説明

認証サーバ、再生装置、記録媒体及び配信サーバ

【課題】 コンテンツデータの盗用及び他人への配信が防止されるとともに、利用権が与えられたコンテンツデータの異なる再生装置での使用を可能とする認証サーバ、再生装置、記録媒体及び配信サーバを提供すること。
【解決手段】 ネットワーク3を介して、音楽の再生を許可する認証サーバ1と接続され、コンテンツデータの再生を行う再生装置2において、コンテンツデータと該コンテンツデータに付加された識別番号とを読み取るためのデータ入力部と、コンテンツデータに付加された識別番号を前記認証サーバ1に送信することにより、該コンテンツデータを再生するための許可を申請する申請手段と、申請されたコンテンツデータの再生を許可する指示を認証サーバ1から受信した場合のみ、コンテンツデータを再生手段に再生させる再生制御手段とを装備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は認証サーバ、再生装置、記録媒体及び配信サーバに関し、より詳細には、著作権保護機能を有する認証サーバ、再生装置、記録媒体及び配信サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタル化技術の発展に伴って、インターネットを介して音楽等のディジタルコンテンツを大量に配信すること、及び、パーソナルコンピュータ等を介して受信したディジタルコンテンツデータをCD、DVD又はHD等の記録媒体に記録して再生することが簡単になってきている。このため、著作権侵害の問題が深刻化してきており、これに対して、著作権の保護を図る様々な技術が開発されている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1に開示されているディジタルコンテンツの配布・利用方式では、暗号化されたディジタルデータとそのコンテンツの利用権チェック用コードをセットで配布するデータ配布媒体から受取る前記利用権チェック用コードと、前記コンテンツの利用権を持つ者のみが取得可能な利用権証明用コードとを照合し、認証された場合にのみ暗号化されたディジタルデータを復号して再生できることにより、著作権を保護することが提案されている。このような認証方法によれば、ディジタルデータの盗用を防止することができる。しかしながら、前記利用権チェック用コードが前記暗号化されたディジタルデータとともに、他人に配信された場合、利用権を持っていない者でも前記ディジタルデータを使用することができるので、著作権を確実に保護することができないといった課題があった。
【0004】
また、下記の特許文献2に開示されているディスク状媒体のコピー防止システムでは、ディジタルデータが格納された媒体に記憶された被認証情報Didと、ICカードに格納された被認証情報Didに対応する認証情報とを照合し、認証された場合にデータの読出しを可能とし、認証されない場合にデータの読出しを不可とすることにより、音楽CDや映像再生用DVDなどのディスク状媒体のコピーを防止することが提案されている。このような認証方法によれば、ディジタルデータの盗用を防止することができる。しかしながら、前記ICカードに格納された被認証情報が前記ディジタルデータとともに、他人に配信された場合、利用権を持っていない者でも前記ディジタルデータを使用することができるので、著作権を確実に保護することができないといった課題があった。
【0005】
また、下記の特許文献3に開示されているデータ処理方法では、ネットワークを介して接続された複数の電子機器のうちの一つに、システム識別子を記憶させ、いずれかの電子機器で所定のディジタルデータを複製又は生成するときに、複製又は生成するディジタルデータに前記システム識別子を付加した付加データを生成させ、前記付加データをある電子機器で利用する場合には、当該電子機器または他の電子機器が記憶しているシステム識別子と前記付加データから抽出されるシステム識別子とを比較し、両者が一致する場合にのみ前記付加データの利用を許可することにより、ディジタルデータに関する移動、再生、複製等の使用の制限を緩和するとともに、著作権の保護を図ることが提案されている。このようはデータ処理方法によれば、利用権が与えられたシステムにおける複数の電子機器の間で、前記システム識別子が付加されたディジタルデータを共有することができ、利用権が与えられていないシステムにおける電子機器では、前記ディジタルデータの使用ができない。そのため、ディジタルデータの利用が電子機器によって制限されてしまい、ディジタルデータを異なるシステムでの利用ができなくなり、使用の利便性が損なわれてしまう課題があった。
【特許文献1】特開2001−148156号公報
【特許文献2】特開2003−077218号公報
【特許文献3】特開2002−230895号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段及びその効果】
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、コンテンツデータの盗用及び他人への配信が防止されるとともに、利用権が与えられたコンテンツデータの異なる再生装置での使用を可能とする認証サーバ、再生装置、記録媒体及び配信サーバを提供することを目的としている。
【0007】
上記目的を達成するために本発明に係る認証サーバ(1)は、ネットワークを介して各再生装置と接続され、前記各再生装置による識別番号を有するコンテンツデータの再生を許可するための認証サーバにおいて、前記各再生装置から再生の許可が申請されるコンテンツデータの識別番号を含んだ認証情報を受信し、受信した前記識別番号を有するコンテンツデータが他の再生装置により再生されていない場合、前記コンテンツデータの再生を許可する指示を申請側の再生装置に送信し、他方、受信した前記識別番号を有するコンテンツデータが他の再生装置により再生されている場合、前記コンテンツデータの再生を禁止する指示を前記申請側の再生装置へ送信する認証手段を備えていることを特徴としている。
【0008】
上記認証サーバ(1)によれば、ネットワークを介して接続されている各再生装置から再生が申請されるコンテンツデータの識別番号を含んだ認証情報を受信し、受信した前記識別番号を有するコンテンツデータが他の再生装置により再生されていない場合、前記コンテンツデータの再生を許可する指示を申請側の再生装置に送信させ、他方、受信した識別番号を有するコンテンツデータが他の再生装置により再生されている場合、前記コンテンツデータの再生を禁止する指示を前記申請側の再生装置へ送信するため、複製されたコンテンツデータが異なる再生装置から同時に再生を申請した場合、該コンテンツデータの不正複製が認証サーバにより検出され、該コンテンツデータの再生が禁止されるので、購入したコンテンツデータを複製して他人に配布するような著作権侵害の不正行為を防ぐことができる。一方、前記識別番号が付加された音楽コンテンツを購入した本人は、購入した音楽コンテンツを異なる記録媒体が使用される再生装置で再生したい場合(例えば、インターネットから購入した音楽コンテンツを、CD、DVDが使用されるステレオ又は車載用情報端末装置で再生したり、メモリカードが使用される携帯電話で再生したりする場合)、使用される記録媒体に前記コンテンツを複製すれば、異なる時間で異なる再生装置により前記音楽コンテンツを再生することができる。
【0009】
また、本発明に係る認証サーバ(2)は、上記認証サーバ(1)において、前記認証手段が、受信した前記識別番号が予め登録された再生禁止のコンテンツデータの識別番号の中に存在しておらず、しかも現在他の再生装置により再生されていない場合、前記コンテンツデータの再生を許可する指示を申請側の再生装置へ送信し、他方、受信した識別番号が前記再生禁止のコンテンツデータの識別番号の中に存在している場合、再生を禁止する指示を申請側の再生装置へ送信し、また、受信した識別番号を有するコンテンツデータが他の再生装置により再生されている場合、前記コンテンツデータの再生を禁止する指示を前記申請側の再生装置へ送信すると共に、受信した前記識別番号を前記再生禁止のコンテンツデータの識別番号として登録するものであることを特徴としている。
【0010】
上記認証サーバ(2)によれば、受信した前記識別番号が予め登録された再生禁止のコンテンツデータの識別番号の中に存在しておらず、しかも現在他の再生装置により再生されていない場合、前記コンテンツデータの再生を許可する指示を申請側の再生装置に送信するため、現時点まで不正複製が発見されていないコンテンツデータの再生が許可される。他方、受信した前記識別番号が予め登録された再生禁止のコンテンツデータの識別番号の中に存在している場合、再生を禁止する指示を申請側の再生装置に送信するため、既に不正複製が発見されたコンテンツデータの再生が禁止される。また、受信した識別番号を有するコンテンツデータが他の再生装置により再生されている場合、前記コンテンツデータの再生を禁止する指示を前記申請側の再生装置へ送信すると共に、受信した前記識別番号を前記再生禁止のコンテンツデータの識別番号として登録するため、コンテンツデータの不正複製が一度検出されたら、該コンテンツデータが再生禁止のコンテンツデータとして登録され、今後どの再生装置から該コンテンツデータを申請しても再生が許可されないので、不正複製行為又はデータ盗用行為を確実に防止することができる。なお、コンテンツデータが盗用された場合、購入者は購入先にコンテンツデータに付加された識別番号を更新させれば、盗用されたコンテンツデータが新しいコンテンツデータとして購入者だけに使用が再開されることができる。
【0011】
また、本発明に係る認証サーバ(3)は、上記認証サーバ(1)又は(2)において、前記認証手段が、再生が許可されたコンテンツデータの識別番号を再生中のコンテンツデータの識別番号として登録し、前記コンテンツデータの再生終了通知を受信したら、前記コンテンツデータの識別番号を前記再生中のコンテンツデータの識別番号から消去するものであることを特徴としている。
【0012】
上記認証サーバ(3)によれば、再生が許可されたコンテンツデータの識別番号を再生中のコンテンツデータの識別番号として登録することにより、前記コンテンツデータが現在再生中であることを表示し、異なる再生装置から前記コンテンツデータを申請したら、該コンテンツデータが不正複製されたことを検出することができる。また、前記コンテンツデータの再生終了通知を受信したら、前記コンテンツデータの識別番号を前記再生中のコンテンツデータの識別番号から消去することにより、前記コンテンツデータの再生が終了された後、他の再生装置による前記コンテンツデータの再生が可能になる。
【0013】
また、本発明に係る認証サーバ(4)は、上記認証サーバ(3)において、前記認証手段が、再生の許可が申請されるコンテンツデータの識別番号が前記再生中のコンテンツデータの識別番号の中に存在している場合、前記コンテンツデータが他の再生装置により再生されていると判断し、他方、再生の許可が申請されるコンテンツデータの識別番号が前記再生中のコンテンツデータの識別番号の中に存在していない場合、前記コンテンツデータが他の再生装置により再生されていないと判断するものであることを特徴としている。
【0014】
上記認証サーバ(4)によれば、再生の許可が申請されるコンテンツデータの識別番号が前記再生中のコンテンツデータの識別番号の中に存在しているか否かを判断することにより、再生の許可が申請されるコンテンツデータが他の再生装置により再生されているか否かを判断することができる。
【0015】
また、本発明に係る再生装置(1)は、ネットワークを介して、音楽の再生を許可する認証サーバと接続され、コンテンツデータの再生を行う再生装置において、前記コンテンツデータと該コンテンツデータに付加された識別番号とを読み取るためのデータ入力部と、前記コンテンツデータに付加された識別番号を前記認証サーバに送信することにより、該コンテンツデータを再生するための許可を申請する申請手段と、申請されたコンテンツデータの再生を許可する指示を前記認証サーバから受信した場合のみ、前記コンテンツデータを再生手段に再生させる再生制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0016】
上記再生装置(1)によれば、前記コンテンツデータと該コンテンツデータに付加された識別番号とを読み取るためのデータ入力部を備えているため、再生されるコンテンツデータとその識別番号を読み取ることができる。また、前記コンテンツデータに付加された識別番号を前記認証サーバへ送信することにより、該コンテンツデータを再生するための許可を申請し、申請されたコンテンツデータの再生を許可する指示を受信した場合のみ、該コンテンツデータを再生手段に再生させるため、認証サーバの許可を前提で識別番号を有するコンテンツデータを再生することにより、著作権の保護を図ることができる。
【0017】
また、本発明に係る再生装置(2)は、上記再生装置(1)において、前記申請手段が、再生が許可されたコンテンツデータの利用が終了したと判断した場合、前記コンテンツデータの再生終了通知を前記認証サーバへ送信させるものであることを特徴としている。
上記再生装置(2)によれば、再生が許可されたコンテンツデータの利用が終了したと判断した場合、前記コンテンツデータの再生終了通知を前記認証サーバへ送信させるため、前記認証サーバに前記コンテンツデータの再生状況を知らせ、他の再生装置による前記コンテンツデータの再生を可能にする。
【0018】
また、本発明に係る再生装置(3)は、上記再生装置(2)において、前記申請手段が、再生が許可されたコンテンツデータの再生が停止してから所定時間経過すると、該コンテンツデータの利用が終了したと判断するものであることを特徴としている。
上記再生装置(3)によれば、再生が許可されたコンテンツデータの再生が停止してから所定時間経過すると、該コンテンツデータの利用が終了したと判断するため、例えば、前記コンテンツデータを繰り返して再生を行う場合、または、前記コンテンツデータの再生が失敗して、再生をやり直したい場合、再生が停止してから所定時間以内であれば、再度サーバへ再生の許可を申請しなくても、そのまま再生を繰り返すことができる。
【0019】
また、本発明に係る記録媒体(1)は、コンテンツデータを記録するための記録媒体であって、前記記録媒体のロット番号と前記コンテンツの番号とを含んだ識別番号が前記コンテンツの識別番号として記録されていることを特徴としている。
上記記録媒体(1)によれば、前記記録媒体のロット番号と前記コンテンツの番号とを含んだ識別番号が前記コンテンツの識別番号として記録されているため、各々のコンテンツデータに対して唯一の識別番号を与えることができる。
【0020】
また、本発明に係る配信サーバ(1)は、ネットワークを介してコンテンツデータを配信するサーバであって、配信ロット番号と配信のコンテンツの番号とを含んだ識別番号を前記配信のコンテンツに付与することを特徴としている。
上記配信サーバ(1)によれば、配信ロット番号と配信のコンテンツの番号とを含んだ識別番号を前記配信のコンテンツに付与するため、各々のコンテンツデータに対して唯一の識別番号を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る認証サーバ、再生装置、記録媒体及び配信サーバを含んで構成されたシステムの要部を概略的に示した構成図である。図中1は認証サーバを示しており、認証サーバ1はネットワーク3を介して、音楽データを配信する配信サーバ4、各再生装置2とそれぞれ接続されている。
【0022】
再生装置2は、様々な記録媒体(例えば、CD5、DVD(図示せず)、HD(図示せず)、メモリカード(図示せず)、テープ(図示せず))に記録された音楽データを読み取り、又はネットワーク3を介して配信サーバ4から音楽データをダウンロードしてHDに記憶することが可能である。
【0023】
記憶媒体(例えば、CD5)では、記録された音楽データに対して、該音楽データを識別するための識別番号が記録されている。該識別番号は、記録媒体のロット番号と曲の番号とを含んだ識別コードである。例えば、CD5は音楽アルバムが記録された場合、CD5のロット番号は「060105B10」とすれば、CD5に記憶された第1番目の曲の識別番号を「060105B10−01」とすることができる。
【0024】
配信サーバ4では、音楽データを配信する時に、配信する音楽データに対して、該音楽データを識別するための識別番号を音楽データとともにユーザへ配信する。該識別番号は、配信ロット番号と曲の番号からなる識別コードである。例えば、配信サーバ4から音楽アルバムを配信する場合、配信ロット番号は「DD050712CB1」とすれば、第2番目の曲の識別番号を「DD050712CB102」とすることができる。
【0025】
再生装置2は、読み取った音楽データの中に識別番号が付加された場合、まず音楽データに付加された識別番号を取り出して認証サーバ1に送信することにより音楽データの再生を申請し、認証サーバ1から再生許可を受信したら、音楽データを再生するように構成されている。
【0026】
認証サーバ1は、各再生装置2に対して、識別番号が付加された音楽データの再生を許可するためのものであり、再生装置2から識別番号を受信した場合、受信した前記識別番号が予め登録された再生禁止の音楽データの識別番号の中に存在しておらず、しかも現在他の再生装置により再生されていない場合、申請された音楽データの再生を許可する指示を申請側の再生装置2へ送信させ、他方、受信した識別番号が再生禁止の音楽データの識別番号の中に存在している場合、再生を禁止する指示を申請側の再生装置2へ送信し、また、受信した識別番号を有する音楽データが他の再生装置により再生されている場合、前記音楽データの再生を禁止する指示を申請側の再生装置2へ送信すると共に、前記音楽データの識別番号を再生禁止の音楽データの識別番号として登録するように構成されている。
【0027】
図2は、認証サーバ1及び再生装置2のそれぞれの構成を概略的に示したブロック図である。図中、認証サーバ1は、音楽データの識別番号を含んだ認証情報を受信し、再生を許可する指示又は再生を禁止する指示を送信する送受信装置11と、受信した認証情報、再生禁止の音楽データの識別番号、再生中の音楽データの識別番号及び処理プログラムなどのデータを記憶する記憶装置12と、データの入出力を行う操作&表示装置14と、送受信制御、音楽データの認証などの処理プログラムを実行するCPU13とを含んで構成されている。CPU13は、送受信装置11、記憶装置12及び操作&表示装置14とそれぞれ接続されている。
【0028】
一方、再生装置2は、音楽データの識別番号を含んだ認証情報を認証サーバ1へ送信し、認証サーバ1から再生を許可する指示又は再生を禁止する指示を受信する送受信装置21と、音楽データと該音楽データの識別番号とを含んだデータ、及び送受信制御、再生許可の申請、再生制御などを行う処理プログラムを記憶する記憶装置23と、記録媒体(CD5、DVD、HD、記憶装置カード及びテープのうちの少なくとも1つ)から音楽データ及び該音楽データの識別番号を読み取るデータ読取装置24と、音楽データをアナログ音楽信号に変換する音楽再生手段25と、音楽を出力するスピーカ26と、再生指示、選曲指示などの操作指示を入力し、再生情報を表示する操作&表示装置27と、送受信制御、再生申請、再生制御などの処理プログラムを実行するCPU22とを含んで構成されている。CPU22は、送受信装置21、記憶装置23、データ読取装置24、音楽再生手段25及び操作&表示装置27とそれぞれ接続されている。
また、認証サーバ1の送受信装置11はネットワーク3を介して再生装置2の送受信装置21と接続されている。
【0029】
次に、認証サーバ1が行う処理動作及び再生装置2が行う音楽再生処理動作を図3に示したフローチャートに基づいて説明する。図中、ステップS10〜S21は再生装置2が行う処理動作を示し、ステップS30〜S39は認証サーバ1が行う処理動作を示す。
【0030】
まず、再生装置2は、ステップS10において、音楽の再生が指示されたか否かを判断し、音楽の再生が指示されていないと判断した場合、ステップS10に戻り、他方、音楽の再生が指示されたと判断した場合、ステップS11に進む。
【0031】
ステップS11では、記録媒体(CD、DVD、HD、記憶装置カード及びテープのうちのいずれか)から、再生が指定された音楽の音楽データMDを読み込み、その後、ステップS12に進む。ステップS12では、音楽データMDに付加された識別番号MIを取り出し、その後、ステップS13に進む。ステップS13では、識別番号MIを認証サーバ1へ送信することにより、音楽データMDの再生の許可を申請する。
【0032】
一方、認証サーバ1は、ステップS30において、再生装置2から認証データ(即ち、再生の許可が申請される音楽データの識別番号)を受信したか否かを判断し、音楽データの識別番号を受信していないと判断した場合、ステップS30に戻るが、再生装置2より識別番号MIが送信された場合(ステップS13)、音楽データの識別番号MIを受信したと判断し、ステップS31に進む。
【0033】
ステップS31では、受信した識別番号MIが記憶装置12に記憶されている再生禁止の音楽データの識別番号として登録されているか否かを判断し、識別番号MIが再生禁止の音楽データの識別番号として登録されていないと判断した場合、ステップS33に進む。
【0034】
ステップS33では、識別番号MIが記憶装置12に記憶されている再生中の音楽データの識別番号として登録されているか否かを判断し、識別番号MIが再生中の音楽データの識別番号として登録されていないと判断した場合、ステップS34に進む。ステップS34では、音楽データMDの再生を許可する指示を申請側の再生装置2へ送信し、その後、ステップS35に進む。ステップS35では、識別番号MIを再生中の音楽データの識別番号として登録し、記憶装置12に記憶させる。
【0035】
一方、再生装置2では、ステップS14において、認証サーバ1から音楽データMDの再生を許可する指示を受信したか否かを判断し、再生を許可する指示を受信していないと判断した場合、ステップS20へ進み、認証サーバ1より再生を許可する指示が送信された場合(ステップS34)、再生を許可する指示を受信したと判断し、音楽データMDを再生する指示信号を音楽再生手段25に出力し(ステップS15)、その後、ステップS16に進む。
【0036】
ステップS16では、音楽データMDの再生が停止したか否かを判断し、音楽データMDの再生が停止していないと判断した場合、ステップS16に戻り、他方、音楽データMDの再生が停止したと判断した場合、ステップS17進。ステップS17では、音楽データMDの再生が指示されたか否かを判断し、音楽データMDの再生が指示されたと判断した場合、ステップS15に戻り、他方、音楽データMDの再生が指示されなかったと判断した場合、ステップS18に進む。ステップS18では、時間TD(例えば1分間)を経過したか否かを判断し、時間TDを経過していないと判断した場合、ステップS18に戻り、他方、時間TDを経過したと判断した場合、ステップS19に進む。ステップS19では、音楽データMDの利用が終了したと判断して再生終了通知を認証サーバ1へ送信し、その後、処理動作を終了する。
【0037】
一方、認証サーバ1では、ステップS36において、再生が許可された音楽データの再生終了通知を受信したか否かを判断し、再生終了通知を受信していないと判断した場合、ステップS36に戻るが、申請側の再生装置2から音楽データMDの再生終了通知が送信された場合(ステップS18)、再生終了通知を受信したと判断し、ステップS37に進む。ステップS37では、再生中の音楽データの識別番号から識別番号MIを消去し、その後、処理動作を終了する。
【0038】
また、認証サーバ1は、ステップS31において、受信した識別番号MIが記憶装置12に記憶されている再生禁止の音楽データの識別番号として登録されていると判断した場合、音楽データMDの再生を禁止する指示を申請側の再生装置2へ送信し(ステップS32)、その後、処理動作を終了する。
【0039】
また、認証サーバ1は、ステップS33において、受信した識別番号MIが再生中の音楽データの識別番号として登録されていると判断した場合、ステップS38に進む。ステップS38では、申請側の再生装置2に音楽データMDの再生を禁止する指示を送信し、識別番号MIを再生禁止の音楽データの識別番号として登録し、記憶装置12に記憶させ(ステップS39)、その後、処理動作を終了する。
【0040】
一方、再生装置では、ステップS20において、音楽データMDの再生を禁止する指示を受信したか否かを判断し、音楽データMDの再生を禁止する指示を受信していないと判断した場合、ステップS14へ戻るが、認証サーバ1から音楽データMDの再生を禁止する指示が送信された場合(ステップS32、またはステップS38)、音楽データMDの再生を禁止する指示を受信したと判断し、音楽データMDの再生が禁止された旨のメッセージ(例えば、指定された曲の再生が禁止されています)を操作&表示装置27に出力させ(ステップS21)、その後、処理動作を終了する。
【0041】
なお、再生禁止の音楽データとしてその識別番号が登録された音楽データは不正複製されたデータとして、使用が禁止されるようになっているが、購入した音楽データが盗用された場合では、購入者本人は購入先に音楽データの識別番号を更新させることにより、盗用された音楽データが新しい音楽データとして、認証サーバ1に認証されるようになっている。
【0042】
上記実施の形態に係る認証サーバ1及び再生装置2によれば、ネットワーク3を介して認証サーバ1に接続されている再生装置2は、著作権保護のための認識番号が付加された音楽データを再生する場合、まず、再生する音楽データの認識番号を認証サーバ1に送信することにより音楽データを再生するための許可を申請し、認証サーバ1から再生を許可する指示を得てから、音楽データを再生するため、認証番号が付加された音楽データの著作権を保護することができる。
【0043】
一方、認証サーバ1は、受信した識別番号を有する音楽データが再生禁止の音楽データではなく、しかも現在再生中の音楽データでもない場合、前記音楽データの再生を許可する指示を申請側の再生装置2へ送信するため、現時点まで不正複製が発見されていない音楽データの再生が許可される。他方、受信した識別番号を有する音楽データが前記再生禁止の音楽データである場合、再生を禁止する指示を申請側の再生装置に送信するため、既に不正複製が発見された音楽データの使用が禁止される。さらに、受信した識別番号を有する音楽データが他の再生装置により再生されている場合、該音楽データの再生を禁止する指示を申請側の再生装置2へ送信すると共に、前記音楽データを再生禁止の音楽データとして登録するため、音楽データの不正複製が一度検出されたら、該音楽データが再生禁止の音楽データとして登録され、今後どの再生装置2から該音楽データを申請しても再生が許可されないので、購入した音楽データを複製して他人に配布するような著作権侵害の不正行為を防ぐことができる。一方、著作権で保護される音楽データを購入した本人は、購入した音楽データを異なる記録媒体が使用される再生装置(例えば、CD、DVD、テープが使用されるステレオ、CD、DVD、HD、記憶装置カードが使用されるパーソナルコンピュータ、CD、DVDが使用される車載用情報端末装置、記憶装置カードが使用される携帯電話など)で再生したい場合、前記音楽データを異なる記録媒体に複製すれば、異なる時間で、異なる再生装置(ネットワーク3を介して認証サーバ1に接続されたもの)により複製の音楽コンテンツを再生することができるので、使用の利便性を向上させることができる。
【0044】
なお、上記実施の形態には、音楽データがコンテンツデータとしている採用されているが、他の実施の形態では、他のディジタルデータ(例えば、文字データ、画像データ、映像データ等)をコンテンツデータとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態に係る認証サーバと再生装置とを含んで構成されたシステムの要部を概略的に示した構成図である。
【図2】認証サーバ及び再生装置のそれぞれの構成を概略的に示したブロック図である。
【図3】認証サーバが行う認証処理動作及び再生装置が行う音楽再生処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1 認証サーバ
2 再生装置
3 ネットワーク
4 サーバ
5 CD
11、21 送受信装置
12、23 記憶装置
13、22 CPU
14、27 操作&表示装置
24 データ読取装置
25 音楽再生手段
26 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して各再生装置と接続され、前記各再生装置による識別番号を有するコンテンツデータの再生を許可するための認証サーバにおいて、
前記各再生装置から再生の許可が申請されるコンテンツデータの識別番号を含んだ認証情報を受信し、受信した前記識別番号を有するコンテンツデータが他の再生装置により再生されていない場合、前記コンテンツデータの再生を許可する指示を申請側の再生装置に送信し、他方、受信した前記識別番号を有するコンテンツデータが他の再生装置により再生されている場合、前記コンテンツデータの再生を禁止する指示を前記申請側の再生装置へ送信する認証手段を備えていることを特徴とする認証サーバ。
【請求項2】
前記認証手段が、受信した前記識別番号が予め登録された再生禁止のコンテンツデータの識別番号の中に存在しておらず、しかも現在他の再生装置により再生されていない場合、前記コンテンツデータの再生を許可する指示を申請側の再生装置へ送信し、他方、受信した識別番号が前記再生禁止のコンテンツデータの識別番号の中に存在している場合、再生を禁止する指示を申請側の再生装置へ送信し、また、受信した識別番号を有するコンテンツデータが他の再生装置により再生されている場合、前記コンテンツデータの再生を禁止する指示を前記申請側の再生装置へ送信すると共に、受信した前記識別番号を前記再生禁止のコンテンツデータの識別番号として登録するものであることを特徴とする請求項1記載の認証サーバ。
【請求項3】
前記認証手段が、再生が許可されたコンテンツデータの識別番号を再生中のコンテンツデータの識別番号として登録し、前記コンテンツデータの再生終了通知を受信したら、前記コンテンツデータの識別番号を前記再生中のコンテンツデータの識別番号から消去するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の認証サーバ。
【請求項4】
前記認証手段が、再生の許可が申請されるコンテンツデータの識別番号が前記再生中のコンテンツデータの識別番号の中に存在している場合、前記コンテンツデータが他の再生装置により再生されていると判断し、他方、再生の許可が申請されるコンテンツデータの識別番号が前記再生中のコンテンツデータの識別番号の中に存在していない場合、前記コンテンツデータが他の再生装置により再生されていないと判断するものであることを特徴とする請求項3記載の認証サーバ。
【請求項5】
ネットワークを介して、音楽の再生を許可する認証サーバと接続され、コンテンツデータの再生を行う再生装置において、
前記コンテンツデータと該コンテンツデータに付加された識別番号とを読み取るためのデータ入力部と、
前記コンテンツデータに付加された識別番号を前記認証サーバに送信することにより、該コンテンツデータを再生するための許可を申請する申請手段と、
申請されたコンテンツデータの再生を許可する指示を前記認証サーバから受信した場合のみ、前記コンテンツデータを再生手段に再生させる再生制御手段とを備えていることを特徴とする再生装置。
【請求項6】
前記申請手段が、再生が許可されたコンテンツデータの利用が終了したと判断した場合、前記コンテンツデータの再生終了通知を前記認証サーバへ送信させるものであることを特徴とする請求項5記載の再生装置。
【請求項7】
前記申請手段が、再生が許可されたコンテンツデータの再生が停止してから所定時間経過すると、該コンテンツデータの利用が終了したと判断するものであることを特徴とする請求項6記載の再生装置。
【請求項8】
コンテンツデータを記録するための記録媒体であって、
前記記録媒体のロット番号と前記コンテンツの番号とを含んだ識別番号が前記コンテンツの識別番号として記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項9】
ネットワークを介してコンテンツデータを配信するサーバであって、
配信ロット番号と配信のコンテンツの番号とを含んだ識別番号を前記配信のコンテンツに付与することを特徴とする配信サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−305216(P2007−305216A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−132092(P2006−132092)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】