説明

車両周辺表示装置

【課題】画像の視認によって障害物の存在を分かり易く伝えることができる車両周辺表示装置の提供。
【解決手段】車両90の後方領域93の画像1を液晶ディスプレイ80に表示する車両後方表示装置100において、後方領域93を撮影し障害物画像7を含む後方画像3を生成するカメラ60及びデコーダ70と、障害物97を検出し車両90から当該障害物97までの距離BDを演算する複数のソナー20r,20c,20l及び演算装置10と、障害物画像7に対応する障害物97の存在を警告する警報画像5を、後方画像3に重畳することにより、液晶ディスプレイ80に表示される画像1を描画する描画装置40と、を備える。警報画像5は、上下方向の長さが予め固定された枠状の枠画像部5aと、枠画像部5a内に描画され、障害物97までの距離が縮小するほど上下方向における長さが縮小する距離表示画像部6と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、当該車両の外界領域の画像を表示器に表示する車両周辺表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラによって撮影された車両外界領域の外界画像に、当該外界画像中に捉えられた当該外界領域内の障害物を示す警報画像を重畳し、運転者に向けられた表示器に表示する表示装置が知られている。このような表示装置の一種として、特許文献1に開示の装置がある。この特許文献1に開示の装置は、外界領域の障害物を検出し、車両から障害物までの距離を計測する距離センサを備えている。ここで一般に、外界画像中に捉えられる当該外界領域内の障害物画像の表示位置は、車両が障害物に近接するほど、表示器の画像上で下側に移動する。そこで、特許文献1に記載の装置では、警報画像は、表示器に表示される画像の上下方向における長さが、距離センサによって計測される障害物までの距離に基づいて規定される(特許文献1 図2aの領域1及び領域2のそれぞれに表示された破線を参照)。故に、距離センサによって計測される障害物までの距離が縮小すると、警報画像は、上下方向における長さが縮小するので、当該障害物までの距離を直感的に示すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−539111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、特許文献1に記載の装置では、上述したように、車両から障害物の距離が縮小すると、警報画像は、上下方向における長さが縮小するので、表示器の画像上で小さくなる。故に、警報画像は、表示器の画像上で視認され難くなる。以上によれば、警報画像は、障害物までの距離を直感的に示すことができても、視認されること自体が困難となるのとにより、障害物の情報を分かり易く運転者等に伝えることができなくなる場合があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像の視認によって障害物の存在を分かり易く伝えることができる車両周辺表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、車両に搭載され、当該車両の外界領域の画像を表示器に表示する車両周辺表示装置において、外界領域を撮影してなり、外界領域の障害物を表す障害物画像を含む外界画像を、生成する撮像手段と、外界領域の障害物を検出し、車両から障害物までの距離を演算する検出手段と、検出手段が外界領域中に障害物を検出すると、外界画像に含まれる障害物画像に対応する障害物の存在を警告する警報画像を、当該外界画像に重畳することにより、表示器に表示される画像を描画する描画手段と、を備え、警報画像は、障害物の検出によって枠状に描画され、表示器の画像における上下方向の長さが予め固定された枠画像部と、枠画像部内に描画され、検出手段によって演算される障害物までの距離が縮小するほど上下方向における長さが縮小する距離表示画像部と、を含むことを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、警報画像のうち、障害物の検出によって描画される枠状の枠画像部は、表示器の画像における上下方向の長さが予め固定されている。故に、検出手段によって演算される車両から障害物までの距離が縮小しても、上下方向における長さは変わらない。以上により、この枠画像部を含む警報画像は、視認され易い状態を維持し得る。
【0008】
一方、警報画像のうち、枠画像部内に描画される距離表示画像部は、検出手段によって演算される障害物までの距離が縮小するほど上下方向における長さが縮小するので、障害物までの距離を直感的に示すことができる。以上により、この距離表示画像部を含む警報画像は、障害物までの距離を分かり易く示し得る。
【0009】
これらによれば、枠画像部及び距離表示画像部を含む警報画像は、視認され易い状態を維持しつつ、障害物までの距離を分かり易く示すことができる。したがって、車両周辺表示装置は、表示器の画像を視認させることにより障害物の情報を分かり易く伝えることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、警報画像は、上下方向において距離表示画像部を複数の区画に区切る区切線画像部を含み、区切線画像部により区切られる距離表示画像部は、描画手段によって、区画毎に描画されるか否かが判定されることにより、障害物までの距離が縮小すると上下方向において上側に位置する区画から順に描画を中止されることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、区切線画像部により区切られる距離表示画像部は、表示器の画像に描画されるか否かが、描画手段によって区画毎に判定される。そして、車両から障害物までの距離が縮小すると、距離表示画像部は、複数の区画のうち、上側に位置する区画から順に描画を中止される。これにより、距離表示画像部は、表示器に表示される画像上で段階的に縮小することにより、車両から障害物までの距離の変化を強調して示すことができる。したがって、車両周辺表示装置は、障害物までの距離をさらに分かり易く示すことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、枠画像部は、上下方向において表示器に表示される外界画像の上側に向かうほど、横方向の長さが拡大する扇形状であることを特徴とする。
【0013】
一般に、車両から障害物が離れるほど、当該障害物に対応する障害物画像の外界画像における表示位置は、遠近法に従って、当該外界画像の横方向の中央に位置する特定の一点(いわゆる消失点)に近接する。加えて、障害物画像は、車両から障害物が離れるほど、表示位置が上方に移動するとともに、表示サイズが小さくなる。
【0014】
そこで、表示器の画像の上側に向かうほど枠画像部の横方向の長さを拡大することで、外界画像の上方に表示された遠い障害物に対応する障害物画像であっても、当該枠画像部は、この障害物画像の小ささを補って強調することができる。故に、車両周辺表示装置は、車両からの距離が離れており、表示器の画像で知覚させ難い障害物であっても、その存在を分かり易く視認者に伝えられる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、警報画像は、上下方向において表示器に表示される外界画像の上側に向かうほど、横方向において画像の中央寄りに傾斜していることを特徴とする。
【0016】
上述したような遠近法によって、外界画像では、車両から障害物までの距離が減少すると、表示器の画像における障害物の表示位置は、上下方向下側且つ横方向外側に向って斜めに移動する。この発明のように、表示器に表示される画像の横方向において当該画像の中央寄りに警報画像を傾斜させることによれば、障害物までの距離の減少に従い上下方向の長さが減少する距離表示画像部は、その上端の位置を横方向外側に斜めに移動させる。
【0017】
以上により、表示器に表示される画像において、車両から障害物までの距離の変化によって生じる障害物画像の表示位置の変化に、距離表示画像部の形状の変化が対応する。したがって、表示器に表示される画像は、障害物までの距離をさらに直感的に伝えることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明では、外界画像には車両の一部が撮影され、描画手段は、外界画像に含まれる車両の画像の外縁から障害物画像に向かって伸びる警報画像を、当該外界画像に重畳することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、表示器の画像には、撮像手段によって撮影された車両の一部が表示される。そして描画手段によって描画される警報画像を、車両の画像の外縁から障害物画像に向かって伸びる形状とすることによれば、当該警報画像は、表示器の画像上において車両の画像と障害物画像とを繋ぐ。したがって、表示器に表示される画像は、車両から障害物までの距離をさらに分かり易く伝えることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明では、検出手段は、予め定められた検出平面上において車両の横方向に並び、それぞれ外界領域の障害物を検出する複数の検出部と、複数の検出部による検出結果に基づいて、障害物までの距離とともに、障害物を検出平面に投影した投影点の横方向における位置、を演算する演算部と、を有し、描画手段は、画像における警報画像の横方向の表示位置を投影点の位置に対応して規定することを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、検出手段は、複数の検出部を予め定められた検出平面上において横方向に並べることで、これら複数の検出部による検出結果に基づいて、障害物を検出平面に投影した投影点の当該横方向における位置を演算部に演算させることが可能になる。そして、描画手段によって描画される警報画像の横方向の表示位置が投影点の位置に対応して規定されることによれば、当該警報画像は、外界画像中に描画された障害物画像に対応した位置に正確に描画され、当該障害物の存在を確実に示すことができる。以上のように、警報画像の表示位置と障害物画像の表示位置とが横方向において正確に対応し得ることで、表示器に表示される画像は、障害物の存在をさらに分かり易く伝えることができる。
【0022】
請求項7に記載の発明では、撮像手段は、車両後方の外界領域を撮影し、検出手段は、車両後方の外界領域の障害物を検出することを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、車両周辺表示装置は、車両後方の外界領域を撮影した外界画像に、当該車両後方の外界領域にある障害物を示す警報画像を重畳した画像を、表示器に表示する。車両後方にある障害物は、運転者によって視認され難い。故に、請求項7に記載の発明のような車両周辺表示装置は、障害物を分かり易く伝えられる当該装置の効果の発揮によって、運転者の運転操作を確実に支援できる。したがって、運転者の運転操作の支援を効果的に行うことができる車両周辺表示装置として、請求項7に記載の発明は、特に好適なのである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態による車両後方表示装置の構成を概略的に示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による車両後方表示装置によって表示される画像を説明するための図であって、(a) 車両と障害物とが充分に離れている状態の画像、(b) (a)の状態から車両と障害物とが近接したときの画像、を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による車両後方表示装置が、障害物の詳細な位置を演算する方法を詳しく説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態による制御フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態による車両後方表示装置100の構成を概略的に示す構成図である。図2は、車両後方表示装置100によって液晶ディスプレイ80に表示される画像1を示す図である。この車両後方表示装置100は、車両周辺表示装置の一実施形態であり、車両90(図3参照)を操作する運転者に液晶ディスプレイ80に表示される画像1を視認させることにより、当該運転者の運転操作を支援する。
【0027】
まず、液晶ディスプレイ80に表示される画像1について、図2および図3に基づいて説明する。
【0028】
運転者が車両90を後退させる際、当該車両90の後方領域93に障害物97が存在している場合に、画像1が液晶ディスプレイ80に表示される。この画像1は、車両90の後方領域93を撮像してなる後方画像3を主体に構成されている。後方画像3には、後方領域93に存在する障害物97が撮像され、当該障害物97を表す障害物画像7が含まれている。この後方画像3に、障害物画像7を強調することにより当該障害物画像7に対応する障害物97の存在を警告する警報画像5を重畳することにより、画像1は描画される。この警報画像5によって障害物97の存在を警告することで、画像1は車両90の後方領域93に存在する障害物97を運転者に知覚させることができる。
【0029】
次に、車両後方表示装置100の構成を図1及び図3に基づいて説明する。車両後方表示装置100は、カメラ60、デコーダ70、複数のソナー20r,20c,20l、演算装置10、メモリ50、描画装置40、および上述した液晶ディスプレイ80を備えている。
【0030】
カメラ60は、車両90の後方領域93を撮影する撮像手段の一部であって、この後方領域93を広範囲に亘って撮影できるよう、例えば160度程度、又はそれ以上の画角Hαを備えている。このカメラ60は、車両90の後部バンパー99よりも上方に、車両90の後方を向けて設置されている。カメラ60の撮影方向の方角は、車両90の前後方向に沿っている。また、この撮影方向は、仰角を有し、後方領域93の地面側に向けられている。カメラ60は、撮影した後方領域93の映像を、アナログ方式の映像送信規格の一つであるNTSC方式で出力する。
【0031】
デコーダ70は、アナログ方式の映像信号を、デジタル方式の情報に変換できる集積回路である。具体的には、カメラ60から入力された後方領域93の映像信号を、デジタル方式の後方画像3の画像データに変換する。このようにデコーダ70で生成された後方画像3の画像データは、描画装置40に連続的に出力される。
【0032】
ソナー20r,20c,20lは、車両90から、当該車両90周辺の障害物97となる立体物等との距離を検出及び演算する検出手段の一部である。各ソナー20r,20c,20lは、例えば超音波センサであって、車両90の後部バンパー99に、車両90の横方向に所定の間隔を開けて並べられている。ソナー20r,20c,20lは、超音波の送波および受波する部分が後部バンパー99露出するよう、この後部バンパー99内に埋め込まれている。これらソナー20r,20c,20lは、演算装置10と接続されており、当該演算装置10によって作動を制御されている。各ソナー20r,20c,20lは、演算装置10からの指令に基づいて、車両90の後方領域93を走査する。各ソナー20r,20c,20lの検出範囲内に障害物97が存在している場合、各ソナー20r,20c,20lから障害物97までの距離に対応した検出結果が、演算装置10に出力される。
【0033】
演算装置10は、ソナー20r,20c,20l等とともに車両90から障害物97までの距離を演算する検出手段を構成している。この演算装置10は、例えば各種演算処理を行うプロセッサ、当該演算処理に用いられるプログラム及び車両90に関する情報等が格納されたROM、及び演算の作業領域として機能するRAMを有している。加えて演算装置10は、車両90に搭載された車載用のLocal Area Network(車内LAN)から情報を取得するための通信用インターフェースを有している。運転者が変速機のシフトレバーの位置をリバース位置に切り替えると、車内LANに接続されたエンジン制御装置又は変速機制御装置等(図示しない)から当該車内LAN上に、このシフト位置に関する情報が出力される。演算装置10は、シフトレバーの位置がリバース位置に切り替えられたという情報を車内LAN上から取得できる。演算装置10は、この情報を取得すると、各ソナー20r,20c,20lを作動させ、障害物97の検出を開始させるとともに、描画装置40にもシフトレバーの位置がリバース位置にあるという情報を出力する。障害物97が後方領域93に存在し、当該障害物97がこれらソナー20r,20c,20lによって検出された場合、演算装置10は、各ソナー20r,20c,20lの検出結果に基づいて障害物97の詳細な位置情報を演算する。そして、この障害物97の詳細な位置情報は、描画装置40に出力される。
【0034】
メモリ50には、不揮発性の半導体メモリの一種であるフラッシュメモリが用いられている。このメモリ50には、警報画像5(図2参照)を画像1上に描画するために要する当該警報画像5の画像データが予め記憶されている。メモリ50は、描画装置40からの求めに応じて、この警報画像5の画像データを描画装置40に取得させる。
【0035】
描画装置40は、画像処理を行うプロセッサ、画像処理に用いられるプログラム等が格納されたROM、及び演算の作業領域として機能するRAMを有しており、液晶ディスプレイ80に表示される画像1を描画する。描画装置40によって描画された画像1の画像1データは、液晶ディスプレイ80に連続的に出力される。
【0036】
描画装置40は、演算装置10から、シフトレバーの位置がリバース位置にあるという情報を取得し且つ障害物97の位置情報を取得していない場合、デコーダ70から連続的に出力される後方画像3を、液晶ディスプレイ80に表示される画像1として描画する。この状態から、演算装置10から障害物97の位置情報を取得すると、描画装置40は、メモリ50に予め記憶されている警報画像5の描画に要する画像データを取得する。描画装置40は、取得している障害物97の位置情報に基づいて警報画像5の表示位置及び形状等を規定する。本実施形態では、画像1は、当該規定に基づいて警報画像5を後方画像3に重畳することにより描画される。この描画装置40により描画された画像1の画像データは、液晶ディスプレイ80に出力される。
【0037】
液晶ディスプレイ80は、ハンドルの前方、またはインスツメントパネルの中央部等に配置される表示器であって、画像1の表示によって運転者に情報を提供するインターフェースである。液晶ディスプレイ80は、描画装置40で描画された画像1の画像データを取得し、運転者が視認できるよう表示する。描画装置40から液晶ディスプレイ80には連続的に画像1の画像データが出力されているので、液晶ディスプレイ80は、画像1を連続的に表示する。これにより液晶ディスプレイ80は、運転者に後方領域93の状況を動画として表示することができる。
【0038】
次に、演算装置10が、各ソナー20r,20c,20lの検出結果に基づいて演算する障害物97の詳細位置について、図3および図1に基づき、さらに詳しく説明する。
【0039】
まず、車両90の前後方向に対して直交する平面であって、ソナー20r,20c,20lが並んでいる平面を、検出平面DPとして予め定める。また演算装置10は、ROMに検出平面DP上の横方向における、ソナー20r及びソナー20c間の間隔に対応した間隔値SDrと、ソナー20c及びソナー20l間の間隔に対応した間隔値SDlとを予め記憶している。
【0040】
後方領域93において、ソナー20cとソナー20lとの検出可能範囲が重なる領域に障害物97が存在している場合、隣接するソナー20c及びソナー20lがともに障害物97を検出する。演算装置10には、ソナー20c及びソナー20lのそれぞれから、ともに検出結果が出力される。演算装置10は、ソナー20cからの検出結果に基づいて、当該ソナー20cから障害物97までの距離に対応した距離値BDcを算出する。加えて演算装置10は、ソナー20lからの検出結果に基づいて、当該ソナー20lから障害物97までの距離に対応した距離値BDlを算出する。
【0041】
さらに演算装置10は、これら二つの距離値BDc,BDlと間隔値SDlに基づいて、障害物97の詳細位置を演算する。この障害物97の詳細位置には、障害物97を車両90の前後方向に沿って車両後方から検出平面DPに投影した投影点の横方向における位置、および検出平面DPから前後方向における障害物97までの距離BDが含まれている。
【0042】
具体的な投影点の位置BP及び障害物までの距離BDの算出方法として、本実施形態では、距離値BDc,BDl及び間隔値SDlに基づいて、三角関数を用いて演算する。各ソナー20r,20c,20lの並ぶ横方向において、ソナー20cの位置を基準位置とすると、この基準位置から投影点の位置BPまでの距離BPlは、BPl={(SDl)^2+(BDc)^2−(BDl)^2}/{2×(SDl)}の式により算出できる。また、検出平面DPから障害物97までの距離BDは、距離BD={(BDc)^2−(BPl)^2}^(1/2)により算出できる。
【0043】
以上説明した、検出平面DPにおける投影点の位置BPと、車両90の外縁に規定された検出平面DPから障害物97までの距離BDが、演算装置10で演算され、障害物97の詳細な位置情報として、描画装置40に取得される。
【0044】
ここまで説明した構成により、液晶ディスプレイ80に表示される画像1の特徴部分について、さらに詳細に説明する。
【0045】
警報画像5は、枠画像部5a、区切線画像部5b、距離表示画像部6を含んでいる。
【0046】
枠画像部5aは、画像1上で枠状に描画されており、当該画像1における上下方向の長さが予め固定されている。加えて枠画像部5aは、上下方向において液晶ディスプレイ80に表示される後方画像3の上側に向かうほど、横方向の長さが拡大する扇形状である。
【0047】
区切線画像部5bは、画像1の横方向に沿って延びる線状であり、上下方向に間隔を開けて枠画像部5a内に複数描画される。この区切線画像部5bは、距離表示画像部6を上下方向において複数の区画6a〜6fに区切る。
【0048】
距離表示画像部6は、枠画像部5a内に描画され、車両90から障害物97までの距離が縮小するほど上下方向における長さが縮小する。本実施形態では、この距離表示画像部6は、区切線画像部5bによって上下方向において複数に区分けされており、この区画6a〜6f毎に画像1に描画されるか否かが判定される。具体的には、画像1において、最も上側に位置する区画6aから描画を中止される優先順位が定められている。これにより、障害物97までの距離BDが縮小すると、距離表示画像部6は、上下方向において上側に位置する区画6aから順に描画を中止され、上下方向に縮小する。
【0049】
加えて距離表示画像部6は、区画6a〜6f毎に色相、明度、彩度が異なっていることが望ましい。その一例として本実施形態では、車両90から障害物97までの距離BDが近接した場合に最後まで表示され続ける区画6fは、彩度の高い赤色で描画される。一方、車両90から障害物97までの距離BDが最も大きい場合に表示される区画6aは、無彩色である白色で描画される。そして、これら区画6aから区画6fの間に位置する区画6b〜6dは、区画6bから順に区画6dに向かうほど、描画される彩度が低く設定されている。尚、この区画6a〜6fの色相、明度、彩度は、適宜設定されて良く、運転者の嗜好に応じて変更されてもよい。
【0050】
さらに、距離表示画像部6は、半透明の画像部として、後方画像3に合成されていることが望ましい。これにより、後方画像3に含まれる障害物画像7に、距離表示画像部6が重畳された場合でも、障害物画像7が距離表示画像部6によって視認されなくなる事態の発生を抑制できる。
【0051】
加えて、後方画像3には、車両90の一部である後部バンパー99が撮影され、バンパー画像9として描画される。警報画像5は、この後方画像3に撮像されたバンパー画像9の外縁から、障害物画像7に向かって伸びている。警報画像5の下端の位置は、バンパー画像9の外縁に固定されている。また、警報画像5は、上下方向において画像1の上側に向かうほど、横方向において当該画像1の中央寄りに傾斜している。
【0052】
次に、後方から車両90を駐車する際の車両後方表示装置100の動作について、図4に示すフローチャートを用い、図1〜図3を参照しつつ説明する。本制御フローは、車両90のアクセサリー(ACC)電源が入れられることにより、演算装置10及び描画装置40等に電源が供給されることによってスタートする。また、この制御フローは、車両90のACC電源のオフにより終了する。
【0053】
ステップS10では、車両90のACC電源が入れられることで、液晶ディスプレイ80には、ナビゲーションシステム又はオーディオ機器等に関する画像(通常画像)が表示される。次のステップS20では、演算装置10は、シフトレバーの位置がリバース位置に在るか否かを判定する。シフトレバーの位置がリバース位置にある場合、その情報は描画装置40に伝えられる。ステップS30では、描画装置40によって、液晶ディスプレイ80の表示が、上述したナビ等の通常表示から、カメラ60及びデコーダ70によって生成された後方画像3の表示に切り替えられる。
【0054】
ステップS40では、演算装置10は、各ソナー20r,20c,20lを作動させ、これらによる検出結果を取得する。車両90の後方領域93に障害物97がある場合、ステップS50では、障害物97の検出平面DP上への投影点の位置BPと、検出平面DPから障害物97までの前後方向における距離BDとが演算装置10によって演算される。この演算結果は、描画装置40に出力される。
【0055】
ステップS60では、描画装置40は、液晶ディスプレイ80に表示される画像1における警報画像5の横方向の表示位置を、演算装置10から取得した演算結果のうち検出平面DPにおける投影点の位置BPに対応させ、規定する。具体的に本実施形態では、画像1は、その横方向において、所定の間隔で複数の区域に予め区分けされている。描画装置40は、画像1の横方向において、警報画像5を重畳すべき位置が区分けされた複数の区域のうちどの区域に相当するのかを、投影点の位置BPに基づいて規定する。
【0056】
ステップS70では、描画装置40は、距離表示画像部6の複数の区画6a〜6fのうちどれを描画すべきかを、演算装置10から取得した演算結果のうち検出平面DPから障害物97までの距離BDに対応させて、判定する。例えば、車両90と障害物97との距離BDが大きいとき(図2(a)参照)、描画装置40は、全ての区画6a〜6fを描画するという判定を行う。一方、車両90と障害物97とが近接したとき(図2(b)参照)、描画装置40は、当該距離BDに対応させ、上方に位置する区画6a〜6cを描画せず、下方に位置する区画6d〜6fを描画するという判定を行う。
【0057】
ステップS80では、描画装置40は、ステップS60によってなされた、横方向における警報画像5が表示されるべき区域の規定に基づいて、障害物画像7の表示位置に対応するよう、枠画像部5a及び区切線画像部5bを描画する。これら枠画像部5a及び区切線画像部5bの基となる画像データは、予めメモリ50に格納されており、描画装置40によって参照される。さらに、ステップS70によってなされた、区画6a〜6cのそれぞれを描画するか否かの判定に基づいて、描画装置40は、障害物97までの距離BDに対応する区画を描画する。これら各区画6a〜6fの画像の基となる画像データも、予めメモリ50に格納されており、描画装置40によって参照される。そして、これら枠画像部5a、区切線画像部5b、及び距離表示画像部6を含む警報画像5が後方画像3に重畳されることで、画像1が描画される。描画された画像1は、その画像データが液晶ディスプレイ80によって取得されることで、当該液晶ディスプレイ80に表示される。
【0058】
ステップS90では、シフトレバーの位置がリバース位置にあるか否かが演算装置10によって再び判定され、リバース位置である場合には、制御フローはステップS40からステップS90までを繰り返す。一方、シフトレバーの位置がリバース位置から切り替えられた場合には、制御フローは、ステップS10に戻る。
【0059】
ここまで説明した本実施形態では、警報画像5のうち、障害物97の検出によって描画される枠状の枠画像部5aは、画像1における上下方向の長さが予め固定されている。故に、ソナー20r,20c,20l及び演算装置10によって演算される車両90から障害物97までの距離BDが縮小しても、上下方向における長さは変わらない。以上により、この枠画像部5aを含む警報画像5は、視認され易い状態を維持し得る。
【0060】
一方、警報画像5のうち、枠画像部5a内に描画される距離表示画像部6は、障害物までの距離BDが縮小するほど上下方向における長さが縮小するので、障害物97までの距離BDを直感的に示すことができる。以上により、この距離表示画像部6を含む警報画像5は、障害物97までの距離を分かり易く示し得る。
【0061】
これらによれば、枠画像部5a及び距離表示画像部6を含む警報画像5は、視認され易い状態を維持しつつ、障害物97までの距離BDを分かり易く示すことができる。したがって、車両後方表示装置100は、液晶ディスプレイ80の画像1を視認させることにより障害物97の情報を分かり易く伝えることができる。
【0062】
加えて、本実施形態では、車両90から障害物97までの距離BDが縮小すると、距離表示画像部6は、複数の区画6a〜6fのうち、上側に位置する区画6aから順に描画を中止され、段階的に縮小する。このように、距離表示画像部6が段階的に縮小することで、障害物97までの距離BDの変化を強調して示すことができる。したがって、車両後方表示装置100は、障害物97までの距離BDをさらに分かり易く示すことができる。
【0063】
また、一般に、車両90から障害物97が離れるほど、当該障害物97に対応する障害物画像7の後方画像3における表示位置は、遠近法に従って、当該後方画像3の横方向の中央に位置する特定の一点(いわゆる消失点。図2では、画像1の上端のさらに上側に位置する)に近接する。加えて、障害物画像7は、車両90から障害物97が離れるほど、表示位置が上方に移動するとともに、表示サイズが小さくなる。
【0064】
そこで、本実施形態では、液晶ディスプレイ80の画像1の上側に向かうほど枠画像部5aの横方向の長さを拡大することで、後方画像3の上方に表示された遠い障害物97に対応する障害物画像7であっても、当該枠画像部5aは、この障害物画像7の小ささを補い障害物97を強調することができる。故に、車両後方表示装置100は、車両90からの距離BDが離れており、液晶ディスプレイ80の画像1で知覚させ難い障害物97であっても、その存在を分かり易く視認者に伝えられる。
【0065】
さらに、本実施形態では、上述したような遠近法によって、後方画像3では、車両から障害物97までの距離BDが減少すると、画像1における障害物97の表示位置は、上下方向下側且つ横方向外側に向って、斜めに移動する。この発明のように、画像1の横方向において当該画像1の中央寄りに警報画像5を傾斜させることによれば、障害物97までの距離の減少に従い上下方向の長さが減少する距離表示画像部6は、その上端の位置を横方向外側に移動させる。
【0066】
以上により液晶ディスプレイ80に表示される画像1において、車両90から障害物97までの距離BDの変化によって生じる障害物画像7の表示位置の変化に、距離表示画像部6の形状の変化が対応する。したがって、液晶ディスプレイ80に表示される画像1は、障害物97までの距離BDをさらに直感的に伝えることができる。
【0067】
また加えて、本実施形態では、車両90の一部である後部バンパー99がカメラ60によって撮影されることにより、当該後部バンパー99に対応するバンパー画像9が後方画像1に含まれている。そして描画装置40よって描画される警報画像5を、バンパー画像9の外縁から障害物画像7に向かって伸びる形状とすることによれば、当該警報画像5は、画像1上において、バンパー画像9と障害物画像7とを繋ぐ。これにより、運転者は、車両90と障害物97との関係を直感的につかみ易くなる(図3に、画像1に表示された警報画像5のイメージを二点鎖線で示す)。したがって、液晶ディスプレイ80に表示される画像1は、車両90の後部バンパー99から障害物97までの距離をさらに分かり易く伝えることができる。
【0068】
さらに加えて、本実施形態では、複数のソナー20r,20c,20lを予め定められた検出平面DP上において横方向に並べることで、これら複数のソナー20r,20c,20lによる検出結果に基づいて、障害物97を検出平面DPに投影した投影点の当該横方向における位置BPを演算装置10に演算させることが可能になる。そして、描画装置40によって描画される警報画像5の横方向の表示位置が投影点の位置BPに対応して規定されることによれば、当該警報画像5は、後方画像3中に描画された障害物画像7に対応した位置に正確に描画される。故に、この障害物97の存在を、警報画像5は確実に示すことができる。以上のように、警報画像5の表示位置と障害物画像7の表示位置とが横方向において正確に対応し得ることで、液晶ディスプレイ80に表示される画像1は、障害物97の存在をさらに分かり易く伝えることができる。
【0069】
そして、本実施形態では、車両後方表示装置100は、車両後方の後方領域93を撮像した後方画像3に、当該後方領域93にある障害物97の存在を警告する警報画像5を重畳した画像1を、液晶ディスプレイ80に表示する。車両90の後方にある障害物97は、運転者によって視認され難い。故に、本実施形態のような車両後方表示装置100は、障害物97を分かり易く伝えられる当該装置の効果の発揮によって、運転者の運転操作を確実に支援できる。したがって、運転者の運転操作の支援を効果的に行うことができる車両周辺表示装置として、車両後方表示装置100は、特に好適なのである。
【0070】
尚、本実施形態において、後方画像3が請求項に記載の「外界画像」に、演算装置10が請求項に記載の「演算部」に、ソナー20r,20c,20lが請求項に記載の「検出部」に、演算装置10及びソナー20r,20c,20lが請求項に記載の「検出手段」に、描画装置40が請求項に記載の「描画手段」に、カメラ60及びデコーダ70が請求項に記載の「撮像手段」に、後方領域93が請求項に記載の「外界領域」に、車両後方表示装置100が請求項に記載の「車両用周辺表示装置」に、それぞれ相当する。
【0071】
(他の実施形態)
ここまで説明した上記実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
【0072】
上記実施形態では、車両周辺表示装置の一例として車両後方表示装置を説明しているが、この形態に限定されるものではない。例えば、駐車等のスペースに向けて車両前方から前進する場合に、車両周辺として車両の前方領域が表示される形態の車両周辺表示装置であってもよい。この形態では、液晶ディスプレイ80には、所定の警報画像が車両の前方領域の画像とともに表示されるものである。
【0073】
上記実施形態において、液晶ディスプレイ80に表示される画像は、一つのカメラ60及びデコーダ70によって撮像される後方画像3が主体となっているが、複数のカメラによって撮像された外界画像が主体とされていてもよい。また、請求項に記載の撮像手段として用いられる構成は、カメラ60に限定されるものではなく、種々の構成を用いることができる。
【0074】
上記実施形態では、距離表示画像部6は、区切線画像部5bによって複数の区画6a〜6fに区切られ、距離BDが縮まるに従い、段階的に短縮していた。しかし、距離表示画像部6は、区切線画像部5bに拠らず、複数に分割されていてもよい。また、距離表示画像部6は、例えば、距離BDに従い上下方向に連続的に伸縮してもよい。加えて、距離表示画像部6は、障害物画像7が視認され易いよう半透明にされていなくてもよい。
【0075】
上記実施形態では、枠画像部5aは、扇形状に規定されていたが、その形状を限定するものではなく、例えば、矩形形状や、上底よりも下底の短い台形形状に規定されていてもよい。また、区切線画像部5bは、画像1の横方向に沿う線状であったが、破線等で描画されていてよく、又はバンパー画像9の外縁に沿って湾曲していてもよい。
【0076】
上記実施形態では、横方向において、画面中央寄りに傾斜する形状の警報画像5を用いた例を説明したが、警報画像は、画像1の中央寄りに傾斜していなくてもよい。また、バンパー画像9は省略されてもよい。
【0077】
上記実施形態では、障害物97を検出する検出部として、超音波を用いたソナーを例に説明した。しかし、障害物97との距離を検出することができる構成であれば、上述したソナーに検出部は限定されない。また、ソナーの個数および配置も上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、ソナーは2つであってもよく、又は4つ以上であってもよい。加えて、隣接するソナー同士の間隔は、等間隔でなくてもよい。
【0078】
上記実施形態では、制御フローに係わる演算処理及び描画処理を、演算装置10及び描画装置40で分けて処理していた。しかし、本発明に係わる処理を実施可能な構成は、上記実施形態の構成に何ら限定されるものではない。請求項に記載の「演算手段」および「描画手段」の機能は、車両90に搭載された演算装置に機能ブロックとして組み込まれていてもよい。又は、「演算手段」および「描画手段」の機能は、一つの演算装置に機能ブロックとして組み込まれていてもよい。さらに、カメラ60のアナログ信号を画像処理可能なデジタル信号に変換する機能も、専用のデコーダ70ではなく、他の演算装置に機能ブロックとして搭載されていてもよい。
【0079】
上記実施形態では、車両90に対する障害物97の詳細な相対位置を、隣接するソナー間の間隔と、各ソナーから障害物までの距離とに基づいて、三角関数を用いて演算していた。しかし、車両90から障害物97までの距離BDを演算することができれば、その構成及び演算方法は、上記実施形態で説明したものに限定されない。また、車両90から障害物97までの距離BDを演算するための車両90側の基準点として、ソナー20r,20c,20lが並べられた平面上に仮想の検出平面DPを規定し、当該検出平面DPに障害物97を投影した投影点を用いていた。しかし、障害物97までの距離BDを演算する車両90側の基準点は、上述した検出平面DP上の投影点に限定されず、適宜変更されてよい。
【0080】
上記実施形態では、画像1を横方向において複数の区域に区切り、投影点の位置BPに対応した一つの区域を規定し、当該区域に警報画像5を表示させていた。しかし、警報画像5の横方向における表示位置は、投影点の位置BPに直接的に対応させて規定されてもよい。
【0081】
上記実施形態では、画像1を表示する「表示器」として液晶ディスプレイ80を例に説明したが、「表示器」は液晶ディスプレイ80に限定されない。例えば、Cathode Ray Tube(CRT)ディスプレイや、Plasma Display Panel(PDP)を用いた「表示器」であってもよい。さらに、「表示器」として、例えば車両のフロントガラスに画像1を虚像表示する所謂Head−up Display(HUD)装置が用いられてもよい。
【符号の説明】
【0082】
BDc,BDl 障害物までの距離値、SDc,SDl ソナー間の間隔値、BD 障害物までの距離、BP 投影点の位置、BPl 基準位置から投影点の位置までの距離、DP 検出平面、Hα 画角、1 画像、3 後方画像(外界画像)、5 警報画像、5a 枠画像部、5b 区切線画像部、6 距離表示画像部、6a〜6f 区画、7 障害物画像、9 バンパー画像、10 演算装置(検出手段)、20r,20c,20l ソナー(検出手段)、40 描画装置(描画手段)、50 メモリ、60 カメラ(撮像手段)、70 デコーダ(撮像手段)、80 液晶ディスプレイ(表示器)、90 車両、93 後方領域(外界領域)、97 障害物、99 後部バンパー、100 車両後方表示装置(車両周辺表示装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、当該車両の外界領域の画像を表示器に表示する車両周辺表示装置において、
前記外界領域を撮影してなり、前記外界領域の障害物を表す障害物画像を含む外界画像を、生成する撮像手段と、
前記外界領域の前記障害物を検出し、前記車両から当該障害物までの距離を演算する検出手段と、
前記検出手段が前記外界領域中に前記障害物を検出すると、前記外界画像に含まれる前記障害物画像に対応する前記障害物の存在を警告する警報画像を、当該外界画像に重畳することにより、前記表示器に表示される前記画像を描画する描画手段と、を備え、
前記警報画像は、
前記障害物の検出によって枠状に描画され、前記表示器の前記画像における上下方向の長さが予め固定された枠画像部と、
前記枠画像部内に描画され、前記検出手段によって演算される前記障害物までの距離が縮小するほど前記上下方向における長さが縮小する距離表示画像部と、を含むことを特徴とする車両周辺表示装置。
【請求項2】
前記警報画像は、前記上下方向において前記距離表示画像部を複数の区画に区切る区切線画像部を含み、
前記区切線画像部により区切られる前記距離表示画像部は、前記描画手段によって、前記区画毎に描画されるか否かが判定されることにより、前記障害物までの距離が縮小すると前記上下方向において上側に位置する前記区画から順に描画を中止されることを特徴とする請求項1に記載の車両周辺表示装置。
【請求項3】
前記枠画像部は、前記上下方向において前記表示器に表示される前記外界画像の上側に向かうほど、前記横方向の長さが拡大する扇形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両周辺表示装置。
【請求項4】
前記警報画像は、前記上下方向において前記表示器に表示される前記外界画像の上側に向かうほど、前記横方向において前記画像の中央寄りに傾斜していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両周辺表示装置。
【請求項5】
前記外界画像には前記車両の一部が撮影され、
前記描画手段は、前記外界画像に含まれる前記車両の画像の外縁から前記障害物画像に向かって伸びる前記警報画像を、当該外界画像に重畳することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両周辺表示装置。
【請求項6】
前記検出手段は、
予め定められた検出平面上において前記車両の横方向に並び、それぞれ前記外界領域の障害物を検出する複数の検出部と、
前記複数の検出部による検出結果に基づいて、前記障害物までの距離とともに、前記障害物を前記検出平面に投影した投影点の前記横方向における位置、を演算する演算部と、を有し、
前記描画手段は、前記画像における前記警報画像の横方向の表示位置を前記投影点の位置に対応して規定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両周辺表示装置。
【請求項7】
前記撮像手段は、前記車両後方の外界領域を撮影し、
前記検出手段は、前記車両後方の外界領域の前記障害物を検出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両周辺表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−199514(P2011−199514A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63087(P2010−63087)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】