説明

調整装置、通信装置の調整方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】製造バラツキに関わらず、通信装置の電力効率を改善することができる調整装置を実現する。
【解決手段】本発明に係る調整装置1は、通信装置2のACLRを測定する測定装置11と、ワースト条件下での規定限界出力におけるACLRが許容値以下となる電源電圧を算出するVcc演算部123と、算出された電源電圧をDCDCコンバータ25の生成する電源電圧Vccの上限値として設定するテーブル更新部124とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置の各種パラメータを調整する調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の通信装置は、RF信号の出力(電力)を増幅する電力増幅器(Power Amplifier、PA)を備えており、要求される送信出力に応じて電力増幅器によって増幅されたRF信号を送信している。電力増幅器が増幅動作を行うための電源電圧の制御は、(1)電源電圧を電池から直接供給する方式と、(2)電源電圧をDCDCコンバータから供給する方式との2つの方式が一般的である。
【0003】
上記(1)の方式では、送信出力によらず電源電圧がほぼ一定となるため、電力増幅器の電力効率を上げることができない。
【0004】
一方、上記(2)の方式では、送信出力に応じてDCDCコンバータからの供給電圧を適切に変化させることにより、電力増幅器の効率を改善することができる。例えば、下記の特許文献1には、電力増幅器への入力と電力増幅器からの出力との関係が線形となる必要最小限の電源電圧を、予め予想される電力増幅器の各出力電力に対して計算することにより、各出力電力と電源電圧とを対応づけるテーブルを作成し、このテーブルに基づいて電力増幅器の電源電圧を決定する構成が開示されている。これにより、電源電圧を一定にする場合に比べ、効率の良い電力増幅を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−251934号公報(1999年9月17日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、個々の製品の特性バラツキを考慮して、ワーストケースでも規定の特性を満足するように、電力増幅器の電源電圧を含む各種パラメータを設定している。したがって、通常の大部分の製品は、電力増幅器の電源電圧に余裕を持たせているため、オーバースペックになっており、全ての製品において、電力増幅器の効率が最適となるように電源電圧を設定することはできない。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、製造バラツキに関わらず、通信装置の電力効率を改善することができる調整装置、および通信装置の調整方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明に係る調整装置は、送信信号または受信信号を増幅する電力増幅器と、前記電力増幅器の電源電圧を生成する電源電圧生成部とを備える通信装置を調整する調整装置であって、前記電源電圧が所定値であるときの前記電力増幅器の出力に対する前記通信装置の隣接チャンネル漏洩電力を測定する測定手段と、前記所定値、前記出力および前記測定手段によって測定された隣接チャンネル漏洩電力に基づいて、前記通信装置の規定上許容される条件であって前記隣接チャンネル漏洩電力が最大となる条件であるワースト条件下での、前記出力の前記規定上の限界値である規定限界出力における隣接チャンネル漏洩電力が許容値以下となる電源電圧を算出する電源電圧演算手段と、前記電源電圧演算手段によって算出された前記電源電圧が、前記電源電圧生成部の生成する電源電圧の上限値となるように調整する電源電圧調整手段とを備えることを特徴としている。
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明に係る通信装置の調整方法は、送信信号または受信信号を増幅する電力増幅器と、前記電力増幅器の電源電圧を生成する電源電圧生成部とを備える通信装置の調整方法であって、前記電源電圧が所定値であるときの前記電力増幅器の出力に対する前記通信装置の隣接チャンネル漏洩電力を測定する測定ステップと、前記所定値、前記出力および前記測定ステップにおいて測定された隣接チャンネル漏洩電力に基づいて、前記通信装置の規定上許容される条件であって前記隣接チャンネル漏洩電力が最大となる条件であるワースト条件下での、前記出力の前記規定上の限界値である規定限界出力における隣接チャンネル漏洩電力が許容値以下となる電源電圧を算出する電源電圧演算ステップと、前記電源電圧演算ステップにおいて算出された前記電源電圧が、前記電源電圧生成部の生成する電源電圧の上限値となるように調整する電源電圧調整ステップとを有することを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、通信装置の電力増幅器の電源電圧が所定値であるときの前記電力増幅器の出力に対する前記通信装置の隣接チャンネル漏洩電力を測定し、前記所定値、前記出力および測定された隣接チャンネル漏洩電力に基づいて、ワースト条件下での規定限界出力における隣接チャンネル漏洩電力(以下「ワースト隣接チャンネル漏洩電力」とする)が許容値以下となる電源電圧を算出し、算出された前記電源電圧が、前記電源電圧生成部の生成する電源電圧の上限値となるように調整する。そのため、調整後の通信装置をワースト条件下において規定限界出力で動作させた場合でも、隣接チャンネル漏洩電力が許容値を超えることはない。
【0011】
また、大部分の製品では、電力増幅器の電源電圧に余裕を持たせているため、ワースト隣接チャンネル漏洩電力を許容値と等しいか、できるだけ許容値に近くなる場合の電源電圧が、電源電圧生成部の生成する電源電圧の上限値となるように調整することにより、隣接チャンネル漏洩電力に関する規定を満足しつつ、電力増幅器の消費電力を極力抑えることができる。
【0012】
したがって、製造バラツキに関わらず、通信装置の電力効率を改善することができる調整装置、および通信装置の調整方法を実現することができる。
【0013】
本発明に係る調整装置では、前記電源電圧を前記所定値に設定する電源電圧設定手段を備えてもよい。
【0014】
本発明に係る調整装置では、前記所定値は、調整前における前記電源電圧生成部の生成する電源電圧の上限値であってもよい。
【0015】
本発明に係る調整装置では、前記出力を設定する出力設定手段を備え、前記測定手段は、前記出力設定手段によって設定された出力における前記隣接チャンネル漏洩電力を測定してもよい。
【0016】
本発明に係る調整装置では、前記出力設定手段によって設定される出力は、前記規定限界出力よりも大きい調整用出力であることが好ましい。
【0017】
一般に、信号の出力が概ね規定限界出力以上である場合、隣接チャンネル漏洩電力は、送信出力の増加に対してほぼ一次関数的に増加する傾向があるので、上記の構成によれば、測定される隣接チャンネル漏洩電力の特性を一次関数に近似することができる。したがって、電源電圧演算手段または電源電圧演算ステップによる演算を容易に行うことができる。
【0018】
本発明に係る調整装置では、前記調整用出力は、当該出力に対する隣接チャンネル漏洩電力の変化率が一定となる出力であることが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、測定される隣接チャンネル漏洩電力の特性を一次関数に近似することができる。したがって、電源電圧演算手段または電源電圧演算ステップによる演算を容易に行うことができる。
【0020】
本発明に係る調整装置では、前記電源電圧演算手段は、演算用出力における隣接チャンネル漏洩電力が許容値以下となる電源電圧を算出し、前記演算用出力は、調整時の条件下での当該出力における隣接チャンネル漏洩電力と、前記ワースト条件下での前記規定限界出力における隣接チャンネル漏洩電力とが等しくなる出力であることが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、温度や変調による隣接チャンネル漏洩電力の増加を考慮して、電源電圧生成部の生成する電源電圧の上限値を調整することができる。
【0022】
本発明に係る調整装置では、前記電源電圧演算手段は、演算用出力における隣接チャンネル漏洩電力が許容値となる電源電圧を算出することが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、隣接チャンネル漏洩電力に関する規定を満足しつつ、電力増幅器の消費電力を必要最小限に抑えることができる。
【0024】
本発明に係る調整装置では、前記調整用出力をC(dBm)、前記演算用出力をG(dBm)、前記測定手段によって測定された隣接チャンネル漏洩電力をD(dBc)、前記出力が1dB変化した場合の前記隣接チャンネル漏洩電力の変化量をE(dBc)、前記許容値をH(dBc)、前記所定値をB(V)、前記電源電圧が1V変化した場合の前記出力の変化量をJ(dBm)、前記電源電圧演算手段によって算出される前記電源電圧をI(V)とすると、
I=B−(E*(C−G)+(H−D))/(E*J)
となる。
【0025】
なお、上記調整装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記調整装置の各手段として動作させるプログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明に係る調整装置は、送信信号または受信信号を増幅する電力増幅器と、前記電力増幅器の電源電圧を生成する電源電圧生成部とを備える通信装置を調整する調整装置であって、前記電源電圧が所定値であるときの前記電力増幅器の出力に対する前記通信装置の隣接チャンネル漏洩電力を測定する測定手段と、前記所定値、前記出力および前記測定手段によって測定された隣接チャンネル漏洩電力に基づいて、前記通信装置の規定上許容される条件であって前記隣接チャンネル漏洩電力が最大となる条件であるワースト条件下での、前記出力の前記規定上の限界値である規定限界出力における隣接チャンネル漏洩電力が許容値以下となる電源電圧を算出する電源電圧演算手段と、前記電源電圧演算手段によって算出された前記電源電圧が、前記電源電圧生成部の生成する電源電圧の上限値となるように調整する電源電圧調整手段とを備える構成である。また、本発明に係る通信装置の調整方法は、送信信号または受信信号を増幅する電力増幅器と、前記電力増幅器の電源電圧を生成する電源電圧生成部とを備える通信装置の調整方法であって、前記電源電圧が所定値であるときの前記電力増幅器の出力に対する前記通信装置の隣接チャンネル漏洩電力を測定する測定ステップと、前記所定値、前記出力および前記測定ステップにおいて測定された隣接チャンネル漏洩電力に基づいて、前記通信装置の規定上許容される条件であって前記隣接チャンネル漏洩電力が最大となる条件であるワースト条件下での、前記出力の前記規定上の限界値である規定限界出力における隣接チャンネル漏洩電力が許容値以下となる電源電圧を算出する電源電圧演算ステップと、前記電源電圧演算ステップにおいて算出された前記電源電圧が、前記電源電圧生成部の生成する電源電圧の上限値となるように調整する電源電圧調整ステップとを有する。
【0027】
したがって、製造バラツキに関わらず、通信装置の電力効率を改善することができる調整装置、および通信装置の調整方法を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係る調整装置および通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記調整装置による調整前におけるルックアップテーブルの設定内容の一例を示す図である。
【図3】上記調整装置による通信装置の調整手順の概略を示すフローチャートである。
【図4】RF信号の送信出力と隣接チャンネル漏洩電力との関係を示すグラフである。
【図5】Vcc演算部による算出方法をより詳細に説明するための図である。
【図6】上記調整装置による調整後におけるルックアップテーブルの設定内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の一形態について図1〜図6に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0030】
図1は、本実施形態に係る調整装置1および通信装置2の構成を示すブロック図である。
【0031】
(調整装置の概略構成)
調整装置1は、通信装置2の出荷前に通信装置2の各種パラメータを調整するものであり、本実施形態では特に、通信装置2の電力増幅器24に供給される電源電圧Vccを調整する。図1に示すように、調整装置1は、測定装置11および制御PC12を備えている。
【0032】
測定装置11は、通信装置2から出力されるRF信号を受信して、RF信号の送信出力および隣接チャンネル漏洩電力を測定する装置であり、特許請求の範囲に記載の測定手段に相当する。
【0033】
隣接チャンネル漏洩電力(Adjacent Channel Power)は、あるチャンネルからの信号電力が隣接チャンネルにどれだけ漏洩するかを示す特性である。隣接チャンネル漏洩電力は、ACP、ACLRまたはACPRと略されるが、以下の説明では、隣接チャンネル漏洩電力をACLRと称する。ACLRが大きすぎる場合、隣接チャンネルへの干渉が発生して通信品質の低下を招くため、通信装置2の機種毎に、ACLRの許容値が仕様規定に定められている。
【0034】
制御PC12は、測定装置11の制御や測定装置11の測定結果に基づく演算処理などを行うものであり、Vcc設定部121、送信出力設定部122、Vcc演算部123およびテーブル更新部124を備えている。Vcc設定部121、送信出力設定部122、Vcc演算部123およびテーブル更新部124はそれぞれ、特許請求の範囲に記載の電源電圧設定手段、出力設定手段、電源電圧演算手段および電源電圧調整手段に相当する。また、制御PC12は、有線ケーブルによって通信装置2に接続されており、後述する通信装置2の制御IC27に対する制御が可能となっている。
【0035】
(通信装置の構成)
通信装置2は、無線によって信号の送受信を行う機器であり、図1に示すように、アンテナ21、RFコネクタ22、RFスイッチ23、電力増幅器(図中「PA」)24、DCDCコンバータ25、RF−IC26および制御IC27を備えている。なお、図1では、通信装置2の信号受信に関わる構成は省略している。
【0036】
RF−IC26は、通信装置2から送信されるRF信号を生成するものである。RF−IC26が生成したRF信号は、電力増幅器24によって増幅され、RFスイッチ23およびRFコネクタ22に出力される。
【0037】
RFコネクタ22は、通信装置2を測定装置11と有線ケーブルで接続するための端子であり、RFコネクタ22に有線ケーブルが接続されているときは、RFスイッチ23からのRF信号は測定装置11に出力される。なお、RFコネクタ22に有線ケーブルが接続されていないときは、RFスイッチ23からのRF信号はアンテナ21から外部に出力される。
【0038】
DCDCコンバータ25は、電力増幅器24が増幅動作を行うための電源電圧Vccを生成するものであり、特許請求の範囲に記載の電源電圧生成部に相当する。
【0039】
制御IC27は、DCDCコンバータ25およびRF−IC26に対する制御を行うものであり、送信出力制御部271、Vcc制御部272およびルックアップテーブル273を備えている。
【0040】
送信出力制御部271は、RF−IC26に送信出力制御信号を出力することにより、RF−IC26が生成するRF信号の出力レベルを制御する。これにより、通信装置2は、通信形態に応じて最適な送信出力でRF信号を出力することができる。
【0041】
Vcc制御部272は、ルックアップテーブル273を参照して、DCDCコンバータ25が生成する電源電圧Vccの大きさを制御するためのVcc制御信号をDCDCコンバータ25に出力する。
【0042】
ルックアップテーブル273では、電力増幅器24への入力と電力増幅器24からの出力との関係が線形となる必要最小限の電源電圧が、電力増幅器24の各出力に対応付けられている。これにより、Vcc制御部272は、送信出力制御部271によって制御されるRF信号の出力に応じて、電源電圧Vccの大きさを制御する。なお、調整装置1による調整前において、ルックアップテーブル273は、個々の製品の特性バラツキを考慮して、ワーストケースでも規定の特性を満足するように設定されている。
【0043】
図2は、調整装置1による調整前における、ルックアップテーブル273の設定内容を示す図である。同図において、左側の列は、RF信号の送信出力(すなわち電力増幅器24の出力)であり、右側の列は、各送信出力に対応して設定されている電源電圧Vccである。RF信号の規定上の送信出力は5〜23dBmである。ここで、電力増幅器24の出力の規定上の限界値である23dBmを規定限界出力とする。
【0044】
また、電源電圧Vccは、送信出力が5dBmから23dBmの間で変化するにしたがって、1.1Vから3.5Vの間で略比例するように設定されている。すなわち、DCDCコンバータ25の生成する電源電圧Vccの上限値は3.5Vに設定されている。
【0045】
なお、調整装置1による調整時では、送信出力が規定限界出力よりも2dBm大きい25dBmとなるように調整される。この調整は、制御IC27の送信出力制御部271ではなく、制御PC12の送信出力設定部122によって行われる。なお本明細書では、このときの送信出力を調整用出力と称する。
【0046】
また、調整装置1による調整時では、DCDCコンバータ25が生成する電源電圧Vccの大きさも、制御IC27のVcc制御部272ではなく、制御PC12のVcc設定部121によって設定される。本実施形態では、Vcc設定部121は、調整装置1による調整時において、電源電圧Vccが、DCDCコンバータ25の生成する電源電圧Vccの上限値である3.5Vとなるように設定する。
【0047】
前述のように、調整装置1による調整前において、ルックアップテーブル273は、ワーストケースでも規定の特性を満たすように設定されている。ここで、規定の特性の中で最も厳しい(満足することが難しい)特性はACLRであり、一般に、送信出力が規定限界出力付近である場合、電源電圧Vccが下がると、ACLRが急激に大きくなる傾向がある。
【0048】
そのため、調整前におけるルックアップテーブル273では、ワーストケースでもACLRが許容値以下となるように、各送信出力に対する電源電圧Vccが高めに設定されている。よって、大部分の製品では、Vcc制御部272が、調整前におけるルックアップテーブル273に基づいて電源電圧Vccを制御した場合、電力増幅器24において電力が余分に消費されることとなる。言い換えると、大部分の製品では、調整前におけるルックアップテーブル273に示される電源電圧Vccを小さくして、電力効率を向上させる余地がある。
【0049】
そこで、本実施形態では、調整装置1を用いて、個々の通信装置2ごとにルックアップテーブル273を電力効率が最適となるように更新する。以下では、調整装置1による通信装置2の調整方法について説明する。
【0050】
(通信装置2の調整方法)
調整装置1による通信装置2の調整手順の概略を図3に示す。
【0051】
まず、測定装置11および制御PC12を通信装置2に接続した状態で、制御PC12のVcc設定部121が、DCDCコンバータ25の生成する電源電圧Vccを3.5Vに設定する(ステップS1)。続いて、制御PC12の送信出力設定部122が、電力増幅器24の出力、すなわち、RF信号の送信出力を、規定限界出力よりも2dBm大きい25dBmに設定する(ステップS2)。続いて、測定装置11が、通信装置2から受信したRF信号に基づいてACLRを測定する(ステップS3、測定ステップ)。測定されたACLRは制御PC12に入力され、制御PC12のVcc演算部123が、測定されたACLRに基づいて、電力増幅器24の電力効率が最適となるような電源電圧Vccの上限値を算出する(ステップS4、電源電圧演算ステップ)。続いて、制御PC12のテーブル更新部124が、Vcc演算部123によって算出された電源電圧Vccの上限値に基づき、通信装置2のルックアップテーブル273を更新する(ステップS5、電源電圧調整ステップ)。
【0052】
続いて、通信装置2の調整方法について詳細に説明する。
【0053】
図4は、RF信号の送信出力(Power)とACLRとの関係を示すグラフである。このグラフにおいて、実曲線は、電源電圧VccがB(V)の場合の特性を示しており、破曲線は、電源電圧VccがI(V)の場合の特性を示している。
【0054】
ここで、Bは、制御PC12のVcc設定部121によって設定された値であり、特許請求の範囲に記載の所定値に相当する。本実施形態では、B=3.5Vに設定され、この値は、調整前におけるDCDCコンバータ25の生成する電源電圧Vccの上限値である。
【0055】
また、Iは、電力増幅器24の電力効率が最適となる電源電圧Vccの上限値であり、Vcc演算部123の算出対象となる値である。調整前の通信装置2では、ワーストケースでもACLRが許容値以下となるように、電源電圧Vccが高めに設定されているため、大部分の製品では、I<Bとなる。
【0056】
Mは、電力増幅器24の規定上の規定限界出力であり、前述のように規定限界出力M=23dBmである。
【0057】
Cは、制御PC12の送信出力設定部122によって設定される調整用出力であり、前述のように、規定限界出力Mよりも2dBm大きい25dBmに設定される。
【0058】
一方、Dは、電源電圧Vccが3.5V、送信出力が25dBmである場合の、ACLRである。すなわち、Dは、上記のステップS3において、測定装置11によって取得されたACLRである。ここで、座標(C,D)を点Aとする。
【0059】
また、Hは、通信装置2の仕様規定で定められているACLRの許容値である。通信装置2では、H=−34dBcとなっている。
【0060】
これらの所定値B、調整用出力CおよびACLRの測定値Dに基づいて、Vcc演算部123は、電力増幅器24の電力効率が最適となる電源電圧Iを算出する。より具体的には、Vcc演算部123は、通信装置2の規定上許容される条件であって、温度や変調などによりACLRが最大となる条件(以下「ワースト条件」とする)下での、規定限界出力MにおけるACLRが許容値Hとなる電源電圧を、Iとして算出する。そして、テーブル更新部124は、算出された電源電圧Iが、DCDCコンバータ25の生成する電源電圧Vccの上限値となるように、ルックアップテーブル273を更新する。すなわち、テーブル更新部124は、規定限界出力である23dBmに対応する電源電圧VccがIとなるように調整する。
【0061】
電源電圧Iの算出方法について、さらに詳細に説明する。
【0062】
図4に示すように、RF信号の送信出力が概ね規定限界出力M以上である場合、ACLRは、送信出力の増加に対してほぼ一次関数的に増加する傾向がある。そのため、送信出力が規定限界出力M以上の領域では、ACLRの特性を傾きEの直線で近似することができる。
【0063】
ここで、調整時において、規定限界出力MにおけるACLRが許容値Hとなる電源電圧を、規定限界出力Mに対する電源電圧Vccとして設定すると、温度や変調などによりACLRが調整時の条件下よりも大きくなる条件下で通信装置2を使用した場合、送信出力が規定限界出力Mの時に、ACLRが許容値Hを超えることとなる。そのため、Vcc演算部123は、規定限界出力Mよりも大きい演算用出力G(dBm)におけるACLRが許容値Hとなる電源電圧をIとして算出する。演算用出力Gは、調整時の条件下での当該出力におけるACLRと、前記ワースト条件下での規定限界出力MにおけるACLRとが等しくなる出力を意味しており、演算のために設定される仮想的な出力値である。本実施形態において、演算用出力Gは、例えば、規定限界出力Mよりも1.8dBm大きい値に設定される。
【0064】
ここで、座標(G,H)を点Fとする。また、電源電圧VccがB(V)の場合の特性を示す実曲線を、直線L1に近似し、電源電圧VccがI(V)の場合の特性を示す破曲線を、直線L2に近似する。直線L1・L2の傾きを、Eとする。この傾きEは、送信出力が1dB変化した場合のACLRの変化量に相当するものであり、ACLRが一次関数的に増加する領域では、電源電圧Vccに関わらずほぼ一定である。また、傾きEは、電力増幅器24の回路構成によって定まるものであり、事前の検証実験、または電力増幅器24のメーカーに問い合わせることによって、求めることができる。
【0065】
図5は、電源電圧Iの算出方法をより詳細に説明するための図である。直線L1は、点A(C,D)を通る傾きEの直線である。直線L2は、点F(G,H)を通る傾きEの直線である。そのため、直線L1と直線L2のy方向の距離は、
E*(C−G)+(H−D)
となる。よって、直線L1と直線L2のx方向の距離は、
(E*(C−G)+(H−D))/Eとなる。
【0066】
ここで、電源電圧Vccが1V変化した場合の送信出力の変化量、換言すると、電源電圧Vccが1V変化した場合の直線L1のx方向のシフト量をJ(dBm)とする。上記の変化量Jも、傾きEと同様、電力増幅器24の回路構成によって定まるものであり、事前の検証実験、または電力増幅器24のメーカーに問い合わせることによって、求めることができる。このとき、
I=B−(E*(C−G)+(H−D))/(E*J)
となる。
【0067】
以上の演算により、Vcc演算部123は、電力増幅器24の電力効率が最適となる電源電圧Iを算出することができる。
【0068】
(テーブル更新)
続いて、制御PC12のテーブル更新部124は、Vcc演算部123によって算出された電源電圧Iを、DCDCコンバータ25の生成する電源電圧Vccの上限値として設定する。具体的には、テーブル更新部124は、制御IC27のルックアップテーブル273にアクセスして、規定限界出力である送信出力23dBmに対応する電源電圧を電源電圧Iに書き換える。
【0069】
例えば、I=3.2Vと算出された場合、テーブル更新部124は、図2に示すルックアップテーブル273における送信出力23dBmに対応する電源電圧を、3.5Vから3.2Vに書き換える。これにより、送信出力制御部271は、送信出力が規定限界出力である23dBmの場合に、DCDCコンバータ25が3.2Vの電源電圧Vccを生成するように制御する。すなわち、規定限界出力時の電源電圧Vccが調整前に比べ0.3V小さいので、電力増幅器24における消費電流を削減することができる。具体的には、調整前の通信装置2および調整後の通信装置2における、規定限界出力時に電力増幅器24に流れる電流を、それぞれJ(A)およびK(A)とすると、3.5J−3.2K(W)の消費電力を削減できる。
【0070】
なお、図4に示すように、調整後のACLR特性は、規定限界出力MにおけるACLRが調整前に比べて大きくなるが、許容値Hを超えることはないので、通信品質に問題はない。また、ワースト条件下では、一点鎖線に示すACLR特性にシフトするが、この場合であっても、規定限界出力MにおけるACLRは許容値Hである。すなわち、ワースト条件下において送信出力が規定限界出力Mであっても、ACLRが許容値を超えることはない。したがって、ACLRに関する規定を満足しつつ、電力増幅器24の効率を最大限に向上させることができる。
【0071】
また、図2に示す調整前のルックアップテーブル273では、規定限界出力以外の出力に対する電源電圧も高めに設定されている。そのため、テーブル更新部124は、図2に示すルックアップテーブル273における規定限界出力以外の出力に対応する電源電圧についても、規定限界出力に対応する電源電圧と同じく、0.3V小さく設定する。これにより、調整後のルックアップテーブル273は、図6に示すものとなる。なお、電源電圧Vccが1.1V未満になると、電力増幅器24が正常に動作しなくなるおそれがあるため、8dBm未満の送信出力に対応する電源電圧は、一律に1.1Vに設定される。
【0072】
以上のようにルックアップテーブル273を更新することにより、RF信号の全ての送信出力に対して、電力増幅器24の電源電圧Vccを必要最小限に抑えることができる。
【0073】
(ソフトウェアによる実施例)
調整装置1の各ブロック、特に制御PC12のVcc設定部121、送信出力設定部122、Vcc演算部123およびテーブル更新部124は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0074】
後者の場合、制御PC12は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである制御PC12の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、制御PC12に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0075】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0076】
また、制御PC12を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(NearField Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話機網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0077】
(付記事項)
上述した実施形態では、Vcc演算部123は、ワースト条件下での規定限界出力MにおけるACLR(以下、「ワーストACLR」とする)が許容値Hとなる電源電圧を算出していたが、これに限定されない。Vcc演算部123は、ワーストACLRが許容値Hよりも若干低くなるような電源電圧を算出してもよい。すなわち、電源電圧Iを、
B−(E*(C−G)+(H−D))/(E*J)
よりも若干高く設定してもよい。
【0078】
例えば、設定前の通信装置2において、ワーストACLRが許容値HよりもP(dBc)低くなるようにACLR特性が設定されている場合、ワーストACLRが許容値HよりもQ(dBc)(ただし、Q<P)低い場合の電源電圧を算出し、当該電源電圧をDCDCコンバータ25の生成する電源電圧Vccの上限値として設定してもよい。これにより、スペックに余裕を持たせつつ、電力増幅器24の消費電力を抑えることができる。
【0079】
また、上述した実施形態では、制御PC12の送信出力設定部122は、調整時のRF信号の送信出力である調整用出力を規定限界出力よりも2dBm大きい25dBmに設定していたが、調整用出力の値はこれに限定されない。調整用出力は、ACLRが、当該出力に対するACLRの変化率が一定となる出力であればよい。すなわち、調整用出力におけるACLRの特性が、傾きEの直線で近似することができればよい。
【0080】
また、上述した実施形態では、調整時の電源電圧Vccの設定を制御PC12のVcc設定部121が行っていたが、この設定を通信装置2のVcc制御部272が行ってもよい。また、調整時の電源電圧Vccの値は、調整前におけるDCDCコンバータ25の生成する電源電圧の上限値(3.5V)としていたが、これに限定されない。調整時の電源電圧Vccの値が、DCDCコンバータ25の生成する電源電圧の上限値以外の値であっても、Vcc演算部123による演算は可能である。
【0081】
また、上述した実施形態では、調整時においてRF信号の送信出力の設定を制御PC12の送信出力設定部122が行っていたが、この設定を通信装置2の送信出力制御部271が行ってもよい。
【0082】
また、上述した実施形態では、調整装置1は、測定装置11および制御PC12の2つの装置で構成されていたが、調整装置1を1つの装置で構成してもよい。
【0083】
また、上述した実施形態では、送信信号を増幅する電力増幅器の効率を改善する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。受信信号を増幅する電力増幅器の効率を改善するために、本発明を適用してもよい。
【0084】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、通信装置の各種パラメータの調整に利用することができる。
【符号の説明】
【0086】
1 調整装置
2 通信装置
11 測定装置(測定手段)
12 制御PC
21 アンテナ
22 RFコネクタ
23 RFスイッチ
24 電力増幅器
25 DCDCコンバータ(電源電圧生成部)
26 RF−IC
27 制御IC
121 Vcc設定部(電源電圧設定手段)
122 送信出力設定部(出力設定手段)
123 Vcc演算部(電源電圧演算手段)
124 テーブル更新部(電源電圧調整手段)
271 送信出力制御部
272 Vcc制御部
273 ルックアップテーブル
Vcc 電源電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信信号または受信信号を増幅する電力増幅器と、
前記電力増幅器の電源電圧を生成する電源電圧生成部とを備える通信装置を調整する調整装置であって、
前記電源電圧が所定値であるときの前記電力増幅器の出力に対する前記通信装置の隣接チャンネル漏洩電力を測定する測定手段と、
前記所定値、前記出力および前記測定手段によって測定された隣接チャンネル漏洩電力に基づいて、前記通信装置の規定上許容される条件であって前記隣接チャンネル漏洩電力が最大となる条件であるワースト条件下での、前記出力の前記規定上の限界値である規定限界出力における隣接チャンネル漏洩電力が許容値以下となる電源電圧を算出する電源電圧演算手段と、
前記電源電圧演算手段によって算出された前記電源電圧が、前記電源電圧生成部の生成する電源電圧の上限値となるように調整する電源電圧調整手段とを備えることを特徴とする調整装置。
【請求項2】
前記電源電圧を前記所定値に設定する電源電圧設定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の調整装置。
【請求項3】
前記所定値は、調整前における前記電源電圧生成部の生成する電源電圧の上限値であることを特徴とする請求項1または2に記載の調整装置。
【請求項4】
前記出力を設定する出力設定手段を備え、
前記測定手段は、前記出力設定手段によって設定された出力における前記隣接チャンネル漏洩電力を測定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項5】
前記出力設定手段によって設定される出力は、前記規定限界出力よりも大きい調整用出力であることを特徴とする請求項4に記載の調整装置。
【請求項6】
前記調整用出力は、当該出力に対する隣接チャンネル漏洩電力の変化率が一定となる出力であることを特徴とする請求項5に記載の調整装置。
【請求項7】
前記電源電圧演算手段は、演算用出力における隣接チャンネル漏洩電力が許容値以下となる電源電圧を算出し、
前記演算用出力は、調整時の条件下での当該出力における隣接チャンネル漏洩電力と、前記ワースト条件下での前記規定限界出力における隣接チャンネル漏洩電力とが等しくなる出力であることを特徴とする請求項6に記載の調整装置。
【請求項8】
前記電源電圧演算手段は、演算用出力における隣接チャンネル漏洩電力が許容値となる電源電圧を算出することを特徴とする請求項7に記載の調整装置。
【請求項9】
前記調整用出力をC(dBm)、
前記演算用出力をG(dBm)、
前記測定手段によって測定された隣接チャンネル漏洩電力をD(dBc)、
前記出力が1dB変化した場合の前記隣接チャンネル漏洩電力の変化量をE(dBc)、
前記許容値をH(dBc)、
前記所定値をB(V)、
前記電源電圧が1V変化した場合の前記出力の変化量をJ(dBm)、
前記電源電圧演算手段によって算出される前記電源電圧をI(V)とすると、
I=B−(E*(C−G)+(H−D))/(E*J)
であることを特徴とする請求項8に記載の調整装置。
【請求項10】
送信信号または受信信号を増幅する電力増幅器と、
前記電力増幅器の電源電圧を生成する電源電圧生成部とを備える通信装置の調整方法であって、
前記電源電圧が所定値であるときの前記電力増幅器の出力に対する前記通信装置の隣接チャンネル漏洩電力を測定する測定ステップと、
前記所定値、前記出力および前記測定ステップにおいて測定された隣接チャンネル漏洩電力に基づいて、前記通信装置の規定上許容される条件であって前記隣接チャンネル漏洩電力が最大となる条件であるワースト条件下での、前記出力の前記規定上の限界値である規定限界出力における隣接チャンネル漏洩電力が許容値以下となる電源電圧を算出する電源電圧演算ステップと、
前記電源電圧演算ステップにおいて算出された前記電源電圧が、前記電源電圧生成部の生成する電源電圧の上限値となるように調整する電源電圧調整ステップとを有することを特徴とする通信装置の調整方法。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の調整装置の各手段としてコンピュータを動作させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−115441(P2013−115441A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256692(P2011−256692)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】