試料取出装置および試料取出アタッチメント
【課題】顕微分析される試料の採取を簡易化する。
【解決手段】試料取出装置は、ユーザ8により把持される把持部材14と、前記把持部材14に対して固定され、画像を撮像する撮像部材21と、前記把持部材14に対して固定された取出部材ホルダと、顕微分析される試料を取り出す試料取出部56bを有し、前記取出部材ホルダに支持され且つ、前記試料取出部56bが前記撮像部材21の焦点位置に配置された取出部材56と、前記撮像部材21に電気的に接続され、撮像された画像を表示する画像表示器12と、を備える。
【解決手段】試料取出装置は、ユーザ8により把持される把持部材14と、前記把持部材14に対して固定され、画像を撮像する撮像部材21と、前記把持部材14に対して固定された取出部材ホルダと、顕微分析される試料を取り出す試料取出部56bを有し、前記取出部材ホルダに支持され且つ、前記試料取出部56bが前記撮像部材21の焦点位置に配置された取出部材56と、前記撮像部材21に電気的に接続され、撮像された画像を表示する画像表示器12と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学顕微鏡や電子顕微鏡、赤外顕微鏡、ラマン顕微鏡等の顕微分析装置で顕微分析が行われる試料を取り出すための試料取出装置および試料取出アタッチメントに関し、特に、微小な試料を取り出すマイクロサンプリングに好適に使用可能な試料取出装置および試料取出アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウェハ等の表面に付着したゴミや異物を検査、分析するために、ゴミや異物等の試料をウェハから採取する試料採取装置が知られている。このような試料採取装置として、光学顕微鏡と組み合わせて使用される試料採取装置に関して、下記の特許文献1記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1(特開2002−162321号公報)には、試料を観察する光学顕微鏡(M)の対物レンズに対して、所定の位置に固定される固定枠(1)に、上下方向に移動可能に支持された試料採取針(23)により、光学顕微鏡(M)の試料ステージに支持された試料を引っ掛けて取り出す試料採取装置に関する技術が記載されている。また、特許文献1には、試料採取針(23)は、試料を引っ掛ける試料採取位置では、試料採取針(23)の先端が光学顕微鏡(M)の焦点位置に配置されるが、上方に移動した待機位置では焦点からずれている。そして、特許文献1記載の技術では、最初は試料採取針(23)を焦点位置からずれた待機位置に保持しておき、試料ステージを移動させながら光学顕微鏡(M)で観察して、焦点位置にゴミや異物等の試料が見つかったときに、試料採取針(23)を焦点位置に対応する試料採取位置に移動させて試料を引っ掛け、その後待機位置に移動させることで、試料を採取している。特許文献1記載の技術で採取された試料は、高倍率の光学顕微鏡や電子顕微鏡、赤外線顕微鏡等で、詳細に観察、検査、分析等が行われる。
【0004】
図14は従来の試料採取方法の説明図である。
特許文献1記載の技術のように、詳細に分析等を行う電子顕微鏡等と、試料を採取するための光学顕微鏡と、の2つの顕微鏡を使用する大がかりなシステムを使用せず、試料の採取を簡易に行うために、従来は、図14に示す方法も広く採用、実行されている。
図14において、実験室のテーブル01には、詳細な分析を行うための顕微鏡02が配置されている。前記顕微鏡02には、試料がセットされる試料ステージ02aを有する。前記テーブル01には、試料付着物の一例としてのウェハ03が支持されており、前記ウェハ03には、試料の一例としてのホコリやゴミ等の異物が付着している。前記試料の検査を行うユーザ04は、試料採取針06と、ウェハ03上の試料を拡大して観察するための拡大鏡(いわゆる虫眼鏡)07とを両手に持っている。
図14に示すシステムでは、ユーザ04は、左手の拡大鏡07でウェハ03を拡大して観察しながら、ウェハ03に付着した試料を見つけ、右手の試料採取針06で試料を採取し、採取した試料を試料プレート08に載せ、それを試料ステージ02aにセットして、顕微鏡02で検査する。
【0005】
【特許文献1】特開2002−162321号公報(「0028」、「0034」〜「0035」、図1、図9、図10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(従来技術の問題点)
前記特許文献1記載の技術では、試料の取出のために顕微鏡で観察を行うため、試料の取出作業が精緻で手間がかかり、簡易に試料の取出が行えないという問題がある。また、試料取り出し用の顕微鏡と分析用の顕微鏡のように、複数の顕微鏡が必要となり、システム全体として大がかりになると共にコストが高くなる問題もある。また、試料の取出に光学顕微鏡を使用しているため、ウェハのように試料付着物が試料ステージに載らないような大きなものである場合には、使用困難であるという問題がある。さらに、特許文献1記載の技術では、光学顕微鏡が設置された実験室等では試料の採取が可能であるが、例えば、交通事故現場等の実験室外で微小な試料の採取を行おうとする場合では、顕微鏡を持ち出し、セットすることが面倒であり、試料の採取が容易ではないという問題もある。
【0007】
図14に記載の従来技術では、特許文献1記載の技術に比べて、簡易且つ低コストに試料の採取を行うことができるが、拡大鏡07で観察しながら試料採取針06で試料を採取する場合、まず、拡大鏡07の焦点位置を試料にあわせる必要があり、次に試料に試料採取針06の先端を接触させて採取する必要がある。一見、この作業は容易であると考えられるが、実際に行う場合、拡大鏡07による像の拡大で遠近感がずれるため、試料採取針06の先端を試料の位置にあわせたつもりでも、なかなか試料に試料採取針06の先端をあわせることが難しく、作業者の慣れ、熟練を要するという問題があった。
【0008】
本発明は、前述の事情に鑑み、顕微分析される試料の採取を簡易化することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の試料取出装置は、
ユーザにより把持される把持部材と、
前記把持部材に対して固定され、画像を撮像する撮像部材と、
前記把持部材に対して固定された取出部材ホルダと、
顕微分析される試料を取り出す試料取出部を有し、前記取出部材ホルダに支持され且つ、前記試料取出部が前記撮像部材の焦点位置に配置された取出部材と、
前記撮像部材に電気的に接続され、撮像された画像を表示する画像表示器と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の試料取出装置において、
円筒形状且つ筆記具状の前記把持部材と、
前記把持部材内部に収容されて固定された前記撮像部材と、
前記撮像部材の光軸上に配置され、且つ前記撮像部材に支持されることで把持部材に対して固定され、撮像する倍率を設定、かつ焦点位置調整可能な光学系と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の試料取出装置において、
針状に構成され、前記試料を採取することで取り出す前記試料取出部、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の試料取出装置において、
刃状に構成され、前記試料を切削して取り出す前記試料取出部、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の試料取出装置において、
ピンセットにより構成され、前記試料を摘んで取り出す前記試料取出部、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の試料取出装置において、
前記焦点位置を照明する照明部材を有する前記試料取出部、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
前記技術的課題を解決するために、請求項7に記載の発明の試料取出アタッチメントは、
画像を撮像する撮像部材が固定され且つユーザにより把持される把持部材に対して、着脱可能に固定された取出部材ホルダと、
顕微分析される試料を取り出す試料取出部を有し、前記取出部材ホルダに支持され且つ、前記試料取出部が前記撮像部材の焦点位置に配置された取出部材と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、顕微分析される試料を取り出す試料取出部が撮像部材の焦点位置に配置されているため、撮像部材で観察する位置と試料取出部との遠近感のずれをなくすことができ、顕微分析される試料の採取を簡易化することができる。
請求項2に記載の発明によれば、光学系で拡大して撮像することができ、微小な試料を取り出すことができる。
請求項3に記載の発明によれば、針状の試料取出部の先端に試料を付着、採取することで取り出すことができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、刃状の試料取出部で、試料を切削することで取り出すことができる。
請求項5に記載の発明によれば、ピンセットにより構成された試料取出部で試料を摘んで取り出すことができる。
請求項6に記載の発明によれば、焦点位置を照明することができる。
請求項7に記載の発明によれば、試料取出アタッチメントを把持部材に取り付けられた状態で、顕微分析される試料を取り出す試料取出部が撮像部材の焦点位置に配置されているため、撮像部材で観察する位置と試料取出部との遠近感のずれをなくすことができ、顕微分析される試料の採取を簡易化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0019】
図1は本発明の実施例1の試料取出装置を使用した試料取出方法の説明図である。
図2は図1の試料取出装置の要部拡大図である。
図1において、実施例の試料検査システムSでは、テーブル1上に顕微分析装置2が配置されている。実施例1では、前記顕微分析装置2の一例としての顕微ラマン分光光度計が使用されている。前記顕微分析装置2は、分析装置本体3と、分析装置本体3の下部に配置された試料ステージ4と、試料ステージ4の上方に配置されて複数の対物レンズ5aを切り替え可能な対物レンズ切替部5とを有する。また、前記分析装置本体3は、測定した情報(データ)を処理する情報処理装置の一例としてのコンピュータ装置PCに接続されており、コンピュータ装置PCは、コンピュータ本体H1、ディスプレイ(表示器)H2、入力装置(キーボードH3およびマウスH4)等を有する。
図1、図2において、テーブル1上には、顕微分析装置2で顕微分析がされるゴミや異物等の試料が付着した試料付着部材の一例としてのウェハWが置かれている。前記ウェハWに付着した試料は、ユーザ8が試料取出装置11を使用して取り出す。取り出された試料は、試料プレート7に移され、分析装置本体3の試料ステージ4に保持され、顕微分析が行われる。
【0020】
図2において、実施例1の試料取出装置11は、電源を供給する電源ケーブル12aが接続された画像表示器12と、画像表示器12から電源供給および画像信号の送受信を行う接続ケーブル13aで画像表示器12と接続された取出装置本体13と、を有する。
前記画像表示器12は、表示画面12bと、表示画面12bを支持するスタンド(立て掛け台)12cと、電源オン・オフや表示画像の輝度等の調整を行う各種入力ボタン12dと、を有する。
【0021】
図3は実施例1の取出装置本体の要部断面説明図であり、図3Aは要部を断面とした側面図、図3Bは図3AのIIIB−IIIB線断面図である。
図4は取出装置本体の分解説明図である。
図2〜図4において、前記取出装置本体13は、ユーザ8が把持する円筒状の把持部材14を有する。実施例1の把持部材14は、筆記具形状をしており、ペンを持つように把持することで操作可能に構成されている。前記把持部材14には、円筒の軸方向に延びるケーブル通過部14aが形成されており、把持部材14の前部には撮像部材収容凹部14bが形成されている。
【0022】
図3、図4において、前記撮像部材収容凹部14bには、撮像部材21が収容された状態で固定支持されている。実施例1の撮像部材21は、CCD(Charge Coupled Device、電荷結合素子)カメラユニットにより構成されている。
前記撮像部材21は、撮像部材収容凹部14bに収容される後部の撮像部材本体22と、前記撮像部材本体22の前側に形成されたアタッチメント取付部24と、を有する。
【0023】
前記撮像部材本体22は、内部に図示しない電源回路や撮像した画像を画像表示器12で表示する画像に変換する電気回路等が収容されている。前記撮像部材本体22の後端(−X端)からは前記ケーブル通過部14aを貫通してケーブル13aが引き出されている。
前記アタッチメント取付部24は、外表面にアタッチメント取付面24aが形成されている、前記アタッチメント取付部24の内部には、前端から軸方向に延び且つ内周面にネジ溝が形成された保持部材装着用凹部24bが形成されている。前記保持部材装着用凹部24bの奥には、撮像素子の一例としてのCCD素子22aが配置されている。
【0024】
図3、図4において、前記撮像部材21の前側には、レンズ保持部材26が支持されている。前記レンズ保持部材26の後部には、前記保持部材装着用凹部24bに対応する外径を有し、外周面にネジ溝が形成された被装着部26aが形成されている。前記被装着溝部26aには、内周面に噛み合うネジ溝27aが形成されたネジリング27が装着されている。したがって、レンズ保持部材26には、ネジリング27が装着された状態で保持部材装着用凹部24bにネジ込むことでネジ込む位置を調整すると共に、いわゆる二重ナット方式でネジ込まれた位置で固定、緩み止めをしている。
前記レンズ保持部材26には、レンズ保持部材26の中心軸方向に延びるレンズ装着用貫通孔26cが形成されている。前記レンズ保持部材26の前端部には、外表面からレンズ装着用貫通孔26cまで延びるレンズ固定用ネジ孔26dが形成されている。
【0025】
図3、図4において、前記レンズ保持部材26の前側には、レンズユニット31が支持されている。前記レンズユニット31は、全体が略円筒形状に形成されており、後部に前記レンズ装着用貫通孔26cに収容される被収容部31aが形成されている。前記レンズユニット31の中央部には、レンズ保持部材26の前端縁に突き当てられて位置決めするためのリング状のレンズ位置決め縁部31bが形成されている。また、前記レンズユニット31の内部には、光学系の一例としての複数のレンズ31cが収容されている。前記レンズ31cは、焦点位置Aに焦点が設定されており、像を拡大して撮像素子22aに結像する。
したがって、前記レンズユニット31は、レンズ装着用貫通孔26cに収容された状態で、レンズ固定用ネジ孔26dに装着されるレンズ固定ネジN1によりレンズ保持部材26に保持され、レンズ固定ネジN1を緩めることでレンズユニット31を交換できる。すなわち、倍率の異なる複数のレンズユニット31を準備しておくことで、対象となる試料のサイズに対応する拡大倍率のレンズユニット31を装着することができる。また、レンズユニット31はその前後の向きを変えることで、レンズの倍率を変更することも可能である。
【0026】
図5は試料取出アタッチメントのフレームの説明図であり、図5Aは正面図、図5Bは図5Aの矢印VB方向から見た図、図5Cは図5Aの矢印VC方向から見た図、図5Dは図5Aの矢印VD方向から見た図である。
図3、図4において前記撮像部材21のアタッチメント取付部24には、試料取出アタッチメント41が着脱可能に装着されている。前記試料取出アタッチメント41は、アタッチメント取付部24に装着されるアタッチメントフレーム42を有する。図5において、前記アタッチメントフレーム42は、厚板状のフレーム本体42aと、フレーム本体42aの上端部から二又形状に上方に突出する左右一対のホルダ支持部42b,42cとを有する。
【0027】
前記フレーム本体42aには、前記アタッチメント取付部24の外径に対応する内径を有し、前後方向に貫通する円孔状の被取付孔42a1が形成されている。また、フレーム本体42aの右下部には、外表面から被取付孔42a1まで延びるアタッチメント固定用貫通孔42a2が形成されている。図3Bにおいて、アタッチメントフレーム42はアタッチメント取付部24に嵌めた状態で、アタッチメント固定用貫通孔42a2にねじK2でもって取り付ける。
【0028】
前記ホルダ支持部42b、42cには、左右方向に貫通する円孔状のホルダ支持用貫通孔42b1,42c1が形成されている。右側の前記ホルダ支持部材42bには、上端面から前記ホルダ支持用貫通孔42b1まで延びるホルダ固定用貫通孔42b2が形成されている。また、左側の前記ホルダ支持部材42cには、上端面からホルダ支持用貫通孔42c1まで延びるサポート固定用貫通孔42c2が形成されている。
【0029】
図6は試料取出アタッチメントの取出部材ホルダの説明図であり、図6Aは正面図、図6Bは図6Aの矢印VIB方向から見た図、図6Cは図6Aの矢印VIC方向から見た図である。
図3B、図6において、前記ホルダ支持部42b、42cのホルダ支持用貫通孔42b1,42c1には、回転保持部材の一例としての左右方向に延びる円柱状の取出部材ホルダ46が貫通した状態で支持されている。前記取出部材ホルダ46は、ホルダ支持用貫通孔42bの内径に対応する外径を有する大径部46aと、大径部46aの左側に形成され且つ大径部46aよりも小径の小径部46bとを有する。前記取出部材ホルダ46の左右方向中央部、すなわち大径部46aの左側には、前後方向に貫通する円孔状の取出部材貫通支持孔46cが形成されている。前記大径部46aの内部には、右端から前記取出部材貫通支持孔46cまで軸方向(左右方向)に延び且つ内部にネジ溝が形成された着脱ネジ装着部46dが形成されている。また、前記取出部材ホルダ46の小径部46bには、左端から軸方向に延び且つ内周面にネジ溝が形成されたネジ孔形状のサポート固定部46eが形成されている。
【0030】
図7は試料取出アタッチメントのホルダサポートの説明図であり、図7Aは正面図、図7Bは図7Aの矢印VIIB方向から見た図である。
図3B、図7において、左側のホルダ支持部材42cのホルダ支持用貫通孔42c1には、回転保持補助部材の一例としての左右方向に延びる円筒状のホルダサポート51が支持されている。前記ホルダサポート51は、取付部材ホルダ46の小径部46bの外径に対応する内径で軸方向(左右方向)に貫通するホルダ貫通孔51aと、上端から前記ホルダ貫通孔51aまで貫通して形成され且つ内周面にネジ溝が形成された回転位置固定ネジ装着孔51bとを有する。
図3A、図4において、前記取出部材ホルダ46の取出部材貫通支持孔46cには、試料取出部材の一例としての試料採取部材56が挿入された状態で支持されている。前記試料採取部材56は、取出部材貫通支持孔46cの内径に対応した外径を有する被支持部の一例としての柄部56aを有する。前記柄部56aの前端部には、試料取出部の一例としての針状の試料採取針部56bが支持されている。
【0031】
したがって、図3Bにおいて、前記試料取出アタッチメント41では、前記取出部材ホルダ46は、小径部46bがホルダサポート51のホルダ貫通孔51aを貫通した状態で、小径部46bのサポート固定部46eにサポート固定ネジN2をネジ止めすることで、サポートホルダ51に対して回転可能な状態で取り付けられる。
そして、取付部材ホルダ46およびホルダサポート51を、ホルダ支持用貫通孔42b1,42c1に貫通させた状態で、ホルダサポート51をアタッチメントフレーム42cにサポート固定ネジN3により固定する。これにより、ホルダサポート51がアタッチメントフレーム42に対して移動不能且つ回転不能に装着され、取出部材ホルダ46はアタッチメントフレーム42に対して軸方向に移動不能且つ回転可能な状態で保持される。なお、このとき、前記サポート固定用貫通孔42c2に、前後方向に移動可能な隙間、いわゆる、遊び、がたつきを持たせておくことで、取付部材ホルダ46の左右方向の位置を微調整することが可能である。
そして、前記ホルダ固定用貫通孔42b2にネジK3を取り付けることで、取出部材ホルダ46は回転しないように保持することができる。
【0032】
前記取出部材ホルダ46の取出部材貫通支持孔46cに、試料採取部材56の柄部56aを貫通させた状態で、取出部材ホルダ46の着脱ネジ装着部46dに、試料取出部材用着脱部材の一例としての着脱ネジN4がネジ込まれる。したがって、着脱ネジN4を締めることで、着脱ネジN4の先端で柄部56aを締め付けて軸方向に移動不能な状態に保持でき、着脱ネジN4を緩めることで柄部56aの締め付けが解除され、試料採取部材56を着脱、交換が可能となる。
【0033】
したがって、実施例1の試料取出アタッチメント41では、前記サポート固定ネジN3を緩めることで柄部56aを左右方向(Y軸方向)に微調整することができ、前記着脱ネジN4を緩めることで柄部56aの軸方向に移動させることができ、前記着脱ネジK3を緩めることで柄部56aを回転させることができる。この結果、これらの動きを組み合わせることで、試料採取針部56bの先端位置を、撮像素子22aの光軸上の任意の位置に移動、調整することができる。そして、実施例1の試料採取部材56は、試料採取針部56bの先端位置が、撮像部材21の焦点位置Aに一致するように、調整、設定されている。
【0034】
図8は実施例1の試料取出部材の他の例である試料切削部材の説明図であり、図8Aは試料切削部材が装着された状態の取出装置本体の説明図、図8Bは試料切削部材のヘッド部の説明図、図8Cは図8Bの矢印VIIIC方向から見た図、図8Dは切削刃の説明図、図8Eは図8Dの矢印VIIIE方向から見た図である。
図8において、前記取出部材ホルダ46には、試料採取部材56と交換する形で、試料取出部材の一例としての試料切削部材61を装着することができる。前記試料切削部材61は、取出部材貫通支持孔46cの内径に対応した外径を有する被支持部の一例としての柄部62を有し、前記柄部62の先端には、切削部材本体の一例としてのヘッド部63が支持されている。図8Bにおいて、前記柄部62は、前記取出部材ホルダ46に支持される柄部本体62aを有する。前記柄部本体62aの前端には、表面にネジ溝が形成された小径の棒状のヘッド取付部62bが形成されている。
【0035】
前記ヘッド部63は、前記柄部62に連結されるブロック状の刃支持部材64と、前記刃支持部材64の前端面に支持される切削刃66とを有する。前記刃支持部材64の後側下端には後面64aに対して前側に傾斜するように切除された形に形成された切除部64bが形成されている。前記切除部64bには、ネジ形状の被取付部64cが形成されていて、前記ヘッド取付部62bのネジに取り付け可能になっている。前記刃支持部材64の上端部には、前後方向に貫通するネジ孔により構成された刃取付部64dが形成されている。
前記切削刃66は、上端部に前記刃取付部64dと同径の貫通孔により構成された被取付部66aを有する。前記切削刃66の下端部には、試料取出部の一例としての刃部66bが設けられている。前記切削刃66は、前記被取付部66aを貫通して刃取付部64dにネジ込まれる刃取付ネジ67により、刃支持部材64に取り付けられる。
なお、実施例1の前記試料切削部材61では、切削刃66の刃部66bの先端が撮像部材21の焦点位置Aに一致するように調整される。
【0036】
図9は実施例1の試料切削部材の変更例の説明図であり、図9Aは図8Bに対応する第1の変更例の試料切削部材のヘッド部の説明図、図9Bは第2の変更例の試料切削部材のヘッド部の説明図である。
図9Aに示す試料切削部材のヘッド部63′は、図8に示すヘッド部63と比較して、切除部64bが省略されている。したがって、前記ヘッド部63′が柄部62に装着された状態では、図8に示すヘッド部63の切削刃66と光軸とが成す角αに比べて、図9Aに示すヘッド部63′の切削刃66と光軸とがなす角α′が大きくなる。なお、図8に示すヘッド部63を有する試料切削部材61と、図9Aに示すヘッド部63′を有する試料切削部材61′とをそれぞれ準備し、取出部材貫通支持孔46cに着脱することも可能であるし、取出部材貫通支持孔46cに支持された柄部62に対して、ヘッド部63、63′を着脱して交換するように構成することも可能である。
【0037】
図9Bに示す試料切削部材61″のヘッド部63″は、図8に示す刃支持部材64に対して、側面64eの斜め下方向に延びる刃支持面64fが形成されている。したがって、前記刃支持面64fに支持される切削刃66と光軸とが成す角α″は、図8、図9Aに示す切削刃66と光軸が成す角α,α′が鋭角であるのに対して、鈍角とすることができる。
【0038】
図10は実施例1の試料取出部材に位置出し部材を装着した状態の説明図であり、図10Aは交換時の位置出しを行うために位置出し部材を装着した状態の説明図、図10Bは試料取出時の位置出しを行うために位置出し部材を装着した状態の説明図である。
図10において、前記試料取出部材56,61〜61″の柄部56a,62には、位置出し部材68が装着されている。前記位置出し部材68は、ブロック状の位置出し部材本体68aを有しており、前記位置出し部材本体68aは、柄部56a,62が貫通することで柄部56a,62に支持されている。また、前記位置出し部材本体68aには、柄部56a,62に接触可能な位置出し固定ネジ68bがネジ込まれている。
【0039】
したがって、図10Aに示すように、前記位置出し部材68を、アタッチメントフレーム42の焦点位置A側に装着する場合、まず、位置出し固定ネジ68bを緩めた状態で、試料取出部材56,61〜61″の先端が焦点位置Aに一致するように調整する。この状態で、位置出し部材本体68aを柄部56a,62に沿って移動させ、取付部材ホルダ46に接触させる。そして、前記位置出し固定ネジ68bを締め、位置出し部材本体68aを柄部56a、62に固定する。
前記位置出し部材68を装着しない場合には、前記試料取出部材56,61〜61″を交換する場合、試料取出部材56,61〜61″を取り付ける度に、先端を焦点位置Aに合わせるための位置調節が必要となる。特に、一度装着して位置決めした後、取り外し、再び取り付ける際にも、再び位置調節をすることとなる。これに対して、試料取出部材56,61〜61″の位置調整が行われた状態で、前記位置出し部材68を固定することで、再び試料取出部材56,61〜61″を取り付ける際に、位置出し部材68が取付部材ホルダ46に接触するまで挿入するだけで、試料取出部材56,61〜61″の先端を焦点位置Aに合わせることができ、位置出しを容易に行うことができる。
【0040】
また、図10Bに示すように、前記位置出し部材68を、取付部材ホルダ46を挟んで焦点位置Aとは反対側に装着する場合、試料取出部材56,61〜61″の先端が焦点位置Aに一致するように調整された状態で、位置出し部材本体68aを取付部材ホルダ46に接触させ、位置出し固定ネジ68bを締め、位置出し部材本体68aを柄部56a、62に固定することができる。
このようにすることで、例えば、撮像部材21で、試料を観察、探索している間に、試料取出部材56,61〜61″の先端部がウェハWに誤って接触して、ウェハWや試料取出部材56,61〜61″の先端が破損することを防止するために、着脱ネジN4を緩めて、試料取出部材56,61〜61″の先端部を焦点位置Aから、柄部56a,62の軸方向後側にずらし、採取する試料を確認した後で、位置出し部材本体68aを取付部材ホルダ46に接触させることで、試料取出部材56,61〜61″の先端を焦点位置Aに復帰させることが容易にできる。
【0041】
撮像部材21に取り付けられる実施例1の試料取出アタッチメント41は、前記アタッチメントフレーム42や、取出部材ホルダ46、ホルダサポート51、試料採取部材56または試料切削部材61,61′,61″、サポート固定ネジN3、アタッチメント固定部材K2、ホルダ固定部材K3等により構成されている。また、実施例1の取出装置本体13は、前記把持部材14や、後端キャップ16、撮像部材21、レンズ保持部材26、レンズユニット31、試料取出アタッチメント41等により構成されており、実施例1の試料取出装置11は、前記取出装置本体13および画像表示器12等により構成されている。
【0042】
(実施例1の作用)
図11は実施例1の作用説明図であり、図11Aは試料に焦点が合っていない状態の説明図、図11Bは試料に焦点が合って試料を採取した状態の説明図である。
前記構成を備えた実施例1の試料検査システムSでは、顕微分析装置2で顕微分析を行うために、ウェハWに付着した試料を採取する場合、ユーザ8が試料取出装置11を使用してウェハWから試料を採取する。このとき、ユーザ8は試料採取部材56が固定された取出装置本体13の把持部材14を把持し、撮像部材21により撮像されて画像表示器12に表示された画像を参照しながら取出装置本体13を操作する。
【0043】
図11において、前記試料採取部材56の試料採取針部56bの先端に、撮像部材21の焦点位置Aが予め設定されているため、画像表示器12に表示された画像では、常時、試料採取針部56bの先端に焦点が合った状態で且つ画面12bの同じ位置(図11では画面中央)に表示されている。したがって、ユーザ8が画面12bを参照しながら取出装置本体13を操作して、採取したい試料71が画面12b上で、試料採取針56bの位置に合うようにすることで、試料71が試料採取針部56bの先端に静電的な力や物理的な引っかかりにより付着し、採取できる(取り出される)。
したがって、実施例1の試料採取部材56では、予め試料採取針部56bの先端に撮像部材21の焦点位置Aが合っている、すなわち、観察している範囲と試料71を採取する位置とが最初から一致しているため、試料71に焦点を合わせて観察するように取出装置本体13を操作するだけで、試料71を取り出すことができる。よって、図14に示す従来技術のように、遠近感のずれにより採取に手間取るといったことが、実施例1の試料取出装置11では少なくなり、作業を容易に行うことができる。また、前記特許文献1記載の従来技術のように顕微鏡を使用せずに微小な試料を採取することができ、顕微鏡の試料ホルダに載らない試料付着物(ウェハW等)から試料を採取することができると共に、実験室、研究室等の室内に限定されず、屋外でも容易に試料を採取することができる。
【0044】
また、試料がウェハWに貼り付いたりしていて、試料採取針部56bを接触させただけでは取り出せない場合には、試料切削部材61,61′,61″を装着して、試料Sを切削することで試料を取り出すことも可能である。このとき、試料切削部材61,61′,61″の先端が、焦点位置Aに設定されているため、図14に示す従来技術のように遠近感により観察している位置と切削する位置がずれて切削に失敗することがある場合に比べて、容易に切削したい位置を切削することができる。
【0045】
なお、実施例1では、試料切削部材61,61′では、刃部66bの先端を試料に接触させた状態で、前方(画面上で奥側)から後方(画面上で手前側)に移動させることで、鉋で表面を薄く削るように試料を切削することができ、試料切削部材61″では、後方から前方に移動させることで試料を切削することができる。あるいは、大型の試料から試料片を取り出したい場合、大型の試料に対して、刃部66bを接触させた状態で、試料の厚み方向に押したり、左右方向に移動させることで、試料を切断することも可能である。よって、用途やユーザ8の使い勝手に応じて試料切削部材61,61′,61″を交換したり移動方向を変更することで、任意の形状に容易に試料片を切削して取り出すことができる。
なお、切削されたり切り出された試料は、切削刃66の先端に付着させたり、試料採取部材56に交換して、試料採取部材56で採取することで、試料を取り出して、試料プレート7に載せ、試料ステージ4に搬送できる。
【0046】
さらに、実施例1では、レンズユニット31を交換することで画像倍率を変更することができ、各レンズユニット31の倍率だけ異ならせて焦点位置Aを一致させておくことで、レンズユニット31の交換後、試料取出部材56,61,61′,61″の調整をしなくても、焦点位置Aに先端が一致した状態で速やかに使用することができる。このとき、レンズユニット31の光学系等において、焦点深度が大きなものを選択した方が、試料取出部材56,61,61′,61″の先端から離れた試料71も画面12b上に表示されやすくなる。
【0047】
また、実施例1では、位置出し部材68を柄部56a,62に装着した場合、試料交換時(図10Aの場合)または試料観察、試料探索持(図10Bの場合)に、試料取出部材56,61〜61″先端の位置出しを容易に行うことができる。すなわち、試料取出部材56,61〜61″先端の焦点位置Aへの再現性(交換時再現性または探索時再現性)が高まり、且つ容易にできる。
なお、前記位置出し部材68は、取付部材ホルダ46の焦点位置A側または反対側に配置したが、両方に配置して、両側から取付部材ホルダ46を挟み込むように配置し、使用する状況に応じて、いずれか一方の位置出し固定ネジ68bを緩めて使用することも可能である。
【実施例2】
【0048】
図12は実施例2の取出装置本体の説明図であり、図12Aは実施例1の図3に対応する側面図、図12Bは図12Aから光源部材を取り外した状態の平面図である。
図13は実施例2の取出装置本体を構成する各部品の説明図であり、図13Aは実施例2のアタッチメントフレームの説明図、図13Bはピンセット支持部材の説明図、図13Cはピンセット連結部材の説明図である。
次に、本発明の実施例2の説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0049】
図12において、実施例2の取出装置本体13′では、実施例1の試料取出アタッチメント41に替えて、実施例2の試料取出アタッチメント41′が装着されている。図12、図13において、前記試料取出アタッチメント41′は、実施例1のホルダ支持部42b、42cに比べて、上下方向の長さが長いホルダ支持部42b′,42c′を有する。前記ホルダ支持部42b′,42c′の上部には、実施例1と同様に構成された各孔42b1,42b2,42c1,42c2が形成されている。図13Aにおいて、前記ホルダ支持部42b′,42c′の下部には、ホルダ支持部42b′,42c′の内面から左右方向に延びる左右一対のピン支持用凹部81,82が形成されている。前記ピン支持用凹部81,82には、取出部外面支持用部材の一例としてのピンセット外面支持用ピン83,84が挿入されており、ピンセット外面支持用ピン83,84の内端は、ホルダ支持部42b′,42c′の内面よりも内側に突出している。
【0050】
図12Aにおいて、前記取出部材ホルダ46には、実施例1の試料取出部材56,61,61′,61″に替えて、照明部材支持体の一例としての支持棒86が支持されている。前記支持棒86の前端部には、焦点位置Aを照明する照明部材の一例としてのLEDライト87が支持されている。なお、前記LEDライト87には、図示しない配線を介して電源が供給されている。
【0051】
図12A、図13Bにおいて、前記支持棒86の後端部には、取出部材用支持部材の一例としてのピンセット支持部材88が支持されている。図13Cにおいて、前記ピンセット支持部材88は、板状の本体88aを有する。前記本体88aの上部には、前後方向に貫通する支持体用貫通孔の一例としての支持棒貫通孔88bが形成されており、前記支持棒貫通孔88bには支持棒86が貫通した状態で保持される。
本体88aの上端には、上端面から前記支持棒貫通孔88bまで延びる支持体固定用ネジ孔88cが形成されており、支持体固定用ネジ孔88cにネジ込まれる支持体固定部材の一例としての棒固定ネジN11により支持棒86の軸方向の位置が固定される。
本体88aの下部には、前後方向に貫通し且つ下端から上方に延びる取出部材固定用の溝部88dが形成されている。前記溝部88dの下端には、左右方向に貫通する固定用ネジ孔88eが形成されている。
【0052】
前記溝部88dには、試料取出部材の一例としてのピンセット89が支持されている。図12Bにおいて、前記ピンセット89は、後側の基端部89aと、基端部89aの前方に二又上に分かれて延びて互いに接近・離間する方向に移動可能な可動部89bと、可動部89bの先端に形成された試料取出部の一例としての摘出部89cとを有する。ピンセット89は、基端部89aが前記溝部88dに挿入された状態で、固定用ネジ孔88eに装着される固定用ネジN12が締められることで、ピンセット支持部材88に支持される。したがって、実施例1のピンセット89は、ピンセット支持部材88および支持棒86を介して、取出部材ホルダ46に間接的に保持されている。
【0053】
また、ピンセット89の可動部89bどうしが離間した状態では、可動部89bの外表面が前記ピンセット外面支持用ピン83,84に接触して離間しすぎないように予め設定された位置に保持される。
なお、ピンセット89の摘出部89cの先端は焦点位置Aに対応して配置されており、試料を摘むためにユーザが可動部89bどうしを指で挟んで接近させ、摘出部89cの先端どうしが接触した状態において、摘出部89cが焦点位置Aに一致するように設定されている。なお、摘出部89cを焦点位置Aに一致させる調整は、実施例1と同様にして、支持棒86を軸方向にずらしたり、支持棒86に対してピンセット支持部材88の位置をずらしたりすることで可能である。
【0054】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の試料検査システムSでは、取出装置本体13′の把持部材14を把持しつつ、ピンセット89の可動部89bの外表面に指を添えた状態で、画像表示器12に表示された画像を参照しながら、取出装置本体13を操作して、取り出したい試料71が画面12b上で摘出部89cの位置に対応するように操作する。そして、可動部89bを指で挟むように押さえることで、摘出部89cで試料71を取り出すことができる。したがって、実施例2の試料検査システムSでも、実施例1と同様に、微小な試料を容易に取り出すことができる。
また、実施例2の試料検査システムSでは、LEDライト87で焦点位置Aが照明されており、暗所や照明が不足している室内等においても容易に試料71を取り出すことができる。
【0055】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H015)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、レンズユニット31を交換型としたが、この構成に限定されず、手動または自動でピント調整可能な光学系を設けて、交換しなくても焦点位置Aや倍率を調整可能な構成とすることも可能である。
(H02)前記実施例において、試料取出部材56,61,61′,61″として、試料の採取または切削をする場合を例示したが、試料取り出し部材としてピンセットやナイフを用意することも可能である。また、これに限定されず、例えば、液体状の試料を吸い取ることで、試料を取り出すいわゆるスポイト状の試料取出部材を装着することも可能である。あるいは、植物や動物等の生体試料に対して、試薬を塗布、噴射等する部材を取付可能とすることも可能である。さらに、例えば、特開平7−294399号公報等に記載のミニプレーンを装着することも可能である。
【0056】
(H03)前記実施例において、試料取出部材56,61,61′,61″の先端位置を調節するための構成を設けることが望ましいが、例えば、前記(H01)のように光学系で焦点位置が調節可能な場合、試料取出部材56,61,61′,61″の先端位置を調節するための構成を省略することも可能である。
(H04)前記実施例において、筆記具(ペン)型の把持部材14を採用したが、ペン型の形状に限定されず、把持可能な柄形状、例えば、歯ブラシの柄のような形状や、懐中電灯のような形状等、任意の形状にすることが可能である。
(H05)前記実施例において、画像表示器12(モニター)は、取出装置本体13と別体に構成したが、取出装置本体13にモニターを固定する構成とすることも可能である。また、画像表示器12と取出装置本体13との接続は、有線のケーブルで行ったが、無線形式とすることも可能である。情報の送受信を無線化した場合、取出装置本体13を乾電池式や充電池式等にすることで、ワイヤレス化でき、ケーブルが作業の妨げにならず、ケーブル式の場合に比べて、さらに操作性を向上させることができる。
【0057】
(H06)前記実施例において、試料取出アタッチメント41を撮像部材21に対して着脱可能な構成としたが、着脱不能に固定することも可能である。あるいは、アタッチメントフレーム42等を固定して、試料取出部材56,61,61′,61″のみ着脱可能とすることも可能である。
(H07)前記実施例において、試料取出部材56,61,61′,61″は、着脱ネジN4を締めたり緩めたりすることで着脱可能な構成を例示したが、試料取出部材56,61,61′,61″を着脱可能に固定する構成は、この構成に限定されず、例えば、板バネを使用して着脱可能に固定する方法等、従来公知の任意の着脱可能な固定方法を採用可能である。
【0058】
(H08)前記実施例において、把持部材14に対して撮像部材21を固定し、撮像部材21に試料取出アタッチメント41を装着することで、撮像部材21を介して、間接的に把持部材14に対して試料取出アタッチメント41を固定したが、この構成に限定されず、例えば、試料取出アタッチメント41を直接把持部材14に固定する構成とすることも可能である。また、把持部材を試料取出部材56の柄部56aの後端部に支持する構成、すなわち、実施例では把持部材+撮像部材に対して試料取出部材を固定していたのに替えて、試料取出部材+把持部材に対して撮像部材を固定する形とすることも可能である。
(H09)前記実施例において、光学系に、いわゆる、イメージファイバーを採用し、焦点位置Aの像をイメージファイバーを介して撮像部材に形成する構成とすることも可能である。
【0059】
(H010)前記実施例において、画像表示器12(モニター)を卓上に設置したが、この構成に限定されず、従来公知の任意の表示器とすることも可能である。例えば、従来公知のヘッドマウントディスプレイを使用したりすることも可能である。ヘッドマウントディスプレイを使用することで、実際に試料を採取するウェハWの位置とは異なるモニター12を見る場合に比べ、ウェハWの方向を見ながら観察でき、さらに操作性が向上することが期待される。
(H011)前記実施例において、位置出し部材68を装着する場合を例示したが、この構成に限定されず、例えば、柄部56a,62に目盛り等を予め形成しておき、先端が焦点位置Aに一致した状態における目盛りを記憶、メモしておくことで、再装着時の位置出しを容易に行えるようにすることも可能である。他にも、柄部56a、62にマジック等で目印を書いておくことで同様の効果を得ることも可能である。
【0060】
(H012)前記実施例において、顕微分析装置の一例として、従来公知の顕微ラマン分光光度計を例示したが、顕微分析装置はこの構成に限定されず、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の電子顕微鏡や、光学顕微鏡等、顕微分析の目的や用途に応じて任意の顕微分析装置を使用可能である。
(H013)前記実施例に例示したように、取り出した試料をそのまま顕微鏡等のサンプルステージに直接セットせず、試料保管箱等に一度格納し、顕微鏡などの置かれた場所に運送したり、顕微鏡の使用可能な時間まで保管するなど、取り出し作業と分析作業を分離することも可能である。
【0061】
(H014)前記実施例において、実施例1の構成と実施例2の構成とを組み合わせることができる。例えば、実施例2の取出部材用支持部材の一例としてのピンセット支持部材88において、溝部88dに替えて柄部56a、62が貫通可能な孔を形成して支持することで、LEDライト87で焦点位置Aを照明しつつ試料採取針部56bで試料71を採取したり、切削刃66で試料71を切削することが可能となる。
(H015)前記実施例において、照明が不要な場合、実施例2のLEDライト87を支持棒86から取り外して、ピンセット89のみの構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は本発明の実施例1の試料取出装置を使用した試料取出方法の説明図である。
【図2】図2は図1の試料取出装置の要部拡大図である。
【図3】図3は実施例1の取出装置本体の要部断面説明図であり、図3Aは要部を断面とした側面図、図3Bは図3AのIIIB−IIIB線断面図である。
【図4】図4は取出装置本体の分解説明図である。
【図5】図5は試料取出アタッチメントのフレームの説明図であり、図5Aは正面図、図5Bは図5Aの矢印VB方向から見た図、図5Cは図5Aの矢印VC方向から見た図、図5Dは図5Aの矢印VD方向から見た図である。
【図6】図6は試料取出アタッチメントの取出部材ホルダの説明図であり、図6Aは正面図、図6Bは図6Aの矢印VIB方向から見た図、図6Cは図6Aの矢印VIC方向から見た図である。
【図7】図7は試料取出アタッチメントのホルダサポートの説明図であり、図7Aは正面図、図7Bは図7Aの矢印VIIB方向から見た図である。
【図8】図8は実施例1の試料取出部材の他の例である試料切削部材の説明図であり、図8Aは試料切削部材が装着された状態の取出装置本体の説明図、図8Bは試料切削部材のヘッド部の説明図、図8Cは図8Bの矢印VIIIC方向から見た図、図8Dは切削刃の説明図、図8Eは図8Dの矢印VIIIE方向から見た図である。
【図9】図9は実施例1の試料切削部材の変更例の説明図であり、図9Aは図8Bに対応する第1の変更例の試料切削部材のヘッド部の説明図、図9Bは第2の変更例の試料切削部材のヘッド部の説明図である。
【図10】図10は実施例1の試料取出部材に位置出し部材を装着した状態の説明図であり、図10Aは交換時の位置出しを行うために位置出し部材を装着した状態の説明図、図10Bは試料取出時の位置出しを行うために位置出し部材を装着した状態の説明図である。
【図11】図11は実施例1の作用説明図であり、図11Aは試料に焦点が合っていない状態の説明図、図11Bは試料に焦点が合って試料を採取した状態の説明図である。
【図12】図12は実施例2の取出装置本体の説明図であり、図12Aは実施例1の図3に対応する側面図、図12Bは図12Aから光源部材を取り外した状態の平面図である。
【図13】図13は実施例2の取出装置本体を構成する各部品の説明図であり、図13Aは実施例2のアタッチメントフレームの説明図、図13Bはピンセット支持部材の説明図、図13Cはピンセット連結部材の説明図である。
【図14】図14は従来の試料採取方法の説明図である。
【符号の説明】
【0063】
8…ユーザ、
11…試料取出装置、
12…画像表示器、
14…把持部材、
21…撮像部材、
31c…光学系、
41…試料取出アタッチメント、
46…取出部材ホルダ、
56b,66b,89c…試料取出部、
56,61,61′,61″,89…取出部材、
71…試料、
A…焦点位置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学顕微鏡や電子顕微鏡、赤外顕微鏡、ラマン顕微鏡等の顕微分析装置で顕微分析が行われる試料を取り出すための試料取出装置および試料取出アタッチメントに関し、特に、微小な試料を取り出すマイクロサンプリングに好適に使用可能な試料取出装置および試料取出アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウェハ等の表面に付着したゴミや異物を検査、分析するために、ゴミや異物等の試料をウェハから採取する試料採取装置が知られている。このような試料採取装置として、光学顕微鏡と組み合わせて使用される試料採取装置に関して、下記の特許文献1記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1(特開2002−162321号公報)には、試料を観察する光学顕微鏡(M)の対物レンズに対して、所定の位置に固定される固定枠(1)に、上下方向に移動可能に支持された試料採取針(23)により、光学顕微鏡(M)の試料ステージに支持された試料を引っ掛けて取り出す試料採取装置に関する技術が記載されている。また、特許文献1には、試料採取針(23)は、試料を引っ掛ける試料採取位置では、試料採取針(23)の先端が光学顕微鏡(M)の焦点位置に配置されるが、上方に移動した待機位置では焦点からずれている。そして、特許文献1記載の技術では、最初は試料採取針(23)を焦点位置からずれた待機位置に保持しておき、試料ステージを移動させながら光学顕微鏡(M)で観察して、焦点位置にゴミや異物等の試料が見つかったときに、試料採取針(23)を焦点位置に対応する試料採取位置に移動させて試料を引っ掛け、その後待機位置に移動させることで、試料を採取している。特許文献1記載の技術で採取された試料は、高倍率の光学顕微鏡や電子顕微鏡、赤外線顕微鏡等で、詳細に観察、検査、分析等が行われる。
【0004】
図14は従来の試料採取方法の説明図である。
特許文献1記載の技術のように、詳細に分析等を行う電子顕微鏡等と、試料を採取するための光学顕微鏡と、の2つの顕微鏡を使用する大がかりなシステムを使用せず、試料の採取を簡易に行うために、従来は、図14に示す方法も広く採用、実行されている。
図14において、実験室のテーブル01には、詳細な分析を行うための顕微鏡02が配置されている。前記顕微鏡02には、試料がセットされる試料ステージ02aを有する。前記テーブル01には、試料付着物の一例としてのウェハ03が支持されており、前記ウェハ03には、試料の一例としてのホコリやゴミ等の異物が付着している。前記試料の検査を行うユーザ04は、試料採取針06と、ウェハ03上の試料を拡大して観察するための拡大鏡(いわゆる虫眼鏡)07とを両手に持っている。
図14に示すシステムでは、ユーザ04は、左手の拡大鏡07でウェハ03を拡大して観察しながら、ウェハ03に付着した試料を見つけ、右手の試料採取針06で試料を採取し、採取した試料を試料プレート08に載せ、それを試料ステージ02aにセットして、顕微鏡02で検査する。
【0005】
【特許文献1】特開2002−162321号公報(「0028」、「0034」〜「0035」、図1、図9、図10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(従来技術の問題点)
前記特許文献1記載の技術では、試料の取出のために顕微鏡で観察を行うため、試料の取出作業が精緻で手間がかかり、簡易に試料の取出が行えないという問題がある。また、試料取り出し用の顕微鏡と分析用の顕微鏡のように、複数の顕微鏡が必要となり、システム全体として大がかりになると共にコストが高くなる問題もある。また、試料の取出に光学顕微鏡を使用しているため、ウェハのように試料付着物が試料ステージに載らないような大きなものである場合には、使用困難であるという問題がある。さらに、特許文献1記載の技術では、光学顕微鏡が設置された実験室等では試料の採取が可能であるが、例えば、交通事故現場等の実験室外で微小な試料の採取を行おうとする場合では、顕微鏡を持ち出し、セットすることが面倒であり、試料の採取が容易ではないという問題もある。
【0007】
図14に記載の従来技術では、特許文献1記載の技術に比べて、簡易且つ低コストに試料の採取を行うことができるが、拡大鏡07で観察しながら試料採取針06で試料を採取する場合、まず、拡大鏡07の焦点位置を試料にあわせる必要があり、次に試料に試料採取針06の先端を接触させて採取する必要がある。一見、この作業は容易であると考えられるが、実際に行う場合、拡大鏡07による像の拡大で遠近感がずれるため、試料採取針06の先端を試料の位置にあわせたつもりでも、なかなか試料に試料採取針06の先端をあわせることが難しく、作業者の慣れ、熟練を要するという問題があった。
【0008】
本発明は、前述の事情に鑑み、顕微分析される試料の採取を簡易化することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の試料取出装置は、
ユーザにより把持される把持部材と、
前記把持部材に対して固定され、画像を撮像する撮像部材と、
前記把持部材に対して固定された取出部材ホルダと、
顕微分析される試料を取り出す試料取出部を有し、前記取出部材ホルダに支持され且つ、前記試料取出部が前記撮像部材の焦点位置に配置された取出部材と、
前記撮像部材に電気的に接続され、撮像された画像を表示する画像表示器と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の試料取出装置において、
円筒形状且つ筆記具状の前記把持部材と、
前記把持部材内部に収容されて固定された前記撮像部材と、
前記撮像部材の光軸上に配置され、且つ前記撮像部材に支持されることで把持部材に対して固定され、撮像する倍率を設定、かつ焦点位置調整可能な光学系と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の試料取出装置において、
針状に構成され、前記試料を採取することで取り出す前記試料取出部、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の試料取出装置において、
刃状に構成され、前記試料を切削して取り出す前記試料取出部、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の試料取出装置において、
ピンセットにより構成され、前記試料を摘んで取り出す前記試料取出部、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の試料取出装置において、
前記焦点位置を照明する照明部材を有する前記試料取出部、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
前記技術的課題を解決するために、請求項7に記載の発明の試料取出アタッチメントは、
画像を撮像する撮像部材が固定され且つユーザにより把持される把持部材に対して、着脱可能に固定された取出部材ホルダと、
顕微分析される試料を取り出す試料取出部を有し、前記取出部材ホルダに支持され且つ、前記試料取出部が前記撮像部材の焦点位置に配置された取出部材と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、顕微分析される試料を取り出す試料取出部が撮像部材の焦点位置に配置されているため、撮像部材で観察する位置と試料取出部との遠近感のずれをなくすことができ、顕微分析される試料の採取を簡易化することができる。
請求項2に記載の発明によれば、光学系で拡大して撮像することができ、微小な試料を取り出すことができる。
請求項3に記載の発明によれば、針状の試料取出部の先端に試料を付着、採取することで取り出すことができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、刃状の試料取出部で、試料を切削することで取り出すことができる。
請求項5に記載の発明によれば、ピンセットにより構成された試料取出部で試料を摘んで取り出すことができる。
請求項6に記載の発明によれば、焦点位置を照明することができる。
請求項7に記載の発明によれば、試料取出アタッチメントを把持部材に取り付けられた状態で、顕微分析される試料を取り出す試料取出部が撮像部材の焦点位置に配置されているため、撮像部材で観察する位置と試料取出部との遠近感のずれをなくすことができ、顕微分析される試料の採取を簡易化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0019】
図1は本発明の実施例1の試料取出装置を使用した試料取出方法の説明図である。
図2は図1の試料取出装置の要部拡大図である。
図1において、実施例の試料検査システムSでは、テーブル1上に顕微分析装置2が配置されている。実施例1では、前記顕微分析装置2の一例としての顕微ラマン分光光度計が使用されている。前記顕微分析装置2は、分析装置本体3と、分析装置本体3の下部に配置された試料ステージ4と、試料ステージ4の上方に配置されて複数の対物レンズ5aを切り替え可能な対物レンズ切替部5とを有する。また、前記分析装置本体3は、測定した情報(データ)を処理する情報処理装置の一例としてのコンピュータ装置PCに接続されており、コンピュータ装置PCは、コンピュータ本体H1、ディスプレイ(表示器)H2、入力装置(キーボードH3およびマウスH4)等を有する。
図1、図2において、テーブル1上には、顕微分析装置2で顕微分析がされるゴミや異物等の試料が付着した試料付着部材の一例としてのウェハWが置かれている。前記ウェハWに付着した試料は、ユーザ8が試料取出装置11を使用して取り出す。取り出された試料は、試料プレート7に移され、分析装置本体3の試料ステージ4に保持され、顕微分析が行われる。
【0020】
図2において、実施例1の試料取出装置11は、電源を供給する電源ケーブル12aが接続された画像表示器12と、画像表示器12から電源供給および画像信号の送受信を行う接続ケーブル13aで画像表示器12と接続された取出装置本体13と、を有する。
前記画像表示器12は、表示画面12bと、表示画面12bを支持するスタンド(立て掛け台)12cと、電源オン・オフや表示画像の輝度等の調整を行う各種入力ボタン12dと、を有する。
【0021】
図3は実施例1の取出装置本体の要部断面説明図であり、図3Aは要部を断面とした側面図、図3Bは図3AのIIIB−IIIB線断面図である。
図4は取出装置本体の分解説明図である。
図2〜図4において、前記取出装置本体13は、ユーザ8が把持する円筒状の把持部材14を有する。実施例1の把持部材14は、筆記具形状をしており、ペンを持つように把持することで操作可能に構成されている。前記把持部材14には、円筒の軸方向に延びるケーブル通過部14aが形成されており、把持部材14の前部には撮像部材収容凹部14bが形成されている。
【0022】
図3、図4において、前記撮像部材収容凹部14bには、撮像部材21が収容された状態で固定支持されている。実施例1の撮像部材21は、CCD(Charge Coupled Device、電荷結合素子)カメラユニットにより構成されている。
前記撮像部材21は、撮像部材収容凹部14bに収容される後部の撮像部材本体22と、前記撮像部材本体22の前側に形成されたアタッチメント取付部24と、を有する。
【0023】
前記撮像部材本体22は、内部に図示しない電源回路や撮像した画像を画像表示器12で表示する画像に変換する電気回路等が収容されている。前記撮像部材本体22の後端(−X端)からは前記ケーブル通過部14aを貫通してケーブル13aが引き出されている。
前記アタッチメント取付部24は、外表面にアタッチメント取付面24aが形成されている、前記アタッチメント取付部24の内部には、前端から軸方向に延び且つ内周面にネジ溝が形成された保持部材装着用凹部24bが形成されている。前記保持部材装着用凹部24bの奥には、撮像素子の一例としてのCCD素子22aが配置されている。
【0024】
図3、図4において、前記撮像部材21の前側には、レンズ保持部材26が支持されている。前記レンズ保持部材26の後部には、前記保持部材装着用凹部24bに対応する外径を有し、外周面にネジ溝が形成された被装着部26aが形成されている。前記被装着溝部26aには、内周面に噛み合うネジ溝27aが形成されたネジリング27が装着されている。したがって、レンズ保持部材26には、ネジリング27が装着された状態で保持部材装着用凹部24bにネジ込むことでネジ込む位置を調整すると共に、いわゆる二重ナット方式でネジ込まれた位置で固定、緩み止めをしている。
前記レンズ保持部材26には、レンズ保持部材26の中心軸方向に延びるレンズ装着用貫通孔26cが形成されている。前記レンズ保持部材26の前端部には、外表面からレンズ装着用貫通孔26cまで延びるレンズ固定用ネジ孔26dが形成されている。
【0025】
図3、図4において、前記レンズ保持部材26の前側には、レンズユニット31が支持されている。前記レンズユニット31は、全体が略円筒形状に形成されており、後部に前記レンズ装着用貫通孔26cに収容される被収容部31aが形成されている。前記レンズユニット31の中央部には、レンズ保持部材26の前端縁に突き当てられて位置決めするためのリング状のレンズ位置決め縁部31bが形成されている。また、前記レンズユニット31の内部には、光学系の一例としての複数のレンズ31cが収容されている。前記レンズ31cは、焦点位置Aに焦点が設定されており、像を拡大して撮像素子22aに結像する。
したがって、前記レンズユニット31は、レンズ装着用貫通孔26cに収容された状態で、レンズ固定用ネジ孔26dに装着されるレンズ固定ネジN1によりレンズ保持部材26に保持され、レンズ固定ネジN1を緩めることでレンズユニット31を交換できる。すなわち、倍率の異なる複数のレンズユニット31を準備しておくことで、対象となる試料のサイズに対応する拡大倍率のレンズユニット31を装着することができる。また、レンズユニット31はその前後の向きを変えることで、レンズの倍率を変更することも可能である。
【0026】
図5は試料取出アタッチメントのフレームの説明図であり、図5Aは正面図、図5Bは図5Aの矢印VB方向から見た図、図5Cは図5Aの矢印VC方向から見た図、図5Dは図5Aの矢印VD方向から見た図である。
図3、図4において前記撮像部材21のアタッチメント取付部24には、試料取出アタッチメント41が着脱可能に装着されている。前記試料取出アタッチメント41は、アタッチメント取付部24に装着されるアタッチメントフレーム42を有する。図5において、前記アタッチメントフレーム42は、厚板状のフレーム本体42aと、フレーム本体42aの上端部から二又形状に上方に突出する左右一対のホルダ支持部42b,42cとを有する。
【0027】
前記フレーム本体42aには、前記アタッチメント取付部24の外径に対応する内径を有し、前後方向に貫通する円孔状の被取付孔42a1が形成されている。また、フレーム本体42aの右下部には、外表面から被取付孔42a1まで延びるアタッチメント固定用貫通孔42a2が形成されている。図3Bにおいて、アタッチメントフレーム42はアタッチメント取付部24に嵌めた状態で、アタッチメント固定用貫通孔42a2にねじK2でもって取り付ける。
【0028】
前記ホルダ支持部42b、42cには、左右方向に貫通する円孔状のホルダ支持用貫通孔42b1,42c1が形成されている。右側の前記ホルダ支持部材42bには、上端面から前記ホルダ支持用貫通孔42b1まで延びるホルダ固定用貫通孔42b2が形成されている。また、左側の前記ホルダ支持部材42cには、上端面からホルダ支持用貫通孔42c1まで延びるサポート固定用貫通孔42c2が形成されている。
【0029】
図6は試料取出アタッチメントの取出部材ホルダの説明図であり、図6Aは正面図、図6Bは図6Aの矢印VIB方向から見た図、図6Cは図6Aの矢印VIC方向から見た図である。
図3B、図6において、前記ホルダ支持部42b、42cのホルダ支持用貫通孔42b1,42c1には、回転保持部材の一例としての左右方向に延びる円柱状の取出部材ホルダ46が貫通した状態で支持されている。前記取出部材ホルダ46は、ホルダ支持用貫通孔42bの内径に対応する外径を有する大径部46aと、大径部46aの左側に形成され且つ大径部46aよりも小径の小径部46bとを有する。前記取出部材ホルダ46の左右方向中央部、すなわち大径部46aの左側には、前後方向に貫通する円孔状の取出部材貫通支持孔46cが形成されている。前記大径部46aの内部には、右端から前記取出部材貫通支持孔46cまで軸方向(左右方向)に延び且つ内部にネジ溝が形成された着脱ネジ装着部46dが形成されている。また、前記取出部材ホルダ46の小径部46bには、左端から軸方向に延び且つ内周面にネジ溝が形成されたネジ孔形状のサポート固定部46eが形成されている。
【0030】
図7は試料取出アタッチメントのホルダサポートの説明図であり、図7Aは正面図、図7Bは図7Aの矢印VIIB方向から見た図である。
図3B、図7において、左側のホルダ支持部材42cのホルダ支持用貫通孔42c1には、回転保持補助部材の一例としての左右方向に延びる円筒状のホルダサポート51が支持されている。前記ホルダサポート51は、取付部材ホルダ46の小径部46bの外径に対応する内径で軸方向(左右方向)に貫通するホルダ貫通孔51aと、上端から前記ホルダ貫通孔51aまで貫通して形成され且つ内周面にネジ溝が形成された回転位置固定ネジ装着孔51bとを有する。
図3A、図4において、前記取出部材ホルダ46の取出部材貫通支持孔46cには、試料取出部材の一例としての試料採取部材56が挿入された状態で支持されている。前記試料採取部材56は、取出部材貫通支持孔46cの内径に対応した外径を有する被支持部の一例としての柄部56aを有する。前記柄部56aの前端部には、試料取出部の一例としての針状の試料採取針部56bが支持されている。
【0031】
したがって、図3Bにおいて、前記試料取出アタッチメント41では、前記取出部材ホルダ46は、小径部46bがホルダサポート51のホルダ貫通孔51aを貫通した状態で、小径部46bのサポート固定部46eにサポート固定ネジN2をネジ止めすることで、サポートホルダ51に対して回転可能な状態で取り付けられる。
そして、取付部材ホルダ46およびホルダサポート51を、ホルダ支持用貫通孔42b1,42c1に貫通させた状態で、ホルダサポート51をアタッチメントフレーム42cにサポート固定ネジN3により固定する。これにより、ホルダサポート51がアタッチメントフレーム42に対して移動不能且つ回転不能に装着され、取出部材ホルダ46はアタッチメントフレーム42に対して軸方向に移動不能且つ回転可能な状態で保持される。なお、このとき、前記サポート固定用貫通孔42c2に、前後方向に移動可能な隙間、いわゆる、遊び、がたつきを持たせておくことで、取付部材ホルダ46の左右方向の位置を微調整することが可能である。
そして、前記ホルダ固定用貫通孔42b2にネジK3を取り付けることで、取出部材ホルダ46は回転しないように保持することができる。
【0032】
前記取出部材ホルダ46の取出部材貫通支持孔46cに、試料採取部材56の柄部56aを貫通させた状態で、取出部材ホルダ46の着脱ネジ装着部46dに、試料取出部材用着脱部材の一例としての着脱ネジN4がネジ込まれる。したがって、着脱ネジN4を締めることで、着脱ネジN4の先端で柄部56aを締め付けて軸方向に移動不能な状態に保持でき、着脱ネジN4を緩めることで柄部56aの締め付けが解除され、試料採取部材56を着脱、交換が可能となる。
【0033】
したがって、実施例1の試料取出アタッチメント41では、前記サポート固定ネジN3を緩めることで柄部56aを左右方向(Y軸方向)に微調整することができ、前記着脱ネジN4を緩めることで柄部56aの軸方向に移動させることができ、前記着脱ネジK3を緩めることで柄部56aを回転させることができる。この結果、これらの動きを組み合わせることで、試料採取針部56bの先端位置を、撮像素子22aの光軸上の任意の位置に移動、調整することができる。そして、実施例1の試料採取部材56は、試料採取針部56bの先端位置が、撮像部材21の焦点位置Aに一致するように、調整、設定されている。
【0034】
図8は実施例1の試料取出部材の他の例である試料切削部材の説明図であり、図8Aは試料切削部材が装着された状態の取出装置本体の説明図、図8Bは試料切削部材のヘッド部の説明図、図8Cは図8Bの矢印VIIIC方向から見た図、図8Dは切削刃の説明図、図8Eは図8Dの矢印VIIIE方向から見た図である。
図8において、前記取出部材ホルダ46には、試料採取部材56と交換する形で、試料取出部材の一例としての試料切削部材61を装着することができる。前記試料切削部材61は、取出部材貫通支持孔46cの内径に対応した外径を有する被支持部の一例としての柄部62を有し、前記柄部62の先端には、切削部材本体の一例としてのヘッド部63が支持されている。図8Bにおいて、前記柄部62は、前記取出部材ホルダ46に支持される柄部本体62aを有する。前記柄部本体62aの前端には、表面にネジ溝が形成された小径の棒状のヘッド取付部62bが形成されている。
【0035】
前記ヘッド部63は、前記柄部62に連結されるブロック状の刃支持部材64と、前記刃支持部材64の前端面に支持される切削刃66とを有する。前記刃支持部材64の後側下端には後面64aに対して前側に傾斜するように切除された形に形成された切除部64bが形成されている。前記切除部64bには、ネジ形状の被取付部64cが形成されていて、前記ヘッド取付部62bのネジに取り付け可能になっている。前記刃支持部材64の上端部には、前後方向に貫通するネジ孔により構成された刃取付部64dが形成されている。
前記切削刃66は、上端部に前記刃取付部64dと同径の貫通孔により構成された被取付部66aを有する。前記切削刃66の下端部には、試料取出部の一例としての刃部66bが設けられている。前記切削刃66は、前記被取付部66aを貫通して刃取付部64dにネジ込まれる刃取付ネジ67により、刃支持部材64に取り付けられる。
なお、実施例1の前記試料切削部材61では、切削刃66の刃部66bの先端が撮像部材21の焦点位置Aに一致するように調整される。
【0036】
図9は実施例1の試料切削部材の変更例の説明図であり、図9Aは図8Bに対応する第1の変更例の試料切削部材のヘッド部の説明図、図9Bは第2の変更例の試料切削部材のヘッド部の説明図である。
図9Aに示す試料切削部材のヘッド部63′は、図8に示すヘッド部63と比較して、切除部64bが省略されている。したがって、前記ヘッド部63′が柄部62に装着された状態では、図8に示すヘッド部63の切削刃66と光軸とが成す角αに比べて、図9Aに示すヘッド部63′の切削刃66と光軸とがなす角α′が大きくなる。なお、図8に示すヘッド部63を有する試料切削部材61と、図9Aに示すヘッド部63′を有する試料切削部材61′とをそれぞれ準備し、取出部材貫通支持孔46cに着脱することも可能であるし、取出部材貫通支持孔46cに支持された柄部62に対して、ヘッド部63、63′を着脱して交換するように構成することも可能である。
【0037】
図9Bに示す試料切削部材61″のヘッド部63″は、図8に示す刃支持部材64に対して、側面64eの斜め下方向に延びる刃支持面64fが形成されている。したがって、前記刃支持面64fに支持される切削刃66と光軸とが成す角α″は、図8、図9Aに示す切削刃66と光軸が成す角α,α′が鋭角であるのに対して、鈍角とすることができる。
【0038】
図10は実施例1の試料取出部材に位置出し部材を装着した状態の説明図であり、図10Aは交換時の位置出しを行うために位置出し部材を装着した状態の説明図、図10Bは試料取出時の位置出しを行うために位置出し部材を装着した状態の説明図である。
図10において、前記試料取出部材56,61〜61″の柄部56a,62には、位置出し部材68が装着されている。前記位置出し部材68は、ブロック状の位置出し部材本体68aを有しており、前記位置出し部材本体68aは、柄部56a,62が貫通することで柄部56a,62に支持されている。また、前記位置出し部材本体68aには、柄部56a,62に接触可能な位置出し固定ネジ68bがネジ込まれている。
【0039】
したがって、図10Aに示すように、前記位置出し部材68を、アタッチメントフレーム42の焦点位置A側に装着する場合、まず、位置出し固定ネジ68bを緩めた状態で、試料取出部材56,61〜61″の先端が焦点位置Aに一致するように調整する。この状態で、位置出し部材本体68aを柄部56a,62に沿って移動させ、取付部材ホルダ46に接触させる。そして、前記位置出し固定ネジ68bを締め、位置出し部材本体68aを柄部56a、62に固定する。
前記位置出し部材68を装着しない場合には、前記試料取出部材56,61〜61″を交換する場合、試料取出部材56,61〜61″を取り付ける度に、先端を焦点位置Aに合わせるための位置調節が必要となる。特に、一度装着して位置決めした後、取り外し、再び取り付ける際にも、再び位置調節をすることとなる。これに対して、試料取出部材56,61〜61″の位置調整が行われた状態で、前記位置出し部材68を固定することで、再び試料取出部材56,61〜61″を取り付ける際に、位置出し部材68が取付部材ホルダ46に接触するまで挿入するだけで、試料取出部材56,61〜61″の先端を焦点位置Aに合わせることができ、位置出しを容易に行うことができる。
【0040】
また、図10Bに示すように、前記位置出し部材68を、取付部材ホルダ46を挟んで焦点位置Aとは反対側に装着する場合、試料取出部材56,61〜61″の先端が焦点位置Aに一致するように調整された状態で、位置出し部材本体68aを取付部材ホルダ46に接触させ、位置出し固定ネジ68bを締め、位置出し部材本体68aを柄部56a、62に固定することができる。
このようにすることで、例えば、撮像部材21で、試料を観察、探索している間に、試料取出部材56,61〜61″の先端部がウェハWに誤って接触して、ウェハWや試料取出部材56,61〜61″の先端が破損することを防止するために、着脱ネジN4を緩めて、試料取出部材56,61〜61″の先端部を焦点位置Aから、柄部56a,62の軸方向後側にずらし、採取する試料を確認した後で、位置出し部材本体68aを取付部材ホルダ46に接触させることで、試料取出部材56,61〜61″の先端を焦点位置Aに復帰させることが容易にできる。
【0041】
撮像部材21に取り付けられる実施例1の試料取出アタッチメント41は、前記アタッチメントフレーム42や、取出部材ホルダ46、ホルダサポート51、試料採取部材56または試料切削部材61,61′,61″、サポート固定ネジN3、アタッチメント固定部材K2、ホルダ固定部材K3等により構成されている。また、実施例1の取出装置本体13は、前記把持部材14や、後端キャップ16、撮像部材21、レンズ保持部材26、レンズユニット31、試料取出アタッチメント41等により構成されており、実施例1の試料取出装置11は、前記取出装置本体13および画像表示器12等により構成されている。
【0042】
(実施例1の作用)
図11は実施例1の作用説明図であり、図11Aは試料に焦点が合っていない状態の説明図、図11Bは試料に焦点が合って試料を採取した状態の説明図である。
前記構成を備えた実施例1の試料検査システムSでは、顕微分析装置2で顕微分析を行うために、ウェハWに付着した試料を採取する場合、ユーザ8が試料取出装置11を使用してウェハWから試料を採取する。このとき、ユーザ8は試料採取部材56が固定された取出装置本体13の把持部材14を把持し、撮像部材21により撮像されて画像表示器12に表示された画像を参照しながら取出装置本体13を操作する。
【0043】
図11において、前記試料採取部材56の試料採取針部56bの先端に、撮像部材21の焦点位置Aが予め設定されているため、画像表示器12に表示された画像では、常時、試料採取針部56bの先端に焦点が合った状態で且つ画面12bの同じ位置(図11では画面中央)に表示されている。したがって、ユーザ8が画面12bを参照しながら取出装置本体13を操作して、採取したい試料71が画面12b上で、試料採取針56bの位置に合うようにすることで、試料71が試料採取針部56bの先端に静電的な力や物理的な引っかかりにより付着し、採取できる(取り出される)。
したがって、実施例1の試料採取部材56では、予め試料採取針部56bの先端に撮像部材21の焦点位置Aが合っている、すなわち、観察している範囲と試料71を採取する位置とが最初から一致しているため、試料71に焦点を合わせて観察するように取出装置本体13を操作するだけで、試料71を取り出すことができる。よって、図14に示す従来技術のように、遠近感のずれにより採取に手間取るといったことが、実施例1の試料取出装置11では少なくなり、作業を容易に行うことができる。また、前記特許文献1記載の従来技術のように顕微鏡を使用せずに微小な試料を採取することができ、顕微鏡の試料ホルダに載らない試料付着物(ウェハW等)から試料を採取することができると共に、実験室、研究室等の室内に限定されず、屋外でも容易に試料を採取することができる。
【0044】
また、試料がウェハWに貼り付いたりしていて、試料採取針部56bを接触させただけでは取り出せない場合には、試料切削部材61,61′,61″を装着して、試料Sを切削することで試料を取り出すことも可能である。このとき、試料切削部材61,61′,61″の先端が、焦点位置Aに設定されているため、図14に示す従来技術のように遠近感により観察している位置と切削する位置がずれて切削に失敗することがある場合に比べて、容易に切削したい位置を切削することができる。
【0045】
なお、実施例1では、試料切削部材61,61′では、刃部66bの先端を試料に接触させた状態で、前方(画面上で奥側)から後方(画面上で手前側)に移動させることで、鉋で表面を薄く削るように試料を切削することができ、試料切削部材61″では、後方から前方に移動させることで試料を切削することができる。あるいは、大型の試料から試料片を取り出したい場合、大型の試料に対して、刃部66bを接触させた状態で、試料の厚み方向に押したり、左右方向に移動させることで、試料を切断することも可能である。よって、用途やユーザ8の使い勝手に応じて試料切削部材61,61′,61″を交換したり移動方向を変更することで、任意の形状に容易に試料片を切削して取り出すことができる。
なお、切削されたり切り出された試料は、切削刃66の先端に付着させたり、試料採取部材56に交換して、試料採取部材56で採取することで、試料を取り出して、試料プレート7に載せ、試料ステージ4に搬送できる。
【0046】
さらに、実施例1では、レンズユニット31を交換することで画像倍率を変更することができ、各レンズユニット31の倍率だけ異ならせて焦点位置Aを一致させておくことで、レンズユニット31の交換後、試料取出部材56,61,61′,61″の調整をしなくても、焦点位置Aに先端が一致した状態で速やかに使用することができる。このとき、レンズユニット31の光学系等において、焦点深度が大きなものを選択した方が、試料取出部材56,61,61′,61″の先端から離れた試料71も画面12b上に表示されやすくなる。
【0047】
また、実施例1では、位置出し部材68を柄部56a,62に装着した場合、試料交換時(図10Aの場合)または試料観察、試料探索持(図10Bの場合)に、試料取出部材56,61〜61″先端の位置出しを容易に行うことができる。すなわち、試料取出部材56,61〜61″先端の焦点位置Aへの再現性(交換時再現性または探索時再現性)が高まり、且つ容易にできる。
なお、前記位置出し部材68は、取付部材ホルダ46の焦点位置A側または反対側に配置したが、両方に配置して、両側から取付部材ホルダ46を挟み込むように配置し、使用する状況に応じて、いずれか一方の位置出し固定ネジ68bを緩めて使用することも可能である。
【実施例2】
【0048】
図12は実施例2の取出装置本体の説明図であり、図12Aは実施例1の図3に対応する側面図、図12Bは図12Aから光源部材を取り外した状態の平面図である。
図13は実施例2の取出装置本体を構成する各部品の説明図であり、図13Aは実施例2のアタッチメントフレームの説明図、図13Bはピンセット支持部材の説明図、図13Cはピンセット連結部材の説明図である。
次に、本発明の実施例2の説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0049】
図12において、実施例2の取出装置本体13′では、実施例1の試料取出アタッチメント41に替えて、実施例2の試料取出アタッチメント41′が装着されている。図12、図13において、前記試料取出アタッチメント41′は、実施例1のホルダ支持部42b、42cに比べて、上下方向の長さが長いホルダ支持部42b′,42c′を有する。前記ホルダ支持部42b′,42c′の上部には、実施例1と同様に構成された各孔42b1,42b2,42c1,42c2が形成されている。図13Aにおいて、前記ホルダ支持部42b′,42c′の下部には、ホルダ支持部42b′,42c′の内面から左右方向に延びる左右一対のピン支持用凹部81,82が形成されている。前記ピン支持用凹部81,82には、取出部外面支持用部材の一例としてのピンセット外面支持用ピン83,84が挿入されており、ピンセット外面支持用ピン83,84の内端は、ホルダ支持部42b′,42c′の内面よりも内側に突出している。
【0050】
図12Aにおいて、前記取出部材ホルダ46には、実施例1の試料取出部材56,61,61′,61″に替えて、照明部材支持体の一例としての支持棒86が支持されている。前記支持棒86の前端部には、焦点位置Aを照明する照明部材の一例としてのLEDライト87が支持されている。なお、前記LEDライト87には、図示しない配線を介して電源が供給されている。
【0051】
図12A、図13Bにおいて、前記支持棒86の後端部には、取出部材用支持部材の一例としてのピンセット支持部材88が支持されている。図13Cにおいて、前記ピンセット支持部材88は、板状の本体88aを有する。前記本体88aの上部には、前後方向に貫通する支持体用貫通孔の一例としての支持棒貫通孔88bが形成されており、前記支持棒貫通孔88bには支持棒86が貫通した状態で保持される。
本体88aの上端には、上端面から前記支持棒貫通孔88bまで延びる支持体固定用ネジ孔88cが形成されており、支持体固定用ネジ孔88cにネジ込まれる支持体固定部材の一例としての棒固定ネジN11により支持棒86の軸方向の位置が固定される。
本体88aの下部には、前後方向に貫通し且つ下端から上方に延びる取出部材固定用の溝部88dが形成されている。前記溝部88dの下端には、左右方向に貫通する固定用ネジ孔88eが形成されている。
【0052】
前記溝部88dには、試料取出部材の一例としてのピンセット89が支持されている。図12Bにおいて、前記ピンセット89は、後側の基端部89aと、基端部89aの前方に二又上に分かれて延びて互いに接近・離間する方向に移動可能な可動部89bと、可動部89bの先端に形成された試料取出部の一例としての摘出部89cとを有する。ピンセット89は、基端部89aが前記溝部88dに挿入された状態で、固定用ネジ孔88eに装着される固定用ネジN12が締められることで、ピンセット支持部材88に支持される。したがって、実施例1のピンセット89は、ピンセット支持部材88および支持棒86を介して、取出部材ホルダ46に間接的に保持されている。
【0053】
また、ピンセット89の可動部89bどうしが離間した状態では、可動部89bの外表面が前記ピンセット外面支持用ピン83,84に接触して離間しすぎないように予め設定された位置に保持される。
なお、ピンセット89の摘出部89cの先端は焦点位置Aに対応して配置されており、試料を摘むためにユーザが可動部89bどうしを指で挟んで接近させ、摘出部89cの先端どうしが接触した状態において、摘出部89cが焦点位置Aに一致するように設定されている。なお、摘出部89cを焦点位置Aに一致させる調整は、実施例1と同様にして、支持棒86を軸方向にずらしたり、支持棒86に対してピンセット支持部材88の位置をずらしたりすることで可能である。
【0054】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の試料検査システムSでは、取出装置本体13′の把持部材14を把持しつつ、ピンセット89の可動部89bの外表面に指を添えた状態で、画像表示器12に表示された画像を参照しながら、取出装置本体13を操作して、取り出したい試料71が画面12b上で摘出部89cの位置に対応するように操作する。そして、可動部89bを指で挟むように押さえることで、摘出部89cで試料71を取り出すことができる。したがって、実施例2の試料検査システムSでも、実施例1と同様に、微小な試料を容易に取り出すことができる。
また、実施例2の試料検査システムSでは、LEDライト87で焦点位置Aが照明されており、暗所や照明が不足している室内等においても容易に試料71を取り出すことができる。
【0055】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H015)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、レンズユニット31を交換型としたが、この構成に限定されず、手動または自動でピント調整可能な光学系を設けて、交換しなくても焦点位置Aや倍率を調整可能な構成とすることも可能である。
(H02)前記実施例において、試料取出部材56,61,61′,61″として、試料の採取または切削をする場合を例示したが、試料取り出し部材としてピンセットやナイフを用意することも可能である。また、これに限定されず、例えば、液体状の試料を吸い取ることで、試料を取り出すいわゆるスポイト状の試料取出部材を装着することも可能である。あるいは、植物や動物等の生体試料に対して、試薬を塗布、噴射等する部材を取付可能とすることも可能である。さらに、例えば、特開平7−294399号公報等に記載のミニプレーンを装着することも可能である。
【0056】
(H03)前記実施例において、試料取出部材56,61,61′,61″の先端位置を調節するための構成を設けることが望ましいが、例えば、前記(H01)のように光学系で焦点位置が調節可能な場合、試料取出部材56,61,61′,61″の先端位置を調節するための構成を省略することも可能である。
(H04)前記実施例において、筆記具(ペン)型の把持部材14を採用したが、ペン型の形状に限定されず、把持可能な柄形状、例えば、歯ブラシの柄のような形状や、懐中電灯のような形状等、任意の形状にすることが可能である。
(H05)前記実施例において、画像表示器12(モニター)は、取出装置本体13と別体に構成したが、取出装置本体13にモニターを固定する構成とすることも可能である。また、画像表示器12と取出装置本体13との接続は、有線のケーブルで行ったが、無線形式とすることも可能である。情報の送受信を無線化した場合、取出装置本体13を乾電池式や充電池式等にすることで、ワイヤレス化でき、ケーブルが作業の妨げにならず、ケーブル式の場合に比べて、さらに操作性を向上させることができる。
【0057】
(H06)前記実施例において、試料取出アタッチメント41を撮像部材21に対して着脱可能な構成としたが、着脱不能に固定することも可能である。あるいは、アタッチメントフレーム42等を固定して、試料取出部材56,61,61′,61″のみ着脱可能とすることも可能である。
(H07)前記実施例において、試料取出部材56,61,61′,61″は、着脱ネジN4を締めたり緩めたりすることで着脱可能な構成を例示したが、試料取出部材56,61,61′,61″を着脱可能に固定する構成は、この構成に限定されず、例えば、板バネを使用して着脱可能に固定する方法等、従来公知の任意の着脱可能な固定方法を採用可能である。
【0058】
(H08)前記実施例において、把持部材14に対して撮像部材21を固定し、撮像部材21に試料取出アタッチメント41を装着することで、撮像部材21を介して、間接的に把持部材14に対して試料取出アタッチメント41を固定したが、この構成に限定されず、例えば、試料取出アタッチメント41を直接把持部材14に固定する構成とすることも可能である。また、把持部材を試料取出部材56の柄部56aの後端部に支持する構成、すなわち、実施例では把持部材+撮像部材に対して試料取出部材を固定していたのに替えて、試料取出部材+把持部材に対して撮像部材を固定する形とすることも可能である。
(H09)前記実施例において、光学系に、いわゆる、イメージファイバーを採用し、焦点位置Aの像をイメージファイバーを介して撮像部材に形成する構成とすることも可能である。
【0059】
(H010)前記実施例において、画像表示器12(モニター)を卓上に設置したが、この構成に限定されず、従来公知の任意の表示器とすることも可能である。例えば、従来公知のヘッドマウントディスプレイを使用したりすることも可能である。ヘッドマウントディスプレイを使用することで、実際に試料を採取するウェハWの位置とは異なるモニター12を見る場合に比べ、ウェハWの方向を見ながら観察でき、さらに操作性が向上することが期待される。
(H011)前記実施例において、位置出し部材68を装着する場合を例示したが、この構成に限定されず、例えば、柄部56a,62に目盛り等を予め形成しておき、先端が焦点位置Aに一致した状態における目盛りを記憶、メモしておくことで、再装着時の位置出しを容易に行えるようにすることも可能である。他にも、柄部56a、62にマジック等で目印を書いておくことで同様の効果を得ることも可能である。
【0060】
(H012)前記実施例において、顕微分析装置の一例として、従来公知の顕微ラマン分光光度計を例示したが、顕微分析装置はこの構成に限定されず、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の電子顕微鏡や、光学顕微鏡等、顕微分析の目的や用途に応じて任意の顕微分析装置を使用可能である。
(H013)前記実施例に例示したように、取り出した試料をそのまま顕微鏡等のサンプルステージに直接セットせず、試料保管箱等に一度格納し、顕微鏡などの置かれた場所に運送したり、顕微鏡の使用可能な時間まで保管するなど、取り出し作業と分析作業を分離することも可能である。
【0061】
(H014)前記実施例において、実施例1の構成と実施例2の構成とを組み合わせることができる。例えば、実施例2の取出部材用支持部材の一例としてのピンセット支持部材88において、溝部88dに替えて柄部56a、62が貫通可能な孔を形成して支持することで、LEDライト87で焦点位置Aを照明しつつ試料採取針部56bで試料71を採取したり、切削刃66で試料71を切削することが可能となる。
(H015)前記実施例において、照明が不要な場合、実施例2のLEDライト87を支持棒86から取り外して、ピンセット89のみの構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は本発明の実施例1の試料取出装置を使用した試料取出方法の説明図である。
【図2】図2は図1の試料取出装置の要部拡大図である。
【図3】図3は実施例1の取出装置本体の要部断面説明図であり、図3Aは要部を断面とした側面図、図3Bは図3AのIIIB−IIIB線断面図である。
【図4】図4は取出装置本体の分解説明図である。
【図5】図5は試料取出アタッチメントのフレームの説明図であり、図5Aは正面図、図5Bは図5Aの矢印VB方向から見た図、図5Cは図5Aの矢印VC方向から見た図、図5Dは図5Aの矢印VD方向から見た図である。
【図6】図6は試料取出アタッチメントの取出部材ホルダの説明図であり、図6Aは正面図、図6Bは図6Aの矢印VIB方向から見た図、図6Cは図6Aの矢印VIC方向から見た図である。
【図7】図7は試料取出アタッチメントのホルダサポートの説明図であり、図7Aは正面図、図7Bは図7Aの矢印VIIB方向から見た図である。
【図8】図8は実施例1の試料取出部材の他の例である試料切削部材の説明図であり、図8Aは試料切削部材が装着された状態の取出装置本体の説明図、図8Bは試料切削部材のヘッド部の説明図、図8Cは図8Bの矢印VIIIC方向から見た図、図8Dは切削刃の説明図、図8Eは図8Dの矢印VIIIE方向から見た図である。
【図9】図9は実施例1の試料切削部材の変更例の説明図であり、図9Aは図8Bに対応する第1の変更例の試料切削部材のヘッド部の説明図、図9Bは第2の変更例の試料切削部材のヘッド部の説明図である。
【図10】図10は実施例1の試料取出部材に位置出し部材を装着した状態の説明図であり、図10Aは交換時の位置出しを行うために位置出し部材を装着した状態の説明図、図10Bは試料取出時の位置出しを行うために位置出し部材を装着した状態の説明図である。
【図11】図11は実施例1の作用説明図であり、図11Aは試料に焦点が合っていない状態の説明図、図11Bは試料に焦点が合って試料を採取した状態の説明図である。
【図12】図12は実施例2の取出装置本体の説明図であり、図12Aは実施例1の図3に対応する側面図、図12Bは図12Aから光源部材を取り外した状態の平面図である。
【図13】図13は実施例2の取出装置本体を構成する各部品の説明図であり、図13Aは実施例2のアタッチメントフレームの説明図、図13Bはピンセット支持部材の説明図、図13Cはピンセット連結部材の説明図である。
【図14】図14は従来の試料採取方法の説明図である。
【符号の説明】
【0063】
8…ユーザ、
11…試料取出装置、
12…画像表示器、
14…把持部材、
21…撮像部材、
31c…光学系、
41…試料取出アタッチメント、
46…取出部材ホルダ、
56b,66b,89c…試料取出部、
56,61,61′,61″,89…取出部材、
71…試料、
A…焦点位置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより把持される把持部材と、
前記把持部材に対して固定され、画像を撮像する撮像部材と、
前記把持部材に対して固定された取出部材ホルダと、
顕微分析される試料を取り出す試料取出部を有し、前記取出部材ホルダに支持され且つ、前記試料取出部が前記撮像部材の焦点位置に配置された取出部材と、
前記撮像部材に電気的に接続され、撮像された画像を表示する画像表示器と、
を備えたことを特徴とする試料取出装置。
【請求項2】
円筒形状且つ筆記具状の前記把持部材と、
前記把持部材内部に収容されて固定された前記撮像部材と、
前記撮像部材の光軸上に配置され、且つ前記撮像部材に支持されることで把持部材に対して固定され、撮像する倍率を設定する光学系と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の試料取出装置。
【請求項3】
針状に構成され、前記試料を採取することで取り出す前記試料取出部、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の試料取出装置。
【請求項4】
刃状に構成され、前記試料を切削して取り出す前記試料取出部、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の試料取出装置。
【請求項5】
ピンセットにより構成され、前記試料を摘んで取り出す前記試料取出部、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の試料取出装置。
【請求項6】
前記焦点位置を照明する照明部材を有する前記試料取出部、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の試料取出装置。
【請求項7】
画像を撮像する撮像部材が固定され且つユーザにより把持される把持部材に対して、着脱可能に固定された取出部材ホルダと、
顕微分析される試料を取り出す試料取出部を有し、前記取出部材ホルダに支持され且つ、前記試料取出部が前記撮像部材の焦点位置に配置された取出部材と、
を備えたことを特徴とする試料取出アタッチメント。
【請求項1】
ユーザにより把持される把持部材と、
前記把持部材に対して固定され、画像を撮像する撮像部材と、
前記把持部材に対して固定された取出部材ホルダと、
顕微分析される試料を取り出す試料取出部を有し、前記取出部材ホルダに支持され且つ、前記試料取出部が前記撮像部材の焦点位置に配置された取出部材と、
前記撮像部材に電気的に接続され、撮像された画像を表示する画像表示器と、
を備えたことを特徴とする試料取出装置。
【請求項2】
円筒形状且つ筆記具状の前記把持部材と、
前記把持部材内部に収容されて固定された前記撮像部材と、
前記撮像部材の光軸上に配置され、且つ前記撮像部材に支持されることで把持部材に対して固定され、撮像する倍率を設定する光学系と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の試料取出装置。
【請求項3】
針状に構成され、前記試料を採取することで取り出す前記試料取出部、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の試料取出装置。
【請求項4】
刃状に構成され、前記試料を切削して取り出す前記試料取出部、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の試料取出装置。
【請求項5】
ピンセットにより構成され、前記試料を摘んで取り出す前記試料取出部、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の試料取出装置。
【請求項6】
前記焦点位置を照明する照明部材を有する前記試料取出部、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の試料取出装置。
【請求項7】
画像を撮像する撮像部材が固定され且つユーザにより把持される把持部材に対して、着脱可能に固定された取出部材ホルダと、
顕微分析される試料を取り出す試料取出部を有し、前記取出部材ホルダに支持され且つ、前記試料取出部が前記撮像部材の焦点位置に配置された取出部材と、
を備えたことを特徴とする試料取出アタッチメント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−229448(P2009−229448A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322767(P2008−322767)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(593230855)株式会社エス・テイ・ジャパン (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(593230855)株式会社エス・テイ・ジャパン (13)
【Fターム(参考)】
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