説明

貯遊技媒体管理システム及び貯遊技媒体管理方法

【課題】第三者管理センタが貯遊技媒体補償を行なう際の負担を軽減することを課題とする。
【解決手段】T/C100は、T/C100と第三者管理センタ200間がオフライン状態であると判定した場合には、オンライン時用に設定されている手入力貯玉許可数をオフライン時用の手入力貯玉許可数として更新し、この更新された手入力貯玉許可数と各会員が所有する貯玉数(貯玉残高)とにより、手入力貯玉上限値を算出し、この算出結果を各会員の手入力貯玉上限値として設定し、この手入力貯玉上限値を超えない範囲内での『手入力貯玉』のみを許容する手入力貯玉制限を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技客(会員)によって預け入れられた遊技媒体(パチンコ玉やメダル)数を貯遊技媒体データ(貯玉残高/貯メダル残高)として管理する管理装置と、遊技店の店員の手入力操作を通じて受け付けた遊技媒体数を貯遊技媒体データに加算するように依頼する手入力貯遊技媒体受付端末と、この管理装置によって管理された貯遊技媒体データを統括的に管理する第三者管理センタとを備えた貯遊技媒体管理システム及び貯遊技媒体管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ玉やメダルなどの遊技媒体を遊技機に投入して遊技を行なうパチンコ機やスロットマシンなどの遊技機が知られている。これら遊技機を設置した遊技店においては、プリペイドカード或いは、会員カードなどの各種記録媒体が使用されることが多い。
【0003】
かかる遊技店では、会員カードを所定の会員登録を行なった遊技客に対して発行し、この会員カードの識別情報(例えば、会員IDなど)に関連付けて、例えば、パチンコ機での遊技を終了した際に獲得したパチンコ玉の数量情報(貯玉データ)を登録するシステム、いわゆる貯玉管理システムが構築されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
このような貯玉管理システムでは、ターミナルコントローラと称される会員管理装置(以下、「T/C」と言う)で各会員が所有する会員カードに対応付けて記憶した貯玉データ(貯玉残高)を管理するとともに、かかるT/Cから公正な第三者が管理する第三者管理センタに貯玉データを送信し、第三者管理センタでは、遊技店のT/Cから送信された貯玉データを統括的に管理する構成としている。
【0005】
また、第三者管理センタは、遊技店のT/Cから送信される貯玉データを統括的に管理する責務があるため、仮に遊技店が倒産した場合などでは、この遊技店に代わって、各会員が所有する貯玉数(貯玉残高)を有価価値として補償することとなる。
【0006】
そして、このような貯玉管理システムによれば、会員は貯玉として預け入れた貯玉数の範囲内で、再プレイ玉貸機を使用した再プレイなどにより再遊技を行なったり、景品交換により煙草などの景品や特殊景品を購入したりすることができる。
【0007】
ここで、かかる貯玉データに対する加算登録は、T/Cに接続される計数機や景品管理機などの店内機器からの貯玉加算依頼を受け付けて行っている。例えば、島端に配設される計数機では、遊技客が獲得した遊技媒体を計数し、また、景品カウンタに配設される景品管理機では、計数機にて発行された計数情報記録媒体(例えば、計数情報がバーコード印字された計数レシート)から計数結果を読み取り、その後、これら両者は、その計数結果の全部または一部及び会員カードの会員IDを含む貯玉加算依頼をT/Cを行い、この貯玉加算依頼を受け付けたT/Cにて貯玉データに加算依頼分の遊技媒体数が加算される。なお、かかる景品管理機にて計数レシートにバーコード印字された計数情報を読み取れないケースには、計数レートにおいて計数情報のバーコード印字とともに活字印字される計数結果を遊技店の店員の手入力操作を通じて受け付けることにより、貯玉加算依頼をT/Cに行っている。
【0008】
【特許文献1】特開平11−276698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記した従来の貯玉管理システムにおいて、T/Cと第三者管理センタ間の通信がオフライン状態となった場合には、『手入力貯玉』を悪用した不正行為が集中的に行われる余地があり、第三者管理センタが貯玉補償を行なう際の負担が増大するという問題がある。
【0010】
これを具体的に説明すると、従来の貯玉管理システムにおいて、会員個々が1日に貯玉できる貯玉数の上限はT/Cにより貯玉上限値として設定されているため、会員は、貯玉を行なう場合、この設定されている貯玉上限値まで貯玉を行なうことができる。このため、たとえ遊技店による意図的な不正行為(通信回線の断線など)により、T/Cと第三者管理センタ間の通信がオフライン状態となった場合にでも、『手入力貯玉』は通常時(オンライン時)と同様の貯玉上限値まで加算できる。
【0011】
このため、倒産間際の遊技店を運営する管理者などの不正者は、貯玉データに対する不正監視を含む統括管理を行う第三者管理センタとの通信を故意に断絶させた後に「手入力貯玉」を集中的に行うことにより架空口座の貯玉データを水増しし、倒産後にその架空口座の貯玉データに対する貯玉補償を第三者を介在させて甘受する不正行為を行っている。したがって、T/Cと第三者管理センタ間のオフライン状態が長期間継続するほど、第三者管理センタが貯玉補償を行なう際の負担は極めて甚大なものとなる。なお、かかる課題は、貯玉を管理する貯玉管理システムだけではなく、貯メダルを管理する貯メダル管理システムを含む広い貯遊技媒体管理システムに同様に生ずる課題である。
【0012】
そこで、本発明は、上述した従来技術による課題(問題点)を解消するためになされたものであり、T/Cと第三者管理センタ間の通信がオフライン状態となった場合に、オフライン時用の手入力貯遊技媒体上限値に基づいた手入力貯遊技媒体制限を行なうことにより、第三者管理センタが貯遊技媒体補償を行なう際の負担を軽減することができる貯遊技媒体管理システム及び貯遊技媒体管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1の発明に係る貯遊技媒体管理システムは、遊技客によって預け入れられた遊技媒体数を貯遊技媒体データとして管理する管理装置と、遊技店の店員の手入力操作を通じて受け付けた遊技媒体数を前記貯遊技媒体データに加算するように依頼する手入力貯遊技媒体受付端末と、当該管理装置によって管理された貯遊技媒体データを統括的に管理する第三者管理センタとを備えた貯遊技媒体管理システムであって、前記管理装置は、前記遊技客の識別番号に対応付けて貯遊技媒体データを記憶する貯遊技媒体データ記憶手段と、前記遊技客が所有する貯遊技媒体数に前記手入力操作による貯遊技媒体加算依頼を通じて加算できる手入力貯遊技媒体許可数を記憶する手入力貯遊技媒体許可数記憶手段と、前記第三者管理センタとの間での通信が可能であるかを判定する通信状況判定手段と、前記通信状況判定手段により第三者管理センタとの間での通信が不可であると判定された場合に、前記手入力貯遊技媒体許可数記憶手段に記憶された手入力貯遊技媒体許可数を更新する手入力貯遊技媒体許可数更新手段と、前記手入力貯遊技媒体許可数更新手段により更新された手入力貯遊技媒体許可数と前記貯遊技媒体データ記憶手段に記憶された遊技客の貯遊技媒体データとを加算し、当該遊技客の手入力貯遊技媒体上限値として設定するとともに、当該手入力貯遊技媒体上限値の範囲内で、前記手入力操作による貯遊技媒体加算の制限を行なう手入力貯遊技媒体制限手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項2の発明に係る貯遊技媒体管理システムは、上記の発明において、前記管理装置は、前記通信状況判定手段が判定した前記管理装置と第三者管理センタとの通信不可状況を貯遊技媒体データの未送信履歴情報として記憶する未送信履歴記憶手段をさらに備え、前記手入力貯遊技媒体許可数更新手段は、前記未送信履歴記憶手段に記憶された未送信履歴情報に応じて、前記手入力貯遊技媒体許可数記憶手段に記憶された手入力貯遊技媒体許可数を段階的に徐々に減算する更新を行なうことを特徴とする。
【0015】
また、請求項3の発明に係る貯遊技媒体管理システムは、上記の発明において、前記管理装置は、前記管理装置を設けた遊技店のカード管理装置からカード管理センタにカードデータが送信されたことを判定するカードデータ判定手段と、前記カードデータ判定手段の判定により、前記カード管理装置から前記カード管理センタにカードデータが送信されたことが判定された場合に、前記手入力貯遊技媒体制限手段による貯遊技媒体制限を解除する手入力貯遊技媒体制限解除手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項4の発明に係る貯遊技媒体管理方法は、遊技客によって預け入れられた遊技媒体数を貯遊技媒体データとして管理する管理装置と、遊技店の店員の手入力操作を通じて受け付けた遊技媒体数を前記貯遊技媒体データに加算するように依頼する手入力貯遊技媒体受付端末と、当該管理装置によって管理された貯遊技媒体データを統括的に管理する第三者管理センタとを備えた貯遊技媒体管理システムの貯遊技媒体管理方法であって、前記遊技客の識別番号に対応付けて貯遊技媒体データを貯遊技媒体データ記憶手段に格納する貯遊技媒体データ格納工程と、前記遊技客が所有する貯遊技媒体数に前記手入力操作による貯遊技媒体加算依頼を通じて加算できる手入力貯遊技媒体許可数を手入力貯遊技媒体許可数記憶手段に格納する手入力貯遊技媒体許可数格納工程と、前記第三者管理センタとの間での通信が可能であるかを判定する通信状況判定工程と、前記通信状況判定工程により第三者管理センタとの間での通信が不可であると判定された場合に、前記手入力貯遊技媒体許可数記憶手段に記憶された手入力貯遊技媒体許可数を更新する手入力貯遊技媒体許可数更新工程と、前記手入力貯遊技媒体許可数更新工程により更新された手入力貯遊技媒体許可数と前記貯遊技媒体データ記憶工程に記憶された遊技客の貯遊技媒体データとを加算し、当該遊技客の手入力貯遊技媒体上限値として設定するとともに、当該手入力貯遊技媒体上限値の範囲内で、前記手入力操作による貯遊技媒体加算の制限を行なう手入力貯遊技媒体制限工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、管理装置が、遊技客の識別番号に対応付けて貯遊技媒体データを記憶し、遊技客が所有する貯遊技媒体数に手入力操作による貯遊技媒体加算依頼を通じて加算できる手入力貯遊技媒体許可数を記憶し、第三者管理センタとの間での通信が可能であるかを判定し、第三者管理センタとの間での通信が不可であると判定した場合に手入力貯遊技媒体許可数を更新し、更新した手入力貯遊技媒体許可数と遊技客の貯遊技媒体データとを加算し、当該遊技客の手入力貯遊技媒体上限値として設定するとともに、当該手入力貯遊技媒体上限値の範囲内で、手入力操作による貯遊技媒体加算の制限を行うこととしたので、遊技店による意図的な不正行為によりオフライン状態で『手入力貯遊技媒体』が行なわれたとしても、手入力貯遊技媒体上限値は、通常時(オンライン状態)の設定値よりも、低い設定値(貯遊技媒体上限値)に更新されているため、第三者管理センタが貯遊技媒体補償を行なう際の負担を軽減することが可能な貯遊技媒体管理システム及び貯遊技媒体管理方法が得られるという効果を奏する。また、この手入力貯遊技媒体制限時の手入力貯遊技媒体上限値は、各会員が所有している貯遊技媒体数(貯遊技媒体残高)の変動に応じた手入力貯遊技媒体上限値として設定されるため、会員による貯遊技媒体時の利便性を損なうことのない貯遊技媒体管理を行なうことができる。
【0018】
また、本発明によれば、管理装置が、判定した管理装置と第三者管理センタとの通信不可状況を貯遊技媒体データの未送信履歴情報として記憶し、記憶した未送信履歴情報(通信途絶回数/通信途絶期間)に応じて、手入力貯遊技媒体許可数を段階的に徐々に減算する更新を行なうこととしたので、管理装置と第三者管理センタ間の通信途絶状態(オフライン状態)が長期化する場合でも、第三者管理センタが負担する貯遊技媒体補償に関するリスクを効果的に低減することが可能な貯遊技媒体管理システムが得られるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、管理装置が、管理装置を設けた遊技店のカード管理装置からカード管理センタにカードデータが送信されたことを判定し、カード管理装置からカード管理センタにカードデータが送信されたと判定した場合に、貯遊技媒体制限を解除することとしたので、管理装置と第三者管理センタ間の通信途絶が悪意のある遊技店の意図的な通信途絶ではなく、通信機器の故障などであると判定された場合には、手入力貯遊技媒体制限を解除するので、不正行為を行なっていない遊技店に手入力貯遊技媒体制限による不利益を与えることなく、また、遊技客の利便性を損なうことを防止することが可能な貯遊技媒体管理システムが得られるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る貯遊技媒体管理システムおよび貯遊技媒体管理方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、ここでは、本発明に係る貯遊技媒体管理システムの一例としてパチンコ遊技を対象とした貯玉管理システムを例示し、この貯玉管理システムの概要および特徴を説明し、その後に、実施例1に係る貯玉管理システムの構成を説明し、次に、貯玉管理システムの各種処理手順を説明し、最後に、他の実施例として種々の変形例(実施例2、実施例3、実施例4)を説明することとする。
【実施例1】
【0021】
[貯玉管理システムの概要および特徴]
まず最初に、本実施例1に係る貯玉管理システムの概要および特徴について説明する。図1は、実施例1に係る貯玉管理システムの概要および特徴を説明するための概念図である。同図に示すように、この貯玉管理システムは、遊技客(会員)によって預け入れられた遊技媒体(パチンコ玉やメダル)を貯玉データとして管理する管理装置(以下、ターミナルコントローラ:T/Cと言う)100と、遊技店の店員の手入力操作を通じて受け付けた遊技媒体数を貯玉データに加算するように依頼する景品管理機30と、このT/C100によって管理された貯玉データを統括的に管理する第三者管理センタ200とが通信回線(ネットワーク)300を介して相互に通信可能に接続された構成となる。
【0022】
T/C100は、予め会員として登録された遊技客(以下、「会員」と言う)によって遊技店に預け入れられたパチンコ玉やメダルの個数(数量)を貯玉データ(貯玉残高)として管理する管理装置である。具体的に説明すると、このT/C100は、貯玉管理テーブル131(図3)上で各会員(会員A、会員B〜)が所有する会員カードの会員No.(会員ID:00001〜)に対応付けて、これら各会員の貯玉データ(貯玉残高)を管理する。
【0023】
景品管理機30は、景品カウンタに配設される景品交換管理用の端末であり、景品管理機では、玉計数機40にて発行された計数情報記録媒体(例えば、計数情報がバーコード印字された計数レシート)から計数結果を読み取り、その計数結果の全部または一部及び会員カードの会員IDを含む貯玉加算依頼をT/Cに行う。なお、この景品管理機30では、計数レシートにバーコード印字された計数情報を読み取れないケースには、計数レートにおいて計数情報のバーコード印字とともに活字印字される計数結果を遊技店の店員の手入力操作を通じて受け付けた貯玉加算依頼(以下、これを『手入力貯玉』と言う)をT/Cに行っている。
【0024】
第三者管理センタ200は、公正な第三者が管理する管理機構であり、遊技店に設置されたT/C100から送信される貯玉データを収集するとともに、この収集した遊技店の貯玉データを統括的に管理する。
【0025】
ここで、本実施例1に係る貯玉管理システムは、T/C100によりT/C100から第三者管理センタ200に対する貯玉データの送信が可能か否かを判定し、通信回線300の断線などにより貯玉データの送信が不可(オフライン状態)であると判定した場合に、このオフライン時には、手入力貯玉上限値を通常時(オンライン状態)の設定値よりも低い値とする更新処理を行なうとともに、この更新された手入力貯玉上限値に基づいて、手入力貯玉制限を行なうことに特徴がある。
【0026】
具体的に説明すると、T/C100は、T/C100と第三者管理センタ200間がオフライン状態であると判定した場合には、オンライン時と同様の手入力貯玉上限値を用いて貯玉管理を行なうのではなく、このオンライン時の手入力貯玉許可数(例えば、3000個)を更新するとともに(例えば、2000個に減算)、この新たに設定した手入力貯玉許可数と各会員が所有する貯玉数(貯玉残高)とにより、手入力貯玉上限値を算出し、この算出した貯玉数を各会員の手入力貯玉上限値として設定する。そして、この設定した手入力貯玉上限値を超えない範囲内で手入力貯玉制限を自動的に運用する構成としている。
【0027】
図1に示す概要図で説明すると、T/C100と第三者管理センタ200間が通信回線300の断線などによりオフライン状態となった場合、手入力貯玉許可数テーブル132上に記憶されている通常時の手入力貯玉許可数(3000個)がオフライン時用の手入力貯玉許可数(2000個)として更新される。以降、この手入力貯玉許可数(2000個)がオフライン時用の手入力貯玉許可数の設定値として使用される。
【0028】
ここで、本発明では、オフライン時に不正の温床となりやすい「手入力貯玉」に着眼しているため、ここで景品管理機30からT/C100に対して行う貯玉加算依頼は手入力操作に焦点を絞って説明する。例えば、景品管理機30にて会員Aが「手入力貯玉」を行う場合(すなわち、計数レシートにバーコード印字された計数情報を読み取れないケースの他、不正者が手入力貯玉を行うケースも含まれる)に、景品管理機30では、計数レシートにおいて計数情報のバーコード印字とともに活字印字される計数結果を目視した遊技店の店員の手入力操作を通じて、貯玉加算を依頼するパチンコ玉数を受け付け、該受け付けた加算依頼玉数ならびに会員カードから読み取った会員IDを含む「手入力貯玉リクエスト信号」をT/C100に送信する。
【0029】
一方、T/C100は、景品管理機30から送信された「手入力貯玉リクエスト信号」に基づいて、会員Aの手入力貯玉上限値を算出する。この会員A(会員ID「0001」)の場合、貯玉管理テーブル131により現在の貯玉残高(貯玉データ)が4000個であるので、手入力貯玉上限値は、貯玉残高に手入力貯玉許可数を加算した値である6000個(4000個+2000個=6000個)となり、会員Aの場合には、この手入力貯玉上限値の6000個までの範囲で『手入力貯玉』が可能となる。この手入力貯玉上限値は、手入力貯玉制限管理テーブル133で作成され、会員の会員ID(「0001」)に対応付けて記憶される。
【0030】
ここで、例えば、この時の景品管理機30による加算依頼玉数が2500個であった場合、貯玉の総数は、手入力貯玉上限値を超えるため(手入力貯玉上限値6000個<4000個+2500個=6500個)、T/C100は、景品管理機30に対して、手入力貯玉制限信号を送信する。
【0031】
景品管理機30は、T/C100から手入力貯玉制限信号が送信された場合には、新たに設定された手入力貯玉上限値を超える手入力貯玉ができない状態となる。すなわち、T/C100から手入力貯玉制限が指示された景品管理機30は、表示部に手入力貯玉制限により新たに設定された手入力貯玉上限値を超える手入力貯玉を不可とする旨のガイダンス(例えば、「本日は、手入力の場合、2000個までの貯玉が可能です。」など)を表示する。
【0032】
したがって、本実施例1の貯玉管理システムでは、T/C100により、T/C100と第三者管理センタ200間がオフライン状態であると判定した場合には、オンライン時用に設定されている手入力貯玉許可数をオフライン時用の手入力貯玉許可数として更新するとともに、この更新された手入力貯玉許可数と各会員が所有する貯玉数(貯玉残高)とに基づいて、手入力貯玉上限値を算出し、この算出された貯玉数を各会員の手入力貯玉上限値として設定し、この設定した手入力貯玉上限値を超えない範囲内で手入力貯玉制限を自動的に運用する構成としたので、オフライン時には、従来の貯玉上限値よりも低い値に設定された手入力貯玉上限値に基づいて、手入力貯玉制限が行なわれるため、遊技店による通信回線の断線などの不正行為により、T/C100から第三者管理センタ200への貯玉データの送信が不可となった場合でも、第三者管理センタ200が貯玉補償を行なう際の負担を軽減することができる。
【0033】
[T/C100および第三者管理センタ200の構成]
次に、図2を参照して、ターミナルコントローラ(T/C)100および第三者管理センタ200の構成を説明する。図2は、図1に示したT/C100および第三者管理センタ200の構成を示す機能ブロック図である。
【0034】
図2に示すように、T/C100は、遊技客(会員)によって預け入れられた遊技媒体(パチンコ玉やメダル)の数量を貯玉データとして管理する管理装置であり、表示部110と、表示制御部111と、制御部120と、記憶部130と、入力部140と、出力部150と、通信制御IF部160とを有する。
【0035】
表示部110は、CRTや液晶ディスプレイ等の表示デバイスであり、この表示部110には、メニュー画面や貯玉管理テーブル131(図3)などの各種管理データなどを一覧として表示することができる。なお、この表示部110は、タッチパネルとして後述する入力部140の機能をも実現するようにしてもよい。また、表示制御部111は、表示部110による表示を制御する処理部である。
【0036】
制御部120は、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、T/C100全体の種々の処理を実行する処理部として、各機能部間の各種データの授受を司る機能を備えている。
【0037】
図2に示すように、この制御部120は、『手入力貯玉』以外の貯玉データの更新処理(加算処理または減算処理)についても行うが、既存のものと同様であるので説明を省略し、以下では、『手入力貯玉』に関連する機能に重点を置いて説明する。
【0038】
この制御部120は、本発明に関連する処理部として、通信状況判定部121と、手入力貯玉上限値更新部122と、手入力貯玉制限判定部123と、手入力貯玉制限通知部124とを有する。なお、実際には、かかる通信状況判定部121、手入力貯玉上限値更新部122、手入力貯玉制限判定部123、手入力貯玉制限通知部124に相当するプログラムをCPU上にロードして実行することになる。
【0039】
通信状況判定部121は、T/C100と第三者管理センタ200とを通信接続している通信回線(ネットワーク)300の途絶(オフライン状態)により、T/C100から第三者管理センタ200に対する貯玉データの送信が未送信となったことを判定する処理部である。この通信状況判定部121によりT/C100から第三者管理センタ200に対する貯玉データの送信が不可(未送信)と判定された場合、この未送信履歴情報は未送信回数Cとして未送信回数記憶部134に記憶される。
【0040】
ここで、遊技店のT/C100から第三者管理センタ200に対して貯玉データを送信するタイミングには、リアルタイムで順次送信するケース、一定時間ごと(例えば1時間ごと)に送信するケース、遊技店の閉店後(例えば、23時)に、その日の貯玉データをまとめて送信するケースとがある。なお、この場合の第三者管理センタ200に送信される貯玉データは、記憶部130の貯玉管理テーブル131(図3)に記憶されている貯玉データが送信される。
【0041】
手入力貯玉上限値更新部122は、通信状況判定部121により、T/C100から第三者管理センタ200に対する貯玉データの送信が不可と判定された場合に、オンライン時用として設定されている手入力貯玉上限値をオフライン時用の手入力貯玉上限値として更新する処理部である。
【0042】
具体的に説明すると、この手入力貯玉上限値更新部122は、手入力貯玉許可数テーブル132(図4)により設定されているオンライン時の手入力貯玉許可数(例えば、3000個)を、オフライン用の手入力貯玉許可数(例えば、2000個に減算)として更新するとともに、この更新された手入力貯玉許可数と貯玉管理テーブル131(図3)に記憶されている各会員が所有する貯玉数(貯玉残高)とを参照することで、手入力貯玉上限値を算出し、この算出された貯玉数を各会員の手入力貯玉上限値として設定する。
【0043】
手入力貯玉制限判定部123は、会員が所有している貯玉データ(貯玉残高)と会員が希望する手入力介在「有り」の貯玉数(例えば、景品管理機30にて計数レシートの代わりに遊技店の店員の手入力操作を通じて受け付けた加算依頼玉数)とから算出される貯玉総数と、当該会員の手入力貯玉上限値とを比較し、手入力貯玉制限を行なうか否かを判定する処理部である。具体的に説明すると、手入力貯玉制限判定部123は、景品管理機30から「手入力貯玉リクエスト信号」を受信した場合に、この「手入力貯玉リクエスト信号」に含まれる会員IDをもとに貯玉管理テーブル131を検索することで、会員が所有している貯玉データ(貯玉残高)を取得するとともに、この貯玉残高と「手入力貯玉リクエスト信号」に含まれる加算依頼玉数とを加算することで、貯玉総数を算出し、この貯玉総数と手入力貯玉上限値とを比較し、貯玉総数が手入力貯玉上限値よりも大きいか否かを判定する。なお、貯玉総数が手入力貯玉上限値よりも大きい場合には、手入力貯玉制限通知部124により手入力貯玉制限が行われることになる。
【0044】
手入力貯玉制限通知部124は、手入力貯玉制限判定部123により貯玉総数が手入力貯玉上限値よりも大きいと判定された場合に、景品管理機30に対して、手入力貯玉制限を指示するための手入力貯玉制限信号を送信する処理部である。
【0045】
記憶部130は、制御部120による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する格納手段(記憶手段)であり、ハードディスク等の二次記憶媒体で構成されている。図2に示すように、この記憶部130には、貯玉管理テーブル131と、手入力貯玉許可数テーブル132と、手入力貯玉制限管理テーブル133と、未送信回数記憶部134とを少なくとも有する。
【0046】
[貯玉管理テーブル131の構成]
図3は、貯玉管理テーブル131の一例を示している。同図に示すように、貯玉管理テーブル131は、各会員の貯玉データを含む会員情報を管理するテーブルである。すなわち、同図に示すように、貯玉管理テーブル131は、遊技客を会員として特定する会員名(会員A、会員B、会員C〜)および会員No.(会員ID)に対応付けて、この会員が所有する貯玉データ(貯玉残数)を記憶している。
【0047】
具体的に説明すると、図3に示す貯玉管理テーブル131において、会員Aは、会員ID「0001」に対応付けて、この会員Aが所有する貯玉データ(4000個)を、会員Bは、会員ID「0002」に対応付けて、この会員Bが所有する貯玉データ(3000個)をそれぞれ対応付けて記憶している。なお、この貯玉管理テーブル131に記憶されている貯玉データは、会員(会員A、会員B、会員C〜)が玉計数機40により計数(貯玉操作)を行なう都度、更新(加算)された貯玉データが記憶され、また、景品管理機30や会員カード端末機60により会員または店員が貯玉操作(『手入力貯玉』も含む)を行なう都度、この会員の会員IDに対応付けて記憶された貯玉データが更新(加算または減算)され、更新された貯玉データが記憶される。
【0048】
また、この貯玉管理テーブル131に記憶されている各会員の貯玉データは、表示部110(図2)を利用して一覧として、表示することができ、この一覧表示により、各会員の貯玉データ(貯玉残数)を目視により把握することができる。
【0049】
[手入力貯玉許可数テーブル132の構成]
図4は、手入力貯玉許可数テーブル132の一例を示している。同図に示すように、手入力貯玉許可数テーブル132は、T/C100と第三者管理センタ200間の通信が途絶していない通常時(オンライン時)に『手入力貯玉』を許容する玉数と、T/C100と第三者管理センタ200間の通信が途絶した時(オフライン時)に『手入力貯玉』を許容する玉数とが設定され記憶されているテーブルである。
【0050】
図4に示す手入力貯玉許可数テーブル132では、通常時(オンライン時)は3000個、オフライン時は、2000個に設定された手入力貯玉許可数が記憶されている。このように、通常時(オンライン時)の手入力貯玉許可数よりもT/C100と第三者管理センタ200間の通信接続が途絶した時(オフライン時)の手入力貯玉許可数を低くすることで、たとえオフライン時に『手入力貯玉』を用いて架空口座の貯玉データを水増しする不正行為が行われても被害を最小限に抑え、第三者管理センタが貯玉補償を行なう際の負担を軽減することができるようにしている。
【0051】
[手入力貯玉制限管理テーブル133の構成]
図5は、手入力貯玉制限管理テーブル133の一例を示している。同図に示すように、手入力貯玉制限管理テーブル133は、遊技店の店員による加算依頼玉数の手入力操作を伴う貯玉加算要求(貯玉リクエスト)が行われた場合(例えば景品管理機30での『手入力貯玉』)に、この会員の会員No.(会員ID)に対応付けて記憶された貯玉データ(貯玉残高)とオフライン時用として設定された手入力貯玉許可数とが記憶されるとともに、これら貯玉残高と手入力貯玉許可数とから算出された手入力貯玉上限値が記憶されるテーブルである。
【0052】
具体的に説明すると、図5に示す手入力貯玉制限管理テーブル133では、会員IDが「0001」の会員に対応付けて、この会員が所有する貯玉残高(4000個)と、オフライン時用の手入力貯玉制限により更新された手入力貯玉許可数(2000個)と、これら貯玉残高及び手入力貯玉許可数との合算値、すなわち手入力貯玉上限値である6000個(4000個+2000個=6000個)がそれぞれ記憶されている。すなわち、この会員(会員ID「0001」)の場合、T/C100と第三者管理センタ200間がオフライン状態と判定された場合、手入力貯玉上限値の6000個までの範囲で『手入力貯玉』が可能となる。
【0053】
未送信回数記憶部134は、通信状況判定部121によりT/C100から第三者管理センタ200に対する貯玉データの送信が不可(未送信)と判定された場合に、この未送信履歴情報を未送信回数C(1日、2日連続、3日以上連続)として記憶する記憶部である。
【0054】
未送信回数記憶部134は、予め設定された第三者管理センタ200に対する貯玉データの送信開始時刻(例えば23時)に遊技店のT/C100から第三者管理センタ200に貯玉データが送信できない場合に、その都度、この未送信回数Cは更新(累積)されて記憶される。ここで、本実施例1では、未送信履歴情報を貯玉データの未送信回数としているが、貯玉データが未送信となっている期間(例えば、9月○日〜9月×日)を記憶するようにしてもよい。
【0055】
図2に戻り、入力部140は、各種の情報を入力するキーボード、マウス及びトラックボールなどの入力デバイスであり、主として遊技店の管理者により使用され、この入力部140を用いた入力により、各種の設定値などを適時変更することができる。
【0056】
出力部150は、プリンタなどの印刷装置であり、この出力部150により表示部110に表示されるメニュー画面や各種の管理データや収集したデータ(例えば、貯玉管理テーブル131)の内容を一覧として印刷することができる。
【0057】
通信制御IF部160は、第三者管理センタ200と通信回線300との間での各種データ通信の制御を行なうためのインターフェース部であり、この通信制御IF部160により、第三者管理センタ200に対して、貯玉データを送信することができる。
【0058】
第三者管理センタ200は、遊技店に備えたT/C100によって管理される貯玉データを統括的に管理する装置を備えた機関である。このため、同図に示すように、第三者管理センタ200は、第三者管理センタ200の全体制御を行なう処理部として機能する制御部210と、遊技店のT/C100から送信される貯玉データを記憶する記憶部220と、T/C100と通信回線300との間で各種通信の制御を行なう通信制御IF部230とを有する。
【0059】
[貯玉管理システムの構成]
次に、本実施例1に係る貯玉管理システムが適用される遊技店の構成を詳細に説明する。図6は、実施例1における遊技店(ホール)の内部を示す構成図である。同図に示すように、本実施例1の貯玉管理システムにおいて、遊技店の内部には、それぞれ「島」と呼ばれるグループごとに複数のパチンコ機21およびカード処理機22が並設してあるとともに、各島内の管理を行なう島コントローラ20と、この島コントローラ20から各種のデータが送信されるT/C100とにより構成されている。
【0060】
前述したように、本実施例1において、T/C100は、会員によって遊技店に預け入れられたパチンコ玉やメダルの個数(数量)を貯玉データ(貯玉残高)として管理する機能を備えている。
【0061】
また、上述のように構成される遊技店内の所定の位置には、貯玉管理システムを構成する貯玉データに対する更新処理を実行する装置として複数の端末機が適宜設けられている。図6では、このような端末機として、景品管理機30と、景品払出機31と、玉計数機40と、再プレイ玉貸機50と、会員カード端末機60とが設置されている状態を示している。
【0062】
上述したパチンコ機21、カード処理機22および各端末機(景品管理機30、カード発行機32、カード精算機33、玉計数機40、再プレイ玉貸機50、会員カード端末機60・・)は、各島に設けた島コントローラ20を通じてT/C100の制御下にある。
【0063】
パチンコ機21は、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技客が遊技を行なう装置である。カード処理機22は、遊技店に設置された複数のパチンコ機21の相互間に挟まれる形で設置してあり、会員カードや一般カード(プリペイドカード)に関連付けられた度数を上限とするパチンコ玉の貸し出し処理、並びに会員カードおよび一般カードに関連付けられた各度数に対する加算処理を行なう機能を備えている。
【0064】
カード発行機32は、遊技客により投入された有価価値(金額)に応じて、その金額分の一般カード(プリペイドカード)の発行処理、並びに会員カードおよび一般カードに関連付けられたそれぞれの度数に対する加算処理を行なう機能を備えている。カード精算機33は、遊技客(会員)が挿入した一般カード(プリペイドカード)や会員カードに価値付けられた有価価値の残金を精算する機能を備えている。
【0065】
景品管理機30は、大型の液晶表示部、テンキー入力部などを有する景品管理業務を行なう端末装置であり、遊技客(会員)が獲得した玉数(メダル数)の交換対象とする景品の種類を景品種別データとして収集することにより会員に提供する景品の種類や景品の仕入れ数量(在庫管理)の管理を行なう機能を備えている。
【0066】
この景品管理機30は、会員カードの読み取りと暗証番号の入力、玉数の入力(計数レシートの読み取りや玉数の手入力操作)を受け付けて預入処理を行なうと、入力された玉数が貯玉データとして預け入れられ、この時に、T/C100の貯玉データが貯玉管理テーブル131(図3)上で更新(加算)される。
【0067】
また、この景品管理機30は、前述したように、T/C100から手入力貯玉制限信号が送信された場合には、表示部に手入力貯玉制限により新たに設定された手入力貯玉上限値を超える貯玉を不可とする旨のガイダンス(例えば、「本日は、手入力の場合、2000個までの貯玉が可能です。」など)を表示し、この手入力貯玉上限値を超える『手入力貯玉』ができない状態となる。
【0068】
景品払出機31は、遊技客が景品交換を行なう場合に、実際に景品を払い出す装置である。この場合、T/C100の貯玉データが更新(減算)されるとともに、この減算された玉数に対応する価値の景品交換が行われる。
【0069】
玉計数機40は、遊技客(会員)が獲得したパチンコ玉の計数を行ない、計数結果をバーコード印字した計数レシートや計数結果を記録したその他の記録媒体を発行する機能を備えている。この玉計数機40は、遊技客(会員)或いは係員が投入した獲得玉を計数した際に、会員カードを読み取って貯玉とする預入処理を行なうと、計数値分の玉が貯玉データとして預け入れられ、この時、T/C100の貯玉管理テーブル131(図3)上で貯玉データの更新(加算)が行なわれる。
【0070】
再プレイ玉貸機50は、会員が所有する貯玉に基づいて、パチンコ玉(メダル)の貸し出しを行なう機能を備えている。再プレイ玉貸機50では、会員カードの読み取りと暗証番号の入力を受け付けて再プレイ処理を行なうと、T/C100の貯玉データが更新(減算)されるとともに、対応する個数のパチンコ玉が払い出される。
【0071】
会員カード端末機60は、会員カードの挿入とともに、会員による暗証番号の入力、貯玉として希望する玉数の入力を受け付けて預入処理が行なわれた場合に、入力された玉数を貯玉データとして預け入れる機能を有している。また、この会員カード端末機60を利用した引き落としによる景品交換を行なう機能を備えている。
【0072】
[貯玉管理システムによる各種処理手順]
次に、本実施例1に係る貯玉管理システムの各種処理手順を説明する。図7及び図8は、実施例1に係る貯玉管理システムの貯玉管理手順を示すフローチャートである。このうち、図7は、T/C100によるT/C100と第三者管理センタ200間の通信接続が途絶した時(オフライン時)の処理手順を示している。
【0073】
図7に示すように、先ず、T/C100は、T/C100から第三者管理センタ200に対して、貯玉データの送信が可能であるか否かの判定を行なう(ステップS110)。そして、このステップS110による判定により、貯玉データが送信可であると判定された場合には(ステップS110肯定)、T/C100から第三者管理センタ200に貯玉データを送信して(ステップS120)、処理を終了する。この場合、貯玉管理テーブル131(図3)に記憶されている貯玉データが第三者管理センタ200に送信される。
【0074】
一方、ステップS110による判定により、貯玉データが送信不可(オフライン状態)であると判定された場合には(ステップS110否定)、貯玉許可数テーブル132(図4)をオフライン時に設定して、処理を終了する(ステップS130)。すなわち、このT/C100による手入力貯玉許可数の更新処理により、手入力貯玉許可数テーブル132の手入力貯玉許可数は、通常時(オンライン時)の3000個からオフライン時の2000個に更新されることとなる。
【0075】
[T/C100と玉計数機40間での処理手順]
次に、図8を参照して、T/C100及び景品管理機30間で行なう貯玉管理制御シーケンスを説明する。なお、この図8に示す制御シーケンスでは、一例として、景品管理機30にて計数レシートにバーコード印字された計数情報を読み取れない場合などに会員Aが『手入力貯玉』を行うケースを説明する。
【0076】
図8に示すように、先ず、景品管理機30は、挿入された会員カードの会員IDを読み取り(ステップS201)、遊技店の店員の手入力操作を通じて計数レシートに活字印字された計数結果などの加算依頼玉数を受け付け(ステップS202)、該受け付けた加算依頼玉数ならびに会員カードから読み取った会員IDを含む「手入力貯玉リクエスト信号」をT/C100に送信する(ステップS203)。以下の説明では、会員カードの会員IDを「0001」として、景品管理機30により加算が依頼された玉数(加算依頼玉数)を2500個として説明する。
【0077】
一方、この「手入力貯玉リクエスト信号」を受信したT/C100は、「手入力貯玉リクエスト信号」に含まれる会員カードの会員IDをもとに、貯玉管理テーブル131(図3)から該当する貯玉残高を読み出す(ステップS204)。本例の場合、会員IDは、「0001」であるため、この会員ID(0001)に対応する貯玉残高は4000個となる。
【0078】
続いて、T/C100では、手入力貯玉許可数テーブル132(図4)に設定されている手入力貯玉許可数の読み出しを行なう(ステップS205)。本例の場合は、オフライン時用として手入力貯玉許可数テーブル132上で更新されている手入力貯玉許可数(2000個)が読み出される。次いで、ステップS204により読み出された貯玉残高と、ステップS205により読み出された手入力貯玉許可数とにより手入力貯玉制限管理テーブル133を作成する(ステップS206)。次いで、手入力貯玉制限管理テーブル133(図5)から手入力貯玉上限値を算出する(ステップS207)。本例の場合、会員ID(0001)の会員が所有する貯玉残高は、4000個であるため、手入力貯玉上限値は、この貯玉残高(4000個)に手入力貯玉許可数の2000個を加算した数値(4000個+2000個=6000個)となる。
【0079】
その後、T/C100は、この貯玉総数と手入力貯玉上限値とを比較し、貯玉総数が手入力貯玉上限値よりも大きいか否かを判定する(ステップS208)。ここで、本例の場合、景品管理機30から受信した加算依頼玉数は、2500個であるので、貯玉総数は6500個となる(4000個+2500個=6500個)。これにより、本例の場合、貯玉総数が手入力貯玉上限値を超えているため(貯玉総数6500個>手入力貯玉上限値6000個)、T/C100から景品管理機30に対して「手入力貯玉制限信号」が送信される。
【0080】
このとき、貯玉総数が手入力貯玉上限値よりも大きい場合(ステップS208肯定)には、T/C100は、景品管理機30に対して「手入力貯玉制限信号」を送信し(ステップS209)、また、貯玉総数が手入力貯玉上限値以下である場合(ステップS208否定)には、貯玉管理テーブル131における該当貯玉データに加算依頼玉数を加算登録し(ステップS210)、景品管理機30に対して「加算完了応答信号」を送信する(ステップS211)。
【0081】
一方、景品管理機30では、T/C100から「加算完了応答信号」を受信した場合(ステップS212肯定)には、所定の表示部にて加算完了報知を行い(ステップS213)、また、T/C100から「手入力貯玉制限信号」を受信した場合(ステップS212否定)には、この「手入力貯玉制限信号」に基づく、手入力貯玉制限に従って制御を行なう(ステップS214)。具体的に説明すると、「手入力貯玉制限信号」を受信した時には、景品管理機30の表示部には、T/C100の手入力貯玉制限により新たに設定された手入力貯玉上限値を超える『手入力貯玉』を不可とする旨のガイダンス(例えば、「本日は、手入力の場合、2000個までの貯玉が可能です。」など)が表示され、2000個を超える『手入力貯玉』を不可とする手入力貯玉制限が行なわれることとなる。
【0082】
上述してきたように、本実施例1に係る貯玉管理システムによれば、T/C100は、T/C100と第三者管理センタ200間の通信がオフライン状態であると判定した場合には、オンライン時の手入力貯玉許可数をオフライン時の手入力貯玉許可数として更新し、このオフライン時用の手入力貯玉許可数と各会員が所有する貯玉数(貯玉残高)とにより、手入力貯玉上限値を算出し、この算出結果を各会員の手入力貯玉上限値として設定し、この手入力貯玉上限値を超えない範囲内での『手入力貯玉』のみを許容する手入力貯玉制限を行なうように構成したので、T/C100から第三者管理センタ200に貯玉データを送信できないオフライン時には、会員が1日に『手入力貯玉』を実行可能な手入力貯玉上限値は、通常時(オンライン時)の手入力貯玉上限値よりも低い値に設定されているため、遊技店によりT/C100及び第三者管理センタ200間の通信が故意に途絶され、T/C100から第三者管理センタ200への貯玉データの送信が不可能となった場合でも、第三者管理センタ200が貯玉補償を行なう際の負担を軽減することができる。
【実施例2】
【0083】
次に、本実施例2に係る貯玉管理システムについて説明する。すなわち、本実施例2では、オフライン期間(オフライン回数)の長期化にともなって、第三者管理センタ200が負担する貯玉補償のリスクが増えることに着目し、T/C100と第三者管理センタ200との通信途絶回数/期間に応じて、手入力貯玉上限値を段階的に除々に低い値とする手入力貯玉制限を行なうことに特徴がある。具体的には、T/C100から第三者管理センタ200に対する貯玉データの未送信回数(通信の途絶回数)に応じて、手入力貯玉上限値を段階的に除々に低い設定値に更新(減算)する構成としている。
【0084】
このため、本実施例2の場合、オフライン回数に対応する手入力貯玉許可数を設定する手入力貯玉許可数テーブル132aを新たに設ける構成としている。図9は、手入力貯玉許可数テーブル132aの一例を示している。同図に示すように、手入力貯玉許可数テーブル132aは、T/C100と第三者管理センタ200間の通信が途絶した回数(未送信回数:C)に対応付けて、新たに設定した手入力貯玉許可数が記憶されているテーブルである。
【0085】
図9の手入力貯玉許可数テーブル132aに示すように、T/C100から第三者管理センタ200に対する貯玉データの未送信回数Cが0回(通常時)の時、手入力貯玉許可数は「3000個」として設定されている。また、未送信回数Cが1回(オフライン状態が1回)の時、手入力貯玉許可数は「2000個」に、未送信回数Cが2回(オフライン状態が2日連続)の時、手入力貯玉許可数は「1500個」に、未送信回数Cが3回以上継続(オフライン状態が3日以上継続)した時、手入力貯玉許可数は「1000個」にそれぞれ設定されている。
【0086】
以下、図10を参照して、本実施例2に係る貯玉管理処理手順の詳細を説明する。図10は、本実施例2に係るT/C100及び第三者管理センタ200間の通信接続が途絶した時(オフライン時)の処理手順を示している。図10に示すように、先ず、T/C100は、T/C100から第三者管理センタ200に対して、貯玉データの送信が可能であるか否かの判定を行なう(ステップS110)。具体的には、T/C100と第三者管理センタ200との間の通信が途絶状態(オフライン状態)ではなくオンライン状態であるか否かを判定する。そして、この判定により、貯玉データが送信可であると判定された場合には(ステップS110肯定)、T/C100から第三者管理センタ200に貯玉データを送信して処理を終了する。
【0087】
一方、ステップS110の判定により、貯玉データの送信が不可であると判定された場合には(ステップS110否定)、T/C100は、この時の貯玉データの未送信回数(C)を未送信回数記憶部134(図2)に記憶する(ステップS121)。
【0088】
そして、第三者管理センタ200に対する貯玉データの未送信回数(C)が1回であると判定された場合には(ステップS122肯定)、T/C100は、手入力貯玉許可数を手入力貯玉許可数テーブル132aの未送信回数1回に対応する手入力貯玉許可数(通常時の手入力貯玉許可数の2000個)に設定する(ステップS123)。
【0089】
一方、未送信回数(C)が1回でないと判定された場合には(ステップS122否定)、T/C100では、未送信回数(C)が2回となったか否かの判定をさらに行い(ステップS124)、未送信回数(C)が2回となったと判定した場合には(ステップS124肯定)、手入力貯玉許可数を手入力貯玉許可数テーブル132aの未送信回数2回に対応する手入力貯玉許可数(1500個)に設定する(ステップS125)。
【0090】
また、貯玉データの未送信回数(C)が2回でないと判定された場合には(ステップS124否定)、T/C100では、未送信回数(C)が3回以上となったか否かの判定をさらに行い(ステップS125)、未送信回数(C)が3回以上となったと判定した場合には(ステップS125肯定)、手入力貯玉許可数を手入力貯玉許可数テーブル132aの未送信回数3回以上に対応する手入力貯玉許可数(1000個)に設定する(ステップS127)。
【0091】
以上説明したように、本実施例2によれば、T/C100から第三者管理センタ200に対する貯玉データの未送信回数(通信途絶回数の累積回数/通信途絶期間)に応じて、手入力貯玉上限値を段階的に除々に低い設定値に更新(減算)するとともに、この新たに設定した手入力貯玉上限値に基づく手入力貯玉制限を行うように構成したので、T/C100と第三者管理センタ200間のオフライン状態が長期化する場合でも、長期化に応じて、手入力貯玉上限値は段階的に除々に低い値に更新する手入力貯玉制限を行なうため、第三者管理センタが負担する貯玉補償に関するリスクを効果的に低減することができる。
【実施例3】
【0092】
次に、本実施例3に係る貯玉管理システムについて説明する。図11は、本実施例3に係る貯玉管理システムの概要および特徴を説明するための構成図である。ここで、図11の構成図では、遊技店のカード処理機22から送信されるカードデータを管理するカードT/C101と、このカードT/C101と通信回線500により通信接続されるカード管理会社400とで構成されるカードシステムを含む貯玉管理システムを示している。
【0093】
すなわち、上記した実施例1及び2では、T/C100が、T/C100から第三者管理センタ200に対する貯玉データの送信が不可(T/C100と第三者管理センタ200間がオフライン状態)であると判定した場合に、オフライン時用に手入力貯玉上限値を更新し、この手入力貯玉上限値の範囲で貯玉制限を行なうこととしているが、このような通信回線の断線は、遊技店側の意図的なものではなく、ネットワーク不良などによる通信障害や通信機器の不良に起因する場合もある。
【0094】
このため、単に第三者管理センタ200に対する貯玉データの送信不可や送信不可回数を判定条件として、手入力貯玉制限を行なった場合には、実際に不正行為を行なっていない遊技店が手入力貯玉制限による制裁により不利益を被る恐れがある。また、会員にとっても、手入力貯玉制限が行なわれると、このオフライン時の手入力貯玉上限値は、通常時(オンライン時)の手入力貯玉上限値よりも低い値となり、計数レシート読取不能時に『手入力貯玉』を実行できる加算依頼玉数が少なくなるため、利便性を損なうこととなる。このため、本実施例3では、遊技店に設けているカードデータを管理するカードT/C101からカード管理会社400にカードデータが送信されている場合には、遊技店(T/C100)と第三者管理センタとの通信の途絶が意図的なものではないと判定し、この場合には、手入力貯玉制限を解除する構成としたことにその特徴がある。
【0095】
以下、図11を参照して、本実施例3の特徴について説明する。すなわち、図11に示すように、遊技店には、貯玉データを管理するT/C100とは別に、カードT/C101を設けており、このカードT/C101は、遊技店に設置してある複数のカード処理機22から送信されるカードデータ(カードID別の残度数)を収集することで、遊技客のカードデータ(カード残度数)により売上を管理している。また、このようにカードT/C101で管理しているカードデータは、定期的に通信回線500を通じて、このカードT/C101からカード管理会社400に送信する構成となっている。このことから、仮にT/C100と第三者管理センタ200間の通信回線300を断線させて、貯玉データに関する不正を行なう遊技店は、この貯玉データの不正以外にも、カードデータに関する不正を行なうものと推測される。
【0096】
このため、本実施例3においては、貯玉データの管理を行なうT/C100とカードデータの管理を行なうカードT/C101とを通信接続し、T/C100の制御部210によりカード管理会社400にカードT/C101からカードデータが送信されているか否かを判定する。そして、カードT/C101からカード管理会社400にカードデータが送信されたことが判定された場合に、T/C100に対して、手入力貯玉制限を解除する構成としている。
【0097】
すなわち、本実施例3では、T/C100により、遊技店のカードT/C101からカード管理会社400に対して、カードデータが送信されているかの確認を行ない、正常にカード管理会社400に遊技店のカードT/C101からカードデータが送信されていることを条件として、この場合には、貯玉データを管理するT/C100と第三者管理センタ200間の通信途絶が故意によるものでないと判断し、手入力貯玉制限を解除する構成としている。
【0098】
以上説明したように、本実施例3によれば、T/C100は、カードデータの管理を行なうカードT/C101と通信接続されるとともに、T/C100により遊技店のカードT/C101からカード管理会社400にカードデータが送信されたことを判定し、カードT/C101からカード管理会社400にカードデータが送信されたことが判定した場合に、手入力貯玉制限を解除する構成としているので、T/C100と第三者管理センタ200間の通信途絶が悪意のある遊技店の意図的な通信途絶ではなく、通信機器の故障などであると判定された場合には、手入力貯玉制限を解除するので、不正行為を行なっていない遊技店に手入力貯玉制限による不利益を与えることなく、また、遊技客の利便性を損なうことを防止することができる。
【実施例4】
【0099】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0100】
例えば、本発明では、T/C100と第三者管理センタ200間の通信が途絶している際に『手入力貯玉』が行われた場合に、その『手入力貯玉』の履歴を蓄積管理し、この『手入力貯玉』の履歴を特定の相手に通知するようにしてもかまわない。例えば、遊技店のオーナーや管理者に通知することで、通信途絶からの復帰を促すことができ、また、通信回線300以外の他の外部ネットワークを介して第三者管理センタ200が接続されている場合には、第三者管理センタ200の従業員に通知することで、遊技店による不正監視を要する旨を促すことができる。
【0101】
また、上記した実施例3では、カードT/C101からカード管理会社400にカードデータが送信されたか否かにより、T/C100と第三者管理センタ200間の通信途絶が故意に行われたものであるか否かを判別する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一旦通信が途絶してから復帰するまでの途絶期間の長短、或いは、貯玉データの未送信回数の多寡によって判別するようにしてもよい。
【0102】
また、上記した実施例1〜3では、『手入力貯玉』を受け付ける手入力貯玉受付端末として景品管理機30を例示したが、これに限定されるものではなく、たとえばT/C100自体で『手入力貯玉』が行われる場合やその他の端末で『手入力貯玉』が行われる場合にも本発明を同様に適用することができる。
【0103】
また、上記した実施例2では、T/C100と第三者管理センタ200間の通信が故意に途絶されたか否かによって手入力貯玉許可数を段階的に引き下げる例を説明したが、『手入力貯玉』の制限態様を段階的に変化させてもよい。例えば、故意に通信が途絶させられたと判定した場合には『手入力貯玉』を制限し、事故などにより通信が途絶したと判定した場合には『手入力貯玉』の貯玉加算結果の報知のみに留めたりすることで、故意により途絶された場合には『手入力貯玉』の制限を厳しくし、第三者管理センタ200との通信が事故等により途絶された場合には『手入力貯玉』の制限を緩めることができ、第三者管理センタ200との通信を途絶させた遊技店に対して適切な対応措置をとることが可能である。その他、T/C100と第三者管理センタ200間の通信が途絶している場合には、景品管理機30の操作者を管理者のみに限定したり、遊技店内に複数の景品管理機30が存在する場合には作動可能な台数を制限するようにしてもよい。
【0104】
なお、上記した実施例1〜3では、貯玉を管理する貯玉管理システムに本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、貯メダルを管理する貯メダルシステム、或いは、貯玉及び貯メダルを管理する貯玉・貯メダルシステムにも本発明を同様に適用することができる。
【0105】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0106】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0107】
以上のように、本発明に係る貯遊技媒体管理システム及び貯遊技媒体管理方法は、T/Cと第三者管理センタ間の通信がオフライン状態となった場合に、オフライン時用の手入力貯遊技媒体上限値に基づいた手入力貯遊技媒体制限を行なうことにより、第三者管理センタが貯遊技媒体補償を行なう際の負担を軽減することができる貯遊技媒体管理システム及び貯遊技媒体管理方法に適している。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】実施例1に係る貯玉管理システムの概要および特徴を説明するための概念図である。
【図2】図1に示したT/C100および第三者管理センタ200の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】貯玉管理テーブルに記憶される情報の一例を示す図である。
【図4】手入力貯玉許可数テーブルに記憶される情報の一例を示す図である。
【図5】手入力貯玉制限管理テーブルに記憶される情報の一例を示す図である。
【図6】実施例1に係る貯玉管理システムが適用される遊技店の内部を示す概略構成図である。
【図7】実施例1に係るT/Cにおける貯玉管理処理手順を示すフローチャートである。
【図8】実施例1に係るT/C及び景品管理機間で行なう貯玉管理制御シーケンスを説明するシーケンス図である。
【図9】実施例2に係る手入力貯玉許可数テーブルに記憶される情報の一例を示す図である。
【図10】実施例2に係るT/Cにおける貯玉管理処理手順を示すフローチャートである。
【図11】実施例3に係る貯玉管理システムの概略を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
【0109】
10 遊技店
20 島コントローラ
21 パチンコ機
22 カード処理機
30 景品管理機
31 景品払出機
32 カード発行機
33 カード精算機
40 玉計数機
50 再プレイ玉貸機
60 会員カード端末機
100 ターミナルコントローラ(T/C)
110 表示部
111 表示制御部
120、210 制御部
121 通信状況判定部
122 手入力貯玉上限値更新部
123 手入力貯玉制限判定部
124 手入力貯玉制限通知部
130、220 記憶部
131 貯玉管理テーブル
132 手入力貯玉許可数テーブル
133 手入力貯玉制限管理テーブル
134 未送信回数記憶部
140 入力部
150 出力部
160 通信制御IF部
200 第三者管理センタ
212 手入力貯玉制限解除部
300、500 通信回線
400 カード管理会社

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技客によって預け入れられた遊技媒体数を貯遊技媒体データとして管理する管理装置と、遊技店の店員の手入力操作を通じて受け付けた遊技媒体数を前記貯遊技媒体データに加算するように依頼する手入力貯遊技媒体受付端末と、当該管理装置によって管理された貯遊技媒体データを統括的に管理する第三者管理センタとを備えた貯遊技媒体管理システムであって、
前記管理装置は、
前記遊技客の識別番号に対応付けて貯遊技媒体データを記憶する貯遊技媒体データ記憶手段と、
前記遊技客が所有する貯遊技媒体数に前記手入力操作による貯遊技媒体加算依頼を通じて加算できる手入力貯遊技媒体許可数を記憶する手入力貯遊技媒体許可数記憶手段と、
前記第三者管理センタとの間での通信が可能であるかを判定する通信状況判定手段と、
前記通信状況判定手段により第三者管理センタとの間での通信が不可であると判定された場合に、前記手入力貯遊技媒体許可数記憶手段に記憶された手入力貯遊技媒体許可数を更新する手入力貯遊技媒体許可数更新手段と、
前記手入力貯遊技媒体許可数更新手段により更新された手入力貯遊技媒体許可数と前記貯遊技媒体データ記憶手段に記憶された遊技客の貯遊技媒体データとを加算し、当該遊技客の手入力貯遊技媒体上限値として設定するとともに、当該手入力貯遊技媒体上限値の範囲内で、前記手入力操作による貯遊技媒体加算の制限を行なう手入力貯遊技媒体制限手段と
を備えたことを特徴とする貯遊技媒体管理システム。
【請求項2】
前記管理装置は、
前記通信状況判定手段が判定した前記管理装置と第三者管理センタとの通信不可状況を貯遊技媒体データの未送信履歴情報として記憶する未送信履歴記憶手段をさらに備え、
前記手入力貯遊技媒体許可数更新手段は、
前記未送信履歴記憶手段に記憶された未送信履歴情報に応じて、前記手入力貯遊技媒体許可数記憶手段に記憶された手入力貯遊技媒体許可数を段階的に徐々に減算する更新を行なうことを特徴とする請求項1に記載の貯遊技媒体管理システム。
【請求項3】
前記管理装置は、
前記管理装置を設けた遊技店のカード管理装置からカード管理センタにカードデータが送信されたことを判定するカードデータ判定手段と、
前記カードデータ判定手段の判定により、前記カード管理装置から前記カード管理センタにカードデータが送信されたことが判定された場合に、前記手入力貯遊技媒体制限手段による貯遊技媒体制限を解除する手入力貯遊技媒体制限解除手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の貯遊技媒体管理システム。
【請求項4】
遊技客によって預け入れられた遊技媒体数を貯遊技媒体データとして管理する管理装置と、遊技店の店員の手入力操作を通じて受け付けた遊技媒体数を前記貯遊技媒体データに加算するように依頼する手入力貯遊技媒体受付端末と、当該管理装置によって管理された貯遊技媒体データを統括的に管理する第三者管理センタとを備えた貯遊技媒体管理システムの貯遊技媒体管理方法であって、
前記遊技客の識別番号に対応付けて貯遊技媒体データを貯遊技媒体データ記憶手段に格納する貯遊技媒体データ格納工程と、
前記遊技客が所有する貯遊技媒体数に前記手入力操作による貯遊技媒体加算依頼を通じて加算できる手入力貯遊技媒体許可数を手入力貯遊技媒体許可数記憶手段に格納する手入力貯遊技媒体許可数格納工程と、
前記第三者管理センタとの間での通信が可能であるかを判定する通信状況判定工程と、
前記通信状況判定工程により第三者管理センタとの間での通信が不可であると判定された場合に、前記手入力貯遊技媒体許可数記憶手段に記憶された手入力貯遊技媒体許可数を更新する手入力貯遊技媒体許可数更新工程と、
前記手入力貯遊技媒体許可数更新工程により更新された手入力貯遊技媒体許可数と前記貯遊技媒体データ記憶工程に記憶された遊技客の貯遊技媒体データとを加算し、当該遊技客の手入力貯遊技媒体上限値として設定するとともに、当該手入力貯遊技媒体上限値の範囲内で、前記手入力操作による貯遊技媒体加算の制限を行なう手入力貯遊技媒体制限工程と
を含んだことを特徴とする貯遊技媒体管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−259623(P2008−259623A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−103850(P2007−103850)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】