説明

走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置

【課題】 光偏向装置を光学箱にビス固定した際、ビス締結トルクによる光偏向装置の軸に対する荷重を低減し、調整機能を有することなく最終的な光学走査装置としての軸倒れを改善し、安定したレーザ光のスポット形状を得て、良好な画像品質を得る光学走査装置を提供する。
【解決手段】 回路基板126の裏側に突出する固定軸121が挿入される貫通穴132aを有し、該回路基板126の裏面に当接して固定される固定部132と、該固定部132に接続されると共に固定軸121同軸上に配置され、光学箱113に設けられた嵌合穴140に嵌入される中空環状部133とを有するブラケット131を有し、固定軸121がブラケット131の中空環状部133内で且つ該中空環状部133の内周面に該固定軸121の外周面が接触しないように挿入されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザビームプリンタ、デジタル複写機、デジタルファクシミリ装置(FAX)等の画像形成装置において、レーザ光を使用して光書き込みを行う走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザビームプリンタ(以下、「LBP」という)の印字精度は、走査光学装置の機械的精度により大きく左右される。中でも回転多面鏡を回転駆動させる光偏向装置は、LBPの光学系の基準として回転多面鏡の回転中心軸と光学箱の光学基準位置とを高精度に構成する必要がある。
【0003】
そのため、一般的には光偏向装置の回転多面鏡の回転中心と同軸上の軸または軸受を光学箱の光学基準位置に設けられた嵌合穴と嵌合させて位置決めする構成が用いられている。また、光偏向装置の回転多面鏡の回転軸の倒れ(以下、「軸倒れ」という)は、感光ドラム上におけるレーザ光のスポットの歪みを発生させ、画像品質を悪化させる。
【0004】
特許文献1では、光偏向装置の回転多面鏡の回転中心と光学箱との位置決め汎用性を上げるために、光偏向装置の回転多面鏡の回転中心と同軸上の軸もしくは軸受を回路基板の裏側に具備したブラケットにより保持している。
【0005】
また、特許文献2では、ビスと圧縮バネとを用いて光偏向装置を光学箱に固定し、ビスの押し込み量を調節して軸倒れを調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−061741号公報
【特許文献2】特開2005−201941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の構成では、一般的に光偏向装置は光学箱にビス固定される。これにより、光偏向装置の回路基板がビス締めトルクにより連れ回る。これにより、ブラケットが光学箱の嵌合穴と干渉するため光偏向装置の回転多面鏡の回転中心と同軸上の軸もしくは軸受が荷重を受けて軸倒れが発生する。
【0008】
また、特許文献2の構成では、軸倒れ調整のために組立工程が複雑になり、工数が増加してしまう。
【0009】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、軸倒れの調整機能を有さずとも、組み立て初期の軸倒れを低減させることが出来る走査光学装置及びこれを備えた画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための本発明に係る走査光学装置の代表的な構成は、画像情報に基づいて変調されたレーザ光を出射する光源装置と、回転多面鏡を備え前記レーザ光を走査偏向する光偏向装置と、前記光偏向装置により走査偏向された前記レーザ光を感光体上に結像する結像光学部材と、前記光源装置と、前記光偏向装置と、前記結像光学部材と、を収容する光学箱と、を有し、前記光偏向装置は、前記回転多面鏡を回転駆動する駆動源と、前記駆動源を制御するための回路基板と、前記回転多面鏡の回転軸と同軸上に配置して前記回路基板に対して垂直に固定され、該回路基板の裏側に突出する軸または軸受と、を有し、前記回路基板が前記光学箱にビス固定される走査光学装置において、前記回路基板の裏側に突出する前記軸または前記軸受が挿入される貫通穴を有し、前記回路基板の裏面に当接して固定される固定部と、前記固定部に接続されると共に前記軸または前記軸受と同軸上に配置され、前記光学箱に設けられた嵌合穴に嵌入される中空環状部と、を有するブラケットを有し、前記軸または軸受が前記ブラケットの前記中空環状部内で且つ該中空環状部の内周面に該軸または軸受の外周面が接触しないように挿入されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記構成によれば、光偏向装置を光学箱に対してビス固定した際に、ブラケットの中空環状部が撓むことによりビス締結トルクによる回転多面鏡の回転軸と同軸上に配置した軸または軸受に対する荷重を低減する。
【0012】
これにより、ビス締めトルクにより回転多面鏡の回転軸と同軸上に配置した軸または軸受が光学箱の嵌合穴の内周面と干渉することにより受ける力を低減することが出来る。その結果、光偏向装置の締結時の初期の軸倒れ精度が良くなるため調整が不要となる。
【0013】
これにより、軸倒れの調整機能を有さずとも光偏向装置を光学箱に組み付けた状態での軸倒れ精度を向上させることが出来る。これにより、感光体上でのレーザ光束のスポット形状の歪や走査線の曲りが低減され、画像不良を抑制することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る走査光学装置を備えた画像形成装置の第1実施形態の構成を示す断面説明図である。
【図2】第1実施形態における走査光学装置の構成を示す斜視説明図である。
【図3】第1実施形態における光偏向装置の構成を示す断面説明図である。
【図4】第1実施形態におけるブラケットの周辺の構成を示す断面説明図である。
【図5】第1実施形態における走査光学装置を組み立てる様子を示す斜視説明図である。
【図6】(a)は第1実施形態における走査光学装置を組み立てる際のビス締結トルクにより光偏向装置が連れ回る様子を示す斜視説明図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図7】第1実施形態における走査光学装置を組み立てる際のビス締結トルクにより光偏向装置が連れ回る際に作用する荷重を説明する断面説明図である。
【図8】中央部に回転多面鏡の回転軸と同軸上に配置した軸または軸受が嵌入される貫通穴のみを有する中実のブラケットを用いた比較例を示す。そして走査光学装置を組み立てる際のビス締結トルクにより光偏向装置が連れ回る際に作用する荷重を説明する断面説明図である。
【図9】本発明に係る走査光学装置の第2実施形態におけるブラケットの周辺の構成を示す断面説明図である。
【図10】本発明に係る走査光学装置の第3実施形態における光偏向装置の組み立ての様子を示す分解斜視図である。
【図11】本発明に係る走査光学装置の第4実施形態におけるブラケットの周辺の構成を示す断面説明図である。
【図12】第4実施形態における光偏向装置の組み立ての様子を示す分解斜視図である。
【図13】第4実施形態における走査光学装置を組み立てる際のビス締結トルクにより光偏向装置が連れ回る際に作用する荷重を説明する断面説明図である。
【図14】本発明に係る走査光学装置の第5実施形態における光偏向装置の構成を示す断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図により本発明に係る走査光学装置を備えた画像形成装置の一実施形態を具体的に説明する。
【実施例1】
【0016】
先ず、図1〜図8を用いて本発明に係る走査光学装置を備えた画像形成装置の第1実施形態の構成について説明する。図1は第1実施形態における走査光学装置を用いた画像形成装置101を示す図である。102は走査光学装置であって光学台103に設置されている。光学台103は画像形成装置101の筐体の一部である。
【0017】
画像形成装置101には、記録材2を載置する給送部104、給送部104に載置された記録材2を給送する給送ローラ105が設けられる。また、感光体としての像担持体となる感光ドラム109と、該感光ドラム109に対向して配置される転写手段としての転写ローラ106、定着手段としての定着装置107が設けられている。
【0018】
また、記録材搬送面の転写ローラ106に対向する位置に感光ドラム109を有するプロセスカートリッジ108等の画像形成手段が配置されている。
【0019】
記録材2は給送部104から給送ローラ105によって給送され、転写ローラ106により感光ドラム109の表面上に形成されたトナー画像が転写される。その後、定着装置107において記録材2上のトナー画像が熱と圧力によって記録材2に定着される。トナーが定着した記録材2は排出ローラ110によって画像形成装置101の機外に出力される。
【0020】
図2は本実施形態の走査光学装置102の構成を示す斜視図である。画像情報に基づいて変調されたレーザ光5を出射する光源装置111から出射された図2の一点鎖線で示すレーザ光5は、シリンドリカルレンズ112によって副走査方向にのみ集光される。そして、黒色樹脂により構成される光学箱113に形成された光学絞り114によって所定のビーム径に制限される。
【0021】
そして、レーザ光5を走査偏向する光偏向装置117に設けられた回転多面鏡115のレーザ光反射面116に主走査方向に長い線状に集光される。回転多面鏡115は、光偏向装置117に設けられる駆動源となるモータ3により回転駆動され、モータ3は制御部となる回路基板126によって制御される。
【0022】
光偏向装置117に設けられた回転多面鏡115の回転により入射したレーザ光5を走査偏向する。光偏向装置117により走査偏向されたレーザ光5は、結像光学部材となるfθレンズ118を通過した後、感光ドラム109の表面上(感光体上)に集光、走査されて結像し静電潜像を形成する。
【0023】
fθレンズ118は、レーザ光5を感光ドラム109の表面上にスポットを形成するように集光し、且つスポットの走査速度が等速に保たれるように設計されている。このようなfθレンズ118の特性を得るために、fθレンズ118は非球面レンズで形成されている。
【0024】
光学箱113の内部には、光源装置111、光偏向装置117、結像光学部材となるfθレンズ118等が収容されている。光学箱113の上部開口は、樹脂や板金製の光学蓋120によって閉塞される。
【0025】
図3は本実施形態の走査光学装置102に具備された光偏向装置117の内部構成を示す模式断面図である。回転多面鏡115を回転させるモータ3は、固定軸121に回転自在に支承された軸受122を有する。また、軸受122にカシメ等で一体的に結合されたヨーク123及びロータマグネット124を備えたロータ125を具備している。
【0026】
また、回路基板126に固定されたステータコア127及びステータコイル128を有するステータ部129も備えている。回転多面鏡115は、軸受122に一体的に設けられた座面130に固定され、該軸受122及びロータ125等と一体的に回転する。
【0027】
また、回路基板126の裏側にはロータ125を回転支持するための固定軸121が回路基板126に設けられた貫通穴126aを貫通して突出している。即ち、固定軸121は回転多面鏡115の回転軸と同軸上に配置して回路基板126に対して垂直に固定され、該回路基板126の裏側に突出する。
【0028】
固定軸121の突出部121aはブラケット131の平板状の固定部132に設けられた貫通穴132aに挿入されている。本実施形態の固定軸121はその外周面がブラケット131の固定部132の貫通穴132aの内周面に接触して嵌入される。
【0029】
ブラケット131の固定部132は回路基板126の裏面に当接して接着剤等により固定される。固定部132には固定軸121と同軸上に配置され、内部が中空で構成された中空環状部133が接続されており、該中空環状部133は図4に示すように、光学箱113の底板113aに設けられた嵌合穴140内に遊動自在に嵌入される。
【0030】
固定軸121の突出部121aは、ブラケット131の中空環状部133内(中空環状部内)で且つ該中空環状部133の内周面に該固定軸121の突出部121aの外周面が接触しないように所定の離間間隔を有して挿入される。
【0031】
ブラケット131は、走査光学装置102を光学箱113に組み付ける際に、該光学箱113に設けられた嵌合穴140内にブラケット131の中空環状部133を嵌入して位置決めするために用いられる。このブラケット131の形状及び材料を変更することによって、光学箱113に設けられる嵌合穴140の径や、形状及び材料の異なる光学箱113に対して幅広い対応が可能である。
【0032】
図4は本実施形態におけるブラケット131の周辺の概略断面図である。ブラケット131は樹脂等の弾性部材により成形されている。
【0033】
本実施形態のブラケット131は、固定部132に設けられた貫通穴132aと、固定軸121との嵌合によって位置決めされ、該固定部132が回路基板126の裏面と接着等により固定される。このとき、ブラケット131の中空環状部133は固定軸121とは非接触となっている。
【0034】
ブラケット131の中空環状部133は、光学箱113に設けられた嵌合穴140の内周面に嵌合当接して該ブラケット131を位置決めするための位置決め部134と、嵌合穴140内に該中空環状部133を挿入するためのテーパ部135とを有している。
【0035】
尚、ブラケット131の固定部132を固定軸121に対して圧入によって固定しても良く、ブラケット131の固定方法は接着による固定に限られたものではない。
【0036】
図5は本実施形態における走査光学装置102の斜視図であり、光学箱113に光偏向装置117を組み付ける様子について説明したものである。
【0037】
光偏向装置117の回路基板126は、ビス137a,137b,137cによって、光学箱113の底板113aに設けられた座面138a,138b,138cにビス固定される。139a,139b,139cは回路基板126を貫通して設けられたビス孔である。光偏向装置117は、光学箱113の底板113aに設けた嵌合穴140にブラケット131の中空環状部133を嵌入することによって位置決めされる。
【0038】
一般に複数のビス137a,137b,137cを締結して回路基板126を固定する場合、該回路基板126の位置決め部となる固定軸121に最も近く、且つ、該回路基板126の中心に近い方から順にビス137a,137b,137cを締結する。これは回路基板126に発生する歪みを最小に抑えるためである。従って、本実施形態では、ビス137a、ビス137b、ビス137cの順にビス締結を行う。
【0039】
図6は本実施形態における走査光学装置102の斜視図であり、一本目にビス137aを用いて回路基板126を締結した際のブラケット131が光学箱113に与える荷重f1と、その方向について説明したものである。
【0040】
本実施形態のビス137aは右ねじである。従って、ビス137aで回路基板126を固定すると、該回路基板126は締結される過程で、図6の矢印a方向にトルクTを受ける。このトルクTは、ビス137aの頭部下面と、回路基板126の上面との接触摩擦により発生するものである。
【0041】
回路基板126はトルクTを受けてビス137aを中心として図6の矢印a方向に回転する。この回転に伴って、回路基板126の裏面側に固定されたブラケット131は、図7に示すように、嵌合穴140の側壁141と接触点K1で接触する。そのときブラケット131は光学箱113に対して荷重f1を与える。
【0042】
ここで、荷重f1の方向は、図6に示すように、座面138aのネジ孔の中心軸4を中心として嵌合穴140の中心を通る円cと、嵌合穴140の内周面との交点となる接触点K1における円cの接線1の方向である。
【0043】
図7は本実施形態における走査光学装置102の断面図であり、ブラケット131が光学箱113の嵌合穴140の側壁141から受ける反力f2と、ブラケット131の中空環状部133の作用について説明したものである。
【0044】
図7は走査光学装置102の断面図である。ブラケット131の中空環状部133の位置決め部134と、光学箱113の底板113aに設けられた嵌合穴140の側壁141との接触点K1における図6に示す円cの接線1に平行な断面図である。更に、固定軸121の中心を通る平面で切り取った断面を図6の矢線A方向から見た断面図である。
【0045】
ビス137aにより回路基板126を光学箱113の座面138aに締結した際に発生するトルクTにより回路基板126はビス137aを中心に図6の矢印a方向に移動する。そして、ブラケット131の中空環状部133の位置決め部134は、接触点K1において光学箱113の底板113aに設けた嵌合穴140の側壁141と接触する。
【0046】
図7に示すように、ビス137aにより回路基板126を光学箱113の座面138aに締結した際に発生するトルクTによりブラケット131は光学箱113の底板113aに設けた嵌合穴140の側壁141に荷重f1を与える。そして、ブラケット131はその反力f2を受ける。
【0047】
更に、固定軸121はブラケット131の固定部132に設けられた貫通穴132aの内周面を介して荷重f3を受ける。このとき、ブラケット131の固定部132に設けられた貫通穴132aの位置は、固定軸121の軸方向(図7の上下方向)において下方側にズレている。即ち、ビス137aにより回路基板126を光学箱113の座面138aに締結した際に発生するトルクTが作用する回路基板126の上面位置に対して下方側にズレている。
【0048】
これにより、固定軸121は、図7に示す回路基板126と、固定軸121との接合部K2を中心として図7の反時計回り方向に回転モーメントを受ける。これにより、固定軸121は、接合部K2を中心として図7の反時計回り方向に角度θ1だけ倒れる(以下、「軸倒れ」という)。
【0049】
ここで、固定軸121がブラケット131の固定部132に設けられた貫通穴132aの内周面から受ける荷重f3と、固定軸121の倒れ角度θ1について説明する。
【0050】
ブラケット131が光学箱113の底板113aに設けた嵌合穴140の側壁141から反力f2を受ける部分は該ブラケット131の中空環状部133となっている。そして、該中空環状部133が反力f2を受けると、ブラケット131の中空環状部133は、その中空構造により微小変形する。そして、ブラケット131の中空環状部133が微小変形することにより、その反力f2がブラケット131の固定部132に設けられた貫通穴132aの内周面から固定軸121に伝わる際に中空環状部133が微小変形した分だけ低減される。
【0051】
よって、固定軸121がブラケット131の固定部132に設けられた貫通穴132aの内周面から受ける荷重f3は、反力f2を直接受けず、中空環状部133が微小変形した分だけ低減されている。即ち、固定軸121がブラケット131の固定部132に設けられた貫通穴132aの内周面から受ける荷重f3はブラケット131の中空環状部133の微小変形により反力f2に対して小さくなる。
【0052】
また、固定軸121の軸方向(図7の上下方向)において、固定軸121とブラケット131の固定部132に設けられた貫通穴132aの内周面との接触部K3の位置から、回路基板126と、固定軸121との接合部K2の位置までの離間距離L1は短い。
【0053】
ここで、固定軸121がブラケット131の固定部132に設けられた貫通穴132aの内周面から受ける荷重をf3とする。更に、固定軸121の軸方向(図7の上下方向)において、固定軸121とブラケット131の固定部132に設けられた貫通穴132aの内周面との接触部K3の位置から、回路基板126と固定軸121との接合部K2の位置までの離間距離をL1とする。そうすると、接合部K2を中心に固定軸121が受ける回転モーメントM1は以下の数1式で表わされる。
【0054】
[数1]
M1=f3×L1
【0055】
ビス137aにより回路基板126を光学箱113の座面138aに締結した際に発生するトルクTによりブラケット131の中空環状部133が光学箱113の底板113aに設けた嵌合穴140の側壁141に当接して荷重f1を与える。この際に、ブラケット131の中空環状部133が微小変形することにより荷重f1自体が小さくなる。そして、ブラケット131が受けるその反力f2もブラケット131の中空環状部133が微小変形することにより小さくなる。
【0056】
更に、固定軸121がブラケット131の固定部132に設けられた貫通穴132aの内周面から受ける荷重f3もブラケット131の中空環状部133の微小変形により小さくなる。そして、上記数1式から、荷重f3、離間距離L1は小さいため、回転モーメントM1も小さくなり、固定軸121の倒れ角度θ1は微小となる。
【0057】
一方、図8に示す比較例は、ブラケット142が中実で中央部に固定軸121が嵌入される貫通穴142aのみが設けられた構成である。そして、光学箱113の底板113aに設けられた嵌合穴140内にブラケット142を嵌入して位置決めする。
【0058】
比較例の中実のブラケット142は、ビス137aにより回路基板126を光学箱113の座面138aに締結した際に発生するトルクTによりブラケット142の外周面がが光学箱113の底板113aに設けた嵌合穴140の側壁141に当接する。そして、本実施形態の荷重f1よりも大きな荷重f4を与える。
【0059】
そして、中実のブラケット142は荷重f4と同じ大きさの反力f5を受け、固定軸121がブラケット142の貫通穴142aの内周面との接触部K4から受ける荷重f6は荷重f4と略同じ大きさとなる。
【0060】
前述したように、固定軸121は接合部K2を中心とした回転モーメントを受けるため、固定軸121は接合部K2を中心として図8の反時計回り方向に角度θ2だけ倒れる。
【0061】
このとき、固定軸121がブラケット142の貫通穴142aの内周面から荷重f6を受ける接触部K4の位置から接合部K2の位置までの固定軸121の軸方向(図8の上下方向)における離間距離L2は、離間距離L1よりも大きくなる。離間距離L1は、図7に示す固定部132と中空環状部133からなるブラケット131を使用した場合のものである。
【0062】
ここで、固定軸121がブラケット142の貫通穴142aの内周面から受ける荷重をf6とする。更に、固定軸121の軸方向(図8の上下方向)において、固定軸121とブラケット142の貫通穴142aの内周面との接触部K4の位置から、回路基板126と固定軸121との接合部K2の位置までの離間距離をL2とする。すると、接合部K2を中心に固定軸121が受ける回転モーメントM2は以下の数2式で表わされる。
【0063】
[数2]
M2=f6×L2
【0064】
図7に示す固定部132と中空環状部133からなるブラケット131を使用した場合と比較する。すると、{荷重f3<荷重f6}、{離間距離L1<離間距離L2}である。これにより、{回転モーメントM1<回転モーメントM2}となる。このため、固定軸121の倒れ角度は、{倒れ角度θ1<倒れ角度θ2}という関係になる。
【0065】
上記構成によれば、回路基板126を光学箱113に対してビス固定した際に、ブラケット131の中空環状部133が撓むことによりビス締結トルクTによる回転多面鏡115の回転軸と同軸上に配置した固定軸121に対する荷重f3を低減することが出来る。
【0066】
これにより、ビス締めトルクTにより回転多面鏡115の回転軸と同軸上に配置した固定軸121が光学箱113の嵌合穴140の内周面と干渉することにより受ける力を低減することが出来る。
【0067】
その結果、光偏向装置117の締結時の初期の軸倒れ精度が良くなるため調整が不要となる。これにより、軸倒れの調整機能を有さずとも光偏向装置117を光学箱113に組み付けた状態での軸倒れ精度を向上させることが出来る。これにより、感光ドラム109の表面上でのレーザ光5のスポット形状の歪や走査線の曲りが低減され、画像不良を抑制することが出来る。
【0068】
本実施形態によれば、回路基板126の締結時に固定軸121が光学箱113より受ける荷重f3を低減することが出来る。これにより、固定軸121の倒れを抑制することが出来、画像不良を引き起こすことがない。
【0069】
また、ブラケット131に中空環状部133を設けることにより、ブラケット131の内部は中空となり、材料費も削減することが出来る。
【0070】
また、ブラケット131を樹脂で成形する場合には、肉厚により冷却時の薄肉化によるヒケや外観ムラ等の弊害も改善することが出来る。
【0071】
尚、本実施形態では、一本目に締結するビス137の一例として、固定軸121に最も近く、且つ、回路基板126の中心に近いビス137aにより回路基板126を座面138aに固定する場合を説明した。しかし、一本目に他のビス137を締めても同様の現象がおこる。よって、一本目に締めるビス137の箇所は限定されない。
【0072】
また、本実施形態では回路基板126の固定箇所を3箇所としたが、2箇所や4箇所以上でも良い。
【0073】
また、本実施形態では、ブラケット131を弾性部材の一例として樹脂製で構成した場合について説明したが、ブラケット131を弾性性能を有する他の材質で構成し、前述と同様な効果が得られるものであれば良く、樹脂製に限定されない。
【0074】
また、本実施形態では、回路基板126に固定軸121が固定される。そして、該固定軸121の突出部121aが回路基板126の裏面側に突出した光偏向装置117の場合について説明した。他に、回転多面鏡115を支持する回転軸を回転自在に支承する軸受を回路基板126に固定する。そして、該軸受の突出部が回路基板126の裏面側に突出した光偏向装置117の場合についても同様な効果が得られる。前述した固定軸121を軸受に置き換えるだけで略同様の構成であるため説明を省略する。
【実施例2】
【0075】
次に図9を用いて本発明に係る走査光学装置を備えた画像形成装置の第2実施形態の構成について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0076】
前記第1実施形態では、ブラケット131の固定部132を平板状で構成した。本実施形態では、図9に示すように、ブラケット144の中空環状部146の内部に該中空環状部146の内周面とは外周面が所定の距離だけ離間した筒状部145が固定部143に設けられている。固定部143は回路基板126の裏面に当接して固定され、筒状部145内に設けられた貫通穴145a内に回路基板126の裏側に突出する固定軸121が挿入される。中空環状部146は固定部143に接続されると共に固定軸121と同軸上に配置され、光学箱113の底板113aに設けられた嵌合穴140内に遊動自在に嵌入される。
【0077】
ブラケット144の筒状部145の貫通穴145a内に嵌入された固定軸121は、該ブラケット144の中空環状部146内(中空環状部内)で且つ該中空環状部146の内周面に該固定軸121の外周面及び筒状部145の外周面が接触しないように挿入される。
【0078】
図9は本実施形態のブラケット144の周辺の概略断面図である。本実施形態のブラケット144は、図4に示して前述した第1実施形態のブラケット131と同様に中空環状部146の外周面に位置決め部147とテーパ部148とが設けられている。
【0079】
図6に示して前述したように、ビス137aにより回路基板126を光学箱113の座面138aに締結した際に発生するトルクTによりブラケット144の中空環状部146が嵌合穴140の側壁141と接触する。そして、該ブラケット144が反力f2を受けても、該ブラケット144の中空環状部146が変形し、固定軸121にかかる荷重f3を低減させることが出来る。
【0080】
また、本実施形態では、図9に示す嵌合長L4が図4に示す嵌合長L3よりも長く設けられている。図9に示す嵌合長L4は、固定軸121とブラケット144の筒状部145内の貫通穴145aの内周面との嵌合長である。図4に示す嵌合長L3は、固定軸121とブラケット131の固定部132内の貫通穴132aの内周面との嵌合長である。このため、例えば、ブラケット144を固定軸121に対して圧入等で固定する場合に適している。
【0081】
また、ブラケット144の固定部143を回路基板126の裏面に対して接着により固定する。この場合においても、加工上、筒状部145と、ブラケット144の固定部143の接着面との直角度を出し易い。このため、筒状部145内の貫通穴145a内に固定軸121を安定して嵌合することが出来る。他の構成は、前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【実施例3】
【0082】
次に図10を用いて本発明に係る走査光学装置を備えた画像形成装置の第3実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0083】
前記各実施形態では、ブラケット131,144の中空環状部133,146は周方向に連続して構成された一例であった。本実施形態では、図10に示すように、ブラケット131の中空環状部133の周方向に所定のピッチで固定軸121の軸方向に沿って複数の切り込み部152が設けられたものである。
【0084】
図10は本実施形態の光偏向装置117の斜視図であり、ブラケット131を光偏向装置117に取り付ける様子を示し、併せて本実施形態のブラケット131の形状を示す。本実施形態におけるブラケット131は、図4で示して前述したと同様に、中空環状部133の外周面に位置決め部134と、テーパ部135が設けられている。
【0085】
また、本実施形態におけるブラケット131は、中空環状部133の固定軸121の軸方向に沿って複数の切り込み部152が設けられている。この複数の切り込み部152を有することにより、ブラケット131の中空環状部133の弾性性能が更に向上する。
【0086】
図6に示して前述したように、ビス137aにより回路基板126を光学箱113の座面138aに締結した際に発生するトルクTによりブラケット131の中空環状部133が嵌合穴140の側壁141と接触する。そして、ブラケット131が反力f2を受けても、該ブラケット131の中空環状部133が変形する。そして、固定軸121にかかる荷重f3を、図7で示したブラケット131の場合の荷重f3よりも更に低減させることが出来る。結果として固定軸121の軸倒れを低減させることが出来る。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【実施例4】
【0087】
次に図11〜図13を用いて本発明に係る走査光学装置を備えた画像形成装置の第4実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0088】
図11は本実施形態におけるブラケット201の周辺の概略断面図である。ブラケット201は回路基板126の裏側に突出する固定軸121が挿入される貫通穴211を有する。更に、回路基板126の裏面に当接して固定される固定部209と、該固定部209に接続されると共に固定軸121と同軸上に配置され、光学箱113の底板113aに設けられた嵌合穴140に嵌入される中空環状部210とを有する。ブラケット201の固定部209及び中空環状部210内の貫通穴211の内周面に固定軸121の外周面が接触しないように挿入される。
【0089】
中空環状部210の外周面には、光学箱113の底板113aに設けられた嵌合穴140内に嵌合される位置決め部203と、該中空環状部210を嵌合穴140に挿入するためのテーパ部204とが形成されている。テーパ部204は嵌合穴140内に挿入される中空環状部210の先端部に設けられている。
【0090】
貫通穴211の径は、固定軸121の外径に対して十分に大きな径で形成されており、中空環状部210の貫通穴211の内周面が固定軸121の外周面と接触することはない。
【0091】
また、本実施形態の回路基板126にはブラケット201の固定部209を位置決めするための位置決め穴126b及び回り止め穴126cが該回路基板126を貫通して設けられている。また、ブラケット201の固定部209の回路基板126の裏面と当接する側には、該回路基板126に設けた位置決め穴126b及び回り止め穴126cに嵌入される位置決めボス208が突出して設けられている。固定部209は回路基板126の裏面に対して接着固定される。
【0092】
図12は本実施形態における光偏向装置117の斜視図であり、本実施形態のブラケット201を光偏向装置117に組み付ける様子を示す。ブラケット201は、光偏向装置117の回路基板126に設けられた位置決め穴126b及び回り止め穴126cと、ブラケット201の固定部209に設けた位置決めボス208との嵌合により位置決めされる。そして、該固定部209の接着面209aと回路基板126の裏面とを接着することにより固定される。
【0093】
このとき、ブラケット201と固定軸121との同軸性は、ブラケット201と、位置決めボス208と、位置決め穴126bと、回り止め穴126cと、固定軸121の寸法精度により設定される。また、冶具等を用いてブラケット201と回路基板126とを嵌合位置決めし、接着固定後に冶具を取り外して両者の位置決めを行っても良い。
【0094】
次に、図13を用いて本実施形態のブラケット201の効果について説明する。尚、図6に示して前述した前記第1実施形態と同様に一本目にビス137aを用いて回路基板126を締結した際に発生するトルクTによりブラケット201の中空環状部210が嵌合穴140の側壁141と接触する。そして、該ブラケット201が光学箱113に与える荷重f7と反力f8について説明する。
【0095】
図13は本実施形態における走査光学装置102の断面図であり、ブラケット201が光学箱113より受ける反力f8及びブラケット201の作用について説明したものである。
【0096】
ビス137aを用いて回路基板126を締結した際に発生するトルクTにより、光偏向装置117は図13の矢印a方向に移動する。そして、ブラケット201の中空環状部210の位置決め部203が接触点K1において、光学箱113の底板113aに設けた嵌合穴140の側壁141と接触する。そして、ブラケット201は側壁141に荷重f7を与え、その反力f8を受ける。
【0097】
しかしながら、反力f8を受ける部分はブラケット201の中空環状部210のみであり、該中空環状部210の内周面から所定の距離だけ離間している固定軸121は反力f8を直接受けない。そのため、回路基板126を光学箱113に組み付ける際の、ブラケット201に反力f8がかかったときに生じる固定軸121の倒れ角度を、略0°とすることが出来る。
【0098】
尚、本実施形態においても図10に示して前述したように、ブラケット201の中空環状部210の周方向に所定のピッチで固定軸121の軸方向に沿って複数の切り込み部152を設けても良い。
【0099】
本実施形態によれば、ブラケット201の中空環状部210の内周面と固定軸121とが接触していないため、該固定軸121とブラケット201の同軸精度は若干低下するものの、回路基板126の締結時に固定軸121に直接かかる荷重をなくすことが出来る。すなわち、固定軸121の倒れを抑制することが出来、画像不良を抑制することが出来る。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【実施例5】
【0100】
次に図14を用いて本発明に係る走査光学装置を備えた画像形成装置の第5実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0101】
図14は本実施形態の光偏向装置117及びブラケット212の周辺の概略断面図である。本実施形態の異なる点は、ブラケット212と光偏向装置117との位置決め方法である。
【0102】
例えば、図3に示して前述したステータ部129が回路基板126に対して、位置決めボス216によって位置決めされる場合について説明する。回路基板126には駆動源となるモータ3のステータ部129を位置決めするための位置決め貫通穴126dが設けられる。一方、ステータ部129には回路基板126に設けた位置決め貫通穴126dに嵌入される位置決めボス216が設けられる。
【0103】
更に、ブラケット212の固定部213には、ステータ部129に設けられた位置決めボス216が嵌入される位置決め穴221が設けられる。そして、ブラケット212は固定部213に設けられた位置決め穴221と、ステータ部129に設けられた位置決めボス216との嵌合により位置決めされる。
【0104】
本実施形態のステータ部129は、ステータコア127及びステータコイル128と、これらを一体的に絶縁するための樹脂製のインシュレータ219を有して構成されている。インシュレータ219は、回路基板126に対して位置決めボス216が位置決め貫通穴126dに嵌入されることで位置決めされる。位置決めボス216は、回路基板126に設けられた位置決め貫通穴126dを貫通し、回路基板126の裏面側に突出している。
【0105】
ブラケット212は、図11に示して前述したブラケット201と略同様な構成で、ブラケット212の固定部213は回路基板126の裏面に当接して接着剤等により固定される。固定部213には固定軸121と同軸上に配置され、内部が中空で構成された中空環状部214が接続されており、該中空環状部214は図4に示して前述したように、光学箱113の底板113aに設けられた嵌合穴140内に遊動自在に嵌入される。
【0106】
本実施形態の異なる点は、回路基板126と接着固定するための固定部213の接着面220に位置決めボス216を嵌合するための位置決め穴221を有している。そして、位置決めボス216と位置決め穴221との嵌合によりブラケット212の位置決めが行われる。
【0107】
本実施形態によれば、従来の光偏向装置117に部品の追加や加工工程数を追加することなく、ブラケット212の位置決めを行うことが可能である。
【0108】
また、ブラケット212に設ける位置決め穴221の代わりに、固定部213の接着面220側に環状の位置決め溝を設けて構成する。そして、該位置決め溝にステータ部129に設けられた位置決めボス216を嵌合する。これにより、ブラケット212の位置決めを行うことも可能である。この場合には、ブラケット212の周方向の位相に関わらず、位置決めを行うことが出来る。
【0109】
また、図14ではステータ部129に設けられた位置決めボス216を2つ設けた構成について説明したが、該位置決めボス216及びブラケット212に設ける位置決め穴221の個数は、これに限定されるものではない。
【0110】
尚、前記各実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、その相対配置等は限定されるものではない。
【符号の説明】
【0111】
113 …光学箱
121 …固定軸
126 …回路基板
131 …ブラケット
132 …固定部
132a …貫通穴
133 …中空環状部
140 …嵌合穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報に基づいて変調されたレーザ光を出射する光源装置と、
回転多面鏡を備え前記レーザ光を走査偏向する光偏向装置と、
前記光偏向装置により走査偏向された前記レーザ光を感光体上に結像する結像光学部材と、
前記光源装置と、前記光偏向装置と、前記結像光学部材と、を収容する光学箱と、
を有し、
前記光偏向装置は、
前記回転多面鏡を回転駆動する駆動源と、
前記駆動源を制御するための回路基板と、
前記回転多面鏡の回転軸と同軸上に配置して前記回路基板に対して垂直に固定され、該回路基板の裏側に突出する軸または軸受と、
を有し、
前記回路基板が前記光学箱にビス固定される走査光学装置において、
前記回路基板の裏側に突出する前記軸または前記軸受が挿入される貫通穴を有し、前記回路基板の裏面に当接して固定される固定部と、
前記固定部に接続されると共に前記軸または前記軸受と同軸上に配置され、前記光学箱に設けられた嵌合穴に嵌入される中空環状部と、
を有するブラケットを有し、
前記軸または軸受が前記ブラケットの前記中空環状部内で且つ該中空環状部の内周面に該軸または軸受の外周面が接触しないように挿入されたことを特徴とする走査光学装置。
【請求項2】
前記ブラケットは弾性部材で構成されることを特徴とする請求項1に記載の走査光学装置。
【請求項3】
前記固定部の前記貫通穴の内周面に前記軸または前記軸受の外周面が接触して嵌入されるか、若しくは、前記固定部の貫通穴の内周面に前記軸または前記軸受の外周面が接触しないで挿入されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の走査光学装置。
【請求項4】
前記回路基板は前記ブラケットの前記固定部を位置決めするための位置決め穴を有し、
前記ブラケットの前記固定部は前記回路基板に設けた前記位置決め穴に嵌入される位置決めボスを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の走査光学装置。
【請求項5】
前記回路基板は前記駆動源のステータ部を位置決めするための位置決め貫通穴を有し、
前記駆動源の前記ステータ部には前記回路基板に設けた位置決め貫通穴に嵌入される位置決めボスを有し、
前記ブラケットの前記固定部には前記ステータ部に設けられた前記位置決めボスが嵌入される位置決め穴を有し、
前記ブラケットは、前記固定部に設けられた位置決め穴と、前記駆動源のステータ部に設けられた位置決めボスとの嵌合により位置決めされることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の走査光学装置。
【請求項6】
前記回路基板は前記駆動源のステータ部を位置決めするための位置決め貫通穴を有し、
前記駆動源の前記ステータ部には前記回路基板に設けた位置決め貫通穴に嵌入される位置決めボスを有し、
前記ブラケットの前記固定部には前記ステータ部に設けられた前記位置決めボスが嵌入される位置決め溝を有し、
前記ブラケットは、前記固定部に設けられた位置決め溝と、前記駆動源のステータ部に設けられた位置決めボスとの嵌合により位置決めされることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の走査光学装置。
【請求項7】
前記ブラケットの前記中空環状部に切り込み部が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の走査光学装置。
【請求項8】
前記ブラケットの前記中空環状部の周方向に所定のピッチで前記軸または前記軸受の軸方向に沿って複数の切り込み部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の走査光学装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の走査光学装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−114100(P2013−114100A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261208(P2011−261208)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】