説明

走行費用算出装置及び走行費用算出システム

【課題】本発明は、所望の施設の料金情報が未知であっても、実際に掛かった走行費用を算出することが可能な走行費用算出装置を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る走行費用算出装置10Aは、施設の料金情報を取得する料金情報取得手段24と、料金情報取得手段24によって取得した料金情報に基づいて走行費用を算出する走行費用算出手段27と、料金情報取得手段24によって取得した料金情報を施設ごとに記憶する料金情報記憶手段53とを備え、走行費用算出手段27は、所望の施設を利用する際に、料金情報取得手段24によって所望の施設の料金情報を取得できない場合に、料金情報記憶手段53に記憶した他の施設の料金情報に基づいて走行費用を算出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実際に掛かった走行費用を算出する走行費用算出装置及び走行費用算出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両等には様々な便利機能が搭載されている。例えば、実際に掛かった走行費用をユーザに提供する走行費用算出機能が知られている。走行費用としては、燃料や電気などのエネルギー費用や有料道路費用などが考えられる。
【0003】
特許文献1には、走行費用としてエネルギー費用を算出するための走行費用算出装置が開示されている。この走行費用算出装置は、燃料代単価情報収集手段を備え、エリア(例えば、都道府県)ごとに存在するセンター(管理サーバ)から各エリアに存在する全てのエネルギー供給施設(例えば、ガソリンスタンド)の単価情報を取得し、更新や新規登録等を行うことによって全てのエネルギー供給施設の単価情報を保存管理し、この単価情報に基づいてエネルギー費用の算出を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−195843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の走行費用算出装置では、センター(管理サーバ)が全てのエネルギー供給施設のエネルギー単価情報を保有していない等により、所望のエネルギー供給施設のエネルギー単価情報を取得できない場合、走行費用の算出を行うことができないこととなる。
【0006】
そこで、本発明は、所望の施設の料金情報が未知であっても、実際に掛かった走行費用を算出することが可能な走行費用算出装置及び走行費用算出システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の走行費用算出装置は、施設の料金情報を取得する料金情報取得手段と、料金情報取得手段によって取得した料金情報に基づいて走行費用を算出する走行費用算出手段と、料金情報取得手段によって取得した料金情報を施設ごとに記憶する料金情報記憶手段とを備え、走行費用算出手段は、所望の施設を利用する際に、料金情報取得手段によって所望の施設の料金情報を取得できない場合に、料金情報記憶手段に記憶した他の施設の料金情報に基づいて走行費用を算出することを特徴とする。
【0008】
この走行費用算出装置によれば、所望の施設の料金情報を取得できない場合には、以前に記憶した他の施設の料金情報に基づいて走行費用を算出するので、所望の施設の料金情報が未知であっても、実際に掛かった走行費用を算出することができる。
【0009】
上記した走行費用算出装置は、現在の位置情報を取得する位置情報取得手段と、位置情報を施設ごとに記憶する施設位置情報記憶手段と、位置情報取得手段によって取得した現在の位置情報、及び、施設位置情報記憶手段に記憶した施設ごとの位置情報に基づいて、料金情報記憶手段から現在位置の周辺施設の料金情報を抽出する周辺施設料金情報抽出手段とを更に備え、走行費用算出手段は、所望の施設を利用する際に、料金情報取得手段によって所望の施設の料金情報を取得できない場合に、周辺施設料金情報抽出手段によって抽出した現在位置の周辺施設の料金情報に基づいて走行費用を算出することが好ましい。
【0010】
施設の利用料金は、地域単位で近いことが多い。この構成によれば、所望の施設の料金情報を取得できない場合には、所望の施設利用時の現在位置の周辺施設の料金情報、すなわち、所望の施設の周辺施設の料金情報に基づいて走行費用を算出するので、所望の施設の料金情報が未知であっても、比較的高精度に、実際に掛かった走行費用を算出することができる。
【0011】
また、上記した走行費用算出装置は、地図情報を記憶する地図情報記憶手段を更に備え、周辺施設料金情報抽出手段は、周辺施設の料金情報を地図情報における道路ごとに抽出することが好ましい。
【0012】
施設の利用料金は、国道などの幹線道路沿線の施設単位で近いことが多い。この構成によれば、道路ごとに抽出した所望の施設の周辺施設の料金情報に基づいて走行費用を算出するので、所望の施設の料金情報が未知であっても、より高精度に、実際に掛かった走行費用を算出することができる。
【0013】
また、上記した周辺施設料金情報抽出手段は、道路から所定の距離しきい値の範囲内に位置する周辺施設の料金情報を抽出することが好ましい。これによれば、より狭範囲に絞り込んで抽出した所望の施設の周辺施設の料金情報に基づいて走行費用を算出するので、所望の施設の料金情報が未知であっても、より高精度に、実際に掛かった走行費用を算出することができる。
【0014】
また、上記した周辺施設料金情報抽出手段は、所定の料金しきい値幅の範囲内である周辺施設の料金情報を抽出することが好ましい。施設の利用料金は、同一地域内でもばらつきが大きいことがある。これによれば、所定の料金しきい値幅の範囲外であってばらつきの要因である施設を除く所望の施設の周辺施設の料金情報を抽出することができるので、所望の施設の料金情報が未知であっても、より高精度に、実際に掛かった走行費用を算出することができる。
【0015】
本発明の走行費用算出システムは、車両とセンターとを備える走行費用算出システムにおいて、車両は、施設の料金情報を取得する料金情報取得手段と、料金情報取得手段によって取得した料金情報に基づいて走行費用を算出する走行費用算出手段とを備え、センターは、料金情報取得手段によって取得した料金情報を施設ごとに記憶する料金情報記憶手段を備え、走行費用算出手段は、所望の施設を利用する際に、料金情報取得手段によって所望の施設の料金情報を取得できない場合に、料金情報記憶手段に記憶した他の施設の料金情報に基づいて走行費用を算出することを特徴とする。
【0016】
この走行費用算出システムによれば、所望の施設の料金情報を取得できない場合には、以前に記憶した他の施設の料金情報に基づいて走行費用を算出するので、所望の施設の料金情報が未知であっても、実際に掛かった走行費用を算出することができる。
【0017】
上記した走行費用算出システムでは、車両は、現在の位置情報を取得する位置情報取得手段を更に備え、センターは、位置情報を施設ごとに記憶する施設位置情報記憶手段と、位置情報取得手段によって取得した現在の位置情報、及び、施設位置情報記憶手段に記憶した施設ごとの位置情報に基づいて、料金情報記憶手段から現在位置の周辺施設の料金情報を抽出する周辺施設料金情報抽出手段とを更に備え、走行費用算出手段は、所望の施設を利用する際に、料金情報取得手段によって所望の施設の料金情報を取得できない場合に、周辺施設料金情報抽出手段によって抽出した現在位置の周辺施設の料金情報に基づいて走行費用を算出することが好ましい。
【0018】
上記したように、施設の利用料金は、地域単位で近いことが多い。この構成によれば、所望の施設の料金情報を取得できない場合には、所望の施設利用時の現在位置の周辺施設の料金情報、すなわち、所望の施設の周辺施設の料金情報に基づいて走行費用を算出するので、所望の施設の料金情報が未知であっても、比較的高精度に、実際に掛かった走行費用を算出することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、走行費用算出装置及び走行費用算出システムにおいて、所望の施設の料金情報が未知であっても、実際に掛かった走行費用を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る走行費用算出システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示す自車両における走行費用算出装置の電気的な構成を示す図である。
【図3】図2に示す走行費用算出装置によるエンジンOFF時のエネルギー補給前処理を示すフローチャートである。
【図4】図2に示す走行費用算出装置によるエンジンON時のエネルギー補給後処理を示すフローチャートである。
【図5】図1に示すセンターにおけるセンター単価情報算出装置の電気的な構成を示す図である。
【図6】図5に示すセンター単価情報算出装置による施設情報管理処理を示すフローチャートである。
【図7】図5に示すセンター単価情報算出装置によるセンター単価情報作成処理を示すフローチャートである。
【図8】図5に示すセンター単価情報算出装置によるセンター単価情報送信処理を示すフローチャートである。
【図9】図5に示すセンター単価情報算出装置による幹線道路沿線エリアを示す図である。
【図10】図5に示すセンター単価情報算出装置による市区町村エリアを示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る走行費用算出装置の電気的な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
[本発明の走行費用算出システム]
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る走行費用算出システムの構成を示す図である。図1に示す走行費用算出システム1は、エネルギー供給施設2と、自車両3と、他車両4と、センター5とを備えている。
【0023】
エネルギー供給施設2は、自車両3や他車両4などの各車両にエネルギーの供給を行う施設である。エネルギーとしては、ガソリンや天然ガスなどの燃料や、電気などである。なお、電気エネルギーの場合、エネルギー供給施設2には一般家庭も含まれる。また、エネルギー供給施設2は、各車両にエネルギーの供給を行う場合に、その車両にエネルギー補給情報を送信する。このエネルギー補給情報は、例えば、エネルギー種別(例えば、ガソリン、電気など)、詳細種別(例えば、レギュラー、ハイオクなど)、補給量(例えば、cc、kWhなど)、実単価(例えば、円、ドルなど)、及び、補給日時などを含む。
【0024】
自車両3は、エネルギー補給時に、エネルギー供給施設2から送信されるエネルギー補給情報を取得すると共に、現在の位置情報を取得し、これらの情報をエネルギー単価情報として記憶する。自車両3は、例えば、取得したエネルギー単価情報に基づいて、所有するエネルギー総量の平均単価を求める。そして、自車両3は、この平均単価に基づいて走行費用の算出を行う。
【0025】
本実施形態では、他車両4も自車両3と同様に、エネルギー供給施設のエネルギー単価情報を記憶しており、自車両3と他車両4とは、自身が記憶するエネルギー単価情報を互いに提供し合うことが可能となっている。また、自車両3及び他車両4は、エネルギー単価情報をセンター5に提供可能になっている。
【0026】
センター5は、自車両3や他車両4などの各車両からのエネルギー単価情報をエネルギー供給施設ごとに管理する。また、センター5は、所定のエリア内に存在する複数のエネルギー供給施設の実単価に基づいて、例えば、それらの平均値を有するセンター単価情報をエリアごとに作成する。センター5は、各車両からエネルギー補給時の現在の位置情報を受けた場合に、この位置に該当するエネルギー供給施設のエネルギー単価情報を各車両に向けて送信する。該当のエネルギー供給施設のエネルギー単価情報がない場合には、センター5は、この位置を含む所定のエリアのセンター単価情報を送信する。
【0027】
このようにして、本実施形態の走行費用算出システム1では、自車両3は、所望のエネルギー供給施設2からエネルギー補給情報を取得できない場合にも、所望のエネルギー供給施設2におけるエネルギー補給時の現在位置を含む所定のエリアのセンター単価情報、すなわち、現在位置の周辺施設のセンター単価情報に基づいて、所有するエネルギー総量の平均単価を求めることができ、その結果、走行費用の算出を行うことが可能になっている。
【0028】
次に、上記した走行費用算出システム1の主要部である自車両3における走行費用算出装置10、及び、センター5におけるセンター単価情報算出装置50について詳細に説明する。
【0029】
まず、自車両3における走行費用算出装置10について詳細に説明する。図2は、図1に示す自車両3における走行費用算出装置10の電気的な構成を示す図である。図2に示す走行費用算出装置10は、燃料残量センサー11と、バッテリ残量センサー12と、アンテナ13と、ECU(Electronic Control Unit)20とを備えている。
【0030】
燃料残量センサー11は、燃料タンクにおける燃料の残量を検出し、ECU20へ送信する。一方、バッテリ残量センサー12は、バッテリにおけるバッテリの残量を検出し、ECU20へ送信する。また、アンテナ13は、エネルギー供給施設2、他車両4、及び、センター5と無線通信を行うためのものである。
【0031】
ECU20は、演算を行うCPU(Central Processing Unit)、CPUに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するROM(ReadOnly Memory)、演算結果などの各種データを記憶するRAM(Random Access Memory)などから構成されている。このような構成により、ECU20には、エネルギー残量取得部21、エネルギー残量比較部22、エネルギー情報DB部23、無線通信部24、単価情報判定部25、エネルギー情報演算部26、及び、走行費用算出部27が構築されている。ここで、無線通信部24が特許請求の範囲に記載の料金情報取得手段及び位置情報取得手段として機能し、走行費用算出部27が特許請求の範囲に記載の走行費用算出手段として機能する。
【0032】
エネルギー残量取得部21は、燃料残量センサー11からの燃料残量や、バッテリ残量センサー12からのバッテリ残量などのエネルギー残量を取得し、エネルギー残量比較部22へ送信する。また、エネルギー残量取得部21は、取得したエネルギー残量情報をエネルギー種別ごとにエネルギー情報DB部23に記憶させる。例えば、エネルギー残量情報としては、エネルギー種別、エネルギー残量(例えば、cc、kWhなど)、平均単価(例えば、円、ドルなど)、回生量(Wh)、更新時間(hh.mm.ss)、取得地点(ガソリンスタンド、家など)などを含む。
【0033】
エネルギー残量比較部22は、エネルギー残量取得部21からの現在のエネルギー残量と、エネルギー情報DB部23に格納されている前回のエネルギー残量とを比較する。比較の結果、エネルギー残量が増えている場合に、エネルギー残量比較部22は、エネルギー補給が行われたと判断し、無線通信部24へ通知する。
【0034】
無線通信部24は、エネルギー残量比較部22からの通知に応じて、エネルギー供給施設2からエネルギー補給情報を取得する(料金情報取得手段)。また、無線通信部24は、エネルギー補給時に、自車両3の車両位置を検出することによって、エネルギー供給施設2の位置情報(例えば、緯度、経度)を取得する(位置情報取得手段)。これらのエネルギー補給情報、及び、位置情報は、エネルギー供給施設2のエネルギー単価情報として取り込まれることとなる。
【0035】
また、無線通信部24は、他車両4やセンター5から位置情報に該当するエネルギー供給施設のエネルギー単価情報を取得する(料金情報取得手段)。更に、無線通信部24は、センター5から位置情報に対応する所定のエリアのセンター単価情報を取得する(料金情報取得手段)。なお、エネルギー単価情報は、情報種別(例えば、エネルギー供給施設、他車両、センターなど)を含むことが好ましい。
【0036】
単価情報判定部25は、エネルギー供給施設2から取得したエネルギー単価情報、他車両4やセンター5から取得したエネルギー単価情報、及び、センター5から取得したセンター単価情報の正確性や鮮度を判定し、使用するエネルギー単価情報を決定する。例えば、エネルギー供給施設2からエネルギー単価情報を取得した場合には、単価情報判定部25は、その実単価が正確であり新鮮であると判断し、使用するエネルギー単価情報と決定する。一方、エネルギー供給施設2からエネルギー単価情報を取得できない場合であって、他車両4やセンター5からエネルギー供給施設2に対応するエネルギー単価情報を取得できた場合には、単価情報判定部25は、このエネルギー単価情報を使用する。一方、エネルギー供給施設2、他車両4、及び、センター5の何れからもエネルギー供給施設2のエネルギー単価情報を取得できない場合には、単価情報判定部25は、センター5から取得したセンター単価情報をエネルギー単価情報として使用する。
【0037】
エネルギー情報演算部26は、取得したエネルギー単価情報(補給量、単価)、及び、エネルギー情報DB部23に記憶した車両内のエネルギー残量情報(残量、平均単価)から、新たなエネルギー残量と車両内エネルギー平均単価を算出し、エネルギー情報DB部23に記憶(更新)させる。なお、エネルギー情報DB部23は、取得したエネルギー単価情報も施設ごとに記憶する。
【0038】
走行費用算出部27は、エネルギー情報DB部23に記憶されたエネルギー平均単価、エネルギー消費量、走行距離などから、走行費用を算出し、ドライバに報知する。
【0039】
次に、自車両3における走行費用算出装置10の動作を説明する。図3は、エンジンOFF時のエネルギー補給前処理を示すフローチャートであり、図4は、エンジンON時のエネルギー補給後処理を示すフローチャートである。
【0040】
エネルギー補給のためにエンジンをOFFすると、図3に示すように、燃料残量センサー11、バッテリ残量センサー12、及び、エネルギー残量取得部21によって、燃料やバッテリ等の現在のエネルギー残量を取得し、エネルギー残量比較部22へ送信する(S01)。次に、エネルギー残量比較部22によって、エネルギー情報DB部23に格納されている前回のエネルギー残量情報を取得する(S02)。次に、エネルギー残量比較部22によって、現在のエネルギー残量と前回のエネルギー残量とを比較する(S03)。現在のエネルギー残量が減っている場合には、エネルギー情報DB部23のエネルギー残量情報を現在のエネルギー残量に更新する(S04)。一方、現在のエネルギー残量が減っていない場合には、更新せずに終了する。
【0041】
エネルギー補給後にエンジンをONすると、図4に示すように、燃料残量センサー11、バッテリ残量センサー12、及び、エネルギー残量取得部21によって、燃料やバッテリ等の現在のエネルギー残量を取得し、エネルギー残量比較部22へ送信する(S11)。次に、エネルギー残量比較部22によって、エネルギー情報DB部23に格納されている前回のエネルギー残量情報を取得する(S12)。次に、エネルギー残量比較部22によって、現在のエネルギー残量と前回のエネルギー残量とを比較する(S13)。現在のエネルギー残量が増えている場合、燃料補給が行われたと判断し、無線通信部24へ通知する。すると、無線通信部24によって、エネルギー供給施設2、他車両4、センター5から上記した各種単価情報を、アンテナ13を解して取得する(S14)。具体的には、無線通信部24は、このエネルギー供給施設2自体のエネルギー単価情報を取得すると共に、エネルギー供給施設2に停車中の自車両3の車両位置(現在位置)を含む所定のエリアのセンター単価情報、すなわち、エネルギー供給施設2の周囲施設のセンター単価情報を取得するように動作する。
【0042】
次に、単価情報判定部25によって、受信した各種単価情報の正確性や鮮度を判定し、使用する単価情報を決定する(S15)。具体的には、単価情報判定部25は、エネルギー供給施設2からエネルギー単価情報を取得した場合には、このエネルギー補給情報から生成するエネルギー単価情報が正確性や鮮度が高いと判断し、これを使用するエネルギー単価情報として決定する。エネルギー供給施設2からエネルギー単価情報を取得できなかったが、他車両4やセンター5から該当エネルギー供給施設2のエネルギー単価情報を取得できた場合には、単価情報判定部25は、このエネルギー単価情報が正確性が高いと判断し、これを使用するエネルギー単価情報として決定する。また、他車両4やセンター5からも該当エネルギー供給施設2のエネルギー単価情報を取得できなかった場合には、単価情報判定部25は、センター5から取得したセンター単価情報、すなわち、エネルギー供給施設2の周辺施設のセンター単価情報を、使用するエネルギー単価情報として決定する。
【0043】
次に、エネルギー情報演算部26によって、取得したエネルギー単価情報(補給量、単価)と、エネルギー情報DB部23のエネルギー残量情報(残量、平均単価)とから、新たなエネルギー残量と車両内エネルギー平均単価とを算出し(S16)、エネルギー情報DB部23に記憶(更新)する(S17)。一方、ステップS13において、現在のエネルギー残量が増えていない場合には、燃料補給が行われなかったものと判断し、ステップS14〜S17の処理を行わずに終了する。
【0044】
その後、走行費用算出部27によって、このエネルギー情報DB部23に記憶されたエネルギー平均単価、エネルギー消費量、走行距離などから、走行費用を算出する。
【0045】
次に、センター5におけるセンター単価情報算出装置50について説明する。図5は、図1に示すセンター5におけるセンター単価情報算出装置50の電気的な構成を示す図である。図5に示すセンター単価情報算出装置50は、無線通信部51と、施設情報管理部52と、施設情報DB部53と、幹線道路マスタ部54と、市区町村エリアマスタ部55と、センター単価情報管理部56と、センター単価情報DB部57とを備えている。ここで、施設情報DB部53が特許請求の範囲に記載の料金情報記憶手段及び施設位置情報記憶手段として機能し、幹線道路マスタ部54及び市区町村エリアマスタ部55が特許請求の範囲に記載の地図情報記憶手段として機能し、センター単価情報管理部56が特許請求の範囲に記載の周辺施設料金情報抽出手段として機能する。
【0046】
無線通信部51は、自車両3や他車両4などの各車両と無線通信を行い、エネルギー供給施設2のエネルギー単価情報の取得や、作成したセンター単価情報の送信を行う。
【0047】
施設情報管理部52は、取得したエネルギー供給施設のエネルギー単価情報を用いて、エネルギー単価情報DB部53に常に最新のエネルギー単価情報が記憶されるように管理を行う。施設情報管理部52は、各車両からエネルギー補給時の現在の位置情報を受信した場合に、エネルギー単価情報DB部53に記憶されているうちの位置情報に該当するエネルギー供給施設のエネルギー単価情報を、無線通信部51を介して送信する。
【0048】
幹線道路マスタ部54は、地図情報、特に幹線道路情報を有しており、市区町村エリアマスタ部55は、地図情報、特に市区町村のエリア情報を有している。
【0049】
センター単価情報管理部56は、エネルギー単価情報DB部53に記録されたエネルギー単価情報、幹線道路マスタ部54の幹線道路情報、市区町村エリアマスタ部55の市区町村エリア情報に基づいて、所定のエリアに存在するエネルギー供給施設のエネルギー単価の平均値を求め、この平均値をセンター単価情報として所定のエリアごとに作成する。そして、センター単価情報管理部56は、これらのセンター単価情報を用いて、センター単価情報DB部57に常に最新のセンター単価情報が記憶されるように管理を行う。そして、センター単価情報管理部56は、各車両からエネルギー補給時の現在の位置情報を受信した場合であって、対応のエネルギー供給施設のエネルギー単価情報がエネルギー単価情報DB部53に存在しない場合に、この位置を含む所定のエリアのセンター単価情報、すなわち、エネルギー補給地点の所望のエネルギー供給施設の周辺施設のセンター単価情報をセンター単価情報DB部57から抽出し、車両へ送信する。
【0050】
次に、図6〜8を参照して、センター5におけるセンター単価情報算出装置50による施設情報管理処理、センター単価情報作成処理、センター単価情報送信処理について説明する。
【0051】
まず、施設情報管理処理について説明する。図6に示すように、無線通信部51によって、自車両3や他車両4などの各車両からエネルギー供給施設のエネルギー単価情報を取得し(S21)、施設情報管理部52によって、取得したエネルギー単価情報のエネルギー供給施設に対応するエネルギー供給施設のエネルギー単価情報を記憶しているか否かの判定を行う(S22)。なお、この判定は、例えば、エネルギー単価情報に含まれる位置情報に基づいて行われる。このエネルギー供給施設のエネルギー単価情報を記憶している場合には、施設情報管理部52は、取得したエネルギー供給施設のエネルギー単価情報によって、エネルギー単価情報DB部53における該当のエネルギー供給施設のエネルギー単価情報の例えば実単価や取得日時などを更新する(S23)。一方、このエネルギー供給施設のエネルギー単価情報を記録していない場合には、施設情報管理部52は、取得したエネルギー供給施設のエネルギー単価情報を新規のエネルギー単価情報としてエネルギー単価情報DB部53に新規登録(追加)を行う(S24)。
【0052】
次に、センター単価情報作成処理について説明する。センター単価情報管理部56によって、所定のエリアに存在するエネルギー供給施設のエネルギー単価の平均値を求め、センター単価情報としてセンター単価情報DB部57に記憶する。例えば、所定のエリアとしては、幹線道路沿線の幹線道路沿線エリア、この幹線道路沿線エリアに含まれない場合のための市区町村エリア、更に、市区町村エリアに含まれない場合の都道府県エリアなどであり、これらのエリアに対するエネルギー単価の平均値をセンター単価情報として記録する。このセンター単価情報作成処理は、任意の期間ごとに行われ、常に最新の情報が更新される。
【0053】
まず、図7に示すように、センター単価情報管理部56は、幹線道路マスタ部54の幹線道路情報、及び、エネルギー単価情報DB部53の各エネルギー供給施設のエネルギー単価情報から、幹線道路沿線エリアにおけるセンター単価情報(幹線道路)を作成する(S31)。例えば、センター単価情報管理部56は、幹線道路マスタの幹線道路から沿線幅しきい値範囲内に存在するエネルギー供給施設のエネルギー単価情報を全て抽出する。そして、センター単価情報管理部56は、エネルギー供給施設間の距離がしきい値範囲内、エネルギー単価幅がしきい値範囲内のエネルギー供給施設のエネルギー単価情報を抽出する。センター単価情報管理部56は、抽出したエネルギー供給施設のエネルギー単価情報から、平均値を有するセンター単価情報(幹線道路)を作成する。
【0054】
また、センター単価情報管理部56は、幹線道路マスタ部54の幹線道理情報、市区町村エリアマスタ部55の市区町村エリア情報、エネルギー単価情報DB部53の各エネルギー供給施設のエネルギー単価情報から、市区町村エリアにおけるセンター単価情報(市区町村)を作成する(S32)。例えば、センター単価情報管理部56は、幹線道路マスタ部54の幹線道路から沿線幅しきい値の範囲外で、市区町村エリアマスタ部55の市区町村において同一市区町村に存在するエネルギー供給施設のエネルギー単価情報と、上記の幹線道路から沿線幅しきい値の範囲内に存在するが、エネルギー供給施設間の距離がしきい値より離れているエネルギー供給施設のエネルギー単価情報と、上記の幹線道路から沿線幅しきい値の範囲内に存在するが、エネルギー単価幅がしきい値の範囲外であるエネルギー供給施設のエネルギー単価情報とを全て抽出する。センター単価情報管理部56は、抽出したエネルギー供給施設のエネルギー単価情報から、平均値を有するセンター単価情報(市区町村)を作成する。
【0055】
また、センター単価情報管理部56は、上記した市区町村エリアの範囲外のエネルギー供給施設のために、例えば、石油情報センターが毎週発表している都道府県の平均エネルギー単価を、都道府県エリアにおけるセンター単価情報(都道府県)として作成する(S33)。
【0056】
そして、センター単価情報管理部56は、各種センター単価情報、すなわち、センター単価情報(幹線道路)、センター単価情報(市区町村)、及び、センター単価情報(都道府県)をセンター単価情報DB部57に記憶させる。(S34)。
【0057】
なお、各種センター単価情報は、エリア種別(例えば、幹線道路、市区町村、都道府県など)、エネルギー種別、詳細種別、エリア範囲(例えば、幹線道路沿線エリアでは始点緯度経度及び終点緯度経度、市区町村エリアでは市区町村コード、都道府県エリアでは都道府県コード)、平均単価、作成日時などを含むことが好ましい。
【0058】
次に、センター単価情報送信処理について説明する。図8に示すように、無線通信部51によって、各車両よりエネルギー補給時の現在の位置情報を受信した場合であって(S41)、所望のエネルギー供給施設2のエネルギー単価情報がエネルギー単価情報DB部53に存在しない場合に、センター単価情報管理部56によって、この位置情報から対応するエリアの判定を行う(S42)。そして、センター単価情報管理部56によって、対応するエリアのセンター単価情報を、無線通信部51を介して各車両へ送信する。例えば、位置情報が幹線道路沿線エリア内を示す場合にはセンター単価情報(幹線道路)を送信し、位置情報が幹線道路沿線エリア外であって市区町村エリア内を示す場合にはセンター単価情報(市区町村)を送信し、位置情報が市区町村エリア外を示す場合にはセンター単価情報(都道府県)を送信する(S43)。
【0059】
ここで、図9を参照して、幹線道路沿線エリアに属するエネルギー供給施設の一例を示す。例えば、幹線道路沿線エリアに属するエネルギー供給施設とは、幹線道路1又は2の沿線に属し、かつ、施設間の距離が距離しきい値Dth=1km以内に属し、かつ、エネルギー単価が単価幅Pth=2円以内に属する施設とする。ここで、幹線道路沿線に属するエネルギー供給施設とは、例えば、幹線道路1又は2に面しているか、又は、幹線道路1又は2には面していないが、幹線道路1又は2から沿線幅しきい値Wth=30m以内であり、幹線道路1又は2に隣接しているとみなす施設とする。
【0060】
なお、エネルギー供給施設が複数の幹線道路1及び2に属する場合には、ぞれぞれの幹線道路に属するものとする。また、エネルギー供給施設が複数の単価エリアに属する場合には、それぞれの単価エリアに属するとするものとする。
【0061】
これによれば、図9に示すエネルギー供給施設GS1〜GS7は、それぞれ以下の通りとなる。GS1は、幹線道路1に面しているので、幹線道路1に属するエネルギー供給施設である。GS2は、幹線道路1には面していないが、幹線道路1から沿線幅しきい値Wth以内であるので、幹線道路1に属するエネルギー供給施設である。GS3は、幹線道路1と幹線道路2との交差点に位置するので、幹線道路1及び2の両方に属するエネルギー供給施設である。GS4、GS5、及び、GS6は、幹線道路2に面しているので、幹線道路2に属するエネルギー供給施設である。GS7は、GS1とは距離が近いが、幹線道路1及び幹線道路2から沿線幅しきい値Wthの範囲外に位置するので、幹線道路1及び幹線道路2に属さないエネルギー供給施設である。
【0062】
次に、エネルギー供給施設間の距離、及び、エネルギー単価の単価幅の判定を行う。表1に、図9に示すエネルギー供給施設GS1〜GS7のエネルギー単価の一例を示す。
【表1】

【0063】
幹線道路1に属する施設GS1、GS2、GS3は、それぞれ、図9に示すように、エネルギー供給施設GS1からエネルギー供給施設GS3までの距離が距離しきい値1km以内である。また、エネルギー供給施設GS1、GS2、GS3は、表1に示すように、エネルギー単価が単価幅しきい値Pth=2円以内である。よって、エネルギー供給施設GS1、GS2、GS3のエネルギー単価の平均値¥118を求め、これを幹線道路1に属する単価エリア1のセンター単価情報(幹線道路1に属する単価エリア1)として、センター単価情報DB部57に記憶する。
【0064】
一方、幹線道路2に属するエネルギー供給施設GS3、GS4、GS5、GS6では、図9に示すように、エネルギー供給施設GS4からエネルギー供給施設GS5まの距離は約1.5kmと距離しきい値Dth=1kmの範囲外であるが、施設GS4から施設GS3までの距離であれば距離しきい値Dth=1km以内である。よって、エネルギー供給施設GS3、GS4、GS6についてエネルギー単価の判定を行う。エネルギー供給施設GS3、GS4、GS6は、エネルギー単価が単価幅しきい値Pth=2円を超える。よって、エネルギー供給施設GS6を単価エリア2の施設から除外して、エネルギー供給施設GS3、GS4のエネルギー単価の平均値¥118を求め、これを幹線道路2に属する単価エリア1のセンター単価情報(幹線道路2に属する単価エリア1)として、センター単価情報DB部57に記憶する。
【0065】
次に、エネルギー供給施設GS3とエネルギー供給施設GS5との距離は距離しきい値Dth=1km以内であり、エネルギー供給施設GS3、GS5のエネルギー単価は単価幅しきい値Pth=2円以内である。よって、エネルギー供給施設GS3、GS5のエネルギー単価の平均値¥118を求め、これを幹線道路2に属する単価エリア2のセンター単価情報(幹線道路2に属する単価エリア2)として、センター単価情報DB部57に記憶する。
【0066】
なお、幹線道路1及び幹線道路2に属さないエネルギー供給施設GS7は、市区町村1に属する単価エリア1のセンター単価情報(市区町村1に属する単価エリア1)として、そのエネルギー単価をセンター単価情報DB部57に記憶する。
【0067】
次に、図10を参照して、市区町村エリアに属するセンター単価情報(市区町村)、及び、都道府県に属するセンター単価情報(都道府県)について一例を示す。
【0068】
各エネルギー供給施設GS1〜GS9の位置を図10に示し、各エネルギー供給施設GS1〜GS9のエネルギー単価を表2に示す。
【表2】

【0069】
上記同様にして、幹線道路に属するエネルギー供給施設、すなわち沿線幅しきい値Wthを満たすエネルギー供給施設GS1、GS3、GS5、GS6、GS7、GS8を、距離しきい値Dth及び単価幅しきい値Pthを満たす施設GS1、GS3を含む単価エリアAと、距離しきい値Dth及び単価幅しきい値Pthを満たすエネルギー供給施設GS5、GS7、GS8を含む単価エリアBとに分割する。なお、エネルギー施設GS6は単価幅しきい値Pthを満たさないので単価エリアBから除外する。そして、単価エリア1のエネルギー単価の平均値¥119をセンター単価情報(幹線道路の単価エリアA)とし、単価エリア2のエネルギー単価の平均値¥122をセンター単価情報(幹線道路の単価エリアB)とする。
【0070】
一方、幹線道路単価エリアA、Bに属さないが、市区町村単価エリアCに属するエネルギー供給施設GS2、GS4、GS6、GS9のエネルギー単価の平均値¥122をセンター単価情報(市区町村の単価エリアC)とする。また、幹線道路単価エリアA、B及び市区町村単価エリアCに属さない施設のために、例えば、石油情報センターで調査している単価¥125をセンター単価情報(都道府県)とする。
【0071】
このようにして、表3に示すような各種センター単価情報をセンター単価情報DB部57に記憶すると共に、これらのセンター単価情報を定期的に求め直し、センター単価情報DB部57における各種センター単価情報を最新の情報に更新するものとする。
【表3】

【0072】
以上説明したように、本実施形態の走行費用算出システム1によれば、所望のエネルギー供給施設2のエネルギー単価情報を取得できない場合には、所望のエネルギー供給施設2によるエネルギー補給時の現在位置を含む所定のエリアのセンター単価情報、すなわち、所望のエネルギー供給施設2の周辺施設のエネルギー単価情報に基づいて(換言すれば、以前に記憶した他のエネルギー供給施設のエネルギー単価情報に基づいて)走行費用を算出するので、所望のエネルギー供給施設2のエネルギー単価情報が未知であっても、実際に掛かった走行費用を算出することができる。
【0073】
ここで、エネルギー供給施設のエネルギー単価情報は地域単位で近いことが多いので、所望のエネルギー供給施設2の周辺施設のエネルギー単価情報に基づいて算出した走行費用は、比較的に高精度である。
【0074】
また、エネルギー供給施設のエネルギー単価は、国道などの幹線道路沿線の施設単位で近いことが多い。本実施形態の走行費用算出システム1によれば、道路ごとに抽出した所望のエネルギー供給施設2の周辺施設のエネルギー単価情報に基づいて走行費用を算出するので、所望のエネルギー供給施設2のエネルギー単価情報が未知であっても、より高精度に、実際に掛かった走行費用を算出することができる。
【0075】
また、本実施形態の走行費用算出システム1によれば、道路から所定の距離しきい値の範囲内に位置する所望のエネルギー供給施設2の周辺施設のエネルギー単価情報に基づいて、すなわち、より狭範囲に絞り込んで抽出した所望のエネルギー供給施設2の周辺施設のエネルギー単価情報に基づいて走行費用を算出するので、所望のエネルギー供給施設2のエネルギー単価情報が未知であっても、より高精度に、実際に掛かった走行費用を算出することができる。
【0076】
また、エネルギー供給施設のエネルギー単価情報は、同一地域内でもばらつきが大きいことがある。本実施形態の走行費用算出システム1によれば、所定の料金しきい値幅の範囲外であってばらつきの要因であるエネルギー供給施設を除く所望のエネルギー供給施設2の周辺施設のエネルギー単価情報に基づいて走行費用を算出するので、所望のエネルギー供給施設2のエネルギー単価情報が未知であっても、より高精度に、実際に掛かった走行費用を算出することができる。
[本発明の走行費用算出装置]
【0077】
上記した走行費用算出システム1では、施設情報管理処理、センター単価情報作成処理、センター単価情報送信処理をセンター5におけるセンター単価情報算出装置50が行う形態を例示したが、これらの処理を自車両3における走行費用算出装置10において行ってもよい。その一例を以下に示す。
【0078】
図11は、本発明の実施形態の走行費用算出装置10Aの電気的な構成を示す図である。図11に示す走行費用算出装置10Aは、第1の実施形態の走行費用算出装置10に加えて、センター単価情報算出装置50の主な構成要素を備えている。
【0079】
具体的には、走行費用算出装置10Aは、走行費用算出装置10においてECU20に代えてECU20Aを備えている点で走行費用算出装置10と異なっている。ECU20Aは、ECU20に加えて更に、センター単価情報算出装置50における施設情報管理部52と、施設情報DB部53と、幹線道路マスタ部54と、市区町村エリアマスタ部55と、センター単価情報管理部56と、センター単価情報DB部57とを備えている。
【0080】
なお、走行費用算出システム1では、施設情報管理部52及びセンター単価情報管理部56と無線通信部24とは無線通信によって接続されたが、本実施形態の走行費用算出装置10Aでは有線通信によって接続されることとする。この点を除き、ECU20Aにおける各構成要素は、上記と同様の機能を有するものである。
【0081】
この走行費用算出装置10Aによれば、上記した走行費用算出システム1と同様の利点を自車両のみで実現することが可能となる。
【0082】
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、本実施形態では、施設としてエネルギー供給施設を例示し、料金情報としてエネルギー単価情報を例示したが、施設や料金情報としては本実施形態に限定されることなく、様々な態様であってよい。例えば、施設としては駐車場であり、料金情報としては駐車料金単価情報といった態様も考えられる。
【符号の説明】
【0083】
1…走行費用算出システム、2…エネルギー供給施設、3…自車両、4…他車両、5…センター、10,10A…走行費用算出装置、11…燃料残量センサー、12…バッテリ残量センサー、13…アンテナ、21…エネルギー残量取得部、22…エネルギー残量比較部、23…エネルギー情報DB部、24…無線通信部(料金情報取得手段、位置情報取得手段)、25…単価情報判定部、26…エネルギー情報演算部、27…走行費用算出部(走行費用算出手段)、50…センター単価情報算出装置、51…無線通信部、52…施設情報管理部、53…施設情報DB部(料金情報記憶手段、施設位置情報記憶手段)、54…幹線道路マスタ部(地図情報記憶手段)、55…市区町村エリアマスタ部(地図情報記憶手段)、56…センター単価情報管理部(周辺施設料金情報抽出手段)、57…センター単価情報DB部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の料金情報を取得する料金情報取得手段と、
前記料金情報取得手段によって取得した料金情報に基づいて走行費用を算出する走行費用算出手段と、
前記料金情報取得手段によって取得した料金情報を施設ごとに記憶する料金情報記憶手段と、
を備え、
前記走行費用算出手段は、所望の施設を利用する際に、前記料金情報取得手段によって前記所望の施設の料金情報を取得できない場合に、前記料金情報記憶手段に記憶した他の施設の料金情報に基づいて走行費用を算出することを特徴とする、
走行費用算出装置。
【請求項2】
現在の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
位置情報を施設ごとに記憶する施設位置情報記憶手段と、
前記位置情報取得手段によって取得した現在の位置情報、及び、前記施設位置情報記憶手段に記憶された施設ごとの位置情報に基づいて、前記料金情報記憶手段から現在位置の周辺施設の料金情報を抽出する周辺施設料金情報抽出手段と、
を更に備え、
前記走行費用算出手段は、前記所望の施設を利用する際に、前記料金情報取得手段によって前記所望の施設の料金情報を取得できない場合に、前記周辺施設料金情報抽出手段によって抽出した現在位置の周辺施設の料金情報に基づいて走行費用を算出することを特徴とする、
請求項1に記載の走行費用算出装置。
【請求項3】
地図情報を記憶する地図情報記憶手段を更に備え、
前記周辺施設料金情報抽出手段は、前記周辺施設の料金情報を前記地図情報における道路ごとに抽出することを特徴とする、
請求項2に記載の走行費用算出装置。
【請求項4】
前記周辺施設料金情報抽出手段は、前記道路から所定の距離しきい値の範囲内に位置する前記周辺施設の料金情報を抽出することを特徴とする、
請求項3に記載の走行費用算出装置。
【請求項5】
前記周辺施設料金情報抽出手段は、所定の料金しきい値幅の範囲内である前記周辺施設の料金情報を抽出することを特徴とする、
請求項2〜4の何れかに記載の走行費用算出装置。
【請求項6】
車両とセンターとを備える走行費用算出システムにおいて、
前記車両は、
施設の料金情報を取得する料金情報取得手段と、
前記料金情報取得手段によって取得した料金情報に基づいて走行費用を算出する走行費用算出手段と、
を備え、
前記センターは、前記料金情報取得手段によって取得した料金情報を施設ごとに記憶する料金情報記憶手段を備え、
前記走行費用算出手段は、所望の施設を利用する際に、前記料金情報取得手段によって前記所望の施設の料金情報を取得できない場合に、前記料金情報記憶手段に記憶した他の施設の料金情報に基づいて走行費用を算出することを特徴とする、
走行費用算出システム。
【請求項7】
前記車両は、現在の位置情報を取得する位置情報取得手段を更に備え、
前記センターは、
位置情報を施設ごとに記憶する施設位置情報記憶手段と、
前記位置情報取得手段によって取得した現在の位置情報、及び、前記施設位置情報記憶手段に記憶した施設ごとの位置情報に基づいて、前記料金情報記憶手段から現在位置の周辺施設の料金情報を抽出する周辺施設料金情報抽出手段と、
を更に備え、
前記走行費用算出手段は、前記所望の施設を利用する際に、前記料金情報取得手段によって前記所望の施設の料金情報を取得できない場合に、前記周辺施設料金情報抽出手段によって抽出した現在位置の周辺施設の料金情報に基づいて走行費用を算出することを特徴とする、
請求項6に記載の走行費用算出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−13155(P2011−13155A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159077(P2009−159077)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】