説明

車両周辺確認システム

【課題】ディスプレイに表示される自車周辺の画像のいびつな形状を解消することにより、ユーザに与える違和感を軽減し、ユーザに対し誤解を招かない車両周辺映像を与えることが可能な車両周辺確認システムを提供する。
【解決手段】一又は複数のカメラ2を通して、映像内の像の大きさが非特定領域よりも大きく、且つ該非特定領域に挟まれる特定領域の映像を取得する第1映像取得部31と、一又は複数のカメラ2を通して、映像内の像の大きさが特定領域よりも小さく、且つ該特定領域を挟む前記非特定領域の映像を取得する第2映像取得部32と、第1映像取得部31によって取得された非特定領域を基準として、第2映像取得部32によって取得された特定領域の映像の大きさを調整する映像調整部8と、映像調整部8によって調整された映像を表示する映像表示部9と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両周辺確認システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車に配置されたカメラから得た画像を車両上方から見下ろしたような映像で表示することで、見通しの悪い交差点などで発生する死角を減らし、状況に応じた視界をドライバーに提供することが可能な技術が開発されている(非特許文献1及び2を参照)。また、カメラから得た画像の歪みを補正する技術も開示されている(特許文献1及び2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−159186号公報
【特許文献2】特開2005−051620号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“アラウンドビューモニター”、〔online〕、日産自動車株式会社グローバルサイト、〔平成21年11月24日検索〕、インターネット<URL: http://www.nissan-global.com/JP/TECHNOLOGY/INTRODUCTION/DETAILS/AVM/>
【非特許文献2】“ODYSSEY”、〔online〕、Hondaホームページ(本田技研工業株式会社)、〔平成21年11月24日検索〕、インターネット<URL: http://www.honda.co.jp/ODYSSEY/multiview/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1は、従来の車両周辺確認システム1において、カメラの配置を示す概略上面図である。図2は、従来の車両周辺確認システム1を用いた際の、車の左右サイドがディスプレイに表示されたときの合成画像である。従来の車両周辺確認システム1は、図1に示すように、フロント、リア、左ドアミラー、及び右ドアミラー下に配置した4個のカメラで撮影した映像をお碗型に貼り付けて、車両周辺の合成画像をディスプレイに表示している。4個のカメラは、広範囲で撮影することが可能な魚眼カメラが用いられるため、図2に示すように、カメラに近い物は極端に大きく表示され、カメラから遠い物は小さく表示される。その結果、自車周辺をすれ違う車両、歩行者、及び風景等が、極端に大きくなったり、小さくなったりと、いびつな形状でディスプレイに表示され、ユーザに違和感を与える。
【0006】
そこで、本発明では、上記した問題に鑑み、ディスプレイに表示される自車周辺の画像のいびつな形状を解消することにより、ユーザに与える違和感を軽減し、ユーザに対し誤解を招かない車両周辺映像を与えることが可能な車両周辺確認システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するために、映像が歪む特定の領域である特定領域を、非特定領域を基準として大きさを調整する点を工夫した。これにより、ユーザに与える違和感を軽減し、ユーザに対し誤解を招かない車両周辺映像を与えることが可能である。
【0008】
詳細には、本発明に係る車両周辺確認システムは、車両に設けられた一又は複数のカメ
ラを通して車両の周辺を映像により確認する車両周辺確認システムであって、前記一又は複数のカメラを通して、映像内の像の大きさが非特定領域よりも大きく、且つ該非特定領域に挟まれる特定領域の映像を取得する第1映像取得部と、前記一又は複数のカメラを通して、映像内の像の大きさが前記特定領域よりも小さく、且つ該特定領域を挟む前記非特定領域の映像を取得する第2映像取得部と、前記第1映像取得部によって取得された前記非特定領域を基準として、前記第2映像取得部によって取得された前記特定領域の映像の大きさを調整する映像調整部と、前記映像調整部によって調整された映像を表示する映像表示部と、を備える。
【0009】
本発明に係る車両周辺確認システムは、第1映像取得部と、第2映像取得部と、映像調整部と、映像表示部とを備える。第1映像取得部は、一又は複数のカメラを通じて、特定領域の映像を取得する。第2映像取得部は、一又は複数のカメラを通じて、非特定領域の映像を取得する。尚、特定領域は、映像内の像の大きさが非特定領域よりも大きく、非特定領域に挟まれる領域のことであり、例えば、魚眼カメラによって車両の周辺の映像を取得した際に、像が大きくなるカメラから近い領域のことである。また、非特定領域は、映像内の像の大きさが特定領域よりも小さく、特定領域を挟む領域のことであり、例えば、魚眼カメラによって車両周辺の映像を取得した際に、像が小さくなるカメラから遠い領域のことである。映像調整部は、非特定領域を基準として特定領域の大きさを調整することにより、映像の歪みを解消することが可能である。その結果、本発明に係る車両周辺確認システムは、ユーザに与える違和感を軽減し、ユーザに対し誤解を与えない車両周辺映像を与えることが可能である。
【0010】
ここで、本発明に係る車両周辺確認システムは、前記第1映像取得部によって取得した前記特定領域と、前記第2映像取得部によって取得した前記非特定領域の内、該特定領域を挟む一方の非特定領域と他方の非特定領域との映像から、車に対する障害物の映像を抽出した際に、各々の領域における各々の障害物の映像の高さを算出する障害物高さ算出部と、前記障害物高さ算出部によって算出された、前記一方の非特定領域と、前記他方の非特定領域との障害物の映像の高さの平均を算出する障害物高さ平均算出部と、前記特定領域と、前記一方の非特領域と、前記他方の非特定領域との映像から、各々の領域における各々の前記障害物の背景の映像の高さを算出する背景高さ算出部と、前記背景高さ算出部によって取得された、前記一方の非特定領域と、前記他方の非特定領域との背景の映像の高さの平均を算出する背景高さ平均算出部と、を更に備え、前記映像調整部は、前記障害物高さ平均算出部によって算出された障害物の映像の平均の高さが、前記特定領域の障害物の映像の高さよりも低い際は、該障害物高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、該特定領域の障害物の映像の大きさを調整し、前記背景高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、該特定領域の背景の映像の大きさを調整してもよい。
【0011】
先ず、障害物高さ算出部が、特定領域と、一方の非特定領域と、他方の非特定領域とにおいて障害物の映像の高さを算出する場合について説明する。本発明に係る車両周辺確認システムは、障害物高さ算出部と、障害物高さ平均算出部と、背景高さ算出部と、背景高さ平均算出部とを更に備える。尚、障害物とは、道路を歩く人、自転車、動物等であり、背景とは、木、家、道路等である。障害物高さ算出部は、特定領域と、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との各々の領域における各々の障害物の映像の高さを算出する。障害物高さ平均算出部は、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との障害物の映像の高さの平均を算出する。背景高さ算出部は、特定領域と、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との各々の領域における各々の背景の映像の高さを算出する。背景高さ平均算出部は、背景高さ算出部によって算出された、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との背景の映像の高さの平均を算出する。障害物高さ平均算出部によって算出された障害物の映像の高さの平均が、特定領域の障害物の映像の高さよりも低い際は、車両周辺確認システム
は、映像のバランスが悪く、ユーザに違和感を与える状態である。従って、映像調整部は、障害物高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、特定領域の障害物の映像の大きさを調整し、背景高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、特定領域の背景の映像の大きさを調整することにより、映像表示部に表示される映像の歪みを解消することが可能である。以上により、本発明に係る車両周辺確認システムは、ユーザに与える違和感を軽減し、ユーザに対し誤解を与えない車両周辺映像を与えることが可能である。
【0012】
次に、障害物高さ算出部が、特定領域と、一方の非特定領域と他方の非特定領域とのどちらか一方の非特定領域とにおいて障害物の映像の高さを算出する場合について説明する。障害物高さ算出部によって算出された一方の非特定領域若しくは他方の非特定領域の障害物の映像の高さの平均が、特定領域の障害物の映像の高さよりも低い際は、車両周辺確認システムは、映像のバランスが悪く、ユーザに違和感を与える状態である。従って、本発明に係る車両周辺確認システムは、映像調整部が、障害物高さ算出部によって算出された一方の非特定領域若しくは他方の非特定領域の障害物の高さに基づいて、特定領域の障害物の映像の大きさを調整し、背景高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、特定領域の背景の映像の大きさを調整することにより、映像表示部に表示される映像の歪みを解消することが可能である。
【0013】
次に、障害物高さ算出部が、特定領域において障害物の映像を抽出し、一方の非特定領域と他方の非特定領域において障害物の映像を抽出していない際に、特定領域における障害物の映像の高さを算出する場合について説明する。背景高さ算出部によって算出された平均の高さが、背景高さ算出部によって算出された特定領域における背景の高さよりも低い際は、車両周辺確認システムは、映像のバランスが悪く、ユーザに違和感を与える状態である。従って、本発明に係る車両周辺確認システムは、映像調整部が、背景高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、特定領域の障害物の映像の大きさと、特定領域の背景の映像の大きさを調整することにより、映像表示部に表示される映像の歪みを解消することが可能である。
【0014】
また、障害物高さ算出部が、特定領域と、一方の非特定領域と、他方の非特定領域とにおいて障害物の映像の高さを算出する場合において、障害物高さ平均算出部と、背景高さ平均算出部のパラメータが異なる場合について説明する。障害物高さ平均算出部は、特定領域と、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との障害物の映像の高さの平均を算出する。また、背景高さ平均算出部は、背景映像取得部によって取得された、特定領域と、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との背景の映像の高さの平均を算出する。障害物高さ平均算出部によって算出された障害物の映像の高さの平均が、特定領域の障害物の映像の高さよりも低い際は、車両周辺確認システムは、映像のバランスが悪く、ユーザに違和感を与える状態である。従って、本発明に係る車両周辺確認システムは、映像調整部が、障害物高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、特定領域の障害物の映像の大きさを調整し、背景高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、特定領域の背景の映像の大きさを調整することにより、映像表示部に表示される映像の歪みを解消することが可能である。
【0015】
次に、障害物高さ算出部が、特定領域と、一方の非特定領域と他方の非特定領域とのどちらか一方の非特定領域の障害物の映像の高さを算出する場合において、障害物高さ平均算出部と、背景高さ平均算出部のパラメータが異なる場合について説明する。障害物高さ平均算出部は、特定領域と、一方の非特定領域と他方の非特定領域とのどちらか一方の非特定領域の障害物の映像の高さの平均を算出する。背景高さ平均算出部は、背景映像取得部によって取得された、特定領域と、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との背景の映像の高さの平均を算出する。障害物高さ平均算出部によって算出された障害物の映像の
高さの平均が、特定領域の障害物の映像の高さよりも低い際は、車両周辺確認システムは、映像のバランスが悪く、ユーザに違和感を与える状態である。従って、本発明に係る車両周辺確認システムは、映像調整部が、障害物高さ算出部によって算出された一方の非特定領域若しくは他方の非特定領域の障害物の高さに基づいて、特定領域の障害物の映像の大きさを調整し、背景高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、特定領域の背景の映像の大きさを調整することにより、映像表示部に表示される映像の歪みを解消することが可能である。
【0016】
次に、障害物高さ算出部が、特定領域において障害物の映像を抽出し、一方の非特定領域と他方の非特定領域において障害物の映像を抽出していない際に、特定領域における障害物の映像の高さを算出する場合において、背景高さ平均算出部のパラメータが異なる場合ついて説明する。背景高さ平均算出部は、背景映像取得部によって取得された、特定領域と、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との背景の映像の高さの平均を算出する。背景高さ算出部によって算出された背景の映像の平均の高さが、背景高さ算出部によって算出された特定領域における背景の高さよりも低い際は、車両周辺確認システムは、映像のバランスが悪く、ユーザに違和感を与える状態である。従って、本発明に係る車両周辺確認システムは、映像調整部が、背景高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、特定領域の障害物の映像の大きさと、特定領域の背景の映像の大きさを調整することにより、映像表示部に表示される映像の歪みを解消することが可能である。
【0017】
また、本発明に係る車両周辺確認システムは、前記複数のカメラは、複数の映像を合成することによって360度の角度で車両の周辺の映像を撮像し、前記非特定領域は、前記複数の映像が重ね合わさった重合領域であり、前記映像調整部は、前記重合領域を基準として、前記特定領域の大きさを調整してもよい。
【0018】
映像取得部が、複数の映像を合成することによって360度の角度で車両の周辺の映像を取得することにより、ユーザがルームミラーやサイドミラー等で見ることのできない車の前方、測方、後方の死角の映像を取得することが可能である。また、映像調整部が、複数の映像が重ね合わさった重合領域を基準として、特定領域の大きさを調整することにより、車両の周辺の障害物や背景の映像の大きさを360度の角度でバランス良く調整することが可能である。
【0019】
ここで、本発明に係る車両周辺確認システムは、車両に設けられた一又は複数のカメラを通して車両の周辺を映像により確認する車両周辺確認システムであって、前記一又は複数のカメラで撮像された湾曲された複数の映像を取得する映像取得部と、前記映像取得部によって取得された湾曲された複数の映像を、平坦な映像に補正する映像補正部と、前記映像補正部によって補正された複数の映像に含まれる特定の像の大きさを調整する映像調整部と、前記映像調整部によって調整された複数の映像を一つの映像に合成する映像合成部と、前記映像合成部によって合成された映像を表示する映像表示部と、を備える。
【0020】
本発明に係る車両周辺確認システムは、映像取得部と、映像補正部と、映像調整部と、映像合成部と、映像表示部とを備える。映像取得部は、一又は複数のカメラで撮像された湾曲された複数の映像を取得する。映像補正部は、映像取得部によって取得された湾曲された複数の映像を、平坦な映像に補正する。映像調整部は、映像補正部によって補正された複数の映像に含まれる特定の像の大きさを調整することにより、映像の歪みを解消することが可能である。映像合成部は、映像調整部によって調整された複数の映像を一つの映像に合成し、映像表示部は、映像合成部によって合成された映像を表示することにより、車両の周辺の映像を分かりやすくユーザに与えることが可能である。以上により、本発明に係る車両周辺確認システムは、ユーザに与える違和感を軽減し、ユーザに対し誤解を与えない車両周辺映像を与えることが可能である。
【0021】
また、本発明に係る車両周辺確認システムは、前記特定の像は、車に対する障害物の映像であり、前記映像補正部によって補正された複数の映像の内、障害物の映像の高さを算出する障害物高さ算出部と、前記障害物高さ算出部によって算出された障害物の映像の高さの内、複数の映像が重ね合わさる領域である重合領域における、障害物の映像の高さの平均を算出する第1障害物高さ平均算出部と、を更に備え、前記映像調整部は、前記第1障害物高さ平均算出部によって算出された障害物の映像の平均の高さに基づいて、前記重合領域の障害物の映像の大きさを調整してもよい。
【0022】
映像調整部は、第1障害物高さ平均算出部によって算出された障害物の映像の平均の高さに基づいて、重合領域の障害物の映像の大きさを調整することにより、障害物の映像の歪みを解消することが可能である。尚、障害物の背景の映像は、映像補正部によって湾曲された映像を平坦な映像に補正することによって、ユーザに与える違和感を軽減することが可能であるため、背景の映像の大きさを調整する必要がない。
【0023】
更に、本発明に係る車両周辺確認システムは、前記障害物高さ算出部によって算出された障害物の映像の高さの内、複数の映像が重ね合わさらない領域である非重合領域における障害物の映像の高さと、前記第1障害物高さ平均算出部によって算出された前記重合領域における障害物の映像の平均によって、障害物の映像の高さの平均を算出する第2障害物高さ平均算出部と、を更に備え、前記映像調整部は、前記第2障害物高さ平均算出部によって算出された障害物の映像の高さの平均に基づいて、前記非重合領域における障害物の映像の大きさを調整してもよい。
【0024】
映像調整部は、第2障害物高さ平均算出部によって算出された障害物の映像の平均の高さに基づいて、非重合領域における障害物の映像の大きさを調整することにより、映像表示部に表示される映像の大きさがバランスよくなり、ユーザに与える違和感を軽減し、ユーザに対し誤解を与えない車両周辺映像を与えることが可能である。
【0025】
また、本発明に係る車両周辺確認システムは、前記映像取得部が故障した際、前記映像合成部は映像を合成せず、前記映像表示部は、ユーザに対し車周辺の目視確認を促す表示してもよい。
【0026】
映像取得部の故障により、実際は車の周辺に障害物があるにもかかわらず、障害物映像取得部が障害物の映像を取得できない場合、映像合成部が映像取得部によって取得された映像を合成すると、合成画像に障害物が映し出されないことになる。これは、ユーザに誤った映像を与えてしまうことになり、車の安全性上、問題である。そこで、映像取得部が故障した際に、映像合成部が映像を合成せず、映像表示部がユーザに対し車周辺の目視確認を促す表示をすることにより、ユーザに誤った映像を与えることがない。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、ディスプレイに表示される自車周辺の画像のいびつな形状を解消することにより、ユーザに与える違和感を軽減し、ユーザに対し誤解を招かない車両周辺映像を与えることが可能な車両周辺確認システムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】従来の車両周辺確認システムにおいて、カメラの配置を示す概略上面図である。
【図2】従来の車両周辺確認システムを用いた際の、車の左右サイドがディスプレイに表示されたときの合成画像である。
【図3】本発明の実施例1に係る車両周辺確認システムの機能ブロック図を示す。
【図4】本発明の実施例1に係る車両周辺確認システムによって表示される、車両周辺の映像を示す概略図である。
【図5】本発明の実施例1に係る車両周辺確認システムの制御フロー図である。
【図6】本発明の実施例1に係る車両周辺確認システムにおいて、特定領域である領域Pと、一方の非特定領域である領域AAと、他方の非特定領域である領域CCにおける映像を示す概略図である。
【図7】本発明の実施例1に係る車両周辺確認システムにおいて、映像表示部によって表示される車両周辺の映像を示す概略図である。
【図8】本発明の変形例1に係る車両周辺確認システムにおいて、特定領域である領域Pと、一方の非特定領域である領域AAにおいて障害物の映像を抽出した場合の映像を示す概略図である。
【図9】本発明の変形例2に係る車両周辺確認システムにおいて、特定領域である領域Pにおいて障害物の映像を抽出した場合の映像を示す概略図である。
【図10】本発明の実施例2に係る車両周辺確認システムの機能ブロック図を示す。
【図11】本発明の実施例2に係る車両周辺確認システムの制御フロー図である。
【図12】本発明の実施例2に係る車両周辺確認システムにおいて、映像処理の過程を示す概略図である。
【図13】本発明の実施例2に係る車両周辺確認システムにおいて、重合領域と非重合領域を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで、本発明の実施例に係る車両周辺確認システム1の実施の形態について図面に基づいて説明する。以下に示す実施例は例示であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0030】
本発明の実施例1に係る車両周辺確認システム1の各構造について説明する。図3は、本発明の実施例1に係る車両周辺確認システム1の機能ブロック図を示す。図4は、本発明の実施例1に係る車両周辺確認システム1において、区分された領域を示す概略図である。本発明の実施例1に係る車両周辺確認システム1の各構成について具体的に説明する。本発明の実施例1に係る車両周辺確認システム1は、図3に示すように、映像取得部3、障害物高さ算出部4、障害物高さ平均算出部5、背景高さ算出部6、背景高さ平均算出部7、映像調整部8、及び映像表示部9を主な構成とする。以下、各構成について具体的に説明する。
【0031】
先ず、映像取得部3について説明する。映像取得部3は、第1映像取得部31と第2映像取得部32とを有する。第1映像取得部31は、カメラ2を通して、特定領域の映像を取得する。第2映像取得部32は、カメラ2を通して、非特定領域の映像を取得する。尚、本発明の実施例1に係る車両周辺確認システム1では、カメラ2は、図1に示すように、車両の前方向の映像を撮影するフロントカメラ21、車両の後方向の映像を撮影するリアカメラ22、車両の側面右方向の映像を撮影する右サイドカメラ23、及び車両の側面左方向の映像を撮影する左サイドカメラ24の4つのカメラを有するが、これらのカメラの数及び撮影位置は限定されない。また、本発明の実施例1に係る車両周辺確認システム1では、4つのカメラは、複数の映像を合成することによって360度の角度で車両の周辺の映像を撮像することが可能であり、ユーザがルームミラーやサイドミラー等で見ることのできない車の前方、測方、後方の死角の映像を取得することが可能である。また、4つのカメラは、魚眼カメラを用いるものとする。
【0032】
特定領域とは、映像内の像の大きさが非特定領域よりも大きく、非特定領域に挟まれる領域のことであり、カメラ2に近い領域のことである。また、非特定領域とは、映像内の
像の大きさが特定領域よりも小さく、且つ、特定領域を挟む領域のことであり、カメラ2に遠い領域のことである。具体的に説明すると、図4に示すように、特定領域は、フロントカメラ21に近い領域O、左サイドカメラ24に近い領域P、右サイドカメラ23に近い領域Q、及びリアカメラ22に近い領域Rである。一方、非特定領域は、領域AA、領域BB、領域CC、及び領域DDである。尚、領域AA、領域O、及び領域BBは、フロントカメラ21によって撮影される。領域BB、領域Q、及び領域DDは、右サイドカメラ23によって撮影される。領域DD、領域R、領域CCは、リアカメラ22によって撮影される。領域CC、領域P、領域AAは、左サイドカメラ24によって撮影される。以上により、非特定領域は、複数の映像が重ね合わさった重合領域でもある。
【0033】
障害物高さ算出部4について説明する。障害物高さ算出部4は、第1映像取得部31によって取得した特定領域と、第2映像取得部32によって取得した非特定領域の内、特定領域を挟む一方の非特定領域と他方の非特定領域との映像から、車に対する障害物の映像を抽出した際に、各々の領域における各々の障害物の高さを算出する。尚、障害物とは、例えば、道路を歩く人、自動車、動物等である。
【0034】
障害物高さ平均算出部5について説明する。障害物高さ平均算出部5は、障害物高さ算出部4によって算出された、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との障害物の映像の高さの平均を算出する。尚、障害物高さ平均算出部5は、特定領域と、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との障害物の映像の高さの平均を算出してもよいが、詳しくは後述する。
【0035】
背景高さ算出部6について説明する。背景高さ算出部6は、特定領域と、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との映像から、各々の領域における各々の障害物の背景の映像の高さを算出する。尚、背景とは、例えば、木、家、道路等である。
【0036】
背景高さ平均算出部7について説明する。背景高さ平均算出部7は、背景高さ算出部6によって算出された、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との背景の映像の高さの平均を算出する。尚、背景高さ平均算出部7は、特定領域と、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との背景の映像の高さの平均を算出してもよいが、詳しくは後述する。
【0037】
映像調整部8について説明する。映像調整部8は、第1映像取得部31によって取得された非特定領域を基準として、第2映像取得部32によって取得された特定領域の映像の大きさを調整する。具体的に説明すると、映像調整部8は、障害物高さ平均算出部5によって算出された障害物の映像の平均の高さが、特定領域の障害物の映像の高さよりも低い際は、障害物高さ平均算出部5によって算出された平均の高さに基づいて、特定領域の障害物の映像の大きさを調整し、背景高さ平均算出部7によって算出された平均の高さに基づいて、特定領域の大きさを調整する。
【0038】
映像表示部9について説明する。映像表示部9は、映像調整部8によって調整された映像をディスプレイ10に表示する。ディスプレイ10は、例えば、カーナビゲーションシステム等に備え付けられるディスプレイでもよい。
【0039】
図5は、本発明の実施例1に係る車両周辺確認システム1の制御フロー図である。図3に示す機能ブロック図を参照しながら、本発明の実施例1に係る車両周辺確認システム1について具体的に説明する。尚、左サイドカメラ24によって撮影される領域であって、特定領域を領域P、一方の非特定領域を領域AA、他方の非特定領域を領域CCとして説明するが、これらの領域に限定されない。
【0040】
ステップS01では、第1映像取得部31によって、カメラ2を通して特定領域の映像
を取得し、第2映像取得部32によって、カメラ2を通して非特定領域の映像を取得する。図6は、特定領域である領域Pと、一方の非特定領域である領域AAと、他方の非特定領域である領域CCにおける映像を示す概略図である。具体的に説明すると、第1映像取得部31は、特定領域である領域Pの映像を取得する。また、第2映像取得部32は、一方の非特定領域である領域AAと、他方の非特定領域である領域CCの非特定領域の映像を取得する。特定領域及び非特定領域の映像を取得すると、ステップS02へ進む。
【0041】
ステップS02では、障害物高さ算出部4によって障害物の高さを算出する。本発明の実施例1に係る車両周辺確認システム1における障害物高さ算出部4は、図6に示すように、特定領域である領域Pと、一方の非特定領域である領域AAと、他方の非特定領域である領域CCの障害物の映像の高さを算出する。尚、本発明の実施例1では、球を追いかける人を障害物とする。また、図6に示すように、領域Pの障害物の高さを[2]、領域AAの障害物の高さを[1]、領域CCの障害物の高さを[3]とする。障害物の高さを算出すると、ステップS03へ進む。
【0042】
ステップS03では、障害物高さ平均算出部5によって障害物の高さの平均を算出する。障害物高さ平均算出部5は、図6に示すように、一方の非特定領域である領域AAと、他方の非特定領域である領域CCの障害物の映像の高さの平均を算出する。尚、障害物高さ平均算出部5は、平均値を算出するパラメータとして、特定領域である領域Pの障害物の高さを用いない。具体的に説明すると、領域AAの障害物の高さが[1]、領域CCの障害物の高さが[3]であるため、[1]と[3]を足し、2で割った値である平均値Xが障害物の映像の高さの平均である。障害物の高さの平均を算出すると、ステップS04へ進む。
【0043】
ステップS04では、背景高さ算出部6によって背景の高さを算出する。背景高さ算出部6は、図6に示すように、特定領域である領域Pと、一方の非特定領域である領域AAと、他方の非特定領域である領域CCの背景の映像の高さを算出する。尚、本発明の実施例1では、球を追いかける人の後景を背景とする。また、図6に示すように、領域Pの障害物の高さを[6]、領域AAの障害物の高さを[5]、領域CCの障害物の高さを[7]とする。背景の高さを算出すると、ステップS05へ進む。
【0044】
ステップS05では、背景高さ平均算出部7によって背景の平均の高さを算出する。背景高さ平均算出部7は、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との背景の映像の高さの平均を算出する。上述したように、背景高さ算出部6によって算出した、一方の非特定領域である領域AAの背景の高さが[5]、他方の非特定領域である領域CCの背景の高さが[7]であるため、背景高さ平均算出部7は、[5]と[7]を足し、2で割った値である平均値Yが、背景の映像の高さの平均である。
【0045】
また、背景高さ平均算出部7は、特定領域と、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との背景の映像の高さの平均を算出してもよい。具体的に説明すると、背景高さ平均算出部7は、特定領域である領域Pと、一方の非特定領域である領域AAと、他方の非特定領域である領域CCの背景の映像の高さの平均を算出してもよい。特定領域である領域Pの背景の高さが[6]、領域AAの背景の高さが[5]、領域CCの背景の高さが[7]であるため、[6]と[5]と[7]を足し、3で割った値である平均値Rが背景の映像の高さの平均である。背景の平均の高さを算出すると、ステップS06へ進む。
【0046】
ステップS06では、映像調整部8によって特定領域の障害物と背景の高さを調整する。先ず、障害物高さ平均算出部5によって算出された障害物の高さの平均が、特定領域の障害物の映像の高さ以上である場合について説明する。この場合は、映像のバランスが悪くない状態であるため、映像調整部8は、特定領域の障害物の映像の大きさを調整しない。具体的に説明すると、障害物高さ平均算出部5によって算出された障害物の高さの平均
である平均値Xが、特定領域である領域Pの障害物の高さ[2]以上である場合は、領域Pの障害物の映像の大きさを調整しない。尚、この場合、映像調整部8は、背景の大きさも調整しない。
【0047】
次に、障害物高さ平均算出部5によって算出された障害物の高さの平均が、特定領域の障害物の映像の高さよりも低い場合について説明する。この場合は、映像のバランスが悪く、ユーザに違和感を与える状態であるため、映像調整部8は、特定領域の障害物の映像の大きさを、障害物高さ平均算出部5によって算出された障害物の高さの平均まで縮小する。具体的に説明すると、障害物高さ平均算出部5によって算出された障害物の高さの平均である平均値Xが、特定領域である領域Pの障害物の高さ[2]よりも低い場合は、領域Pの障害物の映像の大きさを平均値Xまで縮小する。更に、この場合、映像調整部8は、背景高さ平均算出部7によって算出された平均の高さに基づいて、特定領域の背景の映像の大きさを調整する。具体的に説明すると、特定領域である領域Pの背景の大きさを、背景高さ平均算出部7によって算出された背景の高さの平均である平均値Yまで縮小する。映像調整部8によって特定領域の障害物と背景の高さを調整すると、ステップS07へ進む。
【0048】
ステップS07では、映像表示部9によって、映像調整部8によって調整された映像をディスプレイ10に表示する。図7は、本発明の実施例1に係る車両周辺確認システム1において、映像表示部9によって表示される車両周辺の映像を示す概略図である。図7の(a)は、映像表示部9によって、車両周辺の映像が楕円形で表示された図である。図7の(b)は、映像表示部9によって、車両周辺の映像が四角形で表示された図である。映像表示部9は、図7の(a)や図7の(b)に示すように、映像調整部8によって調整された映像を、楕円形若しくは四角形でディスプレイ10に表示するが、他の形状でもよい。
【0049】
また、本発明の実施例1に係る車両周辺確認システム1は、ステップS03において、障害物高さ平均算出部5が、特定領域と、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との障害物の映像の平均の高さを算出してもよい。具体的に説明すると、障害物高さ平均算出部5は、特定領域である領域Pと、一方の非特定領域である領域AAと、他方の非特定領域である領域CCの障害物の映像の高さの平均を算出してもよい。特定領域である領域Pの障害物の高さが[2]、領域AAの障害物の高さが[1]、領域CCの障害物の高さが[3]であるため、[2]と[1]と[3]を足し、3で割った値である平均値Qが障害物の映像の高さの平均である。障害物の高さの平均を算出すると、上述したステップS04へ進む。
【0050】
更に、上述したように、ステップS03において、障害物高さ平均算出部5が、特定領域と、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との障害物の映像の平均の高さを算出した場合の、ステップ06について説明する。ステップS06において、障害物高さ平均算出部5によって算出された障害物の高さの平均である平均値Qが、特定領域である領域Pの障害物の高さ[2]以上である場合は、映像のバランスが悪くないため、映像調整部8は、領域Pの障害物の映像の大きさを調整しない。一方、障害物高さ平均算出部5によって算出された障害物の高さの平均である平均値Qが、特定領域である領域Pの障害物の高さ[
2]よりも低い場合は、映像のバランスが悪く、ユーザに違和感を与える状態であるため
、映像調整部8は、領域Pの障害物の映像の大きさを平均値Qまで縮小する。更に、映像調整部8は、特定領域である領域Pの背景の高さ[6]を、背景高さ平均算出部7によって算出された平均の値である平均値Rまで縮小する。映像調整部8によって特定領域の障害物と背景の高さを調整すると、上述したステップS07へ進む。
【0051】
以上により、本発明の実施例1に係る発明は、映像表示部9に表示される自車周辺の画像のいびつな形状を解消することにより、ユーザに与える違和感を軽減し、ユーザに対し
誤解を招かない車両周辺映像を与えることが可能な車両周辺確認システムを提供することが可能である。
<変形例1>
【0052】
更に、本発明の実施例1に係る車両周辺確認システム1は、変形例1として、障害物高さ算出部4が、特定領域と、一方の非特定領域と他方の非特定領域とのどちらか一方の非特定領域との映像において、障害物の映像を抽出した際に、各々の領域における各々の障害物の映像の高さを算出する場合について説明する。
【0053】
この場合、障害物高さ平均算出部5は、障害物の高さの平均を算出しない。また、映像調整部8は、障害物高さ算出部4によって算出された一方の非特定領域若しくは他方の非特定領域の障害物の映像の高さが、障害物高さ算出部4によって算出された特定領域の障害物の映像の高さ以上の際は、映像のバランスが悪くないため、特定領域の障害物の映像の大きさを調整しない。
【0054】
また、映像調整部8は、障害物高さ算出部4によって算出された一方の非特定領域若しくは他方の非特定領域の障害物の映像の高さが、障害物高さ算出部4によって算出された特定領域の障害物の映像の高さよりも低い際は、映像のバランスが悪く、ユーザに違和感を与える状態であるため、障害物高さ算出部4によって算出された一方の非特定領域若しくは他方の非特定領域の障害物の高さに基づいて、特定領域の障害物の映像の大きさを調整し、背景高さ平均算出部7によって算出された平均の高さに基づいて、特定領域の背景の映像の大きさを調整する。
【0055】
以下、図3及び図5を参照しながら、本発明の変形例1に係る車両周辺確認システム1について具体的に説明する。図8は、特定領域である領域Pと、一方の非特定領域である領域AAにおいて障害物の映像を抽出した場合の映像を示す概略図である。
【0056】
上述したように、ステップS01において、特定領域及び非特定領域の映像を取得すると、ステップS02へ進む。ステップS02において、障害物高さ算出部4によって障害物の高さを算出する。障害物高さ算出部4は、図8に示すように、特定領域である領域Pと、一方の非特定領域である領域AAとの映像において、障害物の映像を抽出した場合に、各々の領域における各々の障害物の映像の高さを算出する。領域Pの障害物の高さを[
2]、領域AAの障害物の高さを[1]とする。尚、特定領域である領域Pと、他方の非特
定領域である領域CCとの映像において、障害物の映像を抽出した場合は、障害物高さ算出部4は、特定領域である領域Pと、他方の非特定領域である領域CCの、各々の領域における各々の障害物の映像の高さを算出してもよい。
【0057】
次に、ステップS03は行わずに、上述したように、ステップS04及びステップS05へ進む。そして、ステップS06において、映像調整部8は、一方の非特定領域である領域AAの障害物の映像の高さ[1]が、特定領域である領域Pの障害物の映像の高さ[2]以上である場合は、特定領域である領域Pの障害物の映像の大きさを調整しない。尚、この場合、映像調整部8は、背景の大きさも調整しない。
【0058】
また、映像調整部8は、一方の非特定領域である領域AAの障害物の映像の高さ[1]が、特定領域である領域Pの障害物の映像の高さ[2]よりも低い場合は、領域Pの障害物の映像の大きさを、領域AAの障害物の映像の高さ[1]まで縮小する。更に、この場合、映像調整部8は、特定領域である領域Pの背景の映像の大きさを、背景高さ平均算出部7によって算出された背景の高さの平均である平均値Yまで縮小する。そして、上述したステップS07へ進む。
【0059】
他に、本発明の変形例1に係る車両周辺確認システム1は、障害物高さ平均算出部5が、特定領域と、一方の非特定領域と他方の非特定領域とのどちらか一方の非特定領域との障害物の映像の高さの平均を算出してもよい。この場合、映像調整部8は、障害物高さ平均算出部5によって算出された障害物の映像の平均の高さが、障害物高さ算出部4によって算出された特定領域の障害物の映像の高さ以上の際は、映像のバランスが悪くないため、特定領域の障害物の映像の大きさを調整しない。
【0060】
また、映像調整部8は、障害物高さ平均算出部5によって算出された障害物の映像の平均の高さが、障害物高さ算出部4によって算出された特定領域の障害物の映像の高さよりも低い際は、映像のバランスが悪く、ユーザに違和感を与える状態であるため、障害物高さ算出部4によって算出された一方の非特定領域若しくは他方の非特定領域の障害物の高さに基づいて、特定領域の障害物の映像の大きさを調整し、背景高さ平均算出部7によって算出された平均の高さに基づいて、特定領域の背景の映像の大きさを調整する。
【0061】
具体的に説明すると、変形例1においてステップS03は行わずにステップS04へ進んだが、ステップS03において、障害物高さ平均算出部5は、特定領域である領域と、一方の非特定領域である領域AAの障害物の映像の高さの平均を算出してもよい。特定領域である領域Pの障害物の高さが[2]、領域AAの障害物の高さが[1]であるため、[2]と[1]を足し、2で割った値である平均値Sが障害物の映像の高さの平均である。
【0062】
そして、ステップS04及びステップS05へ進み、ステップS06において、映像調整部8は、障害物高さ平均算出部5によって算出された障害物の高さの平均である平均値Sが、特定領域である領域Pの障害物の高さ[2]以上である場合は、領域Pの障害物の映像の大きさを調整しない。尚、この場合、映像調整部8は、背景の大きさも調整しない。
【0063】
また、映像調整部8は、障害物高さ平均算出部5によって算出された障害物の高さの平均である平均値Sが、特定領域である領域Pの障害物の高さ[2]よりも低い際は、領域Pの障害物の映像の大きさを平均値Sまで縮小する。更に、映像調整部8は、特定領域である領域Pの背景の映像の大きさを、背景高さ平均算出部7によって算出された背景の高さの平均である平均値Yまで縮小する。映像調整部8によって特定領域の障害物と背景の高さを調整すると、上述したステップS07へ進む。
【0064】
以上により、本発明の変形例1に係る発明は、映像表示部9に表示される自車周辺の画像のいびつな形状を解消することにより、ユーザに与える違和感を軽減し、ユーザに対し誤解を招かない車両周辺映像を与えることが可能な車両周辺確認システムを提供することが可能である。
<変形例2>
【0065】
次に、本発明の実施例1に係る車両周辺確認システム1は、変形例2として、障害物高さ算出部4が、特定領域の映像において障害物の映像を抽出し、一方の非特定領域と他方の非特定領域の映像において障害物の映像を抽出していない際に、特定領域における障害物の映像の高さを算出する場合について説明する。
【0066】
映像調整部8は、背景高さ平均算出部7によって算出された平均の高さが、背景高さ算出部6によって算出された特定領域における背景の映像の高さ以上の場合は、映像のバランスが悪くないため、特定領域の障害物の映像の大きさを調整しない。
【0067】
また、映像調整部8は、背景高さ平均算出部7によって算出された平均の高さが、背景高さ算出部6によって算出された特定領域における背景の映像の高さよりも低い場合は、映像のバランスが悪く、ユーザに違和感を与える状態であるため、背景高さ平均算出部7
によって算出された平均の高さに基づいて、特定領域の障害物の映像の大きさと、特定領域の背景の映像の大きさを調整する。
【0068】
以下、図3及び図5を参照しながら、本発明の変形例2に係る車両周辺確認システム1について具体的に説明する。図9は、特定領域である領域Pにおいて障害物の映像を抽出した場合の映像を示す概略図である。
【0069】
上述したように、ステップS01において、特定領域及び非特定領域の映像を取得すると、ステップS02へ進む。ステップS02において、障害物高さ算出部4が、図9に示すように、特定領域である領域Pの映像において障害物の映像を抽出し、一方の非特定領域である領域AAと、他方の非特定領域である領域CCとにおいて障害物の映像を抽出していない際に、特定領域である領域Pの障害物の映像の高さを算出する。尚、領域Pの障害物の映像の高さ[2]である。
【0070】
次に、ステップS03は行わずに、上述したステップS04及びステップS05へ進む。そして、ステップS06において、映像調整部8は、背景高さ平均算出部7によって算出された平均の高さ平均値Yが、背景高さ算出部6によって算出された特定領域である領域Pの背景の高さ[6]以上である場合は、特定領域である領域Pの障害物の映像の大きさを調整しない。尚、この場合、映像調整部8は、背景の大きさも調整しない。
【0071】
また、映像調整部8は、背景高さ平均算出部7によって算出された平均の高さ平均値Yが、背景高さ算出部6によって算出された特定領域である領域Pの背景の高さ[6]よりも低い場合は、特定領域である領域Pの障害物の映像の大きさと、特定領域である領域Pの背景の大きさを、背景高さ平均算出部7によって算出された平均の高さ平均値Yまで縮小する。映像調整部8によって特定領域の障害物と背景の高さを調整すると、ステップS07へ進む。
【0072】
尚、平均値Yの代わりに、障害物高さ平均算出部5が、特定領域と、一方の非特定領域と、他方の非特定領域との障害物の映像の平均の高さを算出した平均の高さである平均値Qを用いてもよい。
【0073】
以上により、本発明の変形例2に係る発明は、映像表示部9に表示される自車周辺の画像のいびつな形状を解消することにより、ユーザに与える違和感を軽減し、ユーザに対し誤解を招かない車両周辺映像を与えることが可能な車両周辺確認システムを提供することが可能である。
【実施例2】
【0074】
本発明の実施例2に係る車両周辺確認システム1の各構造について説明する。図10は、本発明の実施例2に係る車両周辺確認システム1の機能ブロック図を示す。以下、各構成について具体的に説明する。
【0075】
先ず、映像取得部30について説明する。映像取得部30は、カメラ2で撮像された湾曲された複数の映像を取得する。尚、本発明の実施例2に係る車両周辺確認システム1では、カメラ2は、図1に示すように、車両の前方向の映像を撮影するフロントカメラ21、車両の後方向の映像を撮影するリアカメラ22、車両の側面右方向の映像を撮影する右サイドカメラ23、及び車両の側面左方向の映像を撮影する左サイドカメラ24の4つのカメラを有するが、これらのカメラの数及び撮影位置は限定されない。また、本発明の実施例2に係る車両周辺確認システム1では、カメラ2に魚眼カメラを用いるため、映像が湾曲している。
【0076】
映像補正部40について説明する。映像補正部40は、映像取得部30によって取得された湾曲された複数の映像を、平坦な映像に補正する。尚、映像補正部40によって平坦な映像に補正することにより、障害物の背景の映像の歪みが補正されるため、背景の映像がユーザに与える違和感を軽減することが可能である。
【0077】
障害物高さ算出部50について説明する。障害物高さ算出部50は、映像補正部40によって補正された複数の映像の内、障害物の映像の高さを算出する。
【0078】
第1障害物高さ平均算出部60について説明する。第1障害物高さ平均算出部60は、障害物高さ算出部50によって算出された障害物の映像の高さの内、複数の映像が重ね合わさる領域における、障害物の映像の高さの平均を算出する。
【0079】
第2障害物高さ平均算出部70について説明する。第2障害物高さ平均算出部70は、障害物高さ算出部50によって算出された障害物の映像の高さの内、複数の映像が重ね合わさらない領域である非重合領域における障害物の映像の高さと、第1障害物高さ平均算出部60によって算出された重合領域における障害物の映像の平均によって、障害物の映像の高さの平均を算出する。
【0080】
映像調整部80について説明する。映像調整部80は、第1障害物高さ平均算出部60によって算出された障害物の映像の平均の高さに基づいて、重合領域の障害物の映像の大きさを調整する。また、映像調整部80は、第2障害物高さ平均算出部70によって算出された障害物の映像の高さの平均に基づいて、非重合領域における障害物の映像大きさを調整する。
【0081】
映像合成部90について説明する。映像合成部90は、映像調整部80によって調整された複数の映像を一つの映像に合成する。また、映像合成部90は、映像取得部30が故障した際、映像合成部90は映像を合成しない。
【0082】
映像表示部100について説明する。映像表示部100は、映像合成部90によって合成された映像をディスプレイ10に表示する。また、映像表示部100は、映像取得部30が故障した際、ユーザに対し車周辺の目視確認を促す表示をディスプレイ10に表示する。
【0083】
図11は、本発明の実施例2に係る車両周辺確認システム1の制御フロー図である。図12は、本発明の実施例2に係る車両周辺確認システム1において、映像処理の過程を示す概略図である。図10に示す機能ブロック図を参照しながら、以下具体的に車両周辺確認システム1について説明する。
【0084】
ステップS101では、映像取得部30によって、カメラ2で撮像された湾曲された複数の映像を取得する。具体的に説明すると、映像取得部30は、図12の(a)に示すように、フロントカメラ21、リアカメラ22、右サイドカメラ23、左サイドカメラ24によって撮像された湾曲された複数の映像を取得する。湾曲された複数の映像を取得すると、ステップS102へ進む。
【0085】
ステップS102では、映像補正部40によって、映像取得部30によって取得された映像を平坦な映像に補正する。映像補正部40は、図12の(b)に示すように、映像取得部30によって取得された、フロントカメラ21、リアカメラ22、右サイドカメラ23、左サイドカメラ24によって撮像された湾曲された複数の映像を、平坦な映像に補正する。
【0086】
また、映像補正部40は、以下の式により、湾曲された映像を平坦な映像に補正する。
<湾曲補正計算式:湾曲収差の逆変換式>
Xu=Xd/{1+(k1×r2)+(k2×r4)}・・・(1)
Yu=Yd/{1+(k1×r2)+(k2×r4)}・・・(2)
<歪曲収差の計算式>
Xd={1+(k1×r2)+(k2×r4)}×Xu・・・(3)
Yd={1+(k1×r2)+(k2×r4)}×Yu・・・(4)
{Xu:平面映像のX座標、Yu:平面映像のY座標、Xd:歪曲収差のある映像のX座標、Yd:歪曲収差のある映像のY座標、k1:レンズの歪係数(=−6.25×10-7)、k2:レンズの歪係数(=0)、r:画像中心から(Xu、Yu)までの距離}
湾曲された複数の映像を平坦な映像に補正すると、ステップS103へ進む。
【0087】
ステップS103では、障害物高さ算出部50によって、映像補正部40によって補正された複数の映像の内の障害物の映像の高さを算出する。障害物高さ算出部50は、図12の(b)に示す障害物<1>から<9>の映像の高さを算出する。障害物の映像の高さを算出すると、ステップS104へ進む。
【0088】
ステップS104では、第1障害物高さ平均算出部60及び第2障害物高さ平均算出部70によって、障害物の高さの平均を算出する。第1障害物高さ平均算出部60は、障害物高さ算出部50によって算出された障害物の映像の高さの内、複数の映像が重ね合わさる領域である重合領域における、障害物の映像の高さの平均を算出する。図13は、重合領域と非重合領域を表す概略図である。重合領域は、図13に示すように、同一の障害物である障害物<1>と障害物<7>を有する領域A、同一の障害物である障害物<3>と障害物<4>を有する領域B、同一の障害物である障害物<4>と障害物<8>を有する領域C、同一の障害物である障害物<5>と障害物<6>を有する領域Dである。非重合領域は、重合領域以外の領域である、領域E、領域Fである。
【0089】
第1障害物高さ平均算出部60は、例えば、重合領域である領域Aにおける障害物<1>と障害物<7>の映像の高さの平均を算出する。つまり、第1障害物高さ平均算出部60は、障害物<1>と障害物<7>の障害物の映像の高さを足し、2で割った値である平均値aを算出する。また、第1障害物高さ平均算出部60は、重合領域である領域Bにおける障害物<3>と障害物<4>の映像の高さの平均を算出する。つまり、第1障害物高さ平均算出部60は、障害物<3>と障害物<4>の障害物の映像の高さを足し、2で割った値である平均値bを算出する。重合領域である領域Cと領域Dも同様に、各々の領域における障害物の映像の高さの平均を算出する。
【0090】
次に、第2障害物高さ平均算出部70は、障害物高さ算出部50によって算出された障害物の映像の高さの内、複数の映像が重ね合わさらない領域である非重合領域における障害物の映像の高さと、第1障害物高さ平均算出部60によって算出された重合領域における障害物の映像の平均によって、障害物の映像の高さの平均を算出する。第2障害物高さ平均算出部70は、例えば、非重合領域である領域Eにおける障害物<2>の映像の高さと、第1障害物高さ平均算出部60によって算出された重合領域である領域Aの障害物の平均値aと、第1障害物高さ平均算出部60によって算出された重合領域である領域Bの障害物の平均値bとを足し、3で割った値である平均値eを算出する。非重合領域である領域Fも同様に、障害物の映像の高さの平均を算出する。障害物の映像の平均を算出すると、ステップS105へ進む。
【0091】
ステップS105では、映像調整部80によって障害物の高さを調整する。先ず、映像調整部80は、第一障害物高さ平均算出部5によって算出された障害物の映像の平均の高さに基づいて、重合領域の障害物の映像の大きさを調整する。例えば、障害物<1>の障
害物の映像の高さが、第1障害物高さ平均算出部60によって算出された領域Aの障害物の平均値aよりも小さい場合は、障害物<1>の障害物の映像の大きさを平均値aまで拡大する。また、障害物<1>の障害物の映像の高さが、第1障害物高さ平均算出部60によって算出された領域Aの障害物の平均値aよりも大きい場合は、障害物<1>の障害物の映像の大きさを平均値aまで縮小する。更に、障害物<1>の障害物の映像の高さと、第1障害物高さ平均算出部60によって算出された領域Aの障害物の平均値aが同一である場合は、障害物<1>の障害物の映像の大きさを調整しない。映像調整部80は、他の重合領域でも同様に障害物の高さを調整する。
【0092】
次に、映像調整部80は、第2障害物高さ平均算出部70によって算出された障害物の映像の高さの平均に基づいて、非重合領域における障害物の映像の大きさを調整する。例えば、非重合領域である領域Eにおける障害物<2>の障害物の映像の高さが、第2障害物高さ平均算出部70によって算出された平均値eよりも小さい場合は、障害物<2>の障害物の映像の大きさを平均値eまで拡大する。また、非重合領域である領域Eにおける障害物<2>の障害物の映像の高さが、第2障害物高さ平均算出部70によって算出された平均値eよりも大きい場合は、障害物<2>の障害物の映像の大きさを平均値eまで縮小する。更に、非重合領域である領域Eにおける障害物<2>の障害物の映像の高さと、第2障害物高さ平均算出部70によって算出された平均値eが同一である場合は、障害物<2>の障害物の映像の大きさを調整しない。映像調整部80によって調整された映像は、図12の(c)に示す。障害物の高さを調整すると、ステップS106へ進む。
【0093】
ステップS106では、映像合成部90によって映像を合成する。映像合成部90は、映像調整部80によって調整された複数の映像を一つの映像に合成する。映像合成部90は、フロントカメラ21、右サイドカメラ23、左サイドカメラ24、及びリアカメラ22によって撮像された4枚の映像を、一つの映像に合成する。映像を合成すると、ステップS107へ進む。
【0094】
ステップS107では、映像表示部100によって、映像合成部90によって合成された映像をディスプレイ10に表示する。図12の(d)は、本発明の実施例2に係る車両周辺確認システム1の、車両周辺の映像を示す概略図である。映像表示部100は、図12の(d)に示すように、車両周辺映像が楕円形若しくは四角形の形状で表示するが、他の形状でもよい。
【0095】
以上により、本発明の実施例2に係る発明は、映像表示部100に表示される自車周辺の画像のいびつな形状を解消することにより、ユーザに与える違和感を軽減し、ユーザに対し誤解を招かない車両周辺映像を与えることが可能な車両周辺確認システムを提供することが可能である。尚、障害物への映像の高さの平均は、厳密な平均である必要はなく、略平均であればよい。
【0096】
尚、映像取得部30が故障した際、映像合成部90は映像を合成しない。これは、映像取得部30の故障により、実際は車の周辺に障害物があるにもかかわらず、障害物映像取得部が障害物の映像を取得できない場合、映像合成部90が映像取得部30によって取得された映像を合成すると、映像画像に障害物が映し出されないことになる。従って、本発明の実施例2に記載の車両周辺確認システム1は、映像取得部30が故障した際に、映像合成部90が映像を合成せず、映像表示部100がユーザに対し車周辺の目視確認を促す表示をすることにより、ユーザに誤った映像を与えることがない。
【符号の説明】
【0097】
1・・・車両周辺確認システム
2・・・カメラ
21・・・フロントカメラ
22・・・リアカメラ
23・・・右サイドカメラ
24・・・左サイドカメラ
3・・・映像取得部
31・・・第1映像取得部
32・・・第2映像取得部
4・・・障害物高さ算出部
5・・・障害物高さ平均算出部
6・・・背景高さ算出部
7・・・背景高さ平均算出部
8・・・映像調整部
9・・・映像表示部
10・・・ディスプレイ
30・・・映像取得部
40・・・映像補正部
50・・・障害物高さ算出部
60・・・第1障害物高さ平均算出部
70・・・第2障害物高さ平均算出部
80・・・映像調整部
90・・・映像合成部
100・・・映像表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられた一又は複数のカメラを通して車両の周辺を映像により確認する車両周辺確認システムであって、
前記一又は複数のカメラを通して、映像内の像の大きさが非特定領域よりも大きく、且つ該非特定領域に挟まれる特定領域の映像を取得する第1映像取得部と、
前記一又は複数のカメラを通して、映像内の像の大きさが前記特定領域よりも小さく、且つ該特定領域を挟む前記非特定領域の映像を取得する第2映像取得部と、
前記第1映像取得部によって取得された前記非特定領域を基準として、前記第2映像取得部によって取得された前記特定領域の映像の大きさを調整する映像調整部と、
前記映像調整部によって調整された映像を表示する映像表示部と、を備える、
車両周辺確認システム。
【請求項2】
前記第1映像取得部によって取得した前記特定領域と、前記第2映像取得部によって取得した前記非特定領域の内、該特定領域を挟む一方の非特定領域と他方の非特定領域との映像から、車に対する障害物の映像を抽出した際に、各々の領域における各々の障害物の映像の高さを算出する障害物高さ算出部と、
前記障害物高さ算出部によって算出された、前記一方の非特定領域と、前記他方の非特定領域との障害物の映像の高さの平均を算出する障害物高さ平均算出部と、
前記特定領域と、前記一方の非特領域と、前記他方の非特定領域との映像から、各々の領域における各々の前記障害物の背景の映像の高さを算出する背景高さ算出部と、
前記背景高さ算出部によって取得された、前記一方の非特定領域と、前記他方の非特定領域との背景の映像の高さの平均を算出する背景高さ平均算出部と、を更に備え、
前記映像調整部は、
前記障害物高さ平均算出部によって算出された障害物の映像の平均の高さが、前記特定領域の障害物の映像の高さよりも低い際は、該障害物高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、該特定領域の障害物の映像の大きさを調整し、前記背景高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、該特定領域の背景の映像の大きさを調整する、
請求項1に記載の車両周辺確認システム。
【請求項3】
前記障害物高さ算出部は、前記特定領域と、前記一方の非特定領域と前記他方の非特定領域とのどちらか一方の非特定領域との映像において、障害物の映像を抽出した際に、各々の領域における各々の障害物の映像の高さを算出し、
前記映像調整部は、
前記障害物高さ算出部によって算出された前記一方の非特定領域若しくは前記他方の非特定領域の障害物の映像の高さが、前記障害物高さ算出部によって算出された前記特定領域の障害物の映像の高さよりも低い際は、該障害物高さ算出部によって算出された該一方の非特定領域若しくは該他方の非特定領域の障害物の高さに基づいて、該特定領域の障害物の映像の大きさを調整し、前記背景高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、該特定領域の背景の映像の大きさを調整する、
請求項2に記載の車両周辺確認システム。
【請求項4】
前記障害物高さ算出部は、前記特定領域の映像において障害物の映像を抽出し、前記一方の非特定領域と前記他方の非特定領域の映像において前記障害物の映像を抽出していない際に、前記特定領域における障害物の映像の高さを算出し、
前記映像調整部は、
前記背景高さ平均算出部によって算出された平均の高さが、前記背景高さ算出部によって算出された前記特定領域における背景の映像の高さよりも低い際は、該背景高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、該特定領域の障害物の映像の大きさと、
該特定領域の背景の映像の大きさを調整する、
請求項2又は3に記載の車両周辺確認システム。
【請求項5】
前記障害物高さ平均算出部は、前記障害物高さ算出部によって算出された、前記特定領域と、前記一方の非特定領域と、前記他方の非特定領域との障害物の映像の高さの平均を算出し、
前記背景高さ平均算出部は、前記背景高さ算出部によって算出された、前記特定領域と、前記一方の非特定領域と、前記他方の非特定領域との背景の映像の高さの平均を算出し、
前記映像調整部は、
前記障害物高さ平均算出部によって算出された障害物の映像の高さの平均が、前記特定領域の障害物の映像の高さよりも低い際は、該障害物高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、該特定領域の障害物の映像の大きさを調整し、前記背景高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、該特定領域の背景の映像の大きさを調整する、
請求項2に記載の車両周辺確認システム。
【請求項6】
前記障害物高さ算出部は、前記特定領域と、前記一方の非特定領域と前記他方の非特定領域とのどちらか一方の非特定領域との映像において、障害物の映像を抽出した際に、各々の領域における各々の障害物の映像の高さを算出し、
前記障害物高さ平均算出部は、前記障害物高さ算出部によって算出された、前記特定領域と、前記一方の非特定領域と前記他方の非特定領域とのどちらか一方の非特定領域との障害物の映像の高さの平均を算出し、
前記映像調整部は、
前記障害物高さ平均算出部によって算出された障害物の映像の平均の高さが、前記障害物高さ算出部によって算出された前記特定領域の障害物の映像の高さよりも低い際は、該障害物高さ算出部によって算出された該一方の非特定領域若しくは該他方の非特定領域の障害物の高さに基づいて、該特定領域の障害物の映像の大きさを調整し、前記背景高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、該特定領域の背景の映像の大きさを調整する、
請求項5に記載の車両周辺確認システム。
【請求項7】
前記障害物高さ算出部は、前記特定領域の映像において障害物の映像を抽出し、前記一方の非特定領域と前記他方の非特定領域の映像において障害物の映像を抽出していない際に、前記特定領域における障害物の映像の高さを算出し、
前記映像調整部は、
前記背景高さ平均算出部によって算出された平均の高さが、前記背景高さ算出部によって算出された前記特定領域における背景の映像の高さよりも低い際は、該背景高さ平均算出部によって算出された平均の高さに基づいて、該特定領域の障害物の映像の大きさと、該特定領域の背景の映像の大きさを調整する、
請求項5又は6に記載の車両周辺確認システム。
【請求項8】
前記複数のカメラは、複数の映像を合成することによって360度の角度で車両の周辺の映像を撮像し、
前記非特定領域は、前記複数の映像が重ね合わさった重合領域であり、
前記映像調整部は、前記重合領域を基準として、前記特定領域の大きさを調整する、
請求項1から7の何れか一項に記載の車両周辺確認システム。
【請求項9】
車両に設けられた一又は複数のカメラを通して車両の周辺を映像により確認する車両周辺確認システムであって、
前記一又は複数のカメラで撮像された湾曲された複数の映像を取得する映像取得部と、
前記映像取得部によって取得された湾曲された複数の映像を、平坦な映像に補正する映像補正部と、
前記映像補正部によって補正された複数の映像に含まれる特定の像の大きさを調整する映像調整部と、
前記映像調整部によって調整された複数の映像を一つの映像に合成する映像合成部と、
前記映像合成部によって合成された映像を表示する映像表示部と、を備える、
車両周辺確認システム。
【請求項10】
前記特定の像は、車に対する障害物の映像であり、
前記映像補正部によって補正された複数の映像の内、障害物の映像の高さを算出する障害物高さ算出部と、
前記障害物高さ算出部によって算出された障害物の映像の高さの内、複数の映像が重ね合わさる領域である各々の重合領域における障害物の映像の高さの平均を算出する第1障害物高さ平均算出部と、を更に備え、
前記映像調整部は、
前記第1障害物高さ平均算出部によって算出された障害物の映像の平均の高さに基づいて、前記重合領域の障害物の映像の大きさを調整する、
請求項9に記載の車両周辺確認システム。
【請求項11】
前記障害物高さ算出部によって算出された障害物の映像の高さの内、複数の映像が重ね合わさらない領域である各々の非重合領域における障害物の映像の高さと、前記第1障害物高さ平均算出部によって算出された前記重合領域における障害物の映像の平均によって、障害物の映像の高さの平均を算出する第2障害物高さ平均算出部と、を更に備え、
前記映像調整部は、
前記第2障害物高さ平均算出部によって算出された障害物の映像の高さの平均に基づいて、前記非重合領域における障害物の映像の大きさを調整する、
請求項10に記載の車両周辺確認システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−114361(P2011−114361A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266070(P2009−266070)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】