説明

車両および車両の制御方法

【課題】充電ケーブルを用いて外部充電が可能な車両において、車両のインレットへの充電ケーブルの接続が不十分であったことに起因して充電が実行されなかった場合の要因を事後的に認識可能とする。
【解決手段】充電ケーブル300を介して外部充電が可能な車両100は、蓄電装置150と、コネクタ310を接続するためのインレット270と、蓄電装置150を充電するための充電装置160と、車両ECU170とを備える。車両ECU170は、コネクタ310からのコネクタ310とインレット270との接続状態を示す信号SIGが、完全な接続状態であることを示している場合は充電動作の実行を許可し、接続が不完全な状態であることを示している場合は、充電動作を禁止するとともに、不完全な接続状態に起因して充電動作が行なわれなかったことを記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両および車両の制御方法に関し、より特定的には、充電ケーブルを介して伝達された外部電源からの電力を用いて充電が可能な車両における異常ログ機能に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境に配慮した車両として、蓄電装置(たとえば二次電池やキャパシタなど)を搭載し、蓄電装置に蓄えられた電力から生じる駆動力を用いて走行する車両が注目されている。このような車両には、たとえば電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車などが含まれる。そして、これらの車両に搭載される蓄電装置を発電効率の高い商用電源により充電する技術が提案されている。
【0003】
ハイブリッド車においても、電気自動車と同様に、車両外部の電源(以下、単に「外部電源」とも称する。)から車載の蓄電装置の充電(以下、単に「外部充電」とも称する。)が可能な車両が知られている。たとえば、家屋に設けられたコンセントと車両に設けられた充電口(以下、インレットとも称する。)とを充電ケーブルで接続することにより、一般家庭の電源から蓄電装置の充電が可能ないわゆる「プラグイン・ハイブリッド車」が知られている。これにより、ハイブリッド自動車の燃料消費効率を高めることが期待できる。
【0004】
特許第3135040号公報(特許文献1)は、車両の外部充電を行なう際に用いられる充電ケーブルを車両のインレットに接続するための充電用コネクタの構成が開示される。特許第3135040号公報(特許文献1)に開示された充電用コネクタによれば、コネクタの嵌合作業と通電のためのスイッチ操作とを同時に行なうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3135040号公報
【特許文献2】特開2004−273195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような、充電ケーブルを用いて外部充電が可能な車両においては、インレットへ充電ケーブルが適切に接続されていることが、充電開始の条件の1つとされる場合がある。このような車両において外部充電を行なう際に、ユーザが、不運にも充電ケーブルの接続が不十分であり、完全に嵌合していないことに気付かなかった場合には、ユーザの意に反して充電が実行されないことが生じ得る。そうすると、充電が完了したことを期待してユーザが車両を運転しようとしたときに、車両の充電がなされていないことによって、車両の運転ができない場合が発生するおそれがある。
【0007】
このときに、充電ケーブルの接続が不十分であることを認識してない状態で充電ケーブルを取り外した場合には、ユーザはなぜ充電が実行されなかったかを事後的に認識することができずに、違和感やシステムに対する不信感を感じる可能性がある。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、着脱式の充電ケーブルを用いて外部充電が可能な車両において、車両のインレットへの充電ケーブルの接続が不十分であったことに起因して充電が実行されなかった場合の要因を事後的に認識可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による車両は、着脱式の充電ケーブルを介して、外部電源からの電力を用いて充電が可能な車両であり、充電が可能な蓄電装置と、充電ケーブルのコネクタを接続するための接続部と、充電装置と、充電装置による充電動作を制御するための制御装置とを備える。充電装置は、充電ケーブルにより接続部に供給される外部電源からの電力を用いて蓄電装置を充電する。コネクタは、コネクタと接続部との接続を検出するための接続検知装置を含む。制御装置は、接続検知装置からの信号の状態に基づいてコネクタと接続部との接続が不完全な接続状態であることを判定し、コネクタと接続部との接続が不完全な接続状態である場合は、充電動作の実行を禁止するとともに、不完全な接続状態であることに起因して充電動作が行なわれなかったことを記憶する。
【0010】
好ましくは、接続検知装置は、第1の検出部および第2の検出部を有しする。制御装置は、第1の検出部に基づく接続検知装置からの信号の状態に応答して、第2の検出部に基づく信号の状態によってコネクタと接続部との接続が不完全な接続状態であることを判定する。
【0011】
好ましくは、信号の状態は、第1の検出部のみが接続部の端子部に接続される場合に生じる第1の状態と、第1および第2の検出部の両方が端子部に接続される場合に生じる、第1の状態とは異なる第2の状態とを有する。制御装置は、信号の状態が、第1の状態の場合は、コネクタと接続部との接続が不完全な接続状態であると判定する。
【0012】
好ましくは、制御装置は、第1の状態が予め定められた期間継続した場合に、コネクタと接続部との接続が不完全な接続状態であると判定する。
【0013】
好ましくは、制御装置は、信号の状態が、第2の状態の場合は、コネクタと接続部との接続が完全な接続状態であると判定するとともに、充電動作の実行を許可する。
【0014】
好ましくは、制御装置は、信号の状態が、第1の状態および第2の状態のいずれでもない第3の状態の場合は、コネクタと接続部とが非接続であると判定する。
【0015】
本発明による車両の制御方法は、着脱式の充電ケーブルを介して、外部電源からの電力を用いて充電が可能な車両の制御方法である。車両は、充電が可能な蓄電装置と、充電ケーブルのコネクタを接続するための接続部と、充電ケーブルにより接続部に供給される外部電源からの電力を用いて、蓄電装置を充電するための充電装置とを含む。コネクタは、コネクタと接続部との接続を検出するための接続検知装置を含む。制御方法は、接続検知装置からの信号の状態を受けるステップと、信号の状態に基づいてコネクタと接続部との接続が不完全な接続状態であることを判定するステップと、コネクタと接続部との接続が不完全な接続状態であると判定された場合に、充電装置による充電動作の実行を禁止するステップと、コネクタと接続部との接続が不完全な接続状態であると判定された場合に、不完全な接続状態であることに起因して充電動作が行なわれなかったことを記憶するステップとを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、着脱式の充電ケーブルを用いて外部充電が可能な車両において、車両のインレットへの充電ケーブルの接続が不十分であったことに起因して充電が実行されなかった場合の要因を事後的に認識可能とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施の形態に従う車両を含む充電システムの概略図である。
【図2】図1に示した充電回路をより詳細に説明するための図である。
【図3】図1の充電ケーブルの外観図である。
【図4】コネクタが嵌合状態の場合の充電動作を説明するためのタイムチャートである。
【図5】コネクタが半嵌合状態の場合の充電動作を説明するためのタイムチャートである。
【図6】本実施の形態において、車両ECUで実行される充電中止判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】本実施の形態において、車両ECUで実行される充電中止時のログ記録処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0019】
図1は、実施の形態1に従う車両10の充電システムの概略図である。なお、車両10は、外部電源により充電可能な蓄電装置からの電力によって走行可能であれば、その構成は特に限定されるものではない。車両10には、たとえばハイブリッド自動車,電気自動車および燃料電池自動車などが含まれる。また、充電可能な蓄電装置が搭載された車両であれば、たとえば内燃機関によって走行する車両にも適用可能である。
【0020】
図1を参照して、車両10は、インレット270と、充電装置160と、リレー155と、蓄電装置150と、駆動部20と、車両ECU(Electronic Control Unit)170と、電圧センサ182とを備える。駆動部20は、モータ駆動装置180と、モータジュネレータ(以下「MG(Motor Generator)」とも称する。)120と、駆動輪130とを含む。
【0021】
インレット270には、充電ケーブル300のコネクタ310が接続される。
充電装置160は、電力線ACL1,ACL2によってインレット270と接続される。さらに、充電装置160は、リレー155を介して蓄電装置150と接続される。そして、充電装置160は、車両ECU170からの制御信号PWEに基づいて、車両の外部電源402から供給される交流電力を、蓄電装置150が充電可能な直流電力に変換して、蓄電装置150に供給する。
【0022】
蓄電装置150は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置150は、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池あるいは鉛蓄電池などの二次電池や、電気二重層キャパシタなどの蓄電素子を含んで構成される。
【0023】
蓄電装置150は、充電装置160から供給される充電電力を蓄える。蓄電装置150は、MG120を駆動するモータ駆動装置180に接続され、車両を走行するための駆動力の発生に用いられる直流電力をモータ駆動装置180へ供給する。また蓄電装置150は、MG120で発電された電力を蓄電する。
【0024】
また、蓄電装置150は、いずれも図示しないが、蓄電装置150の電圧を検出するための電圧センサ、および、蓄電装置150に入出力される電流を検出するための電流センサをさらに含み、これらのセンサによって検出された電圧,電流の検出値を車両ECU170へ出力する。
【0025】
モータ駆動装置180は、蓄電装置150およびMG120に接続される。そして、モータ駆動装置180は、車両ECU170によって制御されて、蓄電装置150から供給される電力を、MG120を駆動するための電力に変換する。モータ駆動装置180は、たとえば三相インバータを含んで構成される。
【0026】
MG120は、モータ駆動装置180と、図示しない動力分割機構や減速機等を介して駆動輪130とに接続される。そして、MG120は、モータ駆動装置180から供給された電力を受けて、車両10を走行させるための駆動力を発生する。また、MG120は、駆動輪130からの回転力を受けて交流電力を発生するとともに、車両ECU170からの回生トルク指令によって回生制動力を発生する。MG120は、たとえば、永久磁石が埋設されたロータとY結線された三相コイルを有するステータとを備える三相交流電動発電機を含んで構成される。
【0027】
また、MG120の他にエンジン(図示しない)が搭載されたハイブリッド自動車では、車両ECU170により、エンジンおよびMG120の駆動力が最適な比率となるように制御が実行される。
【0028】
電圧センサ182は、電力線ACL1とACL2との間に設置され、外部電源402から供給される電力の電圧を検出する。そして、電圧センサ182は、その電圧の検出値VACを車両ECU170に出力する。
【0029】
リレー155は、充電装置160と蓄電装置150とを結ぶ経路に設置される。そしてリレー155は、車両ECU170からの制御信号SEによって制御され、充電装置160から蓄電装置150への電力の供給と遮断とを切替える。なお、本実施の形態においては、リレー155が個別に設けられる構成としているが、蓄電装置150または充電装置160の内部にリレー155が含まれる構成としてもよい。
【0030】
車両ECU170は、いずれも図1には図示しないがCPU(Central Processing Unit)、記憶装置および入出力バッファを含み、各センサ等からの信号の受信や各機器への制御指令の出力を行なうとともに、車両10および各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
【0031】
車両ECU170は、充電ケーブル300から、インレット270を介して、ケーブルの接続を表わす信号SIGおよびパイロット信号CPLTを受ける。また、車両ECU170は、電圧センサ182から受電電力の電圧検出値VACを受ける。
【0032】
また、車両ECU170は、蓄電装置150内に設置されたセンサ(図示せず)から電流、電圧、温度に関する検出値の入力を受け、蓄電装置150の充電状態を示す状態量(以下「SOC(State of Charge)」とも称する。)の算出を行なう。
【0033】
そして、車両ECU170は、これらの情報に基づいて、蓄電装置150を充電するために、充電装置160およびリレー155などを制御する。
【0034】
充電ケーブル300は、車両側の端部に設けられたコネクタ310と、外部電源側の端部に設けられたプラグ320と、充電回路遮断装置(以下、「CCID(Charging Circuit Interrupt Device)」とも称する。)330と、それぞれの機器間を接続して電力および制御信号を入出力する電線部340とを備える。
【0035】
電線部340は、プラグ320とCCID330との間を接続する電線部340Aとコネクタ310とCCID330との間を接続する電線部340Bとを含む。また、電線部340は、外部電源402からの電力を伝達するための電力線341を含む。
【0036】
充電ケーブル300は、外部電源402(たとえば商用電源)のコンセント400と充電ケーブル300のプラグ320によって接続される。また、車両10のボディーに設けられたインレット270と充電ケーブル300のコネクタ310とが接続され、車両の外部電源402からの電力が車両10へ伝達される。充電ケーブル300は、外部電源402および車両10に着脱可能である。
【0037】
コネクタ310の内部には、コネクタ310の接続を検知する接続検知装置312が設けられ、インレット270とコネクタ310との接続状態を検知する。そして、接続検知装置312は接続状態を表わす信号SIGを、インレット270を経由して、車両10の車両ECU170へ出力する。接続検知装置312の詳細については、図2で後述する。
【0038】
CCID330は、CCIDリレー332と、コントロールパイロット回路334とを含む。CCIDリレー332は、充電ケーブル300内の電力線341に介挿される。CCIDリレー332は、コントロールパイロット回路334によって制御される。そして、CCIDリレー332が開放されているときは、充電ケーブル300内で電路が遮断される。一方、CCIDリレー332が閉成されると、外部電源402から車両10へ電力が供給される。
【0039】
コントロールパイロット回路334は、コネクタ310およびインレット270を介して車両ECU170へパイロット信号CPLTを出力する。このパイロット信号CPLTは、コントロールパイロット回路334から車両ECU170へ充電ケーブル300の定格電流を通知するための信号である。また、パイロット信号CPLTは、車両ECU170によって操作されるパイロット信号CPLTの電位に基づいて、車両ECU170からCCIDリレー332を遠隔操作するための信号としても使用される。そして、コントロールパイロット回路334は、パイロット信号CPLTの電位変化に基づいてCCIDリレー332を制御する。
【0040】
図2は、図1に示した充電回路をより詳細に説明するための図である。なお、図2において、図1と同じ参照符号が付された重複する要素についての説明は繰り返さない。
【0041】
図2を参照して、CCID330は、CCIDリレー332およびコントロールパイロット回路334に加えて、電磁コイル606と、漏電検出器608と、CCID制御部610と、電圧センサ650と、電流センサ660とをさらに含む。また、コントロールパイロット回路334は、発振装置602と、抵抗R20と、電圧センサ604とを含む。
【0042】
CCID制御部610は、いずれも図示しないが、CPUと、記憶装置と、入出力バッファとを含み、各センサおよびコントロールパイロット回路334の信号の入出力を行なうとともに、充電ケーブル300の充電動作の制御を行なう。
【0043】
発振装置602は、電圧センサ604によって検出されるパイロット信号CPLTの電位が規定の電位のときは非発振の信号を出力し、パイロット信号CPLTの電位が上記の規定の電位から低下したときは、CCID制御部610により制御されて、規定の周波数(たとえば1kHz)およびデューティサイクルで発振する信号を出力する。
【0044】
なお、パイロット信号CPLTの電位は、図4で後述するように、車両ECU170によって操作される。また、デューティサイクルは、外部電源402から充電ケーブル300を介して車両10へ供給可能な定格電流に基づいて設定される。
【0045】
パイロット信号CPLTは、上述のようにパイロット信号CPLTの電位が規定の電位から低下すると、規定の周期で発振する。ここで、外部電源402から充電ケーブル300を介して車両10へ供給可能な定格電流に基づいてパイロット信号CPLTのパルス幅が設定される。すなわち、この発振周期に対するパルス幅の比で示されるデューティによって、パイロット信号CPLTを用いてコントロールパイロット回路334から車両10の車両ECU170へ定格電流が通知される。
【0046】
なお、定格電流は、充電ケーブル毎に定められており、充電ケーブル300の種類が異なれば定格電流も異なる。したがって、充電ケーブル300毎にパイロット信号CPLTのデューティも異なることになる。
【0047】
車両ECU170は、コントロールパイロット線L1を介して受信したパイロット信号CPLTのデューティに基づいて、外部電源402から充電ケーブル300を介して車両10へ供給可能な定格電流を検知することができる。
【0048】
車両ECU170によってパイロット信号CPLTの電位がさらに低下されると、コントロールパイロット回路334は、電磁コイル606へ電流を供給する。電磁コイル606は、コントロールパイロット回路334から電流が供給されると電磁力を発生し、CCIDリレー332の接点を閉じて導通状態にする。
【0049】
漏電検出器608は、CCID330内部において充電ケーブル300の電力線341の途中に設けられ、漏電の有無を検出する。具体的には、漏電検出器608は、対となる電力線341に互いに反対方向に流れる電流の平衡状態を検出し、その平衡状態が破綻すると漏電の発生を検知する。なお、特に図示しないが、漏電検出器608により漏電が検出されると、電磁コイル606への給電が遮断され、CCIDリレー332の接点が開放されて非導通状態となる。
【0050】
電圧センサ650は、充電ケーブル300のプラグ320がコンセント400に差し込まれると、外部電源402から伝達される電源電圧を検知し、その検出値をCCID制御部610に通知する。また、電流センサ660は、電力線341に流れる充電電流を検知し、その検出値をCCID制御部610に通知する。
【0051】
コネクタ310内に含まれる接続検知装置312は、抵抗R11,R12およびスイッチSW10を含む。
【0052】
抵抗R11は、接続信号線L3と接地線L2との間に接続される。また、直列接続されたスイッチSW10および抵抗R12は、抵抗R11と並列に接続信号線L3と接地線L2との間に接続される。スイッチSW10は、図3で後述するコネクタ310の操作ボタンおよび係止爪と連動している。スイッチSW10は、コネクタ310がインレット270に完全に接続された状態(以下、嵌合状態とも称する。)において接点が閉成され、コネクタ310がインレット270に中途半端に接続されたような不完全な接続状態(以下、半嵌合状態とも称する。)である場合には接点が開放される。
【0053】
このような構成とすることにより、コネクタ310がインレット270から切り離された状態では、車両ECU170に含まれる電源ノード511の電圧およびプルアップ抵抗R10によって定まる電位(たとえば、V11)を有する信号が信号SIGとして接続信号線L3に発生する。また、コネクタ310とインレット270が嵌合状態の場合には、電源ノード511の電圧、プルアップ抵抗R10、および抵抗R11,R12によって定まる電位(たとえば、V13)を有する信号が信号SIGとして接続信号線L3に発生する。さらに、コネクタ310とインレット270が半嵌合状態の場合には、スイッチSW10が開放状態であるため、電源ノード511の電圧、プルアップ抵抗R10および抵抗R11によって定まる電位(たとえば、V12)を有する信号が信号SIGとして接続信号線L3に発生する。
【0054】
このとき、各状態で発生する信号SIGの電位の大きさは、V11>V12>V13となる。したがって、信号SIGの電位の大きさを検出することによって、車両ECU170は、コネクタ310の接続状態を検出することができる。
【0055】
なお、上記において、抵抗R11は本発明における「第1の検出部」に対応し、抵抗R12は本発明における「第2の検出部」に対応する。また、信号SIGの電位Vが、V12≧V>V13の場合が本発明における「第1の状態」に対応し、V13≧Vの場合が本発明における「第2の状態」に対応し、V>V12の場合が本発明における「第3の状態」に対応する。
【0056】
車両10においては、車両ECU170は、上記の電源ノード511およびプルアップ抵抗R10に加えて、抵抗回路502と、入力バッファ504,506と、CPU508とをさらに含む。抵抗回路502は、プルダウン抵抗R1,R2と、スイッチSW1とを含む。プルダウン抵抗R1およびスイッチSW1は、パイロット信号CPLTが通信されるコントロールパイロット線L1と車両アース512との間に直列に接続される。プルダウン抵抗R2も、コントロールパイロット線L1と車両アース512との間に直列に接続される。そして、スイッチSW1は、CPU508からの制御信号S1に応じて導通または非導通に制御される。
【0057】
この抵抗回路502は、車両10側からパイロット信号CPLTの電位を操作するための回路である。
【0058】
入力バッファ504は、コントロールパイロット線L1のパイロット信号CPLTを受け、その受けたパイロット信号CPLTをCPU508へ出力する。入力バッファ506は、コネクタ310の接続検知装置312に接続される接続信号線L3から信号SIGを受け、その受けた信号SIGをCPU508へ出力する。
【0059】
CPU508は、入力バッファ504,506から、パイロット信号CPLTおよび信号SIGをそれぞれ受ける。CPU508は、パイロット信号CPLTの発振状態およびデューティサイクルを検知することによって、上述のように充電ケーブル300の定格電流を検出する。
【0060】
CPU508は、信号SIGの電位を検出し、コネクタ310の接続状態を検出する。CPU508は、信号SIGの電位がV12以下になると、インレット270内の接地線L2および接続信号線L3の端子に、コネクタ310内の対応する端子がそれぞれ接続されたことを示す接続信号CNCTをオンに設定する。また、CPU508は、信号SIGの電位がV13以下になると、コネクタ310とインレット270が嵌合状態となったことを示す嵌合信号PISWをオンに設定する。
【0061】
そして、CPU508は、信号SIGの電位およびパイロット信号CPLTの発振状態に基づいて、スイッチSW1の制御信号S1を制御することによって、パイロット信号CPLTの電位を操作する。これによって、CPU508は、CCIDリレー332を遠隔操作することができる。そして、充電ケーブル300を介して外部電源402から車両10への電力の伝達が行なわれる。
【0062】
図1および図2を参照して、CCIDリレー332の接点が閉じられると、充電装置160に外部電源402からの交流電力が与えられ、外部電源402から蓄電装置150への充電準備が完了する。CPU508は、充電装置160に対し制御信号PWEを出力することによって電力変換を行なわせるとともに、制御信号SEを出力してリレー155の接点を閉じることにより、蓄電装置150への充電を実行する。
【0063】
図3は、図1の充電ケーブル300の外観図である。図3を参照して、充電ケーブル300は、上述のように、コネクタ310と、プラグ320と、電線部340とを含む。また、コネクタ310は、操作ボタン314と、カプラ部315と、係止爪316とをさらに含む。
【0064】
カプラ部315には、複数の接続端子(図示せず)が設けられ、車両10のインレット270に接続されることによって、電線部340内の電力線、接地線および信号線が、車両10側の電力線、接地線および信号線と接続される。
【0065】
本実施の形態においては、操作ボタン314は、コネクタ310の抜け防止のための係止爪316を動作させるためのボタンであり、操作ボタン314の操作に連動して係止爪316が動作する。
【0066】
具体的には、コネクタ310がインレット270に完全に接続されて嵌合状態になると、車両10側の係止爪受け部(図示せず)に係止爪316が引っ掛かり、コネクタ310がインレット270から誤って抜けてしまうことが防止される。そして、操作ボタン314が押下されると、係止爪316が係止爪受け部から外れることによって、コネクタ310をインレット270から引き抜くことが可能となる。
【0067】
図2で説明したように、コネクタ310に内蔵されたスイッチSW10は、操作ボタン314および係止爪316の動作に連動して導通または非導通の状態とされる。コネクタ310とインレット270が嵌合状態の場合には、係止爪316が係止爪受け部に引っ掛かった状態となり、このときスイッチSW10は導通状態となる。
【0068】
一方、コネクタ310とインレット270が半嵌合状態の場合には、係止爪316が係止爪受け部に押し上げられた状態、すなわち、操作ボタン314が押された状態となり、この状態においては、スイッチSW10は非導通状態となる。
【0069】
このような構成の車両の充電システムにおいては、充電ケーブルのコネクタが車両のインレットに確実に接続されていることが、充電を実行するための条件とされる場合がある。これは、コネクタの接続が緩かったり、ユーザによって充電中にコネクタが取り外されたりした場合に、通電中にコネクタの端子部が離れてしまうことによって端子間でアークが発生し、それによって機器の破損や故障を誘発してしまうことを防止するためである。
【0070】
そのため、たとえば、図3に示した充電ケーブル300のような構成においては、コネクタ310の端子部がインレットの端子部と接続している状態(すなわち、接続信号CNCTオン)に加えて、コネクタ310の係止爪316が確実に係止爪受け部に引っ掛かった状態(すなわち、嵌合信号PISWオン)であることが、充電実行の条件とされる場合がある。このような条件とすることによって、充電中に誤ってコネクタがインレットから外れてしまうことが防止できる。さらに、充電途中でユーザがコネクタを外そうとした場合であっても、係止爪を動作させるためにユーザにより操作ボタンが操作された時点で電力供給が停止されるので、コネクタの端子部がインレットの端子部から離れる際には、すでに非通電状態となっており、アーク等の発生が防止できる。
【0071】
一方、このような充電実行条件の場合には、コネクタの接続が不完全であると充電が実行されない。したがって、ユーザによるコネクタの接続が不十分であったり、あるいは、端子部の接触不良等が生じていたりすることによって、完全に嵌合状態となっていない場合には充電が実行されず、それにユーザが気付かないままであると、ユーザが、充電が完了したと思って車両を運転しようとした時点では充電が全く行なわれていないという状態が起こり得る。
【0072】
このような場合には、ユーザが、充電ケーブルを取り外したあとに、充電が実行されていないことに気付くことがある。そうすると、ユーザは充電が実行されなかった原因がわからず、充電システムに何らかの故障が生じていると認識する可能性がある。また、これによって、ディーラが、ユーザから修理を依頼されたり、さらには充電が実行されなかったことに対してユーザからのクレームを受けたりした場合に、その原因の特定およびユーザへの説明が適切に行なえないことが生じ得る。
【0073】
そこで、本実施の形態においては、充電ケーブルを用いて外部充電が可能な車両の充電システムにおいて、充電ケーブルのコネクタの接続が不十分であったことに起因して充電が実行されなかった事実を、他の機器故障の発生などとは区別してログとして記憶する手法を採用する。このような手法を用いることによって、コネクタの接続が不十分であったことに起因して充電が実行されなかったことを事後的に認識することが可能となる。
【0074】
図4は、コネクタ310がインレット270に完全に接続された嵌合状態の場合の、充電動作を説明するためのタイムチャートである。図4および後述する図5においては、横軸には時間が示され、縦軸にはパイロット信号CPLTの電位、信号SIGの電位、接続信号CNCTおよび嵌合信号PISWの状態、スイッチSW1の状態、CCIDリレー332の状態、充電処理の実行状態、および半嵌合検出フラグFLGの状態が示される。
【0075】
図2および図4を参照して、時刻t10になるまでは、充電ケーブル300は、車両10および外部電源402のいずれにも接続されていない状態である。この状態においては、各スイッチおよびCCIDリレー332はオフの状態であり、パイロット信号CPLTの電位は0Vである。また、信号SIGの電位は、V11(>0V)である。
【0076】
時刻t10において、充電ケーブル300のプラグ320が外部電源402のコンセント400に接続されると、外部電源402からの電力を受けてコントロールパイロット回路334がパイロット信号CPLTを発生する。
【0077】
なお、この時刻t10では、充電ケーブル300のコネクタ310はインレット270に接続されていない。また、パイロット信号CPLTの電位はV1(たとえば12V)であり、パイロット信号CPLTは非発振状態である。
【0078】
時刻t11において、コネクタ310がインレット270に接続されると、接続検知装置312によって、信号SIGの電位が低下する。図4においては、コネクタ310とインレット270が嵌合状態であるので、接続検知装置312内のスイッチSW10が閉成され、抵抗R11、R12によって信号SIGの電位はV13まで低下する。これによって、接続信号CNCTおよび嵌合信号PISWがオンとなり、CPU508によって、コネクタ310とインレット270との接続が検出される。
【0079】
このとき、コントロールパイロット線L1が接続されるので、抵抗回路502のプルダウン抵抗R2によってパイロット信号CPLTの電位はV2(たとえば9V)に低下する。
【0080】
時刻t12において、CCID制御部610によってパイロット信号CPLTの電位がV2に低下したことが検出される。これに応じて、CCID制御部610は、パイロット信号CPLTを発振させる。
【0081】
CPU508は、パイロット信号CPLTが発振されたことを検出すると、上述のようにパイロット信号CPLTのデューティによって、充電ケーブル300の定格電流を検出する。
【0082】
そして、CPU508は充電動作を開始するために制御信号S1を活性化させてスイッチSW1をオンする。これに応じて、プルダウン抵抗R2によって、パイロット信号CPLTの電位がV3(たとえば6V)に低下する(図4中の時刻t13)。
【0083】
このパイロット信号CPLTの電位がV3に低下したことが、CCID制御部610によって検出されると、時刻t14においてCCIDリレー332の接点が閉じられて、外部電源402からの電力が充電ケーブル300を介して車両10に伝達される。
【0084】
その後、CPU508によって、交流電圧VACが検出されると、リレー155(図1)の接点が閉じられるとともに充電装置160(図1)が制御されて、蓄電装置150(図1)の充電が開始される(図4中の時刻t15)。
【0085】
蓄電装置150の充電が進み、蓄電装置150が満充電となったことが判定されると、CPU508は、充電処理を停止する(図4中の時刻t16)とともに、制御信号S1を非活性化してスイッチSW1を非導通状態とする(図4中の時刻t17)。これによって、パイロット信号CPLTの電位がV2となり、CCIDリレー332が非導通状態とされて(図4中の時刻t18)充電動作が終了する。
【0086】
なお、図4の場合には、コネクタ310とインレット270が嵌合状態であるので、半嵌合検出フラグFLGはオフのままである。
【0087】
次に図5を用いて、コネクタ310とインレット270とが半嵌合状態の場合の充電動作について説明する。
【0088】
図2および図5を参照して、時刻t20において充電ケーブル300のプラグ320が外部電源402のコンセント400に接続され、時刻t21において、コネクタ310がインレット270に接続される。
【0089】
ところが、図5においては、コネクタ310とインレット270との接続が不十分であるので、スイッチSW10が閉成されず、信号SIGの電位はV12になる。そうすると、接続信号CNCTはオンとなるが、嵌合信号PISWはオフのままとなる。
【0090】
これにより、CPU508は、コネクタ310とインレット270とが半嵌合状態であることを検出する。
【0091】
CCID制御部610は、時刻t21においてパイロット信号CPLTの電位がV2に低下したことを検出したことに応じて、パイロット信号CPLTを発振状態とする(図5中の時刻t22)。しかしながら、CPU508は、コネクタ310が半嵌合状態であることを検出しているために、スイッチSW1を非活性状態に維持する。これによって、パイロット信号CPLTの電位がV3まで低下されないため、CCIDリレー332が閉成されず充電操作は開始されない。
【0092】
一方で、CPU508は、パイロット信号CPLTが発振状態であり、さらに接続信号CNCTがオンでかつ嵌合信号PISWがオフ(すなわち、半嵌合状態)である状態の継続時間を計測する。そして、この状態が予め定められた期間TIMだけ継続したことに応答して、CPU508は、半嵌合状態のために充電動作が実行できないと判断し、半嵌合検出フラグFLGをオンに設定して充電を中止する。
【0093】
ここで、半嵌合状態の継続時間を考慮するのは、たとえば、ユーザがコネクタ310をインレット270に接続する際に、操作ボタン314(図3)を押しながら操作したような場合に、ユーザが操作ボタン314から手を離すまでの間に発生する一次的な半嵌合状態によって、誤って充電が中止されないようにするためである。
【0094】
CPU508は、さらに、半嵌合検出フラグFLGがオンになったことに応じて、コネクタ310とインレット270とが半嵌合状態であるために充電が実行されなかったことをログとして記憶する。そして、CPU508は、この記憶された情報に基づいて、警告装置(図示せず)などに充電が中止された要因を出力したり、他の解析装置等からの要求に応じて記憶情報を出力したりする。
【0095】
図6は、本実施の形態において、車両ECU170で実行される充電中止判定処理を説明するためのフローチャートである。図6および後述する図7に示すフローチャートは、車両ECU170に予め格納されたプログラムがメインルーチンから呼び出されて、所定周期で実行されることによって処理が実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
【0096】
図2および図6を参照して、車両ECU170は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、充電異常が発生しているか否かを判定する。充電異常としては、たとえば、充電装置160(図1)の異常やCCID330の漏電検出器608が動作したことなどが含まれる。
【0097】
充電異常が発生している場合(S100にてYES)は、処理がS130に進められて、車両ECU170は、充電中止要求フラグをオンに設定し、処理をメインルーチンに戻す。充電中止フラグがオンに設定されると、充電動作が中断されるか、あるいは充電動作の開始が禁止される。
【0098】
充電異常が発生していない場合(S100にてNO)は、処理がS110に進められて、次に、車両ECU170は、蓄電装置150(図1)が満充電状態となったか否かを判定する。
【0099】
蓄電装置150が満充電状態である場合(S110にてYES)は、処理がS130に進められる。
【0100】
蓄電装置150が満充電状態でない場合(S110にてNO)は、処理がS120に進められて、車両ECU170は、コネクタ310とインレット270とが半嵌合状態であるか否かを判定する。具体的には、図5において説明したように、パイロット信号CPLTが発振状態であり、さらに接続信号CNCTがオンでかつ嵌合信号PISWがオフの状態が、予め定められた期間TIM継続したか否かが判定される。
【0101】
コネクタ310とインレット270とが半嵌合状態でない場合(S120にてNO)は、充電動作を中止する要因はないため、車両ECU170は処理をメインルーチンに戻し、その他の条件が成立したことに応じて充電動作を実行または継続する。
【0102】
一方、コネクタ310とインレット270とが半嵌合状態である場合(S120にてYES)は、処理がS130に進められて、車両ECU170は、充電中止要求フラグをオンに設定する。
【0103】
なお、図示しないが、充電中止要求フラグは、充電が中止された要因が解消された場合(たとえば、異常状態の復旧や充電量の低下など)にオフに設定される。
【0104】
図7は、本実施の形態において、車両ECU170で実行される充電中止時のログ記録処理を説明するためのフローチャートである。
【0105】
図2および図7を参照して、車両ECU170は、S200にて、充電終了直後であるか否かを判定する。具体的には、前回の充電動作の際の充電中止要求フラグがオフ、すなわちリセットされ、今回の充電動作の充電中止要求フラグがオンに設定されたか否かが判定される。
【0106】
充電終了直後でない場合(S200にてNO)は、車両ECU170は、処理をメインルーチンに戻す。
【0107】
充電終了直後である場合(S200にてYES)は、処理がS210に進められ、車両ECU170は、充電が中止された要因が、満充電によるものおよび充電異常によるもののいずれにも該当しないか否かを判定する。
【0108】
満充電および充電異常のいずれかである場合(S210にてNO)は、処理がメインルーチンに戻される。
【0109】
満充電および充電異常のいずれでもない場合(S210にてYES)は、処理がS220に進められ、車両ECU170は、コネクタ310の半嵌合検出によって充電が中止されたか否かを判定する。具体的には、パイロット信号CPLTが発振状態であり、さらに接続信号CNCTがオンでかつ嵌合信号PISWがオフの状態が、予め定められた期間TIM継続したか否かが判定される。
【0110】
半嵌合検出によって充電が中止されていない場合(S220にてNO)は、処理がメインルーチンに戻される。
【0111】
半嵌合検出によって充電が中止された場合(S220にてYES)は、処理がS230に処理が進められ、車両ECU170は、半嵌合検出によって充電が中止されたことをログとして記憶する。
【0112】
なお、図7には図示しないが、半嵌合検出によって充電が中止された場合以外においても、対応する充電中止要因をログとして記憶するようにしてもよい。さらに、充電中止要因とは関係なく、充電が中止されたことをログとして記憶するようにしてもよい。
【0113】
以上のような処理に従って制御することによって、充電ケーブルを用いて外部充電が可能な車両において、車両のインレットへの充電ケーブルの接続が不十分であったことに起因して充電が実行されなかった場合の要因を、他の充電中止要因を区別して記憶させることができる。これによって、充電ケーブルの接続が不十分であったことに起因して充電が実行されなかったことを事後的に認識することができるので、ユーザによる不必要なクレームが発生することを抑制できるとともに、ユーザに対して正しい使用方法を促すことが可能となる。
【0114】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0115】
10 車両、20 駆動部、120 MG、130 駆動輪、150 蓄電装置、155 リレー、160 充電装置、170 車両ECU、180 モータ駆動装置、182,604,650 電圧センサ、270 インレット、300 充電ケーブル、310 コネクタ、312 接続検知装置、314 操作ボタン、315 カプラ部、316 係止爪、320 プラグ、330 CCID、332 リレー、334 コントロールパイロット回路、340,340A,340B 電線部、341,ACL1,ACL2 電力線、400 コンセント、402 外部電源、502 抵抗回路、504,506 入力バッファ、511 電源ノード、512 車両アース、602 発振装置、606 電磁コイル、608 漏電検出器、610 CCID制御部、660 電流センサ、L1 コントロールパイロット線、L2 接地線、L3 接続信号線、R1,R2,R10〜R12,R20 抵抗、SW1,SW10 スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱式の充電ケーブルを介して、外部電源からの電力を用いて充電が可能な車両であって、
充電が可能な蓄電装置と、
前記充電ケーブルのコネクタを接続するための接続部と、
前記充電ケーブルにより前記接続部に供給される前記外部電源からの電力を用いて、前記蓄電装置を充電するための充電装置と、
前記充電装置による充電動作を制御するための制御装置とを備え、
前記コネクタは、前記コネクタと前記接続部との接続を検出するための接続検知装置を含み、
前記制御装置は、前記接続検知装置からの信号の状態に基づいて前記コネクタと前記接続部との接続が不完全な接続状態であることを判定し、前記コネクタと前記接続部との接続が不完全な接続状態である場合は、前記充電動作の実行を禁止するとともに、不完全な接続状態であることに起因して前記充電動作が行なわれなかったことを記憶する、車両。
【請求項2】
前記接続検知装置は、第1の検出部および第2の検出部を有し、
前記制御装置は、前記第1の検出部に基づく前記接続検知装置からの信号の状態に応答して、前記第2の検出部に基づく前記信号の状態によって前記コネクタと前記接続部との接続が不完全な接続状態であることを判定する、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記信号の状態は、前記第1の検出部のみが前記接続部の端子部に接続される場合に生じる第1の状態と、前記第1および第2の検出部の両方が前記端子部に接続される場合に生じる、前記第1の状態とは異なる第2の状態とを有し、
前記制御装置は、前記信号の状態が、前記第1の状態の場合は、前記コネクタと前記接続部との接続が不完全な接続状態であると判定する、請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第1の状態が予め定められた期間継続した場合に、前記コネクタと前記接続部との接続が不完全な接続状態であると判定する、請求項3に記載の車両。
【請求項5】
前記制御装置は、前記信号の状態が、前記第2の状態の場合は、前記コネクタと前記接続部との接続が完全な接続状態であると判定するとともに、前記充電動作の実行を許可する、請求項3に記載の車両。
【請求項6】
前記制御装置は、前記信号の状態が、前記第1の状態および前記第2の状態のいずれでもない第3の状態の場合は、前記コネクタと前記接続部とが非接続であると判定する、請求項3に記載の車両。
【請求項7】
着脱式の充電ケーブルを介して、外部電源からの電力を用いて充電が可能な車両の制御方法であって、
前記車両は、
充電が可能な蓄電装置と、
前記充電ケーブルのコネクタを接続するための接続部と、
前記充電ケーブルにより前記接続部に供給される前記外部電源からの電力を用いて、前記蓄電装置を充電するための充電装置とを含み、
前記コネクタは、前記コネクタと前記接続部との接続を検出するための、接続検知装置を含み、
前記制御方法は、
前記接続検知装置からの信号の状態を受けるステップと、
前記信号の状態に基づいて前記コネクタと前記接続部との接続が不完全な接続状態であることを判定するステップと、
前記コネクタと前記接続部との接続が不完全な接続状態であると判定された場合に、前記充電装置による充電動作の実行を禁止するステップと、
前記コネクタと前記接続部との接続が不完全な接続状態であると判定された場合に、前記不完全な接続状態であることに起因して前記充電動作が行なわれなかったことを記憶するステップとを備える、車両の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−162176(P2012−162176A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23912(P2011−23912)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】