説明

設備機器

【課題】モータで発生する振動がファンに伝わることを抑えて、異音の発生を防ぐ設備機器を提供する。
【解決手段】設備機器としての浴室暖房換気乾燥機1Aは、回転する駆動軸20を有し、駆動軸20に回り止め部21が形成されたモータ2と、駆動軸20に挿入される軸穴部30及びボス31aの外側に形成されるリブ31bを有し、モータ2に回転駆動されるファン3と、駆動軸20の回り止め部21に挿入され、駆動軸20に対する回転を規制する第1の係止部40、及びファン3のリブ31bに接する平面部41aを有し、モータ2の駆動力をファン3に伝達する第2の係止部41を有した伝達部材4を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転駆動される回転駆動体を備えた設備機器に関する。
【背景技術】
【0002】
モータを動力源とした設備機器として、モータに回転駆動される回転駆動体としてファンを備えた送風装置がある。従来、モータの回転をファンに伝達する構造としては、モータの駆動軸とファンの軸穴部にDカットを設けて、ファンが駆動軸に対して空転しないようにした構成が用いられている。
【0003】
また、ファンのDカットされた軸穴部とモータの駆動軸との間に防振ゴムを入れて、モータの振動をファンに伝わりにくくした構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−049793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の構成では、モータの駆動軸の外周面とファンの軸穴部の内周面が接触して駆動力が伝達されるが、接触する部分は面ではなく線となるため、接触圧力が高くなりモータの振動がファンに伝わりやすく、ファンに伝わった振動が異音として発生するという問題があった。また、ファンのDカットされた軸穴部とモータの駆動軸との間に防振ゴムを入れる構成では、経年劣化で防振ゴムが変形し、モータの振動がファンに伝わりやすくなって、ファンに伝わった振動が異音として発生するという問題があった。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、モータ等の動力源で発生する振動が回転駆動体に伝わることを抑えて、異音の発生を防ぐ設備機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明は、回転する駆動軸を有し、駆動軸に回り止め部が形成された駆動手段と、駆動軸に挿入される軸穴部及び軸穴部の外側に形成される凸部を有し、駆動手段に回転駆動される回転駆動体と、駆動軸の回り止め部に挿入され、駆動軸に対する回転を規制する第1の係止部、及び回転駆動体の凸部に接する面部を有し、駆動手段の駆動力を回転駆動体に伝達する第2の係止部を有した伝達部材とを備えた設備機器である。
【0008】
本発明の設備機器では、駆動手段の駆動軸の回り止め部と、伝達部材の第1の係止部が接することで、駆動手段の駆動力が伝達部材に伝達される。伝達部材は、第2の係止部の面部が回転駆動体の凸部に面で接しているので、伝達部材の第2の係止部から駆動手段の駆動力が回転駆動体に伝達される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の設備機器によれば、伝達部材と回転駆動体が接触する箇所は、面同士で面積が広く、また、接触位置が回転の中心から離れているため、接触圧力が低くなり、駆動手段の振動が回転駆動体に伝わりにくくなる。これにより、駆動手段の振動が回転駆動体に伝わって、異音が発生することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】設備機器の実施の形態としての浴室暖房換気乾燥機の一例を示す要部分解斜視図である。
【図2】本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の一例を示す要部斜視図である。
【図3】本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の一例を示す要部平面図である。
【図4】本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の全体構成を示す側断面図である。
【図5】本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の動作例を示す側断面図である。
【図6】本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の設置例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の設備機器の実施の形態について説明する。本実施の形態では、駆動手段の一例としてモータを備え、回転駆動体の一例としてファンを備えた送風装置としての浴室暖房換気乾燥機を例に説明する。
【0012】
<本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の構成例>
図1は、設備機器の実施の形態としての浴室暖房換気乾燥機の一例を示す要部分解斜視図、図2は、本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の一例を示す要部斜視図、図3は、本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の一例を示す要部平面図である。
【0013】
また、図4は、本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の全体構成を示す側断面図、図5は、本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の動作例を示す側断面図、図6は、本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の設置例を示す構成図である。
【0014】
本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機1Aは、モータ2と、モータ2に回転駆動されるファン3と、モータ2の駆動力をファン3に伝達する伝達部材4を備え、モータ2の振動がファン3へ伝わることを低減する。
【0015】
モータ2は駆動手段の一例で、図4に示すように浴室暖房換気乾燥機1Aの本体ケース11に取り付けられる。モータ2は、ファン3が取り付けられる駆動軸20の先端側に、円周面の一部を平面として断面形状を略D型としたDカットと称される回り止め部21が形成される。また、モータ2は、駆動軸20の回り止め部21より先端側にネジ部22が形成される。更に、モータ2は、ファン3の軸方向の位置を規制するCリングやEリング等のリング23が駆動軸20に取り付けられる。
【0016】
ファン3は回転駆動体の一例で、例えば多翼の羽根車で構成され、モータ2の駆動軸20が挿入される軸穴部30が形成されるハブ31と、空気の流れを発生させる羽根部32を備える。
【0017】
ファン3は、ハブ31の中心部分の一の面に凸状のボス31aが形成され、軸穴部30がボス31aを貫通する。軸穴部30は、モータ2の駆動軸20の回り止め部21の形状に合わせて内周面の形状が略D型に形成される。これにより、モータ2の駆動軸20の回り止め部21の平面部分と、ファン3の軸穴部30の平面部分の向きを合わせて、モータ2の駆動軸20にファン3の軸穴部30が挿入されると、駆動軸20に対するファン3の空転が防止される。
【0018】
ファン3は、ハブ31の一の面とボス31aを繋ぐリブ31bが、軸穴部30の外側のボス31aの外周面の複数箇所、本例では4箇所に形成される。リブ31bは凸部の一例で、厚み方向の所定の一面あるいは両面に平面部31cが形成された三角形または四角形等の平板状で、ボス31aの外周面から放射方向に突出する。なお、リブ31bは、ハブ31とボス31aの接合部分を補強するために設けられる。
【0019】
伝達部材4は、モータ2の駆動軸20の回り止め部21に挿入される第1の係止部40と、ファン3のリブ31bに接する第2の係止部41を備える。伝達部材4は、本例では所定の形状の金属の板材が折り曲げられて構成され、ファン3のボス31aに被せられるような箱状に形成される。
【0020】
第1の係止部40は、伝達部材4の上面を貫通する内周面の形状が略D型の穴部、本例では、ファン3のボス31aに被せられる箱状部材の上面を貫通する穴部で構成され、モータ2の駆動軸20の回り止め部21の形状に合わせて、内周面の一部を平面として回り止め部40aが形成される。
【0021】
第2の係止部41は、伝達部材4の側面から外側に向けて突出し、ファン3のリブ31bの平面部31cに接触する所定の面積を有した平面部41aで構成される。第2の係止部41は、本例では、ファン3のボス31aに被せられる箱状部材の対向する二側面の一部を外側に折り曲げることで、伝達部材4の2箇所に形成される。
【0022】
伝達部材4は、モータ2の駆動軸20の回り止め部21の平面部分と、第1の係止部40の回り止め部40aの平面部分の向きを合わせて、モータ2の駆動軸に第1の係止部40が挿入されると、駆動軸20に対する回転が規制され、第2の係止部41の平面部41aがファン3のリブ31bの平面部31cに面同士で接するように、各部の形状及び寸法が設定されている。
【0023】
浴室暖房換気乾燥機1Aは、モータ2の駆動軸20に挿入され、伝達部材4が取り付けられたファン3を軸方向の両側から挟む2枚の緩衝部材24を備える。緩衝部材24は、金属板のワッシャで構成されるものであっても良い。また、モータ2の振動がファン3に伝達されることを低減するため、2枚の金属板のワッシャでリング状のゴム等の弾性部材を挟んで一体化した構成であっても良い。
【0024】
浴室暖房換気乾燥機1Aは、モータ2の駆動軸20に緩衝部材24、ファン3、伝達部材4、緩衝部材24の順で各部品が挿入され、伝達部材4が取り付けられたファン3が、軸方向の両側から緩衝部材24で挟まれる。ファン3と伝達部材4は、モータ2の駆動軸20の回り止め部21の平面部分と向きを合わせて挿入される。そして、駆動軸20のネジ部22に締結部材であるナット25が締結されることで、ファン3がモータ2の駆動軸20に固定される。これにより、伝達部材4は、モータ2の駆動軸20の回り止め部21に第1の係止部40が挿入されることで、駆動軸20に対する回転が規制され、かつ、第2の係止部41の平面部41aがファン3のリブ31bの平面部31cに面同士で接触した状態で、ファン3に固定される。そして、モータ2の駆動軸20が図3に示す矢印A方向に回転すると、駆動軸20と共に回転する伝達部材4の第2の係止部41の平面部41aで、ファン3のリブ31bの平面部31cが押され、モータ2の駆動力が伝達部材4でファン3に伝達される。
【0025】
次に、浴室暖房換気乾燥機1Aの全体構成及び設置例について、各図を参照して説明する。浴室暖房換気乾燥機1Aは、風路を形成するファンケース12とヒータ13を備える。ファン3は回転軸が縦向きに配置され、ファンケース12は、ファン3の軸方向に沿った下面が開口して吸込口12aが形成される。また、ファンケース12は、ファン3の円周方向の一の側方に排気口14が形成されると共に、下面に吹出口15が形成される。更に、ファンケース12は、吸込口12aから排気口14への風路と吹出口15への風路を切り替える風路切替ダンパ16を備える。
【0026】
風路切替ダンパ16は、図示しないダンパモータの駆動力がカム16aを介して伝達され、軸16bを支点に回転して開閉動作を行い、風路切替ダンパ16の位置によって、吸込口12aから排気口14への風路と吹出口15への風路が形成される。
【0027】
図5(a)では、風路切替ダンパ16を全開にした状態を示す。風路切替ダンパ16を全開にすると、吹出口15への風路が遮断され、吸込口12aから排気口14への換気風路14aが形成される。このため、風路切替ダンパ16が全開となる位置を風路切替ダンパ16の換気位置と称す。
【0028】
図5(b)では、風路切替ダンパ16を全閉にした状態を示す。風路切替ダンパ16を全閉にすると、排気口14への風路が遮断され、吸込口12aから吹出口15への循環風路15aが形成される。このため、風路切替ダンパ16が全閉となる位置を風路切替ダンパ16の循環位置と称す。
【0029】
図5(c)では、風路切替ダンパ16を循環位置と換気位置の中間位置にした状態を示す。風路切替ダンパ16を循環位置と換気位置の中間位置にすると、吸込口12aから吹出口15への循環風路15aと、吸込口12aから排気口14への換気風路14aの双方が形成される。この中間位置を分流位置と称す。
【0030】
ヒータ13は、例えばPTCヒータ等の電気ヒータが、吹出口15に取り付けられる。ここで、浴室暖房換気乾燥機1Aは、吸込口12aに図示しない温度センサを備えて、吸い込まれる空気の温度を検知できるようになっており、吸い込まれる空気の温度等に基づいて、ヒータ13のオンとオフが制御される。
【0031】
なお、浴室暖房換気乾燥機1Aは、複数の整流板と整流板の向きを変えるモータで構成され、風向が切り替えられる電動ルーバを吹出口15に備えても良い。また、ファンケース12に正イオンと負イオンの双方を発生するイオン発生装置を備えても良い。
【0032】
浴室暖房換気乾燥機1Aは、下面にフロントパネル18が取り付けられる。フロントパネル18は、ファンケース12の吸込口12aと対向して吸込グリル18aを備えると共に、吹出口15と対向して吹出グリル18bを備える。なお、フロントパネル18は、吸込グリル18aの内側に図示しないフィルタが交換可能に取り付けられる。
【0033】
浴室暖房換気乾燥機1Aは、排気口14に排気ダクトジョイント19を備える。浴室暖房換気乾燥機1Aは、図6に示すように、浴室101の天井に設置され、図示しない建物の外壁に取り付けられた排気グリル19aと、図4等に示す排気ダクトジョイント19が、排気ダクト19bで接続される。
【0034】
浴室101は、隣接する洗面脱衣所102との間が開閉可能な扉103で仕切られると共に、扉103に備えられたガラリ103aによって、洗面脱衣所102を介して他室の空気を浴室101へ吸い込めるようになっている。
【0035】
<本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の動作例>
次に、各図を参照して本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の動作例について説明する。浴室暖房換気乾燥機1Aは、洗面脱衣所102に設置される操作部104で操作され、運転モードに応じてモータ2が駆動されてファン3が回転する。ファン3が回転駆動されると、フロントパネル18の吸込グリル18aを介してファンケース12の吸込口12aから浴室101の空気BAが吸い込まれる。
【0036】
風路切替ダンパ16の位置が図5(a)に示す換気位置であると、ファンケース12において吸込口12aから排気口14への換気風路14aが形成されるので、フロントパネル18の吸込グリル18aを通り吸込口12aから吸い込まれた空気は、換気風路14a及び排気口14を通り、更に、排気ダクト19bを通って排気グリル19aから屋外へ排気される。
【0037】
これにより、換気運転モードでは、風路切替ダンパ16を換気位置として、モータ2が回転駆動され、浴室101内の湯気や湿気が排気される。また、浴室101内の空気が屋外に排気されると、ガラリ103aを通して洗面脱衣所102の空気RAが浴室101内に吸い込まれることで、他室の空気が洗面脱衣所102からガラリ103aを通って浴室101に吸い込まれ、屋外に排気される。
【0038】
従って、浴室暖房換気乾燥機1Aで換気運転モードを実行すると、図示しない建物の換気が行われ、所定の風量が得られるようにモータ2を常時駆動することで、建物の24時間換気が行われる。
【0039】
風路切替ダンパ16の位置が図5(b)に示す循環位置であると、ファンケース12において吸込口12aから吹出口15への循環風路15aが形成されるので、吸込口12aから吸い込まれた空気BAは、循環風路15aを通り吹出口15からフロントパネル18の吹出グリル18bを介して浴室101内に吹き出される。ヒータ13は吹出口15に配置されるので、ヒータ13に通電されることで、循環風路15aを通る空気が温められて、温風が吹出グリル18bから吹き出す。
【0040】
これにより、暖房運転モードでは、風路切替ダンパ16を循環位置として、モータ2が駆動されると共に、ヒータ13に通電され、浴室101内の空気を循環させながら、浴室101内に温風が吹き出される。
【0041】
なお、イオンモードとして、ヒータ13には通電せず、モータ2の駆動と連動させて略同数の正イオンと負イオンを発生させ、略同数の正イオンと負イオンを含む空気を送風することで、循環する空気に含まれる浮遊細菌と浴室101の空気中の浮遊細菌の双方を除去して、カビの発生等を抑えることができる。
【0042】
風路切替ダンパ16の位置が図5(c)に示す分流位置であると、ファンケース12において吸込口12bから吹出口15への循環風路15aと、吸込口12aから排気口14への換気風路14aの双方が形成されるので、吸込口12aから吸い込まれた空気は、一部は循環風路15aを通り吹出口15からフロントパネル18の吹出グリル18bを介して浴室101内に吹き出される。
【0043】
また、吸込口12aから吸い込まれた空気の残部は、換気風路14a及び排気口14を通り、更に、排気ダクト19bを通って排気グリル19aから屋外へ排気される。
【0044】
これにより、乾燥運転モード等では、風路切替ダンパ16を分流位置として、モータ2が駆動されると、ヒータ13が非駆動の場合は、浴室101内の空気を循環させながら、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
【0045】
また、ヒータ13に通電した場合は、浴室101内の空気を循環させて浴室101内に温風を吹き出しながら、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
【0046】
<本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機の効果例及び変形例>
上述したように、常時運転される24時間換気機能を備えた浴室暖房換気乾燥機1Aでは、モータ2が常時駆動されており、モータ2の振動がファン3に伝わって異音が発生すると、夜間等で環境が静かなときは、騒音に感じられることがある。
【0047】
本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機1Aでは、モータ2の駆動軸20の回り止め部21の平面部分と、伝達部材4の第1の係止部40の回り止め部40aの平面部分が接することで、モータ2の駆動力が伝達部材4に伝達される。
【0048】
伝達部材4は、第2の係止部41の平面部41aがファン3のリブ31bの平面部31cに面で接しているので、伝達部材4の第2の係止部41からモータ2の駆動力がファン3のリブ31bに伝達される。
【0049】
従来は、モータ2の駆動軸20の回り止め部21の平面部分と、ファン3の軸穴部30の平面部分が接することで、モータ2の駆動力がファン3に伝達される構成であるが、駆動軸20の外周面とファン3の軸穴部30の内周面が線で接する形態となるので、接触圧力が高く、モータ2の振動がファン3に伝わりやすい。
【0050】
これに対して、本実施の形態では、伝達部材4とファン3が接触する箇所は、平面同士で従来に比較して面積が広く、また、接触位置が従来に比較して回転の中心から離れているため、接触圧力が低くなり、モータ2の振動がファン3に伝わりにくくなる。これにより、モータ2の振動がファン3に伝わって、異音が発生することを防ぐことができる。また、従来と比較して接触圧力が低いため、運転を繰り返すことによる影響が小さく、経時変化で徐々に異音が大きくなる現象を防ぐことができる。
【0051】
更に、本例では、伝達部材4の対向する2箇所に形成されている第2の係止部41が、ファン3のボス31aの対向する2箇所の形成されたリブ31bと接することで、モータ2の駆動力をファン3に伝達するときに、偏りが生じないようにしている。
【0052】
本実施の形態の浴室暖房換気乾燥機1Aでは、ファン3に補強用として従来より形成されているリブ31bを利用して、伝達部材4で駆動力を伝達できる構成とした。このため、伝達部材4を追加すれば、従来からの装置で異音の発生を防ぐことができる。なお、モータ2の駆動力が伝達部材4で伝達されるので、ファン3の軸穴部30は、内周面の形状を略D型とせずに円筒形状としても良い。また、伝達部材4は、所定の形状の板材を折り曲げて構成した例で説明したが、プレス、鋳造、切削等で一体に構成しても良い。更に、伝達部材4の第2の係止部41とファン3のリブ31bの間に、ゴム等の弾性部材を挟み込む構成としても良い。
【0053】
ここで、浴室暖房換気乾燥機としては、循環ファンと換気ファンを備えて循環風路と換気風路が独立した構成等でも良い。また、送風装置としては、熱交換素子を備えた熱交換型の換気装置や、換気扇、空気清浄機、中間ダクトファン、空調装置等、回転駆動体としてファンを備えた他の送風装置でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、回転駆動される回転駆動体を備えた設備機器に適用される。
【符号の説明】
【0055】
1A・・・浴室暖房換気乾燥機、2・・・モータ、20・・・駆動軸、21・・・回り止め部、3・・・ファン、30・・・軸穴部、31・・・ハブ、31a・・・ボス、31b・・・リブ、31c・・・平面部、4・・・伝達部材、40・・・第1の係止部、40a・・・回り止め部、41・・・第2の係止部、41a・・・平面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する駆動軸を有し、前記駆動軸に回り止め部が形成された駆動手段と、
前記駆動軸に挿入される軸穴部及び前記軸穴部の外側に形成される凸部を有し、前記駆動手段に回転駆動される回転駆動体と、
前記駆動軸の前記回り止め部に挿入され、前記駆動軸に対する回転を規制する第1の係止部、及び前記回転駆動体の前記凸部に接する面部を有し、前記駆動手段の駆動力を前記回転駆動体に伝達する第2の係止部を有した伝達部材と
を備えたことを特徴とする設備機器。
【請求項2】
前記回転駆動体は、前記軸穴部が形成される凸状のボスの外周面から外側に向けて突出する平板状のリブが前記凸部として形成され、
前記伝達部材は、前記第2の係止部の前記面部が、前記リブの厚み方向の一面に形成された平面部に面で接触する
ことを特徴とする請求項1記載の設備機器。
【請求項3】
前記駆動手段はモータで、前記回転駆動体はファンである
ことを特徴とする請求項1または2記載の設備機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−106570(P2011−106570A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261953(P2009−261953)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】