け入れることができ、そうすることで、排出トレイT上方空間に定着装置8からの熱がこもり易くなることを抑制でき、熱のこもりによる記録紙の過度のカール発生、画像形成部上方部分の過度の加熱やそれに伴う画像不良の発生等の恐れを低減することができる。
また、記録媒体排出トレイTの記録媒体受入れ許容枚数をトレイ上方空間に未だ余裕があるように制限できることで、記録媒体排出トレイT上から記録紙Sを取り出し易くすることができる。
【0090】
以上説明した画像形成装置10、10’はサイクル型カラー画像形成装置であったが、タンデム型カラー画像形成装置等の他のカラー画像形成装置やモノクロ画像形成装置であっても要部縦配列形画像形成装置であれば本発明を適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、使い勝手がよく、多数枚の画像形成を画像生産性を低下させることなく行うことができ、たとえ画像形成部の上方に画像読取装置が配置される場合でも記録媒体排出トレイ上方空間での定着部からの熱のこもりを抑制して、該熱のこもりによる弊害を低減することができる記録媒体搬送ユニット及びこれを装着した画像形成装置を提供することに利用できる。
【符号の説明】
【0092】
10、10’ 画像形成装置
1 感光体
2 帯電器
3 画像露光装置
4 現像装置
5、65 クリーニング装置
6 中間転写ベルト
8 定着装置
D1 第1の記録媒体搬出口部
D2 第2の記録媒体搬出口部
101 再供給口部
C1、C2 切り換え案内爪
IR 画像読取装置
U1、U2、U3 記録媒体搬送処理ユニット
11 循環搬送機構
P1 循環搬送路
P11 搬送路P1の一部
P12 搬送路P1の残部
12 追加記録媒体供給部
121 記録媒体供給トレイ
P2 記録媒体搬送路
13 記録媒体排出機構
131、131a 記録媒体排出トレイ(記録媒体受け入れトレイ)
P3 媒体搬送路
P31 媒体搬送路P3の一部
P32、P33 媒体搬送路P3の残部
C3、C4 切り換え案内爪
14 スイッチバック機構
141 ガイド
C5 切り換え案内爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体供給部、該記録媒体供給部から供給される記録媒体にトナー像を形成する画像形成部及び該トナー像を該記録媒体に定着させる定着部が下から上へこの順序で配置されており、該画像形成部の上側に、該定着部を通過してきて第1排出口部から排出される記録媒体を受け取る記録媒体排出トレイが配置されており、前記第1排出口部の他に、該定着部を通過してきた記録媒体を画像形成装置側方へ排出するための第2排出口部及び該第2排出口部から排出される記録媒体を前記画像形成部へ下方から再供給するための再供給口部を備えている画像形成装置に装着して使用する記録媒体搬送処理ユニットであり、
前記画像形成装置への装着状態において、該画像形成装置の前記第2排出口部から排出されてくる記録媒体を前記再供給口部へ循環搬送するための循環搬送機構と、
前記画像形成装置への装着状態において、これから画像形成しようとする記録媒体を該画像形成装置の前記画像形成部へ供給するための追加記録媒体供給機構と、
前記画像形成装置への装着状態において、該画像形成装置の前記第2排出口部から排出されてくる記録媒体を受け取るための記録媒体排出機構とを含み、
前記画像形成装置に前記側方から下方へわたって装着できるように一体的に構成されていることを特徴とする記録媒体搬送処理ユニット。
【請求項2】
前記循環搬送機構は前記画像形成装置の第2排出口部から排出されてくる記録媒体を受け取って前記画像形成装置の再供給口部へ循環搬送するための媒体循環搬送路を含んでおり、前記記録媒体排出機構は前記画像形成装置の第2排出口部から排出されてくる記録媒体を受け取るトレイ及び該トレイへ記録媒体を搬送するための媒体搬送路を含んでおり、 前記循環搬送機構の媒体循環搬送路の一部は前記記録媒体排出機構の媒体搬送路の一部を兼ねている請求項1記載の記録媒体搬送処理ユニット。
【請求項3】
前記追加記録媒体供給機構はこれから画像形成しようとする記録媒体を配置する1又は2以上の記録媒体配置トレイを含んでおり、該記録媒体配置トレイのうち少なくとも一つは前記記録媒体排出機構の記録媒体受け取りトレイを兼ねている請求項2記載の記録媒体搬送処理ユニット。
【請求項4】
前記追加記録媒体供給機構はこれから画像形成しようとする記録媒体を配置する1又は2以上の記録媒体配置トレイを含んでおり、前記記録媒体排出機構の記録媒体受け取りトレイは該記録媒体配置トレイの下方に1又は2以上設けられている請求項2記載の記録媒体搬送処理ユニット。
【請求項5】
前記記録媒体配置トレイのうち少なくとも一つは前記記録媒体排出機構の記録媒体受け取りトレイを兼ねている請求項4記載の記録媒体搬送処理ユニット。
【請求項6】
記録媒体供給部、該記録媒体供給部から供給される記録媒体にトナー像を形成する画像形成部及び該トナー像を該記録媒体に定着させる定着部が下から上へこの順序で配置されており、該画像形成部の上側に、該定着部を通過してきて第1排出口部から排出される記録媒体を受け取る記録媒体排出トレイが配置されており、前記第1排出口部の他に、該定着部を通過してきた記録媒体を画像形成装置側方へ排出するための第2排出口部及び該第2排出口部から排出される記録媒体を前記画像形成部へ下方から再供給するための再供給口部を備えている画像形成装置であって、請求項1から5のいずれかに記載の記録媒体搬送処理ユニットを組み合わせたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−180044(P2010−180044A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26919(P2009−26919)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】