説明

距離測定装置

【課題】光検出器のダイナミックレンジを簡易な構成で拡大することができ、測定対象物までの距離に拘らず、測定対象物までの距離を精度よく測定することができる距離測定装置を提供する。
【解決手段】距離測定装置は、測定対象物に対し測定光を投光する光投光部と、測定対象物で反射された反射光を集光する集光光学系と、一定の受光感度を有する複数の受光素子が被照射面内に配置された光検出器と、集光光学系と光検出器との間に配置された光量分布変換素子と、複数の受光素子から検出信号を取得し、取得された複数の検出信号に基づいて測定対象物までの距離を演算する制御部と、を備える。光量分布変換素子は、被照射面において、複数の受光素子の各々が配置される位置に応じて、予め定めた光量分布が得られるように、集光光学系で集光された反射光の光量分布を変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、測定対象物に対し光パルスを照射し、光パルスが射出されてから反射光パルスを受光するまでに要した応答時間を計測して、測定対象物までの距離を測定する距離測定装置が用いられている。距離測定装置では、測定対象物までの距離が長くなると、外乱等の要因により反射光パルスによる信号強度が小さくなり、測定精度が低下する。一方、微弱信号を検出できるように光検出器を調整すると、近距離に在る測定対象物からの反射光パルス等、高強度の反射光より光検出器が飽和して測定不能となる。
【0003】
特に、車両用の距離測定装置には、数十cmから100m以上先までの広い範囲で、測定対象物までの距離を精度よく測定できる性能が要求される。反射光の強度は、距離の二乗に反比例して変化する。例えば、測定対象物までの距離が1mから100m以上先まで変化すると、反射光の強度は4桁以上変化することになる。通常、光検出器のダイナミックレンジは2桁から3桁程度である。反射光の強度が4桁以上変化すると、光検出器のダイナミックレンジが不足する。
【0004】
この問題を解決するために、光検出器のダイナミックレンジを拡大する手法が種々検討されている。例えば、測距対象物からの反射光を複数の受信光に分離し、分離された受信光を各々異なった光減衰量で減衰し、レベルが所定の弁別閾値以上でかつ最小の信号を選択し、選択された信号と測距対象物への送信光とに基づきパルスレーザ光の往復時間を計時するパルスレーザ測距装置が提案されている(特許文献1)。
【0005】
また、低輝度な入射光が受光光学系に入射した場合には、高感度な第1の受光素子(アバランシェフォトダイオード:APD)の出力を用い、高輝度な入射光が受光光学系に入射した場合には、低感度な第2の受光素子(PIN型フォトダイオード:PD)の出力を用いるレーダ装置が提案されている(特許文献2、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平7−69422号公報
【特許文献2】特開2008−20203号公報
【特許文献3】特開2008−20204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、測距対象物からの反射光を複数の受信光に分離する光学系、複数の光減衰器、及び複数の光検出器(受光素子)が必要となり、装置全体が大型化するという問題がある。また、光検出器毎に光減衰器を設けたのでは、総受光量が減少してしまい、シグナルノイズ比(S/N)が低下するという問題がある。
【0008】
また、特許文献2、3に記載の装置では、第1の受光素子(APD)と第2の受光素子(PD)という動作原理の異なる2種類の受光素子が必要となり、駆動回路の構成が複雑化するという問題がある。また、受光光学系に入射する反射光の強度は、測定対象物からの距離に応じて変化するものであり、受光感度が大幅に異なるAPDとPDとでは、測定不能となる強度範囲が生じる可能性がある。
【0009】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、本発明の目的は、光検出器が検出できる反射光の強度範囲(ダイナミックレンジ)を簡易な構成で拡大することができ、測定対象物までの距離に拘らず、測定対象物までの距離を精度よく測定することができる距離測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、測定対象物に対し測定光を投光する光投光部と、前記測定対象物で反射された反射光を集光する集光光学系と、一定の受光感度を有する複数の受光素子が被照射面内に配置された光検出器と、前記集光光学系と前記光検出器との間に配置され、前記被照射面において前記複数の受光素子の各々が配置される位置に応じて予め定めた光量分布が得られるように、前記集光光学系で集光された反射光の光量分布を変換する光量分布変換素子と、前記複数の受光素子から検出信号を取得し、取得された複数の検出信号に基づいて前記測定対象物までの距離を演算する制御部と、を備えた距離測定装置である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記制御部が、取得された複数の検出信号から飽和レベルに到達していない検出信号を選択して、選択された検出信号に基づいて前記測定対象物までの距離を演算する、又は取得された複数の検出信号の和信号を求め、得られた和信号に基づいて前記測定対象物までの距離を演算する、請求項1に記載の距離測定装置である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記光検出器が、前記複数の受光素子が複数の組に分けて配置されており、前記光量分布変換素子が、前記複数の組間で受光光量が変化するように反射光の光量分布を変換し、前記制御部が、前記複数の組毎に検出信号を取得し、取得された複数の検出信号から飽和レベルに到達していない検出信号を選択して、選択された検出信号に基づいて前記測定対象物までの距離を演算する、又は取得された複数の検出信号の和信号を求め、得られた和信号に基づいて前記測定対象物までの距離を演算する、請求項1又は請求項2に記載の距離測定装置である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記光検出器が、ガイガーモードで動作する複数のアバランシェフォトダイオードを有するガイガーモードAPDアレイである、請求項1から3までの何れか1項に記載の距離測定装置である。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記集光光学系と前記光量分布変換素子との間に配置され、前記反射光を通過させる開口と当該開口の周囲に照射される光を遮断する遮光板とを有し、受光視野を制限する受光視野制限部を、更に備えた、請求項1から4までの何れか1項に記載の距離測定装置である。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記光量分布変換素子が、前記集光光学系で集光された反射光を前記光検出器に向けて拡散させる機能を備える、請求項1から5までの何れか1項に記載の距離測定装置である。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記光量分布変換素子が、入射した反射光を拡散透過する拡散板である、請求項1から6までの何れか1項に記載の距離測定装置である。
【0017】
請求項8に記載の発明は、前記光量分布変換素子が、開口部を備え前記光検出器側が反射面とされた反射鏡、及び前記開口部を通過した反射光を透過させる光透過板を備え、前記光透過板の前記開口部に対向する位置に入射した反射光を、前記反射鏡の方向に反射する斜面が配置された、請求項1から6までの何れか1項に記載の距離測定装置である。
【0018】
請求項9に記載の発明は、前記光量分布変換素子は、入射した反射光を回折する回折光学素子である、請求項1から6までの何れか1項に記載の距離測定装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の距離測定装置によれば、光検出器が検出できる反射光の強度範囲(ダイナミックレンジ)を簡易な構成で拡大することができ、測定対象物までの距離に拘らず、測定対象物までの距離を精度よく測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る距離測定装置の構成の一例を示す概略図である。
【図2】距離測定装置の光受光部の構成の一例を示す分解斜視図である。
【図3】光検出器の被照射面における光量分布を示す図である。
【図4】全入射光量と各素子の出力信号との関係を表す模式図である。
【図5】「距離演算処理」の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】「検出信号特定処理」の処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図7】「検出信号特定処理」の他の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】(A)〜(E)は光量分布変換素子の種々の構成例を示す模式図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る距離測定装置における光検出器の構成の一例と、当該光検出器の被照射面における光量分布を示す図である。
【図10】光検出器として使用されるガイガーモードAPDアレイの構成の一例を示す平面図である。
【図11】ガイガーモードAPDアレイを使用した場合の吸収された全光子数に対する出力フォトン数を表すグラフである。
【図12】(A)は分割ディテクタ方式の光検出器の構成の一例を示す平面図であり、(B)は各ユニットをモジュール化した例を示す模式図である。
【図13】(A)及び(B)は光検出器の被照射面における光量分布の種々の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0022】
<第1の実施の形態>
(距離測定装置の概略構成)
まず、距離測定装置の構成の一例について説明する。ここでは、距離測定装置を、レーザ光の直進性を利用して、広い範囲で対象物までの距離を測定できるレーザレーダ装置として構成した例について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る距離測定装置の構成の一例を示す概略図である。図2は距離測定装置の光受光部の構成の一例を示す分解斜視図である。
【0023】
図1に示すように、距離測定装置10は、測定対象物(以下、「対象物」という。)に対し測定光を投光する光投光部20、測定対象物で反射された反射光を受光する光受光部30、及び各種演算等を行うと共に装置各部を制御する制御部40を備えている。また、制御部40には、測定結果等を表示する表示部42が接続されていてもよい。光投光部20は、測定光を射出するレーザ光源24、レーザ光源24を駆動する駆動部26、及び測定光を対象物に投光する投光光学系22を備えている。
【0024】
駆動部26は、制御部40に電気的に接続されている。駆動部26は、制御部40からの制御信号に基づいて、レーザ光源24を点灯駆動する。レーザ光源24としては、半導体レーザ(LD)等を使用することができる。例えば、発振波長1.55μmの半導体レーザ等を使用することができる。なお、レーザ光源24には、通常、出力モニタ用の光検出部が内蔵されている。内蔵された光検出部からの検出信号は、「測定光の出力信号」として駆動部26を介して制御部40に入力される。
【0025】
光受光部30は、対象物で反射された反射光を集光する集光光学系32、集光光学系32の焦点位置に配置されて受光視野を制限する受光視野制限部34、集光光学系32で集光された反射光の光量分布を変換する光量分布変換素子36、及び反射光を検出する光検出器38を備えている。これら各部は、反射光の入射側からこの順に配置されている。光検出器38は、制御部40に電気的に接続されている。
【0026】
光検出器38は、後述する通り複数の受光素子50を備えており、複数の受光素子50の各々で受光した光信号は電気信号に光電変換される。光検出器38で光電変換された電気信号は、「反射光の検出信号」として制御部40に入力される。本実施の形態では、反射光の検出信号は、後述する素子1〜素子3の各々に対応して入力される。
【0027】
図2に示すように、本実施の形態では、光検出器38は複数の受光素子50を備えている。複数の受光素子50の各々は、光検出器38の被照射面38A内にアレイ状に配置されている。図示した例では、6個の受光素子50〜50が、被照射面38A内に一次元アレイ状に配列されている。受光素子50の配列方向の中心線の左側には、受光素子50、50、50が中心線からこの順に配置されている。上記中心線の右側には、受光素子50、50、50が中心線からこの順に配置されている。なお、受光素子50〜50を区別する必要がない場合には、受光素子50と総称する。
【0028】
受光素子50としては、PIN型フォトダイオード(PD)、アバランシェフォトダイオード(APD)等のフォトダイオードを使用することができる。例えば、レーザ光源24として発振波長1.55μmの半導体レーザ等を使用する場合には、受光素子50としては、波長1.55μmを含む赤外線に感度を有するフォトダイオードを使用することができる。
【0029】
制御部40は、A/D変換器、ROM、RAM等の記憶部、CPU等の中央処理装置を備えている。ROMには、測定対象物までの距離の演算等、種々の処理ルーチンを実行するためのプログラムや各種データ等が記憶されている。RAMは、CPUによって行われる各種演算等を行うワークエリア等として使用される。制御部40には、上述した通り、測定光の出力信号、反射光の検出信号が入力される。制御部40に入力されたこれらのアナログ信号は、A/D変換器(図示せず)でデジタル信号に変換され、記憶部(図示せず)に保持される。
【0030】
(光量分布変換)
次に、反射光の光量分布が変換される様子について説明する。まず、図2を参照して光受光部30の動作を説明する。上述した通り、光受光部30は、集光光学系32、受光視野制限部34、光量分布変換素子36、及び光検出器38を備えている。対象物で反射された反射光は、集光光学系32に入射し、集光光学系32で集光されて、受光視野制限部34に照射される。
【0031】
光量分布変換素子36は、反射光の光量分布を所望の光量分布に変換する機能を備えていれば特に制限はない。例えば、透過率分布を有するフィルタ等を用いてもよいが、微弱な光信号を精度よく検出するためには、光量損失の少ないものが好ましい。光量分布変換素子36としては、後述する通り、入射した反射光を拡散透過する拡散板、開口部を備えた反射鏡を備えた導光板、入射した反射光を回折する回折光学素子等を用いることができる。これらの詳細に構成については後述する。
【0032】
受光視野制限部34は、反射光を通過させる開口34Aを備えた遮光板で構成されている。反射光は開口34Aを通過し、開口34Aの周囲に照射された外乱光は遮光版で遮断される。受光視野を制限することにより、余分な外乱光を遮断する。図示した例では、受光視野制限部34は、受光素子50の配列方向と直交する方向を長さ方向とするスリット状の開口34Aを有している。
【0033】
集光光学系32で集光され、開口34Aを通過した反射光は、光量分布変換素子36に入射する。光量分布変換素子36は、光検出器38の被照射面38Aにおいて不均一な光量分布が得られるように、反射光の光量分布を変換する。被照射面38Aにおける光量分布は、複数の受光素子50の各々が配置される位置に応じて予め設定されている。光検出器38は、不均一な光量分布を有する反射光を検出する。
【0034】
図3は光検出器38の被照射面38Aにおける光量分布(光強度分布)を示す図である。光量分布は濃淡で表され、濃い部分ほど光量が大きく、淡い部分ほど光量が小さいことを示している。図示した例では、受光視野制限部34のスリット状の開口34Aを通過した反射光は、光量分布変換素子36により受光素子50の配列方向に拡げられて、光検出器38の被照射面38Aに照射される。被照射面38Aにおける光量は、受光素子50の配列方向の中心線で最も大きく、中心線から外側に行くほど小さくなる。
【0035】
ここでは、中心線から1列目の受光素子50及び50を「素子1」、中心線から2列目の受光素子50及び50を「素子2」、中心線から3列目の受光素子50及び50を「素子3」とする。中心から外側に行くに従って光量が1/10ずつ低下するように、素子1〜素子3の各々が配置される位置に応じて光量分布が設定されている。
【0036】
(ダイナミックレンジの拡大)
図4は全入射光量と各素子の出力電圧(検出信号)との関係を表す模式図である。一般に、受光素子50は、ある光量以上になると飽和して、正しい検出信号が得られなくなる。また、光量が小さ過ぎても、検出信号がノイズに埋もれてしまう。このため、正しい検出信号が得られる光量の検出可能範囲は、「ノイズレベル(下限)」から「飽和レベル(上限)」までの範囲に限定される。
【0037】
素子1から素子3に向かって光量が低下するように光量分布を設定した場合、全入射光量に対する各素子からの検出信号は、図4に示すように、素子毎に傾きの異なる曲線を描く。即ち、最も光量が大きい位置に在る「素子1」は、最も先に飽和レベルに到達し、次に光量が大きい位置に在る「素子2」は、次に飽和レベルに到達し、最も光量が小さい位置に在る「素子3」は、最後に飽和レベルに到達する。
【0038】
従って、全入射光量に応じて、検出可能範囲に在る素子からの検出信号を選択することで、光検出器38全体としては、広い光量範囲に亘って検出信号を得ることができるようになる。即ち、光検出器38が検出できる反射光の強度範囲(ダイナミックレンジ)が拡大する。例えば、「素子1」が飽和するまでは「素子1」の検出信号を選択し、「素子1」が飽和すると「素子2」の検出信号を選択し、「素子2」が飽和すると「素子3」の検出信号を選択する。
【0039】
なお、本実施の形態では、光量が1/10ずつ低下するように光量分布を付与しているが、検出可能範囲に在る受光素子からの検出信号を選択することが可能であればよく、受光素子50の検出可能範囲に応じて、光検出器38の被照射面38Aにおける光量分布を設定すればよい。
【0040】
(距離演算処理及び検出信号特定処理)
次に、上記の距離測定装置10の動作について説明する。図5は制御部40で実行される「距離演算処理」の処理ルーチンを示すフローチャートである。また、図6は「距離演算処理」のサブルーチンとして実行される「検出信号特定処理」の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0041】
「距離演算処理」の処理ルーチンは、距離測定装置10の光投光部20が、対象物に対し測定光を投光するタイミングで開始される。即ち、制御部40は、対象物に対し測定光を投光するように、レーザ光源24を駆動する駆動部26に制御信号を入力する。駆動部26は、制御部40からの制御信号に基づいて、レーザ光源24を点灯駆動する。レーザ光源24から射出された測定光は、投光光学系22により対象物に対して投光される。制御部40には、測定光の出力信号が入力される。
【0042】
ステップS100で、駆動部26から「測定光の出力信号」を取得する。次に、ステップS102で、取得された「測定光の出力信号」に基づいて、測定光が投光されたタイミングを計算し、計算された投光タイミングを記憶する。
【0043】
次に、距離測定装置10の光受光部30は、対象物からの反射光を受光する。上述した通り、集光光学系32で集光され、開口34Aを通過した反射光は、光量分布変換素子36により受光素子50の配列方向に拡げられて、光検出器38の被照射面38Aに照射される。光検出器38は、不均一な光量分布を有する反射光を検出する。光検出器38で反射光が検出されると、制御部40には、反射光の検出信号が入力される。
【0044】
ステップS104で、光検出器38から「反射光の検出信号」を取得する。制御部40は、素子1〜素子3の各々に対応する3種類の検出信号を取得する。次に、ステップS106で使用する検出信号を特定する「検出信号特定処理」を実行する。ここで、図6を参照して「検出信号特定処理」について説明する。
【0045】
図6に示すように、まず、ステップS200で、「素子1」の検出信号が飽和レベル未満か否かを判定する。飽和レベルに到達していない場合には、ステップS200で肯定判定してステップ202に進み、ステップ202で「素子1」の検出信号を選択して、ルーチンを終了する。飽和レベルに到達した場合には、ステップS200で否定判定してステップ204に進む。
【0046】
次に、ステップS204で、「素子2」の検出信号が飽和レベル未満か否かを判定する。飽和レベルに到達していない場合には、ステップS204で肯定判定してステップ206に進み、ステップ206で「素子2」の検出信号を選択して、ルーチンを終了する。飽和レベルに到達した場合には、ステップS204で否定判定してステップ208に進む。
【0047】
次に、ステップS208で、「素子3」の検出信号が飽和レベル未満か否かを判定する。飽和レベルに到達していない場合には、ステップS208で肯定判定してステップ210に進み、ステップ210で「素子3」の検出信号を選択して、ルーチンを終了する。飽和レベルに到達した場合には、ステップS208で否定判定してステップ212に進む。
【0048】
ステップ212では、信号飽和である旨を表示する。即ち、有効な検出信号が存在しないことを通知して、ルーチンを終了する。なお、「距離演算処理」では、当該「通知」に基づいて、有効な検出信号が存在するか否かを判定する。信号が飽和している場合、正確な距離の算出は困難であるが、物体の存在は検出できる。
【0049】
次に、図5に戻って、ステップS108で、「検出信号特定処理」を行った結果、有効な検出信号が存在するか否かを判定する。即ち、検出可能範囲に在る素子からの検出信号を選択することができたか否かを判定するのである。有効な検出信号が存在する場合には、ステップS108で肯定判定してステップS110に進み、有効な検出信号が存在しない場合には、否定判定してルーチンを終了する。ステップS110では、取得された「反射光の検出信号」に基づいて、反射光が受光されたタイミングを計算し、計算された受光タイミングを記憶する。
【0050】
次に、ステップ112で、取得された測定光の投光タイミングと反射光の受光タイミングとに基づいて、測定光が投光されてから反射光を受光するまでに要した応答時間を計算する。そして、計算された応答時間に基づいて、測定対象物までの距離を演算して、ルーチンを終了する。なお、演算により得られた測定対象物までの距離を、測定結果として表示部42に表示してもよい。
【0051】
なお、上記の「検出信号の特定処理」では、検出可能範囲に在る素子からの検出信号を選択する例について説明したが、各素子からの検出信号の和信号を用いてもよい。図7は「検出信号特定処理」の他の処理ルーチンを示すフローチャートである。図7に示すように、まず、ステップS300で、素子1〜素子3の検出信号の和(和信号)を計算する。次に、ステップ302で、和信号が飽和レベル未満か否かを判定する。
【0052】
飽和レベルに到達していない場合には、ステップS302で肯定判定してステップ304に進み、ステップ304で和信号を検出信号として、ルーチンを終了する。飽和レベルに到達した場合には、ステップS302で否定判定してステップ306に進む。ステップ306では、信号飽和である旨を表示する。即ち、有効な検出信号が存在しないことを通知して、ルーチンを終了する。
【0053】
(光量分布変換素子の構成例)
次に、光量分布変換素子36の構成について説明する。図8(A)〜(E)は光量分布変換素子の種々の構成例を示す模式図である。図8(A)は、光量分布変換素子として、入射した反射光を回折する回折光学素子36Aを用いた例である。回折光学素子36Aとしては、回折光の波面を任意に設計可能な、回折光学素子(Digital Optics Elements:DOE)、ホログラフィック光学素子(Holographic Optical Element:HOE)等を用いることができる。これらの光学素子によれば、被照射面38Aにおける光量分布、回折光の拡がり角度等を、任意に設計することができる。
【0054】
なお、光量分布変換素子として回折光学素子36Aを用いる場合には、図8(A)に示すように、受光視野制限部34を、回折光学素子36Aから離間して配置してもよい。また、図8(B)に示すように、受光視野制限部34を、回折光学素子36Aと接するように配置してもよい。
【0055】
図8(C)は、光量分布変換素子として、入射した反射光を拡散透過する拡散板36Bを用いた例である。受光視野制限部34と光検出器38との間に、拡散板36Bを配置するだけでよく、最も簡易な構成で光検出器のダイナミックレンジを拡大することができる。拡散板36Bとしては、フロスト型拡散板、ガラスや樹脂内に乳白色の光拡散物質を分散させた拡散板等、従来公知の拡散板を用いることができる。
【0056】
また、等方的な拡散板では、例えば、スリットの長さ方向と同じ方向に拡散する等、所望の方向・角度で拡散ができない場合がある。従って、拡散板36Bとして異方性拡散板を用いることで、拡散光の拡がりを低減することができる。なお、光量分布変換素子として拡散板36Bを用いる場合には、図8(C)に示すように、受光領域外に漏出する光を低減するために、拡散板36Bを光検出器38と接するように配置することが好ましい。また、図8(C)に示すように、受光視野制限部34を、拡散板36Bと接するように配置してもよい。
【0057】
図8(D)及び(E)は、光量分布変換素子として、開口部を有する反射鏡を備えた導光板36Cを用いた例である。図8(D)及び(E)に示すように、導光板36Cは、開口部31Aを有し且つ光検出器38側が反射面とされた反射鏡31、及び開口部31Aを通過した反射光を透過させる光透過板33を備えている。光透過板33の開口部31Aに対向する位置には、入射した反射光を反射鏡31の方向に反射する斜面35が配置されている。
【0058】
図示した例では、光透過板33の光出射側の面をV字状に切り欠いて2つの斜面35を形成することで、スリット状の開口34Aの長さ方向に延びる溝が形成されている。上記の導光板36Cでは、受光視野制限部34のスリット状の開口34Aを通過した反射光は、斜面35により一部が反射鏡31の方向に反射され、反射鏡31により光検出器38の方向に反射されることで、受光素子50の配列方向に拡げられて(導光されて)、光検出器38の被照射面38Aに照射される。
【0059】
なお、光量分布変換素子として導光板36Cを用いる場合には、図8(D)に示すように、導光板36Cを光検出器38と接するように配置することが好ましい。また、図8(D)に示すように、受光視野制限部34を、導光板36Cと接するように配置してもよい。
【0060】
以上説明したとおり、本実施の形態によれば、光検出器の被照射面内に複数の受光素子を一次元アレイ状に配置すると共に、複数の受光素子に不均一な光量分布の反射光が照射されるように、光量分布変換素子で反射光の光量分布を変換することで、複数の受光素子の受光感度が同一であっても、広い光量範囲に亘って検出信号を得ることができるようになる。即ち、光検出器が検出できる反射光の強度範囲(ダイナミックレンジ)が拡大する。
【0061】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の距離測定装置の他の構成ついて説明する。図9は本発明の第2の実施の形態に係る距離測定装置における光検出器の構成の一例と、当該光検出器の被照射面における光量分布を示す図である。光検出器38として、複数の受光素子50が二次元アレイ状に配置された光検出器を用いた以外は、第1の実施の形態に係る距離測定装置と同じ構成であるため、同じ構成部分については説明を省略する。
【0062】
図9に示すように、本実施の形態では、複数の受光素子50の各々は、光検出器38の被照射面38A内に二次元アレイ状に配置されている。図示した例では、36個の受光素子5011〜5066が、6行6列のマトリクス状に配列されている。ここでは、m行n列に配列された受光素子50を「受光素子50mn」と表記する。受光素子50の配列方向の中心線の左側には、受光素子50m3、50m2、50m1が中心線からこの順に配置されている。上記中心線の右側には、受光素子50m4、50m5、50m6が中心線からこの順に配置されている。なお、受光素子5011〜5066を区別する必要がない場合には、受光素子50と総称する。
【0063】
上記の複数の受光素子50が二次元アレイ状に配置された光検出器38としては、ガイガーモードAPDアレイを用いることができる。図10は、本実施の形態で光検出器38として使用されるガイガーモードAPDアレイの構成の一例を示す平面図である。ガイガーモードAPDアレイは、ガイガーモードで動作する複数のアバランシェフォトダイオード(APD)が、二次元マトリクス状に配列されたAPDアレイである。通常、ガイガーモードAPDアレイは、APDを2次元に並列接続した構造とされ、フォトンカウンターとして使用される。
【0064】
各APDは、フォトンが入射すると一定のパルスを出力する。全部のAPDは1個の読み出しチャンネルに接続されており、各APDから出力されたパルスは1つの大きなパルスとなり、このパルスの大きさによりAPDアレイが検出したフォトン数を測定することができる。換言すれば、N個のAPDを有するAPDアレイでは、2階調の光を検出することができる。即ち、APDのサイズを小さくし、APDの個数を増やすことで、光検出器のダイナミックレンジは拡大する。一方、APDの個数を増やすと、素子分離帯の面積が増加し、有効受光割合(フィルファクタ)が低下する。
【0065】
本実施の形態では、複数の受光素子(APD)50が、m行n列のマトリクス状に配列されている。以下、本実施の形態では、受光素子50を「APD50」と言い換える。また、本実施の形態では、複数のAPD50は、複数の組52に分けられおり、光検出器38からの「検出信号」は、複数の組52の各々に対応して入力される。図示した例では、36個のAPD5011〜5066が、6行6列のマトリクス状に配列されており、中心線から1列目のAPD50m3及び50m4を「組52」、中心線から2列目のAPD50m2及び50m5を「組52」、中心線から3列目のAPD50m1及び50m6を「組52」とする。
【0066】
図11はガイガーモードAPDアレイを使用した場合の吸収された全光子数に対する出力フォトン数を表すグラフである。横軸が吸収された全光子数を表し、縦軸が出力フォトン数を表す。光検出器38として、図10に示すガイガーモードAPDアレイを用い、光検出器38の被照射面38Aにおいて、組52〜組52の各々について、異なる光量が得られるように光量分布変換素子36を設計した。
【0067】
ここでは、「組52」を構成するAPD50に全光量の90%の光が照射され、「組52」を構成するAPD50に全光量の9%の光が照射され、「組52」を構成するAPD50に全光量の0.9%の光が照射されるように、組52〜組52の各々が配置される位置に応じて光量分布が設定されている。
【0068】
グラフ中の「Homo」は、比較のために、従来と同様に、複数のAPD50の各々に(即ち、光検出器38の被照射面38Aに)均一な光量の光を照射した場合の出力(検出信号)を表している。「Hetero 1st row」は「組52」を構成するAPD50からの出力を表し、「Hetero 2nd row」は「組52」を構成するAPD50からの出力を表し、「Hetero 3rd row」は「組52」を構成するAPD50からの出力を表している。また、「Hetero」は、「組52」を構成するAPD50からの出力(Hetero 1st row)、「組52」を構成するAPD50からの出力(Hetero 2nd row)、及び「組52」を構成するAPD50からの出力(Hetero 3rd row)の和(和信号)を表している。
【0069】
光検出器38の被照射面38Aに均一な光量の光を照射した場合には、吸収フォトン数が約20あたりから傾きが緩やかになり、吸収フォトン数が100になると略横ばいになって、光検出器38の出力が飽和してしまう。これに対し、本実施の形態では、被照射面38Aで不均一な光量分布となるように、光量分布を変換した反射光を照射することで、吸収フォトン数が1000近くになるまで傾きを保つことができる。これにより、従来と比較して、ダイナミックレンジを10倍以上に拡大することができる。
【0070】
例えば、組52〜組52の各々に対応する「検出信号(Hetero 1st row/Hetero 2nd row/Hetero 3rd row)」の何れかを選択する場合には、吸収フォトン数が1000近くでも組52の「検出信号」は飽和していないので、組52の検出信号を選択することで、反射光を検出することができる。また、組52〜組52の各検出信号の「和信号(Hetero)」を用いる場合にも、吸収フォトン数が1000近くでも「和信号」は飽和していないので、「和信号」により反射光を検出することができる。
【0071】
以上説明したとおり、本実施の形態によれば、光検出器の被照射面内に複数の受光素子を二次元アレイ状に配置すると共に、複数の受光素子に不均一な光量分布の反射光が照射されるように、光量分布変換素子で反射光の光量分布を変換することで、複数の受光素子の受光感度が同一であっても、広い光量範囲に亘って検出信号を得ることができるようになる。即ち、光検出器が検出できる反射光の強度範囲(ダイナミックレンジ)が拡大する。
【0072】
また、光検出器としてガイガーモードAPDアレイを用いた場合にも、APDの個数を増やすことなく、即ち、有効受光割合(フィルファクタ)が低下させることなく、光検出器のダイナミックレンジを拡大することができる。
【0073】
<その他の変形例>
(受光視野制限部)
なお、上記の実施の形態では、受光視野が必要以上に広くなり、屋外の太陽光等の外乱光が余分に入射してノイズが増加するのを避けるために、スリット状の開口を有する受光視野制限部(開口絞り)を備える例について説明したが、受光視野を制限する他の機構を有する場合には、受光視野制限部を省略してもよい。例えば、光投光部の投光光学系等により、対象物に投光する測定光に強度分布を付与してもよい。
【0074】
(分割ディテクタ方式の光検出器への応用)
また、本発明は分割ディテクタ方式の光検出器にも適用することができる。図12(A)は分割ディテクタ方式の光検出器の構成の一例を示す平面図であり、図12(B)は各ユニットをモジュール化した例を示す模式図である。図12(A)に示すように、光検出器38が、複数のユニット38〜38に分割された分割ディテクタ方式の光検出器である場合には、複数のユニット38〜38の各々について、光量分布を変換するモジュールを形成してもよい。
【0075】
例えば、図12(B)に示すように、ユニット38を含むモジュールは、受光視野制限部34、光量分布変換素子36、及びユニット38を備えている。光量分布変換素子36は、ユニット38の被照射面での光量分布が不均一となるように、受光視野制限部34の開口34Aを通過した反射光の光量分布を変換する。なお、複数のユニット38〜38の各々の間でのクロストークを低減するために、光量分布変換素子36としては、被照射面における光量分布、回折光の拡がり角度等を、任意に設計することができる、DOEやHOE等の回折光学素子が好ましい。
【0076】
(光量分布の変形例)
なお、上記の実施の形態では、被照射面における光量が、受光素子の配列方向の中心線で最も大きく、中心線から外側に行くほど小さくなる例について説明したが、不均一な光量分布の反射光を照射できればよく、光量分布は上記の例に限定されない。複数の受光素子が配置される位置に応じて、適宜変更してもよい。図13(A)及び(B)は光検出器の被照射面における光量分布の種々の変形例を示す図である。図13(A)及び(B)に示すように、光検出器38の被照射面38Aにおける光量分布を、中心対象の光量分布としてもよい。例えば、図13(A)に示すように、中央部分ほど光量を大きく、周辺部分ほど光量を小さくしてもよい。また、逆に、図13(B)に示すように、中央部分ほど光量を小さく、周辺部分ほど光量を大きくしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 距離測定装置
20 光投光部
22 投光光学系
24 レーザ光源
26 駆動部
30 光受光部
31A 開口部
31 反射鏡
32 集光光学系
33 光透過板
34A 開口
34 受光視野制限部
35 斜面
36 光量分布変換素子
36A 回折光学素子
36B 拡散板
36C 導光板
38 光検出器
38A 被照射面
40 制御部
42 表示部
50 受光素子
52 組

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物に対し測定光を投光する光投光部と、
前記測定対象物で反射された反射光を集光する集光光学系と、
一定の受光感度を有する複数の受光素子が被照射面内に配置された光検出器と、
前記集光光学系と前記光検出器との間に配置され、前記被照射面において前記複数の受光素子の各々が配置される位置に応じて予め定めた光量分布が得られるように、前記集光光学系で集光された反射光の光量分布を変換する光量分布変換素子と、
前記複数の受光素子から検出信号を取得し、取得された複数の検出信号に基づいて前記測定対象物までの距離を演算する制御部と、
を備えた距離測定装置。
【請求項2】
前記制御部は、取得された複数の検出信号から飽和レベルに到達していない検出信号を選択して、選択された検出信号に基づいて前記測定対象物までの距離を演算する、又は取得された複数の検出信号の和信号を求め、得られた和信号に基づいて前記測定対象物までの距離を演算する、請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項3】
前記光検出器は、前記複数の受光素子が複数の組に分けて配置されており、
前記光量分布変換素子は、前記複数の組間で受光光量が変化するように反射光の光量分布を変換し、
前記制御部は、前記複数の組毎に検出信号を取得し、取得された複数の検出信号から飽和レベルに到達していない検出信号を選択して、選択された検出信号に基づいて前記測定対象物までの距離を演算する、又は取得された複数の検出信号の和信号を求め、得られた和信号に基づいて前記測定対象物までの距離を演算する、請求項1又は請求項2に記載の距離測定装置。
【請求項4】
前記光検出器は、ガイガーモードで動作する複数のアバランシェフォトダイオードを有するガイガーモードAPDアレイである、請求項1から3までの何れか1項に記載の距離測定装置。
【請求項5】
前記集光光学系と前記光量分布変換素子との間に配置され、前記反射光を通過させる開口と当該開口の周囲に照射される光を遮断する遮光板とを有し、受光視野を制限する受光視野制限部を、更に備えた、請求項1から4までの何れか1項に記載の距離測定装置。
【請求項6】
前記光量分布変換素子は、前記集光光学系で集光された反射光を前記光検出器に向けて拡散させる機能を備える、請求項1から5までの何れか1項に記載の距離測定装置。
【請求項7】
前記光量分布変換素子は、入射した反射光を拡散透過する拡散板である、請求項1から6までの何れか1項に記載の距離測定装置。
【請求項8】
前記光量分布変換素子は、開口部を備え前記光検出器側が反射面とされた反射鏡、及び前記開口部を通過した反射光を透過させる光透過板を備え、前記光透過板の前記開口部に対向する位置に入射した反射光を、前記反射鏡の方向に反射する斜面が配置された、請求項1から6までの何れか1項に記載の距離測定装置。
【請求項9】
前記光量分布変換素子は、入射した反射光を回折する回折光学素子である、請求項1から6までの何れか1項に記載の距離測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−202776(P2012−202776A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66673(P2011−66673)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】