説明

超音波およびX線システムの組み合わせ

本発明は、2D透視画像において介入デバイスを検出および追跡し、超音波プローブ・ビームをこのデバイスのほうに方向制御することを提案する。したがって、超音波プローブが透視画像において位置合わせされる方法および対応するシステムが提案される。位置合わせは、透視検査に対するプローブの位置および配向を推定することを含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はX線案内された手順に関する。特に、本発明は、X線画像を処理する方法に関する。さらに、本発明は、X線システムおよび超音波システムを有するシステムであって、前記方法を実行するためのコンピュータ・プログラムを備えたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像に案内された医療および外科手順の課題の一つは、介入〔インターベンション〕の前または介入の間に患者が受けたことがありうる多くの撮像技法によって与えられる情報を効率的に使うことである。
【0003】
心臓学では、たとえば医師はしばしばCアームによって取得されたリアルタイムのX線画像へのアクセスをもつ。こうした画像は非常によい空間的および時間的精度をもち、細いカテーテルおよび他の介入ツールの進行を精密にたどることを可能にする。しかしながら、軟組織はそうした画像ではかろうじて見えるだけで、さらに、そうした画像は投影像なので、介入シーンの体積幾何構造への直接的なアクセスを与えない。この重要な情報へのアクセスを得るためには、解決策は、3Dでありかつ軟組織を画像化できる第二の撮像モダリティを使うことにある。
【0004】
この第二の撮像システムについての一つの可能な選択は、3D超音波撮像である。このモダリティの利点は、外科手順の間にリアルタイムで使用できるということである。心臓学的手順において、経食道プローブが心臓のすぐ隣をナビゲートされ、標準的な経胸壁超音波ではほとんど見えない解剖学的詳細をもつリアルタイムの体積画像を生成することができる。
【0005】
現在このモダリティ組み合わせに関わる典型的な介入は、心房細動についてのアブレーション、卵円孔開存(PFO)閉鎖(または他の中隔欠損修復)および経皮的弁修復(PVR: percutaneous valve repair)である。これらの介入すべてはX線中心的であるが、そのすべてにおいて、超音波の同時関与が、軟組織解剖学的構造に対するツール/体内補綴物の配置をモニタリングするために非常に役立つか、完全に必須である。
【0006】
超音波プローブは解剖学的構造の非常に有用な画像をもたらすことができるが、重要な欠点は、時間的な取得フレーム・レートと視野の広がりとの間に存在する妥協である。したがって、高いフレーム・レートで画像を取得するためには小さな視野をもつことが必要である。
【0007】
しかしながら、しばしば、取得フレーム・レートによって制約されるが、同時に視覚化されるべき領域を含むべきである最適な視野を選択することは難しい。
【0008】
一般に、大きな視野をもつ体積がまず取得され、関心領域に対応するこの最初の取得内の小さなサブ領域を選択するために使われる。多くの介入において、関心領域は介入ツールまたはその一部を含む。よって、実際上、取得体積は介入ツールのまわりを目標とされることができる。残念ながら、介入ツールは、超音波では、アーチファクト(音響反射、影など)および限られた空間分解能のため簡単に視覚化されることはできない。
【0009】
結果として、介入器具を包含するようにするプローブ・ビームの実際の操縦はおぼつかないものであり、特別な技量および注意力を必要とする。このことは、解剖学的構造およびデバイスの両方が強い動きを受ける介入(心房細動アブレーション、PFO閉鎖、PVR)では一層悪くなる。
【0010】
X線位置合わせを通じた超音波は通例、両モダリティによって可視化される共通の構造を揃えることをねらいとする画像ベースの位置合わせ技法を使って実行される。このアプローチにはいくつかの欠点がある。
【0011】
重要な欠点は、視野内に位置合わせ目印を含めることの難しさである。経食道心エコー図検査(TEE: trans-esophageal echocardiograms)ではそうした目印は非常に限られることがある。さらに、心臓の輪郭のような自然の目印は、X線で見えないので使うことができない。介入ツールを位置合わせ目印と使うことは、ノイズおよびアーチファクトのため超音波体積において明瞭に定義されないので、困難である。
【0012】
超音波のX線への位置合わせは、X線撮像システムに対する超音波プローブの位置を与える追跡システムを使っても達成される。残念ながら、超音波プローブには、X線撮像システムに取り付けることのできる標準的な追跡システムがついてこない。磁気デバイスのような物理的な追跡子(tracker)を使ってその欠乏をギャップするよう多くのシステムが設計されてきた。そうしたシステムは、高価になることがあり、いくつかの欠点を有する。干渉によって破綻することがあり、誤りを生じやすい追加的な較正ステップを必要とすることがあるのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
超音波およびX線画像の組み合わせのためのシステムおよび方法を提供することが本発明の目的である。
【0014】
X線画像において超音波プローブの位置および配向を検出するためのシステムおよび方法を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0015】
超音波およびX線画像両方のよりよい視覚化のためのシステムおよび方法を提供することが本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これは、各独立請求項の主題によって達成される。さらなる実施形態は、各従属請求項において記載される。
【0017】
一般に、これは、超音波およびX線画像の組み合わせのための方法であって、X線画像を受け取る段階と、前記X線画像において超音波プローブを検出する段階と、ある基準座標系に対する前記プローブの位置および配向の推定を含む前記プローブを位置合わせする段階とを含む方法によって達成される。
【0018】
前記基準座標系はいかなるあらかじめ決定された座標系であってもよいことを注意しておく。たとえば、前記基準座標系はX線画像の平面内であってもよく、あるいは、当該方法を実行する間に使用されうるX線システムのCアームに対して定義されてもよい。
【0019】
本発明のもう一つの実施形態によれば、当該方法は、前記プローブの3Dモデルのデジタル・レンダリングされた投影を、前記X線画像中の検出されたプローブとマッチングする段階をさらに含み、前記プローブの位置および配向の前記推定は前記プローブの前記3Dモデルから取得される。
【0020】
その実施形態のもう一つの側面によれば、前記3Dモデルは、CT取得から取得される、あるいは計算機援用設計モデルである。
【0021】
したがって、超音波プローブの2D X線画像は、前記プローブの3D収集または計算機援用設計(CAD: computer-aided design)のいずれであることもできる前記プローブの3Dモデルと位置合わせされてもよい。この位置合わせは、前記プローブのデジタル・レンダリングされた放射線写真と、前記プローブの現実のX線投影をマッチングすることによって達成される。グラフィック処理ユニット(GPU: graphic processing unit)ベースのアルゴリズムが、効率的な仕方でデジタル・レンダリングされた放射線写真を生成するために使用されてもよいことを注意しておく。
【0022】
超音波プローブの2D-3D位置合わせは、X線撮像システムに対する前記プローブの3D姿勢を与える。超音波画像のX線画像とのマージまたは拡大された視野を構築するための超音波体積複合(compounding)といったいくつかの興味深い応用がある。
【0023】
当該方法はさらに、前記X線画像における前記プローブの取得設定を視覚化する段階を含んでいてもよい。これにより、操作者は、X線において視覚化された情報のおかげで、簡単に取得設定を調整できる。これは、介入手順の際の超音波取得システムの取得設定を変更する対話的な方法を提供する。
【0024】
取得設定は、超音波プローブの視野であってもよい。超音波プローブの視野の体積は、3Dの切頂角錐として表現されることができる。この角錐は、超音波システムによって視覚化されることのできる領域の輪郭〔アウトライン〕によって示されてもよい。さらに、この角錐は、その中心および前記プローブの超音波センサーまでの距離、前記角錐の幅、長さ、角度および/または深さのようなパラメータによって定義されてもよい。視野の体積は、平面に垂直な方向の一定の厚さをもつ一つの平面における切頂角錐であってもよい。適切な較正をすれば、この切頂角錐はX線画像に投影され、表示されることができる。操作者がプローブの取得を変える際、X線画像における取得体積の表示が自動的に更新されて、操作者に対して直接的なフィードバックを与える。
【0025】
あるいはまた、主方向、角度、距離、フレーム・レートまたは座標系のような一つまたは複数のパラメータがX線画像において可視化されてもよい。そのようなパラメータの視覚化は、たとえばX線画像中の適切な位置における点もしくは線または数値によって与えられてもよい。主方向は、超音波プローブにおける超音波センサー(単数または複数)の表面に垂直な方向であってもよい。距離は、超音波センサーの、視野の中心までの、または基準座標系の中心までの、またはやはりX線画像において可視である介入デバイスまでの、またはX線画像中の他の任意の所定の点までの距離であってもよい。
【0026】
これは、X線取得システムにおける直接的な可視化を通じた、超音波取得システムの取得設定の対話的な調整を許容しうる。これにより、臨床担当者が、カテーテルのような介入デバイスに対する超音波プローブの配向を調整することが容易になることがある。ここで、カテーテルは、切頂角錐内に、すなわち超音波プローブの視野内に位置されてもよい。
【0027】
本発明のもう一つの側面によれば、本方法はさらに、X線画像において介入デバイスを検出する段階と、前記介入デバイスが前記プローブの視野内になるよう、前記プローブを操作する段階とを含む。この操作は手動で実行されても、自動的に実行されてもよいことを注意しておく。
【0028】
よって、2D X線画像において介入デバイスを検出および追跡し、超音波プローブ・ビームをこのデバイスのほうに操縦することが可能であってもよい。プローブの視野は自動的に操縦されることができ、さらに、前記デバイスまたは前記デバイスの少なくとも一部が前記超音波プローブの視野にはいるまたは前記視野内に存在するとき、X線透視における介入デバイスの見え方が、たとえば、点滅、フラッシングまたは着色によって修正されてもよい。これにより、視覚化は向上され、介入のコンテキストにおいて超音波プローブ・ビームの方向制御を劇的に助けることになる。
【0029】
最後に、本方法はさらに、前記プローブによって提供される超音波画像を前記X線画像上に重ねる段階を含んでいてもよい。さらに、複数の超音波画像をただ一つのX線画像上に重ねることも可能でありうる。これは、拡大された視野を提供しうる。
【0030】
前記介入デバイスは柔軟なもしくは硬いカテーテルまたは生検デバイス、カニューレまたはトロカールであってもよいことを注意しておく。前記超音波プローブは経食道心エコー図検査超音波プローブであってもよい。
【0031】
本発明のもう一つの側面によれば、上記の方法を自動的にまたは少なくとも主として自動的に実行させうるコンピュータ・プログラムが提供される。したがって、前記コンピュータ・プログラムは、X線システムによって生成されるX線画像を記憶する命令の諸セット、そのX線画像において超音波プローブを検出するための命令の諸セットおよび前記プローブを位置合わせし、それにより基準座標系に対する前記超音波プローブの位置および配向を推定するための命令の諸セットを含む。さらに、前記コンピュータ・プログラムは、前記超音波プローブの3Dモデルを表すデータを受け取るための命令の諸セットを含んでいてもよい。
【0032】
そのようなコンピュータ・プログラムは、本発明のあるさらなる実施形態によれば、X線システム、超音波プローブをもつ超音波システムおよび処理ユニットを含むシステムにおいて実装されてもよい。通例、そのようなシステムは超音波およびX線画像の視覚化のためのモニタをも含む。
【0033】
そのようなコンピュータ・プログラムは好ましくは、データ・プロセッサの作業メモリにロードされる。こうして、データ・プロセッサは、本発明の方法を実行する備えができる。さらに、本発明は、CD-ROMのような、前記コンピュータ・プログラムが記憶されうるコンピュータ可読媒体に関する。しかしながら、前記コンピュータ・プログラムは、ワールド・ワイド・ウェブのようなネットワーク上に呈示されてもよく、そのようなネットワークから前記データ・プロセッサの前記作業メモリ中にダウンロードされることができる。
【0034】
そのようなコンピュータ・プログラムはソフトウェアとして提供されてもよく、あるいは(少なくとも部分的には)処理ユニットのハードウェアとして実装されてもよいことを理解しておくものとする。
【0035】
本発明の諸実施形態は、種々の主題を参照して記述されることを注意しておく必要がある。特に、いくつかの実施形態は、方法型の請求項を参照して記述され、一方、他の実施形態は装置型の請求項を参照して記述される。しかしながら、当業者は、上記および以下の記述から、特に断りのない限り、一つの型の主題に属する諸特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関係する特徴間の任意の組み合わせも本願で開示されていると考えられることがわかるであろう。
【0036】
本発明の上に定義した諸側面ならびにさらなる側面、特徴および利点も、以下に記述され、実施形態の例を参照して説明される実施形態の例から導くことができる。実施形態は図面にも示されるが、本発明はそれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】aはCT取得から取得された超音波プローブである。bは整列していない3Dモデルを示す。cは整列された3Dモデルを示す。
【図2】超音波プローブを含むX線画像を示す。
【図3】超音波プローブおよび該プローブの視野の概略的な視覚化を含むX線画像を示す。
【図4】本発明に基づくシステムおよび方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、左から右へと、超音波プローブのX線目標画像、超音波プローブの、整列していないデジタル・レンダリングされた放射線写真(DRR: digitally rendered radiograph)および整列されたDRRを示す。図1のcでは、図1のbの3Dモデルが、その投影が図1のaのX線画像における該プローブの投影にマッチするよう、配向されている。
【0039】
図1のcの配向された3Dモデルは次いでX線画像と組み合わされる。図2は、そのような、強度ベースの位置合わせ後に、すなわちプローブの位置および配向の推定後に、胸部300および心臓320のX線画像の上に整列されたDRR 110を重ねたものを示している。これは、X線撮像システムに対するプローブの位置/配向を与える。両方のシステムが較正される場合、超音波画像はX線画像とマージされることができる。図2にはまた、介入デバイス200、たとえばカテーテルも示されている。超音波プローブ110の前面の座標系は、X線画像の画像平面に対する超音波センサー素子の推定される配向を示す。
【0040】
X線取得システムは、介入手順の間に、解剖学的領域のリアルタイムの2D X線画像を生成するよう構成される。このモダリティでは、心臓のような複雑な軟組織の解剖学的構造の明瞭な視覚化はできない。
【0041】
たとえば経食道心エコー図検査(TEE)超音波プローブをもつ超音波取得システムは、前記解剖学的構造の画像を生成するよう構成される。この超音波取得システムは、このシステムによって生成される画像の座標系を復元するのに十分な情報をもって、前記X選手特システムの視野に少なくとも部分的にはいると想定される。このことは、たとえば、超音波取得システムの検出器全体が前記X線画像内に存在する場合、および/またはその位置が前記X線画像内に存在する他の構造から推定できる場合に成り立つ。
【0042】
その後、前記超音波プローブの3Dモデルが、前記プローブの姿勢を自動的に計算するために使われてもよい。これは、前記超音波プローブの前記X線画像を、前記3Dモデルの透明な投影によって生成されたデジタル・レンダリングされた放射線写真とマッチングすることによってなされてもよい(図1および図2参照)。最適化アルゴリズムが、基準座標系を定義するCアーム・システムなどに対する前記プローブの3D位置およびその3D配向を与える前記プローブの6個の姿勢パラメータを取得することを許容する。
【0043】
前記プローブのオフライン較正が超音波画像と3Dモデルの間の関係を与える。すると、先のステップと組み合わせて、超音波画像とX線撮像システムとの間の、よってX線撮像システムも較正されていればX線画像との、関係をもつことが可能である。
【0044】
すると、X線画像と超音波画像の間の融合はストレートである。もう一つの興味深い応用は、X線撮像システムを、異なる超音波取得を複合して拡大された視野を構築するために基準座標系として使うことである。これは、視野がしばしば非常に限られているTEE取得のために多大な利益がある。
【0045】
図3に例示的に示されるように、超音波プローブ110のX線画像に対する位置および配向がわかっているとして、超音波プローブ110の取得体積130は、3Dにおいて切頂角錐として表現されてもよい。図3で見て取れるように、その介入端部をもつ介入デバイス200は、視野130がデバイス200の介入端部を包含するよう位置されてもよい。さらに図3には、超音波プローブの視野のビーム角度を決定する角140が示されている。ここで、ビームの角度は42.3度である。
【0046】
図4は、本発明に基づく、超音波およびX線画像の組み合わせのための方法のステップを示すフローチャートである。患者は、超音波システム100およびX線システム400によって同時に撮像される。好ましい実施形態では、超音波システム100の考えられている超音波プローブは、好ましくは3Dにおいて、合成的に方向制御される(synthetically steered)ビームを生成することができる。
【0047】
本方法に関して記述されるステップは主要なステップであり、これらのステップはいくつかのサブステップに分化したり、細分されたりしてもよいことは理解しておくものとする。さらに、これらの主要なステップどうしの間にもサブステップがあってもよい。したがって、そのステップが本発明に基づく方法の原理を理解するために重要である場合にのみサブステップに言及される。
【0048】
ステップS1では、超音波システム100およびX線撮像システム400はまず相互に位置合わせされる。これは典型的には、X線システム400によって超音波システム100のプローブを撮像し、超音波システム100の設定150およびデータ160と、X線システム100の設定410と、加えてプローブ3Dモデル500またはマーカーの可能な使用に基づいて、前記X線参照基準において前記プローブの位置を決定することによって、達成されることができる。この情報から、関連する較正情報に基づいて、上記のような、前記X線参照基準におけるプローブ視野のパラメータを使うことができる。結果として得られる画像の視覚化のためにデータS1cが交換される。
【0049】
ステップS2では、同時に、X線画像において介入デバイス(たとえばカテーテルの先端)が検出され、追跡される。このステップは、X線システム400のデータ420と、前記デバイスの空間的なシグネチャおよび可能性としてはその動き特性に依拠する(たとえば前記デバイスは、投影で見たとき、心臓の動きに方向制御動きを加えたものによって動かされる)通例のオブジェクト検出手段とに依拠する。
【0050】
ステップS3では、X線画像におけるデバイス追跡によって与えられた2D位置を改善し、考えられているデバイスの深さ推定を得ようとすることが有利である。この目標に達するためにいくつかのアプローチが可能である。たとえば、デバイスの観察された幅の活用、たとえば二平面(bi-plane)コンテキストにおける異なる角度測定(angulation)のもとでの他のX線ビューの使用、または、くねる動きの使用である。たとえば、超音波プローブの幅が推定されてもよく、その後、超音波プローブの可能な位置が、推定されるサイズおよび撮像されたオブジェクトのセグメンテーションに基づいて区別される。
【0051】
次いでステップS4では、デバイス改善位置S3aが見出された超音波視野S1bと比較されることができ、いくつかのコマンドがしかるべく発されることができる。たとえば、X線データ・ストリームの画像処理チャネルに対してデバイス・フラッシュ/点滅コマンドが発されることができ、あるいはプローブ方向制御コマンドS4aが関連するモジュールに送られることができる。
【0052】
他方、ステップS4のデータS4bは、ステップS2の情報S2aと一緒になって、ステップS5、すなわち前記デバイスが超音波視野内にはいる(点滅/フラッシュ)または超音波視野内に存在する(着色)のようなイベントに基づいて適応された、X線画像における前記デバイスの視覚化につながる。これは、超音波ユーザーに、高解像度のX線画像に基づいてプローブの操縦を制御する簡単な仕方を与える。もちろん、この操縦はまた、図3に示されるような超音波コーンの視覚化によって一層簡単にされる。ステップS5の結果は、超音波プローブの操縦を容易にする向上された2DビューS5aである。
【0053】
ステップS6では、代替的または相補的に、超音波システム100のビーム操縦モジュールに対して、前記デバイスを前記超音波コーン(体積または画像)の中心にうまく視覚化するためにどの視野を生成するべきかについて、コマンドS6aが発されることができる。プローブ操縦モジュールは、超音波/X線位置合わせ情報に基づいて、このデバイス駆動の操縦を可能にする関連するセット・パラメータを決定し、適用する。
【0054】
本発明が図面および上記の記述において詳細に図示され、記述されたとき、そのような図示および記述は制約するものではなく、例解するまたは例示するものと考えられる。本発明は開示された実施形態に限定されるものではない。
【0055】
特許請求される発明を実施する当業者は、図面、本開示および付属の請求項を吟味することから、開示された実施形態に対する他の変形を理解し、実施することができる。請求項において、有する/含むの語は他の要素やステップの存在を排除するものではなく、単数形の表現は複数を排除するものではない。請求項において記載されているいくつかの要素の機能を、単一のプロセッサまたは他のユニットが充足してもよい。ある種の施策が互いに異なる従属請求項において記載されているというだけの事実がこれらの施策の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。コンピュータ・プログラムは好適な媒体上で記憶/頒布されてもよい。好適な媒体は、別のハードウェアと一緒にまたは別のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体または半導体媒体といったものである。コンピュータ・プログラムは、インターネットまたは他の有線もしくは無線遠隔通信システムを介するなど他の形で頒布されてもよい。請求項に参照符号があったとしても、本願の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0056】
100 超音波システム
110 超音波プローブ
120 超音波プローブ座標系
130 視野
140 視野の角度
150 超音波プローブ設定
160 超音波データ・ストリーム
200 介入デバイス
300 胸郭
320 心臓
400 X線システム
410 X線取得パラメータ
420 X線データ・ストリーム
500 3Dプローブ・モデル
S1a 位置合わせパラメータ
S1b X線参照基準における超音波視野
S1c データ交換
S2a デバイス位置特定
S3a 改善されたデバイス位置特定
S4a プローブ方向制御コマンド
S4b 視野内信号
S5a 手動方向制御の向上された2Dビュー
S6a プローブ・パラメータ
【図1A】

【図1B】

【図1C】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線画像を処理する方法であって:
X線画像を受け取る段階と、
前記X線画像において超音波プローブを検出する段階と、
ある基準座標系に対する前記超音波プローブの位置および配向の推定を含む、前記超音波プローブを位置合わせする段階とを含む、
方法。
【請求項2】
前記超音波プローブの3Dモデルのデジタル・レンダリングされた投影を、前記X線画像中の検出された超音波プローブとマッチングする段階をさらに含み、前記超音波プローブの位置および配向の前記推定は前記超音波プローブの前記3Dモデルから取得される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記3Dモデルが、CT取得から取得される、あるいは計算機援用設計モデルである、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記X線画像において介入デバイスを検出する段階と、前記介入デバイスが前記超音波プローブの視野内になるよう、前記プローブを操作する段階とを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記超音波プローブが自動的に操作される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記介入デバイスが前記超音波プローブの視野内にある場合に、前記X線画像において前記介入デバイスがハイライトされる、請求項4記載の方法。
【請求項7】
一連のX線画像において前記超音波プローブを追跡する段階をさらに含む、請求項1ないし6のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
前記超音波プローブによって与えられる超音波画像を前記X線画像上に重ねる段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法を実行するための命令のセットを含むコンピュータ・プログラム。
【請求項10】
超音波画像とX線画像の組み合わせのためのシステムであって、
X線システムと、
超音波プローブを含む超音波システムと、
処理ユニットと、
モニタとを有しており、
請求項9記載のコンピュータ・プログラムが前記処理ユニットにおいて実装されている、
システム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−513412(P2013−513412A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542653(P2012−542653)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055494
【国際公開番号】WO2011/070477
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】