説明

車両制御装置およびアイドルストップシステム

【課題】エンジン停止前にエンジンにスタータギアを連結させる構成において、ピニオン
ギアをエンジンに連結する際の衝突トルクを抑え、効率的なアイドルストップシステムの
提供を行う。
【解決手段】エンジンへの燃料の遮断中に、エンジンを始動させるためのスタータモータ
がエンジンと連結していない状態で、スタータモータへの通電を制御してスタータモータ
を回転させた後、スタータモータを慣性回転させ、エンジン回転およびスタータピニオン
回転共に慣性回転中であるときにエンジンとスタータピニオンとの連結を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機器を制御する制御装置およびエンジンのアイドルストップシステムに係る。
【背景技術】
【0002】
エネルギ資源の節約と環境保全のために、自動車の運転中にエンジンの一時停止が許容される所定の条件が成立したとき、エンジンを一時停止(以下アイドルストップ)させることが考えられ、また一部の自動車において実施されている。また、エンジン停止後の再始動時間の短縮、及びアイドルストップ中のエンジン慣性回転中に再始動要求があった場合の再始動時間の短縮を目的として、エンジン慣性回転中にスタータモータを調速通電を行って、エンジン停止前にエンジンにスタータギアを連結させること(以下プリメッシュ)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4211208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような、エンジン停止前にスタータモータの調速運転を行い、ピニオンギアをエンジンに連結させる構成では、エンジン回転角加速度方向とスタータピニオンの角加速度方向が異なるため、ピニオンギアがエンジンに衝突する際の衝突トルクが大きくなる。本発明の課題は、ピニオンギアをエンジンに連結する際の衝突トルクを抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決すべく、本発明は
エンジンと前記エンジンを始動させるためのスタータモータとの連結を制御する車両制御装置において、
前記エンジンへの燃料の供給を遮断して前記エンジンを慣性回転させると共に、
前記エンジンの燃料遮断中に前記スタータモータが前記エンジンと連結していない状態で前記スタータモータを回転させた後、
前記スタータモータへの通電を制御して前記スタータモータを慣性回転させ、
前記エンジンと前記スタータモータとが共に慣性回転中であるときに前記スタータモータを前記エンジンに連結することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、エンジン停止前にプリメッシュさせる構成において、ギアの衝突トルクを抑制し、エンジンとスタータモータとの連結を滑らかにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】アイドルストップシステム機能構成図である。
【図2】第一の実施例を示すフローチャートである。
【図3】第二の実施例を示すフローチャートである。
【図4】第三の実施例を示すフローチャートである。
【図5】第三の実施例を示すフローチャートである。
【図6】第四の実施例を示すフローチャートである。
【図7】第四の実施例を示すフローチャートである。
【図8】第五の実施例を示すフローチャートである。
【図9】第六の実施例を示すフローチャートである。
【図10】第七の実施例を示すフローチャートである。
【図11】アイドルストップタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
従来の自動車の運転中にアイドルストップが許容される条件が成立した時に、燃料カットを行い、アイドルストップするシステムにおいて、エンジン停止前にスタータモータを調速運転を行い、ピニオンギアをエンジンに連結させる構成では、エンジン回転角加速度方向とスタータピニオンの角加速度方向が異なるため、ピニオンギアがエンジンに衝突する際の衝突トルクが大きくなり、連結時のリングギアおよびピニオンの磨耗,耐久性に問題が発生する可能性がある。また、衝突トルクが大きくなるため、連結を滑らかに行うことができず、またリングギアとピニオンとの衝突音及び連結した瞬間に発生する噛み込み音が発生する可能性がある。このように燃料消費節約型自動車においてスタータシステムの耐久性,耐摩耗性,静粛性、及び滑らかなギア連結による速やかな再始動はこの種の自動車において解決すべき最も重要な課題のひとつである。以下、上記課題を解決するための本発明の実施例について説明する。
【0009】
図1は、本発明におけるアイドルストップシステムの機能構成図である。
【0010】
スタータ本体1は、スタータモータ1a,マグネットスイッチ1b,シフトレバー1c,ピニオン1dにより構成されている。スタータモータ1a,マグネットスイッチ1bは独立の電源リレー(スタータモータリレー4,ピニオンリレー5)でECU(Engine Control Unit)3からの出力により制御される。スタータモータ1aとピニオン1dは連結されており、スタータモータ1aが回転するとピニオン1dも回転する構成となっており、マグネットスイッチ1bに通電されるとシフトレバー1cが押し出されピニオンギア(以下、ピニオン)1dがリングギア6に連結される構造となっている。すなわち、スタータモータの駆動の制御と、スタータモータとエンジンとの連結の制御はそれぞれ独立に行うことが可能である。また、ピニオン1dの回転はピニオン回転センサ2により検出される。
【0011】
図示はしていないが、ECU3は通常の燃料噴射,点火,空気制御(電子制御スロットル)に加え、ブレーキSW,車速センサ等の各種センサ情報より、アイドルストップ許可判定ブロック3aにてアイドルストップ許可判定を実行し、アイドルストップ許可判定結果に応じて、燃料噴射制御ブロック3cにて燃料カットが行われ、スタータ制御ブロック3bにてスタータモータリレー4,ピニオンリレー5の制御が実行される。
【0012】
図2は本発明の第一の実施例を示すフローチャートである。本フローは定時間隔で実行(例えば10ms)される。
【0013】
ステップ200にてクランク角センサ情報を基に演算されたエンジン回転数を読み込み、ステップ201にてスタータピニオン回転センサを基に演算されたスタータピニオン回転数Npを読み込む。尚、ここではスタータピニオン回転数を直接計測しているが、モータ端子電圧により簡易的にピニオン回転を推定しても構わない。ステップ202にて図1に記載の各種センサ情報等よりアイドルストップの実行可否を判断する。アイドルストップ許可判定が成立した場合はステップ203に進み、不成立の場合は終了となる。ステップ202にてアイドルストップ許可が判定成立すると、ステップ203にて燃料カット処理が実行される。燃料カット後、ステップ204のアイドルストップタイマTMISSをスタートし、ステップ205に進む。TMISS-1は前回値を意味し、定時間隔実行毎にインクリメントされる。ステップ205にてエンジンが停止しているか否か判定され、エンジン停止していなければ燃料カットによる慣性回転中と判定され、不成立時はエンジン停止状態と判定され終了する。次にステップ206にてアイドルストップタイマが所定値以上(例えば100ms)経過した場合は、ステップ207に進みスタータモータの通電を開始する。ここでアイドルストップタイマを所定値(例えば100ms)としているのはエンジンフリクション等によりエンジン慣性回転のスピードが異なるため、エンジンコンディションに応じた適合値とするためである。また、アイドルストップ許可条件が成立した直後にブレーキペダルが離されたときなどを想定し、スタータモータの回転が必要ないときのスタータモータへの通電を抑制するためでもある。スタータモータへの通電後、ステップ208でスタータモータ通電時間TMSTMRをスタートし、ステップ209へ進む。TMSTSR-1は前回値を意味し、定時間隔実行毎にインクリメントされる。ステップ209にてTMSTMRが所定時間(例えば150ms)以上であればスタータピニオン回転数は十分上昇したと判定して、ステップ210へ進みスタータモータの通電をOFFする。TMSTMRが所定時間継続していなければ通電を継続する。
【0014】
ステップ210にてスタータモータの通電をOFFし、スタータモータ通電OFFにより、スタータモータは慣性回転するフェーズに移行し、ステップ211のスタータモータ通電OFF後タイマTMSTMROFをスタートさせ、ステップ212に進む。ステップ212ではTMSTMROFが所定時間(例えば150ms)以上経過したら、スタータピニオンをONさせ、ピニオンギアをリングギアへ連結させる。なお、本発明における慣性回転とは、回転数が低下するように回転角速度が働いている状態を表すが、燃料やモータ通電が遮断されている状態だけでなく、回転数低下の度合いを調整するために回転数を上昇させない範囲でモータ通電ON,OFFのデューティー比を可変してPWM制御するなど、回転角速度の制御をしている状態も含まれる。本実施例によりエンジン回転およびスタータピニオン回転共に慣性回転中に連結されるため、リングギアとピニオンの衝突トルクが緩和され、エンジンとスタータモータの連結をスムーズに行うことが可能となり、また連結時の衝突音,噛み込み音が低減されると共にリングギア,ピニオンの磨耗が緩和できる。
【0015】
図3は第二の実施例を示すフローチャートである。本フローは定時間隔で実行(例えば10ms)される。
【0016】
ステップ300にてクランク角センサ情報を基に演算されたエンジン回転数を読み込み、ステップ301にてスタータピニオン回転センサを基に演算されたスタータピニオン回転数Npを読み込む。ステップ302にて図1に記載の各種センサ情報等よりアイドルストップの実行可否を判断する。アイドルストップ許可判定が成立した場合はステップ303に進み、不成立の場合は終了となる。ステップ302にてアイドルストップ許可が判定成立すると、ステップ303にて燃料カット処理が実行される。燃料カット後、ステップ304のアイドルストップタイマTMISSをスタートし、ステップ305に進む。TMISS-1は前回値を意味し、定時間隔実行毎にインクリメントされる。ステップ305にてエンジンが停止しているか否か判定され、エンジン停止していなければ燃料カットによる慣性回転中と判定され、不成立時はエンジン停止状態と判定され終了する。次にステップ306にてアイドルストップタイマが所定値以上(例えば100ms)経過した場合は、ステップ307に進みスタータモータの通電を開始する。スタータモータへの通電後、ステップ308でスタータモータ通電時間TMSTMRをスタートし、ステップ309へ進む。TMSTSR-1は前回値を意味し、定時間隔実行毎にインクリメントされる。ステップ309にてTMSTMRが所定時間(例えば150ms)以上であればスタータピニオン回転数は十分上昇したと判定して、ステップ310へ進みスタータモータの通電をOFFする。TMSTMRが所定時間継続していなければ通電を継続する。
【0017】
ステップ310にてスタータモータの通電をOFFし、スタータモータ通電OFFにより、スタータモータは慣性回転するフェーズに移行する。ステップ311にてエンジン回転数Neとピニオン回転数Npが一致もしくはエンジン回転数NeとピニオンNpの差の絶対値が所定値以下となった場合にステップ312に進みスタータピニオンをONさせる。また、ステップ311での判定はエンジン回転数とピニオン回転数の差を取っているが、比をとっても構わない。
【0018】
本実施例によりエンジン回転およびスタータピニオン回転共に慣性回転中に連結され且つ、エンジン回転数とピニオン回転数がほぼ同じ回転数の時に連結されるため、リングギアとピニオンの衝突トルクが緩和され、エンジンとスタータモータの連結をスムーズに行うことが可能となり、また連結時の衝突音,噛み込み音が低減されると共にリングギア,ピニオンの磨耗が防止できる。
【0019】
図4,図5は第三の実施例を示すフローチャートである。本フローは定時間隔で実行(例えば10ms)される。
【0020】
ステップ400にてクランク角センサ情報を基に演算されたエンジン回転数を読み込み、ステップ401にてスタータピニオン回転センサを基に演算されたスタータピニオン回転数Npを読み込む。ステップ402にてエンジン回転角加速度△Neを計算する。ここでは簡易的に10degCA前のエンジン回転数と現在のエンジン回転数の差を簡易的に角加速度を演算している。ステップ403ではピニオン回転角加速度△Npを計算する。ステップ404にてエンジン角加速度方向を判定する。△Neがゼロより小さければステップ405に進み、マイナス加速度と判定しエンジン加速度方向判定フラグFDNEを1とする。また、△Neがゼロより大きければ、ステップ406に進み、プラス加速度と判定しエンジン加速度方向判定フラグFDNEを0とする。
【0021】
ステップ407にてスタータピニオン角加速度方向を判定する。△Npがゼロより小さければステップ408に進み、マイナス加速度と判定しピニオン加速度方向判定フラグFDNPを1とする。また、△Npがゼロより大きければ、ステップ409に進み、プラス加速度と判定しピニオン加速度方向判定フラグFDNPを0とする。
【0022】
ステップ410にて図1に記載の各種センサ情報等よりアイドルストップの実行可否を判断する。アイドルストップ許可判定が成立した場合はステップ411に進み、不成立の場合は終了となる。ステップ410にてアイドルストップ許可が判定成立すると、ステップ411にて燃料カット処理が実行される。燃料カット後、ステップ412のアイドルストップタイマTMISSをスタートし、ステップ413に進む。TMISS-1は前回値を意味し、定時間隔実行毎にインクリメントされる。ステップ413にてエンジンが停止しているか否か判定され、エンジン停止していなければ燃料カットによる慣性回転中と判定され、不成立時はエンジン停止状態と判定され終了する。次にステップ414にてアイドルストップタイマが所定値以上(例えば100ms)経過した場合は、ステップ415に進みスタータモータの通電を開始する。スタータモータへの通電後、ステップ416でスタータモータ通電時間TMSTMRをスタートし、ステップ417へ進む。TMSTSR-1は前回値を意味し、定時間隔実行毎にインクリメントされる。ステップ417にてTMSTMRが所定時間(例えば150ms)以上であればスタータピニオン回転数は十分上昇したと判定して、ステップ418へ進みスタータモータの通電をOFFする。TMSTMRが所定時間継続していなければ通電を継続する。
【0023】
ステップ418にてスタータモータの通電をOFFし、スタータモータ通電OFFにより、スタータモータは慣性回転するフェーズに移行する。ステップ419にてエンジン角加速方向フラグとピニオン角加速度方向フラグのANDをとり、1の場合はステップ420に進み、ピニオンをONさせる。ステップ419でエンジンとピニオンが同一角加速度方向かを確認するのは、エンジンは吸入・圧縮・膨張・排気を繰り返すため、エンジン燃料カット後の慣性回転中であっても筒内の充填空気量によっては、角加速度方向がクランクタイミングによって変化するため、エンジン角加速度方向とピニオン角加速度方向が一致していることを判定している。
【0024】
次に図5について説明する。本フローは定時間隔で実行(例えば10ms)される。
【0025】
ステップ500にてクランク角センサ情報を基に演算されたエンジン回転数を読み込み、ステップ501にてスタータピニオン回転センサを基に演算されたスタータピニオン回転数Npを読み込む。ステップ502にてエンジン回転角加速度△Neを計算する。ここでは簡易的に10degCA前のエンジン回転数と現在のエンジン回転数の差を簡易的に角加速度を演算している。ステップ503ではピニオン回転角加速度△Npを計算する。ステップ504にてエンジン角加速度方向を判定する。△Neがゼロより小さければステップ505に進み、マイナス加速度と判定しエンジン加速度方向判定フラグFDNEを1とする。また、△Neがゼロより大きければ、ステップ506に進み、プラス加速度と判定しエンジン加速度方向判定フラグFDNEを0とする。
【0026】
ステップ507にてスタータピニオン角加速度方向を判定する。△Npがゼロより小さければステップ508に進み、マイナス加速度と判定しピニオン加速度方向判定フラグFDNPを1とする。また、△Npがゼロより大きければ、ステップ509に進み、プラス加速度と判定しピニオン加速度方向判定フラグFDNPを0とする。
【0027】
ステップ510にて図1に記載の各種センサ情報等よりアイドルストップの実行可否を判断する。アイドルストップ許可判定が成立した場合はステップ511に進み、不成立の場合は終了となる。ステップ510にてアイドルストップ許可が判定成立すると、ステップ511にて燃料カット処理が実行される。燃料カット後、ステップ512のアイドルストップタイマTMISSをスタートし、ステップ513に進む。TMISS-1は前回値を意味し、定時間隔実行毎にインクリメントされる。ステップ513にてエンジンが停止しているか否か判定され、エンジン停止していなければ燃料カットによる慣性回転中と判定され、不成立時はエンジン停止状態と判定され終了する。次にステップ514にてアイドルストップタイマが所定値以上(例えば100ms)経過した場合は、ステップ515に進みスタータモータの通電を開始する。スタータモータへの通電後、ステップ516でスタータモータ通電時間TMSTMRをスタートし、ステップ517へ進む。TMSTSR-1は前回値を意味し、定時間隔実行毎にインクリメントされる。ステップ517にてTMSTMRが所定時間(例えば150ms)以上であればスタータピニオン回転数は十分上昇したと判定して、ステップ518へ進みスタータモータの通電をOFFする。TMSTMRが所定時間継続していなければ通電を継続する。
【0028】
ステップ518にてスタータモータの通電をOFFし、スタータモータ通電OFFにより、スタータモータは慣性回転するフェーズに移行する。ステップ519にてエンジン角加速とピニオン角加速度の差が所定値以下の場合はステップ520に進み、ピニオンをONさせる。そうでなければ終了する。
【0029】
本実施例によりエンジン回転およびスタータピニオン回転共に慣性回転中に連結され且つ、エンジン角加速度とピニオン角加速度の方向が同じ時またはエンジン角加速度とピニオン角加速度の差が所定値以下の時に連結されるため、リングギアとピニオンの衝突トルクが緩和され、エンジンとスタータモータの連結をスムーズに行うことが可能となり、また連結時の衝突音,噛み込み音が低減されると共にリングギア,ピニオンの磨耗が防止できる。
【0030】
図6,図7は本発明の第四の実施例を示すフローチャートである。本フローは定時間隔で実行(例えば10ms)される。まず、図6について説明を行う。
【0031】
ステップ600にてクランク角センサ情報を基に演算されたエンジン回転数を読み込み、ステップ601にてスタータピニオン回転センサを基に演算されたスタータピニオン回転数Npを読み込む。ステップ602にて図1に記載の各種センサ情報等よりアイドルストップの実行可否を判断する。アイドルストップ許可判定が成立した場合はステップ203に進み、不成立の場合は終了となる。ステップ602にてアイドルストップ許可が判定成立後、ステップ603に進み、アイドルストップ開始された時のエンジン回転数をISSTNEにストアする。次にステップ604にて燃料カット処理が実行される。燃料カット後、ステップ605のアイドルストップタイマTMISSをスタートし、ステップ606に進む。TMISS-1は前回値を意味し、定時間隔実行毎にインクリメントされる。ステップ606にてエンジンが停止しているか否か判定され、エンジン停止していなければ燃料カットによる慣性回転中と判定され、不成立時はエンジン停止状態と判定され終了する。次にステップ607にてアイドルストップタイマがTMSTRON以上経過した場合は、ステップ608に進みスタータモータの通電を開始する。尚、アイドルストップタイマTMISSと比較するTMSTRONは図7にて説明する。
【0032】
ステップ608にてスタータモータへの通電後、ステップ609でスタータモータ通電時間TMSTMRをスタートし、ステップ610へ進む。TMSTSR-1は前回値を意味し、定時間隔実行毎にインクリメントされる。ステップ610にてTMSTMRが所定時間(例えば150ms)以上であればスタータピニオン回転数は十分上昇したと判定して、ステップ611へ進みスタータモータの通電をOFFする。TMSTMRが所定時間継続していなければ通電を継続する。
【0033】
ステップ611にてスタータモータの通電をOFFし、スタータモータ通電OFFにより、スタータモータは慣性回転するフェーズに移行し、ステップ612のスタータモータ通電OFF後タイマTMSTMROFをスタートさせ、ステップ613に進む。ステップ613ではTMSTMROFが所定時間(例えば150ms)以上経過したら、スタータピニオンをONさせ、ピニオンギアをリングギアへ連結させる。
【0034】
図7はスタータモータの通電を開始するための時間を決定するためのフローチャートである。ステップ700にてエンジン回転数を読み込み、ステップ701にてエンジン回転角加速度△Neを計算する。次にステップ702にアイドルストップ開始回転ISSTNEを読み込み、ステップ702にて△NeとISSTNEに応じてステータモータ通電を開始する時間をテーブル参照する。なお、これまでスタータモータの通電タイミング制御の詳細について説明したが、ON,OFF切替えのデューティー比を制御するPWM制御によってエンジン回転数をフィードバックしながら所望のモータ回転数に制御してもよい。
【0035】
本実施例によりエンジン回転およびスタータピニオン回転共に慣性回転中に連結されることにより、リングギアとピニオンの衝突トルクが緩和されるため、エンジンとスタータモータの連結をスムーズに行うことが可能となり、また連結時の衝突音,噛み込み音が低減されると共にリングギア,ピニオンの磨耗が緩和できると共に、アイドルストップ開始回転とその時のエンジン角加速度に応じてスタータの通電タイミングを制御できるため、機差やアイドル設定回転違い、シフトレバー位置などによる、想定外のタイミングのスタータピニオンとリングギアの噛み込みを防止できる。
【0036】
図8は本発明第五の実施例を示すフローチャートである。本フローは定時間隔で実行(例えば10ms)される。
【0037】
ステップ800にてクランク角センサ情報を基に演算されたエンジン回転数を読み込み、ステップ801にてスタータピニオン回転センサを基に演算されたスタータピニオン回転数Npを読み込む。ステップ802にて図1に記載の各種センサ情報等よりアイドルストップの実行可否を判断する。アイドルストップ許可判定が成立した場合はステップ803に進み、不成立の場合は終了となる。ステップ802にてアイドルストップ許可が判定成立すると、ステップ803にて燃料カット処理が実行される。燃料カット後、ステップ804のアイドルストップタイマTMISSをスタートし、ステップ805に進む。TMISS-1は前回値を意味し、定時間隔実行毎にインクリメントされる。ステップ805にてエンジンが停止しているか否か判定され、エンジン停止していなければ燃料カットによる慣性回転中と判定され、不成立時はエンジン停止状態と判定され終了する。次にステップ806にてアイドルストップタイマが所定値以上(例えば100ms)経過した場合は、ステップ807に進みスタータモータの通電を開始する。スタータモータへの通電後、ステップ808でスタータモータ通電時間TMSTMRをスタートし、ステップ809へ進む。TMSTSR-1は前回値を意味し、定時間隔実行毎にインクリメントされる。ステップ809にてTMSTMRが所定時間(例えば150ms)以上であればスタータピニオン回転数は十分上昇したと判定して、ステップ810へ進みスタータモータの通電をOFFする。TMSTMRが所定時間継続していなければ通電を継続する。
【0038】
ステップ810にてスタータモータの通電をOFFし、スタータモータ通電OFFにより、スタータモータは慣性回転するフェーズに移行し、ステップ810のスタータモータ通電OFF後ステップ811に進みエンジン回転数が所定回転以下(例えば200r/min)となったらスタータピニオンをONさせ、ピニオンギアをリングギアへ連結させる。この所定回転は出来る限り低いことが望ましいが、最低限通常スタータクランキング回転よりも低い値に設定する。
【0039】
本実施例によりエンジン回転およびスタータピニオン回転共に慣性回転中に連結されるため、リングギアとピニオンの衝突トルクが緩和され、エンジンとスタータモータの連結をスムーズに行うことが可能となり、また連結時の衝突音,噛み込み音が低減されると共にリングギア,ピニオンの磨耗が緩和できる。また、ピニオンギアとリングギアへの連結する回転数が低いため、エンジン停止までの時間が短くなり、連結後のピニオンギアとリングギア間のバックラッシュ等によるガタ音の発生する頻度を低減することができる。
【0040】
図9は本発明の第六の実施例を示すフローチャートである。本フローは定時間隔で実行(例えば10ms)される。
【0041】
ステップ900にてクランク角センサ情報を基に演算されたエンジン回転数を読み込み、ステップ901にてエンジンのクランクタイミング読み込み、クランクタイミングよりエンジンがどの行程にあるか判定する。ステップ902にて図1に記載の各種センサ情報等よりアイドルストップの実行可否を判断する。アイドルストップ許可判定が成立した場合はステップ903に進み、不成立の場合は終了となる。ステップ902にてアイドルストップ許可が判定成立すると、ステップ903にて燃料カット処理が実行される。燃料カット後、ステップ904のアイドルストップタイマTMISSをスタートし、ステップ905に進む。TMISS-1は前回値を意味し、定時間隔実行毎にインクリメントされる。ステップ905にてエンジンが停止しているか否か判定され、エンジン停止していなければ燃料カットによる慣性回転中と判定され、不成立時はエンジン停止状態と判定され終了する。次にステップ906にてアイドルストップタイマが所定値以上(例えば100ms)経過した場合は、ステップ907に進みスタータモータの通電を開始する。スタータモータへの通電後、ステップ908でスタータモータ通電時間TMSTMRをスタートし、ステップ909へ進む。TMSTSR-1は前回値を意味し、定時間隔実行毎にインクリメントされる。ステップ909にてTMSTMRが所定時間(例えば150ms)以上であればスタータピニオン回転数は十分上昇したと判定して、ステップ910へ進みスタータモータの通電をOFFする。TMSTMRが所定時間継続していなければ通電を継続する。
【0042】
ステップ910にてスタータモータの通電をOFFし、スタータモータ通電OFFにより、スタータモータは慣性回転するフェーズに移行し、ステップ910のスタータモータ通電OFF後ステップ911に進み、その時のクランクタイミングが膨張行程であればスタータピニオンをONさせ、ピニオンギアをリングギアへ連結させる。
【0043】
また、ステップ911ではクランクタイミングによって膨張行程を判定する方法にてフローチャート上では説明しているが、フローチャートでの説明は割愛するがエンジン回転角加速度を検出し、角加速度方向の変化(正⇔負)によって膨張タイミングを判定しても良い。なお、ここでいう角加速度方向の変化とは、上記説明の通りクランクタイミングによる変化、つまり圧縮行程で高まった燃焼室内の圧力によって生じる角加速度の変化を表す。このタイミングでは、エンジン回転数の下降速度は一時的に小さくなり、角速度は絶対値が小さくなるよう変化する。
【0044】
本実施例によりエンジン回転およびスタータピニオン回転共に慣性回転中に連結され、リングギアとピニオンの衝突トルクが緩和されるため、エンジンとスタータモータの連結をスムーズに行うことが可能となり、また連結時の衝突音,噛み込み音が低減されると共にリングギア,ピニオンの磨耗が緩和できる。また、エンジン膨張行程のタイミングでスタータピニオンを連結させるため、エンジン角加速度が小さくなり、エンジン回転数の下降速度が減少しており、スタータモータ角加速度をエンジン角加速度に近づけて、連結時の衝突トルクがより低減することができる。
【0045】
図10は本発明の第七の実施例を示すフローチャートである。本フローは定時間隔で実行(例えば10ms)される。
【0046】
ステップ1000にてクランク角センサ情報を基に演算されたエンジン回転数を読み込み、ステップ1001にてスタータピニオン回転センサを基に演算されたスタータピニオン回転数Npを読み込む。ステップ1002にて図1に記載の各種センサ情報等よりアイドルストップの実行可否を判断する。アイドルストップ許可判定が成立した場合はステップ1003に進み、不成立の場合は終了となる。ステップ1002にてアイドルストップ許可が判定成立すると、ステップ1003にて燃料カット処理が実行される。燃料カット後、ステップ1004のアイドルストップタイマTMISSをスタートし、ステップ1005に進む。TMISS-1は前回値を意味し、定時間隔実行毎にインクリメントされる。ステップ1005にてエンジンが停止しているか否か判定され、エンジン停止していなければ燃料カットによる慣性回転中と判定され、不成立時はエンジン停止状態と判定され終了する。次にステップ1006にてアイドルストップタイマが所定値以上(例えば100ms)経過した場合は、ステップ1007に進みスタータモータの通電を開始する。スタータモータへの通電後、ステップ1008でスタータモータ通電時間TMSTMRをスタートし、ステップ1009へ進む。TMSTSR-1は前回値を意味し、定時間隔実行毎にインクリメントされる。ステップ1009にてTMSTMRが所定時間(例えば150ms)以上であればスタータピニオン回転数は十分上昇したと判定して、ステップ1010へ進みスタータモータの通電をOFFする。TMSTMRが所定時間継続していなければ通電を継続する。
【0047】
ステップ1010にてスタータモータの通電をOFFし、スタータモータ通電OFFにより、スタータモータは慣性回転するフェーズに移行し、ステップ1011のスタータモータ通電OFF後タイマTMSTMROFをスタートさせ、ステップ1012に進む。ステップ1012ではTMSTMROFが所定時間(例えば150ms)以上経過したら、スタータピニオンをONさせ、ピニオンギアをリングギアへ連結させる。ステップ1014にてエンジンが停止判定を行い、エンジンが停止していればステップ1015に進み、スタータピニオンをOFFする。エンジンが停止していなければスタータピニオンはONし続ける。本実施例によりプリメッシュ中のリングギアとピニオンの衝突トルクが緩和されるため、エンジンとスタータモータの連結をスムーズに行うことが可能となり、また連結時の衝突音,噛み込み音が低減されると共にリングギア,ピニオンの磨耗が緩和できる。また、機構上エンジン回転数が所定値以上になるとピニオンが自動的に戻るよう構成されている場合に、エンジン停止前にピニオンが戻るのを防止できるので、エンジンとスタータモータとの連結をより確実にすることができる。
【0048】
次に本発明の第八の実施例について説明する。他の実施例と共通する部分の説明は割愛する。本実施例では、エンジン負荷もしくはスタータモータの通電を制御することでエンジン回転の角加速度とスタータモータの回転の角加速度とを調整し、エンジンおよびスタータモータの回転数の下降速度を近づけることでエンジンとスタータモータとの連結を滑らかにすることができる。なお、燃料遮断中のエンジン負荷の制御は、スロットルバルブの開度制御によってエンジンへの吸入空気量を調整することで実現できる。スタータモータの通電制御も、通電時期のタイミング制御のみでなく、ON,OFF切替えのデューティー比を制御するPWM制御によって所望の角加速度に制御し、回転数低下の度合いを調整してもよい。他の実施例と同様に本実施例では、エンジン回転の角加速度とスタータモータ回転の角加速度とが一致しているとき、または差が小さい時に連結が行われるため、リングギアとピニオンの衝突トルクが緩和され、エンジンとスタータモータの連結をスムーズに行うことが可能となり、また連結時の衝突音,噛み込み音が低減されると共にリングギア,ピニオンの磨耗が緩和できる。
【0049】
次に本発明の第九の実施例について説明する。他の実施例と共通する部分の説明は割愛する。本実施例では、エンジンとスタータモータの連結は、スタータモータの回転数が所定の値以上の時に行うようにする。本実施例は、発電機を兼ねたハイブリッド車用のモータジェネレータではないスタータモータを用いる場合を想定しており、そのようなスタータモータは回転数が小さいときにエンジンとの連結を行い、衝突トルクによって、スタータモータの逆回転が発生すると、スタータモータの故障,劣化につながる。そこで、エンジンとの連結を行ってもスタータモータの逆回転が発生しない程度スタータモータの回転数が高い時に連結を行うことで、クランク逆回転によるスタータモータの逆回転を防止する。本実施例では、スタータモータの逆回転を防止することで、ハイブリッド用のモータなどと異なり、逆回転が想定されていないスタータモータの故障および劣化を抑制することができる。
【0050】
図11にて本発明動作を模式的に説明する。(1)は車両通常走行状態を表しており、(2)にてドライバーブレーキ操作にて車両停止挙動を表している。車両停止後、(3)にて車速が0km/hでブレーキが踏まれている状態が継続すればアイドルストップ判定され、(4)にてアイドルストップの許可が行われ、燃料カットが実行されアイドルストップ状態となる。アイドルストップ判定後(5)にてモータリレーを所定時間通電する。(6)はエンジン回転及びピニオン回転共に慣性回転している状態である。なお、モータリレーの通電は、ユーザの意志変更(チェンジマインド)により、急遽ブレーキペダルが離されたときなどに、燃料噴射によってモータを使わずにエンジン回転数を再上昇(燃焼復帰)させることが可能なタイミングを考慮し、通電を行ってもよい。また、慣性回転時の回転数挙動が予測できる場合は、プリメッシュのタイミングもしくはプリメッシュの回転数を考慮し、回転数効果の度合いを制御するよう通電を行ってもよい。(7)はエンジン回転及びピニオン共に慣性回転している状態で所望の条件(例えばエンジン回転数や、エンジン回転とピニオン回転との差)を満たしたらピニオンをONし、エンジンリングギアとピニオンギアを連結させる。
【0051】
(8)はアイドルストップしている状態を表している。(9)はドライバーがブレーキをリリースしたらアイドルストップを禁止し、スタータモータリレー、ピニオンを通電しエンジンを始動させる。(10)にてエンジンが始動完了判定されたらスタータモータ,ピニオン共にOFFする。ここで、機構上の仕組みでエンジン回転数が上昇したらピニオンが自動的にOFFされるよう構成してもよい。(11)は通常復帰状態となる。
【0052】
尚、本動作説明はアイドルストップにおける一例を表しただけであり、アイドルストップとなる車両運転状態はこの限りではない。また、本発明の要旨を逸脱しない限りで、アイドルストップ以外のエンジン停止およびエンジン始動にも本発明を応用することが可能である。たとえば、イグニッションキーをOFFし、再度イグニッションキーをONする際にも、衝突トルクの抑制およびエンジン再始動の短縮などの効果が見込める。
【0053】
本発明によれば、自動車の運転中にアイドルストップが許容される条件が成立したときなどに、燃料カットを行い、エンジンが停止するシステムにおいて、エンジン停止前にプリメッシュさせる構成において、スタータシステムの耐久性,耐摩耗性、及び静粛性を改善できる。また良好なプリメッシュが可能となるため、再始動時間の短縮にも貢献できる。
【符号の説明】
【0054】
1 スタータ本体
1a スタータモータ
1b マグネットスイッチ
1c シフトレバー
1d ピニオン
2 ピニオン回転センサ
3 ECU(Engine Control Unit)
3a アイドルストップ判定
3b スタータ制御ブロック
3c 燃料噴射制御ブロック
4 スタータモータリレー
5 ピニオンリレー
6 リングギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと前記エンジンを始動させるためのスタータモータとの連結を制御する車両制
御装置において、
前記エンジンへの燃料の供給を遮断して前記エンジンを慣性回転させると共に、
前記エンジンの燃料遮断中に前記スタータモータが前記エンジンと連結していない状態
で前記スタータモータを回転させた後、
前記スタータモータへの通電を制御して前記スタータモータを慣性回転させ、
前記エンジンと前記スタータモータとが共に慣性回転中であるときに前記スタータモー
タを前記エンジンに連結することを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両制御装置において、
前記エンジンの回転数と前記スタータモータの回転数とが一致したとき、
もしくは前記エンジンの回転数と前記スタータモータの回転数との差が所定値以下とな
ったときに、
前記スタータモータを前記エンジンに連結することを特徴とする車両制御装置。
【請求項3】
請求項1記載の車両制御装置において、
前記エンジンの角加速度方向と前記スタータモータの角加速度方向とが同じとき、
もしくは前記エンジンの角加速度と前記スタータモータの角加速度との差が所定値以下
のときに、
前記スタータモータを前記エンジンに連結することを特徴とする車両制御装置。
【請求項4】
請求項1記載の車両制御装置において、
前記エンジンの慣性回転中の角加速度に応じて、
前記スタータモータを通電する時期を制御することを特徴とする車両制御装置。
【請求項5】
請求項1記載の車両制御装置において、
前記エンジンの回転数が所定値以下となったときに、
前記スタータモータを前記エンジンに連結することを特徴とする車両制御装置。
【請求項6】
請求項1記載の車両制御装置において、
慣性回転中の前記エンジンが膨張行程であるとき、
もしくは前記エンジンが慣性回転中であって角速度に変化があるときに、
前記スタータモータを前記エンジンに連結することを特徴とする車両制御装置。
【請求項7】
請求項1記載の車両制御装置において、前記エンジンと前記スタータモータとの連結は
前記エンジンが停止するまで継続することを特徴とする車両制御装置。
【請求項8】
請求項1記載の車両制御装置において、
前記エンジンの角加速度と、
前記スタータモータの角加速度とが一致、または差が所定の範囲内になるよう前記エン
ジン負荷もしくは前記スタータモータを制御することを特徴とする車両制御装置。
【請求項9】
請求項1記載の車両制御装置において、
前記スタータモータの回転数が所定の値以上のときに、
前記スタータモータを前記エンジンに連結することを特徴とする車両制御装置。
【請求項10】
エンジンの一時停止が許容される所定の条件が成立したとき前記エンジンを一時停止さ
せると共に、
前記エンジンと前記エンジンを再始動させるためのスタータモータとの連結を制御する
アイドルストップシステムにおいて、
前記所定の条件が成立したとき、前記エンジンへの燃料の供給を遮断して前記エンジン
を慣性回転させると共に、
前記エンジンの燃料遮断中に前記スタータモータが前記エンジンと連結していない状態
で前記スタータモータを回転させた後、
前記スタータモータへの通電を制御して前記スタータモータを慣性回転させ、
前記エンジンと前記スタータモータとが共に慣性回転中であるときに前記スタータモー
タを前記エンジンに連結することを特徴とするアイドルストップシステム。
【請求項11】
請求項10記載のアイドルストップシステムにおいて、
前記エンジンの回転数と前記スタータモータの回転数とが一致したとき、
もしくは前記エンジンの回転数と前記スタータモータの回転数との差が所定値以下とな
ったときに、
前記スタータモータを前記エンジンに連結することを特徴とするアイドルストップシス
テム。
【請求項12】
請求項10記載のアイドルストップシステムにおいて、
前記エンジンの角加速度方向と前記スタータモータの角加速度方向とが同じとき、
もしくは前記エンジンの角加速度と前記スタータモータの角加速度との差が所定値以下
のときに、
前記スタータモータを前記エンジンに連結することを特徴とするアイドルストップシス
テム。
【請求項13】
請求項10記載のアイドルストップシステムにおいて、
前記エンジンの慣性回転中の角加速度に応じて、
前記スタータモータを通電する時期を制御することを特徴とするアイドルストップシス
テム。
【請求項14】
請求項10記載のアイドルストップシステムにおいて、
前記エンジンの回転数が所定値以下となったときに、
前記スタータモータを前記エンジンに連結することを特徴とするアイドルストップシス
テム。
【請求項15】
請求項10記載のアイドルストップシステムにおいて、
慣性回転中の前記エンジンが膨張行程であるとき、
もしくは前記エンジンが慣性回転中であって角速度に変化があるときに、
前記スタータモータを前記エンジンに連結することを特徴とするアイドルストップシス
テム。
【請求項16】
請求項10記載のアイドルストップシステムにおいて、前記エンジンと前記スタータモ
ータとの連結は前記エンジンが停止するまで継続することを特徴とするアイドルストップ
システム。
【請求項17】
請求項10記載のアイドルストップシステムにおいて、
前記エンジンの角加速度と、
前記スタータモータの角加速度とが一致、または差が所定の範囲内になるよう前記エン
ジン負荷もしくは前記スタータモータを制御することを特徴とするアイドルストップシス
テム。
【請求項18】
請求項10記載のアイドルストップシステムにおいて、
前記スタータモータの回転数が所定の値以上のときに、
前記スタータモータを前記エンジンに連結することを特徴とするアイドルストップシス
テム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−169331(P2011−169331A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129742(P2011−129742)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【分割の表示】特願2009−78010(P2009−78010)の分割
【原出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】