説明

資源割当装置、集中制御装置、無線基地局、無線通信システム、資源割当方法及び資源割当プログラム

【課題】アクセス側の無線インタフェースとバックボーン側の無線インタフェースとの間で干渉が発生しないように、無線通信を行う際に必要となる資源情報を無線基地局に割り当てる無線通信システムを提供する。
【解決手段】無線基地局(AP)は、無線装置(STA)を収容するためのアクセス側の無線インタフェース(110)と、無線基地局(AP)間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェース(110)と、を搭載し、無線基地局(AP)は、無線基地局(AP)間で無線通信を行うことになるバックボーン側の無線インタフェース(110)には、無線基地局(AP)間で共通の資源情報を割り当て、アクセス側の無線インタフェース(110)には、バックボーン側の無線インタフェース(110)との間で干渉が発生しない資源情報を割り当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線装置を収容するためのアクセス側の無線インタフェースと、無線基地局間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェースと、を搭載する無線基地局に対し、無線通信を行う際に必要となる資源情報を割り当てる資源割当装置、集中制御装置、無線基地局、無線通信システム、資源割当方法及び資源割当プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、無線基地局を設置する場合に、設置の容易性、障害耐性等の観点から、無線基地局を有線で相互に接続するのではなく、無線基地局を無線で相互に接続し、無線メッシュネットワークを構成することが求められている。この場合、無線基地局間のキャパシティを増大させるために、複数の無線ネットワークインタフェースを無線基地局に搭載することが考えられている。
【0003】
なお、2.4GHz帯の無線LANを適用した場合、2.4GHz帯の無線LANの周波数割当において、干渉しない(重ならない)無線チャネルは、日本国内では最大で4チャネル(例えば、1ch,6ch,11ch,14ch)しか構成することができない(なお、IEEE802.11gでは、3チャネル)。但し、無線チャネルの最大範囲は、無線方式や、国によって異なるため、干渉しない(重ならない)無線チャネルの数は、無線方式や、国によって異なることは言うまでもない。
【0004】
このため、複数の無線ネットワークインタフェースを搭載した無線基地局において、チャネル干渉の問題が顕著となる。なお、チャネル干渉が発生すると、ネットワークパフォーマンスが低下することになる。
【0005】
このようなことから、チャネル干渉を防ぐために、本発明より先に出願された技術文献として、通信に使用されていない空きチャネルを通信チャネルとして自動的に設定することを可能とした無線通信機器について開示された文献がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の技術は、無線端末装置を収容するためのアクセス側の無線インタフェースのみに適用可能である。このため、上記特許文献1の技術を、無線基地局間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェースに適用した場合には、互いに重ならない無線チャネルを割り当ててしまうことになり、無線チャネルを共有できず、結果的に、無線基地局間の通信を行うことができないことになる。
【0007】
このため、上記特許文献1の技術は、アクセス側の無線インタフェースと、バックボーン側の無線インタフェースと、を搭載して構成する無線基地局に適用することができない。
【0008】
また、バックボーン側の無線インタフェースに対し、トラフィックに応じたチャネル割り当てを行うチャネル割当方式について開示された文献がある(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
しかしながら、上記特許文献2の技術は、トラフィックに応じたチャネル割り当てを、バックボーン側の無線インタフェースに対して行うものであり、アクセス側の無線インタフェースと連携したチャネル割り当てについては考慮していない。このため、上記特許文献2の技術では、バックボーン側の無線インタフェースと、アクセス側の無線インタフェースと、の間で干渉が発生してしまうことになる。
【0010】
このため、上記特許文献2の技術は、上記特許文献1と同様に、アクセス側の無線インタフェースと、バックボーン側の無線インタフェースと、を搭載して構成する無線基地局に適用することができない。
【0011】
また、本発明より先に出願された先行技術文献として、各無線リンクに無線チャネルを齟齬無く割り当てることを可能とするメッシュ状無線ネットワークにおける無線チャネル割当方法について開示された文献がある(例えば、特許文献3参照)。
【0012】
しかしながら、上記特許文献3の技術は、各上位ノードが自ノードのリンクに割り当てる無線チャネルを自律分散的に設定しても、同一リンクに複数の上位ノードによって異なる無線チャネルが割り当てられてしまうことがないようにすることを主眼とした発明である。
【0013】
このため、上記特許文献3の技術は、アクセス側の無線インタフェースと、バックボーン側の無線インタフェースと、を搭載する無線基地局に対し、アクセス側の無線インタフェースとバックボーン側の無線インタフェースとの間で干渉が発生しないように、無線チャネルを割り当てることについては何ら考慮していない。
【0014】
また、アクティブスキャン、パッシブスキャンのスキャン方式の技術について開示された文献がある(例えば、非特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3600568号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0208949号明細書
【特許文献3】特開2002−345016号公報
【非特許文献1】ISO/IEC 8802-11 IEEE Std 802.11 Second edition 2005-08-01 ISO/IEC 8802 11:2005(E) IEEE Std 802.11i-2003 Edition, Information technology - Telecommunications and information exchange between systems - Local and metropolitan area networks - Specific requirements Part 11: Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) specifications (Includes IEEE Std 802.11, 1999 Edition; IEEE Std 802.11a.-1999; IEEE Std 802.11b.-1999; IEEE Std 802.11b.-1999/Cor 1-2001; and IEEE Std 802.11d.-2001)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上述した課題である、無線装置を収容するためのアクセス側の無線インタフェースと、無線基地局間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェースと、を搭載する無線基地局に対し、アクセス側の無線インタフェースとバックボーン側の無線インタフェースとの間で干渉が発生しないように、無線通信を行う際に必要となる資源情報を割り当てることが可能な資源割当装置、集中制御装置、無線基地局、無線通信システム、資源割当方法及び資源割当プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
【0017】
<資源割当装置>
本発明における資源割当装置は、
無線通信を行う際に必要となる資源情報を無線基地局に割り当てる資源割当装置であって、
前記無線基地局は、
無線装置を収容するためのアクセス側の無線インタフェースと、無線基地局間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェースと、を搭載しており、
前記資源割当装置は、
無線基地局間で無線通信を行うことになる前記バックボーン側の無線インタフェースには、無線基地局間で共通の資源情報を割り当て、前記アクセス側の無線インタフェースには、前記バックボーン側の無線インタフェースとの間で干渉が発生しない資源情報を割り当てる資源割当手段を有することを特徴とする。
【0018】
<集中制御装置>
また、本発明における集中制御装置は、
上記記載の資源割当装置を搭載した集中制御装置であって、
前記無線基地局を集中制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0019】
<無線基地局>
また、本発明における無線基地局は、
上記記載の資源割当装置を搭載したことを特徴とする。
【0020】
<無線通信システム>
また、本発明における無線通信システムは、
無線基地局と、無線通信を行う際に必要となる資源情報を前記無線基地局に割り当てる資源割当装置と、を有して構成する無線通信システムであって、
前記無線基地局は、
無線装置を収容するためのアクセス側の無線インタフェースと、無線基地局間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェースと、を搭載し、
前記資源割当装置は、
無線基地局間で無線通信を行うことになる前記バックボーン側の無線インタフェースには、無線基地局間で共通の資源情報を割り当て、前記アクセス側の無線インタフェースには、前記バックボーン側の無線インタフェースとの間で干渉が発生しない資源情報を割り当てる資源割当手段を有することを特徴とする。
【0021】
<資源割当方法>
また、本発明における資源割当方法は、
無線通信を行う際に必要となる資源情報を無線基地局に割り当てる資源割当装置で行う資源割当方法であって、
前記無線基地局は、
無線装置を収容するためのアクセス側の無線インタフェースと、無線基地局間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェースと、を搭載しており、
前記資源割当装置は、
無線基地局間で無線通信を行うことになる前記バックボーン側の無線インタフェースには、無線基地局間で共通の資源情報を割り当て、前記アクセス側の無線インタフェースには、前記バックボーン側の無線インタフェースとの間で干渉が発生しない資源情報を割り当てる資源割当工程を行うことを特徴とする。
【0022】
また、本発明における資源割当方法は、
無線基地局と、無線通信を行う際に必要となる資源情報を前記無線基地局に割り当てる資源割当装置と、を有して構成するシステムで行う資源割当方法であって、
前記無線基地局は、
無線装置を収容するためのアクセス側の無線インタフェースと、無線基地局間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェースと、を搭載し、
前記資源割当装置は、
無線基地局間で無線通信を行うことになる前記バックボーン側の無線インタフェースには、無線基地局間で共通の資源情報を割り当て、前記アクセス側の無線インタフェースには、前記バックボーン側の無線インタフェースとの間で干渉が発生しない資源情報を割り当てる資源割当工程を行うことを特徴とする。
【0023】
<資源割当プログラム>
また、本発明における資源割当プログラムは、
無線通信を行う際に必要となる資源情報を無線基地局に割り当てる資源割当装置において実行させる資源割当プログラムであって、
前記無線基地局は、
無線装置を収容するためのアクセス側の無線インタフェースと、無線基地局間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェースと、を搭載しており、
無線基地局間で無線通信を行うことになる前記バックボーン側の無線インタフェースには、無線基地局間で共通の資源情報を割り当て、前記アクセス側の無線インタフェースには、前記バックボーン側の無線インタフェースとの間で干渉が発生しない資源情報を割り当てる資源割当処理を、前記資源割当装置に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、無線装置を収容するためのアクセス側の無線インタフェースと、無線基地局間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェースと、を搭載する無線基地局に対し、アクセス側の無線インタフェースとバックボーン側の無線インタフェースとの間で干渉が発生しないように、無線通信を行う際に必要となる資源情報を割り当てることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
まず、本実施例の無線通信システムの概要について説明する。
【0026】
本実施例における無線通信システムは、図1に示すように、複数の無線基地局(AP)を有して構成する無線通信システムである。
【0027】
なお、無線基地局(AP)は、無線装置(STA)を収容するためのアクセス側の無線インタフェース(110)と、無線基地局(AP)間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェース(110)と、を有して構成している。
【0028】
そして、各無線基地局(AP)を統括して制御するリーダの無線基地局(AP)は、無線通信を行う際に必要となる資源情報を各無線基地局(AP)に割り当てることになり、リーダの無線基地局(AP)は、無線基地局(AP)間で無線通信を行うことになるバックボーン側の無線インタフェース(110)には、無線基地局(AP)間で共通の資源情報を割り当て、アクセス側の無線インタフェース(110)には、バックボーン側の無線インタフェース(110)との間で干渉が発生しない資源情報を割り当てることになる。
【0029】
これにより、リーダの無線基地局(AP)は、無線装置(STA)を収容するためのアクセス側の無線インタフェース(110)と、無線基地局(AP)間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェース(110)と、を搭載して構成する複数の無線基地局(AP)に対し、アクセス側の無線インタフェース(110)とバックボーン側の無線インタフェース(110)との間で干渉が発生しないように、無線通信を行う際に必要となる資源情報を割り当てることが可能となる。
【0030】
また、本実施例における無線通信システムは、図26に示すように、複数の無線基地局(AP)と、無線通信を行う際に必要となる資源情報を無線基地局(AP)に割り当てる資源割当装置(1)と、を有して構成する無線通信システムである。
【0031】
なお、無線基地局(AP)は、無線装置(STA)を収容するためのアクセス側の無線インタフェース(110)と、無線基地局(AP)間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェース(110)と、を有して構成している。
【0032】
そして、資源割当装置(1)は、無線基地局(AP)間で無線通信を行うことになるバックボーン側の無線インタフェース(110)には、無線基地局(AP)間で共通の資源情報を割り当て、アクセス側の無線インタフェース(110)には、バックボーン側の無線インタフェース(110)との間で干渉が発生しない資源情報を割り当てることになる。
【0033】
これにより、資源割当装置(1)は、無線装置(STA)を収容するためのアクセス側の無線インタフェース(110)と、無線基地局(AP)間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェース(110)と、を搭載して構成する無線基地局(AP)に対し、アクセス側の無線インタフェース(110)とバックボーン側の無線インタフェース(110)との間で干渉が発生しないように、無線通信を行う際に必要となる資源情報を割り当てることが可能となる。以下、添付図面を参照しながら、本実施例における無線通信システムについて詳細に説明する。
【0034】
(第1の実施例)
<無線通信システムのシステム構成>
まず、図1を参照しながら、本実施例の無線通信システムのシステム構成について説明する。
【0035】
本実施例における無線通信システムは、複数の無線端末装置(STA)と、複数の無線基地局(AP)と、を有して構成している。
【0036】
なお、本実施例の無線通信システムを構成する無線基地局(AP)は、外部ネットワーク(NW)と接続するための有線インタフェース(120)と、無線基地局(AP)や無線端末装置(STA)と接続するための無線インタフェース(110)と、を有して構成している。
【0037】
無線インタフェース(110)は、無線端末装置(STA)を収容するためのアクセス側の無線インタフェース(110)と、無線基地局(AP)間の接続に使用するためのバックボーン側の無線インタフェース(110)と、がある。
【0038】
<無線基地局:APの内部構成>
次に、図2を参照しながら、本実施例の無線通信システムを構成する無線基地局(AP)の内部構成について説明する。
【0039】
本実施例における無線基地局(AP)は、図2に示すように、無線インタフェース(110)と、有線インタフェース(120)と、チャネル割当部(200)と、を有して構成している。
【0040】
無線インタフェース(110)は、無線で通信を行うインタフェースである。本実施例における無線基地局(AP)は、少なくとも1つの無線インタフェース(110)を有して構成している。なお、無線インタフェース(110)は、同じ無線仕様(信号強度、指向性など)の無線インタフェースや、異なる無線仕様の無線インタフェースが適用可能である。
【0041】
有線インタフェース(120)は、有線で通信を行うインタフェースである。本実施例における無線基地局(AP)は、図1に示すように外部ネットワーク(NW)と接続する無線基地局(AP)が有線インタフェース(120)を有していれば良く、外部ネットワーク(NW)と接続しない無線基地局(AP)は、有線インタフェース(120)を有していなくても良く、無線基地局(AP)に搭載される有線インタフェース(120)の数は特に限定しないものとする。
【0042】
チャネル割当部(200)は、無線チャネルの割り当てを行うものである。本実施例におけるチャネル割当部(200)は、チャネル制御部(300)と、記憶部(400)と、を有して構成している。
【0043】
チャネル制御部(300)は、記憶部(400)に格納されている情報を基に、無線インタフェース(110)に適切な無線チャネルを割り当てる。
【0044】
記憶部(400)は、無線チャネルを無線インタフェース(110)に割り当てる際に必要な情報を格納するものである。記憶部(400)は、図3に示すように、ノード情報(410)と、トポロジ情報(450)と、仮想ノード情報(420)と、を格納している。
【0045】
ノード情報(410)は、無線基地局(AP)自身の情報であり、図3に示すように、利用可能有線インタフェース数(411)と、有線インタフェース総数(412)と、グループ無所属無線インタフェース数(413)と、無線インタフェース総数(414)と、隣接無線基地局数(415)と、収容無線端末装置数(416)と、チャネルスキャン情報(417)と、が挙げられる。なお、各情報(411〜417)についての詳細は後述する。
【0046】
トポロジ情報(450)は、各無線基地局(AP)の接続状態を示す情報である。これにより、各無線基地局(AP)がどの無線基地局(AP)と接続しているのかを把握することが可能となる。
【0047】
なお、トポロジ情報(450)は、例えば、各無線基地局(AP)がノード情報(410)を隣接無線基地局(AP)と交換していくことで作成される。
【0048】
仮想ノード情報(420)は、無線チャネルの割当を行う各グループに関する情報である。本実施例では、1つのグループを仮想的に1つのノードと仮定するため、仮想ノード情報と呼ぶ。
【0049】
仮想ノード情報(420)は、構成ノード(421)と、仮想ノードチャネルスキャン情報(422)と、割当チャネル(423)と、が挙げられる。
【0050】
構成ノード(421)は、各仮想ノード、即ち、各グループを構成する無線基地局(AP)を示す情報である。
【0051】
仮想ノードチャネルスキャン情報(422)は、各仮想ノード、即ち、各グループを構成する無線基地局(AP)のチャネルスキャン情報(417)から算出される情報であり、グループ及びそのグループ周辺の無線チャネルの使用状況を示す情報である。
【0052】
なお、本実施例では、仮想ノードチャネルスキャン情報(422)として、グループ周辺の無線チャネルの使用状況を示す情報を含めている。このため、グループ周辺の無線チャネルの使用状況を示す情報を用いて、他システムとの間で干渉を発生させないように、無線チャネルの割り当てを行うことが可能となる。
【0053】
割当チャネル(423)は、仮想ノード、即ち、そのグループに割り当てる無線チャネルを示す情報である。
【0054】
<公衆無線アクセスシステム>
次に、図4を参照しながら、図2に示す無線基地局(AP)を複数台接続し、公衆無線アクセスシステムを構成する場合について説明する。
【0055】
公衆無線アクセスシステムを構成する場合には、まず、図2に示す無線基地局(AP)を任意に接続し、メッシュネットワークを構築する。そして、各無線基地局(AP)の電波到達範囲内に存在する無線端末装置(STA)が無線基地局(AP)に帰属し、公衆無線アクセスシステムを構成することになる。
【0056】
図4に示す公衆無線アクセスシステムを構成する無線基地局(A)は、有線インタフェース(120)を使用してインターネットなどの外部ネットワーク(NW)に接続している。これにより、図4に示す公衆無線アクセスシステムを構成する無線端末装置(STA)は、無線基地局(A)を経由して外部ネットワーク(NW)に接続することが可能となる。
【0057】
なお、図4に示す公衆無線アクセスシステムは、無線基地局(A)と、無線基地局(B)と、無線基地局(C)と、は、相互に通信できるものとする。また、無線基地局(D)は、無線基地局(B)と通信できるものとする。
【0058】
また、無線端末装置(a,b,c)は、無線基地局(A)に帰属しているものと仮定する。また、無線端末装置(d,e)は、無線基地局(B)に帰属しているものと仮定する。また、無線端末装置(f,g,h)は、無線基地局(C)に帰属しているものと仮定する。また、無線端末装置(i)は、無線基地局(D)に帰属しているものと仮定する。
【0059】
<無線通信システムにおける一連の制御動作>
次に、図4に示す公衆無線アクセスシステムを用いて、本実施例における無線通信システムにおける一連の制御動作について説明する。
【0060】
まず、各無線基地局(AP)は、各無線基地局(AP)自身のノード情報(410)を作成する。
【0061】
利用可能有線インタフェース数(411)は、有線インタフェース(120)が外部ネットワーク(NW)に接続されて通信が可能な状態である場合に1つカウントされ、通信可能な状態の有線インタフェース数が記憶部(400)に記憶される。なお、図4に示すシステム構成では、無線基地局(A)が外部ネットワーク(NW)に接続されているため、無線基地局(A)の利用可能有線インタフェース数(411)は、1となる。
【0062】
有線インタフェース総数(412)は、無線基地局(AP)に搭載される有線インタフェースの総数が記憶部(400)に記憶される。なお、図4に示すシステム構成では、無線基地局(A、B、D)の有線インタフェースの総数が1となる。また、無線基地局(C)の有線インタフェースの総数が2となる。
【0063】
グループ無所属無線インタフェース数(413)は、無線チャネルが割り当てられていない(グループに所属していない)無線インタフェースの数が記憶部(400)に記憶される。なお、最初は、無線チャネルが割り当てられていないため(デフォルト状態のため)、グループ無所属無線インタフェース数(413)は、無線基地局(AP)に搭載されている無線インタフェース数の総数に等しい。
【0064】
なお、図4に示すシステム構成では、デフォルト状態時において、無線基地局(A、D)のグループ無所属無線インタフェース数が3となる。また、無線基地局(B)のグループ無所属無線インタフェース数が4となる。また、無線基地局(C)のグループ無所属無線インタフェース数が2となる。
【0065】
無線インタフェース総数(414)は、無線基地局(AP)に搭載されている無線インタフェース(110)の総数が記憶部(400)に記憶される。
【0066】
なお、図4に示すシステム構成では、無線基地局(A、D)のグループ無所属無線インタフェース数が3となる。また、無線基地局(B)のグループ無所属無線インタフェース数が4となる。また、無線基地局(C)のグループ無所属無線インタフェース数が2となる。
【0067】
隣接無線基地局数(415)と、収容無線端末装置数(416)と、チャネルスキャン情報(417)と、は、各無線基地局(AP)が、無線基地局(AP)自身の周囲の無線状況をスキャン処理することで、無線基地局(AP)自身に隣接している隣接無線基地局数(415)や、無線基地局(AP)自身が収容している収容無線端末装置数(416)や、無線チャネル情報等を取得し、その取得した情報が記憶部(400)に記憶される。
【0068】
なお、図4に示すシステム構成では、無線基地局(A)の隣接無線基地局数が2となる。また、無線基地局(B)の隣接無線基地局数が3となる。また、無線基地局(C)の隣接無線基地局数が2となる。また、無線基地局(D)の隣接無線基地局数が1となる。
【0069】
また、無線基地局(A)の収容無線端末装置数が3となる。また、無線基地局(B)の収容無線端末装置数が2となる。また、無線基地局(C)の収容無線端末装置数が3となる。また、無線基地局(D)の収容無線端末装置数が1となる。
【0070】
チャネルスキャン情報(417)は、無線基地局(AP)が使用可能な無線チャネル毎の受信信号強度を管理するためのものである。本実施例では、受信信号強度予測関数:fn(x)を使用すると、無線チャネルxのチャネルスキャン情報S(x)は、次の(式1)で算出することになる。
【0071】
【数1】

【0072】
但し、fs(x):無線チャネルxの周波数分布における開始周波数、fe(x):無線チャネルxの周波数分布における終了周波数、fn(x):受信信号強度予測関数、N:受信した信号強度の総数を示す。
【0073】
なお、受信信号強度予測関数:fn(x)は、例えば、周波数配置の拡散スペクトラムから求められる関数等が適用可能であり、さらに、電波の減衰率を考慮した関数なども適用可能である。
【0074】
チャネルスキャン処理を行い、各無線チャネル毎の無線チャネル情報(受信信号強度)を測定した場合の測定結果例を図5に示す。
【0075】
図5に示す測定結果は、無線チャネルx=1〜14までを各々の無線チャネル毎に無線チャネル情報(受信信号強度)を測定した状態を示す。
【0076】
図5に示す測定結果は、無線チャネル1chを使用する無線装置が存在し、その受信信号強度は、90であることを示している。同様に、3chを使用する無線装置が存在し、受信信号強度は、30であることを示している。また、6chを使用する無線装置は2つ存在し、受信信号強度は、65と41とであることを示している。また、7chを使用する無線装置が存在し、受信信号強度が41であることを示している。また、10chを使用する無線装置が存在し、受信信号強度が12であることを示している。また、11chを使用する無線装置が存在し、受信信号強度が28であることを示している。また、14chを使用する無線装置が存在し、受信信号強度が55であることを示している。
【0077】
無線チャネル情報(受信信号強度)は、公知のチャネルスキャン方式を適用して測定することが可能である。例えば、非特許文献1に開示されているスキャン方式を適用して無線チャネル情報(受信信号強度)を測定することが可能であり、アクティブスキャンやパッシブスキャン等が適用可能である。
【0078】
なお、アクティブスキャンは、Probe Request/Responseフレームを交換することで、ネットワークを検索する方式である。また、パッシブスキャンは、beaconを監視しておくことで、ネットワークを検索する方式である。このように、公知のスキャン方式を適用し、無線チャネル毎の無線チャネル情報(受信信号強度)を取得することが可能となる。
【0079】
図5に示す点線は、上述した(式1)の受信信号強度予測関数:fn(x)の算出結果を示し、例えば、1chを使用すると、2ch,3chまで電波干渉が発生することを示している。
【0080】
なお、本実施例では、上述したスキャン方式を適用して取得した受信信号強度を基に、受信信号強度予測関数:fn(x)を算出することで、電波干渉が発生する干渉領域を予測する。
【0081】
これにより、特別な干渉検出装置を搭載することなく、電波干渉が発生する干渉領域を予測することが可能となる。なお、図5では、受信信号強度の値を適用しているが、対数値を適用することも可能である。
【0082】
また、本実施例では、無線チャネル毎の受信信号強度と、上述した(式1)の受信信号強度予測関数:fn(x)と、を用いて図5に示す各無線チャネル毎のチャネルスキャン情報:S(x)を算出し、該算出したチャネルスキャン情報:S(x)を記憶部(400)に記憶する。これにより、チャネルスキャン情報(417)を記憶部(400)で管理することが可能となる。
【0083】
なお、チャネルスキャン情報(417)は、各無線チャネル毎に測定することになり、図5に示す測定結果の場合には、1ch〜14chまでのチャネルスキャン情報(417)を記憶部(400)で管理することになる。
【0084】
各無線基地局(AP)は、各無線基地局(AP)自身が生成したノード情報(410)をリーダとなる無線基地局(A)に送信する。これにより、リーダの無線基地局(A)は、各無線基地局(AP)のノード情報(410)を取得し、無線基地局(A)は、各無線基地局(AP)から取得したノード情報(410)を無線基地局(A)の記憶部(400)に記憶する。
【0085】
なお、各無線基地局(AP)のノード情報(410)を無線基地局(A)の記憶部(400)に記憶した状態のテーブル構成を図6に示す。図6に示すテーブル構成では、『項番』と『名称』とに関係付けられて各無線基地局(AP)のノード情報(410)を管理する。『項番』は、通し番号を示し、『名称』は、各無線基地局(AP)の名称を示す。
【0086】
なお、本実施例では、リーダとなる無線基地局(AP)を決定する際の決定方法は、特に限定するものではなく、ネットワーク内に存在する1つの無線基地局(AP)をリーダとして決定することが可能であれば、あらゆる決定方法を適用することが可能である。
【0087】
例えば、ネットワークインタフェースのMACアドレスの最も小さい無線基地局(AP)や、外部ネットワーク(NW)に接続されている無線基地局(AP)等の様々な条件を適用してリーダとなる無線基地局(AP)を決定することが可能である。
【0088】
また、本実施例では、図6に示すように、『項番』と『名称』とに関係付けて各無線基地局(AP)のノード情報(410)を管理することにしたが、『項番』と『名称』とは、一例であり、各無線基地局(AP)のノード情報(410)を識別することが可能であれば、あらゆる識別情報に関係付けて各無線基地局(AP)のノード情報(410)を管理することが可能である。
【0089】
リーダの無線基地局(A)は、公衆無線アクセスシステム(無線メッシュネットワーク)を構成する全ての無線基地局(A〜D)からノード情報(410)を取得し、図6に示すノード情報(410)を生成する。そして、図6に示すノード情報(410)を基に、トポロジ情報(450)を生成する。
【0090】
本実施例では、各無線基地局(AP)が情報を交換し、リーダの無線基地局(A)にノード情報(410)を送信することで、リーダの無線基地局(A)は、公衆無線アクセスシステムを構成する全ての無線基地局(A〜D)のノード情報(410)を取得する。これにより、リーダの無線基地局(A)は、図6に示すノード情報(410)を管理し、トポロジ情報(450)を生成することになる。リーダの無線基地局(A)が生成したトポロジ情報(450)のイメージ図を図7に示す。
【0091】
図7に示すイメージ図の中で、実線で接続された実ノード同士が実際に通信できる無線基地局同士を示す。
【0092】
図7では、実ノード(A)と、実ノード(B)と、実ノード(C)と、は相互に実線(無線リンク)で接続され、実ノード(D)は、実ノード(B)のみと実線(無線リンク)で接続されている。
【0093】
即ち、図7に示すイメージ図は、図4に示す公衆無線アクセスシステムのシステム構成を示しており、無線基地局(A)と、無線基地局(B)と、無線基地局(C)と、は相互に通信でき、無線基地局(D)は、無線基地局(B)と通信できる状態を示している。
【0094】
図7に示すイメージ図の『n/m』は、各無線基地局(A〜D)におけるグループ無所属無線インタフェース数(413)と、無線インタフェース総数(414)と、の割合を示しており、nは、グループ無所属無線インタフェース数(413)を示し、mは、無線インタフェース総数(414)を示している。
【0095】
次に、図8を参照しながら、リーダとなる無線基地局(A)において無線チャネルを決定する際に行う概略的な一連の処理動作について説明する。
【0096】
まず、チャネル制御部(300)は、記憶部(400)に記憶されているノード情報(410)とトポロジ情報(450)とを基に、図4に示す公衆無線アクセスシステムを構成する個々の無線基地局(A〜D)に対し、グループ化を行う(ステップS100)。
【0097】
これにより、公衆無線アクセスシステムを構成する個々の無線基地局(A〜D)を複数のグループに集約することが可能となる。図4に示す衆無線アクセスシステムを構成する個々の無線基地局(A〜D)に対し、グループ化を行った状態を図13に示す。
【0098】
次に、ステップS100においてグループ化を行った各グループに対し、仮想ノード化を行う(ステップS101)。これにより、各グループを1つの仮想的なノードとみなすことが可能となる。図13に示す各グループに対し、仮想ノード化を行った状態を図17に示す。
【0099】
次に、ステップS101において仮想ノード化を行った各仮想ノードに対し、各仮想ノード間で干渉が発生しないように、異なる無線チャネルを割り当て、実ノード化を行う。
【0100】
これにより、各グループに対し、各グループ間で干渉が発生しないように、異なる無線チャネルを割り当てることになる。この処理により、各グループを構成する無線基地局(A〜D)のバックボーン側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当が行われることになる(ステップS102)。バックボーン側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当を行った状態を図20に示す。
【0101】
次に、ステップS102においてバックボーン側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当が行われた無線基地局(A〜D)に対し、バックボーン側の無線インタフェース(110)に割り当てた無線チャネルと干渉が発生しないように、アクセス側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当を行う(ステップS103)。アクセス側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当を行った状態を図22に示す。
【0102】
次に、フィードバック処理が必要か否かを判断し(ステップS104)、フィードバック処理が必要であると判断した場合は(ステップS104/Yes)、ステップS100に移行し、上述したステップS100〜S103までの処理を行う。そして、フィードバック処理が必要でないと判断した場合は(ステップS104/No)、処理を終了する。
【0103】
なお、フィードバック処理が必要か否かの判断方法としては、バックボーン側の無線インタフェース(110)に割り当てた無線チャネルと、アクセス側の無線インタフェース(110)に割り当てた無線チャネルと、で干渉が発生すると判断した場合には、フィードバック処理が必要と判断し、干渉が発生しないと判断した場合には、フィードバック処理が必要でないと判断する。このフィードバック処理を行うか否かを判断することで、公衆無線アクセスシステムを構成する無線メッシュネットワーク全体で適切なチャネル割当を行うことが可能となる。
【0104】
公衆無線アクセスシステムを構成する各無線基地局(A〜D)のバックボーン側の無線インタフェース(110)と、アクセス側の無線インタフェース(110)と、に無線チャネルを割り当てた状態を図23に示す。
【0105】
このように、リーダとなる無線基地局(A)は、図8に示す一連の処理を行うことで、アクセス側の無線インタフェース(110)とバックボーン側の無線インタフェース(110)とを搭載して構成する無線基地局(A〜D)に対し、無線基地局間で無線通信を行うことになるバックボーン側の無線インタフェース(110)には、無線基地局間で共通の無線チャネルを割り当て、アクセス側の無線インタフェース(110)には、バックボーン側の無線インタフェース(110)との間で干渉が発生しない無線チャネルを割り当てることが可能となる。なお、図8に示す各工程の詳細な処理動作について以下に説明する。
【0106】
<図8:ステップS100のグループ化の処理工程>
図8に示すステップS100のグループ化を行う際の詳細な処理工程を、図9を参照しながら説明する。
【0107】
まず、グループ無所属無線I/F数>αの無線基地局(AP)についてノード情報(410)をソートする(ステップS200)。
【0108】
αは、無線基地局(AP)が搭載している無線インタフェース(110)のうち、無線端末装置(STA)を収容するアクセス側として使用する無線インタフェース(110)の数を示し、『0≦α≦無線基地局(AP)が搭載している無線インタフェースの総数』を満たす整数値を示す。
【0109】
なお、αは、全ての無線基地局(AP)に対して共通の固定値や、無線基地局(AP)毎に異なる変動値にすることも可能である。本実施例では、α=1、即ち、無線端末装置(STA)を収容するアクセス側として使用する無線インタフェース(110)の数は全て1と仮定する。
【0110】
ノード情報(410)をソートする際の優先順としては、例えば、利用可能有線インタフェース数(411)が多い無線基地局(AP)、即ち、外部ネットワーク(NW)に接続される無線基地局(AP)は、トラフィックが多くなるため、第1優先とする。
【0111】
また、無線インタフェース総数(414)の少ない無線基地局(AP)は、チャネルリソース割り当ての余力が少ないので第2優先とする。また、隣接無線基地局数(415)の多い無線基地局(AP)は、多くのチャネルリソース割り当てが必要となるので第3優先とする。また、収容無線端末装置数(416)の多い無線基地局(AP)は、多くのトラフィックが必要となるので第4優先とする。
【0112】
なお、上述したグループ化を行う際のノード情報(410)のソート順は、一例であり、メッシュネットワークの構成や無線基地局(AP)の優先度情報等によって自由に変更することが可能である。
【0113】
上述した優先順でノード情報(410)のソートを行うと、利用可能有線インタフェース数(411)の多い順、かつ、無線インタフェース総数(414)の少ない順、かつ、隣接無線基地局数(415)の多い順、かつ、収容無線端末装置数(416)の多い順で、無線基地局(AP)をソートすることになる。
【0114】
このため、図6に示すノード情報(410)を基に、上述した優先順でソートを行うと、まず、利用可能有線インタフェース数(411)の多い順で、無線基地局(A)が該当し、無線基地局(A)が『項番』:1となる。次に、無線インタフェース総数(414)の少ない順で、『無線基地局(C)→無線基地局(D)→無線基地局(B)』の順となり、無線基地局(C)が『項番』:2となり、無線基地局(D)が『項番』:3となり、無線基地局(B)が『項番』:4となる。
【0115】
図6に示すノード情報(410)を、上述した優先順でソートした場合のソート結果を図10に示す。なお、グループ無所属無線インタフェース数(413)がα以下の無線基地局(AP)についてはソート対象から除外し、以下に説明する処理対象から除外する。
【0116】
なお、本実施例では、α=1と仮定したため、1回目の処理では、図6に示すノード情報(410)の中には、ソート対象から除外される無線基地局(AP)は存在しないが、ステップS204/NoでステップS200に移行し、2回目の処理では、無線基地局(C)がソート対象から除外される。
【0117】
次に、上記の優先順でソートしたノード情報(410)の実ノード順に、トポロジ情報(450)を参照し、グループ化を行う無線基地局(AP)の範囲を決定する(ステップS201)。
【0118】
例えば、外部ネットワーク(NW)に接続する無線基地局(AP)、即ち、利用可能有線インタフェース数(411)が存在する無線基地局(AP)は、グループ化を行う無線基地局(AP)の範囲を小さくしたり、無線インタフェース総数(414)が少ない無線基地局(AP)は、グループ化を行う無線基地局(AP)の範囲を小さくしたりする。
【0119】
グループ化を行う無線基地局(AP)の範囲を小さくすることで、無線通信における送信電波が衝突する無線基地局(AP)の数を低減することが可能となる。なお、上述したグループ化を行う無線基地局(AP)の範囲の決定条件は、一例であり、決定条件を自由に変更し、グループ化を行う無線基地局(AP)の範囲を柔軟に調整することが可能である。
【0120】
次に、ステップS201で決定したグループ化を行う範囲の無線基地局(AP)に対し、グループ無所属無線インタフェース数(413)がα以上の無線基地局(AP)を同じグループにする(ステップS202)。グループ化した情報はトポロジ情報(450)と共に記憶部(400)に格納する。
【0121】
次に、1つのグループを構成する各無線基地局(AP)のグループ無所属無線インタフェース数(413)を1だけ減算する(ステップS203)。グループ1を作成した状態のトポロジ情報(450)のイメージ図を図11に示す。また、グループ1を作成した状態のノード情報(410)を図12に示す。
【0122】
図11、図12に示すように、グループ1を構成する無線基地局(A、B、C)のグループ無所属無線インタフェース数(413)を、図6、図7に示す状態から1だけ減算する。
【0123】
次に、全てのノード情報(410)の無線インタフェース(110)に対するグループ割当が完了したか否かを確認し(ステップS204)、全てのノード情報(410)の無線インタフェース(110)に対するグループ割当が完了していないと判断した場合は(ステップS204/No)、再び、ステップS200に移行し、全てのノード情報(410)の無線インタフェース(110)に対するグループ割当を行う。そして、全てのノード情報(410)の無線インタフェース(110)に対するグループ割当が完了したと判断した場合は(ステップS204/Yes)、処理を終了する。
【0124】
これにより、全てのノード情報(410)のバックボーン側の無線インタフェース(110)に対するグループ割当処理を行うことになり、ステップS100のグループ化の処理工程が完了することになる。
【0125】
ステップS100のグループ化の処理工程が完了した状態のトポロジ情報(450)を図13に示し、ステップS100のグループ化の処理工程が完了した状態のノード情報(410)を図14に示す。
【0126】
<ステップS101の仮想ノード化の処理工程>
次に、図8に示すステップS101の仮想ノード化を行う際の詳細な処理工程を、図15を参照しながら説明する。図15に示す仮想ノード化を行うことで、互いに疎となる無線チャネルを割り当てる方式を、バックボーン側の無線インタフェース(110)に適用することが可能となる。
【0127】
まず、1つのグループを1つの仮想ノードと見立て、他のグループとの接点を他の仮想ノードの仮想無線リンクとして記憶する(ステップS300)。これを全てのグループについて行う。
【0128】
次に、各グループを構成している各無線基地局(AP)の情報を構成ノード(421)として記憶部(400)に記憶する。構成ノード(421)として記憶部(400)に記憶した状態を図16に示す。
【0129】
図16に示すように、グループ1の構成ノード(421)として、図13に示す実ノード(A、B、C)を記憶部(400)に記憶する。また、グループ2の構成ノード(421)として、図13に示す実ノード(A、B、D)を記憶部(400)に記憶する。また、グループ3の構成ノード(421)として、図13に示す実ノード(B、D)を記憶部(400)に記憶する。
【0130】
次に、各グループを構成している全ての無線基地局(AP)のチャネルスキャン情報(417)を加味して仮想ノードチャネルスキャン情報(422)を算出し、該算出した仮想ノードチャネルスキャン情報(422)を記憶部(400)に記憶する(ステップS301)。
【0131】
なお、仮想ノードチャネルスキャン情報(422)の算出は、全ての無線基地局(AP)のチャネルスキャン情報(417)の平均値を算出するようにしてもよく、トポロジ情報(450)などを利用して重み付けを行い、チャネルスキャン情報(417)を反映させて、仮想ノードチャネルスキャン情報(422)を算出するようにすることも可能である。
【0132】
例えば、仮想ノードチャネルスキャン情報(422)の算出の際に、平均値を適用する場合には、グループ1の仮想ノードチャネルスキャン情報(422)は、実ノードAのチャネルスキャン情報(417)が『10、44、・・・・』であり、実ノードBのチャネルスキャン情報(417)が『0、7、・・・・』であり、実ノードCのチャネルスキャン情報(417)が『11、0、・・・・』である。このため、グループ1の仮想ノードチャネルスキャン情報(422)の無線チャネル1は、『(10+0+11)/3=7』となり、グループ1の仮想ノードチャネルスキャン情報(422)の無線チャネル2は、『(44+7+0)/3=17』となる。
【0133】
これを、無線チャネル毎(無線チャネル1〜14の各々毎)に行い、グループ1の仮想ノードチャネルスキャン情報(422)を算出することになる。なお、グループ1の仮想ノードチャネルスキャン情報(422)は、『7、17、・・・・』となる。また、グループ2の仮想ノードチャネルスキャン情報(422)は、『17、37、・・・・』となる。また、グループ3の仮想ノードチャネルスキャン情報(422)は、『20、34、・・・・』となる。
【0134】
次に、全てのグループの仮想ノードチャネルスキャン情報(422)の算出処理が完了したか否かを判断し(ステップS302)、全てのグループの仮想ノードチャネルスキャン情報(422)の算出処理が完了していないと判断した場合は(ステップS302/No)、再び、ステップS300に移行し、全てのグループの仮想ノードチャネルスキャン情報(422)の算出処理を行う。そして、全てのグループの仮想ノードチャネルスキャン情報(422)の算出処理が完了したと判断した場合は(ステップS302/Yes)、次の処理に移行する。
【0135】
全てのグループの仮想ノードチャネルスキャン情報(422)の算出処理を行い、仮想ノードチャネルスキャン情報(422)として記憶部(400)に記憶した状態を、図16に示す。
【0136】
次に、仮想無線リンク数=1の仮想ノードがあるか否かを判断し(ステップS303)、仮想無線リンク数=1の仮想ノードがあると判断した場合は(ステップS303/Yes)、仮想無線リンク数=1の仮想ノードと接続されている仮想ノードから1hopに存在する全ての仮想ノードの中で、仮想無線リンク数の最も少ない仮想ノードに対し、仮想無線リンクを設定し、仮想無線リンク(通信不能)として記憶する。仮想無線リンク(通信不能)により接続される仮想ノード、即ち、仮想無線リンク(通信不能)により接続されるグループ同士は、無線チャネルを割り当てる際に、同じ無線チャネルを使用することが可能となる。
【0137】
次に、全てのグループについて、仮想無線リンク数=1の仮想ノードがあるか否かの判断処理が完了したか否かを判断し(ステップS305)、全てのグループについて、仮想無線リンク数=1の仮想ノードがあるか否かの判断処理が完了していないと判断した場合は(ステップS305/No)、ステップS303に移行し、全てのグループについて、仮想無線リンク数=1の仮想ノードがあるか否かの判断処理を行う。
【0138】
そして、全てのグループについて、仮想無線リンク数=1の仮想ノードがあるか否かの判断処理が完了したと判断した場合は(ステップS305/Yes)、処理を終了する。これにより、ステップS101の仮想ノード化の処理工程が終了することになる。なお、仮想ノード化の処理工程が終了した状態の仮想ノードの構成を図17に示す。
【0139】
なお、図13に示すトポロジ情報(450)には、仮想無線リンク数=1の仮想ノードが存在しないので、図18に示す少し複雑な構成を基に、仮想無線リンク数=1の仮想ノードがあるか否かの判断処理について説明する。
【0140】
図18では、仮想ノード(8)が仮想無線リンク数=1の仮想ノードに該当する。従って、仮想ノード(8)とリンクされている仮想ノード(7)に注目する。この仮想ノード(7)から1HOPで通信できる仮想ノード(4、5、6)の他の仮想ノードへの仮想無線リンク数はそれぞれ、5、5、3となる。従って、他の仮想ノードへの仮想無線リンク数が最も少ない仮想ノード(6)と仮想ノード(8)とを仮想無線リンク(通信不能)として記憶部(400)に記憶する。
【0141】
<ステップS102のバックボーン側の無線インタフェースへのチャネル割当の処理工程>
次に、図8に示すステップS102のバックボーン側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当の詳細な処理工程を、図19を参照しながら説明する。
【0142】
まず、仮想ノードを優先度順にソートする(ステップS400)。なお、ソートは、仮想ノード内の全ての無線基地局(AP)の有線インタフェース総数(412)の合計が多い仮想ノード順、かつ、仮想ノードを構成する無線基地局(AP)の少ない仮想ノード順に行う。
【0143】
このため、図17に示す仮想ノードを基に、上述した優先度順にソートを行うと、まず、有線インタフェース総数(412)の多い順で、『仮想ノード1→仮想ノード2→仮想ノード3』の順となる。
【0144】
次に、ステップS400において優先度順にソートした仮想ノードに対し、仮想ノードチャネルスキャン情報(422)を考慮して無線チャネルを割り当てる(ステップS401)。なお、無線チャネルを割り当てる際には、仮想ノードチャネルスキャン情報(422)を基に、仮想ノード同士が互いに疎になるように無線チャネルを割り当てる。ここで、仮想無線リンク(通信不能)で接続されている仮想ノード同士は、実際には通信できないため、無線チャネルを重複して割り当てることが可能である。
【0145】
本実施例では、図17に示す仮想ノードを基に、上述した優先度順『仮想ノード1→仮想ノード2→仮想ノード3』で無線チャネルを割り当てることになる。まず、仮想ノード1に対し、仮想ノード1の仮想ノードチャネルスキャン情報(422):『7、17、・・・・』を基に、無線チャネル1ch〜無線チャネル14chの中で、受信信号強度の最も低い値の無線チャネルを割り当てることになる。
【0146】
なお、仮想ノードチャネルスキャン情報(422)は、各チャネル毎(チャネル1〜チャネル14の各々毎)に、受信信号強度が割り振られているため、受信信号強度の最も低い値の無線チャネルを選択し、該選択した無線チャネルを割り当てる。
【0147】
例えば、図5を参考に説明すると、無線チャネル1ch〜無線チャネル14chの中で、無線チャネル13chの受信信号強度が最も低い値となるため、無線チャネル13chを割り当てる。
【0148】
本実施例では、仮想ノード1に対し、受信信号強度が最も低い値の無線チャネルに該当する無線チャネル6chを割り当てる。
【0149】
次に、仮想ノード2に対し、仮想ノード2の仮想ノードチャネルスキャン情報(422):『17、37、・・・・』を基に、仮想ノード1に割り当てた無線チャネル6chと干渉が発生しないように無線チャネル6chから5ch以上離れていて、且つ、受信信号強度が最も低い値の無線チャネルを割り当てる。
【0150】
本実施例では、仮想ノード1に割り当てた無線チャネル6chと干渉が発生しないように、無線チャネル6chから5ch以上離れていて、且つ、受信信号強度が最も低い値の無線チャネルに該当する無線チャネル1chを割り当てる。
【0151】
次に、仮想ノード3に対し、仮想ノード1に割り当てた無線チャネル6chと、仮想ノード2に割り当てた無線チャネル1chと、干渉が発生しないように、無線チャネル6ch、1chから5ch以上離れていて、且つ、受信信号強度が最も低い値の無線チャネルに該当する無線チャネルを割り当てる。
【0152】
本実施例では、仮想ノード1に割り当てた無線チャネル6chと、仮想ノード2に割り当てた無線チャネル1chと、干渉が発生しないように、無線チャネル6ch、1chから5ch以上離れていて、且つ、受信信号強度が最も低い値の無線チャネルに該当する無線チャネルch11を割り当てる。
【0153】
なお、上述した仮想ノードへのチャネル割当処理において、仮想ノードが多くなってくると、各仮想ノードに割り当てた無線チャネルから5ch以上離れた無線チャネルを得ることができないため、この場合には、各仮想ノードとの距離を考慮してチャネル割当を行うことになる。
【0154】
即ち、仮想ノード間の距離が遠い場合には、干渉の発生が低減することになるため、各仮想ノードに割り当てた無線チャネルから5ch以内の無線チャネルであっても、その5ch以内の無線チャネルを割り当てた場合でも、干渉の発生頻度が低い場合には、その5ch以内の無線チャネルを仮想ノードに対して割り当てるようにする。
【0155】
例えば、図18に示す仮想ノードを基に説明すると、仮想ノード(1)に割り当てた無線チャネルから5ch以内の無線チャネルであっても、その5ch以内の無線チャネルを仮想ノード(8)に割り当てる場合には、仮想ノード(1)と仮想ノード(8)との間の距離が遠く、干渉の発生頻度が低減することになるため、5ch以内の無線チャネルであっても、その5ch以内の無線チャネルを仮想ノード(8)に割り当てる。
【0156】
このように、本実施例では、周囲の仮想ノードとの間での干渉の発生頻度を考慮し、各仮想ノードに無線チャネルを割り当てるようにし、仮想ノード同士が互いに疎になるように無線チャネルを割り当てることになる。
【0157】
なお、本実施例では、上述した仮想ノードへのチャネル割当処理において、仮想ノードに割り当てた無線チャネルと干渉が発生しないように、5ch以上離れている無線チャネルを選択するようにしたが、干渉が発生しないようにする無線チャネル間の値:βは、5chに限定するものではなく、6chや7ch以上離れている無線チャネルを選択するように無線チャネル間の値:βを任意の値に変更することが可能である。
【0158】
なお、本実施例では、上述した仮想ノードへのチャネル割当処理において、干渉が発生しないようにする無線チャネル間の値:βを5ch以上としたのは、2.4GHz帯で重ならない無線チャネルを考慮したためであり(但し、14chは、11chとは干渉しない)、他の周波数帯や変調方式を適用する場合には、その適用する他の周波数帯や変調方式を考慮し、干渉が発生しないようにする無線チャネル間の値:βを任意の値に設定し、無線チャネルの割り当てを行うことになる。
【0159】
また、上記実施例では、仮想ノードチャネルスキャン情報(422)を基に、仮想ノードに割り当てた無線チャネルと干渉が発生しないように、無線チャネル1ch〜無線チャネル14chの中で、受信信号強度の最も低い値の無線チャネルを各仮想ノードに割り当てることにしたが、受信信号強度の値が所定の閾値よりも小さい値の無線チャネルを割り当てるように構築することも可能である。
【0160】
この場合、所定の閾値は、任意に設定変更するように構築することが可能である。なお、受信信号強度の値が所定の閾値よりも小さい値の無線チャネルが複数存在する場合には、両隣近辺の無線チャネルの受信信号強度を考慮し、複数の無線チャネルの中から最適な無線チャネルを割り当てるように構築したり、受信信号強度が最小値の無線チャネルを割り当てるように構築したりすることが可能である。
【0161】
次に、全ての仮想ノードに対し、無線チャネルの割当処理が完了したか否かを判断し(ステップS402)、全ての仮想ノードに対し、無線チャネルの割当処理が完了していないと判断した場合は(ステップS402/No)、ステップS400に移行し、全ての仮想ノードに対し、無線チャネルの割当処理を行う。そして、全ての仮想ノードに対し、無線チャネルの割当処理が完了したと判断した場合は(ステップS402/Yes)、処理を終了する。
【0162】
これにより、全てのグループに対する無線チャネルの割当、即ち、無線基地局(AP)のバックボーン側の無線インタフェース(110)に対する無線チャネルの割当が完了することになる。無線基地局(AP)のバックボーン側の無線インタフェース(110)に対する無線チャネルの割当が完了した状態を図20に示す。
【0163】
図20に示すように、グループ1には、無線チャネル6chが割り当てられ、グループ2には、無線チャネル1chが割り当てられ、グループ3には、無線チャネル11chが割り当てられる。
【0164】
本実施例では、仮想ノードチャネルスキャン情報(422)は、グループ周辺の無線チャネルの使用状況を示す情報を含めて構成しているため、他システムとの間で干渉を発生させないように、無線チャネルの割り当てを行うことが可能となる。
【0165】
<ステップS103のアクセス側の無線インタフェースへのチャネル割当の処理工程>
次に、図8に示すステップS103のアクセス側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当の詳細な処理工程を、図21を参照しながら説明する。アクセス側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当は、グループに所属していない無線インタフェース(110)に対して行うことになる。
【0166】
まず、チャネルスキャン情報(417)を考慮し、無線基地局(AP)の無線インタフェース(110)に対し、無線チャネルを割り当てる(ステップS500)。
【0167】
なお、無線基地局(AP)のアクセス側の無線インタフェース(110)に対し、無線チャネルを割り当てる際には、上述した仮想ノードの優先順でソートした『グループ1→グループ2→グループ3』の順で行うことになる。
【0168】
グループ1に対しては、図10に示すソートした無線基地局の優先順で行うことになり、『無線基地局(A)→無線基地局(C)→無線基地局(B)』の順で、無線基地局のアクセス側の無線インタフェース(110)に対する無線チャネルの割当を行うことになる。
【0169】
まず、無線基地局(A)のアクセス側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当を行うことになる。無線基地局(A)のアクセス側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当を行う場合には、ステップS102のバックボーン側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当により、無線基地局(A)のバックボーン側の無線インタフェース(110)には、無線チャネル1ch、6chが割り当てられているため、無線チャネル1ch、6chから5ch以上離れていて、且つ、受信信号強度が最も低い値の無線チャネルを割り当てることになり、無線基地局(A)に対し、無線チャネル11chを割り当てることになる。
【0170】
次に、無線基地局(C)のアクセス側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当を行うことになる。無線基地局(C)のアクセス側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当を行う場合には、ステップS102のバックボーン側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当により、無線基地局(C)のバックボーン側の無線インタフェース(110)には、無線チャネル6chが割り当てられているため、無線チャネル6chから5ch以上離れていて、且つ、受信信号強度が最も低い値の無線チャネルを割り当てることになる。
【0171】
この時、無線基地局(C)の近隣の無線基地局(A)に割り当てた無線チャネル11chとの干渉を発生させないことも考慮して無線チャネルを割り当てることになる。これにより、無線基地局(C)に対し、無線チャネル1chを割り当てることになる。
【0172】
次に、無線基地局(B)のアクセス側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当を行うことになる。無線基地局(B)のアクセス側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当を行う場合には、ステップS102のバックボーン側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当により、無線基地局(B)のバックボーン側の無線インタフェース(110)には、無線チャネル1ch、6ch、11chが割り当てられているため、無線チャネル1ch、6ch、11chから5ch以上離れていて、且つ、受信信号強度が最も低い値の無線チャネルを割り当てることになる。
【0173】
この場合、5ch以上離れている無線チャネルが存在しないため、5ch以内の無線チャネルであっても、バックボーン側の無線インタフェース(110)に割り当てた無線チャネル1ch、6ch、11chとの干渉が発生しない、または、干渉の影響ができるだけ少なくなるような無線チャネルを選択し、その選択した無線チャネルを無線基地局(C)に対して割り当てることになる。
【0174】
この時、無線基地局(B)の近隣の無線基地局(A、C)に割り当てた無線チャネル11ch、1chとの干渉を発生させないことも考慮して無線チャネルを割り当てることになる。これにより、無線基地局(B)に対し、無線チャネル14chを割り当てることになる。
【0175】
以上の処理により、グループ1に属する全ての無線基地局(A、B、C)のアクセス側の無線インタフェース(110)への無線チャネル割当が完了する。
【0176】
次に、グループ2に属する無線基地局(A、B、D)のアクセス側の無線インタフェース(110)に対する無線チャネルの割当を行うことになる。なお、無線基地局(A、B)のアクセス側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当は完了しているので、無線基地局(D)のアクセス側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当を行うことになる。
【0177】
なお、無線基地局(D)のアクセス側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当を行う場合には、ステップS102のバックボーン側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当により、無線基地局(D)のバックボーン側の無線インタフェース(110)には、無線チャネル1ch、11chが割り当てられているため、無線チャネル1ch、11chから5ch以上離れていて、且つ、受信信号強度が最も低い値の無線チャネルを割り当てることになる。
【0178】
この時、無線基地局(D)の近隣の無線基地局(B)に割り当てた無線チャネル14chとの干渉を発生させないことも考慮して無線チャネルを割り当てることになる。これにより、無線基地局(D)に対し、無線チャネル6chを割り当てることになる。
【0179】
以上の処理により、グループ2に属する全ての無線基地局(A、B、D)のアクセス側の無線インタフェース(110)への無線チャネル割当が完了することになる。
【0180】
次に、全ての無線基地局(AP)に対し、無線チャネルの割当処理が完了したか否かを判断し(ステップS501)、全ての無線基地局(AP)に対し、無線チャネルの割当処理が完了していないと判断した場合は(ステップS501/No)、ステップS500に移行し、全ての無線基地局(AP)に対し、無線チャネルの割当処理を行うことになる。そして、全ての無線基地局(AP)に対し、無線チャネルの割当処理が完了したと判断した場合は(ステップS501/Yes)、処理を終了することになる。
【0181】
これにより、無線基地局(AP)のアクセス側の無線インタフェース(110)に対する無線チャネルの割当が完了することになる。無線基地局(AP)のアクセス側の無線インタフェース(110)に対する無線チャネルの割当が完了した状態を図22に示す。
【0182】
なお、上述したアクセス側の無線インタフェースへのチャネル割当の際にも、上述したバックボーン側の無線インタフェースへのチャネル割当の方法を適用することが可能である。
【0183】
例えば、他の周波数帯や変調方式を適用する場合には、その適用する他の周波数帯や変調方式を考慮し、干渉が発生しないようにする無線チャネル間の値:βを任意の値に設定し、無線チャネルの割り当てを行うことになる。
【0184】
また、受信信号強度の値が所定の閾値よりも小さい値の無線チャネルを割り当てるように構築することも可能である。この場合、所定の閾値は、任意に設定変更するように構築することが可能である。
【0185】
なお、受信信号強度の値が所定の閾値よりも小さい値の無線チャネルが複数存在する場合には、両隣近辺の無線チャネルの受信信号強度を考慮し、複数の無線チャネルの中から最適な無線チャネルを割り当てるように構築したり、受信信号強度が最小値の無線チャネルを割り当てるように構築したりすることが可能である。
【0186】
<ステップS104のフィードバック処理工程>
次に、図8に示すステップS104のフィードバック処理について説明する。
【0187】
フィードバック処理は、もし、無線インタフェース(110)に対する無線チャネルの割り当て時に干渉が多く(閾値を超えて)発生してしまう場合には、チャネルスキャン情報(417)に対する重み付けを変更し、再度、無線チャネルの割当処理を行うことになる。
【0188】
このステップS104のフィードバック処理を行うことで、バックボーン側の無線インタフェース(110)と、アクセス側の無線インタフェース(110)と、の間でのチャネル干渉が発生しないようにすることが可能となる。
【0189】
図8に示す一連の処理工程を終了し、図4に示す公衆無線アクセスシステムを構成する各無線基地局(AP)に対して無線チャネルを割り当てた状態を、図23に示す。
【0190】
このように、本実施例における無線通信システムは、アクセス側の無線インタフェース(110)に関する情報(例えば、アクセス側の無線インタフェース数の情報、アクセス側の無線インタフェースに収容する無線端末装置数等の情報)と、バックボーン側の無線インタフェース(110)に関する情報(例えば、無線基地局が近隣の無線基地局と接続する隣接無線基地局数の情報、ネットワークのトポロジ情報)と、を基に、無線端末装置(STA)を収容するアクセス側の無線インタフェース(110)と、無線基地局(AP)間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェース(110)と、に対し、無線チャネルの割り当てを行う。
【0191】
これにより、無線端末装置(STA)を収容するためのアクセス側の無線インタフェース(110)と、無線基地局(AP)間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェース(110)と、の間で干渉が発生しないように、アクセス側の無線インタフェース(110)と、バックボーン側の無線インタフェース(110)と、に無線チャネルの割り当てを行うことが可能となる。
【0192】
また、バックボーン側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当と、アクセス側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当と、を行った際に、バックボーン側の無線インタフェース(110)に割り当てた無線チャネルと、アクセス側の無線インタフェース(110)に割り当てた無線チャネルと、で干渉が発生する場合には、フィードバック処理を行い、再度、チャネル割当を行う。
【0193】
これにより、無線端末装置(STA)を収容するためのアクセス側の無線インタフェース(110)と、無線基地局(AP)間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェース(110)と、の間で干渉が発生しないように、無線チャネルの割り当てを行うことになり、無線メッシュネットワーク全体で適切な無線チャネルの割り当てを行うことが可能となる。
【0194】
また、本実施例における無線通信システムは、バックボーン側の無線インタフェース(110)に無線チャネルを割り当てる際に、無線基地局(AP)間の接続状態を示すトポロジ情報(450)、無線インタフェース総数(414)、アクセス側の無線インタフェース(110)に収容する無線端末装置数(416)などの情報を基に、各無線基地局(AP)のグループ化を行い、1つのグループに集約する無線基地局(AP)の数や、グループの大きさを適宜調整することで、様々な構成に柔軟に対応できることが可能となる。
【0195】
これにより、無線基地局(AP)に搭載された無線インタフェース(110)の数が統一されていない場合や、無線基地局(AP)の配置、無線基地局(AP)に接続される無線端末装置(STA)の数が変化するような環境条件下でも、無線チャネルの割り当てを柔軟に行うことが可能となる。
【0196】
また、本実施例における無線通信システムは、各無線基地局(AP)がスキャン処理で取得した受信信号強度と、上述した(式1)に示す受信信号強度予測関数:fn(x)と、を基に、隣接チャネルの干渉を予測し、無線チャネルの干渉を回避するためのチャネルスキャン情報(417)を算出する。
【0197】
これにより、干渉の発生頻度の少ない無線チャネルを各無線基地局(AP)に割り当てることが可能となる。
【0198】
(第2の実施例)
次に、第2の実施例について説明する。
【0199】
第2の実施例における無線通信システムは、図24に示すように、各無線基地局(AP)は、無線基地局(AP)自身の位置情報を取得することが可能な位置情報取得部(500)を有して構成する。そして、各無線基地局(AP)は、位置情報取得部(500)により、無線基地局(AP)自身の位置情報を取得し、その位置情報を含めたノード情報(410)をリーダとなる無線基地局(A)に送信する。
【0200】
これにより、リーダとなる無線基地局(A)は、各無線基地局(AP)の位置情報を取得することになるため、リーダとなる無線基地局(A)は、各無線基地局(AP)の位置情報を考慮した無線チャネルの割当を行い、干渉の発生頻度の少ない適切な無線チャネルの割当が可能となる。
【0201】
なお、位置情報取得部(500)は、無線基地局(AP)自身の位置情報を取得することが可能であれば、位置情報を取得する際の取得方法は、特に限定するものではなく、あらゆる位置情報の取得方法を適用することが可能であり、例えば、GPS(Global Positioning System)等が適用可能である。以下、図24、図25を参照しながら、第2の実施例の無線通信システムについて説明する。
【0202】
<無線基地局:APの内部構成>
まず、図24を参照しながら、第2の実施例の無線通信システムを構成する無線基地局(AP)の内部構成について説明する。
【0203】
第2の実施例の無線通信システムを構成する無線基地局(AP)は、図24に示すように、位置情報取得部(500)を有して構成している。なお、他の構成は、図2に示す第1の実施例の無線基地局(AP)と同様な機能を有して構成する。
【0204】
本実施例における無線基地局(AP)は、位置情報取得部(500)が取得した位置情報を記憶部(400)に記憶する。無線基地局(AP)の記憶部(400)の構成例を図25に示す。
【0205】
図25に示すように、各無線基地局(AP)のノード情報(410)として位置情報(418)を含めて構成し、その位置情報(418)を含めたノード情報(410)をリーダとなる無線基地局(A)に送信する。
【0206】
これにより、リーダとなる無線基地局(A)は、各無線基地局(AP)の位置情報(418)が含まれたノード情報(410)を取得し、無線メッシュメットワークを構成する各無線基地局(AP)の位置情報(418)を基に、各無線基地局(AP)の設置位置を考慮した無線チャネルの割り当てを行うことが可能となる。
【0207】
例えば、壁際の無線基地局(AP)など、無線通信を行う無線電波範囲が狭い無線基地局(AP)に対しては若干の干渉の発生を許容するようにチャネル割当を行うことが可能となる。
【0208】
これにより、無線基地局(AP)が局所的に密集している領域に存在する無線基地局(AP)においては、電波干渉が確実に発生しないように優先的にチャネル割当を行ったり、ネットワークを構成する最外枠を構成する無線基地局においては、若干の干渉の発生を許容するようにチャネル割当を行ったりし、各無線基地局(AP)の設置位置を考慮したチャネル割当を行うことが可能となる。
【0209】
また、本実施例における無線通信システムは、バックボーン側の無線インタフェース(110)に無線チャネルを割り当てる際に、無線基地局(AP)間の接続状態を示すトポロジ情報(450)、無線インタフェース総数(414)、アクセス側の無線インタフェース(110)に収容する無線端末装置数(416)、各無線基地局(AP)の位置情報(418)を基に、各無線基地局(AP)のグループ化を行い、1つのグループに集約する無線基地局(AP)の数や、グループの大きさを適宜調整することで、様々な構成に柔軟に対応できることが可能となる。
【0210】
(第3の実施例)
次に、第3の実施例について説明する。
【0211】
第1の実施例における無線通信システムは、図1に示すように、複数の無線端末装置(STA)と、複数の無線基地局(AP)と、を有して構成し、複数の無線基地局(AP)の中からリーダとなる無線基地局(AP)を決定し、そのリーダとなる無線基地局(AP)に対し、各無線基地局(AP)のノード情報(410)を送信し、リーダの無線基地局(AP)が、図8に示す一連の処理を行い、各無線基地局(AP)に対するチャネル割当を行うことにした。
【0212】
第3の実施例における無線通信システムは、図26に示すように、無線通信に必要な資源情報を各無線基地局(AP)に割り当てる資源割当装置(1)を新たに搭載し、その資源割当装置(1)が、各無線基地局(AP)のノード情報(410)を取得し、その取得したノード情報(410)を基に、上述したリーダの無線基地局(AP)が行った図8に示す一連の処理を行い、各無線基地局(AP)に対するチャネル割当を行うことを特徴とする。
【0213】
これにより、上述した第1、第2の実施例と同様な処理を、図26に示す資源割当装置(1)が行うことが可能となる。
【0214】
このように、各無線基地局(AP)に資源情報を割り当てる資源割当装置(1)を有するシステムを構成し、資源割当装置(1)において図8に示す一連の処理を行うことで、上述した第1、第2の実施例と同様な処理を行うように構築することが可能となる。
【0215】
なお、資源割当装置(1)としては、各無線基地局(AP)の資源割当処理を行うサーバ装置や、各無線基地局(AP)を集中管理制御する集中制御装置等が適用可能である。
【0216】
なお、上述する実施例は、本発明の好適な実施例であり、上記実施例のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において当業者が上記実施例の修正や代用を行い、種々の変更を施した形態を構築することが可能である。
【0217】
例えば、無線チャネルの範囲は、無線方式や、国によって異なるため、無線方式や、国に応じて無線チャネルの範囲を任意に設定変更し、その無線チャネルの範囲内で上述した処理を行うように構築することは言うまでもない。
【0218】
また、上述した実施例における無線通信システムでは、各無線基地局(AP)に対して無線チャネルを割り当てることにしたが、各無線基地局(AP)に割り当てる情報は、無線チャネルに限定するものではなく、無線通信を行う際に必要となる情報であれば、あらゆる情報を資源情報として各無線基地局(AP)に割り当てることが可能である。
【0219】
また、本実施例では、受信信号強度予測関数:fn(x)を使用し、無線チャネルxのチャネルスキャン情報S(x)を、(式1)で算出することにしたが、受信信号強度予測関数:f(x)を使用し、無線チャネル:mのチャネルスキャン情報:Smを、以下の(式2)により算出することも可能である。
【0220】
【数2】

【0221】
但し、N:受信信号強度の総数、Rn:受信信号強度の値、f(x):受信信号強度予測関数、m:無線チャネルの範囲、Cn:無線チャネル番号を示す。
【0222】
なお、受信信号強度予測関数:f(x)は、例えば、図27に示すような二次関数であり、周波数配置の拡散スペクトラムから求められる関数等が適用可能であり、さらには、電波の減衰率を考慮した関数なども適用可能である。また、無線チャネルの範囲:mは、無線方式や、国によって異なり、例えば、日本国のIEEE802.11bでは、無線チャネル番号の最大範囲:Mは、14となる。なお、無線チャネル番号の最大範囲:Mは、無線方式や、国によって異なるため、無線チャネルの範囲:mを任意に設定変更するように構築することが可能であることは言うまでもない。
【0223】
なお、受信信号強度予測関数:f(x)は、電波送信スペクトラムを想定しているため、図27に示すように、中心周波数であるx=0を最大値とする関数となる。
【0224】
但し、実際には、無線基地局(AP)が受信した無線信号系列から、後述する解析処理を行い、電力スペクトラム密度:P(f)を求め、該求めた電力スペクトルラム密度:P(f)のピーク値となる関数:f(x)が、受信信号強度予測関数:f(x)となる。
【0225】
なお、解析処理とは、無線基地局(AP)が受信した無線信号系列を、直接フーリエ変換することで、電力スペクトル密度:P(f)を求めることが可能となる。例えば、ある時間波形:x(t)の電力スペクトル密度がP(f)である場合とは、ある任意の微少区間(f,f+df)の周波数成分に対する電力:Ptを与えるものであり、以下の(式3)が成立することになる。
【0226】
【数3】

【0227】
但し、t2、t1は、任意の時間を示し、P(f)の定義は、以下の(式4)となる。
【0228】
【数4】

【0229】
なお、既存の情報からだけでは前述の解析処理は困難であるため、典型的なスペクトラムから擬似的な関数f(x)を算出することが好ましい。
【0230】
例えば、IEEE802.11b/gの場合には、非特許文献1に開示されているスペクトラムまたはスペクトラムマスクを示すような関数:f(x)が好ましい。また、IEEE802.11aについても同様に、非特許文献1に開示されているスペクトラムを示すような関数:f(x)が好ましい。
【0231】
なお、IEEE802.11b/gの場合には、上述したスペクトラムを示すような擬似的な関数:f(x)としては、以下の(式5)を適用することが好ましい。
【0232】
【数5】

【0233】
また、上述したスペクトラムマスクを示すような擬似的な関数:f(x)としては、以下の(式6)を適用することが好ましい。これにより、(式5)に示す関数:f(x)を適用した場合よりも、処理を簡略化することが可能となる。
【0234】
【数6】

【0235】
また、上述した実施例における無線通信システムを構成する資源割当装置(1)及び無線基地局(AP)における制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0236】
なお、ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0237】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。
【0238】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送したりし、コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0239】
また、上記実施例で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【0240】
また、上記実施例で説明した無線通信システムは、複数の装置の論理的集合構成にしたり、各装置の機能を混在させたりするように構築することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0241】
本発明にかかる資源割当装置、集中制御装置、無線基地局、無線通信システム、資源割当方法及び資源割当プログラムは、複数の無線ネットワークインタフェースを搭載した無線基地局(AP)間を無線で接続する際に、干渉を低減させるように資源情報を割り当てる用途に適用可能である。また、無線基地局(AP)に限らず、携帯電話、トランシーバ、ラジコンなど、使用可能な周波数帯が制限された、無線通信機器間の通信チャネルの割当にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0242】
【図1】本実施例における無線通信システムのシステム構成を示す図である。
【図2】本実施例の無線通信システムを構成する無線基地局(AP)の内部構成を示す図である。
【図3】本実施例の無線通信システムを構成する無線基地局(AP)の記憶部(400)の内部構成を示す図である。
【図4】本実施例の無線通信システムを構成する複数の無線基地局(AP)を接続して構成した公衆無線アクセスシステムのシステム構成を示す図である。
【図5】各無線基地局(AP)がチャネルスキャン処理を行い、各無線チャネル毎の無線チャネル情報(受信信号強度)を測定した場合の測定結果例を示す図である。
【図6】図4に示す公衆無線アクセスシステムを構成するリーダの無線基地局(A)の記憶部(400)のノード情報(410)を示す図であり、各無線基地局(AP)のノード情報(410)を無線基地局(A)の記憶部(400)に記憶した状態のテーブル構成例を示す。
【図7】リーダの無線基地局(A)が生成したトポロジ情報(450)のイメージ図を示す図である。
【図8】リーダとなる無線基地局(A)において無線チャネルを決定する際に行う概略的な一連の処理動作を示すフローチャートである。
【図9】図8に示すステップS100のグループ化を行う際の詳細な処理工程を示すフローチャートである。
【図10】図6に示すノード情報(410)を、所定の優先順でソートした場合のソート結果を示す図である。
【図11】グループ1を作成した状態のトポロジ情報(450)のイメージ図を示す図である。
【図12】グループ1を作成した状態のノード情報(410)を示す図である。
【図13】図4に示す公衆無線アクセスシステムを構成する個々の無線基地局(A〜D)に対し、図8のステップS100のグループ化の処理工程を行った後の状態のトポロジ情報(450)のイメージ図を示す図である。
【図14】図4に示す公衆無線アクセスシステムを構成する個々の無線基地局(A〜D)に対し、図8のステップS100のグループ化の処理工程を行った後の状態のノード情報(410)を示す図である。
【図15】図8に示すステップS101の仮想ノード化を行う際の詳細な処理工程を示すフローチャートである。
【図16】図4に示す公衆無線アクセスシステムを構成する個々の無線基地局(A〜D)に対し、図8のステップS101の仮想ノード化を行った際の仮想ノード情報(420)を示す図である。
【図17】図8に示すステップS101の仮想ノード化の処理工程を行った後の状態の仮想ノードの構成を示す図である。
【図18】仮想無線リンク数=1の仮想ノードがあるか否かの判断処理を説明するための図である。
【図19】図8に示すステップS102のバックボーン側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当の詳細な処理工程を示すフローチャートである。
【図20】無線基地局(AP)のバックボーン側の無線インタフェース(110)に対する無線チャネルの割当が完了した状態を示す図である。
【図21】図8に示すステップS103のアクセス側の無線インタフェース(110)へのチャネル割当の詳細な処理工程を示すフローチャートである。
【図22】無線基地局(AP)のアクセス側の無線インタフェース(110)に対する無線チャネルの割当が完了した状態を示す図である。
【図23】図8に示す一連の処理工程を終了し、図4に示す公衆無線アクセスシステムを構成する各無線基地局(AP)に対し無線チャネルを割り当てた状態を示す図である。
【図24】第2の実施例の無線通信システムを構成する無線基地局(AP)の内部構成を示す図である。
【図25】第2の実施例の無線通信システムを構成する無線基地局(AP)の記憶部(400)の内部構成を示す図である。
【図26】第3の実施例における無線通信システムのシステム構成を示す図である。
【図27】受信信号強度予測関数:f(x)を説明するための図である。
【符号の説明】
【0243】
AP 無線基地局
STA 無線端末装置
NW 外部ネットワーク
110 無線インタフェース(バックボーン側、アクセス側)
120 有線インタフェース
200 チャネル割当部
300 チャネル制御部
400 記憶部
410 ノード情報
411 利用可能有線インタフェース数
412 有線インタフェース総数
413 グループ無所属無線インタフェース数
414 無線インタフェース総数
415 隣接無線基地局数
416 収容無線端末装置数
417 チャネルスキャン情報
418 位置情報
420 仮想ノード情報
421 構成ノード
422 仮想ノードチャネルスキャン情報
423 割当チャネル
450 トポロジ情報
500 位置情報取得部
1 資源割当装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信を行う際に必要となる資源情報を無線基地局に割り当てる資源割当装置であって、
前記無線基地局は、
無線装置を収容するためのアクセス側の無線インタフェースと、無線基地局間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェースと、を搭載しており、
前記資源割当装置は、
無線基地局間で無線通信を行うことになる前記バックボーン側の無線インタフェースには、無線基地局間で共通の資源情報を割り当て、前記アクセス側の無線インタフェースには、前記バックボーン側の無線インタフェースとの間で干渉が発生しない資源情報を割り当てる資源割当手段を有することを特徴とする資源割当装置。
【請求項2】
無線基地局に割り当てる資源情報を調整する資源調整手段を有することを特徴とする請求項1記載の資源割当装置。
【請求項3】
前記資源調整手段は、
前記無線基地局が外部ネットワークと有線接続する有線インタフェース数の情報と、
前記無線基地局が搭載する無線インタフェース数の情報と、
前記無線基地局が近隣の無線基地局と接続する接続数の情報と、
前記無線基地局が収容する無線装置数の情報と、
前記無線基地局の位置を示す情報と、
の少なくとも1つの情報に応じて、前記資源情報を調整することを特徴とする請求項2記載の資源割当装置。
【請求項4】
無線基地局間で無線通信を行うことになる無線基地局同士を1つの集団に集約する集約手段を有し、
前記資源割当手段は、
前記集約手段により集約した1つの集団に対し、共通の資源情報を割り当てることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の資源割当装置。
【請求項5】
前記集約手段は、
複数の無線基地局を複数の集団に集約し、
前記資源割当手段は、
前記集約手段により集約した複数の集団に対し、各々の集団との間で干渉が発生しないように前記資源情報を割り当てることを特徴とする請求項4記載の資源割当装置。
【請求項6】
前記集団に集約する無線基地局の数を調整する集約調整手段を有することを特徴とする請求項4または5記載の資源割当装置。
【請求項7】
前記集約調整手段は、
前記無線基地局が外部ネットワークと有線接続する有線インタフェース数の情報と、
前記無線基地局が搭載する無線インタフェース数の情報と、
前記無線基地局が近隣の無線基地局と接続する接続数の情報と、
前記無線基地局が収容する無線装置数の情報と、
前記無線基地局の位置を示す情報と、
の少なくとも1つの情報に応じて、前記無線基地局の数を調整することを特徴とする請求項6記載の資源割当装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1項に記載の資源割当装置を搭載した集中制御装置であって、
前記無線基地局を集中制御する制御手段を有することを特徴とする集中制御装置。
【請求項9】
請求項1から7の何れか1項に記載の資源割当装置を搭載したことを特徴とする無線基地局。
【請求項10】
無線基地局と、無線通信を行う際に必要となる資源情報を前記無線基地局に割り当てる資源割当装置と、を有して構成する無線通信システムであって、
前記無線基地局は、
無線装置を収容するためのアクセス側の無線インタフェースと、無線基地局間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェースと、を搭載し、
前記資源割当装置は、
無線基地局間で無線通信を行うことになる前記バックボーン側の無線インタフェースには、無線基地局間で共通の資源情報を割り当て、前記アクセス側の無線インタフェースには、前記バックボーン側の無線インタフェースとの間で干渉が発生しない資源情報を割り当てる資源割当手段を有することを特徴とする無線通信システム。
【請求項11】
前記資源情報は、無線チャネルであり、
前記無線基地局は、
無線チャネル毎のチャネル情報を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定した無線チャネル毎のチャネル情報を基に、干渉を回避するためのチャネルスキャン情報を無線チャネル毎に算出する算出手段と、を有し、
前記資源割当装置は、
前記算出手段により無線チャネル毎に算出したチャネルスキャン情報を前記無線基地局から取得する取得手段を有し、
前記資源割当手段は、
前記取得手段により取得した無線チャネル毎のチャネルスキャン情報に基づいて、無線基地局間で無線通信を行うことになる前記バックボーン側の無線インタフェースには、無線基地局間で共通の無線チャネルを割り当て、前記アクセス側の無線インタフェースには、前記バックボーン側の無線インタフェースとの間で干渉が発生しない無線チャネルを割り当てることを特徴とする請求項10記載の無線通信システム。
【請求項12】
前記無線基地局は、
前記測定手段により測定した無線チャネル毎のチャネル情報を基に、干渉が発生する無線チャネルの干渉領域を予測する予測手段を有し、
前記算出手段は、
前記予測手段により予測した無線チャネルの干渉領域と、前記測定手段により測定した無線チャネル毎のチャネル情報と、を基に、前記チャネルスキャン情報を無線チャネル毎に算出することを特徴とする請求項11記載の無線通信システム。
【請求項13】
前記資源割当装置は、
前記無線基地局を集中制御する集中制御装置であることを特徴とする請求項10から12の何れか1項に記載の無線通信システム。
【請求項14】
前記資源割当装置は、
無線基地局であることを特徴とする請求項10から12の何れか1項に記載の無線通信システム。
【請求項15】
無線通信を行う際に必要となる資源情報を無線基地局に割り当てる資源割当装置で行う資源割当方法であって、
前記無線基地局は、
無線装置を収容するためのアクセス側の無線インタフェースと、無線基地局間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェースと、を搭載しており、
前記資源割当装置は、
無線基地局間で無線通信を行うことになる前記バックボーン側の無線インタフェースには、無線基地局間で共通の資源情報を割り当て、前記アクセス側の無線インタフェースには、前記バックボーン側の無線インタフェースとの間で干渉が発生しない資源情報を割り当てる資源割当工程を行うことを特徴とする資源割当方法。
【請求項16】
前記資源割当装置は、
前記無線基地局を集中制御する集中制御装置であることを特徴とする請求項15記載の資源割当方法。
【請求項17】
前記資源割当装置は、
無線基地局であることを特徴とする請求項15記載の資源割当方法。
【請求項18】
無線基地局と、無線通信を行う際に必要となる資源情報を前記無線基地局に割り当てる資源割当装置と、を有して構成するシステムで行う資源割当方法であって、
前記無線基地局は、
無線装置を収容するためのアクセス側の無線インタフェースと、無線基地局間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェースと、を搭載し、
前記資源割当装置は、
無線基地局間で無線通信を行うことになる前記バックボーン側の無線インタフェースには、無線基地局間で共通の資源情報を割り当て、前記アクセス側の無線インタフェースには、前記バックボーン側の無線インタフェースとの間で干渉が発生しない資源情報を割り当てる資源割当工程を行うことを特徴とする資源割当方法。
【請求項19】
前記資源割当装置は、
前記無線基地局を集中制御する集中制御装置であることを特徴とする請求項18記載の資源割当方法。
【請求項20】
前記資源割当装置は、
無線基地局であることを特徴とする請求項18記載の資源割当方法。
【請求項21】
無線通信を行う際に必要となる資源情報を無線基地局に割り当てる資源割当装置において実行させる資源割当プログラムであって、
前記無線基地局は、
無線装置を収容するためのアクセス側の無線インタフェースと、無線基地局間を接続するためのバックボーン側の無線インタフェースと、を搭載しており、
無線基地局間で無線通信を行うことになる前記バックボーン側の無線インタフェースには、無線基地局間で共通の資源情報を割り当て、前記アクセス側の無線インタフェースには、前記バックボーン側の無線インタフェースとの間で干渉が発生しない資源情報を割り当てる資源割当処理を、前記資源割当装置に実行させることを特徴とする資源割当プログラム。
【請求項22】
前記資源割当装置は、
前記無線基地局を集中制御する集中制御装置であることを特徴とする請求項21記載の資源割当プログラム。
【請求項23】
前記資源割当装置は、
無線基地局であることを特徴とする請求項21記載の資源割当プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2008−42897(P2008−42897A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178602(P2007−178602)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】