警告システム
【課題】配送している物品が盗難された場合に、物品の位置を特定することを目的とする。
【解決手段】識別情報を記憶したタグ2を配送する物品1に取り付ける。警告装置4は、アンテナ5から所定の範囲に無線電波を放射して、その反射波として、タグ2からタグ2の識別情報を読み出す。警告装置4は、物品が盗難されたと判断した場合、管理装置6へ読み出した識別情報を含む警告を送信する。管理装置6は、警告を受信すると、受信した警告に含まれる識別情報を他の警告装置4へ送信する。他の警告装置4は、受信した識別情報をタグ2から取得した場合、取得した位置を示す位置情報を含む通知を管理装置6へ送信する。
【解決手段】識別情報を記憶したタグ2を配送する物品1に取り付ける。警告装置4は、アンテナ5から所定の範囲に無線電波を放射して、その反射波として、タグ2からタグ2の識別情報を読み出す。警告装置4は、物品が盗難されたと判断した場合、管理装置6へ読み出した識別情報を含む警告を送信する。管理装置6は、警告を受信すると、受信した警告に含まれる識別情報を他の警告装置4へ送信する。他の警告装置4は、受信した識別情報をタグ2から取得した場合、取得した位置を示す位置情報を含む通知を管理装置6へ送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、物品を安全に配送する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、配送する物品を保管手段に収納して配送する方法が記載されている。この方法では、保管手段が、交信手段が発する無線電波の受信強度が一定値以下になり、その状態が規定時間以上継続したときに、警告を発する。
なお、交信手段が保管手段を運ぶ者に携帯されることや、交信手段が予め移動経路に設置されることも記載されている。したがって、移動用保管手段を運ぶ者から移動用保管手段が離れた場合や、移動経路から移動用保管手段が離れた場合には警告が発せられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−213796号公報
【特許文献2】特開平9−259368号公報
【特許文献3】特開2009−4971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された方法では、物品が盗難されてしまった場合に、物品を発見することができない。
この発明は、物品が盗難された場合に、物品の位置を特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る警告システムは、
複数の警告装置と、管理装置とを備える警告システムであり、
前記複数の警告装置の各警告装置は、
所定の範囲に無線電波を放射するアンテナと、
物品に取り付けられたタグから、前記アンテナが放射した無線電波を介して前記タグの識別情報を読み出す読出部と、
所定の場合に、前記読出部が読み出した識別情報を含む警告を通信装置を介して前記管理装置へ送信する警告部と
を備え、
前記管理装置は、
前記警告部が送信した警告を通信装置を介して受信する管理装置受信部と、
前記受信部が警告を受信した場合、前記警告に含まれる識別情報を前記複数の警告装置へ通信装置を介して送信する管理装置送信部と
を備え、
前記各警告装置は、さらに、
前記管理装置送信部が送信した識別情報を通信装置を介して受信する識別情報受信部と、
前記識別情報受信部が受信した識別情報をタグから受信した場合、タグ検出情報を前記管理装置へ通信装置を介して送信する検出情報送信部と
を備えることを特徴とする。
【0006】
前記検出情報送信部は、前記識別情報受信部が受信した識別情報をタグから受信した位置を示す位置情報を含むタグ検出情報を、前記管理装置へ送信する
ことを特徴とする。
【0007】
前記読出部は、タグデータが第1暗号鍵で暗号化された第1暗号化データと、タグの識別情報とを記憶したタグから、前記第1暗号化データと前記識別情報とを読み出し、
前記各警告装置は、さらに、
前記第1暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第1復号鍵と判定データとを記憶した記憶装置と、
前記読出部が読み出した第1暗号化データを、前記記憶装置が記憶した第1復号鍵で復号して第1復号データを処理装置により生成する復号部と、
前記復号部が生成した第1復号データが前記判定データと一致するか否かを処理装置により判定する判定部と
を備え、
前記警告部は、前記第1復号データが前記判定データと一致しないと前記判定部が判定した場合、又は、前記読出部が前記タグから前記暗号化データを読み出せなかった場合、前記警告を前記管理装置へ送信する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る警告装置は、物品が盗難された場合に、物品に付されたタグの識別情報を他の警告装置へ送信し、識別情報を受信した他の警告装置は受信した識別情報をタグから受信すると、その旨を通知する。これにより、盗難された物品の位置を特定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係る警告システムの概要を説明するための図。
【図2】実施の形態1に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図。
【図3】実施の形態2に係る警告システムの概要を説明するための図。
【図4】実施の形態2に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図。
【図5】実施の形態3に係る警告システムの概要を説明するための図。
【図6】実施の形態3に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図。
【図7】実施の形態4に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図。
【図8】実施の形態5に係る警告システムの概要を説明するための図。
【図9】実施の形態5に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図。
【図10】警告装置4、管理装置6のハードウェア構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図に基づき、この発明の実施の形態について説明する。
なお、以下の説明において、処理装置は後述するCPU911等である。記憶装置は後述するROM913、RAM914、磁気ディスク920あるいはCPU911が有するキャッシュメモリやレジスタ等である。入力装置は後述するキーボード902、通信ボード915等である。通信装置は、後述する通信ボード915等である。つまり、処理装置、記憶装置、入力装置、通信装置はハードウェアである。
【0011】
実施の形態1.
実施の形態1では、警告システムの基本構成について説明する。
【0012】
図1は、実施の形態1に係る警告システムの概要を説明するための図である。
物品1を依頼元の居るA地点から配送先のB地点まで安全に配送したい。安全に配送するとは、物品1を盗難されることなく、確実に配送するという意味である。
この場合、例えば、物品1を運送会社等の車両3に載せてA地点からB地点まで配送する。物品1を車両3に載せる際、物品1にはタグ2が取り付けられる。また、車両3には、アンテナ5を備える警告装置4が取り付けられている。アンテナ5は、少なくとも車両3の荷台全体へ向けて無線電波7を放射する。警告装置4は、アンテナ5が放射した無線電波7を介して、タグ2からデータを読み出す。警告装置4は、タグ2からデータを読み出せない場合には、警告を管理装置6へ送信する。また、警告装置4は、タグ2から正しいデータが読み出せない場合にも、警告を管理装置6へ送信する。管理装置6は、警告を受信すると、依頼元や配送先へ盗難等があったことを通知する。
【0013】
図2は、実施の形態1に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図である。
警告システムは、タグ2、警告装置4、管理装置6を備える。
【0014】
タグ2は、タグデータが暗号鍵で暗号化された暗号化データを記憶する。そして、タグ2は、所定の無線電波7を受信すると、記憶した暗号化データを反射波として返す。なお、タグデータとは、例えば、タグ2毎に一意に割り当てられたタグ2の識別情報である。また、暗号鍵とは、警告装置4の公開鍵である。
【0015】
警告装置4は、アンテナ5を備える。また、警告装置4は、読出部11、復号部12、判定部13、警告部14、復号鍵記憶装置15を備える。
復号鍵記憶装置15には、タグ2が記憶した暗号化データを復号するための復号鍵と、判定データとが記憶されている。ここで、復号鍵は、警告装置4の秘密鍵である。また、判定データは、タグデータと同一のデータ、つまりタグ2の識別情報である。
読出部11は、所定の間隔で、タグ2からアンテナ5が放射した無線電波7を介して暗号化データを読み出す。復号部12は、読出部11が読み出した暗号化データを、復号鍵記憶装置15が記憶した復号鍵で復号して復号データを処理装置により生成する。判定部13は、復号部12が生成した復号データが、復号鍵記憶装置15が記憶した判定データと一致するか否かを処理装置により判定する。警告部14は、読出部11がタグ2から暗号化データを読み出せなかった場合、又は、復号データが判定データと一致しないと判定部13が判定した場合、警告を管理装置6へ送信する。
例えば、警告には、タグ2の識別情報(タグデータ)や、警告装置4が取り付けられた車両3の位置情報が含まれる。なお、車両3の位置情報は、車両3に取り付けられたナビゲーションシステムから取得してもよいし、警告装置4にGPSアンテナを取り付けておき取得してもよい。
なお、警告部14は、読出部11がタグ2から暗号化データを読み出せなかった場合、直ちに警告を送信するのではなく、所定の期間、読出部11がタグ2から暗号化データを読み出せない状態が継続した場合に、警報を送信するとしてもよい。
【0016】
なお、車両3が複数の物品1を運ぶ場合、復号鍵記憶装置15は、予め各物品1に取り付けられたタグ2のタグデータを判定データとして記憶しておく。読出部11は、各物品1に取り付けられたタグ2から暗号化データを読み出し、復号部12は各暗号化データを復号して復号データを生成する。判定部13は、各復号データと各判定データとを比較する。そして、警告部14は、一致する復号データがない判定データがあった場合、その判定データが示すタグ2から暗号化データを読み出せなかったか、又は、復号データが判定データと一致しなかったとして、警告を送信する。
【0017】
管理装置6は、管理装置受信部21、管理装置送信部22を備える。
管理装置受信部21は、警告部14が送信した警告を通信装置を介して受信する。管理装置送信部22は、管理装置受信部21が警告を受信すると、受信した警告に含まれるタグ2の識別情報から、どの物品1が盗難されたのかを特定し、その物品1の依頼元へ物品1が盗難されたことを通知する。例えば、予め登録された依頼元や配送先のメールアドレスへメールを送信することで、物品1が盗難されたことを通知する。また、併せて、物品1が盗難されたことと、盗難された際の車両3の位置情報とを警備会社や警察等へ通知する。
【0018】
つまり、実施の形態1に係る警告システムでは、以下の(1)(2)の場合に、警告装置4から管理装置6へ警告が送信される。
(1)アンテナ5が無線電波7を放射する範囲外へタグ2が移動しまった場合、読出部11はタグ2から暗号化データを読み出せなくなってしまうため、警告部14は警告を管理装置6へ送信する。したがって、タグ2が取り付けられた物品1を盗難者が持ち去った場合、警告が送信される。
(2)読出部11が読み出した暗号化データから正しいタグデータが得られなかった場合、警告部14は警告を管理装置6へ送信する。したがって、盗難者が物品1を持ち去る際、タグ2と同様にアンテナ5が放射した無線電波7に対して反射波を返す模倣装置を車両3に取り付けた場合であっても、模倣装置がタグ2に記憶された暗号化データまでも模倣していない限り、警告が送信される。
ここで、暗号化データは、タグ2毎に異なるタグデータを暗号化したデータである。そのため、物品1に取り付けられたタグ2から、データをコピーしない限り、タグ2が記憶した暗号化データを模倣することはできない。
したがって、警告を送信させることなく、物品1を盗難することは難しい。そのため、物品1の盗難の防止に繋がる。
【0019】
なお、物品1は、配送先のB地点に居る受取人の公開鍵で施錠されており、受取人の秘密鍵でのみ開錠できるとしてもよい。物品1が電子データである場合には、その電子データが受取人の公開鍵で暗号化されており、受取人の秘密鍵でのみ復号できるものとしてもよい。
【0020】
実施の形態2.
一般に、物流会社が配送を行う場合、依頼元から車両3で回収した物品1を物流センタへ一旦集め、配送先地域毎に割り当てられた車両3へ物品1を載せ替えて、配送先へ配送する。特に、物流センタまで物品1を運ぶ運送会社と、物流センタから配送先へ物品1を運ぶ運送会社とが異なる場合もある。
このように、一般的に、物品1が1台の車両3により直接配送先へ配送されるのではなく、物品1が中継地点で中継され、他の車両3へ載せ替えられて配送されることが多い。そこで、実施の形態2では、物品1が中継地点で中継され配送される場合について説明する。
【0021】
図3は、実施の形態2に係る警告システムの概要を説明するための図である。
実施の形態1の場合と同様に、物品1を依頼元の居るA地点から配送先のB地点まで安全に配送したい。ここで、A地点からC中継所までは、物品1を車両3Aが運び、C中継所からB地点までは物品1を車両3Bが運ぶ。車両3Aには警告装置4Aが取り付けられており、警告装置4Aにはアンテナ5Aが取り付けられている。同様に、車両3Bには警告装置4Bが取り付けられており、警告装置4Bにはアンテナ5Bが取り付けられている。そして、警告装置4Aと警告装置4Bとは、それぞれ実施の形態1で説明した警告装置4と同様の条件で警告を管理装置6へ送信する。
なお、C中継所では、タグ2が取り付けられた物品1が、車両3Aから車両3Bへ載せ替えられる。この際、タグ2に記憶されたデータが書き換えられるとともに、車両3Bの復号鍵記憶装置15Bに必要な情報が書き込まれる。
【0022】
図4は、実施の形態2に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図である。
警告システムは、タグ2、警告装置4A,4B、管理装置6を備える。
【0023】
タグ2は、A地点で車両3Aに載せられる際、物品1に取り付けられる。この際、タグ2は、タグデータが第1暗号鍵で暗号化された第1暗号化データを記憶する。そして、タグ2は、所定の無線電波7を受信すると、記憶した第1暗号化データを反射波として返す。なお、第1暗号鍵は、警告装置4Aの公開鍵である。
【0024】
警告装置4Aは、アンテナ5A、読出部11A、復号部12A、判定部13A、警告部14A、復号鍵記憶装置15Aを備える。さらに、警告装置4Aは、タグデータ更新部16A、識別情報送信部17Aを備える。
警告装置4Bは、アンテナ5B、読出部11B、復号部12B、判定部13B、警告部14B、復号鍵記憶装置15Bを備える。さらに、警告装置4Bは、識別情報送信部17Bを備える。
【0025】
復号鍵記憶装置15Aには、タグ2が記憶した第1暗号化データを復号するための第1復号鍵と、判定データとが記憶されている。ここで、第1復号鍵は、警告装置4Aの秘密鍵である。また、判定データは、タグデータと同一のデータ、つまりタグ2の識別情報である。
読出部11Aは、所定の間隔で、タグ2からアンテナ5Aが放射した無線電波7を介して第1暗号化データを読み出す。読出部11Aが初めてタグ2から第1暗号化データを読み出した場合、識別情報送信部17Aは、タグ2の識別情報(タグデータ)と、警告装置4Aの識別情報とを管理装置6へ送信する。これにより、管理装置6は、タグ2が車両3Aに積み込まれたことが分かる。
復号部12Aは、読出部11Aが読み出した第1暗号化データを、復号鍵記憶装置15Aが記憶した第1復号鍵で復号して復号データを処理装置により生成する。判定部13Aは、復号部12Aが生成した復号データが、復号鍵記憶装置15Aが記憶した判定データと一致するか否かを処理装置により判定する。警告部14Aは、読出部11Aがタグ2から第1暗号化データを読み出せなかった場合、又は、復号データが判定データと一致しないと判定部13Aが判定した場合、警告を管理装置6へ送信する。
【0026】
C中継所では、上述したように、物品1が車両3Aから車両3Bへ載せ替えられる。
この際、タグデータ更新部16Aは、タグ2が記憶する第1暗号化データを削除して、タグデータを第2暗号鍵で暗号化した第2暗号化データをタグ2に記憶させる。ここで、第2暗号鍵は、警告装置4Bの公開鍵である。
また、復号鍵記憶装置15Aは、記憶したタグデータを消去する。これにより、物品1を車両3Aから車両3Bへ載せ替えても、警告装置4Aから警告が送信されることはない。
【0027】
復号鍵記憶装置15Bには、警告装置4Aの秘密鍵である第2復号鍵と、判定データとが記憶されている。
読出部11Bは、所定の間隔で、タグ2からアンテナ5Bが放射した無線電波7を介して第2暗号化データを読み出す。読出部11Bが初めてタグ2から第2暗号化データを読み出した場合、識別情報送信部17Bは、タグ2の識別情報(タグデータ)と、警告装置4Bの識別情報とを管理装置6へ送信する。これにより、管理装置6は、タグ2が車両3Bに積み込まれたことが分かる。
復号部12Bは、読出部11Bが読み出した第2暗号化データを、復号鍵記憶装置15Bが記憶した第2復号鍵で復号して復号データを処理装置により生成する。判定部13Bは、復号部12Bが生成した復号データが、復号鍵記憶装置15Bが記憶した判定データと一致するか否かを処理装置により判定する。警告部14Bは、読出部11Bがタグ2から第2暗号化データを読み出せなかった場合、又は、復号データが判定データと一致しないと判定部13Bが判定した場合、警告を管理装置6へ送信する。
【0028】
管理装置6は、実施の形態1と同様に、管理装置受信部21、管理装置送信部22を備える。
警告を受信した場合の動作は、実施の形態1と同様である。
管理装置受信部21は、識別情報送信部17A,17Bが送信したタグ2の識別情報と、その警告装置4の識別情報とを受信する。管理装置送信部22は、管理装置受信部21が受信したタグ2の識別情報から依頼元と配送先とを特定し、受信した警告装置4の識別情報から分かる位置情報を依頼元と配送先とへ送信する。なお、警告装置4の識別情報から分かる位置情報とは、例えば、警告装置4Bの識別情報であれば、C中継所へ物品1が届いたという情報である。
【0029】
以上のように、物品1を他の車両3へ載せ替える場合、タグ2に記憶させた暗号化データを入れ替える。上述したように、A地点からC中継所まで物品1を運ぶ運送会社と、C中継所からB地点まで物品1を運ぶ運送会社とが異なる場合がある。このような場合であっても、暗号化データの入れ替えを行うことで、各運送会社間で復号鍵を共有する必要がなく、鍵の安全性が保たれる。つまり、各運送会社の秘密鍵を他の運送会社に知られることがなく、秘密鍵の安全性が保たれる。
また、読出部11が初めてタグ2から暗号化データを読み出すと、そのタグ2の識別情報が管理装置6へ送信される。そのため、管理装置6では、物品1がどの車両3に積まれているかを把握することができる。特に、運送者は、単に物品1を車両3に積み込むだけで、特に管理装置6へタグ2の識別情報の送信作業等を行うことなく、管理装置6へタグ2の識別情報が送信される。例えば、物品1に取り付けられたバーコードの読み込み等もすることなく、管理装置6へタグ2の識別情報が送信される。
【0030】
実施の形態3.
実施の形態2では、物品1が中継地点で中継され配送される場合について説明した。このように物品1が中継されて配送される場合において、特に、原則として依頼元から依頼を受けた運送会社が物品1の配送を行うが、一部区間だけを他の運送会社等へ委託する場合がある。例えば、航空機を持たない運送会社が、空路の輸送だけを航空会社へ委託する場合が考えられる。
実施の形態3では、一部区間を他の運送会社等へ委託する場合について説明する。
【0031】
図5は、実施の形態3に係る警告システムの概要を説明するための図である。
上記と同様に、物品1を依頼元の居るA地点から配送先のB地点まで安全に配送したい。ここで、A地点からC地点までは、物品1を車両3Aが運び、C地点からD地点までは、物品1を航空機8が運び、D地点からB地点までは物品1を車両3Bが運ぶ。特に、車両3Aと車両3Bとは同一の運送会社の車両であり、空路部分のみを航空会社へ委託して運送してもらっているものとする。
なお、車両3Aには警告装置4Aが取り付けられており、警告装置4Aにはアンテナ5Aが取り付けられている。同様に、車両3Bには警告装置4Bが取り付けられており、警告装置4Bにはアンテナ5Bが取り付けられている。また、同様に、航空機8には警告装置4Cが取り付けられており、警告装置4Cにはアンテナ5Cが取り付けられている。そして、警告装置4Aと警告装置4Bと警告装置4Cとは、それぞれ実施の形態1で説明した警告装置4と同様の条件で警告を管理装置6へ送信する。
【0032】
図6は、実施の形態3に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図である。
警告システムは、タグ2、警告装置4A,4B,4C、管理装置6を備える。なお、図6では、タグ2と管理装置6とは省略している。
【0033】
タグ2は、A地点で車両3Aに載せられる際、物品1に取り付けられる。この際、タグ2は、タグデータが第1暗号鍵で暗号化された第1暗号化データを記憶する。そして、タグ2は、所定の無線電波7を受信すると、記憶した第1暗号化データを反射波として返す。なお、第1暗号鍵は、警告装置4Aの公開鍵である。
【0034】
警告装置4Aは、アンテナ5A、読出部11A、復号部12A、判定部13A、警告部14A、復号鍵記憶装置15A、タグデータ更新部16Aを備える。さらに、警告装置4Aは、復号鍵更新部18Aを備える。
警告装置4B,4Cは、アンテナ5B,5C、読出部11B,11C、復号部12B,12C、判定部13B,13C、警告部14B,14C、復号鍵記憶装置15B,15Cを備える。
【0035】
復号鍵記憶装置15Aには、タグ2が記憶した第1暗号化データを復号するための第1復号鍵と、判定データとが記憶されている。ここで、第1復号鍵は、運送会社の秘密鍵である。また、判定データは、タグデータと同一のデータ、つまりタグ2の識別情報である。
読出部11Aは、所定の間隔で、タグ2からアンテナ5Aが放射した無線電波7を介して第1暗号化データを読み出す。復号部12Aは、読出部11Aが読み出した第1暗号化データを、復号鍵記憶装置15Aが記憶した第1復号鍵で復号して復号データを処理装置により生成する。判定部13Aは、復号部12Aが生成した復号データが、復号鍵記憶装置15Aが記憶した判定データと一致するか否かを処理装置により判定する。警告部14Aは、読出部11Aがタグ2から第1暗号化データを読み出せなかった場合、又は、復号データが判定データと一致しないと判定部13Aが判定した場合、警告を管理装置6へ送信する。
【0036】
C地点では、上述したように、物品1が車両3Aから航空機8へ載せ替えられる。
この際、復号鍵更新部18Aは、航空機8に取り付けられた警告装置4Cの復号鍵記憶装置15Cに、第1復号鍵で復号可能な暗号化データの一部の暗号化データのみを復号可能な秘密鍵である第2復号鍵を記憶させる。つまり、復号鍵更新部18Aは、第1復号鍵の下位の鍵である第2復号鍵を復号鍵記憶装置15Cに記憶させる。
また、タグデータ更新部16Aは、タグ2が記憶する第1暗号化データを削除して、タグデータを第2暗号鍵で暗号化した第2暗号化データをタグ2に記憶させる。ここで、第2暗号鍵は、第2復号鍵で復号可能なデータを生成する鍵であり、第2復号鍵に対応する公開鍵である。
また、復号鍵記憶装置15Aは、記憶したタグデータを消去する。これにより、物品1を車両3Aから航空機8へ載せ替えても、警告装置4Aから警告が送信されることはない。
【0037】
復号鍵記憶装置15Cには、復号鍵更新部18Aに記憶させられた第2復号鍵と、判定データとが記憶されている。
読出部11Cは、所定の間隔で、タグ2からアンテナ5Cが放射した無線電波7を介して第2暗号化データを読み出す。復号部12Cは、読出部11Cが読み出した第2暗号化データを、復号鍵記憶装置15Cが記憶した第2復号鍵で復号して復号データを処理装置により生成する。判定部13Cは、復号部12Cが生成した復号データが、復号鍵記憶装置15Cが記憶した判定データと一致するか否かを処理装置により判定する。警告部14Cは、読出部11Cがタグ2から第2暗号化データを読み出せなかった場合、又は、復号データが判定データと一致しないと判定部13Cが判定した場合、警告を管理装置6へ送信する。
【0038】
D地点では、上述したように、物品1が航空機8から車両3Bへ載せ替えられる。
この際、復号鍵記憶装置15Cは、記憶したタグデータを消去する。これにより、物品1を航空機8から車両3Bへ載せ替えても、警告装置4Cから警告が送信されることはない。
なお、タグ2が記憶するデータは変更されず、タグ2は第2暗号化データを記憶したままにする。
【0039】
警告装置4Bの復号鍵記憶装置15Bには、警告装置4Aの復号鍵記憶装置15Aが記憶した第1復号鍵とタグデータとが記憶されている。つまり、上述したように、車両3Aと車両3Bとは同一の運送会社の車両であるため、復号鍵記憶装置15Aにも、復号鍵記憶装置15Bにも運送会社の秘密鍵である第1復号鍵が記憶されている。
読出部11Bは、所定の間隔で、タグ2からアンテナ5Bが放射した無線電波7を介して第2暗号化データを読み出す。復号部12Bは、読出部11Bが読み出した第2暗号化データを、復号鍵記憶装置15Bが記憶した第1復号鍵で復号して復号データを処理装置により生成する。判定部13Bは、復号部12Bが生成した復号データが、復号鍵記憶装置15Bが記憶した判定データと一致するか否かを処理装置により判定する。警告部14Bは、読出部11Bがタグ2から第1暗号化データを読み出せなかった場合、又は、復号データが判定データと一致しないと判定部13Bが判定した場合、警告を管理装置6へ送信する。
【0040】
以上のように、一部の運送を委託する場合において、物品1を委託先(上記例では航空機8)へ渡す際、委託先の警告装置4へ委託元(上記例では車両3A,3B)の秘密鍵の下位の秘密鍵を渡す。また、タグ2には、下位の秘密鍵に対応する公開鍵でタグデータを暗号化した暗号化データを記憶させる。これにより、委託先でも委託元と同様に警告を送信することができるだけでなく、委託先から委託元へ物品1を渡す際、タグ2が記憶するデータの更新をする必要がない。つまり、委託時にのみタグ2が記憶するデータの更新を行えばよい。
【0041】
なお、上記説明では、物品1を委託先(上記例では航空機8)へ渡す際、委託先の警告装置4へ委託元(上記例では車両3A,3B)の秘密鍵の下位の秘密鍵を渡した。つまり、C地点で車両3Aから航空機8へ物品1を載せ替える際、第2復号鍵でタグデータを暗号化したデータを第2暗号化データとしてタグ2に記憶させた。
しかし、C地点で車両3Aから航空機8へ物品1を載せ替える際、第1暗号化データを、さらに航空会社の公開鍵で暗号化したデータを第2暗号化データとしてタグ2に記憶させてもよい。
なお、この場合、航空機8の警告装置4Cは、航空会社の秘密鍵と、第1暗号化データを暗号化するのに用いた第1暗号鍵に対応する第1復号鍵とが必要である。しかし、第1復号鍵は、運送会社の秘密鍵であり、単純に航空会社へ渡すことはできない。そこで、警告装置4Aの復号鍵更新部18Aは、例えば、航空機8によって物品1が運ばれる期間のみ使用可能とする有効期限を付けて、復号鍵記憶装置15Cに記憶させてもよい。この場合、警告装置4Cでは、読出部11Cが読み出した第2暗号化データを、復号部12Cがまず第2復号鍵で復号し、さらに第1復号鍵で復号して復号データを生成すればよい。
航空機8から車両3Bへ物品1を載せ替える際、警告装置4Cの復号鍵更新部18C(図示されていない)は、第2暗号化データを第2復号鍵で復号して生成した第1暗号化データを、タグ2に記憶させる。この場合、警告装置4Bでは、上記と同様に、第1復号鍵を用いて処理を行うことができる。
【0042】
実施の形態4.
上記実施の形態では、タグ2が暗号化データを予め記憶しており、記憶した暗号化データを無線電波7の反射波として返す場合について説明した。しかし、この場合、タグ2から送信されるデータは毎回同じである。そのため、タグ2のデータをコピーされる虞がある。
実施の形態4では、タグ2のデータをコピーすることをより困難にする方法について説明する。
【0043】
図7は、実施の形態4に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図である。
警告システムは、タグ2、警告装置4、管理装置6を備える。
【0044】
タグ2は、暗号鍵記憶装置31、暗号化部32を備える。
暗号鍵記憶装置31は、警告装置4の公開鍵である暗号鍵を記憶する。暗号化部32は、所定のデータを乗せた無線電波7を受信すると、暗号鍵記憶装置31が記憶した暗号鍵で所定のデータを暗号化して暗号化データを生成し、反射波として返す。
【0045】
警告装置4は、アンテナ5を備える。また、警告装置4は、読出部11、復号部12、判定部13、警告部14、復号鍵記憶装置15を備える。
復号鍵記憶装置15には、警告装置4の秘密鍵である復号鍵が記憶されている。
アンテナ5は、所定のデータを乗せた無線電波7を所定の間隔で放射する。読出部11は、タグ2が無線電波7の反射波として返す暗号化データを読み出す。
以下、復号部12、判定部13、警告部14の動作は、実施の形態1と同様である。
ここで、アンテナ5が無線電波7に乗せて送信する所定のデータは、例えば乱数であり、所定時間毎に異なるデータである。そのため、タグ2が反射波として返す暗号化データも所定時間毎に異なるデータになる。
【0046】
以上のように、実施の形態4に係る警告システムでは、タグ2から送信されるデータが所定時間毎に異なるため、タグ2のデータをコピーすることが困難になる。
【0047】
なお、実施の形態2のように、物品1がC中継所で中継され配送される場合には、A地点からC中継所まで物品1を運ぶ車両3Aに取り付けられた警告装置4Aでは、アンテナ5Aが所定のデータを乗せた無線電波7を所定の間隔で放射する。そして、読出部11Aが、タグ2が無線電波7の反射波として返す暗号化データを読み出し、警告を送信するか否かが決定される。
C中継所では、第2暗号鍵でタグデータを暗号化した第2暗号化データをタグ2に記憶させる代わりに、第2暗号鍵をタグ2の暗号鍵記憶装置31に記憶させる。
そして、C中継所からB地点まで物品1を運ぶ車両3Bに取り付けられた警告装置4Bでは、アンテナ5Bが所定のデータを乗せた無線電波7を所定の間隔で放射する。そして、読出部11Bが、タグ2が無線電波7の反射波として返す暗号化データを読み出し、警告を送信するか否かが決定される。
【0048】
また、実施の形態3のように、一部区間を他の運送会社等へ委託する場合には、A地点からC地点まで物品1を運ぶ車両3Aに取り付けられた警告装置4Aでは、アンテナ5Aが所定のデータを乗せた無線電波7を所定の間隔で放射する。そして、読出部11Aが、タグ2が無線電波7の反射波として返す暗号化データを読み出し、警告を送信するか否かが決定される。
C地点では、第2暗号鍵でタグデータを暗号化した第2暗号化データをタグ2に記憶させる代わりに、第1暗号鍵の下位の公開鍵である第2暗号鍵をタグ2の暗号鍵記憶装置31に記憶させる。
C地点からD地点まで物品1を運ぶ航空機8に取り付けられた警告装置4Cでは、アンテナ5Cが所定のデータを乗せた無線電波7を所定の間隔で放射する。そして、読出部11Cが、タグ2が無線電波7の反射波として返す暗号化データを読み出し、警告を送信するか否かが決定される。
D地点では、タグ2の暗号鍵記憶装置31が記憶したデータは変更されない。
D地点からB地点まで物品1を運ぶ車両3Bに取り付けられた警告装置4Bでは、アンテナ5Bが所定のデータを乗せた無線電波7を所定の間隔で放射する。そして、読出部11Bが、タグ2が無線電波7の反射波として返す暗号化データを読み出し、警告を送信するか否かが決定される。
【0049】
実施の形態5.
実施の形態5では、警告が送信された場合に、盗難された物品1を発見する方法について説明する。
【0050】
図8は、実施の形態5に係る警告システムの概要を説明するための図である。
一般に、運送会社は、多くの車両3を有している。ここで、例えば、車両3Aに載せられた物品1が盗難されたとする。この場合、上記実施の形態で説明した方法により、警告が管理装置6へ送信される(1)。なお、上述したように、警告には、タグ2の識別情報が含まれる。
すると、管理装置6は、各車両3へ盗難された物品1に取り付けられたタグ2の識別情報を送信する(2)。盗難されたタグ2の識別情報を受信した車両3では、通常通り、アンテナ5から無線電波7を送信してタグ2から暗号化データを読み出す。
この際、車両3Cが盗難された物品1の付近を通ったとする。すると、車両3Cに取り付けられた警告装置4Cは、盗難された物品1に取り付けられたタグ2から暗号化データを読み出す。この暗号化データを復号すると、盗難された物品1に取り付けられたタグ2の識別情報になる。そこで、車両3Cは、盗難されたタグ2の情報を検出したことを示すタグ検出情報を管理装置6へ送信する(3)。この際、合わせて、車両3Cの位置情報も管理装置6へ送信する。
これにより、盗難された物品1がある場所を特定することができる。
なお、ここでは、アンテナ5は、車両3の荷台よりも広い範囲へ無線電波7を放射しているものとする。
【0051】
図9は、実施の形態5に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図である。
警告システムは、タグ2、複数の警告装置4、管理装置6を備える。なお、図9では、警告装置4を1つだけ示すが、実際には警告システムは複数の警告装置4を備える。また、図9では、タグ2は省略している。
【0052】
各警告装置4は、読出部11、復号部12、判定部13、警告部14、復号鍵記憶装置15を備える。さらに、各警告装置4は、識別情報受信部19、検出情報送信部20を備える。
管理装置6は、管理装置受信部21、管理装置送信部22を備える。
【0053】
各警告装置4は、上記実施の形態と同様に、タグ2の識別情報を含む警告を管理装置6へ送信する。
すると、管理装置6の管理装置受信部21は、警告装置4が送信した警告を受信する。管理装置送信部22は、受信した警告に含まれるタグ2の識別情報を各警告装置4へ送信する。
各警告装置4の識別情報受信部19は、管理装置6が送信したタグ2の識別情報を受信する。その後、判定部13は、読出部11が読み出した暗号化データから生成された復号データが、識別情報受信部19が受信したタグ2の識別情報であるか否かを判定する。読出部11が読み出した暗号化データから生成された復号データが識別情報受信部19が受信したタグ2の識別情報であると判定部13が判定した場合、検出情報送信部20はそのタグ2の識別情報と、車両3の位置情報とを管理装置6へ送信する。
【0054】
以上のように、実施の形態5に係る警告システムでは、複数の警告装置4が盗難された物品1に取り付けられたタグ2からデータを読み出した場合に管理装置6へ通知する。これにより、盗難された物品1の場所を特定することができる。
【0055】
なお、上記説明では、車両3が警告装置4を備え、物品1を配送する例を示した。ここで、車両3は、図に示したようにトラックのような車両であってもよいし、列車、バイク、自転車等の他の車両であってもよい。また、警告装置4を備えるのは、車両でなく、航空機、船等の他の乗り物であってもよいし、人が持っていてもよい。
【0056】
また、上記説明では、タグデータは、タグ2の識別情報であるとした。しかし、タグデータは他の情報であり、タグ2は反射波としてタグデータが暗号化された暗号化データと、タグ2の識別情報とを返すとしてもよい。
【0057】
また、上記説明では、公開鍵暗号化方式を用いる例を説明した。しかし、共通鍵暗号化方式を用いてもよい。
【0058】
以上をまとめると以下のようになる。
この発明に係る警告装置は、例えば、
所定の範囲に無線電波を放射するアンテナと、
物品に取り付けられたタグであって、タグデータが第1暗号鍵で暗号化された第1暗号化データを記憶したタグから、前記アンテナが放射した無線電波を介して前記第1暗号化データを読み出す読出部と、
前記第1暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第1復号鍵と判定データとを記憶した記憶装置と、
前記読出部が読み出した第1暗号化データを、前記記憶装置が記憶した第1復号鍵で復号して第1復号データを処理装置により生成する復号部と、
前記復号部が生成した第1復号データが前記判定データと一致するか否かを処理装置により判定する判定部と、
前記第1復号データが前記判定データと一致しないと前記判定部が判定した場合、又は、前記読出部が前記タグから前記暗号化データを読み出せなかった場合、警告を発する警告部と
を備えることを特徴とする。
【0059】
前記警告装置は、さらに、
前記物品の管理を他の警告装置へ移す場合、前記タグデータが第2暗号鍵で暗号化された第2暗号化データを前記タグに記憶させるタグデータ更新部と、
前記第2暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第2復号鍵を、前記他の管理装置が備える記憶装置に記憶させる復号鍵更新部と
を備えることを特徴とする。
【0060】
前記タグデータ更新部は、前記第1復号鍵で復号可能な暗号化データを生成する第2暗号鍵で、前記タグデータが暗号化された第2暗号化データを前記タグに記憶させ、
前記復号鍵更新部は、前記第1復号鍵で復号可能な暗号化データのうち、一部の暗号化データのみを復号可能な第2復号鍵であって、前記第2暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第2復号鍵を、前記他の管理装置が備える記憶装置に記憶させる
ことを特徴とする。
【0061】
前記タグデータ更新部は、前記第1暗号化データを前記第2暗号鍵でさらに暗号化した第2暗号化データを前記タグに記憶させ、
前記復号鍵更新部は、前記第2復号鍵を前記他の管理装置が備える記憶装置に記憶させるとともに、使用可能な期限である有効期限を付した前記第1復号鍵を前記他の管理装置が備える記憶装置に記憶させる
ことを特徴とする。
【0062】
前記警告装置は、さらに、
前記読出部が前記タグから初めて暗号化データを読み出した場合、前記タグの識別情報と、警告装置自身の識別情報とを所定の管理装置へ送信する識別情報送信部
を備えることを特徴とする。
【0063】
この発明に係る警告システムは、
複数の警告装置を備える警告システムであり、
前記複数の警告装置のうちの第1警告装置は、
所定の範囲に無線電波を放射する第1アンテナと、
物品に取り付けられたタグであって、タグデータが第1暗号鍵で暗号化された第1暗号化データを記憶したタグから、前記第1アンテナが放射した無線電波を介して前記第1暗号化データを読み出す第1読出部と、
前記第1暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第1復号鍵と判定データとを記憶した第1記憶装置と、
前記第1読出部が読み出した第1暗号化データを、前記第1記憶装置が記憶した第1復号鍵で復号して第1復号データを処理装置により生成する第1復号部と、
前記第1復号部が生成した第1復号データが前記判定データと一致するか否かを処理装置により判定する第1判定部と、
前記第1復号データが前記判定データと一致しないと前記第1判定部が判定した場合、又は、前記第1読出部が前記タグから前記暗号化データを読み出せなかった場合、警告を発する第1警告部と、
前記物品の管理を前記複数の警告装置のうちの第2警告装置へ移す場合、前記タグデータが第2暗号鍵で暗号化された第2暗号化データを前記タグに記憶させる第1タグデータ更新部と、
前記第2暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第2復号鍵と判定データとを、前記第2管理装置が備える第2記憶装置に記憶させる第1復号鍵更新部と
を備え、
前記第2警告装置は、
所定の範囲に無線電波を放射する第2アンテナと、
物品に取り付けられたタグであって、前記第2暗号化データを記憶したタグから、前記第2アンテナが放射した無線電波を介して前記第2暗号化データを読み出す第2読出部と、
前記第1復号鍵更新部によって前記第2復号鍵と判定データとを記憶される第2記憶装置と、
前記第2読出部が読み出した第2暗号化データを、前記第2記憶装置が記憶した第2復号鍵で復号して第2復号データを処理装置により生成する第2復号部と、
前記第2復号部が生成した第2復号データが前記判定データと一致するか否かを処理装置により判定する第2判定部と、
前記第2復号データが前記判定データと一致しないと前記第2判定部が判定した場合、又は、前記第2読出部が前記タグから前記暗号化データを読み出せなかった場合、警告を発する第2警告部と
を備えることを特徴とする。
【0064】
この発明に係る警告システムは、
複数の警告装置と、管理装置とを備える警告システムであり、
前記複数の警告装置の各警告装置は、
所定の範囲に無線電波を放射するアンテナと、
物品に取り付けられたタグであって、タグデータが第1暗号鍵で暗号化された第1暗号化データと、タグの識別情報とを記憶したタグから、前記アンテナが放射した無線電波を介して前記第1暗号化データと前記識別情報とを読み出す読出部と、
前記第1暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第1復号鍵と判定データとを記憶した記憶装置と、
前記読出部が読み出した第1暗号化データを、前記記憶装置が記憶した第1復号鍵で復号して第1復号データを処理装置により生成する復号部と、
前記復号部が生成した第1復号データが前記判定データと一致するか否かを処理装置により判定する判定部と、
前記第1復号データが前記判定データと一致しないと前記判定部が判定した場合、又は、前記読出部が前記タグから前記暗号化データを読み出せなかった場合、前記タグの識別情報を含む警告を通信装置を介して前記管理装置へ送信する警告部と
を備え、
前記管理装置は、
前記警告部が送信した警告を通信装置を介して受信する管理装置受信部と、
前記受信部が警告を受信した場合、前記警告に含まれる識別情報を前記複数の警告装置へ通信装置を介して送信する管理装置送信部と
を備え、
前記各警告装置は、さらに、
前記管理装置送信部が送信した識別情報を通信装置を介して受信する識別情報受信部と、
前記識別情報受信部が受信した識別情報をタグから受信した場合、タグ検出情報を前記管理装置へ通信装置を介して送信する検出情報送信部と
を備えることを特徴とする。
【0065】
この発明に係る警告システムは、
物品に取り付けられたタグと、前記タグからデータを読み出す警告装置とを備える警告システムであり、
前記警告装置は、
所定の範囲に所定のデータを乗せた無線電波を放射するアンテナを備え、
前記タグは、
第1暗号鍵を記憶する暗号鍵記憶装置と、
前記アンテナが放射した無線電波を受信すると、無線電波に乗せられた所定のデータを前記暗号鍵記憶装置が記憶した第1暗号鍵で暗号化して第1暗号化データを生成する暗号化部を備え、
前記警告装置は、さらに、
前記アンテナが放射した無線電波を介して、前記暗号化部が暗号化した第1暗号化データを読み出す読出部と、
前記第1暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第1復号鍵を記憶した復号鍵記憶装置と、
前記読出部が読み出した第1暗号化データを、前記復号鍵記憶装置が記憶した第1復号鍵で復号して第1復号データを処理装置により生成する復号部と、
前記復号部が生成した第1復号データが前記所定のデータと一致するか否かを処理装置により判定する判定部と、
前記第1復号データが前記所定のデータと一致しないと前記判定部が判定した場合、又は、前記読出部が前記タグから前記暗号化データを読み出せなかった場合、警告を発する警告部と
を備えることを特徴とする。
【0066】
前記警告システムは、前記警告装置を複数備え、
前記警告装置は、さらに、
前記物品の管理を他の警告装置へ移す場合、前記第1暗号鍵とは異なる第2暗号鍵を前記暗号鍵記憶装置に記憶させるタグデータ更新部と、
前記第2暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第2復号鍵を、前記他の管理装置が備える復号鍵記憶装置に記憶させる復号鍵更新部と
を備えることを特徴とする。
【0067】
前記タグデータ更新部は、前記第1復号鍵で復号可能な暗号化データを生成する第2暗号鍵を前記暗号鍵記憶装置に記憶させ、
前記復号鍵更新部は、前記第1復号鍵で復号可能な暗号化データのうち、一部の暗号化データのみを復号可能な第2復号鍵であって、前記第2暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第2復号鍵を、前記他の管理装置が備える復号鍵記憶装置に記憶させる
ことを特徴とする。
【0068】
この発明に係る警告プログラムは、
物品に取り付けられたタグであって、タグデータが第1暗号鍵で暗号化された第1暗号化データを記憶したタグから、前記アンテナから放射された無線電波を介して前記第1暗号化データを読み出す読出処理と、
前記読出処理で読み出した第1暗号化データを、記憶装置に記憶された第1復号鍵で復号して第1復号データを処理装置により生成する復号処理と、
前記復号処理で生成した第1復号データが記憶装置に記憶された判定データと一致するか否かを処理装置により判定する判定処理と、
前記第1復号データが前記判定データと一致しないと前記判定処理で判定した場合、又は、前記読出処理で前記タグから前記暗号化データを読み出せなかった場合、警告を発する警告処理と
を備えることを特徴とする。
【0069】
次に、上記実施の形態における警告装置4、管理装置6のハードウェア構成について説明する。
図10は、警告装置4、管理装置6のハードウェア構成の一例を示す図である。
図10に示すように、警告装置4、管理装置6は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、LCD901(Liquid Crystal Display)、キーボード902(K/B)、通信ボード915、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920(固定ディスク装置)の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。磁気ディスク装置920は、所定の固定ディスクインタフェースを介して接続される。
【0070】
ROM913、磁気ディスク装置920は、不揮発性メモリの一例である。RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913とRAM914と磁気ディスク装置920とは、記憶装置(メモリ)の一例である。また、キーボード902、通信ボード915は、入力装置の一例である。また、通信ボード915は、通信装置(ネットワークインタフェース)の一例である。さらに、LCD901は、表示装置の一例である。
【0071】
磁気ディスク装置920又はROM913などには、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0072】
プログラム群923には、上記の説明において「読出部11」、「復号部12」、「判定部13」、「警告部14」、「タグデータ更新部16」、「識別情報送信部17」、「復号鍵更新部18」、「識別情報受信部19」、「検出情報送信部20」、「管理装置受信部21」、「管理装置送信部22」等として説明した機能を実行するソフトウェアやプログラムやその他のプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、上記の説明において「タグデータ」、「暗号化データ」、「復号データ」、「結果」、「警告」等の情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「ファイル」や「データベース」の各項目として記憶される。「ファイル」や「データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPU911の動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPU911の動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0073】
また、上記の説明におけるフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、その他光ディスク等の記録媒体やICチップに記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体や電波によりオンライン伝送される。
また、上記の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。また、「〜装置」として説明するものは、「〜回路」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。さらに、「〜処理」として説明するものは「〜ステップ」であっても構わない。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、ROM913等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、上記で述べた「〜部」としてコンピュータ等を機能させるものである。あるいは、上記で述べた「〜部」の手順や方法をコンピュータ等に実行させるものである。
【符号の説明】
【0074】
1 物品、2 タグ、3 車両、4 警告装置、5 アンテナ、6 管理装置、7 無線電波、8 航空機、11 読出部、12 復号部、13 判定部、14 警告部、15 復号鍵記憶装置、16 タグデータ更新部、17 識別情報送信部、18 復号鍵更新部、19 識別情報受信部、20 検出情報送信部、21 管理装置受信部、22 管理装置送信部、31 暗号鍵記憶装置、32 暗号化部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、物品を安全に配送する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、配送する物品を保管手段に収納して配送する方法が記載されている。この方法では、保管手段が、交信手段が発する無線電波の受信強度が一定値以下になり、その状態が規定時間以上継続したときに、警告を発する。
なお、交信手段が保管手段を運ぶ者に携帯されることや、交信手段が予め移動経路に設置されることも記載されている。したがって、移動用保管手段を運ぶ者から移動用保管手段が離れた場合や、移動経路から移動用保管手段が離れた場合には警告が発せられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−213796号公報
【特許文献2】特開平9−259368号公報
【特許文献3】特開2009−4971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された方法では、物品が盗難されてしまった場合に、物品を発見することができない。
この発明は、物品が盗難された場合に、物品の位置を特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る警告システムは、
複数の警告装置と、管理装置とを備える警告システムであり、
前記複数の警告装置の各警告装置は、
所定の範囲に無線電波を放射するアンテナと、
物品に取り付けられたタグから、前記アンテナが放射した無線電波を介して前記タグの識別情報を読み出す読出部と、
所定の場合に、前記読出部が読み出した識別情報を含む警告を通信装置を介して前記管理装置へ送信する警告部と
を備え、
前記管理装置は、
前記警告部が送信した警告を通信装置を介して受信する管理装置受信部と、
前記受信部が警告を受信した場合、前記警告に含まれる識別情報を前記複数の警告装置へ通信装置を介して送信する管理装置送信部と
を備え、
前記各警告装置は、さらに、
前記管理装置送信部が送信した識別情報を通信装置を介して受信する識別情報受信部と、
前記識別情報受信部が受信した識別情報をタグから受信した場合、タグ検出情報を前記管理装置へ通信装置を介して送信する検出情報送信部と
を備えることを特徴とする。
【0006】
前記検出情報送信部は、前記識別情報受信部が受信した識別情報をタグから受信した位置を示す位置情報を含むタグ検出情報を、前記管理装置へ送信する
ことを特徴とする。
【0007】
前記読出部は、タグデータが第1暗号鍵で暗号化された第1暗号化データと、タグの識別情報とを記憶したタグから、前記第1暗号化データと前記識別情報とを読み出し、
前記各警告装置は、さらに、
前記第1暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第1復号鍵と判定データとを記憶した記憶装置と、
前記読出部が読み出した第1暗号化データを、前記記憶装置が記憶した第1復号鍵で復号して第1復号データを処理装置により生成する復号部と、
前記復号部が生成した第1復号データが前記判定データと一致するか否かを処理装置により判定する判定部と
を備え、
前記警告部は、前記第1復号データが前記判定データと一致しないと前記判定部が判定した場合、又は、前記読出部が前記タグから前記暗号化データを読み出せなかった場合、前記警告を前記管理装置へ送信する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る警告装置は、物品が盗難された場合に、物品に付されたタグの識別情報を他の警告装置へ送信し、識別情報を受信した他の警告装置は受信した識別情報をタグから受信すると、その旨を通知する。これにより、盗難された物品の位置を特定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係る警告システムの概要を説明するための図。
【図2】実施の形態1に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図。
【図3】実施の形態2に係る警告システムの概要を説明するための図。
【図4】実施の形態2に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図。
【図5】実施の形態3に係る警告システムの概要を説明するための図。
【図6】実施の形態3に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図。
【図7】実施の形態4に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図。
【図8】実施の形態5に係る警告システムの概要を説明するための図。
【図9】実施の形態5に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図。
【図10】警告装置4、管理装置6のハードウェア構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図に基づき、この発明の実施の形態について説明する。
なお、以下の説明において、処理装置は後述するCPU911等である。記憶装置は後述するROM913、RAM914、磁気ディスク920あるいはCPU911が有するキャッシュメモリやレジスタ等である。入力装置は後述するキーボード902、通信ボード915等である。通信装置は、後述する通信ボード915等である。つまり、処理装置、記憶装置、入力装置、通信装置はハードウェアである。
【0011】
実施の形態1.
実施の形態1では、警告システムの基本構成について説明する。
【0012】
図1は、実施の形態1に係る警告システムの概要を説明するための図である。
物品1を依頼元の居るA地点から配送先のB地点まで安全に配送したい。安全に配送するとは、物品1を盗難されることなく、確実に配送するという意味である。
この場合、例えば、物品1を運送会社等の車両3に載せてA地点からB地点まで配送する。物品1を車両3に載せる際、物品1にはタグ2が取り付けられる。また、車両3には、アンテナ5を備える警告装置4が取り付けられている。アンテナ5は、少なくとも車両3の荷台全体へ向けて無線電波7を放射する。警告装置4は、アンテナ5が放射した無線電波7を介して、タグ2からデータを読み出す。警告装置4は、タグ2からデータを読み出せない場合には、警告を管理装置6へ送信する。また、警告装置4は、タグ2から正しいデータが読み出せない場合にも、警告を管理装置6へ送信する。管理装置6は、警告を受信すると、依頼元や配送先へ盗難等があったことを通知する。
【0013】
図2は、実施の形態1に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図である。
警告システムは、タグ2、警告装置4、管理装置6を備える。
【0014】
タグ2は、タグデータが暗号鍵で暗号化された暗号化データを記憶する。そして、タグ2は、所定の無線電波7を受信すると、記憶した暗号化データを反射波として返す。なお、タグデータとは、例えば、タグ2毎に一意に割り当てられたタグ2の識別情報である。また、暗号鍵とは、警告装置4の公開鍵である。
【0015】
警告装置4は、アンテナ5を備える。また、警告装置4は、読出部11、復号部12、判定部13、警告部14、復号鍵記憶装置15を備える。
復号鍵記憶装置15には、タグ2が記憶した暗号化データを復号するための復号鍵と、判定データとが記憶されている。ここで、復号鍵は、警告装置4の秘密鍵である。また、判定データは、タグデータと同一のデータ、つまりタグ2の識別情報である。
読出部11は、所定の間隔で、タグ2からアンテナ5が放射した無線電波7を介して暗号化データを読み出す。復号部12は、読出部11が読み出した暗号化データを、復号鍵記憶装置15が記憶した復号鍵で復号して復号データを処理装置により生成する。判定部13は、復号部12が生成した復号データが、復号鍵記憶装置15が記憶した判定データと一致するか否かを処理装置により判定する。警告部14は、読出部11がタグ2から暗号化データを読み出せなかった場合、又は、復号データが判定データと一致しないと判定部13が判定した場合、警告を管理装置6へ送信する。
例えば、警告には、タグ2の識別情報(タグデータ)や、警告装置4が取り付けられた車両3の位置情報が含まれる。なお、車両3の位置情報は、車両3に取り付けられたナビゲーションシステムから取得してもよいし、警告装置4にGPSアンテナを取り付けておき取得してもよい。
なお、警告部14は、読出部11がタグ2から暗号化データを読み出せなかった場合、直ちに警告を送信するのではなく、所定の期間、読出部11がタグ2から暗号化データを読み出せない状態が継続した場合に、警報を送信するとしてもよい。
【0016】
なお、車両3が複数の物品1を運ぶ場合、復号鍵記憶装置15は、予め各物品1に取り付けられたタグ2のタグデータを判定データとして記憶しておく。読出部11は、各物品1に取り付けられたタグ2から暗号化データを読み出し、復号部12は各暗号化データを復号して復号データを生成する。判定部13は、各復号データと各判定データとを比較する。そして、警告部14は、一致する復号データがない判定データがあった場合、その判定データが示すタグ2から暗号化データを読み出せなかったか、又は、復号データが判定データと一致しなかったとして、警告を送信する。
【0017】
管理装置6は、管理装置受信部21、管理装置送信部22を備える。
管理装置受信部21は、警告部14が送信した警告を通信装置を介して受信する。管理装置送信部22は、管理装置受信部21が警告を受信すると、受信した警告に含まれるタグ2の識別情報から、どの物品1が盗難されたのかを特定し、その物品1の依頼元へ物品1が盗難されたことを通知する。例えば、予め登録された依頼元や配送先のメールアドレスへメールを送信することで、物品1が盗難されたことを通知する。また、併せて、物品1が盗難されたことと、盗難された際の車両3の位置情報とを警備会社や警察等へ通知する。
【0018】
つまり、実施の形態1に係る警告システムでは、以下の(1)(2)の場合に、警告装置4から管理装置6へ警告が送信される。
(1)アンテナ5が無線電波7を放射する範囲外へタグ2が移動しまった場合、読出部11はタグ2から暗号化データを読み出せなくなってしまうため、警告部14は警告を管理装置6へ送信する。したがって、タグ2が取り付けられた物品1を盗難者が持ち去った場合、警告が送信される。
(2)読出部11が読み出した暗号化データから正しいタグデータが得られなかった場合、警告部14は警告を管理装置6へ送信する。したがって、盗難者が物品1を持ち去る際、タグ2と同様にアンテナ5が放射した無線電波7に対して反射波を返す模倣装置を車両3に取り付けた場合であっても、模倣装置がタグ2に記憶された暗号化データまでも模倣していない限り、警告が送信される。
ここで、暗号化データは、タグ2毎に異なるタグデータを暗号化したデータである。そのため、物品1に取り付けられたタグ2から、データをコピーしない限り、タグ2が記憶した暗号化データを模倣することはできない。
したがって、警告を送信させることなく、物品1を盗難することは難しい。そのため、物品1の盗難の防止に繋がる。
【0019】
なお、物品1は、配送先のB地点に居る受取人の公開鍵で施錠されており、受取人の秘密鍵でのみ開錠できるとしてもよい。物品1が電子データである場合には、その電子データが受取人の公開鍵で暗号化されており、受取人の秘密鍵でのみ復号できるものとしてもよい。
【0020】
実施の形態2.
一般に、物流会社が配送を行う場合、依頼元から車両3で回収した物品1を物流センタへ一旦集め、配送先地域毎に割り当てられた車両3へ物品1を載せ替えて、配送先へ配送する。特に、物流センタまで物品1を運ぶ運送会社と、物流センタから配送先へ物品1を運ぶ運送会社とが異なる場合もある。
このように、一般的に、物品1が1台の車両3により直接配送先へ配送されるのではなく、物品1が中継地点で中継され、他の車両3へ載せ替えられて配送されることが多い。そこで、実施の形態2では、物品1が中継地点で中継され配送される場合について説明する。
【0021】
図3は、実施の形態2に係る警告システムの概要を説明するための図である。
実施の形態1の場合と同様に、物品1を依頼元の居るA地点から配送先のB地点まで安全に配送したい。ここで、A地点からC中継所までは、物品1を車両3Aが運び、C中継所からB地点までは物品1を車両3Bが運ぶ。車両3Aには警告装置4Aが取り付けられており、警告装置4Aにはアンテナ5Aが取り付けられている。同様に、車両3Bには警告装置4Bが取り付けられており、警告装置4Bにはアンテナ5Bが取り付けられている。そして、警告装置4Aと警告装置4Bとは、それぞれ実施の形態1で説明した警告装置4と同様の条件で警告を管理装置6へ送信する。
なお、C中継所では、タグ2が取り付けられた物品1が、車両3Aから車両3Bへ載せ替えられる。この際、タグ2に記憶されたデータが書き換えられるとともに、車両3Bの復号鍵記憶装置15Bに必要な情報が書き込まれる。
【0022】
図4は、実施の形態2に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図である。
警告システムは、タグ2、警告装置4A,4B、管理装置6を備える。
【0023】
タグ2は、A地点で車両3Aに載せられる際、物品1に取り付けられる。この際、タグ2は、タグデータが第1暗号鍵で暗号化された第1暗号化データを記憶する。そして、タグ2は、所定の無線電波7を受信すると、記憶した第1暗号化データを反射波として返す。なお、第1暗号鍵は、警告装置4Aの公開鍵である。
【0024】
警告装置4Aは、アンテナ5A、読出部11A、復号部12A、判定部13A、警告部14A、復号鍵記憶装置15Aを備える。さらに、警告装置4Aは、タグデータ更新部16A、識別情報送信部17Aを備える。
警告装置4Bは、アンテナ5B、読出部11B、復号部12B、判定部13B、警告部14B、復号鍵記憶装置15Bを備える。さらに、警告装置4Bは、識別情報送信部17Bを備える。
【0025】
復号鍵記憶装置15Aには、タグ2が記憶した第1暗号化データを復号するための第1復号鍵と、判定データとが記憶されている。ここで、第1復号鍵は、警告装置4Aの秘密鍵である。また、判定データは、タグデータと同一のデータ、つまりタグ2の識別情報である。
読出部11Aは、所定の間隔で、タグ2からアンテナ5Aが放射した無線電波7を介して第1暗号化データを読み出す。読出部11Aが初めてタグ2から第1暗号化データを読み出した場合、識別情報送信部17Aは、タグ2の識別情報(タグデータ)と、警告装置4Aの識別情報とを管理装置6へ送信する。これにより、管理装置6は、タグ2が車両3Aに積み込まれたことが分かる。
復号部12Aは、読出部11Aが読み出した第1暗号化データを、復号鍵記憶装置15Aが記憶した第1復号鍵で復号して復号データを処理装置により生成する。判定部13Aは、復号部12Aが生成した復号データが、復号鍵記憶装置15Aが記憶した判定データと一致するか否かを処理装置により判定する。警告部14Aは、読出部11Aがタグ2から第1暗号化データを読み出せなかった場合、又は、復号データが判定データと一致しないと判定部13Aが判定した場合、警告を管理装置6へ送信する。
【0026】
C中継所では、上述したように、物品1が車両3Aから車両3Bへ載せ替えられる。
この際、タグデータ更新部16Aは、タグ2が記憶する第1暗号化データを削除して、タグデータを第2暗号鍵で暗号化した第2暗号化データをタグ2に記憶させる。ここで、第2暗号鍵は、警告装置4Bの公開鍵である。
また、復号鍵記憶装置15Aは、記憶したタグデータを消去する。これにより、物品1を車両3Aから車両3Bへ載せ替えても、警告装置4Aから警告が送信されることはない。
【0027】
復号鍵記憶装置15Bには、警告装置4Aの秘密鍵である第2復号鍵と、判定データとが記憶されている。
読出部11Bは、所定の間隔で、タグ2からアンテナ5Bが放射した無線電波7を介して第2暗号化データを読み出す。読出部11Bが初めてタグ2から第2暗号化データを読み出した場合、識別情報送信部17Bは、タグ2の識別情報(タグデータ)と、警告装置4Bの識別情報とを管理装置6へ送信する。これにより、管理装置6は、タグ2が車両3Bに積み込まれたことが分かる。
復号部12Bは、読出部11Bが読み出した第2暗号化データを、復号鍵記憶装置15Bが記憶した第2復号鍵で復号して復号データを処理装置により生成する。判定部13Bは、復号部12Bが生成した復号データが、復号鍵記憶装置15Bが記憶した判定データと一致するか否かを処理装置により判定する。警告部14Bは、読出部11Bがタグ2から第2暗号化データを読み出せなかった場合、又は、復号データが判定データと一致しないと判定部13Bが判定した場合、警告を管理装置6へ送信する。
【0028】
管理装置6は、実施の形態1と同様に、管理装置受信部21、管理装置送信部22を備える。
警告を受信した場合の動作は、実施の形態1と同様である。
管理装置受信部21は、識別情報送信部17A,17Bが送信したタグ2の識別情報と、その警告装置4の識別情報とを受信する。管理装置送信部22は、管理装置受信部21が受信したタグ2の識別情報から依頼元と配送先とを特定し、受信した警告装置4の識別情報から分かる位置情報を依頼元と配送先とへ送信する。なお、警告装置4の識別情報から分かる位置情報とは、例えば、警告装置4Bの識別情報であれば、C中継所へ物品1が届いたという情報である。
【0029】
以上のように、物品1を他の車両3へ載せ替える場合、タグ2に記憶させた暗号化データを入れ替える。上述したように、A地点からC中継所まで物品1を運ぶ運送会社と、C中継所からB地点まで物品1を運ぶ運送会社とが異なる場合がある。このような場合であっても、暗号化データの入れ替えを行うことで、各運送会社間で復号鍵を共有する必要がなく、鍵の安全性が保たれる。つまり、各運送会社の秘密鍵を他の運送会社に知られることがなく、秘密鍵の安全性が保たれる。
また、読出部11が初めてタグ2から暗号化データを読み出すと、そのタグ2の識別情報が管理装置6へ送信される。そのため、管理装置6では、物品1がどの車両3に積まれているかを把握することができる。特に、運送者は、単に物品1を車両3に積み込むだけで、特に管理装置6へタグ2の識別情報の送信作業等を行うことなく、管理装置6へタグ2の識別情報が送信される。例えば、物品1に取り付けられたバーコードの読み込み等もすることなく、管理装置6へタグ2の識別情報が送信される。
【0030】
実施の形態3.
実施の形態2では、物品1が中継地点で中継され配送される場合について説明した。このように物品1が中継されて配送される場合において、特に、原則として依頼元から依頼を受けた運送会社が物品1の配送を行うが、一部区間だけを他の運送会社等へ委託する場合がある。例えば、航空機を持たない運送会社が、空路の輸送だけを航空会社へ委託する場合が考えられる。
実施の形態3では、一部区間を他の運送会社等へ委託する場合について説明する。
【0031】
図5は、実施の形態3に係る警告システムの概要を説明するための図である。
上記と同様に、物品1を依頼元の居るA地点から配送先のB地点まで安全に配送したい。ここで、A地点からC地点までは、物品1を車両3Aが運び、C地点からD地点までは、物品1を航空機8が運び、D地点からB地点までは物品1を車両3Bが運ぶ。特に、車両3Aと車両3Bとは同一の運送会社の車両であり、空路部分のみを航空会社へ委託して運送してもらっているものとする。
なお、車両3Aには警告装置4Aが取り付けられており、警告装置4Aにはアンテナ5Aが取り付けられている。同様に、車両3Bには警告装置4Bが取り付けられており、警告装置4Bにはアンテナ5Bが取り付けられている。また、同様に、航空機8には警告装置4Cが取り付けられており、警告装置4Cにはアンテナ5Cが取り付けられている。そして、警告装置4Aと警告装置4Bと警告装置4Cとは、それぞれ実施の形態1で説明した警告装置4と同様の条件で警告を管理装置6へ送信する。
【0032】
図6は、実施の形態3に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図である。
警告システムは、タグ2、警告装置4A,4B,4C、管理装置6を備える。なお、図6では、タグ2と管理装置6とは省略している。
【0033】
タグ2は、A地点で車両3Aに載せられる際、物品1に取り付けられる。この際、タグ2は、タグデータが第1暗号鍵で暗号化された第1暗号化データを記憶する。そして、タグ2は、所定の無線電波7を受信すると、記憶した第1暗号化データを反射波として返す。なお、第1暗号鍵は、警告装置4Aの公開鍵である。
【0034】
警告装置4Aは、アンテナ5A、読出部11A、復号部12A、判定部13A、警告部14A、復号鍵記憶装置15A、タグデータ更新部16Aを備える。さらに、警告装置4Aは、復号鍵更新部18Aを備える。
警告装置4B,4Cは、アンテナ5B,5C、読出部11B,11C、復号部12B,12C、判定部13B,13C、警告部14B,14C、復号鍵記憶装置15B,15Cを備える。
【0035】
復号鍵記憶装置15Aには、タグ2が記憶した第1暗号化データを復号するための第1復号鍵と、判定データとが記憶されている。ここで、第1復号鍵は、運送会社の秘密鍵である。また、判定データは、タグデータと同一のデータ、つまりタグ2の識別情報である。
読出部11Aは、所定の間隔で、タグ2からアンテナ5Aが放射した無線電波7を介して第1暗号化データを読み出す。復号部12Aは、読出部11Aが読み出した第1暗号化データを、復号鍵記憶装置15Aが記憶した第1復号鍵で復号して復号データを処理装置により生成する。判定部13Aは、復号部12Aが生成した復号データが、復号鍵記憶装置15Aが記憶した判定データと一致するか否かを処理装置により判定する。警告部14Aは、読出部11Aがタグ2から第1暗号化データを読み出せなかった場合、又は、復号データが判定データと一致しないと判定部13Aが判定した場合、警告を管理装置6へ送信する。
【0036】
C地点では、上述したように、物品1が車両3Aから航空機8へ載せ替えられる。
この際、復号鍵更新部18Aは、航空機8に取り付けられた警告装置4Cの復号鍵記憶装置15Cに、第1復号鍵で復号可能な暗号化データの一部の暗号化データのみを復号可能な秘密鍵である第2復号鍵を記憶させる。つまり、復号鍵更新部18Aは、第1復号鍵の下位の鍵である第2復号鍵を復号鍵記憶装置15Cに記憶させる。
また、タグデータ更新部16Aは、タグ2が記憶する第1暗号化データを削除して、タグデータを第2暗号鍵で暗号化した第2暗号化データをタグ2に記憶させる。ここで、第2暗号鍵は、第2復号鍵で復号可能なデータを生成する鍵であり、第2復号鍵に対応する公開鍵である。
また、復号鍵記憶装置15Aは、記憶したタグデータを消去する。これにより、物品1を車両3Aから航空機8へ載せ替えても、警告装置4Aから警告が送信されることはない。
【0037】
復号鍵記憶装置15Cには、復号鍵更新部18Aに記憶させられた第2復号鍵と、判定データとが記憶されている。
読出部11Cは、所定の間隔で、タグ2からアンテナ5Cが放射した無線電波7を介して第2暗号化データを読み出す。復号部12Cは、読出部11Cが読み出した第2暗号化データを、復号鍵記憶装置15Cが記憶した第2復号鍵で復号して復号データを処理装置により生成する。判定部13Cは、復号部12Cが生成した復号データが、復号鍵記憶装置15Cが記憶した判定データと一致するか否かを処理装置により判定する。警告部14Cは、読出部11Cがタグ2から第2暗号化データを読み出せなかった場合、又は、復号データが判定データと一致しないと判定部13Cが判定した場合、警告を管理装置6へ送信する。
【0038】
D地点では、上述したように、物品1が航空機8から車両3Bへ載せ替えられる。
この際、復号鍵記憶装置15Cは、記憶したタグデータを消去する。これにより、物品1を航空機8から車両3Bへ載せ替えても、警告装置4Cから警告が送信されることはない。
なお、タグ2が記憶するデータは変更されず、タグ2は第2暗号化データを記憶したままにする。
【0039】
警告装置4Bの復号鍵記憶装置15Bには、警告装置4Aの復号鍵記憶装置15Aが記憶した第1復号鍵とタグデータとが記憶されている。つまり、上述したように、車両3Aと車両3Bとは同一の運送会社の車両であるため、復号鍵記憶装置15Aにも、復号鍵記憶装置15Bにも運送会社の秘密鍵である第1復号鍵が記憶されている。
読出部11Bは、所定の間隔で、タグ2からアンテナ5Bが放射した無線電波7を介して第2暗号化データを読み出す。復号部12Bは、読出部11Bが読み出した第2暗号化データを、復号鍵記憶装置15Bが記憶した第1復号鍵で復号して復号データを処理装置により生成する。判定部13Bは、復号部12Bが生成した復号データが、復号鍵記憶装置15Bが記憶した判定データと一致するか否かを処理装置により判定する。警告部14Bは、読出部11Bがタグ2から第1暗号化データを読み出せなかった場合、又は、復号データが判定データと一致しないと判定部13Bが判定した場合、警告を管理装置6へ送信する。
【0040】
以上のように、一部の運送を委託する場合において、物品1を委託先(上記例では航空機8)へ渡す際、委託先の警告装置4へ委託元(上記例では車両3A,3B)の秘密鍵の下位の秘密鍵を渡す。また、タグ2には、下位の秘密鍵に対応する公開鍵でタグデータを暗号化した暗号化データを記憶させる。これにより、委託先でも委託元と同様に警告を送信することができるだけでなく、委託先から委託元へ物品1を渡す際、タグ2が記憶するデータの更新をする必要がない。つまり、委託時にのみタグ2が記憶するデータの更新を行えばよい。
【0041】
なお、上記説明では、物品1を委託先(上記例では航空機8)へ渡す際、委託先の警告装置4へ委託元(上記例では車両3A,3B)の秘密鍵の下位の秘密鍵を渡した。つまり、C地点で車両3Aから航空機8へ物品1を載せ替える際、第2復号鍵でタグデータを暗号化したデータを第2暗号化データとしてタグ2に記憶させた。
しかし、C地点で車両3Aから航空機8へ物品1を載せ替える際、第1暗号化データを、さらに航空会社の公開鍵で暗号化したデータを第2暗号化データとしてタグ2に記憶させてもよい。
なお、この場合、航空機8の警告装置4Cは、航空会社の秘密鍵と、第1暗号化データを暗号化するのに用いた第1暗号鍵に対応する第1復号鍵とが必要である。しかし、第1復号鍵は、運送会社の秘密鍵であり、単純に航空会社へ渡すことはできない。そこで、警告装置4Aの復号鍵更新部18Aは、例えば、航空機8によって物品1が運ばれる期間のみ使用可能とする有効期限を付けて、復号鍵記憶装置15Cに記憶させてもよい。この場合、警告装置4Cでは、読出部11Cが読み出した第2暗号化データを、復号部12Cがまず第2復号鍵で復号し、さらに第1復号鍵で復号して復号データを生成すればよい。
航空機8から車両3Bへ物品1を載せ替える際、警告装置4Cの復号鍵更新部18C(図示されていない)は、第2暗号化データを第2復号鍵で復号して生成した第1暗号化データを、タグ2に記憶させる。この場合、警告装置4Bでは、上記と同様に、第1復号鍵を用いて処理を行うことができる。
【0042】
実施の形態4.
上記実施の形態では、タグ2が暗号化データを予め記憶しており、記憶した暗号化データを無線電波7の反射波として返す場合について説明した。しかし、この場合、タグ2から送信されるデータは毎回同じである。そのため、タグ2のデータをコピーされる虞がある。
実施の形態4では、タグ2のデータをコピーすることをより困難にする方法について説明する。
【0043】
図7は、実施の形態4に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図である。
警告システムは、タグ2、警告装置4、管理装置6を備える。
【0044】
タグ2は、暗号鍵記憶装置31、暗号化部32を備える。
暗号鍵記憶装置31は、警告装置4の公開鍵である暗号鍵を記憶する。暗号化部32は、所定のデータを乗せた無線電波7を受信すると、暗号鍵記憶装置31が記憶した暗号鍵で所定のデータを暗号化して暗号化データを生成し、反射波として返す。
【0045】
警告装置4は、アンテナ5を備える。また、警告装置4は、読出部11、復号部12、判定部13、警告部14、復号鍵記憶装置15を備える。
復号鍵記憶装置15には、警告装置4の秘密鍵である復号鍵が記憶されている。
アンテナ5は、所定のデータを乗せた無線電波7を所定の間隔で放射する。読出部11は、タグ2が無線電波7の反射波として返す暗号化データを読み出す。
以下、復号部12、判定部13、警告部14の動作は、実施の形態1と同様である。
ここで、アンテナ5が無線電波7に乗せて送信する所定のデータは、例えば乱数であり、所定時間毎に異なるデータである。そのため、タグ2が反射波として返す暗号化データも所定時間毎に異なるデータになる。
【0046】
以上のように、実施の形態4に係る警告システムでは、タグ2から送信されるデータが所定時間毎に異なるため、タグ2のデータをコピーすることが困難になる。
【0047】
なお、実施の形態2のように、物品1がC中継所で中継され配送される場合には、A地点からC中継所まで物品1を運ぶ車両3Aに取り付けられた警告装置4Aでは、アンテナ5Aが所定のデータを乗せた無線電波7を所定の間隔で放射する。そして、読出部11Aが、タグ2が無線電波7の反射波として返す暗号化データを読み出し、警告を送信するか否かが決定される。
C中継所では、第2暗号鍵でタグデータを暗号化した第2暗号化データをタグ2に記憶させる代わりに、第2暗号鍵をタグ2の暗号鍵記憶装置31に記憶させる。
そして、C中継所からB地点まで物品1を運ぶ車両3Bに取り付けられた警告装置4Bでは、アンテナ5Bが所定のデータを乗せた無線電波7を所定の間隔で放射する。そして、読出部11Bが、タグ2が無線電波7の反射波として返す暗号化データを読み出し、警告を送信するか否かが決定される。
【0048】
また、実施の形態3のように、一部区間を他の運送会社等へ委託する場合には、A地点からC地点まで物品1を運ぶ車両3Aに取り付けられた警告装置4Aでは、アンテナ5Aが所定のデータを乗せた無線電波7を所定の間隔で放射する。そして、読出部11Aが、タグ2が無線電波7の反射波として返す暗号化データを読み出し、警告を送信するか否かが決定される。
C地点では、第2暗号鍵でタグデータを暗号化した第2暗号化データをタグ2に記憶させる代わりに、第1暗号鍵の下位の公開鍵である第2暗号鍵をタグ2の暗号鍵記憶装置31に記憶させる。
C地点からD地点まで物品1を運ぶ航空機8に取り付けられた警告装置4Cでは、アンテナ5Cが所定のデータを乗せた無線電波7を所定の間隔で放射する。そして、読出部11Cが、タグ2が無線電波7の反射波として返す暗号化データを読み出し、警告を送信するか否かが決定される。
D地点では、タグ2の暗号鍵記憶装置31が記憶したデータは変更されない。
D地点からB地点まで物品1を運ぶ車両3Bに取り付けられた警告装置4Bでは、アンテナ5Bが所定のデータを乗せた無線電波7を所定の間隔で放射する。そして、読出部11Bが、タグ2が無線電波7の反射波として返す暗号化データを読み出し、警告を送信するか否かが決定される。
【0049】
実施の形態5.
実施の形態5では、警告が送信された場合に、盗難された物品1を発見する方法について説明する。
【0050】
図8は、実施の形態5に係る警告システムの概要を説明するための図である。
一般に、運送会社は、多くの車両3を有している。ここで、例えば、車両3Aに載せられた物品1が盗難されたとする。この場合、上記実施の形態で説明した方法により、警告が管理装置6へ送信される(1)。なお、上述したように、警告には、タグ2の識別情報が含まれる。
すると、管理装置6は、各車両3へ盗難された物品1に取り付けられたタグ2の識別情報を送信する(2)。盗難されたタグ2の識別情報を受信した車両3では、通常通り、アンテナ5から無線電波7を送信してタグ2から暗号化データを読み出す。
この際、車両3Cが盗難された物品1の付近を通ったとする。すると、車両3Cに取り付けられた警告装置4Cは、盗難された物品1に取り付けられたタグ2から暗号化データを読み出す。この暗号化データを復号すると、盗難された物品1に取り付けられたタグ2の識別情報になる。そこで、車両3Cは、盗難されたタグ2の情報を検出したことを示すタグ検出情報を管理装置6へ送信する(3)。この際、合わせて、車両3Cの位置情報も管理装置6へ送信する。
これにより、盗難された物品1がある場所を特定することができる。
なお、ここでは、アンテナ5は、車両3の荷台よりも広い範囲へ無線電波7を放射しているものとする。
【0051】
図9は、実施の形態5に係る警告システムの機能を示す機能ブロック図である。
警告システムは、タグ2、複数の警告装置4、管理装置6を備える。なお、図9では、警告装置4を1つだけ示すが、実際には警告システムは複数の警告装置4を備える。また、図9では、タグ2は省略している。
【0052】
各警告装置4は、読出部11、復号部12、判定部13、警告部14、復号鍵記憶装置15を備える。さらに、各警告装置4は、識別情報受信部19、検出情報送信部20を備える。
管理装置6は、管理装置受信部21、管理装置送信部22を備える。
【0053】
各警告装置4は、上記実施の形態と同様に、タグ2の識別情報を含む警告を管理装置6へ送信する。
すると、管理装置6の管理装置受信部21は、警告装置4が送信した警告を受信する。管理装置送信部22は、受信した警告に含まれるタグ2の識別情報を各警告装置4へ送信する。
各警告装置4の識別情報受信部19は、管理装置6が送信したタグ2の識別情報を受信する。その後、判定部13は、読出部11が読み出した暗号化データから生成された復号データが、識別情報受信部19が受信したタグ2の識別情報であるか否かを判定する。読出部11が読み出した暗号化データから生成された復号データが識別情報受信部19が受信したタグ2の識別情報であると判定部13が判定した場合、検出情報送信部20はそのタグ2の識別情報と、車両3の位置情報とを管理装置6へ送信する。
【0054】
以上のように、実施の形態5に係る警告システムでは、複数の警告装置4が盗難された物品1に取り付けられたタグ2からデータを読み出した場合に管理装置6へ通知する。これにより、盗難された物品1の場所を特定することができる。
【0055】
なお、上記説明では、車両3が警告装置4を備え、物品1を配送する例を示した。ここで、車両3は、図に示したようにトラックのような車両であってもよいし、列車、バイク、自転車等の他の車両であってもよい。また、警告装置4を備えるのは、車両でなく、航空機、船等の他の乗り物であってもよいし、人が持っていてもよい。
【0056】
また、上記説明では、タグデータは、タグ2の識別情報であるとした。しかし、タグデータは他の情報であり、タグ2は反射波としてタグデータが暗号化された暗号化データと、タグ2の識別情報とを返すとしてもよい。
【0057】
また、上記説明では、公開鍵暗号化方式を用いる例を説明した。しかし、共通鍵暗号化方式を用いてもよい。
【0058】
以上をまとめると以下のようになる。
この発明に係る警告装置は、例えば、
所定の範囲に無線電波を放射するアンテナと、
物品に取り付けられたタグであって、タグデータが第1暗号鍵で暗号化された第1暗号化データを記憶したタグから、前記アンテナが放射した無線電波を介して前記第1暗号化データを読み出す読出部と、
前記第1暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第1復号鍵と判定データとを記憶した記憶装置と、
前記読出部が読み出した第1暗号化データを、前記記憶装置が記憶した第1復号鍵で復号して第1復号データを処理装置により生成する復号部と、
前記復号部が生成した第1復号データが前記判定データと一致するか否かを処理装置により判定する判定部と、
前記第1復号データが前記判定データと一致しないと前記判定部が判定した場合、又は、前記読出部が前記タグから前記暗号化データを読み出せなかった場合、警告を発する警告部と
を備えることを特徴とする。
【0059】
前記警告装置は、さらに、
前記物品の管理を他の警告装置へ移す場合、前記タグデータが第2暗号鍵で暗号化された第2暗号化データを前記タグに記憶させるタグデータ更新部と、
前記第2暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第2復号鍵を、前記他の管理装置が備える記憶装置に記憶させる復号鍵更新部と
を備えることを特徴とする。
【0060】
前記タグデータ更新部は、前記第1復号鍵で復号可能な暗号化データを生成する第2暗号鍵で、前記タグデータが暗号化された第2暗号化データを前記タグに記憶させ、
前記復号鍵更新部は、前記第1復号鍵で復号可能な暗号化データのうち、一部の暗号化データのみを復号可能な第2復号鍵であって、前記第2暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第2復号鍵を、前記他の管理装置が備える記憶装置に記憶させる
ことを特徴とする。
【0061】
前記タグデータ更新部は、前記第1暗号化データを前記第2暗号鍵でさらに暗号化した第2暗号化データを前記タグに記憶させ、
前記復号鍵更新部は、前記第2復号鍵を前記他の管理装置が備える記憶装置に記憶させるとともに、使用可能な期限である有効期限を付した前記第1復号鍵を前記他の管理装置が備える記憶装置に記憶させる
ことを特徴とする。
【0062】
前記警告装置は、さらに、
前記読出部が前記タグから初めて暗号化データを読み出した場合、前記タグの識別情報と、警告装置自身の識別情報とを所定の管理装置へ送信する識別情報送信部
を備えることを特徴とする。
【0063】
この発明に係る警告システムは、
複数の警告装置を備える警告システムであり、
前記複数の警告装置のうちの第1警告装置は、
所定の範囲に無線電波を放射する第1アンテナと、
物品に取り付けられたタグであって、タグデータが第1暗号鍵で暗号化された第1暗号化データを記憶したタグから、前記第1アンテナが放射した無線電波を介して前記第1暗号化データを読み出す第1読出部と、
前記第1暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第1復号鍵と判定データとを記憶した第1記憶装置と、
前記第1読出部が読み出した第1暗号化データを、前記第1記憶装置が記憶した第1復号鍵で復号して第1復号データを処理装置により生成する第1復号部と、
前記第1復号部が生成した第1復号データが前記判定データと一致するか否かを処理装置により判定する第1判定部と、
前記第1復号データが前記判定データと一致しないと前記第1判定部が判定した場合、又は、前記第1読出部が前記タグから前記暗号化データを読み出せなかった場合、警告を発する第1警告部と、
前記物品の管理を前記複数の警告装置のうちの第2警告装置へ移す場合、前記タグデータが第2暗号鍵で暗号化された第2暗号化データを前記タグに記憶させる第1タグデータ更新部と、
前記第2暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第2復号鍵と判定データとを、前記第2管理装置が備える第2記憶装置に記憶させる第1復号鍵更新部と
を備え、
前記第2警告装置は、
所定の範囲に無線電波を放射する第2アンテナと、
物品に取り付けられたタグであって、前記第2暗号化データを記憶したタグから、前記第2アンテナが放射した無線電波を介して前記第2暗号化データを読み出す第2読出部と、
前記第1復号鍵更新部によって前記第2復号鍵と判定データとを記憶される第2記憶装置と、
前記第2読出部が読み出した第2暗号化データを、前記第2記憶装置が記憶した第2復号鍵で復号して第2復号データを処理装置により生成する第2復号部と、
前記第2復号部が生成した第2復号データが前記判定データと一致するか否かを処理装置により判定する第2判定部と、
前記第2復号データが前記判定データと一致しないと前記第2判定部が判定した場合、又は、前記第2読出部が前記タグから前記暗号化データを読み出せなかった場合、警告を発する第2警告部と
を備えることを特徴とする。
【0064】
この発明に係る警告システムは、
複数の警告装置と、管理装置とを備える警告システムであり、
前記複数の警告装置の各警告装置は、
所定の範囲に無線電波を放射するアンテナと、
物品に取り付けられたタグであって、タグデータが第1暗号鍵で暗号化された第1暗号化データと、タグの識別情報とを記憶したタグから、前記アンテナが放射した無線電波を介して前記第1暗号化データと前記識別情報とを読み出す読出部と、
前記第1暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第1復号鍵と判定データとを記憶した記憶装置と、
前記読出部が読み出した第1暗号化データを、前記記憶装置が記憶した第1復号鍵で復号して第1復号データを処理装置により生成する復号部と、
前記復号部が生成した第1復号データが前記判定データと一致するか否かを処理装置により判定する判定部と、
前記第1復号データが前記判定データと一致しないと前記判定部が判定した場合、又は、前記読出部が前記タグから前記暗号化データを読み出せなかった場合、前記タグの識別情報を含む警告を通信装置を介して前記管理装置へ送信する警告部と
を備え、
前記管理装置は、
前記警告部が送信した警告を通信装置を介して受信する管理装置受信部と、
前記受信部が警告を受信した場合、前記警告に含まれる識別情報を前記複数の警告装置へ通信装置を介して送信する管理装置送信部と
を備え、
前記各警告装置は、さらに、
前記管理装置送信部が送信した識別情報を通信装置を介して受信する識別情報受信部と、
前記識別情報受信部が受信した識別情報をタグから受信した場合、タグ検出情報を前記管理装置へ通信装置を介して送信する検出情報送信部と
を備えることを特徴とする。
【0065】
この発明に係る警告システムは、
物品に取り付けられたタグと、前記タグからデータを読み出す警告装置とを備える警告システムであり、
前記警告装置は、
所定の範囲に所定のデータを乗せた無線電波を放射するアンテナを備え、
前記タグは、
第1暗号鍵を記憶する暗号鍵記憶装置と、
前記アンテナが放射した無線電波を受信すると、無線電波に乗せられた所定のデータを前記暗号鍵記憶装置が記憶した第1暗号鍵で暗号化して第1暗号化データを生成する暗号化部を備え、
前記警告装置は、さらに、
前記アンテナが放射した無線電波を介して、前記暗号化部が暗号化した第1暗号化データを読み出す読出部と、
前記第1暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第1復号鍵を記憶した復号鍵記憶装置と、
前記読出部が読み出した第1暗号化データを、前記復号鍵記憶装置が記憶した第1復号鍵で復号して第1復号データを処理装置により生成する復号部と、
前記復号部が生成した第1復号データが前記所定のデータと一致するか否かを処理装置により判定する判定部と、
前記第1復号データが前記所定のデータと一致しないと前記判定部が判定した場合、又は、前記読出部が前記タグから前記暗号化データを読み出せなかった場合、警告を発する警告部と
を備えることを特徴とする。
【0066】
前記警告システムは、前記警告装置を複数備え、
前記警告装置は、さらに、
前記物品の管理を他の警告装置へ移す場合、前記第1暗号鍵とは異なる第2暗号鍵を前記暗号鍵記憶装置に記憶させるタグデータ更新部と、
前記第2暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第2復号鍵を、前記他の管理装置が備える復号鍵記憶装置に記憶させる復号鍵更新部と
を備えることを特徴とする。
【0067】
前記タグデータ更新部は、前記第1復号鍵で復号可能な暗号化データを生成する第2暗号鍵を前記暗号鍵記憶装置に記憶させ、
前記復号鍵更新部は、前記第1復号鍵で復号可能な暗号化データのうち、一部の暗号化データのみを復号可能な第2復号鍵であって、前記第2暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第2復号鍵を、前記他の管理装置が備える復号鍵記憶装置に記憶させる
ことを特徴とする。
【0068】
この発明に係る警告プログラムは、
物品に取り付けられたタグであって、タグデータが第1暗号鍵で暗号化された第1暗号化データを記憶したタグから、前記アンテナから放射された無線電波を介して前記第1暗号化データを読み出す読出処理と、
前記読出処理で読み出した第1暗号化データを、記憶装置に記憶された第1復号鍵で復号して第1復号データを処理装置により生成する復号処理と、
前記復号処理で生成した第1復号データが記憶装置に記憶された判定データと一致するか否かを処理装置により判定する判定処理と、
前記第1復号データが前記判定データと一致しないと前記判定処理で判定した場合、又は、前記読出処理で前記タグから前記暗号化データを読み出せなかった場合、警告を発する警告処理と
を備えることを特徴とする。
【0069】
次に、上記実施の形態における警告装置4、管理装置6のハードウェア構成について説明する。
図10は、警告装置4、管理装置6のハードウェア構成の一例を示す図である。
図10に示すように、警告装置4、管理装置6は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、LCD901(Liquid Crystal Display)、キーボード902(K/B)、通信ボード915、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920(固定ディスク装置)の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。磁気ディスク装置920は、所定の固定ディスクインタフェースを介して接続される。
【0070】
ROM913、磁気ディスク装置920は、不揮発性メモリの一例である。RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913とRAM914と磁気ディスク装置920とは、記憶装置(メモリ)の一例である。また、キーボード902、通信ボード915は、入力装置の一例である。また、通信ボード915は、通信装置(ネットワークインタフェース)の一例である。さらに、LCD901は、表示装置の一例である。
【0071】
磁気ディスク装置920又はROM913などには、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0072】
プログラム群923には、上記の説明において「読出部11」、「復号部12」、「判定部13」、「警告部14」、「タグデータ更新部16」、「識別情報送信部17」、「復号鍵更新部18」、「識別情報受信部19」、「検出情報送信部20」、「管理装置受信部21」、「管理装置送信部22」等として説明した機能を実行するソフトウェアやプログラムやその他のプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、上記の説明において「タグデータ」、「暗号化データ」、「復号データ」、「結果」、「警告」等の情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「ファイル」や「データベース」の各項目として記憶される。「ファイル」や「データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPU911の動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPU911の動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0073】
また、上記の説明におけるフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、その他光ディスク等の記録媒体やICチップに記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体や電波によりオンライン伝送される。
また、上記の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。また、「〜装置」として説明するものは、「〜回路」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。さらに、「〜処理」として説明するものは「〜ステップ」であっても構わない。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、ROM913等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、上記で述べた「〜部」としてコンピュータ等を機能させるものである。あるいは、上記で述べた「〜部」の手順や方法をコンピュータ等に実行させるものである。
【符号の説明】
【0074】
1 物品、2 タグ、3 車両、4 警告装置、5 アンテナ、6 管理装置、7 無線電波、8 航空機、11 読出部、12 復号部、13 判定部、14 警告部、15 復号鍵記憶装置、16 タグデータ更新部、17 識別情報送信部、18 復号鍵更新部、19 識別情報受信部、20 検出情報送信部、21 管理装置受信部、22 管理装置送信部、31 暗号鍵記憶装置、32 暗号化部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の警告装置と、管理装置とを備える警告システムであり、
前記複数の警告装置の各警告装置は、
所定の範囲に無線電波を放射するアンテナと、
物品に取り付けられたタグから、前記アンテナが放射した無線電波を介して前記タグの識別情報を読み出す読出部と、
所定の場合に、前記読出部が読み出した識別情報を含む警告を通信装置を介して前記管理装置へ送信する警告部と
を備え、
前記管理装置は、
前記警告部が送信した警告を通信装置を介して受信する管理装置受信部と、
前記受信部が警告を受信した場合、前記警告に含まれる識別情報を前記複数の警告装置へ通信装置を介して送信する管理装置送信部と
を備え、
前記各警告装置は、さらに、
前記管理装置送信部が送信した識別情報を通信装置を介して受信する識別情報受信部と、
前記識別情報受信部が受信した識別情報をタグから受信した場合、タグ検出情報を前記管理装置へ通信装置を介して送信する検出情報送信部と
を備えることを特徴とする警告システム。
【請求項2】
前記検出情報送信部は、前記識別情報受信部が受信した識別情報をタグから受信した位置を示す位置情報を含むタグ検出情報を、前記管理装置へ送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の警告システム。
【請求項3】
前記読出部は、タグデータが第1暗号鍵で暗号化された第1暗号化データと、タグの識別情報とを記憶したタグから、前記第1暗号化データと前記識別情報とを読み出し、
前記各警告装置は、さらに、
前記第1暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第1復号鍵と判定データとを記憶した記憶装置と、
前記読出部が読み出した第1暗号化データを、前記記憶装置が記憶した第1復号鍵で復号して第1復号データを処理装置により生成する復号部と、
前記復号部が生成した第1復号データが前記判定データと一致するか否かを処理装置により判定する判定部と
を備え、
前記警告部は、前記第1復号データが前記判定データと一致しないと前記判定部が判定した場合、又は、前記読出部が前記タグから前記暗号化データを読み出せなかった場合、前記警告を前記管理装置へ送信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の警告システム。
【請求項1】
複数の警告装置と、管理装置とを備える警告システムであり、
前記複数の警告装置の各警告装置は、
所定の範囲に無線電波を放射するアンテナと、
物品に取り付けられたタグから、前記アンテナが放射した無線電波を介して前記タグの識別情報を読み出す読出部と、
所定の場合に、前記読出部が読み出した識別情報を含む警告を通信装置を介して前記管理装置へ送信する警告部と
を備え、
前記管理装置は、
前記警告部が送信した警告を通信装置を介して受信する管理装置受信部と、
前記受信部が警告を受信した場合、前記警告に含まれる識別情報を前記複数の警告装置へ通信装置を介して送信する管理装置送信部と
を備え、
前記各警告装置は、さらに、
前記管理装置送信部が送信した識別情報を通信装置を介して受信する識別情報受信部と、
前記識別情報受信部が受信した識別情報をタグから受信した場合、タグ検出情報を前記管理装置へ通信装置を介して送信する検出情報送信部と
を備えることを特徴とする警告システム。
【請求項2】
前記検出情報送信部は、前記識別情報受信部が受信した識別情報をタグから受信した位置を示す位置情報を含むタグ検出情報を、前記管理装置へ送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の警告システム。
【請求項3】
前記読出部は、タグデータが第1暗号鍵で暗号化された第1暗号化データと、タグの識別情報とを記憶したタグから、前記第1暗号化データと前記識別情報とを読み出し、
前記各警告装置は、さらに、
前記第1暗号鍵で暗号化されたデータを復号するための第1復号鍵と判定データとを記憶した記憶装置と、
前記読出部が読み出した第1暗号化データを、前記記憶装置が記憶した第1復号鍵で復号して第1復号データを処理装置により生成する復号部と、
前記復号部が生成した第1復号データが前記判定データと一致するか否かを処理装置により判定する判定部と
を備え、
前記警告部は、前記第1復号データが前記判定データと一致しないと前記判定部が判定した場合、又は、前記読出部が前記タグから前記暗号化データを読み出せなかった場合、前記警告を前記管理装置へ送信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の警告システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−141995(P2012−141995A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−24808(P2012−24808)
【出願日】平成24年2月8日(2012.2.8)
【分割の表示】特願2010−48727(P2010−48727)の分割
【原出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(394013002)三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 (251)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月8日(2012.2.8)
【分割の表示】特願2010−48727(P2010−48727)の分割
【原出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(394013002)三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 (251)
【Fターム(参考)】
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