車両周辺監視装置
【課題】車両周辺監視装置において、新たにカメラ等の装置を追加することなく、前方側の画像も後方側の画像も得つつ、適正な変換処理がなされる車両周辺監視装置を提供する。
【解決手段】助手席側に設置されたサイドカメラ10と、サイドカメラ10で得られたカメラ視点の画像P0に対して、運転者の視点から見た運転者視点の画像P5に変換する画像処理部30と、得られた運転者視点の画像P5を表示する表示部40とを備え、サイドカメラ10は、その光軸以外の1軸回りに回動可能に設置され、画像処理部30は、カメラ視点の画像P0のうち、車両以外の画像部分P1と車両の画像部分P2とで相異なる処理条件による変換処理で運転者視点の画像P3,P4を得、これら2つの画像部分P1,P2にそれぞれ対応した視点変換の変換処理パラメータ(処理条件)は、車載サイドカメラ10の回動角度θに応じて変化される。
【解決手段】助手席側に設置されたサイドカメラ10と、サイドカメラ10で得られたカメラ視点の画像P0に対して、運転者の視点から見た運転者視点の画像P5に変換する画像処理部30と、得られた運転者視点の画像P5を表示する表示部40とを備え、サイドカメラ10は、その光軸以外の1軸回りに回動可能に設置され、画像処理部30は、カメラ視点の画像P0のうち、車両以外の画像部分P1と車両の画像部分P2とで相異なる処理条件による変換処理で運転者視点の画像P3,P4を得、これら2つの画像部分P1,P2にそれぞれ対応した視点変換の変換処理パラメータ(処理条件)は、車載サイドカメラ10の回動角度θに応じて変化される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両周辺監視装置に関し、詳細には、助手席側の車載カメラにより得られた画像に基づいた車両周辺監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムの普及により映像モニタを備えた車両が増えている。加えて、カメラの低価格化により、駐車支援をはじめとする、映像による安全運転支援システムが開発されている。
【0003】
その代表的な例として、助手席側のサイドミラーに取り付けたカメラで得られた画像を用いて、運転者から死角となる車外の様子を補うシステムがある。このシステムは、一般的には、車両の前輪部周辺の様子をカメラで映し出すことで、脱輪を防止するのが主目的となっており、既に実用化もされている。
【0004】
また、広角のカメラを車両後方に向けて設置し、サイドミラーの視野を補うシステムも提案されている。
【0005】
しかし、このシステムにより得られる画像中における対象物までの距離は、運転者が視覚によって感覚的に把握する距離感とは異なっている。そして、この対象物までの距離感の相違は、運転者の感覚を混乱させることになり、その対象物が運転操作に影響を与える障害物である場合には、一層深刻なものとなる。
【0006】
このシステムによりモニタに映し出された対象物までの距離に対する運転者の違和感は、システムにより得られる画像は車載カメラの設置位置に依存した画像(カメラ視点の画像)であり、運転者の視点によるものではないことに起因している。
【0007】
そこで、カメラ視点の画像に画像処理を施して、運転者視点の画像に変換して表示するシステムが提案されている(特許文献1)。
【0008】
しかし、広角カメラを使用したシステムでは、カメラ視点の画像に車両の一部が含まれると、当該の車両部分はカメラの設置位置と運転者視点との間に位置するため、運転者視点の画像に変換しても、その車両部分については、適正な変換処理が行われず、むしろ誤った変換となり、車両と障害物との位置関係に関して、運転者に間違った判断をさせることになる。
【0009】
また、この問題を回避するために、車両の画像を予めメモリに格納しておき、カメラ視点の画像を運転者視点の画像に変換し、得られた運転者視点の画像に、メモリに格納された車両の画像を重ねて表示する手法が提案されている(特許文献2)。
【0010】
これとは別の手法として、車外の車載カメラの他に車室内にカメラを設け、この車室内のカメラにより、車室内の画像を取り込む提案もある(特許文献3)。
【特許文献1】特開2003−339044号公報
【特許文献2】特開2005−184142号公報
【特許文献3】特開2004−350303号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、特許文献2に開示された提案を適用しようとすると、車両の前方から後方に亘る広角度の範囲で連続した膨大な数の車両の画像をメモリに予め記憶させておく必要があり、大きな容量のメモリを追加する必要がある。したがって、構成の複雑化と製造コストの上昇を招く。
【0012】
一方、特許文献3に開示された提案を適用しようとすると、システムの構成として車室内に新たなカメラを設ける必要があり、構成の複雑化と製造コストの上昇を招くとともに、車両前方から車両後方の広い範囲に亘って、車外のカメラと車室内のカメラとを同期させて向きを変えるのは困難である。
【0013】
また、従来のサイドミラー付近に設置されたこれらカメラは固定式であり、設置位置近くの前輪付近や車両後方のうちいずれか一方の専用用途とされているため、両方を映し出すためには独立した2つのカメラが必要である。
【0014】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、車両のサイドミラー近傍に設置されたカメラにより、新たにカメラやメモリ等の装置を追加することなく、前方側の画像も後方側の画像も得ることができるとともに、車両部分について適正な変換処理がなされる車両周辺監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る車両周辺監視装置は、車両の助手席側(右ハンドル車の場合は左側、左ハンドル車の場合は右側)のサイドカメラを可動式にして車両前方部分および後方部分の両方を選択的に撮影するとともに、車載サイドカメラで得られた画像のうち、車両が映っている画像部分(車両の画像部分)と車両が映っていない画像部分(車両以外の画像部分)とで視点変換の処理条件に差異を与えることで、新たにカメラ等の装置を追加することなく、前方側の画像も後方側の画像も得るとともに、車両部分について適正な変換処理がなされるようにしたものである。
【0016】
すなわち、本発明に係る車両周辺監視装置は、車両の助手席側のサイドミラーまたはその近傍に設置された車載サイドカメラと、前記車載サイドカメラで撮影して得られたカメラ視点の画像に対して、運転者の視点から見たと仮定した場合の運転者視点の画像に変換する画像処理部と、前記車両の車室内に設置され、前記画像処理部により得られた前記運転者視点の画像を表示する表示部とを備え、前記車載サイドカメラは、その光軸以外の少なくとも1軸回りに回動可能に設置され、前記画像処理部は、前記カメラ視点の画像のうち、前記車両以外の画像部分と前記車両の画像部分とで相異なる処理条件による変換処理で前記運転者視点の画像を得るとともに、前記2つの画像部分にそれぞれ対応した各前記処理条件は、前記車載サイドカメラの回動角度に応じて変化されることを特徴とする。
【0017】
このように構成された車両周辺監視装置によれば、車両の助手席側のサイドミラーまたはその近傍に設置された車載サイドカメラによって撮影して得られたカメラ視点の画像は、画像処理部により、運転者の視点から見たと仮定した場合の運転者視点の画像に変換され、この運転者視点の画像は、車室内に設置された表示部に表示される。
【0018】
ここで、車載サイドカメラは、その光軸以外の少なくとも1軸回りに回動可能に設置されているため、すなわち少なくとも前方と後方に向けた首振りが可能であるため、単一のカメラでありながら、前方側の画像も後方側の画像も得ることができ、車両の前後(車長)方向の広い範囲で利用が可能で、新たにカメラ等の装置を追加する必要がない。
【0019】
また、画像処理部は、カメラ視点の画像のうち、車両以外の画像部分と車両の画像部分とで相異なる処理条件による変換処理で、それぞれ運転者視点の画像を得るため、車両以外の画像部分と車両の画像部分とに対して、それぞれ適正な視点変換処理を施すことができる。
【0020】
そして、そのような適正な視点変換処理がなされた画像を表示部に表示させることにより、運転者に対して、車両と障害物等物体との位置関係を適正に判断させることができる。また、運転者の瞬時の判断を容易にすることもできる。
【0021】
さらに、車両以外の画像部分に合成する車両の画像を、従来のようにメモリに予め記憶された固定の画像を用いるのではなく、当該車両以外の画像部分を含むカメラ視点の画像に含まれている車両の画像部分を用いるため、当該車両の画像データを大量に記憶しておくメモリが必要がなく、画像処理部の構成を簡素化することができる。
【0022】
なお、カメラ視点の画像に含まれている車両の画像部分を用いて、車両の画像データを得る必要があるため、画像処理の手順を追加する必要があるが、この追加の画像処理はソフトウェアで処理することで、コストへの影響を少なくすることができる。
【0023】
また、車両の画像データを予め取得する必要がないため、車両の形状が異なる多数の車種に適用する場合にも、車種ごとに車両の画像データを逐一取得しておく必要がなく、コストを大幅に上昇させることなく、多様な車種への適用を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る車両周辺監視装置によれば、新たにカメラ等の装置を追加することなく、前方側の画像も後方側の画像も得ることができ、しかも、運転者に対して、車両と障害物等物体との位置関係を適正に判断させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る車両周辺監視装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両周辺監視装置100の構成を示すブロック図である。
【0027】
図示の車両周辺監視装置100は、図1に示すように、車両200の助手席側のサイドミラー210またはその近傍に設置された車載サイドカメラ10と、この車載サイドカメラ10で撮影して得られたカメラ視点Cの画像P0に対して、運転者300の視点Dから見たと仮定した場合の運転者視点Dの画像P5に変換する画像処理部30と、車両200の車室内に設置され、画像処理部30により得られた運転者視点Dの画像P5を表示する表示部40とを備え、車載サイドカメラ10は、回動機構により、その光軸以外の少なくとも1軸(本実施形態では光軸と直交しない軸)回りに、手動または自動(電動等)で回動可能に設置され、画像処理部30は、カメラ視点Cの画像P0のうち、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とで相異なる処理条件による変換処理で運転者視点Dの画像P3,P4を得るとともに、これら2つの画像部分P1,P2にそれぞれ対応した視点変換の変換処理パラメータ(処理条件)は、車載サイドカメラ10の回動角度θに応じて変化されるように構成されている。
【0028】
さらに、車載サイドカメラ10を回動可能に支持する回動機構の近傍には、当該車載サイドカメラ10の回動角度θを検出する角度センサ20が設けられており、この角度センサ20が検出したカメラ10の回転角度θは、画像処理部30に入力され、画像処理部30は、角度センサ20から入力された回動角度θに応じて、上述した運転者視点Dの画像に変換する各処理条件を設定する。
【0029】
また、画像処理部30は、カメラ視点Cの画像P0を、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とに分割する分割部31と、分割部31により分割して得られた車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とに対して、相異なる処理条件によりそれぞれ運転者視点Dの画像P3,P4に変換処理する視点変換処理部32と、視点変換処理部32より得られた、2つの画像部分P1,P2にそれぞれ対応した2つの運転者視点Dの画像P3,P4を単一の運転者視点Dの画像P5に合成する合成部33とを備え、分割部31は、車載サイドカメラ10の回動角度θに応じて、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2との分割境界線Lを、変動させる。
【0030】
なお、分割境界線Lは、分割位置を示す概念的な境界線を、理解の容易のために可視的に表示したに過ぎず、この分割境界線L自体を生成しなくてもよく、データ上において、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とを区画し得るような識別が可能であれば、そのような識別を分割境界線Lの代用とすることもできる。
【0031】
合成部33は、2つの運転者視点Dの画像P3,P4のうち、車両200の画像部分P2に対応した画像P4を、その輪郭線Kに変換して、車両200以外の画像部分P3と合成処理する。
【0032】
図2は、図1に示した車両周囲監視装置100を、より具体的な構成に展開したブロック図であり、カメラ110は車載サイドカメラ10に、角度センサ120は角度センサ20に、CPU131、カメラ画像バッファ132、車体変形装置134、周囲変形装置133および合成器135が画像処理部30に、モニタ140が表示部40に、それぞれ対応している。
【0033】
また、CPU131、カメラ画像バッファ132、車体変形装置134および周囲変形装置133は分割部31に、CPU131、車体変形装置134および周囲変形装置133は視点変換処理部32に、合成器135は合成部33に、それぞれ対応している。
【0034】
なお、A/D変換器150は、車載カメラ10の一部を構成するものであっても、画像処理部30の一部を構成するものであってもよい。同様に、D/A変換器160は、表示部40の一部を構成するものであっても、画像処理部30の一部を構成するものであってもよい。
【0035】
ここで、カメラ110は、図3(a)の側面模式図および同図(b)の平面模式図に示すように、車両200の助手席側のサイドミラー210の近傍に設けられ、図3においては、車両200の外側で、前下方の観測点VPを向いた姿勢となっている。
【0036】
なお、本実施形態は、車両200が右ハンドル車である例であるため、運転者300は右側、カメラ110(車載サイドカメラ10)は左側、にそれぞれ配置されるが、左ハンドル車の場合には、この実施形態の表示とは左右が対称の位置関係となり、運転者300は左側、カメラ110(車載サイドカメラ10)は右側に配置され、以下の各図においても同様に、左右対称の配置となることは言うまでもない。
【0037】
カメラ110は、図4の側面模式図に示すように、概略車幅方向に沿った軸を回動中心として、車両200の前下方から助手席外側下方、後下方に亘って回動可能であり、その回動角度θは、カメラ110の光軸が車両の前方水平方向を向いた基準位置からの角度によって規定されている。
【0038】
分割部31は、カメラ110から得られたカメラ視点Cの画像P0が例えば図5に示すものであるとき、図6に示すように、このカメラ視点Cの画像P0を、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とに分割する。
【0039】
具体的には、カメラ110によって撮影され、A/D変換器150によりデジタル化された画像P0は、カメラ画像バッファ132に一旦記憶され、周囲変形装置133と車体変形装置134とにそれぞれ入力され、CPU131からの命令により、周囲変形装置133が、カメラ視点の画像P0のうち車両200以外の画像部分P1を抽出し、車体変形装置134が、カメラ視点の画像P0のうち車両200の画像部分P2を抽出することで、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2との分割を行う。
【0040】
分割境界線Lは、車両200の輪郭線を画像処理により検出するなどして、車両の画像部分だけを正確に抽出することで決定してもよいが、処理時間が無用に長くなったり、そこまでの過剰な検出精度は不要である、等の理由により、実験的なデータに基づいて予め設定されている。
【0041】
ここで、カメラ110は可動であり、しかも、カメラ110は、車両200の外側の観察点VP周辺を広く撮影するために、その光軸の向きが車幅方向の若干外側に向いて設定されている(カメラの光軸と、車両前後方向の軸および車両の高さ方向の軸を含む鉛直面との交差角度は一定(例えば10°程度)であるとする。)ことから、カメラ110がその回動軸回りに回動すると、カメラ110の光軸の軌跡は、円錐形状の母線の回転軌跡によって形成される円錐形状の斜面と同様の軌跡となり、回動角度θに応じて、分割境界線Lは変動する。
【0042】
つまり、角度センサ120によって検出された回動角度θに応じて、CPU131が、予め設定されている分割境界線Lを、図7に示すように適宜変動させる。
【0043】
ここで、θ1<θ2<θ3であり、θ1はカメラ110が車両200の前方の略水平方向に向いた状態に対応する回動角度であり、θ3はカメラ110が略真下方向に向いた状態に対応する回動角度である。
【0044】
なお、回動角度θが90°(≒θ3)を超えると、カメラ視点Cの画像P0は上下が逆転するため、この上下の逆転を補正するために、画像P0を180°回転するものとし、図7においても180°回転して表示している。
【0045】
つまり、回動角度θ3′は回動角度θ3と略等しく、カメラ110が略真下方向に向いた状態に対応する回動角度であり、θ5はカメラ110が車両200の後方の略水平方向に向いた状態に対応する回動角度である(θ3′<θ4<θ5)。
【0046】
視点変換処理部32としての周囲変形装置133は、車両200以外の画像部分P1(図8(a))に対して、運転者視点Dの画像P3(図8(b))に変換処理し、視点変換処理部32としての車体変形装置134は、車両200の画像部分P2(図9(a))に対して、運転者視点Dの画像P4(図9(b))に変換処理する。
【0047】
この視点変換の処理は、国際公開第00/07373号パンフレット等を始め、既に知られているように、観測点VPにおける、カメラ視点Cへの向きから、運転者視点Dへの向きに至る、空間の2軸回りの回転角度φ(鉛直軸回りの回転角度),ψ(車幅方向に沿った軸回りの回転角度)および観測点VPからカメラ視点Cまでの距離と観測点VPから運転者視点Dまでの距離との差Δr(既知の値)を用いて、行うことができる。
【0048】
本実施形態の車両周辺監視装置100の周囲変形装置133は、これらの変数φ,ψ,Δrに、新たなパラメータであるカメラ110の回動角度θを加えた演算により、車両200以外の画像部分P1についての、運転者視点Dの画像P3を得る。
【0049】
同様に、車体変形装置134は、上述した変数φに対応する変数φ′、変数ψに対応する変数ψ′および変数Δrに、新たなパラメータであるカメラ110の回動角度θを加えた演算により、車両200の画像部分P2についての、運転者視点Dの画像P4を得る。
【0050】
なお、パラメータφ′,ψ′は、上述したパラメータφ,ψとそれぞれ異なる値に設定されているため、車両200の画像部分P2についての運転者視点Dの画像P4は、車両200以外の画像部分P1についての運転者視点Dの画像P3とは異なる処理条件で、視点変換処理がなされたことになる。
【0051】
また、上述した各パラメータφ,φ′,ψ,ψ′,θ,Δrは、角度センサ120により検出されたカメラ110の回動角度ΔθがCPU131に入力された後、CPU131が算出して、周囲変形装置133および車体変形装置134に出力される。
【0052】
合成器135は、周囲変形装置133により得られた運転者視点Dの画像P3(図8(b))と車体変形装置134により得られた運転者視点Dの画像P4(図9(b))とを、画素(位置)を対応させて合成処理する。
【0053】
合成器135による合成処理は、前述したように、運転者視点Dの画像P4を、まず車両200の輪郭線K(図10において破線で示す)に変換して、この輪郭線Kを、運転者視点Dの画像P3に重畳している。ここで、図10中の「車両周辺を直接ご確認下さい」のメッセージMは、運転者の注意を喚起することを目的として付加的にインポーズされているに過ぎず、省略してもよいし、他のメッセージMを追加合成してもよい。
【0054】
なお、合成器135による合成処理としては、上述した車両200の輪郭線Kを用いるのに代えて、図11に示すように、車両200の画像部分P2に対応した画像P4を、車両200以外の画像部分P1に対応した画像P3よりも、重み付けを小さくして、加算演算してもよい。この場合、周囲の画像P3に、車両200の画像P4が、薄く重なって視認できる程度であればよい。
【0055】
輪郭線Kを重畳して合成(インポーズ)し、または重み付けを小さくした加算演算をして合成するのは、車両200の画像P4よりも、車両200の周囲の画像P3を明瞭に表示させることが重要であり、車両200の画像P4は、周囲の障害物との距離感を得るための補助的なものであることによる。
【0056】
次に、本発明の実施形態に係る車両周囲監視装置100の作用について、図12に示したフローチャートを参照して説明する。
【0057】
まず、角度センサ120がカメラ110の回動角度θ(図4)を検出し(S1)、検出された回動角度θは画像処理部130のCPU131に入力され、CPU131は、視点変換のパラメータφ,φ′,ψ,ψ′,θ,Δrを算出する(S2)。
【0058】
次いで、カメラ110によって撮影されたカメラ視点Cの画像P0(図5)が、A/D変換器150によりデジタル化された上で、画像処理部130のカメラ画像バッファ132に取り込まれる(S3)。
【0059】
カメラ画像バッファ132の画像P0は車体変形装置134と周囲変形装置133とに入力され、車体変形装置134と周囲変形装置133とは、回動角度θに応じてCPU131により設定された分割境界線L(図6,7)にしたがい、画像P0を、車両200の画像部分P2と車両200以外の画像部分P1とに分割する(S4)。
【0060】
車体変形装置134は、CPU131により設定されたパラメータφ,ψ,θ,Δrにしたがって、車両200の画像部分P2を運転者視点Dの画像P4に視点変換処理(図9(a)→(b))し(S5)、周囲変形装置133は、CPU131により設定されたパラメータφ′,ψ′,θ,Δrにしたがって、車両200以外の画像部分P1を運転者視点Dの画像P3に視点変換処理(図8(a)→(b))する(S6)。
【0061】
次に、合成器135が、車体変形装置134により得られた運転車視点Dの画像P4と周囲変形装置133により得られた運転車視点Dの画像P3とを合成して合成画像P5(図10)を生成する(S7)。
【0062】
そして、得られた合成画像P5は、画像処理部130の合成器135から出力されてD/A変換器160に入力され、アナログ信号に変換された上で、運転者の視認用として運転者に向けて車室内に設置されたモニタ140に入力され、合成画像P5は可視画像として視認可能にモニタ140に表示される(S8)。
【0063】
以上のように、本実施形態に係る車両周囲監視装置100によれば、カメラ110が、光軸以外の1軸回り(車幅方向に沿った軸回り)に回動可能に設置されているため、すなわち少なくとも前方と後方に向けた首振りが可能であるため、単一のカメラ110でありながら、前方側の画像も後方側の画像も得ることができ、車両の前後(車長)方向の広い範囲で利用が可能で、新たにカメラ等の装置を追加する必要がない。
【0064】
また、画像処理部130は、カメラ視点Cの画像P0のうち、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とで相異なる処理条件による視点変換処理で、それぞれ運転者視点Dの画像P3,P4を得るため、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とに対して、両者ともに最適な視点変換処理を施すことができる。
【0065】
そして、そのような最適な視点変換処理がなされた画像をモニタ140に表示させることにより、運転者に対して、車両200と車両以外の障害物等物体との位置関係を適正に判断させることができる。
【0066】
また、運転者の瞬時の判断を容易にすることもできる。
【0067】
さらに、車両200以外の画像P3に合成する車両200の画像P4を、従来のようにメモリに予め記憶された固定の画像を用いるのではなく、当該車両200以外の画像部分P1を含むカメラ視点Cの元の画像P0に含まれている車両200の画像部分P2を用いるため、画像処理部130を簡素化することができる。
【0068】
本実施形態の車両周囲監視装置100によれば、画像処理部30は、カメラ視点Cの画像P0を、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とに分割する分割部31と、分割部31により分割して得られた車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とに対して、相異なる処理条件によりそれぞれ運転者視点の画像P3,P4に変換処理する視点変換処理部32と、視点変換処理部32より得られた2つの画像部分P1,P2にそれぞれ対応した2つの運転者視点Dの画像P3,P4を単一の運転者視点Dの画像P5に合成する合成部33とを備え、分割部31は、車載サイドカメラ10の回動角度θに応じて、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2との分割境界線Lを、変動させるため、カメラ10の光軸が、鉛直面内で回動するもの(回動しても、分割境界線Lが不変)に限定されず、鉛直面から傾いた面内で回動するように設定されたカメラ(回動すると、分割境界線Lが変動)にも、本発明を適用することができる。
【0069】
また、本実施形態の車両周囲監視装置100(図11)によれば、合成部33は、2つの運転者視点Dの画像P3,P4のうち、車両200の画像部分P2に対応した画像P4を、車両200以外の画像部分P1に対応した画像P3よりも、重み付けを小さくして合成処理する(図11)ため、車両200の画像P4によって、車両200の周囲の画像P3が不明瞭になるのを防止することができるとともに、車両200(画像P4)と障害物等物体(画像P3)との距離感の把握機能を確保することができる。
【0070】
一方、本実施形態の車両周囲監視装置100(図10)によれば、合成部33は、2つの運転者視点Dの画像P3,P4のうち、車両200の画像部分P2に対応した画像P4を、その輪郭線Kに変換して合成処理する(図10)ため、車両200の画像P4によって、車両200の周囲の画像P3が不明瞭になるのを防止することができるとともに、車両200(画像P4)と障害物等物体(画像P3)との距離感の把握機能を確保することができる。
【0071】
また、本実施形態の車両周囲監視装置100によれば、車載サイドカメラ10の回動角度θを検出する角度センサ20を備え、画像処理部30は、角度センサ20により得られた回動角度θに応じて、各視点変換処理や分割処理の処理条件を設定するため、常に、サイドカメラ10の回動角度θに応じた適切な処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両周辺監視装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した車両周囲監視装置を、より具体的な構成に展開したブロック図である。
【図3】カメラの設置状態を示す、(a)側面模式図、(b)平面模式図である。
【図4】カメラの回動角度を示す側面模式図である。
【図5】カメラ視点の画像の一例を示す図である。
【図6】車両以外の画像部分と車両の画像部分とに分割した様子を示す図である。
【図7】カメラの回動角度に応じた分割境界線の変動を示す図である。
【図8】(a)は車両以外の画像部分、(b)は(a)に示した画像部分を運転者視点に変換処理した後の画像、をそれぞれ表す。
【図9】(a)は車両の画像部分、(b)は(a)に示した画像部分を運転者視点に変換処理した後の画像、をそれぞれ表す。
【図10】合成画像の一例を示す図である。
【図11】合成画像の他の例を示す図である。
【図12】図2に示した車両周囲監視装置の処理手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
10 車載サイドカメラ
20 角度センサ
30 画像処理部
31 分割部
32 視点変換部
33 合成部
40 表示部
100 車両周囲監装置
200 車両
C カメラ視点
D 運転者視点
θ サイドカメラの回動角度
P0 カメラ視点の画像
P1 カメラ視点の車両以外(周囲)の画像
P2 カメラ視点の車両(車体)の画像
P3 運転者視点の車両以外(周囲)の画像
P4 運転者視点の車両(車体)の画像
P5 運転者視点の合成画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両周辺監視装置に関し、詳細には、助手席側の車載カメラにより得られた画像に基づいた車両周辺監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムの普及により映像モニタを備えた車両が増えている。加えて、カメラの低価格化により、駐車支援をはじめとする、映像による安全運転支援システムが開発されている。
【0003】
その代表的な例として、助手席側のサイドミラーに取り付けたカメラで得られた画像を用いて、運転者から死角となる車外の様子を補うシステムがある。このシステムは、一般的には、車両の前輪部周辺の様子をカメラで映し出すことで、脱輪を防止するのが主目的となっており、既に実用化もされている。
【0004】
また、広角のカメラを車両後方に向けて設置し、サイドミラーの視野を補うシステムも提案されている。
【0005】
しかし、このシステムにより得られる画像中における対象物までの距離は、運転者が視覚によって感覚的に把握する距離感とは異なっている。そして、この対象物までの距離感の相違は、運転者の感覚を混乱させることになり、その対象物が運転操作に影響を与える障害物である場合には、一層深刻なものとなる。
【0006】
このシステムによりモニタに映し出された対象物までの距離に対する運転者の違和感は、システムにより得られる画像は車載カメラの設置位置に依存した画像(カメラ視点の画像)であり、運転者の視点によるものではないことに起因している。
【0007】
そこで、カメラ視点の画像に画像処理を施して、運転者視点の画像に変換して表示するシステムが提案されている(特許文献1)。
【0008】
しかし、広角カメラを使用したシステムでは、カメラ視点の画像に車両の一部が含まれると、当該の車両部分はカメラの設置位置と運転者視点との間に位置するため、運転者視点の画像に変換しても、その車両部分については、適正な変換処理が行われず、むしろ誤った変換となり、車両と障害物との位置関係に関して、運転者に間違った判断をさせることになる。
【0009】
また、この問題を回避するために、車両の画像を予めメモリに格納しておき、カメラ視点の画像を運転者視点の画像に変換し、得られた運転者視点の画像に、メモリに格納された車両の画像を重ねて表示する手法が提案されている(特許文献2)。
【0010】
これとは別の手法として、車外の車載カメラの他に車室内にカメラを設け、この車室内のカメラにより、車室内の画像を取り込む提案もある(特許文献3)。
【特許文献1】特開2003−339044号公報
【特許文献2】特開2005−184142号公報
【特許文献3】特開2004−350303号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、特許文献2に開示された提案を適用しようとすると、車両の前方から後方に亘る広角度の範囲で連続した膨大な数の車両の画像をメモリに予め記憶させておく必要があり、大きな容量のメモリを追加する必要がある。したがって、構成の複雑化と製造コストの上昇を招く。
【0012】
一方、特許文献3に開示された提案を適用しようとすると、システムの構成として車室内に新たなカメラを設ける必要があり、構成の複雑化と製造コストの上昇を招くとともに、車両前方から車両後方の広い範囲に亘って、車外のカメラと車室内のカメラとを同期させて向きを変えるのは困難である。
【0013】
また、従来のサイドミラー付近に設置されたこれらカメラは固定式であり、設置位置近くの前輪付近や車両後方のうちいずれか一方の専用用途とされているため、両方を映し出すためには独立した2つのカメラが必要である。
【0014】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、車両のサイドミラー近傍に設置されたカメラにより、新たにカメラやメモリ等の装置を追加することなく、前方側の画像も後方側の画像も得ることができるとともに、車両部分について適正な変換処理がなされる車両周辺監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る車両周辺監視装置は、車両の助手席側(右ハンドル車の場合は左側、左ハンドル車の場合は右側)のサイドカメラを可動式にして車両前方部分および後方部分の両方を選択的に撮影するとともに、車載サイドカメラで得られた画像のうち、車両が映っている画像部分(車両の画像部分)と車両が映っていない画像部分(車両以外の画像部分)とで視点変換の処理条件に差異を与えることで、新たにカメラ等の装置を追加することなく、前方側の画像も後方側の画像も得るとともに、車両部分について適正な変換処理がなされるようにしたものである。
【0016】
すなわち、本発明に係る車両周辺監視装置は、車両の助手席側のサイドミラーまたはその近傍に設置された車載サイドカメラと、前記車載サイドカメラで撮影して得られたカメラ視点の画像に対して、運転者の視点から見たと仮定した場合の運転者視点の画像に変換する画像処理部と、前記車両の車室内に設置され、前記画像処理部により得られた前記運転者視点の画像を表示する表示部とを備え、前記車載サイドカメラは、その光軸以外の少なくとも1軸回りに回動可能に設置され、前記画像処理部は、前記カメラ視点の画像のうち、前記車両以外の画像部分と前記車両の画像部分とで相異なる処理条件による変換処理で前記運転者視点の画像を得るとともに、前記2つの画像部分にそれぞれ対応した各前記処理条件は、前記車載サイドカメラの回動角度に応じて変化されることを特徴とする。
【0017】
このように構成された車両周辺監視装置によれば、車両の助手席側のサイドミラーまたはその近傍に設置された車載サイドカメラによって撮影して得られたカメラ視点の画像は、画像処理部により、運転者の視点から見たと仮定した場合の運転者視点の画像に変換され、この運転者視点の画像は、車室内に設置された表示部に表示される。
【0018】
ここで、車載サイドカメラは、その光軸以外の少なくとも1軸回りに回動可能に設置されているため、すなわち少なくとも前方と後方に向けた首振りが可能であるため、単一のカメラでありながら、前方側の画像も後方側の画像も得ることができ、車両の前後(車長)方向の広い範囲で利用が可能で、新たにカメラ等の装置を追加する必要がない。
【0019】
また、画像処理部は、カメラ視点の画像のうち、車両以外の画像部分と車両の画像部分とで相異なる処理条件による変換処理で、それぞれ運転者視点の画像を得るため、車両以外の画像部分と車両の画像部分とに対して、それぞれ適正な視点変換処理を施すことができる。
【0020】
そして、そのような適正な視点変換処理がなされた画像を表示部に表示させることにより、運転者に対して、車両と障害物等物体との位置関係を適正に判断させることができる。また、運転者の瞬時の判断を容易にすることもできる。
【0021】
さらに、車両以外の画像部分に合成する車両の画像を、従来のようにメモリに予め記憶された固定の画像を用いるのではなく、当該車両以外の画像部分を含むカメラ視点の画像に含まれている車両の画像部分を用いるため、当該車両の画像データを大量に記憶しておくメモリが必要がなく、画像処理部の構成を簡素化することができる。
【0022】
なお、カメラ視点の画像に含まれている車両の画像部分を用いて、車両の画像データを得る必要があるため、画像処理の手順を追加する必要があるが、この追加の画像処理はソフトウェアで処理することで、コストへの影響を少なくすることができる。
【0023】
また、車両の画像データを予め取得する必要がないため、車両の形状が異なる多数の車種に適用する場合にも、車種ごとに車両の画像データを逐一取得しておく必要がなく、コストを大幅に上昇させることなく、多様な車種への適用を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る車両周辺監視装置によれば、新たにカメラ等の装置を追加することなく、前方側の画像も後方側の画像も得ることができ、しかも、運転者に対して、車両と障害物等物体との位置関係を適正に判断させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る車両周辺監視装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両周辺監視装置100の構成を示すブロック図である。
【0027】
図示の車両周辺監視装置100は、図1に示すように、車両200の助手席側のサイドミラー210またはその近傍に設置された車載サイドカメラ10と、この車載サイドカメラ10で撮影して得られたカメラ視点Cの画像P0に対して、運転者300の視点Dから見たと仮定した場合の運転者視点Dの画像P5に変換する画像処理部30と、車両200の車室内に設置され、画像処理部30により得られた運転者視点Dの画像P5を表示する表示部40とを備え、車載サイドカメラ10は、回動機構により、その光軸以外の少なくとも1軸(本実施形態では光軸と直交しない軸)回りに、手動または自動(電動等)で回動可能に設置され、画像処理部30は、カメラ視点Cの画像P0のうち、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とで相異なる処理条件による変換処理で運転者視点Dの画像P3,P4を得るとともに、これら2つの画像部分P1,P2にそれぞれ対応した視点変換の変換処理パラメータ(処理条件)は、車載サイドカメラ10の回動角度θに応じて変化されるように構成されている。
【0028】
さらに、車載サイドカメラ10を回動可能に支持する回動機構の近傍には、当該車載サイドカメラ10の回動角度θを検出する角度センサ20が設けられており、この角度センサ20が検出したカメラ10の回転角度θは、画像処理部30に入力され、画像処理部30は、角度センサ20から入力された回動角度θに応じて、上述した運転者視点Dの画像に変換する各処理条件を設定する。
【0029】
また、画像処理部30は、カメラ視点Cの画像P0を、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とに分割する分割部31と、分割部31により分割して得られた車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とに対して、相異なる処理条件によりそれぞれ運転者視点Dの画像P3,P4に変換処理する視点変換処理部32と、視点変換処理部32より得られた、2つの画像部分P1,P2にそれぞれ対応した2つの運転者視点Dの画像P3,P4を単一の運転者視点Dの画像P5に合成する合成部33とを備え、分割部31は、車載サイドカメラ10の回動角度θに応じて、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2との分割境界線Lを、変動させる。
【0030】
なお、分割境界線Lは、分割位置を示す概念的な境界線を、理解の容易のために可視的に表示したに過ぎず、この分割境界線L自体を生成しなくてもよく、データ上において、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とを区画し得るような識別が可能であれば、そのような識別を分割境界線Lの代用とすることもできる。
【0031】
合成部33は、2つの運転者視点Dの画像P3,P4のうち、車両200の画像部分P2に対応した画像P4を、その輪郭線Kに変換して、車両200以外の画像部分P3と合成処理する。
【0032】
図2は、図1に示した車両周囲監視装置100を、より具体的な構成に展開したブロック図であり、カメラ110は車載サイドカメラ10に、角度センサ120は角度センサ20に、CPU131、カメラ画像バッファ132、車体変形装置134、周囲変形装置133および合成器135が画像処理部30に、モニタ140が表示部40に、それぞれ対応している。
【0033】
また、CPU131、カメラ画像バッファ132、車体変形装置134および周囲変形装置133は分割部31に、CPU131、車体変形装置134および周囲変形装置133は視点変換処理部32に、合成器135は合成部33に、それぞれ対応している。
【0034】
なお、A/D変換器150は、車載カメラ10の一部を構成するものであっても、画像処理部30の一部を構成するものであってもよい。同様に、D/A変換器160は、表示部40の一部を構成するものであっても、画像処理部30の一部を構成するものであってもよい。
【0035】
ここで、カメラ110は、図3(a)の側面模式図および同図(b)の平面模式図に示すように、車両200の助手席側のサイドミラー210の近傍に設けられ、図3においては、車両200の外側で、前下方の観測点VPを向いた姿勢となっている。
【0036】
なお、本実施形態は、車両200が右ハンドル車である例であるため、運転者300は右側、カメラ110(車載サイドカメラ10)は左側、にそれぞれ配置されるが、左ハンドル車の場合には、この実施形態の表示とは左右が対称の位置関係となり、運転者300は左側、カメラ110(車載サイドカメラ10)は右側に配置され、以下の各図においても同様に、左右対称の配置となることは言うまでもない。
【0037】
カメラ110は、図4の側面模式図に示すように、概略車幅方向に沿った軸を回動中心として、車両200の前下方から助手席外側下方、後下方に亘って回動可能であり、その回動角度θは、カメラ110の光軸が車両の前方水平方向を向いた基準位置からの角度によって規定されている。
【0038】
分割部31は、カメラ110から得られたカメラ視点Cの画像P0が例えば図5に示すものであるとき、図6に示すように、このカメラ視点Cの画像P0を、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とに分割する。
【0039】
具体的には、カメラ110によって撮影され、A/D変換器150によりデジタル化された画像P0は、カメラ画像バッファ132に一旦記憶され、周囲変形装置133と車体変形装置134とにそれぞれ入力され、CPU131からの命令により、周囲変形装置133が、カメラ視点の画像P0のうち車両200以外の画像部分P1を抽出し、車体変形装置134が、カメラ視点の画像P0のうち車両200の画像部分P2を抽出することで、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2との分割を行う。
【0040】
分割境界線Lは、車両200の輪郭線を画像処理により検出するなどして、車両の画像部分だけを正確に抽出することで決定してもよいが、処理時間が無用に長くなったり、そこまでの過剰な検出精度は不要である、等の理由により、実験的なデータに基づいて予め設定されている。
【0041】
ここで、カメラ110は可動であり、しかも、カメラ110は、車両200の外側の観察点VP周辺を広く撮影するために、その光軸の向きが車幅方向の若干外側に向いて設定されている(カメラの光軸と、車両前後方向の軸および車両の高さ方向の軸を含む鉛直面との交差角度は一定(例えば10°程度)であるとする。)ことから、カメラ110がその回動軸回りに回動すると、カメラ110の光軸の軌跡は、円錐形状の母線の回転軌跡によって形成される円錐形状の斜面と同様の軌跡となり、回動角度θに応じて、分割境界線Lは変動する。
【0042】
つまり、角度センサ120によって検出された回動角度θに応じて、CPU131が、予め設定されている分割境界線Lを、図7に示すように適宜変動させる。
【0043】
ここで、θ1<θ2<θ3であり、θ1はカメラ110が車両200の前方の略水平方向に向いた状態に対応する回動角度であり、θ3はカメラ110が略真下方向に向いた状態に対応する回動角度である。
【0044】
なお、回動角度θが90°(≒θ3)を超えると、カメラ視点Cの画像P0は上下が逆転するため、この上下の逆転を補正するために、画像P0を180°回転するものとし、図7においても180°回転して表示している。
【0045】
つまり、回動角度θ3′は回動角度θ3と略等しく、カメラ110が略真下方向に向いた状態に対応する回動角度であり、θ5はカメラ110が車両200の後方の略水平方向に向いた状態に対応する回動角度である(θ3′<θ4<θ5)。
【0046】
視点変換処理部32としての周囲変形装置133は、車両200以外の画像部分P1(図8(a))に対して、運転者視点Dの画像P3(図8(b))に変換処理し、視点変換処理部32としての車体変形装置134は、車両200の画像部分P2(図9(a))に対して、運転者視点Dの画像P4(図9(b))に変換処理する。
【0047】
この視点変換の処理は、国際公開第00/07373号パンフレット等を始め、既に知られているように、観測点VPにおける、カメラ視点Cへの向きから、運転者視点Dへの向きに至る、空間の2軸回りの回転角度φ(鉛直軸回りの回転角度),ψ(車幅方向に沿った軸回りの回転角度)および観測点VPからカメラ視点Cまでの距離と観測点VPから運転者視点Dまでの距離との差Δr(既知の値)を用いて、行うことができる。
【0048】
本実施形態の車両周辺監視装置100の周囲変形装置133は、これらの変数φ,ψ,Δrに、新たなパラメータであるカメラ110の回動角度θを加えた演算により、車両200以外の画像部分P1についての、運転者視点Dの画像P3を得る。
【0049】
同様に、車体変形装置134は、上述した変数φに対応する変数φ′、変数ψに対応する変数ψ′および変数Δrに、新たなパラメータであるカメラ110の回動角度θを加えた演算により、車両200の画像部分P2についての、運転者視点Dの画像P4を得る。
【0050】
なお、パラメータφ′,ψ′は、上述したパラメータφ,ψとそれぞれ異なる値に設定されているため、車両200の画像部分P2についての運転者視点Dの画像P4は、車両200以外の画像部分P1についての運転者視点Dの画像P3とは異なる処理条件で、視点変換処理がなされたことになる。
【0051】
また、上述した各パラメータφ,φ′,ψ,ψ′,θ,Δrは、角度センサ120により検出されたカメラ110の回動角度ΔθがCPU131に入力された後、CPU131が算出して、周囲変形装置133および車体変形装置134に出力される。
【0052】
合成器135は、周囲変形装置133により得られた運転者視点Dの画像P3(図8(b))と車体変形装置134により得られた運転者視点Dの画像P4(図9(b))とを、画素(位置)を対応させて合成処理する。
【0053】
合成器135による合成処理は、前述したように、運転者視点Dの画像P4を、まず車両200の輪郭線K(図10において破線で示す)に変換して、この輪郭線Kを、運転者視点Dの画像P3に重畳している。ここで、図10中の「車両周辺を直接ご確認下さい」のメッセージMは、運転者の注意を喚起することを目的として付加的にインポーズされているに過ぎず、省略してもよいし、他のメッセージMを追加合成してもよい。
【0054】
なお、合成器135による合成処理としては、上述した車両200の輪郭線Kを用いるのに代えて、図11に示すように、車両200の画像部分P2に対応した画像P4を、車両200以外の画像部分P1に対応した画像P3よりも、重み付けを小さくして、加算演算してもよい。この場合、周囲の画像P3に、車両200の画像P4が、薄く重なって視認できる程度であればよい。
【0055】
輪郭線Kを重畳して合成(インポーズ)し、または重み付けを小さくした加算演算をして合成するのは、車両200の画像P4よりも、車両200の周囲の画像P3を明瞭に表示させることが重要であり、車両200の画像P4は、周囲の障害物との距離感を得るための補助的なものであることによる。
【0056】
次に、本発明の実施形態に係る車両周囲監視装置100の作用について、図12に示したフローチャートを参照して説明する。
【0057】
まず、角度センサ120がカメラ110の回動角度θ(図4)を検出し(S1)、検出された回動角度θは画像処理部130のCPU131に入力され、CPU131は、視点変換のパラメータφ,φ′,ψ,ψ′,θ,Δrを算出する(S2)。
【0058】
次いで、カメラ110によって撮影されたカメラ視点Cの画像P0(図5)が、A/D変換器150によりデジタル化された上で、画像処理部130のカメラ画像バッファ132に取り込まれる(S3)。
【0059】
カメラ画像バッファ132の画像P0は車体変形装置134と周囲変形装置133とに入力され、車体変形装置134と周囲変形装置133とは、回動角度θに応じてCPU131により設定された分割境界線L(図6,7)にしたがい、画像P0を、車両200の画像部分P2と車両200以外の画像部分P1とに分割する(S4)。
【0060】
車体変形装置134は、CPU131により設定されたパラメータφ,ψ,θ,Δrにしたがって、車両200の画像部分P2を運転者視点Dの画像P4に視点変換処理(図9(a)→(b))し(S5)、周囲変形装置133は、CPU131により設定されたパラメータφ′,ψ′,θ,Δrにしたがって、車両200以外の画像部分P1を運転者視点Dの画像P3に視点変換処理(図8(a)→(b))する(S6)。
【0061】
次に、合成器135が、車体変形装置134により得られた運転車視点Dの画像P4と周囲変形装置133により得られた運転車視点Dの画像P3とを合成して合成画像P5(図10)を生成する(S7)。
【0062】
そして、得られた合成画像P5は、画像処理部130の合成器135から出力されてD/A変換器160に入力され、アナログ信号に変換された上で、運転者の視認用として運転者に向けて車室内に設置されたモニタ140に入力され、合成画像P5は可視画像として視認可能にモニタ140に表示される(S8)。
【0063】
以上のように、本実施形態に係る車両周囲監視装置100によれば、カメラ110が、光軸以外の1軸回り(車幅方向に沿った軸回り)に回動可能に設置されているため、すなわち少なくとも前方と後方に向けた首振りが可能であるため、単一のカメラ110でありながら、前方側の画像も後方側の画像も得ることができ、車両の前後(車長)方向の広い範囲で利用が可能で、新たにカメラ等の装置を追加する必要がない。
【0064】
また、画像処理部130は、カメラ視点Cの画像P0のうち、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とで相異なる処理条件による視点変換処理で、それぞれ運転者視点Dの画像P3,P4を得るため、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とに対して、両者ともに最適な視点変換処理を施すことができる。
【0065】
そして、そのような最適な視点変換処理がなされた画像をモニタ140に表示させることにより、運転者に対して、車両200と車両以外の障害物等物体との位置関係を適正に判断させることができる。
【0066】
また、運転者の瞬時の判断を容易にすることもできる。
【0067】
さらに、車両200以外の画像P3に合成する車両200の画像P4を、従来のようにメモリに予め記憶された固定の画像を用いるのではなく、当該車両200以外の画像部分P1を含むカメラ視点Cの元の画像P0に含まれている車両200の画像部分P2を用いるため、画像処理部130を簡素化することができる。
【0068】
本実施形態の車両周囲監視装置100によれば、画像処理部30は、カメラ視点Cの画像P0を、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とに分割する分割部31と、分割部31により分割して得られた車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2とに対して、相異なる処理条件によりそれぞれ運転者視点の画像P3,P4に変換処理する視点変換処理部32と、視点変換処理部32より得られた2つの画像部分P1,P2にそれぞれ対応した2つの運転者視点Dの画像P3,P4を単一の運転者視点Dの画像P5に合成する合成部33とを備え、分割部31は、車載サイドカメラ10の回動角度θに応じて、車両200以外の画像部分P1と車両200の画像部分P2との分割境界線Lを、変動させるため、カメラ10の光軸が、鉛直面内で回動するもの(回動しても、分割境界線Lが不変)に限定されず、鉛直面から傾いた面内で回動するように設定されたカメラ(回動すると、分割境界線Lが変動)にも、本発明を適用することができる。
【0069】
また、本実施形態の車両周囲監視装置100(図11)によれば、合成部33は、2つの運転者視点Dの画像P3,P4のうち、車両200の画像部分P2に対応した画像P4を、車両200以外の画像部分P1に対応した画像P3よりも、重み付けを小さくして合成処理する(図11)ため、車両200の画像P4によって、車両200の周囲の画像P3が不明瞭になるのを防止することができるとともに、車両200(画像P4)と障害物等物体(画像P3)との距離感の把握機能を確保することができる。
【0070】
一方、本実施形態の車両周囲監視装置100(図10)によれば、合成部33は、2つの運転者視点Dの画像P3,P4のうち、車両200の画像部分P2に対応した画像P4を、その輪郭線Kに変換して合成処理する(図10)ため、車両200の画像P4によって、車両200の周囲の画像P3が不明瞭になるのを防止することができるとともに、車両200(画像P4)と障害物等物体(画像P3)との距離感の把握機能を確保することができる。
【0071】
また、本実施形態の車両周囲監視装置100によれば、車載サイドカメラ10の回動角度θを検出する角度センサ20を備え、画像処理部30は、角度センサ20により得られた回動角度θに応じて、各視点変換処理や分割処理の処理条件を設定するため、常に、サイドカメラ10の回動角度θに応じた適切な処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両周辺監視装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した車両周囲監視装置を、より具体的な構成に展開したブロック図である。
【図3】カメラの設置状態を示す、(a)側面模式図、(b)平面模式図である。
【図4】カメラの回動角度を示す側面模式図である。
【図5】カメラ視点の画像の一例を示す図である。
【図6】車両以外の画像部分と車両の画像部分とに分割した様子を示す図である。
【図7】カメラの回動角度に応じた分割境界線の変動を示す図である。
【図8】(a)は車両以外の画像部分、(b)は(a)に示した画像部分を運転者視点に変換処理した後の画像、をそれぞれ表す。
【図9】(a)は車両の画像部分、(b)は(a)に示した画像部分を運転者視点に変換処理した後の画像、をそれぞれ表す。
【図10】合成画像の一例を示す図である。
【図11】合成画像の他の例を示す図である。
【図12】図2に示した車両周囲監視装置の処理手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
10 車載サイドカメラ
20 角度センサ
30 画像処理部
31 分割部
32 視点変換部
33 合成部
40 表示部
100 車両周囲監装置
200 車両
C カメラ視点
D 運転者視点
θ サイドカメラの回動角度
P0 カメラ視点の画像
P1 カメラ視点の車両以外(周囲)の画像
P2 カメラ視点の車両(車体)の画像
P3 運転者視点の車両以外(周囲)の画像
P4 運転者視点の車両(車体)の画像
P5 運転者視点の合成画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の助手席側のサイドミラーまたはその近傍に設置された車載サイドカメラと、
前記車載サイドカメラで撮影して得られたカメラ視点の画像に対して、運転者の視点から見たと仮定した場合の運転者視点の画像に変換する画像処理部と、
前記車両の車室内に設置され、前記画像処理部により得られた前記運転者視点の画像を表示する表示部とを備え、
前記車載サイドカメラは、その光軸以外の少なくとも1軸回りに回動可能に設置され、
前記画像処理部は、前記カメラ視点の画像のうち、前記車両以外の画像部分と前記車両の画像部分とで相異なる処理条件による変換処理で前記運転者視点の画像を得るとともに、前記2つの画像部分にそれぞれ対応した各前記処理条件は、前記車載サイドカメラの回動角度に応じて変化されることを特徴とする車両周辺監視装置。
【請求項2】
前記画像処理部は、前記カメラ視点の画像を、前記車両以外の画像部分と前記車両の画像部分とに分割する分割部と、前記分割部により分割して得られた前記車両以外の画像部分と前記車両の画像部分とに対して、前記相異なる処理条件によりそれぞれ前記運転者視点の画像に変換処理する視点変換処理部と、前記視点変換処理部より得られた前記2つの画像部分にそれぞれ対応した2つの前記運転者視点の画像を単一の運転者視点の画像に合成する合成部とを備え、
前記分割部は、前記車載サイドカメラの回動角度に応じて、前記車両以外の画像部分と前記車両の画像部分との分割境界線を、変動させることを特徴とする請求項1に記載の車両周囲監視装置。
【請求項3】
前記合成部は、前記2つの運転者視点の画像のうち、前記車両の画像部分に対応した画像を、前記車両以外の画像部分に対応した画像よりも、重み付けを小さくして合成処理することを特徴とする請求項2に記載の車両周囲監視装置。
【請求項4】
前記合成部は、前記2つの運転者視点の画像のうち、前記車両の画像部分に対応した画像を、その輪郭線に変換して、合成処理することを特徴とする請求項2に記載の車両周囲監視装置。
【請求項5】
前記車載サイドカメラの回動角度を検出する角度センサを備え、
前記画像処理部は、前記角度センサにより得られた前記回動角度に応じて、前記各処理条件を設定することを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載の車両周囲監視装置。
【請求項1】
車両の助手席側のサイドミラーまたはその近傍に設置された車載サイドカメラと、
前記車載サイドカメラで撮影して得られたカメラ視点の画像に対して、運転者の視点から見たと仮定した場合の運転者視点の画像に変換する画像処理部と、
前記車両の車室内に設置され、前記画像処理部により得られた前記運転者視点の画像を表示する表示部とを備え、
前記車載サイドカメラは、その光軸以外の少なくとも1軸回りに回動可能に設置され、
前記画像処理部は、前記カメラ視点の画像のうち、前記車両以外の画像部分と前記車両の画像部分とで相異なる処理条件による変換処理で前記運転者視点の画像を得るとともに、前記2つの画像部分にそれぞれ対応した各前記処理条件は、前記車載サイドカメラの回動角度に応じて変化されることを特徴とする車両周辺監視装置。
【請求項2】
前記画像処理部は、前記カメラ視点の画像を、前記車両以外の画像部分と前記車両の画像部分とに分割する分割部と、前記分割部により分割して得られた前記車両以外の画像部分と前記車両の画像部分とに対して、前記相異なる処理条件によりそれぞれ前記運転者視点の画像に変換処理する視点変換処理部と、前記視点変換処理部より得られた前記2つの画像部分にそれぞれ対応した2つの前記運転者視点の画像を単一の運転者視点の画像に合成する合成部とを備え、
前記分割部は、前記車載サイドカメラの回動角度に応じて、前記車両以外の画像部分と前記車両の画像部分との分割境界線を、変動させることを特徴とする請求項1に記載の車両周囲監視装置。
【請求項3】
前記合成部は、前記2つの運転者視点の画像のうち、前記車両の画像部分に対応した画像を、前記車両以外の画像部分に対応した画像よりも、重み付けを小さくして合成処理することを特徴とする請求項2に記載の車両周囲監視装置。
【請求項4】
前記合成部は、前記2つの運転者視点の画像のうち、前記車両の画像部分に対応した画像を、その輪郭線に変換して、合成処理することを特徴とする請求項2に記載の車両周囲監視装置。
【請求項5】
前記車載サイドカメラの回動角度を検出する角度センサを備え、
前記画像処理部は、前記角度センサにより得られた前記回動角度に応じて、前記各処理条件を設定することを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載の車両周囲監視装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−85691(P2008−85691A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263764(P2006−263764)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
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