説明

超音波放射に基づく位置検出

【課題】 対象物の位置を検出する。
【解決手段】 座標系に対する対象の配置を決定するための装置は該対象の周辺の電磁場を発生する少なくとも1つの電磁場発生器と該対象に固定される少なくとも1つの変換器とを含んでいる。該少なくとも1つの変換器は予め決められた振動周波数で振動しそれと該電磁場との相互作用に応じて、エネルギーを放射する。該変換器により放射される該エネルギーを検出しそれに応答して信号を発生するために該対象の周辺で1つ以上の検出器も使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には位置検出システムに関し特に人体内部の対象(object)の位置を決定するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの医療過程では、内視鏡(endoscopes)やカテーテル(catheters)の様な、プローブ(probes)が患者の体内へ挿入される。これらの挿入された医療装置の場所を決定する種々の方法が当該技術で公知になっている。X線画像形成法は最も普通に使用される位置確認システムである。この目的では又位置決定システムも使用出来る。
【0003】
超音波体内位置検出法(ultrasound intrabody position sensing)も公知である。幾つかのこの様なシステムはカテーテル内に、一般的には該カテーテルの遠位の端部にあるか又は該端部に隣接した、アクチブな変換器(active transducer)を要するが、該変換器は該人体の外部のコンソールにワイヤで接続されている。該変換器は該人体の外側の放射器(emitters)から超音波を受信するか又は該人体の外側の受信器(receivers)へ超音波を放射する(radiates)。他の超音波システムは該カテーテル内の受動的超音波反射器(passive ultrasound reflector)を使用するが該反射器は該カテーテルまでワイヤを走らせる必要なしに該人体を照射する(irradiateing)超音波の強い反射を提供する。これらの受動的システムは強い超音波放射の背景を創る必要がありそれに対しての該反射器の位置が見出されねばならない。
【0004】
その開示がここに引用により組み入れられる、ナタンス(Nathans)への特許文献1は盗難防止システム(theft−prevention system)を説明しているが、そこでは共振周波数を持つ圧電結晶(piezoelectric crystal)が装置に組み入れられており該装置は次いで商店内で個別商品(items)に取付けられる。該結晶の共振周波数に等しい周波数を有する無線周波数{アールエフ(RF)}信号が該結晶を叩く(strikes)と、該結晶の面間に該放射された無線周波(RF)の発振する電場傾斜(oscillating electrical field gradient)が生じ、そして該結晶に設置された2枚の錫箔部材(tin foil members)は振動し、超音波を放射する。適当な条件下での該超音波の検出は警報を発し、許可無く(without authorization)該商店から該商品を持ち去る企てを示すことになる。
【0005】
又特許文献1は共振振動周波数を有する小さな金属錫のダイアフラムを説明している。該ダイアフラムが該共振周波数で又はその近くでの超音波音場の照射を受けると、該ダイアフラムはその周波数で振動する。又無線周波(RF)の電磁場が該ダイアフラムを実質的により高い周波数で照射し、そして該超音波音場で誘起された該ダイアフラムの振動は該無線周波(RF)の電磁場を変調する。この変調は無線周波(RF)変換器(transducer)により検波され、該変換器は警報を賦活する。これらのシステムは該商品の場所を説明する特定の情報は提供せず、該商品が検出範囲に入ったことだけの情報を提供する(典型的には該商店の出口近くで)。
【0006】
その開示が引用によりここに組み入れられる、ベンハイム他(Ben−Haim et
al.)への特許文献2は挿入医療器具の位置(location and orientation)と配向を決定するための側位システム(locating syste
m)を説明しておりそこでは外部から印加された無線周波(RF)電磁場が該挿入医療器具内に配置された3つのコイル内に電流を誘起する。この誘起された信号を該カテーテルから体外空間の信号プロセサーへ運ぶためにはワイヤ又は何等かの他の形の物理的リード線を要する。該プロセサーは該挿入医療器具の位置と、配向を計算するために該信号を解析する。
【0007】
その開示が引用によりここに組み入れられるバーデット他へ(Burdette et
al.)の特許文献3及びバーデットへ(Burdette)の特許文献4は癌治療用の温熱療法機械で使用するための超音波装置を説明している。この装置を作動するために、該治療サイト周辺に円筒形に超音波変換器が配置され、そして無線周波数電力で賦活される。合成超音波が該治療サイト内の組織を加熱し、それにより望ましい治療効果が発生する。従ってこの装置の出力は熱であり、そして個別の超音波変換器の位置や配向の表現はない。
【0008】
その開示が引用によりここに組み入れられるヒルシ他(Hirschi et al.)への特許文献5は身体に挿入されたチューブ又は他の対象の位置を確認するためのシステムを説明している。それはその対象に取付られ、体外の手持ち式無線周波(RF)送信器/受信器に励起されると共振する共振電気回路と組み合わされる。該回路の共振により発生される電磁場は該手持ち式装置により検出され、該装置は次いで1連のエルイーデー(LEDs)をオンにして該ユーザーに目標への方向を示す。追加の視認用デイスプレーは該送信器/受信器が何時該対象の上に直接来たかを示す。
【0009】
その開示が引用によりここに組み入れられるバウアー(Bauer)への特許文献6は移動する対象の3次元的位置を追跡するためのシステムを説明している。既知の位置の少なくとも3つの超音波送信器が信号を送り該信号は該移動する対象に設置された受信ステーションにより検出される。各ステーションでは、該検出された信号は無線送信用に好適な形式にエンコードされ、そして無線送信器は該情報をコンピユータに渡し該コンピユータは3角測量のアルゴリズムで該対象の位置を決定する。特許文献6のシステムは主に、見掛けの体の位置と動き(gross body positions and movements)の決定を可能にするために人体の外部に取付られるのに好適である。
【0010】
その開示が引用によりここに組み入れられるチェリー他(Cherri et al.)への特許文献7は、目視式の環境シミュレータを含んでいるが、そこでは目視者及び/又は該目視者を運ぶ移動式ユニットの空間的座標と配向角度の変化をモニターするために3つの別々に位置付けされた超音波送信器が3つの超音波受信器の各々へ信号を送っている。
【0011】
【特許文献1】米国特許第3,713,133号
【特許文献2】PCT特許刊行物第WO96/05768号
【特許文献3】米国特許第5,522,869号
【特許文献4】米国特許第5,549,638号
【特許文献5】米国特許第5,325,873号
【特許文献6】米国特許第5,412,619号
【特許文献7】米国特許第4,807,202号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は改良された超音波式対象追跡システムを提供することである。本発明の或る側面の更に進んだ目的はカテーテルの遠位の端部からの超音波放射に基づくそして該遠位の端部へのワイヤ接続を要しないカテーテル測位システム(catheter lo
cation system)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の好ましい実施例は電磁的{無線周波(RF)}エネルギー場と超音波エネルギー場との相互作用に基づいている。超音波範囲に共振振動周波数を有する、無線周波(RF)に反応する変換器が対象に固定されそして無線周波(RF)エネルギー場で照射される。該変換器は振動を誘起されそして該振動と無線周波(RF)の場との相互作用に応じたエネルギー、無線周波(RF)か超音波のエネルギー、又は両者のエネルギーを放射する。該放射エネルギーは検出されそして該対象の位置及び/又は配向の座標を決定するために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の幾つかの好ましい実施例では、該変換器はその上に当たる(impinging thereon)該無線周波(RF)の場に応じた超音波を放射する。該放射された超音波は複数の、好ましくは3つ以上の、超音波検出器で検出される。プロセサーは該超音波検出器からの信号を受信しそして、当該技術で公知の様に、3角測量、飛翔時間測定(time−of−flight measurement)、又は他の適当な位置決定法を使用して、該対象の位置及び/又は配向を決定するために該信号を処理する。該変換器と該検出器、該プロセサー又は該装置の他の何等か要素との間にワイヤ接続が無いことは好ましいことである。
【0015】
これらの好ましい実施例の幾つかでは、該変換器は1つ以上の圧電結晶を含んでおり、各々はそれぞれの共振周波数と各結晶に結合された1つ以上の箔部材(foil members)を有する。ここで説明される好ましい実施例では、該変換器は箔部材を含んでいるが、他の導電性材料も使用可能であることは理解される。1つ以上の無線周波放射器(RF radiators)が該結晶の周辺で該共振周波数の各々の又は該各々の近くの無線周波(RF)信号を発生し、該箔部材に各結晶/箔ユニットの特性周波数(characteristic frequency)で振動しそして超音波を放射させる。
【0016】
本発明の好ましい実施例では、該変換器は、それぞれ、相互に実質的に直交する軸線(respective, mutually substantially orthogonal axes)を有する、3つの結晶/箔ユニットを含んでいる。各ユニットはその共振周波数が他の2つのユニットのそれと異なるように作られそして設置されている。この実施例では、該無線周波(RF)発生器は該3つの共振周波数の各々で、同時にか又は該3つの周波数を通した連続サイクルかで、場を発生する。当該技術で公知の方法、その幾つかは、例えば、PCT特許刊行物第WO96/05768号に説明されている方法を用いて、3つの位置ベクトル成分のみならず該対象の角度的配向ベクトル(angular orientation vector)の3成分も該超音波検出器からの信号に基づき次いで計算される。
【0017】
上記引用した米国特許第3,713,133号で説明される該防盗システム(anti−theft system)は本発明と同様な仕方で超音波放射を作るために無線周波{アールエフ(RF)}照射を使用するが、該防盗システムは目標の存否を報告出来るだけで、対象を測位しそして追跡するためには使用出来ない。
【0018】
本発明の幾つかの好ましい実施例では、該変換器はカテーテル、内視鏡、トロカール(trocar)又はラパロスコープ(laparoscope)の様な挿入医療器具に組み入れられる。これらの好ましい実施例の1つでは、該変換器はトロカールの遠位の端部に固定され該トロカールを通してラパロスコ−プが腹腔手術部(adominal surgery)内に通される。下にあるボウル(bowel)や血管、特に総腸骨静脈(c
ommon iliac vein)への損傷を防止するように該遠位の端部の位置が決定される。もう1つの好ましい実施例では、頸動脈(carotid artery)又は胸膜腔(pleural cavity)の破裂損傷の可能性を減らすために内部頸静脈(internal jugular)に挿入されつつあるスワンガンツカテーテル(Swan−Ganz catheter)の遠位の端部の位置は連続的にモニターされる。
【0019】
なおもう1つの好ましい実施例では、ステント(stent)を配置するカテーテルの遠位の端部内に1つ以上の変換ユニットを組み込むことにより大動脈瘤(aortic aneurysm)の治療での下降する大動脈(descending aortic artery)内へのステントの精確な配置が可能になる。この実施例では、その空間的な位置を知ることに加えて該カテーテルの角度的配向(angular orientation)を知ることが重要であるがそれは脊髄(spinal cord)を供給する腰椎動脈(lumbar artery)をブロック(blocks)する仕方で該ステントを配置することを避ける必要があるからである。更に、該変換器と該位置検出システムの他の要素との間にワイヤ接続を要しないので、該カテーテルによる配置の前、配置の間及び該配置の後、1つ以上の変換器が該ステントに固定されそしてその位置と配向を決定するため使用されることが可能である。ステントと組み合わされる無線式変換器の使用は、本出願の譲り受け人に譲渡されそして引用によりここに組み入れられるPCT出願第PCT/IL97/00447号に更に説明されている。
【0020】
本発明の更に好ましい実施例では、1つ以上の該変換器が腫瘍(tumor)を破壊するよう設計されたプローブに組み入れられ、それにより医者が該腫瘍の既知の座標に対して該プローブの精確な位置と配向を知ることを可能にする。この好ましい実施例の特殊な応用は加熱、冷却、又は他の手段による下垂体腫瘍(pituitary tumor)の除去である。位置センサを使用する外科用プローブは例えば、下記のPCT出願、すなわち引用によりここに組み入れられるPCT/第US97/022443号、PCT/第IL97/00058号及びPCT/第IL97/00059号で説明されている。
【0021】
当該技術で公知のアクチブな超音波に基づく(active ultrasound−based)位置検出システムと区別して、本発明では超音波は該プローブで受動的に発生される。超音波発生のこの方法は、該プローブから外部電源への(米国特許第5,412,619号に於けるように)、或いは信号増幅器及び信号処理装置への(特許刊行物第WO96/05768号及び米国特許第4,807,202号に於けるように)導線の必要がないので有利である。幾つかの他の現在使用されている方法と比較して本発明の超音波の受動的発生法の追加的利点は体外からの照射により創られる破壊的な背景的超音波放射の可能性がないことである。共振周波数での超音波放射は該変換器、典型的には上記説明の結晶/箔ユニットからしか来ない。該ユニットの非常に小さい寸法からのみならず該プローブ内に必要な追加的ハードウエアが無いことから得られる利点は、該挿入医療器具が当該技術で公知の位置検出システムで使用される他の種類の放射器(emitter)及び検出器(detector)に比較して小型にそしてフレキシブルに出来ることである。加えて、挿入医療器具内でのこの様なプローブの使用は、患者の体内の器具の位置を決定するため屡々使用される有害の可能性のあるイオン化放射(ionizing radiation)に患者を曝すことを取り除いてくれる。
【0022】
本発明の他の好ましい実施例では、該変換器は該共振周波数で振動するダイアフラムを含んでいる。米国特許第3,713,133号で説明され、その図4で示す実施例の様な、それらと同様な方法を使用して、該ダイアフラムの共振周波数と実質的に同様な周波数を有する超音波が既知の位置の超音波発生器により発生されそして該変換器の周辺に向かって差し向けられる。該ダイアフラムは外部から印加された超音波放射に応答してその共
振周波数で機械的に振動する。該超音波の音場が始動された時の前か又は実質的に同じ時に該センサの周辺では実質的により高い周波数の無線周波{アールエフ(RF)}の場が初めに発生される。該無線周波(RF)の放射の1部は該ダイアフラムの機械的振動に応じて変調される。該変調された無線周波(RF)信号は無線周波(RF)検波器で検波され該対象の位置決定に使用される。
【0023】
米国特許第3,713,133号では、該変調無線周波(RF)信号の検出はダイアフラムの存在が検出されたことを示す警報をトリガーするために使用される。該変調無線周波(RF)信号からは何等追加的情報は得ていない。本発明の好ましい実施例によると、放射され検出された無線周波(RF)信号と超音波信号とは下記で説明する様に、該ダイアフラムの位置を計算するのに使用される。超音波音場発生の始動からスタートして変調された無線周波(RF)信号が該無線周波(RF)検波器で最初に検波される時に終わる時間間隔は超音波が該超音波発生器から該ダイアフラムまでの距離を横断するのに超音波が要する“飛翔時間(time of flight)”と実質的に同じである。信号プロセサーは該測定“飛翔時間”と組織内での音の速度とに基づいて該超音波発生器から該ダイアフラムまでの距離を計算する。空間内の既知の点の2つ以上の追加的超音波発生器を、順に、使用してこの過程を繰り返して該ダイアフラムから3つの既知の点までの距離を出し、そして該信号プロセサーに外部の座標系(external reference frame)に対して該対象の位置を計算可能にする。
【0024】
本発明の幾つかの追加的な好ましい実施例では、3つの同一直線上にない(non−collinear)ダイアフラムが該対象に対し既知の位置に固定され、各ダイアフラムは他のダイアフラムのそれと実質的に異なる共振周波数を有す。各ダイアフラムの位置は上記説明の手順を使用して見出されて、この計算はそれにより該センサの角度的な配向をもたらしてくれる。
【0025】
本発明は、図面と共に行われるその好ましい実施例の下記の詳細な説明からより充分に理解される。
【実施例】
【0026】
図1は本発明の好ましい実施例の、人間又は人間でない主体の体内のカテーテル22の位置を追跡するためのシステム20の略図的表現である。この応用で、カテーテル22は標準的技術を使用して患者の血管18を通して挿入される。カテーテル22は本体14、測位変換器12、及び該カテーテルの遠位の端部にあるアクチブ部分(active portion)10を含んでいる。本発明の種々の好ましい実施例の、該アクチブ部分は当該技術で公知の様な、電気的センサ、超音波ヘッド、光フアイバ視認ヘッド(a fiber optic viewing head)、電気的シミュレータ、電気式又はレーザ式アブレータ(ablator)、イオンセンサ、酸素又は二酸化炭素センサ、加速度計(accelerometer)、血圧又は温度センサ、又は極低温プローブ(cryogenic probe)を含んでもよい。一般に、該カテーテルは、操作者の命令に応答して該アクチブ部分にエネルギーを与えるために、リード線、光ガイド、導波管(wave guides)他を含む場合があり、そして又該体内で該カテーテルを操向するために、先端偏位機構(tip deflection mechanism)を含んでもよい。
【0027】
該カテーテルの遠位の端部の位置及び/又は配向は、図2、3及び5の下部に示すそれらの様な、好ましくは1個から3個の結晶/箔ユニットを含む変換器12の位置及び/又は配向を決定することにより得られる。この様なユニットは、米国特許第3,713,133号で、特にその図4Bを参照して説明されている様に、適当な周波数の無線周波(RF)照射に曝されると、共振し超音波放射を放射する。
【0028】
該無線周(RF)放射は制御ユニット32からの制御信号により始動するがそれは無線周波(RF)放射器ドライバ26に駆動信号を発生させる。該駆動信号は今度は、患者の体表面24の外に配置された1つ以上の無線周波(RF)放射器40、42及び44に無線周波(RF)放射を放射させる。又該駆動信号の代表(representation)は信号プロセサー30へ送られる。1つ以上の共振する結晶/箔ユニットにより発生される、測位変換器12からの超音波放射は、複数の超音波検出器34、36、及び38により検出される。超音波発生器11、13及び15の様な、図1に示す他の要素は本発明の他の実施例を参照して下記で説明される。
【0029】
該検出器は、該信号プロセサー30が、測位変換器12の位置を計算するために、当該技術で公知の様に、3角測量のアルゴリズムを実行して駆動信号の代表を含む入力と検出器34、36、及び38からの測定値を利用出来るように、配置されている。検出器34、36、及び38は何れの便利な位置と配向で配置されてもよいが、(a)それらが或る座標系(some reference frame)に対して固定されており、(b)それらは重なり合わない、すなわち、精確に同一位置と配向を有する2つの検出器は存在せず、(c)該検出器は同一直線上には置かれず、そして(d)2つの検出器と測位変換器は全てが同一直線上にあることはないことが好ましい。
【0030】
検出器34、36、及び38の配置と該測位変換器12内に組み入れられる共振ユニットの数は本発明の各応用により変化することは理解されるべきである。特に、本発明の幾つかの好ましい応用では該カテーテルの配向の精確な情報を要する{例えば、レーザ切除(laser ablation)}、一方他では該カテーテルの位置の情報を要するのみの場合{例えば、消化管道のチューブ配置(gastrointestinal tract tube placement)}がある。
【0031】
変換器12により発生される超音波信号は検出器34、36、及び38により信号プロセサー30に渡されるべき、アナログ又はデジタル形式の、電気信号に変換される。信号プロセサー30は該測位変換器12の位置及び/又は配向を計算するため該検出器の出力を処理し、そしてこの情報をデイスプレーモニター28及び/又は制御ユニット32へ送信する。
【0032】
実際には、該カテーテルのアクチブな端部は超音波エコー情報、電気的アクテイビテイー情報(electrical activity information)、他の様な情報を集め、そしてそこへ動脈(又は静脈)が導いている器官の室の中の動脈(又は静脈)や他の組織に関する或る手順をオプションとして実行するために使用されてもよい。器官の室(organ chamber)の特定例は心臓、脳又は消化管道の室である。
【0033】
今度は図2と3を参照する。図2は本発明の好ましい実施例の、カテーテル22の遠位の端部の略図解である。この好ましい実施例では、変換器12は図3に詳細に示す、結晶/箔ユニット112を含んでおり、該ユニットは圧電結晶52と結晶52に結合された箔部材92と93を含んでいる。結晶/箔ユニット112はユニット112の軸線53が該カテーテルの長手軸線に平行になるようにカテーテル本体14内に設置される。上記説明の米国特許第3,713,133号で説明される様に、無線周波(RF)放射器40により作られる無線周波(RF)電磁場(field)が結晶/箔ユニット112内に超音波共振を引き起こす。放射器42と44はこの好ましい実施例では一般的には使用する必要はない。該無線周波(RF)電磁場に応答して、ユニット112は音響放射を放射するが、それは検出器34、36、及び38により検出され、その各々がそれに対応する信号を信号プロセサー30へ送る。
【0034】
好ましくは該信号プロセサーは、該ユニット112から該検出器の各々までの距離を決定するために、無線周波(RF)放射器40への駆動信号の始動時刻、各検出器でのユニット112からの音響放射の到達時刻、そして組織内での音の速度を使用するのがよい。駆動信号の始動時刻は音響放射が結晶/箔ユニットを離れる時刻と実質的に同じ時刻であるので、該信号プロセサーはユニット112から該検出器の各々までの音響放射の“飛翔時間(time of flight)”を計算し、そしてこれらの時間の各々に組織内の音の速度を掛けて、ユニット112から各検出器までの距離を発生させる。これらの距離で、信号プロセサー30は当該技術で公知の方法を用いて、座標系に対する変換器12の3次元の位置座標を計算する。
【0035】
図4は本発明のもう1つの好ましい実施例の、カテーテル22の遠位の端部の略図解である。この好ましい実施例では、2つの結晶/箔ユニット114と116の主要な軸線63と65は該カテーテルの長手方向軸線と連続している。ユニット114は共振周波数を有する圧電結晶62、結晶62の第1の側に結合された第1の箔部材94及び結晶62の第2の側と結合された第2の箔部材(図示せず)を含んでいる。ユニット116は結晶62のそれと実質的に異なる共振周波数を有する圧電結晶64、結晶64の第1の側に結合された第1の箔部材96及び圧電結晶64の第2の側と結合された第2の箔部材(図示せず)を含んでいる。好ましくは、結晶62に結合された該箔部材の物理的寸法及び/又は剛性は従って結晶64のそれらと実質的に異なるのがよい。下記で説明する方法を使用して、結晶/箔ユニット114と116からの超音波放射は信号プロセサー30により区別され、そして各ユニットの空間的位置が座標系に対し決定される。ユニット114と116の各々の3次元的位置座標の計算は該カテーテルの位置とその長手方向軸線の配向との両者を決定する。
【0036】
図5、7及び8は本発明のもう1つの好ましい実施例の、それぞれ、側面図、断面図及び等角図での、カテーテル22の遠位の端部の略図的な図解である。この好ましい実施例では、変換器12は3つの結晶/箔ユニット118、120、及び122を含んでいるが、そこでは各ユニットが上記説明の様に圧電結晶と2枚の箔部材とを含んでいる。ユニット118、120、及び122のそれぞれの共振周波数は相互に実施的に異なり、図4で示した実施例用に用いたそれらと同様な方法を使用して得られる。好ましくは、結晶/箔ユニット118、120、及び122は実質的に相互に直交する軸線55、57、及び59を、それぞれ、有し、軸線55はカテーテル22の長手方向軸線と平行だが必ずしも同一直線上にはないのがよい。この実施例では、検出器34、36、及び38により検出される何れか特定の結晶/箔ユニットから受信される信号の1つ以上の側面(例えば、信号強さ又は信号のタイミング)の差異が、下記で説明される様に、該カテーテルの角度的な配向のベクトルの1つの成分を計算するために使用される。
【0037】
図6は、それによって図5の結晶/箔ユニット118の角度的配向が検出超音波から計算されるパラメータを示している。この例では、変換器12はその音響的性質が実質的に均質で等方性(isotropic)の組織内に配置されていると仮定し、そしてそこでは該結晶/箔ユニットの放射特性は、該ユニットから放射される音響的放射の大きさの測定値が関数f()の様に変化するようになっているが、ここではベクトルの間に形成される角度であり、は該ユニットの直交軸線55であり、そして(j=1、2、又は3)は該ユニットの中心からそれぞれ検出器34、36、及び38の1つまで伸びるベクトルである。好ましくは、と該ユニットの軸線を見出すために、ニュートン−ラフソン法(Newton−Raphson method)又はもう1つの多数反復アルゴリズム(multiple iteration algorithm)が該ユニットの既知の位置(例えば、上記説明の様に決定される)と該3つの検出器の各々により得られた該ユニットからの放射の大きさの測定値m、m、及びmを使用するのがよい。
【0038】
nを見出すための反復プロセスは最初のベクトルを推測することと、と該3つのベクトル、及びの各々との間の角度、及びを決定することと、そして角度、及びで得られた測定値m、m、及びmが如何に近くf()に適合するかに基づいて誤差関数E(v)を計算することとを含んでいる。当該技術で公知の方法を用いての、の逐次詳細化(succesive refinements)は、該ユニットの直交軸線と実質的に等価な見積もりを産み出してくれる。結晶/箔ユニット118、120、及び122についてのこの計算の実行は該カテーテルの角度的な配向を全部決定するに充分である。
【0039】
本発明の幾つかの好ましい実施例では、各結晶/箔ユニットの1つの表面は超音波吸収器(ultrasound absorber)(図示せず)と結合されており、それは、該吸収器の方向に放射される超音波放射を実質的に減衰させるために、実質的に超音波を通さない(ultrasound−opaque)性質になっている。信号プロセサー30は、同じ検出器測定値を作る可能性のある該カテーテルの起こり得る反射された配向の中で識別するために、上記提示された方法を使用する該カテーテルの角度的配向を決定する計算に該吸収器の存在を組み入れている。
【0040】
好ましくは、図7に示す様に、結晶/箔ユニット118、120、及び122は同一直線上にはない方がよい。この場合、固体の対象の上又は中の3つの既知の点の絶対的位置を決定することにより、各結晶/箔ユニットから放射される信号の大きさに基づく前記配向の計算の代わりに、又は該計算に加えて該対象の角度的な配向も又計算可能である。これらの2つの方法は一緒にして該カテーテルの角度的な配向の計算の精度と信頼性の向上のために使用される。
【0041】
本発明の大抵の側面では、座標系に対する該カテーテルの遠位の端部の位置及び/又は配向の量的測定が必要である。
【0042】
これは、少なくとも2つの重なり合わない結晶/箔ユニットを必要とし、それらは少なくとも2つの区別可能な超音波信号を発生し、該ユニットの位置と配向は相互にに対しそして該カテーテルに対し既知である様なものであり、
該ユニットを共振させる電磁場を発生する少なくとも1つの無線周波(RF)放射器40と、そして
該検出器の各々が配置される固定点で該超音波の時刻、大きさ、周波数及び/又は位相情報を検出しそして変換することが出来る少なくとも3つの重なり合わず、同一直線上にない検出器34、36、及び38とを必要とする。
【0043】
本発明の好ましい実施例では、結晶/箔ユニット118、120、及び122の各々は0.3mmから3.0mmの最長寸法を有する。これらの寸法は可成りの範囲に亘り変化してもよくそして好ましい寸法の範囲の代表に過ぎないことは理解されるところである。
【0044】
図9は図5に示す本発明の好ましい実施例の、測位変換器12の位置を計算するのに使用される回路84を示すブロック図である。この実施例では、無線周波(RF)放射器40、42、及び44、結晶/箔ユニット118、120、及び122(図5に示す)、そして検出器34、36、及び38が測位変換器12の6次元座標を決定するため使用される。制御ユニット32は、別々に信号増幅器66、68、及び70の入力となる3つの異なる周波数の3つの正弦波を発生するために、デーエイ(D/A)変換器60、62、及び64を使用する。その出力が増幅器66、68及び70の出力を含む無線周波(RF)放射器ドライバ26は、それぞれ結晶/箔ユニット118、120、及び122に共振させ音響的放射を放射させる周波数で無線周波(RF)放射器40、42、及び44に放射
させる、信号を発生する。代わりに、1つ以上の該無線周波(RF)放射器は全ての適当な周波数成分を含む信号を送信する。
【0045】
変換器12のユニット118、120、及び122の各々により放射される音響的放射は該検出器の各々により検出され、該検出器の各々はそれに応じた信号を増幅器78、80、及び82に出力する。次いで該増幅器は該検出された音響的放射を表す増幅された信号を信号プロセサー30へ搬送する。当該技術で公知の方法、例えば、該検出器信号の高速フーリエ変換法、を用いて、信号プロセサー30は各検出器用にユニット118、120、及び122の各々による該信号の成分を計算する。代わって、該信号プロセサー30が順に各ユニット用に位置と配向の計算を実行するように、適当な周波数での照射が各周波数を通して繰り返しサイクルで行われる。
【0046】
制御ユニット32は意図された機能を実行するための部品の組み合わせ(assemblage)を含んでいる。例えば、この様な部品は情報又は信号を受信し、情報を処理し、制御器として機能し、情報をモニター28上に表示し、そして/又は情報か信号を発生してもよい。制御ユニット32は1つ以上のマイクロプロセサーを含んでいるのが典型的である。
【0047】
図10は本発明のもう1つの好ましい実施例に依る、タグ(tag)140を有する測位変換器12の略図的図解である。タグ140は共振周波数を有するダイアフラム144とダイアフラム144のリム(rim)に結合されたフレーム142を含んでいるので、該ダイアフラムは確実に設置されて振動可能である。好ましくは、ダイアフラム144は金属フイルムを含むのがよい。
【0048】
図11はタグ140の断面図を示している。図10と11はダイアフラムが枠(frame)142内に設置される1つの好ましい方法を示すが、他の配備も又可能であることは理解されるところである。例えば、他の好ましい実施例(図には示されてない)では、該ダイアフラムの1つの縁は該フレームに結合され、そして該ダイアフラムの反対の縁は振動するよう自由にされている。
【0049】
再び図1と10を参照すると、ダイアフラム144の共振周波数と実質的に類似の周波数を有する超音波が既知の場所に位置する超音波発生器11により患者の体表面24の外側で、発生されそして測位変換器12の周辺へ向けられる。該ダイアフラムは外部から印加された超音波放射に応答してその共振周波数で機械的に振動する。無線周波(RF)放射器40は、該超音波音場(ultrasound field)の発生が始動された時刻の前又は実質的に同じ時刻に該共振周波数より実質的に高い周波数で無線周波(RF)電磁場を発生し始める。タグ140上に入射する該無線周波(RF)放射の1部は該ダイアフラムの機械的振動に応じて変調される。該患者の体表面の外側に配置された無線周波(RF)検出器17は該無線周波(RF)放射を検出し、そしてプロセサー30は変調されていない無線周波背景電磁場(unmodulated RF background)から変調された無線周波(RF)信号を分離し検出する。
【0050】
超音波発生器11が、明確化のため、検出器34、36、及び38から分離されたユニットであるように示されているが、両機能用には同種の要素が使用されてもよいことは評価される所である。同様に、無線周波(RF)検出器40、42、及び/又は44が無線周波(RF)検出器17の機能を実行してもよい。
【0051】
超音波音場発生の始動からスタートして該変調された無線周波(RF)信号が該無線周波(RF)検出器で最初に検出された時に終わる時間間隔は、該超音波発生器から該ダイアフラムまでの距離を横断するのに超音波が要する時間の長さと、実質的に同じである。
外部から印加される超音波音場及び無線周波(RF)電磁場と該検出された無線周波(RF)信号とに対応する入力を有する、信号プロセサー30は、該測定された“飛翔時間(time of flight)”と組織内での音の速度とに基づいて該超音波発生器から該ダイアフラムまでの距離を計算する。空間内の既知の点に配置された2つの追加的超音波発生器13と15を、順に、使用してのこの過程を繰り返しは、該ダイアフラムから3つの既知の点までの距離を産み出し、そして該信号プロセサーが、座標系に対する該変換器の位置を計算することを可能にする。
【0052】
図12は、その中で測位変換器12が、その軸線166と176とが該カテーテルの長手方向軸線と概ね整合された2つのタグ160及び170を含む様な本発明の好ましい実施例を示している。タグ160及び170は異なる共振周波数を有するダイアフラム164及び174をそれぞれ含んでいる。上記で説明したと同様な方法を用いて、各ダイアフラムの位置は計算され、そして該カテーテルの長手方向軸線の角度的な配向がそれにより計算される。
【0053】
図13は、その中で測位変換器12が該変換器に対し既知の位置に固定され同一直線上にない3つのタグ190、200、及び210を含む本発明のもう1つの好ましい実施例の略図的図解を示している。タグ190、200、及び210はそれぞれダイアフラム194、204、及び214を含んでおり、各ダイアフラムは他のダイアフラムのそれとは実質的に異なる共振周波数を有している。この実施例では、各ダイアフラムの配置は上記説明の手順を使用して見出され、それによりこの計算は該変換器の角度的配向を産み出してくれる。
【0054】
好ましい実施例がカテーテルを引用して説明されているが、本発明の原理は、同様に、他の種類の対象の位置及び/又は配向の検出で使用されてもよい。該好ましい実施例は例として引用されており本発明の完全な範囲は請求項によってだけ限定される。
【0055】
本発明の特徴及び態様を示せば以下の通りである。
【0056】
1.該対象の周辺に電磁場を発生する少なくとも1つの電磁場発生器と、
該対象に固定されておりそしてそれとの該電磁場の相互作用に応じて、予め決められた振動周波数で振動しそしてエネルギーを放射する少なくとも1つの変換器と、
該変換器により放射される該エネルギーを検出しそれに応答して信号を発生する該対象周辺の1つ以上の検出器と、そして
該対象の座標を決定するために該検出器信号を受信し処理する信号プロセサーとを具備することを特徴とする座標系に対する対象の配置を決定するための装置。
【0057】
2.上記1の装置に於いて、該変換器へは実質的にワイヤ接続がないことを特徴とする装置。
【0058】
3.上記1の装置に於いて、該信号プロセサーが、該座標系内の少なくとも1つの既知の点からの該変換器の距離を示す音響エネルギーの飛翔時間(a time of flight)を決定するために該検出器信号を処理することを特徴とする装置。
【0059】
4.上記3の装置に於いて、該少なくとも1つの変換器が実質的に異なるそれぞれの周波数で振動する2つ以上の変換器を備えており、該信号プロセサーが該異なる周波数に応じた該検出器信号を処理することを特徴とする装置。
【0060】
5.上記4の装置に於いて、該対象の角度的な配向を決定するために該信号プロセサーが該少なくとも1つの固定点から該2つ以上の変換器までの距離を決定することを特徴と
する装置。
【0061】
6.上記1の装置が更に、該変換器を振動させるために、該変換器の周波数と実質的に同様な周波数で超音波を放射する1つ以上の超音波発生器を具備することを特徴とする装置。
【0062】
7.上記1の装置に於いて、該1つ以上の検出器が該変換器の振動に応じた該電磁場の変調を検出することを特徴とする装置。
【0063】
8.上記1の装置に於いて、該少なくとも1つの電磁場発生器が1つ以上の無線周波(RF)電磁場発生器を備えており、該1つ以上の変換器が該無線周波(RF)電磁場に応じて振動しそして超音波放射を放射することを特徴とする装置。
【0064】
9.上記8の装置に於いて、該1つ以上の検出器が、該座標系内の既知の場所に位置した、該1つ以上の変換器により放射される超音波放射を受信する、複数の超音波検出器を備えることを特徴とする装置。
【0065】
10.上記8の装置に於いて、該1つ以上の変換器が異なる、それぞれの周波数を有する複数の変換器を備えており、無線周波(RF)電磁場発生器が該変換器の異なる周波数に対応して、異なる、それぞれの周波数で電磁場を発生することを特徴とする装置。
【0066】
11.上記1の装置に於いて、該少なくとも1つの変換器が、該対象に対し実質的に異なるそれぞれの角度的配向に向けられた2つ以上の変換器を備えており、該信号プロセサーは該2つ以上の変換器により放射されるエネルギーの差に応じて該対象の角度的配向の座標を決定することを特徴とする装置。
【0067】
12.上記1の装置に於いて、該対象は挿入医療器具を含んでおり、該信号プロセサーは主題の体内での該器具の座標を決定することを特徴とする装置。
【0068】
13.上記12の装置に於いて、該医療器具は該少なくとも1つの変換器の近くに、その遠位の部分に固定され生理学的センサを有するプローブを備えることを特徴とする装置。
【0069】
14.座標系に対する対象の配置を決定するための装置に於いて、
該対象の周辺で電磁場を発生する少なくとも1つの電磁場発生器と、
該対象に固定されており、該電磁場に応じて音響エネルギーを放射する変換器と、
該変換器により放射された該音響エネルギーを検出し、それに応答して信号を発生する、該対象の周辺の既知の位置にある1つ以上の検出器と、
該対象の座標を決定するために該検出器信号を受信し処理する信号プロセサーとを具備することを特徴とする装置。
【0070】
15.上記14の装置に於いて、該変換器が該対象の如何なる音響的照射にも実質的に無関係に音響エネルギーを放射することを特徴とする装置。
【0071】
16.上記14の装置に於いて、該変換器へのワイヤ接続が実質的にないことを特徴とする装置。
【0072】
17.上記14の装置に於いて、該信号プロセサーが該変換器から該1つ以上の検出器までの該音響エネルギーの飛翔時間を決定することを特徴とする装置。
【0073】
18.上記17の装置に於いて、該飛翔時間は該少なくとも1つの電磁場発生器による該電磁場の始動から該1つ以上の検出器による該音響エネルギーの最初の検出までの間の時間間隔を含んでいることを特徴とする装置。
【0074】
19.座標系に対する対象の配置を決定するための方法に於いて、
その振動周波数で振動する変換器を該対象に固定する過程と、
該対象の周辺に電磁場を発生する過程と、
該電磁場の、該座標系内の1つ以上の場所にある該変換器との、相互作用に応じて該変換器により放射される、エネルギーを検出しそしてそれに応じた信号を発生する過程とを具備しており、該エネルギーは該変換器の該振動周波数に依存する周波数を有しており、該方法は又
該対象の座標を決定するために該信号を処理する過程を具備していることを特徴とする座標系に対する対象の配置を決定するための方法。
【0075】
20.上記19の方法に於いて、該信号を処理する過程が該座標系内の少なくとも1つの既知の点までの該変換器の距離を示す音響エネルギーの飛翔時間を決定する過程を備えることを特徴とする方法。
【0076】
21.上記20の方法に於いて、変換器を該対象に固定する過程が、実質的に異なる共振周波数で振動する少なくとも2つの変換器を該対象に固定する過程を備えることを特徴とする方法。
【0077】
22.上記21の方法に於いて、該信号を処理する過程が、該対象の角度的な配向を決定するために、該少なくとも1つの固定点から該少なくとも2つの変換器の各々までの距離を決定する過程を備えていることを特徴とする方法。
【0078】
23.上記20の方法が更に、該変換器を振動させるために、該変換器の共振周波数と実質的に同様な周波数で、1つ以上の超音波音場を発生する過程を具備することを特徴とする方法。
【0079】
24.上記20の方法に於いて、該エネルギーを検出する過程が該変換器の振動に応じた該電磁場の変調を検出する過程を備えることを特徴とする方法。
【0080】
25.上記20の方法に於いて、電磁場を発生する過程が無線周波{アールエフ(RF)}電磁場を発生する過程を備えており、該エネルギーを検出する過程が該無線周波(RF)電磁場に応じて該変換器により放射される音響的放射を検出する過程を備えていることを特徴とする方法。
【0081】
26.上記25の方法に於いて、該信号を処理する過程が、該座標系内の複数の既知の場所に対して、該変換器により放射された該超音波放射が、該場所の各々まで飛翔する時間を決定する過程を備えていることを特徴とする方法。
【0082】
27.上記26方法に於いて、該対象に変換器を固定する過程が実質的に異なるそれぞれの角度的配向で2つ以上の変換器を該対象に固定する過程を備えており、該変換器の各々は実質的に異なるそれぞれの共振周波数で振動し、そして該方法に於いて
無線周波(RF)電磁場を発生する過程が該2つ以上変換器のそれぞれの共振周波数に対応する周波数成分を含む電磁場を発生する過程を備えており、そして該方法に於いて
該信号を処理する過程が該対象の角度的配向を決定するために該異なる周波数で検出された該音響的放射に応じて発生された信号を比較する過程を備えることを特徴とする方法。
【0083】
28.上記19の方法に於いて、対象の配置を決定する過程が挿入医療器具の配置を決定する過程を具備することを特徴とする方法。
【0084】
29.上記28の方法に於いて、該挿入医療器具の配置を決定する過程が、該変換器の近くで、その遠位の部分に固定された生理学的センサを有する挿入医療器具の配置を決定する過程を含んでいることを特徴とする方法。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の好ましい実施例のカテーテル追跡システムの略図解である。
【図2】本発明の好ましい実施例の、図1のシステムで使用するための、カテーテルの遠位の端部の略図解である。
【図3】本発明の好ましい実施例の、図1のシステムで使用するための、変換器の略図解である。
【図4】本発明のもう1つの好ましい実施例の、図1のシステムで使用するための、カテーテルの遠位の端部の略図解である。
【図5】本発明のもう1つの好ましい実施例の、図1のシステムで使用するための、カテーテルの遠位の端部の略図解である。
【図6】図5に示すカテーテルの角度座標の計算で使用するパラメータのグラフ的な図解である。
【図7】図5のカテーテルの断面図である。
【図8】図5のカテーテルの切り欠きのある、簡単な絵画図である。
【図9】本発明の好ましい実施例の、図5に示すカテーテルの6次元の座標の決定に使用する回路のブロック図である。
【図10】本発明のもう1つの好ましい実施例の、図1のシステムでの使用のための、カテーテルの遠位の端部の略図解である。
【図11】図10に示すカテーテルの遠位の端部で使用される、変換器の断面図である。
【図12】本発明のもう1つの好ましい実施例の、図1のシステムでの使用のための、カテーテルの遠位の端部の略図解である。
【図13】本発明のなおもう1つの好ましい実施例の、図1のシステムでの使用のための、カテーテルの遠位の端部の略図解である。
【符号の説明】
【0086】
10 アクチブ部分
11、13、15 超音波発生器
12 測位変換器
14 カテーテル本体
17 無線周波(RF)検出器
18 血管
20 カテーテル位置追跡システム
22 カテーテル
24 患者の体表面
26 無線周波(RF)放射器ドライバ
28 デイスプレーモニター
30 信号プロセサー
32 制御ユニット
34、36、38 超音波検出器
40、42、44 無線周波(RF)放射器
51、52 圧電結晶
53 軸線
54、56、58
55、57、59 直交する軸線
60 デーエイ変換器
62、64 圧電結晶又はデーエイ変換器
63、65 主要な軸線
66、68、70 信号増幅器
78、80、82 増幅器
84 測位変換器位置計算用回路
92、93 箔部材
94、96 第1の箔部材
98、100、101、102、103 箔部材
112、114、116、118、120、122 結晶/箔ユニット
140、160、170、190、200、210 タグ
142 枠
144、164、174、194、204、214 ダイアフラム
162、172、192、202、212 枠
166、176、196、206、216 軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座標系に対する対象の配置を決定するための装置であって、
対象の周辺に電磁場を発生する少なくとも1つの電磁場発生器、
該対象に固定されておりそしてそれとの該電磁場の相互作用に応じて、予め決められた振動周波数で振動しそしてエネルギーを放射する3つ以上のダイアフラムを含む少なくとも1つの変換器、
ここで、ダイアフラムが相互に直交する軸線を有し、一の軸線は変換器の長手方向軸線と平行して配置されている
該変換器により放射される該エネルギーを検出しそれに応答して信号を発生する該対象周辺の3つ以上の検出器、
該対象の座標を決定するために該検出器信号を受信し処理する信号プロセサー、ここで、信号プロセサーは少なくとも1つの変換器の位置及び方向を、3つの位置ベクトル成分と3つの角度的配向ベクトル成分の決定によって計算する、
及び
少なくとも1つの変換器の位置及び/又は方向を表示するデイスプレーモニター
を具備することを特徴とする装置。
【請求項2】
座標系に対する対象の配置を決定するための装置において、
該対象の周辺で電磁場を発生する少なくとも1つの電磁場発生器、
該対象に固定されており、該電磁場に応じて音響エネルギーを放射する、3つ以上のダイアフラムを含む少なくとも1つの変換器、
ここで、3つの上記ダイアフラムが相互に直交する軸線を有し、一の軸線は変換器の長手方向軸線と平行して配置されている、
該変換器により放射された該音響エネルギーを検出し、それに応答して信号を発生する、該対象の周辺の既知の位置にある3つ以上の検出器、
該対象の座標を決定するために該検出器信号を受信し処理する信号プロセサー、ここで、信号プロセサーは少なくとも1つの変換器の位置及び方向を、3つの位置ベクトル成分と3つの角度的配向ベクトル成分の決定によって計算する、
及び
少なくとも1つの変換器の位置及び/又は方向を表示するデイスプレーモニター
を具備することを特徴とする装置。
【請求項3】
座標系に対する対象の配置を決定するための方法において、
その振動周波数で振動する、3つ以上のダイアフラムを含む変換器を該対象に固定する過程、
ここで、3つの上記ダイアフラムが相互に直交する軸線を有し、一の軸線は変換器の長手方向軸線と平行して配置されている、
該対象の周辺に電磁場を発生する過程、
該電磁場の、該座標系内の1つ以上の場所にある該変換器との相互作用に応じて該変換器により放射されるエネルギーを検出し、そして、それに応じた信号を発生する過程、ここで、該エネルギーは該変換器の該振動周波数に依存する周波数を有する、
該対象の座標を決定するために3つの位置ベクトル成分と3つの角度的配向ベクトル成分に基づいて該信号を処理する過程、
及び
変換器の位置及び/又は方向を表示する過程
を具備していることを特徴とする座標系に対する対象の配置を決定するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−33054(P2013−33054A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−198572(P2012−198572)
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【分割の表示】特願2008−159534(P2008−159534)の分割
【原出願日】平成12年3月7日(2000.3.7)
【出願人】(508080229)バイオセンス・ウエブスター・インコーポレーテツド (79)
【Fターム(参考)】