説明

誘導加熱装置の冷却液供給確認装置及び冷却液供給確認方法

【課題】自動化された誘導加熱装置において、冷却液が噴射されなければならないタイミングで、冷却液が正常に噴射されたことを確実に検出することができる冷却液供給確認装置と冷却液供給確認方法を提供することである。
【解決手段】
誘導加熱コイル4による誘導加熱の実施を検出する通電検出器11と、冷却液噴射装置8から噴射された冷却液を回収する受け部材9と、冷却液噴射装置8から噴射されて受け部材9に回収された冷却液を検出する冷却液検出器10を設ける。ワーク14の誘導加熱が実施されたことが通電検出器11によって検出され、冷却液検出器10は、ワーク14の誘導加熱が実施された適切なタイミングで、受け部材9で回収された冷却液を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加熱物を誘導加熱によって加熱昇温した後に冷却液で冷却する焼入れにおいて、誘導加熱が終了し昇温した被加熱物に、冷却液が供給されたことを確認する誘導加熱装置の冷却液供給確認装置及び冷却液供給確認方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被加熱物(ワーク)を所望する硬さに仕上げるために、誘導加熱を利用した焼入れが実施される。焼入れは、ワークを加熱昇温した後に冷却するものであるため、誘導加熱装置には、被加熱物に誘導電流を生じさせて加熱するための誘導加熱コイルと、冷却装置とを備えている。冷却装置としては、予め冷却液を貯留した冷却液槽や、冷却液をワークに噴射供給する冷却液噴射装置がある。冷却装置として冷却液槽と冷却液噴射装置のいずれが使用し易いかは、焼入れ対象のワークの大きさや形状等に左右され、使用し易い方が選択される。
【0003】
例えば、ワークが比較的大きい場合には冷却液槽を採用し、誘導加熱が完了し昇温したワークを、速やかに冷却液槽内の冷却液中に液没させる。これにより、ワーク全体が一様に冷却され、部位毎に冷却速度に差が出ないようにすることができ、良好な焼入れを施すことができる。
【0004】
しかし、冷却装置として冷却液槽を採用すると装置が大型化するので、ワークが比較的小さい場合や、長尺状である場合には、冷却液噴射装置が採用されることが多い。冷却液噴射装置とは、ワークの誘導加熱された部位に向けて冷却液を噴射する装置である。
【0005】
すなわち、長尺状のワーク全体を同時に誘導加熱する誘導加熱コイルと、ワーク全体を液没させることができる冷却液槽を備える代わりに、ワークの軸方向に沿って移動し、誘導加熱対象部位の軸方向の一端から他端に至るまで順に誘導加熱する誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルに隣接配置され、誘導加熱コイルと共に移動しながら誘導加熱された部位に冷却液を噴射する冷却液噴射装置を採用した方が、誘導加熱装置を小型化することができて安価である。
【0006】
このような誘導加熱装置は、長尺状のワークに対して誘導加熱コイルと冷却液噴射装置が軸方向に移動しながら順次ワークを誘導加熱し、さらに、誘導加熱されて昇温した部位が、冷却液噴射装置から噴射供給された冷却液で冷却され、全体として一様な焼入れを実施できる。
【0007】
このような冷却液噴射装置を有する高周波焼入装置が特許文献1に開示されている。特許文献1の高周波焼入装置では、加熱コイルと冷却液噴射装置が、長尺状のワークの長手方向に並んで配置されている。そして、加熱コイルと冷却液噴射装置が、長尺状ワークの軸方向に一緒に移動し、加熱コイルで誘導加熱された部位が、冷却液噴射装置から噴射された冷却液で冷却され、焼入れが完了する。すなわち、加熱コイルと冷却液噴射装置を、長尺状ワークの軸方向に移動させることにより、長尺状ワークを軸方向に順次焼入れすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−60833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで昨今は、製造コストを低減することが求められている。
そこで、工場内の限られた設置スペースに、同様の誘導加熱装置を複数配置したり、別の設備を無駄なく配置することにより、ワークの高周波焼入れを効率良く実施することができるように工夫が凝らされている。また、作業の自動化を進めることによって、単位時間当たりの処理数の増加が図られている。
【0010】
すなわち、工場内のレイアウトを工夫したり、作業の自動化を進めることによって、誘導加熱装置に取り付けられたワークに、自動的に加熱コイルが対向配置され、誘導加熱後には自動的に冷却液噴射装置がワークの加熱部位まで最短距離を移動し、冷却液が噴射されて焼入れを完了することができる。その結果、短時間でワークの高周波焼入れを効率良く実施し、製造コストを低減することができる。
【0011】
ところで、このような自動化された誘導加熱装置においては、一連の流れに沿って焼入れ処理が実施されるものの、人が監視できないため、万が一、冷却液が噴射されない事態が生じても、異常を発見することができない。すなわち、加熱昇温したワークを冷却しなければならないタイミングで、所定量の冷却液がワークに向けて噴射されなければ、ワークは正常に焼入れされず、ワークの品質は劣悪となる。しかも、ワークの焼入れ品質は、目視によっては判別することができない。さらに、誘導加熱後のワークに向けて冷却液を正常に噴射することができないという異常に取扱者が気付かず、このような状態の誘導加熱装置で、仮に多数のワークが連続して焼入れ処理されると、粗悪なワークが大量生産されてしまい、甚大な損害が生じてしまう。
【0012】
そこで本発明は、主に自動化された誘導加熱装置において、冷却液が噴射されなければならないタイミングで、冷却液が正常に噴射されたことを確実に検出することができる冷却液供給確認装置と冷却液供給確認方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、誘導加熱コイルと冷却液供給装置とを有する誘導加熱装置に、前記誘導加熱コイルによる誘導加熱の実施を検出する加熱検出手段と、前記冷却液供給装置から被加熱物へ噴射された後の冷却液を検出する冷却液検出手段とを設けたことを特徴とする誘導加熱装置の冷却液供給確認装置である。
【0014】
請求項1の発明では、誘導加熱装置に誘導加熱の実施を検出する加熱検出手段と、冷却液供給装置から被加熱物へ噴射された後の冷却液を検出する冷却液検出手段とを設けたので、誘導加熱された被加熱物(ワーク)が冷却液で冷却されたか否かを検出することができる。よって、ワークの誘導加熱から冷却までが、たとえ自動化された誘導加熱装置であっても、ワーク(誘導加熱部位)を目視によって監視する必要がなく、仮に冷却液供給装置から冷却液が供給されない事態が生じると、その異常を確実に検出することができる。
【0015】
冷却液が供給されない事態は、例えば、冷却液供給装置へ冷却液を導くホース等の管路が破損して液漏れが生じていたり、管路が押圧されて閉じられているときに生じる。また、冷却液の供給源に冷却液がない場合や、メンテナンスが完了した際に作業者が配管を接続し忘れた場合にも冷却液が供給されない事態は生じる。しかし、これらに起因する冷却液の供給不足は、請求項1の発明を実施することにより検出することができる。
さらに、複数系統の配管を備えている場合において、そのうちのいずれかの系統の配管から、上述のいずれかの理由で冷却液の供給ができなくなると、従来はそれを検出するのは困難であったが、請求項1の発明を実施すると、必ず検出することができる。
【0016】
請求項2の発明は、冷却液供給装置から出た冷却液を回収する受け部材を設け、冷却液検出手段は、受け部材で回収された冷却液を検出することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置の冷却液供給確認装置である。
【0017】
請求項2の発明では、冷却液供給装置から出た冷却液を回収する受け部材を設けたので、冷却液は受け部材で回収される。また、受け部材で回収された冷却液を検出するので、ワークが冷却されたか否かを検出することができる。さらに、回収された冷却液は、再利用することができる。
【0018】
本発明の冷却液供給確認装置において、所定量以上の冷却液が回収されたか否かを判定する判定手段を設けてもよい。このように構成すると、ワークを十分に冷却できる量の冷却液がワークに供給されたか否かを判定することができる。
【0019】
本発明の冷却液供給確認装置において、誘導加熱を終了した時刻から、冷却液を検出するべき時刻までの時間を計測するタイマを設けてもよい。このように構成すると、ワークが適切なタイミングで冷却されたか否かを検出することができる。誘導加熱を終了する時刻としては、誘導加熱コイルへの通電が開始された時刻から予め設定された所定時間が経過した時刻とすることができるが、その他、誘導加熱コイルへの通電が終了する時刻や、ワークが誘導加熱コイル側から冷却液供給装置側へ移動した時刻等を、誘導加熱が終了した時刻として採用することができる。
【0020】
本発明の冷却液供給確認装置において、加熱検出手段が加熱を検出した後、冷却液検出手段が冷却液を検出しない場合に報知する警報装置を設けてもよい。このように構成すると、冷却するべき適切なタイミングでワークが冷却されていない場合に、これを警報装置の報知によってオペレータが認識することができる。警報装置としては、例えば鳴動する機器や、点灯や点滅する表示器等を採用することができる。
【0021】
本発明の冷却液供給確認装置において、前記加熱検出手段を、前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給したことを検出する通電検出手段とするのが好ましい。加熱検出手段を、前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給したことを検出する通電検出手段とすることにより、誘導加熱コイルに通電されたことを検出することができる。すなわち、誘導加熱コイルが通電されたことをもって、ワークが誘導加熱されたことがわかる。よって、冷却液供給装置から冷却液が供給されないと、異常を検出することができる。
【0022】
請求項3の発明は、誘導電流を励起してワークを誘導加熱した後、冷却液供給装置から冷却液を供給してワークを冷却する際に、冷却液供給装置から供給された冷却液を回収し、該回収される冷却液を検出することを特徴とする誘導加熱装置の冷却液供給確認方法である。
【0023】
請求項3の発明では、ワークを誘導加熱した後、ワークを冷却する際に、冷却液供給装置から供給された冷却液を回収し、回収された冷却液を検出することにより、ワークが実際に冷却されたことを確認することができる。
【0024】
本発明の冷却液供給確認方法において、ワークの誘導加熱を終了してから所定時間が経過するまでに所定量以上の冷却液が検出されたか否かを判定するのが好ましい。ワークの誘導加熱を終了してから所定時間が経過するまでに所定量以上の冷却液が検出されたか否かを判定することにより、ワークを冷却したタイミングが適切か否かを判定することができる。
【0025】
本発明の冷却液供給確認方法において、高周波電流を供給してワークを誘導加熱した後、所定量以上の冷却液を検出しない場合に警報を発するようにするのが好ましい。高周波電流を供給してワークを誘導加熱した後、所定量以上の冷却液を検出しない場合に警報を発すると、オペレータは、ワークが適切に冷却されていないことを認識することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の冷却液供給確認装置は、誘導加熱されたワーク(被加熱物)が実際に冷却液で冷却されたか否かを検出することができる。仮に冷却液供給装置から冷却液が供給されない事態が生じても、その異常を確実に検出することができる。また、本発明の冷却液供給確認方法を実施すると、回収された冷却液を検出することにより、ワークが実際に冷却されたことを確認することができる。よって焼入れを実施するオペレータは、冷却液供給装置を監視する労力から解放される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の冷却液供給確認装置を誘導加熱装置に実装した状態の斜視図であり、ワークの焼入れ部位が加熱コイルに対向配置されている状態を示す。
【図2】図1において、ワークの焼入れ部位が、冷却液噴射装置の位置に移動した状態の斜視図である。
【図3】本発明を実施した誘導加熱装置の冷却液供給確認装置の信号系統図である。
【図4】冷却液がワークに噴射供給されて、さらに回収されて再利用される際の、冷却液の移動方向を示す系統図である。
【図5】冷却液噴射装置の筐体の断面図である。
【図6】本発明の冷却液供給確認装置の動作の流れ図である。
【図7】回収された冷却液を検出する冷却液検出器の一例の概念図である。
【図8】ワークの周囲に冷却液噴射装置の6つの噴射ノズルを配置された状態を示すワークの正面図であり、(a)は、全ての噴射ノズルから正常に冷却液が噴射される場合を示しており、(b)は、1つの噴射ノズルから冷却液が噴射されない場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、各図を参照しながら誘導加熱装置1に設けられた本発明の冷却液供給確認装置2の構成を説明する。
図1に示す誘導加熱装置1は、ワンターン形式の加熱コイル4,加熱コイル4に高周波の交流電流を供給する高周波電源5(図3),加熱コイル4を水平方向及び上下方向に移動させる加熱コイル駆動装置6(図3),ワーク14を所望する位置まで移動させたり、回転駆動させることができるワーク駆動装置7(図3),ワーク14に冷却液20を供給する冷却液噴射装置8,及び制御装置3(図3)を備えている。この誘導加熱装置1は、長尺状のワーク14を誘導加熱するのに適したものである。
この誘導加熱装置1に、本発明の特徴的な構成である冷却液供給確認装置2(図3)を設ける。以下、誘導加熱装置1の各構成を順に説明する。
【0029】
まず、加熱コイル4について説明する。
加熱コイル4は、良好に通電可能な素材(銅合金等)で形成された中空管で構成されており、内部には冷却水を通すことができる。また、加熱コイル4には、図3に示す高周波電源5から高周波電力が供給される。ここで高周波電源5は、商用電源(図示せず)から供給される交流電流の周波数を高周波インバータ(図示せず)で高周波に変換し、さらに変圧器(図示せず)で変圧された電力を加熱コイル4に供給するものである。
【0030】
次に、加熱コイル駆動装置6は、図示しないXYテーブルとサーボモータとを備えており、加熱コイル4を水平方向及び上下方向に同一鉛直面内を移動させる機能を有している。すなわち、加熱コイル駆動装置6は、加熱コイル4をワーク14の位置に合わせて、誘導加熱可能に配置可能である。また、加熱コイル駆動装置6は、後述するワーク14の回転移動(自転)に連動して、加熱コイル4を、水平方向と上下方向に同時に移動させる(すなわち公転させる)ことができる。
【0031】
次に、ワーク駆動装置7(図3)は、長尺状のワーク14の両端を回転可能に支持する。そして、ワーク駆動装置7は、ワーク14を回転駆動させる機能を有している。また、ワーク14の周面を一様に誘導加熱できるように、後述する制御装置3によって、加熱コイル駆動装置6とワーク駆動装置7の駆動が制御される。
【0032】
次に、冷却液噴射装置8について説明する。
図1,図4,図5に示すように冷却液噴射装置8は、筐体8a,給液管16,ポンプ27,貯留タンク26,及び冷却液供給源25(図4)を備えている。
【0033】
筐体8aは、外形が立方体形状又は直方体形状であり、その内部に筒状壁18aが設けられている。この筒状壁18aによって、筐体8aには貫通孔18が形成されている。貫通孔18は、長尺状のワーク14を貫通させることができる大きさの内径を有している。筒状壁18aには多数の噴射口19が設けられている。すなわち図5に示すように、筒状壁18aを備えた筐体8a内には、室17が形成されており、貫通孔18と室17とは、筒状壁18aの噴射口19で連通している。さらに筐体8aの外壁には孔8b(図1)が設けてある。孔8bは、筐体8aの外部と室17とを連通させている。
【0034】
筐体8aの孔8bには、給液管16の一端が接続されている。給液管16の他端にはポンプ27が設けられており、ポンプ27には別に配管29の一端が接続されている。配管29の他端には貯留タンク26が接続されている。すなわち、ポンプ27と貯留タンク26は、配管29で接続されている。ポンプ27は、貯留タンク26内の冷却液を加圧して筐体8aの室17内に供給する機能を有している。貯留タンク26は、ワーク14に噴射供給された冷却液を受け部材9で回収して貯留するものである。
貯留タンク26は、冷却液噴射装置8から噴射されて、ワーク14を冷却した冷却液を収容する大容量の容器である。
【0035】
また、貯留タンク26とポンプ27の間の配管29には分岐管30が接続されており、分岐管30には開閉弁28(電磁弁)が設けてある。分岐管30の先には冷却液供給源25(図4)が接続されている。図示していないが、分岐管30から貯留タンク26側へ冷却液が流れないように、貯留タンク26と分岐管30の間の配管29には、逆止弁が設けてある。すなわち、開閉弁28を開くと、冷却液供給源25から冷却液が分岐管30から配管29を介してポンプ27に供給される。よって、ポンプ27は、開閉弁28が開かれた際に、貯留タンク26内の冷却液の他、冷却液供給源25(図4)から供給される冷却液を加圧して筐体8a内(室17)に供給する。仮に、貯留タンク26内の冷却液の温度が高く、効率の良い冷却ができない場合や、貯留タンク26内の冷却液量が少ない場合には開閉弁28を開き、冷却液供給源25から新しい冷却液を供給する。
【0036】
さらに、冷却液噴射装置8の筐体8aは、図示しない駆動機構によって、上下方向に移動させることができ、給液管16は可撓性を有する管である。すなわち筐体8aは、図示しない駆動機構によって上下方向に移動して位置を若干修正することができ、筐体8aが移動すると、給液管16は変形して追従する。
【0037】
最後に、本発明の特徴的な構成である冷却液供給確認装置2の構成について説明する。
冷却液供給確認装置2は、受け部材9,冷却液検出器10(冷却液検出手段),通電検出器11(通電検出手段),タイマ12,及び制御装置3を備えている。
【0038】
まず、受け部材9は、冷却液噴射装置8の筐体8aの下方(直下)に設置される。図1に示すように、受け部材9は、冷却液噴射装置8の筐体8aの下部の大半を収容可能な枡のような形状を呈している。すなわち、受け部材9は、冷却液噴射装置8からワーク14に噴射供給された冷却液が周囲に飛散しないように受けることができる上方に大きな開口を有するたらい又は枡のような部材である。受け部材9の底部には、配管15が接続された孔(図示せず)が設けられている。
【0039】
筒状壁18aの噴射口19から噴射された冷却液20は、筐体8aの貫通孔18の開口から受け部材9へ落下して回収される。そして、回収された冷却液が配管15を介して排出され易くするため、受け部材9の底部(底面)に傾斜を設け、孔を底部の最も低い位置に設けるのが好ましい。ここで配管15も、給液管16と同様に可撓性を有している。よって、筐体8aが位置調整されて移動した際に、受け部材9も筐体8aに追従して移動させることができる。
【0040】
次に、冷却液供給確認装置2の冷却液検出器10(冷却液検出手段)は、受け部材9の下部に接続された配管15の途中に設けられており、冷却液が通過したことを検出するものである。冷却液検出器10としては、流量計を採用することができる。特に容積式流量計を採用すると、ワーク14を冷却するのに必要な量の冷却液が冷却液噴射装置8から供給されたか否かを検出することができるので、好ましい。冷却液検出器10で検出された検出信号は、後述する制御装置3に入力される。
【0041】
次に冷却液供給確認装置2の通電検出器11について説明する。
通電検出器11(図3)は、高周波電源5から加熱コイル4へ高周波電力が供給されたことを検出する。すなわち通電検出器11は、加熱コイル4によって、ワーク14が誘導加熱されていることを検出する機能を有している。通電検出器11が検出した検出信号は、後述する制御装置3へ入力される。
【0042】
次に冷却液供給確認装置2の制御装置3について説明する。
制御装置3には冷却液検出器10(冷却液検出手段)や通電検出器11(加熱検出手段)によって検出された信号が入力される。制御装置3は、CPU21(判定手段)とメモリ22とを備えている。CPU21は、冷却液検出器10や通電検出器11から入力された検出信号に基づき、誘導加熱装置1の冷却液噴射装置8が正常に動作しているか否かを判定する機能を有している。また、メモリ22には、後述する各種の設定値が記憶されている。
【0043】
また、制御装置3は、タイマ12を備えている。すなわち、タイマ12の計時によって加熱コイル4への通電の開始時期や、ワーク14の誘導加熱に要する時間の経過を特定することができる。また、本発明では、ワーク14の誘導加熱が完了してから冷却液が噴射されるまでに猶予される所定時間を計時する用途にもタイマ12は使用される。
【0044】
さらに冷却液供給確認装置2には警報器13(警報装置)が設けられている。警報器13は、異常が発生した際に、制御装置3から指令信号を受取り、警報音を鳴動させたり、警報ランプを点灯又は点滅させることにより、警報を報知するものである。
【0045】
次に、誘導加熱装置1の動作を説明する。
冷却液供給確認装置2は、ワーク14が誘導加熱装置1によって誘導加熱され、さらに冷却される際の、冷却工程(冷却された形跡)を監視するものである。すなわち、冷却液供給確認装置2は、誘導加熱されたワーク14に冷却液が噴射供給されたか否かを監視する。
【0046】
まず、誘導加熱装置1において、加熱コイル4と冷却液噴射装置8(筐体8a)は、予め所定の位置に隣接して配置されている。そして、長尺状のワーク14が、ワーク駆動装置7によって回転可能に両端が支持されると共に、図1に示すように、ワンターン形状の加熱コイル4と、冷却液噴射装置8の筐体8aの貫通孔18を貫通するように配置される。
【0047】
長尺状のワーク14はカムシャフトであり、各焼入れ部14a〜14dはカム部である。ワーク駆動装置7によって、ワーク14を軸方向に移動させることにより、図1に示すように、ワーク14のカム部14a(14b〜14dも同様)を加熱コイル4内に配置させたり、図2に示すように冷却液噴射装置8内に配置することができる。
【0048】
加熱コイル4,冷却液噴射装置8(筐体8a),及びワーク14が、それぞれ所定の位置に配されると、制御装置3は、各装置に指令信号を発し、焼入れが開始される。すなわち、ワーク14はワーク駆動装置7によって回転(自転)駆動され、加熱コイル4は加熱コイル駆動装置6によって回転(公転)駆動され、ワーク14(カム部14a)の周面が均一に誘導加熱されるように、加熱コイル4(公転移動)とワーク14(自転)とが同期して回転する。筐体8aの筒状壁18aは、ワーク14(カム部14a)の外形に対して充分に大きい内径を有しているので停止している。
【0049】
さらに制御装置3は、高周波電源5へ指令信号を発し、加熱コイル4に高周波の交流電流を供給する。その結果、加熱コイル4内に配置されたカム部14aの周面に高周波の誘導電流が生じ、カム部14aは誘導加熱され昇温する。
【0050】
一方、制御装置3は、カム部14aの誘導加熱を開始してから所定時間が経過するまでの時間をタイマ12で計時する。ここで所定時間とは、カム部14aを良好に加熱昇温させることができる時間である。所定時間は、予めメモリ22に記憶されており、制御装置3はタイマ12で計時した時間がメモリ22に記憶されている所定時間に達すると、ワーク駆動装置7に信号を送信し、ワーク14を軸方向に移動させ、図2に示すように、加熱コイル4に対向配置されていたカム部14aを冷却液噴射装置8の筐体8a内に移動させ、次のカム部14bを加熱コイル4内に配置する。
【0051】
そして、制御装置3は、冷却液噴射装置8に指令信号を送信し、ポンプ27を駆動して給液管16を介して高圧の冷却液20を筐体8a内に供給する。冷却液20は、筐体8a内に瞬時に充満し、筒状壁18aの噴射口19から貫通孔18内のカム部14aに向かって噴射される。すなわち、筒状壁18aには多数の噴射口19が設けられており、筐体8a内(室17)に冷却液20が瞬時に充満し、室17は高圧となるので、冷却液20が各噴射口19から室17外(貫通孔18内)へ噴出する。その結果、貫通孔18内に配置されているカム部14aには、全周囲から冷却液20が噴射供給され、カム部14a(誘導加熱部位)が一様に冷却される。
【0052】
冷却液20の噴射時間は、予め設定されておりメモリ22に記憶されている。そして、制御装置3は、タイマ12の計時によって冷却液噴射装置8による冷却液20の噴射のON・OFFを切り替え、所定量の冷却液20をカム部14aに噴射供給する。
【0053】
メモリ22には、カム部14aを冷却するのに必要な冷却液量V1が記憶されている。
カム部14aに噴射供給された冷却液20は、カム部14aを冷却した後、筐体8aの貫通孔18の開口から落下して受け部材9内に収容され、さらに受け部材9の下部に接続された配管15を介して貯留タンク26(図4)に回収される。その際、配管15の途中に設けられた冷却液検出器10によって、配管15を通過した冷却液の量V2が計測され、計測値は制御装置3へ送信される。
【0054】
制御装置3は、メモリ22に記憶されている冷却液量V1と、冷却液検出器10で実測された冷却液量V2とを比較する。そして実測された冷却液量V2が、冷却液量V1より相当に少ない場合(例えば3分の2以下の場合)には、制御装置3(CPU21)は異常が発生したと判定し、警報器13によって警報を発する。
【0055】
すなわち、カム部14aが加熱コイル4で誘導加熱された後に、冷却液量V1に相当する量の冷却液20が回収されない場合には、カム部14aが充分に冷却されていないと判定される。その原因としては、いずれかの箇所が破損して冷却液20が漏れていたり、給液管16内に異物が詰まっていたり、可撓性の給液管16が他の部材に押し潰されて流路が十分に確保できていなかったり、又は給液管16が冷却液の供給源25や冷却液噴射装置8から外れていれば、冷却液20は筐体8aに到達できない。また、ポンプ27が故障していたり、貯留タンク26に冷却液20が貯留されておらず、さらに冷却液供給源25から新たに冷却液20が供給されない場合にも冷却液供給不足となる。
【0056】
よって、警報器13が警報を発すると、作業者は誘導加熱装置1を停止し、異常箇所の発見に努め、メンテナンスを実施する。これにより、当該ワーク14は不良品となるが、当該ワーク14が市場に出荷される事態は回避できる。また、適切にメンテナンスされた誘導加熱装置1によって、ワーク14の次以降のワークは良好に焼入れされるので、不良品は当該ワーク14一つだけに抑えることができる。
【0057】
ここで、仮に、通電検出器11によって通電が検出されていない(すなわち、誘導加熱作業が開始されていない)にも係わらず、冷却液検出器10が冷却液の通過を検出する場合には、ポンプ27が故障して動作し続けていたり、開閉弁28が無用に開状態となっている可能性が高い。よって、この場合にも制御装置3は警報器13によって警報を発して、作業者に注意を促す。
【0058】
以上の動作を、図6を参照しながら説明する。図6は、本発明の冷却液供給確認装置の動作の流れ図である。
まず、ステップ1において、焼入れが開始される。すなわち図1に示すように、ワーク14,加熱コイル4,冷却液噴射装置8等の位置を調整する。そして、制御装置3からの指令信号によって、高周波電源5から加熱コイル4に高周波電力が供給される。
【0059】
次に、ステップ2において、通電検出器11によって通電が検出されたか否かが判定される。通電検出器11によって通電が検出された場合(YESの場合)には、ステップ3へ移行する。
【0060】
ステップ2において通電が検出された場合には、ワーク14(カム部14a)の誘導加熱が実施されている。そして、誘導加熱から所定時間以内にカム部14aを急冷しなければならないが、ステップ3において当該所定時間が経過する前に冷却液が検出されたか否かが判定される。
【0061】
仮にステップ3で所定時間が経過する前に冷却液が検出されたと判定されると、ステップ4へ移行する。ステップ4では、検出された(実測された)冷却液量V2が、予めメモリ22に記憶されている冷却液量V1と比較される。すなわち、検出された冷却液量V2が、メモリ22に記憶されている冷却液量V1の3分の2以上であるか否かが判定される。
【0062】
ステップ4でYESと判定されると、ステップ5へ移行し、当該焼入れ部位であるカム部14aの焼入れが正常終了する。ステップ5では、引き続き、ワーク14の別の焼入れ部位(カム部14b〜14d)や、ワーク14とは別のワークを焼入れするか否かが判定される。
【0063】
ステップ5でYES(焼入れ終了)の場合には、冷却液供給確認装置の動作は終了する。逆にステップ5でNO(焼入れ終了ではない)の場合には、ステップ2へ戻る。
【0064】
また、ステップ2において、通電が検出されない場合にはステップ7へ移行する。ステップ7では、冷却液検出器11によって冷却液が検出されたか否かが判定される。ステップ7において、仮に冷却液が検出されたと判定されると、ワーク14(カム部14a)が誘導加熱されていないにも係わらず、冷却液が流れており、ポンプ27や開閉弁28が故障している可能性が高い。よって、この場合にはステップ6へ移行し、高周波電源5,加熱コイル駆動装置6,及びワーク駆動装置7を停止させ、焼入れ作業自体を強制的に終了し、ステップ8に移行して警報器13によって警報を発する。ステップ7において冷却液が検出されない場合には、ステップ2へ戻る。
【0065】
また、ステップ2において通電が検出されたにも係わらず、ステップ3において所定時間が経過する前に冷却液が検出されない場合には、ワーク14(カム部14a)が誘導加熱されたにも係わらず、適切なタイミングで冷却液が供給されていない。よって、この場合にはステップ6へ移行して焼入れ作業を終了し、さらにステップ8へ移行して警報器13によって警報が発せられる。
【0066】
さらに、ステップ4において、検出された冷却液量V2が、メモリ22に記憶されている冷却液量V1の3分の2に満たない場合(NOの場合)には、ステップ6へ移行し焼入れを中止(強制終了)する。すなわち、誘導加熱されたワーク14(カム部14a)を充分に急冷できる量の冷却液が、適切なタイミングで供給できなければ、焼入れ不良となる。よって、この場合においても、ステップ6へ移行して焼入れ作業自体を強制的に終了し、ステップ8に移行して警報器13によって警報を発する。
【0067】
上記いずれかの理由(ステップ3,4でNO,又は、ステップ7でYES)により、警報器13によって警報が発せられると、作業者は異常を認識し、誘導加熱装置1のメンテナンスを実施する。
【0068】
図6のステップ4において、実測された冷却液量V2が、メモリ22に記憶されている冷却液量V1の3分の2以上であるか否かを判定するようにしたが、この冷却液量V1の設定は、事前に実験を実施して求めておく。すなわち、冷却液量V1は、実際に誘導加熱部位(カム部14a)を急冷するのに必要な量に対して、十分に余裕を持たせており、例えば、実測された冷却液量V2を、冷却液量V1の半分以上であるか否かを判定するようにしてもよい。換言すると、誘導加熱部位を適切に急冷できることを条件として、V2とV1の関係をどのようにするかは任意である。
【0069】
本実施例では、加熱検出手段として通電検出器11を採用したが、代わりに、ワーク14(カム部14a)の温度を検出するようにしてもよい。すなわち、カム部14aの温度が、A1変態点(730℃位)に達したことを温度センサで検出する。
【0070】
本実施例では、冷却液検出手段として上述のように冷却液の流量を検出する冷却液検出器10を備えたが、代わりに、受け部材9内に冷却液を一旦貯留し、貯留した冷却液の量を検出するようにしてもよい。例えば、受け部材9の底部に設けた孔や配管15に開閉弁を設け、この開閉弁を閉じることによって、許容される時間内に、受け部材9内に貯留された冷却液の液位又は重量を測り、液位が所定レベル以上に達したことを検出したり、貯留した冷却液の重量が所定以上に達したことを検出することにより、加熱昇温したワーク14を急冷するのに必要な量の冷却液が噴射供給されたか否かを検出(又は判定)することができる。検出後は、開閉弁を開き、受け部材9に貯留した冷却液を貯留タンク26へ排出し、次回の冷却に備える。
【0071】
また本実施例では、処理が自動化された誘導加熱装置において、冷却液を適切なタイミングでワーク14に噴射されたことを確認できるようにするために、誘導加熱が実施された時刻からタイマ12で計時するようにしたが、単に、制御装置3が冷却液噴射装置8に信号を送信してから、所定時間が経過するまでに冷却液検出器10が冷却液を検出したか否かによって異常の有無を判定するようにしてもよい。この場合には、ワーク14が誘導加熱されてから冷却されるまでの時間が把握できないが、冷却液を噴射してから冷却液検出器10が冷却液を検出するまでの時間や、冷却液検出器10が冷却液を検出できないことがわかるので、ワーク14の誘導加熱状態は確認できないものの、冷却液噴射装置8や給液管16等に不具合が発生した場合に、この不具合を検出することができる。すなわち、制御装置3から冷却液噴射装置8側への信号の送信と、冷却液検出器10による冷却液の検出とによって、冷却液噴射装置8や給液管16等の不具合を検出することができる。
【0072】
また、本実施例とは別の実施例として、冷却液検出器として、フロースイッチを採用することもできる。すなわち、配管15の途中にフロースイッチを設けると、受け部材9で回収された冷却液が配管15を通過したことを検出することができる。例えば、シャフトの一端にパドルを取付け、このパドルを配管15内に配置し、シャフトの他端に磁石を取付け、当該磁石にリードスイッチを近接配置する。冷却液が配管15内を流れると、パドルが冷却液で押圧されてシャフトが傾斜し、磁石がリードスイッチから離れる。その結果、リードスイッチが作動するように構成すると、配管15内を冷却液が流れていることを検出することができる。
【0073】
さらに、容積式流量計である冷却液検出器10の代わりに、図7に示すような冷却液検出器31を使用することもできる。図7は、回収された冷却液を検出する冷却液検出器の一例の概念図である。図7に示すように冷却液検出器31は、配管15(流路)を開閉する遮蔽板23と、遮蔽板23の変位を検出するセンサ24(近接スイッチ)を備えている。遮蔽板23は、ヒンジ32を中心に回動可能であり、通常はこの遮蔽板23で配管15(流路)が閉じられており、冷却液が流れると、冷却液に押圧されて遮蔽板23がヒンジ32を中心に回動して開く。この遮蔽板23の動作をセンサ24で検出する。
【0074】
すなわち、回収された冷却液が配管15を流れると、遮蔽板23がこの冷却液に押圧されてヒンジ32を中心に回動して配管15(流路)を開き、その際の遮蔽板23の角度変化を周知の近接スイッチであるセンサ24で検出することにより、冷却液が回収されたことを検出することができる。
【0075】
また、図1の誘導加熱装置1に備えた冷却液噴射装置8は、筐体8a内に冷却液を供給し、筐体8a内に充満した冷却液をワーク14に噴射供給するものであったが、本発明は、別の冷却液噴射装置を採用する場合であっても実施できる。すなわち、ワーク14の全周囲から冷却液を噴射供給する場合において、図1に示すような筐体8aを採用せず、代わりに図8に示すような6つの噴射ノズル31a〜31fから同時に冷却液を噴射する冷却液噴射装置を使用する場合にも本発明は効果を奏する。
【0076】
図8(a)に示す例では、ワーク14の周囲に6つの噴射ノズル31a〜31fが等間隔(60度間隔)で配置されている。各噴射ノズル31a〜31fは、各々ワーク14の中心角60度以上の範囲の外周面に冷却液を噴射することができる。例えば、噴射ノズル31aの両隣には、噴射ノズル31bと31fとが配置されており、噴射ノズル31aの噴射範囲Rは、隣接する噴射ノズル31b及び31fの噴射範囲と一部が重なっている。これら6つの噴射ノズル31a〜31fから噴射される冷却液によって、ワーク14の全周囲が一様に冷却される。
【0077】
ここで、各噴射ノズル31a〜31fには、図示しない別々の配管から冷却液が供給されている。すなわち、図8(a)に示す例では、噴射ノズルが6つあるので、6つの配管が設けられる。そして、各配管から各噴射ノズル31a〜31fに冷却液が供給され、ワーク14の全周囲に冷却液が噴射供給される。各噴射ノズル31a〜31fから噴射供給される冷却液の噴射量は予め設定されており、冷却液検出器10(図2)による冷却液の検出量が、6つの噴射ノズル31a〜31fから噴射される冷却液の総量よりも所定量以上不足すると、制御装置3(図3)は、いずれかの噴射ノズルから冷却液が噴射されていないと判定する。
【0078】
図8(a)に示す例では、6つの噴射ノズル31a〜31fから正常に冷却液が噴射供給されているが、例えば噴射ノズル31aに冷却液を供給する配管が破断等すると、図8(b)に示すように噴射ノズル31aから冷却液が噴射されない。
【0079】
その結果、ワーク14の冷却が不十分となるが、本発明の冷却液供給確認装置又は冷却液供給確認方法によると、この冷却不足を適切に検出することができる。よって本発明を実施して、検出された冷却液の量が、所定量以上少ないことが判明すると、冷却液噴射装置8を直ちにメンテナンスすることができ、冷却が不足して焼入れが不良となるワークを大量生産してしまう事態を回避することができる。
【0080】
図8では、ワーク14の周囲に噴射ノズルが6つ配置される場合を示したが、本発明の冷却液供給確認装置又は冷却液供給確認方法によると、噴射ノズルの数に係わらず、仮に冷却液が噴射されない噴射ノズルがあれば、その異常を検出することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 誘導加熱装置
2 冷却液供給確認装置
3 制御装置
4 加熱コイル
8 冷却液噴射装置(冷却液供給装置)
9 受け部材
10 冷却液検出器(冷却液検出手段)
11 通電検出器(加熱検出手段)
12 タイマ
13 警報器(警報装置)
14a カム部(焼入れ部位)
21 CPU(判定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導加熱コイルと冷却液供給装置とを有する誘導加熱装置に、前記誘導加熱コイルによる誘導加熱の実施を検出する加熱検出手段と、前記冷却液供給装置から被加熱物へ噴射された後の冷却液を検出する冷却液検出手段とを設けたことを特徴とする誘導加熱装置の冷却液供給確認装置。
【請求項2】
冷却液供給装置から出た冷却液を回収する受け部材を設け、冷却液検出手段は、受け部材で回収された冷却液を検出することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置の冷却液供給確認装置。
【請求項3】
誘導電流を励起してワークを誘導加熱した後、冷却液供給装置から冷却液を供給してワークを冷却する際に、冷却液供給装置から供給された冷却液を回収し、該回収される冷却液を検出することを特徴とする誘導加熱装置の冷却液供給確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−31464(P2012−31464A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171156(P2010−171156)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(390026088)富士電子工業株式会社 (48)
【Fターム(参考)】