説明

貼付材並びに貼付製剤

【課題】十分な厚さを有する粘着剤層を有し、且つ適度の皮膚接着性と柔軟性を有し、皮膚に貼付した際に貼付材又は貼付製剤が皮膚と接着する面の反対側、すなわち貼付材又は貼付製剤の支持体の露出面に加重がかかったとしても、皮膚から脱落し難く、皮膚に対して低刺激性である貼付材又は貼付製剤を提供することを目的とする。
【解決手段】架橋反応可能な官能基を分子内に有する液状ゴムを、官能基数が3以下の架橋剤及び触媒の存在下に架橋させてなる粘着剤層を、支持体の少なくとも一方の面に形成させて貼付材とし、また粘着剤層に薬剤を含有させて貼付製剤とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適度の皮膚接着性と柔軟性を有し、貼付材又は貼付製剤の支持体の露出面に加重がかかったとしても、皮膚から脱落し難く、皮膚に対して低刺激性で、皮膚患部や創傷面の保護、薬剤の経皮吸収等のために好適に使用できる貼付材並びに貼付製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、皮膚の患部や創傷面の保護、薬剤の経皮吸収等を目的として、皮膚用等の貼付材並びに貼付製剤が用いられている。かかる貼付材並びに貼付製剤は、一般に、柔軟性を有する支持体の一方の面に、必要に応じて薬剤を含有する粘着剤組成物より成る層、すなわち粘着剤層が形成された構成を有する。前記粘着剤層には皮膚接着性が求められる。これは、貼付材又は貼付製剤が所定期間皮膚面から剥離することなく、貼付状態が保持される必要があるからである。その一方で、貼付材又は貼付製剤においては、皮膚接着性が強すぎると、皮膚からこれを剥離する際に皮膚への刺激が強くなり、皮膚に貼付するには不適当となる。すなわち貼付材又は貼付製剤には、皮膚に対する低刺激性も求められる。このように、貼付材又は貼付製剤には、相反する粘着物性が求められる。このように、貼付材又は貼付製剤に求められる相反する特性を解決する技術として、粘着剤層にアクリル系ゲル組成物を用いることが提案されている。
【0003】
たとえば、アクリル系粘着剤を架橋させることにより、有機液状成分を保持させて成るアクリル系ゲル組成物が開示されている(特許文献1)。しかし、前記アクリル系ゲル組成物は、支持体上にある程度以上の厚みを有する粘着剤層として成形することがやや困難であるため、薬物や経皮吸収促進剤等の有機液状成分などを保持又は吸収する能力は限定され、これらを多量に保持させることは困難であった。さらにまた、上記組成物は厚みの大きい粘着剤層とすることがやや困難であることから、上記組成物を粘着剤層とした貼付材又は貼付製剤を皮膚に接着させた場合、外部からの衝撃等に対してそれらを吸収して皮膚を保護する能力の点で改良の余地があった。
【0004】
また、貼付材又は貼付製剤を皮膚に貼付した際には、これらの粘着剤層の反対面、すなわち支持体の露出面に衣服、シーツ等により加重がかかり、貼付材等が剥離してしまうことがある。しかし、これを解決し得る技術はもとより、課題の提起すら上記文献には見出されない。また、上記文献には、触媒の存在下で架橋剤を用いて粘着剤層を架橋処理することは、開示も示唆もされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−220120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明においては、十分な厚さを有する粘着剤層を形成することができ、さらに適度の皮膚接着性と柔軟性を有し、皮膚に貼付した際に貼付材又は貼付製剤が皮膚と接着する面の反対側、すなわち貼付材又は貼付製剤の支持体の露出面に加重がかかったとしても、皮膚から脱落し難く、皮膚に対して低刺激性である貼付材並びに貼付製剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明者らは、架橋反応可能な官能基を分子内に有する液状ゴムを、官能基数が3以下の架橋剤及び触媒の存在下に架橋させてなる粘着剤層を、支持体の少なくとも一方の面に形成させることにより、上記の課題を解決し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、次の[1]〜[10]に関する。
[1]架橋反応可能な官能基を分子内に有する液状ゴムを、官能基数が3以下の架橋剤及び触媒の存在下に架橋させてなる粘着剤層を、支持体の少なくとも一方の面に有する、貼付材。
[2]架橋反応可能な官能基を分子内に有する液状ゴムが、架橋反応可能な官能基を分子内に有する液状イソプレンゴムである、上記[1]に記載の貼付材。
[3]架橋反応可能な官能基を分子内に有する液状ゴムの官能基数の総和に対する、官能基数が3以下の架橋剤の官能基数の総和の割合が30%〜100%となる条件下で架橋させてなる、上記[1]又は[2]に記載の貼付材。
[4]粘着剤層が、さらに有機液状成分の存在下にて架橋されたものである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の貼付材。
[5]有機液状成分が、油脂、炭化水素、脂肪酸エステル及び高級脂肪酸より選択される1種又は2種以上である、上記[4]に記載の貼付材。
[6]脂肪酸エステルが、脂肪酸モノアルキルエステルである、上記[5]に記載の貼付材。
[7]脂肪酸モノアルキルエステルが、ミリスチン酸イソプロピル及びパルミチン酸イソプロピルから選択される1種又は2種である、上記[6]に記載の貼付材。
[8]粘着剤層が、さらに粘着付与剤の存在下にて架橋されたものである、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の貼付材。
[9]粘着剤層の厚さが40μm以上である、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の貼付材。
[10]上記[1]〜[9]のいずれかに記載の貼付材において、粘着剤層が薬物を含有してなる、貼付製剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明において、官能基数が3以下の架橋剤を用いることにより、粘着剤層の架橋密度の過度の上昇を抑制することができるため、本発明の貼付材又は貼付製剤を皮膚に貼付した際、これらの皮膚との接着面との反対側、すなわち支持体の露出面に、衣服、シーツ等により加重がかかったとしても、貼付材等が皮膚から容易には脱落しにくい。また、触媒の存在下に架橋反応を進行させることにより、官能基数が3以下の架橋剤を使用しても、粘着剤層の架橋密度の過度の低下を抑制することができるため、粘着剤層の強度の低下を防ぐことができる。その結果、貼付材又は貼付製剤の支持体の露出面に加重がかかったとしても、皮膚から脱落し難く、且つ皮膚に対して低刺激性である貼付材又は貼付製剤を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明において、上記架橋反応可能な官能基を分子内に有する液状ゴムは、これを含む組成物が架橋された際に網目構造を形成し、粘着剤層に柔軟性と保形性を付与する。かかる液状ゴムとしては、分子内に架橋反応可能な官能基を有するものであれば特に限定されず、前記官能基を含有する液状イソプレンゴム、前記官能基を含有する液状ブタジエンゴム、前記官能基を含有する液状イソブチレンゴムなどが挙げられる。該液状ゴムは、1種又は2種以上を選択して用いることができる。かかる液状ゴムは、高分子量であっても液状であり、粘着剤層に多量の有機液状成分を容易に含有させることができる。粘着剤層に容易に柔軟性を付与できるという点で、前記官能基を含有する液状イソプレンゴムが好ましく用いられる。なお、本明細書において「液状」とは、25℃で流動性を有することを意味する。流動性の有無は、試料を内径50mm、高さ100mmのびんに半分の高さまで充填し、90度傾けた時に変形することで判定される。
【0011】
本発明に用いる架橋反応可能な官能基を分子内に有する液状ゴムの重量平均分子量は、ゴム成分が液状である限り特に限定されないが、好ましくは1,000〜60,000、より好ましくは10,000〜40,000、さらに好ましくは20,000〜30,000である。重量平均分子量が1,000未満であると、粘着剤層の柔軟性が低下する可能性があり、また粘着剤層に有機液状成分を多量に含有させることが困難となる可能性がある。一方、重量平均分子量が60,000を越えると、ゴムが液状でなくなるおそれがあるばかりか、粘着剤層の均一性が保たれにくくなり、粘着剤層の他の含有成分に対する前記液状ゴムの相溶性を確保するのが困難となる恐れがある。
【0012】
ここで、「重量平均分子量」とは、下記の条件によりゲルろ過クロマトグラフィーにより測定される値を意味する。
(分析条件)
ゲルろ過クロマトグラフィー装置:HLC8120(東ソー株式会社製)
カラム:TSKgelGMH−H(S)(東ソー株式会社製)
標準:ポリスチレン
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/分
測定温度:40℃
検出手段:示差屈折計
【0013】
本発明に係る貼付材並びに貼付製剤では、粘着剤層の調製に用いる組成物において、架橋反応可能な官能基を分子内に有する液状ゴムの配合量は、該組成物の全重量に対して好ましくは25重量%〜65重量%、より好ましくは30重量%〜60重量%である。前記液状ゴムの配合量が25重量%を下回ると、形成された粘着剤層において十分な架橋密度が得られず、粘着剤層の形成が困難となる場合がある。一方、前記液状ゴムの配合量が65重量%を超えると、形成された粘着剤層の柔軟性が低下し、皮膚から脱落する場合がある。
【0014】
上記液状ゴムにおける架橋反応可能な官能基としては特に限定されないが、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、クロルスルホン基、アシルオキシ基、エポキシ基、イソシアネート基、メチロール基、スルホン基、メルカプト基などが挙げられる。該官能基としては、1種又は2種以上が組み合わされて用いられる。なお、後述する架橋剤としてのエポキシ系化合物との架橋形成の観点からすれば、カルボキシル基及びヒドロキシル基が好ましい。
【0015】
上記液状ゴムの分子内における架橋反応可能な官能基の数は特に限定されないが、通常は3個以上の前記官能基を分子内に有することにより、前記液状ゴムが効率的に網目構造を形成し、本発明の効果が十分に発揮される。従ってかかる観点より、前記液状ゴムの分子内における架橋反応可能な官能基の数は、通常3個以上、好ましくは5個以上、より好ましくは8個以上、さらに好ましくは10個以上である。
【0016】
本発明においては、上記液状ゴムは分子内に3個以上の架橋反応可能な官能基を有することにより、ブランチ剤などを液状ゴムの主鎖に導入する必要もなく、三次元的な網目構造を形成することができるため、粘着剤層中に多量の有機液状成分を含有させることが可能となる。
【0017】
一方、前記分子内官能基の数が多すぎると、必要な架橋剤の量が多くなることから、分子内の架橋反応可能な官能基の数は20個以下であることが好ましい。さらに好ましくは15個以下、より好ましくは12個以下である。これは、分子内の官能基数が多すぎると、残存活性基が多くなり、薬物など粘着剤層に含有させた成分に影響を及ぼす可能性があり、また粘着剤層の柔軟性が低下し、皮膚から脱落したり、皮膚変形に対する追従性が悪くなる可能性があるからである。
【0018】
液状ゴム分子内の架橋反応可能な官能基の数は、次のようにして測定される。すなわち、試料中の液状ゴムの架橋反応可能な官能基の総数を求め、これを液状ゴムの数平均分子量で除して、液状ゴム一分子あたりの架橋反応可能な官能基の数を求める。かかる官能基の数は、日本工業規格(JIS)K0070等に記載された方法等により求めることができる。たとえば、官能基がカルボキシル基である場合には、水酸化カリウムを用いた酸価測定法により試料中のカルボキシル基数を求め得る。また、アシルオキシ基であれば、水酸化カリウムを用いたエステル価測定法、水酸基であれば、試料をアセチル化した後水酸化カリウムで中和する水酸基価測定法により求めることができる。ここで液状ゴムの数平均分子量は、上述した重量平均分子量と同じ条件で求められる値を意味する。
【0019】
本発明において、支持体の少なくとも一方の面に形成される粘着剤層は、ゲル分率が好ましくは45重量%〜85重量%、より好ましくは45重量%〜70重量%である。ゲル分率が45重量%より低いと、形成された粘着剤層において十分な架橋密度が得られず、粘着剤層の形成が困難となる場合がある。一方、ゲル分率が85重量%を超えると、形成された粘着剤層の柔軟性が低下し、皮膚から脱落する場合がある。
【0020】
本発明において「ゲル分率」は、粘着剤層をトルエンに浸漬したときに得られる不溶分の重量の、粘着剤層の架橋に関与する成分に対する比率を意味する。ゲル分率は、粘着剤層を形成する組成物より採取した試料を、トルエンに常温(23℃)にて7日間浸漬して得られる不溶分の重量により、次式を用いて求めることができる。
ゲル分率(重量%)=W/(W×A/B)×100
A :分子内に架橋反応可能な官能基を有する液状ゴム及び架橋剤の重量
B :粘着剤層の総重量
:粘着剤層より採取した試料の重量
:粘着剤層より採取した試料をトルエンに浸漬して得られる不溶分の重量
【0021】
本発明における上記のゲル分率は、粘着剤層を架橋処理することにより、達成することができる。本発明においては、官能基数が3以下の架橋剤を用い、触媒の存在下に架橋処理を行う。その結果、粘着剤層の架橋密度の過度の上昇及び低下を抑制することができ、粘着剤層に適度な強度と柔軟性及び接着性を付与することができる。また、皮膚に貼付した際に貼付材又は貼付製剤が皮膚と接着する面の反対側、すなわち貼付材又は貼付製剤の支持体の露出面に加重がかかったとしても、皮膚から脱落し難く、且つ皮膚に対し低刺激性となる。
【0022】
本発明において用いる官能基数が3以下の架橋剤としては、ジアミノヘキサン等のアミン系化合物、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の2官能性エポキシ化合物、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等の2又は3官能性エポキシ化合物、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートなどのイソシアネート系化合物、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド等の有機過酸化物、アセチルアセトンアルミニウム塩、アセチルアセトンバナジウム塩、アセチルアセトンモリブデン塩等の有機金属塩、テトラブチルチタネート等の金属アルコラート、アルミニウムグリシネート、水酸化アルミニウムゲル等の金属キレート化合物などが挙げられる。本発明においては、これらより1種を選択して単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。液状ゴム分子内の架橋反応可能な官能基がカルボキシル基である場合、前記架橋剤の中では、エポキシ系化合物を用いることが好ましい。これは、液状ゴム分子内のカルボキシル基と反応したエポキシ基がヒドロキシル基を発生し、これが別のカルボキシル基と反応し得るため、網目構造の形成において有利であるからである。
【0023】
上記架橋剤の配合量としては、粘着剤層に十分な架橋構造が形成される量であることを要し、具体的には、粘着剤層の調製に用いる組成物において、架橋反応可能な官能基を分子内に有する液状ゴムの前記官能基数の総和と、配合する架橋剤の官能基数の総和により定められるが、好ましくは、粘着剤層の調製に用いる組成物の全量に対して0.01重量%〜4重量%であり、さらに好ましくは0.05重量%〜2重量%である。
【0024】
触媒としては、3級アミン系触媒、有機金属系触媒、その他様々な触媒を用いることができるが、反応性の観点から有機金属系触媒が好ましい。有機金属系触媒としては、特に限定されないが、ジラウリル酸ジn−ブチル錫、塩化トリn−ブチル錫、テトラn−ブチル錫、o−フェニルナトリウム、オレイン酸カリウム、チタン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキソエート鉄、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸銅、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルトなどが挙げられる。ナフテン酸金属塩系触媒、たとえばナフテン酸マンガン、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸銅、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルトなどが、反応速度及び安全性の観点からさらに好ましく用いられる。
【0025】
上記触媒の添加量としては、架橋反応を適度に促進し得る限り特に限定されないが、粘着剤層の調製に用いる組成物の全量に対して、0.01重量%〜2.00重量%程度が適切である。
【0026】
また、本発明においては、粘着剤層の調製に用いる組成物において、架橋反応可能な官能基を分子内に有する液状ゴムの前記官能基数の総和に対する架橋剤の官能基数の総和の割合(以下「官能基比」という)が30%〜100%であることが好ましい。官能基比を前記の範囲とすることにより、十分な厚さの粘着剤層を形成するとともに、粘着剤層に適度な強度と柔軟性及び接着性を付与することができる。
【0027】
本発明に係る貼付材並びに貼付製剤において、粘着剤層には有機液状成分を含有させることができる。かかる有機液状成分は、上記液状ゴムの架橋により形成される網目構造と組み合わされて、粘着剤層の柔軟性を増強し、粘着剤層中に薬物などの化学物質が含まれる場合には、それらを溶解又は分散させる役割を果たす。本発明において用い得る有機液状成分としては、粘着剤層中の上記液状ゴムと相溶性を有するものであることを要するが、常温で液状であって、非揮発性のものが好ましい。本発明においては、オリーブ油、ヒマシ油、ラノリン等の油脂、スクアラン、流動パラフィンのような炭化水素、脂肪酸アルキルエステルなどの脂肪酸エステル、オレイン酸、カプリル酸のような高級脂肪酸等が好ましいものとして挙げられる。有機液状成分は、これらより1種を選択して用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0028】
特に、本発明に係る貼付製剤のように、粘着剤層に薬物を含有させる場合、薬物の経皮吸収を促進する効果の観点から、脂肪酸エステルを用いることが好ましい。かかる脂肪酸エステルとしては、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチルなどの脂肪酸ジアルキルエステルや、脂肪酸モノアルキルエステルなどが挙げられる。良好な薬物の経皮吸収促進効果の観点からは、脂肪酸モノアルキルエステルが好ましい。
【0029】
脂肪酸モノアルキルエステルについては、これを構成する脂肪酸の炭素数が必要以上に多かったり、又は少なかったりした場合、上記液状ゴムとの相溶性が悪くなったり、製剤調製時の加熱工程で揮散したりするおそれがある。
【0030】
従って本発明においては、炭素数が12〜16、より好ましくは12〜14の飽和又は不飽和高級脂肪酸と、炭素数が1〜4の飽和又は不飽和低級1価アルコールからなる脂肪酸モノアルキルエステルが好ましくは採用される。なお、保存安定性の観点からは、飽和高級脂肪酸及び飽和低級1価アルコールより成るものが、酸化分解等を生じるおそれがないため、好ましく用いられる。前記高級脂肪酸としては、ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)が挙げられ、特にミリスチン酸およびパルミチン酸が好ましい。また前記低級1価アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールが挙げられ、これらは直鎖アルコールに限定されず分岐鎖アルコールであってもよく、特にイソプロピルアルコールが好ましい。それゆえ、本発明において使用し得る最も好ましい脂肪酸モノアルキルエステルとしては、ミリスチン酸イソプロピル及びパルミチン酸イソプロピルが挙げられる。
【0031】
上述した有機液状成分は、粘着剤層の調製に用いる組成物の全量に対し、10重量%〜40重量%の範囲で含有させることが好ましく、さらに好ましくは15重量%〜30重量%である。有機液状成分の含有量が該組成物の全量に対して10重量%未満では、架橋反応後に得られる粘着剤層が硬くなりすぎて、粘着剤層の皮膚接着性及び皮膚への追従性が低下するおそれがあり、また薬物等他の配合成分の粘着剤層中における拡散移動性や吸収性が低下するおそれがある。一方、有機液状成分の含有量が該組成物の全量に対し40重量%を超えると、粘着剤層の強度が低下して糊残りを生じる場合がある。
【0032】
本発明に係る貼付材並びに貼付製剤においては、粘着剤層の調製に際し、さらに通常用いられる粘着付与剤を含有させることができる。かかる粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂などの天然物及びその誘導体、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、たとえば脂環族系飽和炭化水素樹脂、石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂などの合成樹脂等が挙げられる。これら粘着付与剤は、粘着剤層の調製に用いる組成物の全量に対して、15重量%〜60重量%の範囲で含有させることが好ましく、さらには、30重量%〜50重量%の範囲で含有させることが好ましい。15重量%より少ないと、粘着剤層に十分な接着性を付与できない可能性があり、逆に60重量%より多いと、粘着付与剤が粘着剤層中で分離して粘着剤層のべたつきを生じたり、皮膚から剥離する際に糊残りを生じる可能性がある。
【0033】
本発明に係る貼付材並びに貼付製剤において、粘着剤層には、本発明の効果を妨げない範囲で、任意の他の成分、たとえば、アスコルビン酸、酢酸トコフェロール、天然ビタミンE、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等の酸化防止剤、2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノール等のアミン−ケトン系老化防止剤、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等の芳香族第2級アミン系老化防止剤、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体等のモノフェノール系老化防止剤、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)等のビスフェノール系老化防止剤、2,5−tert−ブチルヒドロキノン等のポリフェノール系老化防止剤、カオリン、含水二酸化ケイ素、酸化亜鉛、アクリル酸デンプン1000などの充填剤、プロピレングリコール、ポリブテン、マクロゴール1500等の軟化剤、安息香酸、安息香酸ナトリウム、塩酸クロルヘキシジン、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ブチル等の防腐剤、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、黒酸化鉄、カーボンブラック、カルミン、β−カロテン、銅クロロフィル、食用青色1号、食用黄色4号、食用赤色2号、カンゾウエキス等の着色剤、ウイキョウ油、d−カンフル、dl−カンフル、ハッカ油、d−ボルネオール、l−メントール等の清涼化剤、スペアミント油、チョウジ油、バニリン、ベルガモット油、ラベンダー油等の香料などを含有させることができる。
【0034】
本発明に係る貼付材並びに貼付製剤は、通常次のようにして製造することができる。すなわち、上記液状ゴムと有機液状成分とを必要により溶媒存在下で混合し、そこに架橋剤と触媒を添加して、必要により有機溶媒で粘度を調整した後、支持体の少なくとも一方の面に塗布する。次いで適当な温度下にて溶媒を揮散させて液状ゴムの架橋を形成させて、支持体上に粘着剤層を形成し、必要により熟成させる。さらに、以下に述べる剥離ライナーを圧着し、積層することもできる。また、剥離ライナー上に粘着剤層を形成し、粘着剤層の粘着面に支持体を圧着して貼り合わせることもできる。
【0035】
本発明において用いる支持体としては、特に限定されないが、粘着剤層中に含まれる成分を実質的に透過し難いもの、すなわち粘着剤層中に含まれる成分が支持体中を透過し、支持体背面から消失するおそれの少ないものが好ましい。上記の支持体としては、皮膚に貼付することを考えると、柔軟性のある素材が好ましく使用される。かかる素材としては、可塑化軟質ポリ塩化ビニル、無可塑化軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレンゴム、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂からなるフィルム又はシートが挙げられる。また、不織布、プラスチック発泡シート、セルロース、酢酸セルロースなどの可撓性のあるフィルムやシートを使用することもできる。さらにまた、かかる素材により成る剥離ライナーを用いることもできる。
【0036】
本発明において用い得る剥離ライナーとしては、グラシン紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、アルミフィルム、発泡ポリエチレンフィルム又は発泡ポリプロピレンフィルム等、もしくはこれらから選ばれたものの積層物、更にこれらにシリコーン加工したものや、エンボス加工を施したものなどが挙げられる。
【0037】
本発明に係る貼付材並びに貼付製剤においては、支持体上にある程度の厚さを有する粘着剤層を形成させることが可能である。その結果、皮膚に対する衝撃等から、皮膚の患部や創傷面を保護する効果を向上させることができ、また、粘着剤層に薬物等を多く保持させることが可能となる。従って、本発明に係る貼付材並びに貼付製剤においては、粘着剤層は40μm以上、さらには100μm以上の厚さとすることが好ましい。一方、粘着剤層の厚さは400μmくらいまで、好ましくは300μmくらいまでとすべきである。厚さが400μmを超えると、貼付した貼付材又は貼付製剤がずれることにより粘着剤成分がはみ出したり、皮膚への糊残りが生じたりする傾向がある。
【0038】
本発明に係る貼付材は、医療用材料又は衛生用材料として、シート状、フィルム状、パッド状等の貼付材として提供することができ、絆創膏におけるガーゼの代替品や創傷被覆ドレッシングにおける不織布代替品など、皮膚の病変部位や創傷部位の保護といった用途に用いることができる。また本発明に係る貼付製剤は、支持体上に層状に形成された粘着剤層中に薬物を含有して成り、マトリクス型貼付製剤、リザーバー型貼付製剤、パッチ型貼付製剤等として提供することができる。
【0039】
本発明に係る貼付製剤において用い得る薬物としては、ヒトなどの哺乳動物に経皮投与し得る薬物が好ましい。かかる薬物として、具体的には、全身性麻酔薬、局所麻酔薬、抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬、精神刺激薬、睡眠薬、抗不安薬、抗癲癇薬、パーキンソン病治療薬、片頭痛治療薬、脳循環・代謝改善薬、抗認知症薬、麻薬、鎮暈薬、自律神経作用薬、鎮痙薬、筋弛緩薬、抗ヒスタミン薬、強心薬、不整脈用薬、利尿薬、血圧降下薬、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、高脂血症治療薬、循環器用薬、呼吸促進薬、鎮咳去痰薬、消化性潰瘍治療薬、ホルモン薬、解熱鎮痛消炎薬、鎮痒薬、収斂薬、止血用薬、痛風治療薬、糖尿病治療薬、抗悪性腫瘍用薬、抗生物質、化学療法薬、抗寄生虫薬、禁煙補助薬などが挙げられる。粘着剤層中における前記薬物の含有量としては、当該薬物が経皮吸収された場合に薬効を発揮し得る有効量であって、本発明に係る貼付製剤の粘着剤層の物性を損なわない範囲内であれば特に限定されないが、好ましくは、0.01重量%〜60重量%である。
【実施例】
【0040】
さらに本発明について、実施例により詳細に説明する。
【0041】
[実施例1〜7及び比較例1〜3]
本発明の実施例1〜7の貼付材と、比較例1〜3の貼付材の処方を表1に示す。実施例及び比較例の各貼付材において、分子内に架橋反応可能な官能基を有する液状ゴムとしてカルボキシル化液状ポリイソプレン(重量平均分子量=25,000、分子内のカルボキシル基の数=10)を、有機液状成分としてミリスチン酸イソプロピルを、及び粘着付与剤として脂環族炭化水素樹脂(軟化点=100℃)を用いた。架橋剤としては、以下に示すものを用い、触媒としては、ナフテン酸亜鉛を用いた。
<架橋剤>
実施例1〜7及び比較例3:トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(3官能性)
比較例1及び2:1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(4官能性)
【0042】
実施例及び比較例の貼付材は、次のように調製した。まず、分子内に架橋反応可能な官能基を有する液状ゴム、有機液状成分及び粘着付与剤を有機溶剤の存在下に混合し、次いで架橋剤及び触媒を添加して、粘着剤層調製用液を得た。なお表1には、有機溶剤以外の成分の配合量を示した。この調製用液を、シリコーン処理したポリエチレンテレフタレート製の剥離ライナー上に、乾燥後の厚さが実施例4以外については200μm、実施例4については100μmとなるように塗布して、有機溶剤を乾燥、除去した。その後、粘着剤層の粘着面にポリエチレンテレフタレート製の支持体を圧着させ、60℃で3日間熟成させ、貼付材を得た。なお、有機溶剤としてはトルエンを用い、粘着剤層の厚さは、実施例及び比較例の各試験片(幅30mm×長さ50mm)について、日本工業規格(JIS)B7503に規定するダイヤルゲージにより測定した。
【0043】
【表1】

【0044】
粘着剤層総重量に対する各成分の含有量(重量%)と、用いた架橋剤の種類及び官能基比を表2に示した。
【0045】
【表2】

【0046】
上記の実施例及び比較例の各貼付材について、(1)保形性、貼付材の脱落しやすさの指標として(2)定荷重(固定性)及び(3)ボールタック値、並びに(4)皮膚刺激性の評価を行った。各評価方法について、以下に示す。
【0047】
(1)保形性
調製した貼付材について、架橋の形成度及び保形性の有無を観察し、次のように評価した。
○;架橋が十分に形成されており、保形性を有する。
×;架橋が十分に形成されておらず、保形性を有しない。
【0048】
(2)定荷重(固定性)
定荷重(固定性)は、支持体の露出面に外部から荷重がかかった場合において、貼付材の皮膚面における固定性、すなわち皮膚からの脱落のしにくさを示す指標として、次の方法により測定した。まず、実施例及び比較例の各貼付材について、12mm×80mmの大きさに打ち抜き、試験片を調製した。測定は、試験片の剥離した距離については金尺(シンワ製)を、剥離時間についてはストップウォッチ(セイコー製)を用いて行い、各貼付材について作成した試験片を被着体(コラーゲン板)へ貼付し、一方の端末へ15gの荷重を90°剥離試験の形になるようにぶら下げ、試験片が剥れた距離及び時間から、剥離速度を算出し、次の評価基準に従って評価した。また、剥離の際の破壊モードについても、以下に示した。
<破壊モード>
K(界面破壊):被着体から粘着テープを剥がした際に、被着体へ粘着剤が残らない状態
T(投錨破壊):被着体から粘着テープを剥がした際に、粘着剤が基材から剥れて、粘着剤層が被着体へ残る状態
<評価基準>
◎;200mm/h未満
○;200mm/h以上300mm/h未満
×;300mm/h以上
【0049】
(3)ボールタック値
ボールタック値は、貼付材を皮膚へ貼付した当初に、支持体の露出面に外部から荷重がかかった場合において、貼付材が皮膚から脱落しにくいかどうかの指標として、日本工業規格(JIS)Z0237に従って測定した。ただし、本試験においては、試料の都合上、実施例及び比較例の各貼付材を幅50mm×長さ50mmに打ち抜いたものを試験片とした。すなわち、23℃、相対湿度65%の条件下に、試験片をその粘着面が露出されるように傾斜角30°の球転装置上に設置し、試験片と助走部との間に段差が生じないように固定した。次いで、試験片上を異なる球径のボールを転がし、5秒以上静止した際の最大球径(ボールNo.)を当該試験片のボールタック値とし、次の評価基準に従って評価した。
<評価基準>
◎;17以上
○;16以上17未満
×;16未満
【0050】
(4)皮膚刺激性
実施例及び比較例の各貼付材をヒト背面に24時間貼付して剥離し、剥離後の皮膚の状態を観察して、次の評価基準に従って評価した。
<評価基準>
◎;貼付前の状態と変わらない
○;貼付前の状態と変わらないが、剥離時に若干の違和感を生じた。
×;剥離後に発赤や浮腫が見られ、剥離時に刺激感が感じられた。
−;評価せず
【0051】
上記についての評価結果を、表3に示した。
【0052】
【表3】

【0053】
表3より明らかなように、実施例1〜7の各貼付材はいずれも良好な保形性を有し、定荷重(固定性)及びボールタック値の評価結果も良好で、支持体の露出面に外部から荷重がかかった場合において、皮膚から脱落しにくいことが示された。また、問題となる皮膚刺激性も認められなかった。
【0054】
これに対し、4官能性の架橋剤を用いて調製した比較例1の貼付材は、保形性は有するものの、外部からの荷重により、皮膚から脱落しやすいと評価された。4官能性の架橋剤と触媒を用いて調製した比較例2の貼付材も保形性を有するが、乾燥直後に硬化するため、定荷重試験において投錨破壊され、支持体に対し十分な投錨力が確保できなかった。仮に、比較例2の貼付材を熱プレスして投錨力を確保できたとしても、柔軟性の指標として測定した100%モジュラスの応力から、皮膚への追従性が悪くなることが示された。また、3官能性の架橋剤を用いてはいるが、触媒を用いずに調製した比較例3の貼付材においては、架橋形成が不十分で保形性を有さず、薄層シート状の粘着剤層を形成することができなかった。なお、比較例1及び比較例2の貼付材は皮膚から脱落しやすく、比較例3の場合は薄層シート状の粘着剤層が形成されなかったため、これら比較例の貼付材については、皮膚刺激性の評価は行わなかった。
【0055】
[実施例8、9]
表4に示す処方に従い、実施例8及び9の貼付材を上記実施例の場合と同様に調製した。これらについて、粘着剤層総重量に対する各成分の含有量(重量%)と、用いた架橋剤及び官能基比と、触媒の種類を表5に示した。
【0056】
【表4】

【0057】
【表5】

【0058】
実施例8及び9の貼付材は、上記の実施例1〜7の貼付材と同様の特性を有する。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、貼付材又は貼付製剤の支持体の露出面に加重がかかったとしても、皮膚から脱落し難く、且つ皮膚に対して低刺激性であり、皮膚患部や創傷面の保護、薬剤の経皮吸収のために好適に使用できる貼付材又は貼付製剤を提供するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋反応可能な官能基を分子内に有する液状ゴムを、官能基数が3以下の架橋剤及び触媒の存在下に架橋させてなる粘着剤層を、支持体の少なくとも一方の面に有する、貼付材。
【請求項2】
架橋反応可能な官能基を分子内に有する液状ゴムが、架橋反応可能な官能基を分子内に有する液状イソプレンゴムである、請求項1に記載の貼付材。
【請求項3】
架橋反応可能な官能基を分子内に有する液状ゴムの官能基数の総和に対する、官能基数が3以下の架橋剤の官能基数の総和の割合が30%〜100%となる条件下で架橋させてなる、請求項1又は請求項2に記載の貼付材。
【請求項4】
粘着剤層が、さらに有機液状成分の存在下にて架橋されたものである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の貼付材。
【請求項5】
有機液状成分が、油脂、炭化水素、脂肪酸エステル及び高級脂肪酸より選択される1種又は2種以上である、請求項4に記載の貼付材。
【請求項6】
脂肪酸エステルが、脂肪酸モノアルキルエステルである、請求項5に記載の貼付材。
【請求項7】
脂肪酸モノアルキルエステルが、ミリスチン酸イソプロピル及びパルミチン酸イソプロピルから選択される1種又は2種である、請求項6に記載の貼付材。
【請求項8】
粘着剤層が、さらに粘着付与剤の存在下にて架橋されたものである、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の貼付材。
【請求項9】
粘着剤層の厚さが40μm以上である、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の貼付材。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の貼付材において、粘着剤層が薬物を含有してなる、貼付製剤。

【公開番号】特開2010−222322(P2010−222322A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73408(P2009−73408)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】