説明

設定キーユニット、遊技機用基板ケース及び遊技機

【課題】 汎用性の高い設定キースイッチをユニット化して、再利用・交換可能とすることで、コストの低減を図りつつ、設定変更時の作業性を向上するとともに、不正な設定変更を抑止する。
【解決手段】遊技機を大当り当せん確率が設定変更可能な状態にする設定キースイッチ110を備える設定キーユニット11であって、キー操作に基づく設定キースイッチ110からの信号を伝送するとともに、主基板と着脱可能に接続される接続部と、設定キースイッチの鍵穴部110a以外と接続部を覆うとともに、設定キースイッチ110を支持するホルダー111と、鍵穴部110aを開閉可能に覆うカバー115と、当該設定キーユニット111を基板ケースに取り付ける取り付け構造(112,113a)と、を備える構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー操作に基づいて遊技機の大当り当せん確率を設定変更可能な状態にする設定キースイッチを備える設定キーユニットと、これを装着した遊技機用基板ケースと、この遊技機用基板ケースを備える遊技機に関し、特に、汎用性の高い設定キースイッチをユニット化して、再利用や交換可能とすることで、コストの低減を図りつつ、設定変更時の作業性と、不正な設定変更を抑止する設定キーユニットと、これを装着した遊技機用基板ケースと、この遊技機用基板ケースを備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機には、キー操作に基づいて大当り当せん確率を設定変更可能な状態にする設定キースイッチが設けられている。
設定キースイッチは、対応する設定キーを挿入・回転してオン状態としたまま、遊技機の電源を投入することで、大当り確率を変更可能な状態にすることができる電子キーとして構成され、通常、遊技機の電源を生成・供給する電源基板を収容する電源ボックスや、遊技機を制御する主基板を収容する基板ケースに内蔵されている。また、この設定キースイッチは、鍵穴部が開閉可能な所定のカバー部材で覆われるとともに、これらの電源基板や主基板に直接半田接合され、取り外すことができないようになっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−56187号公報(第20頁、第5図,第6図、第21頁、第図8,第図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のように、設定キースイッチを電源ボックスや基板ケースに内蔵させる方式では、以下のような弊害を生じさせていた。
例えば、設定キースイッチは、汎用部品であるにもかかわらず、電源基板や主基板に直接半田接合してしまうと、設定キースイッチに不具合が発生したときにはこれらの基板ごと交換しなければならず、交換費用が高くなるとともに、リサイクルすることが困難となっていた。
また、設定キースイッチの鍵穴部は、通常、外部からの異物の侵入を阻止するために、カバー部材で覆われているが、遊技場の管理者等が設定変更を行うときには、このカバー部材がキー操作の障害となり、作業性を低下させていた。
また、遊技機において設定キースイッチを前扉の開放される側に配置すると、前扉を僅かに開いただけで、キー操作が可能となってしまい、不正行為を誘発するおそれがあった。
【0005】
本発明は、以上のような問題を解決するために提案されたものであり、汎用性の高い設定キースイッチをユニット化して、再利用・交換可能とすることで、コストの低減を図りつつ、設定変更時の作業性を向上するとともに、不正な設定変更を抑止できる設定キーユニットと、これを装着した遊技機用基板ケースと、この遊技機用基板ケースを備える遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の設定キーユニットは、遊技機の大当り当せん確率を設定変更可能な状態にする設定キースイッチを備える設定キーユニットであって、キー操作に基づく設定キースイッチからの信号を伝送するとともに、所定の回路基板と着脱可能に接続される接続部と、設定キースイッチの鍵穴部以外と前記接続部を覆うとともに、設定キースイッチを支持するホルダーと、設定キースイッチの鍵穴部を開閉可能に覆うカバーと、当該設定キーユニットを遊技機内の所定の部位に取り付ける取り付け構造と、を備える構成としてある。
【0007】
また、本発明の遊技機用基板ケースは、設定キースイッチからの信号に基づいて大当り当せん確率を設定変更可能な状態に制御する主基板が収容された遊技機用基板ケースであって、前記設定キースイッチを備える設定キーユニットが装着され、前記設定キーユニットを請求項1〜4のいずれか一項に記載の設定キーユニットとしてある。
【0008】
また、本発明の遊技機は、設定キースイッチからの信号に基づいて大当り当せん確率を設定変更可能な状態に制御する主基板が収容された遊技機用基板ケースを備える遊技機であって、前記遊技機用基板ケースを請求項5記載の遊技機用基板ケースとしてある。
【発明の効果】
【0009】
本発明の設定キーユニットと、これを装着した遊技機用基板ケースと、この遊技機用基板ケースを備える遊技機によれば、汎用性の高い設定キースイッチをユニット化することで、コストの低減を図りつつ、設定変更時の作業性を向上するとともに、不正な設定変更を抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る遊技機用基板ケースの正面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る設定キーユニットの斜視図であり、(a)は、カバーを閉じた状態を示す図であり、(b)は、カバーを開いた状態を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る設定キーユニットの断面図であり、(a)は、カバーを閉じた状態を示す図であり、(b)は、カバーを開いた状態を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る設定キーユニットの組立斜視図であり、設定キースイッチをホルダーに取り付ける図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る設定キーユニットを基板ケースに装着する組立斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の設定キーユニットと、これを装着した遊技機用基板ケースと、この遊技機用基板ケースを備える遊技機の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
遊技機には、パチンコ機、スロットマシン、アレンジボール、雀球など様々な機類があるが、本実施形態では、メダルを遊技媒体とするスロットマシンに、本発明の設定キーユニットと、これを装着した遊技機用基板ケースを適用した場合について説明する。
【0012】
図1、図2に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、複数のリール71a,71b,71cを回転させることによって遊技媒体(メダル)を獲得することができるとともに、予め6段階に分けて設定された大当りの抽せん確率をいずれかの段階に設定変更可能な設定確率変更機能を備える回胴式遊技機である。
スロットマシン1は、必要な機械、装置等を収納する正面側が開口した筐体1bと、筐体1bの正面側を開閉可能に覆う前扉1aとで構成されている。
前扉1aは、筐体1bにヒンジ1cを介して開閉可能に取り付けられる扉体で、この前扉1aに、メダルを投入するメダル投入口2、各リール71の回転を始動させるスタートレバー3や、回転している各リール71を停止させる3つの停止ボタン4a〜4c、押下操作により内部記憶(クレジット)されたメダルをゲームに投入するMAXBETボタン5aと1BETボタン5bなどの複数の操作手段や、払出メダル数と、設定確率が変更可能な状態において、いずれかの段階(1〜6)を表示する払出枚数表示部6などが設けられて、スロットマシン1の正面部を構成している。
また、前扉1aの裏面には、設定確率が変更可能な状態において、6段階に分かれた抽せん確率のうちいずれかの段階を選択可能な選択スイッチが設けられ、払出枚数表示部6に表示されたいずれかの段階を視認しつつ、設定確率を選択できるようになっている(不図示)。
【0013】
筐体1bの中央には、リール71a,71b,71cと、各リー71を回転可能に支持する図示しないモータ及び回転位置を検出するセンサ等が設けられている。
また、筐体1bの下部には、メダルの貯留・払出しを行うメダル払出装置8と、電源を生成・供給する電源ボックス9が設けられ、筐体1bの後面上部には、基板ケース10が取り付けられている。
【0014】
基板ケース10には、上記の各操作手段からの信号に基づき、各リール71、メダル払出装置8などの各装置を制御することで、スロットマシン遊技の進行制御を行う、いわゆる主基板10aが収容されるとともに、キー操作によって設定確率が変更可能な状態にする設定キースイッチ110を備える設定キーユニット11が装着されている。
基板ケース10は、無色透明な工業用樹脂(例えば、ポリカーボネート)で形成された二つのケースを備え、主基板10aはこれらのケースの間に挟まれるように収容されている。
【0015】
主基板10aは、CPU(中央演算処理装置)、ROM及びRAMなどの記憶手段、I/OインターフェイスなどのIC部品、抵抗、コンデンサ、トランジスタなどを備えるコンピュータとして構成されている。
ROMには、スロットマシン1を制御する制御プログラムやデータが記憶され、このデータには、ゲーム毎に行われる内部抽せんにおいて、乱数と比較される大当り抽せんデータテーブルが設定されている。
【0016】
大当り抽せんデータテーブルは、大当りとなるボーナス役、メダルが払出される小役、メダルを投入することなく次回遊技可能となる再遊技役(リプレイ)、ハズレなどの抽せん対象の当せん範囲が数値化されたデータテーブルで、スタートレバー3操作のタイミングで取得される乱数と比較され、この乱数の属する当せん範囲の抽せん対象に当せんするようになっている。すなわち、各抽せん対象の当せん範囲を変えることで、各抽せん対象の当せん確率が変化するデータテーブルとなっている。
本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス役や小役などの当せん範囲(抽せん確率)が異なる6つの大当り抽せんデータテーブルがROMに記憶され、主基板10aが、電源投入時において設定キースイッチからのオン信号を受信すると、設定確率を変更可能な状態とする。この状態で、前述の選択スイッチを操作することで、任意のデータテーブルを選択できるとともに、スタートレバー3を操作することにより、選択した設定確率への変更が決定され、さらに設定キースイッチをオフに戻すことで、以後この選択された大当り抽せんデータテーブルが内部抽せん時の参照テーブルとして用いられる。
【0017】
このような構成からなるスロットマシン1は、主基板10aにより、以下のように制御されてスロットマシン遊技が進行する。
まず、遊技者によりメダル投入口2からメダルが投入され、スタートレバー3が操作されると、主基板10aは、各リール71を回転させる制御を行うとともに、設定された大当り抽せんデータテーブルを参照してボーナスや小役等を抽せんする内部抽せんを行い、各停止ボタン4が押下操作されたタイミングに基づき、当せん結果に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール71の停止制御を行う。
また、主基板10aは、各リール71に停止表示される図柄の組合せを判定し、所定の図柄の組合せのときには、メダル払出装置8に対して所定数のメダルを払い出させる制御を行う。
【0018】
設定キーユニット11は、図3に示すように、基板ケース10の左側に装着され、キー操作によって主基板10aにオン信号を出力するスイッチであって、このオン信号に基づいて主基板10aを設定変更可能な状態にする設定キースイッチ110を備えている。
このように設定キーユニット11を基板ケース10の左側に装着することで、基板ケース10を筐体1b後面に取り付けた状態では、図2に示すように、設定キーユニット11がヒンジ1c側に配置される。
これにより、設定キースイッチ110を操作するためには、前扉1aを大きく開放しなければならないため、前扉1aを僅かに開放して行う不正行為を排除することができる。
【0019】
設定キーユニット11は、図4に示すように、設定キースイッチ110を覆うカバー構造を有し、無色透明な工業用樹脂(例えば、ポリカーボネート)で形成されている。
具体的には、設定キーユニット11は、キー操作に基づく設定キースイッチ110からの信号を伝送するとともに、主基板10aと着脱可能に接続される接続部と、設定キースイッチ110の鍵穴部110a以外と接続部を覆うとともに、設定キースイッチ110を支持するホルダー111と、設定キースイッチ110の鍵穴部110aを開閉可能に覆うカバー115と、設定キーユニット11を基板ケース10に取り付ける取り付け構造と、を備えている。
以下、設定キーユニット11の各部の詳細について、図4〜図7を参照して説明する。
【0020】
ホルダー111は、図4に示すように、設定キースイッチ110の鍵穴部110a以外を覆うスイッチ被覆部111aと、主基板10aとのコネクタ接続部を覆うコネクタ被覆部111bとが滑らかに繋がるドーム状に形成され、ガイドリブ112、固定リブ113、ヒンジ部114を備えている。
固定リブ113には、固定孔113aが形成され、ガイドリブ112とともに、設定キーユニット11を基板ケース10に取り付けるための取り付け構造として構成されている(図7参照)。
ヒンジ部114は、スイッチ被覆部111aの側面111eから突出した部位で、カバー115に凸設された軸部115bを回動可能に支持する軸受孔(不図示)と、回動する軸方向と直交する方向に弾性変形する板バネ114aとを備えている。
【0021】
カバー115は、鍵穴部110aを覆う蓋材であり、軸部115bを中心に回動して開閉動作を行う。カバー115は、開閉操作のために摘む把手115aと、軸部115bを中心に形成されたカム115cとを備えている。
カム115cは、カバー115とともに回動するカムであり、図5に示すように、軸部115bと最も近接した部位である、スイッチ被覆部111a(側面111eと上面111cとの境界付近)との距離(半径R)に対して大きい半径となる当接部115cAと、ほぼ同じ半径となる非当接部115cBとが滑らかに繋がる形状を有している。
当接部115cAは、閉状態から開状態の間に亘り、スイッチ被覆部111aに当接するように形成され、非当接部115cBは、スイッチ被覆部111aにほぼ非当接となるように形成されている。
このように構成されたカム115cと板バネ114aにより、カバー115は、外力を加えない限り、開状態又は閉状態のいずれかの状態を保持することができるようになっている。
【0022】
具体的には、図5(a)に示すように、カバー115が閉状態のときに、把手115aを摘んでA方向に外力を加えると、当接部115cAがカバー115の回動を妨げ、加えられる外力が小さいときには、カバー115を閉状態に保持するように作用する。
さらに、A方向に外力を加えると、当接部115cAがスイッチ被覆部111aに当接することにより軸部115bが上昇し、この軸部115bを支持する板バネ114aを軸方向と直交するY方向に弾性変形させることで、図5(b)に示すように、カバー115を開状態にすることができる。
【0023】
カバー115は、この開状態で、自重によってB方向に回動しようとする。ところが、当接部115cAがスイッチ被覆部111a(側面111eと上面111cとの境界付近)に当接するため、当接部115cAがカバー115を開状態に保持するように作用する。
設定確率を変更する際に行われるキー操作は、この開状態で行うことができ、カバー115がB方向に回動しないため、キー操作を妨げることはない。
さらに、B方向に外力を加えると、当接部115cAがスイッチ被覆部111aに当接することにより軸部115bが上昇し、この軸部115bを支持する板バネ114aを軸方向と直交するY方向に弾性変形させることで、図5(a)に示すように、カバー115を閉状態にすることができる。
【0024】
このように、カバー115とともに回動し、閉状態から開状態の間に亘り、スイッチ被覆部111aに当接するカム115cを設けることで、外力を加えない限り、カバー115を開状態又は閉状態のいずれかの状態に保持することができるようになっている(開閉保持構造)。
さらに、軸部115bを板バネ114aで支持することで、板バネ114aが弾性変形することにより、当接部115cAとスイッチ被覆部111aとの当接を回避させることができ、カバー115を開閉させることができる。
これにより、遊技場の管理者等が設定変更を行うときには、このカバー115を閉状態から開状態にするとともに、カバー115が障害となることなく開状態のままキー操作を行った後、再び閉状態にすることができる。そして、これら一連の開閉操作を片手で行うことができ、設定変更時の作業性を向上させることができる。
【0025】
設定キースイッチ110は、鉄などの導電体で形成され、図6に示すように、設定キーが挿入される鍵穴部110aと、ネジ溝が形成されたシリンダ部110bと、キー操作に基づく信号を出力するリード部110cを備えている。
設定キースイッチ110は、ホルダー111の上面111cに形成された開口部111dに挿入されるとともに、ナット117をシリンダ部110bに螺入してホルダー111に螺着される。
ワッシャ118と導電体で形成されたアース端子116は、ナット117とともに、友締めされ、アース端子116は、図4に示すように、スイッチ被覆部111a(側面111e)から突出するように取り付けられる。
【0026】
アース端子116は、所定のアース線と接続されて、接地されるようになっている。これにより、キー操作に際して人体に帯電した静電気をこのアース端子116を介して逃がすことができ、主基板10aへの静電気の侵入を防止することができる。
また、リード部110cは、所定のケーブルと半田接合され、その先端には、主基板10aと接続されるコネクタが設けられている(不図示)。
これにより、設定キースイッチ110は主基板10aと電気的に接続され、対応する設定キーを挿入・回転してオン状態としたまま、電源ボックス9に設けられた電源スイッチ9aをオン(電源投入)することで、主基板10aにオン信号が入力され、大当り確率を変更可能な状態とすることができる。
これらの図示しないケーブルとコネクタは、コネクタ被覆部111bにより覆われ、外部から操作できないようになっている。
【0027】
このように構成された設定キーユニット11は、基板ケース10に以下のように装着される。
基板ケース10には、図7に示すように、設定キーユニット11を装着するユニット装着部10bを形成してある。
ユニット装着部10bには、基板ケース10左側面から突出するL字状に形成されたガイド部101と、設定キーユニット11を装着した状態で、固定孔113aと連通する固定孔102と、シリンダ部110bを囲む囲いリブ103と、主基板10aに設けられたコネクタ104と、が形成されている。
【0028】
設定キーユニット11のユニット装着部10bへの装着は、まず、リード部110cとケーブルを介して繋がる図示しないコネクタをコネクタ104に接続するとともに、シリンダ部110bを囲いリブ103に挿入する。
さらに、ガイドリブ112上面がガイド部101下面に当接するように、L字に案内されてスライド挿入するとともに、この状態で連通する固定孔113aと固定孔102に所定のネジを螺入することで、設定キーユニット11をユニット装着部10bに装着することができる。
このように、設定キーユニット11は、コネクタの接続とネジ一本で基板ケース10に着脱することができるため、再利用や交換が容易にでき、コストの低減を図ることができる。
【0029】
また、設定キースイッチ110に設けられた、リード部110cと、これと繋がるケーブル及びコネクタと、主基板10aに設けられたコネクタ104とからなる接続部は、シリンダ部110も含め、ホルダー111によって覆われるため、異物を侵入させて直接リード部110cやコネクタ104を操作する不正行為を排除することができる。
さらに、設定キーユニット11を装着した基板ケース10は、筐体1b上部に配置されるため、筐体1b下部に配置されている電源スイッチ9aと離間させることができる(図2参照)。一般的なスロットマシンでは、設定キースイッチ110は電源ボックス9に設けてあり、電源スイッチ9aと近接しているが、このように離れて配置することで、同時に操作することが困難となるため、不正な設定変更を抑止することができる。
【0030】
以上説明したように、本実施形態に係る設定キーユニット11と、これを装着した基板ケース10と、この基板ケース10を備えるスロットマシン1によれば、汎用性の高い設定キースイッチ110をユニット化することで、コストの低減を図りつつ、設定変更時の作業性を向上するとともに、不正な設定変更を抑止できる。
【0031】
以上、本発明の設定キーユニットと、これを装着した遊技機用基板ケースと、この遊技機用基板ケースを備える遊技機について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る設定キーユニットと、これを装着した遊技機用基板ケースと、この遊技機用基板ケースを備える遊技機は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0032】
例えば、本実施形態では、設定キーユニットと、これを装着した遊技機用基板ケースをスロットマシンに適用したが、パチンコ機、スロットマシン、アレンジボール、雀球などの様々な遊技機に適用することができる。
また、本実施形態では、設定キーユニットを主基板を収容する基板ケース1に装着したが、電源基板を収容する電源ボックスや、スピーカやランプ等を制御する演出用の基板であるサブ基板を収容する基板ケースに装着することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、設定キースイッチを備える遊技機に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 スロットマシン
10 基板ケース
10a 主基板
10b ユニット装着部
11 設定キーユニット
110 設定キースイッチ
110a 鍵穴部
110b シリンダ部
110c リード部
111 ホルダー
112 ガイドリブ(取り付け構造)
113 固定リブ(取り付け構造)
113a 固定孔(取り付け構造)
114 ヒンジ部
114a 板バネ(弾性支持部)
115 カバー
115a 把手
115b 軸部
115c カム
116 アース端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の大当り当せん確率を設定変更可能な状態にする設定キースイッチを備える設定キーユニットであって、
キー操作に基づく設定キースイッチからの信号を伝送するとともに、所定の回路基板と着脱可能に接続される接続部と、
設定キースイッチの鍵穴部以外と前記接続部を覆うとともに、設定キースイッチを支持するホルダーと、
設定キースイッチの鍵穴部を開閉可能に覆うカバーと、
当該設定キーユニットを遊技機内の所定の部位に取り付ける取り付け構造と、を備えることを特徴とする設定キーユニット。
【請求項2】
外力を加えない限り、前記カバーを閉状態又は開状態のいずれかの状態に保持する開閉保持構造を備える請求項1記載の設定キーユニット。
【請求項3】
前記開閉保持構造は、
前記カバーを回動可能に支持する軸部と、
前記カバーとともに回動し、閉状態から開状態の間に亘り、所定の部位に当接してカバーの回動を妨げるカムと、
前記軸部を支持し、前記軸部の軸方向と直交する方向に弾性変形する弾性支持部と、を備える請求項2記載の設定キーユニット。
【請求項4】
前記設定キースイッチを導電体で形成し、この設定キースイッチに所定のアース端子を取り付けた請求項1〜3のいずれか一項に記載の設定キーユニット。
【請求項5】
設定キースイッチからの信号に基づいて大当り当せん確率を設定変更可能な状態に制御する主基板が収容された遊技機用基板ケースであって、
前記設定キースイッチを備える設定キーユニットが装着され、
前記設定キーユニットは、請求項1〜4のいずれか一項に記載の設定キーユニットであることを特徴とする遊技機用基板ケース。
【請求項6】
設定キースイッチからの信号に基づいて大当り当せん確率を設定変更可能な状態に制御する主基板が収容された遊技機用基板ケースを備える遊技機であって、
前記遊技機用基板ケースは、請求項5記載の遊技機用基板ケースであることを特徴とする遊技機。
【請求項7】
正面側が開口され、前記遊技機用基板ケースが収容される筐体と、
この筐体にヒンジを介して開閉可能に取り付けられた扉体と、を備え、
前記遊技機用基板ケースを筐体後面に取り付けるとともに、
前記設定キーユニットを前記遊技機用基板ケースの前記ヒンジ側に装着した請求項6記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−78674(P2011−78674A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234996(P2009−234996)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】