説明

車両における乗員保護手段の制御方法及び乗員保護システム

本発明は車両における乗員保護システム、及び乗員保護手段(2)の制御方法に関する。前記システムによれば、障害物への距離が検出され、衝突を避けるために必要なブレーキ減速度が決定され、該決定されたブレーキ減速度に基づき、所定の事象が発生しているかどうかが定められ、もし前記事象が発生している場合は、乗員保護手段(2)がそれ自体を始動させるため、又はそれ自体が始動されるべく動作するために制御される。車両のドライバがブレーキ操作を開始するためにブレーキ操作要素を操作した場合にのみ、必要なブレーキ減速度が決定され、又は決定された必要なブレーキ減速度が所定の事象の発生に関して評価される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の前段による、車両における乗員保護手段の作動方法、及び請求項10の前段による、該方法を行なうための乗員保護システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エアバッグ及びシートベルトプリテンショナを備えたシートベルトのような現代の拘束手段に加えて、衝突の際に乗員を保護するために拘束効果及び/又はエネルギー吸収効果をもたらす、車両における一連の他の制御可能な乗員保護手段がある。そのような乗員保護手段の例は、作動システムを用いてサイズ、硬さ、形状、及び位置が変えられる、変位可能な衝撃要素、クッション、及びヘッドレストである。これらの乗員保護手段に加えて、乗員の位置決定により車両乗員の事故の結果を軽減する、すなわち車両乗員が事故に関して好ましい位置へと移される、事故の重大性を避けるための更なる制御可能な保護手段を提供することができる。乗員の位置を決定する手段は、例えば電動式座席調整システム、ヘッドレスト調整システム、シートベルトプリテンショナ、及び可動式のクッションである。
【0003】
乗員保護手段が道路交通における事故の重大さを避けるために作動する時、事故の前に取られる予防的措置と、事故が検知された後に取られる実際の措置とを区別することが可能である。本発明は予防措置として、すなわち予防的保護措置としての保護方法の作動に関する。
【0004】
特許文献1は運転状態センサシステム及び可逆性の乗員保護手段を有する、自動車の可逆的乗員保護手段を作動させる方法を開示している。可逆的乗員保護手段は衝突時点の前に始動可能であり従って動作位置へと移動する。このために運転状態データは非常ブレーキの状態に関して監視され、該非常ブレーキの状態が検知された時、乗員保護手段を備えた乗員保護システムが作動する。更に、オーバステアの状態及びアンダステアの状態がデータ処理装置により決定される。非常ブレーキの状態及び/又は、オーバステアの状態及び/又はアンダステアの状態がデータ処理装置により検知された場合、可逆的乗員保護システムが作動する。
【0005】
特許文献2は車両の速度を自動的に設定するための方法を開示している。ここで、車両と障害物の間の距離及び相対速度はセンサ手段により提供され、ドライバから独立して生み出されるブレーキトルクもしくは駆動トルクを計算する根拠として用いられる。車両からの距離が最小値を下回った場合、ブレーキは自動的に作用する。ここで自動ブレーキの場合に、車両の減速は異なる規則に従って検知される三つの減速部分から付加的に成る定値式減速に従う備えがなされている。
【0006】
特許文献3は車両のブレーキシステムを制御するための方法を開示している。ドライバによる所定の値に加え、ブレーキ操作要素の動作を表わす少なくとも一つの信号が少なくとも一つのしきい値を超えた時に自動ブレーキが始動し、ブレーキ力がホイールブレーキにおいて増減する。少なくとも一つのしきい値は危険な状態を示す少なくとも一つの運転変数に応じて変化し、自動ブレーキプロセスの始動は危険性のポテンシャルが増加するにつれて、より敏感になる。ここで、少なくとも一つの運転変数が車両の前方に位置する障害物からの距離に由来する変数となる備えがなされる。
【0007】
特許文献4は或る障害物が車両の前方に検出された時、まだ障害物の手前で車両を停止状態にするために必要なブレーキ減速度が決定され、また決定された必要なブレーキ減速度が天候条件に依存する最大限可能なブレーキ減速度と比較され、そして該必要なブレーキ減速度が最大限可能なブレーキ減速度を超えると直ちに乗員保護手段が作動する、車両用の乗員保護手段を作動させる方法を開示している。
【0008】
【特許文献1】独国特許発明第101 21 386 C1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第100 47 048 A1号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第197 38 690 A1号明細書
【特許文献4】独国特許発明第101 21 956 C1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は乗員保護手段の機能性が拡張される、乗員保護手段を作動させる方法を提供することである。本発明はまた本方法を実施するための乗員保護手段を提供する目的にも基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本目的は請求項1の特徴もしくは請求項10の特徴を用いて達成される。
【0011】
本発明の有利な改良及び展開は従属請求項より明らかになる。
【0012】
本発明によれば、当初に述べたタイプの方法において、車両と障害物の間の距離が検出され、障害物との衝突を避けるために必要なブレーキ減速度が決定され、該決定されたブレーキ減速度は所定の事象が発生しているかどうかを見出すために用いられ、そして該事象が発生した時に乗員保護手段が作動する。車両のドライバがブレーキ操作要素を作動させることによってブレーキを開始した場合のみ、必要なブレーキ減速度は決定され、又は該決定された必要なブレーキ減速度は所定の事象の発生に関して評価される。乗員保護手段の作動とはこれらを始動させ、又は始動のためにこれらを動作させ、始動可能な状態に置くことをいう。その場合これらの始動により、これらを車両乗員を保護する動作が可能な状態に置き、衝突の場合の車両乗員への負荷を軽減する。
【0013】
必要なブレーキ減速度は物体又は障害物からの距離を検出すること及び車両の絶対速度を検出することにより検知できる。これは静止した障害物の場合に特に有利である。代わりに又は追加的に、障害物又は物体、例えば前方を走っている車両から該車両までの距離の変化、もしくは該物体との相対速度はそこから決定可能である。衝突を避けるために必要なブレーキ減速度はそこから決定することができる。
【0014】
ブレーキ減速度は物理的周辺条件、例えば乾燥した車道ならば、車両が例えば障害物から0.5mの安全距離で停止状態になるような方法で決定されることが望ましい。衝突が防止されるような方法で車両がブレーキをかけられることを物理的周辺条件が許容しない場合、特に本方法の利点が実現し始める。これは特に濡れた車道又は雪や氷で滑りやすい車道の場合があり得る。それにもかかわらず、そのような場合には例え十分なブレーキ減速度が決定されていても、衝突が起こる可能性がある。更に、障害物を避けようと試みて、回避操作をしながら不注意にも他の障害物に向かうドライバによる制御介入がある場合でも、衝突は起こり得る。
【0015】
必要なブレーキ減速度によって障害物との衝突を避けることがもはや出来ない場合、望ましくは所定の事象が起きたとして評価される。決定された必要なブレーキ減速度の結果が、衝突はもはや防げないという場合には、車両乗員保護手段が作動する。例えば、他の車両が不意に走行方向を横切った場合、もはや衝突を防ぐために車両を停止することは不可能かもしれない。これは障害物から検出された距離と照らし合わせることにより、及び該車両の可能な最大ブレーキ減速度に対する知識から決定することができる。それにもかかわらず、差し迫った衝突の際に乗員を保護するため、そのような場合に乗員保護手段が作動可能である。可逆的乗員保護手段は、衝突の場合の車両乗員への負荷を低減することを目的とする手段であり、それは該保護手段を初期状態から動作状態へ繰り返し投入し、また前記手段を動作状態からその初期状態へ戻すことができる。電動式座席調整装置及び/又は車両開口部の電気式調整装置、及び/又は可逆的シートベルトプリテンショナ、及び/又は電気的に調整可能な衝撃保護装置を乗員保護手段として備えることができる。電動式座席調整装置及び、例えば電気的に調整可能なサンルーフ及び電気的に調整可能なウィンドウ昇降装置のような、車両開口部の電気式調整装置は少なくとも現代の車両に一定の場合に搭載され、そして追加的に車両の乗員又は車両を低価格で事前に調整するために利用することができる。全ての電気的に調整可能な乗員保護手段は、車上の電気システムを通じたエネルギー供給が設計的にシンプルで、特に電気モータ駆動は乗員保護手段の反転動作を容易に可能にする。結果として、衝突に至る高い確率を持たず、むしろ衝突に至る一定の事前に定義可能な確率のみを有する危険な状態が決定された場合でも、ドライバ及び乗員への保護手段の影響を考慮しながら、該保護手段を始動させることができる。
【0016】
本方法の一つの改良において、必要なブレーキ減速度が第一のしきい値を超えた場合に、所定の事象が発生するとして評価されるよう準備することができる。この乗員保護手段は従って、必要なブレーキ減速度が事前に定めた第一のしきい値を超えた場合に作動する。この必要なブレーキ減速度のしきい値は、衝突がどの程度起こり得るかの目安である。例えば0.7G(重力加速度Gの乗数として表わされるブレーキ減速度)を超える非常に大きな必要ブレーキ減速度が相応に決定された場合、これは衝突が起きるという目安である。従って該状況は乗員保護手段がそれを動作状態にするために作動する事象として定義できる。
【0017】
変形の方法において、ドライバにより開始されるブレーキ減速度が決定され、そして決められた必要なブレーキ減速度と比較されるように、及び該ブレーキ減速度の間の差が所定の第二のしきい値を超えた場合に、乗員保護手段が作動又は始動するように備えられることが出来る。例えば、ドライバにより開始されたブレーキ減速度が0.2Gと決定され、しかしながら障害物から或る距離で車両を停止状態に導くために必要なブレーキ減速度が0.8Gの場合、ブレーキ減速度の間の差は0.6Gである。例えば0.4Gの第二のしきい値がその差のために事前に定義されている場合、ドライバがブレーキ減速度を増さないならば衝突の恐れがあるため、乗員保護手段は作動する。差分の超過はその間に乗員保護手段が作動する、更なる事象として定義することができる。
【0018】
本方法の一つの好適な展開において、ブレーキ減速度の間の差が第二のしきい値を超えた場合は、ブレーキ力もしくはブレーキ圧が目標とするブレーキのため自動的に増加するように準備されることが可能である。目標とするブレーキとは物体からの所定の距離におけるブレーキ、すなわち車両が静止した物体又は同じ方向に移動しているゆっくりとした物体から、一定の値よりも小さくならない距離で停止状態になるブレーキと理解される。
【0019】
必要なブレーキ減速度が、ドライバがブレーキ操作要素を操作した時のみ決定される場合、本方法は自発的には作動せず、むしろブレーキ操作要素の操作時のみ作動する。その結果、ドライバは乗員保護手段の作動により驚かされたり、或いは妨害されたりすることはない。この措置は車両の保護を増強する。もし必要なブレーキ減速度が計算されないならば、それに依存する事象をやはり検知することが出来ず、予防的保護措置は開始出来ない。
【0020】
必要なブレーキ減速度がブレーキの開始時に決定されるならば特に望ましい。その結果、ドライバにより設定された該ブレーキ減速度の値が衝突なしで車両にブレーキをかけるのに十分かどうかを、ブレーキの開始時に既に決定することが可能である。もしそうでない場合は、一つ以上の保護手段が予防のため既に作動され得る。これは乗員保護手段が適切な時機に作動することを確実にする。特に、ブレーキの補助、すなわちドライバにより開始されてブレーキを支援する自動ブレーキが始動せず、それにもかかわらず物体の急速な接近によって危機的な運転状況が存在する場合に、予防的保護措置を取ることができる。ブレーキの補助は、例えばブレーキ制御速度が所定のしきい値を超えた場合に始動する。これはブレーキの補助の機能及び乗員保護手段の作動が切り離され得ることを意味する。
【0021】
本方法の一つの好適な改良において、目標とするブレーキに必要なブレーキ力が乗員保護手段の作動と同時に発生し、車輪が相応にブレーキをかけられるよう備えることができる。この措置は車両を最適な度合いまで減速させる。障害物からの距離が衝突を防ぐのに十分でない場合、もしドライバが自主的にブレーキをかけないならば、衝突は少なくともブレーキ圧を増すか、もしくはブレーキ圧を作用させることにより軽減される。他方で、ドライバにより開始されたブレーキ減速度が不十分であることが検知された場合、ブレーキ力もしくはブレーキ圧は物理的周辺条件がそれを許せば、目標とするブレーキが実行できるような方法で調整される。物理的周辺条件がそれを許さない場合でも、ドライバもしくは他の乗員は、乗員保護手段が同時に作動するため最適な度合いで保護される。
【0022】
一つの変形の代替方法において、異なるしきい値が乗員保護手段の作動のため、及び目標とするブレーキに必要なブレーキ力を加えるために予め定められるよう備えることが可能である。従って例えば、ドライバが衝突を回避するために、自身でブレーキ力もしくはブレーキ圧を増加させるための時間を場合によってはまだ十分に持っている理由で、ブレーキの補助が目標とするブレーキのためのブレーキ減速度をまだ調整していない時に、乗員保護手段が既に作動していることも可能である。
【0023】
乗員保護手段は中断条件が発生した場合には有利に作動を停止する。危機的な状況がもはや存在しない場合、乗員保護手段もまた作動を停止することができる。中断条件は例えばドライバがアクセル・ペダルを引き続き作動させるか、又はそれを再度作動させる場合に存在し得る。更に、中断条件はブレーキがドライバにより再度緩められた場合もあり得る。更に、乗員保護手段は車両が停止している場合に再度作動を停止する。
【0024】
本目的はまた、特に上記方法を行なうために制御装置によって作動する乗員保護手段を有する、乗員保護システムを用いて達成される。ここで、障害物に対する相対速度を決定するための手段が備えられた、障害物から車両までの距離を決定する距離センサ及び、その距離から衝突を避けるために必要なブレーキ減速度と相対速度とを決定する、ブレーキ減速度決定指針を有する制御装置を含む周囲環境センサシステムが備えられる。従来技術から知られる乗員保護システムにおいては、特定の車両の状態、とりわけ特定の車両運動状態が当てはまるか、又はドライバのブレーキ要求の検知によりブレーキの補助が動作する場合に乗員保護手段が作動するのに対して、本乗員保護システムの乗員保護手段は周囲環境センサシステムに応じて動作する。この措置は乗員保護手段が早期に作動又は動作することを可能にする。周囲環境センサシステムにより、例えドライバ自身がまだ気付かなくても危険な状況を検知することが可能であり、それに応じて乗員保護手段は動作することができる。
【0025】
該動作はまた追加的に運転状況センサが備えられる場合に改善され得る。特に、車両の長手方向の速度は運転状況センサシステムを用いて検出可能であり、そして必要なブレーキ減速度の決定に際して考慮されることができる。
【0026】
本発明の更なる特徴及び利点は、本発明に必須の詳細を示す図面中の形態を参照することにより、本発明の例示的実施形態の下記説明及び請求項から明らかになる。個々の特徴はそれら自体において個別に、又は本発明の変形における任意の要望される組み合わせにおいて、それぞれ実施されることが可能である。
【0027】
図1は乗員保護手段の略図を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
単一の図において、乗員保護システム1は非常に概略的な方式で例示されている。乗員保護システムは、衝突の恐れがある場合に作動する乗員保護手段2を有する。該乗員保護手段は制御装置3によって動作もしくは作動する。該制御装置3は乗員保護手段2が作動すべき事象を検知できる。距離センサ5を含む周囲環境センサシステム4は車両の周囲の物体からの距離を検出可能である。
【0029】
更に、乗員保護システム1が設置された車両の相対速度は、該相対速度を決定するための手段6aを用いて、検知された物体に関して決定することができる。周囲環境センサシステム4は、制御装置3のブレーキ減速度決定装置6に接続されている。該ブレーキ減速度決定装置6において、周囲環境センサシステム4により検知された物体と衝突が起きないような方法で、車両にブレーキをかけるために必要なブレーキ減速度が決定される。これに関連して、静止した物体の場合に車両が該物体の手前で停止状態になるような方法でブレーキ減速度が決定されるように備えることが可能である。該物体が移動している物体の場合、ブレーキ減速度は車両が該物体から所定の距離へとブレーキをかけられるような方法で決定され得る。
【0030】
その上、例えば車輪速度センサ8に接続された運転状態センサシステム7が備えられることが可能である。車両の速度は該センサ8から決定され得る。前記速度はブレーキ減速度の決定もしくは乗員保護手段2の作動において考慮に入れることができる。制御装置3は更に、ブレーキ補助システムにより作動可能なブレーキシステム9に接続されることができる。特に、ブレーキ減速度決定装置6により決定されたブレーキ減速度が、ブレーキ操作要素10を用いてドライバにより適用されたブレーキ減速度よりも大幅に大きいことが検知された場合は、ブレーキ圧が自動的にブレーキシステム9に作用するように備えることが可能である。
【0031】
制御装置3は決定された必要なブレーキ減速度がドライバにより適用されたブレーキ減速度と比較される、比較装置11を備えることができる。所定のしきい値を超える偏差が生じた場合、補助ブレーキ手段2及びブレーキシステム9の双方が作動するように備えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】乗員保護手段の略図を示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両において乗員保護手段(2)を作動させる方法であって、障害物からの距離が検出され、前記障害物との衝突を避けるために必要なブレーキ減速度が決定され、決定されたブレーキ減速度が所定の事象が発生しているかどうかを決定するために使用され、前記所定の事象が発生するときに前記乗員保護手段(2)がそれを動作又は始動させるために制御される方法であって、
車両のドライバによるブレーキ操作要素(10)の操作が、必要なブレーキ減速度の検出のため、又は前記所定の事象の発生に対する前記必要なブレーキ減速度の評価のための前提条件であることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記決定された必要なブレーキ減速度の結果が、前記障害物との衝突がもはや防止出来ないという場合に、前記所定の事象が発生していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記必要なブレーキ減速度が所定の第一のしきい値を超えた場合に、前記所定の事象が発生していることを特徴とする請求項1あるいは2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
ドライバによって開始された前記ブレーキ減速度が決定されて、前記決定された必要なブレーキ減速度と比較され、そして前記ブレーキ減速度の間の差が所定の第二のしきい値を超えた場合に、前記所定の事象が発生していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ブレーキ減速度の間の差が前記第二のしきい値を超えた場合、ブレーキ力が目標とするブレーキに自動的に増強され、前記障害物からの距離が所定の値を下回らないような方法で、前記車両が目標とするブレーキによりブレーキをかけられることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記必要なブレーキ減速度がブレーキ開始時に決定されることを特徴とする請求項4あるいは5に記載の方法。
【請求項7】
目標とするブレーキに必要なブレーキ力が、前記乗員保護手段(2)の作動と同時に生成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
異なるしきい値が、前記乗員保護手段(2)の作動、及び目標とするブレーキに必要なブレーキ力を加えるために事前に定められることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
中断条件が発生した場合に、前記乗員保護手段(2)が作動を停止することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
乗員保護システム(1)であって、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法を行なうために、制御装置(3)によって作動する乗員保護手段(2)を有し、障害物からの前記車両の距離を検出するための距離センサ(5)を含む周囲環境センサシステム(4)が備えられ、前記障害物に対する相対速度を決定するための手段(6a)が備えられ、ブレーキ操作要素(10)の動作を検知するための手段が備えられ、前記制御装置(3)が距離及び相対速度から、衝突を回避するために必要なブレーキ加速度を決定するブレーキ減速度決定装置(6)を有するシステム(1)であって、
前記制御装置は、ドライバが前記ブレーキ操作要素(10)を動作させた場合にのみ、前記必要なブレーキ減速度を決定するか又は前記乗員保護手段(2)の作動の基礎として、前記決定された必要なブレーキ減速度を使用するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項11】
運転状態センサシステム(7)が備えられることを特徴とする請求項10に記載の乗員保護システム。

【公表番号】特表2007−532391(P2007−532391A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507736(P2007−507736)
【出願日】平成17年4月13日(2005.4.13)
【国際出願番号】PCT/EP2005/003857
【国際公開番号】WO2005/100110
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(598051819)ダイムラークライスラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【Fターム(参考)】