説明

試料液容器

【課題】試料液容器において、試料液が吸引管で吸引され取り出されるときのこの吸引管で吸引される試料液の温度をより正確に温度管理する
【解決手段】内部に収容された試料液1が吸引管80によって吸引され取り出される試料液容器100において、この試料液容器100のうちの、少なくとも吸引管80の吸引口80K近傍に位置する容器温調部分111の熱伝導率を15[W・M−1・K−1]以上とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は試料液容器に関し、詳しくは、内部に収容された試料液が吸引管によって吸引され取り出される試料液容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動分注装置によって分注される試料液を収容する試料液容器が知られている。このような試料液容器は樹脂製であり、容器の開口部を通して容器内にピペッタの先端部が挿入され、容器に収容されている試料液がピペッタで吸引され分注される(特許文献1参照)。
【0003】
このような樹脂製の試料液容器は、表面プラズモン共鳴の原理を用いたタンパクと化合物との結合量の測定等を行う測定装置(特許文献2参照)にも使用される。より具体的には、試料液容器にはタンパクを溶解した試料液あるいは化合物を溶解した試料液が収容され、試料液容器からピペッタで吸引された試料液が分注されて上記結合量の測定が実施される。上記のような測定装置は、環境温度を一定に保つ温調が施された場所に設置され、温度変化の測定精度への影響を低減している。
【特許文献1】特開2005−10179号公報
【特許文献2】特開2003−172743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記表面プラズモン共鳴の原理を用いた測定装置等においては測定精度を高めることが求められている。測定装置の測定精度を高めようとすると、上記のように環境温度を一定に保つ温調が施されていたとしても、その温調範囲内で生じる試料液の僅かな温度変化が測定誤差として現れることがある。そのため、ピペッタで吸引され測定に供される試料液の温度をより正確にコントロールしたいという要請がある。
【0005】
なお、上記要請は、表面プラズモン共鳴の原理を用いたタンパクと化合物との結合量の測定に用いられる自動分注用の試料液容器に限らず、内部に収容された試料液が吸引管によって吸引され取り出される一般の試料液容器に対して共通するものである。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、試料液が吸引管で吸引され取り出されるときのこの吸引管で吸引される試料液の温度をより正確に温度管理することができる試料液容器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の試料液容器は、内部に収容された試料液が吸引管によって吸引され取り出される試料液容器であって、試料液容器のうちの、少なくとも吸引管の吸引口近傍に位置する容器温調部分の熱伝導率が15[W・M−1・K−1]以上であることを特徴とするものである。
【0008】
前記容器温調部分は、この試料液容器の内側表面のうちの吸引管の吸引口近傍に位置する内側表面部分と、上記試料液容器の外側表面のうちの試料液を温調するために加熱あるいは冷却される外側表面部分との間の部分を意味するものである。ここで、吸引口近傍に位置する内側表面部分とは、試料液容器の内側表面のうちの、試料液が吸引管で吸引され取り出されるときのこの吸引管で吸引される試料液を効率良く過熱あるいは冷却できる領域を意味するものである。この内側表面部分は、試料液が吸引管で吸引され取り出されるときのこの吸引管で吸引される試料液が直接接触する領域であることが望ましいが、上記吸引管で吸引される試料液の近傍に位置する領域であってもよい。
【0009】
本発明の第2の試料液容器は、内部に収容された試料液が吸引管によって吸引され取り出される試料液容器であって、試料液容器の内側表面のうちの吸引管の吸引口近傍に位置する内側表面部分と、試料液容器の外側表面のうちの試料液を温調するために加熱あるいは冷却される外側表面部分との間の熱伝導率が、他の表面部分間の熱伝導率より高くなるように構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
前記吸引口近傍に位置する内側表面部分は、上記第1の試料液容器の場合と同様に、試料液容器の内側表面のうちの、試料液が吸引管で吸引され取り出されるときのこの吸引管で吸引される試料液を効率良く過熱あるいは冷却できる領域を意味するものである。この内側表面部分は、試料液が吸引管で吸引され取り出されるときのこの吸引管で吸引される試料液が直接接触する領域であることが望ましいが、上記吸引管で吸引される試料液の近傍に位置する領域であってもよい。
【0011】
前記他の表面部分間とは、試料液容器の内側表面のうちの前記内側表面部分以外の領域と前記外側表面部分との間、あるいは試料液容器の外側表面のうちの前記外側表面部分以外の領域と前記内側表面部分との間を意味するものである。
【0012】
前記試料液容器は、内側表面部分と外側表面部分との間に金属部材が配されているものとしたり、内側表面部分と外側表面部分との間の熱伝導率が15[W・M−1・K−1]以上であるものとすることができる。
【0013】
前記試料液容器は、表面プラズモン共鳴の原理を用いたタンパクと化合物との結合量の測定に用いられる試料液であって、前記タンパクあるいは前記化合物を溶解させた試料液を収容するものすることができる。
【0014】
前記試料液容器は、内部に収容された試料液が自動分注に用いられるピペッタによって吸引され取り出されるものとすることができる。
【0015】
なお、内側表面部分と外側表面部分との間に互に異なる材料が積層されているときの熱伝導率は、この内側表面部分と外側表面部分との間に存在する部材全体としての熱伝導率を採用することができる。すなわち、内側表面部分と外側表面部分との間を通る単位時間、単位表面積当たりの熱流を、内側表面部分と外側表面部分との間の温度勾配で除したものを上記互に異なる材料が積層された部材の熱伝導率として採用することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の試料液容器は、この試料液容器のうちの、少なくとも吸引管の吸引口近傍に位置する容器温調部分の熱伝導率を15[W・M−1・K−1]以上としたので、試料液が吸引管で吸引され取り出されるときのこの吸引管で吸引される試料液の温度を、従来の樹脂製の試料液容器に比してより正確に温度管理することができる。
【0017】
本発明の第2の試料液容器は、この試料液容器の内側表面のうちの吸引管の吸引口近傍に位置する内側表面部分と、試料液容器の外側表面のうちの試料液を温調するために加熱あるいは冷却される外側表面部分との間の熱伝導率を、他の表面部分間の熱伝導率より高くなるように構成したので、試料液が吸引管で吸引され取り出されるときのこの吸引管で吸引される一部の試料液の加熱あるいは冷却をより効率よく行なうことができる。したがって、試料液が吸引管で吸引され取り出されるときのこの吸引管で吸引される試料液の温度をより正確に温調することができ、例えば、環境温度を一定に保つ温調範囲内で試料液に僅かな温度変化が生じる場合であってもその温度をより正確に補正することができる。これにより、試料液が吸引管で吸引され取り出されるときのこの吸引管で吸引される試料液の温度をより正確に温度管理することができる。
【0018】
また、第2の試料液容器を、内側表面部分と外側表面部分との間に金属部材が配したものとしたり、内側表面部分と外側表面部分との間の熱伝導率が15[W・M−1・K−1]以上のものとすることにより、試料液が吸引管で吸引され取り出されるときのこの吸引管で吸引される試料液の温度をより確実に温度管理することができる。
【0019】
なお、試料液を、表面プラズモン共鳴の原理を用いたタンパクと化合物との結合量の測定に用いられるものであって、上記タンパクあるいは上記化合物を溶解させた試料液とすれば、上記結合量の測定は温度の影響を受けやすいので、試料液が吸引管で吸引され取り出されるときのこの吸引管で吸引される試料液の温度をより正確に温度管理する顕著な効果を得ることができる。
【0020】
また、吸引管を、試料液の自動分注に用いられるピペッタとすれば、上記自動分注に用いられるピペッタは、試料容器中の試料液を吸引する位置に配されるときの位置決め精度が高いので、試料液を吸引管で吸引して取り出すときのこの吸引管で吸引される試料液の温度をより正確に温度管理する顕著な効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態の試料液容器の概略構成を示す断面図、図2は上記試料液容器の外観を示す斜視図である。なお、図1は、図2に示す試料液容器をX−Z平面に平行な面で切断した断面を示す図である。また、図3および図4は試料液容器の他の実施例を示す図である。
【0022】
図1に示す本発明の実施の形態の試料液容器100は、内部に収容された試料液1が吸引管であるピペッテ80によって吸引され取り出される試料液容器である。上記試料液容器100は、この試料液容器100のうちの、試料液1がピペッテ80の吸引口80Kから吸引され取り出されるときのこの吸引口80Kの近傍に位置する容器温調部分111の熱伝導率が15[W・M−1・K−1]以上のものである。
【0023】
上記容器温調部分111は、例えばSUS316からなるステンレス部材で形成することができる。
【0024】
試料液容器100は、試料液1を収容する開口部10の一部が形成されている上記容器温調部分111を含む容器本体部110と、上記容器温調部分111に形成された開口部10の一部に続くこの開口部10の他の一部が形成されている容器ヘッド部120とから構成されている。上記開口部10からピペッテ80が挿入され、その吸引口80Kから試料液1が吸引され取り出される。
【0025】
容器温調部分111は、試料液容器100の内側表面のうちの内側表面部分U1と、上記試料液容器100の外側表面のうちの外側表面部分W1との間の部分であって、内側表面部分U1と外側表面部分W1とを含む部分である。
【0026】
ここで、内側表面部分U1は、容器本体部110の内側表面のうちの、試料液1がピペッテ80の吸引口80Kから吸引され取り出されるときのこの吸引口80Kの近傍に位置する部分である。
【0027】
すなわち、上記内側表面部分U1は、容器本体部110の内側表面のうちの、試料液1がピペッテ80で吸引され取り出されるときのこのピペッテ80で吸引される試料液1pを効率良く過熱あるいは冷却できる領域である。この内側表面部分は、上記ピペッテ80で吸引される試料液1pが直接接触する領域であることが望ましいが、そのような場合に限るものではない。
【0028】
また、上記外側表面部分W1は、上記容器本体部110の外側表面のうちの、試料液1を温調するために加熱あるいは冷却される部分である。より詳しくは、上記外側表面のうちの、上記ピペッテ80で吸引される試料液1pを温調するために加熱あるいは冷却される部分である。
【0029】
外側表面部分W1は、温調装置200の備える温調部210、例えばペルチェ素子からなる温調部210に接触せしめられており、この温調部210が外側表面部分W1を通して試料液1に熱を与えたり、この外側表面部分W1を通して試料液1から熱を奪ったりする。
【0030】
容器本体部110は、開口部10の側に位置する上記容器温調部分111と、樹脂部材で形成された熱伝導率が0.5[W・M−1・K−1]未満の樹脂容器部分112とからなる。
【0031】
なお、容器本体部110の有する上記開口の上に配された容器ヘッド部120は、下側(図中矢印−Z方向)に小径開口を上側(図中矢印+Z方向)に大径開口を有する筒状部121を備えている。この筒状部121には、小径開口と大径開口との境界に蒸気通過制限隔壁122が載置される台座Gが設けられている。上記台座G上には、蒸気通過制限隔壁122、圧入スペーサリング123がこの順に積み重ねられている。
【0032】
蒸気通過制限隔壁21は、中央に十字形状のスリットを有している。開口部10を通してピペッテ80が試料液容器100内に挿入されるときには、上記十字状スリットによって4分割された隔壁部分それぞれの先端部分が押し下げられて変形しピペッテ80の吸引口80Kを通過させる。その後、ピペッテ80が試料液1を吸引し開口部10から外部に抜き出されると、押し下げられて変形していた各隔壁部分が元の平板状態に戻って開口部10の隙間を小さくする。
【0033】
上記蒸気通過制限隔壁21は、シリコンシートやテフロン(登録商標)シート、あるいはシリコンシート上にテフロン(登録商標)シートを積層した積層シートを用いて作成することができる。なお、この蒸気通過制限隔壁21は、圧入スペーサリング123が筒状部121の大径開口へ圧入されることによりこの筒状部121に固定される。
【0034】
なお、容器本体部110の内側表面のうちの、ピペッテ80が試料液1を吸引するときの吸引口80Kの位置の鉛直下方(図中矢印−Z方向)の領域に形成された液溜部D1が、他の内側表面の位置より低くなっている。そして、上記液溜部D1の最も低い位置から、試料液容器100内に仕様範囲内で最大限の試料液1を収容したときのこの試料液1の水位の最高位置までの距離は20mm以下である。
【0035】
すなわち、試料液容器100内に仕様範囲内で最大限の試料液1を収容したときの、この試料液1の最大深さは20mm以下である。なお、上記液溜部D1は容器温調部分111に含まれている。
【0036】
上記試料液1は、表面プラズモン共鳴の原理を用いたタンパクと化合物との結合量の測定に用いられるものであり、タンパクあるいは化合物を溶解させたものである。なお、上記表面プラズモン共鳴の原理を用いたタンパクと化合物との結合量の測定に関しては特開2004−170364号公報等を参照することができる。
【0037】
また、上記ピペッテ80は、試料液1の自動分注に用いられるものであり、試料液容器100に収容されている試料液1から自動的に所定量の試料液1を吸引して取り出すために用いられるものである。なお、図2に示すように、互に異なる種類の試料液を収容した複数の試料液容器100が並べられて自動分注に用いられることもある。
【0038】
次に、試料液容器100に収容された試料液1がピペッテ80で吸引され取り出されるときのこの取り出される試料液1pの温調について説明する。
【0039】
上記液溜部D1の近傍の試料液1p中には、サーミスタ等の温度センサ220が配置されている。温調装置200には、上記温度センサ220で測定されケーブル230を通して伝送された温度データが入力され、この温調装置200が上記入力された温度データに基づいて温調部210を制御する。この温調部210の制御により上記試料液1がピペッテ80で吸引され取り出されるときのこのピペッテ80で吸引される試料液1pを温調する。
【0040】
ここで、上記ピペッテ80で吸引される試料液1pは上記液溜部D1の上方(図中矢印+Z方向)の近傍に位置する。また、温調部210は液溜部D1の下方(図中矢印−Z方向)の近傍に位置する。したがって、温調装置200により上記試料液1pを効率良く温調することができる。すなわち、ピペッテ80の吸引口80Kから吸引され取り出されるときのこの吸引口80Kの近傍に位置する試料液1を、他の領域に位置する試料液1より正確に温調することができる。
【0041】
ここで、開口部10から外部に抜き出された状態で待機していたピペッテ80を、開口部10を通って下方(図中矢印−Z方向)へ移動させ、試料液1中におけるこの試料液1を吸引する所定の位置に位置させる。このとき、ピペッテ80の吸引口80Kは液溜部D1の上方、すなわち、より正確な温度に温調された試料液1pが存在する領域に位置する。そして、この試料液1pがピペッテ80によって吸引され取り出される。
【0042】
上記、ピペッテ80による試料液1の吸引は繰り返し実行されるが、ピペッテ80の吸引口80Kは、常に試料液容器100中の同じ位置で試料液1を吸引する。したがって、ピペッテ80は、毎回、吸引口80Kからより正確な温度に温調された試料液1を吸引することができる。
【0043】
これにより、試料液1がピペッテ80で吸引され取り出されるときのこのピペッテ80で吸引される試料液1pの温度をより正確に温度管理することができる。
【0044】
上記説明では、試料液1pを吸引するときのピペッテ80の吸引口80Kの位置の下方に温調部210を位置させた。しかし、例えば、図1中に示すように温調部210を、容器温調部分111中の、試料液1を吸引するときの吸引口80Kの位置の側方の外側表面(図中矢印Soで示す領域)に接触するように配置しても、上記と概略同様の効果を得ることができる。すなわち、試料液がピペッテで吸引され取り出されるときのこのピペッテで吸引される試料液の温度をより正確に温度管理する効果を得ることができる。
【0045】
なお、容器温調部分を、試料液容器のうちの上記領域に配する場合に限らない。例えば、図3に示すように、試料液容器のうちの、液溜部D1の下方領域のみを容器温調部分111Aとしてもよい。ここで、容器温調部分111Aは下側(図中矢印−Z方向)に、アルミニウム部材、鉄部材、銅部材、あるいはステンレス部材等からなる金属部材Meが配置され、上側(図中矢印+Z方向)に樹脂部材が配置された2層構造からなるものであり、容器温調部分111Aの外側表面部分と内側表面部分との間における熱伝導率が15[W・M−1・K−1]以上である。
【0046】
すなわち、試料液容器のうちの、上記容器温調部分111A以外の部分を樹脂製とし、この試料液容器を、樹脂製の容器ヘッド部120Aと、上記容器温調部分111Aおよび樹脂製の樹脂容器部分112Aからなる容器本体部110Aとを備えたものとしてもよい。
【0047】
さらに、上記容器温調部分は、容器本体部の全部としてもよい。すなわち、図4に示すように、容器本体部110Bの全部を、熱伝導率が15[W・M−1・K−1]以上の部材、たとえばSUS316等の耐食性に優れたステンレス部材で形成するようにしてもよい。すなわち、試料液容器を、樹脂製の容器ヘッド部120Bと、上記容器温調部分111Bである容器本体部110Bとを備えたものとしてもよい。
【0048】
ここで、上記図1、および図3に示した上述の試料液容器は、この試料液容器の内側表面のうちのピペッテ80の吸引口80K近傍に位置する内側表面部分と、この試料液容器の外側表面のうちの試料液1を温調するために加熱あるいは冷却される外側表面部分との間の熱伝導率が、他の表面部分間の熱伝導率より高くなるように構成されているものである。
【0049】
なお、上記実施の形態においては、自動分注に用いられるピペッテを用いて試料液が吸引される試料液容器について説明したが、このような場合に限らない。本発明の手法は、内部に収容された試料液が吸引管によって吸引され取り出される試料液容器であれば、どのような試料液容器に対しても適用可能である。
【0050】
また、上記実施の形態においては、表面プラズモン共鳴の原理を用いたタンパクと化合物との結合量の測定に用いられる上記タンパクあるいは上記化合物を溶解させた試料液を収容する試料液容器について説明したが、このような場合に限らない。本発明の手法は、試料液容器が収容している試料液の種類にかかわらず適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態による試料液容器の概略構成を示す断面図
【図2】試料液容器の外観を示す斜視図
【図3】試料液容器の他の実施例を示す図
【図4】試料液容器の他の実施例を示す図
【符号の説明】
【0052】
1 試料液
80 吸引管
80K 吸引口
100 試料液容器
110 容器本体部
111 容器温調部分
112 樹脂容器部分
120 容器ヘッド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収容された試料液が吸引管によって吸引され取り出される試料液容器であって、
前記試料液容器のうちの、少なくとも前記吸引管の吸引口近傍に位置する容器温調部分の熱伝導率が15[W・M−1・K−1]以上であることを特徴とする試料液容器。
【請求項2】
内部に収容された試料液が吸引管によって吸引され取り出される試料液容器であって、
前記試料液容器の内側表面のうちの前記吸引管の吸引口近傍に位置する内側表面部分と、前記試料液容器の外側表面のうちの前記試料液を温調するために加熱あるいは冷却される外側表面部分との間の熱伝導率が、他の表面部分間の熱伝導率より高くなるように構成されていることを特徴とする試料液容器。
【請求項3】
前記内側表面部分と外側表面部分との間に金属部材が配されていることを特徴とする請求項2記載の試料液容器。
【請求項4】
前記内側表面部分と外側表面部分との間の熱伝導率が15[W・M−1・K−1]以上であることを特徴とする請求項2記載の試料液容器。
【請求項5】
前記試料液が、表面プラズモン共鳴の原理を用いたタンパクと化合物との結合量の測定に用いられるものであって、前記タンパクあるいは前記化合物を溶解させた試料液であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の試料液容器。
【請求項6】
前記吸引管が、試料液の自動分注に用いられるピペッタであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の試料液容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−163403(P2007−163403A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−362946(P2005−362946)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】