説明

走行作業車

【課題】車輪2,3にて支持された走行フレーム4に,走行動力源としてのエンジン18を搭載し,このエンジンから前記車輪への動力伝達経路の途中に,エンジン回転数がアクセルペダル23の踏み込み操作にてアイドル回転数から所定回転数まで高くなったときに動力伝達OFFから動力伝達ONに切り換わる自動クラッチ機構20を設けて成る走行作業車において,下り坂道での操縦性の向上を図る。
【解決手段】前記アクセルペダル23に,その踏み込み操作を走行状態から解除したときに,当該アクセルペダルを,前記所定回転数よりも高いエンジン回転数を得ることができる位置に保持するように構成したエンジンブレーキ機構37を設けて,下り坂道でエンジンブレーキを働かす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,走行フレームに搭載したエンジンによって走行され,荷物の運搬とか,各種の農作業等のように多目的に使用される走行作業車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
先行技術としての特許文献1には,車輪にて支持された走行フレームにエンジンを搭載して,このエンジンにて車輪を駆動回転することによって走行するように構成した走行作業車が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−094179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで,従来,前記先行技術の走行作業車においては,前記エンジンから車輪への動力伝達経路の途中に,前記エンジンの回転数が,当該エンジンに対するアクセルペダルの踏み込み操作にてアイドル回転数から所定の回転数まで高くなったときに動力伝達OFFから動力伝達ONに切り換わる自動クラッチ機構を設けるという構成にしている。
【0005】
この構成によると,走行作業車を,停止状態から発進すること,及び,発進後において任意の走行速度を得ることが,前記アクセルペダルにおける踏み込み操作にて行なうことができるから,運転操作性が容易にできる等の利点を有する。
【0006】
しかし,その反面,走行作業車が,下りの坂道にさしかかった場合において,アクセルペダルの踏み込み操作を解除することで,エンジンの回転数がアイドル回転数まで下がり,前記自動クラッチ機構が動力伝達OFFになることにより,エンジンブレーキが働かずに,走行速度が増速することになるから,運転者は,下りの坂道にさしかかる度ごとに,その増速を抑制・制御するためには,専ら,車輪に対するブレーキペダルを踏み込み操作しなければならず,普通の自動車と同様のエンジンブレーキを期待する運転操縦者にとって運転操作が可成り面倒であるばかりか,速度の抑制・制御が不安定であり,しかも,頻繁なブレーキ操作によるブレーキオイルの劣化,ブレーキパットの早期摩耗に起因して,車輪のブレーキ機構を損傷するおそれが大きいという問題がある。
【0007】
本発明は,これらの問題を解消した走行作業車を提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この技術的課題を達成するため請求項1は,
「車輪にて走行自在に支持された走行フレームに,走行動力源としてのエンジンを搭載し,このエンジンから前記車輪への動力伝達経路の途中に,エンジン回転数がアクセルペダルの踏み込み操作にてアイドル回転数から所定回転数まで高くなったときに動力伝達OFFから動力伝達ONに切り換わる自動クラッチ機構を設けて成る走行作業車において,
前記アクセルペダルには,その踏み込み操作を走行状態から解除したときに,当該アクセルペダルを,前記所定回転数よりも高いエンジン回転数を得ることができる位置に保持するように構成したエンジンブレーキ機構が設けられている。」
ことを特徴としている。
【0009】
請求項2は,
「前記請求項1の記載において,前記エンジンブレーキ機構は,前記車輪に対するブレーキペダルの踏み込み操作に連動して,前記アクセルペダルにおける所定回転数の位置での保持を解除するように構成されている。」
ことを特徴としている。
【0010】
請求項3は,
「前記請求項2の記載において,前記エンジンブレーキ機構は,前記アクセルペダルを所定回転数の位置で保持するカムを備え,このカムは,前記ブレーキペダルの踏み込み操作に連動して,当該カムによる前記アクセルペダルの保持を解除するように構成されている。」
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の構成において,アクセルペダルの踏み込み操作を,走行作業車を適宜速度で走行するように踏み込み操作している状態から解除すると,前記アクセルペダルは,エンジンブレーキ機構により,自動クラッチ機構における所定回転数よりも高いエンジン回転数を得ることがきる位置に保持される。
【0012】
これにより,前記自動クラッチ機構は,動力伝達ONのままで,車輪とエンジンとを連結した状態に維持するから,前記アクセルペダルにおける踏み込み操作の解除に連動して,エンジンブレーキを働かせることができる。
【0013】
従って,請求項1によると,前記自動クラッチ機構を採用したことによる弊害であるところの下り坂道での増速を,前記のようにエンジンブレーキを働かせることで確実に抑制できるから,車輪に対するブレーキペダルを踏み込み操作の頻度を低減でき,走行時における安全性及び運転操縦性の向上と,車輪のブレーキ機構における耐久性の向上とを図ることができる。
【0014】
また,請求項2によると,前記アクセルペダルによるエンジンブレーキを,ブレーキペダルの踏み込み操作によって解除することができるので,運転操縦性を一層に向上できる。
【0015】
更にまた,請求項3によると,前記エンジンブレーキを働かせることと,このエンジンブレーキを解除することとを,カムによる極く簡単な機構に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態による多目的運搬車を示す側面図である。
【図2】前記運搬車の一部切欠平面図である。
【図3】前記運搬車を前方斜め上から見たときの斜視図である。
【図4】図1の要部拡大図である。
【図5】図4のV−V視断面図である。
【図6】自動クラッチを備えた無段変速機構の縦断正面図である。
【図7】アクセルペダルに対するエンジンブレーキ機構を示す図である。
【図8】図7のVIII−VIII視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下,本発明の実施の形態を,走行作業車としての多目的運搬車に適用した場合の図面(図1〜図8)について説明する。
【0018】
この実施の形態における多目的運搬車1は,左右一対の前輪2と,同じく左右一対の後輪3とで支持された走行フレーム4を有し,この走行フレーム4には,前記両前輪2と両後輪3との間の部位に,運転キャビン5を備えているとともに,この運転キャビン5よりも後方の部位に被運搬物を載せるための荷台6を備えている。
【0019】
前記運転キャビン5は,図1〜図3に示すように,側面視,正面視及び平面視のいずれにおいても,囲い枠型に構成されて,その内部には,運転者用の座席7と,補助者用の座席8とが横に並べて設けられているとともに,前記運転者用座席7の前方に,前記両前輪2を図示しないステアリング機構にて左右方向に同時に回動することで舵取りを行なうための丸型の操縦ハンドル9が設けられている。
【0020】
前記両座席7,8は,前記運転キャビン5の後面を構成する後ろ膜板10から適宜適宜寸法Lだけ前方に位置していることにより,この両座席7,8と前記後ろ膜板10との間に,空間部11を,当該空間部11における左右両側が前記運転キャビン5における左右両側に開口するように形成するという構成にしている。
【0021】
この場合,前記空間部11の上方には,前記運転者用座席7の背凭れ部7a及び前記補助者用座席8の背凭れ部8aがオーバーラップしている。なお,これら背凭れ部7a,8aは,前方に向かって倒し回動できる構成になっている。
【0022】
また,前記運転者用座席7における外側面(左側面)の部分には,下向きU字状に構成したヒップガード兼用のドアストッパー12が,前記補助者用座席8における外側面(右側面)の部分には,下向きU字状に構成したヒップガード兼用のドアストッパー13が各々設けられている。
【0023】
更にまた,前記空間部11の左側の部分には,外向き式に開閉自在に構成した扉14が,前記空間部11の右側の部分には,外向きに開閉自在に構成した扉15が各々設けられ,これら各扉14,15のうちいずれか一方又は両方の開閉により,前記空間部11内に,鍬等のような各種の作業用工具又は各種の修理用工具とか,作業服等を入れておくことができるように構成している。
【0024】
前記走行フレーム4のうち前記運転キャビン5より後方の部分には,後方に延びる左右一対の上部フレーム16と,同じく後方に延びる左右一対の下部フレーム17とを備えている。
【0025】
前記上下フレーム16,17のうち両下部フレーム17の間の部分には,走行等のための動力源としてのエンジン18と,後輪用ギャーケース19とが,エンジン18を前側に後輪用ギャーケース19を後ろ側に位置するようにして設けられており,前記エンジン18の動力は,例えば遠心式等の自動クラッチ20を備えたベルト式等の無段変速機構21を介して前記後輪用ギャーケース19に伝達され,この後輪用ギャーケース13にて前記後輪3を駆動回転するように構成されており,これにより,前記運搬車1が,前進又は後退走行する。
【0026】
また,前記運転キャビン5における床面のうち前記運転者用座席7の前方の部分には,前記各車輪2,3に対するブレーキペダル22と,前記エンジン18の回転数を調節制御するためのアクセルペダル23とが並べて設けられている。
【0027】
前記自動クラッチ20は,従来から良く知られているように,前記エンジン18の回転数が低いときには,これに以降への動力伝達OFFの状態になっているが,アクセルペダル23の踏み込み操作にてエンジン18の回転数が所定の回転数N1を越えて高くなると動力伝達ONに状態になるように構成したものである。
【0028】
つまり,前記運搬車1は,前記アクセルペダル23を踏み込み操作しないときには,エンジン18の回転数が低く,前記自動クラッチ20が動力伝達OFFであることにより,前進走行しない。
【0029】
前記アクセルペダル23の踏み込み操作にて前記エンジン18の回転数が所定の回転数(N1)を越えると,前記自動クラッチ20が動力伝達ONになることにより,前記運搬車1は前進走行を開始する。
【0030】
前記ベルト式等の無段変速機構21は,従来から良く知らされているように,エンジン18における回転数に対する両後輪3の回転数を,当該エンジン18における回転数に比例して自動的に増速するように自動的に変速作動するという構成である。
【0031】
すなわち,前記自動クラッチ20及び前記無段変速機構21は,具体的には,図6に示すように構成されている。
【0032】
すなわち,前記エンジン18における出力軸18aには,軸線方向に摺動しない固定プーリ片21a′と,軸線方向に自在に摺動する可動プーリ片21a″とから成る主動プーリ21aを設けて,前記可動プーリ片21a″をばね21bにて固定プーリ片21a′から離れる方向に付勢する一方,前記後輪用ギャーケース19への入力軸19aには,軸線方向に摺動しない固定プーリ片21c′と,軸線方向に自在に摺動する可動プーリ片21c″とから成る従動プーリ21cを設けて,前記可動プーリ片21c″をばね21dにて固定プーリ片21c′に対して押圧するように付勢して,前記主動プーリ21aと,前記従動プーリ21cとの間に,無端ベルト21eを巻掛けする。
【0033】
また,前記エンジン18における出力軸18aには,前記主動プーリ21aのうち可動プーリ片21a″との間に,ガバナー機構20a設けて,前記エンジン18の回転数がアイドルリング域の遅いときには,主動プーリ21aにおける可動プーリ片21a″がばね21bにより固定プーリ片21a′から離れていることにより,前記後輪用ギャーケース19への動力伝達がOFFになっているが,前記エンジン18の回転数が,アクセルペダル23の踏み込み操作にて所定の回転数(N1)に達すると,可動プーリ片21a″がばね21bに抗して固定プーリ片21a′に向かって前進動して,その間における無端ベルト21eを挟み付けるから,前記後輪用ギャーケース19への動力伝達がONになる。
【0034】
そして,前記エンジン18の回転数が,アクセルペダル23の踏み込み操作にてより高くなると,前記後輪用ギャーケース19における回転数,ひいては後輪3における回転数を,前記エンジン18における回転数に比例して自動的に増速するように自動的に変速作動する。
【0035】
一方,上下フレーム16,17のうち両上部フレーム16における後端部の上面には,昇降用ローラ24が回転自在に設けられ,この昇降用ローラ24にて,前記荷台6が,前後方向に自在に移動し得るように支持されている。
【0036】
この場合,前記昇降用ローラ24は,前記荷台6の下面に前後方向に延びるように設けた溝型レール25に嵌まることにより,前記荷台6を,左右方向にずれ移動することなく,前後方向にのみ直線的に移動するようにガイドするという構成にしている。
【0037】
なお,前記両上部フレーム16の上面には,前記荷台6の下面における溝型レール25に嵌まる支持用ローラ26を設けることにより,前記荷台6を略水平の状態に支持するように構成している。
【0038】
そして,前記両下部フレーム17の後端部の間には,回転自在に構成した昇降軸27を装架し,この昇降軸27に昇降リンク28の下端(基端)を固着し,この昇降リンク28の上端を,前記荷台6の下面における後端部にピン29にて回転自在に枢着して,この昇降リンク28を,当該昇降リンク28と前記下部フレーム17との間に設けた油圧シリンダ30にて,前後方向に駆動回動するように構成している。
【0039】
前記荷台6は,前記昇降リンク28を油圧シリンダ30にて後方に回動することにより,水平の位置から昇降用ローラ24を支点としてその後端部が下がるように傾斜しながら,図1に二点鎖線で示すように,その後端部が地面に近づくように下降することになるから,被運搬物の荷台6への積み込み及び荷台6からの荷卸しを,地上からの高さを低くした状態で容易に行なうことができる。
【0040】
また,前記昇降リンク28を,油圧シリンダ30にて逆方向,つまり,前方向に回動することにより,前記荷台6は,上昇しなから前記昇降用ローラ24を支点として後ろ傾斜の状態から元の水平の位置になって,前記昇降用ローラ24と支持用ローラ26とで支持される元の位置に戻ることになる。
【0041】
また,前記上部フレーム16には,図4に示すように,前記荷台6を移動不能にロックする状態と,そのロックを解除する状態とに切換え可能に構成したロック機構31が設けられている。
【0042】
このロック機構31は,前記上部フレーム16にピン32にて回転自在に枢着した鉤杆33と,前記荷台6の下面に固着した係合片34とを備え,前記鉤杆33は,その下端と前記上部フレーム16との間に設けたばね35にて,前記係合片34に常時係合する状態,つまり,ロック状態に付勢されており,この鉤杆33を,前記運転キャビン5等に設けられているレバー(図示せず)の操作にてワイヤー36を介して,前記ばね35に抗して回動することにより,前記ロック状態を解除するように構成されている。
【0043】
そして,前記運転キャビン4における前記ブレーキペダル22及び前記アクセルペダル23に対しては,図7及び図8に示すように,エンジンブレーキ機構37が設けられている。
【0044】
前記アクセルペダル23は,ワイヤー38を介して前記エンジン18におけるアクセルレバー18bに連動連結することにより,このアクセルペダル23を,一点鎖線で示すように,これを踏み込み操作しないときには,前記エンジン18がアイドル回転数になり,前記アクセルペダル23を,実線で示す位置にまで踏み込み操作すると,前記エンジン18の回転数が,前記自動クラッチ20が動力伝達ONになる所定の回転数(N1)になり,前記アクセルペダル23を,実線で示す位置を越えて二点鎖線で示すように更に踏み込み操作すると,前記エンジン18の回転数が,更に高くするように構成されており,前記アクセルレバー18b又は前記アクセルペダル23には,これをアイドル回転位置に付勢するばね39が設けられている。
【0045】
前記エンジンブレーキ機構37は,回転自在に軸支された一本の回転軸40を備え,この回転軸40にはカム41が固着されている一方,前記アクセルペダル23には,ロッド杆42が前記カム41に向かって延びるように設けられている。
【0046】
このロッド杆42は,前記アクセルペダル23を図7に実線で示す踏み込み位置にしたときに前記カム41に接当して,前記自動クラッチ20が動力伝達ONになるエンジン回転数を保持するという構成であり,前記カム41は,ばね43にて,当該カム41に対して前記ロッド杆42が接当する位置を保持する状態,つまり,当該カム41がストッパー46に接当するように構成されている。
【0047】
また,前記回転軸40には,解除レバー44を設ける一方,前記ブレーキペダル22には,前記解除レバー44に向かって突出する係合片45を設けて,前記ブレーキペダル22を踏み込み操作したとき,前記係合片45が前記解除レバー44に接当することにより,前記カム41を回転して,当該カム41に対してロッド杆42が接当する状態を解除するように構成している。
【0048】
この構成において,前記アクセルペダル23の踏み込み操作を,走行作業車を適宜速度で走行するように踏み込み操作(二点鎖線で示す位置)している状態から解除すると,前記アクセルペダル23は,実線で示す位置に戻ったとき,エンジンブレーキ機構37におけるロッド杆42が,カム41に接当することにより,前記自動クラッチ機構20における所定回転数よりも高いエンジン回転数を得ることがきる位置に保持される。
【0049】
これにより,前記自動クラック機構20は,動力伝達ONのままで,後輪3とエンジン18とを連結した状態に維持するから,前記アクセルペダル23における踏み込み操作の解除に連動して,エンジンブレーキを働かせることができる。
【0050】
次に,この状態で,ブレーキペダル22をブレーキOFFからブレーキONに踏み込み操作すると,これに連動して前記カム41が回転することにより,前記アクセルペダル23における前記エンジン回転数での保持が解除されるから,以後は,前記アクセルペダル23を,アイドル位置にすることができる。
【0051】
本発明の別の実施の形態においては,車体フレーム4に,その前後動(ピッチング動)を検出する傾斜センサを設け,この傾斜センサにて,下り坂を検出すると,次にブレーキペダル22を踏み込み操作するまでの間,前記エンジンブレーキを働かせた状態に維持するように構成することかできる。
【0052】
この別の実施の形態の場合,アクセルペダル23がエンジン回転数を一定に保持する位置にあるとき,前記ブレーキペダル22を踏み込み操作したとき,前記傾斜センサが下り坂を検出すると,アクセルペダル23を,無段変速機構21から後輪用ギャーケース10への動力伝達がONとなる最低エンジン回転数(N1)を保つ位置に保持するように構成することにより,下り坂において確実にエンジンブレーキを働かせることができ,運転操縦性を一層向上させることができる。
【0053】
なお,前記実施の形態は,前記荷台6を後ろ傾斜しながら昇降動することを,前記昇降リンク28における前後方向への駆動回動にて行なう場合であったが,本発明は,これに限らず,前記荷台6における後ろ傾斜しながらの昇降動を,前記昇降リンク28の前後回動に代えて,前記両昇降用ローラ24のうちいずれか一方又は両方を正逆方向に駆動回転することで行なうことができる。
【0054】
また,前記実施の形態は,エンジン18にて後輪3を駆動回転する場合であったが,本発明はこれに限らず,エンジン18にて前輪2を駆動回転する場合とか,エンジン18にて前輪2及び後輪3の両方を駆動回転する場合にも適用できることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0055】
1 運搬車
2 前輪
3 後輪
4 走行フレーム
5 運転キャビン
7,8 座席
6 荷台
11 空間部
16 上部フレーム
17 下部フレーム
18 エンジン
20 自動クラッチ機構
21 無段変速機構
22 ブレーキペダル
23 アクセルペダル
24 昇降用ローラ
26 支持用ローラ
27 昇降軸
28 昇降リンク
30 油圧シリンダ
37 エンジンブレーキ機構
40 回転軸
41 カム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪にて走行自在に支持された走行フレームに,走行動力源としてのエンジンを搭載し,このエンジンから前記車輪への動力伝達経路の途中に,エンジン回転数がアクセルペダルの踏み込み操作にてアイドル回転数から所定回転数まで高くなったときに動力伝達OFFから動力伝達ONに切り換わる自動クラッチ機構を設けて成る走行作業車において,
前記アクセルペダルには,その踏み込み操作を走行状態から解除したときに,当該アクセルペダルを,前記所定回転数よりも高いエンジン回転数を得ることができる位置に保持するように構成したエンジンブレーキ機構が設けられていることを特徴とする走行作業車。
【請求項2】
前記請求項1の記載において,前記エンジンブレーキ機構は,前記車輪に対するブレーキペダルの踏み込み操作に連動して,前記アクセルペダルにおける所定回転数の位置での保持を解除するように構成されていることを特徴とする走行作業車。
【請求項3】
前記請求項1の記載において,前記エンジンブレーキ機構は,前記アクセルペダルを所定回転数の位置で保持するカムを備え,このカムは,前記ブレーキペダルの踏み込み操作に連動して,当該カムによる前記アクセルペダルの保持を解除するように構成されていることを特徴とする走行作業車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−11675(P2011−11675A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158585(P2009−158585)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】