説明

議事録作成装置、議事録作成システム、議事録作成方法および議事録作成プログラム

【課題】 参加者ごとに発話した内容を容易に関連付けること。
【解決手段】 MFPは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を、会議の参加者を示す参加者情報として取得する参加者情報取得部(S03)と、会議の参加者が発話する音声を取得する音声取得部(S04)と、取得された参加者情報で識別されるユーザのうちから取得された音声を発話したユーザを特定する話者特定部(S05)と、取得された音声を文字情報に変換する音声変換部(S06)と、変換された文字情報を判別されたユーザの参加者情報と関連付ける関連付部(S07)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、議事録作成装置、議事録作成システム、議事録作成方法および議事録作成プログラムに関し、特に音声認識機能を備えた議事録作成装置、議事録作成システム、その議事録作成装置により実行される議事録作成方法および議事録作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、双方向通信して映像と音声を送受信するテレビ議事録作成システムが普及している。従来、会議の議事録を作成する際、会議の音声をボイスレコーダで録音し、後に録音した音声を再生した音を聞く作成者が議事録を作成するなどしていた。また、特開2005−175627号公報(特許文献1)には、会議の内容が書かれたホワイトボードを撮像して、デジタルの画像データを出力するとともに、会議の参加者の発言を収録して、デジタルの音声データを出力するデジタルカメラと、画像データおよび音声データを外部に送信する携帯電話と、画像データ内の文字を文字認識して、第1のテキストデータに変換する文字認識装置、音声データを音声認識して、第2のテキストデータに変換する音声認識装置、第1および第2のテキストデータを自動編集して、議事録ファイルを作成する編集装置、議事録ファイルをインターネット経由で顧客のパーソナルコンピュータに配信する配信装置を備えた議事録作成システムが記載されている。しかしながら音声データを音声認識して得られる第2のテキストデータは、発言者を特定することができない。
【0003】
一方、予め個人ごとに取得した声紋を用いて音声から個人を認証する技術が知られている。しかしながら、声紋を用いて個人を認証するためには、音声と個人ごとに取得した声紋とを比較しなければならず、声紋の数が増えると認証に長時間が必要になるといった問題がある。
【0004】
特開2005−37781号公報(特許文献2)には、入力された音声を所定の方法で認識する第1の音声認識部と、音声を各個人毎に作成された音声認識用個人データに基づいて認識する第2の音声認識部とからなる第1音声認識部と、第1の音声認識部による認識結果と、第2の音声認識部による全ての前記音声認識用個人データを用いた認識結果とを比較し、差異を抽出する比較部と、前記比較部によって抽出された前記差異に基づいて前記第2の音声認識部による各音声認識用個人データ毎の認識率を計算する計算部と、前記計算部による計算結果に基づいて前記個人を特定する個人特定部とからなる個人認証システムが記載されている。しかしながら、この従来の技術は、声紋認証を用いる必要がないが、全ての音声認識用個人データを用いて音声認識しなければならず、声紋認証の場合と同様に音声認識用個人データの数が増えると長時間が費やされるといった問題がある。
【特許文献1】特開2005−175627号公報
【特許文献2】特開2005−37781号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、参加者ごとに発話した内容を容易に関連付けることが可能な議事録作成装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、議事録を作成する負荷を分散させることが可能な議事録作成システムを提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、参加者ごとに発話した内容を容易に関連付けることが可能な議事録作成方法を提供することである。
【0008】
この発明のさらに他の目的は、参加者ごとに発話した内容を容易に関連付けることが可能な議事録作成プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、議事録作成装置は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を、会議の参加者を示す参加者情報として取得する参加者情報取得手段と、会議の参加者が発話する音声を取得する音声取得手段と、取得された参加者情報で識別されるユーザのうちから取得された音声を発話したユーザを特定する話者特定手段と、取得された音声を文字情報に変換する音声変換手段と、変換された文字情報を判別されたユーザの参加者情報と関連付ける関連付手段と、を備える。
【0010】
この局面に従えば、参加者情報が取得され、参加者が発話する音声が取得されると、取得された参加者情報で識別されるユーザのうちから音声を発話したユーザが特定され、取得された音声が文字情報に変換され、変換された文字情報が判別されたユーザの参加者情報と関連付けられる。音声が取得されると、その音声を変換した文字情報とその音声を発話したユーザとが関連付けられるので、ユーザごとに発話内容を関連付けることができる。また、参加者情報で識別されるユーザのうちから音声を発話したユーザが特定されるので、音声を発話したユーザを容易に特定することができる。その結果、参加者ごとに発話した内容を容易に関連付けることが可能な議事録作成装置を提供することができる。
【0011】
好ましくは、参加者情報取得手段は、予め記憶された参加者リストに含まれるユーザ識別情報を取得する。
【0012】
好ましくは、参加者情報取得手段は、ユーザのユーザ識別情報を受け付けるユーザ判別装置と接続され、ユーザ判別装置により受け付けられたユーザ識別情報を取得する。
【0013】
好ましくは、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、ユーザ識別情報と生体情報とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶手段と、参加者情報取得手段は、生体情報取得手段により取得された生体情報と関連付けられたユーザ識別情報を取得する。
【0014】
好ましくは、複数の会議室間で音声および映像を送受信するテレビ会議システムに接続するための通信手段をさらに備え、音声取得手段は、通信手段により受信された音声を取得する。
【0015】
この発明のさらに他の局面によれば、議事録作成システムは、複数の会議室間で音声および映像を送受信するテレビ会議システムに用いられる議事録作成システムであって、複数の議事録作成装置を備え、複数の議事録作成装置それぞれは、テレビ会議システムに接続するための通信手段と、対応する会議室の参加するユーザを識別するためのユーザ識別情報を、会議の参加者を示す参加者情報として取得する参加者情報取得手段と、対応する会議室の参加者が発話する音声を取得する音声取得手段と、取得された参加者情報で識別されるユーザのうちから取得された音声を発話したユーザを特定する話者特定手段と、取得された音声を文字情報に変換する音声変換手段と、変換された文字情報と、判別されたユーザの参加者情報と、音声が発話された時刻とを関連付けた発言データを生成する関連付手段と、生成された発言データを、複数の議事録作成装置のうちから選ばれた選択装置に送信する送信手段と、を備え、選択装置は、複数の議事録作成装置のうち他の議事録作成装置それぞれから発言データを受信する受信手段と、他の議事録作成装置それぞれから受信された発言データと、自装置で生成された発言データとを1つに合成する合成手段と、合成された発言データを、時刻をキーに並べ替える並べ替え手段と、を備える。
【0016】
この局面に従えば、複数の議事録作成装置のうち他の議事録作成装置それぞれから発言データが受信され、他の議事録作成装置それぞれから受信された発言データと、自装置で生成された発言データとが1つに合成され、時刻をキーに並べ替えられる。このため、発言データが複数の議事録作成装置それぞれで生成されるので、発言データを生成する負荷を分散させることができる。このため、議事録を作成する負荷を分散させることが可能な議事録作成システムを提供することができる。
【0017】
この発明のさらに他の局面によれば、議事録作成方法は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を、会議の参加者を示す参加者情報として取得するステップと、会議の参加者が発話する音声を取得するステップと、取得された参加者情報で識別されるユーザのうちから取得された音声を発話したユーザを特定するステップと、取得された音声を文字情報に変換するステップと、変換された文字情報を判別されたユーザの参加者情報と関連付けるステップと、を含む。
【0018】
この局面に従えば、参加者ごとに発話した内容を容易に関連付けることが可能な議事録作成方法を提供することができる。
【0019】
この発明のさらに他の局面によれば、議事録作成プログラムは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を、会議の参加者を示す参加者情報として取得するステップと、会議の参加者が発話する音声を取得するステップと、取得された参加者情報で識別されるユーザのうちから取得された音声を発話したユーザを特定するステップと、取得された音声を文字情報に変換するステップと、変換された文字情報を判別されたユーザの参加者情報と関連付けるステップと、をコンピュータに実行させる。
【0020】
この局面に従えば、参加者ごとに発話した内容を容易に関連付けることが可能な議事録作成プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0022】
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態における議事録作成システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、議事録作成システム1は、物理的に離れた空間である会議室A,B,Cに区切られ、会議室A,B,Cにはネットワーク2が敷設される。会議室Aには、それぞれがネットワーク2に接続されたMFP(Multi Function Peripheral)100と、テレビ会議用端末装置200と、ユーザ判別装置300とが設置される。会議室Bには、それぞれがネットワーク2に接続されたMFP100Aと、テレビ会議用端末装置200Aと、ユーザ判別装置300Aとが設置される。会議室Cには、それぞれがネットワーク2に接続されたMFP100Bと、テレビ会議用端末装置200Bと、ユーザ判別装置300Bとが設置される。
【0023】
ネットワーク2は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク2は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0024】
MFP100は、テレビ会議用端末装置200、ユーザ判別装置300、およびMFP100A,100Bとネットワーク2を介して通信することが可能である。MFP100Aは、テレビ会議用端末装置200A、ユーザ判別装置300A、およびMFP100,100Bとネットワーク2を介して通信することが可能である。MFP100Bは、テレビ会議用端末装置200B、ユーザ判別装置300B、およびMFP100,100Aとネットワーク2を介して通信することが可能である。
【0025】
ユーザ判別装置300,300A,300Bは、会議室A、会議室Bおよび会議室Cそれぞれに入退室する人がアクセスするのに容易な位置、例えば、会議室A、会議室Bおよび会議室Cそれぞれの出入り口に配置される。
【0026】
なお、本実施の形態においては議事録作成装置の一例としてMFP100,100A,100Bを例に説明するが、MFP100,100A,100Bに代えて、たとえば、スキャナ、プリンタ、ファクシミリ、コンピュータ等であってもよい。また、ここでは会議室A、会議室B、会議室Cの3つの物理的に離れた空間を配置する例を示すが、空間の数はこれに限定されることなく、会議室Aのみであってもよいし、複数の会議室のうちから選ばれた2以上の組であってもよい。
【0027】
MFP100,100A,100Bは、構成および機能は同じなので、ここでは特に言及しない限りMFP100を例に説明する。図2は、MFPの外観を示す斜視図である。図2を参照して、MFP100は、自動原稿搬送装置(ADF)10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、を含む。ADF10は、原稿台11に搭載された複数枚の原稿をさばいて1枚ずつ順に、画像読取部20に搬送する。画像読取部20は、写真、文字、絵等の画像情報を原稿から光学的に読み取って画像データを取得する。
【0028】
画像形成部30は、画像データが入力されると、画像データに基づいて用紙上に画像を形成する。画像形成部30は、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のトナーを用いてカラーの画像を形成する、また、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのいずれか1色のトナーを用いてモノクロの画像を形成する。
【0029】
給紙部40は、用紙を格納しており、格納した用紙を1枚ずつ画像形成部30に供給する。MFP100は、その上面に操作パネル9を備える。
【0030】
図3は、MFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、MFP100は、メイン回路101をさらに含み、メイン回路101は、ファクシミリ部60と、ADF10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と接続される。メイン回路101は、中央演算装置(CPU)111と、CPU111の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)112と、CPU111が実行するプログラム等を記憶するためのEEPROM(Electronically Erasable Programmable Read Only Memory)113と、表示部114と、操作部115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、データ通信制御部117と、を含む。CPU111は、表示部114、操作部115、HDD116およびデータ通信制御部117とそれぞれ接続され、メイン回路101の全体を制御する。また、CPU111は、ファクシミリ部60、ADF10、画像読取部20、画像形成部30および給紙部40と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0031】
表示部114は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイであり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部115は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受付ける。操作部115は、表示部114上に設けられたタッチパネルを含む。表示部114と操作部115とで、操作パネル9が構成される。
【0032】
データ通信制御部117は、TCP(Transmission Control Protocol)またはUDP(User Datagram Protocol)等の通信プロトコルで通信するためのインターフェースであるLAN端子118と、シリアル通信するためのシリアルインターフェース端子119とを有する。データ通信制御部117は、CPU111からの指示に従って、LAN端子118またはシリアルインターフェース端子119に接続された外部の機器との間でデータを送受信する。
【0033】
LAN端子118に、ネットワーク2に接続するためのLANケーブルが接続される場合、データ通信制御部117は、LAN端子118を介してテレビ会議用端末装置200、200A,200B、ホワイトボード400、ユーザ判別装置300,300A,300Bと通信することが可能である。
【0034】
また、CPU111は、データ通信制御部117を制御して、メモリカード119AからCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM112に記憶し、実行する。なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、メモリカード119Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)/MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electronically EPROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がインターネットに接続されたコンピュータからプログラムをダウンロードしてHDD116に記憶する、または、インターネットに接続されたコンピュータがプログラムをHDD116に書込みするようにして、HDD116に記憶されたプログラムをRAM112にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0035】
ファクシミリ部60は、PSTN7に接続され、PSTN7にファクシミリデータを送信する、またはPSTN7からファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部60は、受信したファクシミリデータをHDD116に記憶する、または画像形成部30でファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部60は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTN7に接続されたファクシミリ装置または他のMFPに出力する。これにより、HDD116に記憶されたデータをファクシミリ装置または他のMFPに出力することができる。
【0036】
テレビ会議用端末装置200,200A,200Bの構成および機能は同じなので、ここではテレビ会議用端末装置200を例に説明する。図4は、テレビ会議用端末装置の機能概要の一例を示す機能ブロック図である。図4を参照して、テレビ会議用端末装置200は、テレビ会議用端末装置200の全体を制御するための制御部201と、テレビ会議用端末装置200をネットワーク2に接続するためのネットワークI/F207と、操作パネル205と、画像を投影する投影部203と、会議室内を撮像するためのカメラ204と、音声を収集するマイクロフォン208と、音声を出力するスピーカ209と、を含む。
【0037】
カメラ204は、会議室A内を撮像し、撮像して得られる映像データを制御部201に出力する。マイクロフォン208は、音を収集し、音声データを制御部201に出力する。
【0038】
制御部201は、CPUと、作業領域として用いられるRAMと、CPUが実行するプログラムを記憶するためのROMと、を含む。制御部201は、カメラ204から入力される映像データと、マイクロフォン208から入力される音声データとを、ネットワークI/F207を介して他のテレビ会議用端末装置200A,200Bに送信する。さらに、制御部201は、音声データをMFP100に送信する。なお、テレビ会議用端末装置200Aは、音声データをMFP100Aに送信し、テレビ会議用端末装置200Bは、音声データをMFP100Bに送信する。
【0039】
また、制御部201は、ネットワークI/F207を介して他のテレビ会議用端末装置200A,200Bから受信する映像データを投影用のフォーマットに変換し、投影用のデータを投影部203に出力し、他のテレビ会議用端末装置200A,200Bから受信する音声データをスピーカ209に出力する。
【0040】
投影部203は、液晶表示装置、レンズおよび光源を備える。液晶表示装置は、制御部201から入力されるデータを表示する。光源から発せられる光は、液晶表示装置を透過し、レンズを介して外部に照射される。投影部203から照射される光が、スクリーンに照射されると、液晶表示装置に表示された画像を拡大した画像がスクリーンに映し出される。なお、反射率の高い面であれば、壁などを利用することができ、その場合にはスクリーンを設置する必要はない。操作パネル205は、ユーザインターフェースであり、液晶表示装置などの表示部と、複数のキーを含む操作部とを含む。
【0041】
なお、ここでは、テレビ会議用端末装置200,200A,200Bが投影部203を有する例を説明するが、投影部203に代えて、LCD、有機ELD等のディスプレイであってもよい。
【0042】
ユーザ判別装置300、300A,300Bの構成および機能は同じなので、ここではユーザ判別装置300を例に説明する。図5は、ユーザ判別装置300の機能概要の一例を示す機能ブロック図である。図5を参照して、ユーザ判別装置300は、ユーザ判別装置300の全体を制御するための制御部301と、ユーザ判別装置300をネットワーク2に接続するためのネットワークI/F307と、操作パネル305と、ICタグ読取部303と、を含む。
【0043】
制御部301は、CPUと、作業領域として用いられるRAMと、CPUが実行するプログラムを記憶するためのROMと、を含む。操作パネル305は、ユーザインターフェースであり、液晶表示装置などの表示部と、複数のキーを含む操作部とを含む。
【0044】
ICタグ読取部303は、無線でICタグ303Aと通信する。ICタグ303Aは、無線通信部と、半導体メモリとを備えており、メモリに、ICタグ303Aの所有者を識別するためのユーザ識別情報を記憶している。ICタグ303Aは、ICタグ読取部303との間の距離が予め定められた通信可能な距離になると、ICタグ読取部303と通信する。ICタグ303Aは、半導体メモリに記憶されたユーザ識別情報を、ICタグ読取部303に送信する。ICタグ読取部303は、ICタグ303Aからユーザ識別情報を受信すると、そのユーザ識別情報を制御部301に出力する。制御部301は、ユーザ識別情報をRAMに一時記憶する。制御部301は、ネットワークI/F307を介してMFP100から参加者情報の送信要求を受信すると、RAMに一時記憶したユーザ識別情報をMFP100に送信する。
【0045】
なお、ユーザ判別装置300Aは、MFP100Aから参加者情報の送信要求を受信すると、RAMに一時記憶したユーザ識別情報をMFP100Aに送信し、ユーザ判別装置300Bは、MFP100Bから参加者情報の送信要求を受信すると、RAMに一時記憶したユーザ識別情報をMFP100Bに送信する。
【0046】
ICタグ読取部303は、会議室Aへの入退出を管理するようにし、RAMに会議室A内に存在するユーザのユーザ識別情報を記憶するのが好ましい。この場合、例えば、ICタグ読取部303の操作パネル305に、入室キーおよび退室キーを設け、入室モードと退室モードとに切換え可能とする。そして、ICタグ読取部303は、入室モードに切換えられているときに、ユーザ識別情報が受信されると、そのユーザ識別情報をRAMに記憶し、退室モードに切換えられているときにユーザ識別情報が受信されると、そのユーザ識別情報と同じユーザ識別情報をRAMに記憶されているユーザ識別情報のうちから消去する。
【0047】
なお、ICタグ303Aにユーザ識別情報を記憶させるのではなく、ICタグ303Aに割り当てられた識別番号を記憶するようにし、MFP100において、ユーザ識別情報とICタグ303Aに割り当てられた識別番号とを関連付けるようにしてもよい。また、ここでは、ICタグ303AとICタグ読取部303とは、無線通信する例を示したが、ICタグ303Aに磁気テープなどの記録媒体を付し、ICタグ読取部303でその記録媒体に記憶された情報を読み取るようにしてもよい。
【0048】
図6は、MFPが備えるCPUの機能の一例をHDDに記憶される情報とともに示す機能ブロック図である。本実施の形態におけるMFP100が備えるHDD116は、ユーザ管理テーブル91を予め記憶する。ユーザ管理テーブル91は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、認証情報と、そのユーザの氏名と、音声認証用データとを対応付けたユーザレコードを含む。MFP100にユーザに関する情報が予め入力されると、ユーザレコードが生成され、ユーザ管理テーブル91に追加される。
【0049】
図7は、ユーザ管理テーブルのフォーマットの一例を示す図である。図7を参照して、ユーザ管理テーブル91は、ユーザ識別情報と、認証情報と、氏名と、音声認証用データとの項目を含む。ユーザ識別情報の項目は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報が設定される。認証情報の項目は、ユーザを認証するための認証情報が設定され、ここでは、認証情報に声紋を用いている。氏名の項目は、ユーザの氏名が設定される。音声認証用データは、音声認識に用いられ、そのユーザの音声のうち予め定められた音を含む。
【0050】
図6に戻って、CPU111は、会議に参加者するユーザのユーザ識別情報を取得するための参加者情報取得部51と、会議の参加者が発生する音声を取得するための音声取得部53と、取得された音声を発話したユーザを特定するための話者特定部55と、取得された音声を文字情報に変換するための音声変換部57と、文字情報と話者とを関連付けた発言データを生成する関連付部59と、発言データを記憶する記憶部61と、選択装置として設定するための選択装置設定部65と、発言データを送信または受信する発言データ送受信部67と、発言データに基づいて議事録を作成する議事録作成部69と、を含む。
【0051】
参加者情報取得部51は、ユーザ判別装置300,300A,300Bそれぞれに参加者情報の送信要求を送信する。ユーザ判別装置300,300A,300Bそれぞれは、MFP100から送信要求を受信すると、RAMに記憶されているユーザ識別情報をMFP100に送信するので、参加者情報取得部51は、ユーザ判別装置300,300A,300Bそれぞれからユーザ識別情報を受信する。参加者情報取得部51は、受信されたユーザ識別情報を話者特定部55に出力する。参加者情報取得部51は、ユーザ判別装置300,300A,300Bそれぞれから複数のユーザ識別情報が受信される場合、受信された複数のユーザ識別情報のすべてを、話者特定部55に出力する。
【0052】
なお、サーバ500(図1)において会議予約プログラムが実行されており、サーバ500に会議室および参加者情報を含む予約情報が記憶されている場合には、参加者情報取得部51は、サーバ500から会議室別に参加者のユーザ識別情報を取得するようにしてもよい。この場合、ユーザ判別装置300,300A,300Bは、不要である。
【0053】
話者特定部55は、参加者情報取得部51からユーザ識別情報を受信すると、そのユーザ識別情報を含む参加ユーザテーブルを生成し、HDD116に生成した参加ユーザテーブル93を記憶する。これにより、HDD116に参加ユーザテーブル93が記憶される。図8に、参加ユーザテーブル93のフォーマットの一例を示す。
【0054】
音声取得部53は、テレビ会議用端末装置200,200A,200Bから送信されてくる音声データを取得する。具体的には、データ通信制御部117がテレビ会議用端末装置200から送信されてくる音声データを受信すると、データ通信制御部117からから音声データを受け付ける。音声取得部53は、音声データを話者特定部55および音声変換部57に出力する。なお、MFP100Aが備えるCPU111が有する音声取得部53は、テレビ会議用端末装置200Aから送信されてくる音声データを受信し、MFP100Bが備えるCPU111が有する音声取得部53は、テレビ会議用端末装置200Bから送信されてくる音声データを受信する。
【0055】
話者特定部55は、音声データが入力されると、音声データに基づいて会議に参加しているユーザのうちから話者を特定する。話者は、音声データの音声を発話したユーザである。具体的には、話者特定部55は、参加ユーザテーブル93に含まれるすべてのユーザ識別情報を含むユーザレコードをユーザ管理テーブル91のうちから抽出する。そして、話者特定部55は、抽出したユーザレコードに含まれる認証情報を用いて、音声データの話者を特定する。ユーザ管理テーブル91に含まれるユーザレコードのすべてを用いる必要がなく、参加ユーザテーブル93に含まれるユーザ識別情報のユーザのうちから話者を特定するので、比較的短時間に話者を特定することができる。話者特定部55は、特定した話者のユーザ識別情報にユーザレコードで関連付けられた氏名を関連付部59に出力する。
【0056】
音声変換部57は、音声データを音声認識して文字情報に変換し、文字情報を関連付部59に出力する。ここでは、ステップS03において特定された話者のユーザ識別情報にユーザレコードで関連付けられた音声認識用データを用いて音声認識する。話者を特定し、その話者のために予め記憶された音声認識用データを用いて音声認識するので、音声認識の精度を高くすることができる。なお、話者のために予め記憶された音声認識用データを用いることなく、音声認識するようにしてもよい。この場合には、ユーザ管理テーブル91に音声認識用データを記憶する必要はない。
【0057】
関連付部59は、氏名と、文字情報と、その時の時刻とを関連付けた発言データを生成し、発言データを記憶部61に出力する。記憶部61は、入力される発言データをHDD116に記憶する。
【0058】
選択装置設定部65は、自装置を選択装置に設定する。選択装置は、MFP100,100A,100Bのうちいずれか1つである。ユーザがMFP100の操作部115に選択装置に設定するための指示を入力すると、操作部115から選択装置の設定指示を受け付け、他のMFP100A,100Bが選択装置に設定されていないことを条件に、自装置を選択装置に設定する。選択装置設定部65は、自装置を選択装置に設定すると、その旨を他のMFP100A,100Bに送信する。他のMFP100A,100Bと重複して選択装置に設定されないようするためである。選択装置設定部65は、自装置を選択装置に設定すると、選択装置設定信号を発言データ送受信部67および議事録作成部69に出力する。
【0059】
発言データ送受信部67は、選択装置設定部65から選択装置設定信号が入力される場合、他のMFP100A,100Bに発言データの送信を依頼する送信依頼信号を送信し、MFP100A,100Bそれぞれが返送する発言データを受信する。発言データ送受信部67は、MFP100A,100Bそれぞれがから受信した発言データを、議事録作成部69に出力する。発言データ送受信部67は、選択装置設定部65から選択装置設定信号が入力されない場合、他のMFP100A,100Bのうち選択装置に設定されているものから送信依頼信号を受信すると、HDD116から発言データを読出し、読み出した発言データを返送する。
【0060】
議事録作成部69は、選択装置設定信号が入力されると、発言データ送受信部67から入力される発言データと、HDD116に記憶されている発言データとに基づいて議事録を作成する。具体的には、発言データを合成し、発言データを時刻順に並べ替えた1つの文書ファイルを生成する。そして、文書ファイルを出力する。出力は、文書ファイルを画像形成部30に出力し、用紙に文書ファイルの画像を形成する。また、画像形成するのに代えて、またはそれに加えて、HDD116の予めさだめられた領域に文書ファイルを記憶するようにしてもよいし、宛先を参加者ユーザに対して予め定められた電子メールアドレスとし、文書ファイルを添付した電子メールを生成し、生成した電子メールを送信するようにしてもよいし、予め定められたアドレスにFTPなどで送信するようにしてもよい。
【0061】
図9は、議事録作成処理の流れの一例を示すフローチャートである。議事録作成処理は、CPU111が議事録作成プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。また、議事録作成処理は、MFP100がテレビ会議システムに接続されることに応じて実行される。例えば、ユーザが操作部115にテレビ会議システム用に準備されたネットワークに接続する指示が入力されることにより、テレビ会議システムに接続される。
【0062】
図9を参照して、CPU111は、選択装置設定指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。選択装置設定指示を受け付けたならば処理をステップS02に進め、そうでなければ処理をステップS03に進める。ステップS02においては、自装置を選択装置に設定し、処理をステップS03に進める。この際、自装置が選択装置に設定されたことを示す信号を、他のMFP100A,100Bに送信する。
【0063】
ステップS03においては、参加者情報取得処理を実行する。参加者情報取得処理については後述するが、会議の参加者全員のユーザ識別情報を取得する処理である。以下、ステップS03において取得されたユーザ識別情報のユーザを、参加ユーザという。
【0064】
そして、音声データを取得したか否かを判断する(ステップS04)。テレビ会議用端末装置200から音声データを受信すると、音声を取得したと判断する。音声データを取得するまで待機状態となり(ステップS04でNO)、音声データを取得すると処理をステップS05に進める。
【0065】
ステップS05においては、音声データに基づいて参加ユーザのうちから話者を特定する。ステップS03において取得されたユーザ識別情報を含むユーザレコードを、ユーザ管理テーブル91から抽出し、抽出したユーザレコードに含まれる認証情報のすべてを用いて、音声データと比較する。音声データは、参加ユーザのいずれかが発話した音声から生成されるので、参加ユーザのいずれかを話者に特定することができる。参加ユーザのうちから話者を特定するので、比較する認証情報の数が少なくなり、話者を特定する時間を短くすることができる。
【0066】
次のステップS06においては、ステップS04において取得された音声データを、ステップS05において特定された話者に対して予め定められた音声認識用データを用いて音声認識する。話者を特定し、その話者のために予め記憶された音声認識用データを用いて音声認識するので、音声認識の精度を高くすることができる。
【0067】
ステップS07においては、音声データを音声認識した結果得られる文字情報を話者と関連付ける。具体的には、音声データを音声認識した結果得られる文字情報を、ステップS05において特定された話者のユーザ識別情報とユーザレコードにより関連付けられる氏名とを関連付ける。そして、文字情報と、氏名と、現在時刻とを関連付けた発言データを生成し、発言データをHDD116に記憶する(ステップS08)。
【0068】
次のステップS09においては、会議が終了したか否かを判断する。MFP100のユーザが操作部115に会議の終了を指示する操作を入力すると、操作部115から会議の終了指示を受け付ける。会議の終了指示を受け付けたならば会議が終了したと判断し、処理をステップS10に進める。会議の終了指示を受け付けなければ処理をステップS04に戻す。なお、テレビ会議用端末装置200,200A,200Bのいずれかにユーザが会議の終了を指示する操作を入力するようにし、テレビ会議用端末装置200,200A,200Bのうち終了指示の操作が入力されたものから会議の終了指示を受信するようにしてもよい。
【0069】
ステップS10においては、選択装置に設定されているか否かを判断する。ステップS02において選択装置に設定されているならば処理をステップS11に進め、そうでなければ処理をステップS16に進める。
【0070】
ステップS16においては、MFP100A,100Bのうち選択装置に設定されているものから発言データの送信依頼を受信するまで待機情報となる。そして、送信依頼を受信すると処理をステップS17に進める。ステップS17においては、HDD116に記憶されている発言データを読出し、読み出した発言データを送信依頼を送信してきた選択装置に送信する。
【0071】
一方、ステップS11においては、他のMFP100A,100Bに発言データの送信依頼を送信し、発言データを受信する。そして、MFP100A,100Bのすべてから発言データを受信するまで待機状態となり(ステップS12でNO)、MFP100A,100Bのすべてから発言データを受信すると、処理をステップS13に進める。ステップS13においては、HDD116に記憶されている発言データと、MFP100A,100Bそれぞれから受信した発言データとを合成する。
【0072】
そして、合成した発言データを、時刻順に並び替える(ステップS14)。そして、時刻順に並び替えた発言データを議事録データとして出力する(ステップS15)。具体的には、発言データの時刻を除く部分を議事録データとし、議事録データを画像形成部30に出力し、画像形成部30に議事録データの画像を用紙に形成させる。
【0073】
図10は、参加者情報取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。参加者情報取得処理は、図9のステップS03において実行される処理である。図10を参照して、ユーザ判別装置300に送信要求を送信する(ステップS21)。そして、ユーザ判別装置300からユーザ識別情報を受信するまで待機状態となり(ステップS22でNO)、ユーザ識別情報を受信すると(ステップS22でYES)、処理をステップS23に進める。ステップS23においては、受信したユーザ識別情報を含む参加ユーザテーブルを生成し、HDD116に記憶する(ステップS23)。そして、処理を議事録作成処理に戻す。
【0074】
<参加者取得処理の変形例>
図11は、変形例における参加者情報取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。図11を参照して、サーバ500から会議参加者リストを取得する(ステップS25)。そして、会議参加者リストに含まれるユーザのうちから会議室Aに参加するユーザを抽出する(ステップS26)。そして、抽出したユーザのユーザ識別情報を含む参加ユーザテーブルを生成し、HDD116に記憶する(ステップS37)。そして、処理を議事録作成処理に戻す。
【0075】
なお、第1の実施の形態における議事録作成システム1においては、MFP100が会議室Aに参加するユーザが発生する音声に基づいて発話データを生成し、MFP100Aが会議室Bに参加するユーザが発生する音声に基づいて発話データを生成し、MFP100Bが会議室Bに参加するユーザが発生する音声に基づいて発話データを生成するようにしたが、例えば、1台のMFP100で、会議室A、会議室Bおよび会議室Cそれぞれに参加するユーザが発生する音声に基づいて発話データを生成するようにしてもよい。この場合、MFP100A,100Bは不要であり、テレビ会議用端末装置200,200A,200Bそれぞれは、MFP100に音声データを出力し、MFP100は、ユーザ判別装置300,300A,300Bそれぞれから会議に参加するユーザのユーザ識別情報を取得する。
【0076】
以上説明したように第1の実施の形態における議事録作成システム1において、MFP100,100A,100Bそれぞれは、参加者情報を取得し、参加者が発話する音声を取得し、取得された参加者情報で識別されるユーザのうちから音声を発話したユーザを特定し、取得された音声を文字情報に変換し、変換された文字情報を判別されたユーザの参加者情報と関連付けた発言データを生成する。音声が取得されると、その音声を変換した文字情報とその音声を発話したユーザとを関連付けるので、ユーザごとに発話内容を関連付けることができる。また、参加者情報で識別されるユーザのうちから音声を発話したユーザが特定されるので、音声を発話したユーザを比較的短時間に特定することができる。
【0077】
MFP100,100A,100Bのうち選択装置に選択されたものは、MFP100,100A,100Bのうち他のMFPそれぞれから発言データを受信し、他のMFPそれぞれから受信された発言データと、自装置で生成された発言データとを1つに合成し、時刻をキーに並べ替えた議事録データを生成し、出力する。このため、発言データが複数のMFP100,100A,10Bそれぞれで生成されるので、発言データを生成する負荷を分散させることができる。
【0078】
<第2の実施の形態>
図12は、第2の実施の形態における議事録作成システムの全体概要を示す図である。図12を参照して、図1と異なる点は、ユーザ判別装置300,300A,300Bが存在しない点である。第2の実施の形態における議事録作成システム1Aは、第1の実施の形態における議事録作成システム1においてユーザ判別装置300,300A,300Bの機能を、MFP100,100A,100Bが有する点で、第1の実施の形態における議事録作成システム1と異なる。以下、第1の実施の形態における議事録作成システム1と異なる点を主に説明する。
【0079】
図13は、第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの一例をHDDに記憶される情報とともに示す機能ブロック図である。図13を参照して、図6に示した機能ブロック図と異なる点は、参加者情報取得部51Aおよび話者特定部55Aが変更された点である。その他の構成は同じなのでここでは説明を繰り返さない。
【0080】
参加者情報取得部51Aは、生体認証部63を含む。生体認証部63は、音声取得部53から音声データが入力される。生体認証部63は、話者特定部55からの認証指示を受け付けると、ユーザ管理テーブル91に含まれるユーザレコードを順に選択し、選択したユーザレコードに含まれる認証情報と音声データと比較する。音声データが認証情報の声紋と同一人と判断できる程度に類似していれば、選択しているユーザレコードに含まれるユーザ識別情報を参加者情報として話者特定部55Aに出力する。
【0081】
話者特定部55Aは、参加者情報取得部51Aの生体認証部63からユーザ識別情報を受信すると、そのユーザ識別情報をHDD116に記憶されている参加ユーザテーブル93に追加して記憶する。なお、参加ユーザテーブル93は、会議が開催されるごとにリセットされ、ユーザレコードが消去される。
【0082】
話者特定部55Aは、音声取得部53から音声データが入力されると、参加ユーザテーブル93に含まれるすべてのユーザ識別情報を含むユーザレコードをユーザ管理テーブル91のうちから抽出する。そして、話者特定部55Aは、抽出したユーザレコードに含まれる認証情報を用いて、音声データの話者を特定する。話者特定部55Aは、ユーザ管理テーブル91のうちから抽出したユーザレコードの認証情報を用いて、話者を特定できない場合、生体認証部63に認証指示を出力する。
【0083】
したがって、話者特定部55Aは、参加ユーザテーブル93に記憶されているユーザ識別情報のユーザのうちから話者を特定するが、話者を特定できない場合には、生体認証部63により認証されたユーザのユーザ識別情報を参加ユーザテーブルに追加する。そして、生体認証部63により認証されたユーザを話者として特定する。このため、会議に参加するユーザについて最初の一回だけユーザ管理テーブル91を用いて生体認証が実行されるが、一度認証されると、参加ユーザテーブル93にそのユーザ識別情報が登録され、その後は参加ユーザテーブル93に記憶されているユーザ識別情報の認証情報を用いて生体認証が実行される。このため、話者と特定するために実行する生体認証に用いる認証情報の数を減らすことができるので話者を特定するための時間を短くすることができる。
【0084】
図14は、第2の実施の形態における議事録作成処理の流れの一例を示すフローチャートである。図14を参照して、ステップS31およびステップS32の処理は、図9に示したステップS01およびステップS02とそれぞれ同じなのでここでは説明を繰り返さない。
【0085】
ステップS33においては、音声データをするまで待機状態となり(ステップS33でNO)、音声データを取得すると(ステップS33でYES)、処理をステップS34に進める。テレビ会議用端末装置200から音声データを受信すると、音声を取得したと判断する。音声データを受信したならば処理をステップS34に進める。
【0086】
ステップS34においては、参加者情報が存在するか否かを判断する。参加ユーザテーブル93に少なくとも1つのユーザ識別情報が記憶されていれば参加者情報が存在すると判断する。参加者情報が存在するならば処理をステップS35に進めるが、そうでなければ処理をステップS37に進める。ステップS35においては、音声データに基づいて参加ユーザのうちから話者を特定する。参加ユーザテーブル93に記憶されているユーザ識別情報を含むユーザレコードを、ユーザ管理テーブル91から抽出し、抽出したユーザレコードに含まれる認証情報を順に用いて、音声データと比較する。音声データは、参加ユーザのいずれかが発話した音声から生成されるので、参加ユーザのいずれかを話者に特定することができるはずであるが、初めて発声したユーザのユーザ識別情報は参加ユーザテーブル93に記憶されていない。この場合には、ユーザ管理テーブル91から抽出したユーザレコードに含まれる認証情報のすべてを用いても話者を特定することができない。
【0087】
ステップS36においては、話者を特定できたか否かを判断する。話者を特定できたならば処理をステップS40に進めるが、そうでなければ処理をステップS37に進める。
【0088】
ステップS37においては、ステップS33で取得された音声データを、ユーザ管理テーブル91に含まれるユーザレコードの認証情報を順に用いて生体認証する。ここでは、生体認証により認証されたユーザを認証ユーザという。次のステップS38においては、認証ユーザを参加ユーザに追加する。具体的には、認証ユーザのユーザ識別情報を参加ユーザテーブル93に追加して記憶する。そして、認証ユーザを話者に特定し、処理をステップS40に進める。
【0089】
ステップS40においては、ステップS04において取得された音声データを、ステップS35またはステップS39において特定された話者に対して予め定められた音声認識用データを用いて音声認識する。話者を特定し、その話者のために予め記憶された音声認識用データを用いて音声認識するので、音声認識の精度を高くすることができる。
【0090】
ステップS41においては、音声データを音声認識した結果得られる文字情報を話者と関連付ける。具体的には、音声データを音声認識した結果得られる文字情報を、ステップS35またはステップS39において特定された話者のユーザ識別情報とユーザレコードにより関連付けられる氏名とを関連付ける。そして、文字情報と、氏名と、現在時刻とを関連付けた発言データを生成し、発言データをHDD116に記憶する(ステップS42)。
【0091】
次のステップS43においては、会議が終了したか否かを判断する。MFP100のユーザが操作部115に会議の終了を指示する操作を入力すると、操作部115から会議の終了指示を受け付ける。会議の終了指示を受け付けたならば会議が終了したと判断し、処理をステップS44に進めるが、会議の終了指示を受け付けなければ処理をステップS33に戻す。
【0092】
ステップS44からステップS51の処理は、図9に示したステップS10〜ステップS17の処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
【0093】
第2の実施の形態における議事録作成システム1Aは、MFP100,100A,100Bそれぞれが、ユーザの生体情報を取得し、認証する生体認証部63を備えているので、会議に参加するユーザの音声から参加者を特定することができる。このため、第1の実施の形態における議事録作成システム1が備えるユーザ判別装置300,300A,300Bを必要としない。
【0094】
なお、上述した実施の形態においては、議事録作成システム1,1Aについて説明したが、図9〜図11および図14に示した処理を実行するための議事録作成方法または議事録作成方法をコンピュータに実行させるための議事録作成プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0095】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】図1は、第1の実施の形態における議事録作成システムの全体概要を示す図である。
【図2】MFPの外観を示す斜視図である。
【図3】MFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】テレビ会議用端末装置の機能概要の一例を示す機能ブロック図である。
【図5】ユーザ判別装置の機能概要の一例を示す機能ブロック図である。
【図6】MFPが備えるCPUの機能の一例をHDDに記憶される情報とともに示す機能ブロック図である。
【図7】ユーザ管理テーブルのフォーマットの一例を示す図である。
【図8】参加ユーザテーブルのフォーマットの一例を示す図である。
【図9】議事録作成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】参加者情報取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】変形例における参加者情報取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態における議事録作成システムの全体概要を示す図である。
【図13】第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの一例をHDDに記憶される情報とともに示す機能ブロック図である。
【図14】第2の実施の形態における議事録作成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0097】
1,1A 議事録作成システム、2 ネットワーク、9 操作パネル、11 原稿台、10 ADF、20 画像読取部、30 画像形成部、40 給紙部、51,51A 参加者情報取得部、53 音声取得部、55,55A 話者特定部、57 音声変換部、59 関連付部、60 ファクシミリ部、61 記憶部、63 生体認証部、65 選択装置設定部、67 発言データ送受信部、69 議事録作成部、91 ユーザ管理テーブル、93 参加ユーザテーブル、100,100A,100B MFP、101 メイン回路、111 CPU、112 RAM、113 EEPROM、114 表示部、115 操作部、116 HDD、117 データ通信制御部、119A メモリカード、200,200A,200B テレビ会議用端末装置、201 制御部、203 投影部、204 カメラ、205 操作パネル、208 マイクロフォン、209 スピーカ、300,300A,300B ユーザ判別装置、301 制御部、303 タグ読取部、303A タグ、305 操作パネル、500 サーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報を、会議の参加者を示す参加者情報として取得する参加者情報取得手段と、
会議の参加者が発話する音声を取得する音声取得手段と、
前記取得された参加者情報で識別されるユーザのうちから前記取得された音声を発話したユーザを特定する話者特定手段と、
前記取得された音声を文字情報に変換する音声変換手段と、
前記変換された文字情報を前記判別されたユーザの参加者情報と関連付ける関連付手段と、を備えた議事録作成装置。
【請求項2】
前記参加者情報取得手段は、予め記憶された参加者リストに含まれるユーザ識別情報を取得する、請求項1に記載の議事録作成装置。
【請求項3】
前記参加者情報取得手段は、ユーザのユーザ識別情報を受け付けるユーザ判別装置と接続され、前記ユーザ判別装置により受け付けられた前記ユーザ識別情報を取得する、請求項1に記載の議事録作成装置。
【請求項4】
ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、
ユーザ識別情報と生体情報とを関連付けて記憶するユーザ情報記憶手段と、
前記参加者情報取得手段は、前記生体情報取得手段により取得された生体情報と関連付けられたユーザ識別情報を取得する、請求項1に記載の議事録作成装置。
【請求項5】
複数の会議室間で音声および映像を送受信するテレビ会議システムに接続するための通信手段をさらに備え、
前記音声取得手段は、前記通信手段により受信された音声を取得する、請求項1に記載の議事録作成装置。
【請求項6】
複数の会議室間で音声および映像を送受信するテレビ会議システムに用いられる議事録作成システムであって、
複数の議事録作成装置を備え、
前記複数の議事録作成装置それぞれは、
テレビ会議システムに接続するための通信手段と、
対応する会議室の参加するユーザを識別するためのユーザ識別情報を、会議の参加者を示す参加者情報として取得する参加者情報取得手段と、
対応する会議室の参加者が発話する音声を取得する音声取得手段と、
前記取得された参加者情報で識別されるユーザのうちから前記取得された音声を発話したユーザを特定する話者特定手段と、
前記取得された音声を文字情報に変換する音声変換手段と、
前記変換された文字情報と、前記判別されたユーザの参加者情報と、前記音声が発話された時刻とを関連付けた発言データを生成する関連付手段と、
生成された前記発言データを、前記複数の議事録作成装置のうちから選ばれた選択装置に送信する送信手段と、を備え、
前記選択装置は、前記複数の議事録作成装置のうち他の議事録作成装置それぞれから前記発言データを受信する受信手段と、
前記他の議事録作成装置それぞれから受信された前記発言データと、自装置で生成された前記発言データとを1つに合成する合成手段と、
前記合成された前記発言データを、時刻をキーに並べ替える並べ替え手段と、を備えた、議事録作成システム。
【請求項7】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報を、会議の参加者を示す参加者情報として取得するステップと、
会議の参加者が発話する音声を取得するステップと、
前記取得された参加者情報で識別されるユーザのうちから前記取得された音声を発話したユーザを特定するステップと、
前記取得された音声を文字情報に変換するステップと、
前記変換された文字情報を前記判別されたユーザの参加者情報と関連付けるステップと、を含む議事録作成方法。
【請求項8】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報を、会議の参加者を示す参加者情報として取得するステップと、
会議の参加者が発話する音声を取得するステップと、
前記取得された参加者情報で識別されるユーザのうちから前記取得された音声を発話したユーザを特定するステップと、
前記取得された音声を文字情報に変換するステップと、
前記変換された文字情報を前記判別されたユーザの参加者情報と関連付けるステップと、をコンピュータに実行させるための議事録作成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−69172(P2009−69172A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−234110(P2007−234110)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】