説明

超伝導量子干渉素子用電子回路

【課題】 DC−SQUIDの臨界電流を測定する際の鋸歯状電流の周波数が高い場合でも、その統計平均を、簡便、かつ、正確に測定することのできる超伝導量子干渉素子用電子回路を提供する。
【解決手段】 超伝導量子干渉素子2に鋸歯波電流を印加する鋸歯波電流発生回路3と、サンプルホールド回路7と、超伝導量子干渉素子2に臨界電流が印加されたときの有限電圧を検出しサンプルホールド回路7へサンプルホールド制御信号6Aを発生する回路と、サンプルホールド回路7の出力に接続されるローパスフィルタ8と、ローパスフィルタ8により抽出された直流電圧を測定する直流電圧計9と、を含み、サンプルホールド回路7に入力される鋸歯波電流発生回路3の信号により超伝導量子干渉素子2の臨界電流を測定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超伝導量子干渉素子の臨界電流を測定するための超伝導量子干渉素子用電子回路に関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導量子干渉素子(Superconducting Quantum Interference Device 、以下適宜SQUIDとも呼ぶ)は、超伝導リング内にジョセフソン接合を有する素子であり、ジョセフソン接合が2つの場合はDC−SQUIDと呼ばれている。このDC−SQUIDを使用すれば、微弱な磁束が検出できるので、高感度の磁束計として用いられている。
【0003】
図5は、非特許文献1で報告されているDC−SQUIDの電流電圧特性の一例を示す図であり、挿入図がDC−SQUIDの電流電圧特性である。図の縦軸は電流(nA)を示し、横軸は電圧(μV)を示している。図示するように、電流があるしきい値を越えたときに、DC−SQUIDにはゼロでない電圧が発生するが、そのしきい値を臨界電流とよぶ。臨界電流が磁束の関数となることを利用すると、臨界電流の測定を通じて磁束を検出することができる。
【0004】
測定される臨界電流はいろいろな原因により統計的ゆらぎをもつ。この統計的ゆらぎの原因としては、熱的ゆらぎや外来雑音がある。微小なジョセフソン接合を用いたDC−SQUIDでは、それらに加えて量子的なゆらぎの効果が大きく、臨界電流のばらつきは絶対値の10%以上になる場合もある。このような微小なジョセフソン接合によるDC−SQUIDの量子的なゆらぎが無視できないほど大きい場合において、磁束を求めるためには、臨界電流の統計平均を測定しなければならない。
【0005】
DC−SQUIDにおける臨界電流の従来の測定においては、鋸歯状電流をDC−SQUIDに流し、電圧が発生するときの電流値を毎回AD変換器で記録し、その値の統計平均をコンピュータで求めることが行われてきた(例えば、非特許文献1参照)。
図5は、非特許文献1で報告されているDC−SQUIDの臨界電流のバラツキの一例を示す図である。図の縦軸は回数を示し、横軸は臨界電流(nA)を示している。図示するように、臨界電流には大きなゆらぎが生じていることが分かる。
【0006】
図6は、非特許文献1で報告されているDC−SQUIDの臨界電流のバラツキの一例を示す図である。図6において、縦軸は臨界電流(nA)を示し、横軸(ΦSQUID )は外部から印加した磁束である。挿入図は、統計的ゆらぎのある臨界電流をそのままプロットしたものである。それをコンピュータで処理し統計平均を求めたものをプロットしたものが拡大図である。これから、従来の臨界電流の測定では、臨界電流の測定においてバラツキがあることが分かる。
【0007】
【非特許文献1】Caspar H. van der Wal他7名, "Quantum Superposition of Macroscopic Persistent-Current States", Science, Vol.290, pp.773-777, 2000
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のDC−SQUIDにおける臨界電流の測定では、鋸歯状電流の周波数が高くなると、高速のAD変換器やコンピュータが必要となり、この方式では測定が難しくなるという課題がある。
【0009】
本発明は上記課題に鑑み、DC−SQUIDの臨界電流を測定する際の鋸歯状電流の周波数が高い場合でも、その統計平均を、簡便、かつ、正確に測定することができる、超伝導量子干渉素子用電子回路を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の超伝導量子干渉素子用電子回路は、超伝導量子干渉素子に鋸歯波電流を印加する鋸歯波電流発生回路と、サンプルホールド回路と、超伝導量子干渉素子に臨界電流が印加されたときの有限電圧を検出し、サンプルホールド回路へサンプルホールド制御信号を発生する回路と、サンプルホールド回路の出力に接続されるローパスフィルタと、ローパスフィルタにより抽出された直流電圧を測定する直流電圧計と、を含み構成される超伝導量子干渉素子用電子回路であって、サンプルホールド回路に入力される鋸歯波電流発生回路の信号により超伝導量子干渉素子の臨界電流を測定することを特徴とする。
上記構成において、超伝導量子干渉素子は、好ましくは、DC−SQUIDである。
また、好ましくは、サンプルホールド制御信号を発生する回路は、プリアンプとコンパレータ回路と単安定マルチバイブレータと、を含み構成される。
【0011】
上記構成によれば、超伝導量子干渉素子用電子回路において、臨界電流が印加されたときの有限電圧を検出し、この有限電圧によりサンプルホールド回路の制御信号を得て、サンプルホールド回路に入力される鋸歯波電流発生回路から臨界電流を、簡単に、かつ、正確に測定することができる。これにより、超伝導量子干渉素子からの信号をバラツキなく安定に検出できる超伝導量子干渉素子用電子回路を提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の超伝導量子干渉素子用電子回路によれば、DC−SQUIDの臨界電流を測定する際の鋸歯状電流の周波数が高い場合でも、その統計平均を、簡便、かつ、正確に測定することのできる、超伝導量子干渉素子用電子回路を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態を図面により詳細に説明する。なお、実質的に同一の部材または同一の部分には同一の符号を付して説明する。
最初に、本発明の超伝導量子干渉素子用電子回路の実施形態を説明する。
図1は本発明の超伝導量子干渉素子用電子回路の構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の超伝導量子干渉素子用電子回路1は、DC−SQUID2に電流を供給する鋸歯波電流発生回路3と、プリアンプ4と、コンパレータ回路5と、単安定マルチバイブレータ6と、サンプルホールド回路7と、ローパスフィルタ8と、直流電圧計9と、を含み構成されている。
なお、図中の点線で囲んでいる領域10は、DC−SQUID2が収容されている。この領域10は、DC−SQUID2が動作する温度に保持されている液体ヘリウムやヘリウム冷凍機などによるクライオスタットなどの容器を示している。
【0014】
DC−SQUID2は、その一例を図示しているが、略半円帯状の超伝導体2A,2Bがリング状に配置され、それらの両端部に図示しない絶縁体が挟まれて、ジョセフソン接合2C,2Dが形成されている。そして、ジョセフソン接合2C及び2Dから約90°離れた位置に、電流端子2E,2Fが設けられている。ジョセフソン接合2C及び2Dは、例えば、超伝導体2A,絶縁体,超伝導体2Bから構成されている。ここで、超伝導体2A,2Bは、同じ材料を用いてもよい。また、絶縁体も同じ材料を用いてもよい。
【0015】
DC−SQUID2の電流端子2Eには、鋸歯波電流発生回路3からバイアス電流が印加され、電流端子2Fが接地されている。そして、電流端子2E,2Fの両端に生じる電圧が、DC−SQUID2に接続されるプリアンプ4に入力される。
【0016】
鋸歯波電流発生回路3は、鋸歯状波発生回路3Aと、この鋸歯状波発生回路3Aで発生させた電圧を電流に変換する電圧電流変換回路3Bと、から構成されている。ここで、鋸歯状波発生回路3Aは、鋸歯状の波や所謂三角波状の波を発生させる回路である。
【0017】
プリアンプ4は、DC−SQUID2に発生する微小電圧を増幅する。この増幅した信号は、プリアンプ4の後段に接続されるコンパレータ回路5に出力される。プリアンプ4の増幅度は、コンパレータ回路5で処理するのに十分な電圧が得られるように選定されている。
【0018】
コンパレータ回路5は、DC−SQUID2がゼロ電圧の状態から有限電圧の状態に変化したことを検出するために使用する。このコンパレータ回路5は、例えば演算増幅器(以下、適宜オペアンプと呼ぶ)を用いた電圧比較器を用いることができる。図示の場合には、プリアンプ4の出力電圧4Aと基準電圧Vthとが、オペアンプに入力される場合を示している。
したがって、DC−SQUID2に鋸歯波電流が印加されて、その電流が増加して有限電圧の状態に変化した場合には、プリアンプ4には出力電圧4Aが生じる。この出力電圧4Aが基準電圧Vthよりも大きくなったときに、ステップ信号5Aがコンパレータ回路5から出力される。
【0019】
単安定マルチバイブレータ6は、上記コンパレータ回路のステップ信号5Aが入力される。これにより、単安定マルチバイブレータ6は、コンパレータ回路5からのステップ信号5Aが入力したときに、設定された有限の長さのパルス6Aを出力する。
【0020】
サンプルホールド回路7は、単安定マルチバイブレータ6からパルス6Aが入力されたとき、鋸歯状波発生回路3Aの出力電圧をホールドするために使用する。図に示すサンプルホールド回路7は、サンプル時間を制御するスイッチ12と電圧ホールド用コンデンサ13とから構成されている。スイッチの一端12Aにはサンプル信号が入力され、その他端12Bが、電圧ホールド用コンデンサ13に接続されている。このスイッチ12は、サンプルホールド制御信号が印加されている時間だけ閉となり、サンプル信号が電圧ホールド用コンデンサ13に印加される。そして、スイッチ12が開となると、電圧ホールド用コンデンサ13に充電された電圧は、一定の電圧を保つ、所謂ホールド状態となる。
【0021】
上記サンプルホールド回路7においては、サンプル信号が鋸歯状波発生回路3Aで発生させた電圧であり、サンプルホールド制御信号が単安定マルチバイブレータからの出力信号6Aとなっている。また、鋸歯状波発生回路3Aで発生させた電圧は、電圧電流変換回路3Bによって電流に変換される。したがって、鋸歯状波発生回路3Aで発生させた電圧とDC−SQUID2に印加される電流とは1対1で対応する。これにより、サンプルホールド回路の出力電圧7Aは、鋸歯状波発生回路3Aで発生させた電圧であるので、DC−SQUID2の臨界電流とは1対1で対応することになる。そして、このサンプルホールド回路の出力7Aが後段のローパスフィルタ8に接続される。
【0022】
ローパスフィルタ8は、上記サンプルホールド回路7からの出力電圧7Aから直流電圧8Aを抽出する。
【0023】
直流電圧計9は上記ローパスフィルタ8に接続していて、ローパスフィルタから抽出した直流電圧8Aを計測する。
【0024】
本発明の超伝導量子干渉素子用電子回路1によれば、サンプルホールド回路からの出力電圧7Aが、DC−SQUID2の臨界電流と1対1で対応しているので、この出力電圧7Aをローパスフィルタ8に通すことにより、サンプルホールド回路の出力電圧7Aの時間平均が得られる。これを直流電圧計9で測定することによりDC−SQUID2の臨界電流の値を正確に測定することができる。
【0025】
DC−SQUID2の臨界電流に統計的ゆらぎがあるときには、サンプルホールド回路の出力電圧7Aは、鋸歯状電圧の掃引ごとに異なっているが、この電圧をローパスフィルタ8に通すことにより、サンプルホールド回路の出力電圧7Aの時間平均が得られるので、この測定された電圧が、DC−SQUID2の臨界電流の統計平均を与える値として測定することができる。
【0026】
本発明の超伝導量子干渉素子用電子回路1は以上のように構成されており、以下のように動作する。
図2は、本発明の超伝導量子干渉素子用電子回路1の各部の動作状態を模式的に示すタイミングチャートであり、それぞれ(A)は鋸歯状波発生回路3Aの電圧波形、(B)はプリアンプの出力4Aの電圧波形、(C)はコンパレータ回路の出力5Aの電圧波形、(D)は単安定マルチバイブレータからのパルス6Aの電圧波形、(E)はサンプルホールド回路の出力7Aの電圧波形を示している。図の縦軸がそれぞれの波形の電圧振幅を示し、横軸が時間である。
先ず、DC−SQUID2に鋸歯波電流発生回路3から電流が印加され、t1 という時刻で臨界電流が流れ、有限電圧の状態に変化する(図2(A)の時刻t1 参照))。この有限電圧がプリアンプ4で増幅され、プリアンプから出力電圧4Aがコンパレータ回路5に出力される(図2(B)参照)。
次に、コンパレータ回路5は、プリアンプ出力と基準電圧Vthとを比較して、ステップ信号5Aを出力する(図2(C)参照)。
単安定マルチバイブレータ6は、上記コンパレータ回路のステップ信号5Aが入力されると、図示の場合にはts の長さのパルス6A、即ち、サンプルホールド制御信号をサンプルホールド回路7に出力する(図2(D)参照)。
サンプルホールド回路7は、単安定マルチバイブレータ6からサンプルホールド制御信号6Aが入力されたとき、サンプル時間ts の間は鋸歯状波発生回路3Aの出力電圧に追随した電圧を出力し、サンプル時間ts が終了した後は、所定のホールド時間th の間、ホールド電圧を出力し続ける(図2(E)参照)。
このホールド電圧がローパスフィルタ8に出力され、抽出された直流電圧8Aが直流電圧計9で計測される。上記したように、この直流電圧からDC−SQUID2の臨界電流が求まる。
【0027】
本発明の超伝導量子干渉素子用電子回路1によれば、鋸歯状波発生回路3Aの周波数が高くなってもその周波数で動作するサンプルホールド回路7により鋸歯状波発生回路3Aで発生させた電圧をホールドしている。このホールドした電圧の内、ローパスフィルタ8を通過した直流電圧によりDC−SQUID2の臨界電流を測定することができる。
したがって、本発明の超伝導量子干渉素子用電子回路1によれば、従来のDC−SQUIDの臨界電流測定に用いていたAD変換器が不要となる。このため、AD変換器からのデジタル信号を取得して信号処理をするコンピュータも不要となる。これにより、本発明の超伝導量子干渉素子用電子回路1は構成が簡単で、低コストで製造することができる。また、鋸歯状波発生回路3Aの周波数が高くなってもその周波数で動作するサンプルホールド回路7により構成できるので、高速動作のAD変換器及び高速コンピュータも不要となる。
【実施例】
【0028】
次に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
実施例として、DC−SQUID2を用いた超伝導量子干渉素子用電子回路20を製作した。
図3は、実施例のDC−SQUID2を用いた超伝導量子干渉素子用電子回路20の構成を示す回路図である。基本的には、超伝導量子干渉素子用電子回路1の回路と同様である。鋸歯波電流発生回路3の電圧電流変換回路3Bは、オペアンプ21,22と抵抗により構成した。また、単安定マルチバイブレータ6としては、TI社製のSN74121を用い、サンプルホールド回路7としては、アナログ・デバイセズ社製のAD783を用いた。ローパスフィルタ8としては、抵抗23及びコンデンサ24からなる回路又は高次のローパスフィルタを用いた。
【0029】
このような構成による実施例の超伝導量子干渉素子用電子回路20によりDC−SQUID2の臨界電流を測定した。
図4は、実施例の超伝導量子干渉素子用電子回路20により測定したDC−SQUID2の臨界電流を示す図である。図において、縦軸は臨界電流の統計平均値(nA)を示し、横軸は磁場を加えるための電磁石に流した電流(mA)であり、外部から印加されている磁場に比例している。図4から明らかなように、実施例の超伝導量子干渉素子用電子回路20にて測定された臨界電流においては、図6の非特許文献1の場合と比較して、非常にバラツキの少ないスムーズな波形が得られることが分かる。
【0030】
図4に示す実施例の測定においては、鋸歯状波の周波数は1kHz、サンプル時間ts =700ns、ホールド時間はth =約1msであった。鋸歯状波の周波数は、約1MHz以上であっても使用可能であった。
【0031】
本発明は、上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。本発明に用いるDC−SQUIDやサンプルホールド回路などの各回路は、その使用目的に応じて、適宜に選択あるいは設計すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の超伝導量子干渉素子用電子回路の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の超伝導量子干渉素子用電子回路の各部の動作状態を模式的に示すタイミングチャートであり、それぞれ(A)は鋸歯状波発生回路の電圧波形、(B)はプリアンプの出力の電圧波形、(C)はコンパレータ回路の出力の電圧波形、(D)は単安定マルチバイブレータからのパルスの電圧波形、(E)はサンプルホールド回路の出力の電圧波形を示している。
【図3】実施例のDC−SQUIDを用いた超伝導量子干渉素子用電子回路の構成を示す回路図である。
【図4】実施例の超伝導量子干渉素子用電子回路により測定したDC−SQUIDの臨界電流を示す図である。
【図5】非特許文献1で報告されているDC−SQUIDの電流電圧特性の一例を示す図である。
【図6】非特許文献1で報告されているDC−SQUIDの臨界電流のバラツキの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1,20:超伝導量子干渉素子用電子回路
2:DC−SQUID
2A,2B:超伝導体
2C,2D:ジョセフソン接合
2E,2F:電流端子
3:鋸歯波電流発生回路
3A:鋸歯状波発生回路
3B:電圧電流変換回路
4:プリアンプ
4A:プリアンプ出力電圧
5:コンパレータ回路
5A:コンパレータ回路の出力信号(ステップ信号)
6:単安定マルチバイブレータ
6A:パルス
7:サンプルホールド回路
7A:サンプルホールド回路の出力
8:ローパスフィルタ
8A:直流電圧
9:直流電圧計
10:クライオスタット
12:スイッチ
13:電圧ホールド用コンデンサ
21,22:オペアンプ
23:抵抗
24:コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超伝導量子干渉素子に鋸歯波電流を印加する鋸歯波電流発生回路と、
サンプルホールド回路と、
上記超伝導量子干渉素子に臨界電流が印加されたときの有限電圧を検出し、上記サンプルホールド回路へサンプルホールド制御信号を発生する回路と、
上記サンプルホールド回路の出力に接続されるローパスフィルタと、
上記ローパスフィルタにより抽出された直流電圧を測定する直流電圧計と、
を含み構成される超伝導量子干渉素子用電子回路であって、
上記サンプルホールド回路に入力される鋸歯波電流発生回路の信号により上記超伝導量子干渉素子の臨界電流を測定することを特徴とする、超伝導量子干渉素子用電子回路。
【請求項2】
前記超伝導量子干渉素子は、DC−SQUIDであることを特徴とする、請求項1に記載の超伝導量子干渉素子用電子回路。
【請求項3】
前記サンプルホールド制御信号を発生する回路が、プリアンプとコンパレータ回路と単安定マルチバイブレータと、を含み構成されることを特徴とする、請求項1に記載の超伝導量子干渉素子用電子回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−329835(P2006−329835A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−154619(P2005−154619)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】