説明

貼り合わせ装置

【課題】価値の高い商品を得ることができ、損紙発生の少ない貼合わせ装置を提供する。
【解決手段】シート状基材A移送路の第1送りロール1と第2送りロール2間に、基材Aに紫外線硬化型粘着剤を印刷するユニット10とニップロール20と紫外線照射ユニット30と剥離手段を設ける。第1送りロールと第2送りロール間で基材Aを間歇送りし、基材Aの前進時に粘着剤を印刷する。粘着剤B上に離型シートS1に金属箔を設けた転写シートS0を重ね合わせ、基材Aにシート積層体S1を形成する。シート積層体S1に紫外線を照射して粘着剤Bを硬化させ、剥離手段により離型シートS1を剥離して、粘着剤B上に金属箔を転写する。基材Aの後退時にニップロール20を基材Aと同方向に同じ速度で同量後退させ、粘着剤Bがニップロール20間から上流側に引き戻されるのを防止し、金属箔が未硬化の粘着剤Bから剥がされることのないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シールやラベル等の連続シート状基材に金属箔を転写する貼り合わせ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
連続シート状基材に金属箔を転写する転写装置(貼り合わせ装置)として、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。この貼り合わせ装置においては、図4に示すように、基材Aの移送路に圧胴11および版胴12を有する印刷ユニット10を設け、その印刷ユニット10により上記基材Aの片面に紫外線硬化型の粘着剤Bを印刷し、離型シートsの片面に金属箔sが設けられた転写シートSを、その金属箔sが上記基材Aの印刷面と対向するよう重ね合わせて、上下一対のニップロール20による挟圧により基材Aに転写シートSを貼り合わせ、その貼り合わせによって形成されるシート積層体Sの片面に紫外線照射ユニット30から出射される紫外線を照射し、粘着剤Bの硬化により金属箔sを固着させた後、基材Aから離型シートsを剥離して、粘着剤B上に金属箔sを転写するようにしている。
【0003】
ところで、上記貼り合わせ装置においては、粘着剤の印刷が、印刷ユニット10の圧胴11および版胴12を基材Aの移送方向に連続回転させて印刷を行う連続輪転印刷方式によるものであるため、粘着剤は版胴12の周長に等しいピッチで印刷されることになり、印刷された粘着剤B間に多くの損紙が生じるという不都合がある。
【0004】
ここで、輪転印刷方式には、上記のような連続輪転印刷方式の他に、間歇輪転印刷方式が存在する。この間歇輪転印刷方式においては、一対の送りロールの間歇回転により基材を間歇送りし、その基材の移送時に印刷を行う間歇輪転印刷方式が存在する。この場合、印刷物間の間隔は非常に小さいものとなるため、損紙を少なくすることができるが、停止状態の送りロールが版胴の周速に等しくなるまでの立ち上がり回転時、および、印刷完了後において等速回転していた送りロールが停止するまでの立下り回転時にも基材が移送されるため、損紙を完全に無くすことはできない。
【0005】
損紙を最小限に抑えるため、版胴に取付けられた印版が印刷を完了して次の印刷が行なわれるまでの間に、送りロールの立ち上がり回転および立下り回転による基材の送り量に略相当する量だけ基材を後退させるようにした間歇輪転印刷方式が提案されている。
【0006】
上記のような基材の前進送り後に、その基材を後退動させるようにした間歇輪転印刷方式を貼り合わせ装置に採用すると、損紙を最小限に抑えることができ、基材や転写シートの有効利用に効果を挙げることができる。
【0007】
【特許文献1】特開2004−195754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、基材の前進送りと後退とを繰り返し行なう間歇輪転印刷方式を特許文献1に記載された貼り合わせ装置に採用した場合、基材を後退させた時、一旦、ニップロールを通過した未硬化の粘着剤がニップロールの上流側に引き戻されることになる。この場合、転写シートの金属箔は未硬化の粘着剤との接着によって離型シートから不完全な状態で剥離されることになるため、平滑度の悪い、光沢の無い金属箔が基材に転写されることになり、価値の低い商品が形成されるという問題が発生する。
【0009】
また、貼り合わせ装置には、上記のような金属箔の転写装置以外に、インキ印刷された基材のインキ印刷面上に艶出し用のニスを印刷し、そのニスの平滑性を保持するためにフィルムを貼り合わせ、ニスの硬化後にフィルムを剥離させるようにしたものや、インキ印刷された基材のインキ印刷面上に糊を印刷し、その糊を介してラミネートフィルムを基材に接着し、上記ラミネートフィルムをインキ印刷面の周囲に沿ってハーフカットし、その抜きかすと成るラミネートフィルムを基材から剥離させるようにしたものもある。
【0010】
上記のような貼り合わせ装置において、基材の前進送りと後退送りとを繰り返し行なう間歇輪転印刷方式を採用すると、基材を後退させた時、一旦、ニップロールを通過した未硬化のニスあるいは糊がニップロールの上流側に引き戻されることになり、基材とフィルムの剥離境界位置において、ニスあるいは糊に線状の模様が形成され、価値の低い商品が形成されるという問題が発生する。
【0011】
この発明の課題は、価値の高い商品を得ることができる損紙の発生の少ない貼り合わせ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、第1の発明においては、連続シート状基材の移送路に、正逆回転される上下一対の送りロールの2組を基材の移送方向に間隔をおいて設け、その2組の一対の送りロール間に、上流側から順に、基材の片面に対して紫外線硬化型粘着剤を印刷する粘着剤塗布用の輪転式印刷ユニットと、離型シートの片面に金属箔が設けられた転写シートを、その金属箔が印刷ユニットにより印刷された粘着剤に接着されるよう前記基材に貼り合わせてシート積層体を形成する一対のニップロールと、前記シート積層体の片面側から紫外線を照射して粘着剤を硬化させる紫外線照射ユニットと、前記シート積層体から離型シートを剥離させる剥離手段とを設け、前記2組の一対の送りロールを基材の前進送り方向に間歇的に等速回転させて基材を下流側に向けて移動させる前進送り動作と、その前進停止後に送りロールを逆転させて前進送り時の送りロールの立ち上がり回転および立下り回転による基材の送り量に略相当する量だけ基材を上流側に引き戻す後退送り動作を繰り返し行い、前進時に前記印刷ユニットにより粘着剤を印刷し、前記紫外線照射ユニットからの紫外線の照射により粘着剤を硬化させて金属箔を粘着剤上に転写するようにした貼り合わせ装置において、前記一対のニップロールを回転自在に支持する支持体を基材の移送方向に移動自在に支持し、前記基材の後退時に、その支持体を基材と同方向に同じ速度でもって同量だけ後退動させる移動装置を設けた構成を採用したのである。
【0013】
上記の構成からなる貼り合わせ装置においては、2組の一対の送りロールの回転により基材の前進と後退とを繰り返し行い、その前進時に印刷ユニットにより粘着剤を印刷し、その印刷面に転写シートを重ね合わせ、ニップロールのニップ圧(挟圧)により基材に転写シートを貼り合わせてシート積層体を形成する。そのシート積層体に紫外線照射ユニットから出射される紫外線を照射して粘着剤を硬化させて金属箔を固着し、その粘着剤の硬化後に離型シートを基材から剥離させて、粘着剤に金属箔を転写する。
【0014】
上記のような金属箔の転写において、基材を前進させる場合、2組の一対の送りロールを停止状態から加速し、その周速が印刷ユニットの版胴に取り付けられた印版の周速に等しくなると等速回転させ、その等速回転時に印刷を行う。そして印刷が完了すると減速して停止する。
【0015】
また、基材を後退させる場合は、上記一対の送りロールの加速による立ち上がり回転時および減速による立下り回転時の基材の送り量に略相当する量だけ基材を上流側に引き戻して、印刷される粘着剤の間隔を小さくし、損紙の発生を抑制する。
【0016】
また、基材の後退による引き戻し時には、移動装置の作動により一対のニップロールを支持する支持体を基材の後退方向と同方向に同じ速度でもって同量だけ移動させるようにして、基材に印刷された未硬化の粘着剤が一対のニップロールから上流側に引き抜かれるのを防止する。
【0017】
このように、基材の後退による引き戻し時に一対のニップロールを支持する支持体を基材の後退方向と同方向に同じ速度でもって同量だけ移動させることにより、転写シートの金属箔が未硬化の粘着剤との接着によって離型シートから不完全な状態で剥離されるのを防止することができる。
【0018】
ここで、移動装置として、駆動プーリおよび従動プーリと、その両プーリ間に掛け渡されて、一部に支持体が連結されたベルトからなるものを採用することができる。
【0019】
上記の課題を解決するために、第2の発明においては、基材としてインキ印刷されたものを用いると共に、第1の発明に係る紫外線硬化型粘着剤に代えて紫外線硬化型ニスを採用して、そのニスをインキ印刷面上に印刷し、かつ、離型シートに代えてフィルムを採用し、そのフィルムによって印刷されたニスの平滑性を保持するようにしたのである。
【0020】
上記第2の発明においては、紫外線の照射によってニスを硬化させた後、フィルムを基材から剥離する。
【0021】
上記の課題を解決するために、第3の発明においては、基材としてインキ印刷されたものを用いると共に、第1の発明に係る紫外線硬化型粘着剤に代えて紫外線硬化型の糊を採用して、その糊をインキ印刷面上に印刷し、かつ、離型シートに代えてラミネートフィルムを採用したのである。
【0022】
上記第3の発明においては、紫外線の照射によって糊を硬化させた後、ラミネートフィルムをインキ印刷面の周囲に沿ってハーフカットし、その抜きかすと成るラミネートフィルムを基材から剥離させるようにする。
【発明の効果】
【0023】
上記のように、第1の発明においては、前進と後退とが繰り返し行なわれる基材の後退時に、一対のニップロールを回転自在に支持する支持体を基材と同方向に同じ速度でもって同量だけ後退動させて基材に印刷された未硬化の粘着剤が一対のニップロールから上流側に引き抜かれるのを防止するようにしたので、転写シートの金属箔が未硬化の粘着剤との接着によって離型シートから不完全な状態で剥離されるというようなことがなくなり、上記基材に対して平滑度の高い光沢のある金属箔を転写することができる。
【0024】
また、基材の前進と後退の繰り返しによる間歇輪転印刷方式によって粘着剤の印刷を行なうようにしたので、その粘着剤に転写される金属箔の間隔は小さく、基材および転写シートの損紙の発生を最小限に抑えることができる。
【0025】
第2の発明および第3の発明においては、基材に印刷されたニスあるいは糊の印刷部位からフィルムやラミネートフィルムが剥離されることがないため、ニスあるいは糊に線状の模様が形成されるという不都合の発生はなく、商品価値の高い商品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、この発明の実施の形態を図1乃至図3に基づいて説明する。図1および図2に示すように、基材ロールRから引き出された連続シート状の基材Aは紙あるいは合成樹脂シート等からなる。その基材Aの移送路には、一対の第1送りロール1と一対の第2送りロール2とが基材Aの移送方向に間隔をおいて設けられている。一対の第1送りロール1の一方はサーボモータ3で回転駆動される。また、一対の第2送りロール2の一方はサーボモータ4で回転駆動される。
【0027】
基材ロールRから引き出された連続シート状の基材Aは一対の第1送りロール1間に至る前段においてダンサーロール5に掛け渡されてループLが形成される。なお、ダンサーロール5に代えてサクションボックスによりループを形成するようにしてもよい。
【0028】
第1送りロール1と第2送りロール2間における基材Aの移送路には、上流側から順に、基材Aの片面に対して紫外線硬化型粘着剤を印刷する印刷ユニット10と、シートロールRから引き出された転写シートSを基材Aの粘着剤印刷面側に貼り合わせてシート積層体Sを形成する一対のニップロール20と、前記シート積層体Sの片面側から紫外線を照射して粘着剤を硬化させる紫外線照射ユニット30が設けられている。
【0029】
印刷ユニット10は、圧胴11、版胴12およびその版胴12の外周に取り付けられる印版13に粘着剤を供給する供給ロール14とからなり、上記印版13に供給された粘着剤を圧胴11と版胴12間に挿通された基材Aに印刷するようにしている。なお、印刷ユニット10は上記のような凸版印刷式のものに限定されず、オフセット印刷式やグラビア印刷式のものであってもよい。
【0030】
ここで、粘着剤は、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等をオリゴマーとし、これに架橋構造・粘度の調整等を目的としたネオベンチルグリコールアクリレート、トリメチロールプロパンアクリレート等のモノマーを配合し、さらに光重合開始剤を配合したものであり、紫外線を照射することによって硬化するようになっている。
【0031】
転写シートSは、図3に示すように、透明な合成樹脂シート等からなる離型性を有する離型シートsと、その片面に設けられた金属箔sとからなる。金属箔sは、アルミ二ウム、クロム、アンチモン、銅、銀等の金属やこれらの合金からなり、蒸着法等によって離型シートsの片面全体に設けられている。
【0032】
上記転写シートSは、金属箔sが基材Aの粘着剤印刷面側に対向するようにして一対のニップロール20間に導き出され、その一対のニップロール20の挟圧(ニップ圧)により基材Aに貼り合わされる。その貼り合わせによりシート積層体Sが形成される。
【0033】
図1に示すように、一対のニップロール20は、支持体21によって両端部が回転自在に支持されている。支持体21は基材Aの移送方向に延びるリニアレール22に沿って移動自在とされ、移動装置23によって基材Aの移送方向に移動される。
【0034】
移動装置23は、サーボモータ24によって回転される駆動プーリ25と、従動プーリ26と、その両プーリ25、26間に掛け渡したエンドレスのベルト27とからなり、上記ベルト27の一部に支持体21を連結し、そのベルト27の移動によって支持体21をリニアレール22に沿って移動させるようにしている。
【0035】
紫外線照射ユニット30は、紫外線照射ランプからなり、そのランプから出射される紫外線は離型シートsを透過して粘着剤Bを照射する。その照射によって粘着剤Bが硬化し、金属箔sが固着される。なお、基材Aが透明なフィルムからなる場合、基材A側に紫外線照射ユニット30を設けるようにしてもよい。
【0036】
図1に示すように、紫外線照射ユニット30と第2送りロール2間には、基材Aから離型シートsを剥離する剥離手段40が設けられている。剥離手段40は、一対の剥離ロール41からなり、その一対の剥離ロール41の一方に沿って離型シートsを引き上げることによって、離型シートsを剥離させるようにしている。剥離後の離型シートsはドラム42によって巻き取られるようになっている。
【0037】
一対の第2送りロール2を通過した基材Aは、ダンサーロール50に掛け渡されてループLが形成され、巻取りドラム51に巻き取られるようになっている。
【0038】
実施の形態で示す貼り合わせ装置は上記の構造からなり、基材Aに対する金属箔sの転写に際しては、一対の第1送りロール1と一対の第2送りロール2とを同期回転させ、その両ロール1、2の正回転と逆回転の繰り返しにより基材Aを下流側に向けて所定量前進させ、その前進後に上流側に向けて所定量後退させて、基材Aを下流側に向けて間歇送りする。
【0039】
そして、間歇送りされる基材Aの前進時に印刷ユニット10の一方向に連続回転する版胴12上の印版13により基材Aに粘着剤を印刷する。このように、基材Aを間歇送りすることにより、その基材Aの片面に粘着剤が次々と印刷される。図2のBは印刷された粘着剤を示し、その印刷された粘着剤Bが一対のニップロール20間を通過する際にその上に転写シートSが重ね合わされ、上記ニップロール20の挟圧により基材Aに貼り合わされてシート積層体Sが形成される。
【0040】
シート積層体Sが紫外線照射ユニット30の位置まで移送されると、紫外線照射ユニット30からの紫外線の照射により粘着剤Bが硬化する。その硬化により転写シートSの金属箔sが固着され、剥離ロール41から離型シートsを引き上げ、その離型シートsを基材Aから剥離させることにより、粘着剤Bに金属箔sが転写されることになる。
【0041】
なお、粘着剤B上に金属箔sが転写された基材Aは巻取りドラム51により巻き取られ、一方、基材Aから剥離された離型シートsはドラム42により巻き取られる。
【0042】
ここで、粘着剤の印刷に際しては、一対の第1送りロール1および一対の第2送りロール2を停止状態から加速し、その周速が印刷ユニット10の版胴12に取り付けられた印版13の周速に等しくなると等速回転させ、その等速回転時に印刷を行う。そして、印刷が完了すると減速して停止する。
【0043】
また、基材Aを後退させる場合は、上記一対の第1送りロール1および一対の第2送りロール2の加速による立ち上がり回転時および減速による立下り回転時の基材Aの送り量に略相当する量だけ基材Aを上流側に引き戻し、印刷される粘着剤Bの間隔を小さくして、損紙の発生を抑制する。
【0044】
また、基材Aの後退による引き戻し時には、移動装置23のエンドレスベルト27の移動により一対のニップロール20を支持する支持体21を基材Aの後退方向と同方向に同じ速度でもって同量だけ移動させるようにして、基材Aに印刷された未硬化の粘着剤Bが一対のニップロール20から上流側に引き抜かれるのを防止する。
【0045】
このように、基材Aの後退による引き戻し時に一対のニップロール20を支持する支持体21を基材Aの後退方向と同方向に同じ速度でもって同量だけ移動させることにより、転写シートSの金属箔sが未硬化の粘着剤との接着によって離型シートsから不完全な状態で剥離されるのを防止することができる。
【0046】
なお、基材Aを前進させる場合は、エンドレスベルト27の移動により一対のニップロール20を支持する支持体21を基材Aの前進方向と同方向に同じ速度でもって移動させて元の待機位置で停止させる。
【0047】
実施の形態では、印刷ユニット10により基材Aに紫外線硬化型の粘着剤Bを印刷し、その粘着剤に金属箔sを転写させるようにしたが、基材Aとしてインキ印刷されたものを用いると共に、紫外線硬化型粘着剤に代えて紫外線硬化型ニスを採用し、そのニスをインキ印刷面上に印刷し、かつ、離型シートsに代えてフィルムを採用し、そのフィルムによって印刷されたニスの平滑性を保持するようにしてもよい。
【0048】
この場合、紫外線の照射によってニスを硬化させた後、剥離手段40によって基材からフィルムを剥離する。
【0049】
また、基材Aとしてインキ印刷されたもの用いると共に、紫外線硬化型粘着剤に代えて紫外線硬化型の糊を採用して、その糊をインキ印刷面上に印刷し、かつ、離型シートに代えてラミネートフィルムを採用してもよい。
【0050】
この場合、紫外線の照射によって糊を硬化させた後、ラミネートフィルムをインキ印刷面の周囲に沿ってハーフカットし、その抜きかすと成るラミネートフィルムを剥離手段40により基材から剥離する。
【0051】
いずれの場合も、基材に印刷されたニスあるいは糊の印刷部位からフィルムやラミネートフィルムが剥離されることがないため、ニスあるいは糊に線状の模様が形成されるという不都合の発生はなく、商品価値の高い商品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明に係る貼り合わせ装置の実施の形態を示す概略図
【図2】図1の移動装置を除いた全体の斜視図
【図3】転写シートの断面図
【図4】従来の貼り合わせ装置を示す斜視図
【符号の説明】
【0053】
A 基材
転写シート
シート積層体
離型シート
金属箔
B 粘着剤
1 第1送りロール
2 第2送りロール
10 印刷ユニット
20 ニップロール
21 支持体
23 移動装置
25 駆動プーリ
26 従動プーリ
27 ベルト
30 紫外線照射ユニット
40 剥離手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続シート状基材の移送路に、正逆回転される上下一対の送りロールの2組を基材の移送方向に間隔をおいて設け、その2組の一対の送りロール間に、上流側から順に、基材の片面に対して紫外線硬化型粘着剤を印刷する粘着剤塗布用の輪転式印刷ユニットと、離型シートの片面に金属箔が設けられた転写シートを、その金属箔が印刷ユニットにより印刷された粘着剤に接着されるよう前記基材に貼り合わせてシート積層体を形成する一対のニップロールと、前記シート積層体の片面側から紫外線を照射して粘着剤を硬化させる紫外線照射ユニットと、前記シート積層体から離型シートを剥離させる剥離手段とを設け、前記2組の一対の送りロールを基材の前進送り方向に間歇的に等速回転させて基材を下流側に向けて移動させる前進送り動作と、その前進停止後に送りロールを逆転させて前進送り時の送りロールの立ち上がり回転および立下り回転による基材の送り量に略相当する量だけ基材を上流側に引き戻す後退送り動作を繰り返し行い、前進時に前記印刷ユニットにより粘着剤を印刷し、前記紫外線照射ユニットからの紫外線の照射により粘着剤を硬化させて金属箔を粘着剤上に転写するようにした貼り合わせ装置において、
前記一対のニップロールを回転自在に支持する支持体を基材の移送方向に移動自在に支持し、前記基材の後退時に、その支持体を基材と同方向に同じ速度でもって同量だけ後退動させる移動装置を設けたことを特徴とする貼り合わせ装置。
【請求項2】
前記移動装置が、駆動プーリおよび従動プーリと、その両プーリ間に掛け渡されて、一部に前記支持体が連結されたベルトからなる請求項1に記載の貼り合わせ装置。
【請求項3】
等間隔にインキ印刷が施された連続シート状基材の移送路に、正逆回転される上下一対の送りロールの2組を基材の移送方向に間隔をおいて設け、その2組の一対の送りロール間に、上流側から順に、基材のインキ印刷面に対して紫外線硬化型のニスを印刷する輪転式印刷ユニットと、前記基材のニス印刷面側にフィルムを貼り合わせてシート積層体を形成する一対のニップロールと、前記シート積層体の片面側から紫外線を照射してニスを硬化させる紫外線照射ユニットと、前記シート積層体から前記フィルムを剥離させる剥離手段とを設け、前記2組の一対の送りロールを基材の前進送り方向に間歇的に等速回転させて基材を下流側に向けて移動させる前進送り動作と、その前進停止後に送りロールを逆転させて前進送り時の送りロールの立ち上がり回転および立下り回転による基材の送り量に略相当する量だけ基材を上流側に引き戻す後退送り動作を繰り返し行い、前進送り時に前記印刷ユニットによってインキ印刷面上にニスを印刷し、前記紫外線照射ユニットからの紫外線の照射によりニスを硬化させるようにした貼り合わせ装置において、
前記一対のニップロールを回転自在に支持する支持体を基材の移送方向に移動自在に支持し、前記基材の後退送り時に、その支持体を基材と同方向に同じ速度でもって同量だけ後退動させる移動装置を設けたことを特徴とする貼り合わせ装置。
【請求項4】
等間隔にインキ印刷が施された連続シート状基材の移送路に、正逆回転される上下一対の送りロールの2組を基材の移送方向に間隔をおいて設け、その2組の一対の送りロール間に、上流側から順に、基材のインキ印刷面に対して紫外線硬化型の糊を印刷する輪転式印刷ユニットと、前記基材の糊印刷面側にフィルムを貼り合わせてシート積層体を形成する一対のニップロールと、前記シート積層体の片面側から紫外線を照射して糊を硬化させる紫外線照射ユニットと、前記シート積層体から前記フィルムを剥離させる剥離手段とを設け、前記2組の一対の送りロールを基材の前進送り方向に間歇的に等速回転させて基材を下流側に向けて移動させる前進送り動作と、その前進停止後に送りロールを逆転させて前進送り時の送りロールの立ち上がり回転および立下り回転による基材の送り量に略相当する量だけ基材を上流側に引き戻す後退送り動作を繰り返し行い、前進送り時に前記印刷ユニットによってインキ印刷面上に糊を印刷し、前記紫外線照射ユニットからの紫外線の照射により糊を硬化させるようにした貼り合わせ装置において、
前記一対のニップロールを回転自在に支持する支持体を基材の移送方向に移動自在に支持し、前記基材の後退送り時に、その支持体を基材と同方向に同じ速度でもって同量だけ後退動させる移動装置を設けたことを特徴とする貼り合わせ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−23262(P2010−23262A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184509(P2008−184509)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(508215636)岩崎鉄工株式会社 (4)
【Fターム(参考)】