説明

車両の照明装置

【課題】スライドドアを備えた車両の照明装置について、夜間における乗降性を向上させるだけでなく、乗員のプライバシーの有効な保護も実現する。
【解決手段】車室側部の乗降口Hsを開閉可能に覆い後方へ移動することで開かれるスライドドア20と、乗降口に近接して配設されたセカンドシート12と、乗降口の前縁部において上下方向に延設された中間ピラー6とを備えた車両に装備される照明装置であって、中間ピラーの車室内側に、乗員の乗降時に点灯されるピラー集中照明部50を備え、該ピラー集中照明部は、車両のベルトラインLbよりも下方の車室内の領域を指向するよう照射方向が制限された下部開口を備えている、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スライドドアを備えた車両の照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両に装備されるドアとして、車体側面に略沿うようにして前後方向へスライドさせながら開閉する所謂スライドドアは一般に良く知られおり、例えば、ワゴンタイプの自動車や所謂ワンボックスカーなどの後席用のドアとして、幅広く採用されている。かかるスライドドアを車室側部に装備することで、車室側部の乗降口をより大きく確保でき、乗員の乗降時あるいは荷物の積み降ろし時などの利便性を大いに高めることができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、このようなスライドドアを備えた自動車について、スライドドアの周辺を明るく照らす発光装置を当該スライドドアに設け、スライドドアが開状態とされた際には、スライドドアの下方もしくは後方を明るく照らすことにより、歩行者や側方車もしくは後方車の運転者が、当該スライドドアが開状態であることを容易に視認できるようにした構成が開示されている。
【0004】
ところで、近年では、車両に装備される車室内用などの照明装置について、単に車室内などの所要領域を照らし出すだけでなく、各照明ランプをそれぞれ個別に又は連動して好適に制御することによって、照明による種々の演出効果を醸し出すようにすることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−327041号公報
【特許文献2】特開2003−327042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、近年では、プライバシー保護に対する意識の高まりに応じて、車両の照明装置についても、乗員のプライバシーを有効に保護できるようにすることが望まれるようになって来ている。例えば、夜間に人気の少ない駐車場などで、乗員が乗降するような場合、乗降する乗員のプライバシー保護が望まれる場合がある。特に、乗降する乗員が女性や高齢者あるいは子供などの弱者であれば、そのことを周囲に気付かれない方が防犯上も好ましい。特に、上述のスライドドアを備えた車両の場合、ドアを開くことにより、乗降口は、通常の回動開閉式のドアのようにドア自体で遮られることなく、周囲の広範な角度から略完全に視認できるので、乗員のプライバシー保護に配慮することがより強く望まれる。
【0006】
しかしながら、従来の車両用照明装置では、前述の特許文献1や特許文献2に見られるように、乗員乗降時の利便性や安全性あるいは照明による演出効果に配慮することはあっても、乗員のプライバシー保護については殆ど念頭に置かれていないのが実情である。
【0007】
後方へ移動することで乗降口を開くスライドドアの場合、一般に、乗降口の前縁部には上下方向へ延びるピラー部が位置しており、また、通常、スライドドア前部の車室内側には当該スライドドアを車室内側から開閉操作するインナハンドルが設けられている。
乗員が夜間に乗降動作を行う場合には、前記ピラー部やインナハンドル、更にはシート着座面などを照明することで、利便性を高め乗員の乗降性を向上させることができるのであるが、このような照明を行う場合においても、前述のように乗員のプライバシー保護に配慮することが求められる。
【0008】
そこで、本発明は、スライドドアを備えた車両の照明装置について、夜間における乗降性を向上させるだけでなく、乗員のプライバシーの有効な保護をも実現することができる照明装置を提供することを、基本的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため、本願の請求項1に係る発明(第1の発明)は、車室側部の乗降口を開閉可能に覆い後方へ移動することで開かれるスライドドアと、前記乗降口に近接して配設されたシートと、前記乗降口の前縁部において上下方向に延設されたピラー部とを備えた車両に装備される照明装置であって、前記ピラー部の車室内側に、乗員の乗降時に点灯されるピラー照明部を備え、該ピラー照明部は、車両のベルトラインよりも下方の車室内の領域を指向するよう照射方向が制限された第1照射部を備えている、ことを特徴としたものである。
【0010】
また、本願の請求項2に係る発明(第2の発明)は、前記第1の発明において、前記ピラー照明部の発光部は前記ベルトラインよりも下方に配置され、前記発光部の照射方向は水平方向または下方を指向している、ことを特徴としたものである。
【0011】
更に、本願の請求項3に係る発明(第3の発明)は、前記第1又は第2の発明において、前記第1照射部の照射方向は、前記シートのシートクッションの着座面を指向していることを特徴としたものである。
【0012】
また更に、本願の請求項4に係る発明(第4の発明)は、前記第1から第3の発明の何れかにおいて、前記スライドドア前部の車室内側に、該スライドドアを車室内側から開閉操作するインナハンドルが設けられ、前記ピラー照明部は、前記インナハンドルを指向するよう照射方向が設定された第2照射部を更に備えている、ことを特徴としたものである。
【0013】
また更に、本願の請求項5に係る発明(第5の発明)は、前記第1から第4の発明の何れかにおいて、前記ピラー部の車室内側に、乗員乗降時に把持されるアシストグリップが設けられ、前記ピラー照明部は、前記アシストグリップを指向するよう照射方向が設定された第3照射部を更に備えている、ことを特徴としたものである。
【0014】
また更に、本願の請求項6に係る発明(第6の発明)は、前記第1から第5の発明の何れかにおいて、前記ピラー照明部は、前記ピラー部の下部の車室内面を指向するよう照射方向が設定された第4照射部を更に備えている、ことを特徴としたものである。
【0015】
また更に、本願の請求項7に係る発明(第7の発明)は、前記第1から第6の発明の何れかにおいて、前記ピラー照明部の発光部は、前記ピラー部とその車室内側を覆うトリム部材との間の空間部に収容されており、前記トリム部材は、前記照射部を構成する光通過部と、前記発光部の前記乗降口上部方向と前記シート上部方向を覆う光遮蔽部とを備え、前記発光部の光は前記光通過部から車室内に照射される、ことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0016】
本願の第1の発明によれば、乗員の乗降時には、ピラー部の車室内側に備えられたピラー照明部の第1照射部が点灯されて、ベルトラインよりも下方の車室内の領域が照明されることにより、夜間乗降時の利便性を確保することができる。この場合において、第1照射部の点灯で照明されるのは、ベルトラインよりも下方領域であるので、乗降時に乗員の上半身が照明で照らし出されることはなく、乗員のプライバシーを有効に保護することができる。すなわち、夜間乗降性の向上と乗員のプライバシー保護とを、両立して実現することができる。
【0017】
また、本願の第2の発明によれば、基本的には前記第1の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、前記ピラー照明部の発光部をベルトラインよりも下方に配置し、この発光部の照射方向を水平方向または下方とすることにより、ピラー照明部が乗員の上半身を照らさないことをより容易かつ確実に保証できる。
【0018】
更に、本願の第3の発明によれば、基本的には前記第1又は第2の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、前記第1照射部の照射方向が前記シートのシートクッションの着座面を指向しているので、夜間乗降時における前記シートクッション着座面の視認性を高めて、乗員の着座動作を容易で円滑なものとすることができる。
【0019】
また更に、本願の第4の発明によれば、基本的には前記第1から第3の発明の何れかと同様の作用効果を奏することができる。特に、スライドドア車室内側のインナハンドルを指向するよう照射方向が設定された第2照射部がピラー照明部に備えられているので、夜間乗降時におけるインナハンドルの視認性を高めて、乗員の乗降動作を容易で円滑なものとすることができる。
【0020】
また更に、本願の第5の発明によれば、基本的には前記第1から第4の発明の何れかと同様の作用効果を奏することができる。特に、アシストグリップを指向するよう照射方向が設定された第3照射部がピラー照明部に備えられているので、夜間乗降時におけるアシストグリップの視認性を高めて、乗員の乗降動作を容易で円滑なものとすることができる。
【0021】
また更に、本願の第6の発明によれば、基本的には前記第1から第5の発明の何れかと同様の作用効果を奏することができる。特に、ピラー部の下部の車室内面を指向するよう照射方向が設定された第4照射部がピラー照明部に備えられているので、夜間乗降時におけるピラー部下部の車室内面の視認性を高めて、乗員の乗降動作を容易で円滑なものとすることができる。
【0022】
また更に、本願の第7の発明によれば、基本的には前記第1から第6の発明の何れかと同様の作用効果を奏することができる。特に、ピラー部とその車室内側を覆うトリム部材との間の空間部にピラー照明部の発光部を収容したことにより、新たな部材を用いる必要無しに、ピラー部の車室内側に通常配設される部材を利用して、見映え良くコンパクトにピラー照明部を配置することができる。この場合において、前記発光部の光は前記トリム部材に設けた光通過部から車室内に照射されるが、乗降口上部方向とシート上部方向はトリム部材の光遮蔽部で遮蔽されており照射されることはない。従って、乗降時に乗員の上半身が前記発光部からの照明で照らし出されることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本実施形態に係る照明装置を装備した自動車の側面を概略的に示す側面図、また、図2はこの自動車の車室内を概略的に示す平面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る自動車1は所謂ワゴンタイプのもので、車室内には、前側から順に、フロント(最前列)シート11,セカンド(2列目)シート12及びリヤ(最後列)シート13の3列のシートが配列されている。また、自動車の車室後部の側面には、後席(セカンドシート12及びリヤシート13)用のドアとして、車体側面に略沿うようにして前後方向へスライドさせながら開閉する所謂スライドドア20が装備されている。該スライドドア20は、車室側部の乗降口Hsを開閉可能に覆うもので、スライドドア20を後方へ移動させて開くことで開放される乗降口Hsには、セカンドシート12の側端部が近接するように位置している。
【0024】
前記自動車1には、車室内の所要領域および乗降口Hsの周辺やドアノブ等の車室外の所要領域などを照明するために、多数の照明ランプを備えた照明装置が装備されている。以下、この照明装置を構成する照明ランプについて説明する。
【0025】
本実施形態では、乗員の上半身を照らさないように車両のベルトラインLbよりも下方の領域を指向するよう照射方向が制限された「下部照明ランプ」と、前記ベルトラインLbよりも上方の車室内の所定範囲を照明する「車内上部照明ランプ」とを備えている。また、前記下部照明ランプは、ベルトラインLbよりも下方の車外の領域を指向するよう照射方向が制限された「車外下部照明ランプ」と、ベルトラインLbよりも下方の車室内の領域を指向するよう照射方向が制限された「車内下部照明ランプ」とに区分けされる。
【0026】
前記ベルトラインLbは、車両側部のウインドウ部W1,W2の下辺の直下方にて該下辺に略沿って車両前後方向に延びるように設定された仮想のラインで、別名ウエストラインとも称される。一般に、このベルトラインLbよりも下方の領域を指向するようにランプの照射方向を制限することにより、乗員の上半身が照らし出されることを回避できる。
【0027】
カーテシランプE1は、車両周辺照明としてスライドドア20の乗降口Hs近傍の車外の下方領域S1を照明するランプで、前記「車外下部照明ランプ」の一種として設けられている。このカーテシランプE1は、後で詳しく説明するように、車体フロア部4の左右両端部にて前後方向に延設されているサイドシル5の下端フランジ部の外側に取り付けられている。
【0028】
アウタハンドルランプE2は、スライドドア20のアウタハンドル23及びその近傍の領域S2を照明するランプで、やはり前記「車外下部照明ランプ」の一種として設けられている。このアウタハンドルランプE2は、後で詳しく説明するように、アウタハンドル23の裏面側に取り付けられており、アウタハンドル23自体は、いわゆる間接照明で照らし出されるようになっている。
【0029】
フットランプE3は、車室フロア部4のセカンドシート12の前方領域(つまりセカンドシート12の足元領域)S3を照明するランプで、前記「車内下部照明ランプ」の一種として設けられている。このフットランプE3は、後で詳しく説明するように、セカンドシート12のシートクッション12cの前端下部に位置するスライドレバーに埋め込むようにして設けられている。
【0030】
中間ピラーランプE4は、フロントシート11の略側方でセカンドシート12の斜め前方に位置し、乗降口Hsの前縁に略沿って上下方向に延設された中間ピラー6(所謂Bピラー)の車室内面領域S4を照らし出して中間ピラー6の位置を視認容易とするランプで、前記「車内下部照明ランプ」の一つを構成している。この中間ピラーランプE4は、後で詳しく説明するように、中間ピラー6の内装トリム内に設けられたピラー集中照明部50に配置されている。
【0031】
シートダウンライト・ランプE5は、セカンドシート12のシートクッション12cの座面領域S5を照らし出して座席位置を視認容易とするランプで、やはり前記「車内下部照明ランプ」の一つを構成している。後で詳しく説明するように、このシートダウンライト・ランプE5も前記ピラー集中照明部50に配置されている。
【0032】
コンソールダウンライト・ランプE6は、セカンドシート12に着座した乗員の手元を照らし出すためのランプで、セカンドシート12の前方における車幅方向の略中央領域S6に向けて照射される。このコンソールダウンライト・ランプE6は、指向性の比較的高い所謂スポットライト用のランプで、セカンドシート12に着座した乗員の手元を視認し易くするために、その照射方向が調整可能に設けられている。このコンソールダウンライト・ランプE6は、後で詳しく説明するように、車室天井部7に取り付けられ、「車内上部照明ランプ」の一つを構成している。
【0033】
ルームランプE7は、後で詳しく説明するように、車室天井部7の略中央部分に取り付けられ、車室内を広範囲に照らし出すランプで、やはり「車内上部照明ランプ」の一つを構成している。
【0034】
インナハンドルランプE8は、スライドドア20が閉じられている場合において該スライドドア20のインナハンドル25及びその近傍の領域S8を照らし出し、インナハンドル25の位置を視認容易とするランプで、前記「車内下部照明ランプ」の一つを構成している。後で詳しく説明するように、このインナハンドルランプE8も前記ピラー集中照明部50に配置されている。
【0035】
尚、前記スライドドア20は車室側部の後部乗降口Hsを開閉するリヤドアを構成しており、車室前端部に配設されるインストルメントパネル10(図2参照)に近いフロントドア19側に比して、照明数はかなり少なくなっている。
【0036】
図3は、前記カーテシランプE1の取付構造を概略的に示す図で、図1のY3−Y3線に沿った断面図である。
この図に示すように、車体フロア部4の左右両端部にて前後方向に延設されているサイドシル5は、その外面を構成するアウタパネル31と、内方への膨出部の上部を形成するインナパネル32と、前記内方への膨出部の下部を形成するアンダーパネル33とを備えている。前記アウタパネル31は、その下部が外方へ膨出しており、この外方への膨出部31cの内側にはレインフォースメント(第2レインフォースメント)35が配設され、更にその内側に第1レインフォースメント34が配設されている。第2レインフォースメント35は、その上端部35aがアウタパネル31の上下方向における途中部の内面に接合され、下端部35bはアウタパネル31の最内側に位置する下端縦壁31bの内面に接合されている。第1レインフォースメント34は、その上端部34aがインナパネル32の外側縦壁32aの外面に接合され、下端部34bは第2レインフォースメント35の下部内面に接合されている。
【0037】
前記インナパネル32の内側縦壁32bはフロアパネル4の外側端部4aに接合されている。また、アウタパネル31の上端縦壁31aには、断面形状が逆L字形のレール保持パネル36の下部が接合され、このレール保持パネル36の上部下面側に、スライドドア20(図3では仮想線のみ図示)を車体前後方向にスライドさせるレール37が固定されている。
アンダーパネル33の外側端部は下方に折り曲げられて縦壁33aを形成している。このアンダーパネル33の外側縦壁33aと第2レインフォースメント35の下端部35bとアウタパネル31の下端縦壁31bとは、3枚重ねの状態で接合され、サイドシル5の下端部に所定長さの下部フランジ5fを形成している。
【0038】
カーテシランプE1は、この下部フランジ5fの外側にて、該フランジ5fの下端から所定寸法Dだけ上方に取り付けられている。従って、車両走行中に車両中央側から跳石があった場合でも、カーテシランプE1は下部フランジ5fにより確実に保護される。また、カーテシランプE1は、下部フランジ5fの下端よりも(所定寸法Dだけ)上方に配設されているので、車両走行中の底摺からも有効に保護される。
しかも、前記下部フランジ5fはサイドシル5の外方への膨出部31cよりもかなり内方下部に位置しているので、カーテシランプE1から乗降口Hs近傍の車外の下方領域S1に向けて照射される照明光は、その照射範囲の上限(上限ラインLc参照)がサイドシル5の外方への膨出部31cに遮られて制限される。従って、ベルトラインLbよりも上方を照らすことが確実に防止される。
【0039】
図4は、前記アウタハンドルランプE2の取付構造を概略的に示す図で、図1のY4−Y4線に沿った断面図である。
この図に示すように、スライドドア20のドアアウタパネル21には、アウタハンドル23の把手部23gに対応して内方(車室側)へ窪んだ凹部21cが形成されている。把手部23gを掴んでアウタハンドル23を引き操作することにより、該アウタハンドル23が所定角度だけ外方へ回動し(図4における2点鎖線表示参照)、スライドドア20の開閉操作が行えるようになる。
【0040】
アウタハンドルランプE2は、アウタハンドル23の把手部23gの裏面側の一方の端部(本実施形態では後方端部)に取り付けられ、アウタハンドルの非操作状態(図4における実線表示参照)においても、把手部23gの内面とドアアウタパネル21の凹部21c表面との間の空間部に支障なく収納されている。
アウタハンドルランプE2からの照明光は内方に向かって照射され、ドアアウタパネル21の凹部21c表面で反射し、この反射光によってアウタハンドル23が照明される。つまり、アウタハンドル23自体は、いわゆる間接照明で照らし出されるようになっている。
【0041】
図5及び図6は、前記フットランプE3の取付構造を概略的に示す図で、図5はセカンドシート下部の側面図、図6はセカンドシート下部の斜め前方からの斜視図である。
これらの図に示すように、セカンドシート12のシートクッション12cの下部側方には、当該シート12用のスライド機構41が配設され、このスライド機構42には、当該セカンドシート12の前後方向へのスライド動作をロック・アンロック操作するためのスライドレバー42が備えられている。
【0042】
このスライドレバー42は平面視で略コ字状に形成され、その中央の真直部分42cは、シートクッション12cの前端下部で正面部に位置している。フットランプE3は、このスライドレバー42の真直部分42cの前面側に、好ましくは2箇所について埋め込むようにして設けられている。そして、車室フロア部4のセカンドシート12の前方領域(つまりセカンドシート12の足元領域)S3を照明するようになっている。
【0043】
図7及び図8は、前記ピラー集中照明部の構成を概略的に示す図で、図7は中間ピラー及びその周辺の斜め後方からの斜視図、図8はその要部を拡大して示す斜視図である。
これらの図に示すように、中間ピラー6は、その車室内側を合成樹脂製の内装部材51(ピラートリム)で覆われており、このピラートリム51と中間ピラー6との間には空間部(トリム空間)が形成されている。このトリム空間内に、前記中間ピラーランプE4,シートダウンライト・ランプE5及びインナハンドルランプE8が収容されている。これらランプE4,E5及びE8が、ピラー集中照明部50の発光部を構成しており、何れも前記ベルトラインLbよりも下方に配置されている。このピラー集中照明部50は、主として夜間に乗員が乗降動作を行う際に点灯されるものである。
【0044】
前記ピラートリム51は、ピラー集中照明部50に対応する部分が車室内側へ若干膨出するように形成され、その膨出部分52の上下に所定幅のスリット部53,54が設けられている。中間ピラーランプE4は、これら上下のスリット部53,54の上下方向における略中間に配設され、スリット53,54を通ってピラートリム51の上部領域S4’および下部領域S4を照射する。
【0045】
膨出部分52の上方には、乗員乗降時に把持されるアシストグリップ57が設けられており、上側スリット53を通る照明光は、前記アシストグリップ57を指向するよう照射方向が設定されている。また、好ましくは、この照明光により、フロントシート11用のシートベルトアンカ58及び収納状態のシートベルトタング59も照明される。
尚、上側スリット53を通る照明光は、ベルトラインLbよりも上方を指向することになるが、あくまでもピラートリム51に沿ってその上部領域S4’を照らすものであり、乗員の上半身を照らし出すことはない。
【0046】
前記上側スリット53が、本願請求項に記載した「(アシストグリップを指向するよう照射方向が設定された)第3照射部」に相当しており、中間ピラーランプE4がその発光部に相当している。かかる照射部を設けたことにより、夜間乗降時におけるアシストグリップ57の視認性、更に、好ましくはこれに加えて、フロントシート11用のシートベルトアンカ58や収納状態のシートベルトタング59の視認性、及び中間ピラー6の(つまりピラートリム51の)上部の車室内面の視認性を高めて、乗員の乗降動作を容易で円滑なものとすることができる。
【0047】
一方、下側スリット54を通る照明光はピラートリム51の下部領域S4を照射しており、乗降口Hsに沿って上下方向に延設され乗降口Hsの輪郭の一部を成す中間ピラー6の(つまりピラートリム51の)下部の車室内面を照明して、その視認性を高めることができ、乗員の乗降動作を容易で円滑にすることができる。
前記下側スリット54が、本願請求項に記載した「(ピラー部の下部の車室内面を指向するよう照射方向が設定された)第4照射部」に相当しており、中間ピラーランプE4がその発光部に相当している。
【0048】
また、前記膨出部分52の比較的下部の後側には所定直径の下部開口55が形成されており、前記シートダウンライト・ランプE5は、トリム空間内でこの下部開口55の斜め前上方に配置されている。シートダウンライト・ランプE5からの照明光は、下部開口55を通って斜め後下方に向けて照射され、セカンドシート12のシートクッション12cの座面領域S5を指向するように設定されている。このように座面領域S5を照らし出すことで、乗員は座席位置を容易に視認することができる。
【0049】
前記下部開口55が、本願請求項に記載した「(ベルトラインよりも下方の車室内の領域を指向するよう照射方向が制限され、特に、照射方向がシートクッションの着座面を指向している)第1照射部」に相当しており、シートダウンライト・ランプE5がその発光部に相当している。かかる照射部を設けたことにより、夜間乗降時におけるセカンドシート12のシートクッション12cの着座面の視認性を高めて、乗員の着座動作を容易で円滑なものとすることができる。
【0050】
更に、前記膨出部分52の比較的上部の後側には所定直径の上部開口56が形成されており、前記インナハンドルランプE8は、トリム空間内でこの上部開口56の側方に配置されている。インナハンドルランプE8からの照明光は、上部開口56を通って後方略水平方向に向けて照射される。
ピラートリム51の前記膨出部分52の直後方には、スライドドア20の前部に設けられ該スライドドア20を車室内側から開閉操作するインナハンドル25が位置しており、インナハンドルランプE8からの照明光は、前記インナハンドル25を指向するよう照射方向が設定されている。
【0051】
前記上部開口56が、本願請求項に記載した「(インナハンドルを指向するよう照射方向が設定された)第2照射部」に相当しており、インナハンドルランプE8がその発光部に相当している。かかる照射部を設けたことにより、夜間乗降時、スライドドア20が閉じられている場合において該スライドドア20のインナハンドル25及びその近傍の領域S8を照らし出すことができ、乗員はインナハンドル25の位置を容易に視認することができ、降車動作を行う際の利便性が高められている。
【0052】
前記下側スリット54,下部開口55,上部開口56からの照明光は何れも、ベルトラインLbよりも下方の車室内の領域を指向するよう照射方向が制限されている。従って、これらの照明光で乗降中の乗員の上半身が照らし出されることはなく、乗員のプライバシーを有効に保護することができる。すなわち、夜間乗降性の向上と乗員のプライバシー保護とを、両立して実現することができるのである。
【0053】
また、前記ピラー集中照明部50の発光部を構成する中間ピラーランプE4,シートダウンライト・ランプE5,インナハンドルランプE8は何れも、ベルトラインLbよりも下方に配設されている。しかも、これら発光部E4,E5,E8から前記下側スリット54,下部開口55,上部開口56をそれぞれ通る照明光は何れも、その照射方向が水平方向または下方を指向している。これにより、下側スリット54,下部開口55,上部開口56からの照明光が何れも、乗員の上半身を照らさないことをより容易かつ確実に保証できる。
【0054】
以上のように、ピラー集中照明部50の発光部E4,E5,E8は全て、中間ピラー6とその車室内側を覆うピラートリム51との間の空間部に収容されている。より詳しく説明すれば、ピラートリム51は、前述のように、ピラー集中照明部50に対応する部分が車室内側へ若干膨出するように形成され、その膨出部分52と中間ピラー6との間の空間部に発光部E4,E5,E8が収容されている。従って、新たな部材を用いる必要無しに、中間ピラー6の車室内側に通常配設される部材(ピラートリム51)を利用して、見映え良くコンパクトにピラー集中照明部50を設けることができる。
【0055】
前記ピラートリム51の膨出部分52には、発光部E4,E5,E8からの光を通過させて照射部を構成する光通過部として、前記上側スリット53,下側スリット54,下部開口55,上部開口56が形成されている。膨出部分52の光通過部53,54,55,56以外の部分は、光を遮る光遮蔽部を構成している。この光遮蔽部は、前記発光部E4,E5,E8の乗降口Hsの上部方向とセカンドシート12の上部方向を確実に覆っている。
従って、前記発光部E4,E5,E8の光はピラートリム51の膨出部分52に設けた光通過部53,54,55,56から車室内に照射されるが、乗降口Hsの上部方向とセカンドシート12の上部方向は膨出部分52の光遮蔽部で遮蔽されており照射されることはなく、従って、乗降時に乗員の上半身が前記発光部E4,E5,E8からの照明で照らし出されることはない。
【0056】
図9は、ピラー集中照明部の変形例について、図8と同様に、要部を拡大して示す斜視図である。
この変形例では、トリム空間内には光源E4’が1個だけ配設され、この光源E4’から、上下のスリット53,54並びに上部および下部の開口56,55を通して照明光が照射される。これら上下のスリット53,54並びに上部および下部の開口56,55と光源E4’との位置関係は、それぞれの所要の照射方向に応じて好適に設定される。この場合、1個の光源E4’で効率の良い照明が行える。また、ピラー集中照明部50’の構造を簡素化できる。前記光源E4’としては、例えば、中間ピラーランプ用の光源E4をそのまま用いてもよい。
【0057】
尚、上下のスリット53,54並びに上部および下部の開口56,55を、ガラス等の透明体もしくは半透明体で覆うようにしてもよい。この場合、トリム空間内への塵埃等の侵入を防止でき、また、内部の光源E4,E5,E8,E4’を有効に保護できる。
また、上述のピラー集中照明部50,50’を中間ピラー6だけでなく、乗降口Hsの
後縁に略沿って上下方向に延設された後部ピラー9(所謂Cピラー:図2,図10参照)にも、ピラー集中照明部50”を設けるようにしても良い。この場合には、インナハンドルランプE8及びピラートリム51の上部開口56は不要である。
【0058】
以上の説明から明らかなように、乗員の上半身を照らさないように車両のベルトラインLbよりも下方の領域を指向するよう照射方向が制限された下部照明ランプであるカーテシランプE1,アウタハンドルランプE2,フットランプE3,中間ピラーランプE4,シートダウンライト・ランプE5,インナハンドルランプE8は何れも、ベルトラインLbよりも下方に配設されている。これにより、下部照明ランプE1〜E5,E8が乗員の上半身を照らさないことをより容易かつ確実に保証できる。換言すれば、下部照明ランプE1〜E5,E8の配設領域をベルトラインLbよりも下方とすることで、かかる領域内で下部照明ランプE1〜E5,E8のレイアウトの自由度が高められている。
【0059】
図10は、コンソールダウンライト・ランプE6及びルームランプE7の取付構造を概略的に示す前記自動車の拡大側面図である。
セカンドシート12に着座した乗員の手元を照らし出すコンソールダウンライト・ランプE6は、車室天井部7に配設され、車幅方向については略中央部で、前後方向については中間ピラー6の配設位置に略対応する位置に取り付けられており、セカンドシート12の前方における車幅方向の略中央領域S6(図1,図2参照)に向けて照射される。このコンソールダウンライト・ランプE6は、前述のように、指向性の比較的高い所謂スポットライト用のランプで、セカンドシート12に着座した乗員の手元を視認し易くするために、その照射方向が調整可能に設けられている。
また、ルームランプE7は、前記コンソールダウンライト・ランプE6よりも若干後方の車室天井部7の略中央部分に取り付けられ、車室内を広範囲に照らし出す。
【0060】
図11は、前記自動車1の照明システムの構成の概略を説明するためのブロック構成図である。この図に示すように、自動車1には、本照明システムを制御し得る制御装置として、例えば、マイクロコンピュータを主要部として構成された制御ユニットCUが備えられている。前述の各ランプE1〜E8は、この制御ユニットCUに信号授受可能に接続されている。制御ユニットCUには、ランプE1〜E8の他、以下のデバイスやセンサ類が、それぞれ信号授受可能に接続されている。
【0061】
ドアロックアクチュエータ27は、スライドドア20のドアロックを自動でロック(施錠)/アンロック(解錠)動作させるアクチュエータで、通常、スライドドア20の開閉動作が行われる前および行われた後に、後述するドアスイッチ63のスイッチ操作によって駆動される。ドア開閉アクチュエータ28は、スライドドア20を自動で開閉動作させるアクチュエータで、ドア開閉スイッチ(不図示)のスイッチ操作によって駆動される。
【0062】
セカンドシート着座センサ61は、セカンドシート12に着座した乗員の有無を検出するセンサである。ドアポジションセンサ62は、スライドドア12の位置や開度によりその開閉状態を検出するセンサである。ドアスイッチ63は、前述のドアロックアクチュエータ27をON/OFFし、スライドドア20のドアロックを自動でロック/アンロック動作させるスイッチである。アウタハンドル操作センサ64,インナハンドル操作センサ65はそれぞれ、スライドドア20のアウタハンドル23,インナハンドル25の手動操作があった場合に、これを検出するセンサである。
【0063】
また、ドア開閉スイッチ(SW)操作センサ66は、アウタハンドル23,インナハンドル25の手動操作を行うことなく、前記ドア開閉アクチュエータ28を作動させてスライドドア20を自動で開閉動作させるドア開閉スイッチ(不図示)の操作があった場合に、これを検出するセンサである。このドア開閉スイッチは、例えば運転席の近傍あるいは運転席等に着脱可能に備えられたリモートコントローラ(所謂リモコン)などに設けられている。
【0064】
パーキングブレーキセンサ67は、パーキングブレーキ(不図示)が操作された場合にこれを検出するセンサであり、ギアレンジセンサ68は変速機のギアレンジを検出するセンサである。また、速度センサ69は、当該自動車1の車速を検出するセンサである。これらパーキングブレーキセンサ67,ギアレンジセンサ68及び速度センサ69の検出結果により、車両が停車されているか否かを検出することができる。
【0065】
キーレスアンテナ70は、所謂キーレスエントリシステムのキーレス端末71からの制御信号を受信するアンテナで、キーレス端末71の操作により、ドアロックアクチュエータ27及びドア開閉アクチュエータ28を駆動し、スライドドア20を自動で開閉動作させる場合には、キーレスアンテナ70の受信信号により、かかるドア操作を検出することができる。
また、ドアロックセンサ72は、スライドドア20のドアロックのロック(施錠)/アンロック(解錠)状態を検出するセンサである。
【0066】
制御ユニットCUには、照明システムの制御に関連する種々の検出部(検出回路)が備えられている。
乗員検出部81は、スライドドア20が開かれて形成される乗降口Hsに近接して設けられている前記セカンドシート12に着座した乗員が居る場合に、これを検出するもので、前記セカンドシート着座センサ61からの入力信号に基づいて検出が行われる。
ドア開閉状態検出部82は、スライドドア20の開閉状態を検出するもので、前記ドアポジションセンサ62からの入力信号に基づいて検出が行われる。
ドア操作検出部83は、スライドドア20の開閉操作があった場合に、これを検出するもので、アウタハンドル操作センサ64,インナハンドル操作センサ65,ドア開閉SW操作センサ66,キーレスアンテナ70及びドアロックセンサ72からの入力信号に基づいて検出が行われる。
停車検出部84は、車両が停車されている場合にはこれを検出するもので、パーキングブレーキセンサ67,ギアレンジセンサ68及び速度センサ69からの入力信号に基づいて検出が行われる。
【0067】
また、制御ユニットCUには、以上の検出部81〜84に加えて,ドア開閉SW操作センサ66,キーレスアンテナ70からの入力信号に基づいて、前記ドアロックアクチュエータ27及びドア開閉アクチュエータ28を駆動し、スライドドア20を自動で開閉動作させるドア駆動機構制御部85が備えられている。このドア駆動機構制御部85及び前記検出部81〜84は何れも、照明制御部80に信号授受可能に接続されている。
この照明制御部80は、ドア駆動機構制御部85及び前記検出部81〜84からの入力信号に基づいて、前述のランプE1〜E8の点灯を制御するものである。
【0068】
尚、このように構成された照明システムにおいて、制御ユニットCUにより前記ランプE1〜E8の照明パターンを好適に制御することによって、前述のように、夜間乗降性を向上させ、且つ、乗降する乗員の上半身が照らし出されることを防止した上で、例えば、乗員乗車時には「お出迎え感」を醸し出し、乗員降車時には「お見送り感」を醸し出すなど、照明による種々の演出効果を得るようにすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、スライドドアを備えた車両の照明装置に関し、夜間における乗降性を向上させるだけでなく、乗員のプライバシーの保護も両立して達成でき、ワゴンタイプの自動車やワンボックスカーなどに装備される照明装置として、有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施形態に係る照明装置を装備した自動車の側面を概略的に示す側面図である。
【図2】前記自動車の車室内を概略的に示す平面図である。
【図3】カーテシランプの取付構造を概略的に示す図で、図1のY3−Y3線に沿った断面図である。
【図4】アウタハンドルランプの取付構造を概略的に示す図で、図1のY4−Y4線に沿った断面図である。
【図5】フットランプの取付構造を概略的に示すためのセカンドシート下部の側面図である。
【図6】前記フットランプの取付構造を概略的に示すためのセカンドシート下部の斜め前方からの斜視図である。
【図7】ピラー集中照明部の構成を概略的に示すための中間ピラー及びその周辺の斜め後方からの斜視図である。
【図8】図7の要部を拡大して示す斜視図である。
【図9】ピラー集中照明部の変形例について、図8と同様に要部を拡大して示す斜視図である。
【図10】コンソールダウンライト・ランプ及びルームランプの取付構造を概略的に示す前記自動車の拡大側面図である。
【図11】前記自動車に備えられた照明システムの構成の概略を説明するためのブロック構成図である。
【符号の説明】
【0071】
1 自動車
6 中間ピラー
12 セカンドシート
12c (セカンドシートの)シートクッション
20 スライドドア
25 インナハンドル
50,50’ ピラー集中照明部
51 ピラートリム
52 膨出部分
53 上側スリット
54 下側スリット
55 下部開口
56 上部開口
57 アシストグリップ
E4 中間ピラーランプ
E5 シートダウンライト・ランプ
E8 インナハンドルランプ
Hs 乗降口
Lb ベルトライン
S4,S4’ 中間ピラーランプによる照明領域
S5 シートダウンライト・ランプによる照明領域
S8 インナハンドルランプによる照明領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室側部の乗降口を開閉可能に覆い後方へ移動することで開かれるスライドドアと、前記乗降口に近接して配設されたシートと、前記乗降口の前縁部において上下方向に延設されたピラー部とを備えた車両に装備される照明装置であって、
前記ピラー部の車室内側に、乗員の乗降時に点灯されるピラー照明部を備え、
該ピラー照明部は、車両のベルトラインよりも下方の車室内の領域を指向するよう照射方向が制限された第1照射部を備えている、
ことを特徴とする車両の照明装置。
【請求項2】
前記ピラー照明部の発光部は前記ベルトラインよりも下方に配置され、
前記発光部の照射方向は水平方向または下方を指向している、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の照明装置。
【請求項3】
前記第1照射部の照射方向は、前記シートのシートクッションの着座面を指向していることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の照明装置。
【請求項4】
前記スライドドア前部の車室内側に、該スライドドアを車室内側から開閉操作するインナハンドルが設けられ、
前記ピラー照明部は、前記インナハンドルを指向するよう照射方向が設定された第2照射部を更に備えている、
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の車両の照明装置。
【請求項5】
前記ピラー部の車室内側に、乗員乗降時に把持されるアシストグリップが設けられ、
前記ピラー照明部は、前記アシストグリップを指向するよう照射方向が設定された第3照射部を更に備えている、
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の車両の照明装置。
【請求項6】
前記ピラー照明部は、前記ピラー部の下部の車室内面を指向するよう照射方向が設定された第4照射部を更に備えている、ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の車両の照明装置。
【請求項7】
前記ピラー照明部の発光部は、前記ピラー部とその車室内側を覆うトリム部材との間の空間部に収容されており、
前記トリム部材は、前記照射部を構成する光通過部と、前記発光部の前記乗降口上部方向と前記シート上部方向を覆う光遮蔽部とを備え、
前記発光部の光は前記光通過部から車室内に照射される、
ことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の車両の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−126214(P2009−126214A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300234(P2007−300234)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】