車両の後部車体構造
【課題】クラッシュボックスの凹部の荷重を、荷重受け部材で受けて、重量増加を招くことなく、衝突荷重を効果的に受ける車両の後部車体構造を提供する。
【解決手段】クラッシュボックス8はその外周部がリヤサイドフレーム4とフロアパネル2の端部または端部近傍に軸方向に突当る位置関係で設けられ、クラッシュボックス8の周方向の少なくとも一部に内方に窪んだ凹部8aが形成され、リヤサイドフレーム4とフロアパネル2とによって形成される閉断面5内に凹部8aの少なくとも一部の車幅方向端部が軸方向に突当たるように設けられる荷重受け部材12を備えたことを特徴とする。
【解決手段】クラッシュボックス8はその外周部がリヤサイドフレーム4とフロアパネル2の端部または端部近傍に軸方向に突当る位置関係で設けられ、クラッシュボックス8の周方向の少なくとも一部に内方に窪んだ凹部8aが形成され、リヤサイドフレーム4とフロアパネル2とによって形成される閉断面5内に凹部8aの少なくとも一部の車幅方向端部が軸方向に突当たるように設けられる荷重受け部材12を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、リヤサイドフレームが上側開放の断面ハット形状とされてフロアパネル下面に接合されて設けられ、上記リヤサイドフレームの後端にクラッシュボックス(クラッシュカンと同意)が設けられたような車両の後部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、フロアパネル下面には、上側会報の断面ハット形状のリヤサイドフレームが接合されており、このリヤサイドフレームの後端にはセットプレートが設けられている。
また、前端にセットプレートを一体的に備えたクラッシュボックスを設け、このクラッシュボックス側のセットプレートと、リヤサイドフレーム後端のセットプレートとを、ボルト、ナット等の取付け部材を用いて締結する構造が採用されている。
【0003】
このような車両の後部車体構造において衝突荷重(後突荷重)をさらに効果的に受けるように成す場合、リヤサイドフレームの背面視の形状を内部中空で中空部が略十字状となる断面十字状の十二面体に形成することが考えられるが、加工上の理由およびフロアパネルとの溶接の関係上、リヤサイドフレームの形状それ自体を変更して断面十字状と成すことは困難であった。
そこで、上側開放の断面ハット形状のリヤサイドフレームと、フロアパネルとで形成される閉断面の内部に、これらとは別部材により形成された断面十字状の部材を設けることも考えられる。
【0004】
しかし、この場合にあっても断面十字状の部材と、フロアパネルやリヤサイドフレームとの溶接箇所が限定されるので、上記リヤサイドフレーム閉断面内に断面十字状の部材を設けた場合には、リヤサイドフレーム後端に設けられるセットプレートの板厚を大きくして、このセットプレートを介して衝突荷重を伝達する必要がある。
しかしながら、セットプレートの板厚を大きくする関係上、軽量化を図ることができず、重量増加を招く問題点があった。
【0005】
ところで、特許文献1には、リヤフロアの下面に、上側開放の断面ハット形状のリヤサイドフレームを接合固定し、リヤフロアおよびリヤサイドフレームの後端部にはリヤエンドメンバを接合し、このリヤエンドメンバの後部で、かつリヤサイドフレームと車両の前後方向に一致する箇所に、セットプレートを介してクラッシュボックスを取付けた構造が開示されている。
【0006】
この特許文献1に開示された構造は、リヤエンド部におけるクラッシュボックスの一般的な取付け構造であって、重量の増加を招くことなく衝突荷重(後突荷重)を効果的に受けるという技術思想は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−273126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、この発明は、クラッシュボックスの外周部がリヤサイドフレームとフロアパネルの端部または端部近傍に軸方向に突当るように、該クラッシュボックスを設け、このクラッシュボックスの周方向の少なくとも一部に内方に窪んだ凹部を形成し、リヤサイドフレーム閉断面内に該凹部の少なくとも一部の軸方向端部(前後方向の前端部)が軸方向(前後方向)に突当たるように荷重受け部材を設けることで、クラッシュボックスの凹部の荷重を、荷重受け部材で受けて、重量増加を招くことなく、衝突荷重を効果的に受けることができる車両の後部車体構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明による車両の後部車体構造は、リヤサイドフレームが上側開放の断面ハット形状とされてフロアパネル下面に接合されて設けられ、上記リヤサイドフレームの後端にクラッシュボックスが設けられた車両の後部車体構造であって、上記クラッシュボックスはその外周部がリヤサイドフレームとフロアパネルの端部または端部近傍に軸方向に突当る位置関係で設けられると共に、該クラッシュボックスの周方向の少なくとも一部に内方に窪んだ凹部が形成され、上記リヤサイドフレームとフロアパネルとによって形成される閉断面内に上記凹部の少なくとも一部の軸方向端部が軸方向に突当たるように設けられる荷重受け部材を備えたものである。
上記構成によれば、衝突荷重(後突荷重)の入力時には、クラッシュボックスに荷重が伝達され、該クラッシュボックスに設けられた凹部の荷重が上記荷重受け部材に軸方向に突当るので、この荷重受け部材でクラッシュボックスの凹部の荷重を受けて、重力増加を招くことなく、衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0010】
この発明の一実施態様においては、上記クラッシュボックスが断面十字状の十二面体にて形成され、該十字状の外側の4面の軸方向端部がリヤサイドフレームとフロアパネルの端部または端部近傍に軸方向に突当る位置関係で設けられると共に、上記荷重受け部材が、少なくとも十字状の内側の4つの角部または角部近傍の軸方向端部が軸方向に突当るように設けられたものである。
上述の断面十字状の十二面体とは、内部が中空で、この中空部が略十字状となるような断面十字状の十二面体のことである。
上記構成によれば、十字状のクラッシュボックスの内側の4つの角部または角部近傍の荷重を、上述の荷重受け部材で受けるようにしたので、衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0011】
この発明の一実施態様においては、上記荷重受け部材が断面ハット形状に形成され、該荷重受け部材のフランジ部がリヤサイドフレームおよびフロアパネルの少なくとも何れか一方に結合されたものである。
上記構成によれば、荷重受け部材を断面ハット形状の1部品にて構成し、該荷重受け部材で衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記荷重受け部材がリヤサイドフレームとフロアパネルとの両方に結合されたものである。
上記構成によれば、荷重受け部材を、リヤサイドフレームとフロアパネルとの両方に結合したので、衝突荷重の入力時に、リヤサイドフレームとフロアパネルとの両方に該衝突荷重を伝えることができ、荷重分散が図れるので、耐荷重を向上させることができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記荷重受け部材が上側開放のコ字状部材とされ、上記クラッシュボックスの対向する車幅方向外側の二面に隣接する4面の軸方向端部が軸方向に突当るように上下に2つ設けられ、該荷重受け部材のフランジ部がリヤサイドフレームに結合されたものである。
上記構成によれば、2つのコ字状部材で、クラッシュボックスの対向する車幅方向外側の二面に隣接する上記4面の軸方向端部の荷重を確実に受けることができ、耐荷重の向上を図ることができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記リヤサイドフレームは開口側が広がった断面ハット形状とされ、上記2つの上側開放のコ字状部材が上下に間隔を隔てて嵌合するように該コ字状部材の幅およびフランジ部の傾斜が設けられたものである。
上記構成によれば、2部品から成る荷重受け部材(2つのコ字状部材)の組付けを容易に行なうことができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、クラッシュボックスの外周部がリヤサイドフレームとフロアパネルの端部または端部近傍に軸方向に突当るように、該クラッシュボックスを設け、このクラッシュボックスの周方向の少なくとも一部に内方に窪んだ凹部を形成し、リヤサイドフレーム閉断面内に該凹部の少なくとも一部の軸方向端部(前後方向の前端部)が軸方向(前後方向)に突当たるように荷重受け部材を設けたので、クラッシュボックスの凹部の荷重を、荷重受け部材で受けて、重量増加を招くことなく、衝突荷重を効果的に受けることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の車両の後部車体構造を示す斜視図
【図2】図1の要部の分解斜視図
【図3】後部車体構造を示す平面図
【図4】(a)は図3のA−A線矢視断面図、(b)は荷重受け部材の斜視図
【図5】図3のB−B線矢視断面図
【図6】クラッシュボックス取付け構造の他の実施例を示す平面図
【図7】(a)は後部車体構造の他の実施例を示す背面図、(b)は荷重受け部材の斜視図
【図8】(a)は後部車体構造のさらに他の実施例を示す背面図、(b)は荷重受け部材の斜視図
【図9】(a)は後部車体構造のさらに他の実施例を示す背面図、(b)は荷重受け部材の斜視図
【図10】(a)は後部車体構造のさらに他の実施例を示す背面図、(b)は荷重受け部材の斜視図
【図11】(a)は後部車体構造のさらに他の実施例を示す背面図、(b)は荷重受け部材の斜視図
【図12】(a)は後部車体構造のさらに他の実施例を示す背面図、(b)は荷重受け部材の斜視図
【図13】(a)は後部車体構造のさらに他の実施例を示す背面図、(b)は荷重受け部材の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
重量増加を招くことなく、衝突荷重を効果的に受けるという目的を、リヤサイドフレームが上側開放の断面ハット形状とされてフロアパネル下面に接合されて設けられ、上記リヤサイドフレームの後端にクラッシュボックスが設けられた車両の後部車体構造において、上記クラッシュボックスはその外周部がリヤサイドフレームとフロアパネルの端部または端部近傍に軸方向に突当る位置関係で設けられると共に、該クラッシュボックスの周方向の少なくとも一部に内方に窪んだ凹部が形成され、上記リヤサイドフレームとフロアパネルとによって形成される閉断面内に上記凹部の少なくとも一部の軸方向端部が軸方向に突当たるように設けられる荷重受け部材を備えるという構成にて実現した。
【実施例1】
【0018】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の後部車体構造を示し、図1において、車室の底面を形成するフロアパネル1を設け、このフロアパネル1の後部には、車室または荷室の底面の形成するリヤフロア2(フロアパネル)を連続して設けている。
上述のリヤフロア2の車幅方向中間部には、スペアタイヤ等を収納するスペアタイヤパン3を段下げ形成すると共に、リヤフロア2の左右両サイド下面には車両の前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレーム4,4を設けている。
【0019】
図2は図1の車両左側要部の分解斜視図、図3は車両左側要部の平面図、図4の(a)は図3のA−A線矢視断面図である。
なお、以下の説明においては、主として、車両の後部車体構造の左側の構成について説明するのが、右側の構成は左側のそれと左右対称に構成されている。
【0020】
図1〜図4において、上述のリヤサイドフレーム4は、上部の接合フランジ4a,4aと、左右の側壁4b,4bと、底壁4cとを断面ハット形状に一体形成した車体剛性部材であって、上側が開放する構造であり、この上側開放の断面ハット形状のリヤサイドフレーム4を、リヤフロア2の下面に接合固定して、リヤフロア2とリヤサイドフレーム4との間には、車両の前後方向に延びる閉断面5(図4参照)を形成している。
【0021】
図1、図3に示すように、左右のリヤサイドフレーム4,4のそれぞれの後端には、リヤサイドフレーム4側のセットプレート6およびクラッシュボックス側のセットプレート7を介してクラッシュボックス8,8を取付け、これら左右のクラッシュボックス8,8の後端部相互間には、車幅方向に延びるバンパビーム9を張架している。
【0022】
ここで、上述のリヤサイドフレーム4側のセットプレート4側のセットプレート6は、該リヤサイドフレーム4の後端に突き合わせ溶接にて一体的に接合固定されており、またクラッシュボックス8側のセットプレート7は該クラッシュボックス8の前端に突き合わせ溶接にて一体的に接合固定されている。さらに、クラッシュボックス8はその後端が前端と比較して寸法が小さくなる先細り形状に形成されている。
【0023】
また、図2に分解斜視図で示すように、リヤサイドフレーム4側のセットプレート6と、クラッシュボックス8側のセットプレート7との互に対向する複数箇所には、取付け孔6a…,7a…をそれぞれ開口形成し、図3に示すように、これら前後の各取付け孔6a,7aに挿通されるボルト10と、ナット11等の取付け部材を用いて、前後のセットプレート6,7を締結固定し、これにより、クラッシュボックス8をリヤサイドフレーム4の後端部に取付けるように構成している。
【0024】
なお、実際には各セットプレート6,7間にリヤエンドパネルが介在されるが、図示の便宜上、これを省略している。
【0025】
図5は図3のB−B線矢視断面図であって、クラッシュボックス8の断面形状を示す。図5に示すように、このクラッシュボックス8は加工性を考慮して、上側部材と下側部材とを組合せて構成されている。
なお、図2、図5以外の各図においては図示の便宜上、クラッシュボックス8を概略的に示している。
【0026】
また、図2、図4、図5に示すように、このクラッシュボックス8は内部中空で中空部が略十字状となる断面十字状の十二面体にて形成されている。換言すれば、クラッシュボックス8の周方向には内方に窪んだ合計4つの凹部8a…が形成されている。
【0027】
さらに、該クラッシュボックス8は、十字状の外側の4面8b,8b,8c,8cと、これら4面8b,8b,8c,8cのうちの車幅方向外側の二面8c,8cに隣接する4面8d,8d,8d,8d(いわゆる横面)と、上下方向外側の二面8b,8bに隣接する4面8e,8e,8e,8e(いわゆる縦面)と、を備えた十二面体に構成されている。
【0028】
そして、図4の(a)に各要素2,4,8の位置関係を示すように、十字状のクラッシュボックス8の外側の4面8b,8b,8c,8cの軸方向端部(車両前後方向の前端部)が、リヤサイドフレーム4とフロアパネルとしてのリヤフロア2の端部または端部近傍に軸方向(前後方向)に突当る位置関係で設けられている。
しかも、図1〜図4に示すように、リヤサイドフレーム4とフロアパネルとしてのリヤフロア2とによって形成される閉断面5内に位置し、かつリヤサイドフレーム4の後端部で、セットプレート6に当接するその前側には、荷重受け部材12を設けている。
【0029】
図4に示すように、この荷重受け部材12は、車両の後突時において、クラッシュボックス8の凹部8aの少なくとも一部の軸方向端部(車両前後方向の前端部)が軸方向(前後方向)に突当たるように設けられている。
さらに詳しくは、図4に示すように、この荷重受け部材12は、十字状のクラッシュボックス8の内側の4つの角部(横面8dと縦面8eとがアール状に繋がるコーナ部)4fまたは角部4f近傍の軸方向端部(車両前後方向の前端部)が軸方向(前後方向)に突当る位置関係となるように設けられている。
【0030】
上述の荷重受け部材12は、図2、図4の(b)に斜視図で示すように、一対の側壁12a,12aと、これら一対の側壁12a,12aを車幅方向に連結する連結壁12bと、該荷重受け部材12の開放側から車幅方向外側に向けて一体形成された一対のフランジ部12c,12cと、を有する断面ハット形状に形成されている。
【0031】
そして、該荷重受け部材12のフランジ部12c,12cがリヤサイドフレーム4およびリヤフロア2の少なくとも何れか一方に結合されている。図4の(a)に示すように、この実施例では、荷重受け部材12のフランジ部12c,12cがリヤフロア2の下面に溶接手段にて結合されている。
【0032】
ここで、上記各要素2,4,6,12の組付け方法について説明すると、リヤサイドフレーム4側のセットプレート6は該リヤサイドフレーム4の後端に予め突き合せ溶接されている。そこで、まず、荷重受け部材12をリヤフロア2の下面にスポット溶接等の手段で接合固定し、次に、該荷重受け部材12を備えたリヤフロア2をリヤサイドフレーム4側に相対移動させて、リヤフロア2と該リヤサイドフレーム4の接合フランジ4aとを溶接固定するものである。
【0033】
一方、クラッシュボックス8側のセットプレート7は、該クラッシュボックス8の車両前後方向の前端に予め突き合せ溶接されているので、上述のリヤサイドフレーム4側のセットプレート6と、クラッシュボックス8側のセットプレート7とを、ボルト10、ナット11等の取付け部材を用いて互に締結すると、図1、図3に示すように組付けられるものである。
【0034】
なお、図1において、13は左右一対のリヤサイドフレーム4,4間に車幅方向に延びて取付けられたリヤクロスメンバ、14は該リヤクロスメンバ13と対向してリヤサイドフレーム4の閉断面5内に設けられた節部材である。また、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車両内方を示し、矢印OUTは車両外方を示す。
【0035】
このように、図1〜図5で示した実施例の車両の後部車体構造は、リヤサイドフレーム4が上側開放の断面ハット形状とされてフロアパネル(リヤフロア2参照)下面に接合されて設けられ、上記リヤサイドフレーム4の後端にクラッシュボックス8が設けられた車両の後部車体構造であって、上記クラッシュボックス8はその外周部がリヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)の端部または端部近傍に軸方向(前後方向)に突当る位置関係で設けられると共に、該クラッシュボックス8の周方向の少なくとも一部に内方に窪んだ凹部8aが形成され、上記リヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)とによって形成される閉断面5内に上記凹部8aの少なくとも一部の軸方向端部(車両前後方向の前端部)が軸方向(前後方向)に突当たるように設けられる荷重受け部材12を備えたものである(図3、図4参照)。
【0036】
この構成によれば、衝突荷重(後突荷重)の入力時には、クラッシュボックス8に荷重が伝達され、該クラッシュボックス8に設けられた凹部8aの荷重が上記荷重受け部材12に軸方向に突当るので、この荷重受け部材12でクラッシュボックス8の凹部8aの荷重を受けて、重力増加を招くことなく、衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0037】
また、上記クラッシュボックス8が断面十字状の十二面体にて形成され、該十字状の外側の4面(8b,8b,8c,8c)の軸方向端部(車両前後方向の前端部)がリヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)の端部または端部近傍に軸方向に突当る位置関係で設けられると共に、上記荷重受け部材12が、少なくとも十字状の内側の4つの角部8fまたは角部8f近傍の軸方向端部が軸方向に突当るように設けられたものである(図4、図5参照)。
【0038】
ここで、断面十字状の十二面体とは、内部が中空で、この中空部が略十字状となるような断面十字状の十二面体のことである。
この構成によれば、十字状のクラッシュボックス8の内側の4つの角部8fまたは角部8f近傍の荷重を、上述の荷重受け部材12で受けるようにしたので、衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0039】
さらに、上記荷重受け部材12が断面ハット形状に形成され、該荷重受け部材12のフランジ部12cがリヤサイドフレーム4およびフロアパネル(リヤフロア2参照)の少なくとも何れか一方に(この実施例ではリヤフロア2のみに)結合されたものである(図4参照)。
この構成によれば、荷重受け部材12を断面ハット形状の1部品にて構成し、該荷重受け部材12で衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0040】
図3で示した実施例においては、クラッシュボックス8の軸方向ラインLoが、車両の前後方向ラインLcと一致するように構成したが、これは、図6に示すように、車両の前後方向ラインLcに対してクラッシュボックス8の軸方向ラインLoが角度θだけ車外側に向くように設定して、斜め後方からの衝突に対応すべく構成してもよい。
【0041】
図6に示すように、クラッシュボックス8の後部がその前部に対して車幅方向の外側に向くように構成しても、その他の構成、作用、効果については先の実施例と同様であるから、図6において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
また、図4の(a)(b)で示した構成に代えて、図7の(a)(b)で示す構成を採用してもよい。
【0042】
図7の(a)(b)で示す構成は、荷重受け部材12の左右の側壁12a,12aの上下方向の中間に、クラッシュボックス8の上側の2つの角部8f,8fと車両前後方向に対向するように、内側に突出するビード12d,12dを一体形成すると共に、断面ハット形状の荷重受け部材12の下側の2つの角部12e,12eが、クラッシュボックス8の下側の2つの角部8f,8fと車両前後方向に対向するように成したものである。
【0043】
つまり、荷重受け部材12が、クラッシュボックス8の内側の4つの全ての角部8fの軸方向端部が軸方向に突当るように設けられたものである。
このように構成すると、衝突荷重(後突荷重)を上述のクラッシュボックス8でより一層効果的に受けることができる。
【0044】
図7の(a)(b)で示したように構成しても、その他の構成、作用、効果については先の実施例と同様であるから、図7において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【実施例2】
【0045】
図8は車両の後部車体構造の他の実施例を示し、図8で示すこの実施例においては、図4で示した荷重受け部材12よりも図8の荷重受け部材12の上下方向の長さを長く設定し、この荷重受け部材12を、リヤフロア2の下面と、リヤサイドフレーム4における底壁4cの上面との双方に溶接固定するように構成したものである。
【0046】
すなわち、荷重受け部材12の上下方向の長さを、リヤフロア2下面とリヤサイドフレーム4の底壁4c上面との間の上下方向長さと同等に形成する一方、一対のフランジ部12c,12cの中間部と対応してリヤフロア2には、溶接ガン(図示せず)を配設するための開口部15が形成されている。
【0047】
図8で示すこの実施例の場合には、まず、リヤフロア2の下面に荷重受け部材12の一対のフランジ部12c,12cをスポット溶接等により接合固定し、次に、荷重受け部材12を備えたリヤフロア2を、リヤサイドフレーム4側へ相対移動させた後に、リヤフロア2の下面に該リヤサイドフレーム4の接合フランジ4a,4aに溶接固定すると共に、上記開口部15から溶接ガン(図示せず)を挿入して、荷重受け部材12の連結壁12bと、リヤサイドフレーム4の底壁4cとを溶接固定するものである。
このように、図8で示した実施例においては、上記荷重受け部材12がリヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に結合されたものである(図8参照)。
【0048】
この構成によれば、荷重受け部材12を、リヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に結合したので、衝突荷重の入力時に、リヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に該衝突荷重を伝えることができ、荷重分散が図れるので、耐荷重を向上させることができる。
【0049】
図8で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図8において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【実施例3】
【0050】
図9は車両の後部車体構造のさらに他の実施例を示し、図9に示すこの実施例においては、図8で示した荷重受け部材12のフランジ部12cの車幅方向の長さよりも図9の荷重受け部材12のフランジ部12cの車幅方向の長さを長く設定し、これら一対のフランジ部12c,12cを、リヤフロア2の下面と、リヤサイドフレーム4の接合フランジ4aとの間にサンドイッチ状に接合固定するように構成したものである。
換言すれば、リヤフロア2と、荷重受け部材12のフランジ部12cと、リヤサイドフレーム4の接合フランジ4aと、を3枚合せてスポット溶接するように構成している。
【0051】
また、図9の実施例では、図8の実施例と溶接手順が異なるので、リヤフロア2には開口部15を形成する必要がない。
すなわち、図9に示すこの実施例の場合には、まず、リヤサイドフレーム4の一対の接合フランジ4a,4aと、荷重受け部材12の一対のフランジ部12c,12cとを溶接固定すると共に、リヤサイドフレーム4の底壁4cと荷重受け部材12の連結壁12bとを溶接固定して、これら両者(リヤサイドフレーム4と荷重受け部材12)をサブアセンブリする。
【0052】
次に、上記荷重受け部材12がサブアセンブリされたリヤサイドフレーム4に対して、リヤフロア2を相対移動させて、リヤフロア2と、荷重受け部材12のフランジ部12cと、リヤサイドフレーム4の接合フランジ4aと、を3枚重ね合わせてスポット溶接し、図9の構成を得るものである。
【0053】
このように、図9で示した実施例においては、上記荷重受け部材12が断面ハット形状に形成され、該荷重受け部材12のフランジ部12c,12cがリヤサイドフレーム4およびフロアパネル(リヤフロア2参照)の少なくとも何れか一方(この実施例では双方)に結合されたものである(図9参照)。
この構成によれば、荷重受け部材12を断面ハット形状の1部品にて構成し、該荷重受け部材12で衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0054】
また、上記荷重受け部材12がリヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に結合されたものである(図9参照)。
この構成によれば、荷重受け部材12を、リヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に結合したので、強度的に有利となり、衝突荷重の入力時に、リヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に該衝突荷重を伝えることができ、荷重分散が図れるので、耐荷重を向上させることができる。
【0055】
図9で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図9において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【実施例4】
【0056】
図10は車両の後部車体構造のさらに他の実施例を示すものである。
図4、図7、図8、図9で示した先の実施例においては、上方が開放した断面ハット形状の荷重受け部材12を用いたが、図10に示すこの実施例では、下方が開放した断面ハット形状の荷重受け部材12を用いるものである。
【0057】
すなわち、図10に示すこの実施例においては、まず、リヤサイドフレーム4の底壁4cに荷重受け部材12の一対のフランジ部12cを溶接固定して、該リヤサイドフレーム4に荷重受け部材12をサブアセンブリする。
次に、荷重受け部材12がサブアセンブリされたリヤサイドフレーム4に対して、リヤフロア2を相対移動させて、このリヤフロア2の下面にリヤサイドフレーム4の一対の接合フランジ4a,4aを溶接固定すると共に、荷重受け部材12の連結壁12bと対応してリヤフロア2に形成された穴または溝(図示せず)を利用して、これら両者2,12bをアーク溶接またはレーザ溶接にて接合固定するものである。
【0058】
図10で示したこの実施例においても、上記荷重受け部材12が断面ハット形状に形成され、該荷重受け部材12のフランジ部12c,12cがリヤサイドフレーム4およびフロアパネル(リヤフロア2参照)の少なくとも何れか一方に結合されたものである(図10参照)。
この構成によれば、荷重受け部材12を断面ハット形状の1部品にて構成し、該荷重受け部材12で衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0059】
また、上記荷重受け部材12がリヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に結合されたものである(図10参照)。
この構成によれば、荷重受け部材12を、リヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に結合したので、強度的に有利となり、衝突荷重の入力時に、リヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に該衝突荷重を伝えることができ、荷重分散が図れるので、耐荷重を向上させることができる。
【0060】
図10で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図10において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略するが、図10の構成に代えて、図11の構成を採用してもよい。
【0061】
図11に示す実施例は、図10で示した荷重受け部材12の上下方向の長さに対して、図11の荷重受け部材12の上下方向の長さを短く設定して、リヤフロア2と荷重受け部材12の連結壁12bとの溶接固定を省略したものである。
【0062】
すなわち、図11に示すこの実施例においては、まず、リヤサイドフレーム4の底壁4cに荷重受け部材12の一対のフランジ部12cを溶接固定して、該リヤサイドフレーム4に荷重受け部材12をサブアセンブリする。
【0063】
次に、荷重受け部材12がサブアセンブリされたリヤサイドフレーム4に対して、リヤフロア2を相対移動させて、このリヤフロア2の下面にリヤサイドフレーム4の一対の接合フランジ4a,4aを溶接固定したものである。
【0064】
このように、図11で示す実施例においては、上記荷重受け部材12が断面ハット形状に形成され、該荷重受け部材12のフランジ部12c,12cがリヤサイドフレーム4およびフロアパネル(リヤフロア2参照)の少なくとも何れか一方に(この実施例ではリヤサイドフレーム4のみに)結合されたものである(図11参照)。
この構成によれば、荷重受け部材12を断面ハット形状の1部品にて構成し、該荷重受け部材12で衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0065】
図11で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図11において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【実施例5】
【0066】
図12は車両の後部車体構造のさらに他の実施例を示すものである。
図4、図7、図8、図9の実施例では、上方が開放した断面ハット形状の荷重受け部材12を用い、また図10、図11の実施例では、下方が開放した断面ハット形状の荷重受け部材12を用いたが、図12に示すこの実施例では、荷重受け部材として上側が開放したコ字状の2つの部材(コ字状部材)を用いるものである。
【0067】
すなわち、図12の(a)(b)に示すように、上側開放のコ字状部材16,17を合計2つ設け、これらの各コ字状部材16,17を荷重受け部材として用いるものであって、これらコ字状部材16,17は左右一対のフランジ部16a,16a,17a,17aと、これらフランジ部16a,16a間、17a,17a間を車幅方向に一体連設する部材本体16b,17bと、をそれぞれ備えている。
【0068】
そして、これら2つのコ字状部材16,17は、クラッシュボックス8の対向する車幅方向外側の二面8c,8cに隣接する4面8d,8d,8d,8dの軸方向端部(車両前後方向の前端部)が軸方向(前後方向)に突当るように上下に2つ設けられており、各コ字状部材16,17のそれぞれのフランジ部16a,16a,17a,17aがリヤサイドフレーム4の側壁4bの内面に結合されている。
【0069】
さらに詳しくは、リヤサイドフレーム4は、図12の(a)に示すように、開口側としての上側が広がった断面ハット形状に形成されており、上述の2つのコ字状部材16,17が上下方向に間隔を隔てて該リヤサイドフレーム4に嵌合するように、これら2つのコ字状部材16,17の幅(車幅方向の長さ)およびフランジ部16a,17aの傾斜角度が設定されている。
【0070】
図12に示すこの実施例においては、上下の各コ字状部材16,17をリヤサイドフレーム4の閉断面5内において互に平行に配置したが、該コ字状部材16,17に上記4面8d,8d,8d,8dの軸方向端部が軸方向に突当るものであれば、必ずしも平行配置に限定されるものではない。
上記各要素2,4,16,17の組付けについて説明すると、まず、リヤサイドフレーム4の閉断面5内に下側のコ字状部材17を配設して、該コ字状部材17のフランジ部17a,17aをリヤサイドフレーム4の側壁4bに溶接固定する。
【0071】
次に、リヤサイドフレーム4の閉断面5内に上側のコ字状部材16を配設して、該コ字状部材16のフランジ部16a,16aをリヤサイドフレーム4の側壁4bに溶接固定する。
このようにして、上下の各コ字状部材16,17をリヤサイドフレーム4にサブアセンブリし、これらの各コ字状部材16,17がサブアセンブリされたリヤサイドフレーム4に対して、リヤフロア2を相対移動させて、該リヤフロア2の下面にリヤサイドフレーム4の接合フランジ4a,4aをスポット溶接等の手段にて接合固定するものである。
【0072】
このように、図12で示した実施例においては、上記荷重受け部材が上側開放のコ字状部材16,17とされ、上記クラッシュボックス8の対向する車幅方向外側の二面8c,8cに隣接する4面8d,8d,8d,8dの軸方向端部(車両前後方向の前端部)が軸方向(前後方向)に突当るように上下に2つ設けられ、該荷重受け部材(コ字状部材16,17)のフランジ部16a,17aがリヤサイドフレーム4に結合されたものである(図12参照)。
この構成によれば、2つのコ字状部材16,17で、クラッシュボックス8の対向する車幅方向外側の二面8c,8cに隣接する上記4面8d,8d,8d,8dの軸方向端部の荷重を確実に受けることができ、耐荷重の向上を図ることができる。
【0073】
また、上記リヤサイドフレーム4は開口側(この実施例では上側)が広がった断面ハット形状とされ、上記2つの上側開放のコ字状部材16,17が上下に間隔を隔てて嵌合するように該コ字状部材16,17の幅およびフランジ部16a,17aの傾斜が設けられたものである(図12参照)。
この構成によれば、2部品から成る荷重受け部材(2つのコ字状部材16,17参照)の組付けを容易に行なうことができる。
【0074】
図12で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図12において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略するが、図12の構成に代えて、図13の構成を採用してもよい。
【0075】
図13で示す実施例においては、上側のコ字状部材16の部材本体16bの車幅方向中間に段差部16c,16cを介して凸部16dを一体形成すると共に、下側のコ字状部材17の部材本体17bの車幅方向中間には、段差部17c,17cを介して凹部17dを一体形成している。
【0076】
そして、上下の各コ字状部材16,17を図13の(a)に示すようにリヤサイドフレーム4の閉断面5内に結合した時、各段差部16c,17cがクラッシュボックス8の各角部8fと対応し、部材本体16b,17bがクラッシュボックス8における上記4面8d,8d,8d,8dの軸方向端部(車両前後方向の前端部)と車両前後方向に一致する位置に設けられたものである。
【0077】
このように構成すると、車両の後突時には、クラッシュボックス8の各角部8fの軸方向端部がコ字状部材16,17の段差部16c,17cに軸方向に突当ると共に、クラッシュボックス8の上記4面8d,8d,8d,8dの軸方向端部がコ字状部材16,17の部材本体16b,17bに軸方向に突当るので、衝突荷重を確実に受けて、耐荷重性をより一層向上させることができる。
【0078】
図13で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図13において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0079】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のフロアパネルは、実施例のリヤフロア2に対応し、
以下同様に、
荷重受け部材は、荷重受け部材12、コ字状部材16,17に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0080】
2…リヤフロア(フロアパネル)
4…リヤサイドフレーム
5…閉断面
8…クラッシュボックス
8a…凹部
8b,8c…外側の4面
8d…隣接する4面
8f…角部
12…荷重受け部材
12c…フランジ部
16,17…コ字状部材(荷重受け部材)
16a,17a…フランジ部
【技術分野】
【0001】
この発明は、リヤサイドフレームが上側開放の断面ハット形状とされてフロアパネル下面に接合されて設けられ、上記リヤサイドフレームの後端にクラッシュボックス(クラッシュカンと同意)が設けられたような車両の後部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、フロアパネル下面には、上側会報の断面ハット形状のリヤサイドフレームが接合されており、このリヤサイドフレームの後端にはセットプレートが設けられている。
また、前端にセットプレートを一体的に備えたクラッシュボックスを設け、このクラッシュボックス側のセットプレートと、リヤサイドフレーム後端のセットプレートとを、ボルト、ナット等の取付け部材を用いて締結する構造が採用されている。
【0003】
このような車両の後部車体構造において衝突荷重(後突荷重)をさらに効果的に受けるように成す場合、リヤサイドフレームの背面視の形状を内部中空で中空部が略十字状となる断面十字状の十二面体に形成することが考えられるが、加工上の理由およびフロアパネルとの溶接の関係上、リヤサイドフレームの形状それ自体を変更して断面十字状と成すことは困難であった。
そこで、上側開放の断面ハット形状のリヤサイドフレームと、フロアパネルとで形成される閉断面の内部に、これらとは別部材により形成された断面十字状の部材を設けることも考えられる。
【0004】
しかし、この場合にあっても断面十字状の部材と、フロアパネルやリヤサイドフレームとの溶接箇所が限定されるので、上記リヤサイドフレーム閉断面内に断面十字状の部材を設けた場合には、リヤサイドフレーム後端に設けられるセットプレートの板厚を大きくして、このセットプレートを介して衝突荷重を伝達する必要がある。
しかしながら、セットプレートの板厚を大きくする関係上、軽量化を図ることができず、重量増加を招く問題点があった。
【0005】
ところで、特許文献1には、リヤフロアの下面に、上側開放の断面ハット形状のリヤサイドフレームを接合固定し、リヤフロアおよびリヤサイドフレームの後端部にはリヤエンドメンバを接合し、このリヤエンドメンバの後部で、かつリヤサイドフレームと車両の前後方向に一致する箇所に、セットプレートを介してクラッシュボックスを取付けた構造が開示されている。
【0006】
この特許文献1に開示された構造は、リヤエンド部におけるクラッシュボックスの一般的な取付け構造であって、重量の増加を招くことなく衝突荷重(後突荷重)を効果的に受けるという技術思想は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−273126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、この発明は、クラッシュボックスの外周部がリヤサイドフレームとフロアパネルの端部または端部近傍に軸方向に突当るように、該クラッシュボックスを設け、このクラッシュボックスの周方向の少なくとも一部に内方に窪んだ凹部を形成し、リヤサイドフレーム閉断面内に該凹部の少なくとも一部の軸方向端部(前後方向の前端部)が軸方向(前後方向)に突当たるように荷重受け部材を設けることで、クラッシュボックスの凹部の荷重を、荷重受け部材で受けて、重量増加を招くことなく、衝突荷重を効果的に受けることができる車両の後部車体構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明による車両の後部車体構造は、リヤサイドフレームが上側開放の断面ハット形状とされてフロアパネル下面に接合されて設けられ、上記リヤサイドフレームの後端にクラッシュボックスが設けられた車両の後部車体構造であって、上記クラッシュボックスはその外周部がリヤサイドフレームとフロアパネルの端部または端部近傍に軸方向に突当る位置関係で設けられると共に、該クラッシュボックスの周方向の少なくとも一部に内方に窪んだ凹部が形成され、上記リヤサイドフレームとフロアパネルとによって形成される閉断面内に上記凹部の少なくとも一部の軸方向端部が軸方向に突当たるように設けられる荷重受け部材を備えたものである。
上記構成によれば、衝突荷重(後突荷重)の入力時には、クラッシュボックスに荷重が伝達され、該クラッシュボックスに設けられた凹部の荷重が上記荷重受け部材に軸方向に突当るので、この荷重受け部材でクラッシュボックスの凹部の荷重を受けて、重力増加を招くことなく、衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0010】
この発明の一実施態様においては、上記クラッシュボックスが断面十字状の十二面体にて形成され、該十字状の外側の4面の軸方向端部がリヤサイドフレームとフロアパネルの端部または端部近傍に軸方向に突当る位置関係で設けられると共に、上記荷重受け部材が、少なくとも十字状の内側の4つの角部または角部近傍の軸方向端部が軸方向に突当るように設けられたものである。
上述の断面十字状の十二面体とは、内部が中空で、この中空部が略十字状となるような断面十字状の十二面体のことである。
上記構成によれば、十字状のクラッシュボックスの内側の4つの角部または角部近傍の荷重を、上述の荷重受け部材で受けるようにしたので、衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0011】
この発明の一実施態様においては、上記荷重受け部材が断面ハット形状に形成され、該荷重受け部材のフランジ部がリヤサイドフレームおよびフロアパネルの少なくとも何れか一方に結合されたものである。
上記構成によれば、荷重受け部材を断面ハット形状の1部品にて構成し、該荷重受け部材で衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記荷重受け部材がリヤサイドフレームとフロアパネルとの両方に結合されたものである。
上記構成によれば、荷重受け部材を、リヤサイドフレームとフロアパネルとの両方に結合したので、衝突荷重の入力時に、リヤサイドフレームとフロアパネルとの両方に該衝突荷重を伝えることができ、荷重分散が図れるので、耐荷重を向上させることができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記荷重受け部材が上側開放のコ字状部材とされ、上記クラッシュボックスの対向する車幅方向外側の二面に隣接する4面の軸方向端部が軸方向に突当るように上下に2つ設けられ、該荷重受け部材のフランジ部がリヤサイドフレームに結合されたものである。
上記構成によれば、2つのコ字状部材で、クラッシュボックスの対向する車幅方向外側の二面に隣接する上記4面の軸方向端部の荷重を確実に受けることができ、耐荷重の向上を図ることができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記リヤサイドフレームは開口側が広がった断面ハット形状とされ、上記2つの上側開放のコ字状部材が上下に間隔を隔てて嵌合するように該コ字状部材の幅およびフランジ部の傾斜が設けられたものである。
上記構成によれば、2部品から成る荷重受け部材(2つのコ字状部材)の組付けを容易に行なうことができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、クラッシュボックスの外周部がリヤサイドフレームとフロアパネルの端部または端部近傍に軸方向に突当るように、該クラッシュボックスを設け、このクラッシュボックスの周方向の少なくとも一部に内方に窪んだ凹部を形成し、リヤサイドフレーム閉断面内に該凹部の少なくとも一部の軸方向端部(前後方向の前端部)が軸方向(前後方向)に突当たるように荷重受け部材を設けたので、クラッシュボックスの凹部の荷重を、荷重受け部材で受けて、重量増加を招くことなく、衝突荷重を効果的に受けることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の車両の後部車体構造を示す斜視図
【図2】図1の要部の分解斜視図
【図3】後部車体構造を示す平面図
【図4】(a)は図3のA−A線矢視断面図、(b)は荷重受け部材の斜視図
【図5】図3のB−B線矢視断面図
【図6】クラッシュボックス取付け構造の他の実施例を示す平面図
【図7】(a)は後部車体構造の他の実施例を示す背面図、(b)は荷重受け部材の斜視図
【図8】(a)は後部車体構造のさらに他の実施例を示す背面図、(b)は荷重受け部材の斜視図
【図9】(a)は後部車体構造のさらに他の実施例を示す背面図、(b)は荷重受け部材の斜視図
【図10】(a)は後部車体構造のさらに他の実施例を示す背面図、(b)は荷重受け部材の斜視図
【図11】(a)は後部車体構造のさらに他の実施例を示す背面図、(b)は荷重受け部材の斜視図
【図12】(a)は後部車体構造のさらに他の実施例を示す背面図、(b)は荷重受け部材の斜視図
【図13】(a)は後部車体構造のさらに他の実施例を示す背面図、(b)は荷重受け部材の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
重量増加を招くことなく、衝突荷重を効果的に受けるという目的を、リヤサイドフレームが上側開放の断面ハット形状とされてフロアパネル下面に接合されて設けられ、上記リヤサイドフレームの後端にクラッシュボックスが設けられた車両の後部車体構造において、上記クラッシュボックスはその外周部がリヤサイドフレームとフロアパネルの端部または端部近傍に軸方向に突当る位置関係で設けられると共に、該クラッシュボックスの周方向の少なくとも一部に内方に窪んだ凹部が形成され、上記リヤサイドフレームとフロアパネルとによって形成される閉断面内に上記凹部の少なくとも一部の軸方向端部が軸方向に突当たるように設けられる荷重受け部材を備えるという構成にて実現した。
【実施例1】
【0018】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の後部車体構造を示し、図1において、車室の底面を形成するフロアパネル1を設け、このフロアパネル1の後部には、車室または荷室の底面の形成するリヤフロア2(フロアパネル)を連続して設けている。
上述のリヤフロア2の車幅方向中間部には、スペアタイヤ等を収納するスペアタイヤパン3を段下げ形成すると共に、リヤフロア2の左右両サイド下面には車両の前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレーム4,4を設けている。
【0019】
図2は図1の車両左側要部の分解斜視図、図3は車両左側要部の平面図、図4の(a)は図3のA−A線矢視断面図である。
なお、以下の説明においては、主として、車両の後部車体構造の左側の構成について説明するのが、右側の構成は左側のそれと左右対称に構成されている。
【0020】
図1〜図4において、上述のリヤサイドフレーム4は、上部の接合フランジ4a,4aと、左右の側壁4b,4bと、底壁4cとを断面ハット形状に一体形成した車体剛性部材であって、上側が開放する構造であり、この上側開放の断面ハット形状のリヤサイドフレーム4を、リヤフロア2の下面に接合固定して、リヤフロア2とリヤサイドフレーム4との間には、車両の前後方向に延びる閉断面5(図4参照)を形成している。
【0021】
図1、図3に示すように、左右のリヤサイドフレーム4,4のそれぞれの後端には、リヤサイドフレーム4側のセットプレート6およびクラッシュボックス側のセットプレート7を介してクラッシュボックス8,8を取付け、これら左右のクラッシュボックス8,8の後端部相互間には、車幅方向に延びるバンパビーム9を張架している。
【0022】
ここで、上述のリヤサイドフレーム4側のセットプレート4側のセットプレート6は、該リヤサイドフレーム4の後端に突き合わせ溶接にて一体的に接合固定されており、またクラッシュボックス8側のセットプレート7は該クラッシュボックス8の前端に突き合わせ溶接にて一体的に接合固定されている。さらに、クラッシュボックス8はその後端が前端と比較して寸法が小さくなる先細り形状に形成されている。
【0023】
また、図2に分解斜視図で示すように、リヤサイドフレーム4側のセットプレート6と、クラッシュボックス8側のセットプレート7との互に対向する複数箇所には、取付け孔6a…,7a…をそれぞれ開口形成し、図3に示すように、これら前後の各取付け孔6a,7aに挿通されるボルト10と、ナット11等の取付け部材を用いて、前後のセットプレート6,7を締結固定し、これにより、クラッシュボックス8をリヤサイドフレーム4の後端部に取付けるように構成している。
【0024】
なお、実際には各セットプレート6,7間にリヤエンドパネルが介在されるが、図示の便宜上、これを省略している。
【0025】
図5は図3のB−B線矢視断面図であって、クラッシュボックス8の断面形状を示す。図5に示すように、このクラッシュボックス8は加工性を考慮して、上側部材と下側部材とを組合せて構成されている。
なお、図2、図5以外の各図においては図示の便宜上、クラッシュボックス8を概略的に示している。
【0026】
また、図2、図4、図5に示すように、このクラッシュボックス8は内部中空で中空部が略十字状となる断面十字状の十二面体にて形成されている。換言すれば、クラッシュボックス8の周方向には内方に窪んだ合計4つの凹部8a…が形成されている。
【0027】
さらに、該クラッシュボックス8は、十字状の外側の4面8b,8b,8c,8cと、これら4面8b,8b,8c,8cのうちの車幅方向外側の二面8c,8cに隣接する4面8d,8d,8d,8d(いわゆる横面)と、上下方向外側の二面8b,8bに隣接する4面8e,8e,8e,8e(いわゆる縦面)と、を備えた十二面体に構成されている。
【0028】
そして、図4の(a)に各要素2,4,8の位置関係を示すように、十字状のクラッシュボックス8の外側の4面8b,8b,8c,8cの軸方向端部(車両前後方向の前端部)が、リヤサイドフレーム4とフロアパネルとしてのリヤフロア2の端部または端部近傍に軸方向(前後方向)に突当る位置関係で設けられている。
しかも、図1〜図4に示すように、リヤサイドフレーム4とフロアパネルとしてのリヤフロア2とによって形成される閉断面5内に位置し、かつリヤサイドフレーム4の後端部で、セットプレート6に当接するその前側には、荷重受け部材12を設けている。
【0029】
図4に示すように、この荷重受け部材12は、車両の後突時において、クラッシュボックス8の凹部8aの少なくとも一部の軸方向端部(車両前後方向の前端部)が軸方向(前後方向)に突当たるように設けられている。
さらに詳しくは、図4に示すように、この荷重受け部材12は、十字状のクラッシュボックス8の内側の4つの角部(横面8dと縦面8eとがアール状に繋がるコーナ部)4fまたは角部4f近傍の軸方向端部(車両前後方向の前端部)が軸方向(前後方向)に突当る位置関係となるように設けられている。
【0030】
上述の荷重受け部材12は、図2、図4の(b)に斜視図で示すように、一対の側壁12a,12aと、これら一対の側壁12a,12aを車幅方向に連結する連結壁12bと、該荷重受け部材12の開放側から車幅方向外側に向けて一体形成された一対のフランジ部12c,12cと、を有する断面ハット形状に形成されている。
【0031】
そして、該荷重受け部材12のフランジ部12c,12cがリヤサイドフレーム4およびリヤフロア2の少なくとも何れか一方に結合されている。図4の(a)に示すように、この実施例では、荷重受け部材12のフランジ部12c,12cがリヤフロア2の下面に溶接手段にて結合されている。
【0032】
ここで、上記各要素2,4,6,12の組付け方法について説明すると、リヤサイドフレーム4側のセットプレート6は該リヤサイドフレーム4の後端に予め突き合せ溶接されている。そこで、まず、荷重受け部材12をリヤフロア2の下面にスポット溶接等の手段で接合固定し、次に、該荷重受け部材12を備えたリヤフロア2をリヤサイドフレーム4側に相対移動させて、リヤフロア2と該リヤサイドフレーム4の接合フランジ4aとを溶接固定するものである。
【0033】
一方、クラッシュボックス8側のセットプレート7は、該クラッシュボックス8の車両前後方向の前端に予め突き合せ溶接されているので、上述のリヤサイドフレーム4側のセットプレート6と、クラッシュボックス8側のセットプレート7とを、ボルト10、ナット11等の取付け部材を用いて互に締結すると、図1、図3に示すように組付けられるものである。
【0034】
なお、図1において、13は左右一対のリヤサイドフレーム4,4間に車幅方向に延びて取付けられたリヤクロスメンバ、14は該リヤクロスメンバ13と対向してリヤサイドフレーム4の閉断面5内に設けられた節部材である。また、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車両内方を示し、矢印OUTは車両外方を示す。
【0035】
このように、図1〜図5で示した実施例の車両の後部車体構造は、リヤサイドフレーム4が上側開放の断面ハット形状とされてフロアパネル(リヤフロア2参照)下面に接合されて設けられ、上記リヤサイドフレーム4の後端にクラッシュボックス8が設けられた車両の後部車体構造であって、上記クラッシュボックス8はその外周部がリヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)の端部または端部近傍に軸方向(前後方向)に突当る位置関係で設けられると共に、該クラッシュボックス8の周方向の少なくとも一部に内方に窪んだ凹部8aが形成され、上記リヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)とによって形成される閉断面5内に上記凹部8aの少なくとも一部の軸方向端部(車両前後方向の前端部)が軸方向(前後方向)に突当たるように設けられる荷重受け部材12を備えたものである(図3、図4参照)。
【0036】
この構成によれば、衝突荷重(後突荷重)の入力時には、クラッシュボックス8に荷重が伝達され、該クラッシュボックス8に設けられた凹部8aの荷重が上記荷重受け部材12に軸方向に突当るので、この荷重受け部材12でクラッシュボックス8の凹部8aの荷重を受けて、重力増加を招くことなく、衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0037】
また、上記クラッシュボックス8が断面十字状の十二面体にて形成され、該十字状の外側の4面(8b,8b,8c,8c)の軸方向端部(車両前後方向の前端部)がリヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)の端部または端部近傍に軸方向に突当る位置関係で設けられると共に、上記荷重受け部材12が、少なくとも十字状の内側の4つの角部8fまたは角部8f近傍の軸方向端部が軸方向に突当るように設けられたものである(図4、図5参照)。
【0038】
ここで、断面十字状の十二面体とは、内部が中空で、この中空部が略十字状となるような断面十字状の十二面体のことである。
この構成によれば、十字状のクラッシュボックス8の内側の4つの角部8fまたは角部8f近傍の荷重を、上述の荷重受け部材12で受けるようにしたので、衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0039】
さらに、上記荷重受け部材12が断面ハット形状に形成され、該荷重受け部材12のフランジ部12cがリヤサイドフレーム4およびフロアパネル(リヤフロア2参照)の少なくとも何れか一方に(この実施例ではリヤフロア2のみに)結合されたものである(図4参照)。
この構成によれば、荷重受け部材12を断面ハット形状の1部品にて構成し、該荷重受け部材12で衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0040】
図3で示した実施例においては、クラッシュボックス8の軸方向ラインLoが、車両の前後方向ラインLcと一致するように構成したが、これは、図6に示すように、車両の前後方向ラインLcに対してクラッシュボックス8の軸方向ラインLoが角度θだけ車外側に向くように設定して、斜め後方からの衝突に対応すべく構成してもよい。
【0041】
図6に示すように、クラッシュボックス8の後部がその前部に対して車幅方向の外側に向くように構成しても、その他の構成、作用、効果については先の実施例と同様であるから、図6において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
また、図4の(a)(b)で示した構成に代えて、図7の(a)(b)で示す構成を採用してもよい。
【0042】
図7の(a)(b)で示す構成は、荷重受け部材12の左右の側壁12a,12aの上下方向の中間に、クラッシュボックス8の上側の2つの角部8f,8fと車両前後方向に対向するように、内側に突出するビード12d,12dを一体形成すると共に、断面ハット形状の荷重受け部材12の下側の2つの角部12e,12eが、クラッシュボックス8の下側の2つの角部8f,8fと車両前後方向に対向するように成したものである。
【0043】
つまり、荷重受け部材12が、クラッシュボックス8の内側の4つの全ての角部8fの軸方向端部が軸方向に突当るように設けられたものである。
このように構成すると、衝突荷重(後突荷重)を上述のクラッシュボックス8でより一層効果的に受けることができる。
【0044】
図7の(a)(b)で示したように構成しても、その他の構成、作用、効果については先の実施例と同様であるから、図7において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【実施例2】
【0045】
図8は車両の後部車体構造の他の実施例を示し、図8で示すこの実施例においては、図4で示した荷重受け部材12よりも図8の荷重受け部材12の上下方向の長さを長く設定し、この荷重受け部材12を、リヤフロア2の下面と、リヤサイドフレーム4における底壁4cの上面との双方に溶接固定するように構成したものである。
【0046】
すなわち、荷重受け部材12の上下方向の長さを、リヤフロア2下面とリヤサイドフレーム4の底壁4c上面との間の上下方向長さと同等に形成する一方、一対のフランジ部12c,12cの中間部と対応してリヤフロア2には、溶接ガン(図示せず)を配設するための開口部15が形成されている。
【0047】
図8で示すこの実施例の場合には、まず、リヤフロア2の下面に荷重受け部材12の一対のフランジ部12c,12cをスポット溶接等により接合固定し、次に、荷重受け部材12を備えたリヤフロア2を、リヤサイドフレーム4側へ相対移動させた後に、リヤフロア2の下面に該リヤサイドフレーム4の接合フランジ4a,4aに溶接固定すると共に、上記開口部15から溶接ガン(図示せず)を挿入して、荷重受け部材12の連結壁12bと、リヤサイドフレーム4の底壁4cとを溶接固定するものである。
このように、図8で示した実施例においては、上記荷重受け部材12がリヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に結合されたものである(図8参照)。
【0048】
この構成によれば、荷重受け部材12を、リヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に結合したので、衝突荷重の入力時に、リヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に該衝突荷重を伝えることができ、荷重分散が図れるので、耐荷重を向上させることができる。
【0049】
図8で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図8において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【実施例3】
【0050】
図9は車両の後部車体構造のさらに他の実施例を示し、図9に示すこの実施例においては、図8で示した荷重受け部材12のフランジ部12cの車幅方向の長さよりも図9の荷重受け部材12のフランジ部12cの車幅方向の長さを長く設定し、これら一対のフランジ部12c,12cを、リヤフロア2の下面と、リヤサイドフレーム4の接合フランジ4aとの間にサンドイッチ状に接合固定するように構成したものである。
換言すれば、リヤフロア2と、荷重受け部材12のフランジ部12cと、リヤサイドフレーム4の接合フランジ4aと、を3枚合せてスポット溶接するように構成している。
【0051】
また、図9の実施例では、図8の実施例と溶接手順が異なるので、リヤフロア2には開口部15を形成する必要がない。
すなわち、図9に示すこの実施例の場合には、まず、リヤサイドフレーム4の一対の接合フランジ4a,4aと、荷重受け部材12の一対のフランジ部12c,12cとを溶接固定すると共に、リヤサイドフレーム4の底壁4cと荷重受け部材12の連結壁12bとを溶接固定して、これら両者(リヤサイドフレーム4と荷重受け部材12)をサブアセンブリする。
【0052】
次に、上記荷重受け部材12がサブアセンブリされたリヤサイドフレーム4に対して、リヤフロア2を相対移動させて、リヤフロア2と、荷重受け部材12のフランジ部12cと、リヤサイドフレーム4の接合フランジ4aと、を3枚重ね合わせてスポット溶接し、図9の構成を得るものである。
【0053】
このように、図9で示した実施例においては、上記荷重受け部材12が断面ハット形状に形成され、該荷重受け部材12のフランジ部12c,12cがリヤサイドフレーム4およびフロアパネル(リヤフロア2参照)の少なくとも何れか一方(この実施例では双方)に結合されたものである(図9参照)。
この構成によれば、荷重受け部材12を断面ハット形状の1部品にて構成し、該荷重受け部材12で衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0054】
また、上記荷重受け部材12がリヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に結合されたものである(図9参照)。
この構成によれば、荷重受け部材12を、リヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に結合したので、強度的に有利となり、衝突荷重の入力時に、リヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に該衝突荷重を伝えることができ、荷重分散が図れるので、耐荷重を向上させることができる。
【0055】
図9で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図9において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【実施例4】
【0056】
図10は車両の後部車体構造のさらに他の実施例を示すものである。
図4、図7、図8、図9で示した先の実施例においては、上方が開放した断面ハット形状の荷重受け部材12を用いたが、図10に示すこの実施例では、下方が開放した断面ハット形状の荷重受け部材12を用いるものである。
【0057】
すなわち、図10に示すこの実施例においては、まず、リヤサイドフレーム4の底壁4cに荷重受け部材12の一対のフランジ部12cを溶接固定して、該リヤサイドフレーム4に荷重受け部材12をサブアセンブリする。
次に、荷重受け部材12がサブアセンブリされたリヤサイドフレーム4に対して、リヤフロア2を相対移動させて、このリヤフロア2の下面にリヤサイドフレーム4の一対の接合フランジ4a,4aを溶接固定すると共に、荷重受け部材12の連結壁12bと対応してリヤフロア2に形成された穴または溝(図示せず)を利用して、これら両者2,12bをアーク溶接またはレーザ溶接にて接合固定するものである。
【0058】
図10で示したこの実施例においても、上記荷重受け部材12が断面ハット形状に形成され、該荷重受け部材12のフランジ部12c,12cがリヤサイドフレーム4およびフロアパネル(リヤフロア2参照)の少なくとも何れか一方に結合されたものである(図10参照)。
この構成によれば、荷重受け部材12を断面ハット形状の1部品にて構成し、該荷重受け部材12で衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0059】
また、上記荷重受け部材12がリヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に結合されたものである(図10参照)。
この構成によれば、荷重受け部材12を、リヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に結合したので、強度的に有利となり、衝突荷重の入力時に、リヤサイドフレーム4とフロアパネル(リヤフロア2参照)との両方に該衝突荷重を伝えることができ、荷重分散が図れるので、耐荷重を向上させることができる。
【0060】
図10で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図10において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略するが、図10の構成に代えて、図11の構成を採用してもよい。
【0061】
図11に示す実施例は、図10で示した荷重受け部材12の上下方向の長さに対して、図11の荷重受け部材12の上下方向の長さを短く設定して、リヤフロア2と荷重受け部材12の連結壁12bとの溶接固定を省略したものである。
【0062】
すなわち、図11に示すこの実施例においては、まず、リヤサイドフレーム4の底壁4cに荷重受け部材12の一対のフランジ部12cを溶接固定して、該リヤサイドフレーム4に荷重受け部材12をサブアセンブリする。
【0063】
次に、荷重受け部材12がサブアセンブリされたリヤサイドフレーム4に対して、リヤフロア2を相対移動させて、このリヤフロア2の下面にリヤサイドフレーム4の一対の接合フランジ4a,4aを溶接固定したものである。
【0064】
このように、図11で示す実施例においては、上記荷重受け部材12が断面ハット形状に形成され、該荷重受け部材12のフランジ部12c,12cがリヤサイドフレーム4およびフロアパネル(リヤフロア2参照)の少なくとも何れか一方に(この実施例ではリヤサイドフレーム4のみに)結合されたものである(図11参照)。
この構成によれば、荷重受け部材12を断面ハット形状の1部品にて構成し、該荷重受け部材12で衝突荷重を効果的に受けることができる。
【0065】
図11で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図11において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【実施例5】
【0066】
図12は車両の後部車体構造のさらに他の実施例を示すものである。
図4、図7、図8、図9の実施例では、上方が開放した断面ハット形状の荷重受け部材12を用い、また図10、図11の実施例では、下方が開放した断面ハット形状の荷重受け部材12を用いたが、図12に示すこの実施例では、荷重受け部材として上側が開放したコ字状の2つの部材(コ字状部材)を用いるものである。
【0067】
すなわち、図12の(a)(b)に示すように、上側開放のコ字状部材16,17を合計2つ設け、これらの各コ字状部材16,17を荷重受け部材として用いるものであって、これらコ字状部材16,17は左右一対のフランジ部16a,16a,17a,17aと、これらフランジ部16a,16a間、17a,17a間を車幅方向に一体連設する部材本体16b,17bと、をそれぞれ備えている。
【0068】
そして、これら2つのコ字状部材16,17は、クラッシュボックス8の対向する車幅方向外側の二面8c,8cに隣接する4面8d,8d,8d,8dの軸方向端部(車両前後方向の前端部)が軸方向(前後方向)に突当るように上下に2つ設けられており、各コ字状部材16,17のそれぞれのフランジ部16a,16a,17a,17aがリヤサイドフレーム4の側壁4bの内面に結合されている。
【0069】
さらに詳しくは、リヤサイドフレーム4は、図12の(a)に示すように、開口側としての上側が広がった断面ハット形状に形成されており、上述の2つのコ字状部材16,17が上下方向に間隔を隔てて該リヤサイドフレーム4に嵌合するように、これら2つのコ字状部材16,17の幅(車幅方向の長さ)およびフランジ部16a,17aの傾斜角度が設定されている。
【0070】
図12に示すこの実施例においては、上下の各コ字状部材16,17をリヤサイドフレーム4の閉断面5内において互に平行に配置したが、該コ字状部材16,17に上記4面8d,8d,8d,8dの軸方向端部が軸方向に突当るものであれば、必ずしも平行配置に限定されるものではない。
上記各要素2,4,16,17の組付けについて説明すると、まず、リヤサイドフレーム4の閉断面5内に下側のコ字状部材17を配設して、該コ字状部材17のフランジ部17a,17aをリヤサイドフレーム4の側壁4bに溶接固定する。
【0071】
次に、リヤサイドフレーム4の閉断面5内に上側のコ字状部材16を配設して、該コ字状部材16のフランジ部16a,16aをリヤサイドフレーム4の側壁4bに溶接固定する。
このようにして、上下の各コ字状部材16,17をリヤサイドフレーム4にサブアセンブリし、これらの各コ字状部材16,17がサブアセンブリされたリヤサイドフレーム4に対して、リヤフロア2を相対移動させて、該リヤフロア2の下面にリヤサイドフレーム4の接合フランジ4a,4aをスポット溶接等の手段にて接合固定するものである。
【0072】
このように、図12で示した実施例においては、上記荷重受け部材が上側開放のコ字状部材16,17とされ、上記クラッシュボックス8の対向する車幅方向外側の二面8c,8cに隣接する4面8d,8d,8d,8dの軸方向端部(車両前後方向の前端部)が軸方向(前後方向)に突当るように上下に2つ設けられ、該荷重受け部材(コ字状部材16,17)のフランジ部16a,17aがリヤサイドフレーム4に結合されたものである(図12参照)。
この構成によれば、2つのコ字状部材16,17で、クラッシュボックス8の対向する車幅方向外側の二面8c,8cに隣接する上記4面8d,8d,8d,8dの軸方向端部の荷重を確実に受けることができ、耐荷重の向上を図ることができる。
【0073】
また、上記リヤサイドフレーム4は開口側(この実施例では上側)が広がった断面ハット形状とされ、上記2つの上側開放のコ字状部材16,17が上下に間隔を隔てて嵌合するように該コ字状部材16,17の幅およびフランジ部16a,17aの傾斜が設けられたものである(図12参照)。
この構成によれば、2部品から成る荷重受け部材(2つのコ字状部材16,17参照)の組付けを容易に行なうことができる。
【0074】
図12で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図12において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略するが、図12の構成に代えて、図13の構成を採用してもよい。
【0075】
図13で示す実施例においては、上側のコ字状部材16の部材本体16bの車幅方向中間に段差部16c,16cを介して凸部16dを一体形成すると共に、下側のコ字状部材17の部材本体17bの車幅方向中間には、段差部17c,17cを介して凹部17dを一体形成している。
【0076】
そして、上下の各コ字状部材16,17を図13の(a)に示すようにリヤサイドフレーム4の閉断面5内に結合した時、各段差部16c,17cがクラッシュボックス8の各角部8fと対応し、部材本体16b,17bがクラッシュボックス8における上記4面8d,8d,8d,8dの軸方向端部(車両前後方向の前端部)と車両前後方向に一致する位置に設けられたものである。
【0077】
このように構成すると、車両の後突時には、クラッシュボックス8の各角部8fの軸方向端部がコ字状部材16,17の段差部16c,17cに軸方向に突当ると共に、クラッシュボックス8の上記4面8d,8d,8d,8dの軸方向端部がコ字状部材16,17の部材本体16b,17bに軸方向に突当るので、衝突荷重を確実に受けて、耐荷重性をより一層向上させることができる。
【0078】
図13で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図13において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0079】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のフロアパネルは、実施例のリヤフロア2に対応し、
以下同様に、
荷重受け部材は、荷重受け部材12、コ字状部材16,17に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0080】
2…リヤフロア(フロアパネル)
4…リヤサイドフレーム
5…閉断面
8…クラッシュボックス
8a…凹部
8b,8c…外側の4面
8d…隣接する4面
8f…角部
12…荷重受け部材
12c…フランジ部
16,17…コ字状部材(荷重受け部材)
16a,17a…フランジ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リヤサイドフレームが上側開放の断面ハット形状とされてフロアパネル下面に接合されて設けられ、
上記リヤサイドフレームの後端にクラッシュボックスが設けられた
車両の後部車体構造であって、
上記クラッシュボックスはその外周部がリヤサイドフレームとフロアパネルの端部または端部近傍に軸方向に突当る位置関係で設けられると共に、
該クラッシュボックスの周方向の少なくとも一部に内方に窪んだ凹部が形成され、
上記リヤサイドフレームとフロアパネルとによって形成される閉断面内に上記凹部の少なくとも一部の軸方向端部が軸方向に突当たるように設けられる荷重受け部材を備えた
車両の後部車体構造。
【請求項2】
上記クラッシュボックスが断面十字状の十二面体にて形成され、
該十字状の外側の4面の軸方向端部がリヤサイドフレームとフロアパネルの端部または端部近傍に軸方向に突当る位置関係で設けられると共に、
上記荷重受け部材が、少なくとも十字状の内側の4つの角部または角部近傍の軸方向端部が軸方向に突当るように設けられた
請求項1記載の車両の後部車体構造。
【請求項3】
上記荷重受け部材が断面ハット形状に形成され、該荷重受け部材のフランジ部がリヤサイドフレームおよびフロアパネルの少なくとも何れか一方に結合された
請求項2記載の車両の後部車体構造。
【請求項4】
上記荷重受け部材がリヤサイドフレームとフロアパネルとの両方に結合された
請求項2または3記載の車両の後部車体構造。
【請求項5】
上記荷重受け部材が上側開放のコ字状部材とされ、上記クラッシュボックスの対向する車幅方向外側の二面に隣接する4面の軸方向端部が軸方向に突当るように上下に2つ設けられ、
該荷重受け部材のフランジ部がリヤサイドフレームに結合された
請求項2記載の車両の後部車体構造。
【請求項6】
上記リヤサイドフレームは開口側が広がった断面ハット形状とされ、
上記2つの上側開放のコ字状部材が上下に間隔を隔てて嵌合するように該コ字状部材の幅およびフランジ部の傾斜が設けられた
請求項5記載の車両の後部車体構造。
【請求項1】
リヤサイドフレームが上側開放の断面ハット形状とされてフロアパネル下面に接合されて設けられ、
上記リヤサイドフレームの後端にクラッシュボックスが設けられた
車両の後部車体構造であって、
上記クラッシュボックスはその外周部がリヤサイドフレームとフロアパネルの端部または端部近傍に軸方向に突当る位置関係で設けられると共に、
該クラッシュボックスの周方向の少なくとも一部に内方に窪んだ凹部が形成され、
上記リヤサイドフレームとフロアパネルとによって形成される閉断面内に上記凹部の少なくとも一部の軸方向端部が軸方向に突当たるように設けられる荷重受け部材を備えた
車両の後部車体構造。
【請求項2】
上記クラッシュボックスが断面十字状の十二面体にて形成され、
該十字状の外側の4面の軸方向端部がリヤサイドフレームとフロアパネルの端部または端部近傍に軸方向に突当る位置関係で設けられると共に、
上記荷重受け部材が、少なくとも十字状の内側の4つの角部または角部近傍の軸方向端部が軸方向に突当るように設けられた
請求項1記載の車両の後部車体構造。
【請求項3】
上記荷重受け部材が断面ハット形状に形成され、該荷重受け部材のフランジ部がリヤサイドフレームおよびフロアパネルの少なくとも何れか一方に結合された
請求項2記載の車両の後部車体構造。
【請求項4】
上記荷重受け部材がリヤサイドフレームとフロアパネルとの両方に結合された
請求項2または3記載の車両の後部車体構造。
【請求項5】
上記荷重受け部材が上側開放のコ字状部材とされ、上記クラッシュボックスの対向する車幅方向外側の二面に隣接する4面の軸方向端部が軸方向に突当るように上下に2つ設けられ、
該荷重受け部材のフランジ部がリヤサイドフレームに結合された
請求項2記載の車両の後部車体構造。
【請求項6】
上記リヤサイドフレームは開口側が広がった断面ハット形状とされ、
上記2つの上側開放のコ字状部材が上下に間隔を隔てて嵌合するように該コ字状部材の幅およびフランジ部の傾斜が設けられた
請求項5記載の車両の後部車体構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−168122(P2011−168122A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32347(P2010−32347)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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