説明

認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害の治療のためのフェニル−プレニル−エーテル誘導体

本発明は、下記式(I)のフェニル-プレニル-エーテル誘導体のファミリー、ならびに認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害、例えば、アルツハイマー病またはパーキンソン病の治療におけるそれらの使用に関する。本発明はまた、それらの化合物を含む薬学的組成物に関する。さらに、本発明は、認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害の治療および/または予防用の医薬の製造における、該化合物の使用を対象とする。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、式(I)のフェニル-プレニル-エーテル誘導体のファミリー、ならびに認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害、例えば、アルツハイマー病またはパーキンソン病の治療におけるそれらの使用に関する。本発明はまた、それらの化合物を含む薬学的組成物に関する。さらに、本発明は、認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害の治療および/または予防用の医薬の製造における該化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK-3)は、酵素または転写因子などの多様な標的タンパク質をリン酸化するαおよびβアイソフォームから構成されるセリン−トレオニンプロテインキナーゼである。GSK-3βは、タンパク質合成の開始、細胞増殖、アポトーシス、または胚発生などの細胞プロセスのいくつかのシグナル伝達経路において重要な調節的役割を果たす(Discovery and development of GSK3 inhibitors for the treatment of type 2 diabetes, Wagman et al., Curr. Pharm. Des. 2004; 10(10): 1105-37(非特許文献1))。これらの調節経路の多くにおける障害は、ヒト疾患、例えば、パーキンソン病(GSK-3beta inhibition/beta-catenin stabilization in ventral midbrain precursors increases differentiation into dopamine neurons, Castelo-Branco et al., J Cell Sci. 2004 Nov 15; 117(Pt 24): 5731-7(非特許文献2))、アルツハイマー病、II型糖尿病、双極性障害、GSK3相同体を発現する単細胞寄生虫によって引き起こされる疾患(Pharmacological inhibitors of glycogen synthase kinases 3, Maijer L et al., Trends Pharmacol. Sci. 2004; 25(9): 471-80(非特許文献3))、またはプリオン誘発性神経変性(Prion peptide induces neuronal cell death through a pathway involving glycogen synthase kinase 3, Perez M. et al., Biochem. J. 2003; 372(Pt 1): 129-36(非特許文献4))に関与する。
【0003】
GSK-3が関与する重要な調節プロセスは、Wnt経路である。Wntは、細胞増殖分化、移動、および細胞運命などの種々のプロセスのアクチベータとして作用するシステインリッチなグリコシル化タンパク質のファミリーである(The Wnts, Miller JR, Genome Biol. 2002; 3(1): REVIEWS3001(非特許文献5))。この経路の重要なタンパク質はβ-カテニンであり、これは、Wntがその受容体へ結合すると、核へ移動して種々の遺伝子を活性化する。他のタンパク質の中でも特に、APC(大腸腺腫性ポリポーシス)およびアキシンを含む多タンパク質複合体は、GSK-3がβ-カテニンをそのN末端ドメインのいくつかの部位においてリン酸化することを促進する。この事象は、リン酸化β-カテニンへのユビキチンの結合およびプロテアソームにおけるその引き続いての分解を誘発する。
【0004】
アルツハイマー病(AD)は、AD患者の脳内における異常な神経原線維変化および老人斑の中心内におけるβアミロイドタンパク質沈着物の存在を特徴とする神経変性障害である。アミロイドβタンパク質(Aβ)は、大きなI型膜貫通タンパク質であるアミロイドβタンパク質前駆体(AβPP)が2箇所で内部タンパク質分解切断(endoprotelytic cleavage)されることによって形成される。β-セクレターゼと呼ばれるプロテアーゼは、AβドメインのN末端でAβPPを切断し、可溶性AβPPと膜に固定されたC末端フラグメント(CTF)とを生じさせる。次いで、γ-セクレターゼと呼ばれる第2のセクレターゼは、膜貫通領域内でCTFを切断し、Aβを形成し、Aβを形成し、これは細胞から分泌される。この事象を防止または減少することができる化合物の同定が、ADの治療の研究について重要な目標となっている。
【0005】
他の疾患もまた、脳内におけるβアミロイド沈着物の存在と結び付けられている。いくつかの例は、MCI(軽度認知機能障害)、ダウン症候群、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管症、他の変性認知症、例えば、混合された血管および変性起源の認知症、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上麻痺に関連する認知症、皮質基底変性(cortical basal degeneration)に関連する認知症、ならびにびまん性レヴィー小体型アルツハイマー病である(公報US 20040132782(特許文献1)を参照のこと)。
【0006】
BACE(β部位AβPP切断酵素)は、βセクレターゼ活性を有するアスパルチルプロテアーゼである。BACEは、その内腔ドメインに典型的なアスパルチルプロテアーゼモチーフを有するI型内在性膜タンパク質である。BACEは、酸性pH最適条件で、特異的にMet-Asp部位において、AβPPを加水分解する。BACEは、脳内において高度に発現され、CTFおよびAβ産生の細胞内部位で共局在する。BACEは、アルツハイマー病に対する治療化合物の開発についての重要な標的となった。
【0007】
BACEの発現および活性を増加させるいくつかの因子が存在する。酸化剤および酸化生成物、例えば、H2O2またはHNE(4-ヒドロキシノネナール)(これは、多価不飽和(polyinsaturated)脂肪酸のアルデヒド最終産物である)は、神経細胞および非神経細胞における細胞内および分泌Aβレベルを増加させることが示されている(Paolaら、2000;Misonouら、2001;Frederikseら、1996)。Aβ過剰産生の基礎となる細胞機構を決定するために、多くの研究が行われている。2002年に、Tamagnoら(Oxidative Stress Increases Expression and Activity of BACE in NT2 Neurons, 2002, Neurobiol. Dis., 10, 279-288(非特許文献6))は、酸化ストレスがBACEタンパク質レベルおよび活性を誘発すること、ならびにこの事象が酸化生成物HNEによって媒介されることを実証した。この研究によれば、酸化剤へのNT2細胞の暴露は、AβPP発現に影響を与えなかった。Aβに対するこれらの薬剤の効果は、BACE1遺伝子の転写アップレギュレーションを介してのBACE1発現の増加に関連する(Oxidative stress potentiates BACE1 gene expression and Aβ generation, Tong et al., 2004, J. Neural. Transm., 112(3): 455-69(非特許文献7))。
【0008】
酸化剤の効果を防止することができる化合物の同定は、アルツハイマー病における現在の研究の重要な目標となっている。これらの化合物の中でも特に、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)およびCNSにおけるその役割が、Tamagnoらによって研究された(Dehydroepiandrosterone reduces expression and activity of BACE in NT2 neurons exposed to oxidative stress, Tamagno et al., 2003, Neurobiol. Dis., 14, 291-301(非特許文献8))。DHEAは、アンドロゲンおよびエストロゲンの両方の前駆体として役立つ副腎ステロイドであり、神経系においてステロール前駆体から合成される(Balieu 1981)。DHEAは、種々の動物モデルにおける記憶および学習の向上を含む、CNSにおける種々の機能的活性を改善することが公知であり(Valleeら、2001)、興奮性アミノ酸およびAβ神経毒性からの保護を発揮する。この研究において、DHEAでの前処置は、酸化剤(例えば、Asc/FeおよびH2O2/Fe)によってNT2ニューロンにおいて誘発されるBACEの発現、タンパク質レベル、および活性を低下させ得ることが実証された。この保護は、該ステロイドの抗酸化特性に起因すると考えられ、脂質酸化の最終産物、例えば、HNEの産生を防止することができると考えられる。酸化ストレス生成物は、BACEタンパク質レベルおよび活性の増加を誘発し、この誘発は、定量PCR分析によって実証されたように、遺伝子過剰発現に起因する。老化に伴ってDHEA濃度が低下するため、それが長命に関与し得ること、およびその漸進的な減少がADを含む老化関連変性障害のいくつかに関連し得ることが示唆された。結論として、DHEAは、BACEの発現および活性の負の調節によって、AβPPの酸化ストレス依存性アミロイド産生プロセッシングを防止することができる。
【0009】
US 6 001 880(特許文献2)は、ラジカル捕捉剤として有用なピラゾリン誘導体を開示している。このピラゾリン誘導体の合成についての中間体として、3,4-ジゲラニルオキシ安息香酸および3,4-ジゲラニルオキシ安息香酸エチルが開示されている。認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害の治療におけるそれらの有用性については、記載されていない。
【0010】
Chemical Abstructs(アクセッションナンバー2001:184028)において、4-ヒドロキシ-3-プレニルオキシ安息香酸エチルは3D-HPLC分析において有用であることが開示されている。認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害の治療におけるその有用性については、記載されていない。
【0011】
Baek, S. H., et al, J. of Nat. Prod., 1998, 1143-1145(非特許文献9)は、細胞傷害性活性を有する化合物を開示している。該化合物の合成における中間体として、3,4-ジゲラニルオキシ安息香酸メチル、4-ヒドロキシ-3-ゲラニルニルオキシ安息香酸メチル、および4-メトキシ-3-ゲラニルニルオキシ安息香酸メチルが、合成中間体として記載されている。該合成中間体の治療活性については、記載されていない。
【0012】
EP 0 869 118(特許文献3)は、ピロリジン誘導体の抗菌活性を開示している。該ピロリジン誘導体の合成についての中間体として、3,4-プレニルオキシ安息香酸、3,4-ゲラニルオキシ安息香酸、および4-メトキシ-3-ゲラニルオキシ安息香酸が開示されている。認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害の治療におけるそれらの有用性については、記載されていない。
【0013】
WO 94/02465 A(特許文献4)は、腫瘍壊死因子を阻害するための化合物を開示している。4-メトキシ-3-プレニルオキシ安息香酸が、活性化合物の合成中間体として開示されている。該合成中間体の治療活性については、記載されていない。
【0014】
BACEの発現は、脳、特にニューロンに局在し、ニューロンが脳におけるβアミロイドペプチドの主な供給源であることを示している。一方、星状細胞は、βアミロイドクリアランスおよび分解のため、ニューロンへ栄養支援を提供するため、ならびにβアミロイド沈着物とニューロンとの間に保護バリアを形成するために、重要であることが公知である。しかし、Rossnerら(Alzheimer's disease β-secretase BACE1 is not a neuron specific enzyme, Rossner et al., J Neurobiochem. 2005, 92, 226-234(非特許文献10))によれば、星状細胞はまた、βアミロイドペプチドの代替の細胞性供給源を示し得る。ADの病因における星状細胞の役割はいまだ不明であり、ニューロン、星状細胞、および小膠細胞における広範囲の相互作用的な事象に対する依存性に起因して、場合によって異なり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】US 20040132782
【特許文献2】US 6 001 880
【特許文献3】EP 0 869 118
【特許文献4】WO 94/02465 A
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Discovery and development of GSK3 inhibitors for the treatment of type 2 diabetes, Wagman et al., Curr. Pharm. Des. 2004; 10(10): 1105-37
【非特許文献2】GSK-3beta inhibition/beta-catenin stabilization in ventral midbrain precursors increases differentiation into dopamine neurons, Castelo-Branco et al., J Cell Sci. 2004 Nov 15; 117(Pt 24): 5731-7
【非特許文献3】Pharmacological inhibitors of glycogen synthase kinases 3, Maijer L et al., Trends Pharmacol. Sci. 2004; 25(9): 471-80
【非特許文献4】Prion peptide induces neuronal cell death through a pathway involving glycogen synthase kinase 3, Perez M. et al., Biochem. J. 2003; 372(Pt 1): 129-36
【非特許文献5】The Wnts, Miller JR, Genome Biol. 2002; 3(1): REVIEWS3001
【非特許文献6】Oxidative Stress Increases Expression and Activity of BACE in NT2 Neurons, Tamagno et al., 2002, Neurobiol. Dis., 10, 279-288
【非特許文献7】Oxidative stress potentiates BACE1 gene expression and Aβ generation, Tong et al., 2004, J. Neural. Transm., 112(3): 455-69
【非特許文献8】Dehydroepiandrosterone reduces expression and activity of BACE in NT2 neurons exposed to oxidative stress, Tamagno et al., 2003, Neurobiol. Dis., 14, 291-301
【非特許文献9】Baek, S. H., et al, J. of Nat. Prod., 1998, 1143-1145
【非特許文献10】Alzheimer's disease β-secretase BACE1 is not a neuron specific enzyme, Rossner et al., J Neurobiochem. 2005, 92, 226-234
【発明の概要】
【0017】
発明の概要
本発明は、一般式(I)のフェニル-プレニル-エーテル誘導体の新規のファミリーに関する。それらは、インビトロアッセイにおいて、酵素標的GSK-3に対して阻害効果を示し、それらの大部分はBACEに対しても阻害効果を示すことが示された。GSK-3は、上記に詳述されるように、非常に多様な性質の多数の疾患および状態、特に認知性、神経変性性、または神経性の疾患において重要な役割を果たすことが公知であり、従って、この酵素の阻害は、該疾患および状態の治療について優れた治療アプローチであることが公知である。さらに、BACE酵素の阻害もまた、上記に詳述されるように、多数の疾患および状態の治療について優れた治療標的である。従って、これらの酵素が種々の認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害に関与することが公知であること、ならびにそれらの阻害がこれらの疾患を予防および治療することに役立つことが公知であることを考慮すると、式(I)の化合物は、認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害の予防および/または治療に有用である。
【0018】
従って、第1の局面において、本発明は、下記式(I)の新規の化合物(本発明の化合物とも呼ぶ)ならびにそれらの塩、好ましくは任意の薬学的に許容される塩、溶媒和物、およびプロドラッグに関する:

式中、
mは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R1は、水素、-C(=O)OCH2OCH3、-(CH2)rC(=O)OR5、および-(CH2)rC(=O)NHR7より選択され、ここで、
rは、0、1、2、3、および4より選択される整数であり、
R5は、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、および

より選択され、ここで、nは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり、
R7は、水素および

より選択され、ここで、nは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R2は、水素、-NH2、-NHC(=O)R6、および-OR6より選択され、
R6は、水素、C1〜C6アルキル、および

より選択され、ここで、pは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R3は、水素および

より選択され、ここで、qは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;かつ
R4は、-CH3、-CH2-CH3、-CH2-OH、および-CH2-CH2-OHより選択され;
但し、R1およびR2の少なくとも1つは水素ではなく、
但し、
mが0であり、R2およびR3が水素であり、かつR4が-CH3である場合、R1は-CH2-C(=O)O-CH2-CH3ではなく、
mが0であり、R1およびR3が水素であり、かつR4が-CH3である場合、R2は-OHでも-OCH3でもなく、
mが1であり、R1およびR3が水素であり、かつR4が-CH3である場合、R2は-OHでも-OCH3でもなく、
mが2であり、R1およびR3が水素であり、かつR4が-CH3である場合、R2は-OHではなく、
mが0であり、R1およびR3が水素であり、R4が-CH3である場合、R2は-O-CH2-CH=C(CH3)2ではなく、
mが0であり、R1およびR3が水素であり、R4が-CH3である場合、R2は-NH2ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2

ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OEt)であり、R4が-CH3である場合、R2

ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OMe)であり、R4が-CH3である場合、R2

ではなく、
mが0であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2は-OHではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2は水素ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OMe)であり、R4が-CH3である場合、R2は水素ではなく、
mが0であり、R3が水素であり、R1が-CO(=Oプレニル)であり、R4が-CH3である場合、R2は水素ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OMe)であり、R4が-CH3である場合、R2は-OHではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OMe)であり、R4が-CH3である場合、R2は-OMeではなく、
mが0であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2

ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2は-OMeではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OEt)であり、R4が-CH3である場合、R2は水素ではなく、
mが0であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2は-OMeではない。
【0019】
式Iの化合物は、不斉置換基、即ち、種々の立体異性体(鏡像異性体、立体異性体など)を存在させ得る、R1、R2、R3、および/またはR4における不斉置換基を含み得る。本発明は、全てのこのような立体異性体を含む。
【0020】
本発明のさらなる局面は、医薬としての使用のための、上記に定義される式(I)の新規の化合物である。
【0021】
本発明は、さらに、上記に定義される式(I)の少なくとも1つの化合物、またはそれらの塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグと、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、アジュバント、および/またはビヒクルとを含む薬学的組成物に関する。
【0022】
本発明のさらなる局面は、上記に定義される式(I)の化合物の調製方法であって、
R1、R2、およびR3が上記に定義される通りである、下記式(A)の対応するフェノール

と、
mが上記に定義される通りである、下記式(B)の好適な不飽和臭化アルキル

とを、
塩基の存在下において反応させる段階を含む、方法である。
【0023】
本発明の別の局面は、認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害の治療および/または予防用の医薬の製造における、下記式(I)の化合物、ならびにそれらの塩、好ましくは任意の薬学的に許容される塩、溶媒和物、およびプロドラッグの使用である:

式中、
mは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R1は、水素、-C(=O)OCH2OCH3、-(CH2)rC(=O)OR5、および-(CH2)rC(=O)NHR7より選択され、ここで、
rは、0、1、2、3、および4より選択される整数であり、
R5は、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、および

より選択され、ここで、nは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり、
R7は、水素および

より選択され、ここで、nは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R2は、水素、-NH2、-NHC(=O)R6、および-OR6より選択され、
R6は、水素、C1〜C6アルキル、および

より選択され、ここで、pは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R3は、水素および

より選択され、ここで、qは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;かつ
R4は、-CH3、-CH2-CH3、-CH2-OH、および-CH2-CH2-OHより選択される。
【0024】
さらなる局面において、本発明は、そのような治療が必要である患者へ、上記に定義される式(I)の少なくとも1つの化合物またはその薬学的組成物の治療的有効量を投与する段階を含む、認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害を治療および/または予防する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
発明の詳細な説明
式(I)の化合物の上記定義において、以下の用語は、記載される意味を有する。
【0026】
「C1〜C12アルキル」という用語は、炭素原子および水素原子からなり、不飽和を含まず、1〜12個の炭素原子を有し、かつ単結合によって分子の残りへ結合される、直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖基を指す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-メチル-1-プロピル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-3-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、2-メチル-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ならびにヘキシル、ヘプチル、およびオクチルなどのアルキル基が挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は、非置換であるかまたは1もしくは2個の下記に記載される好適な置換基で置換され得る。
【0027】
「C2〜C12アルケニル」という用語は、その中に1または複数の炭素−炭素二重結合を有しかつ2〜12個の炭素原子を有し、かつ単結合によって分子の残りへ結合される、直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖基を意味する。アルケニル基の二重結合は、非共役であるかまたは別の不飽和基へ共役され得る。好適なアルケニル基としては、ビニル、アリル、ブテニル(例えば、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル)、ペンテニル(例えば、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル)、ヘキセニル(例えば、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル)、ブタジエニル、ペンタジエニル(例えば、1,3-ペンタジエニル、2,4-ペンタジエニル)、ヘキサジエニル(例えば、1,3-ヘキサジエニル、1,4-ヘキサジエニル、1,5-ヘキサジエニル、2,4-ヘキサジエニル、2,5-ヘキサジエニル)、2-エチルヘキセニル(例えば、2-エチルヘキサ-1-エニル、2-エチルヘキサ-2-エニル、2-エチルヘキサ-3-エニル、2-エチルヘキサ-4-エニル、2-エチルヘキサ-5-エニル)、2-プロピル-2-ブテニル、4,6-ジメチル-オクタ-6-エニルなどのアルケニル基が挙げられるが、これらに限定されない。アルケニル基は、非置換であるかまたは1もしくは2個の下記に記載される好適な置換基で置換され得る。
【0028】
「C1〜C12アルコキシ」という用語は、式-ORaの基、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシなどを指し、式中、Raは、上記に定義されるアルキル基である。
【0029】
「アルコキシメチルエーテル」という用語は、式-CH2-O-R'の基、例えば、メトキシメチルエーテル、2-メトキシエトキシメチルエーテル、ベンジルオキシメチルエーテル、p-メトキシベンジルオキシメチルエーテル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルエーテルを指し、式中、R'は、本明細書に定義されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、またはトリアルキルシリル基である。
【0030】
「C2〜C12アルキニル」という用語は、その中に1または複数の炭素−炭素三重結合および2〜12個の炭素原子を有し、かつ単結合によって分子の残りへ結合される、直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖基を意味する。アルキニル基の三重結合は、非共役であるかまたは別の不飽和基へ共役され得る。好適なアルキニル基としては、エチニル、プロピニル(例えば、1-プロピニル、2-プロピニル)、ブチニル(例えば、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル)、ペンチニル(例えば、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル)、ヘキシニル(例えば、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル)、メチルプロピニル、3-メチル-1-ブチニル、4-メチル-2-ヘプチニル、および4-エチル-2-オクチニルなどのアルキニル基が挙げられるが、これらに限定されない。アルキニル基は、非置換であるかまたは1もしくは2個の下記に記載される好適な置換基で置換され得る。
【0031】
「C1〜C12アルキルアミノ」という用語は、「C1〜C12モノアルキルアミノ」を意味するように意図され、上記に定義される単一のアルキル鎖で置換された、単結合によって分子の残りへ結合されたアミノ基を指す。
【0032】
「C1〜C12ジアルキルアミノ」という用語は、上記に定義された各々が同一であるかまたは異なる、2個のアルキル鎖で置換された、単結合によって分子の残りへ結合されたアミノ基を指す。
【0033】
本発明の化合物中の置換される基への本明細書における参照は、1または複数の好適な基、例えば、ハロゲン、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨード;シアノ;ヒドロキシル;ニトロ;アジド;アルカノイル、例えば、C1-6アルカノイル基、例えば、アシルなど;カルボキサミド;アルキル基、例えば、1〜約12個の炭素原子または1〜約6個の炭素原子、より好ましくは1〜3個の炭素原子を有するそれらの基;アルケニルおよびアルキニル基、例えば、1または複数の不飽和結合および2〜約12個の炭素原子または2〜約6個の炭素原子を有する基;1または複数の酸素結合および1〜約12個の炭素原子または1〜約6個の炭素原子を有するアルコキシ基;アリールオキシ、例えば、フェノキシ;アルキルチオ基、例えば、1または複数のチオエーテル結合および1〜約12個の炭素原子または1〜約6個の炭素原子を有するそれらの部分;アルキルスルフィニル基、例えば、1または複数のスルフィニル結合および1〜約12個の炭素原子または1〜約6個の炭素原子を有するそれらの部分;アルキルスルホニル基、例えば、1または複数のスルホニル結合および1〜約12個の炭素原子または1〜約6個の炭素原子を有するそれらの部分;アミノアルキル基、例えば、1または複数のN原子および1〜約12個の炭素原子または1〜約6個の炭素原子を有する基;6またはそれ以上の炭素を有する炭素環式アリール、特に、フェニルまたはナフチル、ならびにアラルキル、例えば、ベンジル、によって1または複数の利用可能な位置で置換され得る特定の部分を指す。特に記載されない限り、置換されてもよい基は、該基の置換可能な各位置で置換基を有し得、かつ各置換は、他から独立している。
【0034】
第1の局面によれば、本発明は、一般式(I)の新規の化合物、ならびにそれらの塩、好ましくは薬学的に許容される塩、溶媒和物、およびプロドラッグに関する:

式中、
mは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R1は、水素、-C(=O)OCH2OCH3、-(CH2)rC(=O)OR5、および-(CH2)rC(=O)NHR7より選択され、ここで、
rは、0、1、2、3、および4より選択される整数であり、
R5は、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、および

より選択され、ここで、nは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり、
R7は、水素および

より選択され、ここで、nは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R2は、水素、-NH2、-NHC(=O)R6、および-OR6より選択され、
R6は、水素、C1〜C6アルキル、および

より選択され、ここで、pは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R3は、水素および

より選択され、ここで、qは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;かつ
R4は、-CH3、-CH2-CH3、-CH2-OH、および-CH2-CH2-OHより選択され;
但し、R1およびR2の少なくとも1つは水素ではなく、
但し、
mが0であり、R2およびR3が水素であり、かつR4が-CH3である場合、R1は-CH2-C(=O)O-CH2-CH3ではなく、
mが0であり、R1およびR3が水素であり、かつR4が-CH3である場合、R2は-OHでも-OCH3でもなく、
mが1であり、R1およびR3が水素であり、かつR4が-CH3である場合、R2は-OHでも-OCH3でもなく、
mが2であり、R1およびR3が水素であり、かつR4が-CH3である場合、R2は-OHではなく、
mが0であり、R1およびR3が水素であり、R4が-CH3である場合、R2は-O-CH2-CH=C(CH3)2ではなく、
mが0であり、R1およびR3が水素であり、R4が-CH3である場合、R2は-NH2ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2

ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OEt)であり、R4が-CH3である場合、R2

ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OMe)であり、R4が-CH3である場合、R2

ではなく、
mが0であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2は-OHではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2は水素ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OMe)であり、R4が-CH3である場合、R2は水素ではなく、
mが0であり、R3が水素であり、R1が-CO(=Oプレニル)であり、R4が-CH3である場合、R2は水素ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OMe)であり、R4が-CH3である場合、R2は-OHではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OMe)であり、R4が-CH3である場合、R2は-OMeではなく、
mが0であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2

ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2は-OMeではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OEt)であり、R4が-CH3である場合、R2は水素ではなく、
mが0であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2は-OMeではない。
【0035】
ある態様によれば、R1は、-C(=O)OCH2OCH3、-(CH2)rC(=O)OR5、および-(CH2)rC(=O)NHR7より選択され、ここで、R5およびR7は請求項1に定義される通りである。
【0036】
式(I)の化合物の好ましい群は、R1がC(=O)OR5であり、ここでR5は、水素または

であり、ここで、nは0、1、2、および3より選択される整数であるものである。
【0037】
別の好ましい態様によれば、R1は-C(=O)OCH2OCH3およびC(=O)OR5より選択され、ここで、R5はC1〜C6アルキルである。
【0038】
別の好ましい態様によれば、R2は-NH2、-NHC(=O)R6、および-OR6より選択され、ここでR6は請求項1に定義される通りである。
【0039】
さらに好ましい化合物は、R2が-OR6であり、ここで、R6

であり、ここでpは0、1、2、または3より選択される整数であるものである。
【0040】
別の態様によれば、R2は-OHまたは-OR6より選択され、ここでR6はC1〜C6アルキルである。
【0041】
別の態様によれば、R2はNH2、-NHC(=O)R6より選択され、ここでR6はC1〜C6アルキルである。
【0042】
好ましい化合物のさらなる群は、R3が水素であるものである。
【0043】
好ましい化合物のさらなる群は、R4が-CH3であるものである。
【0044】
好ましくは、mは0、1、2、または3より選択される整数である。
【0045】
式(I)の好ましい化合物は、






ならびにそれらの塩、好ましくは薬学的に許容される塩、溶媒和物、およびプロドラッグである。
【0046】
特に記載されない限り、本発明の化合物はまた、同位体に富む1または複数の原子が存在することのみ相違する化合物を含むようにも意図される。例えば、ジュウテリウムもしくはトリチウムによる水素の置換、または13Cに富む炭素もしくは14Cに富む炭素もしくは15Nに富む窒素による炭素の置換以外、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。
【0047】
「それらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、およびプロドラッグ」という用語は、レシピエントへ投与されると、本明細書に記載される化合物を(直接的にまたは間接的に)提供し得る、塩、溶媒和物、またはプロドラッグを指す。しかし、薬学的に許容される塩の調製に有用であり得るので、薬学的に許容されない塩も本発明の範囲内に入ることが理解される。塩、プロドラッグ、および誘導体の調製は、当該分野において公知の方法によって行われ得る。好ましくは、「薬学的に許容される」は、ヒトへ投与されると、生理学的に許容され、かつアレルギー性または類似の有害反応、例えば、胃の不調、めまい感などを典型的に生じさせない分子実体および組成物を指す。好ましくは、本明細書において使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、動物における使用、より詳細にはヒトにおける使用について、米国の連邦政府または州政府の監督機関によって認可されること、または米国薬局方もしくは他の一般的に承認された薬局方に列挙されることを意味する。
【0048】
例えば、本明細書に提供される化合物の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって、塩基性部分または酸性部分を含む親化合物から合成される。一般的に、このような塩は、例えば、これらの化合物の遊離酸または遊離塩基形態と化学量論量の好適な塩基または酸とを水中または有機溶媒中またはこれら2つの混合液中において反応させることによって調製される。一般的に、非水性媒体、例えば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルが好ましい。酸付加塩の例としては、無機酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ならびに有機酸付加塩、例えば、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、およびp-トルエンスルホン酸塩が挙げられる。アルカリ付加塩の例としては、無機塩、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、マグネシウム、アルミニウム、およびリチウム塩、ならびに有機アルカリ塩、例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、N,N-ジアルキレンエタノールアミン、トリエタノールアミン、グルカミン、および塩基性アミノ酸塩が挙げられる。
【0049】
「プロドラッグ」という用語は、本出願において使用される場合、溶解性またはバイオアベイラビリティなどの任意のその物理化学的性質を(薬学的用途のために)変化させるためにさらなる化学基の付加または置換などの化学的誘導を受けている化合物、例えば、被験体への投与後に活性化合物自体を生じる活性化合物のエステル誘導体およびエーテル誘導体を意味すると本明細書において定義される。ある活性な化合物のプロドラッグを作製する周知の方法の例は、当業者に公知であり、例えば、Krogsgaard-Larsen et al., Textbook of Drugdesign and Discovery, Taylor & Francis (April 2002) に見出され得る。「溶媒和物」という用語は、本発明によれば、非共有結合を介してそれへ結合されている別の分子(大抵は極性溶媒)を有する本発明の化合物の任意の形態を意味すると理解される。溶媒和物の例としては、水和物およびアルコラート、例えば、メタノラートが挙げられる。
【0050】
特に好ましいプロドラッグは、このような化合物が患者へ投与されると、(例えば、経口投与された化合物を血液中へより容易に吸収させることによって)親化学種と比べて、本発明の化合物のバイオアベイラビリティを増加させるかまたは生物学的区画(例えば、脳またはリンパ系)への親化合物の送達を増強するものである。
【0051】
塩、溶媒和物、およびプロドラッグの調製は、当該分野において公知の方法によって行われ得る。薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグの調製に有用であり得るので、薬学的に許容されない塩、溶媒和物、またはプロドラッグもまた本発明内に入ることが理解される。
【0052】
本発明の化合物は、遊離化合物としてまたは溶媒和物(例えば、水和物)としての結晶形態であり得、両方の形態が本発明の範囲内にあることが意図される。溶媒和の方法は、当該分野において一般的に知られている。好適な溶媒和物は、薬学的に許容される溶媒和物である。特定の態様において、溶媒和物は水和物である。
【0053】
本発明に従う式(I)の化合物またはそれらの塩もしくは溶媒和物は、好ましくは、薬学的に許容される形態または実質的に純粋な形態である。薬学的に許容される形態によって、特に、通常の薬学的な添加剤、例えば、希釈剤および担体を除いて薬学的に許容されるレベルの純度を有し、かつ通常の投薬レベルで有毒と考えられる物質を含まないことが意味される。薬物物質についての純度レベルは、好ましくは50%を超え、より好ましくは70%を超え、最も好ましくは90%を超える。好ましい態様において、それは、95%を超える式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグである。
【0054】
上記に記載の式(I)によって示される本発明の化合物は、キラル中心の存在に依存して鏡像異性体、または多重結合の存在に依存して異性体(例えば、Z、E)を含み得る。単一の異性体、鏡像異性体、またはジアステレオマー、およびそれらの混合物は、本発明の範囲内に入る。
【0055】
本発明の別の局面は、医薬としての使用のための、上記に定義される式(I)の化合物である。
【0056】
本発明は、さらに、患者への投与のための、少なくとも本発明の式(I)の新規の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグと、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、アジュバント、および/またはビヒクルとを含む、薬学的組成物を提供する。
【0057】
「担体、アジュバント、および/またはビヒクル」という用語は、それらと共に有効成分が投与される分子実体または物質を指す。このような薬学的担体、アジュバント、またはビヒクルは、無菌の液体、例えば、水および油、例えば、石油、動物、植物、もしくは合成起源のもの、例えば、落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油など、賦形剤、崩壊剤(disgregant)、湿潤剤、または希釈剤であり得る。好適な薬学的担体は、E. W. Martinによる“Remington's Pharmaceutical Sciences”に記載されている。
【0058】
薬学的組成物の例としては、経口、局所、または非経口投与用の任意の固体組成物(錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤など)または液体組成物(液剤、懸濁剤、もしくは乳濁剤)が挙げられ得る。
【0059】
好ましい態様において、薬学的組成物は、経口形態である。経口投与のための好適な投薬形態は、錠剤またはカプセル剤であり得、当該分野において公知の従来の賦形剤、例えば、結合剤、例えば、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、もしくはポリビニルピロリドン;充填剤、例えば、ラクトース、砂糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトール、もしくはグリシン;錠剤化滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム;崩壊剤(disintegrant)、例えば、デンプン、ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウム、もしくは微結晶性セルロース;または薬学的に許容される湿潤剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムを含有し得る。
【0060】
固体経口組成物は、混合、充填、または打錠の従来の方法によって調製され得る。繰り返される混合操作を使用して、大量の充填剤を用いて、活性物質をそれらの組成物全体に分配し得る。このような操作は、当該分野において慣用的である。錠剤は、例えば、湿式または乾式造粒によって調製され得、そして通常の製薬実務において周知である方法に従って、特に腸溶コーティングによって、任意でコーティングされ得る。
【0061】
薬学的組成物はまた、例えば、好適な単位投薬形態の滅菌液剤、懸濁剤、または凍結乾燥化製品など、非経口投与用に適応され得る。適切な賦形剤、例えば、増量剤、緩衝剤、または界面活性剤が使用され得る。
【0062】
記載される製剤は、標準的な方法、例えば、スペイン国薬局方および米国薬局方ならびに同様の参考文書に記載されているかまたは言及されているものを使用して調製される。
【0063】
本発明の式(I)の新規の化合物または組成物の投与は、任意の好適な方法、例えば、静脈内注入、経口調製物、ならびに腹腔内および静脈内投与によって行われ得る。患者における利便性および治療される疾患の多くの慢性的性質のために、経口投与が好ましい。
【0064】
本発明の新規の化合物および組成物は、併用療法を提供するために他の薬物と共に使用され得る。他の薬物は、同一の組成物の一部を形成してもよく、または、同時投与または異なる時点での投与用の別個の組成物として提供されてもよい。
【0065】
さらなる局面は、認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害の治療および/または予防用の医薬の製造における、下記式(I)の化合物、ならびにそれらの塩、好ましくは任意の薬学的に許容される塩、溶媒和物、およびプロドラッグの使用である:

式中、
mは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R1は、水素、-C(=O)OCH2OCH3、-(CH2)rC(=O)OR5、および-(CH2)rC(=O)NHR7より選択され、ここで、
rは、0、1、2、3、および4より選択される整数であり、
R5は、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、および

より選択され、ここで、nは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり、
R7は、水素および

より選択され、ここで、nは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R2は、水素、-NH2、-NHC(=O)R6、および-OR6より選択され、
R6は、水素、C1〜C6アルキル、および

より選択され、ここで、pは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R3は、水素および

より選択され、ここで、qは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;かつ
R4は、-CH3、-CH2-CH3、-CH2-OH、および-CH2-CH2-OHより選択される。
【0066】
本発明の枠組みの中で、「認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害」とは、認知症、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、進行性核上麻痺、亜急性硬化性全脳炎パーキンソニズム、脳炎後パーキンソニズム、拳闘家脳症(pugilistic encephalitis)、グアムパーキンソニズム−認知症複合症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭型認知症、ハンチントン病、AIDS関連認知症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、および神経外傷性疾患、例えば、急性脳卒中、てんかん、気分障害、例えば、うつ病、統合失調症、および双極性障害、脳卒中後の機能回復の促進、脳出血、例えば孤立性脳アミロイド血管症に起因する脳出血、軽度認知機能障害、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管症、虚血、脳損傷、特に外傷性脳損傷、ダウン症候群、レヴィー小体病、炎症、ならびに慢性炎症性疾患を含む、慢性神経変性状態より選択されるが、これらに限定されない、任意の疾患、障害、または状態を指す。
【0067】
好ましい疾患または障害は、糖尿病、ならびに、認知症、例えば、アルツハイマー病およびパーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、および神経外傷性疾患、例えば、急性脳卒中、てんかん、気分障害、例えば、うつ病、統合失調症、および双極性障害、脳卒中後の機能回復の促進、脳出血、軽度認知機能障害、虚血、脳損傷、特に外傷性脳損傷、炎症、および慢性炎症性疾患を含む、慢性神経変性状態である。
【0068】
特に好ましい疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、脳卒中、てんかん、気分障害、虚血、脳損傷、および慢性炎症性疾患である。
【0069】
本発明に従う式(I)の化合物は、市販の化合物から出発して合成され得;該化合物は、対応する不飽和臭化アルキルで種々に置換された市販のフェノールの直接アルキル化、および最終的な引き続いての誘導体化によって合成され得る。

式中、R1、R2、R3、R4、およびmは、上記に定義される通りである。
【0070】
従って、さらなる局面によれば、本発明は、上記に定義される式(I)の化合物の調製方法であって、
R1、R2、およびR3が上記に定義される通りである、下記式(A)の対応するフェノール

と、
mが上記に定義される通りである、下記式(B)の好適な不飽和臭化アルキル

とを、
塩基の存在下において反応させる段階を含む、方法に関する。
【0071】
本発明の別の局面は、そのような治療が必要である患者へ、上記に定義される式(I)の少なくとも1つの化合物またはその薬学的組成物の治療的有効量を投与する段階を含む、認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害を治療および/または予防する方法である。
【0072】
「認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害」という用語は、上記に示される通りに解釈される。
【0073】
疾患または障害は、好ましくは、認知症、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、進行性核上麻痺、亜急性硬化性全脳炎パーキンソニズム、脳炎後パーキンソニズム、拳闘家脳症、グアムパーキンソニズム−認知症複合症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭型認知症、ハンチントン病、AIDS関連認知症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、および神経外傷性疾患、例えば、急性脳卒中、てんかん、気分障害、例えば、うつ病、統合失調症、および双極性障害、脳卒中後の機能回復の促進、脳出血、例えば孤立性脳アミロイド血管症に起因する脳出血、軽度認知機能障害、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管症、虚血、脳損傷、特に外傷性脳損傷、ダウン症候群、レヴィー小体病、炎症、ならびに慢性炎症性疾患を含む、慢性神経変性状態より選択されるが、これらに限定されない。
【0074】
一般的に、本発明の化合物またはその薬学的組成物の「治療的有効量」は、選択される化合物の相対的効能、治療される障害の重篤度、および患者の体重に依存する。しかし、活性化合物は、典型的に、1日1回または複数回、例えば、1日1、2、3、もしくは4回、0.1〜1000 mg/kg/日の範囲の典型的な総一日用量で投与される。
【0075】
「治療」または「治療する」という用語は、本明細書の文脈において、疾患または疾患に関連する1つもしくは複数の症状を予防、改善、または排除するために、本発明に従う化合物または製剤を投与することを意味する。「治療」は、疾患の生理学的続発症を予防、改善、または排除することも包含する。
【0076】
「改善する」という用語は、本発明の文脈において、主観的に(患者の感覚もしくは患者に対する感覚)または客観的に(測定されるパラメータ)、治療される患者の状況に対する任意の改善を意味すると理解される。
【0077】
以下において、本発明を実施例によってさらに説明する。それらは決して、特許請求の範囲において定義される本発明の範囲の限定として解釈されない。
【0078】
実施例
調製
上述の一般的な反応スキームに従って、以下の化合物を得た。





【0079】
化合物のいくつかの詳細な調製を、本明細書以下に記載する。
【0080】
実施例1:化合物8の調製
4-アミノ-3-(3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエニルオキシ)-安息香酸メチルエステル

無水テトラヒドロフラン(3 mL)中の4-アミノ-3-ヒドロキシ-安息香酸メチルエステル(500 mg, 3.00 mmol)の溶液を、乾燥テトラヒドロフラン(5 mL)中の水素化ナトリウム(鉱油中60 %, 132 mg, 3.30 mmol)の懸濁液へ窒素下で添加した。混合物を室温で20分間撹拌し、続いて無水テトラヒドロフラン(4 mL)中のヨウ化テトラブチルアンモニウム(240 mg, 0.65 mmol)および18-クラウン-6(4 mg, 0.02 mmol)の懸濁液ならびに乾燥テトラヒドロフラン(2 mL)中の臭化ゲラニル(716 mg, 3.30 mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣を水および塩化メチレン中へ分配した。有機層を塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、酢酸エチル/ヘキサン1:10)によって、純粋な物質525 mg(収率58 %)が白色固体として得られた。

【0081】
実施例2:化合物19の調製
4-アセチルアミノ-3-(3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエニルオキシ)-安息香酸メチルエステル

無水塩化メチレン(2 mL)中の化合物8[実施例1を参照のこと](120 mg, 0.40 mmol)の溶液へ、ピリジン(39μl, 0.48 mmol)および無水酢酸(49μL, 0.51 mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、塩化メチレンで希釈し、そして1N HClおよび塩化ナトリウムの飽和溶液で順に洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、所望の物質が白色固体(130 mg, 収率95 %)として得られた。

【0082】
実施例3:化合物9の調製
4-アミノ-3-(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニルオキシ)-安息香酸メチルエステル

化合物を、4-アミノ-3-(3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエニルオキシ)-安息香酸メチルエステル(化合物8)の調製について記載した手順に従って、4-アミノ-3-ヒドロキシ-安息香酸メチルエステル(500 mg, 3.0 mmol)および臭化ファルネシル(941 mg, 3.3 mmol)から合成した。純粋な化合物9(650 mg, 収率58 %)が、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2, 酢酸エチル/ヘキサン1:16)による精製後に無色オイルとして単離された。

【0083】
実施例4:化合物17の調製
4-アミノ-3-(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニルオキシ)-安息香酸

テトラヒドロフラン(2 mL)およびメタノール(2 mL)の混合物中の4-アミノ-3-(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニルオキシ)-安息香酸メチルエステル[化合物9](165 mg, 0.4 mmol)の溶液へ、水(2 mL)中の水酸化リチウム一水和物(280 mg, 6.7 mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、水で希釈し、そして1N HClでpH 4へ調節し、そして塩化メチレンで2回抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして蒸発させ、純粋な酸である化合物17が白色ワックス様固体(160 mg)として定量的収率で得られた。

【0084】
実施例5:化合物21の調製
4-アセチルアミノ-3-(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニルオキシ)-安息香酸

4-アミノ-3-(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニルオキシ)-安息香酸[化合物17](105 mg, 0.29 mmol)のNアセチル化の反応を、4-アセチルアミノ-3-(3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエニルオキシ)-安息香酸メチルエステル[化合物19]の調製について前述したものと同一の合成手順を使用して行った。ワックス様固体(94 mg, 収率80 %)。

【0085】
実施例6:化合物2の調製
3-(3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエニルオキシ)-4-メトキシ-安息香酸メチルエステル

20 mLのジメチルホルムアミド(DMF)中の3-ヒドロキシ-4-メトキシ-安息香酸メチルエステル(2 g, 11 mmol)の溶液へ、K2CO3(3.8 g, 27.5 mmol)を添加し、そして得られた混合物を45分間撹拌した。次いで、臭化ゲラニル(3.6 g, 16.5 mmol)を添加し、そして混合物を4時間還流した。減圧下で溶媒を蒸発させた後、水を添加し(250 mL)、そして混合物をジクロロメタン(DCM)(2 x 100 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、そして溶媒を減圧下で蒸発させ、表題化合物(1.5 g, 収率43 %)が得られた。

【0086】
実施例7:化合物25の調製
3-(3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエニルオキシ)-4-メトキシ-安息香酸

MeOH(5.5 mL)中の3-(3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエニルオキシ)-4-メトキシ-安息香酸[化合物25、実施例6を参照のこと](1.2 g, 3.7 mmol)の溶液へ、LiOH x H2O(1.2 g, 28.3 mmol)を添加し、そして得られた白色懸濁液を3日間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、反応混合物を0.1 M HClでpH=3〜4へ酸性化し、そして得られた白色懸濁液をDCM(3 x 25 mL)で抽出した。合わせた抽出物を飽和NaCl溶液(50 mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、そして溶媒を減圧下で蒸発させ、表題化合物(1.1 g, 95 %)が白色固体として得られた。

【0087】
実施例8:化合物11の調製
3-(3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエニルオキシ)-4-メトキシ-安息香酸3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエニルエステル

DMF(5 mL)中の3-(3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエニルオキシ)-4-メトキシ-安息香酸[化合物25、実施例6を参照のこと](300 mg, 0.99 mmol)の溶液へ、K2CO3(169 mg, 0.99 mmol)を添加し、そして得られた混合物を10分間撹拌した。次いで、臭化ゲラニル(0.15 mL, 0.99 mmol)を添加し、そして混合物を室温で7時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させた後、水を添加し(100 mL)、そして混合物をジエチルエーテル(3 x 50 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(Na2SO4)、そして溶媒を減圧下で蒸発させ、表題化合物(224 mg, 51 %)が得られた。

【0088】
実施例9:化合物12の調製
N-(3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエニル)-3-(3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエニルオキシ)-4-メトキシ-ベンズアミド

乾燥テトラヒドロフラン(THF)(5 mL)中の3-(3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエニルオキシ)-4-メトキシ-安息香酸[化合物25、実施例6を参照のこと](300 mg, 0.99 mmol)の溶液へ、1,1'-カルボニジイミダゾール(carbonydiimidazol)(CDI)(168 mg, 1.04 mmol)を添加し、そして得られた混合物を室温で12時間撹拌した。THF(2 mL)中のゲラニルアミン(92 mg, 0.60 mmol)の溶液を添加し、そして得られた琥珀色溶液をさらに7時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させた後、水(100 mL)を添加し、そして混合物をジクロロメタン(3 x 50 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(Na2SO4)、そして溶媒を減圧下で蒸発させ、表題化合物(290 mg, 67 %)が褐色固体として得られた。

【0089】
実施例10:化合物23の調製
3-(3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエニルオキシ)-4-メトキシ-安息香酸メトキシメチルエステル

乾燥THF(2 mL)中の3-(3,7-ジメチル-オクタ-2,6-ジエニルオキシ)-4-メトキシ-安息香酸[化合物25、実施例6を参照のこと](172 mg, 0.56 mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(83 mg, 0.67 mmol)の溶液へ、0℃でクロロメチルメチルエーテル(54 mg, 0.67 mmol)を添加し、そして得られた混合物を室温で12時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させた後、水(100 mL)を添加し、そして混合物を酢酸エチル(3 x 50 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(Na2SO4)、そして溶媒を減圧下で除去し、表題化合物(117 mg, 60 %)が褐色固体として得られた。

【0090】
実施例11:化合物26の調製
3,4-ビス-(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニルオキシ)-安息香酸エチルエステル

DMF(20 mL)中の3,4-ジヒドロキシ-安息香酸エチルエステル(1.0 g, 5.5 mmol)の溶液へ、K2CO3(1.5 g, 11.0 mmol)を添加し、そして得られた混合物を45分間撹拌した。次いで、臭化ファルネシル(1.8 mL, 6.6 mmol)を添加し、そして混合物を2時間還流した。減圧下で溶媒を蒸発させた後、水を添加し(100 mL)、そして混合物をDCM(2 x 50 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、そして溶媒を減圧下で蒸発させ、化合物26(335 mg, 10 %)が得られた。

【0091】
実施例12:化合物24の調製
3,4-ビス-(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニルオキシ)-安息香酸

メタノール/H2O(3 mL, 2:1)中の化合物26、エチルエステル誘導体(142 mg, 0.24 mmol)の溶液へ、LiOHxH2O(160 mg, 3.84 mmol)を添加し、そして得られた白色懸濁液を60℃へ4日間加熱した。溶媒を蒸発させた後、反応混合物を0.1 M HClでpH=3〜4へ酸性化し、そして得られた白色懸濁液をDCM(3 x 25 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaCl溶液(50 mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、そして溶媒を減圧下で蒸発させ、対応するカルボン酸、化合物24(130 mg, 96 %)が白色固体として得られた。

【0092】
合成した化合物のさらなるスペクトルデータ
上述のものと同様の手順に従って、追加の化合物を合成した。それらのスペクトルデータを以下に要約する。
【0093】
化合物1

【0094】
化合物3

【0095】
化合物4

【0096】
化合物5

【0097】
化合物6

【0098】
化合物7

【0099】
化合物10

【0100】
化合物13

【0101】
化合物14

【0102】
化合物15

【0103】
化合物16

【0104】
化合物18

【0105】
化合物20

【0106】
化合物22

【0107】
生物学的方法
BACEアッセイ
このアッセイの目的は、合成起源または海洋起源の、化合物が、BACE-1阻害剤であり、Aβの形成を回避するかどうかを決定することである。このアッセイは、FRET技術(蛍光共鳴エネルギー移動)に基づく。FRETは、他の用途の中でも特に、ペプチド基質の切断を測定するために使用される。ペプチド基質は、2つのフルオロフォア、蛍光ドナーおよびクエンチングアクセプターを示す。これら2つのフルオロフォア間の距離は、光励起時にドナー蛍光エネルギーがアクセプターによって有意にクエンチされるように、選択されている。基質ペプチド切断が生じると、エネルギーバランスは壊され、そして全てのドナー蛍光が観察され得る。蛍光の増加は、タンパク質分解の割合と線形的に関連する(Gordon, GWら、1998)。このアッセイにおいて、反応は、酵素、精製BACE-1と、「Swedish 変異」を示す蛍光性ペプチド基質との間で生じる。BACE-1によるペプチド切断は、蛍光エネルギーを生じさせ、そして酵素活性が定量化され得る。
【0108】
このアッセイにおいて使用する試薬は、以下の通りである。
・rhBACE-1 β-セクレターゼ組換えヒト(R&D Systems. Ref. 931-AS)
・蛍光性ペプチド基質IV(R&D Systems. Ref. ES004)
・β-セクレターゼ阻害剤H-4848(BACHEM. Ref. H-4848.0001)
・酢酸ナトリウム
【0109】
アッセイを96ウエルマイクロプレートにおいて行う。基質の最終濃度は、1ウエル当たり3.5μMとし、酵素濃度は0.5μg/mlとする。アッセイの最終量は、1ウエル当たり100μlとし、全ての試薬を反応緩衝液に希釈する。化合物を、10-5および10-6 Mの濃度で試験する。アッセイにおける対照は、市販の阻害剤であるβセクレターゼ阻害剤H-4848(BACHEM製)であり、これを300 nMで試験する。全ての試料および対照を二重で研究する。
【0110】
プレートを穏やかに混合し、そして蛍光の変化を、320 nm励起フィルターおよび405 nm放射フィルターを用いて、蛍光光度計プレートリーダーを使用して測定する。温度は、好ましくは25〜30℃に維持されるべきである。測定は、1時間の間10分毎に行う。第1測定を最終から差し引き、蛍光増加を算出し、酵素活性を評価する。100%活性を、試料または阻害剤を含まないウエルの結果の平均値として算出する。
【0111】
蛍光における異常な効果が検出された場合、BACE阻害活性を、BACE-1(βセクレターゼ)FRETアッセイキット(Invitrogen, Ref. P2985)を使用してアッセイした。蛍光を、544 nm励起フィルターおよび580 nm放射フィルターを用いて、蛍光光度計プレートリーダーを使用して測定した。
【0112】
このアッセイに関するさらなる情報は、以下の参考文献において見られ得、これらは参照により本願に組み入れられる:
Andrau, D et al; “BACE1- and BACE2-expressing human cells: characterization of beta-Amyloid precursor protein-derived catabolites, design of a novel fluorimetric assay, and identification of new in vitro inhibitors”. J Biol Chem. 2003 Jul 11; 278(28): 25859-66。
Gordon, GW et al; “Quantitative fluorescence resonance energy transfer measurements using fluorescence microscopy.” Biophys J. 1998 May; 74: 2702-13。
【0113】
GSK-3β阻害アッセイ
本発明に従う式(I)の化合物のGSK-3β活性を、組換えヒトGSK-3酵素、リン酸供給源、およびGSK-3基質の混合物を対応する試験化合物の存在および非存在下においてインキュベートし、そしてこの混合物のGSK-3活性を測定することによって測定した。化合物を、25および50μMの最終濃度で試験した。
【0114】
組換えヒトグリコーゲンシンターゼキナーゼ3βを、最終濃度12.5μMで、62.5μMのホスホ−グリコーゲンシンターゼペプチド-2(GS-2)、0.5μCiγ-33P-ATP、および非標識ATPの存在下において、MOPS 11 mM、pH 7.4、EDTA 0.2 mM、EGTA 1.25 mM、MgCl2 26.25 mM、およびオルトバナジウム酸ナトリウム0.25 mM中においてアッセイした。最終アッセイ量は20μlであった。30℃で30分間インキュベートした後、15μlのアリコートをP81ホスホセルロースペーパー上へスポットした。フィルターを各々少なくとも10分間4回洗浄し、そしてシンチレーションカウンターにおいて1.5 mlのシンチレーションカクテルでカウントした。
【0115】
本発明の式(I)の化合物を、それらのGSK-3阻害活性およびBACE活性阻害の両方を測定するために、上述のアッセイへ供した。結果をそれぞれの酵素活性のパーセンテージで表Iに示す。
【0116】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)の化合物、ならびにそれらの塩、好ましくは薬学的に許容される塩、溶媒和物、およびプロドラッグ:

式中、
mは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R1は、水素、-C(=O)OCH2OCH3、-(CH2)rC(=O)OR5、および-(CH2)rC(=O)NHR7より選択され、ここで、
rは、0、1、2、3、および4より選択される整数であり、かつ
R5は、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、および

より選択され、ここで、nは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり、
R7は、水素および

より選択され、ここで、nは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R2は、水素、-NH2、-NHC(=O)R6、および-OR6より選択され、
R6は、水素、C1〜C6アルキル、および

より選択され、ここで、pは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R3は、水素および

より選択され、ここで、qは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;かつ
R4は、-CH3、-CH2-CH3、-CH2-OH、および-CH2-CH2-OHより選択され;
但し、R1およびR2の少なくとも1つは水素ではなく、
但し、
mが0であり、R2およびR3が水素であり、かつR4が-CH3である場合、R1は-CH2-C(=O)O-CH2-CH3ではなく、
mが0であり、R1およびR3が水素であり、かつR4が-CH3である場合、R2は-OHでも-OCH3でもなく、
mが1であり、R1およびR3が水素であり、かつR4が-CH3である場合、R2は-OHでも-OCH3でもなく、
mが2であり、R1およびR3が水素であり、かつR4が-CH3である場合、R2は-OHではなく、
mが0であり、R1およびR3が水素であり、R4が-CH3である場合、R2は-O-CH2-CH=C(CH3)2ではなく、
mが0であり、R1およびR3が水素であり、R4が-CH3である場合、R2は-NH2ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2

ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OEt)であり、R4が-CH3である場合、R2

ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OMe)であり、R4が-CH3である場合、R2

ではなく、
mが0であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2は-OHではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2は水素ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OMe)であり、R4が-CH3である場合、R2は水素ではなく、
mが0であり、R3が水素であり、R1が-CO(=Oプレニル)であり、R4が-CH3である場合、R2は水素ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OMe)であり、R4が-CH3である場合、R2は-OHではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OMe)であり、R4が-CH3である場合、R2は-OMeではなく、
mが0であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2

ではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2は-OMeではなく、
mが1であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OEt)であり、R4が-CH3である場合、R2は水素ではなく、
mが0であり、R3が水素であり、R1が-CO(=OH)であり、R4が-CH3である場合、R2は-OMeではない。
【請求項2】
R1が、-C(=O)OCH2OCH3、-(CH2)rC(=O)OR5、および-(CH2)rC(=O)NHR7より選択され、ここで、R5およびR7は請求項1に定義される通りである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1がC(=O)OR5であり、ここでR5は、水素または

であり、ここで、nは0、1、2、および3より選択される整数である、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
R1が-C(=O)OCH2OCH3およびC(=O)OR5より選択され、ここで、R5はC1〜C6アルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
R2が-NH2、-NHC(=O)R6、および-OR6より選択され、ここでR6は請求項1に定義される通りである、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
R2が-OR6であり、ここで、R6

であり、ここでpは0、1、2、または3より選択される整数である、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
R2が-OHまたは-OR6より選択され、ここでR6はC1〜C6アルキルである、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項8】
R2がNH2、-NHC(=O)R6より選択され、ここでR6はC1〜C6アルキルである、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
R3が水素である、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
R4が-CH3である、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項11】
mが0、1、2、または3より選択される整数である、前記請求項のいずれか一項記載の化合物。
【請求項12】
式(I)の化合物が、






ならびにそれらの塩、好ましくは薬学的に許容される塩、溶媒和物、およびプロドラッグより選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項13】
医薬として使用するための、請求項1〜12のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか一項記載の式(I)の少なくとも1つの化合物、またはそれらの塩、プロドラッグ、もしくは溶媒和物を、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、アジュバント、および/またはビヒクルと共に含む、薬学的組成物。
【請求項15】
認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害の治療および/または予防用の医薬の製造における、下記式(I)の化合物、ならびにそれらの塩、好ましくは薬学的に許容される塩、溶媒和物、およびプロドラッグの使用:

式中、
mは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R1は、水素、-C(=O)OCH2OCH3、-(CH2)rC(=O)OR5、および-(CH2)rC(=O)NHR7より選択され、ここで、
rは、0、1、2、3、および4より選択される整数であり、かつ
R5は、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、および

より選択され、ここで、nは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり、
R7は、水素および

より選択され、ここで、nは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R2は、水素、-NH2、-NHC(=O)R6、および-OR6より選択され、
R6は、水素、C1〜C6アルキル、および

より選択され、ここで、pは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;
R3は、水素および

より選択され、ここで、qは、0、1、2、3、4、5、および6より選択される整数であり;かつ
R4は、-CH3、-CH2-CH3、-CH2-OH、および-CH2-CH2-OHより選択される。
【請求項16】
疾患または障害が、認知症、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、進行性核上麻痺、亜急性硬化性全脳炎パーキンソニズム、脳炎後パーキンソニズム、拳闘家脳症(pugilistic encephalitis)、グアムパーキンソニズム−認知症複合症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭型認知症、ハンチントン病、AIDS関連認知症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、および神経外傷性疾患、例えば、急性脳卒中、てんかん、気分障害、例えば、うつ病、統合失調症、および双極性障害、脳卒中後の機能回復の促進、脳出血、例えば孤立性脳アミロイド血管症に起因する脳出血、軽度認知機能障害、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管症、虚血、脳損傷、特に外傷性脳損傷、ダウン症候群、レヴィー小体病、炎症、ならびに慢性炎症性疾患を含む、慢性神経変性状態に関連する状態より選択される、請求項15記載の使用。
【請求項17】
疾患または障害が、認知症、例えば、アルツハイマー病およびパーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、および神経外傷性疾患、例えば、急性脳卒中、てんかん、気分障害、例えば、うつ病、統合失調症、および双極性障害、脳卒中後の機能回復の促進、脳出血、軽度認知機能障害、虚血、脳損傷、特に外傷性脳損傷、炎症、ならびに慢性炎症性疾患を含む、慢性神経変性状態より選択される、請求項16記載の使用。
【請求項18】
疾患または障害が、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、脳卒中、てんかん、気分障害、虚血、脳損傷、および慢性炎症性疾患より選択される、請求項17記載の使用。
【請求項19】
請求項1〜12のいずれか一項記載の式(I)の化合物の調製方法であって、
R1、R2、およびR3が請求項1に定義される通りである、下記式(A)の対応するフェノール

と、
mが請求項1に定義される通りである、下記式(B)の好適な不飽和臭化アルキル

とを、
塩基の存在下において反応させる段階を含む、方法。
【請求項20】
そのような治療が必要である患者へ、請求項1〜12のいずれか一項記載の式(I)の少なくとも1つの化合物またはその薬学的組成物の治療的有効量を投与する段階を含む、認知性、神経変性性、または神経性の疾患または障害を治療および/または予防する方法。
【請求項21】
慢性神経変性状態より選択される疾患または障害が、認知症、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、進行性核上麻痺、亜急性硬化性全脳炎パーキンソニズム、脳炎後パーキンソニズム、拳闘家脳症、グアムパーキンソニズム−認知症複合症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭型認知症、ハンチントン病、AIDS関連認知症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、および神経外傷性疾患、例えば、急性脳卒中、てんかん、気分障害、例えば、うつ病、統合失調症、および双極性障害、脳卒中後の機能回復の促進、脳出血、例えば孤立性脳アミロイド血管症に起因する脳出血、軽度認知機能障害、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳アミロイド血管症、虚血、脳損傷、特に外傷性脳損傷、ダウン症候群、レヴィー小体病、炎症、ならびに慢性炎症性疾患を含む、請求項20記載の方法。

【公表番号】特表2009−545566(P2009−545566A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522277(P2009−522277)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057973
【国際公開番号】WO2008/015241
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(509031442)
【Fターム(参考)】