説明

貼付状態検出装置

【課題】シート材を貼付した箇所と貼付していない箇所の光のコントラストの差を大きくし、シート材の貼付状態の検出精度を向上させることができるようにする。
【解決手段】貼付箇所に対して光を照射する光源2と、貼付箇所から反射された光を撮影する撮像装置3と、光源2と貼付箇所との間、または貼付箇所と撮像装置3との間の少なくとも一方に設けられた偏光フィルタ15,16と、を備えた。これにより、偏光フィルタによって、撮像装置で受光される光のうち特定の光を軽減することができ、そのため、シート材を貼付した箇所と、貼付していない箇所との輝度差を大きくすることがでる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被貼付物に貼付された透明又は半透明のシート材の貼付状態を検出する貼付状態検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶やプラズマなどのFPD(Flat Panel Display)には、複数の処理ステーションによって、その周囲に様々な電子部品が接続又は実装される。実装される電子部品の具体例としては、駆動ICの搭載やCOF(Chip on Film)、FPC(Flexible Printed Circuit)などのいわゆるTAB(Tape Automated Bonding)及び、PCB(周辺基板:Printed Circuit Board)が挙げられる。また、表示基板とPCB基板との接続には、TCP(Tape Carrier Package)が用いられている。
【0003】
ここで、図6及び図7を参照して液晶ディスプレイパネルについて説明しておく。
図6は、液晶ディスプレイパネルを示す正面図、図7は、液晶ディスプレイパネルとプリント基板との接続状態を示す斜視図である。
【0004】
図6に示すように、液晶ディスプレイパネル100は、2つのTFT(Thin Film Transistor)アレイ基板101,102と、この2つのTFTアレイ基板の間に封入される液晶とから構成されている。この2つのTFTアレイ基板101,102の少なくとも1辺には、ICチップ103を搭載したフレキシブル基板からなる複数のTCP105を介してプリント基板(PCB)106が設けられている。
【0005】
図7に示すように、2つのTFTアレイ基板101,102には、所定数のリード部104が形成されている。そして、このリード部104には、複数のTCP105が接続されている。更に、複数のTCP105には、PCB106が接続されている。また、PCB106における複数のTCP105と接続される箇所には、所定の間隔を開けて複数のリード部107が設けられている。
【0006】
PCB106とTCP105は、ACF(異方性導電フィルム、Anisotropic Conductive Film)108によって電気的に接続されている。このACF108は、粘着性のある電気絶縁物質からなる熱硬化性樹脂(バインダ樹脂)に導電性を持つ微細な金属粒子を分散させてフィルム状に成形したものである。
【0007】
PCB106とTCP105の接続は、次のようにして行われる。まず、ACF108をPCB106のリード部107に貼付する。そして、ACF108を貼付したPCB106のリード部107上にTCP105を配置し、熱圧着処理を行う。これにより、PCB106にTCP105が接着される。このとき、ACF108内に分散された導電粒子が、PCB106のリード部107とTCP105に接続されることで、PCB106とTCP105が電気的に接続される。そして、ACF108のバインダ樹脂が硬化して、PCB106とTCP105が、ACF108を介して一体に固定される。
【0008】
ここで、ACF108が、PCB106における所定の位置、すなわちリード部107に正確に貼付されているかを検出する方法として、例えば特許文献1に記載の技術が提案されている。この特許文献1に開示されている技術では、貼付箇所に光を照射し、貼付箇所で反射された光を撮影している。そして、撮影した画像信号からシート材を貼付した箇所と貼付していない箇所との光のコントラストを比較することで、シート材が正確な位置に貼付されているかを検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−69199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、シート材であるACFは、半透明であるため、被貼付物であるプリント基板のリード部との輝度差が少なかった。その結果、特許文献1に開示されている技術では、貼付箇所と貼付していない箇所との反射光のコントラストの差が大きく表れず、シート材の貼付状態の検出精度が低くなっていた。
【0011】
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、透明又は半透明のシート材を貼付した箇所と貼付していない箇所の光のコントラストの差を大きくし、シート材の貼付状態の検出精度を向上させることができる貼付状態検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の貼付状態検出装置は、透明又は半透明のシート材を被貼付物に貼付する際の貼付状態を検出する装置である。
更に、本発明の貼付状態検出装置は、被貼付物にシート材を貼付した貼付箇所に対して光を照射する光源と、貼付箇所から反射された光を撮影する撮像装置と、光源と貼付箇所との間、または貼付箇所と撮像装置との間の少なくとも一方に設けられた偏光フィルタとを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の貼付状態検出装置によれば、偏光フィルタによって、特定の偏光を有する光のみを透過させることで、撮像装置で受光される光のうち特定の光を軽減することができる。そのため、シート材と被貼付物との輝度差を大きくすることができ、貼付箇所と貼付していない箇所とのコントラスト比を大きくすることができる。その結果、シート材の貼付状態を正確に把握することができ、シート材の貼付状態の検出精度を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の貼付状態検出装置の第1の実施の形態例を模式的に示す正面図である。
【図2】P偏光とS偏光におけるガラスへの反射率を示すグラフである。
【図3】偏光フィルタの有無によるコントラスト比の違いを示すグラフである。
【図4】本発明の貼付状態検出装置の第2の実施の形態例を模式的に示す正面図である。
【図5】偏光フィルタの種類によるコントラスト比の違いを示すグラフである。
【図6】液晶ディスプレイパネルを示す正面図である。
【図7】液晶ディスプレイパネルとプリント基板との接続状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の貼付状態検出装置の実施の形態例について、図1〜図7を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態例
1−1.貼付状態検出装置の構成例
1−2.貼付状態検出装置のコントラスト比の測定例
2.第2の実施の形態例
【0016】
<1.第1の実施の形態例>
1−1.貼付状態検出装置の構成例
まず、図1及び図2を参照して本発明の貼付状態検出装置の第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)について説明する。
図1は、貼付状態検出装置を模式的に示す正面図、図2は、P偏光とS偏光におけるガラスへの反射率を示すグラフである。
【0017】
本例の貼付状態検出装置1は、透明又は半透明のシート材の一具体例として示すACF108を被貼付物の一具体例として示すPCB106に貼付した際におけるACF108の貼付状態を検出する装置である。
【0018】
この貼付状態検出装置1は、ACF108の貼付箇所に光を照射する光源2と、貼付箇所から反射された光を撮影する撮像装置3と、撮像装置3に接続された画像処理装置4と、2つの偏光フィルタ5,6とから構成されている。
【0019】
光源2は、貼付箇所に対して略垂直の位置から所定の角度θだけ傾けた位置に配置されている。そして、この光源2は、貼付箇所に対して所定の角度θで光が入射するように設定されている。
【0020】
撮像装置3は、貼付箇所に対して略垂直の位置から光源2と反対方向に所定の角度傾けた位置に配置されている。そして、この撮像装置3は、貼付箇所から所定の角度θで反射された光を撮影するように設定されている。なお、本例では、光源2及び撮像装置3は、約60°傾けた位置に配置されている。また、撮像装置3は、画像処理装置4に接続されており、画像信号を画像処理装置4に出力している。
【0021】
画像処理装置4は、撮像装置3からの映像信号を受信し、その映像信号からACF108の貼付状態を判断している。具体的には、ACF108を貼付した箇所と、ACF108を貼付していない箇所のコントラストを比較することで、ACF108が所望の位置にあるリード部107(図7参照)に貼付されているかを検出する。
【0022】
第1の偏光フィルタ5は、光源2と貼付箇所の間に配置されており、光源2から照射された光のうち特定の偏光成分を有する光のみを透過している。また、第2の偏光フィルタ6は、貼付箇所と撮像装置3の間に配置されており、貼付箇所から反射された光のうち特定の偏光成分を有する光のみを透過している。
【0023】
本例では、第1の偏光フィルタ5及び第2の偏光フィルタ6は、それぞれP偏光成分の光のみを透過するP偏光フィルタである。そのため、貼付箇所には、P偏光成分の光のみが照射され、撮像装置3は、P偏光成分の光のみを撮影することになる。なお、P偏光とは、入射面に対する光の入射光と入射面の法線方向が作る面内で振動している直線偏光であり、このP偏光と垂直な方向に振動する光をS偏光と呼んでいる。
【0024】
ここで、図2に示すように、P偏光の光は、屈折率nがACF108とほぼ等しいガラス(n=1.5)に、空気中から約60°の入射角で入射すると、その反射率がほぼ0となることがわかる。この反射率が0となる角度をブリュースター角という。よって、P偏光の光がACF108のブリュースター角で入射されると、その反射率が0であるため、ACF108が貼付された箇所では、反射は検出されない。
【0025】
上述したように、本例では、光源2及び撮像装置3をACF108におけるP偏光の略ブリュースター角である約60°傾けた位置に配置している。すなわち、光源2は、貼付箇所に対して約60°の角度で光が入射するように設定されており、撮像装置3は、貼付箇所から約60°の角度で反射された光を撮影するように設定されている。
【0026】
そのため、ACF108を貼付した箇所では、反射光が大幅に軽減され、ACF108を貼付した箇所の反射光と、ACF108が貼付されていない箇所の反射光との輝度差が大きくなる。その結果、光のコントラスト比も大きくなるため、ACF108の貼付状態を正確に把握することができ、貼付状態の検出精度の向上を図ることが可能である。
【0027】
なお、本例では、光源2を、貼付箇所に対して約60°の角度で光が入射するように設定し、撮像装置3を貼付箇所から約60°の角度で反射された光を撮影するように設定した例を説明したが、これに限定されるものではない。光源2による貼付箇所への照射角度及び撮像装置3が撮影する反射光の角度は、貼付状態を検出するシート材のP偏光のブリュースター角によって適宜設定されるものである。
【0028】
ここで、空気の屈折率をnとし、透明又は半透明のシート材の屈折率をnとすると、このシート材のP偏光のブリュースター角θは、下記式1から算出される。
[式1]
tanθ=n/n
【0029】
また、空気の屈折率は、n≒1であるため、式1を下記式2に変換することができる。
[式2]
tanθ=n
【0030】
このため、光源2による貼付箇所への照射角度及び撮像装置3が撮影する反射光の角度は、式2で算出した角度に設定することが好ましい。
【0031】
なお、本例では、光源2と貼付箇所の間と、貼付箇所と撮像装置3の間の2箇所に偏光フィルタを設けた例を説明した。しかしながら、偏光フィルタは、光源2と貼付箇所の間、または、貼付箇所と撮像装置3の間のうち少なくとも一方に設けることで、その目的が達成される。
【0032】
1−2.貼付状態検出装置のコントラスト比の測定例
次に、図3を参照して偏光フィルタの有無におけるコントラスト比の測定例について説明する。
図3は、偏光フィルタの有無によるコントラスト比の違いを示すグラフである。
【0033】
まず、この測定に用いた貼付状態検出装置について説明する。No.1は、偏光フィルタを設けていない従来の貼付状態検出装置である。No.2は、光源2と貼付箇所との間である投光系にのみP偏光フィルタを設けた貼付状態検出装置である。No.3は、貼付箇所と撮像装置との間である受光系にのみP偏光フィルタを設けた貼付状態検出装置である。また、No.4は、投光系と受光系の両方にP偏光フィルタを設けた貼付状態検出装置である。表1は、この4つの装置におけるコントラスト比の一測定例を示したものである。
【0034】
【表1】

【0035】
図3及び表1に示すように、偏光フィルタを設けないNo.1、すなわち従来の貼付状態検出装置では、コントラスト比は、−0.033であった。これに対し、偏光フィルタを設けたNo.2〜No.4のコントラスト比の絶対値は、少なくても0.578である。このように、光源2と貼付箇所の間、あるいは貼付箇所と撮像装置3の間のうち少なくとも一方に偏光フィルタを設ければ、従来の貼付状態検出装置よりもシート材の検出精度が一段と高くなることが判る。
【0036】
なお、投光系のみに偏光フィルタを設けたNo.2の貼付状態検出装置よりも、受光系のみに偏光フィルタを設けたNo.3の貼付状態検出装置のほうが、コントラスト比の絶対値が大きくなっている。したがって、どちらか一方に偏光フィルタを設けるのであれば、投光系である光源と貼付箇所の間よりも、受光系である貼付箇所と撮像装置との間に、偏光フィルタを設ける方が好ましいといえる。
【0037】
更に、投光系と受光系の両方に偏光フィルタを設けたNo.4は、他の装置に比べてコントラスト比の絶対値が最も高くなっている。そのため、P偏光成分の光のみを透過させるP偏光フィルタを投光系と受光系の両方に配置することにより、シート材の検出精度をより高めることができる。
【0038】
<2.第2の実施の形態例>
次に、図4及び図5を参照して本発明の貼付状態検出装置の第2の実施の形態例について説明する。
図4は、第2の実施の形態例に係る貼付状態検出装置を模式的に示す正面図、図5は、偏光フィルタの種類によるコントラスト比の値を示すグラフである。
【0039】
この第2の実施の形態例に係る貼付状態検出装置11は、ACF108内に分散された導電粒子による散乱光を検出することでACF108の貼付状態を検出する装置である。図4に示すように、貼付状態検出装置11は、ACF108の貼付箇所に光を照射する光源12と、貼付箇所から反射された光を撮影する撮像装置13と、撮像装置13に接続された画像処理装置14と、2つの偏光フィルタ15,16とから構成されている。
【0040】
光源12は、貼付箇所に対して略垂直の位置から所定の角度θだけ傾けた位置に配置されている。つまり、この光源12は、貼付箇所に対して所定の角度θで光が入射するように設定されている。なお、この第2の実施の形態例でも、第1の実施の形態例と同様に、光源12は、約60°傾けた位置に配置されている。ここで、第1の偏光フィルタ15は、光源12と貼付箇所の間に配置されており、光源12から照射された光のうち特定の偏光成分を有する光のみを透過している。
【0041】
また、図4に示すように、撮像装置13は、貼付箇所に対して略垂直の位置に配置されている。この点は、図1に示す第1の実施の形態例と大きく異なるところである。そして、この撮像装置13と貼付箇所の間に、第2の偏光フィルタ16が配置され、撮像装置13は、この第2の偏光フィルタ16を介して貼付箇所から反射された光のうち特定の偏光成分の光のみを検出するようになっている。
【0042】
なお、第1の偏光フィルタ15及び第2の偏光フィルタ16のうち一方は、P偏光成分と直交する平面内に存在するS偏光成分の光のみを透過させるS偏光フィルタである。また、他方は、P偏光成分の光のみを透過させるP偏光フィルタである。すなわち、第1の偏光フィルタ15及び第2の偏光フィルタ16は、入射時と反射時で異なる成分の光のみを透過させるように設定されている。つまり、入射した偏光の反射光は検出されないようになっている。
【0043】
例えば、第1の偏光フィルタ15にP偏光フィルタを用い、第2の偏光フィルタ16にS偏光フィルタを用いた場合、貼付箇所には、第1の偏光フィルタ15を透過したP偏光の光が入射される。そして、ACF108を貼付していない箇所では、P偏光の光として反射される。
【0044】
ここで、第2の偏光フィルタ16は、第1の偏光フィルタ15と偏光方向が90°異なるS偏光フィルタを用いている。そのため、P偏光として反射された光は、第2の偏光フィルタ16を透過することができない。その結果、ACF108を貼付していない箇所は、暗く映し出される。
【0045】
これに対し、ACF108を貼付した箇所では、ACF108内に分散された導電粒子によって光源12から入射された光が散乱する。よって、P偏光として入射された光は、導電粒子によって、その方向がさまざまな方向を向くため、S偏光フィルタである第2の偏光フィルタ16を透過することができる。そのため、ACF108を貼付した箇所は、明るく映し出される。その結果、ACF108を貼付した箇所と、貼付していない箇所では、光のコントラスト比の絶対値が大きくなり、ACF108の検出精度を高めることが可能である。
【0046】
その他の構成は、上述した第1の実施の形態例にかかる貼付状態検出装置1と同様であるため、それらの説明は省略する。
【0047】
次に、図5を参照して第1及び第2の偏光フィルタの種類の違いによるコントラスト比の測定例について説明する。
図5は、偏光フィルタの種類によるコントラスト比の違いを示すグラフである。
【0048】
まず、この測定に用いた貼付状態検出装置について説明する。No.5は、偏光フィルタを設けていない従来の貼付状態検出装置である。No.6は、第1及び第2の偏光フィルタ15,16の両方にS偏光フィルタを用いた貼付状態検出装置である。No.7は、第1の偏光フィルタ15にS偏光フィルタを用い、第2の偏光フィルタ16にP偏光フィルタを用いた貼付状態検出装置の例ある。
【0049】
また、No.8は、第1の偏光フィルタ15にP偏光フィルタを用い、第2の偏光フィルタ16にS偏光フィルタを用いた貼付状態検出装置の例である。更に、No.9は、2つの偏光フィルタ15,16の両方にP偏光フィルタを用いた貼付状態検出装置の例である。
【0050】
図5に示すように、偏光フィルタを設けないNo.5及び、2つの偏光フィルタとして同じ種類の偏光フィルタを設けたNo.6,No.9の貼付状態検出装置では、コントラスト比の絶対値が小さくなっている。これに対し、第1及び第2の偏光フィルタ15,16で異なる種類の偏光フィルタを用いた本発明のNo.7とNo.8では、コントラスト比の絶対値が大きくなっていることが分かる。なお、一測定例の数値データは、表2に示されている。
【0051】
【表2】

【0052】
すなわち、第1及び第2の偏光フィルタ15,16に同じ種類の偏光フィルタを設けた場合、投光側と受光側で透過可能な光の偏光方向が同じであるため、ACF108を貼付していない箇所の光も、第2の偏光フィルタ16を透過することができる。そのため、コントラスト比の絶対値が小さくなったと考えられる。これに対し、本発明の第2の実施の形態例では、投光側と受光側で異なる種類の偏光フィルタを設けたことで、上述したようにACF108を貼付していない箇所を暗くし、ACF108を貼付した箇所を明るくすることができる。これにより、コントラスト比の絶対値を大きくすることができたと、考えられる。
【0053】
このような構成を有する貼付状態検出装置11によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる貼付状態検出装置1と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0054】
また、この第2の実施の形態例では、撮像装置13を貼付箇所に対して略垂直の位置に配置した場合を説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、撮像装置13は、ACF108内に分散された導電粒子によって光源12から入射された光の散乱光を検出するものである。そのため、撮像装置13は、貼付箇所の略垂直の位置に限定されるものではなく、散乱光を検出できる位置に配置されていればよい。
【0055】
なお、この第2の実施の形態例にかかる貼付状態検出装置11は、ACF108のようにシート内に導電粒子のような光を分散させる粒子を有するシート材の貼付状態の検出に有効である。
【0056】
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施例では、ACFをプリント基板に貼付した状態を検出する貼付状態検出装置として適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、食品のラミネート包装におけるラミネートの貼付状態を検出する貼付状態検出装置に用いてもよく、その他各種の透明又は半透明のシート材の貼付状態を検出する貼付状態検出装置に用いられるものである。
【符号の説明】
【0057】
1,11…貼付状態検出装置、 2,12…光源、 3,13…撮像装置、 4,14…画像処理装置、 5,15…第1の偏光フィルタ、 6,16…第2の偏光フィルタ、 100…液晶ディスプレイパネル、 106…PCB(被貼付物)、 108…ACF(シート材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明又は半透明のシート材を被貼付物に貼付する際の貼付状態を検出する貼付状態検出装置であって、
前記被貼付物に前記シート材を貼付した貼付箇所に対して光を照射する光源と、
前記貼付箇所から反射された光を撮影する撮像装置と、
前記光源と前記貼付箇所との間、または前記貼付箇所と前記撮像装置との間の少なくとも一方に設けられた偏光フィルタと、
を備えたことを特徴とする貼付状態検査装置。
【請求項2】
前記偏光フィルタは、前記光源と前記貼付箇所との間、及び前記貼付箇所と前記撮像装置との間の両方に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の貼付状態検査装置。
【請求項3】
前記偏光フィルタは、P偏光成分の光のみを透過させるP偏光フィルタである
ことを特徴とする請求項1または2に記載の貼付状態検出装置。
【請求項4】
前記光源は、前記貼付箇所に対して前記シート材のP偏光の略ブリュースター角で光が入射するように設定され、
前記撮像装置は、前記貼付箇所から前記シート材のP偏光の略ブリュースター角で反射された光を撮影するように設定されている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の貼付状態検出装置。
【請求項5】
前記2つの偏光フィルタのうち一方は、S偏光成分の光のみを透過させるS偏光フィルタであり、他方は、P偏光成分の光のみを透過させるP偏光フィルタである
ことを特徴とする請求項2に記載の貼付状態検出装置。
【請求項6】
前記撮像装置は、前記貼付箇所に対して略垂直の位置に配置されている
ことを特徴とする請求項5に記載の貼付状態検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−7695(P2011−7695A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152783(P2009−152783)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】