説明

貯蔵容器内のプランジャを駆動するための駆動デバイスを用いる注入媒体送達デバイスおよび方法

送達デバイスは、選択的に係合し、係合を外す第1および第2のハウジング部分を備える。一方のハウジング部分上にある貯蔵容器は、他方のハウジング部分上にある駆動デバイスおよび/または針挿入デバイスと動作的に係合する。ハウジング部分が適切に係合すると、貯蔵容器は、駆動デバイスおよび/または針挿入デバイスに動作的に結合する。第1のハウジング部分上の第1の磁石および第2のハウジング部分上の第2の磁石(または磁気的引力を有する材料)は、ハウジング部分が動作的に係合した後、磁気的に相互作用するような位置に置かれる。第2のハウジング部分上の第3の磁石を第1の磁石に対向させて、接続のためハウジング部分の位置合わせをしやすくすることができる。磁石応答性デバイスは、ハウジング部分の位置合わせおよび/または接続を検出できるように一方または両方のハウジング部分に配置されうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、注入媒体を患者利用者に送り込むための注入媒体送達(デリバリ)デバイスに関するものであり、送達デバイスは、ベース部分とベース部分に接続可能な耐久部分を備え、ベース部分は、患者利用者の皮膚に固定可能であり、また指定回数使用された後に取り出して処分することができる。
【背景技術】
【0002】
本出願は、それぞれ本願に引用して援用する、2006年10月27日に出願した米国特許出願第11/588,832号明細書(代理人整理番号047711.0387)の一部継続出願である、2006年11月22日に出願した米国特許出願第11/604,172号明細書(代理人整理番号047711.0389)の関連出願である。本出願は、それぞれ本願に引用して援用する、2006年8月23日に出願した米国特許仮出願第60/839,822号明細書および2007年4月30日に出願した米国特許仮出願第60/927,032号明細書(代理人整理番号047711.0409)の優先権を主張するものである。本発明は、それぞれ本願に引用して援用する、2005年5月6日に出願した米国特許仮出願第60/678,290号明細書および2005年8月23日に出願した米国特許出願第11/211,095号明細書にも関係する。本発明は、2006年8月23日に出願した「SYSTEMS AND METHODS ALLOWING FOR RESERVOIR FILLING AND INFUSION MEDIUM DELIVERY」という表題の同時係属出願第60/839,821号(代理人整理番号047711−0381)、2006年8月23日に出願した「INFUSION MEDIUM DELIVERY DEVICE AND METHOD WITH COMPRESSIBLE OR CURVED RESERVOIR OR CONDUIT」という表題の同時係属出願第60/839,832号(代理人整理番号047711−0383)、2006年8月23日に出願した「INFUSION MEDIUM DELIVERY SYSTEM, DEVICE AND METHOD WITH NEEDLE INSERTER AND NEEDLE INSERT DEVICE AND METHOD」という表題の同時係属出願第60/839,840号(代理人整理番号047711−0384)、および2006年8月23日に出願した「INFUSION PUMPS AND METHODS AND DELIVERY DEVICES AND METHODS WITH SAME」という表題の同時係属出願第601839,741号(代理人整理番号047711−0385)、にも関係する。本発明の実施形態は、さらに、(i)2006年11月22日に出願した「Infusion Medium Delivery Device And Method With Drive Device For Driving Plunger In Reservoir」という表題の米国特許出願第11/604,171号明細書(代理人整理番号047711.0388)、(ii)2006年10月27日に出願した「Systems And Methods Allowing For Reservoir Filling And Infusion Medium Delivery」という表題の米国特許出願第11/588875号明細書(代理人整理番号047711.0393)、(iii)2006年10月27日に出願した「Infusion Medium Delivery Device and Method with Compressible or Curved Reservoir or Conduit」という表題の米国特許出願第11/588,847号明細書(代理人整理番号047711.0390)、(iv)2006年10月27日に出願した「Infusion Medium Delivery System, Device and Method with Needle Inserter and Needle Inserter Device and Method」という表題の米国特許仮出願第60/854,829号明細書(代理人整理番号047711.0401)、および(v)2006年8月23日に出願した「Infusion Pumps and Methods and Delivery Devices and Methods with Same」という表題の米国特許出願第11/589323号明細書(代理人整理番号047711.0398)にも関係し、それぞれ本願に引用して援用する。
【0003】
いくつかの慢性疾病は、現代の医療技術では、全治療期間中連続して、または全治療期間内の特定の時点または時間間隔で、患者体内に薬剤または他の物質を送達することにより治療されうる。例えば、糖尿病は、定められた量のインスリンを適切な時間に患者に送達することにより一般に治療される慢性疾病である。患者にインスリン療法を施す一般的な方法としては、手動操作される注射器およびインスリンペンを通してインスリンを送達する方法が挙げられる。しかし、他の現代的なシステムでは、制御された量のインスリンを患者に送達するためにプログラム可能なポンプを使用している。
【0004】
ポンプ型送達デバイスは、外部デバイス(患者に接続する)または埋め込み型デバイス(患者体内に埋め込む)内に構成されている。外部ポンプ型送達デバイスは、静止している場所(例えば、病院または診療所の)で使用するように設計されたデバイス、さらには歩行中または携帯用途(患者が持ち運ぶ)に合わせて構成されたデバイスを含む。いくつかの外部ポンプ型送達デバイスの実施例は、それぞれ本願に引用して援用する、「Exchangeable Electronic Cards For Infusion Devices」という表題の国際公開第01/70307号パンフレット (PCT/US01/09139)(本発明の譲受人により所有されている)、「Components And Methods For Patient Infusion Device」という表題の国際公開第04/030716号パンフレット(PCT/US2003/028769)、「Dispenser Components And Methods For Infusion Device」という表題の国際公開第04/030717号パンフレット(PCT/US2003/029019)、「Method For Advising Patients Concerning Doses Of Insulin」という表題の米国特許出願公開第2005/0065760号明細書、および「Wearable Self−Contained Drug Infusion Device」という表題の米国特許第6,589,229号明細書において説明されている。
【0005】
外部ポンプ型送達デバイスは、例えば、好適な中空管を通じて、患者利用者に対し流体が連絡する(通る)ように接続されうる。中空管は、患者利用者の皮膚に刺し通して、そこから注入媒体を送達するように設計されている中空針に接続できる。それとは別に、中空管は、カニューレまたは一組の極微針として、またはそこを通して患者利用者に直接接続できる。
【0006】
中空管が、患者利用者の皮膚を刺し通す中空針を通じて患者利用者に接続される状況では、手動で針を患者利用者に挿入すると、患者利用者にいくぶん外傷を残すことになりうる。したがって、患者利用者に針を挿入するのを手助けする挿入具が製作されており、これにより、針は、ばねにより強制的に引き込み位置から伸展位置に素早く移動する。このような挿入具の一実施例は、本願に引用して援用する、「Insertion Device For An Insertion Set And Method Of Using The Same」という表題の米国特許出願公開第2002/0022855号パンフレット(本発明の譲受人に譲渡されている)において説明されている。針が伸展位置に移動すると、針は手による遅い針の挿入に比べて患者利用者に引き起こされる外傷の程度が比較的小さい1回の比較的急激的な運動で素早く患者利用者の皮膚に押し通される。しかし、ある種の状況では、一部の患者にとって、制御された低速の挿入のほうが小さい外傷で済む場合がある。
【0007】
注射器およびインスリンペンに比べて、ポンプ型送達デバイスは、インスリンの正確な投与量を計算し、日中または夜間のいつの時間でも患者利用者に自動的に送達できるという点で、患者利用者にとって著しく都合がよいと思われる。さらに、グルコースセンサまたはモニタと併用した場合、インスリンポンプを自動制御し、感知または監視されている血糖レベルに基づき、適切な必要時期に注入媒体の適切な投与を行うことができる。
【0008】
ポンプ型送達デバイスは、糖尿病などのさまざまな種類の病状の現代的医学的治療の重要な態様となっている。ポンプ技術が改善され、医者および患者利用者が、このようなデバイスに馴染んでくるにつれ、外部医学的注入ポンプ治療の普及が進み、今後10年間にかなり拡大するものと予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第99/59665号
【特許文献2】国際公開第00/47254号
【特許文献3】米国特許第5954697号明細書
【特許文献4】米国特許第6423035号明細書
【特許文献5】国際公開第03/006090号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態は、注入媒体を患者利用者に送達するための注入媒体送達デバイスに関係するものであり、送達デバイスは、例えば、手動力により選択的に互いに係合し脱離する第1の(または耐久)ハウジング部分および第2の(または使い捨て)ハウジング部分を備える。第1および第2のハウジング部分の一方または両方が、患者利用者に固定される。使い捨てハウジング部分は、定められた期間の間、使用された後処分されうる。患者利用者と、および/または注入媒体と通常接触するコンポーネントは、定められた使用の終了後に処分できるように使い捨てハウジング部分により支持されうるが、耐久ハウジング部分は、注入媒体の送達を制御するための電子回路などの他のコンポーネントを支持する。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、送達デバイスは、上述のような第1および第2のハウジング部分および第1または第2のハウジング部分のうちの一方に配置された貯蔵容器を備える。貯蔵容器は、流体媒体を入れるための内部を有し、プランジャが貯蔵容器の内部で貯蔵容器の軸方向にそって移動可能なようになっている。駆動デバイスおよび針挿入デバイスのうちの少なくとも一方は、貯蔵容器を支持するハウジング部分に関して第1および第2のハウジング部分のうちの他方により支持され、これにより、第1および第2のハウジング部分が動作的に係合されると、貯蔵容器は駆動デバイスおよび針挿入デバイスのうちの少なくとも一方に動作的に結合される。第1の一対の磁石は、第1のハウジング部分上に支持されている第1の磁石および第1および第2のハウジング部分が動作的に係合された後、第1の磁石と磁気的に相互作用するように適所に配置された第2のハウジング部分上に支持されている第2の磁石を含む。
【0012】
一実施形態では、第1および第2の磁石はそれぞれ、第1および第2のハウジング部分が適切に位置合わせされ、動作的な係合をするように接合されたときに、第1および第2の磁石のうちの他方の磁石の極と向かい合う極を有する。第1および第2の磁石の向かい合う極は、第1および第2のハウジング部分が動作的に係合されると第1および第2の磁石が相互に引き付け合うように反対極性を有している。
【0013】
他の実施形態は、第3および第4の磁石を備える第2の一対の磁石を備え、第3および第4の磁石はそれぞれ、第1および第2のハウジング部分が動作的な係合をするように互いに引き寄せられたときに適切に位置合わせされていない場合に第3および第4の磁石のうちの他方の磁石の極と向かい合う極を有する。第3および第4の磁石の向かい合う極は、第1および第2のハウジング部分が動作的な係合をするように互いに引き寄せられたときに適切に位置合わせされていないと第3および第4の磁石が相互に反発し合うように同じ極性を有する。
【0014】
他の実施形態では、第3および第4の磁石は、第1および第2のハウジング部分が動作的な係合をするように互いに引き寄せられたときに適切に位置合わせされていない場合に、動作的に係合させるため第1および第2のハウジング部分を適切に揃える方向に反発力を伝えるように互いに関して位置決めされている。第3および第4の磁石は、第1および第2のハウジング部分が動作的に係合されると互いに横方向に位置がずれるように位置決めされている。
【0015】
さらなる他の実施形態は、第2の一対の磁石は、第1の磁石および第3の磁石を備え、第1および第3の磁石はそれぞれ、第1および第2のハウジング部分が適切に位置合わせされず、動作的な係合をするように互いに引き寄せられたときに、第1および第3の磁石のうちの他方の磁石の極と向かい合う極を有する。第1および第3の磁石の向かい合う極は、第1および第2のハウジング部分が動作的な係合をするように互いに引き寄せられたときに適切に位置合わせされていないと第1および第3の磁石が相互に反発し合うように同じ極性を有する。第1および第3の磁石は、第1および第2のハウジング部分が動作的な係合をするように互いに引き寄せられるときに適切に位置合わせされていない場合に、動作的に係合させるため第1および第2のハウジング部分を適切に位置合わせする方向に反発力を伝えるように互いに関して位置決めされうる。第1および第3の磁石は、第1および第2のハウジング部分が動作的に係合されると互いに横方向に位置がずれるように位置決めされうる。
【0016】
さらに他の実施形態では、第1および第2の磁石はそれぞれ、第1および第2のハウジング部分が動作的な係合をするように互いに引き寄せられたときに適切に位置合わせされていない場合、第1および第2の磁石のうちの他方の磁石の極と向かい合う極を有する。この実施形態では、第1および第2の磁石の向かい合う極は、第1および第2のハウジング部分が動作的な係合をするように互いに引き寄せられたときに適切に位置合わせされていないと第1および第2の磁石が相互に反発し合うように同じ極性を有する。この実施形態の他の態様によれば、第1および第2の磁石は、動作的な係合をするように第1および第2のハウジング部分を適切に位置合わせする方向に反発力を伝えるように互いに関して位置決めされる。また、この実施形態の他の態様によれば、第1および第2の磁石は、第1および第2のハウジング部分が動作的に係合されると互いに横方向に位置がずれるように位置決めされうる。
【0017】
本発明の他の実施形態は、注入媒体を利用者に送達するための送達デバイスに関するものであり、送達デバイスは、利用者が持ち運ぶように適合された第1のハウジング部分、選択的に第1のハウジング部分と係合し、第1のハウジング部分から脱離するように構成された第2のハウジング部分、第1および第2のハウジング部分のうちの一方により支持される貯蔵容器、および上述のように第1および第2のハウジング部分のうちの他方により支持される駆動デバイスおよび針挿入デバイスのうちの少なくとも一方を有する。しかし、この他の実施形態は、第1のハウジング部分上に支持されている第1の磁石、および第1および第2のハウジング部分が動作的に係合された後、第1の磁石と磁気的に相互作用するように適所に配置された第2のハウジング部分上に支持されている磁気的引力を有する材料と磁気的応答性を有するデバイスのうちの少なくとも一方を備える。
【0018】
このような一実施形態の一態様によれば、磁気的応答性を有するデバイスは、第1および第2のハウジング部分が動作的に係合された後、第1の磁石に引き付けられる磁気的引力を有する材料を含む。このような一実施形態の他の態様によれば、磁気的応答性を有するデバイスは、第1および第2のハウジング部分が動作的に係合された後、信号を発するか、または状態を変化させるデバイスを含む。他の実施形態では、送達デバイスは、磁気的応答性を有するデバイスからの信号または磁気的応答性を有するデバイスの状態に応じて駆動デバイスを制御するため、磁気的応答性を有するデバイスに動作的に結合されている制御電子回路を備えることができる。制御電子回路は、磁気的応答性を有するデバイスからの信号または磁気的応答性を有するデバイスの状態が第1および第2のハウジング部分が動作的に係合されている場合の信号または状態に対応していない限り駆動デバイスの動作を禁止するように構成されうる。
【0019】
本発明の他の実施形態は、注入媒体を利用者に送達するための送達デバイスに関するものであり、送達デバイスは、利用者が持ち運ぶように適合された第1のハウジング部分、選択的に第1のハウジング部分と係合し、第1のハウジング部分から脱離するように構成された第2のハウジング部分、第1および第2のハウジング部分のうちの一方により支持される貯蔵容器、および上述のように第1および第2のハウジング部分のうちの他方により支持される駆動デバイスおよび針挿入デバイスのうちの少なくとも一方を有する。しかし、この他の実施形態は、開放側を有する、貯蔵容器のプランジャシャフトと固定された関係を保ちつつ支持されているナット部材を備える。ナット部材は、ネジ山付き送りシャフトをナット部材に関する第1の寸法の複数の位置のうちの1つで係合するための構造を有する。ネジ山付き送りシャフトは、回転軸を中心として回転するように第2のハウジング部分により支持される。第1および第2のハウジング部分が動作的な係合をするように接合されると、回転可能な送りシャフトは、ナット部材の開放側を通して挿入される位置で第2のハウジング部分により支持され、ナット部材と螺合可能なように係合する。ナット部材は、アームとアームとの間がある間隙で隔てられている一対のアームを有する略U字型の部材としてよい。
【0020】
特定の実施形態では、プランジャシャフトは、一対の棒を備え、それぞれの棒はプランジャヘッドからU字型部材のそれぞれの1つのアームに伸びている。さらに他の実施形態では、ナット部材およびこれらの棒のうちの少なくとも1つの少なくとも一方は、検出可能な特徴を備え、送達デバイスは、さらに、検出可能な特徴を検出して検出可能な特徴の位置に対応する信号を送るように構成されているセンサを備え、検出可能な特徴の位置は貯蔵容器の充填状態に対応している。検出可能な特徴は、限定はしないが、磁性材料を含んでいてもよい。一実施形態では、ナット部材は、磁性材料から作られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】人間の患者利用者に関する送達システムの概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による送達デバイスの斜視図である。
【図3】耐久部分が使い捨て部分から分離されている図2の送達デバイスの耐久部分および使い捨て部分の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による送達デバイスの貯蔵容器および耐久ハウジング部分の内側の模式的な断面図である。
【図5】貯蔵容器隔壁および患者利用者の皮膚を刺し通す中空針またはカニューレ構成を示す、貯蔵容器の一部の模式的な断面図である。
【図6A】図4と同様の形で係合する貯蔵容器、ピストンプランジャ、および送りシャフト構成を有する送達デバイスの使い捨て部分から分離された耐久部分の斜視図である。
【図6B】係合された状態にある、図6のピストンプランジャおよび送りシャフトの模式的な断面図である。
【図7A】本発明の他の実施形態による送達デバイスの部分分解斜視図である。
【図7B】図7aの実施形態の貯蔵容器の部分斜視図である。
【図7C】図7aの実施形態の部分ナットの概略的な上面図である。
【図8】図4、6、および7の実施形態と併用されうるモータおよびリンク構造の模式的な側面図である。
【図9】図8の左側から見た、図8のモータおよびリンク構造の側面図である。
【図10】図8の右側から見た、図8のモータおよびリンク構造の側面図である。
【図11a】本発明の他の実施形態による貯蔵容器の一部および送りシャフトの一部の模式的な断面図である。
【図11b】ピストンシャフトの長手方向軸にそった、図11のピストンシャフトの更なる図である。
【図12】図4、6、および7の送達デバイス実施形態に好適な貯蔵容器、ピストンプランジャ、および送りシャフトの一実施形態の斜視図である。
【図13】クリップが開いている状態の、図12のピストンプランジャの軸方向から見た図である。
【図14】クリップが閉じている状態の、図12のピストンプランジャの軸方向から見た図である。
【図15】図12の貯蔵容器とともに、またピストンプランジャと動作的な係合状態にある図12の送りシャフトとともに組み立てられた図12のピストンプランジャの斜視図である。
【図16a】制御された回転運動を行わせるための、雁木車構成およびそのコンポーネントの模式図である。
【図16b】制御された回転運動を行わせるための、雁木車構成およびそのコンポーネントの模式図である。
【図16c】制御された回転運動を行わせるための、雁木車構成およびそのコンポーネントの模式図である。
【図16d】制御された回転運動を行わせるための、雁木車構成およびそのコンポーネントの模式図である。
【図17】本発明の他の実施形態による送達デバイスの模式図である。
【図18】図17の送達デバイスの貯蔵容器および可動プランジャヘッドの模式的な断面図である。
【図19】図18の10−10線の断面図である。
【図20】図17および18の貯蔵容器内のプランジャヘッドに対するシール構成の実施形態の模式図である。
【図21】図17および18の貯蔵容器内のプランジャヘッドに対するシール構成の実施形態の模式図である。
【図22】図17および18の駆動リンクおよび回転可能シャフトの接続端部の一実施形態の斜視図である。
【図23】本発明の他の実施形態による送達デバイス用の貯蔵容器および駆動デバイスの部分断面図である。
【図24】本発明の他の実施形態による送達デバイス用の貯蔵容器および駆動デバイスの部分断面図である。
【図25】図23、24、または26による駆動デバイス、または他の好適な駆動デバイスを使用することができる2つの貯蔵容器を備える送達デバイスの斜視図である。
【図26】本発明の他の実施形態による送達デバイスの貯蔵容器および駆動デバイスの模式的な断面図である。
【図27】本発明の他の実施形態による送達デバイスの模式図である。
【図28】図3の実施形態と一致する本発明の一実施形態による送達システムの耐久ハウジング部分および使い捨てハウジング部分の構成の模式的な側面図である。
【図29】本発明の他の実施形態による送達システムの耐久ハウジング部分および使い捨てハウジング部分の構成の模式的な側面図である。
【図30】本発明の一実施形態による送達デバイスの部分分解図である。
【図31】本発明の一実施形態による送達システムの耐久ハウジング部分および使い捨てハウジング部分の構成の略上面図である。
【図32】本発明の他の実施形態による送達システムの耐久ハウジング部分および使い捨てハウジング部分の構成の模式的な上面図である。
【図33】使い捨てハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図である。
【図34】使い捨てハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図である。
【図35】使い捨てハウジング部分および注射部位モジュールの他の接続構成の斜視図である。
【図36】使い捨てハウジング部分および注射部位モジュールの他の接続構成の斜視図である。
【図37】使い捨てハウジング部分および注射部位モジュールのさらに他の接続構成の斜視図である。
【図38】使い捨てハウジング部分および注射部位モジュールのさらに他の接続構成の斜視図である。
【図39】使い捨てハウジング部分および注射部位モジュールのさらに他の接続構成の斜視図である。
【図40】使い捨てハウジング部分および注射部位モジュールのさらに他の接続構成の斜視図である。
【図41】本発明の一実施形態による注入媒体送達デバイスの2つの接続可能なパーツの概略的な部分断面図である。
【図42】本発明の他の実施形態による注入媒体送達デバイスの2つの接続可能なパーツの概略的な部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、一般に、薬物などの注入媒体を医療患者利用者などの受容者に送達するための送達デバイス、システム、および方法に関する。特定の実施形態において、送達デバイスは、受容者に固定され、一定期間にわたって使用された後簡単に処分できる使い捨て部分を備える。このような実施形態は、流体注入媒体を患者利用者に送達する送達デバイスを患者利用者に固定するための信頼性が高く使い勝手のよい機構を備えるように構成されうる。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態は、糖尿病を治療するためのインスリン送達の実施例を参照しつつ本明細書で説明されているが、他の注入媒体を他の目的のために患者利用者に送達するのに、本発明の他の実施形態を使用することもできる。例えば、本発明の他の実施形態は、限定はしないが、痛みまたはある種の癌、肺疾患、またはHIVを治療するための薬物を含む、糖尿病以外の疾病または病気を治療する他の種類の薬物を送達するのに使用されうる。他の実施形態は、限定はしないが、栄養補給剤、染料、または他の追跡媒体を含む栄養媒体、食塩水、もしくは他の水和媒体などを含む薬物以外の媒体を送達するために使用されうる。さらに、本発明の実施形態は、注入媒体を患者利用者に送達または注入することについて本明細書で説明されているが、他の実施形態は、患者利用者から媒体を引き出すように構成されうる。
【0024】
注入媒体送達システム10の概略的な表現が図1に示されており、このシステムは、本明細書で説明されている本発明の一実施形態により構成された送達デバイス12を備える。システム10は、さらに、限定はしないが、センサまたはモニタ14、コマンド制御デバイス(CCD)16、およびコンピュータ18を含む、送達デバイス12と通信するように結合されている他のコンポーネントも備えることができる。CCD16、コンピュータ18、センサまたはモニタ14、および送達デバイス12は、それぞれ、システムの他のコンポーネントとの通信を可能にする受信機またはトランシーバ電子回路を備えることができる。送達デバイス12は、センサデータを分析し、感知されたデータおよび/または事前にプログラムされた送達ルーチンに従って注入媒体を送達するための電子回路およびソフトウェアを備えることができる。処理、送達ルーチン格納、および制御機能の一部は、CCD16および/またはコンピュータ18により実行できるため、より簡素化された電子回路を使って送達デバイス12を製作できる。しかし、他の実施形態では、システム10は、図1に示されているシステム10の他のコンポーネントのうちの1つ以上がなくても動作する送達デバイス12を備えることができる。これらの種類の通信および/または制御機能、さらには、デバイスの機能セットおよび/またはプログラムオプションの実施例は、本願に引用して援用する、2003年5月27日に出願した「External Infusion Device with Remote Programming, Bolus Estimator and/or Vibration Alarm Capabilities」という表題の米国特許出願第10/445,477号明細書、および2003年5月5日に出願した「Handheld Personal Data Assistant (PDA) with a Medical Device and Method of Using the Same」という表題の10/429,385号明細書、および2001年3月21日に出願した「Control Tabs For Infusion Devices And Methods Of Using The Same」という表題の米国特許出願第09/813,660号明細書で説明されている。
【0025】
図1の概略的なシステム図において、送達デバイス12およびセンサまたはモニタ14は、患者利用者1に固定される。図1においてこれらのコンポーネントが患者利用者1に固定される場所は、代表的な、限定的でない実施例としてのみ記載されている。送達デバイス12およびセンサまたはモニタ14は、患者利用者1の身体上の他の場所に固定され、またそのような場所は、システム10により施される治療の種類に依存しうる。このような他の場所は、限定はしないが、患者利用者の身体上の他の場所、患者利用者の衣服上のいくつかの場所、ベルト、サスペンダ、ストラップ、財布、トートバッグ、または患者利用者が持ち運ぶことができる他の構造物を含むことができる。そのため、患者利用者の皮膚に固定されるパッチ様のデバイスを参照しつつ本明細書で説明されているが、他の実施形態は、例えば、デバイスを利用者の衣類に固定するか、または患者利用者または患者利用者の衣服などに固定するためのストラップ、結び紐などの追加の固定構造を備えることにより、利用者が運べる携帯型デバイスとして構成されうる。
【0026】
以下でさらに詳しく説明されるように、送達デバイス12は、注入媒体の貯蔵容器を収納し、制御しつつ注入媒体を患者利用者の体内に送達する。送達デバイス12、センサまたはモニタ14、CCD16およびコンピュータ18の間で、制御命令および/またはデータを通信することができる。送達デバイス12は、パッチのように、患者利用者1の皮膚、患者利用者の身体上の所望の場所に固定するように構成されうる。このような実施形態では、送達デバイス12は、快適なように、また例えば衣服の下に隠せるように比較的小さな寸法を有するのが望ましい。
【0027】
パッチ様の送達デバイスの実施例は、本願に引用して援用する、2005年8月23日に出願した米国特許出願第11/211,095号明細書において説明されている。パッチ様の送達デバイス12の他の実施例は、本明細書の図2〜5に示されている。図2および3の送達デバイスは、いくつかの実施形態において、指定された用途で1回または複数回使用した後に使い捨てできる第1のハウジング部分20およびいくつかの実施形態では、複数回使用することができる耐久ハウジング部分であってよい第2のハウジング部分22を備える。使い捨てハウジング部分20は、送達デバイス12の動作時に、患者利用者の皮膚または注入媒体と通常接触する構造要素を支持することができる。他方、耐久ハウジング部分22は、送達デバイス12の動作時に、患者利用者または注入媒体と通常は接触しない要素(電子回路、モータコンポーネント、リンクコンポーネントなど)を支持することができる。したがって、送達デバイス12の耐久部分22内の要素は、典型的には、送達デバイス12の通常動作中に、患者利用者または注入媒体との接触から汚染されることはない。
【0028】
例示されている実施形態では、送達デバイス12の使い捨て部分20は、貯蔵容器を収納する貯蔵容器保持部分24を備えるか、または他の何らかの形で支持するベース21を備える。耐久部分22は、貯蔵容器保持部分24に隣接するベース21上に固定されるハウジングを備えることができる。耐久部分22は、電動モータ(図2および3に示されていない)などの好適な駆動デバイス、および貯蔵容器から流体を送り出すための駆動リンクコンポーネント(図2に示されていない)を収納することができる。耐久部分22は、さらに、貯蔵容器から流体を制御しつつ送り出すための駆動デバイスの動作を制御するのに好適な制御電子回路(図2および3に示されていない)も収納することができる。さらに他の実施形態は、センサまたはモニタ14、CCD16、コンピュータ18、および/または図1に示されているシステム10の他のコンポーネントと通信するための通信電子回路(図2および3に示されていない)を耐久部分22内に備えることができる。
【0029】
使い捨てハウジング部分20のベース21は、患者利用者の皮膚上の所望の場所に固定するように構成されている底面(下を向きおよび図2および3のページに入る向き)を有する。ベース21を患者利用者の皮膚に接着するために、ベース21の底面と患者利用者の皮膚との間の界面に好適な接着剤を使用することができる。接着剤は、ベース部分21の底面に施され、剥離可能カバー層23が接着材料を覆う。この方法で、患者利用者は、カバー層23を剥ぎ取って接着材料を露出させ、そうして、ベース21の接着側を患者利用者の皮膚にあてがうことができる。
【0030】
使い捨て部分20は、貯蔵容器保持部分24内に配置されている針挿入器デバイスを操作するためのボタンまたは他のオペレータ25を備えることができる。それとは別に、またはそれに加えて、参照番号25は開口部を表しているが、その開口部を通して、外部針挿入器デバイスが動作しうる。それとは別に、すなわちオペレータまたは開口部25に加えて、針挿入器デバイスは、CCD16、センサもしくはモニタ14、またはコンピュータ18などの外部コントローラから、無線リンクを通じて作動されうる。このような実施形態では、CCD16、センサもしくはモニタ14、またはコンピュータ18は、無線信号送信機を備えるが、送達デバイスは、無線作動信号を受信するための受信機およびCCD16、センサもしくはモニタ14、またはコンピュータ18から作動信号を受信した後、針挿入器デバイスを作動させるように制御される電子アクチュエータを備える。好適な針挿入器デバイスの実施例は、本願に引用して援用する、2005年8月23日に出願した米国特許出願第11/211,095号明細書および2006年8月23日に出願した「INFUSION MEDIUM DELIVERY SYSTEM, DEVICE AND METHOD WITH NEEDLE INSERTER AND NEEDLE INSERT DEVICE AND METHOD」という表題の米国特許出願第60/839,840号明細書(代理人整理番号047711−0384)で説明されている。針および/またはカニューレを挿入するために、他の針/カニューレ挿入具を使用する(または使用できるように変形する)ことができ、例えば、本願に引用して援用する、2003年3月14日に出願した「Auto Insertion Device For Silhouette Or Similar Products」という表題の米国特許出願第10/389,132号明細書、および/または2002年12月9日に出願した「Insertion Device For Insertion Set and Method of Using the Same」という表題の米国特許出願第10/314,653号明細書を参照のこと。それとは別に、貯蔵容器保持部分は、例えば米国特許出願第11/211,095号の図2を参照しつつ説明されているように、および/または図29を参照しつつ本明細書で説明されているように、中空管の一方の端部を貯蔵容器に接続するのに好適な開口部またはポートを備えることができ、中空管の他端は、患者利用者の皮膚を刺し通し、注入媒体を貯蔵容器から患者利用者体内に運ぶための中空針に接続される。
【0031】
送達デバイス12の耐久部分22は、使い捨て部分20と嵌合するように、また固定されるように構成されたハウジングシェルを備える。耐久部分22および使い捨て部分20は、対応する形状の溝、刻み目、タブ、または機械技術の分野においてよく知られている方法で2つの部分を手で圧着して1つにすることにより2つのパーツを容易にかみ合わせることができる他の好適な特徴を備えることができる。同様にして、耐久部分22および使い捨て部分20は、手で十分な力を加えてくっついている2つのパーツを引き離すことにより分離されうる。他の実施形態では、Oリングシールなどの好適なシールを使い捨て部分20および/または耐久部分22の周辺端部にそって配置することにより、使い捨て部分20と耐久部分22との間を防水封止することができる。
【0032】
耐久部分22および使い捨て部分20は、上述のように、その形状を維持し、しかも効果的にかみ合わせ、また引き離せる十分な柔軟性と弾性を有する好適な剛体材料で作ることができる。ベース21の材料について、患者利用者の皮膚との好適な親和性を持つものを選択できる。例えば、送達デバイス12の使い捨て部分20および耐久部分22は、好適なプラスチック、金属、複合材料などで作ることができる。使い捨て部分20は、耐久部分22に比べて同じ種類の材料または異なる材料で作ることができる。使い捨て部分および耐久部分は、射出成形または他の成形処理、機械加工、またはこれらの組み合わせにより製造されうる。
【0033】
使い捨てハウジング部分20のベース21は、柔軟なシリコーン、プラスチック、ゴム、合成ゴムなどの比較的柔軟な材料で作ることができる。患者利用者の皮膚に合わせて屈曲できる材料のベース21を形成することにより、ベースが患者利用者の皮膚に固定されたときの患者利用者の快適感のレベルを高めることができる。また、柔軟なベース21を使用すると、ベース21が固定されうる患者利用者の身体の部位の選択範囲が広がる。
【0034】
使い捨て部分20および/または耐久部分22は、例えば、使い捨て部分20が患者利用者の皮膚に固定されたときに患者利用者の皮膚を刺し通す針(図2および3に示されていない)または一組の極微針を通して、患者利用者に接続する内部センサ(図2および3に示されていない)を備えることができる。そのような実施形態では、好適な開口(図2および3に示されていない)を、ベース21内に形成することができ、これにより、センサ針が伸ばされ患者利用者の皮膚を刺し通すときに、センサ針または極微針を通すことができる。それとは別に、またはそれに加えて、極微針はベース21上の接着材料の上に配設されるか、またはベース21上の接着材料を通して配設され、ベース21が患者利用者の皮膚に接着されるときに、患者利用者の皮膚を貫通するようにできる。それとは別に、送達デバイス12の耐久部分22は、2005年8月23日に出願した米国特許出願第11/211,095号明細書で説明されているように、センサリードを通して、外部センサ14に接続されうる。センサは、送達デバイス12により施される治療の性質に応じて、好適な生物学的感知デバイスを備えることができる。例えば、インスリンを糖尿病の患者利用者に送達する状況では、センサ14は、血糖センサを備えることができる。それとは別に、またはそれに加えて、1つ以上の環境条件を感知するために、1つ以上の環境感知デバイスを送達デバイス12内に、または送達デバイス12上に備えることができる。さらなる代替実施形態では、センサは、例えば本願に引用して援用する2005年6月8日に出願した「Dual Insertion Set」という表題の米国特許出願第11/149,119号明細書にされているような、注入カニューレおよび/または針の一部として、またはそれと一緒に収めることができる。
【0035】
上述のように、送達デバイス12の使い捨て要素を耐久要素から分離することにより、使い捨て要素は、使い捨て部分20上に配設することができ、耐久要素は、分離可能な耐久部分22内に配設することができる。この点に関して、送達デバイス12を1回(または所定の回数)使用した後、使い捨て部分20を耐久部分22から分離して、使い捨て部分20を適切な方法で処分することができる。次いで、耐久部分22を新しい(未使用の、利用者により充填された、事前充填された、改装された、再充填された、または作り直しされた)使い捨て部分20と嵌合させて、さらに患者利用者側で送達操作を行うことができる。
【0036】
貯蔵容器26は、使い捨て部分20の貯蔵容器保持部分24により適当な方法で支持されうる。貯蔵容器26は、限定はしないが、図3で破線により示されているような円筒形状の容積などの、貯蔵容器保持部分24の中空内部容積のものとしてよい。それとは別に、貯蔵容器26は、カートリッジ、または一般的に、貯蔵容器保持部分の中空内部容積内に受け入れる形状およびサイズを有する円筒状キャニスターとしてよい。貯蔵容器26は、流体注入媒体を収めるように構成される。
【0037】
貯蔵容器26は、ポートおよび隔壁を有する。隔壁は、後述のように、使い捨てハウジング部分20が患者利用者の皮膚に固定されたときに、中空針またはカニューレが隔壁を貫通し、患者利用者の皮膚内に入り込むことができる位置に配置される。他の実施形態では、貯蔵容器26のポートおよび隔壁は、使い捨てハウジング部分20が患者利用者の皮膚に固定されたときに、貯蔵容器26と患者利用者との間に流体流路を形成するように、2005年8月23日に出願した米国特許出願第11/211,095号明細書の図2に示されている、コネクタおよび外部配管を通じて、外部針またはカニューレを通して、患者利用者に接続可能なものとすることができる。他の実施形態では、貯蔵容器26を充填または再充填する、例えば、限定はしないが、注射器を隔壁に通して挿入し流体を注射器から貯蔵容器に入れるためにポートまたは隔壁を使用できる(出口ポートの代わりに、または出口ポートに加えて)。針/隔壁コネクタの実施例は、本願に引用して援用する、2003年12月22日に出願した「Reservoir Connector」という表題の米国特許出願第10/328,393号明細書において説明されている。他の代替形態では、ルアーロックなどの非隔壁コネクタを使用できる。
【0038】
送達デバイス12の耐久部分22は、モータまたは他の力を加える機構を備え、これにより、貯蔵容器26内の注入媒体に力を加えて、流体注入媒体を貯蔵容器26から強制的に出し、中空針またはカニューレ(図2および3に示されていない)内に送り込み、患者利用者に送達することができる。例えば、電動モータは、モータを動作的に(リンクを通じて)貯蔵容器内のピストンプランジャに接続し、流体注入媒体を貯蔵容器ポートから強制的に出して患者利用者に送り込む方向にピストンプランジャを駆動させるための適切なリンクとともに耐久部分22内に取り付けることができる。モータは、耐久部分22内に配設され、貯蔵容器26は、それに応じて、使い捨て部分20上に配設され、それにより、患者利用者が耐久部分22を送達デバイス12の使い捨て部分20上にスナップ式に嵌め込むと、モータと貯蔵容器ピストンとの(例えば、適切なリンクを介しての)動作可能な接続が自動的になされる。
【0039】
モータおよび貯蔵容器の構成の一実施例が図4に示されている。図4の実施形態では、貯蔵容器26(断面が示されている)は、例えば、好適な金属、プラスチック、セラミック、ガラス、複合材料などで作られたキャニスターであり、流体注入媒体を入れるための中空の内部28を有する。例えば、このキャニスターは、本願に引用して援用する、2005年4月5日に出願した米国特許出願第11/100,188号明細書(公開第2005/0197626号)で説明されているようなTOPAS(Celanese Corporationの系列会社であるTiconaの商標)と称されるプラスチックから形成することができる。
【0040】
図4のキャニスター貯蔵容器26は、図3に示されている貯蔵容器保持部分24内の対応する形状の開口部および容積部分に嵌め込み、またそこから取り外せるように構成されうる。このような実施形態では、キャニスター貯蔵容器26および貯蔵容器保持部分24は、キャニスター貯蔵容器26が貯蔵容器保持部分24に嵌め込まれた後、貯蔵容器保持部分24に関してキャニスター貯蔵容器26が軸Aの周りに回転しないようにする1つ以上の嵌合突起部、溝、くぼみ、および/または非円形断面を備えることができる。他の実施形態では、キャニスター貯蔵容器26は、貯蔵容器保持部分24の内部容積内に永久的に固定することができる。
【0041】
使い捨て部分20の残り部分に関して貯蔵容器26(およびピストンプランジャ32)を取り外して交換できるようにキャニスター貯蔵容器26を支持することにより、利用者は、使い捨て部分が患者利用者の皮膚に固定されたまま(またはハウジング部分が患者利用者の皮膚に接着しない状況では、他の何らかの方法で患者利用者に固定されるか、または患者利用者により持ち運ばれる)で、使用済みキャニスター貯蔵容器26を新しい(未使用の、利用者により充填された、事前充填された、改装された、再充填された、または作り直しされた)キャニスター貯蔵容器26(およびピストンプランジャ32)と交換することができる。このようにして、同じ使い捨て部分20を、複数の新しい貯蔵容器26で使用することができ、その後、未使用の新しい、再充填された、利用者により充填された、改装された、または作り直しされた貯蔵容器が使い捨て部分20で所定の回数だけ使用された後処分することができ、その際に、同じ耐久部分22が、複数の使い捨て部分20の交換に対して使用できる。これにより、さらに、利用者は、貯蔵容器26を、アミリン、GLP−1、バイエッタ、ペプチドC、インスリン抵抗性改善薬、薬物の組み合わせ(インスリンを含む場合または含まない場合)などの異なる薬物が入っている異なる貯蔵容器に切り替え、交換することにより薬物送達を変更するという選択肢を与えられる。それとは別に、利用者は、異なる種類のインスリン(例えば、持続性、即効性など)を切り替えるか、または異なる濃度(U50、U100、U200、U400など)のものを使用することができる。
【0042】
上述のように、さらに他の実施形態では、貯蔵容器26は、例えば、貯蔵容器保持部分24の成形された中空内部として、貯蔵容器保持部分24と一体となるように形成されうる。このような実施形態では、貯蔵容器保持部分24の中空内部は、好適な金属、プラスチック、TOPAS(Celanese Corporationの系列会社であるTiconaの商標)、セラミック、ガラス、複合材料などでコーティングされるか、または裏打ちされてもよい。それとは別に、またはそれに加えて、保持部分24それ自体は、好適な金属、プラスチック、TOPAS(Celanese Corporationの系列会社であるTiconaの商標)、セラミック、ガラス、複合材料などで作ることができる。
【0043】
貯蔵容器26は、中空針またはカニューレを刺し通すことができる隔壁を備え、これにより貯蔵容器26の内部28から患者利用者への中空流路を形成する。貯蔵容器の隔壁に中空針を通すために使用できる機構の実施例は、2005年8月23日に出願した米国特許出願第11/211,095号明細書および2006年8月23日に出願した「INFUSION MEDIUM DELIVERY SYSTEM, DEVICE AND METHOD WITH NEEDLE INSERTER AND NEEDLE INSERT DEVICE AND METHOD」という表題の米国特許出願第60/839,840号明細書(代理委任整理番号047711−0384)で説明されている。それとは別に、またはそれに加えて、隔壁30は、例えば、隔壁の露出面に注射器、中空針、またはカニューレを刺し通すことにより、貯蔵容器26を再充填するか、または貯蔵容器26から注入媒体を取り出すために貯蔵器保持部分の壁を通して露出される表面を備えることができる。隔壁30は、限定はしないが、ゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン、または針を刺し通せる、また針の周りに封止を形成できる他の材料などの好適な材料で形成されうる。針/隔壁コネクタの実施例は、本願に引用して援用する、2003年12月22日に出願した「Reservoir Connector」という表題の米国特許出願第10/328,393号明細書において説明されている。他の代替形態では、ルアーロックなどの非隔壁コネクタを使用できる。
【0044】
図5を参照すると、隔壁30は、隔壁に中空針またはカニューレ100を通して、貯蔵容器26の内部と患者利用者1との間に流体流路を形成できるように構成されうることがわかる。特に、中空針またはカニューレ100が、隔壁30に通されると、中空針またはカニューレ100内の側開口部104が隔壁30内の溝路またはくぼみ31に位置合わせされ、これにより、針の中空内部と貯蔵容器26の内部28との間に流体流路を形成することができる。中空針またはカニューレ100は、患者末端開口部106を含み、針の尖っている先端部またはカニューレの開口端が患者利用者の皮膚内に挿入されると、針またはカニューレ100の中空内部と患者利用者1との間に流体流路が形成される。それとは別に、中空針またはカニューレを患者利用者体内に挿入し、図15の注射部位132を参照しつつ以下で説明されているように、針またはカニューレを貯蔵容器と流体流連絡で結合するための注射部位は、図1〜5の実施形態において使用することができる。他の実施形態では、注射部位は、使い捨てハウジング部分20が患者利用者の皮膚に固定されたときに患者利用者の皮膚を刺し通すように配設されている、貯蔵容器26に流体流連絡で接続される(例えば、多岐管構造を通して)一組の中空極微針を備えることができる。
【0045】
図4を再び参照すると、ピストンプランジャ32は、貯蔵容器の内部において移動可能であり、これにより貯蔵容器26の内部28の流体含有部分の容積を変える。本明細書で説明されているように、中空針またはカニューレが隔壁30に通され(または一組の極微針が貯蔵容器と流体の流れが連絡するように配設され)貯蔵容器から患者利用者への流体流路が形成されると、ピストンプランジャ32によって加えられる力に応じて、貯蔵容器26の内側の注入媒体が貯蔵容器から患者利用者体内へ放出されうる。
【0046】
ピストンプランジャ332は、隔壁30に関してキャニスターの反対側から貯蔵容器26の内部に一部入り込む。ピストンプランジャ32は、限定はしないが、金属、プラスチック、セラミック、ガラス、または複合材料などの好適な剛体材料で作ることができ、貯蔵容器26の内部28の内径よりもわずかに小さい外径を有するヘッド34を有する。それとは別に、ピストンプランジャ32は、圧縮性材料(限定はしないが、弾性圧縮性プラスチック、ゴム、シリコーンなど)で作ることができ、また十分に圧縮して貯蔵容器26の内部28内に嵌るように、貯蔵容器26の内部28の内径よりもわずかに大きくするとよい。限定はしないが、Oリング型シール36などの1つ以上のシールをピストンプランジャヘッド34上に設けられている環状溝内に配設することができる。Oリングシール36は、限定はしないが、ゴム、プラスチック、金属、複合材料などを含む好適な材料で製作することができ、このようなOリングは、注入媒体が貯蔵容器26のピストンプランジャ端部から漏れ出るのを阻止する封止機能を有する。貯蔵容器26のキャニスター部分、ピストンプランジャ32、および(複数の)シール36の製造材料は、好ましくは、好適な強度および耐久性、さらには注入媒体との適合性を考えて選択される。使用可能なピストンプランジャ構成の実施例は、本願に引用して援用する、2004年11月16日に出願した「Improved Fluid Reservoir Piston」という表題の米国特許第6,817,990号明細書において説明されている。
【0047】
ピストンプランジャ32および貯蔵容器26の内面は、限定はしないが、1つ以上の嵌合(接合)突起部、溝、図17に関して以下で説明されているのと類似しているくぼみ、および/またはピストンプランジャが貯蔵容器26に関して軸Aの周りを回転するのを制止する非円形断面などの、回転防止構造を備えることができる。それとは別に、回転防止の特徴は、(複数の)シール36などの1つ以上のシールを備えることができるが、ただし、このような(複数の)シールは、ピストンプランジャ32が貯蔵容器26に関して軸Aの周りを回転するのを阻止する十分な摩擦抵抗を、貯蔵容器26の内面との間で有するものとする。1つ以上の突起部および嵌合溝が、ピストンプランジャ32および貯蔵容器26の内面上に設けられている実施形態では、これらの突起部および溝は、十分にゆるやかな弧状すなわち湾曲している表面(急角度または角の代わりに)を持つように形成され、これにより、シールを表面の上に配置するのが簡単になり、ピストンプランジャ32および貯蔵容器26の内面に当てて封止することができる。さらに他の実施形態では、回転防止構造は、ピストンシャフト40上に設けることができ、また耐久ハウジング部分22または使い捨てハウジング部分20の表面(または耐久ハウジング部分22または使い捨てハウジング部分20により支持されている他の好適な表面構造)に係合し、ピストンシャフト40が軸Aの周りを回転するのを阻止するのに適した構造を備えることができる。
【0048】
図4のピストンプランジャ32は、貯蔵容器26の内部28の外に配置され、プランジャシャフト40によりプランジャヘッド34に接続されている、係合部分38を備える。ピストンプランジャ32は、貯蔵容器26の軸方向Aに移動可能であるように構成されている。貯蔵容器26の内部容積28の流体含有部分は、ピストンプランジャ32が貯蔵容器26の軸方向Aに移動するとともに変化する。係合部分38は、送りシャフト42上の対応するキースロット、キー、またはネジ山(これ以降「ネジ山」と呼ぶ)と動作的に(動作可能なように)係合する構成をとるキー、キースロット、またはネジ山39(これ以降「ネジ山」と呼ぶ)を備える。以下でさらに詳しく説明されるように、係合部分38が送りシャフト42と動作的に係合し、駆動モータ44が送りシャフト42を回転した場合、ピストンプランジャ32が貯蔵容器26内で軸方向に移動する。
【0049】
上述の回転防止構造は、ピストンプランジャ32が軸Aの周りに回転するのを阻止する。したがって、ピストンプランジャ32は、耐久部分22および使い捨て部分20が一緒に配設され結合されたときに、表面39が自動的に送りシャフト42に位置合わせされて容易に送りシャフト42に回転係合できる方向に、係合部分38のネジ山付き表面39が向くような位置に配設され、その位置から回転して離れてゆくのを阻止されうる。
【0050】
送りシャフト42は、送達デバイス12の耐久部分22上で回転するように支持されうる。例えば、1つ以上の軸受または他の好適な構造を、その長手方向軸を中心として回転する送りシャフト42を支持するために耐久部分内に固定することができる。図4の実施形態では、送りシャフト42は、2つの回転軸受43aおよび43bにより2つの場所で支持される。他の実施形態では、送りシャフト42は、2つよりも多い軸受により2つよりも多い場所で支持されるか、または単一の軸受43aまたは43bにより片持ち梁式に支持されうる。送りシャフト42の長さ方向の一部は、ピストンプランジャ32の係合部分38と係合するように露出されうる。送りシャフト42は、この送りシャフト42の他の部分が、後述のように、耐久部分22の封入された内部54内に配置され、駆動リンクと係合するように耐久部分22内の開口部を貫通する。1つ以上のシール45が、送りシャフトの露出部分と耐久部分22内に配置されている送りシャフトの他の部分との間で、送りシャフト42の周りに配置されうる。この方法で、(複数の)シール45は、送りシャフト42が貫通する耐久部分22内の開口部に流体が入り込むのを阻止することができる。(複数の)シール45は、限定はしないが、シリコーンまたは他の柔軟なプラスチック、金属、セラミック、複合材料などを含む、好適な封止材料で作ることができる。他の実施形態では、(複数の)シール45は、液密シールを備えるが、空気を通し、耐久ハウジング部分22の内部54と耐久ハウジング部分22の外部の環境との間を均圧化することができる材料および/または封止構成をとることができる。さらに他の実施形態では、均圧ポート開口部が、耐久ハウジング部分の適当な場所に設けられ、これにより、耐久ハウジング部分の内部54と外部との間を空気の流れが連絡するようにすることができる。このような実施形態では、空気流連絡ポートは、空気を通すことができるが、水または他の液体が通過するのを阻止する材料で覆うことができる。空気流を通せるが、流体(液体)を阻止する構造の実施例は、本願に引用して援用する、2003年12月22日に出願した「Reservoir Connector」という表題の米国特許出願第10/328,393号明細書、および2003年10月31日に出願した「External Infusion Device with a Vented Housing」という表題の米国特許出願第10/699,429号明細書で説明されている。
【0051】
駆動モータ44は、送りシャフト42に機械的に結合され、これにより、統制された仕方でその長手方向軸を中心とする回転運動を送りシャフトに行わせることができる。モータ44は、1つ以上の好適な歯車、ベルト、チェーン、駆動シャフト、または他のリンク構造を通じて送りシャフト42に結合されうる。リンク構造は、トルク変換を行い、例えば、モータ44のトルクおよび速度出力に対して、送りシャフトにおけるトルクを増大し、回転速度を下げるように構成されうる。したがって、モータ44は、比較的高速な回転運動を発生することができ、これは、さらに、リンク構造を通じて、低速の回転に変換されうるが、ただし、より大きなトルクが送りシャフトに加えられる。
【0052】
図4に例示されている実施形態では、モータ44は、駆動歯車46を備え、シャフト42は、係合歯車47を備える。リンク歯車48が、駆動歯車46と係合歯車47との間に配設され、これにより、回転駆動力がモータ44からシャフト42に伝えられる。図4のリンク歯車48は、駆動歯車46と係合するためのハブ部分49、および係合歯車47と係合するための主部50を備える。ハブ部分49は、主部50に固定され、主部50よりも小さな直径を有する。
【0053】
他の実施形態では、リンク歯車48は、小径のハブ部分が係合歯車47と係合し、大径の主部が駆動歯車46と係合するように配設されうる。さらに他の実施形態では、追加の歯車が、歯車46、47、および48のいくつか、またはそれぞれの間に差し挟まれ、これにより、モータ44からの回転運動を送りシャフト42の回転運動に伝えることができる。さらに他の実施形態では、リンク歯車48が排除され、駆動歯車46が係合歯車47と直接係合するように配設されうる。さらに他の実施形態では、モータ44を送りシャフト42に動作的にリンクするために、他のリンク構造が使用されうる。リンクおよび制御構造の他の実施例は、本願に引用して援用する、2001年3月21日に出願した「Control Tabs For Infusion Devices And Methods Of Using The Same」という表題の米国特許出願第09/813,660号明細書において説明されている。
【0054】
図6aおよび6bは、さらに、図4に関して上で説明されているピストンプランジャ、送りシャフト、および貯蔵容器と類似の、ピストンプランジャ32、送りシャフト42、および貯蔵容器26を有する送達デバイスの他の例示的な実施形態を示している。図6aおよび6bを参照すると、貯蔵容器26は、第1の、または使い捨てのハウジング部分20(上述の使い捨てハウジング部分と類似している)に配設されうるが、送りシャフト42は、第2の、または耐久ハウジング部分22(上述の耐久ハウジング部分に類似している)により支持されうる。図6aおよび6bの実施形態では、ピストンプランジャ32は、貯蔵容器26内に配置されているピストンヘッド34、およびピストンヘッド34の周辺端部から貯蔵容器26の外にある場所へ伸びるピストンシャフト40を有する。1つ以上のシール36(例えば、上述のシール36に類似しているもの)をピストンヘッド34の外周面の周りに配置し、貯蔵容器26の内面に対し封止することができる。部分的ナット係合部分38は、アーチ形表面上にネジ山39を備える。係合部分38のアーチ形の表面は、送りシャフト42の長手方向軸の周りで湾曲しており、これによりネジ山39は、使い捨てハウジング部分20および耐久ハウジング部分22が係合されたときに、部分ナット(部分的にネジ山を切ってあり、シャフトの周り全体に対し切ってあるわけではない)として送りシャフト42のネジ山と容易に動作的(機能的)に係合することができる。係合部分38上のネジ山39のアーチ形または湾曲した表面により、係合部分38を送りシャフト42の一部分の上から容易に嵌めることができ、使い捨てハウジング部分20および耐久ハウジング部分22を動作的に単に係合させるだけで送りシャフト42上のネジ山と動作的に係合させることができる。
【0055】
図6aでは、使い捨てハウジング部分20および耐久ハウジング部分22は、分離されているように示されている(例えば、使い捨てハウジング部分20および耐久ハウジング部分22が接合され動作的に係合する直前)。図6bでは、使い捨てハウジング部分20および耐久ハウジング部分22は係合しており、これにより、ピストンプランジャ32上の係合部分38のネジ山は、送りシャフト42上のネジ山と動作的に係合する。ピストンヘッド34、ピストンシャフト40、および係合部分38を含む、ピストンプランジャ32は、例えば費用効果を念頭において、例えば、成形、機械加工、または他の好適な製造技術により、単一の一体部材として構成されうる。それとは別に、ピストンプランジャ32は、ピストンプランジャ32を形成するように組み立てられた多部品部材として構成することができる。
【0056】
駆動機構を貯蔵容器ピストンプランジャに接続するための構造の他の実施形態は、図7a、7b、および7cを参照しつつ説明されている。本開示を簡単にするために、構造および/または機能の面で上述の実施形態のコンポーネントに類似している図7a、7b、および7cのコンポーネントは、図7a、7b、および7cの対応する参照番号がラベルとして付けられている。
【0057】
図7aでは、貯蔵容器26は、上述のように、流体媒体を入れるための中空の内部を持つハウジング112を有する。プランジャヘッド34は、貯蔵容器ハウジング112内に配置され、貯蔵容器の軸方向Aに移動可能であり、これにより貯蔵容器の内部容積を拡大または縮小する。図7a、7b、および7cの実施形態では、ピストンシャフト40は、一対の棒40aおよび40bからなり、これらはプランジャヘッド34から貯蔵容器ハウジング112の外側に伸びている。棒40aおよび40bは、U字型ナット114とプランジャ34との間を堅く接続する機能を持つ。U字型ナット114は、棒40aおよび40bにより支持されうる。それとは別に、またはそれに加えて、U字型ナット114は、貯蔵容器26の軸方向Aに移動できるようにガイドレール116により支持される。
【0058】
図7bでは、U字型ナット114は、スパン114cにより接続されている一対のアーム114aおよび114bを有し、その間に開放溝路114dを形成する。図7aでは、貯蔵容器26は、U字型ナット114の溝路114dの開放側がベースから見て外方に向いている、使い捨てハウジング部分20のベース(または限定はしないが、パーツ21’、450、456などに関して以下で説明されているベース部分などの分離しているベース部材)上に支持されるように構成されている。耐久ハウジング部分22は、貯蔵容器26上で、ベースに固定するように構成されている。耐久ハウジング部分22は、上述の他のコンポーネントのうちとりわけ、上述のように駆動デバイスと動作的に係合しているネジ山付き送りシャフト42を備える。
【0059】
図7bでは、送りシャフト42は、耐久ハウジング部分22が接続のため使い捨てハウジング部分20(または分離可能ベース)上に配設された後、耐久ハウジング部分22内の、溝路114d内に嵌り、アーム114aおよび114bと係合する位置に配置される。U字型ナット114の溝路114dは、組み立てのしやすさおよび製造公差を考慮して、送りシャフト42とアーム114aおよび114bとを図7bの縦寸法における送りシャフト42の複数の位置のうちの1つの位置で係合させるのに十分な深さを持たせればよい。特定の実施形態では、耐久ハウジング部分22を使い捨てハウジング部分20のベース(または分離ベース部分)上の、耐久ハウジング部分22と使い捨てハウジング部分20のベース(または分離ベース部分)とが接続する位置に配置した場合も、駆動シャフト42の位置がU字型ナット114の溝路114dに揃い、駆動シャフト42をナット114に動作的に接続するのにコンポーネントをさらに操作する必要はない。
【0060】
図7bでは、U字型ナット114のアーム114aおよび114bは、互いに関して軸方向Aにオフセットされ(すなわち、位置がずれており)、送りシャフト42上のネジ山と係合するように構成されうる。U字型ナット114と係合しながら送りシャフト42が回転すると、U字型ナット114は、軸方向Aに移動させられる。U字型ナット114が棒40aおよび40bの一方または両方に接しているか、または接続している場合に、U字型ナット114の軸方向Aへの移動は、棒40aおよび40bの移動となり、したがって、プランジャヘッド34は軸方向Aに移動する。したがって、送りシャフト42がU字型ナット114と係合すると、貯蔵容器プランジャ34の移動は、送りシャフト42を選択的に駆動することにより選択的に実行され、制御されうる。
【0061】
さらに他の実施形態では、U字型ナット114は、磁性材料(または磁気的引力を有する材料)で作られるか、または他の何らかの形で磁性材料(または磁気的引力を有する材料)を含むことができ、一方、棒40aおよび40bは、非磁性材料(または磁石に引き付けられない材料)で作ることができる。このような実施形態では、ナット114が軸方向Aにそって移動するときに、U字型ナット114の位置を検出するような位置に、磁気作動スイッチまたは磁石検出デバイス(または磁気的引力材料検出器)を備えることができる。U字型ナット114の位置は、貯蔵容器26の充填状態(充填された状態)に対応する。したがって、磁気作動スイッチまたは磁石検出デバイスを好適な制御電子回路(図4に関して上で説明されているモータ制御回路52など)に接続し、貯蔵容器26の充填状態を判定することができる。制御電子回路52は、貯蔵容器26の十分に消耗した状態を検出したときに駆動デバイス44(図4に示されているような)の動作を禁止するように構成される。
【0062】
上述の実施形態では、磁性材料(または磁気的引力を有する材料)がU字型ナット114自体か、またはU字型ナット114上にあるが、上述のように検出するために、他の実施形態では、磁性体(または磁気的引力を有する材料)を棒40aおよび40bの一方または両方の長さにそった1つ以上の異なる場所で使用することができる。さらに、上記の実施形態では、検出用に磁性材料(または磁気的引力を有する材料)を使用するが、他の実施形態では、限定はしないが、他の検出可能な材料、光学的に検出可能な印またはそれと類似のもの(および対応する検出器)などの他の適切な方法で検出可能な特性を利用して、U字型ナット114および/または棒40aおよび40bの位置を検出することができる。
【0063】
例えば、いくつかの実施形態では、U字型ナット114に隣接して配設されている電気コイルを使用することができ、その場合、U字型ナット114は、磁性材料または鉄(または他の磁気的引力を有する)材料を有するか、またはそれで作られる。電気コイルをU字型ナット114の十分に近い位置に配設し、そのコイルに電流を通すことにより、電気コイルに相対的なU字型ナット114の位置は、コイル中の電流に対し、誘導的または容量的特性により検出可能な影響を及ぼす。この方法で、U字型ナットの位置、したがって、貯蔵容器ハウジング112内のプランジャヘッド34の位置(軸方向Aについての)は、コイル電流に対する影響の検出により検出することができる。他の実施形態では、棒40aおよび40bの一方または両方が、上述のような方法によりコイルで動作するように磁性材料または鉄(または他の磁気的引力を有する)材料を含むか、またはそれで作ることができる。コイルは、U字型ナット114および棒40aおよび40bの片側に配置されうる。それとは別に、コイルは、コイルの軸が貯蔵容器の軸Aと平行に、または同軸上に配設された状態で、U字型ナット114および棒40aおよび40bの周りに配置されうる。
【0064】
それとは別に、またはそれに加えて、1つ以上の線形抵抗器を使用して、位置検出機能を実現することができる。例えば、線形抵抗器は、U字型ナット114に隣接して、または棒40aおよび40b上に配設されうる。ブラシまたは他のスライドもしくは移動可能導体を固定比率でU字型ナット114、棒40aまたは棒40bのうちの1つに、線形抵抗器とスライドする形で接触するように配設し、プランジャ34が貯蔵容器ハウジング112内で軸方向に移動するときに線形抵抗器にそってスライドするようにできる。ブラシ(またはスライドもしくは移動可能導体)と線形抵抗器との間の接触の位置は、抵抗値を決定する。その抵抗値は、ブラシ(またはスライドもしくは移動可能導体)と線形抵抗器との間の接触のそれぞれの異なる位置により異なる。制御電子回路は、ブラシ(またはスライドもしくは移動可能導体)と線形抵抗器との間の接触の位置により定められる抵抗値に基づき、プランジャ位置(貯蔵容器ハウジング112内のプランジャ34の)を決定するように構成されうる。さらに他の実施形態では、線形抵抗器およびブラシ(または他のスライドもしくは移動可能導体)の位置を逆にすることにより類似の機能を実現できる。例えば、線形抵抗器は、棒40aまたは40bの一方もしくは両方に含めることができるが、ブラシ(または他のスライドもしくは移動可能導体)は、ハウジング20またはハウジング22に関して固定され、線形抵抗器とスライドする形で接触するように配設される。位置感知機構に対する環境の影響を補正するために、レシオメトリック測定を使用することができる。
【0065】
モータ44を送りシャフト42に動作的に結合するためのモータ44およびリンク構造の例示的な一実施形態が図8、9、および10に示されており、図9は、図8の左側から見た、図8の構造の図面である。同様に、図10は、図8の右側から見た、図8の構造の図面である(図8の送りシャフトに関するリンク歯車およびモータの向きは、図4に示されている向きの反対または鏡像として示されているが、他の点では、図4の構成と構造上類似している)。図8、9、および10の実施形態では、モータおよびリンク構造の1つ以上が、逆転防止構造を備えることができ、これにより、送りシャフトが通常の駆動方向と反対方向に回転するのを阻止することができる(例えば、ピストンプランジャが移動され貯蔵容器から流体を強制的に排出する方向と反対の方向)。このような逆回転防止構造は、爪車および停止面配構成を備えることができる。
【0066】
例えば、図8、9、および10の実施形態では、モータ44は、モータの駆動歯車46として共通モータ駆動シャフト上にモータ雁木車61を備える。雁木車61は、雁木車が通常の駆動方向に回転したときに停止面63の上に乗るように配設された爪を備えていてもよい。爪は、停止面に接した、通常の駆動方向と反対の方向へのモータ駆動シャフトの回転を阻止する。他の実施形態では、雁木車は、リンク構造内の歯車の1つとして共通の回転シャフト上などのリンク構造内に備えることができる。図8、9、および10の実施形態では、第2の雁木車67が、送りシャフト歯車47の同じ回転シャフト上に備えられる。停止面73が、雁木車67に相対的に配設され、これにより、送りシャフト42が通常の駆動方向に回転したときに、雁木車67の爪が停止面73上に乗ることができるが、通常の駆動方向と反対の方向に雁木車が回転することはできない。
【0067】
逆転防止構造は、例えば、モータの極がきちんと揃っていない、送りシャフトの取り扱いが不適切であるなどといったことにより、貯蔵容器内のピストンプランジャの意図しない逆方向移動が生じるのを阻止するために備えることができる。回転センサは、雁木車61および67の一方または両方に関連付けることができる。図8、9、および10の実施形態では、センサ75の形態の回転センサは、雁木車61の回転を感知するように雁木車61に隣接して配設される。センサ75は、限定はしないが、雁木車61が回転するときに、雁木車61上の光学素子(反射または非反射の表面特徴)を感知する光学素子を含む好適な回転センサとすることができる。
【0068】
図4および6〜10では、駆動歯車46、リンク歯車47、および係合歯車48は、モータ44から送りシャフト42にモータ駆動力を受け渡すための歯車列を形成する。この方法で、モータがモータ駆動シャフトを回転可能なように駆動すると、歯車列は、モータ駆動力を、送りシャフト42を回転する力に変える。ピストンプランジャ32が、送りシャフト42と係合すると、送りシャフト42の回転により、ピストンプランジャ32の係合部分38は、送りシャフト42のネジ山付きの長さ部分に乗って進む。この方法で、送りシャフト42の回転は、ピストンプランジャが送りシャフト42と係合したときに、ピストンプランジャ32の軸方向を移動に変換される。ピストンプランジャ32の利用可能な移動長は、送りシャフト42のネジ山付きの部分の長さ、ピストンプランジャシャフト40の長さ、および送りシャフト42のネジ山付きの長さ部分にそったピストンプランジャの係合部分38の開始位置に依存する。
【0069】
送りシャフト42は、シャフトの露出部分の長さの大半または全部にそってネジ山を備えることができ、これにより、係合部分38上のネジ山を送りシャフト42の露出部分の長さにそった任意の場所で送りシャフト42上の対応するネジ山と動作的に係合することができる。上述のように、係合部分38上のネジ山が送りシャフト42上の対応するネジ山と動作的に係合するのをさらに補助するために、係合部分38に、ネジ山が配設されているアーチ形表面を形成することができる。係合部分38のネジ山付きアーチ形表面は、係合部分38が送りシャフト42と係合したときに、つまり、耐久ハウジング部分と使い捨てハウジング部分が図2に示されているように係合したときに、送りシャフト42の周の1/2以下(180度以下)の周に広がっていてもよい。他の実施形態では、係合部分38のネジ山付きアーチ形表面は、係合部分38が送りシャフト42と係合したときに、つまり、耐久ハウジング部分と使い捨てハウジング部分が図2に示されているように係合したときに、送りシャフト42の周の1/2を少し超える(180度を少し超える)周に広がり、送りシャフトとのスナップ式の嵌め込みを可能にする十分に弾力のある柔軟な材料で構成されてもよい。使用できる他の種類の駆動係合構造は、本願に引用して援用する、2003年3月5日に出願した「Leadscrew Driven Syringe With Integral Plunger Nut」という表題の米国特許出願第10/379,627号明細書、および1999年9月19日に出願した「Threaded Nut Syringe Plunger For Use With A Medication Infusion Pump」という表題の米国特許第5,954,697号明細書に示されている。
【0070】
図11aに表されているような他の実施形態では、ピストンプランジャシャフト40は、その長さ部分にそって歯(またはネジ山)を備えることができ、送りシャフト42は、軸方向Aに比較的長さが短い円盤状ネジ山付きヘッド部分41を備えることができる。ネジ山付きヘッド部分41は、例えば、ラックアンドピニオン式の構成でピストンプランジャシャフト40の歯(またはネジ山)と係合する外周面上にネジ山を有し、ピストンプランジャシャフト40は、歯付きのラックを含み、ネジ山付きヘッド部分41は、ピニオンギアとして機能しうる。図11bに示されているような実施形態では、ピストンプランジャシャフト40は、歯(またはネジ山)が配置されているアーチ形表面を備えることができる。アーチ形表面51は、貯蔵容器の内側部分の外側の、ピストンプランジャシャフト40の縦方向寸法にそって広がり、送りシャフト42の軸の周りで部分的に弧を描き、図2に示されているように耐久ハウジング部分および使い捨てハウジング部分が係合したときに、ヘッド部分41と係合する。アーチ形表面51の半径は、円盤状ヘッド41の半径に近く、これにより、図2に示されているように耐久ハウジング部分と使い捨てハウジング部分が係合したときに、ヘッド41が、ピストンプランジャシャフトと容易に、動作的に係合し、ヘッドとピストンプランジャシャフトとの間の係合の表面積を増やすことができる。
【0071】
上述の図4の係合部分38のアーチ形表面と同様に、図11aおよび11bのピストンプランジャシャフト40のアーチ形表面は、ピストンプランジャシャフト40が送りシャフト42と係合したときに、つまり、耐久ハウジング部分と使い捨てハウジング部分が図2に示されているように係合したときに、送りシャフト42の周の1/2以下(180度以下)の周に広がるものでよい。他の実施形態では、ピストンプランジャシャフト40のアーチ形表面51は、ピストンプランジャシャフト40が送りシャフト42と係合したときに、つまり、耐久ハウジング部分と使い捨てハウジング部分が図2に示されているように係合したときに、送りシャフト42の周の1/2を少し超える(180度を少し超える)周に広がり、送りシャフトとのスナップ式の嵌め込みを可能にする十分に弾力のある柔軟な材料で構成されてもよい。
【0072】
図4、6、7、11a、および11bの実施形態では、送りシャフト42またはピストンプランジャシャフト40のうちの一方が、貯蔵容器26の流体格納部分28の軸Aの方向の長さを超えて、軸Aの方向にそって一定の長さだけ伸びるネジ山付き部分を含む。ピストンプランジャシャフト40は、シャフトの露出部分の長さの大半または全部にそってネジ山を備えることができ、これにより、ピストンプランジャシャフト40の露出部分の長さにそった任意の場所において、送りシャフト42またはネジ山付きヘッド部分41と動作的に係合することができる。
【0073】
モータ44、送りシャフト42、およびモータと送りシャフトとの間のリンクは、図4、7、8、または11aに示されているように、シャフト42のネジ山付き部分がピストンプランジャ32のネジ山付き部分と係合する場所で送達デバイスの耐久部分22により支持されうる。この方法で、耐久部分22が使い捨て部分20上に固定される(スナップ式の嵌め込み、摩擦取り付け、または他の好適な係合構成により)ように配設された場合、シャフト42のネジ山付き部分は、それらの要素をさらに利用者が操作しなくてもピストンプランジャ32のネジ山付き部分と動作的に係合する。他の実施形態では、耐久部分22が使い捨て部分20上に固定される(スナップ式の嵌め込み、摩擦取り付け、または他の好適な係合構成により)ように配設されている間または配設された後に、シャフト42のネジ山付き部分をピストンプランジャ32のネジ山付き部分と動作的に係合させるのにハウジング部分および/または手動オペレータの追加の操作が必要になる場合がある。
【0074】
図4および6に示されていないが、モータ44は、モータ制御回路に接続するための電気端子を備えることができる(例えば、図4に示されているモータ制御回路または、図6の耐久ハウジング部分22内の、図に示されていない、類似のモータ制御回路)。モータ制御回路52は、所望の注入送達プログラムまたはプロファイルに従って、モータの動作を制御するため、送達デバイスの耐久部分22内に取り付けることができる。送達プログラムまたはプロファイルは、耐久部分22内に配置された好適な電子記憶媒体(図に示されていない)内に格納され、および/またはCCD16またはコンピュータ18(図1に示されているような)などの他のソースから送達デバイス12に伝達されうる。このような実施形態では、送達プログラムまたはプロファイルに従ってモータ44の動作を制御するためにモータ制御回路52により送達プログラムまたはプロファイルが使用されうる。それとは別に、またはそれに加えて、モータ制御回路52は、デバイス12内で発生した、またはCCD16、センサもしくはモニタ14、またはコンピュータ18(図1に示されているように)などの他のソースからデバイス12に伝達された送達要求制御信号に応答して、注入媒体の1つ以上の個別容量分を送達するようにモータ44を制御することができる。
【0075】
耐久部分22は、センサデータまたは他のデータの格納のため、処理および制御機能のため、または他の機能のために、CCD16またはコンピュータ18などの外部デバイスと通信する追加電子回路(図に示されていない)を備えることができる。耐久部分22は、1つ以上のボタン、電子ディスプレイ(限定はしないが、LEDディスプレイ、LCDディスプレイ、または他の好適な電子ディスプレイを含む)を備えるユーザーインターフェース(図に示されていない)を有し、これにより、利用者は、データにアクセスし、および/またはデータもしくは命令を耐久部分22内の制御電子回路に入力することができる。これらの種類の通信および/または制御機能、さらには、デバイスの機能セットおよび/またはプログラムオプションの実施例は、本願に引用して援用する、2003年5月27日に出願した「External Infusion Device with Remote Programming, Bolus Estimator and/or Vibration Alarm Capabilities」という表題の米国特許出願第10/445,477号明細書、および2003年5月5日に出願した「Handheld Personal Data Assistant (PDA) with a Medical Device and Method of Using the Same」という表題の10/429,385号明細書で説明されている。
【0076】
いくつかの実施形態では、耐久部分22は、電池、高エネルギーキャパシタまたは他の電子回路用電源(図に示されていない)を収納しており、これにより、モータ44、モータ制御回路52、および耐久部分22に収められている他の電子回路に電力を供給することができる。このような実施形態では、電池、高エネルギーキャパシタまたは他の電子回路用電源は、耐久部分22に備えられている再充電コネクタ(図に示されていない)を通じて再充電可能であるものとしてよい。他の実施形態では、電池、キャパシタまたは他の電子回路用電源(図に示されていない)は、使い捨て部分22上で支持され、追加の手動による操作を行わなくても、使い捨て部分20に耐久部分22が結合された後、電気的接続をもたらす電気コネクタを通じて、モータ44、モータ制御回路52、および耐久ハウジング部分内の他の電子回路に接続可能なものであってよい。このような電気コネクタは、1つ以上の導電性パッドの対を備え、パッドのそれぞれの対は、耐久部分22が使い捨て部分20と係合するように結合されたときに、反対極に接続され、耐久部分22上の対応する表面と係合するように使い捨て部分20の好適な表面上に配置される。そのような実施形態では、耐久部分22の対応する表面は、耐久部分22が使い捨て部分20と係合したときに、モータ44、モータ制御回路52、および耐久ハウジング部分内の他の電子回路に電気的に接続され、使い捨て部分上の導電性パッドと係合するように配設される導電性パッドの1つ以上の対応する対を備える。他の実施形態では、耐久部分22および使い捨て部分20が係合した後、電気的接続を完了するために、ハウジングおよび/または手動オペレータのさらなる手動操作が必要になる場合がある。
【0077】
耐久部分22は、モータ44、歯車46〜48、モータ制御回路52、他の電子回路、および上述のいくつかの実施形態では、電源を入れた内部容積分54を含む。特定の環境条件(限定はしないが、水分、空気、生物学的または医学的流体など)から電気的および機械的コンポーネントを保護するために、耐久部分22を形成するハウジング構造55および送りシャフト42が通る開口部用の(複数の)シール45により外部環境から耐久部分22の内部容積分54を適切に封止することができる。したがって、耐久部分22のハウジング構造および(複数の)シール45は、内部容積分54内に配置されている電子コンポーネントを保護し、および/またはそれらのコンポーネントを通常操作中に使い捨て部分20が曝される環境的、医療的、または生物学的物質から隔てるように、好適な液密シール、気密シール、および/または密封シールを形成することができる。同様に、歯車46、47、および48からなる歯車列を封止された内部容積分54内に入れて、これらの機械的コンポーネントを環境的または生物学的物質から保護し、および/または隔てることができる。
【0078】
上述のように、図2、3、4、6、7、および11に例示されている構成において、耐久部分22は、使い捨て部分20上に取り付けることができ(例えば、スナップ式の嵌め込み、摩擦取り付けなど)、送りシャフト42のネジ山付き部分は、それらの要素をさらに利用者が操作しなくてもピストンプランジャ32のネジ山付き部分と自動的に係合する。他の実施形態では、送りシャフト42をピストンプランジャ32のネジ山付き部分と係合させるのに、利用者側でさらに操作する必要がある場合がある。図4、6、および7の実施形態では、ピストンプランジャ32の係合部分38のネジ山付き表面39は、送りシャフト42の長手方向軸の一部分の周りで湾曲するアーチ形表面を有していてもよい。ピストンプランジャ32の係合部分38の表面に送りシャフト42の長手方向軸の一部分の周りで湾曲するアーチ形を与えることにより、送りシャフト42と係合する表面39の表面積を増やすことができる。それに加えて、送りシャフト42の長手方向軸の一部分の周りで係合部分38の表面39を湾曲させることで、係合部分38が送りシャフト42と係合した後に、係合部分38と送りシャフト42が偶然離れてしまうのを阻止しやすくなる。また、表面39が湾曲していると、耐久部分22を使い捨て部分20に結合する手動による操作の結果として送りシャフト42を係合部分38と接触させることにより、係合部分38は送りシャフト42と容易に位置合わせされ、動作的に係合することができる。
【0079】
図12〜15は、使い捨てハウジング部分20と耐久ハウジング部分22が係合した後の、動作的な係合をするように構成されたピストンプランジャ32および送りシャフト42の他の例示的な実施形態を示している。図12は、図4の送達デバイスの実施形態に好適な貯蔵容器、ピストンプランジャ、および送りシャフトの一実施形態の斜視図である。図13は、クリップが開いている状態の、図12のピストンプランジャの軸方向の図であり、図14は、クリップが閉じている状態の、図12のピストンプランジャの軸方向の図である。図15は、図12の貯蔵容器とともに、またピストンプランジャと動作的な係合状態にある図12の送りシャフトとともに組み立てられた図12のピストンプランジャの斜視図である。
【0080】
図12〜15の実施形態では、ピストンプランジャ32は、貯蔵容器26の対応する形状の内部の中に収まる形状およびサイズを有する卵形のピストンヘッド34を備える。ピストンヘッド34が貯蔵容器26の内部に嵌め込まれたときに、ピストンヘッド34の卵形形状と、貯蔵容器26の内部とにより、貯蔵容器26に関してピストンヘッド34の回転が阻止される。
【0081】
図12〜15の実施形態のピストンプランジャ32は、トラフ(樋)形状の湾曲を形成し、軸Aの周りに部分的に湾曲している、軸方向寸法Aにそって伸びる陥凹面を有するピストンシャフト40を備える。ピストンシャフト40のトラフ形状の湾曲は、使い捨てハウジング部分20と耐久ハウジング部分22とが係合したときに送りシャフト42を受け入れる受け入れ部を形成する。ピストンシャフト40は、使い捨てハウジング部分20と耐久ハウジング部分22とが係合したときに、送りシャフト42と動作的に係合するために、少なくとも1つのクリップ53を備える。図12〜15の実施形態は、1つのクリップ53とともに示されているが、他の実施形態は、ピストンシャフト40の軸方向の長さAにそって2つ以上のクリップを備えることができる。
【0082】
クリップ53は、一対のクリップアーム53aおよび53bを備え、それぞれ開状態(図13に示されている)と閉状態(図14に示されている)との間で曲がるか又は枢動する。図12〜15の実施形態では、クリップアーム53aおよび53bは、それぞれ、枢支点すなわち可動蝶番部分57aおよび57bを有し、これにより、アーム53aおよび53bは、開状態と閉状態との間で、軸Aに実質的に平行である軸を中心として枢動することができる。クリップアームの一方または両方は、送りシャフト42上のネジ山と動作的に係合する好適なサイズおよびピッチのネジ山を備える。開状態のとき、それぞれのクリップアーム53aおよび53bは、相手方のクリップアームの自由端から間隔が隔てられた自由端を有する。閉状態のとき(図14)、クリップアーム53aおよび53bの自由端は係合し、部分的にオーバーラップすることがある。
【0083】
クリップアーム53aおよび53bの自由端は、枢支点または可動蝶番部分57aおよび57bを中心としてクリップアーム53aおよび53bを曲げるか、または枢動することにより、クリップアーム53aおよび53bの自由端が接合されたときに、クリップアームを一緒にロックできる構造を備えることができる。このようなロック構造は、それぞれのクリップアーム53aおよび53bの自由端に隣接する1つ以上の突起部59aおよび59bをそれぞれ備え、これらの突起部59aおよび59bは、クリップアーム53aおよび53bの自由端が接合されたときに互いに接する停止面を形成し、その際に一方のクリップアーム(例えば、クリップアーム53b)が部分的に他方のクリップアーム(例えば、クリップアーム53a)と重なっている。
【0084】
一実施形態では、クリップアーム53aおよび53bは、閉位置に向けてバイアスされているが(例えば、ばねまたはクリップアームが作られている材料の自然なばね力により)、解放可能なロック機構により開位置に保持される。ロック機構は、例えば、一方または両方のクリップアーム53aおよび53bの可動蝶番部分57aおよび57bと係合する送りシャフト42の作用により解放されうる。他の実施形態では、ロック機構は、使い捨てハウジング部分20および耐久ハウジング部分22の外側から操作可能な、手動操作部(図に示されていない)により、これらのハウジング部分が係合しているときに解放できる。さらに他の実施形態では、クリップアーム53aおよび53bは、クリップアームを形成している材料の自然なばね力(または別のばねなどのさらなるバイアス部材)により開位置(図13に示されているような)に来るように構成され、また使い捨てハウジング部分20を耐久ハウジング部分22に係合させる手動操作により、例えば、ピストンプランジャ32の係合部分38が送りシャフト42と係合するように手動で位置合わせされた後、耐久ハウジング部分22内の分岐した一対の壁または他の構造と係合した状態でアームをスライドさせてアーム53aおよび53bを圧縮してくっつけることにより閉じることができる。さらに他の実施形態では、クリップアーム53aおよび53bは、閉位置に向けてバイアスをかけることができるが(アームの自然なばね力またはばねなどの別のバイアス部材により)、その一方で、停止部材は、使い捨てハウジング部分20と耐久ハウジング部分22とを組み立てる前に、開位置(図13に示されているように)にアーム53aおよび53bを保持する。このような一実施形態では、ピストンプランジャ32の係合部分38が送りシャフト42と係合するように手動で位置合わせされた後、停止解放機構を使用して、アーム53aおよび53bを停止部材から解放し、アーム53aおよび53bが送りシャフト42を取り囲むようにできる。このような一実施形態では、停止解放機構は、停止部材を移動し(または停止部材に相対的にアーム53aおよび53bを移動し)、使い捨てハウジング部分20と耐久ハウジング部分22とを係合する手動動作によりアーム53aおよび53bを自動的に解放する自動構造を備えることができる。それとは別に、停止解放機構は、停止部材を解放し、アーム53aおよび53bが閉位置へ移動できるようにするためにさらに手動操作(ボタンを押す、レバーを移動する、など)を必要とする他の手動操作部を備えることができる。
【0085】
操作時に、耐久ハウジング部分22が、手動で使い捨てハウジング部分20と係合させられると、耐久ハウジング部分上の送りシャフト42は、ピストンシャフト40の軸方向寸法Aに揃えられ、開いているクリップアーム53aと53bとの間のある位置に移動される。クリップアーム53aおよび53bの自動操作または手動操作により、クリップアーム53aおよび53bは、開状態から閉状態に曲げられるかまたは枢動され、図15に示されているように、クリップアーム上のネジ山が送りシャフト42上のネジ山と動作的に係合する。係合した後、送りシャフト42の回転により、ピストンプランジャ32が、貯蔵容器26の内部において、軸方向寸法Aにそって移動する。
【0086】
上述のように、耐久部分22および使い捨て部分20が、ピストンプランジャ32の係合部分38と係合する送りシャフト42と嵌め合わされたときに、モータ44を制御して、送りシャフト42を回転可能なように駆動し、それにより、ピストンプランジャ32を貯蔵容器26の軸方向Aに移動することができる。貯蔵容器26の内部容積分が、注入媒体で満たされ、中空針またはカニューレが、貯蔵容器の隔壁(例えば、上述の隔壁30と類似の)内に配置され、貯蔵容器26と患者利用者との間に流体流路を形成した場合、ピストンプランジャ32を制御して、軸方向Aに沿って、貯蔵容器26の隔壁30端に向かって移動するようにし、貯蔵容器容積分28から注入媒体を強制的に中空針またはカニューレに通し、患者利用者体内に送ることができる。
【0087】
貯蔵容器26が十分に空にされるか、または他の何らかの形で交換を必要とするようになったら、患者利用者は、ただ単に、送達デバイス12の使い捨て部分20から嵌め込んである耐久部分22を取り外して、使い捨て部分20(貯蔵容器を含む)を未使用の新しい、利用者により充填された、改装された、作り直しされた、または再充填された貯蔵容器26を有する新しい使い捨て部分と交換することができる。耐久部分22を新しい使い捨て部分と係合させることができ、また送達デバイス(新しい使い捨て部分)を上述のように患者利用者に固定する(または他の何らかの方法で患者利用者が携帯する)ことができる。
【0088】
貯蔵容器26が、貯蔵容器保持部分24の中空内部内に嵌る貯蔵容器キャニスターを備える他の実施形態では、キャニスターを保持部分24から取り外して、未使用の新しい、利用者により充填された、事前充填された、改装された、作り直しされた、または再充填されたキャニスターと交換し、これにより、使い捨て部分22を、複数の貯蔵容器消耗期間にわたって患者利用者の適所に残すことができる。このような実施形態では、貯蔵容器キャニスターは、使い捨て部分20の耐用期間中に1回以上交換することができ、使い捨て部分20は、例えば、所定の回数の貯蔵容器キャニスター交換操作を行った後に、患者利用者から取り外され、新しい、または作り直しされた使い捨て部分20と交換されうる。
【0089】
図4の駆動モータ44(または本明細書で説明されている実施形態のどれか)は、電力を機械的な回転運動に変換する好適な回転駆動デバイスを備えることができる。好適な回転駆動モータ44の実施例は、限定はしないが、DCモータ、扁平またはパンケーキDCモータ、サーボモータ、ステッパーモータ、電子整流モータ、回転式圧電作動モータなどを含む。他の実施形態では、駆動モータ44は、送りシャフト42を回転駆動する、雁木車構成と組み合わせたベンダー(曲げ機)または線形アクチュエータを備えることができる。例えば、送りシャフト42を回転駆動するための駆動デバイスは、圧電作動ベンダーと雁木車との構成、熱作動ベンダーと雁木車との構成、形状記憶合金ワイヤと雁木車との構成、電子作動ソレノイドと雁木車との構成などを備えることができる。形状記憶合金ワイヤ駆動システムの実施例は、本願に引用して援用する、2002年4月23日に発行された「Incremental Motion Pump Mechanisms Driven by Shape Memory Alloy Wire or the Like」という表題の米国特許第6,375,638号明細書、および2005年9月19日に出願した「SMA Wire Driven Positive Displacement MicroPump With Pulsatile Output」という表題の米国特許出願第11/230,142号明細書において説明されている。
【0090】
本発明の例示的な実施形態によるベンダーまたは線形アクチュエータとともに動作可能な雁木車構成は、図16a〜16cを参照しつつ説明されている。図16aに示されているように、雁木車60は、矢印62の方向に、軸A1の周りで回転するように支持されている(ページ中に入る方向)。雁木車60は、鋸歯または歯64を備える外側周辺端部を有する。それぞれの歯64は、雁木車60の軸方向に関して鈍角をなす傾斜面66および雁木車の実質的軸方向のキャッチ面65を備える。駆動爪68は、雁木車60に隣接するように、また少なくとも部分的には雁木車の複数の歯のうちの2つの歯の間に配置される。駆動爪68は、開始位置Sと終了位置Eとの間で、二重矢印69により表されるように、ほぼ直線方向に移動するように支持される。
【0091】
駆動爪68は、開始位置Sから終了位置Eに向かう方向に駆動爪68が移動されるときに雁木車60上の隣接する歯64のキャッチ面65と係合するための駆動面70を有する。駆動爪68は、駆動面70から見て外を向いている他の表面71を有し、終了位置Eから開始位置Sに戻る方向に駆動爪68が移動されるときに、雁木車60上の歯64の傾斜面66上に乗るように構成されている。駆動爪68の他の表面71を、駆動輪の半径方向に関してある角度で傾斜させ、これにより、駆動爪68が雁木車の歯64の傾斜面66上に乗るのを補助することができる。
【0092】
以下でさらに詳しく説明されているように、駆動爪68は、開始位置Sから終了位置Eへ駆動爪68を選択的に駆動するようにベンダーまたは線形運動アクチュエータに結合される。開始位置Sから終了位置Eへ駆動爪68が移動する毎に、表面70は、雁木車上の歯64のキャッチ面65と係合し、雁木車60をわずかな距離だけ回転させる。バイアス部材72は、駆動爪68に動作的に結合され、駆動爪68を戻り方向にバイアスを掛け、駆動爪68を開始位置に戻す。バイアス部材72は、限定はしないが、永久磁石、電磁石、電子または熱線形アクチュエータ、形状記憶合金アクチュエータなどを含む、駆動爪68を開始位置に戻すバイアス力を付与する図14aに示されているようなばねまたは他の好適な機構を備えることができる。例示されている実施形態では、バイアス部材72は、一方の端部が駆動爪68に結合され、他方の端部が固定表面、例えば、上述の駆動機構12の耐久部分22の、または耐久部分22内の壁の固定表面または他の固定構造に結合されているコイルばねである。
【0093】
他の爪74は、矢印62の方向と反対の方向の雁木車60の逆回転を阻止するために備えることができる。例えば、他の爪74を、雁木車60に隣接するように、また少なくとも部分的には雁木車の複数の歯のうちの2つの歯の間に配置することができる。他の爪74は、雁木車60上の隣接する歯64のキャッチ面65と係合し、雁木車60が矢印62の方向と反対の方向に回転運動するのを阻止するための表面76を有する。
【0094】
爪74は、雁木車が駆動爪68の動作により矢印62の回転方向に駆動されたときに、雁木車60上の歯64の傾斜面66上に乗るように構成されている、表面76とは反対の方向を向いている他の表面77を有する。爪74の表面77を、駆動輪の半径方向に関してある角度をなし、これにより、爪74が雁木車の歯64の傾斜面66上に乗るのを補助することができる。爪74は、二重矢印79の方向に枢支点78を中心として枢動するように支持され、これにより、爪74の表面77が雁木車から離れる方向に枢動し、爪74が雁木車の歯64の傾斜面66上に乗るのをさらに保持するようにすることができる。
【0095】
バイアス部材80は、爪74の表面76を雁木車に向けてバイアスをかけるように配設され、これにより、爪74が雁木車の隣接する歯64の傾斜面66上に乗った後に、表面76が歯64のキャッチ面65と係合する位置に爪74を戻すことができる。バイアス部材80は、限定はしないが、永久磁石、電磁石、電子または熱線形アクチュエータ、形状記憶合金アクチュエータなどを含む、爪74を爪表面76が歯64のキャッチ面65と係合する位置に戻すバイアス力を付与する図16aに示されているようなばねまたは他の好適な機構を備えることができる。例示されている実施形態では、バイアス部材80は、一方の端部が爪74に結合され、他方の端部が固定表面、例えば、上述の駆動機構12の耐久部分22の、または耐久部分22内の壁の固定表面または他の固定構造に結合されているコイルばねを含む。他の実施形態では、コイルばねの代わりに、板ばねまたは他の好適なばね構造を使用することができる。例えば、ばねは、上述のバイアス力を生じさせるため爪74の枢支点78の周りに、または枢支点78内に配置することができる。
【0096】
上述のように、駆動爪68は、駆動爪68を選択的に駆動し、開始位置Sから終了位置Eへ駆動爪68が移動する毎に雁木車を短い距離だけ回転させるようにベンダーまたは線形運動アクチュエータに結合されている。ベンダーまたは線形アクチュエータは、圧電ベンダーまたは圧電アクチュエータ、熱作動ベンダー、形状記憶合金ワイヤ、電子作動ソレノイドなどを含むことができる。電力信号の印加に応答してわずかな、略直線的な移動を生じさせるこのようなアクチュエータが知られている。代替形状記憶合金ワイヤ駆動システムの実施例は、本願に引用して援用する、2002年4月23日に発行された「Incremental Motion Pump Mechanisms Driven by Shape Memory Alloy Wire or the Like」という表題の米国特許第6,375,638号明細書、および2005年9月19日に出願した「SMA Wire Driven Positive Displacement MicroPump With Pulsatile Output」という表題の米国特許出願第11/230,142号明細書において説明されている。
【0097】
図16bに示されているように、ベンダーアクチュエータ82は、電力信号がアクチュエータに印加されたときに、アクチュエータ本体の主軸A2に関して矢印86により表される横方向運動を与えられるコネクタ端部84を備えるように構成されうる。それとは別に、図14cに示されているように、線形アクチュエータ88は、電力信号がアクチュエータに印加されたときに、アクチュエータ本体の主軸A3に関して矢印92により表される縦方向運動を与えられるコネクタ端部90を備えるように構成されうる。横方向運動を引き起こす、図16bに示されているようなベンダーアクチュエータは、接続位置96で駆動爪68に結合されうる。ベンダーアクチュエータに対する接続位置96は、駆動面70に対し実質的に垂直である駆動爪68の表面上にあってよい。それとは別に、縦方向運動を引き起こす、図16cに示されているような線形アクチュエータは、接続位置98で駆動爪68に結合されうる。線形アクチュエータに対する接続位置98は、駆動面70に対し実質的に平行である駆動爪68の表面上にあってよい。そのようにして、図16bおよび16cに示されているようなベンダーまたは線形アクチュエータを使用し、開始位置Sから終了位置Eへ駆動爪68を選択的に移動し、それにより、雁木車60を回転駆動することができる。さらに他の実施形態では、駆動爪68が排除され、ベンダーまたは線形アクチュエータが雁木車60上の歯のキャッチ面と直接係合するように配設されうる。
【0098】
雁木車60は、駆動爪68が開始位置Sから終了位置Eへ移動する毎に1つの歯の回転距離分だけ回転するように構成されうる。さらに他の実施形態では、駆動爪68は、駆動爪68が開始位置Sから終了位置Eへ移動する毎に所定の数の複数の歯数分の回転距離だけ雁木車60を回転させるように構成されうる。雁木車60は、送りシャフト42に結合され、これにより雁木車60の回転により送りシャフト42を回転させることができる。一実施形態では、送りシャフト42は、雁木車60に直接、軸方向に揃えて接続され、雁木車の回転軸A1は、送りシャフト42の長手方向軸に揃うようにできる。他の実施形態では、雁木車60は、図4または図8に示されている駆動歯車46、係合歯車47、またはリンク歯車48のうちの1つと、軸方向について位置合わせして結合され、これにより、雁木車60の回転運動を送りシャフト42に伝えることができる。さらに他の実施形態では、雁木車60の回転運動を送りシャフト42に伝えるために、他の好適な歯車およびリンク構成を使用することができる。
【0099】
上述のような雁木車配設とベンダーまたは線形アクチュエータとの併用には、ベンダーまたは線形アクチュエータが電力信号に対する繰り返し可能な、制御された、階段状の応答を発生しうるという点で、電動モータとリンクとの構成に勝るいくつかの利点をもたらすことができる。薬物を患者利用者に送達するために送達デバイスを駆動するという状況において、駆動応答を正確に制御することができれば、例えば、正確な量の投与、正確なレベルのわずかな量の投与、および薬物の送達量の正確な記録を行ううえで著しく有益であると思われる。それに加えて、雁木車構成を持つベンダーまたは線形アクチュエータは、比較的小さく、平たくすることができ、したがって、比較的小さく平たい形状の送達デバイス12を形成しやすくなる。それに加えて、雁木車構成を持つベンダーまたは線形アクチュエータは、比較的低い電力要件で動作することができ、そのため、電源の運用寿命が延び、また使用する電源を小型化することができ、延いては送達デバイスのサイズをさらに縮小することができる。
【0100】
他の種類の駆動デバイスは、図16dに示されているように、雁木車60に結合することができ、これにより、制御された、階段状応答を発生することができる。例えば、図16dに示されている実施形態では、第2の車99は1つの歯を持ち、上述のように送りシャフト42に結合されているが、歯付きの雁木車60は、例えば、本明細書で説明されているような好適なリンク構造を通じて、送りシャフト42に動作的に結合されている。第2の車99は、限定はしないが、DCモータ、扁平またはパンケーキDCモータ、サーボモータ、ステッパーモータ、電子整流モータ、回転式圧電作動モータなどを含む、好適な回転式駆動力発生源により駆動することができる。図16dの第2の車99は、第2の車99が1回転する毎に単一の歯の回転距離だけ雁木車60を回転させる単一の歯を備えるが、他の実施形態では、2つの歯(または他の所定の数の歯)を有する第2の車99を使用して、第2の車99が1回転する毎に歯数2つ分(または所定の歯数分)の回転距離だけ雁木車60を回転させることができる。
【0101】
上述の実施形態は、駆動力を送りシャフト42に伝達するさまざまな手段を伴い、これにより、送りシャフト42を回転させ、貯蔵容器26内のピストンプランジャ32を駆動する。他の実施形態では、貯蔵容器内のプランジャを駆動する他の機構を使用して、貯蔵容器から注入媒体を選択的に送達することができる。
【0102】
例えば、図17〜21は、使い捨て部分120および耐久部分122を備える、送達デバイスの他の実施形態を示している。使い捨て部分は、貯蔵容器126が配置されている貯蔵容器保持部分124を有する。使い捨て部分120、耐久部分122、貯蔵容器保持部分124、および貯蔵容器126は、図2〜6に関して上で説明されている使い捨て部分20、耐久部分22、貯蔵容器保持部分24、および貯蔵容器26に類似しているものとしてよい。しかし、図17〜21の貯蔵容器126は、貯蔵容器内部128内に配置されている回転可能なプランジャシャフト127を、ピストンヘッド34が貯蔵容器の使用期間全体にわたって移動する距離と少なくとも同じくらいの距離だけ、長さ方向に内部28の媒体含有部分を超える距離にわたって伸びるピストンプランジャシャフト40を使用する図2〜8に示されている構成の代わりに、使用する。したがって、図17〜21の貯蔵容器および内部シャフトの全長は、所定の貯蔵容器容積に対する図2〜8の貯蔵容器および外部シャフトの全長と比べて短くてもよい。
【0103】
図17および18の貯蔵容器126は、図5に関して上で説明されている隔壁30と似た隔壁130を備えることができる。隔壁130は、例えば、隔壁の露出面に注射器を刺し通すことにより、貯蔵容器126を充填するか、または貯蔵容器26から注入媒体を取り出すために貯蔵器保持部分124の壁を通して露出される表面131を備えることができる。
【0104】
注射部位132は、貯蔵容器126に隣接する、使い捨て部分120内に配置され、貯蔵容器126の内部に流体の流れが連絡するように接続されうる。注射部位132では、使い捨て部分120が患者利用者に固定された後に中空針またはカニューレを患者利用者体内に挿入し、貯蔵容器126の内部と流体流で連絡するように針またはカニューレを結合する機構を使用することができる。中空針またはカニューレを患者利用者に挿入し、貯蔵容器と流体の流れが連絡するように針およびカニューレを結合するために使用できる機構の実施例は、2005年8月23日に出願した米国特許出願第11/211,095号明細書および2006年8月23日に出願した「INFUSION MEDIUM DELIVERY SYSTEM, DEVICE AND METHOD WITH NEEDLE INSERTER AND NEEDLE INSERT DEVICE AND METHOD」という表題の米国特許出願第60/839,840号明細書(代理委任整理番号047711−0384)で説明されている。針および/またはカニューレを挿入するために、他の針/カニューレ挿入具を使用する(または使用できるように変形する)ことができ、例えば、本願に引用して援用する、2003年3月14日に出願した「Auto Insertion Device For Silhouette Or Similar Products」という表題の米国特許出願第10/389,132号明細書、および/または2002年12月9日に出願した「Insertion Device For Insertion Set and Method of Using the Same」という表題の米国特許出願第10/314,653号明細書を参照のこと。
【0105】
回転可能なシャフト127は、貯蔵容器126の内部内の長さ方向にそってねじ込まれる。可動プランジャヘッド134は、貯蔵容器126の内部内に配置され、ネジを切られており、回転可能なシャフト127と係合される。特に、プランジャヘッド134は、回転可能なシャフト127のネジ山と係合、嵌合するピッチおよび直径のネジ山を有するネジ切り溝路を有する。プランジャヘッド134を回転させずにシャフト127を回転させることにより、プランジャヘッドは、貯蔵容器126の内部内で、シャフト127の長さ方向にそって移動される。この方法で、シャフト127が回転され、これによりプランジャヘッド134を駆動し、貯蔵容器と流体の流れが連絡して接続されている中空針またはカニューレを通して、注入媒体を貯蔵容器126から患者利用者に送り込むことができる。プランジャヘッド134内のネジ切り溝路は、プランジャヘッド134の直径の中心に配置されうるが、他の実施形態では、プランジャヘッド134を中心外れの溝路(貯蔵容器の長手方向軸Aに関して横方向に間隔をあけて並ぶ溝路)とともに使用することができる。プランジャヘッド134内の溝路の中心外れの位置により、プランジャヘッド134への直線運動の伝達(送りシャフト127の回転運動による)が可能であるが、送りシャフト127に関するプランジャヘッド134の回転が阻止される。
【0106】
1つ以上のシール136をプランジャヘッド134の外周面の周りに装備し、貯蔵容器の媒体保持内側部分128からプランジャヘッド134の外側129へ、プランジャヘッド134上を注入媒体が通過するのを阻止することができる。(複数の)シール136を保持するために、1つ以上の環状溝をプランジャヘッド134の外周面内に備えることができる。(複数の)シール136は、1つ以上のOリングシールまたは他の好適な封止構造を備えることができ、また限定はしないが、ゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン、または他のプラスチック材料、金属、複合材料などを含む、好適な封止材料で作ることができる。(複数の)シール136は、プランジャヘッド134と貯蔵容器126の内面との間に十分な摩擦力をもたらし、これにより、シャフト127の回転とともにプランジャヘッド134が回転するのを阻止することができる。しかし、他の実施形態では、限定はしないが、図19の断面図(図18の19−19線断面)に示されているように、貯蔵容器126の内壁の長さにそった対応する1つ以上の成形溝内に嵌るプランジャヘッド134上の1つ以上の突起部または成形部分138を含む、シャフト127の回転とともにプランジャヘッドが回転するのを阻止するための追加の構造を備えることができる。(複数の)成形された突起部138は、一般に、湾曲した形状を有し、緩い曲率を持ち(急激な階段状に比べて)、1つ以上のシール136をプランジャヘッドの周りに配置することができる。代替実施形態では、貯蔵容器126の内壁は、貯蔵容器の長さにそって伸びる突起部を備え、図19に示されている突起と溝の構成配設と似ているが、それとは逆になっている、プランジャヘッド134内の対応する溝と係合するようにできる。さらに他の代替実施形態では、プランジャヘッド134および貯蔵容器126の断面形状(図19に示されている断面方向の)を非円形にし、これにより、シャフト127の回転とともにプランジャヘッド134が回転するのを阻止することができる。このような非円形断面形状は、限定はしないが、卵形または部分的に卵形の形状、多角形または部分的に多角形の形状などを含むことができる。
【0107】
プランジャヘッド134は複数のシール140を含み、プランジャヘッド134と送りシャフト127との間に液密シールを形成し、プランジャヘッド134が貯蔵容器126の隔壁端に向かって移動するときに注入媒体がプランジャヘッド134の中心溝路を通り貯蔵容器の注入媒体保持内側部分128からプランジャヘッド134の外側129に入るのを阻止することができる。(複数の)シール140は、プランジャヘッド134の片側(注入媒体接触側など)に配置され、限定はしないが、ゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン、または他のプラスチック材料、金属、複合材料などを含む、好適な封止材料で作られた管状構造を備えることができる。それとは別に、またはそれに加えて、(複数の)シール140を、プランジャヘッド134と送りシャフト127の間の、プランジャヘッド134の中心溝路内に配置することができる。図20の実施形態では、送りシャフト127は、少なくとも当初は、ネジ切りされておらず、プランジャヘッド134は、1つ以上の切刃145を備え、送りシャフト127内にネジ山を切り、送りシャフトが回転すると、切られたネジ山に乗って進む。図20の実施形態では、送りシャフト127は、滑らかな表面を持たせることができ、また送りシャフト127が駆動リンク154により回転されたときに(複数の)ネジ山形成刃145が送りシャフト127内にネジ山を切ることができる好適な材料で作ることができる。送りシャフト127が回転すると、ネジ形成刃は送りシャフト127内にネジ山を切り、プランジャ134は貯蔵容器126の注入媒体保持内側部分128に向かって移動する。
【0108】
それとは別に、またはそれに加えて、図21に示されているように、送りシャフト127を、封止材料の1つ以上の層143でコーティングするか、または包むことができる。封止材料層143は、限定はしないが、ゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン、または他のプラスチック材料、またはプランジャヘッド134のネジ山が送りシャフト127のコーティングされた、または包まれたネジ山と動作的に係合することを可能にする好適な弾性および柔軟性を有する他の材料を含むことができる。さらに他の実施形態では、プランジャヘッドの中心溝路の内面に対し、シャフト127上のシールまたは封止材料に加えて、またはその代わりにシール140または封止材料143を施すことができる。
【0109】
シャフト127は、駆動リンク154の嵌合接続端152に接続するための、接続端150を有する。駆動リンク154は、モータ144の駆動シャフトとの直接的接続であってよく、これにより駆動リンク154の接続端152が、モータ144の駆動シャフトの回転駆動運動により回転することができる。他の実施形態では、駆動リンク154は、モータ144から駆動力を駆動リンクの接続端152の回転運動に変換するための1つ以上の歯車、ベルト、チェーン、駆動シャフト、または他のリンク構造(図に示されていない)を備えることができる。モータ144は、限定はしないが、図4のモータ44および図16a〜16dの雁木車構成に関して上で説明されている例示的な駆動デバイスを含む、駆動リンクの接続端152を(直接的に、あるいは1つ以上の歯車、ベルト、チェーン、駆動シャフト、または他のリンク構造を通じて)回転可能なように駆動するための好適な駆動デバイスとしてよい。
【0110】
モータ144およびモータ144を駆動リンク154に結合するための歯車、ベルト、チェーン、駆動シャフト、または他のリンク構造は、耐久部分122のハウジング構造の内部に入れることができる。モータ144の駆動リンクまたは駆動シャフトは、耐久部分122のハウジング構造の壁160の開口を貫通しうる。シール162は、壁160内の開口内、またはその開口に隣接して設けられ、これにより、水分、空気、生体物質または注入媒体の1つ以上が耐久部分122のハウジング構造の内部内に入るのを阻止することができる。シール162は、限定はしないが、壁160内の開口の周り、または壁160の開口を貫通する駆動リンクまたは駆動シャフトの部分の周りに配置された1つ以上のOリングシールを含むことができる。シール162は、限定はしないが、ゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン、または他のプラスチック材料、金属、複合材料などを含む、好適な封止材料で作ることができる。
【0111】
駆動リンク154の接続端152および送りシャフト127の接続端150は、耐久部分122が使い捨て部分120に結合されたときに互いに接続し、耐久部分122が使い捨て部分120から分離されたときに互いに接続を外すように構成される。例えば、送りシャフト27ならびに駆動リンク154の接続端150および152は、それぞれ、接続端150および152が接合されたときに容易に係合し、接続端150および152が離れたときに外れるように構成された嵌合特徴部を備えることができる。それに加えて、この嵌合特徴部により、接続端150および152が係合されたときに、駆動リンク154から送りシャフト127に回転運動を伝えることができる。
【0112】
図22に示されているような例示的な一実施形態では、嵌合特徴部は、送りシャフト127の接続端150上に形成されたスロット164および駆動リンク154の接続端152から伸びるタブ166を備えることができ、タブ166は、スロット164に嵌り、送りシャフト127を駆動リンク154と回転しつつ連絡するように接続する形状を有する。それとは別に、スロット164が、駆動リンク154の接続端152上に形成され、タブ166が、送りシャフト127の接続端150から伸びていてもよい。図20のタブ166およびスロット164の形状は、略矩形の断面寸法を有する(送りシャフト127の縦方向寸法に垂直な断面内で)。他の実施形態では、他の非円形断面形状(送りシャフト127の縦方向寸法に垂直な断面内で)を持つタブとスロットとの構成を使用して、駆動リンク154から送りシャフト127に回転運動を伝えることができる。他の代替実施形態では、嵌合特徴部は、駆動リンクから送りシャフト127に回転運動を伝えるように容易に係合させることができ、また送達デバイスの使い捨て部分120から耐久部分122を取り外せるように容易に分離可能な他の形状であってよい。このような他の形状は、接続端150および152上で、限定はしないが、嵌り合う星形構造、十字形構造、嵌り合う非円形形状(例えば、卵形、部分的卵形、多角形、または部分的多角形)、凹凸の嵌り合うパターンなどを含む。
【0113】
上述の送達デバイスの実施形態では、プランジャヘッド34または134は、貯蔵容器26または126内で駆動され、貯蔵容器から注入媒体を送り出す。送達デバイスの貯蔵容器内のプランジャヘッドを駆動するための機構の他の実施形態は、図23〜27を参照しつつ説明されている。
【0114】
図23の実施形態では、貯蔵容器226は、可動プランジャヘッド234を使用する。貯蔵容器226およびプランジャヘッド234は、プランジャヘッド234がネジ山付き中心溝路を含む必要がないことを除き、図18に関して上で説明されている貯蔵容器126およびプランジャヘッド134と類似のものとすることができる。プランジャヘッド234は、図18に関して上で説明されているプランジャヘッド134上のシール136に似たシール236を備える。プランジャヘッド234および貯蔵容器226は、例えば、限定はしないが、図19に関して上で説明されている構造を含む、プランジャヘッド134の回転を阻止する例示的な構造に関して上で説明されているように、貯蔵容器226内のプランジャヘッドの回転を阻止する他の構造を備えることができる。貯蔵容器226は、上述の隔壁30および130に類似の隔壁230を備えることができる。隔壁230は、隔壁30および130に関して上で説明されているように、貯蔵容器226を再充填し、および/または患者利用者への流体流路を形成する中空針またはカニューレを受け入れるために使用されうる。
【0115】
スライドチューブ240は、プランジャヘッド234と係合するように構成されている。スライドチューブ240は、限定はしないが、金属、プラスチック、セラミック、複合材料などの適度に剛性のある材料で作られたほぼ中空の、円筒状チューブを含む。円筒状スライドチューブ240の一端は、プランジャヘッド234上の対応する嵌合特徴部244と嵌合する嵌合特徴部242を備える。図23の実施形態では、嵌合特徴部242は、スライドチューブの円筒形状の軸方向にスライドチューブ240の端部から伸びる突起を備えるが、嵌合特徴部244は、プランジャヘッド234の外を向いている側に凹部を備える。凹部244は、スライドチューブ240の端部が、プランジャヘッド234の外を向いている側と係合したときに、突起部242を受け入れるように適合された形状を有する。凹部244および突起部242は、スライドチューブ240とプランジャヘッド234との間の相関的回転を阻止する非円形断面寸法(軸A5に垂直な断面内の)を有する、対応する嵌合形状を有していてもよい。他の実施形態(図24に示されているような)では、プランジャヘッド234は、中空内部を有するスリーブ240に接続(または一体化)されうる。図24のスリーブ240は、回転駆動ネジ248を受け入れる際に通る縦方向寸法にそったスロット状開口部を備えることができる。スリーブ240内のスロット状開口部は、回転駆動ネジ248の寸法よりも小さく、スリーブ240は、スリーブ240内のスロット状開口部を通して、スリーブ240の中空内部に駆動ネジ248をスナップ式に嵌め込める適度に弾力性のある柔軟な材料で作ることができる。
【0116】
スライドチューブ240(図23および24の実施形態のいずれか)は、ほぼ中空の内部、およびその長さの少なくとも一部にそってネジ切りされている内面246を有する。回転駆動ネジ248は、スライドチューブ240と同軸上に伸びるシャフトを備える。駆動ネジ248シャフトは、スライドチューブ240の一端(プランジャヘッドに接続された端部と反対側の)を貫通する。駆動ネジ248シャフトの一端が、スライドチューブ240の内部に入り、駆動ネジ248シャフトの対向端が、スライドチューブ240の外側に伸びる。駆動ネジ248は、その長さにそってネジ切りされるか(図24に示されているように)、または駆動ネジシャフトに結合されたネジ山付きヘッド249を備えることができる(図23に示されているように)。駆動ネジ248の長さ方向にそったネジ山またはネジ山付きヘッド249は、スライドチューブ240のネジ山付き内面246上のネジ山と係合し、嵌合するピッチおよび直径のネジ山を有する。その構成では、駆動ネジ248が回転すると、スライドチューブ240がスライドチューブ240の軸A5の方向にそって直線運動をする。回転駆動デバイスにより駆動ネジを適切な方向に回転させることにより、スライドチューブがプランジャヘッド234を貯蔵容器226の隔壁端へ押し、その力で、注入媒体を中空針またはカニューレに通し、患者利用者に送り込む。
【0117】
スライドチューブ240の外部にある駆動ネジ248シャフトの端部は、好適な駆動リンクを通じて、駆動デバイスに結合され、制御しつつ駆動ネジ248を回転させる。図23に示されている実施形態では、駆動デバイスは、適当な電気駆動信号を印加した後、直線方向に膨張する圧電アクチュエータデバイスなどの線形アクチュエータ250を備える。アクチュエータ250は、回転車252と摩擦係合し、アクチュエータ250の線膨張毎に矢印256の方向にわずかな量だけ回転車252を回転するように配設される。アクチュエータ250は、貯蔵容器226から注入媒体を分注する場合には矢印256の方向に、またプランジャヘッド234を引っ込め、貯蔵容器226を交換でできるようにする場合には矢印256の方向と反対の方向に、回転車252を駆動するように選択的に制御することができる。ばね254または他の好適な構造を備え、その力により、アクチュエータの膨張時にアクチュエータ250を回転車252に押し付けることができる。回転車252の回転運動は、好適な伝達歯車258を通じて、駆動ネジ248の回転運動に伝達される。図21に示されている構成によれば、線形アクチュエータ250は、駆動ネジ248を回転する、車252を回転させるために選択的に通電され、これにより、スライドチューブ240が、軸方向に移動し、制御しつつ階段的にプランジャヘッド234を貯蔵容器226の隔壁端へ押す。
【0118】
図23は、駆動ネジ248を回転可能なように駆動するための線形アクチュエータを備える直線駆動デバイスを示しているが、他の実施形態では、駆動ネジ48を駆動するために動作的に結合されている他の駆動デバイスを使用することができる。例えば、図24は、駆動デバイスが、好適なインターフェース歯車構成262を通じて、駆動ネジ248の外部端部に動作的に結合されているDCパンケーキモータ260を備える一実施形態を示している。他の実施形態では、駆動ネジ248は、限定はしないが、図4のモータおよび図16a〜16dの雁木車構成に関して上で説明されている例示的な駆動デバイスを含む、制御しつつ駆動ネジ248を回転可能なように駆動するのに適している駆動デバイスに動作的に結合されうる。
【0119】
図23に示されているように、スライドチューブ240は、送達デバイスの耐久部分のハウジング構造などのハウジング構造266の一部分内で支持されうる。スライドチューブ240は、プランジャヘッド234と係合するようにハウジング構造266内の開口部を貫通する。1つ以上のシール268が、ハウジング構造266および/またはスライドチューブ240内の開口部の周りに配置され、これにより、駆動デバイスを、例えば、水分、空気、生物物質、または注入媒体から保護することができる。(複数の)シール268は、Oリングシール、または限定はしないが、(複数の)シール45に関して上で説明されている封止材料を含む好適な封止材料でできている他の好適なシールとすることができる。それに加えて、回転防止構造を備え、ハウジング構造266に対して、軸A5を中心とするスライドチューブ240の回転を阻止することができる。一実施形態では、回転防止構造は、ハウジング構造266に固定されている停止面243と係合する、スライドチューブ240から伸びている突起部241を備えることができる。他の実施形態では、(複数の)シール268は、スライドチューブおよび/またはハウジング構造266と十分な摩擦係合をもたらし、ハウジング構造266に対して、軸A5を中心とするスライドチューブ240の回転を阻止することができる。
【0120】
貯蔵容器226は、使い捨てハウジング部分内に配置されるが、スライドチューブ240、駆動ネジ248、および駆動デバイス250もしくは260は、図1〜22の実施形態に関して上で説明されているように、使い捨てハウジング部分に選択的に結合されるか、または分離できる耐久ハウジング部分内に配置することができる。他の実施形態では、図25に示されているように、送達デバイスは、複数の貯蔵容器326(図25では2つ)を収納する貯蔵容器保持部分324を有する使い捨てハウジング部分320を備える。ピストンプランジャヘッド334は、それぞれの貯蔵容器326内に配置され、図23または24のいずれかに示されているのと類似のスライドチューブ構成または他の好適なピストン移動構造により操作できる。図25の送達デバイスは、(複数の)駆動デバイスを貯蔵容器326に結合するための1つ以上の駆動デバイス344およびリンク362(例えば、かさ歯車、ピニオンギア、または他の好適な歯車構成を含むことができる)を収納する耐久ハウジング部分322を備える。例えば、図23および24に関して説明されているような駆動デバイス、スライドチューブ、および駆動ネジ構成は、耐久ハウジング部分322内に収めることができる。
【0121】
図26の実施形態では、図23に関して上で説明されている貯蔵容器226、プランジャヘッド234、シール236、およびシール268と類似の貯蔵容器326、プランジャヘッド334、シール336、およびシール368を使用する。図26の実施形態は、さらに、スライドチューブ340がネジ山付き内面を備えなくてもよい点を除き、図23のスライドチューブ240と類似のスライドチューブ340も備える。その代わりに、図26のスライドチューブ340は、駆動シャフト348上に圧縮されている1つ以上の(図26では2つの)圧電スタック346を備えるリニアモータの形態で駆動デバイス344に動作的に結合されている。駆動シャフト348は、上述の耐久部分266に似た、送達デバイスの耐久部分366に固定することができる。
【0122】
リニアモータ駆動デバイス344は、電気制御信号を圧電スタックに選択的に印加することにより選択的に通電され、これにより、スライドチューブ340を貯蔵容器326の隔壁端に向けて移動し、その力により、図23の貯蔵容器226に関して上で説明されているように、貯蔵容器から注入媒体を選択的に排出することができる。しかし、図26のリニアモータ駆動デバイス344は、かなり小さいものであってよく、図23のスライドチューブ240を駆動する回転運動を発生するのに上述の駆動デバイスおよびリンクのいくつかに比べて少ない消費電力にすることができる。
【0123】
図27に示されている送達デバイスの他の実施形態は、貯蔵容器426および貯蔵容器426の内部内のプランジャヘッド434を含む。貯蔵容器426およびプランジャヘッド434は、プランジャヘッド434がスライドチューブを係合するための嵌合特徴部を有する必要がないことを除き、図26の貯蔵容器326およびプランジャヘッド334と類似のものとしてよい。その代わりに、プランジャヘッド434は、膨張可能なベローズ436に接し、ベローズ436の膨張とともに貯蔵容器426の長手方向軸A6の方向にそって移動するように構成される。
【0124】
ベローズ436は、膨張可能であり、作動油を入れることができる内部容積を備える好適な膨張可能構造である。図27の送達デバイスは、作動油を入れるための第2の貯蔵容器438、作動油貯蔵容器438に接続されている導管またはチューブ440、およびベローズ436を備え、作動油貯蔵容器438とベローズ436の内部容積との間に流体の流れによる連絡路を形成する。ポンプ機構444が備えられており、このポンプにより、作動油をベローズ436内に選択的に送る。
【0125】
図27に示されている実施形態では、ポンプ機構444は、軸Rを中心として回転するように取り付けられているローター446を備える蠕動ポンプデバイスである。ローター446は、導管440の一部分と係合し、導管440の長さに沿って転がるか、またはスライドするように配設された複数のローラーまたはパッドを有する。導管440は、少なくともローター446のローラーまたはパッドにより係合される長さにそって、弾性的に柔軟なものとしてよい。ローター446が係合する導管440の長さは、表面448の弧がローター446の直径に対応する、アーチ形表面448にそって配設されうる。アーチ形表面448は、耐久ハウジング部分422内に形成された壁または他の構造の表面としてよい。
【0126】
ローターのローラーまたはパッドは、アーチ形表面448上の導管440上を転がることにより、アーチ形表面448の長さにそってローラーまたはパッドが移動している間に導管440と係合し、圧迫することができる。柔軟な導管440のアーチ形の長さにそってローターのローラーまたはパッドが転がるか、またはスライドする運動が、ローター444の制御可能な回転運動により制御しつつ、作動油貯蔵容器438からベローズ436の内部へ作動油を送るのに十分な差圧を発生する。限定はしないが、本明細書で説明されているものなどの好適な回転駆動デバイスまたは回転駆動構成が、ローター444を制御しつつ駆動するのに使用されうる。
【0127】
作動油が、ポンプ機構442によりベローズ436内に送り込まれると、作動油は、ベローズ内にポンプで送り込まれる作動油の量に依存する量だけベローズを膨張させるのに十分な液圧をベローズ内に発生する。ベローズ436が膨張すると、プランジャヘッド434に接するベローズの端部が、貯蔵容器426の隔壁端部に向かって移動し、プランジャヘッド434を貯蔵容器426の隔壁端部へ押す。プランジャヘッド434が、貯蔵容器426の隔壁端部に向かって移動すると、プランジャヘッドは、その力で好適な中空針またはカニューレを通して貯蔵容器426内の注入媒体を患者利用者に送り込む。
【0128】
図27の実施形態では、蠕動ポンプデバイス444を使用して、作動油を作動油貯蔵容器438から制御しつつベローズ436に送るが、他の実施形態では、限定はしないが、従来のピストンポンプ、インペラーポンプ、膜ポンプなどを含む、そのような機能を実行するための他の好適なポンプデバイスを使用することができる。
【0129】
図27に示されている実施形態では、貯蔵容器426は、送達デバイスの使い捨て部分420内に配置されうるが、作動油貯蔵容器438、作動油ポンプデバイス444、ポンプ駆動モータ(図に示されていない)、およびベローズ436は、送達デバイスの耐久部分422内に配置されうる。使い捨て部分420および耐久部分422は、図2および3の使い捨て部分20および耐久部分22に関して上で説明されているように、運転の場合には結合され、整備保守の場合には分離されるように構成されうる。使い捨て部分420は、図2および3の使い捨て部分20に関して上で説明されているように、使い捨て部分420が患者利用者の皮膚に固定されたときに、中空針またはカニューレを患者利用者の皮膚に挿入し、中空針またはカニューレを貯蔵容器426の内部と流体の流れが連絡するように接続するための針挿入機構を備えることができる。中空針またはカニューレを患者利用者に挿入し、貯蔵容器と流体流で連絡するように針およびカニューレを結合するために使用できる機構の実施例は、2005年8月23日に出願した米国特許出願第11/211,095号明細書および2006年8月23日に出願した「INFUSION MEDIUM DELIVERY SYSTEM, DEVICE AND METHOD WITH NEEDLE INSERTER AND NEEDLE INSERT DEVICE AND METHOD」という表題の米国特許出願第60/839,840号明細書(047711−0384)で説明されている。針および/またはカニューレを挿入するために、他の針/カニューレ挿入具を使用する(または使用できるように変形する)ことができ、例えば、本願に引用して援用する、2003年3月14日に出願した「Auto Insertion Device For Silhouette Or Similar Products」という表題の米国特許出願第10/389,132号明細書、および/または2002年12月9日に出願した「Insertion Device For Insertion Set and Method of Using the Same」という表題の米国特許出願第10/314,653号明細書を参照のこと。
【0130】
上述の実施形態では、使い捨てハウジング部分(例えば、図3の20)は、例えば、限定はしないが、ベース部分21の底面に備えられた接着材料により、患者利用者の皮膚に固定されうるベース部分21を備える。その構成は、一般に、図26の側面図に表されており、そこでは、接着材料101が、使い捨てハウジング部分20のベース21の底面(皮膚に面する表面)に施されている。図2、3および28に示されているように、耐久ハウジング部分22は、使い捨てハウジング部分20のベース21上に配設され、使い捨てハウジング部分22と係合し、接続するように構成されうる。このような構成では、ベース21は、動作中、耐久ハウジング部分22と患者利用者の皮膚との間に配置されており、動作中、使い捨てハウジング部分のベース21のみが患者利用者の皮膚に接触したままとなる。
【0131】
しかし、他の実施形態では、耐久ハウジング部分22および使い捨てハウジング部分20は、例えば、図29に表されているように、並列配置で互いに係合するように構成されうる。図29の並列配置では、耐久ハウジング部分22および使い捨てハウジング部分20の一方または両方が、接着材料101(および図3に示されているような剥離可能なカバー層23)を有するベースを備えることができる。
【0132】
さらに他の実施形態では、図30に表されているように、耐久ハウジング部分22および使い捨てハウジング部分20の一方または両方が、分離ベース部材21’に取り付け可能、および取り外し可能であるものとしてよい。耐久ハウジング部分および使い捨てハウジング部分を接続して一緒にする上述のような好適な接続構造が、耐久ハウジング部分および使い捨てハウジング部分をベース部材21’に接続するために使用できる。分離ベース部材21’は、限定はしないが、プラスチック、金属、セラミック、複合材料などを含む、適度に剛性のある材料で作られた一般に平たい、板状の構造を含むことができる。ベース部材21’は、使い捨てハウジング部分20および耐久ハウジング部分22を取り付けることができる表面(図30の上側を向いている表面)を有する。ベース部材21’は、上述のように接着材料および剥離可能カバーフィルムを施すことができる第2の表面(図30の下側を向いている表面)を有し、これによりベース部材21’を患者利用者の皮膚に固定できる。
【0133】
ベース部材21’は、上述のように、針挿入器デバイス25を備えることができる。好適な針挿入器デバイスの実施例は、本願に引用して援用する、2005年8月23日に出願した米国特許出願第11/211,095号明細書および2006年8月23日に出願した「INFUSION MEDIUM DELIVERY SYSTEM, DEVICE AND METHOD WITH NEEDLE INSERTER AND NEEDLE INSERT DEVICE AND METHOD」という表題の米国特許出願第60/839,840号明細書(代理委任整理番号047711−0384)で説明されている。このような実施形態では、ベース部材21’は、患者利用者の皮膚に固定されうる。次いで、針挿入器26が作動し、中空針またはカニューレを患者利用者の皮膚に挿入することができる。次いで、中空針またはカニューレが挿入された後、耐久ハウジング部分22および使い捨てハウジング部分20がベース部材21’に取り付けられ、使い捨てハウジング部分20内の貯蔵容器を中空針またはカニューレと流体流で連絡するように接続することができる。一実施形態では、耐久ハウジング部分22および使い捨てハウジング部分20は、これらのハウジング部分をベース部材21’に取り付ける前に一緒に接続することができる(例えば、上述の方法で)。他の実施形態では、耐久および使い捨てハウジング部分の一方が、耐久および使い捨てハウジング部分が一緒に接続される前にベース部材21’に取り付けられる。このような他の実施形態では、使い捨てハウジング部分がベース部材21’に取り付けられた後に針挿入器デバイスが作動され、中空針またはカニューレを患者利用者の皮膚に挿入することができる(耐久および使い捨てハウジング部分が一緒に接続される前または後)。
【0134】
それとは別に、参照番号25は、使い捨てハウジング部分20がベース部材21’に取り付けられたときに、使い捨てハウジング部分20内に配置されている針挿入器デバイスと揃う(または他の開口部と揃う)ベース部材21’内の開口部を表すことができる。このような実施形態では、ベース部材21’は、患者利用者の皮膚に固定されうる。次いで、使い捨てハウジング部分20は、ベース部材21’に取り付けられる(耐久および使い捨てハウジング部分が一緒に接続される前または後)。使い捨てハウジング部分20がベース部材21’に取り付けられると、針挿入器デバイス25が作動し、中空針またはカニューレを患者利用者の皮膚に挿入することができる(耐久および使い捨てハウジング部分が一緒に接続される前または後)。針および/またはカニューレを挿入するために、他の針/カニューレ挿入具を使用する(または使用できるように変形する)ことができ、例えば、本願に引用して援用する、2003年3月14日に出願した「Auto Insertion Device For Silhouette Or Similar Products」という表題の米国特許出願第10/389,132号明細書、および/または2002年12月9日に出願した「Insertion Device For Insertion Set and Method of Using the Same」という表題の米国特許出願第10/314,653号明細書を参照のこと。
【0135】
さらに、上述の実施形態は、オペレータまたは開口部25を通して作動できるオンボードの針またはカニューレインジェクタデバイスを備えることができるが、他の実施形態では、使い捨てハウジング部分20の外部にあるが、図31に示されているように、好適な導管102を通じて、使い捨てハウジング部分20に接続されている、注射部位モジュール103を使用することができる。外部の注射部位モジュール103は、針またはカニューレインジェクタデバイス構造、および注射器デバイスが作動できるオペレータまたは開口部(上述のオペレータまたは開口部25に類似の)を備えることができる。それとは別に、またはそれに加えて、外部の注射部位モジュール103は、限定はしないが、本発明の譲受人に譲渡されている、本願に引用して援用する、2003年11月10日に出願した「Subcutaneous Infusion Set」という表題の米国特許出願第10/705,686号明細書(公開番号2005/0101910)、および/または2004年12月3日に出願した「Multi−Position Infusion Set Device And Process」という表題の米国特許出願第11/004,594号明細書(公開番号2006/0129090)で説明または参照されているような輸液セットを備えることができる。
【0136】
モジュール103を使い捨てハウジング部分20と接続する導管102は、限定はしないが、プラスチック、シリコーンなどで作られた柔軟なチューブなどの流体流路を有する好適な任意の管構造であってよい。管を患者利用者の皮膚に固定するために、管構造上に(または管構造と患者利用者の皮膚との間に)接着材料を施すことができる。注射部位モジュール103を使い捨てハウジング部分20の外部に配置することにより、使い捨てハウジング部分20と耐久ハウジング部分22を患者利用者の衣類、ベルト、サスペンダ、または他の衣服にクリップ留めするか、または衣服のポケットに入れておくか、またはハンドバッグなどに入れて携帯することができる。
【0137】
一実施形態では、上述のように、導管102は、使い捨てハウジング部分20内の貯蔵容器と流体の流れが連絡するように、使い捨てハウジング部分20の一端に固定され、また中空針またはカニューレと流体の流れが連絡する形で接続するように、外部の注射部位モジュール103の第2の端部に固定されうる。他の実施形態では、導管102の端部の一方または両方は、導管端部を使い捨てハウジング部分20および/または注射部位モジュール103と流体の流れが連絡するように選択的に接続し、使い捨てハウジング部分20および/または注射部位モジュール103から選択的に取り外すことができる好適な接続構造を備えることができる。このようなコネクタは、中空針および隔壁、ルアーコネクタ、または他の好適な流体連絡コネクタを備えることができる。このような実施形態では、使い捨てハウジング部分20および耐久ハウジング部分22は、例えば、モジュール103を適所に残したまま、モジュール103または使い捨てハウジング部分20から導管102の端部の一方を外すことにより、モジュール103との接続を外すことができる(患者利用者が針またはカニューレを引き出し、後から、針またはカニューレを挿入して操作を再開する必要はない)。この方法で、患者利用者は、使い捨てハウジング部分20および耐久ハウジング部分22の接続を容易に外し、取り出すことができ、これにより、例えば、患者利用者は、シャワーを浴びたり、入浴したり、泳いだり、他の活動を行ったりすることができ、さらには、患者利用者は、例えば、そのような活動の完了後に、使い捨てハウジング部分20をモジュール103に容易に元通り接続することができる。コネクタの実施例は、本願に引用して援用する、2003年12月22日に出願した「Reservoir Connector」という表題の米国特許出願第10/328,393号明細書、および1996年8月13日に発行された「Quick−Connect Coupling For A Medication Infusion System」という表題の米国特許第5,545,152号明細書で説明されている。他の代替形態では、ルアーロックなどの異なるコネクタを使用できる。
【0138】
さらに他の実施形態では、導管102を排除することができ、注射部位モジュール103は、図32に示されているように、使い捨てハウジング部分20と直接接続できる。そのような実施形態では、1つ以上の好適な流体流路は、使い捨てハウジング部分20を通り、注射部位モジュール103内に入り、上述のように、使い捨てハウジング部分20内の貯蔵容器と中空針またはカニューレとの間で流体の流れが連絡する。さらに、そのような実施形態では、注射部位モジュール103および使い捨てハウジング部分20は、注射部位モジュール103および使い捨てハウジング部分20を互いに選択的に接続し、接続を外すことができる嵌合接続構造を備えることができる。
【0139】
注射部位モジュール103を使い捨てハウジング部分に直接接続する、嵌合構成のさまざまな実施例が、図33〜40を参照しつつ説明される。図33〜35は、注射部位モジュール103が使い捨てハウジング部分20上の対応する数の受け入れ部に受け入れるように構成された少なくとも1つの(図33では2つの)突起係合爪174を備える、例示的な構成を示している(本願に引用して援用する、2006年8月23日に出願した「INFUSION PUMPS AND METHODS AND DELIVERY DEVICES AND METHODS WITH SAME」という表題の米国特許出願第60/839,741号明細書(代理人整理番号047711−0385)に記載の爪74および受け入れ部76に類似している)。他の実施形態では、(複数の)爪174は、使い捨てハウジング部分20上に配置されるが、対応する受け入れ部は、モジュール103上に配置されうる。さらに他の実施形態では、使い捨てハウジング部分20およびモジュール103のそれぞれが、1つ以上の爪および1つ以上の受け入れ部を備えることができる。
【0140】
爪174および受け入れ部は、使い捨てハウジング部分20およびモジュール103が接合されるとき、患者利用者が手動で爪を受け入れ部の中にスライドさせることができるように構成されうる。爪174が、対応する受け入れ部に受け入れられると、モジュール103は、使い捨てハウジング部分20に固定される。爪174は、爪174を受け入れ部内に完全に受け入れると、受け入れ部にスナップ式に嵌るように成形された部分またはヘッドを備えることができる。爪174は、患者利用者が、2つのパーツを引き離し爪174を受け入れ部から外せる十分な力を加えることにより、使い捨てハウジング部分20をモジュール103から分離することができる十分な柔軟性を持つように構成されうる。図33〜35の実施形態では、モジュール103は、上述の使い捨てハウジング部分20の延長ベース21の代わりに、動作中に患者利用者の皮膚に固定できるベース部分450に取り付けられるか、または備えることができる。ベース部分450は、使い捨てハウジング部分20のベース21に関して本明細書で説明されているように接着材料を含むことができる。
【0141】
図35に示されているように、図33〜35の実施形態は、使い捨てハウジング部分20、耐久ハウジング部分22、およびベース部分450上のモジュール103を含む、3つの一般的パーツで形成されうる。耐久ハウジング部分22および使い捨てハウジング部分20は一緒に固定され(図33に示されているように)、組み合わされて接続された使い捨ておよび耐久ハウジング部分は、モジュール103およびベース部分450に固定されうる。一実施形態では、ベース部分450は、組み合わされ、接続された使い捨ておよび耐久ハウジングが、モジュール103およびベース部分450に固定される前に、患者利用者の皮膚に固定できる。他の実施形態では、組み合わされ、接続された使い捨ておよび耐久ハウジングは、ベース部分450が患者利用者の皮膚に固定される前に、モジュール103およびベース部分450に固定される。
【0142】
接続構造の他の実施例は、図36および37に関して説明され、モジュール103は、使い捨てハウジング部分20内の対応する形状を有する開口部または受け入れ部内に受け入れるように構成された成形ヘッド452を備える。成形ヘッド452は、使い捨てハウジング部分20が、図36に示されているように、第1の位置合わせ位置でモジュール103に関して位置合わせされたときに受け入れ部内にヘッドを受け入れることができ、さらにヘッド452が図37に示されているように第2の位置合わせ位置で受け入れ部内に受け入れられるのに対して、モジュール103に対して使い捨てハウジング部分20を回転させることができる形状を持つように構成されうる。使い捨てハウジング部分20内の受け入れ部は、使い捨てハウジング部分20が第1の位置合わせ位置(図36)にあるときにヘッド452が受け入れ部に自由に受け入れられ、そして取り外されるように成形され、使い捨てハウジング部分が第2の位置合わせ位置(図37)にあるときには、それでもヘッド452と接し、ヘッド452が受け入れ部から分離するのを阻止する(したがって、使い捨てハウジング部分20がモジュール103から分離するのを阻止する)ことができる。
【0143】
接続構造の他の実施例は、図38〜40を参照しつつ説明されており、そこでは、デバイスは、3つのパーツ、耐久ハウジング部分22、使い捨てハウジング部分20、およびベース456を組み込む。ベース部分456上の成形された受け入れ部454は、使い捨てハウジング部分20内のそれに対応して成形されたコネクタ部材を受け入れるように構成されている。図38〜40のモジュール103は、使い捨てハウジング部分20と一体となるように形成されている。成形された受け入れ部454は、使い捨てハウジング部分20が、図38に示されているように、第1の位置合わせ位置でベース456および受け入れ部454に対して位置合わせされたときにモジュール103内のコネクタ部材を受け入れ部454と係合させることができ、さらに受け入れ部454が図39に示されているように第2の位置合わせ位置でコネクタ部材内で係合するのに対し、ベース456および受け入れ部454に対して使い捨てハウジング部分20を回転させることができる形状を持つように構成されうる。使い捨てハウジング部分20内の受け入れ部454およびコネクタ部材は、使い捨てハウジング部分20が第1の位置合わせ位置(図38)にあるときにコネクタ部材が受け入れ部454と自由に係合するように成形され、使い捨てハウジング部分が第2の位置合わせ位置(図39)にあるときには、それでも受け入れ部454でロックし、コネクタ部材が受け入れ部から分離するのを阻止する(したがって、使い捨てハウジング部分20がモジュール103から分離するのを阻止する)ことができる。受け入れ部454および接続部材は、係合した後2つの構造を一緒に接続し、それら2つの構造を一方向に相対的に回転させるための好適な知られている回転接続構造を備え、それでも、2つの構造を第2の反対方向に相対的に回転させることにより、2つの構造の係合を外し、2つの構造を係合構成から分離することができる。上述のように、固定タブ、爪などの運動抑制構造を備えることで、使い捨てハウジング部分20とベース456との間の相対的運動を、これらのパーツが接続されてしまった後に、抑制することができる。
【0144】
図40に示されているように、図38〜40の実施形態は、使い捨てハウジング部分20、耐久ハウジング部分22、およびベース部分456上のモジュール103を含む、3つの一般的パーツで形成されうる。耐久ハウジング部分22および使い捨てハウジング部分20は、一緒に固定され(図38に示されているように)、組み合わされ、接続された使い捨ておよび耐久ハウジング部分は、ベース部分456に固定されうる。一実施形態では、ベース部分456は、組み合わされ、接続された使い捨ておよび耐久ハウジングが、ベース部分456に固定される前に、患者利用者の皮膚に固定できる。他の実施形態では、組み合わされ、接続された使い捨ておよび耐久ハウジングは、ベース部分456が患者利用者の皮膚に固定される前に、ベース部分456に固定される。
【0145】
さらに他の実施形態では、注射部位モジュールが、使い捨てハウジング部分20と一体構造となるように形成されうる。さらに、上述の実施形態のどれかにおいて、1つ以上のセンサを使い捨てハウジング部分20、注射部位モジュール103、または耐久ハウジング部分22内に配置し、これにより、限定はしないが、血糖値レベル、患者利用者の血液中の注入媒体のレベル、および/または他の状態を含む、生物学的状態を感知することができる。このような(複数の)センサは、上述のような中空針またはカニューレおよび/または一組の極微針を備えることができ、これにより、患者利用者の皮膚を刺し通し、患者体内から流体をセンサに送ることができる。
【0146】
上述の複数の実施形態のさまざまな態様が、独立して、または組み合わせて使用することができる。本明細書で説明されているさまざまな実施形態および組み合わせから著しい利点を引き出すことができるが、ただし、現場の送達システムは、2つのパーツで構成することができ、使い捨て部分と非使い捨て部分を含む。使い捨て部分は、貯蔵容器本体、貯蔵容器ピストン、隔壁システム、注射針などの、注入媒体と直接接触しているすべての材料を収納することができる。非使い捨て部分は、実質的に、駆動システム、圧力または力感知システム、電池、電子回路、ディスプレイ、および非使い捨てハウジングを含む薬物と接触していない材料を収納することが可能である。ポンプは、使い捨て部分(未使用の新しい、利用者により充填された、事前充填された、改装された、作り直しされた、または再充填された貯蔵容器26を含む)が、非使い捨て部分に挿入されるように設計されうる。送達デバイスの使い捨て部分を交換する方法を簡素化し、また使い捨て部分の交換後に送達デバイスを再作動させる方法を簡素化することにより、多数の患者利用者が、そのような送達デバイスを利用し、またその恩恵を受けることができる。
【0147】
本発明の特定の実施形態が示され説明されているが、当業者にとっては、本発明が示され説明されている特定の実施形態に限定されないこと、および請求されている発明の精神および範囲から逸脱することなく変更および変形を加えることができることは明らかであろう。例えば、上述の実施形態は、1つの接着材料および1つのカバーフィルム23を含むことができるが(図2および3)、他の実施形態は、対応する複数のカバーフィルム層23と交互に重ねた複数の接着材料層を含み、これにより、患者利用者の皮膚への送達デバイスの固定、取り外し、再固定を1回以上行うことができる。
【0148】
このような実施形態では、接着材料とカバーフィルムの交互に重ねた層のスタックの終端に配置されている第1のカバーフィルム層を除去して、接着材料の第1の層を露出させることができる。接着材料の第1の層を露出させた状態で、送達デバイス(またはそのコンポーネント)は、上述のように、患者利用者の皮膚に接着することができる。適当な使用期間の後、例えば、整備保守、再充填、1つ以上のコンポーネントの交換などのために、送達デバイス(または接着剤を有するコンポーネント)を患者利用者の皮膚から取り外すことができる。送達デバイス(またはコンポーネント)を患者利用者の皮膚から取り外した後、送達デバイス(またはコンポーネント)上の第2のカバーフィルム層を取り除いて、接着材料の第2の層を露出させることができる。接着材料の第2の層を露出させた状態で、送達デバイス(またはコンポーネント)を同じ患者利用者に、または特定の状況において、さらに運用するために、異なる患者利用者に固定することができる。このプロセスは、接着材料とカバーフィルムの複数の交互層に含まれる接着材料とカバーフィルム層の対の数まで何回でも繰り返すことができる。
【0149】
それに加えて、上述の実施形態は、使い捨てハウジング部分20上に、または外部注射部位モジュール103内に配置される注射部位を含むが、他の実施形態では、耐久ハウジング部分および使い捨てハウジング部分が係合されているときに、耐久ハウジング部分22内に配置され、好適な流体流路を通じて、使い捨てハウジング部分20内の貯蔵容器に接続されている注射部位を使用することができる。さらに、いくつかの実施形態が、貯蔵容器から患者利用者に注入媒体を送達するための送達デバイスに関して上で説明されているが、他の実施形態では、患者利用者(または他のソース)から流体媒体を取り出し、その流体媒体を貯蔵容器に移すように動作することができる。このような他の実施形態は、駆動デバイスを動作させピストンプランジャを貯蔵容器の隔壁端から遠ざけるように選択的に移動し(貯蔵容器の流体保持容積を増やし)中空針またはカニューレが固定される患者利用者(または他のソース)から流体を引き込むのに十分な負圧を発生することにより動作させることができる。
【0150】
また、上で説明されているさまざまな実施形態は、いくつかの実施例において、第1のまたは使い捨てハウジング部分20から取り外すことが可能な、または挿入可能なキャニスターを備えることができる貯蔵容器26、126、226、326、426を使用することができる。このようにして、貯蔵容器カートリッジを取り外して、新しい、再充填された、事前充填された、利用者により充填された、改装された、または作り直しされたカートリッジと交換することができる。そのような実施形態では、貯蔵容器カートリッジは、限定はしないが、貯蔵容器の内容物の識別、貯蔵容器またはその内容物のマーカーの識別、貯蔵容器の充填または消耗の状態に関係する情報などの情報を格納するため電子記憶デバイス(電子メモリチップなど)を備えることができる。使い捨てハウジング部分に配置されている好適な電気的コンタクトパッドは、貯蔵容器上のコンタクトパッドと電気的に接続し、貯蔵容器キャニスター上の電子記憶デバイスを使い捨てハウジング部分または耐久ハウジング部分22内の好適な電子回路と電気的に接続し、電子記憶デバイス上に格納されている情報を読み取ることができる。このような情報(または格納されている情報に関連付けられている他の情報、警告など)は、貯蔵容器キャニスターが、使い捨てハウジング部分20内に挿入され、使い捨てハウジング部分20と耐久ハウジング部分22が係合されたときに、耐久ハウジング部分22上のディスプレイデバイスに表示されうる。
【0151】
それに加えて、上述の実施形態のうちのどれかにおいて、使い捨てハウジング部分20および耐久ハウジング部分22(および/または分離ベース部分21’または450または分離注射部位モジュール103)の一方または両方が、力センサ(図には示されていない)、または患者利用者の皮膚(または患者を扱うのに適した他の場所)上の使い捨てハウジング部分20および耐久ハウジング部分22(および/または分離ベース部分または分離注射部位モジュール)の1つ以上を適切に配置または係合したかどうかを感知するための他の好適な感知デバイス、を備えることができる。このような実施形態において、他の電子回路は、駆動デバイスの動作を制御し、使い捨てハウジング部分20および耐久ハウジング部分22(および/または分離ベース部分または分離注射部位モジュール)の1つ以上と患者利用者の皮膚(または動作に適した他の場所)との適切な動作的な係合をセンサが感知しない場合に、駆動デバイスおよび/または針インジェクタの動作を抑制することができる。
【0152】
それとは別に、またはそれに加えて、使い捨てハウジング部分20および耐久ハウジング部分22の一方または両方が、使い捨てハウジング部分20と耐久ハウジング部分22が(および/または分離ベース部分または分離注射部位モジュールと)適切に動作的に係合しているかどうかを感知するための感知デバイス(図に示されていない)を備えることができる。このような実施形態において、他の電子回路は、駆動デバイスの動作を制御し、使い捨てハウジング部分20と耐久ハウジング部分22が(および/または分離ベース部分または分離注射部位モジュールと)適切に動作的に係合していることをセンサが感知しない場合に、駆動デバイスおよび/または針インジェクタの動作を抑制することができる。
【0153】
上記の実施形態のどれかにおいて、貯蔵容器内の注入媒体の容量が減少したことを検出するセンサを貯蔵容器内に備える(または他の何らかの形で貯蔵容器に関連付ける)ことができる。例えば、センサは、貯蔵容器内の注入媒体の容量が閾値最低レベルに達した状態を検出するように構成されうる。低容量状態の検出後に警告信号を発するように、警告デバイスをセンサに動作的に接続することができる。警告デバイスは、貯蔵容器内の注入媒体の容量が閾値最低レベルに達したことを検出した後、可聴警告音、視覚的警告信号、および/または触覚警告信号(限定はしないが、知覚可能な振動など)を患者利用者に発することができる。一実施形態では、視覚的警告は、耐久ハウジング部分22上の電子ディスプレイ(上述のような)にメッセージとして示すことができる。それとは別に、またはそれに加えて、警告信号条件を、例えば、上述のような無線通信電子機器を通じて、リモートCCD16またはコンピュータ18(図2)に送信して表示することができる。
【0154】
それに加えて、上述のさまざまな実施形態は、それぞれ剥離可能カバー層を有する1つ以上の接着層を備えることができるが、他の実施形態では、複数の剥離可能カバー層部分のパターンを有する単一接着層(またはそれぞれ複数の剥離可能カバー層部分のパターンを有する複数の接着層)を使用することができ、これにより、患者利用者は、上述のように送達デバイスを患者利用者に接着するためにカバー層の一部分を剥離し、しかも剥離可能カバー層部分のパターンの残りを接着層上に残すようにすることができる。このような一実施形態では、送達デバイスの動作の第1の期間が完了し、患者利用者から送達デバイスを取り外した後、剥離可能カバー層の第2の部分を接着層から取り除き、送達デバイスを第2の動作期間に向けて患者利用者に接続することができる。
【0155】
また、上述のさまざまな送達デバイス実施形態は、患者利用者の皮膚(または他の好適な動作面)に固定されるように構成され、送達デバイス構造の全長および幅にそって伸びるベース部分(例えば、21、21’、および450)を備えるが、他の実施形態では、患者利用者(または他の表面)と接触する表面積を最小にし、動作中の患者利用者の使い心地を改善するために、送達デバイス構造の全長または幅寸法より小さくなるように構成されたベース部分(患者利用者の皮膚または他の表面に固定する)を使用することができる。付属の図面に示されているのと異なる形状およびサイズを有するベース部分が、患者利用者の使い心地に関する改善をさらに行い、患者利用者と接触する表面積を最小にするために使用されうる。さらに、上記のように、ベース部分は、患者利用者の身体の屈曲と移動の具合に少なくとも部分的に適合する柔軟な材料から形成できる。
【0156】
送達デバイスコンポーネントの1つ以上を患者利用者の皮膚(または動作に適した他の表面)に固定するために接着材料が使用される上述の実施形態のどれかにおいて、複数の種類の接着材料(または複数の接着剤強度)を使用し、接着力の強い接着剤をある特定の領域(針注射部位の周りなど)に施し、接着力の弱い接着剤を他の領域に施すようにすることができる。
【0157】
上述のように、注入媒体送達デバイスは、動作するように一緒に接続する複数の接続可能パーツを備えることができるが、整備保守、交換、点検などのため接続を外して分離することもできる。実施形態は、ベース部分(限定はしないが、上述のベース部分21’、450、または456などの)に選択的に接続可能であり、そこから分離可能である1つ以上のハウジング部分(例えば、本明細書では使い捨てハウジング部分20および耐久ハウジング部分22と呼ばれる)を備えることができる。他の実施形態では、ベース部分は、ハウジング部分(限定はしないが、図2、3、28、および29に示されている構成など)のうちの1つ以上に組み込むことができる。さらに他の実施形態では、上述のように接続可能なパーツには、ベース部分または耐久もしくは使い捨てハウジング部分に選択的に接続可能であり、そこから分離可能である注射部位モジュール(上述のモジュール103など)を備えることができる。
【0158】
注入デバイスの1つ以上のパーツを注入送達デバイスの他の1つ以上のパーツに選択的に接続可能および分離可能なものにすることについて上で説明されている接続構造のどれかに加えて、またはそれとは別に、上述の実施形態(または他の好適な実施形態)のどれかが、後述のような1つ以上の磁石を備えることができる。(複数の)磁石は、後述のように、接続可能パーツの位置合わせ、接続可能パーツの接続、および接続可能パーツの接続状態の感知のうちの1つ以上を行う機能を持つことができる。
【0159】
上述のような注入送達デバイスの2つの接続可能なパーツ500および502の概略的な表現は、図41に示されている。パーツ500および502は、上述のように、限定はしないが、耐久ハウジング部分22および使い捨てハウジング部分20などの2つのハウジング部分であってよい。それとは別に、パーツ500および502のうちの一方は、ベース部分(限定はしないが、上述のベース部分21’、450、および456など)とし、パーツ500および502のうちの他方は、上述のようなハウジング部分(限定はしないが、耐久ハウジング部分22および/または使い捨てハウジング部分20)とすることができる。
【0160】
本発明の一実施形態によれば、注入デバイスパーツの1つ(図41の500)は第1の磁石504を備える。第1の磁石504は、例えば、磁石504をパーツ500の壁またはパーツ500内の他の構造の好適な場所に取り付けることにより、パーツ500に関して固定されるように配設されうる。他の注入デバイスパーツ(図41の502)は、第2の磁石506を備える。第2の磁石506は、例えば、磁石506をパーツ502の壁またはパーツ502内の他の構造の好適な場所に取り付けることにより、パーツ502に関して固定されるように配設されうる。
【0161】
磁石504および506は、適切な永久磁石および/または電磁石であってよい。磁石506および506の一方または両方が、電磁石である実施形態では、適切な電子回路が電磁石に接続され、これにより、制御された電力信号を送り、電磁石を選択的に作動させる。例えば、電磁石は、接続可能なコンポーネントのうちの1つ(または好適な制御電子回路を通じて(複数の)電磁石と無線で交信するように接続されたリモートコントローラデバイス)にある制御ボタン、スイッチ(または他の手動操作部「)を手動操作した後作動するように制御されうる。さらに他の実施形態では、電磁石は、上述のように、針挿入器を作動させて針またはカニューレを挿入すると、作動するように制御されうる。
【0162】
第1の磁石504は、第1のパーツ500および第2のパーツ502が互いに対して接近したときに、第2の磁石506と磁気的に相互作用する位置に配設される。また、第1および第2の磁石504および506は、それらの極が互いに対向するように配設され、第2の磁石506と向かい合う第1の磁石504の極は、第1の磁石504と向かい合う第2の磁石506の極と反対である。例示されている実施形態では、第1の磁石504のS極が、第2の磁石506と向かい合うように配設され、第2の磁石506のN極は、第1の磁石504と向かい合うように配設される。他の実施形態では、これらの磁極面を逆にすることができる。
【0163】
第1のパーツ500および第2のパーツ502が、接続のため位置合わせされ、互いに近づけられたときに、第1および第2の磁石502および504の向かい合う極は、反対極性を有し、引力を及ぼし、第1のパーツ500と第2のパーツ502を引き付ける。いくつかの実施形態によれば、磁石は、パーツ500および502が互いに十分近づけられたときに、第1のパーツ500を第2のパーツ502に接続する動作をするのに十分な引力を発生する。第1および第2の磁石の複数の対を第1および第2のパーツ500および502にそれぞれ設けることができ、それらの対向する極は、第1および第2の磁石502および504に関して上で説明されているように、例えば、第1のパーツ500と第2のパーツ502との間のより強く、より安定した接続を形成する。
【0164】
例示されている実施形態では、磁石502’および504’の第2の対は、磁石502および504について上で説明されているのと似た方法で第1および第2のパーツ500および502により支持されるように示されている。他の実施形態では、磁石502と504の2つよりも多い対が、上述のように、パーツ500および502により支持されうる。他の実施形態では、磁石504または506(および/または504’または506’)のうちの1つは、限定はしないが、鉄または鉄合金などを含む鉄鋼材などの磁気的引力を有する材料で置き換えることができる。このような他の実施形態では、残りの磁石504または506は、磁気的引力を有する材料に引力を及ぼし、上述のような接続動作を引き起こす。
【0165】
したがって、注入デバイスの第1のパーツ500および第2のパーツ502を組み立てるプロセスの一部として、利用者がこれら2つのパーツを十分近くに引き寄せることで、磁石504および506ならびに磁石504’および506’(またはこれらの磁石および磁気的引力を有する材料のうちの1つ)が2つのパーツ500および502を引き寄せ、パーツ500および502を一緒に接続する十分な引力を発生するようにできる。磁石504および506(または磁石504、506および504’、506’の複数の対)は、注入デバイスを動作させるために固定可能なように2つのパーツ500および502を一緒に接続する十分な力を発生することができる。他の実施形態では、上述の追加の接続構造を備えることで、注入デバイスを動作させるために2つのパーツ500および502をさらに固定することができる。
【0166】
接続機能を備えることに加えて、またはそれとは別に、磁石504および506(またはこれらの磁石および磁気的引力を有する材料のうちの1つ)を使用することで、利用者が適切な接続となるように第1および第2のパーツ500および502の互いの位置を合わせやすくなる。例えば、磁石504、506、および/または504’、506’(またはそれらの磁石および磁気的引力を有する材料のうちの1つ)の1つ以上の対が、2つのパーツ500および502上の1つ以上の適切な位置に配設され、また2つのパーツが複数の寸法にそって互いに適切に位置合わせされている場合に、患者利用者(またはパーツを組み立てる他の人)が磁石504および506および/または磁石504’および506’(または磁石および引力を有する材料)を引き寄せる最大の引力を感じるような好適なサイズ、形状、位置をとるものとすることができる。
【0167】
第1および第2のパーツ500および502の一方または両方に追加の構造的な特徴を備え、機械的位置合わせ機能を持たせることができる。例示されている実施形態では、このような追加の構造的な特徴は、第2のパーツ500上の対応する嵌合傾斜面502aと係合するように配設されている第1のパーツ500上の第1の傾斜面500aを備える。パーツ500および502が接合されると、パーツ同士にわずかな不揃いがあっても結果として、傾斜面500aおよび502aは、表面が適切な位置合わせ位置に向かって互いにスライドする位置で互いに係合する。パーツ500および502の互いに向かい合う面に配設される複数の傾斜面が(嵌合する傾斜面500bおよび502bの第2の組により表されるように)形成され、複数の方向、複数の寸法で位置合わせを行うようにできる。例示されている実施形態は、嵌合する傾斜面を含むが、他の実施形態は、限定はしないが、パーツ500および502が接続のため接合されると接するパーツ500および502上の湾曲したまたは段付きの表面、ローラーなどを含む、位置合わせを補助するのに好適な他の構造的な特徴を備えることができる。図41および42に示されている位置合わせのための追加の構造的な特徴は、パーツ500および502上に備えられる嵌合する傾斜面を含むが、他の実施形態では、パーツ500および502が接続のため接合されたときに、一方または両方の磁石504および506上の嵌合する傾斜(または他の何らかの形状の)面を使用して係合し、位置合わせ機能を実現することができる。
【0168】
図41の実施形態では、限定しない例示的な実施例として、磁石504、506および504’、506’の2つの対が、図面のそれぞれの側に1つずつ示されている。磁石504、506および504’、506’の1つ以上の対(またはこれらの磁石および磁気的引力を有する材料の1つ)を使用する代わりに、または使用することに加えて、他の実施形態では、2つのパーツ500および502が接続のため接合されるときに、共通の極が互いに向かい合っている状態で、2つのパーツ500および502上に配設される磁石の1つ以上の対を使用することができる。図41の実施形態では、共通の極が互いに向かい合っている位置合わせの対を定める磁石の対は、パーツ500上の磁石504(および504’)とパーツ502上の磁石508(および508’)である。
【0169】
図41では、磁石504および508のS極は、2つのパーツ500および502が接続のため接合されると、互いに向かい合うように配設される。他の実施形態は、磁石504および508のN極は、2つのパーツ500および502が接続のため接合されると、互いに向かい合うように配設できる。また、他の実施形態では、本明細書で説明されているように磁石508との位置合わせの相互作用のために1つ以上の個別磁石(上述のような磁石506による引力に使用される磁石504以外)を含めることができる。磁石508および508’は、磁石504および506に関して上で説明されているような好適な磁石構造を備えることができる。
【0170】
共通の極が互いに向かい合っている磁石の位置合わせ対は、2つのパーツ500および502を互いに適切に揃うように接合できる十分な距離だけ互いから横方向にオフセットされる(すなわち、位置がずれる)ように配設され、その一方で、2つのパーツ500および502同士を接近させたが互いに関する位置合わせが不適切である場合に、パーツ500および502を引き離すのに十分な対抗力を発生する。磁石504および508の1つ以上の対は、患者利用者(またはパーツ500および502を組み立てる他の人)が接続のため2つのパーツ500および502を接合するときに、2つのパーツ500および502が近似的に位置合わせされる(粗位置合わせ)だけでよく、その後、磁石対504および508が、適切な位置合わせがなされるまで2つのパーツ500および502が合わさらないようにすることにより(また、いくつかの実施形態では、実際に力を加えて2つのパーツ500および502を適切な位置合わせ位置に向かわせることにより)位置合わせプロセスを補助するように、パーツ500および502上に適切にそれぞれ配設されうる。
【0171】
2つのパーツ500および502が、接続のため適切に位置合わせされるように接合されると、パーツ502上の磁石508は、パーツ500上の磁石504の位置から横方向にオフセットされた位置(ずれた位置)にある。横方向オフセットは、2つのパーツ500および502が接合されるように互いに関して移動される方向に対し略垂直な方向である。例示的な実施形態では、横方向オフセットは、図面の水平横方向にオフセット間隔として示され、そこでは、2つの磁石504および508のうちの1つ(図41では508)が、2つのパーツ500および502が接続のため適切に位置合わせされた場合に、他方のパーツ(図41ではパーツ500)上の他方の磁石(図41では504)よりも対応するパーツ(図41ではパーツ502)の中心位置の方に近くなるように配設されている。
【0172】
磁石の1つが対応するパーツ(図41では508’)の中心位置により近くなるように配設されている、互いからオフセットされている2つの磁石504および508の類似の構成は、2つのパーツ500および502が接続のため適切に位置合わせされたときに、他方のパーツ(図41ではパーツ500)上の他方の磁石(図41では504’)よりも対応するパーツ(図41ではパーツ502)の中心位置の方に近くなるように配設される。例えば、2つ以上の磁石の対504、508、および504’、508’を、上述のように互いからオフセットされている位置に配設することにより、それぞれの磁石対の向かい合う共通の極によりもたらされる対向力が、患者利用者(またはパーツを組み立てる他の人)がパーツ500および502を複数の寸法にそって適切に位置合わせするのを補助しうる。対向極が磁石504の極と向かい合う磁石506も使用する実施形態では、パーツ502および104が接続のため適切に位置合わせされている場合、(複数の)磁石対504および508(および504’および508’)は、位置合わせに関して最初のおおよその位置合わせをした状態から適切な位置合わせをした状態に導き、その位置合わせした状態において、(複数の)磁石対504および506(および504’および506’)は、パーツ502および504を引き寄せて互いに適切に位置合わせされた接続位置に置く。
【0173】
上述の磁石の引き付ける対(504、506、および504’、506’)と磁石の反発する対(504、508、および504’、508’)に加えて、またはそれとは別に、図42により表される他の実施形態は、磁気作動スイッチまたは磁石に十分接近すると電子的に検出可能な状態または信号を発生する他の好適な磁石検出器などの磁石応答性デバイス510を備えることができる。いくつかの実施形態では、デバイス510は、従来の磁気作動スイッチまたは磁界を検出できる従来のデバイスを備えることができる。
【0174】
パーツ500および502の一方または両方は、パーツ500および502が所定の十分に位置合わせされた位置および所定の十分に接近した位置に置かれたときのみ作動する位置にある、それぞれのパーツ500および502により支持される、磁石応答性デバイスを備えることができる。例えば、所定の位置合わせされた位置および近さは、2つのパーツ500および502を接続して動作させるために適切に位置合わせされ、相互に最も近い位置に対応するものでよい。
【0175】
図42では、磁石応答性デバイス510が、パーツ502上に備えられ、磁石応答性デバイス510を作動させるための磁石512が、パーツ500上に備えられている。他の実施形態では、図42に示されている構成に加えて、またはそれとは別に、類似の磁石応答性デバイス510が、パーツ500上に設けられ、関連する磁石512が、パーツ502上に設けられるようにしてもよい。さらに他の実施形態では、磁石応答性デバイス510および磁石512の複数の対をパーツ500および502上に備えることができる。いくつかの実施形態では、磁石512は、上述の磁石504、506、または508のうちの1つとすることができる。他の実施形態では、磁石応答性デバイス510および磁石512は、磁石504、506、および508から(それに加えて、またはそれとは別に)独立したものとすることができる
【0176】
第1のパーツ500上の磁石504が、第2のパーツ502上の磁気的引力を有する材料513とともに(磁石506の代わりに、または磁石506に加えて)機能し、上述のようにパーツ500および502の位置合わせおよび/または接続を補助する磁気的引力を発生する、図42に示されているような実施形態では、磁石応答性デバイス516は、磁気的引力を有する材料513に隣接する位置に配置されうるが、ただし、第1のパーツ500上の磁石512(および第2のパーツ上の位置合わせ磁石(上述の磁石508に対応する))の位置から離された位置に置かれうる。このような実施形態では、第2のパーツ上の磁気的引力を有する材料513は、第1のパーツ500上の磁石512により帯磁し、第1および第2のパーツ500および502が接続のため接合されたときに離れた場所にあるデバイス516を作動させる。
【0177】
磁石応答性デバイス510は、制御電子回路514と電気的に連絡するように接続される。制御電子回路514は、駆動デバイスを制御するために制御電子回路(限定はしないが、図4に関して上で説明されている駆動デバイス44を制御するための制御電子回路52など)内に組み込むことができる。それとは別に、制御電子回路514は、制御電子回路52とは別体で、制御電子回路52に付加したものとしてよいが、制御電子回路52および/または駆動デバイス44と電気的に連絡するように接続され、駆動制御信号を駆動デバイスに送ることができる。より具体的には、制御電子回路514は、磁石応答性デバイス510が(パーツ500および502が適切に位置合わせされ、接続し動作できるくらいに接近した後)磁石512により作動されない限り、駆動デバイス44の動作を抑制するように構成される。一実施形態では、制御電子回路514は、磁石512による磁石応答性デバイス510の作動後、検出信号(限定はしないが、電子信号、フラグのセット、または他のインジケータなど)を制御電子回路52および/または駆動デバイス44に送ることができる。その実施形態では、制御電子回路52および/または駆動デバイス44は、検出信号が出現した後にのみ、駆動デバイス44の動作を可能にするように構成されうる。
【0178】
上述のように、特定の実施形態では、磁石応答性デバイス510および磁石512の複数の対をパーツ500および502上に備え、制御電子回路514に接続することができる。そのような実施形態では、デバイス510および磁石512のこの複数の対を、例えば、パーツ500および502の周り、またはその中の異なるそれぞれの位置に配置し、異なる場所から複数の位置合わせ読み取りを行うことができる。このような実施形態では、例えば、制御電子回路514は、すべての(または所定の数のまたは一組の)磁石応答性デバイス510を作動した後にのみ、検出信号(駆動デバイス44を動作させることができる)を発するように構成されうる。
【0179】
さらに他の実施形態では、追加のセンサ516a〜516nが、注入デバイス内に備えられ、制御電子回路514と電気的に連絡するように接続されうる。このような追加のセンサ516は、磁気作動スイッチ、磁界強度および方向センサ、誘導センサ、他の近接センサ、接触センサなどを備え、これにより、注入デバイス内の他のコンポーネントが適切に接続された後、検出可能な信号または状態を送ることができる。他のコンポーネントのこのような適切な接続は、貯蔵容器をハウジング部分またはベースに適切に接続すること、導管を貯蔵容器に適切に接続すること、2本の導管を適切に接続して1本にすること、針またはカニューレを適切にセッティングして挿入状態にすること、導管をカニューレまたは針に適切に接続すること、または注入デバイスの他のコンポーネントを、または注入デバイスに適切に接続することを含むことができる。それとは別に、またはそれに加えて、センサ516a〜516nは、注入デバイス内の流体流路の出現または閉塞を検出する、1つ以上のフロー検出器を備えることができる。このような実施形態では、制御電子回路514は、すべての(または所定の数のまたは一組の)磁気応答性デバイス510が作動し、またセンサ516a〜516nが適切な状態になった後にのみ、検出信号(駆動デバイス44を動作させることができる)を発するように構成されうる。
【0180】
22
制御電子回路514(図42)および/または制御電子回路52(図4)は、本発明のさまざまな異なる実施形態により、さまざまな方法で、駆動デバイス44(図4)を制御するように構成されうる。例えば、駆動デバイス44は、限定はしないが、ハウジング部分が他のハウジング部分またはベース部分から外れること、導管が他の導管または貯蔵容器から外れること、貯蔵容器がハウジング部分またはベースから外れることなどの、流体流路の途絶または注入デバイス内の重要コンポーネントの接続の外れを検出した後、ポンプ動作(送達)を停止するように制御することができる。
【0181】
それとは別に、またはそれに加えて、制御電子回路514(図42)および/または制御電子回路52(図4)は、前回使用した後、または部分的に使用した後に再接続するのと比較して、パーツ500および502(または他のコンポーネント)が初回使用時に接続されたときに、パーツ500および502の初回接続(または注入デバイス内の他のコンポーネントの初回接続)を検出するように構成されうる。この方法で、駆動デバイス44は、パーツの初回接続の検出後に、呼び水操作(または他の好適な初回操作)を行うように制御されうる。
【0182】
それとは別に、またはそれに加えて、制御電子回路514(図42)および/または制御電子回路52(図4)は、パーツ500および502の適切な位置合わせおよび/または接続が行われていることを利用者が知覚可能な電子的手段で示すように構成されうる。例えば、パーツ500および502が適切に位置合わせされおよび/または接続されていることを検出した後(または、限定はしないが、貯蔵容器がハウジング部分500に接続されていること、または注射部位モジュールが一方または両方の接続パーツ500および502に接続されていることをなどの他のコンポーネントが接続されていることを検出した後)、制御電子回路514(図42)または52(図4)は、インジケータデバイス(図には示されていない)を作動させるのに適した制御信号を送る。インジケータデバイスは、限定はしないが、可聴音インジケータ、光インジケータ、触覚インジケータ、1つ以上のこれらのインジケータの組み合わせなどを備えることができる。例えば、上述のようにコンポーネントが適切に位置合わせされるか、または接続された後、パーツ500および502のうちの一方の中にある音を発生するデバイスにより可聴ビープ音(または他の好適な音)を発生することができ、パーツ500および502のうちの一方に取り付けられているLED(または他の光源)を動作させて点灯または点滅状態を発生することができ、および/またはパーツ500および502のうちの一方に備えている振動発生器により振動を発生させることができる。
【0183】
さらに他の実施形態では、信号を(パーツ500および502のうちの一方の送信機から)離れた場所にある通信デバイス(限定はしないが、ハンドヘルドコントローラ、コンピュータなど)に伝達し、上記の利用者が知覚可能な指示の1つ以上を離れた場所にあるデバイスの利用者に送ることができる。さらに他の実施形態では、パーツ500および502のうちの一方および/または離れた場所に置かれている通信デバイス上の表示画面にテキストまたはグラフィックメッセージを、パーツ500および502が適切に(または不適切に)位置合わせされているか、または接続されていることを示すインジケータとして表示することができる。
【0184】
異なる実施形態は、異なる磁石の構成、パーツ500および502上の磁気的引力を有する材料および/または磁石応答性デバイス516を使用することができるが、パーツ500および502のうちの一方が使い捨てである(例えば、1回または所定の回数使用するか、1回のまたは所定の使用期間が過ぎた後処分される)ことを意図されている実施形態では、磁石を使い捨てパーツに設け、磁気的引力を有する材料(それ自体は帯磁しない)および/または磁石応答性デバイスを耐久パーツに備えることができる。その結果、一定期間使用した後、漂遊材料を引き付け集めた可能性のある使い捨てパーツ上の(複数の)磁石を使い捨てパーツとともに処分することができる。他方、磁気的引力を有する材料(それ自体は帯磁していない)は、十分にきれいで、漂遊材料を含んでいないためさらに使用できる。
【0185】
本明細書で開示されている実施形態は、すべての点で、例示的であり、本発明を制限することを目的としていないと考えるべきである。本発明は、いかなる形でも、上述の実施形態に限定されることはない。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変形および変更を実施形態に加えることができる。本発明の範囲は、実施形態ではなく、付属の請求項により示される。請求項の同等性の意味および範囲内にあるさまざまな変形および変更は、本発明の範囲内にあることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入媒体を利用者に送達するための送達デバイスであって、
利用者によって持ち運ばれるように適合された第1のハウジング部分と、
前記第1のハウジング部分に対し、選択的に、動作的に係合され、又は係合を外されるように構成された第2のハウジング部分と、
前記第1および第2のハウジング部分のうちの一方により支持されている貯蔵容器と、
前記第1および第2のハウジング部分が動作的に係合されると、前記貯蔵容器が駆動デバイスおよび針挿入デバイスのうちの少なくとも一方に動作的に結合されるよう、前記貯蔵容器を支持する前記ハウジング部分に関して前記第1および第2のハウジング部分のうちの他方により支持された駆動デバイスおよび針挿入デバイスのうちの少なくとも一方と、
前記第1のハウジング部分上に支持されている第1の磁石と、前記第1および第2のハウジング部分が動作的に係合されると前記第1の磁石と磁気的に相互作用する位置で前記第2のハウジング部分上に支持されている第2の磁石と、を含む第1の一対の磁石と、
を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の送達デバイスであって、前記第1および第2の磁石はそれぞれ、前記第1のハウジング部分と第2のハウジング部分とが適切に位置合わせされて接合され、動作的に係合したときに第1および第2の磁石のうちの他方の極と向かい合う極、を有し、前記第1および第2の磁石の前記向かい合う極は、前記第1および第2の磁石が前記第1のハウジング部分と第2のハウジング部分とが動作的に係合されると相互に引き付け合うように反対極性を有することを特徴とする送達デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載の送達デバイスであって、さらに、第3および第4の磁石を含む第2の一対の磁石を備え、前記第3および第4の磁石はそれぞれ、前記第1および第2のハウジング部分が動作的な係合をするように互いに引き寄せられたときに適切に位置合わせされていない場合に前記第3および第4の磁石のうちの他方の磁石の極と向かい合う極を有し、前記第3および第4の磁石の前記向かい合う極は、前記第3および第4の磁石が、前記第1および第2のハウジング部分が動作的に係合をするように互いに引き付け合ったときに不適切に位置合わせされていると相互に反発し合うよう同じ極性を有することを特徴とする送達デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載の送達デバイスであって、前記第3および第4の磁石は、前記第1および第2のハウジング部分が動作的な係合をするように互いに引き寄せられたときに適切に位置合わせされていない場合に、動作的に係合させるため前記第1および第2のハウジング部分を適切に揃える方向に反発力を伝えるように互いに関して位置決めされていることを特徴とする送達デバイス。
【請求項5】
請求項3に記載の送達デバイスであって、前記第3および第4の磁石は、前記第1および第2のハウジング部分が動作可的に係合されると互いに横方向に位置がずれるように位置決めされていることを特徴とする送達デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の送達デバイスであって、さらに、第1の磁石および第3の磁石を含む第2の一対の磁石を備え、前記第1および第3の磁石はそれぞれ、前記第1および第2のハウジング部分が動作的な係合をするように互いに引き寄せられたときに適切に位置合わせされていない場合に前記第1および第3の磁石のうちの他方の磁石の極と向かい合う極を有し、前記第1および第3の磁石の前記向かい合う極は、前記第1および第3の磁石が、前記第1および第2のハウジング部分が動作的な係合をするように互いに引き付け合ったときに不適切に位置合わせされていると相互に反発し合うような同じ極性を有することを特徴とする送達デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載の送達デバイスであって、前記第1および第3の磁石は、前記第1および第2のハウジング部分が動作的な係合をするように互いに引き寄せられたときに適切に位置合わせされていない場合に、動作的に係合させるため前記第1および第2のハウジング部分を適切に揃える方向に反発力を伝えるように互いに関して位置決めされていることを特徴とする送達デバイス。
【請求項8】
請求項6に記載の送達デバイスであって、前記第1および第3の磁石は、前記第1および第2のハウジング部分が動作的に係合されると互いに横方向に位置ずれるように位置決めされることを特徴とする送達デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載の送達デバイスであって、前記第1および第2の磁石はそれぞれ、前記第1および第2のハウジング部分が、動作的な係合をするように接合されたときに適切に位置合わせされていない場合に前記第1および第2の磁石のうちの他方の極と向かい合う極、を有し、前記第1および第2の磁石の前記向かい合う極は、前記第1および第2のハウジング部分が動作的な係合をするように互いに向けて引き寄せられたときに不適切な位置合わせになっていると前記第1および第2の磁石が相互に反発し合うように同じ極性を有することを特徴とする送達デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載の送達デバイスであって、前記第1および第2の磁石は、動作的な係合をするように前記第1および第2のハウジング部分を適切に位置合わせする方向に反発力を伝えるように互いに関して位置決めされていることを特徴とする送達デバイス。
【請求項11】
請求項9に記載の送達デバイスであって、前記第1および第2の磁石は、前記第1および第2のハウジング部分が動作的に係合されると互いに横方向に位置がずれるように位置決めされることを特徴とする送達デバイス。
【請求項12】
請求項1に記載の送達デバイスであって、前記第1のハウジング部分は、前記第1および第2のハウジング部分が動作的に係合されると、前記第2のハウジング部分上の対応する表面と係合する第1の表面を備え、前記第1のハウジング部分上の前記第1の表面および前記第2のハウジング部分上の前記対応する表面は、前記第1および第2のハウジング部分が動作的に係合された後、互いに嵌合する形状を有することを特徴とする送達デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載の送達デバイスであって、前記第1の表面および前記対応する表面は、それぞれ、傾斜面を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項14】
請求項13に記載の送達デバイスであって、前記傾斜している第1の表面および前記傾斜している対応する表面は、前記第1および第2のハウジング部分に接し、前記第1および第2のハウジング部分が動作的な係合をするように互いに引き寄せられると、前記第1および第2のハウジング部分を動作的な係合をするように位置合わせされた位置に向けて押しやるように構成されていることを特徴とする送達デバイス。
【請求項15】
注入媒体を利用者に送達するための送達デバイスであって、
利用者によって持ち運ばれるように適合された第1のハウジング部分と、
前記第1のハウジング部分に対し、選択的に、動作的に係合され、又は係合を外されるように構成された第2のハウジング部分と、
前記第1および第2のハウジング部分のうちの一方により支持されている貯蔵容器と、
前記第1および第2のハウジング部分が動作的に係合されると、前記貯蔵容器が駆動デバイスおよび針挿入デバイスのうちの少なくとも一方に動作的に結合されるよう、前記貯蔵容器を支持する前記ハウジング部分に関して前記第1および第2のハウジング部分のうちの前記他方により支持された駆動デバイスおよび針挿入デバイスのうちの少なくとも一方と、
前記第1のハウジング部分上に支持されている第1の磁石と、前記第1および第2のハウジング部分が動作的に係合されると、前記第1の磁石と磁気的に相互作用する位置で前記第2のハウジング部分上に支持されている磁気的引力を有する材料及び磁気的応答性を有するデバイスのうちの少なくとも一方と、を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項16】
請求項15に記載の送達デバイスであって、磁気的引力を有する材料及び磁気的応答性を有するデバイスの前記少なくとも一方は、前記第1のハウジング部分と第2のハウジング部分とが動作的に係合されると、前記第1の磁石に引き付けられる磁気的引力を有する材料を含むことを特徴とする送達デバイス。
【請求項17】
請求項15に記載の送達デバイスであって、磁気的引力を有する材料及び磁気的応答性を有するデバイスの前記少なくとも一方は、前記第1のハウジング部分と第2のハウジング部分とが動作的に係合されると、信号を送るか、または状態を変化させる磁石応答性デバイスを備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項18】
請求項17に記載の送達デバイスであって、さらに、前記第1および第2のハウジング部分が動作的に係合されると、信号に応答して利用者が知覚可能な表示を行うかまたは前記磁石応答性デバイスの状態を変化させるために、磁石応答性デバイスに動作的に結合されている利用者知覚可能インジケータを備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項19】
請求項18に記載の送達デバイスであって、前記利用者が知覚可能な表示は、可聴表示、視覚表示、および触覚表示のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする送達デバイス。
【請求項20】
請求項17に記載の送達デバイスであって、駆動デバイスおよび針挿入デバイスのうちの少なくとも1つは、前記貯蔵容器から流体を選択的に送り出すための駆動デバイスを備え、前記送達デバイスは、さらに、前記磁気応答性デバイスからの信号または前記磁気応答性デバイスの状態に応じて前記駆動デバイスを制御するために前記磁気応答性デバイスに動作的に結合されている制御電子回路を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項21】
請求項20に記載の送達デバイスであって、前記制御電子回路は、前記磁気的応答性を有するデバイスからの信号または前記磁気的応答性を有するデバイスの状態が、前記第1および第2のハウジング部分が動作的に係合されている場合の信号または状態に対応していない限り、前記駆動デバイスの動作を抑制するように構成されていることを特徴とする送達デバイス。
【請求項22】
注入媒体を利用者に送達するための送達デバイスであって、
利用者によって持ち運ばれるように適合され、動作させるため選択的に係合されるように構成され、互いに選択的に分離される第1および第2のハウジング部分と、
前記第1のハウジング部分により支持された貯蔵容器であって、内部容積を有する貯蔵容器ハウジングと、貯蔵容器内部の前記容積を選択的に変えるように前記貯蔵容器内部内で移動可能なプランジャヘッドと、前記プランジャヘッドから前記貯蔵容器ハウジングの外側の位置まで延びるプランジャシャフトと、を備える貯蔵容器と、
開放側を有するナット部材であって、前記貯蔵容器の前記プランジャシャフトと固定された関係を保ちつつ支持され、前記ナット部材に関して第1の寸法における複数の位置のうちのどれか1つの位置でネジ山付きシャフトと係合するための構造を有するナット部材と、
回転軸を中心として回転するように前記第2のハウジング部分により支持されている回転可能な送りシャフトであって、前記第1および第2のハウジング部分が動作的な係合をするように接合されると、前記ナット部材と螺合可能な係合をするように前記ナット部材の開放側を通して挿入される位置で前記第2のハウジング部分により支持される回転可能な送りシャフトとを備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項23】
請求項22に記載の送達デバイスであって、前記ナット部材は、アームとアームとの間がある間隙で隔てられている一対のアームを有する略U字型の部材を含むことを特徴とする送達デバイス。
【請求項24】
請求項23に記載の送達デバイスであって、前記プランジャシャフトは、一対の棒を備え、それぞれの棒は前記プランジャヘッドから前記U字型部材のそれぞれの1つのアームに伸びていることを特徴とする送達デバイス。
【請求項25】
請求項24に記載の送達デバイスであって、前記ナット部材と前記一対の棒のうちの少なくとも1つとのうちの少なくとも一方は、検出可能な特徴を備え、前記送達デバイスは、さらに、前記検出可能な特徴を検出して前記検出可能な特徴の前記位置に対応する信号を送るように配設されているセンサを備え、前記検出可能な特徴の前記位置は、前記貯蔵容器の充填状態に対応することを特徴とする送達デバイス。
【請求項26】
請求項25に記載の送達デバイスであって、前記検出可能な特徴は、磁性材料を含むことを特徴とする送達デバイス。
【請求項27】
請求項22に記載の送達デバイスであって、前記ナット部材は、検出可能な特徴を備え、前記送達デバイスは、さらに、前記検出可能な特徴を検出して前記検出可能な特徴の前記位置に対応する信号を送るように構成されているセンサを備え、前記検出可能な特徴の前記位置は、前記貯蔵容器の充填状態に対応することを特徴とする送達デバイス。
【請求項28】
請求項27に記載の送達デバイスであって、前記検出可能な特徴は、磁性材料を含むことを特徴とする送達デバイス。
【請求項29】
注入媒体を利用者に送達するための送達デバイスであって、
利用者によって持ち運ばれるように適合された使い捨てハウジング部分と、
前記使い捨てハウジング部分と選択的に係合され、また係合を外されるように構成された耐久ハウジング部分であって、前記耐久ハウジング部分を処分することなく前記使い捨てハウジング部分を処分することができる、密閉された内部容積を有する耐久ハウジング部分と、
流体媒体を入れるための内部、および貯蔵容器の内部内で移動可能なピストンプランジャを有する、前記使い捨てハウジング部分により支持される貯蔵容器と、
前記耐久ハウジング部分により回転するように支持されている送りシャフトであって、前記ピストンプランジャと係合するため及び前記耐久ハウジング部分が前記使い捨てハウジング部分と係合したときに前記送りシャフトの回転により前記ピストンプランジャを移動するために前記耐久ハウジング部分の密閉された内部容積の外部に配置されているネジ山付き部分を有し、前記耐久ハウジング部分の前記密閉された内部容積内に配置されている接続部分を有し、前記耐久ハウジング部分内の開口を貫通する送りシャフトと、
前記送りシャフトの前記接続部分に動作的に接続され、選択的に前記送りシャフトを回転させる駆動デバイスと、を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項30】
請求項29に記載の送達デバイスであって、さらに、前記耐久ハウジング部分内の開口に隣接し、前記送りシャフトが貫通する前記開口を封止する、シールを備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項31】
請求項29に記載の送達デバイスであって、さらに、前記耐久ハウジング部分に収納されている電気制御回路を備え、前記電気制御回路は、前記耐久ハウジング部分および前記使い捨てハウジング部分が係合されたときに前記貯蔵容器から前記利用者への注入媒体の送達を制御することを特徴とする送達デバイス。
【請求項32】
請求項29に記載の送達デバイスであって、前記使い捨てハウジング部分は、底面を有するベース部分、および前記使い捨てハウジング部分を前記利用者の皮膚に固定するための前記底面上に施した接着材料を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項33】
請求項29に記載の送達デバイスであって、前記貯蔵容器は、中空針で刺し通すことができる隔壁を備え、これにより前記貯蔵容器の前記内部から前記中空針への流体流路を形成することを特徴とする送達デバイス。
【請求項34】
請求項29に記載の送達デバイスであって、前記ピストンプランジャは、前記貯蔵容器の前記内部内に配置されたプランジャヘッド、前記耐久ハウジング部分および前記使い捨てハウジング部分が係合されたときに前記送りシャフトの前記ネジ山付き部分と係合するように前記貯蔵容器の外側に配置されている係合部分、および前記プランジャヘッドから前記係合部分に伸びるピストンシャフトを備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項35】
請求項34に記載の送達デバイスであって、前記ピストンプランジャの前記係合部分は、前記耐久ハウジング部分および前記使い捨てハウジング部分が係合されたときに前記送りシャフトの前記ネジ山付き部分上のネジ山と動作的に係合するように構成されているネジ山を有するネジ山付き表面を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項36】
請求項35に記載の送達デバイスであって、前記送りシャフトは、長手方向軸を有し、前記ピストンプランジャの前記係合部分の前記ネジ山付き表面は、前記ピストンプランジャの前記係合部分が前記送りシャフトと動作的に係合されると、少なくとも部分的には前記送りシャフトの前記長手方向軸の周りで湾曲していることを特徴とする送達デバイス。
【請求項37】
請求項34に記載の送達デバイスであって、前記貯蔵容器の前記内部内に配置されている前記プランジャヘッドは、外周表面と前記貯蔵容器の前記内部を封止するために前記外周表面の周りに配設されている少なくとも1つのシールとを有することを特徴とする送達デバイス。
【請求項38】
請求項29に記載の送達デバイスであって、前記ピストンプランジャは、前記貯蔵容器の前記内部内に配置されているプランジャヘッドを備え、前記プランジャヘッドは外周表面と前記貯蔵容器の前記内部を封止するために前記外周表面の周りに配設されている少なくとも1つのシールとを有することを特徴とする送達デバイス。
【請求項39】
請求項29に記載の送達デバイスであって、前記駆動デバイスは、前記耐久ハウジング部分の前記密閉された内部容積内に配置されることを特徴とする送達デバイス。
【請求項40】
請求項29に記載の送達デバイスであって、さらに、前記ピストンプランジャが前記貯蔵容器内で回転するのを阻止する回転防止構造を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項41】
請求項40に記載の送達デバイスであって、前記貯蔵容器は、内面を有し、前記回転防止構造は、前記ピストンプランジャおよび前記貯蔵容器の前記内面のうちの一方から伸びる少なくとも1つの突起部と前記ピストンプランジャおよび前記貯蔵容器の前記内面のうちの他方に備えられている少なくとも1つの溝路とを備え、前記少なくとも1つの突起部は、前記少なくとも1つの溝路に少なくとも部分的に入り込むように構成されることを特徴とする送達デバイス。
【請求項42】
請求項29に記載の送達デバイスであって、
前記ピストンプランジャは、前記貯蔵容器の前記内部内に配置されているプランジャヘッドと、前記プランジャヘッドに結合された、長手方向軸と前記貯蔵容器の少なくとも外側にある前記長手方向軸にそって伸びるネジ山付きピストンとを有する、ピストンシャフトを備え、
前記送りシャフトの前記ネジ山付き部分は、前記耐久ハウジング部分および前記使い捨てハウジング部分が係合されたときに前記ピストンシャフトの前記ネジ山付き部分と係合するように配設されているネジ山付きヘッドを備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項43】
請求項29に記載の送達デバイスであって、前記駆動デバイスは、
回転できるように支持されている雁木車であって、複数の歯を有し、前記雁木車の回転とともに前記送りシャフトを回転させるために動作的に接続されている雁木車と、
開始位置と終了位置との間で直線運動をするように支持され、前記雁木車の歯と係合し、前記開始位置と終了位置との間で駆動爪が移動するときに前記雁木車を第1の方向に回転させるように配設された駆動面を有する駆動爪と、
前記駆動爪に動作的に接続され、前記開始位置から前記終了位置へ前記駆動爪を選択的に移動する、アクチュエータと、
を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項44】
請求項43に記載の送達デバイスであって、前記駆動デバイスは、さらに、前記雁木車の歯と接触する表面を有し、前記第1の方向と反対の第2の方向に前記雁木車が回転するのを阻止する第2の爪を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項45】
請求項43に記載の送達デバイスであって、前記アクチュエータは、線形アクチュエータまたはベンダーアクチュエータを備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項46】
請求項43に記載の送達デバイスであって、前記雁木車は、少なくとも1つのリンク歯車を通じて前記送りシャフトに動作的に接続されることを特徴とする送達デバイス。
【請求項47】
請求項43に記載の送達デバイスであって、さらに、前記アクチュエータにより前記駆動爪が前記終了位置に移動されると、駆動爪にバイアスをかけて前記駆動爪を前記開始位置に戻すバイアス部材、を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項48】
請求項29に記載の送達デバイスであって、前記駆動デバイスは、
回転できるように支持されている駆動車であって、複数の歯を有し、前記駆動車の回転とともに前記送りシャフトを回転させるために動作的に接続されている駆動車と、
回転するように支持され、前記駆動車上の1つ以上の対応する歯と係合し、前記雁木が360度回転する毎に駆動車を360度未満の角度で回転させるための1つ以上の歯を有する雁木車と、
前記雁木車を選択的に回転させるように前記雁木車に結合されている駆動モータと、
を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項49】
注入媒体を利用者に送達するための送達デバイスを組み立てる方法であって、
利用者によって持ち運ばれるように適合された使い捨てハウジング部分を設けるステップと、
前記使い捨てハウジング部分と選択的に係合され、また係合を外されるように耐久ハウジング部分を構成し、前記耐久ハウジング部分を処分することなく前記使い捨てハウジング部分を処分できるようにし、密閉された内部容積を有するステップと、
流体媒体を入れられる内部を有する貯蔵容器を、前記使い捨てハウジング部分により支持するステップと、
前記貯蔵容器の前記内部内で移動するようにピストンプランジャを支持するステップと、
回転するように前記耐久ハウジング部分により送りシャフトを支持するステップであって、前記耐久ハウジング部分の前記密閉された内部容積の外部に前記送りシャフトのネジ山付き部分を配設することと、前記耐久ハウジング部分の前記密閉された内部容積内に前記送りシャフトの接続部分を配設することと、前記送りシャフトを前記耐久ハウジング部分内の開口に通すこととを含む、ステップと、
前記耐久ハウジング部分が前記使い捨てハウジング部分と係合したときに、前記送りシャフトの前記ネジ山付き部分を前記ピストンプランジャと係合させ、前記送りシャフトの回転とともに前記ピストンプランジャを移動するステップと、
駆動デバイスを前記送りシャフトの前記接続部分に動作的に接続し、選択的に前記送りシャフトを回転させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項50】
請求項49に記載の方法であって、さらに、シールを前記耐久ハウジング部分内の開口に隣接する位置に配置し、前記送りシャフトが貫通する前記開口を封止するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項51】
請求項49に記載の方法であって、さらに、前記耐久ハウジング部分の電気制御回路を支持するステップを含み、前記電気制御回路は、前記耐久ハウジング部分および前記使い捨てハウジング部分が係合されたときに前記貯蔵容器から前記利用者への注入媒体の送達を制御することを特徴とする方法。
【請求項52】
請求項49に記載の方法であって、さらに、前記ピストンプランジャが前記貯蔵容器内で回転するのを阻止する回転防止構造を備えることを含むことを特徴とする方法。
【請求項53】
流体媒体を利用者に、または利用者から、搬送するためのデバイスであって、
利用者によって持ち運ばれるように適合された第1のハウジング部分と、
前記第1のハウジング部分と選択的に係合され、また係合を外されるように構成された、密閉された内部容積を有する第2のハウジング部分と、
流体媒体を入れるための内部、および貯蔵容器の内部内で移動可能なピストンプランジャを有する、前記第1のハウジング部分により支持される貯蔵容器と、
前記第2のハウジング部分により回転するように支持されている送りシャフトであって、前記ピストンプランジャと係合し、前記第2のハウジング部分が前記第1のハウジング部分と係合したときに前記送りシャフトの回転により前記ピストンプランジャを移動するための前記第2のハウジング部分の密閉された内部容積の外部に配置されているネジ山付き部分を有し、前記第2のハウジング部分の前記密閉された内部容積内に配置されている接続部分を有し、前記第2のハウジング部分内の開口を貫通する送りシャフトと、
前記送りシャフトの前記接続部分に動作的に接続され、選択的に前記送りシャフトを回転させる駆動デバイスと、
を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項54】
請求項53に記載のデバイスであって、さらに、前記第2のハウジング部分内の開口に隣接し、前記送りシャフトが貫通する前記開口を封止するシール、を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項55】
請求項53に記載のデバイスであって、さらに、前記第2のハウジング部分に収納されている電気制御回路を備え、前記電気制御回路は、前記第2のハウジング部分および前記第1のハウジング部分が係合されたときに前記貯蔵容器から前記利用者への注入媒体の送達を制御することを特徴とするデバイス。
【請求項56】
注入媒体を利用者に送達するための送達デバイスであって、
利用者に固定されるように適合された使い捨てハウジング部分と、
前記使い捨てハウジング部分と選択的に係合され、また係合を外されるように構成された耐久ハウジング部分であって、前記耐久ハウジング部分を処分することなく前記使い捨てハウジング部分を処分することができる耐久ハウジング部分と、
前記使い捨てハウジング部分により支持されている貯蔵容器であって、流体媒体を入れるための内部および前記貯蔵容器の軸方向にそって前記貯蔵容器の内部内で移動可能な、ネジ山付き溝路を有するプランジャを有する貯蔵容器と、
前記貯蔵容器の軸方向にそって、少なくとも部分的に前記貯蔵容器内部内に配置されている回転可能シャフトであって、前記プランジャの前記ネジ山付き溝路を通って延び、前記プランジャの前記ネジ山付き溝路と動作的に係合するネジ山付き部分を有し、前記回転可能シャフトが回転すると前記プランジャが前記回転可能シャフトの前記ネジ山付き部分の長さ方向にそって移動し前記貯蔵容器の前記内部容積を変える、回転可能シャフトと、
前記回転可能シャフトに動作的に接続する位置で前記耐久ハウジング部分により支持され、前記使い捨てハウジング部分と前記耐久ハウジング部分とが係合したときに、前記回転可能シャフトを選択的に回転させる、駆動デバイスと、
を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項57】
請求項56に記載の送達デバイスであって、さらに、前記回転可能シャフトと前記プランジャとの間に配設された少なくとも1つのシールを備え、前記流体媒体が前記プランジャの中心溝路を通過するのを阻止することを特徴とする送達デバイス。
【請求項58】
請求項57に記載の送達デバイスであって、前記少なくとも1つのシールは、前記回転可能シャフト上に配置された封止材料の少なくとも1つの層を含むことを特徴とする送達デバイス。
【請求項59】
請求項57に記載の送達デバイスであって、前記少なくとも1つのシールは、前記回転可能シャフトの周りに配置されたOリングシールを含むことを特徴とする送達デバイス。
【請求項60】
請求項56に記載の送達デバイスであって、
前記耐久ハウジング部分は、前記駆動デバイスを収納する密閉された内部容積を有し、
前記回転可能シャフトは、1つの接続端部を有し、
前記駆動デバイスは、前記耐久ハウジング部分内の開口を貫通する駆動リンクを通して前記回転可能シャフトの前記接続端部に動作的に接続することを特徴とする送達デバイス。
【請求項61】
請求項60に記載の送達デバイスであって、
前記駆動リンクは、前記回転可能シャフトの前記接続端部に接続するための接続端部を備え、
前記駆動リンクの前記接続端部と前記回転可能シャフトの前記接続端部は、互いに嵌合する嵌合形状であって、前記使い捨てハウジング部分と前記耐久ハウジング部分とが係合されたときに前記駆動リンクから前記回転可能シャフトに回転運動を伝えることができるようにする嵌合形状、を有することを特徴とする送達デバイス。
【請求項62】
請求項60に記載の送達デバイスであって、さらに、前記耐久ハウジング部分内の開口に隣接し、前記駆動リンクが貫通する前記開口を封止する、シールを備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項63】
請求項56に記載の送達デバイスであって、さらに、前記耐久ハウジング部分に収納されている電気制御回路を備え、前記電気制御回路は、前記耐久ハウジング部分および前記使い捨てハウジング部分が係合されたときに前記貯蔵容器から前記利用者への注入媒体の送達を制御することを特徴とする送達デバイス。
【請求項64】
請求項56に記載の送達デバイスであって、前記使い捨てハウジング部分は、底面を有するベース部分、および前記使い捨てハウジング部分を前記利用者の皮膚に固定するための前記底面上に施した接着材料を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項65】
請求項56に記載の送達デバイスであって、前記貯蔵容器は、中空針で刺し通すことができる隔壁を備え、これにより前記貯蔵容器の前記内部から前記中空針への流体流路を形成することを特徴とする送達デバイス。
【請求項66】
請求項56に記載の送達デバイスであって、さらに、前記プランジャが前記貯蔵容器内で回転するのを阻止する回転防止構造を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項67】
請求項66に記載の送達デバイスであって、前記貯蔵容器は、内面を有し、前記回転防止構造は、前記プランジャおよび前記貯蔵容器の前記内面のうちの一方から伸びる少なくとも1つの突起部と前記プランジャおよび前記貯蔵容器の前記内面のうちの他方に備えられている少なくとも1つ溝路とを備え、前記少なくとも1つの突起部は、前記少なくとも1つの溝路に少なくとも部分的に入り込むように構成されることを特徴とする送達デバイス。
【請求項68】
請求項56に記載の送達デバイスであって、前記プランジャは、外周表面と前記外周面の周りに配設された少なくとも1つのシールとを有し、注入媒体が前記プランジャの前記外周面と前記貯蔵容器の内面との間を通過するのを阻止することを特徴とする送達デバイス。
【請求項69】
請求項60に記載の送達デバイスであって、前記駆動デバイスは、
回転できるように支持されている雁木車であって、複数の歯を有し、前記雁木車の回転とともに前記駆動リンクを回転させるために動作的に接続されている雁木車と、
開始位置と終了位置との間で直線運動をするように支持され、前記雁木車の歯と係合し、前記開始位置と終了位置との間で駆動爪が移動するときに前記雁木車を第1の方向に回転させるように配設された駆動面を有する駆動爪と、
前記駆動爪に動作的に接続され、前記開始位置から前記終了位置へ前記駆動爪を選択的に移動する、アクチュエータと、
を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項70】
注入媒体を利用者に送達するための送達デバイスを製作する方法であって、
利用者に固定されるように適合された第1のハウジング部分を設けるステップと、
前記第1のハウジング部分と選択的に係合され、また係合を外されるように構成された第2のハウジング部分であって、前記第2のハウジング部分を処分することなく前記第1のハウジング部分を処分することができる第2のハウジング部分を設けるステップと、
流体媒体を入れられる内部を有する貯蔵容器を、前記第1のハウジング部分上で支持するステップと、
前記貯蔵容器の前記内部内にあり、前記貯蔵容器の軸方向にそって前記貯蔵容器に関して移動可能な、ネジ山付き溝路を有するプランジャを配設するステップと、
前記貯蔵容器の軸方向にそって、少なくとも部分的に前記貯蔵容器内部内に回転可能シャフトを配設し、前記回転可能シャフトを前記プランジャの前記ネジ山付き溝路に通し、前記回転可能シャフトのネジ山付き部分を前記プランジャの前記ネジ山付き溝路と動作的に係合させ、その際に、前記プランジャに関して前記回転可能シャフトが回転すると前記プランジャが前記回転可能シャフトの前記ネジ山付き部分の長さ方向にそって移動し前記貯蔵容器の前記内部容積を変えるステップと、
前記回転可能シャフトに動作的に接続する位置で前記第2のハウジング部分上の駆動デバイスを支持し、前記第1のハウジング部分と前記第2のハウジング部分とが係合したときに、前記回転可能シャフトを選択的に回転させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項71】
請求項70に記載の方法であって、さらに、前記回転可能シャフトと前記プランジャとの間に少なくとも1つのシールを配設し、前記流体媒体が前記プランジャの中心溝路を通過するのを阻止するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項72】
請求項71に記載の方法であって、前記少なくとも1つのシールを配設するステップは、前記回転可能シャフト上に配置された封止材料の少なくとも1つの層を備えることを含むことを特徴とする方法。
【請求項73】
請求項71に記載の方法であって、前記少なくとも1つのシールを配設するステップは、前記回転可能シャフトの周りに配置されたOリングシールを備えることを含むことを特徴とする方法。
【請求項74】
請求項70に記載の方法であって、
前記第2のハウジング部分は、前記駆動デバイスを収納する密閉された内部容積を有し、
前記回転可能シャフトは、1つの接続端部を有し、
前記方法は、さらに、駆動リンクを前記第2のハウジング部分の開口に通し、前記第1および第2のハウジング部分が係合したときに前記回転可能シャフトの前記接続端部に動作的に接続する位置まで送るステップと、
前記駆動リンクを前記駆動デバイスと結合し、前記第1および第2のハウジング部分が係合したときに前記駆動デバイスから前記回転可能駆動シャフトへ駆動力を伝達するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項75】
請求項74に記載の方法であって、さらに、
前記駆動リンクに、前記回転可能シャフトの前記接続端部に接続するための接続端部を備えるステップと、
前記駆動リンクの前記接続端部と前記回転可能シャフトの前記接続端部を、互いに嵌合する嵌合形状であって、前記第1のハウジング部分と前記第2のハウジング部分とが係合されたときに前記駆動リンクから前記回転可能シャフトに回転運動を伝えることができるようにする嵌合形状にするステップと含むことを特徴とする方法。
【請求項76】
請求項74に記載の方法であって、さらに、前記耐久ハウジング部分内の開口に隣接してシールを配設し、前記駆動リンクが貫通する前記開口を封止するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項77】
請求項70に記載の方法であって、さらに、前記第2のハウジング部分上で電気制御回路を支持するステップを含み、前記電気制御回路は、前記第1のハウジング部分および前記第2のハウジング部分が係合されたときに前記貯蔵容器から前記利用者への注入媒体の送達を制御することを特徴とする方法。
【請求項78】
請求項70に記載の方法であって、前記第1のハウジング部分を設けるステップは、底面を有するベース部分、および前記ベースを前記利用者の皮膚に固定するための前記底面上に施した接着材料を設けることを含むことを特徴とする方法。
【請求項79】
請求項70に記載の方法であって、さらに、前記貯蔵容器の前記内部から中空針への流体流路を形成するために前記中空針で刺し通すことができる隔壁を支持するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項80】
請求項70に記載の方法であって、さらに、前記プランジャが前記貯蔵容器内で回転するのを阻止する回転防止構造を備えることを含むことを特徴とする方法。
【請求項81】
請求項70に記載の方法であって、前記貯蔵容器は内面を有し、前記回転防止構造を設けるステップは、前記プランジャおよび前記貯蔵容器の前記内面のうちの一方から伸びる少なくとも1つの突起部を設けることと前記プランジャおよび前記貯蔵容器の前記内面のうちの他方のある少なくとも1つ溝路を設けることとを含み、前記少なくとも1つの突起部は、前記少なくとも1つの溝路に少なくとも部分的に入り込むように構成されることを特徴とする方法。
【請求項82】
請求項70に記載の方法であって、さらに、前記プランジャの外周表面の周りに少なくとも1つのシールを配設し、注入媒体が前記プランジャの前記外周面と前記貯蔵容器の内面との間を通過するのを阻止することを含むことを特徴とする方法。
【請求項83】
請求項70に記載の方法であって、駆動デバイスを支持するステップは、
複数の歯を有する雁木車を回転できるように支持し、前記雁木車の回転とともに前記駆動リンクを回転させるために前記雁木車が動作的に接続されることと、
駆動爪を開始位置と終了位置との間で直線運動をするように支持することと、前記雁木車の歯と係合し、前記開始位置と終了位置との間で駆動爪が移動するときに前記雁木車を第1の方向に回転させるように配設された駆動面を有することと、
アクチュエータを前記駆動爪に動作的に接続し、前記開始位置から前記終了位置へ前記駆動爪を選択的に移動することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項84】
注入媒体を利用者に送達するための送達デバイスであって、
利用者に固定されるように適合された使い捨てハウジング部分と、
前記使い捨てハウジング部分と選択的に係合され、また係合を外されるように構成された耐久ハウジング部分であって、前記耐久ハウジング部分を処分することなく前記使い捨てハウジング部分を処分することができる耐久ハウジング部分と、
前記使い捨てハウジング部分により支持されている貯蔵容器であって、流体媒体を入れるための内部および前記貯蔵容器の軸方向にそって前記貯蔵容器の内部内で移動可能な、プランジャを有する貯蔵容器と、
前記耐久ハウジング部分により支持されている、前記使い捨てハウジング部分および耐久ハウジング部分が係合されたときに前記プランジャと係合するための端部を有し、さらにネジ山付きの少なくとも部分的には略円筒状の表面を有するスライド部材と、
前記耐久ハウジング部分により支持されている、前記スライド部材の前記ネジ山付き表面にそって伸び、前記スライド部材の前記ネジ山付き表面と動作的に係合し前記スライド部材に関する前記回転可能シャフトの回転により前記貯蔵容器の軸方向に前記スライド部材を移動するネジ山付き部分を有する回転可能シャフトと、
前記耐久ハウジング部分により支持され、前記回転可能シャフトに動作的に結合されていて前記回転可能シャフトを選択的に回転する駆動デバイスと、
を備え、
前記回転可能シャフトの前記回転による前記スライド部材の移動は、前記スライド部材が前記プランジャと係合されたときに、前記貯蔵容器の前記軸方向への前記プランジャの移動に変換されることを特徴とする送達デバイス。
【請求項85】
請求項84に記載の送達デバイスであって、前記プランジャは、外周表面と前記外周面の周りに配設された少なくとも1つのシールとを有し、注入媒体が前記プランジャの前記外周面と前記貯蔵容器の内面との間を通過するのを阻止することを特徴とする送達デバイス。
【請求項86】
請求項84に記載の送達デバイスであって、前記駆動デバイスは、
回転できるように支持されている雁木車であって、前記雁木車の回転とともに前記回転可能シャフトを回転させるために動作的に接続されている雁木車と、
前記雁木車を選択的に回転させるように前記雁木車に動作的に接続されているアクチュエータと、
を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項87】
請求項84に記載の送達デバイスであって、前記駆動デバイスは、前記回転可能シャフトを回転させるために動作的に接続されている回転モータを備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項88】
請求項84に記載の送達デバイスであって、さらに、前記スライド部材が前記軸方向の周りで回転するのを阻止する回転防止構造を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項89】
請求項84に記載の送達デバイスであって、前記スライド部材は、前記耐久ハウジング部分内の開口を貫通し、少なくとも1つのシール部材が、前記開口の周りに設けられることを特徴とする送達デバイス。
【請求項90】
請求項84に記載の送達デバイスであって、前記スライド部材は、中空の略円筒状の内部を有するチューブ構造を備え、前記スライド部材の前記ネジ山付き表面は、前記チューブ構造の内面の少なくとも一部を含むことを特徴とする送達デバイス。
【請求項91】
請求項84に記載の送達デバイスであって、前記スライド部材は、中空の半円筒状の内部を有する部分チューブ構造を備え、前記スライド部材の前記ネジ山付き表面は、前記部分チューブ構造の半円筒状の内面の少なくとも一部を含むことを特徴とする送達デバイス。
【請求項92】
請求項84に記載の送達デバイスであって、さらに、前記駆動デバイスを前記回転可能シャフトに動作的に結合するためのリンク構造を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項93】
請求項84に記載の送達デバイスであって、さらに、
前記使い捨てハウジング部分により支持されている第2の貯蔵容器であって、流体媒体を入れるための内部および前記第2の貯蔵容器の軸方向にそって前記第2の貯蔵容器の内部内で移動可能な、第2のプランジャを有する第2の貯蔵容器と、
前記耐久ハウジング部分により支持されている、前記使い捨てハウジング部分および耐久ハウジング部分が係合されたときに前記第2のプランジャと係合するための端部を有し、さらにネジ山付きの少なくとも部分的には略円筒状の表面を有する第2のスライド部材と、
前記耐久ハウジング部分により支持されている、前記第2のスライド部材の前記ネジ山付き表面にそって延び、前記第2のスライド部材の前記ネジ山付き表面と動作的に係合し前記第2のスライド部材に関する前記第2の回転可能シャフトの回転により前記第2の貯蔵容器の軸方向に前記第2のスライド部材を移動するネジ山付き部分を有する第2の回転可能シャフトと、
を備え、
前記駆動デバイスは、さらに、前記第2の回転可能シャフトに動作的に結合されていて前記第2の回転可能シャフトを選択的に回転させ、
前記第2の回転可能シャフトの前記回転による前記第2のスライド部材の移動は、前記第2のスライド部材が前記第2のプランジャと係合されたときに、前記第2の貯蔵容器の前記軸方向への前記第2のプランジャの移動に変換されることを特徴とする送達デバイス。
【請求項94】
注入媒体を利用者に送達するための送達デバイスを製作する方法であって、
利用者に固定されるように適合された第1のハウジング部分を設けるステップと、
前記第1のハウジング部分と選択的に係合され、また係合を外されるように構成された第2のハウジング部分であって、前記第2のハウジング部分を処分することなく前記第1のハウジング部分を処分することができる第2のハウジング部分を設けるステップと、
流体媒体を入れられる内部を有する貯蔵容器を、前記第1のハウジング部分上で支持するステップと、
前記貯蔵容器の内部内にある、前記貯蔵容器の軸方向にそって移動可能なプランジャを配設するステップと、
スライド部材を前記第2のハウジング部分上で支持し、前記第1のハウジング部分および前記第2のハウジング部分が係合されたときに前記スライド部材の一端部が前記プランジャと係合するように配設され、前記スライド部材はさらにネジ山付きの表面を有するようにするステップと、
回転可能シャフトを前記耐久ハウジング部分上で支持し、前記回転可能シャフトを前記スライド部材の前記ネジ山付き表面にそって延ばし、前記回転可能シャフトのネジ山付き部分を前記スライド部材の前記ネジ山付き表面と動作的に係合させて前記スライド部材に関する前記回転可能シャフトの回転により前記貯蔵容器の軸方向に前記スライド部材を移動するステップと、
駆動デバイスを前記回転可能シャフトに動作的に結合し、前記回転可能シャフトを選択的に回転させるステップと、
を含み、
前記回転可能シャフトの前記回転による前記スライド部材の移動は、前記スライド部材が前記プランジャと係合されたときに、前記貯蔵容器の前記軸方向への前記プランジャの移動に変換されることを特徴とする方法。
【請求項95】
請求項94に記載の方法であって、さらに、前記プランジャの外周表面の周りに少なくとも1つのシールを配設し、注入媒体が前記プランジャの前記外周面と前記貯蔵容器の内面との間を通過するのを阻止するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項96】
請求項94に記載の方法であって、駆動デバイスを動作的に結合するステップは、
回転するように雁木車を支持することと、
前記雁木車を前記回転可能シャフトに動作的に接続して、前記回転可能シャフトを前記雁木車の回転とともに回転させることと、
アクチュエータが前記雁木車に動作的に接続され、前記雁木車を選択的に回転させること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項97】
請求項94に記載の方法であって、駆動デバイスを動作的に結合するステップは、前記回転可能シャフトを回転させるために回転モータを動作的に結合することを含むことを特徴とする方法。
【請求項98】
請求項94に記載の方法であって、スライド部材を支持するステップは、前記スライド部材が前記貯蔵容器に関して回転するのを阻止する回転防止構造を備えることを含むことを特徴とする方法。
【請求項99】
請求項94に記載の方法であって、さらに、前記スライド部材を前記第2のハウジング部分内の開口に通すステップと、少なくとも1つのシール部材を前記開口の周りに施すステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項100】
請求項94に記載の方法であって、スライド部材を支持するステップは、前記第2のハウジング部分上で中空の略円筒状の内部を有するチューブ構造を支持することを含み、前記スライド部材の前記ネジ山付き表面は、前記チューブ構造の略円筒状の内面の少なくとも一部を含むことを特徴とする方法。
【請求項101】
請求項94に記載の方法であって、スライド部材を支持するステップは、前記第2のハウジング部分上で中空の半円筒状の内部を有する部分チューブ構造を支持することを含み、前記スライド部材の前記ネジ山付き表面は、前記部分チューブ構造の半円筒状の内面の少なくとも一部を含むことを特徴とする方法。
【請求項102】
請求項94に記載の方法であって、駆動デバイスを動作的に結合するステップは、リンク構造を前記駆動デバイスおよび前記回転可能シャフトに結合することを含むことを特徴とする方法。
【請求項103】
請求項94に記載の方法であって、さらに、
流体媒体を入れられる内部を有する第2の貯蔵容器を、前記第1のハウジング部分上で支持するステップと、
前記第2の貯蔵容器の内部内にある、前記第2の貯蔵容器の軸方向にそって移動可能な第2のプランジャを配設するステップと、
前記第2のハウジング部分上の第2のスライド部材を、前記第1のハウジング部分と前記第2のハウジング部分とが係合するときに前記第2のスライド部材の端部が前記第2のプランジャと係合する位置で支持し、前記第2のスライド部材はさらにネジ山付きの少なくとも部分的に略円筒状の表面を有するステップと、
前記第2のハウジング部分上で第2の回転可能シャフトを支持し、前記第2の回転可能シャフトのネジ山付き部分を前記第2のスライド部材の前記ネジ山付き表面にそって延ばし、前記第1のハウジング部分と前記第2のハウジング部分が係合したときに前記第2のスライド部材の前記ネジ山付き表面と動作的に係合して前記第2のスライド部材に関する前記第2の回転可能シャフトの回転により前記第2の貯蔵容器の前記軸方向に前記第2のスライド部材を移動させるステップと、
を含み、
前記駆動デバイスは、さらに、前記第2の回転可能シャフトに動作的に結合されていて前記第2の回転可能シャフトを選択的に回転させ、
前記第2の回転可能シャフトの前記回転による前記第2のスライド部材の移動は、前記第2のスライド部材が前記第2のプランジャと係合されたときに、前記第2の貯蔵容器の前記軸方向への前記第2のプランジャの移動に変換されることを特徴とする方法。
【請求項104】
注入媒体を利用者に送達するための送達デバイスであって、
利用者に固定されるように適合された使い捨てハウジング部分と、
前記使い捨てハウジング部分と選択的に係合され、また係合を外されるように構成された耐久ハウジング部分であって、前記耐久ハウジング部分を処分することなく前記使い捨てハウジング部分を処分することができる耐久ハウジング部分と、
前記使い捨てハウジング部分により支持されている貯蔵容器であって、流体媒体を入れるための内部および前記貯蔵容器の軸方向にそって前記貯蔵容器の内部内で移動可能な、プランジャを有する貯蔵容器と、
前記耐久ハウジング部分により支持されている、前記使い捨てハウジング部分および耐久ハウジング部分が係合されたときに前記プランジャと係合するための端部を有し、さらに圧電スタック駆動デバイスの駆動面と係合する係合面を有するスライド部材と、
前記耐久ハウジング部分により支持され、前記スライド部材の前記係合面にそって伸びるシャフトと、
前記シャフトにより支持され、前記スライド部材と動作的に係合して前記スライド部材を前記貯蔵容器の軸方向に選択的に移動するように配設されている圧電スタック駆動デバイスと、
を備え、
前記圧電スタック駆動デバイスの動作による前記スライド部材の移動は、前記スライド部材が前記プランジャと係合されたときに、前記貯蔵容器の前記軸方向への前記プランジャの移動に変換されることを特徴とする送達デバイス。
【請求項105】
請求項104に記載の送達デバイスであって、前記プランジャは、外周表面と前記外周面の周りに配設された少なくとも1つのシールとを有し、注入媒体が前記プランジャの前記外周面と前記貯蔵容器の内面との間を通過するのを阻止することを特徴とする送達デバイス。
【請求項106】
請求項104に記載の送達デバイスであって、前記スライド部材は、前記耐久ハウジング部分内の開口を貫通し、少なくとも1つのシール部材が、前記開口の周りに設けられることを特徴とする送達デバイス。
【請求項107】
請求項104に記載の送達デバイスであって、前記スライド部材は、中空の略円筒状の内部を有するチューブ構造を備え、前記スライド部材の前記係合面は、前記チューブ構造の内面の少なくとも一部を含むことを特徴とする送達デバイス。
【請求項108】
注入媒体を利用者に送達するための送達デバイスを製作する方法であって、
利用者に固定されるように適合された第1のハウジング部分を設けるステップと、
前記第1のハウジング部分と選択的に係合され、また係合を外されるように構成された第2のハウジング部分であって、前記第2のハウジング部分を処分することなく前記第1のハウジング部分を処分することができる第2のハウジング部分を設けるステップと、
流体媒体を入れられる内部を有する貯蔵容器を、前記第1のハウジング部分上で支持するステップと、
前記貯蔵容器の内部内にある、前記貯蔵容器の軸方向にそって移動可能なプランジャを配設するステップと、
前記第2のハウジング部分上のスライド部材を、前記使い捨てハウジング部分と耐久ハウジング部分とが係合したときに前記スライド部材の端部が前記プランジャと係合する位置で支持し、前記スライド部材はさらに圧電スタック駆動デバイスの駆動面と係合する係合面を有するステップと、
前記耐久ハウジング部分上のシャフトを、前記スライド部材の前記係合面にそって前記シャフトが伸びる位置で支持するステップと、
前記シャフト上の圧電スタック駆動デバイスを、前記スライド部材と動作的に係合して前記スライド部材を前記貯蔵容器の軸方向に選択的に移動する位置で支持するステップと、
を含み、
前記圧電スタック駆動デバイスの動作による前記スライド部材の移動は、前記スライド部材が前記プランジャと係合されたときに、前記貯蔵容器の前記軸方向への前記プランジャの移動に変換されることを特徴とする方法。
【請求項109】
請求項108に記載の方法であって、さらに、前記プランジャの外周表面の周りに配設された少なくとも1つのシールを配設し、注入媒体が前記プランジャの前記外周面と前記貯蔵容器の内面との間を通過するのを阻止することを含むことを特徴とする方法。
【請求項110】
請求項108に記載の方法であって、さらに、前記スライド部材の広がりを前記耐久ハウジング部分内の開口に通すステップと、少なくとも1つのシール部材を前記開口の周りに配設するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項111】
請求項108に記載の方法であって、スライド部材を支持するステップは、前記第2のハウジング部分上で中空の略円筒状の内部を有するチューブ構造を支持することを含み、前記スライド部材の前記係合面は、前記チューブ構造の内面の少なくとも一部を含むことを特徴とする方法。
【請求項112】
注入媒体を利用者に送達するための送達デバイスであって、
利用者に固定されるように適合された使い捨てハウジング部分と、
前記使い捨てハウジング部分と選択的に係合され、また係合を外されるように構成された耐久ハウジング部分であって、前記耐久ハウジング部分を処分することなく前記使い捨てハウジング部分を処分することができる耐久ハウジング部分と、
前記使い捨てハウジング部分により支持されている第1の貯蔵容器であって、第1の流体媒体を入れるための内部および前記貯蔵容器の軸方向にそって前記貯蔵容器の内部内で移動可能な、プランジャを有する第1の貯蔵容器と、
内部容積を有する膨張可能構造であって、前記使い捨てハウジング部分および前記耐久ハウジング部分が係合されたときに、前記膨張可能構造が膨張するにつれて前記プランジャと係合して前記プランジャを移動するための端部を有する膨張可能構造と、
前記膨張可能構造を膨張させるための第2の流体媒体を入れる、前記耐久ハウジング部分により支持されている第2の貯蔵容器と、
前記第2の貯蔵容器を前記膨張可能構造の内部容積に結合するための導管と、
前記耐久ハウジング部分により支持されている、前記第1のハウジング部分と前記第2のハウジング部分が係合したときに、前記導管を通じて前記第2の流体媒体を前記第2の貯蔵容器から前記膨張可能構造の内部容積に選択的に搬送し、前記膨張可能構造を選択的に膨張させるための駆動デバイスと、
を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項113】
請求項112に記載の送達デバイスであって、前記駆動デバイスは、蠕動駆動デバイスを備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項114】
請求項113に記載の送達デバイスであって、前記蠕動駆動デバイスは、ローターが回転すると前記導管の第1の長さ分と接触するように配設されている複数の接触ローラーまたはパッドを有する前記回転可能ローターを備え、支持面が、前記導管の少なくとも第1の長さ分を支持するように前記耐久ハウジング部分上に設けられていることを特徴とする送達デバイス。
【請求項115】
請求項114に記載の送達デバイスであって、前記支持面は、曲面を含むことを特徴とする送達デバイス。
【請求項116】
請求項112に記載の送達デバイスであって、前記駆動デバイスは、流体ポンプを備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項117】
請求項114に記載の送達デバイスであって、前記駆動デバイスは、さらに、前記回転可能ローターを回転するために動作的に結合されているモータを備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項118】
請求項117に記載の送達デバイスであって、さらに、前記モータおよび前記回転可能ローターに結合され、駆動力を前記モータから前記回転可能ローターに伝えるリンク構造を備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項119】
請求項112に記載の送達デバイスであって、前記駆動デバイスは、ローターが回転すると前記導管の第1の長さ分と接触するように配設されている複数の接触ローラーまたはパッドを有する前記回転可能ローターと前記回転可能ローターを回転させるために動作可能のように結合されているモータとを備え、支持面は、前記導管の少なくとも第1の長さ分を支持するように前記耐久ハウジング部分上に設けられていることを特徴とする送達デバイス。
【請求項120】
請求項112に記載の送達デバイスであって、前記駆動デバイスは、ローターが曲率半径にそって回転すると前記導管の第1の長さ分と接触するように配設されている複数の接触ローラーまたはパッドを有する前記回転可能ローターを備え、曲面が、前記導管の少なくとも第1の長さ分を支持するように前記耐久ハウジング部分上に設けられ、前記曲面は前記ローターのローラーまたはパッドの曲率半径に近い曲率半径を有することを特徴とする送達デバイス。
【請求項121】
請求項120に記載の送達デバイスであって、前記駆動デバイスは、さらに、前記回転可能ローターを回転するために動作的に結合されているモータを備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項122】
請求項112に記載の送達デバイスであって、前記膨張可能構造は、ベローズ構造を含むことを特徴とする送達デバイス。
【請求項123】
請求項112に記載の送達デバイスであって、前記駆動デバイスは、流体ポンプを備えることを特徴とする送達デバイス。
【請求項124】
注入媒体を利用者に送達するための送達デバイスを製作する方法であって、
利用者に固定されるように適合された第1のハウジング部分を設けるステップと、
前記第1のハウジング部分と選択的に係合され、また係合を外されるように構成された第2のハウジング部分であって、前記第2のハウジング部分を処分することなく前記第1のハウジング部分を処分することができる第2のハウジング部分を設けるステップと、
第1の流体媒体を入れられる内部を有する第1の貯蔵容器を、前記第1のハウジング部分上で支持するステップと、
前記貯蔵容器の内部内にある、前記貯蔵容器の軸方向にそって移動可能なプランジャを配設するステップと、
膨張可能構造の端部を、前記第1のハウジング部分および前記第2のハウジング部分が係合されたときに、前記プランジャを係合し、前記膨張可能構造が膨張するとともに前記プランジャを移動するように配設するステップと、
前記膨張可能構造を膨張させるための第2の流体媒体を入れるため、前記第2のハウジング部分上で第2の貯蔵容器を支持するステップと、
導管を前記第2の貯蔵容器および前記膨張可能構造の内部容積に対し流体の流れが連絡するように結合するステップと、
駆動デバイスを動作的に結合し、前記第1のハウジング部分と前記第2のハウジング部分が係合したときに、前記導管を通じて前記第2の流体媒体を前記第2の貯蔵容器から前記膨張可能構造の内部容積に選択的に搬送し、前記膨張可能構造を選択的に膨張させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項125】
請求項124に記載の方法であって、駆動デバイスを動作的に結合することは、蠕動駆動デバイスを動作的に前記導管に結合することを含むことを特徴とする方法。
【請求項126】
請求項124に記載の方法であって、駆動デバイスを動作的に結合するステップは、回転するように回転可能ローターを支持することと、前記第1および第2のハウジング部分が係合されたときにローターが回転すると前記導管の第1の長さ分と接触するように複数の接触ローラーまたはパッドを有する前記回転可能ローターを配設することを含むことを特徴とする方法。
【請求項127】
請求項126に記載の方法であって、さらに、導管の前記第1の長さ分を支持する支持面を設けるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項128】
請求項127に記載の方法であって、前記支持面は、湾曲していることを特徴とする方法。
【請求項129】
請求項126に記載の方法であって、駆動デバイスを動作的に結合するステップは、さらに、前記回転可能ローターを回転させるためにモータを動作的に結合することを含むことを特徴とする方法。
【請求項130】
請求項129に記載の方法であって、モータを動作的に結合するステップは、リンク構造を前記モータおよび前記回転可能ローターに結合して、駆動力を前記モータから前記回転可能ローターに伝えることを含むことを特徴とする方法。
【請求項131】
請求項130に記載の方法であって、前記支持面は、湾曲していることを特徴とする方法。
【請求項132】
請求項124に記載の方法であって、駆動デバイスを動作的に結合するステップは、
回転するように回転可能ローターを支持することと、前記ローターが曲率半径にそって前記ローターが回転すると前記導管の第1の長さ分と接触するように配設されている複数の接触ローラーまたはパッドを有することと、
前記導管の少なくとも前記第1の長さ分を前記第1のハウジング部分の表面上で支持すること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項133】
請求項132に記載の方法であって、前記導管の少なくとも前記第1の長さ分を支持することは、前記導管の前記第1の長さ分を支持するように曲面を配設することと、前記曲面が前記ローターのローラーまたはパッドの曲率半径に近い曲率半径を有することとを含むことを特徴とする方法。
【請求項134】
請求項133に記載の方法であって、前記膨張可能構造は、ベローズ構造を含むことを特徴とする方法。
【請求項135】
請求項124に記載の方法であって、前記膨張可能構造は、ベローズ構造を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16a】
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【図16b】
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【図16c】
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【図16d】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公表番号】特表2010−501283(P2010−501283A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525749(P2009−525749)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/076474
【国際公開番号】WO2008/024814
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(595038051)メドトロニック ミニメド インコーポレイテッド (71)
【Fターム(参考)】