説明

走査駆動装置

【課題】監視装置等のための走査駆動装置を小型化するとともに異音発生のおそれのないものとする。
【解決手段】ステッピングモータ2とセンサホルダ145との間にプラネタリギア機構4を設ける。ケースの直径線上を横切る軸支持板35とステータの端板81に主軸3の両端を支持し、先端をサンギアSとしたロータ90を主軸3に支持させる。リングギア部材110を不図示部分でステータ80に押し付けて位置決めする。周方向等分に3個のピニオンギアを支持するピニオンキャリア120を主軸3に回転可能に支持するとともにコイルスプリング116によりロータ90の先端に押し付ける。軸支持板脇を通る不図示の連結片でセンサホルダをピニオンキャリアに連結する。ロータ90もピニオンキャリア120も主軸3に支持され、各ギア軸の倒れなどによる抉れがなく異音が発生しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば赤外線センサやカメラなどの検出方向や撮影方向など指向方向を変化させる走査駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
赤外線センサやカメラなどのセンサをモータで首振り回転させて周辺の状況を監視する監視装置が普及している。
最近ではテレビや空調装置などの家電品においても、例えば人の存在を検知して自動的にスイッチオンしたり、運転モードの切り替えを行ったりするためにも監視装置が採用されつつある。
このような監視装置では、比較的に高速回転するモータに対してセンサの首振り速度は緩やかにする必要から、モータとセンサの間に減速機構を設けることになる。
【0003】
ところで、とくに家電品などに用いられる監視装置としては組み込みスペースの観点から小型に構成されることが必須である。しかしながら、従来多く採用されてきた複数の歯車軸を平行に並べて順次に減速するような減速機構では、モータのロータ軸とセンサ側の回転軸とが離間することになるので、サイズが大きくならざるを得ず、実用性が低いという問題が生じる。
そこで、特開平05−172646号公報には赤外線センサの回転軸をモータのロータの延長線上に配置したものが提案されている。
これによれば、モータのロータ軸とセンサ側の回転軸の軸線同士が離間していることによるサイズの増大は解消される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05−172646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特開平05−172646号公報に開示されたものでは、モータのロータ軸とセンサの回転軸は分離しているため、外力によっては互いに傾斜可能であり、その状態で歯車が噛み合うと互いに歯車の噛み合いが深くなって異音が発生したり、浅くなることで歯の先端が欠けるなどの問題が発生する。
近時の家電品などの静粛性に対する使用者の要求は厳しく、それが作動中であってもわずかな異音の発生も許容されなくなっている。
【0006】
したがって本発明は、サイズを小型化するとともに異音発生のおそれのない監視装置等のための走査駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため本発明は、センサの指向方向をモータで変化させる走査駆動装置において、両端をそれぞれ固定側に支持した主軸でモータのロータを回転可能に支持し、ロータと一体に回転するサンギアと、固定側に支持したリングギアと、ピニオンキャリアに回転可能に支持されてサンギアおよびリングギアと噛み合い、周方向等間隔に配置した複数のピニオンギアとからなるプラネタリギア機構を有し、センサがピニオンキャリアに連結されているものとした。
主軸の両端が固定側に支持されているためにロータの剛性が片持ち支持に比較して高く、したがってサンギアの位置精度が高い。そしてリングギアも固定側に支持されているのでサンギアとリングギアの相対的な位置精度も高いから、これらと噛み合うピニオンギアとの間で抉られることなく、ピニオンキャリアの滑らかな回転が得られる。そして、ピニオンギアの配置が周方向等間隔であるため、サンギアに加わる径方向の力が互いに相殺されて低減し、ノイズや異音等の発生が抑えられる。
【0008】
さらに、ピニオンキャリアをモータのロータと同じく上記の主軸に回転可能に支持させれば、同一の軸に支持されることによりロータとピニオンキャリア間の相対的な位置精度も高くなり、一層静粛性が向上する。
そして、サンギアをロータと一体に成型するとともに、主軸によるロータの支持部をそのサンギアを貫通する部位とすることにより、サンギアがピニオンギアから変動する径方向の力を受けてもガタが発生しないから、サンギア原因のノイズ発生が抑えられる。
また、主軸を支持する一端の固定側をモータのステータとし、リングギアを支持する固定側もステータとすることにより、サンギアとリングギア間の相対的な位置精度がとくに高くなり、静粛性向上に寄与する。
【0009】
また、ロータを軸方向に付勢する付勢手段を有するものとすることにより、モータに例えばステッピングモータを用いた場合に生じ得る軸方向の振動も抑制される。
このような付勢手段としては、ピニオンキャリアと固定側の間に軸方向に配置したスプリングを備え、ピニオンキャリアとロータを軸方向に当接させることにより、ロータとともにピニオンキャリアの振動も同時に抑えられる。
【0010】
さらに、ピニオンキャリアはピニオンギアを回転可能に支持するピニオン軸を備えるとともに、該ピニオン軸と同方向に延びる連結部材を有して、その連結部材にピニオン軸からのピニオンギアの抜けを阻止する抜け止め部材を結合するのが好ましく、抜けを阻止しながらピニオン軸の精度を損なうことがない。
【0011】
さらに、モータがケースに収納されて、ステータがケースに位置決めされるとともに、主軸を支持する他端の固定側がケースを横切って延びて両端がケースの側壁と一体につながる軸支持板とすれば、サンギア、ピニオンキャリアおよびリングギア間の最高度の相対的な位置精度が得られる。
また、ピニオンキャリアが軸支持板を避けて軸方向に延びる連結片を備え、軸支持板を挟んでプラネタリギア機構と軸方向反対側に配置したセンサホルダと連結して、該センサホルダにセンサが取り付けられるものとすることにより、簡単な構成でセンサと連結しセンサの指向方向を遥動往復させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プラネタリギア機構によりまず小型に構成されながら大きな減速比が得られる。そして、ピニオンギアPの配置が周方向等間隔であるため、サンギアに加わる径方向の力が互いに相殺されて低減するとともに、センサが連結されるピニオンキャリアがギアの噛み合いによって抉られることもないから、ノイズや異音等の発生が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態を下方から見た外観斜視図である。
【図2】実施の形態を上方から見た外観斜視図である。
【図3】ベースボディを下方から見た斜視図である。
【図4】軸支持ボディを上方から見た斜視図である。
【図5】軸支持ボディを下方から見た斜視図である。
【図6】リングキャップを上方から見た斜視図である。
【図7】実施の形態の縦断面図である。
【図8】図7の断面に対して垂直方向の縦断面図である。
【図9】プラネタリギア機構の上面図である。
【図10】サブキャリアを取り外したプラネタリギア機構の上面図である。
【図11】プラネタリギア機構を下方から見た斜視図である。
【図12】プラネタリギア機構回りの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を監視装置のためのセンサ駆動装置に適用した実施の形態について説明する。
図1は実施の形態にかかるセンサ駆動装置を下方から見た外観斜視図、図2は上方から見た他の外観斜視図である。
センサ駆動装置1は、外観的には、駆動源として後述するステッピングモータ2を内部に収容したベースボディ10と、軸支持ボディ30と、リングキャップ60とでケース5を構成し、ケース5に対して回転可能のセンサホルダ145を備えている。ベースボディ10、軸支持ボディ30、リングキャップ60およびセンサホルダ145はいずれも樹脂製である。
ステッピングモータ2は不図示の制御装置によりその正転、逆転、回転角度が任意に制御される。
【0015】
センサホルダ145はケース5内に位置させた円盤部150と、円盤部150から下方に延びるセンサ取付け部155とからなり、センサ取付け部155に赤外線センサ157を取り付けられる。
センサホルダ145には赤外線センサ157の検知窓161を備えたカバー160を取り付けることができる。このために、円盤部150の中心を挟んだ対称位置から2本の脚158を下方へ延ばしており、その先端に設けた爪159をカバー160に形成した対応する不図示の孔縁に係止させることにより、当該カバー160を保持する。
以下の説明では、センサ駆動装置1を構成する部材相互の配置関係は図1に示すようにケース5を上方、センサホルダ145を下方に位置させた姿勢におけるものとする。
【0016】
ケース5は基本形状が円筒形で、上半部側面に角型のコネクタ部7を備えている。
コネクタ部7はベースボディ10から延びたコネクタ上部構成部7aと軸支持ボディから延びたコネクタ下部構成部7bとで形成され、ステッピングモータ2の電気配線を外部と接続するコネクタ端子を収容する。
コネクタ部7の根元両側には円筒面から外方へ膨出してベースボディ10からリングキャップまで延びる半円柱状の結合ボス部8が形成され、軸支持ボディ30とリングキャップ60がベースボディ10に対してネジ55で共締めされている。結合ボス部8は、ベースボディ10のボス部8a、軸支持ボディのボス部8bおよびリングキャップのボス部8cからなる。
【0017】
また、ケース5の円筒中心に関してコネクタ部7と反対側にはファスナ6が設けられている。ファスナ6は、ベースボディ10の側壁に形成された爪19と、リングキャップ60から延びて爪19と係合するフック67とからなっている。
爪19は側壁の外面に形成された軸方向(上下方向)に延びる溝18の溝底に設けられ、フック67は係合状態で一部溝18に沈む。
このファスナ6によっても、軸支持ボディ30を挟んでベースボディ10とリングキャップ60間が一体に結合される。
さらにコネクタ部7においても、コネクタ上部構成部7aの側壁に形成された爪28とコネクタ下部構成部7bから延びて爪28と係合するフック51とからなるファスナ9が設けられて、コネクタ上部構成部7aとコネクタ下部構成部7bを結合している。
【0018】
図3はベースボディ10を下方から見た斜視図である。
ベースボディ10は本体部11が有底円筒形で、その底を上壁12とし、軸方向全長に渡って側壁13の一部を切り欠き、その外側にコネクタ上部構成部7aを張り出させている。コネクタ上部構成部7aは箱枠形状をなし、左右の切り欠き縁14の近傍から略上半部の高さで側壁16を外方へ延ばしている。両側壁16の上端をつなぐ上壁15は本体部11の上壁12を延ばしたものである。上壁15および側壁16につながって外端壁17を有している。外端壁17は後述するコネクタ下部構成部7bの外端壁50と共同でコネクタ端子にアクセス可能な端子口を形成する。
【0019】
側壁16の外面には上下方向に一定幅の溝27が形成され、その溝底に爪28が設けてある。
ボス部8aは本体部11の側壁13の上端から下端まで延びており、下端面にネジ55用のねじ込み孔29を形成してある。
上壁12の内面には、ステッピングモータ2の回転方向位置決め用の丸形状突起22が中央の中心孔21を挟んだ対称位置に設けてある。
【0020】
本体部11の下端部、すなわち側壁13の開口端には、軸支持ボディ30との間にインロー構造を形成するため、段部23を介して内径を拡大した拡径部24を設けてある。
拡径部24の円筒中心に関してコネクタ上部構成部7aと反対側には段部23に達するまでの切り欠き25を設けてある。切り欠き25は側壁外面に形成された溝18と同幅に整合させてある。
また、側壁13の内面には、円筒中心に関して対称位置に、拡径部24を軸方向に延長させて段部23から上方へ延びるスロット26を設けてある。両スロット26の切り欠き25からの周方向位置は異なっており、すなわち両スロット26を結ぶ直線は軸方向から見て円筒中心と切り欠き25を結ぶ線に垂直な線に対して傾斜している。なお、図3には一方のスロット26は表れていない。
【0021】
図4は軸支持ボディ30を上方から見た斜視図、図5は軸支持ボディ30を下方から見た斜視図である。
軸支持ボディ30は本体部31がベースボディ10の本体部11と同一の外径を有し、内径は本体部11の内径よりも小さいリング状で、側壁32の一部を軸方向上方に延長させた接続壁48を介して外側にコネクタ下部構成部7bを張り出させている。
コネクタ下部構成部7bは接続壁48の上端から下壁49を外方へ延ばし、下壁49の側辺から上方へフック51を延ばすとともに、下壁の先端に外端壁50を有している。
フック51はコネクタ上部構成部7aにおける側壁16の溝27に対応する幅を有する薄板状で、爪28と係合するための矩形の係合穴52を備える。係合穴52は成型時の型抜きを容易にするため、下壁49の下面から延びる長穴となっている。
【0022】
本体部31の上端には、段部33を境にしてベースボディ10の拡径部24の内径と整合するように外径を縮径した縮径部34を設けて、拡径部24に縮径部34を嵌め込んだときインロー構造を形成する。段部33の径方向幅は拡径部24の肉厚と同等である。
縮径部34の段部33からの軸方向高さは拡径部24の高さよりも小さく設定してある。
接続壁48は本体部31の側壁32外面から縮径部34の上端面の一部に及ぶ板厚で外面に沿った円弧状となっており、周方向の幅はベースボディ10の左右の切り欠き縁14間の間隙に整合するように設定してある。
【0023】
本体部31の上端面(縮径部34の上端面)には、ベースボディ10のスロット26に対応させた押さえ突起43が設けてあり、縮径部34の外径面にも押さえ突起43の周方向幅と同幅の膨出部44を設けてある。
本体部31の下端部には段部37を境にして内径を拡大した拡径部38を設けてある。段部37の径方向幅は縮径部34の肉厚と同等程度に大きく、このため拡径部38の肉厚は段部33の径方向幅と同程度に薄くなっている。
【0024】
本体部31の直径線上には、側壁32内面に一体につながる所定幅の軸支持板35が設けられている。なお、軸支持ボディ30は側壁32および軸支持板35を含めて樹脂成型で構成される。軸支持板35はその下面を段部37と同一面にして、軸方向に所定の板厚を有している。軸支持板35の中央にはリング中心となる中心孔36を設けてある。
軸支持板35は後述する主軸3を中心孔36に圧入して支持するとともに、後述するピニオンキャリア120を軸方向に付勢するコイルスプリング116の受け部となる。
軸支持板35の幅方向両側には、当該軸支持板35を挟んだ軸方向両空間をつなぐ連通穴53が残り、後述するピニオンキャリア120の回転によるその連結片126の移動スペースとなる。ピニオンキャリア120の回転角度を大きくするには軸支持板35の幅を細くして連通穴53を広くするのが好ましく、この場合、板厚を大きくすれば軸支持板35の剛性を保持できる。
【0025】
ボス部8bは上端を段部33に一致させ、下端は段部37に一致させてあり、ネジ55用の貫通孔45を有している。拡径部38にはボス部8bが張り出す部分において下端から段部37に達する切り欠き39を形成してある。リングキャップ60のボス部8cを受け入れるためである。
本体部31の側壁32にはリング中心に関してコネクタ下部構成部7bと反対側には下端から段部33に達するまでの溝40を形成してある。溝40はその幅と深さがベースボディ10の溝18と同じに設定してある。そして、拡径部38には段部37に達するまでの切り欠き41を設けてある。切り欠き41は側壁外面に形成された溝40と同幅に整合させてある。
本体部31の上端面には、溝40と対応する位置に、縮径部34の外径面から所定距離だけ内径側に離間させてバックアップ板46を立ち上げてある。
【0026】
図6はリングキャップ60を上方から見た斜視図である。
リングキャップ60は軸支持ボディ30の本体部31と同一の外径を有し、内径は本体部31の内径と同等としたリング状をなしている。上半部は段部62を境にして軸支持ボディ30の拡径部38の内径と整合するように外径を縮径した縮径部63として、拡径部38に縮径部63を嵌め込んだときインロー構造を形成する。
縮径部63の段部62からの軸方向高さは、軸支持ボディ30における段部37からの拡径部38の高さと同一に設定されている。
【0027】
さらに内側には、上端から軸方向略2/3の高さで内径を拡径した内径拡大部65を有しており、段部64の内縁にそって断面山形の突条66を有している。
ボス部8cは側壁61から張り出してリングキャップ60の軸方向全長にわたっており、上端は縮径部63の上端と面一になっている。ボス部8cはネジ55用の貫通孔69を有している。拡径部38に縮径部63を嵌め込んだとき段部62と段部37が当接し、ボス部8cの上端面がボス部8bの下端面に当接する。
側壁61からは軸支持ボディ30の溝40に対応させてフック67が上方へ延びている。フック67は溝40に対応する幅を有する薄板状で、ベースボディ10の爪19と係合するための矩形の係合穴68を備える。係合穴68は成型時の型抜きを容易にするため、リングキャップ60の下端面から延びる長穴となっている。
【0028】
以上のように、ケース5はベースボディ10と、軸支持ボディ30と、リングキャップ60とからなっている。そしてとくに、ベースボディ10と軸支持ボディ30の組み付けについては、ベースボディ10の拡径部24に軸支持ボディ30の縮径部34を嵌め込み、拡径部24の下端面に段部33が当接するまで軸支持ボディ30を押し込むことにより、ベースボディ10と軸支持ボディ30が軸方向に重ねられて結合する。
拡径部24と縮径部34によるインロー構造により、ベースボディ10の上壁12の中心孔21と軸支持ボディ30の軸支持板35の中心孔36の各軸心が一直線上に一致する。
【0029】
図7はファスナ6とコネクタ部7を通る平面で切断したセンサ駆動装置1の縦断面図であり、図8は図7の断面に対して垂直方向の縦断面図である。
ステッピングモータ2は、円環状のステータ80とロータ90とからなっている。ロータ90はロータコア91にマグネット105を固定して構成され、ステータ80は軸方向一端に端板81を一体に備えている。ロータ90は主軸3に支持されて、ステータ80の内側に配置され、マグネット105を微小間隙でステータ80の内周面に対向させている。
ロータコア91は樹脂製で、外周にマグネット105を保持する断面コ字形のボビン部92と、ボビン部92から延びる延長軸部94を有している。ボビン部92は軸方向下端側の半部を凹部93としており、延長軸部94は凹部93の底壁から下方に延びている。
ロータコア91はボビン部92および延長軸部94を軸方向に貫通する貫通穴95を有し樹脂成型で一体に成型される。
【0030】
延長軸部94はステッピングモータ2の出力軸となる。延長軸部94の先端部外周には歯が形成されて後述するプラネタリギア機構4のサンギアSとなっており、後掲の図12に符号を付して示すように、先端面にはサンギアSの歯の谷径より内径側にリング突起99が形成してある。
延長軸部94における貫通穴95のうち、サンギアSに略対応する部分が軸支持部96として主軸3と整合する内径を有し、ロータコア91が主軸3に対してガタなく回転するようになっている。
ロータコア91のボビン部92側端部には、軸受け100を保持するため、貫通孔95を拡径した軸受け保持穴97を有する。
軸受け100は、図8に符号を付して示すように、中央に主軸3が貫通してガタなく回転可能な軸孔102を備える円板部101と、軸孔102を中心として円板部101の下面から延びて軸受け保持穴97に圧入される円筒部103と、円板部101の上面に形成された断面山型で軸孔102を中心とするリング突条104を有する。
以上により、ロータ90は延長軸部94先端の軸支持部96と軸受け100との長手方向両端で主軸3に支持されることになる。
【0031】
図7に示すように、軸受け保持穴97はボビン部92上端に円板部101を収容する拡径部98を有する。拡径部98の深さは、円板部101を拡径部98の底壁に着座させたとき、リング突条104の先端がボビン部92の上端より突出して端板81に接触可能に設定してある。
主軸3は端板81の中心孔82に圧入され、端板81を貫通して突出した主軸3の上端はベースボディ10の上壁12の中央に形成された中心孔21に圧入されている。なお、主軸3の端板81への圧入および上壁12への圧入はそれぞれガタが生じない条件を満たせばよい。
ステッピングモータ2はステータ80の少なくとも端板81に形成した位置決め孔84をベースボディ10の上壁12の丸形状突起22に係合させて回転方向が位置決めされる。
なお、ステータ80は端板81と下側コア86と上側コア88を有し、下側コア86の下端壁には位置決め孔87(図12参照)が形成され、上側コア88の上端壁には位置決め孔89が形成される。
端板81の位置決め孔84と上側コア88の位置決め孔89は同一の径であり、それぞれが重なるように複数形成され、端板81の位置決め孔84と上側コア88の位置決め孔89に組立治具としての位置決めピンを挿入した状態で、端板81と上側コア88が溶接され、端板81と上側コア88の径方向の位置決めがされる。
下側コア86と上側コア88の外周径は同一であり、下側コア86の外周と上側コア88の外周を合わせた状態で下側コア86と上側コア88が溶接され、下側コア86と上側コア88の径方向の位置決めがされる。
これにより、端板81と下側コア86の径方向の位置決めがされる。
【0032】
ベースボディ10内の下部には、プラネタリギア機構4が形成されている。図9はサブアセンブリされたプラネタリギア機構4の拡大上面図、図10はサブキャリアを取り外した拡大上面図、図11はプラネタリギア機構4を下方から見た拡大斜視図である。
プラネタリギア機構4はサンギアS、ピニオンキャリア120に支持されたピニオンギアP、およびリングギアRからなる。
サンギアSは、前述のように、ロータ90の延長軸部94の先端に形成されている。
樹脂製のリングギア部材110がリング部111の内径面に内歯としてリングギアRを形成し、リング部111の外形面からは直径方向に支持片112が延びている。リングギアRは、先の図8に示すように、サンギアSの下半部に所定間隙をおいて対向する。
【0033】
図7、図11に示すように、リングギア部材110の下側に、下方に開口したカップ形状のピニオンキャリア120が配置されている。ピニオンキャリア120は樹脂製で、底壁121の中央に下方へ延びるボス122を有し、中心に主軸3を貫通させる貫通孔123を備えている。
図7、図10に示すように、底壁121の上面側には、貫通孔123を中心とする周方向3等分位置に上方へ延びるピニオン軸134を備えるとともに、ピニオン軸134と同一半径上のピニオン軸間中間位置に同じく上方に延びる円柱状の連結コラム135を備えている。
ピニオン軸134には樹脂製のピニオンギアPが支持され、各ピニオンギアPがサンギアSとリングギアRの間に位置して両ギアと噛み合うように設定してある。ピニオンギアPは歯の谷径よりも小径の突出部138を上端に有している。
【0034】
連結コラム135はサンギアSとリングギアR間の間隙よりも小径で、両ギアと干渉することなく両ギア間を通過するように設定してある。連結コラム135は上端に小径部136を有しており、この小径部136はピニオン軸134よりも太い。
図7、図9に示すように、連結コラム135にはサブキャリア140が結合される。サブキャリア140はロータコアのサンギアSを間隙を持って囲むリング状で、周方向に沿ってピニオン軸134と連結コラム135の小径部136に対応する孔141と孔143を有している。
ピニオンギアPの突出部138に対応する孔141まわりには、後掲の図12に符号を付して示すように、突出部138と同等径の突出部142を設けてある。
【0035】
サブキャリア140は、図7および図12に示すように、連結コラム135の小径部136をその根元の段差がサブキャリア140当接するまで孔143に圧入して連結コラム135に結合され、さらに熱カシメを施してもよい。この結合状態においてピニオンギアPの突出部138とサブキャリア140の突出部142とは若干の間隙で対向するように設定され、作動中当接する場合があっても接触面積を小さくして摩擦を低減し、またピニオンギアPの歯がサブキャリア140に接触しないようになっている。参照符号はとくに付さないが、図12に図示されるように、ピニオンギアPとピニオンキャリアの底壁121の対向部にも互いに突出部を設けて、ピニオンギアPの歯が底壁121に接触しないようになっている。
ピニオン軸134とサブキャリア140の孔141とは圧入関係にある必要はなく、整合していればよい。
サブキャリア140はピニオン軸134の先端を支持してその倒れを防止するとともに、ピニオンギアPの抜け止めとして機能する。
【0036】
図12はプラネタリギア機構回りの拡大断面図である。
リングギア部材110の支持片112はベースボディ10の側壁の内径面を越えて延びるが拡径部24の内径よりは短い。
図9、図11も参照して、支持片112のリング部111を挟んだ対称位置からそれぞれ軸方向上方へ円柱コラム113が延び、円柱コラム113の上端面中心には丸形状突起114が設けてある。丸形状突起114をステッピングモータ2におけるステータ80の下側コア86に形成した位置決め孔87に係合させ、これによってリングギアRの軸心がステータ80により位置決めされた形となる。
上述したように、ステータ80の下側コア86と端板81は径方向の位置決めがされた状態で溶接固定されている。このため、主軸3が圧入される端板81の中心孔82と、リングギアRが形成される支持片112の丸形状突起114が係合する位置決め孔87の径方向の位置決めがされる。
よって、主軸3に支持されるロータ90に形成されたサンギアSと、同様に主軸3に支持されるピニオンキャリア120と、支持片112に形成されるリングギアRの径方向の位置精度が高くなり静穏性がより向上する。
【0037】
とくに図12に示すように、リングギア部材110の支持片112の先端はベースボディ10のスロット26に収容されるように設定してある。なお、図7、図8には煩雑を避けるため、リングギア部材110はそのリング部111のみを示し、支持片112は図示省略している。
支持片112はベースボディ10と軸支持ボディ30が結合されたとき、軸支持ボディ30の押さえ突起43に押さえられ、これにより、円柱コラム113を介してステータ80をベースボディ10の上壁12に押し付けるから、ステータ80およびリングギアRの軸方向における位置決めとなる。なお、軸支持ボディ30の押さえ突起43は、円柱コラム113より外周側の支持片112を押し付ける。支持片112を構成するリングギア部材110は樹脂で構成されるため、支持片112は軸支持ボディ30の押さえ突起43に押し付けられると弾性変形する。このため、リングギア部材110はステータ80の下側コア86の下端壁と軸支持ボディ30の押さえ突起43の間に隙間なく押し付けられる。リング部111および支持片112の下端面はベースボディの段部23近傍の高さ位置となる。
リングギア部材110がステータ80の下側コア86と軸支持ボディ30の押さえ突起43に軸方向に挟まれて保持されるため、後述するように、ベースボディ10とリングキャップ60の間にリングギア部材110を軸方向に重ね、リングキャップ60のフック67の係合穴68をベースボディ10の爪28に係合させることで、リンギギア部材110を簡単に保持することができる。
【0038】
ピニオンキャリア120の底壁121の上面には貫通孔123まわりにロータコア91の延長軸部94先端のリング突起99と当接する膨出端面124が設けてある。
底壁121と軸支持板35の間にはボス122を囲むコイルスプリング116が配置され、ピニオンキャリア120をリングギア部材110側へ付勢している。これにより、ピニオンキャリア120の膨出端面124が延長軸部94先端のリング突起99を押し、ロータコア91が軸受け100を挟んで端板81に押圧されるので、ステッピングモータ2の駆動時に発生する軸方向振動が抑制される。この際、膨出端面124とリング突起99は線接触であり、軸受け100と端板81の間もリング突条104(図8参照)による線接触であるから、押圧されても滑らかな回転に影響を受けない。
【0039】
このプラネタリギア機構4ではリングギアRが固定されているため、サンギアSに入力されたステッピングモータ2の回転は大きく減速されて同方向のピニオンキャリア120の回転として出力される。
ロータコア91の軸支持部96とピニオンキャリア120とを貫通した主軸3の下端は、ベースボディ10にインロー関係で重ねられた軸支持ボディ30における軸支持板35の中心孔36に圧入される。
リングギア部材110はステッピングモータ2(ステータ80)に係合するので、これにより径方向が位置決めされる結果、主軸3に対する位置精度が高く、リングギアRと主軸3に支持されたサンギアS間の軸心の一致度が高い。
【0040】
図8、図11に示すように、ピニオンキャリア120の周壁125の開口端面からは、センサホルダ145と連結するための連結片126が下方に延びている。連結片126は中心を通る直径線上に対称に設けられている。連結片126は先端に外方に向いた連結爪127を備えるとともに、開口端面から所定位置の外面にストッパ130を備えている。連結爪127は傾斜面128を有する。
【0041】
図8に示すように、センサホルダ145の円盤部150は、リングキャップ60の下部内径よりもわずかに小さい小径部151と、リングキャップ60の内径拡大部65の内径よりも小さいが下部内径より大きい大径部153とからなり、大径部153を内径拡大部65内に位置させるとともに、下面をリングキャップ60の下端面に略一致させている。
円盤部150にはピニオンキャリア120の連結片126に対応させて矩形の係合穴154が設けてある。円盤部150は、連結片126の連結爪127をこの係合穴154に挿通して円盤部150の上面と下面を連結片126のストッパ130と連結爪127に係止させることにより、ピニオンキャリア120に結合されている。これにより、センサホルダ145はピニオンキャリア120と一体に回転する。
【0042】
なお、円盤部150の上面は軸支持ボディ30の段部37および軸支持板35との間にわずかな間隙を設けて接触せず、また大径部153の下面(すなわち小径部151と大径部153間の段部152)もリングキャップ60の段部64と接触しないように設定されるが、万一センサホルダ145が下方に変位したときでも、段部64には断面山形の突条66を設けてあるので、段部64とは線接触となり滑らかな回転が確保される。また、センサホルダ145の下方への変位がリングキャップ60の段部64で規制されるため、ピニオンキャリア120のピニオン軸134に支持されたピニオンギアPが下方に変位して、ピニオンギアPとサンギアSおよびリングギアRとの噛合が外れることを防止できる。
センサ取付け部155は円盤部150の下面から下方に延び、所定位置に赤外線センサ157を取り付けている。
【0043】
センサ駆動装置1の組立は以下の要領で行う。組立はケース5の上下を逆にして行うと作業が容易である。
まず、ステータ80の端板81の中心孔82に主軸3を圧入し、あらかじめロータコア91の軸受け保持穴97に軸受け100を圧入したロータ90を主軸3に挿入、支持させてステッピングモータ2とする。
つぎにベースボディ10にステッピングモータ2を挿入して、端板81から突出した主軸の先端を上壁12の中心孔21に挿し込むとともに、端板81の位置決め孔84を上壁12の丸形状突起22に係合させて、位置決めする。
【0044】
それから、リングギア部材110をベースボディ10に組み込む。支持片112の両端をベースボディ10のスロット26に落とし込むと、円柱コラム113がステータ80の位置決め孔87に対応するように設定されており、リングギア部材110をわずかに回動させると円柱コラム113先端の丸形状突起114が位置決め孔87に係合するから、その後支持片112を押し込んで円柱コラム113の先端をステータ80に当接させる。
続いて、あらかじめピニオンギアPとサブキャリア140を取り付けたピニオンキャリア120を主軸3に挿し込み、ピニオンギアPをサンギアSおよびリングギアRと噛み合い状態にしてリングギア部材110に重ねる。ここでは、実際にはピニオンキャリア120の膨出端面124とロータのリング突起99とが当接する。
【0045】
そして、ボス122を囲むようにコイルスプリング116をピニオンキャリア120に乗せ、次いで、ボス122から突出している主軸3の先端を軸支持板35の中心孔36に挿し込んで、軸支持ボディ30をベースボディ10に重ねる。この際、ピニオンキャリア120から延びる連結片126は、側壁と軸支持板35間の連通穴53を通過させる。
ボス部8aと8bを位置合わせしながら、軸支持ボディ30の縮径部34を段部33がベースボディ10の拡径部24の端面に当接するまで当該拡径部24に押し込むと、軸支持ボディ30の押さえ突起43がリングギア部材110の支持片112に当接して、円柱コラム113とステータ80の当接状態を保持することになる。同時にステッピングモータ2からのコネクタ端子を間に挟んでコネクタ上部構成部7aとコネクタ下部構成部7bも重ねられ、ファスナ9のフック51と爪28が係合する。
そして、軸支持ボディ30の側壁外面に設けた溝40がベースボディ10の溝18と一直線に整合する。
主軸3の先端も位置決めされたことになる。また、コイルスプリング116はピニオンキャリア120と軸支持板35の間で圧縮状態となる。
【0046】
このあと、円盤部150の係合穴154に連通穴53から突出した連結片126を挿し込んで、センサホルダ145をピニオンキャリア120に連結する。
次に、リングキャップ60を軸支持ボディ30に重ねる。ボス部8bと8cを位置合わせすると、リングキャップ60のフック67がベースボディ10および軸支持ボディ30の溝18、40と整合してこれらの溝に嵌る。そして、リングキャップ60の縮径部63を段部62が軸支持ボディ30の拡径部38の端面に当接するまで当該拡径部38に押し込むと、フック67の係合穴68がベースボディ10の爪28に係合する。もしフック67が爪28に乗り上げたままである場合には、フック67を斜め上(ベースボディ10側)方向に押し上げれば爪28と係合させることができる。爪28が設けられた溝18は板厚が薄くなっているが、軸支持ボディ30のバックアップ板46が裏支えしているので、係合の際に爪28まわりの側壁が損傷を受けることはない。
最後にボス部8cの貫通孔69から挿し込んだネジ55をボス部8bの貫通孔45を通してボス部8aのねじ込み孔29にねじ込んで、ベースボディ10、軸支持ボディ30およびリングキャップ60の結合を固定する。
選択によりセンサホルダ145にカバー160を取り付ける。
【0047】
以上の構成になるセンサ駆動装置1では、ステッピングモータ2を駆動することによりサンギアSが回転し、ピニオンキャリア120が減速されて回転する。そしてピニオンキャリア120に連結されたセンサホルダ145がピニオンキャリア120と一体に回転して、センサホルダ145に取り付けられた赤外線センサ157の指向方向が変化する。したがって、ステッピングモータ2を往復回転するよう制御することにより、赤外線センサ157の指向方向が所定の角度範囲で遥動して、人の存在などを検知することができる。
【0048】
本実施の形態では、赤外線センサ157が発明におけるセンサに該当し、ステッピングモータ2がモータに該当する。
軸支持板35とステッピングモータのステータ80、とくにその端板81とが、主軸を支持した固定側に該当し、ステータ80はさらにリングギアを支持した固定側にも該当する。軸支持部96がサンギアを貫通する部位に相当する。
ピニオンキャリアの膨出端面124とロータのリング突起99を当接させている構成が軸方向当接構造に該当し、この軸方向当接構造とコイルスプリング116とで付勢手段を構成している。なお、コイルスプリング116がスプリングに該当する。
また、連結コラム135が連結部材に該当し、サブキャリア140が抜け止め部材に該当する。
【0049】
実施の形態は以上のように構成され、一端を固定側であるステータ80の端板81に支持させ、他端を同じく固定側であるケース5の軸支持板35に支持させた主軸3を備え、この主軸3でステッピングモータ2のロータ90を回転可能に支持し、ロータの先端に形成したサンギアSと、ステータ80に係合させたリングギア部材110のリングギアRと、ピニオンキャリア120に回転可能に支持されてサンギアSおよびリングギアRと噛み合い、周方向等間隔に配置した3個のピニオンギアPとからなるプラネタリギア機構4を有し、赤外線センサ157がピニオンキャリア120に連結されているものとした。
プラネタリギア機構によりまず小型に構成されながら大きな減速比が得られる。
主軸3の両端が固定側に支持されているためにロータ90の剛性が高く、したがってサンギアSの位置精度が高い。さらにリングギアRも固定側に支持されているのでサンギアとリングギアの相対的な位置精度も高いから、これらと噛み合うピニオンギアとの間で抉られることがない。そして、ピニオンギアPの配置が周方向等間隔であるため、サンギアSに加わる径方向の力が互いに相殺されて低減するので、ノイズや異音等の発生が抑えられる。
【0050】
軸支持板35はケースの直径線上を延びて側壁に一体につながって両持ちとなっているので、主軸3の支持位置をとくに高い剛性で保持することができる。
さらに、ピニオンキャリア120もロータ90と同じ主軸3に回転可能に支持されているので、ロータ90とピニオンキャリア120間の相対的な位置精度が高く、一層静粛性が向上する。
とくに、主軸3によるロータ90の支持部が延長軸部94のサンギアSを貫通する部位としているので、サンギアSとピニオンキャリア120間の軸心の一致度がきわめて高い。
また、ピニオンキャリア120とロータコア91とを軸方向に当接させるとともに、ピニオンキャリア120と軸支持板35の間にはコイルスプリング116を配置して、ピニオンキャリア120を軸方向に付勢する構成としたので、当該ピニオンキャリア120だけでなくロータ90も同時に軸方向に付勢されてガタが除去される。これにより、ステッピングモータ2で生じる軸方向の振動も効果的に抑制される。
【0051】
ピニオンキャリア120はピニオンギアPを回転可能に支持するピニオン軸134と同方向に延びる連結コラム135を有し、連結コラム135にサブキャリア140を結合して、ピニオン軸134からのピニオンギアPの抜けを阻止するようにしているので、ピニオン軸134に精度を損なうような施工が不要でピニオンギアPの滑らかな回転が確保される。
【0052】
ピニオンキャリア120は軸支持板35を避けて軸方向に延びる連結片126を備え、この軸支持板35を挟んでプラネタリギア機構4と反対側に配置したセンサホルダ145と連結するものとしたので、連結片126が軸支持板35に当接しない範囲でセンサホルダ145を回転可能で、赤外線センサ157の指向方向を滑らかに遥動往復させることができる。
【0053】
なお、実施の形態ではケース5やプラネタリギア機構4の構成部材を樹脂製としたが、これに限定されず、金属製としてもよい。
主軸の一端を支持する軸支持板35はケースの直径線上を延びて側壁につながる両持ちとしたので、ピニオンキャリア120とセンサホルダを連結する連結片126は軸支持板35の両側の連通穴53を通過するため、センサホルダの回転範囲が180°より小さくなるが、軸支持板をケースの側壁につながる部分が大きい扇形状として両持ちの場合と同等の剛性を確保すれば、片持ち構成とすることによりセンサホルダの回転範囲を180°以上に拡大することができる。
さらに実施の形態では、赤外線センサの指向方向を変化させるセンサ駆動装置に適用した例を示したが、本発明はカメラその他種々のセンサの走査駆動に適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 センサ駆動装置
2 ステッピングモータ
3 主軸
4 プラネタリギア機構
5 ケース
6、9 ファスナ
7 コネクタ部
7a コネクタ上部構成部
7b コネクタ下部構成部
8 ボス部
8a、8b、8c ボス部
10 ベースボディ
11 本体部
12、15 上壁
13、16 側壁
14 切り欠き縁
17、50 外端壁
18、27 溝
19、28 爪
21 中心孔
22 丸形状突起
23 段部
24 拡径部
25 切り欠き
26 スロット
29 ねじ込み孔
30 軸支持ボディ
31 本体部
32 側壁
33、37 段部
34 縮径部
35 軸支持板
36 中心孔
38 拡径部
39 切り欠き
40 溝
41 切り欠き
43 押さえ突起
44 膨出部
45、69 貫通孔
46 バックアップ板
48 接続壁
49 下壁
51、67 フック
52、68 係合穴
53 連通穴
55 ネジ
60 リングキャップ
61 側壁
62 段部
63 縮径部
64 段部
65 内径拡大部
66 突条
80 ステータ
81 端板
82 中心孔
84 位置決め孔
86 下側コア
87、89 位置決め孔
88 上側コア
90 ロータ
91 ロータコア
92 ボビン部
93 凹部
94 延長軸部
95 貫通穴
96 軸支持部
97 軸受け保持穴
98 拡径部
99 リング突起
100 軸受け
101 円板部
102 軸孔
103 円筒部
104 リング突条
105 マグネット
110 リングギア部材
111 リング部
112 支持片
113 円柱コラム
114 丸形状突起
116 コイルスプリング
120 ピニオンキャリア
121 底壁
122 ボス
123 貫通孔
124 膨出端面
125 周壁
126 連結片
127 連結爪
128 傾斜面
130 ストッパ
134 ピニオン軸
135 連結コラム
136 小径部
138 突出部
140 サブキャリア
141、143 孔
142 突出部
145 センサホルダ
150 円盤部
151 小径部
152 段部
153 大径部
154 係合穴
155 センサ取付け部
157 赤外線センサ
158 脚
159 爪
160 カバー
161 検知窓
S サンギア
P ピニオンギア
R リングギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサの指向方向をモータで変化させる走査駆動装置において、
両端をそれぞれ固定側に支持した主軸で前記モータのロータを回転可能に支持し、
前記ロータと一体に回転するサンギアと、固定側に支持したリングギアと、ピニオンキャリアに回転可能に支持されて前記サンギアおよびリングギアと噛み合い、周方向等間隔に配置した複数のピニオンギアとからなるプラネタリギア機構を有し、
センサが前記ピニオンキャリアに連結されていることを特徴とする走査駆動装置。
【請求項2】
前記ピニオンキャリアが前記主軸に回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の走査駆動装置。
【請求項3】
前記ロータを軸方向に付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の走査駆動装置。
【請求項4】
前記付勢手段が、前記ピニオンキャリアと固定側の間に軸方向に配置したスプリングを備え、前記ピニオンキャリアと前記ロータの軸方向当接構造を含んで、前記ピニオンキャリアを介して前記ロータを付勢するものであることを特徴とする請求項3に記載の走査駆動装置。
【請求項5】
前記主軸を支持する一端の固定側がモータのステータであり、前記リングギアを支持する固定側も前記ステータであり、前記主軸を支持する一端の固定側と、前記リングギアを支持する固定側が一体に構成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載の走査駆動装置。
【請求項6】
前記モータがケースに収納され、前記ステータが前記ケースに位置決めされるとともに、前記主軸を支持する他端の固定側が前記ケースを横切って延びて両端が前記ケースの側壁と一体につながる軸支持板であることを特徴とする請求項5に記載の走査駆動装置。
【請求項7】
前記ピニオンキャリアが前記軸支持板を避けて軸方向に延びる連結片を備え、前記軸支持板を挟んで前記プラネタリギア機構と反対側に配置したセンサホルダと連結して、該センサホルダに前記センサが取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載の走査駆動装置。
【請求項8】
前記サンギアが前記ロータと一体に成型され、前記主軸による前記ロータの支持部が前記サンギアを貫通する部位であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1に記載の走査駆動装置。
【請求項9】
前記ピニオンキャリアは前記ピニオンギアを回転可能に支持するピニオン軸を備えるとともに、該ピニオン軸と同方向に延びる連結部材を有して、
前記プラネタリギア機構は、前記ピニオン軸からの前記ピニオンギアの抜けを阻止する抜け止め部材を前記連結部材に結合していることを特徴とする請求項1から8のいずれか1に記載の走査駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−15167(P2013−15167A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146975(P2011−146975)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】