説明

読取装置、情報処理システム、および情報読取方法

【課題】操作性が良好で、構成の簡素化、小型化を図った読取装置、情報処理システム、および情報読取方法を提供する。
【解決手段】赤外LEDランプ420から赤外線を情報記録媒体3のコード画像に照射してコード画像を撮像部43によって撮像し、その撮像したコード画像からコードを読み取り、メモリに一旦記憶する。その後、送信ボタンを操作すると、メモリからコードを読み出し、読取用と同じ赤外LEDランプ420を用いて情報処理装置5に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙等の情報記録媒体に赤外線を照射して情報を読み取る読取装置、この読取装置を用いた情報処理システム、および情報読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、用紙等の情報記録媒体に文字や図、絵等を手書きしてその情報をパーソナルコンピュータ等の外部装置に入力する情報処理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この情報処理システムでは、情報記録媒体として紙を用いており、この紙には、赤外線を吸収するインクで多数の微小なドットからなる検出用マーカーが印刷されている。検出用マーカーは、所定のグリッド毎に異なるパターンが形成され、これにより情報記録媒体上の座標がエンコードされている。
【0004】
また、この情報処理システムで用いるペン型入力装置は、ペン型のケース本体と、ケース本体の先端に設けられた筆記具と、ケース本体内に設けられ、ホワイトボード紙に赤外線を照射するLEDと、ホワイトボードからの反射光を受ける撮像素子と、赤外線で外部装置と通信する通信部とを備える。
【0005】
この構成において、撮像素子によって筆記具近傍の検出用マーカーを撮像して座標情報を取得することにより、筆記データ(筆記具の軌跡)を求め、その筆記データを赤外線により外部装置に送信する。ペン型入力装置と外部装置とは、赤外線で通信しているので、ケーブルにより操作範囲が制限されることがなく、ペン型入力装置の良好な操作性が得られる。
【特許文献1】特開2005−78374号公報(段落[0013]〜[0018]、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のペン型入力装置によると、検出用マーカーの読取用の光源と、筆記データを外部装置に送信する通信用の光源とは、別個のものを用いているため、構成が複雑化し、装置が大型化するという問題がある。
【0007】
従って、本発明の目的は、操作性が良好で、構成の簡素化、小型化を図った読取装置、情報処理システム、および情報読取方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、上記目的を達成するため、赤外線を発生する赤外光源と、前記赤外光源を用いて前記情報記録媒体から情報を読み取る読取部と、前記読取部によって読み取られた前記情報を前記赤外光源を用いて外部装置に送信する通信部とを備えたことを特徴とする読取装置を提供する。
【0009】
上記第1の態様の読取装置によれば、情報の読取と送信を共通の赤外光源を用いて行うことができる。
【0010】
赤外光源として、例えば、LED(Light Emitting Diode)、レーザ、ハロゲンランプ等を用いることができる。
【0011】
前記読取部は、読み取った前記情報をメモリに記憶し、前記通信部は、送信指示に基づいて前記メモリから前記情報を読み出して前記赤外光源を用いて前記外部装置に送信する構成にすることができる。情報を一括して読み取った後に情報を送信できるので、読取処理を効率的に行うことができる。
【0012】
前記通信部は、送信指示ボタンの操作に基づいて前記メモリから前記情報を読み出して送信してもよい。情報の読取の合間に送信指示ボタンを操作して情報を送信することができるので、情報転送を効率的に行うことができる。
【0013】
前記通信部は、無線により前記情報を送信するのが好ましい。有線のように読取装置の操作範囲が制限されることがないので、読取装置を手に持って操作する場合に良好な操作性が得られる。なお、光ファイバ等の光伝送媒体を用いて情報を送信してもよい。
【0014】
前記通信部は、前記赤外光源とともに、赤外線を受光する受光素子を用いて前記外部装置との間で赤外線通信を行う構成とすることができる。双方向通信により確実で高度な通信を行うことができる。なお、受光素子を用いずに読取装置から外部装置への一方向通信でもよい。
【0015】
前記情報記録媒体は、不可視かつ赤外線を吸収する色材で前記情報が記録されているのが好ましい。情報記録媒体に可視可能に他の文字情報が記録されている場合、文字情報が
不可視かつ赤外線を吸収する色材で記録されている情報によって見難くなるのを防げる。
【0016】
上記色材における「不可視」とは、目視により認識できるかどうかとは関係なく、例えば、可視領域(400nm〜700nm)における平均吸収率が15%以下の場合をいう。また、上記色材における「赤外線を吸収」とは、機械読取可能な吸収率をいい、例えば、近赤外領域(800nm〜1000nm)における吸収率が20%以上の場合をいう。
【0017】
前記情報記録媒体は、赤外線を吸収する色材でコード画像が記録され、前記読取部は、前記赤外光源からの前記赤外線の照射により前記情報記録媒体で反射した赤外線を受光して前記コード画像を撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像された前記コード画像からコード情報を取得するデコード部とを備え、前記通信部は、前記デコード部によって取得された前記コード情報もしくは所定の処理を施した前記コード情報を前記赤外光源を用いて前記外部装置に送信する構成とすることができる。
【0018】
撮像部は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いることができる。
【0019】
本発明の第2の態様は、上記目的を達成するため、赤外線を吸収する色材で位置コードがエンコードされた複数のコード画像がマトリックス状に記録された情報記録媒体に筆記可能な筆記用ペンと、前記情報記録媒体上の前記コード画像に赤外線を照射する赤外光源と、前記赤外光源からの前記赤外線の照射により前記情報記録媒体で反射した赤外線を受光して前記筆記用ペンのペン先付近の前記コード画像を撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像された前記コード画像から前記位置コードを読み取るデコード部と、前記デコード部によって読み取られた前記位置コードに基づいて前記筆記用ペンの前記ペン先の軌跡からなる筆記データを演算する演算部と、前記演算部によって演算された前記筆記データを前記赤外光源を用いて外部装置に送信する通信部と、少なくとも筆記時に前記ペン先が露出するように前記筆記用ペンを収容し、さらに前記赤外光源、前記撮像部、前記デコード部、前記演算部、および前記通信部を収容するペン型のケース本体とを備えたことを特徴とする読取装置を提供する。
【0020】
上記第2の態様の読取装置によれば、位置コードの読取と送信を共通の赤外光源を用いて行うことができる。また、手書きの情報を外部装置に入力することができる。
【0021】
前記ケース本体は、少なくとも前記筆記用ペンの前記ペン先側が、赤外線を透過させる材料から形成された構成にすることができる。赤外光源で発生した赤外線は、ケース本体のペン先側を透過するので、情報記録媒体に赤外線を照射することができ、赤外線の照射により情報記録媒体で反射した光は、ケース本体のペン先側を透過する際に可視光が除去されて撮像部に入射するので、位置コードの高精度な読取が可能となる。
【0022】
前記ケース本体は、前記筆記用ペンの前記ペン先を覆う赤外線透過材料からなるキャップを装着可能に備えてもよい。この構成によれば、ペン先をキャップで覆ったまま赤外線通信を行うことができる。
【0023】
前記演算部は、前記筆記データをメモリに記憶し、前記通信部は、送信指示に基づいて前記メモリから前記筆記データを読み出して前記赤外光源を用いて前記外部装置に送信してもよい。位置コードを一括して読み取った後に、筆記データを送信できるので、読取処理を効率的に行うことができる。
【0024】
前記通信部は、送信指示ボタンの操作に基づいて前記メモリから前記筆記データを読み出して送信してもよい。位置コードの読取の合間に送信指示ボタンを操作して筆記データを送信することができるので、データ転送を効率的に行うことができる。
【0025】
本発明の第3の態様は、上記目的を達成するため、情報記録媒体から情報を読み取る読取装置と、前記読取装置によって読み取られた前記情報に基づいて所定の処理を行う処理装置とを有し、前記読取装置は、赤外線を発生する赤外光源と、前記赤外光源を用いて前記情報記録媒体から前記情報を読み取る読取部と、前記読取部によって読み取られた前記情報を前記赤外光源を用いて前記処理装置に送信する通信部とを備えたことを特徴とする情報処理システムを提供する。
【0026】
上記第3の態様の情報処理システムによれば、情報の読取と送信を共通の赤外光源を用いて行うことができる。また、情報記録媒体から読み取った情報がコマンドとして機能し、処理装置にコマンドに応じた処理を行わせることができる。
【0027】
前記読取装置は、前記情報を記憶するメモリを備え、前記処理装置は、前記読取装置が配置される置き台を備え、前記読取装置あるいは前記置き台は、前記読取装置が前記置き台に配置されたことを検出するセンサを備え、前記通信部は、前記センサが前記読取装置が前記置き台に配置されたことを検出したとき、前記メモリから前記情報を読み出し、その情報を前記赤外光源を用いて前記置き台を介して前記処理装置に送信する構成とすることができる。通信間距離が短くなるので、赤外線通信の信頼性の向上、低パワー化が可能となる。また、送信指示ボタンなどを操作する必要がないため、操作性が向上する。
【0028】
前記読取装置は、電池により駆動され、前記センサが前記読取装置が前記置き台に配置されたことを検出したとき、前記電池への充電が開始する構成とすることができる。
【0029】
前記処理装置は、前記情報記録媒体上の特定の位置から読み取られた前記情報に基づいて、所定のプログラムを起動させて前記所定の処理を実行する構成とすることができる。プログラムに応じて各種のサービスを提供することができる。
【0030】
本発明の第4の態様は、上記目的を達成するため、情報記録媒体に赤外光源から赤外線を照射して前記情報記録媒体から情報を読み取り、読み取られた前記情報を前記赤外光源を用いて外部装置に送信することを特徴とする情報読取方法を提供する。
【0031】
上記第4の態様の情報読取方法によれば、情報の読取と送信を共通の赤外光源を用いて行うことができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、操作性が良好で、構成の簡素化、小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
[第1の実施の形態]
(システムの全体構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る情報処理システムを示す。この情報処理システム1は、用紙にコード画像および文書画像を印刷して情報記録媒体3を形成する画像形成装置2と、情報記録媒体3上のコード画像から情報を読み取り、その情報を赤外線通信により送信する情報読取装置4と、情報読取装置4から送信された情報を処理する情報処理装置5とを有して構成されている。
【0034】
情報読取装置4と情報処理装置5との間の赤外線通信は、例えば、IrDA(Infrared Data Association)規格による4値PPM(pulse position modulation:パルス位置変調)を用いることができるが、これに限定されない。4値PPMは、4スロット時間のうち1スロット時間分を発光させて「00」、「01」、「10」、「11」の2ビットを伝送する方式である。
【0035】
(画像形成装置)
画像形成装置2は、例えば、電子写真方式によりトナーを用いて印刷するものであり、トナーは、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)等のトナーの他、特定のトナーを用いる。特定のトナーは、不可視で赤外光を吸収するトナー(以下「不可視トナー」ともいう。)を用いる。なお、特定のトナーは、黒色トナーのように可視が可能で赤外光を吸収するトナーを用いてもよい。
【0036】
上記不可視トナーは、例えば、ポリエステル、ポリスチレン等を主成分とする結着樹脂と、CuOおよびP25を含む無機系近赤外光吸収材料とを含有するもの(特開2003−186238号公報)や、ポリエステル、ポリスチレン等を主成分とする結着樹脂と、イモニウム塩、アミニウム塩等の有機系近赤外光吸収材料とを含有するもの(特開2005−249968号公報)等を用いることができる。
【0037】
なお、画像形成装置2は、上記電子写真方式の他に、インクジェット方式、感熱転写方式等の各種の方式のものを用いることができる。例えば、インクジェット方式や感熱転写方式を用いる場合は、特定の色材として、不可視で赤外光を吸収するインクを用いるが、可視で赤外光を吸収するインクを用いてもよい。また、情報記録媒体3は、上記紙の他、プラスチック、布等からなるものでもよい。
【0038】
(情報読取装置)
情報読取装置4は、一般的なペンとほぼ同様の外形を有するケース本体400と、このケース本体400の先端からペン先410が露出するようにケース本体400に収容された筆記用のペン部41と、ペン先410を覆うポリエチレン、ガラス等の赤外線透過材料から形成されたキャップ401と、ケース本体400の外周に設けられた送信ボタン402とを備え、情報記録媒体3のコード画像を撮像する機能、コード画像からコードを読み取る機能、ペン部41による筆記データを取得する機能、コード画像から読み取ったコードを通信する機能等を有する。これらの機能については後述する。
【0039】
ペン部41は、先端にペン先410を有し、後方にインクタンクと、ペン先410への筆圧を検出する後述する筆圧検出部とを備える。
【0040】
(情報処理装置)
情報処理装置5は、この装置5全体を制御するCPUと、CPUのアプリケーションプログラムや各種のデータを記憶するROM,RAM,ハードディスク等によって構成された記憶部と、キーボード,マウス等からなる入力デバイスと、情報読取装置4との間で赤外線通信を行う赤外線送受信部50と、ネットワークに接続されたネットワークインターフェイスと、画面等を表示するLCD(液晶ディスプレイ)等からなる表示部と、音声を出力するスピーカを有する音声出力部とを備える。このような情報処理装置5は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)によって実現することができる。
【0041】
(情報記録媒体上の画像)
図2(a)〜(c)は、情報記録媒体3の詳細を示す。本実施の形態では、情報記録媒体3を名刺に適用した場合について説明する。この名刺の情報記録媒体3には、図2(a),(b)に示すように、用紙全体に、例えば、2×2mmの多数の不可視かつ赤外光吸収係数の大きいコード画像30がマトリックス状に印刷され、用紙の所定の位置に文字、記号、図形等からなる文書画像31が印刷されている。
【0042】
文書画像31として、例えば、ロゴ31aが赤色で印刷され、氏名31b、社名31c、住所31d、電話番号31e、Eメールアドレス31f等が黒色で印刷されている。ロゴ31aは、ロゴエリア31g内に印刷され、Eメールアドレス31fは、Eメールアドレスエリア31h内に印刷されている。ロゴエリア31gおよびEメールアドレスエリア31hは、情報読取装置4によって指定されると、情報処理装置5において所定のプログラムが起動するようになっている。
【0043】
コード画像30は、左上に配置されたローテンションコード部30aと、ローテンションコード部30aの下に配置されたX座標コード部30bと、ローテンションコード部30aの右に配置されたY座標コード部30cと、ローテンションコード部30aの右下に配置された識別コード部30dとからなる。
【0044】
ローテンションコード部30aには、自己のコード画像30の領域を示す情報がエンコードされ、X座標コード部30bおよびY座標コード部30cには、それぞれ自己のコード画像30の情報記録媒体3上のX座標およびY座標がエンコードされ、識別コード部30dには、情報記録媒体3の識別情報や情報記録媒体3に印刷された文書画像31の識別情報がエンコードされている。X座標コード部30bは、縦方向に同じX座標がエンコードされ、Y座標コード部30cは、横方向に同じY座標がエンコードされている。ローテンションコード部30aおよび識別コード部30dは、コード画像30の位置によらず、全て同じコードが記録されている。
【0045】
情報記録媒体3の識別情報としては、例えば、用紙に関する情報(サイズ、紙質等)、文書の種類(名詞、カルテ、小切手等)等がある。文書画像31の識別情報としては、例えば、文書ID、個人ID、ファイル名、URL等がある。
【0046】
上記各コード部30a〜30dは、図2(c)に示すように、スラッシュ「/」からなる斜線パターン300aとバックスラッシュ「\」からなる斜線パターン300bの組合せから構成されている。各斜線パターン300a,300bは、例えば、0.2mmピッチで形成され、一つの斜線パターン300a,300bにより1ビットの情報(0または1)を表現している。
【0047】
なお、コード画像30におけるパターンは、上記斜線パターン300a,300bに限定されず、周知のQRコード、PDF417、Data Matrix、Maxi Code等の2次元コードでもよく、バーコード等の1次元コードや独自コードでもよい。また、目的に応じて複数種のコードを組み合わせて用いてもよい。
【0048】
(情報読取装置の内部構造)
図3は、情報読取装置4の内部構造を示す要部断面図である。この情報読取装置4は、前述したようにペン型のケース本体400およびペン部41を有し、情報記録媒体3に赤外線を照射するともに、情報処理装置5の赤外線送受信部50との間で赤外線通信を行う赤外線送受信部42と、情報記録媒体3上のコード画像30を撮像する撮像部43とを備える。これらのペン部41、赤外送受信部42、および撮像部43は、ケース本体400に収容されている。
【0049】
赤外送受信部42は、情報記録媒体3に波長が800nm〜1000nmの近赤外光を照射する赤外LED(Light Emitting Diode)ランプ420と、情報処理装置5の赤外線送受信部50からの赤外線を受信するフォトダイオード421とを備える。
【0050】
撮像部43は、情報記録媒体3に赤外線を照射し、情報記録媒体3で反射した光うち可視光を除去するとともに、赤外線を透過させる可視光除去フィルタ430と、可視光除去フィルタ430を透過した赤外線を撮像する撮像素子としての赤外線用CCD(Charge Coupled Device)431とを備える。
【0051】
赤外線用CCD431は、受光した光をその強度に応じた電気信号に光電変換するものであり、可視領域から近赤外領域まで感度を有するものや、近赤外領域に感度を有するものを用いることができる。なお、撮像素子として、CCDの代わりにCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いてもよい。
【0052】
(情報処理システムの制御系)
図4は、情報処理システム1の制御系を示すブロック図である。情報読取装置4は、前述したように、送信ボタン402、赤外LEDランプ420およびフォトダイオード421からなる赤外線送受信部42、赤外線用CCD431、および筆圧検出部411を備える他、CCD431からの信号を処理する信号処理部44と、信号処理部44によって処理された信号をデコードするデコード部45と、デコード部45によってデコードされたコードを記憶するメモリ46と、信号の変調、復調を行う変復調部47と、情報読取装置4の各部を制御する制御部48と、情報読取装置4の各部に電源を供給するニッケル・カドミウム蓄電池,リチウムイオン電池等の図示しない二次電池とを備える。
【0053】
筆圧検出部411、信号処理部44、デコード部45、メモリ46、変復調部47、制御部48、および二次電池は、ケース本体400に収容されている。
【0054】
変復調部47は、メモリ46に記憶されているコードを赤外線信号に変調するとともに、情報処理装置5からの赤外線信号を制御情報に復調するものである。
【0055】
デコード部45は、コード画像30のローテーションコード部30aからローテーションコード、X座標コード部30bからX座標コード、Y座標コード部30cからY座標コード、識別コード部30dから識別コードをそれぞれ読み取るものであり、これについては図面を参照して説明する。
【0056】
図5は、デコード部45によるコードの読み取りを説明するための図である。情報記録媒体3上には、図5(a)に示すように、ローテーションコード部30a、X座標コード部30b、Y座標コード部30c、識別コード部30dからなるコード画像30が2次元状に配置されている。図5(a)中、一点鎖線で囲んだ領域は、CCD431による撮像イメージ6、すなわち読取領域を示している。図5(b)は、その撮像イメージ6の詳細を示している。
【0057】
CCD431の撮像イメージ6は、コード画像30よりも大きくしており、コード画像30のサイズを前述したように2×2mmとすると、撮像イメージ6のサイズを例えば3×3mmとしている。デコード部45は、図6(b)に示すように撮像イメージ6の各イメージ部60a,60b,61a,61b,62a,62b,62c,62dを組み合わせ、各X座標コード、Y座標コード、識別コードを復元している。実際の撮像イメージ6は、コード画像30に対して傾いていることが多いが、図5(a),(b)に示したのと同様に各部を組み合わせることにより、各コードを復元することができる。
【0058】
信号処理部44は、CCD431からのアナログの電気信号をデジタル信号に変換するとともに、傾き補正、ガンマ補正、ノイズ除去等の各種の処理を行うものである。
【0059】
制御部48は、筆圧検出部411が一定以上の筆圧を検出しているとき、デコード部45がデコードしたペン先410の座標を示すX座標コードおよびY座標コードからペン先410の軌跡を算出し、筆記データとしてメモリ46に一旦記憶した後、送信ボタン402の操作によりメモリ46から筆記データを読み出し、赤外線送受信部42による赤外線通信により情報処理装置5に送信するように構成されている。
【0060】
(第1の実施の形態の動作)
次に、第1の実施の形態に係る情報処理システム1の動作を説明する。
【0061】
(1)筆記データの取得
画像形成装置2によって作成された情報記録媒体3に情報読取装置4の先端を近づけ、情報読取装置4の図示しないスイッチをONすると、変復調部47は、赤外線を連続して発生するように赤外LEDランプ420を駆動する。赤外LEDランプ420は赤外線を連続して発生する。その赤外線は、情報記録媒体3で反射し、その反射光は可視光除去フィルタ430によって可視光が除去された後、赤外線用CCD431に入射する。赤外線用CCD431は、入射した赤外線を電気信号に変換する。なお、筆記データ取得時(コード読取時)に赤外LEDランプ420を瞬時点灯したり、パルス点灯してもよい。
【0062】
信号処理部44は、CCD431からのアナログの電気信号をデジタル信号に変換するとともに、傾き補正、ガンマ補正、ノイズ除去等の各種の処理を行う。デコード部45は、信号処理部44によって処理された信号をローテンションコード、X座標コード、Y座標コード、および識別コードにデコードする。上記赤外線用CCD431による撮像、信号処理部44による信号処理、およびデコード部45によるデコードは、毎秒60〜100回のサイクルで行われる。
【0063】
制御部48は、筆圧検出部411が一定以上の筆圧を検出しているとき、デコード部45が取得したコードのうちペン先410の座標を示すX座標コードおよびY座標コードを基にペン先410の軌跡を算出し、それを筆記データとしてメモリ46に一旦記憶する。
【0064】
(2)赤外線通信
その後、ユーザが、情報読取装置4の赤外線送受信部42を情報処理装置5の赤外線送受信部50に向けて送信ボタン402を操作すると、制御部48は、情報処理装置5との間で所定のプロトコルに従った赤外線通信を数MHzの周波数で行う。制御部48は、筆記データを送信するとき、メモリ46から筆記データを読み出し、それを変復調部47に出力する。変復調部47は、筆記データを駆動信号に変換し、赤外LEDランプ420からPPM変調された赤外線信号を発生させる。その赤外線信号は、情報処理装置5の赤外線送受信部50で受光され、情報処理装置5側で筆記データに復調された後、記憶部に蓄積される。なお、キャップ401は赤外線を透過するので、キャップ401で赤外線送受信部42を覆ったまま赤外線通信を行ってもよい。
【0065】
(3)各種アプリケーションの起動
情報読取装置4の先端をロゴエリア31gに近づけ、情報処理装置4の図示しないボタンを操作してロゴエリア31gを指定すると、ロゴエリア31gのX座標コードおよびY座標コードからなる位置情報がデコード部45によってデコードされ、赤外線信号に変換され、赤外線送受信部42から情報処理装置5に送信される。情報処理装置5は、情報読取装置4からの赤外線信号を位置情報に復調し、ロゴエリア31gの位置情報に対応付けられている会社のホームページにインターネットを介してアクセスし、当該会社のホームページを情報処理装置5の表示部に表示する。
【0066】
また、これと同様に、情報読取装置4によってEメールアドレスエリア31hを指定すると、そのEメールアドレスエリア31hのX座標コードおよびY座標コードからなる位置情報が赤外線信号に変換され、情報処理装置5に送信された後、情報処理装置5においてEメールアドレスエリア31hの位置情報に対応付けられている電子メールアプリケーションが起動する。
【0067】
(第1の実施の形態の効果)
この第1の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(イ)一般に市販されている赤外LEDランプは、830〜900nm程度の波長のものであり、一方、赤外通信(IrDA)では、850から900nm程度の波長が用いられていることから、コード画像30の読取用の赤外光源、および通信用の赤外光源として、赤外LEDランプ420を共用することは十分可能であり、これにより、構成の簡素化、小型化、低コスト化を図ることができる。
(ロ)読取や筆記の合間に送信ボタン402を操作してデータを転送することができ、データ転送を効率的に行うことができる。
(ハ)コード画像30を不可視トナーで印刷することにより、コード画像30上に文書画像31を重ねて印刷したり、ペン部41で筆記しても、コード画像30に邪魔されずに文書画像31や手書きを視覚的に読み取ることができる。
(ニ)赤外線通信によりデータを送信しているので、電波と比較してデータの傍受を防ぐことができ、人体への影響が少ない。
(ホ)ケーブルやコネクタ、アンテナが不要となるので、低コスト化が図れる。
【0068】
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る情報処理システムを示す。この第2の実施の形態は、第1の実施の形態において、情報読取装置4から送信ボタン402を省き、情報読取装置4の二次電池を外部から充電できるようにし、情報読取装置4を配置する置き台7をケーブル51により情報処理装置5に接続したものであり、他は第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0069】
図7は、置き台7の内部構成を示す。置き台7は、置き台本体70と、置き台本体70に設けられた情報読取装置4を挿入可能な挿入穴70aと、情報読取装置4の挿入穴70aへの挿入を検出する挿入センサ71と、情報読取装置4の二次電池を充電する充電部72と、赤外LEDランプ730およびフォトダイオード731を用いて情報処理装置4との間で赤外線通信を行う赤外線送受信部73とを備える。
【0070】
挿入センサ71は、本実施の形態では、アクチュエータが押下されることによりスイッチング動作するマイクロスイッチを用いるが、光センサや磁気センサ等の他のセンサでもよい。また、挿入センサは、情報読取装置4側に設けてもよい。
【0071】
置き台本体70は、挿入センサ71のアクチュエータを挿入穴70aに露出させるための開穴70bが形成され、ケーブル51を内部に導入するためのケーブル挿通穴70cが形成されている。この置き台本体70は、例えば、樹脂等による射出成形により一体的に作製することができる。
【0072】
情報読取装置4を挿入穴70aに挿入することにより、情報読取装置4の赤外線送受信部42と置き台7の赤外線送受信部73とが対向するように位置決め構造を有している。この位置決め構造は、例えば、情報読取装置4のケース本体400に凸条部を形成し、挿入穴70aに凸条部に嵌合する凹条部を形成してもよい。
【0073】
情報読取装置4は、ケース本体400の先端側に凹部404を形成し、その凹部404に二次電池に接続された一対の受電端子403を配置している。なお、情報読取装置4側に二次電池の充電完了を表示するランプを設けてもよい。
【0074】
置き台7には、充電部72に接続された給電端子74が設けらており、情報読取装置4を置き台7の挿入穴70aに挿入することにより、給電端子74と受電端子403とが弾性的に接触するように構成されている。
【0075】
給電端子74は、リン青銅,ベリリュウム銅等の銅合金、ステンレス鋼等の導電性を有するバネ材料からなり、先端側がU字状に形成され、基端側がL字状に折曲されている。
【0076】
図8は、情報処理システム1の制御系を示すブロック図である。なお、同図は、情報処理装置4を置き台7の挿入穴70aに挿入した状態を示している。情報読取装置4は、図4に示す第1の実施の形態とは、送信ボタン402を有していない点が異なり、他は第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0077】
置き台73と情報処理装置5とは、挿入センサ72による検出信号、赤外線送受信部73の駆動信号、赤外線送受信部73からの赤外線信号をケーブル51を介して送受信するように構成されている。置き台73と情報読取装置4とは、一対の給電端子74と一対の受電端子403が接触して充電部72により二次電池49の充電が行われるようになっている。
【0078】
(第2の実施の形態の動作)
次に、第2の実施の形態に係る情報処理システム1の動作を説明する。なお、筆記データの取得、各種アプリケーションの起動は、第1の実施の形態と同様であるので、筆記データを赤外線通信により送信する場合について説明する。
【0079】
ユーザが、情報読取装置4を置き台7の挿入穴70aに挿入すると、挿入センサ72は、情報読取装置4のケース本体400によってアクチュエータが押されてスイッチング動作し、情報読取装置4が挿入穴70aに挿入されたことを示す検出信号をケーブル51を介して情報処理装置5に送信する。
【0080】
また、情報読取装置4の挿入穴70aへの挿入により、情報読取装置4の受電端子403が置き台7の給電端子74に弾性的に接触する。
【0081】
情報処理装置5のCPUは、挿入センサ71からの検出信号に基づいて、情報読取装置4との間で所定のプロトコルに従った赤外線通信を行う。情報処理装置5のCPUは、情報読取装置4に対してデータ転送要求を行う。情報読取装置4の制御部48は、メモリ46から筆記データを読み出し、変復調部47に出力する。変復調部47は、筆記データを駆動信号に変換し、赤外LEDランプ420からPPM変調された赤外線信号を発生させる。その赤外線信号は、置き台7の赤外線送受信部73で受光され、赤外線信号はケーブル51を介して情報処理装置5に送られ、情報処理装置5側で筆記データに復調された後、記憶部に蓄積される。なお、キャップ401は赤外線を透過するので、キャップ401で赤外線送受信部42を覆ったまま赤外線通信を行ってもよい。
【0082】
一方、挿入センサ72からの検出信号に基づいて、情報処理装置5のCPUは、充電部72により二次電池49を充電させる。
【0083】
(第2の実施の形態の効果)
この第2の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(イ)情報読取装置4を置き台7に置くだけで、データ転送を行うことができるとともに、二次電池49を充電することができるため、良好な操作性が得られる。
(ロ)第1の実施の形態と同様に、構成の簡素化、小型化、低コスト化を図ることができ、コード画像30を不可視トナーで印刷することにより、コード画像30に邪魔されずに文書画像31や手書きを視覚的に読み取ることができる。
【0084】
なお、置き台は、充電機能を有していなくてもよい。これにより、情報読取装置4に受電端子を設ける必要がなくなるため、構成の簡素化が図れ、美観を損ねることもなくなる。この場合、ケーブル51を電源ラインを有するUSBケーブルに置き換えることにより、置き台に配置された情報読取装置内の二次電池を充電することができる。
【0085】
[第3の実施の形態]
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る情報読取装置の内部構造を示す要部断面図である。この第3の実施の形態の情報読取装置4は、赤外線送受信部42をケース本体400内に収容し、赤外線送受信部42が送受信する赤外線が可視光除去フィルタ430を通過するように可視光除去フィルタ430を大きくしたものである。
【0086】
この第3の実施の形態によれば、赤外線送受信部42をケース本体400内に収容したので、赤外線送受信部42の赤外LEDランプ420による赤外線の照射範囲を制限することができ、赤外線が不用意に眼に照射され難くなる。
【0087】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々と変形実施が可能である。
【0088】
例えば、情報読取装置4は、上記実施の形態では、ペンに適用した場合について説明したが、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)や携帯電話等に適用してもよい。この場合、携帯情報端末や携帯電話等は筆記機能を有していなくてもよい。
【0089】
また、情報処理装置5は、上記実施の形態では、PCによって実現したが、携帯情報端末(PDA)や携帯電話等によって実現してもよい。
【0090】
また、上記各実施の形態の構成要素を発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に組み合わせることができる。例えば、第1の実施の形態の送信ボタン420を第2の実施の形態のケース本体400に設け、送信ボタン420による送信と、情報読取装置4の置き台7への配置による送信とを選択できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る情報処理システムの概観図である。
【図2】(a)は、情報記録媒体の平面図、(b)は、コード画像の全体構成を示す図、(c)は、コード画像の詳細構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る情報読取装置の内部構造を示す要部断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る情報処理システムの制御系を示すブロック図である。
【図5】(a),(b)は、本発明の第1の実施の形態に係るデコード部によるコードの読み取りを説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る情報読取装置の内部構造を示す要部断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る置き台の内部構成を示す断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る情報処理システムの制御系を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る情報読取装置の内部構造を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0092】
1 情報処理システム
2 画像形成装置
3 情報記録媒体
4 情報読取装置
5 情報処理装置
6 撮像イメージ
7 置き台
30 コード画像
30a ローテンションコード部
30b X座標コード部
30c Y座標コード部
30d 識別コード部
31 文書画像
31a ロゴ
31b 氏名
31c 社名
31d 住所
31e 電話番号
31f Eメールアドレス
31g ロゴエリア
31h Eメールアドレスエリア
41 ペン部
42 赤外線送受信部
43 撮像部
44 信号処理部
45 デコード部
46 メモリ
47 通信部
48 制御部
49 二次電池
50 赤外線送受信部
51 ケーブル
60a,60b,61a,61b,62a,62b,62c,62d イメージ部
70 置き台本体
70a 挿入穴
70b 開穴
70c ケーブル挿通穴
71 挿入センサ
72 充電部
73 赤外線送受信部
74 給電端子
300a,300b 斜線パターン
400 ケース本体
401 キャップ
402 送信ボタン
403 受電端子
404 凹部
410 ペン先
411 筆圧検出部
420 赤外LEDランプ
421 フォトダイオード
430 可視光除去フィルタ
431 赤外線用CCD
730 赤外LEDランプ
731 フォトダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線を発生する赤外光源と、
前記赤外光源を用いて前記情報記録媒体から情報を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた前記情報を前記赤外光源を用いて外部装置に送信する通信部とを備えたことを特徴とする読取装置。
【請求項2】
前記読取部は、読み取った前記情報をメモリに記憶し、
前記通信部は、送信指示に基づいて前記メモリから前記情報を読み出して前記赤外光源を用いて前記外部装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項3】
前記通信部は、送信指示ボタンの操作に基づいて前記メモリから前記情報を読み出して送信することを特徴とする請求項2に記載の読取装置。
【請求項4】
前記通信部は、無線により前記情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項5】
前記通信部は、前記赤外光源とともに、赤外線を受光する受光素子を用いて前記外部装置との間で赤外線通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項6】
前記情報記録媒体は、不可視かつ赤外線を吸収する色材で前記情報が記録されていることを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項7】
前記情報記録媒体は、赤外線を吸収する色材でコード画像が記録され、
前記読取部は、前記赤外光源からの前記赤外線の照射により前記情報記録媒体で反射した赤外線を受光して前記コード画像を撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像された前記コード画像からコード情報を取得するデコード部とを備え、
前記通信部は、前記デコード部によって取得された前記コード情報もしくは所定の処理を施した前記コード情報を前記赤外光源を用いて前記外部装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項8】
赤外線を吸収する色材で位置コードがエンコードされた複数のコード画像がマトリックス状に記録された情報記録媒体に筆記可能な筆記用ペンと、
前記情報記録媒体上の前記コード画像に赤外線を照射する赤外光源と、
前記赤外光源からの前記赤外線の照射により前記情報記録媒体で反射した赤外線を受光して前記筆記用ペンのペン先付近の前記コード画像を撮像する撮像部と、
前記撮像部によって撮像された前記コード画像から前記位置コードを読み取るデコード部と、
前記デコード部によって読み取られた前記位置コードに基づいて前記筆記用ペンの前記ペン先の軌跡からなる筆記データを演算する演算部と、
前記演算部によって演算された前記筆記データを前記赤外光源を用いて外部装置に送信する通信部と、
少なくとも筆記時に前記ペン先が露出するように前記筆記用ペンを収容し、さらに前記赤外光源、前記撮像部、前記デコード部、前記演算部、および前記通信部を収容するペン型のケース本体とを備えたことを特徴とする読取装置。
【請求項9】
前記ケース本体は、少なくとも前記筆記用ペンの前記ペン先側が、赤外線を透過させる材料から形成されたことを特徴とする請求項8に記載の読取装置。
【請求項10】
前記ケース本体は、前記筆記用ペンの前記ペン先を覆う赤外線透過材料からなるキャップを装着可能に備えたことを特徴とする請求項8に記載の読取装置。
【請求項11】
前記演算部は、前記筆記データをメモリに記憶し、
前記通信部は、送信指示に基づいて前記メモリから前記筆記データを読み出して前記赤外光源を用いて前記外部装置に送信することを特徴とする請求項8に記載の読取装置。
【請求項12】
前記通信部は、送信指示ボタンの操作に基づいて前記メモリから前記筆記データを読み出して送信することを特徴とする請求項11に記載の読取装置。
【請求項13】
情報記録媒体から情報を読み取る読取装置と、
前記読取装置によって読み取られた前記情報に基づいて所定の処理を行う処理装置とを有し、
前記読取装置は、
赤外線を発生する赤外光源と、
前記赤外光源を用いて前記情報記録媒体から前記情報を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた前記情報を前記赤外光源を用いて前記処理装置に送信する通信部とを備えたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項14】
前記読取装置は、前記情報を記憶するメモリを備え、
前記処理装置は、前記読取装置が配置される置き台を備え、
前記読取装置あるいは前記置き台は、前記読取装置が前記置き台に配置されたことを検出するセンサを備え、
前記通信部は、前記センサが前記読取装置が前記置き台に配置されたことを検出したとき、前記メモリから前記情報を読み出し、その情報を前記赤外光源を用いて前記置き台を介して前記処理装置に送信することを特徴とする請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記読取装置は、電池により駆動され、
前記センサが前記読取装置が前記置き台に配置されたことを検出したとき、前記電池への充電が開始することを特徴とする請求項14に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記処理装置は、前記情報記録媒体上の特定の位置から読み取られた前記情報に基づいて、所定のプログラムを起動させて前記所定の処理を実行することを特徴とする請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項17】
情報記録媒体に赤外光源から赤外線を照射して前記情報記録媒体から情報を読み取り、
読み取られた前記情報を前記赤外光源を用いて外部装置に送信することを特徴とする情報読取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−114868(P2007−114868A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303283(P2005−303283)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】