調停装置、画像処理装置、及び画像形成システム
【課題】書込要求信号が連続して調停手段に入力される場合に比べて、読み出しに必要な伝送路の帯域に応じて書込みに必要な伝送路の帯域を確保する、調停装置、画像処理装置、及び画像形成システムを提供する。
【解決手段】キューカウンタ62及び抑制装置64を備え、キューカウンタ62が書込要求信号wrreqが入力されたときに、読出データの読み出しが行われていない読出要求信号rdreqの数をカウントしてカウント値として抑制装置64に出力し、抑制装置64は、入力されたカウント値に応じて、チャネルCH1からのアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力される時間を遅延させることにより、チャネルCH1のアクセスを抑制する。
【解決手段】キューカウンタ62及び抑制装置64を備え、キューカウンタ62が書込要求信号wrreqが入力されたときに、読出データの読み出しが行われていない読出要求信号rdreqの数をカウントしてカウント値として抑制装置64に出力し、抑制装置64は、入力されたカウント値に応じて、チャネルCH1からのアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力される時間を遅延させることにより、チャネルCH1のアクセスを抑制する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調停装置、画像処理装置、及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、記録ヘッドを用いて記録を行なう記録装置であって、外部から入力した入力データを格納する受信バッファと、前記受信バッファに格納された入力データを変換する変換手段と、前記変換手段にて変換されたデータを格納するプリントバッファと、前記受信バッファ及び前記プリントバッファにバースト転送を行う複数のDMA手段と、前記DMA手段をアビトレーションするアービタ手段と、前記アービタ手段にてアビトレーションされたDMA手段を制御するメモリ制御手段と、前記メモリ制御手段は、前記受信バッファと前記プリントバッファに対してアクセスする際、所定の動作モードで動作可能であって、前記DMA手段は、前記記録装置の状態に応じて前記バースト転送における転送量を変更することを特徴とする記録装置が、記載されている。
【0003】
特許文献2には、通信ネットワーク上を伝送されるデータについて、そのデータに対する伝送の優先順位を示す優先順位情報を受信する受信手段と、所定データの送受信に対して、専用の時間帯を設ける専用時間帯設定手段と、前記受信手段により前記優先順位情報を受信すると、現在の時刻が前記専用時間帯であるか否かを判定し、前記専用時間帯内であると判定された場合は、受信した前記優先順位情報に基づいて、データ伝送の制限または中断を行うデータ伝送制御手段と、を備えることを特徴とするデータ伝送制御装置が記載されている。
【0004】
特許文献3には、アクセス対象にアクセスする複数の要求元のそれぞれに対して設けられ、要求元に対する優先順位を保持する順位レジスタと、前記要求元かあら前記アクセス対象へのアクセス要求が入力されることにより、前記順位レジスタから取得した前記優先順位を付加する順位出力手段と、前記順位出力手段によって付加された前記優先順位から最も高い優先順位を確定する順位確定手段と、前記順位確定手段によって確定された優先順位の前記要求元に対してアクセス許可を発する許可発行手段と、を含む調停回路であって、前記順位レジスタを、アクセス許可が発せられたときに前記優先順位が更新される巡回順位グループを含む複数のグループに分割されると共に、前記複数のグループ間で優先順位が設定された順位レジスタ部と、前記巡回順位グループ内の前記順位レジスタに対応する前記要求元に前記アクセス許可が発行されたときに、該当巡回順位グループ内の該当順位レジスタの優先順位をグループ内の最下位とすると共に、該当順位より下位の順位レジスタが保持する優先順位を繰り上げることにより順位レジスタが保持する優先順位の更新を行う変更制御手段と、を含むことを特徴とする調停解とが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−225010号公報
【特許文献2】特開2006−174346号公報
【特許文献3】特開2007−052545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、書込要求信号が連続して調停手段に入力される場合に比べて、読み出しに必要な伝送路の帯域に応じて書込みに必要な伝送路の帯域を確保する、調停装置、画像処理装置、及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の調停装置は、伝送路を使用して記憶手段に情報を書き込むための書込要求信号及び前記伝送路を使用して前記記憶手段から情報を読み出すための読出要求信号が複数の要求元から入力されると共に、入力された前記書込要求信号及び前記読出要求信号に対する前記伝送路の使用権を予め定められた優先順位に基づいて調停し、調停が整った場合に使用許可信号を前記要求元に出力する調停手段と、前記要求元から出力された前記読出要求信号または前記読出要求信号に対応する信号の数を計数する計数手段と、前記書込要求信号が連続して前記調停手段に入力されないように、前記書込要求信号が出力されてから前記調停手段へ入力されるまでの時間、または前記調停手段から前記書込要求信号に対する前記使用許可信号が出力されてから前記要求元に入力されるまでの時間の少なくとも一方の時間を前記計数手段の計数値に応じて遅延させる遅延手段と、を備える。
【0008】
請求項2に記載の調停装置は、請求項1に記載の調停装置において、前記読出要求信号に対応する信号は、前記要求元から前記書込要求信号が出力されたときの前記記憶手段からの情報の読み出しが行われていない前記読出要求信号である。
【0009】
請求項3に記載の調停装置は、請求項1に記載の調停装置において、前記読出要求信号に対応する信号は、前記要求元から出力された前記読出要求信号により前記記憶手段から読み出された情報に応じて記録媒体に画像を形成するための画像形成装置から出力された、同一の前記記録媒体に画像を形成するための前記読出要求信号の数に対応する信号である。
【0010】
請求項4に記載の画像処理装置は、画像情報に予め定められた画像処理を行う画像処理手段と、前記画像処理手段により画像処理された画像情報を記憶する記憶手段と、伝送路を使用して前記記憶手段に画像情報を書き込むための書込要求信号及び前記伝送路を使用して前記記憶手段から画像情報を読出すための読出要求信号に対する前記伝送路の使用権を予め定められた優先順位に基づいて調停し、使用許可信号を前記要求元に出力する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の前記調停装置と、を備える。
【0011】
請求項5に記載の画像形成システムは、請求項4に記載の画像処理装置と、前記画像処理装置により画像処理された画像情報に基づいて画像を記録媒体に形成する画像形成手段と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、請求項4、及び請求項5に係る発明によれば、書込要求信号が連続して調停手段に入力される場合に比べて、読み出しに必要な伝送路の帯域に応じて書込みに必要な伝送路の帯域が確保される。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、要求元から書込要求信号が出力されたときの記憶手段からの情報の読み出しが行われていない読出要求信号以外を計数する場合に比べて、読み出しに必要な伝送路の帯域に応じて書込みに必要な伝送路の帯域が確保される。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、画像形成装置から出力された、同一の記録媒体に画像を形成するための読出要求信号の数に対応する信号を計数しない場合に比べて、計数手段が簡易に構成される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施の形態に係る画像形成システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に係るデジタルフロントエンドプロセッサの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係るデジタルフロントエンドプロセッサで行われる画像処理を説明するための説明図である。
【図4】第1の実施の形態に係るI/Fボードの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態に係る調停装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図6】第1の実施の形態に係るリードキュー及びキューカウンタの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図7】第1の実施の形態に係るリードキュー及びキューカウンタで使用されるM_R_VALID信号の動作タイミングの一例を示す説明図である。
【図8】第1の実施の形態に係る抑制装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図9】第1の実施の形態に係る調停装置との比較のために、書込要求信号が抑制されずに調停回路に入力される場合の動作例とバスの帯域の状況の一例を説明するための説明図である。
【図10】タンデムギャップに応じて、データ読出に必要とされる全帯域(チャネルCH2〜CH5が使用する帯域の合計)の変化の一例を説明するための説明図である。
【図11】画像データの圧縮率に応じて、データ読出に必要とされる全帯域(チャネルCH2〜CH5が使用する帯域の合計)の変化の一例を説明するための説明図である。
【図12】第1の実施の形態に係る調停装置に全ての画像伸張部からアクセス要求信号REQが入力される場合の調停装置の動作例とバスの帯域の状況との一例を説明するための説明図である。
【図13】第1の実施の形態に係る調停装置に入力されるアクセス要求信号REQが変化する場合の調停装置の動作例とバスの帯域の状況との一例を説明するための説明図である。
【図14】第2の実施の形態に係る調停装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図15】第2の実施の形態に係る各ページのアクティブ数カウンタの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図16】第2の実施の形態に係る各ページのアクティブ数カウンタに画像形成装置から入力されるページアクティブ信号の一例を説明するための説明図である。
【図17】第2の実施の形態に係る各ページのアクティブ数カウンタで用いられる真理値の一例を示す説明図である。
【図18】調停回路から出力されたアクセス許可信号CH1_ACKがデータ転送装置40に入力されるまでの時間を遅延させる調停装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図19】調停回路から出力されたアクセス許可信号CH1_ACKがデータ転送装置40に入力されるまでの時間を遅延させる調停装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して第1の実施の形態について詳細に説明する。
ます、本実施の形態の画像形成システム、DFE(デジタルフロントエンドプロセッサ、及び遅延装置の概略構成について説明する。
図1は、第1の実施の形態の画像形成システムの概略構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態の画像形成システム8は、具体的一例として、画像処理を行うDFE(Digital Front End Processor、デジタルフロントエンドプロセッサ)10と、DFE10とプリンタインターフェイス(以下、インターフェイスをI/Fと言う)ケーブルで接続された画像形成装置12と、で構成されている。
【0017】
画像形成装置12は、DFE10から入力された画像データに基づいて画像を記録媒体上に形成(以下、印刷と言う)する、いわゆるプリンタ等である。本実施の形態では、一例として、記録媒体上にY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、及びK(ブラック)の4色の画像を重ね合せてカラー画像を形成するカラープリンタであり、より具体的には、複数の感光体を記録媒体の搬送方向に並べてそれぞれの感光体において各色成分毎の画像を記録媒体上に形成して原画像を再生するいわゆる、タンデム方式のカラー画像形成装置である。
【0018】
DFE10は、画像形成装置12により画像形成を行うための画像処理等を行うコントローラであり、例えば、Post ScriptやPDF等のPDL(ページ記述言語)で記述された画像データをRIP(Raster Image Processing)処理して、イメージデータに変換したりするものである。DFE10でRIP処理された画像データは、プリンタI/Fケーブルを介して、画像形成装置12に送信される。
【0019】
本実施の形態のDFE10の概略構成の一例のブロック図を図2に、DFE10で行われる処理の流れの一例を図3に示す。本実施の形態のDFE10は、パーソナルコンピュータをベースとしており、具体的には、CPU14、システムメモリ16、バススイッチ18、HDD20、外部装置と通信するための通信手段としてのネットワークカード22、及びI/Fボード30を備えて構成されている。DFE10では、図3に示すように、PDLで記述された画像データにRIP処理を行い、RIP処理された画像データに、例えばRGBからYMCKに色空間を変換する色調整等の画像処理を行う。さらに、画像処理された画像データの画像圧縮(データ圧縮)を行う。このようにして画像処理された画像データは、I/Fボード30を介してプリンタI/Fケーブルにより画像形成装置12に出力される。
【0020】
本実施の形態の画像形成装置12は、具体的一例として、例えばA4サイズで毎分100ページの印刷を行う高速のプリンタであり、そのためDFE10は、印刷に追随した画像データをリアルタイムで画像形成装置12に出力する。しかしながら、図3に示した各処理の動作は、リアルタイムが保証されていない場合があるため、DFE10のI/Fボード30は、大容量(具体的一例として1Gバイトを超える容量)のメモリを備えており、メモリに画像データを格納し、当該メモリからの出力についてリアルタイムを保証することにより、画像形成装置12の印刷速度に追随させる。
【0021】
図4に、I/Fボード30の概略構成の一例のブロック図を示す。I/Fボード30は、ローカルCPU32、ROM34、RAM36、バスブリッジ38、データ転送装置40、画像伸張部42Y、42M、42C、42K、画像処理部44Y、44M、44C、44K、メモリ46、メモリコントローラ48、及び調停装置50を備えて構成されている。本実施の形態では、具体的一例として、FPGA(Field Programmable Gate Array)として構成されている。ローカルCPU32、ROM34、RAM36、バスブリッジ38、及び調停装置50は、バス31を介して相互にデータ等が授受されるように接続されている。
ローカルCPU32は、I/Fボード30全体の制御を行うものであり、画像データや、印刷に関するデータ等の転送を制御する。ローカルCPU32で実行される各種制御の制御プログラムは、ROM34に格納されている。RAM36は、ローカルCPU32で制御プログラムを実行する際の作業用の領域を確保するものである。
【0022】
本実施の形態のバスブリッジ38は、具体的一例として、PCIやPCIexpressと、I/Fボード30のローカルバス(バス31)やデータ転送バスと、の橋渡しを行う。データ転送装置40は、DFE10からメモリ46へデータを転送するためにDMA(ダイレクトメモリアクセス)方式で動作する。画像伸張部42Y〜42Kは、データ転送装置40を介してメモリ46に転送されてきた圧縮されたデータを、メモリ46から読み出して伸張するものである。画像処理部44Y〜44Kは、画像の濃度の調整等を行うものである。
【0023】
本実施の形態のメモリ46は、具体的一例として、DRAMをベースとしたSDRAM(SDR(Single Data Rate)、DDR(Double Data Rate)等を含む)である。メモリコントローラ48は、調停装置50から書き込み(Write)、読み出し(Read)のコマンドを受けると、メモリ46のI/Fに応じたアクセスを行うものである。本実施の形態では、具体的一例として、メモリ46へのアクセス帯域性能は、DRAMベースのDDR−SDRAMのランダムアクセスにおける標準的な性能である500MB/sのバス47を用いている。
【0024】
調停装置50は、チャネルCH1(データ転送装置40)からのメモリ46に画像データを格納するための格納要求(書込要求)、チャネルCH2(画像伸張部42Y)、チャネルCH3(画像伸張部42M)、チャネルCH4(画像伸張部42C)、チャネルCH5(画像伸張部42K)からのメモリ46から画像情報を読み出すための読出要求、及びチャネルCHn(ローカルCPU32)に対して、バス47を使用する使用権を優先順位に基づいて調停することにより、画像データの転送性能の調整をするものである。
【0025】
図5に、調停装置50の概略構成の一例のブロック図を示す。本実施の形態の調停装置50は、ラウンドロビン方式調停回路52(以下、単に調停回路52と言う)、コマンド選択回路54、ライトデータ選択回路56、リードキュー58、リードデータ選択回路60、キューカウンタ62、及び抑制装置64を備えて構成されている。
【0026】
ラウンドロビン方式調停回路52では、調停を要求するチャネル(CH1〜CH5、CHn)毎に優先度レジスタ(図示省略)を設け、バス権を有するチャネルがバスの使用を終了するたびに、当該チャネルの優先度を最下位に下げると共に、優先度の低いチャネルの優先度レジスタの内容を1レベルずつ繰り上げるようにしている。なお、本実施の形態では、具体的一例としてラウンドロビン方式の調停回路としているが、これに限らず、複数の要求元からの要求を調停する任意の構成のアービタを用いてもよい。
【0027】
ラウンドロビン方式調停回路52は、データ転送装置40(CH1)、画像伸張部42Y〜42K(CH2〜CH5)、及びローカルCPU32(CHn)からのアクセス要求信号REQ(CH1_REQ〜CH5_REQ、CHn_REQ)が入力されると、アクセス要求信号REQに応じてバス47の使用権を調停し、アクセス許可信号ACK(CH1_ACK〜CH5_ACK、CHn_ACK)を出力する。各チャネルは、アクセス許可信号ACKを受け取ると、コマンド信号COM(CH1_COM〜CH5_COM、CHnCOM)を発行し、データ信号DATA(CH1_DATA〜CH5_DATA、CHn_DATA)の転送を開始する。
【0028】
コマンド選択回路54は、各チャネルから入力されるコマンド信号COMを調停回路52の調停に基づいて選択し、選択した信号(M_COM)をメモリコントローラ48に出力する。ライトデータ選択回路56は、チャネルCH1から入力されるデータ信号DATA(CH1_DATA)及びCHnから入力されるデータ信号DATA(CHn_DATA)のいずれかを調停回路52の調停に基づいて選択し、選択したDATA信号(M_W_DATA)をメモリコントローラ48に出力する。
リードキュー58は、チャネルCH2〜CH5の読出要求信号rdreqに対するデータ信号DATAの出力に時間がかかるため、読出要求信号rdreqを受け付けたチャネル(CH2〜CH5)の順番を記憶し、メモリコントローラ48からの読出データ信号(M_R_DATA)がどのチャネルかを識別するためのものである。リードデータ選択回路60は、メモリコントローラ48を介して入力された、メモリ46から読み出されたデータ信号(M_R_DATA)をリードキュー58に基づいて、該当するチャネル(CH2〜CH5)に選択出力する。
【0029】
キューカウンタ62は、リードキュー58で読出要求信号rdreqを受け付けたチャネル数を計数するカウンタである。抑制装置64は、キューカウンタ62のカウント値に応じて、チャネルCH1からのアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力される時間を遅延させることにより、チャネルCH1のアクセスを抑制するものである。なお、本実施の形態のキューカウンタ62は計数手段に対応する一例であり、抑制装置64は遅延手段に対応する一例である。
【0030】
図6にリードキュー58及びキューカウンタ62の概略構成の一例のブロック図を示す。また、図7にリードキュー58及びキューカウンタ62で使用されるデータ信号M_R_VALID信号の動作タイミングを説明するための説明図を示す。
【0031】
図6に示すように、リードキュー58は、FIFO(First In First Out)方式のデータ格納手段59を含んで構成されている。データ格納手段59には、調停回路52により許可されたチャネルの番号(1〜5、n)が入力される。また、書込要求を示す書込信号wrreq及び読出要求rdreqを示す読出信号M_R_VALIDが入力される(図5中では図示省略)。これらの入力された信号に応じて、現在読み出されるべきチャネルの番号をリードデータ選択回路60に出力する。
【0032】
リードデータ選択回路60は、リードキュー58から入力された現在読み出されるべきチャネル番号と、メモリコントローラ48から入力された信号M_R_VALIDと、に基づいてメモリ46から読み出された読出データを選択されたチャンネルにデータ信号DATAとして出力する。M_R_VALID信号は、メモリコントローラ48が出力するメモリ46から読み出した読出データの有効期間を示す信号であり、具体的に本実施の形態では、図7に示すように、信号がハイレベル(「1」)に切り替わってからローレベル(「0」)に切り替わるまでを一まとまりの読出データとしている。図7では、M_R_VALID信号がチャネルCH2の読出データと、チャネルCH3の読出データとを表す場合を示している。
【0033】
キューカウンタ62は、UP(アップ)/DN(ダウン)カウンタ63を含んで構成されている。UP/DNカウンタ63は、M_R_VALID信号に応じてカウントダウンし、書込要求信号wrreqに応じてカウントアップすると共に、カウント値が抑制装置64に出力される。これにより本実施の形態では、書込要求信号wrreqが入力されたときに、読出データの読み出しが行われていない読出要求信号rdreqの数をカウント値として抑制装置64に出力する。
【0034】
図8に抑制装置64の概略構成の一例のブロック図を示す。本実施の形態の抑制装置64は、4つのシフトレジスタ(シフトレジスタ701〜704)及び遅延DREQ選択回路72を含んで構成されている。チャネルCH1から出力されたアクセス要求信号CH1_REQは、シフトレジスタ701〜704によって、遅延されたタイミングで、遅延DREQ選択回路72の各エントリに入力される。本実施の形態では具体的には、タイミングの遅延無しにエントリ:0に入力され、これよりもシフトレジスタ701によってタイミングが遅延されてエントリ:1に入力される。さらに、エントリ:1よりもシフトレジスタ701によってタイミングが遅延されてエントリ:1に入力される。さらにシフトレジスタ702によってタイミングが遅延されてエントリ:2に入力され、さらにシフトレジスタ703によってタイミングが遅延されてエントリ:3に入力され、シフトレジスタ704によってタイミングが遅延されてエントリ:4に入力される。
【0035】
遅延DREQ選択回路72は、キューカウンタ62から入力されたカウント値に応じていずれかのエントリを選択し、選択したエントリに入力されているアクセス要求信号CH1_REQを遅延信号DELAYED_CH1_REQとして、調停回路52に出力する。これにより、カウント値に応じて遅延したタイミングで、調停回路52にアクセス要求信号CH1_REQ(遅延信号DELAYED_CH1_REQ)が入力される。なお、本実施の形態では、読出要求信号rdreqを出力するチャネルが4つ(CH2〜CH5)あり、最大、4つ分の読出要求信号rdreqに応じて書込要求信号wrreq(本実施の形態ではアクセス要求信号CH1_REQ)が調停回路52に入力されるタイミングを遅延させるため、遅延させない場合も含め5つのエントリが遅延DREQ72に設けられている。
【0036】
次に、本実施の形態の調停装置50の作用について説明するが、まず、本実施の形態の調停装置50との比較のため、調停回路52に入力される書込要求信号wrreqであるアクセス要求信号CH1_REQを抑制しない場合の調停装置の作用について説明する。具体的には、キューカウンタ62のカウント値に応じてアクセス要求信号CH1_REQが遅延されずに調停回路に入力される。
【0037】
図9にアクセス要求信号CH1_REQが抑制されずに調停回路に入力される場合の動作例とバスの帯域の状況とを説明するための説明図を示す。図9中、「Rq」はアクセス要求信号REQを示しており、「Ak」はアクセス許可信号ACKを示しており、「D」はデータ転送(データ信号DATA)を示している。また、メモリへのコマンドの流れは、メモリコントローラを介してメモリに出力されたコマンド信号COMの流れを示している。実行待ちのコマンド信号COMの順番を表しており、最下段が次に実行されるコマンド信号COMである。「W」はメモリコントローラに出力されたコマンド信号COMが書込要求信号wrreqであることを示し、「R」はメモリコントローラに出力されたコマンド信号COMが読出要求信号rdreqであることを示している。なお、図9中、同一ページに対応する許可信号のタイミングがずれているのはラウンドロビンの調停により、順番に許可が与えられているためである。
【0038】
一般にDRAMをベースとしたSDRAM(SDR、DDRを含む)メモリでは、メモリに読出要求信号rdreqが出力されてから、読み出されたデータ信号DATAが読出要求元のチャネルに出力されるまでに時間(レイテンシ)を要する。
【0039】
読出動作となる、チャネルCH2〜CH5では、読出データがメモリから要求元のチャネルに出力されるまで、次のアクセス要求信号REQが出力されない。上述のようにレイテンシが長いので、次のアクセス要求信号REQが出力されるまでに時間がかかるため、出力されるまでに書込動作となるチャネルCH1のアクセス要求信号CH1_REQが調停回路に入力され、これに応じて調停回路からアクセス許可信号CH1_ACKが出力される。具体的一例として示した図9の場合では、図9に示した期間においてチャネルCH1では8回データ転送(図9「D」参照)が行われ、チャネルCH2〜CH5では、各々2回ずつデータ転送が行われる。当該期間における帯域配分をみると、チャネルCH1は500×8/(8+2+2+2+2)-=250MB/s、チャネルCH2〜CH5は各々500×2/(8+2+2+2+2)-=62.5MB/sとなる。なお、一般的に画像形成のためのデータ読出に要する帯域は80MB/s以上を要するとされているため、図9に示した場合では、一般に必要とされている帯域が確保されていない。
【0040】
なお、図9中にTAで示したタイミングでアクセス許可信号ACKが出力されたチャネルCH2の読出要求信号rdreqは先に受け付けられているコマンド信号COMがないため、すぐに実行されるが、図9中にTBで示したタイミングでアクセス許可信号ACKが出力されたチャネルCH2の読出要求信号rdreqは先に3つの書込要求信号wrreqが連続して受け付けられているため、当該書込要求信号wrreqの処理待ちによりデータ信号DATAが読み出されるまでにさらに時間がかかる。この書込要求信号wrreqの処理待ち時間の間にまた、書込動作となるチャネルCH1のアクセス要求信号CH1_REQが調停回路に入力され、アクセス許可信号CH1_ACKが出力される。この一連の流れが続くため、読出要求信号rdreqが処理されるまでの待機時間がさらに長くなり、データ信号DATAが読み出されるまでの時間がさらに長くなり、チャネルCH2〜CH5の帯域は上述の数値よりさらに少なくなっていく。
【0041】
画像形成装置12で印刷中にデータ読出に必要とされる全帯域は、印刷中において一定値ではない。例えば、本実施の形態の画像形成装置12のようにタンデム方式の場合、図10に示すように、タンデムギャップに応じて、データ読出に必要とされる全帯域(チャネルCH2〜CH5が使用する帯域の合計)は、変化する。また、データ転送装置40からメモリ46に格納される画像データは、メモリ容量の節約等のために、一般に、画像データの全体、もしくは、一部(画像の上端、及び下端等)が圧縮されている場合がある。画像データの一部が圧縮されている場合を図11に示す。このような場合、図11に示すように、圧縮率に応じて、データ読出に必要とされる全帯域(チャネルCH2〜CH5が使用する帯域の合計)は、変化する。これに対して、データ読出に必要とされる帯域を確保するためにチャネルCH2〜CH5の各チャネルに対して一律に帯域を割り振り、チャネルCH1がデータ書込に使用する帯域を、一定値に定める等により一律に抑制した場合、データ書込には一定の転送性能が割り当てられる。これにより、データ書込みに必要な帯域が確保されない場合がある。
【0042】
次に、本実施の形態の調停装置50の作用について説明する。図12に、画像形成装置12で印刷中に画像伸張部42Y〜42Kの全てからアクセス要求信号REQが入力される最もバス47の帯域を使用する場合の動作例とバスの帯域の状況とを説明するための説明図を示す。図12中にT1で示したタイミングでアクセス要求信号CH1_REQがデータ転送装置40から出力されたときは、先に2つの読出要求信号rdreqが受け付けられているため、キューカウンタ62のカウント値=2となり、当該カウント値が抑制装置64に入力され、アクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されるまでの時間が遅延される。従って、データ転送装置40にアクセス許可信号CH1_ACKが入力されるまでの時間が遅延されるため、新たなアクセス要求信号CH1_REQがデータ転送装置40から調停回路52に出力されることを抑制する。また、図12中にT2で示したタイミングでアクセス要求信号CH1_REQがデータ転送装置40から出力されたときは、先に3つの読出要求信号rdreqと、1つの書込要求信号wrreqが受け付けられているため、キューカウンタ62のカウント値=3となり、当該カウント値が抑制装置64に入力され、アクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されるまでの時間がさらに遅延される。また、図12中にT3で示したタイミングでアクセス要求信号CH1_REQがデータ転送装置40から出力されたときは、先に2つの読出要求信号rdreqと、1つの書込要求信号wrreqが受け付けられているため、キューカウンタ62のカウント値=2となり、当該カウント値が抑制装置64に入力され、アクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されるまでの時間が遅延される。遅延される時間はキューカウンタ62のカウント値が同じであるタイミングT1と同じになり、また、タイミングT2のカウント値よりも小さくなるため遅延される時間が短くなる。
データ転送装置40にアクセス許可信号CH1_ACKが入力されるまでの時間が遅延されるため、連続して調停回路52にアクセス許可信号CH1_REQが入力されない。図12中にTAで示したタイミング及びTBで示したタイミングでアクセス許可信号ACKが出力されたチャネルCH2の読出要求信号rdreqは先に過剰な書込要求信号wrreqが受け付けられていないため、処理されるまでの待機時間が過剰な書込要求信号wrreqが受け付けられている場合に比べて短くなる。
【0043】
図12に示した期間においてチャネルCH1では3回データ転送(図12「D」参照)が行われ、チャネルCH2〜CH5では、各々2回ずつデータ転送が行われる。当該期間における帯域配分をみると、チャネルCH1は500×3/(3+2+2+2+2)-=136MB/s、チャネルCH2〜CH5は各々500×2/(3+2+2+2+2)-=91MB/sとなる。
【0044】
さらに、図13に、画像形成装置12で印刷中に本実施の形態に係る調停装置に入力されるアクセス要求信号REQの変化により、使用される帯域が変化する場合の調停装置の動作例とバスの帯域の状況とを説明するための説明図を示す。図13では、印刷中にチャネルCH3からアクセス要求信号CH3_REQ及び、チャネルCH4からアクセス要求信号CH4_REQが調停回路52に入力されない場合がある動作を示している。そのため、読出要求信号rdreqが少なくなっている。図13中にT1で示したタイミングでは、先に2つの読出要求信号rdreqが受け付けられているため、キューカウンタ62のカウント値=2に応じて抑制装置64によりアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されるまでの時間が遅延される。また、図13中にT2で示したタイミングでは、先に3つの読出要求信号rdreqと、1つの書込要求信号wrreqが受け付けられているため、キューカウンタ62のカウント値=3に応じて抑制装置64によりアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されるまでの時間が遅延される。また、図13中にT3で示したタイミングでは、先に1つの読出要求信号rdreqと、1つの書込要求信号wrreqが受け付けられているため、キューカウンタ62のカウント値=1に応じて抑制装置64によりアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されるまでの時間が遅延される。なお、図12中に示したタイミングT3では、キューカウンタ62のカウント値=2であり、この場合よりも図13に示した場合の方がカウン値が小さいため、遅延される時間は短くなる。これにより、書込要求信号wrreqの処理数が多くなる。
【0045】
図13に示した期間においてチャネルCH1では4回データ転送(図13「D」参照)が行われ、チャネルCH2、CH5では各々2回ずつ、チャネルCH1、CH2では各々1回ずつデータ転送が行われる。当該期間における帯域配分をみると、チャネルCH1は500×4/(4+2+1+1+2)-=200MB/s、チャネルCH2、CH5は各々500×2/(4+2+1+1+2)-=100MB/s、チャネルCH3、CH4は各々500×1/(4+2+1+1+2)-=50MB/s、となる。
【0046】
図12、図13を参照して説明したように、本実施の形態では、データ読出しに必要な帯域に応じて、書込みに必要な帯域が確保される。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係る調停装置の概略構成の一例のブロック図を図14に示す。第2の実施の形態の調停装置80は、第1の実施の形態の調停装置50に備えられていたキューカウンタ62の替りに各ページのアクティブ数カウンタ82を備えた以外は、第1の実施の形態と略同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0047】
各ページのアクティブ数カウンタ82の概略構成の一例のブロック図を図15に示す。本実施の形態の各ページのアクティブ数カウンタ82は、デコーダ83を含んで構成されている。デコーダ83には、画像形成装置12から、ページアクティブ信号PS_Y、PS_M、PS_C、PS_Kが入力される。ページアクティブ信号PS_Y〜PS_Kの一例を図16に示す。アクティブ状態の場合は信号値は「1」を示し、非アクティブの場合は信号値は「0」を示す。ページアクティブ信号とは、画像形成装置12が読出要求信号rdreqに応じてメモリ46から読み出されて画像形成装置12に出力された画像データにより、同一の記録媒体(同一ページ)に画像を形成するために動作した(アクティブ)か否(非アクティブ)かを表している。より具体的にはCMYKの何れの画像を形成するために動作したかを表している。
【0048】
図17にデコーダ83で使用される真理値表の一例を示す。このように本実施の形態のデコーダ83は、4つのページアクティブ信号PS_Y〜PS_Kのうち、アクティブ状態を示す信号値「1」が入力された数をカウント値として抑制装置64に出力する。
【0049】
抑制装置64では、入力されたカウント値に応じて第1の実施の形態と同様に、書込要求信号wrreq(本実施の形態ではアクセス要求信号CH1_REQ)が調停回路52に入力されるタイミングを遅延させる。
【0050】
このように本実施の形態では、読出要求信号rdreqに対応するページアクティブ信PS_Y〜PS_Kのアクティブ数をデコーダ83でカウントし、カウント値に応じて抑制装置64がアクセス要求信号CH1_REQ)が調停回路52に入力されるタイミングを遅延させるため、第1の実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0051】
以上説明したように、第1の実施の形態の調停装置50では、キューカウンタ62及び抑制装置64を備え、キューカウンタ62が書込要求信号wrreqが入力されたときに、読出データの読み出しが行われていない読出要求信号rdreqの数をカウントしてカウント値として抑制装置64に出力し、抑制装置64は、入力されたカウント値に応じて、チャネルCH1からのアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力される時間を遅延させることにより、チャネルCH1のアクセスを抑制する。
【0052】
また、第2の実施の形態の調停装置80では、各ページのアクティブ数カウンタ82及び抑制装置64を備え、各ページのアクティブ数カウンタ82が画像形成装置12が読出要求信号rdreqに応じてメモリ46から読み出されて画像形成装置12に出力された画像データにより、同一のページに画像を形成するために動作したアクティブ数をカウントしてカウント値として抑制装置64に出力し、抑制装置64は、入力されたカウント値に応じて、チャネルCH1からのアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力される時間を遅延させることにより、チャネルCH1のアクセスを抑制する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態に比べ、より簡易な回路を用いて調停装置80が構成される。
【0053】
このように、カウント値に応じてアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されるまでの遅延時間を調整しているため、連続してアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されず、書込要求信号wrreqが連続して処理されることがないため、読出要求信号rdreqの処理が速やかに行われるようになり、画像データ読出のためのバス47の帯域が確保される。また、画像データ読出しに必要なバス47の帯域に応じて書込みに必要なバス47の帯域が確保される。
【0054】
画像データの読出のために必要な帯域は一般に、画像データが圧縮等されていない場合は、1色当り80MB/sである。そのため、実際に80MB/sの帯域を全て使用するか否かにかかわらず、4色では、80×4=320MB/s必要となる。従って、画像データ書込に必要な帯域も同様に320MB/s必要となり、合わせて620MB/sが必要になる。しかしながらバス47のメモリ帯域は、500MB/sであるため、500MB/s以下になるように圧縮した画像データを用いる場合が一般にある。しかしながら、画像データの画質を維持するために可逆方式により圧縮すると、圧縮率が小さいため、500MB/s以下に圧縮されない場合がある。これを500MB/s以下になるように圧縮すると画像データの画質が維持されない場合がある。しかしながら第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、キューカウンタ62または各ページのアクティブ数カウンタ82のカウント値に応じてアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されるまでの遅延時間を調整しているため、実際に画像データの読出に使用する帯域を確保し、確保した帯域の残りの帯域を画像データの書込に割り当てるため、上述のように1色当り80MB/sを一律に割り当てた場合よりも多くの帯域を画像データの書込みに割り当てられる。従って、画像データの画質が維持される。
【0055】
なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態は、本発明を制限するものではない。第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、抑制装置64が入力されたカウント値に応じて、チャネルCH1からのアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力される時間を遅延させることにより、チャネルCH1のアクセスを抑制しているがこれに限らず、図18に示した調停装置51の抑制装置65及び図19に示した調停装置81の抑制装置65のように、入力されたカウント値に応じて、調停回路52から出力されたアクセス許可信号CH1_ACKがデータ転送装置40に入力されるまでの時間を遅延させることにより、チャネルCH1のアクセスを抑制するように構成してもよい。
【0056】
また、抑制装置64に入力されるカウント値は第1の実施の形態及び第2の実施の形態に限らず、例えばキューカウンタ62は、リードキュー58で読出要求信号rdreqを受け付けた数をカウントして、カウント値を抑制装置64に出力するようにしてもよい。また、画像伸張部42Y〜42Kから出力されたアクセス要求信号CH2_REQ〜CH5_REQの数、もしくは調停回路52に入力されたアクセス要求信号CH2_REQ〜CH5_REQの数をカウントするようにしてもよい。
【0057】
また、I/Fボード30をDFE10に備えるように構成しているが、これに限らず、I/Fボード30は、別の画像処理装置、例えば、DFE10と、画像形成装置12との間に設けられた画像処理装置等に備えるよう構成してもよい。
【0058】
また、画像形成装置12をタンデム方式のプリンタとしているがこれに限らず、画像形成装置はその他のプリンタ等であってもよい。なお、上述のようにタンデムギャップがあるため、タンデム方式のプリンタに適用するとよい。
【0059】
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、調停装置50は、画像データをメモリ46に格納する書込要求及びメモリ46から読み出す読出要求に対してバス47の使用権を調停する装置としているがこれに限らず、画像データ以外のデータをメモリ46に格納する書込要求及びメモリ46から読み出す読出要求に対してバス47の使用権を調停する装置であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
8 画像形成システム
10 DFE(デジタルフロントエンドプロセッサ)
12 画像形成装置
30 I/Fボード
50、80 調停装置
52 ラウンドロビン方式調停回路
62 Queカウンタ
64 抑制装置
82 各ページのアクティブ数カウンタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、調停装置、画像処理装置、及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、記録ヘッドを用いて記録を行なう記録装置であって、外部から入力した入力データを格納する受信バッファと、前記受信バッファに格納された入力データを変換する変換手段と、前記変換手段にて変換されたデータを格納するプリントバッファと、前記受信バッファ及び前記プリントバッファにバースト転送を行う複数のDMA手段と、前記DMA手段をアビトレーションするアービタ手段と、前記アービタ手段にてアビトレーションされたDMA手段を制御するメモリ制御手段と、前記メモリ制御手段は、前記受信バッファと前記プリントバッファに対してアクセスする際、所定の動作モードで動作可能であって、前記DMA手段は、前記記録装置の状態に応じて前記バースト転送における転送量を変更することを特徴とする記録装置が、記載されている。
【0003】
特許文献2には、通信ネットワーク上を伝送されるデータについて、そのデータに対する伝送の優先順位を示す優先順位情報を受信する受信手段と、所定データの送受信に対して、専用の時間帯を設ける専用時間帯設定手段と、前記受信手段により前記優先順位情報を受信すると、現在の時刻が前記専用時間帯であるか否かを判定し、前記専用時間帯内であると判定された場合は、受信した前記優先順位情報に基づいて、データ伝送の制限または中断を行うデータ伝送制御手段と、を備えることを特徴とするデータ伝送制御装置が記載されている。
【0004】
特許文献3には、アクセス対象にアクセスする複数の要求元のそれぞれに対して設けられ、要求元に対する優先順位を保持する順位レジスタと、前記要求元かあら前記アクセス対象へのアクセス要求が入力されることにより、前記順位レジスタから取得した前記優先順位を付加する順位出力手段と、前記順位出力手段によって付加された前記優先順位から最も高い優先順位を確定する順位確定手段と、前記順位確定手段によって確定された優先順位の前記要求元に対してアクセス許可を発する許可発行手段と、を含む調停回路であって、前記順位レジスタを、アクセス許可が発せられたときに前記優先順位が更新される巡回順位グループを含む複数のグループに分割されると共に、前記複数のグループ間で優先順位が設定された順位レジスタ部と、前記巡回順位グループ内の前記順位レジスタに対応する前記要求元に前記アクセス許可が発行されたときに、該当巡回順位グループ内の該当順位レジスタの優先順位をグループ内の最下位とすると共に、該当順位より下位の順位レジスタが保持する優先順位を繰り上げることにより順位レジスタが保持する優先順位の更新を行う変更制御手段と、を含むことを特徴とする調停解とが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−225010号公報
【特許文献2】特開2006−174346号公報
【特許文献3】特開2007−052545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、書込要求信号が連続して調停手段に入力される場合に比べて、読み出しに必要な伝送路の帯域に応じて書込みに必要な伝送路の帯域を確保する、調停装置、画像処理装置、及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の調停装置は、伝送路を使用して記憶手段に情報を書き込むための書込要求信号及び前記伝送路を使用して前記記憶手段から情報を読み出すための読出要求信号が複数の要求元から入力されると共に、入力された前記書込要求信号及び前記読出要求信号に対する前記伝送路の使用権を予め定められた優先順位に基づいて調停し、調停が整った場合に使用許可信号を前記要求元に出力する調停手段と、前記要求元から出力された前記読出要求信号または前記読出要求信号に対応する信号の数を計数する計数手段と、前記書込要求信号が連続して前記調停手段に入力されないように、前記書込要求信号が出力されてから前記調停手段へ入力されるまでの時間、または前記調停手段から前記書込要求信号に対する前記使用許可信号が出力されてから前記要求元に入力されるまでの時間の少なくとも一方の時間を前記計数手段の計数値に応じて遅延させる遅延手段と、を備える。
【0008】
請求項2に記載の調停装置は、請求項1に記載の調停装置において、前記読出要求信号に対応する信号は、前記要求元から前記書込要求信号が出力されたときの前記記憶手段からの情報の読み出しが行われていない前記読出要求信号である。
【0009】
請求項3に記載の調停装置は、請求項1に記載の調停装置において、前記読出要求信号に対応する信号は、前記要求元から出力された前記読出要求信号により前記記憶手段から読み出された情報に応じて記録媒体に画像を形成するための画像形成装置から出力された、同一の前記記録媒体に画像を形成するための前記読出要求信号の数に対応する信号である。
【0010】
請求項4に記載の画像処理装置は、画像情報に予め定められた画像処理を行う画像処理手段と、前記画像処理手段により画像処理された画像情報を記憶する記憶手段と、伝送路を使用して前記記憶手段に画像情報を書き込むための書込要求信号及び前記伝送路を使用して前記記憶手段から画像情報を読出すための読出要求信号に対する前記伝送路の使用権を予め定められた優先順位に基づいて調停し、使用許可信号を前記要求元に出力する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の前記調停装置と、を備える。
【0011】
請求項5に記載の画像形成システムは、請求項4に記載の画像処理装置と、前記画像処理装置により画像処理された画像情報に基づいて画像を記録媒体に形成する画像形成手段と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、請求項4、及び請求項5に係る発明によれば、書込要求信号が連続して調停手段に入力される場合に比べて、読み出しに必要な伝送路の帯域に応じて書込みに必要な伝送路の帯域が確保される。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、要求元から書込要求信号が出力されたときの記憶手段からの情報の読み出しが行われていない読出要求信号以外を計数する場合に比べて、読み出しに必要な伝送路の帯域に応じて書込みに必要な伝送路の帯域が確保される。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、画像形成装置から出力された、同一の記録媒体に画像を形成するための読出要求信号の数に対応する信号を計数しない場合に比べて、計数手段が簡易に構成される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施の形態に係る画像形成システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に係るデジタルフロントエンドプロセッサの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係るデジタルフロントエンドプロセッサで行われる画像処理を説明するための説明図である。
【図4】第1の実施の形態に係るI/Fボードの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態に係る調停装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図6】第1の実施の形態に係るリードキュー及びキューカウンタの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図7】第1の実施の形態に係るリードキュー及びキューカウンタで使用されるM_R_VALID信号の動作タイミングの一例を示す説明図である。
【図8】第1の実施の形態に係る抑制装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図9】第1の実施の形態に係る調停装置との比較のために、書込要求信号が抑制されずに調停回路に入力される場合の動作例とバスの帯域の状況の一例を説明するための説明図である。
【図10】タンデムギャップに応じて、データ読出に必要とされる全帯域(チャネルCH2〜CH5が使用する帯域の合計)の変化の一例を説明するための説明図である。
【図11】画像データの圧縮率に応じて、データ読出に必要とされる全帯域(チャネルCH2〜CH5が使用する帯域の合計)の変化の一例を説明するための説明図である。
【図12】第1の実施の形態に係る調停装置に全ての画像伸張部からアクセス要求信号REQが入力される場合の調停装置の動作例とバスの帯域の状況との一例を説明するための説明図である。
【図13】第1の実施の形態に係る調停装置に入力されるアクセス要求信号REQが変化する場合の調停装置の動作例とバスの帯域の状況との一例を説明するための説明図である。
【図14】第2の実施の形態に係る調停装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図15】第2の実施の形態に係る各ページのアクティブ数カウンタの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図16】第2の実施の形態に係る各ページのアクティブ数カウンタに画像形成装置から入力されるページアクティブ信号の一例を説明するための説明図である。
【図17】第2の実施の形態に係る各ページのアクティブ数カウンタで用いられる真理値の一例を示す説明図である。
【図18】調停回路から出力されたアクセス許可信号CH1_ACKがデータ転送装置40に入力されるまでの時間を遅延させる調停装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図19】調停回路から出力されたアクセス許可信号CH1_ACKがデータ転送装置40に入力されるまでの時間を遅延させる調停装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して第1の実施の形態について詳細に説明する。
ます、本実施の形態の画像形成システム、DFE(デジタルフロントエンドプロセッサ、及び遅延装置の概略構成について説明する。
図1は、第1の実施の形態の画像形成システムの概略構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態の画像形成システム8は、具体的一例として、画像処理を行うDFE(Digital Front End Processor、デジタルフロントエンドプロセッサ)10と、DFE10とプリンタインターフェイス(以下、インターフェイスをI/Fと言う)ケーブルで接続された画像形成装置12と、で構成されている。
【0017】
画像形成装置12は、DFE10から入力された画像データに基づいて画像を記録媒体上に形成(以下、印刷と言う)する、いわゆるプリンタ等である。本実施の形態では、一例として、記録媒体上にY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、及びK(ブラック)の4色の画像を重ね合せてカラー画像を形成するカラープリンタであり、より具体的には、複数の感光体を記録媒体の搬送方向に並べてそれぞれの感光体において各色成分毎の画像を記録媒体上に形成して原画像を再生するいわゆる、タンデム方式のカラー画像形成装置である。
【0018】
DFE10は、画像形成装置12により画像形成を行うための画像処理等を行うコントローラであり、例えば、Post ScriptやPDF等のPDL(ページ記述言語)で記述された画像データをRIP(Raster Image Processing)処理して、イメージデータに変換したりするものである。DFE10でRIP処理された画像データは、プリンタI/Fケーブルを介して、画像形成装置12に送信される。
【0019】
本実施の形態のDFE10の概略構成の一例のブロック図を図2に、DFE10で行われる処理の流れの一例を図3に示す。本実施の形態のDFE10は、パーソナルコンピュータをベースとしており、具体的には、CPU14、システムメモリ16、バススイッチ18、HDD20、外部装置と通信するための通信手段としてのネットワークカード22、及びI/Fボード30を備えて構成されている。DFE10では、図3に示すように、PDLで記述された画像データにRIP処理を行い、RIP処理された画像データに、例えばRGBからYMCKに色空間を変換する色調整等の画像処理を行う。さらに、画像処理された画像データの画像圧縮(データ圧縮)を行う。このようにして画像処理された画像データは、I/Fボード30を介してプリンタI/Fケーブルにより画像形成装置12に出力される。
【0020】
本実施の形態の画像形成装置12は、具体的一例として、例えばA4サイズで毎分100ページの印刷を行う高速のプリンタであり、そのためDFE10は、印刷に追随した画像データをリアルタイムで画像形成装置12に出力する。しかしながら、図3に示した各処理の動作は、リアルタイムが保証されていない場合があるため、DFE10のI/Fボード30は、大容量(具体的一例として1Gバイトを超える容量)のメモリを備えており、メモリに画像データを格納し、当該メモリからの出力についてリアルタイムを保証することにより、画像形成装置12の印刷速度に追随させる。
【0021】
図4に、I/Fボード30の概略構成の一例のブロック図を示す。I/Fボード30は、ローカルCPU32、ROM34、RAM36、バスブリッジ38、データ転送装置40、画像伸張部42Y、42M、42C、42K、画像処理部44Y、44M、44C、44K、メモリ46、メモリコントローラ48、及び調停装置50を備えて構成されている。本実施の形態では、具体的一例として、FPGA(Field Programmable Gate Array)として構成されている。ローカルCPU32、ROM34、RAM36、バスブリッジ38、及び調停装置50は、バス31を介して相互にデータ等が授受されるように接続されている。
ローカルCPU32は、I/Fボード30全体の制御を行うものであり、画像データや、印刷に関するデータ等の転送を制御する。ローカルCPU32で実行される各種制御の制御プログラムは、ROM34に格納されている。RAM36は、ローカルCPU32で制御プログラムを実行する際の作業用の領域を確保するものである。
【0022】
本実施の形態のバスブリッジ38は、具体的一例として、PCIやPCIexpressと、I/Fボード30のローカルバス(バス31)やデータ転送バスと、の橋渡しを行う。データ転送装置40は、DFE10からメモリ46へデータを転送するためにDMA(ダイレクトメモリアクセス)方式で動作する。画像伸張部42Y〜42Kは、データ転送装置40を介してメモリ46に転送されてきた圧縮されたデータを、メモリ46から読み出して伸張するものである。画像処理部44Y〜44Kは、画像の濃度の調整等を行うものである。
【0023】
本実施の形態のメモリ46は、具体的一例として、DRAMをベースとしたSDRAM(SDR(Single Data Rate)、DDR(Double Data Rate)等を含む)である。メモリコントローラ48は、調停装置50から書き込み(Write)、読み出し(Read)のコマンドを受けると、メモリ46のI/Fに応じたアクセスを行うものである。本実施の形態では、具体的一例として、メモリ46へのアクセス帯域性能は、DRAMベースのDDR−SDRAMのランダムアクセスにおける標準的な性能である500MB/sのバス47を用いている。
【0024】
調停装置50は、チャネルCH1(データ転送装置40)からのメモリ46に画像データを格納するための格納要求(書込要求)、チャネルCH2(画像伸張部42Y)、チャネルCH3(画像伸張部42M)、チャネルCH4(画像伸張部42C)、チャネルCH5(画像伸張部42K)からのメモリ46から画像情報を読み出すための読出要求、及びチャネルCHn(ローカルCPU32)に対して、バス47を使用する使用権を優先順位に基づいて調停することにより、画像データの転送性能の調整をするものである。
【0025】
図5に、調停装置50の概略構成の一例のブロック図を示す。本実施の形態の調停装置50は、ラウンドロビン方式調停回路52(以下、単に調停回路52と言う)、コマンド選択回路54、ライトデータ選択回路56、リードキュー58、リードデータ選択回路60、キューカウンタ62、及び抑制装置64を備えて構成されている。
【0026】
ラウンドロビン方式調停回路52では、調停を要求するチャネル(CH1〜CH5、CHn)毎に優先度レジスタ(図示省略)を設け、バス権を有するチャネルがバスの使用を終了するたびに、当該チャネルの優先度を最下位に下げると共に、優先度の低いチャネルの優先度レジスタの内容を1レベルずつ繰り上げるようにしている。なお、本実施の形態では、具体的一例としてラウンドロビン方式の調停回路としているが、これに限らず、複数の要求元からの要求を調停する任意の構成のアービタを用いてもよい。
【0027】
ラウンドロビン方式調停回路52は、データ転送装置40(CH1)、画像伸張部42Y〜42K(CH2〜CH5)、及びローカルCPU32(CHn)からのアクセス要求信号REQ(CH1_REQ〜CH5_REQ、CHn_REQ)が入力されると、アクセス要求信号REQに応じてバス47の使用権を調停し、アクセス許可信号ACK(CH1_ACK〜CH5_ACK、CHn_ACK)を出力する。各チャネルは、アクセス許可信号ACKを受け取ると、コマンド信号COM(CH1_COM〜CH5_COM、CHnCOM)を発行し、データ信号DATA(CH1_DATA〜CH5_DATA、CHn_DATA)の転送を開始する。
【0028】
コマンド選択回路54は、各チャネルから入力されるコマンド信号COMを調停回路52の調停に基づいて選択し、選択した信号(M_COM)をメモリコントローラ48に出力する。ライトデータ選択回路56は、チャネルCH1から入力されるデータ信号DATA(CH1_DATA)及びCHnから入力されるデータ信号DATA(CHn_DATA)のいずれかを調停回路52の調停に基づいて選択し、選択したDATA信号(M_W_DATA)をメモリコントローラ48に出力する。
リードキュー58は、チャネルCH2〜CH5の読出要求信号rdreqに対するデータ信号DATAの出力に時間がかかるため、読出要求信号rdreqを受け付けたチャネル(CH2〜CH5)の順番を記憶し、メモリコントローラ48からの読出データ信号(M_R_DATA)がどのチャネルかを識別するためのものである。リードデータ選択回路60は、メモリコントローラ48を介して入力された、メモリ46から読み出されたデータ信号(M_R_DATA)をリードキュー58に基づいて、該当するチャネル(CH2〜CH5)に選択出力する。
【0029】
キューカウンタ62は、リードキュー58で読出要求信号rdreqを受け付けたチャネル数を計数するカウンタである。抑制装置64は、キューカウンタ62のカウント値に応じて、チャネルCH1からのアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力される時間を遅延させることにより、チャネルCH1のアクセスを抑制するものである。なお、本実施の形態のキューカウンタ62は計数手段に対応する一例であり、抑制装置64は遅延手段に対応する一例である。
【0030】
図6にリードキュー58及びキューカウンタ62の概略構成の一例のブロック図を示す。また、図7にリードキュー58及びキューカウンタ62で使用されるデータ信号M_R_VALID信号の動作タイミングを説明するための説明図を示す。
【0031】
図6に示すように、リードキュー58は、FIFO(First In First Out)方式のデータ格納手段59を含んで構成されている。データ格納手段59には、調停回路52により許可されたチャネルの番号(1〜5、n)が入力される。また、書込要求を示す書込信号wrreq及び読出要求rdreqを示す読出信号M_R_VALIDが入力される(図5中では図示省略)。これらの入力された信号に応じて、現在読み出されるべきチャネルの番号をリードデータ選択回路60に出力する。
【0032】
リードデータ選択回路60は、リードキュー58から入力された現在読み出されるべきチャネル番号と、メモリコントローラ48から入力された信号M_R_VALIDと、に基づいてメモリ46から読み出された読出データを選択されたチャンネルにデータ信号DATAとして出力する。M_R_VALID信号は、メモリコントローラ48が出力するメモリ46から読み出した読出データの有効期間を示す信号であり、具体的に本実施の形態では、図7に示すように、信号がハイレベル(「1」)に切り替わってからローレベル(「0」)に切り替わるまでを一まとまりの読出データとしている。図7では、M_R_VALID信号がチャネルCH2の読出データと、チャネルCH3の読出データとを表す場合を示している。
【0033】
キューカウンタ62は、UP(アップ)/DN(ダウン)カウンタ63を含んで構成されている。UP/DNカウンタ63は、M_R_VALID信号に応じてカウントダウンし、書込要求信号wrreqに応じてカウントアップすると共に、カウント値が抑制装置64に出力される。これにより本実施の形態では、書込要求信号wrreqが入力されたときに、読出データの読み出しが行われていない読出要求信号rdreqの数をカウント値として抑制装置64に出力する。
【0034】
図8に抑制装置64の概略構成の一例のブロック図を示す。本実施の形態の抑制装置64は、4つのシフトレジスタ(シフトレジスタ701〜704)及び遅延DREQ選択回路72を含んで構成されている。チャネルCH1から出力されたアクセス要求信号CH1_REQは、シフトレジスタ701〜704によって、遅延されたタイミングで、遅延DREQ選択回路72の各エントリに入力される。本実施の形態では具体的には、タイミングの遅延無しにエントリ:0に入力され、これよりもシフトレジスタ701によってタイミングが遅延されてエントリ:1に入力される。さらに、エントリ:1よりもシフトレジスタ701によってタイミングが遅延されてエントリ:1に入力される。さらにシフトレジスタ702によってタイミングが遅延されてエントリ:2に入力され、さらにシフトレジスタ703によってタイミングが遅延されてエントリ:3に入力され、シフトレジスタ704によってタイミングが遅延されてエントリ:4に入力される。
【0035】
遅延DREQ選択回路72は、キューカウンタ62から入力されたカウント値に応じていずれかのエントリを選択し、選択したエントリに入力されているアクセス要求信号CH1_REQを遅延信号DELAYED_CH1_REQとして、調停回路52に出力する。これにより、カウント値に応じて遅延したタイミングで、調停回路52にアクセス要求信号CH1_REQ(遅延信号DELAYED_CH1_REQ)が入力される。なお、本実施の形態では、読出要求信号rdreqを出力するチャネルが4つ(CH2〜CH5)あり、最大、4つ分の読出要求信号rdreqに応じて書込要求信号wrreq(本実施の形態ではアクセス要求信号CH1_REQ)が調停回路52に入力されるタイミングを遅延させるため、遅延させない場合も含め5つのエントリが遅延DREQ72に設けられている。
【0036】
次に、本実施の形態の調停装置50の作用について説明するが、まず、本実施の形態の調停装置50との比較のため、調停回路52に入力される書込要求信号wrreqであるアクセス要求信号CH1_REQを抑制しない場合の調停装置の作用について説明する。具体的には、キューカウンタ62のカウント値に応じてアクセス要求信号CH1_REQが遅延されずに調停回路に入力される。
【0037】
図9にアクセス要求信号CH1_REQが抑制されずに調停回路に入力される場合の動作例とバスの帯域の状況とを説明するための説明図を示す。図9中、「Rq」はアクセス要求信号REQを示しており、「Ak」はアクセス許可信号ACKを示しており、「D」はデータ転送(データ信号DATA)を示している。また、メモリへのコマンドの流れは、メモリコントローラを介してメモリに出力されたコマンド信号COMの流れを示している。実行待ちのコマンド信号COMの順番を表しており、最下段が次に実行されるコマンド信号COMである。「W」はメモリコントローラに出力されたコマンド信号COMが書込要求信号wrreqであることを示し、「R」はメモリコントローラに出力されたコマンド信号COMが読出要求信号rdreqであることを示している。なお、図9中、同一ページに対応する許可信号のタイミングがずれているのはラウンドロビンの調停により、順番に許可が与えられているためである。
【0038】
一般にDRAMをベースとしたSDRAM(SDR、DDRを含む)メモリでは、メモリに読出要求信号rdreqが出力されてから、読み出されたデータ信号DATAが読出要求元のチャネルに出力されるまでに時間(レイテンシ)を要する。
【0039】
読出動作となる、チャネルCH2〜CH5では、読出データがメモリから要求元のチャネルに出力されるまで、次のアクセス要求信号REQが出力されない。上述のようにレイテンシが長いので、次のアクセス要求信号REQが出力されるまでに時間がかかるため、出力されるまでに書込動作となるチャネルCH1のアクセス要求信号CH1_REQが調停回路に入力され、これに応じて調停回路からアクセス許可信号CH1_ACKが出力される。具体的一例として示した図9の場合では、図9に示した期間においてチャネルCH1では8回データ転送(図9「D」参照)が行われ、チャネルCH2〜CH5では、各々2回ずつデータ転送が行われる。当該期間における帯域配分をみると、チャネルCH1は500×8/(8+2+2+2+2)-=250MB/s、チャネルCH2〜CH5は各々500×2/(8+2+2+2+2)-=62.5MB/sとなる。なお、一般的に画像形成のためのデータ読出に要する帯域は80MB/s以上を要するとされているため、図9に示した場合では、一般に必要とされている帯域が確保されていない。
【0040】
なお、図9中にTAで示したタイミングでアクセス許可信号ACKが出力されたチャネルCH2の読出要求信号rdreqは先に受け付けられているコマンド信号COMがないため、すぐに実行されるが、図9中にTBで示したタイミングでアクセス許可信号ACKが出力されたチャネルCH2の読出要求信号rdreqは先に3つの書込要求信号wrreqが連続して受け付けられているため、当該書込要求信号wrreqの処理待ちによりデータ信号DATAが読み出されるまでにさらに時間がかかる。この書込要求信号wrreqの処理待ち時間の間にまた、書込動作となるチャネルCH1のアクセス要求信号CH1_REQが調停回路に入力され、アクセス許可信号CH1_ACKが出力される。この一連の流れが続くため、読出要求信号rdreqが処理されるまでの待機時間がさらに長くなり、データ信号DATAが読み出されるまでの時間がさらに長くなり、チャネルCH2〜CH5の帯域は上述の数値よりさらに少なくなっていく。
【0041】
画像形成装置12で印刷中にデータ読出に必要とされる全帯域は、印刷中において一定値ではない。例えば、本実施の形態の画像形成装置12のようにタンデム方式の場合、図10に示すように、タンデムギャップに応じて、データ読出に必要とされる全帯域(チャネルCH2〜CH5が使用する帯域の合計)は、変化する。また、データ転送装置40からメモリ46に格納される画像データは、メモリ容量の節約等のために、一般に、画像データの全体、もしくは、一部(画像の上端、及び下端等)が圧縮されている場合がある。画像データの一部が圧縮されている場合を図11に示す。このような場合、図11に示すように、圧縮率に応じて、データ読出に必要とされる全帯域(チャネルCH2〜CH5が使用する帯域の合計)は、変化する。これに対して、データ読出に必要とされる帯域を確保するためにチャネルCH2〜CH5の各チャネルに対して一律に帯域を割り振り、チャネルCH1がデータ書込に使用する帯域を、一定値に定める等により一律に抑制した場合、データ書込には一定の転送性能が割り当てられる。これにより、データ書込みに必要な帯域が確保されない場合がある。
【0042】
次に、本実施の形態の調停装置50の作用について説明する。図12に、画像形成装置12で印刷中に画像伸張部42Y〜42Kの全てからアクセス要求信号REQが入力される最もバス47の帯域を使用する場合の動作例とバスの帯域の状況とを説明するための説明図を示す。図12中にT1で示したタイミングでアクセス要求信号CH1_REQがデータ転送装置40から出力されたときは、先に2つの読出要求信号rdreqが受け付けられているため、キューカウンタ62のカウント値=2となり、当該カウント値が抑制装置64に入力され、アクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されるまでの時間が遅延される。従って、データ転送装置40にアクセス許可信号CH1_ACKが入力されるまでの時間が遅延されるため、新たなアクセス要求信号CH1_REQがデータ転送装置40から調停回路52に出力されることを抑制する。また、図12中にT2で示したタイミングでアクセス要求信号CH1_REQがデータ転送装置40から出力されたときは、先に3つの読出要求信号rdreqと、1つの書込要求信号wrreqが受け付けられているため、キューカウンタ62のカウント値=3となり、当該カウント値が抑制装置64に入力され、アクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されるまでの時間がさらに遅延される。また、図12中にT3で示したタイミングでアクセス要求信号CH1_REQがデータ転送装置40から出力されたときは、先に2つの読出要求信号rdreqと、1つの書込要求信号wrreqが受け付けられているため、キューカウンタ62のカウント値=2となり、当該カウント値が抑制装置64に入力され、アクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されるまでの時間が遅延される。遅延される時間はキューカウンタ62のカウント値が同じであるタイミングT1と同じになり、また、タイミングT2のカウント値よりも小さくなるため遅延される時間が短くなる。
データ転送装置40にアクセス許可信号CH1_ACKが入力されるまでの時間が遅延されるため、連続して調停回路52にアクセス許可信号CH1_REQが入力されない。図12中にTAで示したタイミング及びTBで示したタイミングでアクセス許可信号ACKが出力されたチャネルCH2の読出要求信号rdreqは先に過剰な書込要求信号wrreqが受け付けられていないため、処理されるまでの待機時間が過剰な書込要求信号wrreqが受け付けられている場合に比べて短くなる。
【0043】
図12に示した期間においてチャネルCH1では3回データ転送(図12「D」参照)が行われ、チャネルCH2〜CH5では、各々2回ずつデータ転送が行われる。当該期間における帯域配分をみると、チャネルCH1は500×3/(3+2+2+2+2)-=136MB/s、チャネルCH2〜CH5は各々500×2/(3+2+2+2+2)-=91MB/sとなる。
【0044】
さらに、図13に、画像形成装置12で印刷中に本実施の形態に係る調停装置に入力されるアクセス要求信号REQの変化により、使用される帯域が変化する場合の調停装置の動作例とバスの帯域の状況とを説明するための説明図を示す。図13では、印刷中にチャネルCH3からアクセス要求信号CH3_REQ及び、チャネルCH4からアクセス要求信号CH4_REQが調停回路52に入力されない場合がある動作を示している。そのため、読出要求信号rdreqが少なくなっている。図13中にT1で示したタイミングでは、先に2つの読出要求信号rdreqが受け付けられているため、キューカウンタ62のカウント値=2に応じて抑制装置64によりアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されるまでの時間が遅延される。また、図13中にT2で示したタイミングでは、先に3つの読出要求信号rdreqと、1つの書込要求信号wrreqが受け付けられているため、キューカウンタ62のカウント値=3に応じて抑制装置64によりアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されるまでの時間が遅延される。また、図13中にT3で示したタイミングでは、先に1つの読出要求信号rdreqと、1つの書込要求信号wrreqが受け付けられているため、キューカウンタ62のカウント値=1に応じて抑制装置64によりアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されるまでの時間が遅延される。なお、図12中に示したタイミングT3では、キューカウンタ62のカウント値=2であり、この場合よりも図13に示した場合の方がカウン値が小さいため、遅延される時間は短くなる。これにより、書込要求信号wrreqの処理数が多くなる。
【0045】
図13に示した期間においてチャネルCH1では4回データ転送(図13「D」参照)が行われ、チャネルCH2、CH5では各々2回ずつ、チャネルCH1、CH2では各々1回ずつデータ転送が行われる。当該期間における帯域配分をみると、チャネルCH1は500×4/(4+2+1+1+2)-=200MB/s、チャネルCH2、CH5は各々500×2/(4+2+1+1+2)-=100MB/s、チャネルCH3、CH4は各々500×1/(4+2+1+1+2)-=50MB/s、となる。
【0046】
図12、図13を参照して説明したように、本実施の形態では、データ読出しに必要な帯域に応じて、書込みに必要な帯域が確保される。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係る調停装置の概略構成の一例のブロック図を図14に示す。第2の実施の形態の調停装置80は、第1の実施の形態の調停装置50に備えられていたキューカウンタ62の替りに各ページのアクティブ数カウンタ82を備えた以外は、第1の実施の形態と略同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0047】
各ページのアクティブ数カウンタ82の概略構成の一例のブロック図を図15に示す。本実施の形態の各ページのアクティブ数カウンタ82は、デコーダ83を含んで構成されている。デコーダ83には、画像形成装置12から、ページアクティブ信号PS_Y、PS_M、PS_C、PS_Kが入力される。ページアクティブ信号PS_Y〜PS_Kの一例を図16に示す。アクティブ状態の場合は信号値は「1」を示し、非アクティブの場合は信号値は「0」を示す。ページアクティブ信号とは、画像形成装置12が読出要求信号rdreqに応じてメモリ46から読み出されて画像形成装置12に出力された画像データにより、同一の記録媒体(同一ページ)に画像を形成するために動作した(アクティブ)か否(非アクティブ)かを表している。より具体的にはCMYKの何れの画像を形成するために動作したかを表している。
【0048】
図17にデコーダ83で使用される真理値表の一例を示す。このように本実施の形態のデコーダ83は、4つのページアクティブ信号PS_Y〜PS_Kのうち、アクティブ状態を示す信号値「1」が入力された数をカウント値として抑制装置64に出力する。
【0049】
抑制装置64では、入力されたカウント値に応じて第1の実施の形態と同様に、書込要求信号wrreq(本実施の形態ではアクセス要求信号CH1_REQ)が調停回路52に入力されるタイミングを遅延させる。
【0050】
このように本実施の形態では、読出要求信号rdreqに対応するページアクティブ信PS_Y〜PS_Kのアクティブ数をデコーダ83でカウントし、カウント値に応じて抑制装置64がアクセス要求信号CH1_REQ)が調停回路52に入力されるタイミングを遅延させるため、第1の実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0051】
以上説明したように、第1の実施の形態の調停装置50では、キューカウンタ62及び抑制装置64を備え、キューカウンタ62が書込要求信号wrreqが入力されたときに、読出データの読み出しが行われていない読出要求信号rdreqの数をカウントしてカウント値として抑制装置64に出力し、抑制装置64は、入力されたカウント値に応じて、チャネルCH1からのアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力される時間を遅延させることにより、チャネルCH1のアクセスを抑制する。
【0052】
また、第2の実施の形態の調停装置80では、各ページのアクティブ数カウンタ82及び抑制装置64を備え、各ページのアクティブ数カウンタ82が画像形成装置12が読出要求信号rdreqに応じてメモリ46から読み出されて画像形成装置12に出力された画像データにより、同一のページに画像を形成するために動作したアクティブ数をカウントしてカウント値として抑制装置64に出力し、抑制装置64は、入力されたカウント値に応じて、チャネルCH1からのアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力される時間を遅延させることにより、チャネルCH1のアクセスを抑制する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態に比べ、より簡易な回路を用いて調停装置80が構成される。
【0053】
このように、カウント値に応じてアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されるまでの遅延時間を調整しているため、連続してアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されず、書込要求信号wrreqが連続して処理されることがないため、読出要求信号rdreqの処理が速やかに行われるようになり、画像データ読出のためのバス47の帯域が確保される。また、画像データ読出しに必要なバス47の帯域に応じて書込みに必要なバス47の帯域が確保される。
【0054】
画像データの読出のために必要な帯域は一般に、画像データが圧縮等されていない場合は、1色当り80MB/sである。そのため、実際に80MB/sの帯域を全て使用するか否かにかかわらず、4色では、80×4=320MB/s必要となる。従って、画像データ書込に必要な帯域も同様に320MB/s必要となり、合わせて620MB/sが必要になる。しかしながらバス47のメモリ帯域は、500MB/sであるため、500MB/s以下になるように圧縮した画像データを用いる場合が一般にある。しかしながら、画像データの画質を維持するために可逆方式により圧縮すると、圧縮率が小さいため、500MB/s以下に圧縮されない場合がある。これを500MB/s以下になるように圧縮すると画像データの画質が維持されない場合がある。しかしながら第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、キューカウンタ62または各ページのアクティブ数カウンタ82のカウント値に応じてアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力されるまでの遅延時間を調整しているため、実際に画像データの読出に使用する帯域を確保し、確保した帯域の残りの帯域を画像データの書込に割り当てるため、上述のように1色当り80MB/sを一律に割り当てた場合よりも多くの帯域を画像データの書込みに割り当てられる。従って、画像データの画質が維持される。
【0055】
なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態は、本発明を制限するものではない。第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、抑制装置64が入力されたカウント値に応じて、チャネルCH1からのアクセス要求信号CH1_REQが調停回路52に入力される時間を遅延させることにより、チャネルCH1のアクセスを抑制しているがこれに限らず、図18に示した調停装置51の抑制装置65及び図19に示した調停装置81の抑制装置65のように、入力されたカウント値に応じて、調停回路52から出力されたアクセス許可信号CH1_ACKがデータ転送装置40に入力されるまでの時間を遅延させることにより、チャネルCH1のアクセスを抑制するように構成してもよい。
【0056】
また、抑制装置64に入力されるカウント値は第1の実施の形態及び第2の実施の形態に限らず、例えばキューカウンタ62は、リードキュー58で読出要求信号rdreqを受け付けた数をカウントして、カウント値を抑制装置64に出力するようにしてもよい。また、画像伸張部42Y〜42Kから出力されたアクセス要求信号CH2_REQ〜CH5_REQの数、もしくは調停回路52に入力されたアクセス要求信号CH2_REQ〜CH5_REQの数をカウントするようにしてもよい。
【0057】
また、I/Fボード30をDFE10に備えるように構成しているが、これに限らず、I/Fボード30は、別の画像処理装置、例えば、DFE10と、画像形成装置12との間に設けられた画像処理装置等に備えるよう構成してもよい。
【0058】
また、画像形成装置12をタンデム方式のプリンタとしているがこれに限らず、画像形成装置はその他のプリンタ等であってもよい。なお、上述のようにタンデムギャップがあるため、タンデム方式のプリンタに適用するとよい。
【0059】
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、調停装置50は、画像データをメモリ46に格納する書込要求及びメモリ46から読み出す読出要求に対してバス47の使用権を調停する装置としているがこれに限らず、画像データ以外のデータをメモリ46に格納する書込要求及びメモリ46から読み出す読出要求に対してバス47の使用権を調停する装置であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
8 画像形成システム
10 DFE(デジタルフロントエンドプロセッサ)
12 画像形成装置
30 I/Fボード
50、80 調停装置
52 ラウンドロビン方式調停回路
62 Queカウンタ
64 抑制装置
82 各ページのアクティブ数カウンタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送路を使用して記憶手段に情報を書き込むための書込要求信号及び前記伝送路を使用して前記記憶手段から情報を読み出すための読出要求信号が複数の要求元から入力されると共に、入力された前記書込要求信号及び前記読出要求信号に対する前記伝送路の使用権を予め定められた優先順位に基づいて調停し、調停が整った場合に使用許可信号を前記要求元に出力する調停手段と、
前記要求元から出力された前記読出要求信号または前記読出要求信号に対応する信号の数を計数する計数手段と、
前記書込要求信号が連続して前記調停手段に入力されないように、前記書込要求信号が出力されてから前記調停手段へ入力されるまでの時間、または前記調停手段から前記書込要求信号に対する前記使用許可信号が出力されてから前記要求元に入力されるまでの時間の少なくとも一方の時間を前記計数手段の計数値に応じて遅延させる遅延手段と、
を備えた調停装置。
【請求項2】
前記読出要求信号に対応する信号は、前記要求元から前記書込要求信号が出力されたときの前記記憶手段からの情報の読み出しが行われていない前記読出要求信号である、請求項1に記載の調停装置。
【請求項3】
前記読出要求信号に対応する信号は、前記要求元から出力された前記読出要求信号により前記記憶手段から読み出された情報に応じて記録媒体に画像を形成するための画像形成装置から出力された、同一の前記記録媒体に画像を形成するための前記読出要求信号の数に対応する信号である、請求項1に記載の調停装置。
【請求項4】
画像情報に予め定められた画像処理を行う画像処理手段と、
前記画像処理手段により画像処理された画像情報を記憶する記憶手段と、
伝送路を使用して前記記憶手段に画像情報を書き込むための書込要求信号及び前記伝送路を使用して前記記憶手段から画像情報を読出すための読出要求信号に対する前記伝送路の使用権を予め定められた優先順位に基づいて調停し、使用許可信号を前記要求元に出力する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の前記調停装置と、
を備えた画像処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置により画像処理された画像情報に基づいて画像を記録媒体に形成する画像形成手段と、
を備えた画像形成システム。
【請求項1】
伝送路を使用して記憶手段に情報を書き込むための書込要求信号及び前記伝送路を使用して前記記憶手段から情報を読み出すための読出要求信号が複数の要求元から入力されると共に、入力された前記書込要求信号及び前記読出要求信号に対する前記伝送路の使用権を予め定められた優先順位に基づいて調停し、調停が整った場合に使用許可信号を前記要求元に出力する調停手段と、
前記要求元から出力された前記読出要求信号または前記読出要求信号に対応する信号の数を計数する計数手段と、
前記書込要求信号が連続して前記調停手段に入力されないように、前記書込要求信号が出力されてから前記調停手段へ入力されるまでの時間、または前記調停手段から前記書込要求信号に対する前記使用許可信号が出力されてから前記要求元に入力されるまでの時間の少なくとも一方の時間を前記計数手段の計数値に応じて遅延させる遅延手段と、
を備えた調停装置。
【請求項2】
前記読出要求信号に対応する信号は、前記要求元から前記書込要求信号が出力されたときの前記記憶手段からの情報の読み出しが行われていない前記読出要求信号である、請求項1に記載の調停装置。
【請求項3】
前記読出要求信号に対応する信号は、前記要求元から出力された前記読出要求信号により前記記憶手段から読み出された情報に応じて記録媒体に画像を形成するための画像形成装置から出力された、同一の前記記録媒体に画像を形成するための前記読出要求信号の数に対応する信号である、請求項1に記載の調停装置。
【請求項4】
画像情報に予め定められた画像処理を行う画像処理手段と、
前記画像処理手段により画像処理された画像情報を記憶する記憶手段と、
伝送路を使用して前記記憶手段に画像情報を書き込むための書込要求信号及び前記伝送路を使用して前記記憶手段から画像情報を読出すための読出要求信号に対する前記伝送路の使用権を予め定められた優先順位に基づいて調停し、使用許可信号を前記要求元に出力する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の前記調停装置と、
を備えた画像処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置により画像処理された画像情報に基づいて画像を記録媒体に形成する画像形成手段と、
を備えた画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−123839(P2011−123839A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283248(P2009−283248)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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