説明

認証システム、画像形成装置、および認証方法

【課題】 利用者がデバイスの前に存在することを保証することができる認証システムを提供する。
【解決手段】 使用者が印刷装置に備えられたボタン等を押すと(S101)、印刷装置は認証用情報を作成し(S103)、操作パネルに表示する(S105)。認証用情報は、認証サーバのアドレス情報と、使用許可情報とを含む。使用者は、表示された情報を携帯電話のカメラで撮影し(S107)、認証サーバのアドレス情報を取得し、認証サーバに対してデータを送信する(S109)。認証サーバは、データを送信した携帯電話が登録済みであることを確認すると(S111)、印刷装置に対して使用許可情報を送信する。使用許可情報が送られてくると、印刷装置は、それが有効期限内であるかを確認し(S115)、YESであれば使用者にデバイスの使用を認める

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は認証システム、画像形成装置、および認証方法に関し、特に使用者が使用対象の機器の前に存在することを保証することができる認証システム、画像形成装置、および認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク機器のユーザ認証を行なう場合、成りすましや、ハッキングによる遠隔操作を避ける必要がある。セキュリティ対策として、従来は機器固有のユーザ名およびパスワードの入力や、USBキーなどの装置で認証が行なわれる場合が多かった。
【0003】
最近は、EmailやWebブラウザ機能を持つ携帯電話を利用した認証システムも提案されている。
【0004】
下記の特許文献1は、印刷物に印字された付加情報(Email−Addressなど)を携帯電話のデジカメで撮影し、その情報をもとに通信を行なう技術を開示している。
【0005】
特許文献2は、プリントジョブのキーコードを携帯電話に送付し、携帯電話からキーコードを用いて印刷指示をする技術を開示している。
【特許文献1】特開2003−110827号公報
【特許文献2】特開2002−361984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ユーザ名およびパスワードの入力により認証を行なう場合には、ユーザの入力ミスや、パスワードを忘れる危険性があった。また、USBキーを使用する場合には、USBキーをユーザが常時持ち歩かなければならないなど不便な部分が多いという問題があった。
【0007】
また、普段から持ち歩くことが多くなった携帯電話を利用して認証を行なう方法を採用するとしても、以下のような問題がある。すなわち、たとえば印刷装置でユーザ認証を行なう場合において、機密文書の印刷を行なうときには、操作者(認証者)が印刷装置の前に確実にいることを保証する必要があるが、従来の技術ではそのような保証ができなかった。
【0008】
すなわち従来技術においては、携帯電話は主に印刷データの送信や、認証のためのみに使われることが多く、本人がデバイスの前に存在することを保証するものではない。これにより、成りすましや遠隔操作を避けることが出来ないという問題があった。
【0009】
この発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、利用者が使用対象の機器の前に存在することを保証することができる認証システム、画像形成装置、および認証方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、この発明のある局面に従うと、携帯端末と、使用者の使用対象の機器と、認証装置とからなる認証システムにおいて、使用対象の機器は、使用者が使用対象の機器を使用するときに認証情報を生成する生成手段を備え、携帯端末は、生成された認証情報を使用対象の機器から取得する取得手段と、取得手段の取得結果に基づいて、認証装置に取得結果に基づく情報を送信する情報送信手段とを備え、認証装置は、情報送信手段を用いて送信を行なった携帯端末が登録されたものであるか否かを判断する判断手段と、判断手段の判断結果に基づいて、使用対象の機器に使用許可を送信する使用許可送信手段とを備え、使用対象の機器は、使用許可が送信されてきたときに、認証情報が生成されてからの時間、または認証情報が携帯端末で取得されてからの時間に基づいて、使用者による使用対象の機器の使用を許可する許可手段をさらに備える。
【0011】
この発明の他の局面に従うと、携帯端末と、使用者の使用対象の機器と、認証装置とからなる認証システムにおいて、使用対象の機器は、ジョブの登録を受付ける受付手段と、ジョブの情報を含む認証情報を生成する生成手段とを備え、携帯端末は、生成された認証情報を使用対象の機器から取得する取得手段と、取得手段の取得結果に基づいて、認証装置に取得結果に基づく情報を送信する情報送信手段とを備え、認証装置は、情報送信手段を用いて送信を行なった携帯端末が登録されたものであるか否かを判断する判断手段と、判断手段の判断結果に基づいて、使用対象の機器にジョブの実行許可を送信する実行許可送信手段とを備え、使用対象の機器は、実行許可が送信されてきたときに、ジョブを実行する実行手段をさらに備える。
【0012】
好ましくは、使用対象の機器は、生成手段で生成された認証情報を表示する表示手段をさらに備え、携帯端末は、カメラをさらに備え、取得手段は、カメラを用いて表示手段に表示された認証情報を取得する。
【0013】
好ましくは、認証情報は、認証装置のアドレス情報を含み、携帯端末の情報送信手段は、認証情報に含まれるアドレス情報に基づいて、認証装置に取得結果に基づく情報を送信する。
【0014】
好ましくは、携帯端末の情報送信手段は、取得手段で取得された認証情報の少なくとも一部を認証装置に送信し、認証装置の使用許可送信手段は、判断結果に基づいて、携帯端末の情報送信手段が送信した情報の少なくとも一部を使用対象の機器に送信し、使用対象の機器の許可手段は、認証装置の使用許可送信手段が送信した情報が有効期限内であるかを判断することで、使用対象の機器の使用を許可する。
【0015】
好ましくは認証システムは、使用対象の機器で実行すべきジョブを記憶する記憶手段をさらに備え、認証装置の使用許可送信手段は、使用許可として、使用対象の機器にジョブを送信する。
【0016】
好ましくは、認証情報は、使用対象の機器で実行されるジョブの情報を含み、携帯端末の情報送信手段は、ジョブの情報を認証装置に送信し、認証装置の使用許可送信手段は、ジョブの情報を考慮して、使用対象の機器に使用許可を送信する。
【0017】
この発明のさらに他の局面に従うと、携帯端末と、認証装置とを含む画像形成システムに用いられる画像形成装置は、認証情報を生成する生成手段と、認証情報を携帯端末に伝送する伝送手段と、認証情報の伝送に基づいて、携帯端末が認証装置に認証依頼を行ない、その結果として認証装置が送信した使用許可を受信する受信手段と、使用許可が受信されたときに、認証情報が生成されてからの時間、または認証情報が携帯端末で取得されてからの時間に基づいて、装置の使用を許可する許可手段とを備える。
【0018】
この発明のさらに他の局面に従うと、携帯端末と、認証装置とを含む画像形成システムに用いられる画像形成装置は、ジョブの登録を受付ける受付手段と、ジョブの情報を含む認証情報を生成する生成手段と、認証情報を携帯端末に伝送する伝送手段と、認証情報の伝送に基づいて、携帯端末が認証装置に認証依頼を行ない、その結果として認証装置が送信したジョブの実行許可を受信する受信手段と、実行許可が受信されたときに、ジョブを実行する実行手段とを備える。
【0019】
この発明のさらに他の局面に従うと、携帯端末と、使用者の使用対象の機器と、認証装置とからなる認証システムで用いられる認証方法は、認証情報を生成する生成ステップと、使用者の使用対象の機器から認証情報を携帯端末に伝送する伝送ステップと、認証情報の伝送に基づいて、携帯端末が認証装置に認証依頼を行ない、その結果として認証装置が送信した使用許可を使用者の使用対象の機器で受信する受信ステップと、使用者の使用対象の機器で使用許可が受信されたときに、認証情報が生成されてからの時間、または認証情報が携帯端末で取得されてからの時間に基づいて、使用者の使用対象の機器の使用を許可する許可ステップとを備える。
【0020】
この発明のさらに他の局面に従うと、携帯端末と、使用者の使用対象の機器と、認証装置とからなる認証システムで用いられる認証方法は、ジョブの登録を受付ける受付ステップと、ジョブの情報を含む認証情報を生成する生成ステップと、使用者の使用対象の機器から認証情報を携帯端末に伝送する伝送ステップと、認証情報の伝送に基づいて、携帯端末が認証装置に認証依頼を行ない、その結果として認証装置が送信したジョブの実行許可を使用者の使用対象の機器で受信する受信ステップと、使用者の使用対象の機器で実行許可が受信されたときに、ジョブを実行する実行ステップとを備える。
【発明の効果】
【0021】
この発明に従うと、使用者の使用対象の機器で認証情報が生成され、その認証情報が携帯端末で取得される。取得結果に基づいて認証装置で認証が行なわれ、その結果に基づき使用対象の機器で使用の許可が行なわれる。これにより、利用者が使用対象の機器の前に存在することを保証することができる認証システム、画像形成装置、および認証方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態における印刷システムについて説明する。
【0023】
図1は、第1の実施の形態における印刷システムの概略構成を示す図である。
【0024】
図を参照して、印刷システムは、印刷システムのユーザ認証を行なう認証サーバ300と、操作パネルに認証情報(2次元バーコードなど)を表示することが可能なMFP(Multi Function Peripherals)などの印刷装置100(画像形成装置の一例)と、印刷装置100の操作パネルに表示された認証情報を撮影し、認証サーバ300にアクセスする携帯電話(または携帯端末)200と、認証サーバ300に印刷ジョブ(印刷データ)を送信するクライアントPC400とから構成される。
【0025】
印刷装置100の操作パネルに表示される認証情報には、認証サーバ300に関する情報も含まれる。携帯電話200は、この情報を用いて認証サーバ300にアクセスする。認証サーバ300は、アクセスがあった携帯電話200の端末情報などを用いて認証を行なう。認証の結果に基づき、認証サーバ300は、印刷装置100に対して使用許可を出力したり、ジョブの送信を行ったりする。
【0026】
なお、印刷装置の操作パネルに表示される認証情報は、使用者がデバイス(ここでは印刷装置)の前に存在することを保証する情報(現在時刻を元にして乱数で発生させたコードなど)を含む。
【0027】
以上の構成により、本実施の形態においては、印刷装置に表示される情報を携帯電話で取得してそれを利用して認証を行なうシステムを構築することができる。
【0028】
図2は、図1の印刷装置100の構成を示すブロック図である。
【0029】
図を参照して、印刷装置100は、装置全体を制御する制御部106と、原稿から画像データを読取るイメージリーダ部101と、用紙上に画像を印刷するプリンタ部102と、近距離の無線通信を行なったり、印刷装置をネットワークや電話回線に接続するための通信部103と、ジョブデータなどを記憶するための記憶部104と、ユーザとのインターフェースである操作パネル105と、消耗品の残量などを検出するセンサ部107とを含む。
【0030】
図3は、図1の携帯電話200の構成を示すブロック図である。
【0031】
図を参照して、携帯電話200は、装置全体を制御する中央制御部201と、画像データや電話番号データなどを記憶するメモリ203と、各種情報の表示を行なう表示部205と、音声を出力するスピーカ207と、画像の撮影を行なうCCDカメラ209と、音声を入力するマイク211と、テンキーや画像撮影ボタンやモード選択ボタンなどから構成される入力部213と、無線通信を行なうための通信部215とを備えている。
【0032】
図4は、図1のクライアントPC400または認証サーバ300の構成を示すブロック図である。
【0033】
図を参照して、クライアントPC400または認証サーバ300は、装置全体の制御を行なうCPU601と、ディスプレイ605と、ネットワークに接続したり外部と通信を行なうためのLAN(ローカルエリアネットワーク)カード607(またはモデムカード)と、キーボードやマウスなどにより構成される入力装置609と、フレキシブルディスクドライブ611と、CD−ROMドライブ613と、ハードディスクドライブ615と、RAM617と、ROM619とを備えている。
【0034】
フレキシブルディスクドライブ611により、フレキシブルディスクFに記録されたプログラムなどのデータを読取ることが可能であり、CD−ROMドライブ613により、CD−ROM613aに記録されたプログラムなどのデータを読取ることが可能である。
【0035】
図5は、図1の印刷システムの動作を示すフローチャートである。
【0036】
図を参照して、認証サーバ300には、予め携帯電話のユーザを特定するための端末情報を登録しておく(S201)。
【0037】
また、クライアントPC400で印刷データを含む印刷ジョブが作成される場合には(S301)、クライアントPC400から認証サーバ300へ印刷ジョブが送信され(S303)、認証サーバ300において保存される(S305)。
【0038】
ステップS101において、印刷装置100を使用者が使用する際に、使用者は印刷装置100に備えられたボタンなどを押す(使用許可依頼を行なう)。これにより、印刷装置100は認証情報を作成し(S103)、操作パネルに表示する(S105)。
【0039】
ここで認証情報は、少なくとも以下のaおよびbの情報を含むものとする。
【0040】
a:認証サーバ300のアドレス情報
b:使用許可情報(本人がデバイスの前に存在することを確認するための情報)
上記情報bは、印刷装置を使用する際にボタンが押された時刻や、その際に発生した乱数などの情報である。この情報を、ボタンが押されてから一定時間のみ、そのデバイスの使用許可を与えるための情報とする。
【0041】
認証情報は、2次元バーコードなどのデバイスが自動的に識別可能かつ、使用者が一目で意味を判別できないフォーマットを有する情報とすることが望ましい。但し、数字やアルファベットの羅列などでもよい。
【0042】
使用者は、表示された認証情報を携帯電話200のデジタルカメラ209で撮影し(S107)、認証情報から認証サーバのアドレス情報aを取得し、認証サーバ300に対してE−mailまたはWebブラウザでデータを送信する(S109)。ここで送信されるデータは、少なくとも上記使用許可情報b、およびその携帯電話(または使用者)を特定するための情報(電話番号または端末情報など)である。
【0043】
認証サーバ300は、データを送信した携帯電話200がステップS201で登録されたものであることを確認すると(S111)、必要であれば当該携帯電話に対応させて課金処理を行ない(S113)、印刷装置100に対して、使用許可情報bを送信する(また、モードに応じて、使用許可情報bとともにステップS305で保存された印刷ジョブを送信する)。
【0044】
使用許可情報bを受け取った印刷装置100は、その使用許可情報bを含む認証情報を表示してから一定期間(有効期限)内であるかを確認し(S115)、YESであれば(たとえば有効期限が切れるまで)使用者にデバイスの使用を認める(S117)。また、モードに応じてクライアントPCで作成した印刷ジョブを実行する。
【0045】
なお、クライアントPC400から認証サーバ300に対して印刷ジョブを送付し、それを呼びだして印刷装置100で印刷する場合、使用者は、携帯電話200を用いて認証情報とともに、当該印刷ジョブを特定する情報を認証サーバ300に送信するものとする。
【0046】
なお、ステップS115で有効期限内であるか否かを判定する時には、認証情報を表示してからの時間を調べるようにしても良いし、認証情報が携帯電話で取得されてからの時間を調べるようにしても良い。
【0047】
以上のようにして、本発明の実施の形態によると、携帯電話において印刷装置が作成および表示した認証情報が撮影され、それが認証サーバに送られる。ここで認証サーバは携帯電話の使用者がシステムを使用可能であるかを判断し、YESであれば、許可情報を印刷装置に対して送信する。印刷装置は、認証サーバから許可情報が送られてくると、それが有効期限内であるかが判定する。有効期限内であった時のみ印刷が許可される。
【0048】
このような処理により、携帯電話の使用者(システムの使用者)が適切な者であるかという判断と、その使用者が印刷装置の前にいるという判断を行なうことができる。また、認証サーバ300は携帯電話200の端末情報を元に認証を行なっているので、課金処理を容易に行なうことができるという効果がある。
【0049】
図6は、印刷装置100の操作パネル105に認証情報が表示された状態を示す図である。
【0050】
図を参照して、ここでは認証情報として操作パネル105に2次元バーコード105aを表示させることとしている。
【0051】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態における印刷システムのハードウェア構成は、第1の実施の形態のそれと同じであるため、ここでの説明を繰返さない。
【0052】
図7は、第2の実施の形態における印刷システムの処理を示すフローチャートである。
【0053】
図を参照して、ステップS501で予め携帯電話200は、認証サーバ300にシステム使用者の情報として端末情報を送信する。ステップS503で認証サーバ300は、端末情報を保存し、使用者登録とする。
【0054】
ステップS401で使用者は印刷装置100の場所へ赴き、操作パネル105を介してジョブを登録する。ここでのジョブ登録とは、具体的には印刷枚数の設定、用紙サイズの設定、印刷モードの設定などを示す。
【0055】
ステップS403で、使用者は操作パネルのキーを押下することで、印刷装置の使用許可を依頼する(なお、ジョブ登録が行なわれると、自動的に使用許可の依頼が行なわれるようにしてもよい)。ステップS405で、印刷装置は、a:認証サーバのアドレス、b:デバイス使用情報、およびc:ジョブ情報(印刷枚数など)を含む認証情報を作成する。ここに、b:デバイス使用情報とは、ジョブが登録された印刷装置を特定するための情報である。
【0056】
ステップS407で、印刷装置は図6に示すように、操作パネルに作成された認証情報を表示する。
【0057】
ステップS409で使用者は、携帯電話200を用いて操作パネルに表示された認証情報を撮影する。ステップS411で携帯電話200は、撮影により得られた認証サーバのアドレス(a)に対して、デバイス使用情報(b)、およびジョブ情報(c)を送信する。また、このとき端末情報を共に送信する。
【0058】
ステップS413で、認証サーバ300は、デバイス使用情報(b)を発行した印刷装置において、ジョブ情報(c)で示したジョブの実行を携帯電話200の使用者に対して許可しても良いかを、ステップS503で保存された情報と送信されてきた端末情報とを比較することにより判断する。
【0059】
なお、このときデバイス使用情報とジョブ情報とを考慮して許可を行なってもよい。例えば、使用者ごとに実行できるジョブを制限する情報を認証サーバで保持し、ジョブがそれを登録した使用者の実行可能なものであるかを判断し、その判断結果に基づき許可を行なうなどである。
【0060】
許可して良いのであれば、認証サーバ300から印刷装置100に対して使用許可が送信され(S415)、ジョブが実行される(S417)。また、同時に認証サーバ300は、課金および使用の管理のため、携帯電話200の使用者がジョブを実行したという情報およびジョブの内容を保存する(S419)。これにより、ジョブの内容に応じた課金が行なわれる。
【0061】
なお、第1の実施の形態と同様に、デバイス使用情報に乱数やボタンを押下した時間などを含む、印刷装置を一定時間に限って使用可能とする情報を含ませ、ステップS415でその情報が有効期限内かを判断し、有効期限内である場合のみジョブの実行を許可するようにしても良い。
【0062】
[その他]
なお、上述の実施の形態においては、印刷システムを例に挙げ説明を行なったが、使用者がデバイスの前にいることをデバイスの動作の条件とすべき他のシステム(例えば情報の表示システム、情報の提供システム)などにも本発明を適用することが可能である。
【0063】
また、上述の実施の形態では、使用者がデバイスの前にいることを保証するために、デバイスに表示された情報を撮影により携帯端末で得るようにしたが、これに代えて、近距離通信(赤外線、電波など)を用いてデバイスから携帯端末に情報を送るようにしてもよい。
【0064】
また、第1の実施の形態では、使用者にデバイスの使用を許可する制限時間(認証情報の有効期限)を設定することとしたが、これに代えて、デバイスの使用を許可する量(例えばプリント枚数など)を設定するようにしてもよい。例えば、認証OKである使用者に対し、定められた枚数の印刷のみを許可するなどである。
【0065】
また、上述の実施の形態におけるフローチャートの処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0066】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第1の実施の形態における印刷システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1の印刷装置100の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の携帯電話200の構成を示すブロック図である。
【図4】図1のクライアントPC400または認証サーバ300の構成を示すブロック図である。
【図5】図1の印刷システムの動作を示すフローチャートである。
【図6】印刷装置100の操作パネル105に認証情報が表示された状態を示す図である。
【図7】第2の実施の形態における印刷システムの処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
100 印刷装置、101 イメージリーダ部、102 プリンタ部、103 通信部、104 記憶部、105 操作パネル、105a 認証情報、106 制御部、200 携帯電話、201 中央制御部、203 メモリ、205 表示部、207 スピーカ、209 カメラ、211 マイク、213 入力部、215 通信部、300 認証サーバ、607 LANカード、609 入力装置、611 フレキシブルディスクドライブ、613 CD−ROMドライブ、615 ハードディスクドライブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と、使用者の使用対象の機器と、認証装置とからなる認証システムであって、
前記使用対象の機器は、
前記使用者が前記使用対象の機器を使用するときに認証情報を生成する生成手段を備え、
前記携帯端末は、
前記生成された認証情報を前記使用対象の機器から取得する取得手段と、
前記取得手段の取得結果に基づいて、前記認証装置に前記取得結果に基づく情報を送信する情報送信手段とを備え、
前記認証装置は、
前記情報送信手段を用いて送信を行なった携帯端末が登録されたものであるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段の判断結果に基づいて、前記使用対象の機器に使用許可を送信する使用許可送信手段とを備え、
前記使用対象の機器は、
前記使用許可が送信されてきたときに、前記認証情報が生成されてからの時間、または前記認証情報が前記携帯端末で取得されてからの時間に基づいて、前記使用者による前記使用対象の機器の使用を許可する許可手段をさらに備えた、認証システム。
【請求項2】
携帯端末と、使用者の使用対象の機器と、認証装置とからなる認証システムであって、
前記使用対象の機器は、
ジョブの登録を受付ける受付手段と、
前記ジョブの情報を含む認証情報を生成する生成手段とを備え、
前記携帯端末は、
前記生成された認証情報を前記使用対象の機器から取得する取得手段と、
前記取得手段の取得結果に基づいて、前記認証装置に前記取得結果に基づく情報を送信する情報送信手段とを備え、
前記認証装置は、
前記情報送信手段を用いて送信を行なった携帯端末が登録されたものであるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段の判断結果に基づいて、前記使用対象の機器に前記ジョブの実行許可を送信する実行許可送信手段とを備え、
前記使用対象の機器は、
前記実行許可が送信されてきたときに、前記ジョブを実行する実行手段をさらに備えた、認証システム。
【請求項3】
前記使用対象の機器は、前記生成手段で生成された認証情報を表示する表示手段をさらに備え、
前記携帯端末は、カメラをさらに備え、
前記取得手段は、前記カメラを用いて前記表示手段に表示された認証情報を取得する、請求項1または2に記載の認証システム。
【請求項4】
前記認証情報は、前記認証装置のアドレス情報を含み、
前記携帯端末の情報送信手段は、前記認証情報に含まれるアドレス情報に基づいて、前記認証装置に前記取得結果に基づく情報を送信する、請求項1〜3のいずれかに記載の認証システム。
【請求項5】
前記携帯端末の情報送信手段は、前記取得手段で取得された認証情報の少なくとも一部を前記認証装置に送信し、
前記認証装置の使用許可送信手段は、前記判断結果に基づいて、前記携帯端末の情報送信手段が送信した情報の少なくとも一部を前記使用対象の機器に送信し、
前記使用対象の機器の許可手段は、前記認証装置の使用許可送信手段が送信した情報が有効期限内であるかを判断することで、前記使用対象の機器の使用を許可する、請求項1〜4のいずれかに記載の認証システム。
【請求項6】
前記使用対象の機器で実行すべきジョブを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記認証装置の使用許可送信手段は、使用許可として、前記使用対象の機器に前記ジョブを送信する、請求項1〜5のいずれかに記載の認証システム。
【請求項7】
前記認証情報は、前記使用対象の機器で実行されるジョブの情報を含み、
前記携帯端末の情報送信手段は、前記ジョブの情報を前記認証装置に送信し、
前記認証装置の使用許可送信手段は、前記ジョブの情報を考慮して、前記使用対象の機器に使用許可を送信する、請求項1〜6のいずれかに記載の認証システム。
【請求項8】
携帯端末と、認証装置とを含む画像形成システムに用いられる画像形成装置であって、
認証情報を生成する生成手段と、
前記認証情報を前記携帯端末に伝送する伝送手段と、
前記認証情報の伝送に基づいて、前記携帯端末が前記認証装置に認証依頼を行ない、その結果として前記認証装置が送信した使用許可を受信する受信手段と、
前記使用許可が受信されたときに、前記認証情報が生成されてからの時間、または前記認証情報が前記携帯端末で取得されてからの時間に基づいて、装置の使用を許可する許可手段とを備えた、画像形成装置。
【請求項9】
携帯端末と、認証装置とを含む画像形成システムに用いられる画像形成装置であって、
ジョブの登録を受付ける受付手段と、
前記ジョブの情報を含む認証情報を生成する生成手段と、
前記認証情報を前記携帯端末に伝送する伝送手段と、
前記認証情報の伝送に基づいて、前記携帯端末が前記認証装置に認証依頼を行ない、その結果として前記認証装置が送信した前記ジョブの実行許可を受信する受信手段と、
前記実行許可が受信されたときに、前記ジョブを実行する実行手段とを備えた、画像形成装置。
【請求項10】
携帯端末と、使用者の使用対象の機器と、認証装置とからなる認証システムで用いられる認証方法であって、
認証情報を生成する生成ステップと、
前記使用者の使用対象の機器から前記認証情報を前記携帯端末に伝送する伝送ステップと、
前記認証情報の伝送に基づいて、前記携帯端末が前記認証装置に認証依頼を行ない、その結果として前記認証装置が送信した使用許可を前記使用者の使用対象の機器で受信する受信ステップと、
前記使用者の使用対象の機器で前記使用許可が受信されたときに、前記認証情報が生成されてからの時間、または前記認証情報が前記携帯端末で取得されてからの時間に基づいて、前記使用者の使用対象の機器の使用を許可する許可ステップとを備えた、認証方法。
【請求項11】
携帯端末と、使用者の使用対象の機器と、認証装置とからなる認証システムで用いられる認証方法であって、
ジョブの登録を受付ける受付ステップと、
前記ジョブの情報を含む認証情報を生成する生成ステップと、
前記使用者の使用対象の機器から前記認証情報を前記携帯端末に伝送する伝送ステップと、
前記認証情報の伝送に基づいて、前記携帯端末が前記認証装置に認証依頼を行ない、その結果として前記認証装置が送信した前記ジョブの実行許可を前記使用者の使用対象の機器で受信する受信ステップと、
前記使用者の使用対象の機器で前記実行許可が受信されたときに、前記ジョブを実行する実行ステップとを備えた、認証方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−31368(P2006−31368A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208755(P2004−208755)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】