説明

試験対象装置、試験システム、テスト方法及びプログラム

【課題】本発明は、不揮発メモリ、入力部、表示部に不良があってもテストを行える試験対象装置、試験システム、テスト方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】
試験対象装置1に接続されたダウンロード用PC2から、内蔵メモリ5にテストプログラム8をダウンロードすると共にテストプログラム8を起動する。これにより不揮発メモリ4にプログラムを書き込むことができない試験対象装置1に対して試験を行なうことが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験対象装置上でテストプログラムを実行するテスト方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在機器の異常発生に対処する様々な手法が開示されている。
例えば特許文献1には、ランプの点灯の仕方を変化させることにより異常を通知するマイコンガスメータが提案されている。
【0003】
また特許文献2には、メモリーカード記憶領域の一部故障に対処するため、記憶領域を複数のブロックに分割し、ブロック毎に有効/無効の管理を行う方法が開示されている。
更に特許文献3には、起動用のプログラムが書き込まれているフラッシュメモリの書き換え中の停電等に対処するため、フラッシュメモリを主データ保持部分と従データ保持部分とに分け、従データ保持部分に最新データを書き込み、書き込みが完了すると主データ保持部分と従データ保持部分のアドレスを入れ替えることで対処する方法が開示されている。
【0004】
一方、携帯電話等内部にメモリを備える機器では、外部PCよりテストプログラムを携機器の不揮発メモリに書き込み、不揮発メモリ上からテストプログラムを起動してテストを行う。そして起動したテストプログラムは、機器上のキーパッド等の入力部を操作して動作を制御し、テスト結果を示すメッセージは機器上のメインLCD等の表示部上に表示する。
【特許文献1】特開2004−77265号公報
【特許文献2】特開平11−39151号公報
【特許文献3】特開平6−119254号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような内部メモリを備える機器に対する従来のテストの仕方では、テストを実行するためにはプログラムを書き込む不揮発メモリが正常に書き込める必要がある。またエラー情報の通知や試験の制御に用いるLCDやキーパッドなど、試験を実行するためのデバイスが正常に動作する必要があった。
【0006】
そのため不揮発メモリ上のプログラムをダウンロードする領域が破損しプログラムが書き込めない場合や、メインLCDやキーパッドに不具合がある場合に正常にテストプログラムを実行できない問題があった。
【0007】
そこで本発明は、不揮発メモリ、キーパッド等の入力部、メインLCD等の表示部に不良があってもテストを行える試験対象装置、試験システム、テスト方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本試験対象装置はテストプログラムに基づいて、自身のテストを実行する試験対象装置であって、上記課題を解決するため、記憶部、通信部及び処理部を含む。
記憶部は、外部装置から前記テストプログラムをダウンロードするためのプログラムが記録する。
【0009】
通信部は、外部装置との通信を行う。
処理部は、前記ダウンロードするためのプログラムを起動して、前記通信部を介して前記外部装置からダウンロードされるテストプログラムを前記記憶部に格納すると共に、前記テストプログラムを動作させて前記情報処理装置のテストを実行する。
【0010】
また本発明は、試験システム、テスト方法やプログラムもその範囲に含む。
【発明の効果】
【0011】
本試験装置によれば、テストプログラムを不揮発メモリ上にダウンロードしても正常に動作しない場合においても、外部から送り込んだテストプログラムを直接実行することで障害箇所の特定をおこなう。
・SDRAM上の特定の領域が故障している。
・不揮発メモリ上の特定の領域が故障している。
・プログラムは動作しているがLCD本体および制御線の障害により表示されない。
・キー制御デバイスの故障によりキー入力ができない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。
なお以下の説明では、本実施形態のテスト方法でテストされる試験対象装置として携帯電話をテストする例を挙げて説明するが、本実施形態のテスト方法でテストされる試験対象装置は携帯電話に限定されるものではなく、揮発性メモリと不揮発メモリを内部に備える機器であれば他のものでも良い。
【0013】
図1は、本実施形態における試験システムについての概略を示す図である。
図1の試験システムでは、試験対象装置1と、外部より試験対象装置1にテストプログラムを送り込むダウンロード用PC2で構成される。そして試験対象装置1とダウンロード用PC2はUSBケーブル3で接続される。
【0014】
試験対象装置1には、不揮発メモリ4内に端末側DL用プログラム6があらかじめ用意され、PC側にも同様にPC側DL用プログラム7と、試験対象装置1にダウンロードするテストプログラム8のバイナリファイルが記憶されている。なお端末側DL用プログラム6は、外部からプログラムなどを試験対象装置1にダウンロードする際に用いられるプログラムであり、工場出荷時にすでに不揮発メモリ上に書き込まれており、正常に動作するものとする。
【0015】
PC側DL用プログラム7は、USBケーブル3を介して試験対象装置1をリブートし、端末側DL用プログラム6を起動する。
起動された端末側DL用プログラム6は、ダウンロード用PC2とのUSB等の回線によって試験対象装置1が接続されていることを認識すると、PC側DL用プログラム7と通信し、ダウンロード用PC2側に格納されているテストプログラム8を試験対象装置1内の揮発性の内蔵メモリ5に展開する。
【0016】
そして端末側DL用プログラム6は、テストプログラムを内蔵メモリ5に展開後、テストプログラムの先頭に分岐する。これにより、テストプログラム8が自動的に実行され、試験対象装置1に対するテストが実行される。
【0017】
図2は、テストプログラムの起動フローの概略を示す図である。
テストは以下の順番で実行される。なお、試験対象装置1にエラーを検出すると、試験対象装置1は直ちに停止し障害箇所を通知するものとする。
【0018】
まずステップS1として、ダウンロード用PC2上のPC側DL用プログラム7が試験
対象装置1をリブートする。
再起動した試験対象装置1は、自己の不揮発メモリ4に記憶されている端末側DL用プログラム6を起動する。
【0019】
そして端末側DL用プログラム6は、試験対象装置1がダウンロード用PC2と接続されていることを認識すると、PC側DL用プログラム7とやり取りを行う。このやりとりに応じて、ステップS3としてPC側DL用プログラム7は、テストプログラム8のバイナリデータを試験対象装置1に対して送信する。
【0020】
端末側DL用プログラム6は、ステップS4としてダウンロード用PC2から送信されたテストプログラム8のバイナリデータを受信し、ステップS5としてこれを試験対象装置1の内臓メモリ5に展開する。
【0021】
そして端末側DL用プログラム6は、ステップS6としてステップS5で内蔵メモリ5に展開したテストプログラム8の先頭に処理を分岐する。これによりテストプログラム8は自動的に起動される(ステップS7)。
【0022】
以下テストプログラム8は、自己に記載された処理に基づいて試験対象装置1に対する種々の項目のテストを行ってゆき、試験対象装置1にエラーを検出すると障害箇所を通知すると共に直ちに処理を停止する。なおテスト結果の通知は、試験対象装置1の表示部に表示する構成としても、ダウンロードPC2の表示部に表示する構成としても良い。
【0023】
このように本実施形態によるテスト方法では、テストプログラム8は外部装置から試験対象装置1の内蔵メモリ5に展開されるので、試験対象装置1の不揮発メモリ4の特定領域に不具合があってもテストを行なうことが出来る。
【0024】
また試験対象装置1の内部メモリ5に展開されたテストプログラム8は、内蔵メモリ5に展開されると共に自動的に実行され、テストを行ってゆくので、ユーザが入力指示を行う必要が無く、試験対象装置1の入力部が故障していてもテストを行なうことが出来る。
【0025】
次に本実施形態におけるテスト方法についてより詳細に説明する。
図3は、本実施形態における試験対象装置1の構成例を示す図である。
図3において、試験対象装置1は、USBコントローラ11、第1のCPU12、第1のCPU側SDRAM13、第1のCPU側不揮発メモリ14、共有メモリ15、周辺制御インタフェース(IF)16、第2のCPU17、第2のCPU側SDRAM18、第2のCPU側不揮発メモリ19及び周辺デバイス21を備えている。
【0026】
USBコントローラ11は、USB接続を制御するコントローラである。ダウンロード用PC2は、試験対処装置1とUSBコントローラ11を介して接続される。第1のCPU12は、試験対象装置1の基本機能を司る。例えば試験対象装置1が携帯電話であったなら、第1のCPU12は電話としての機能を実現するための処理を司るCPUである。第1のCPU12は、内部RAM20を備えている。第1のCPU側SDRAM13は、第1のCPU12によってワークメモリとして読み書きされる揮発性のメモリである。第1のCPU側不揮発メモリ14は、第1のCPU12によって読み書きされる不揮発性のメモリである。共有メモリ15は、第1のCPU12と第2のCPU17で共用されるメモリである。周辺制御インタフェース(IF)16は、周辺デバイス21との接続を行うインタフェースである。第2のCPU17は、周辺デバイス21に対する制御を行うCPUである。第2のCPU17は、テストプログラム8を実行する際のメインCPUとなる。第2のCPU側SDRAM18は、第2のCPU17によってワークメモリとして読み書きされる揮発性のメモリである。第2のCPU側不揮発メモリ19は、第2のCPU17によって読み書きされる不揮発性のメモリである。
【0027】
周辺デバイス21は、試験対象装置1の入出力を司るデバイスで、例えば試験対象装置1が携帯電話であったなら、LCD、LED、キーパッドなどが該当する。
図4は、図3のような構成の試験対象装置1に対してテストを行う際の、試験対象装置1内の各構成要素の動作を示すフローチャートである。
【0028】
図4の処理は、試験対象装置1とダウンロード用PC2がUSBによって接続状態にあり、ダウンロード用PC2から試験対象装置1が試験実施通知を受けると開始される。
図4の処理が開始されるとまずCPU1は、ステップS11として、CPU1の内部RAM20内にあるローダ分岐フラグを書き込みONにする。そしてCPU1は、ステップS12として、CPU1自身をリブートする。なおこのとき内部RAM20内の内容は保持される。
【0029】
リブートされたCPU1は、ステップS13としてCPU1側不揮発メモリ14内のブートプログラムを実行する。そして次にCPU1はブートプログラムに基づいて、ステップS14として、内部RAM20内のローダ分岐フラグをチェックする。その結果、ローダ分岐フラグがOFFだった場合(ステップS14、通常ブートモード)、通常のブート処理を行う。
【0030】
またステップS14において、ローダ分岐フラグがONであった場合(ステップS14、通常ロードモード)、第1のCPU12は通常ロードモードに入る。
そして第1のCPU12は、第1のCPU側不揮発メモリ24内の端末側DL用プログラムに従って、第1のCPU側不揮発メモリ14に保持されている第2のCPUブートプログラムを共有RAM15にコピーする。そして第1のCPU12は、第2のCPU17のリセットを解除する(ステップS16)。この後、第1のCPU12は第2のCPU17からの応答待ち状態に入る。
【0031】
リセットを解除された第2のCPU17は、ステップS21として共有RAM15上の第2のCPUブートプログラムを実行する。そしてステップS22として第1のCPU12に、自己が起動したことを通知する。
【0032】
第2のCPU17からの通知を受けて第1のCPU12は、ステップS16として第2のCPU17からの応答待ち状態から抜け、ステップS17としてダウンロード用PC2とUSBにより再接続する。
【0033】
そして第1のCPU12は、ステップS19としてダウンロード用PC2内のPC側DL用プログラム7とやり取りを行い、ダウンロード用PC2からテストプログラム8のバイナリデータを受信し、バイナリデータを第2のCPU17側に送信する。
【0034】
第2のCPU17では、ステップS23として第1のCPU12から受信したテストプログラム8を第2のCPU側SDRAM18に展開する。そしてステップS24として、第2のCPU17はテストプログラムの先頭に処理を分岐する。これにより第2のCPU17によって、テストプログラム8が自動的に実行され、試験対象装置1に対するテストが開始される。
【0035】
以降第2のCPU17は、テストプログラム8に基づいて試験対象装置1に対するテスト項目を順次行ってゆき、不具合を発見するとそれをユーザに通知すると共に処理を停止する。
【0036】
このような処理により本実施形態のテスト方法では、テストプログラム8は第2のCPU側SDRAM18に展開されるので、第2のCPU17側不揮発性メモリ19に不具合があっても試験対象装置1に対するテストを行なうことが出来る。
【0037】
またこのテストプログラム8は、第2のCPU17側SDRAM18に展開されると共に自動的に実行され、テスト項目を実行してゆくので、ユーザが入力指示を行う必要が無く、試験対象装置1の入力部が故障していてもテストを行なうことが出来る。
【0038】
また第2のCPU側SDRAM18に展開されるテストプログラム8を小さく出来るので、第2のCPU側SDRAM18の一部に不具合があってもテストを行なうことが出来る。
【0039】
次にテストプログラム8によって行われる具体的なテスト項目について説明する。
図5は試験対象装置1を携帯電話とした場合の、試験対象装置1の構成例を示す図である。
【0040】
図5において携帯電話100は、SDRAM31、不揮発性メモリ32、LCD制御CPU33、メイン制御CPU34、LCD制御デバイス35、LED制御デバイス36、キー制御デバイス37、LCD(Liquid Crystal Display)38、発光ダイオード(LED)39及びキーパッド40を備えている。
【0041】
SDRAM31は、図3のCPU2側SDRAM18に相当するもので、メイン制御CPU34によってワークメモリとして用いられる揮発性メモリである。また本実施形態のテスト方法では、ダウンロード用PC2から受信したテストプログラム8がSDRAM31に展開される。不揮発性メモリ32は、図3の第2のCPU側不揮発性メモリ19に相当するもので、メイン制御CPU34によって読み書きされる不揮発性のメモリである。LCD制御CPU33は、LCD38の表示を制御するCPUである。LCD制御CPU33は、図3の周辺制御IF16の一部に相当する。メイン制御CPU34は、図3の第2のCPU17に相当するもので、LCD38、LED39及びキーパッド40等の周辺機器の制御を行う。またメイン制御CPU34は、ダウンロード用PC2から読み込んだテストプログラム8を実行して、携帯電話100に対するテストを実行する。LCD制御デバイス35は、LCD38とのインタフェースとなる制御デバイスである。このLCD制御デバイス35は、図3の周辺制御インタフェース16の一部に相当する。LED制御デバイス36は、LED39の表示を制御する制御デバイスである。LED制御デバイス36は、図3の周辺制御インタフェース16の一部に相当する。キー制御デバイス37は、キーパッド40からの入力やキーパッド40のバックライト点灯を制御する制御デバイスである。キー制御デバイス37は、図3の周辺制御インタフェース16の一部に相当する。
【0042】
LCD38は、ユーザに様々な情報を表示する表示部である。LCD38は、図3の周辺デバイス21の1つに相当する。発光ダイオード39は、点灯によりバッテリーの状態等をユーザに知らせる表示部である。発光ダイオード39は、図3の周辺デバイス21の1つに相当する。キーパッド40は、ユーザが携帯電話100に対して電話番号等を入力する入力キーである。またキーパッド40は、バックライトを発光することにより、ユーザにテストの進行具合やテスト結果等の情報を通知することが出来る。キーパッド40の入力制御とバックライトの点灯制御は異なる制御系統なので、キーパッド40の入力機能に不具合があってもバックライトの点灯による通知は行なうことが出来る。キーパッド40は、図3の周辺デバイス21の1つに相当する。
【0043】
図5のような構成の携帯電話100において、図4に示したようなフローで、SDRA
M31に外部からダウンロードされたテストプログラムが展開される。展開されたテストプログラムが実行されると、まずメイン制御CPU34は、SDRAM31のテストを行う。SDRAM31のテストでは、SDRAM31各アドレスに対してRead、Write動作を確認する。なおSDRAM31のテストでは、テストプログラムが用いている領域以外の部分に対してテストを行う。SDRAM31のテストでは、テストプログラムそのものは小さいので、ほとんどのメモリ領域のテストを行なうことが出来る。
【0044】
次にメイン制御CPU34は、不揮発性メモリ32に対するテストを行う。不揮発性メモリ32に対するテストでは、不揮発性メモリ32の各アドレスに対してRead、Write動作を確認、及びErase動作の確認を行う。
【0045】
次にメイン制御CPU34は、LCD制御CPU33に対するテストを行う。LCD制御CPU33に対するテストでは、LCD制御CPU33に対する起動診断を行う。
そして次にメイン制御CPU34は、自己の内部にある内蔵RAMのテストを行う。内蔵RAMのテストでは、内臓RAMの各アドレスに対してRead、Write動作を確認する。
【0046】
次にメイン制御CPU34は、パワーオンやリセット等のI/O状態の確認を行う。I/O状態の確認では、各I/Oの出力状態のダンプを取り確認を行う。
そして次にメイン制御CPU34は、LED制御デバイス36を動かす時に使うシリアル通信インタフェースであるI2Cのテストを行う。I2Cのテストでは、I2CデバイスであるLED制御デバイス36内の制御レジスタアクセスに対するアクセス確認を行う。
【0047】
次にメイン制御CPU34は、LED39のテストを行う。LED39のテストではLED39が正常に点灯するかどうかを調べる。
そして次にメイン制御CPU34は、キー制御デバイス37に対するテストを行う。キー制御デバイス37のテストでは、メイン制御CPU34はキー制御デバイス37の制御レジスタに対するアクセス確認を行う。
【0048】
次にメイン制御CPU34は、LCD制御デバイス35のテストを行う。LCD制御デバイス35のテストでは、メイン制御CPU34はLCD制御デバイス35の制御レジスタに対するアクセス確認を行う。
【0049】
そして最後にメイン制御CPU34は、LCD38に対するテストを行う。LCD38のテストでは、LCD38が正常に表示を行なえるか表示動作確認を行う。
テストの進行状況やテストの結果は、キーパッド40のバックライトの点灯の仕方で試験者に通知する。なおLED39やLCD38の診断が終了した後は、テスト結果はLED39あるいはLCD38を用いて通知するようにしても良い。あるいは、携帯電話100が接続されているダウンロード用PCにテスト結果やテストの進行状況を送り、ダウンロード用PCの表示部からテストの進行状況などを表示するようにしても良い。
【0050】
この様に本実施形態では、SDRAMや不揮発メモリなどのテストプログラムが動作する上で必要なデバイスから順番に試験され、次いでLCD表示、キー制御、LED点灯まで試験を自動で実行する。
【0051】
そして本実施形態のテストプログラムによるテストが完了して、LCD表示、キー制御、LED点灯までの試験手法が使用できることが確認されると、電話器としての機能、カメラ機能、各種スイッチ等より詳細なテストが行われる。
【0052】
図6は、本実施形態における記憶媒体とその利用形態を示す図である。
本実施形態における試験対象装置48に、USB等の有線あるいはBluetooth等の無線による回線49によって接続された情報処理装置41では、媒体読み取り装置47により磁気テープ、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等の記憶媒体48に記憶されている上述した端末側DL用プログラムを、回線49を介して試験対象装置48の不揮発性メモリにロードする。
【0053】
また、図6に示した情報処理装置では、CD−ROM等の記憶媒体45を用いてプログラムソフトの交換が行われる場合がある。よって、本発明は、試験対象装置や試験方法、プログラムに限らず、試験対象装置により使用されたときに、上述した実施形態の機能を試験対象装置に行なわせるための、情報処理装置41が読み出し可能な記憶媒体46やプログラムとして構成することもできる。
【0054】
この場合、「記憶媒体」には、CD−ROM、フレキシブルディスク、あるいはMO、DVD、メモリーカード、リムーバブルハードディスク等の媒体駆動装置47に脱着可能な可搬記憶媒体46や、ネットワーク回線43経由で送信されるサーバのような外部の装置内のデータベースなどの記憶部42、あるいは情報処理装置41の本体44内のRAM又はハードディスク等のメモリ45等が含まれる。可搬記憶媒体46や記憶部42に記憶されているプログラムは、回線49を介して試験対象装置48にロードされる。
【0055】
あるいは「記憶媒体」には、試験対象装置48の交換可能な不揮発性メモリ50も含まれる。
また、既に説明したCD−ROMやDVD−ROM等の記憶媒体には、上記に例として挙げたものの他にも、例えば、Blu−ray Disc(登録商標)やAOD(Advanced Optical Disc)などの青色レーザーを用いた次世代光ディスク記憶媒体、赤色レーザーを用いるHD−DVD9、青紫色レーザーを用いるBlue Laser DVD、ホログラムなど、今後開発される種々の大容量記憶媒体を用いて本発明を実施することも可能である。
【0056】
このように本実施形態における試験システムによれば、揮発性メモリや不揮発性メモリの特定箇所が故障していたり、入力デバイスの故障により入力指示ができなかったり、表示器の制御線の障害等によって、テストプログラムを不揮発メモリ上にダウンロードしても正常に動作しない場合においても、外部から送り込んだテストプログラムを直接実行することで障害箇所の特定を行なうことが出来る。
【0057】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
テストプログラムに基づいて、自身のテストを実行する試験対象装置において、
外部装置から前記テストプログラムをダウンロードするためのプログラムが記録された記憶部と、
外部装置との通信を行う通信部と、
前記ダウンロードするためのプログラムを起動して、前記通信部を介して前記外部装置からダウンロードされるテストプログラムを前記記憶部に格納すると共に、前記記憶部に格納されたテストプログラムを動作させて前記情報処理装置のテストを実行する処理部と
を備えたことを特徴とする試験対象装置。
(付記2)
前記記憶部は、不揮発性の第1の記憶部を含み、
前記ダウンロードするためのプログラムは、前記第1の記憶部に格納されている付記1に記載の試験対象装置。
(付記3)
前記記憶部は、揮発性の第2の記憶部を含み、
前記ダウンロードプログラムは、前記テストプログラムを前記第2の記憶部にダウンロードすることを特徴とする付記2に記載の試験対象装置。
(付記4)
前記処理部は、前記の試験対象装置起動時に、前記外部装置と接続されているか否かを判別し、前記試験対象装置が前記外部装置と接続されていると判別された場合に、前記ダウンロードするためのプログラムを起動させることを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記処理部は、前記外部装置から試験実行の通知を受けると、内部フラグを立てると共に、自己を再起動し、当該再起動後前記内部フラグがたっているのを確認すると前記ダウンロードするためのプログラムを起動させることを特徴とする付記4に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記試験対象装置は携帯電話であり、前記テストプログラムによるテストの結果は、前記携帯電話のキーバッドのバックライトの点灯によって通知することを特徴とする付記1に記載の試験対象装置。
(付記7)
前記携帯電話の表示器のテストが終了するまでは、前記テストプログラムによるテストの結果は、前記携帯電話のキーバッドのバックライトの点灯によって通知し、前記表示器のテストが終了後のテストの結果は、当該表示器によって通知することを特徴とする付記6に記載の試験対象装置。
(付記8)
試験対象装置と外部装置が接続された構成の試験システムにおいて、
前記試験対象装置は、
外部装置から前記テストプログラムをダウンロードするための第1のダウンロードプログラムが記録された第1の記憶部と、
前記外部装置との通信を行う第1の通信部と、
前記第1のダウンロードプログラムを起動して、前記第1の通信部を介して前記外部装置からダウンロードされるテストプログラムを前記第1の記憶部に格納すると共に、格納された前記テストプログラムを起動させて前記情報処理装置のテストを実行する第1の処理部と、
を備え、
前記外部装置は、
前記試験対象装置をテストするテストプログラム、及び当該テストプログラムを前記試験対象装置に送信する第2のダウンロードプログラムを記憶する第2の記憶部と、
前記試験対象装置との通信を行う第2の通信部と、
前記試験対象装置からの前記テストプログラムのダウンロード要求に対して、前記第2のダウンロードプログラムを起動して、前記第2の通信部を介して前記テストプログラムを前記第2の記憶部から前記試験対象装置に送信する第2の処理部と、
を備えることを特徴とする試験システム。
(付記9)
試験対象装置のテスト方法において、
前記試験対象装置に接続された外部装置に格納されたプログラムをダウンロードするためのダウンロード用プログラムを起動して、前記外部装置からテストプログラムをダウンロードし、
前記テストプログラムを、前記試験対象装置内の記憶部に格納し、
前記試験対象装置で前記テストプログラムを起動して、前記試験対象装置のテストを実行する試験対象装置のテスト方法。
(付記10)
前記外部装置は、前記試験対象装置を再起動させ、
前記試験対象装置は、再起動時に前記ダウンロード用プログラムを起動させることを特徴とする付記9に記載の試験対象装置のテスト方法。(付記11)
外部装置と接続された試験対象装置内で実行されるプログラムであって
前記外部装置からテストプログラムを前記プログラムが記憶されている第1の記憶部とは別の第2の記憶部にダウンロードし、
ダウンロードした前記テストプログラムを起動させる
ことを前記試験対象装置に実行させるプログラム。
(付記12)
前記第1の記憶部は不揮発メモリであり、前記第2の記憶部は揮発メモリであることを特徴とする付記11に記載のプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施形態におけるテスト方法についての概略を示す図である。
【図2】テストプログラムの起動フローの概略を示す図である。
【図3】本実施形態における試験対象装置の構成例を示す図である。
【図4】本実施形態における試験対象装置に対してテストを行う際の試験対象装置内の各構成要素の動作を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態における試験対象装置を携帯電話とした場合の構成例を示す図である。
【図6】記憶媒体の例を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1 試験対象装置
2 ダウンロード用PC
3 USBケーブル
4 不揮発メモリ
5 内蔵メモリ
6 端末側DL用プログラム
7 PC側DL用プログラム
8 テストプログラム
11 USBコントローラ
12 第1のCPU
13 第1のCPU側SDRAM
14 第1のCPU側不揮発メモリ
15 共有RAM
16 周辺制御インタフェース
17 第2のCPU
18 第2のCPU側SDRAM
19 第2のCPU側不揮発メモリ
20 内部RAM
21 周辺デバイス
31 SDRAM
32 不揮発メモリ
33 LCD制御CPU
34 メイン制御CPU
35 LCD制御デバイス
36 LED制御デバイス
37 キー制御デバイス
38 LCD
39 LED
40 キーパッド
100 携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テストプログラムに基づいて、自身のテストを実行する試験対象装置において、
外部装置から前記テストプログラムをダウンロードするためのプログラムが記録された記憶部と、
外部装置との通信を行う通信部と、
前記ダウンロードするためのプログラムを起動して、前記通信部を介して前記外部装置からダウンロードされるテストプログラムを前記記憶部に格納すると共に、前記テストプログラムを動作させて前記情報処理装置のテストを実行する処理部と
を備えたことを特徴とする試験対象装置。
【請求項2】
前記記憶部は、不揮発性の第1の記憶部を含み、
前記ダウンロードするためのプログラムは、前記第1の記憶部に格納されている請求項1に記載の試験対象装置。
【請求項3】
試験対象装置と外部装置が接続された構成の試験システムにおいて、
前記試験対象装置は、
外部装置から前記テストプログラムをダウンロードするための第1のダウンロードプログラムが記録された第1の記憶部と、
前記外部装置との通信を行う第1の通信部と、
前記第1のダウンロードプログラムを起動して、前記第1の通信部を介して前記外部装置からダウンロードされるテストプログラムを前記第1の記憶部に格納すると共に、格納された前記テストプログラムを起動させて前記情報処理装置のテストを実行する第1の処理部と、
を備え、
前記外部装置は、
前記試験対象装置をテストするテストプログラム、及び当該テストプログラムを前記試験対象装置に送信する第2のダウンロードプログラムを記憶する第2の記憶部と、
前記試験対象装置との通信を行う第2の通信部と、
前記試験対象装置からの前記テストプログラムのダウンロード要求に対して、前記第2のダウンロードプログラムを起動して、前記第2の通信部を介して前記テストプログラムを前記第2の記憶部から前記試験対象装置に送信する第2の処理部と、
を備えることを特徴とする試験システム。
【請求項4】
試験対象装置のテスト方法において、
前記試験対象装置に接続された外部装置に格納されたプログラムをダウンロードするためのダウンロード用プログラムを起動して、前記外部装置からテストプログラムをダウンロードし、
前記テストプログラムを、前記試験対象装置内の記憶部に格納し、
前記試験対象装置で前記テストプログラムを起動して、前記試験対象装置のテストを実行する試験対象装置のテスト方法。
【請求項5】
外部装置と接続された試験対象装置内で実行されるプログラムであって
前記外部装置からテストプログラムを前記プログラムが記憶されている第1の記憶部とは別の第2の記憶部にダウンロードし、
ダウンロードした前記テストプログラムを起動させる
ことを前記試験対象装置に実行させるプログラム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図1】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−245292(P2009−245292A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−92765(P2008−92765)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】