説明

車両検知装置及びこれを用いる車両配光制御装置

【課題】より遠方から他車両を精度良く検知することが可能な車両検知装置及びこれを用いる車両配光制御装置の提供。
【解決手段】本発明は、自車前方の他車両を検知する車両検知装置であって、車両前方を撮影するカメラで得られる撮像画像を画像処理し、該撮像画像中における自車前方の他車両からの光を特定することで、自車前方の他車両を検知する第1検知手段と、第1検知手段とは異なる検知手段であって、少なくとも自車前方の他車両の位置に関する位置情報を取得する第2検知手段と、カメラ感度を制御する制御手段とを備え、制御手段は、第1検知手段により自車前方の他車両が検知されていない状況下で、自車前方の他車両に関する位置情報が第2検知手段により取得された場合に、該他車両が第1検知手段により検知されるように、自車と自車前方の他車両との間の位置関係に応じてカメラ感度を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラを用いて自車前方の他車両を検知する車両検知装置及びこれを用いる車両配光制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像認識装置による歩行者認識装置において、ナビゲーション装置からの位置情報や地図情報に基づいてシーン(環境)を判断し、該シーンに応じて歩行者候補領域の検出用の閾値を設定して、歩行者候補領域の検出感度を変更する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、市街地、特に学校近辺など歩行者との交通事故が多発する場所では検出感度を上げ、高速道路など歩行者が居る可能性の小さい場所では検出感度を下げて処理負荷を軽減することが記載される。
【0003】
また、自動車の前方を撮影するカメラと、レーザを照射して自動車の前方をスキャンして1または複数の障害物を検出するレーザスキャン部と、レーザスキャン部が検出した障害物毎に撮影エリアを設定し、各撮影エリア毎にカメラの撮影条件を設定するカメラ制御部とを備えた前方撮影装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。カメラ制御部は、カメラの画像の輝度の平均値と分散の情報に基づいて、輝度の平均値がヒストグラムの中心となるように明るさを調整し、分散がヒストグラムに均一となるように感度(カメラの撮影条件)を変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-329762号公報
【特許文献2】特開2007-096510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カメラの撮像画像に含まれる自車前方の他車両からの光を特定することで自車前方の他車両を検知する場合、自車前方の他車両が自車に対して遠方に位置すればするほど、当該他車両から自車に到達する光(例えば、他車両のヘッドライトや尾灯、ブレーキランプからの光、リフレクタからの反射光等)が弱くなるので、当該他車両を画像処理により検知することが困難となる。
【0006】
他方、自車前方の他車両をより遠方(自車に対してより遠方)から検知することができるようにするために、カメラ感度を常時高く設定すると、その背反として、車両でない物体(例えば街路灯の光)を該他車両からの光として誤検知しやすくなるという問題が生じる。
【0007】
そこで、本発明は、より遠方から他車両を精度良く検知することが可能な車両検知装置及びこれを用いる車両配光制御装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一局面によれば、自車前方の他車両を検知する車両検知装置であって、
車両前方を撮影するカメラで得られる撮像画像を画像処理し、該撮像画像中における自車前方の他車両からの光を特定することで、自車前方の他車両を検知する第1検知手段と、
前記第1検知手段とは異なる検知手段であって、少なくとも自車前方の他車両の位置に関する位置情報を取得する第2検知手段と、
カメラ感度を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記第1検知手段により自車前方の他車両が検知されていない状況下で、自車前方の他車両に関する前記位置情報が前記第2検知手段により取得された場合に、該他車両が前記第1検知手段により検知されるように、自車と前記自車前方の他車両との間の位置関係に応じて前記カメラ感度を変更することを特徴とする、車両検知装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、より遠方から他車両を精度良く検知することが可能な車両検知装置及びこれを用いる車両配光制御装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】車両用照明装置1の一実施例を示す要部構成図である。
【図2】インフラの一例を概略的に示す図である。
【図3】ヘッドランプ50の一例を示す断面図である。
【図4】ランプシェード70の一例を概略的に示す斜視図である。
【図5】ランプシェード70により実現される配光パターンの代表的な例を示す図である。
【図6】スイブル及び配光切換態様の一例を示す図である。
【図7】カメラ感度制御部49及び画像認識部42の主要動作を示すブロック図の一例を示す図である。
【図8】カメラ10により捕捉される前方車両からの光の明るさと閾値との関係を概略的に示す図である。
【図9】本実施例の制御ECU40により実現される主要処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】自車と前方車両との間に建造物が存在する道路状況の一例を示す上面図である。
【図11】図10の状況下で自車のカメラ10により撮像される画像(撮像状況)のイメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0012】
図1は、車両用照明装置1の一実施例を示す要部構成図である。図2は、インフラの一例を概略的に示す図である。車両用照明装置1は、図1に示すように、カメラ10と、スイッチ20と、無線通信装置30と、制御ECU(Electronic Control Unit)40と、ヘッドランプ50とを含む。
【0013】
カメラ10は、CCD(charge‐coupled device)やCMOS(complementary metal oxide semiconductor)等の撮像素子により、車両前方の風景の画像(前方環境画像)を捕捉する。カメラ10は、車両前方の風景を撮像できるような態様で車両に搭載される。例えば、カメラ10は、ルームミラーの裏側(車両前側の面)に取り付けられる。カメラ10は、車両走行中にリアルタイムに前方環境画像を取得し、例えば所定のフレーム周期のストリーム形式で制御ECU40に供給するものであってよい。尚、カメラ10は、以下で説明する車両配光制御用の専用のセンサであってもよいし、他の用途(例えば前方監視カメラ、レーンキープアシスト用カメラ等)と兼用であってもよい。また、カメラ10は、カラー又はモノクロ画像のいずれを取得するカメラであってもよい。
【0014】
スイッチ20は、ヘッドランプ50のON/OFFや、ヘッドランプ50の配光制御ON/OFFなどのヘッドランプ作動関係のスイッチを含む。スイッチ20は、例えばステアリングコラム等のような車室内の適切な位置に配置されてよい。尚、ヘッドランプ50の配光制御は、ヘッドランプ50のON時に自動的に実行されてもよいし、ハイビームが使用される時に自動的に実行されてもよい。
【0015】
無線通信装置30は、外部のインフラから他車両の位置情報を無線通信により取得する。インフラは、図2に示すように、路側に設置されたインフラであってよい。インフラは、設置された道路を走行する各車両を検出し、各車両の位置情報をブロードキャストするように構成されてもよい。各車両の位置情報は、各車両の位置に関する情報に加えて、その進行方向に関する情報を含んでよい。また、各車両の位置情報は、間接的に車両の位置を表す情報であってもよく、例えば、当該インフラの車両検出ポイント(又はインフラ設置位置)に関する情報であってもよい。この場合、インフラは、当該車両検出ポイントを通過する車両を検出する毎に、検出した車両の周辺の車両に向けて、車両検出ポイントを通過した車両の存在を通知する。この通知を受けた車両は、車両検出ポイントを通過した車両が存在すること、及び、その位置(=車両検出ポイントの位置)を把握することができる。尚、無線通信装置30による他車両の位置情報の取得態様は、他車両の位置情報を取得する限り、任意の態様(取得タイミングや位置情報の種類等)であってよい。無線通信装置30により取得した他車両の位置情報(以下、「インフラ情報」ともいう)は、制御ECU40に送信される。尚、図2に示す例では、インフラは、道路に設置された車両検知センサ92により他車両を検知し、その情報を情報処理部90により処理して、ビーコン94等により後続の車両(本例では自車)に送信する。尚、車両検知センサ92は、ビーコン94に組み込まれていてもよい。即ち、ビーコン94と車両検知センサ92は、組として路側に所定位置毎に設置されてもよい。
【0016】
制御ECU40は、図示しないバスを介して互いに接続されたCPU、ROM、及びRAM等からなるマイクロコンピュータとして構成されている。制御ECU40は、主なる機能として、画像認識部42と、ヘッドランプ制御部44と、ランプシェード制御部46と、スイブル制御部48と、カメラ感度制御部49とを含む。これらの各部42,44,46,48,49は、CPUがROM等の記憶装置に記憶されたプログラムを実行することで実現されてもよい。また、例えば画像認識部42は、専用のハードウェア回路を用いて実現されてもよい。また、これらの各部42,44,46,48,49は、必ずしも同一のECUユニット内に組み込まれる必要はなく、複数のECUにより協動して実現されてもよい。
【0017】
ヘッドランプ50は、車両の前部左右にそれぞれ設けられる。尚、以下で、特に左右のヘッドランプ50を区別する際には、左側のヘッドランプに符号50Lを付し、右側のヘッドランプに符号50Rを付す。ヘッドランプ50は、車両前方領域に向けて可視光を照射するロービーム及びハイビームを含む。ロービーム及びハイビームは、それぞれ専用のランプにより構成されてもよいし、単一のランプの照射パターンをランプシェードにより可変することで実現されてもよい(図3参照)。ヘッドランプ50は、スイブルアクチュエータ52と、シェード駆動用アクチュエータ54とを含む。
【0018】
図3は、ヘッドランプ50の一例を示す断面図である。
【0019】
図示のヘッドランプ50は、プロジェクタ型のヘッドランプであり、主に、光源であるバルブ80と、投影レンズ82と、リフレクタ84と、これらを保持するホルダ86とを含む。リフレクタ84と投影レンズ82との間にはランプシェード70が設けられる。ヘッドランプ50は、バルブ80から出射した光をリフレクタ84に反射させ、リフレクタ84から前方に向かう光の一部をランプシェード70で遮蔽して、車両前方に配光パターンを投影する。バルブ80は、白熱球やハロゲンランプ、放電球、LED等であってよい。リフレクタ84は、車両前後方向に延びる光軸を中心軸とする略楕円球面状の反射面を有している。投影レンズ82は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズであり、光軸上に配置されている。
【0020】
ヘッドランプ50は、ヘッドランプ50の光軸の向きを略水平面内で変化させるスイブルアクチュエータ52を備える。スイブルアクチュエータ52は、ホルダ86の下底部に取り付けられ、軸52aのまわりにホルダ86を回動可能に支持している。
【0021】
ヘッドランプ50は、バルブ80から発せられる光の一部を遮蔽した配光パターンを形成するランプシェード70を備える。ランプシェード70は、水平方向に二分割されたサブシェードから構成されている(図4参照)。ランプシェード70は、その開閉状態がシェード駆動用アクチュエータ54により駆動制御される。図示の例では、各サブシェードの下端には、シェード駆動用アクチュエータ54により回転駆動される回転体72が取り付けられている。両方のサブシェードの直立時には、ロービーム用配光パターンが形成される。回転体72を回転させて両方のサブシェードを略水平に傾斜させると、ハイビーム用配光パターンが形成される。シェードの構造および作用については、図4を参照して詳述する。
【0022】
図4は、ランプシェード70の一例を概略的に示す斜視図である。ランプシェード70は、水平方向に二分割されたサブシェード70a,70bを備える。サブシェード70a,70bの下端には、支持軸71により回転可能に支持された回転体72a、72bが取り付けられている。支持軸71は、ホルダ86に連結されており、ホルダ86と一体にスイブル可能にされている。各回転体72a、72bは、それぞれに対して設けられるシェード駆動用アクチュエータ54により回転駆動される。尚、サブシェード70a,70bは、他の態様で駆動されてもよい。サブシェード70a,70bは、例えばソレノイド(シェード駆動用アクチュエータ54の一例)により駆動されるプランジャの往復動により直立状態と傾斜状態との間で切り換えされてもよい。
【0023】
図5は、ランプシェード70により実現される配光パターンの代表的な例を示す図である。尚、図5において、配光パターンは、車両前方の所定位置の仮想的な鉛直スクリーン上に形成される配光パターンとして示されている。また、ラインVは、鉛直方向のラインを示し、ラインHは、水平方向のラインを示す。尚、ヘッドランプ50の中心軸はラインV上に位置するものとする。
【0024】
図5(A)は、右側一部遮光パターンの一例を示す。この右側一部遮光パターンは、ハイビーム光を左側に含むパターンである。右側一部遮光パターンは、左側のヘッドランプ50Lにおけるランプシェード70のサブシェード70a,70bの一方(車両内側のサブシェード)を略水平に傾斜させ、他方(車両外側のサブシェード)を直立させることにより形成される。或いは、右側一部遮光パターンは、右側のヘッドランプ50Rにおけるランプシェード70のサブシェード70a,70bの一方(車両外側のサブシェード)を略水平に傾斜させ、他方(車両内側のサブシェード)を直立させることにより形成される。
【0025】
図5(B)は、左側一部遮光パターンの一例を示す。この左側一部遮光パターンは、ハイビーム光を右側に含むパターンである。左側一部遮光パターンは、右側のヘッドランプ50Rにおけるランプシェード70のサブシェード70a,70bの一方(車両内側のサブシェード)を略水平に傾斜させ、他方(車両外側のサブシェード)を直立させることにより形成される。或いは、左側一部遮光パターンは、左側のヘッドランプ50Lにおけるランプシェード70のサブシェード70a,70bの一方(車両外側のサブシェード)を略水平に傾斜させ、他方(車両内側のサブシェード)を直立させることにより形成される。
【0026】
図5(C)は、ヘッドランプ50により生成されるハイビームパターンの一例を示す。このハイビームパターンは、ヘッドランプ50の双方のサブシェード70a,70bを略水平に傾斜させることにより形成される。
【0027】
図5(D)は、左側のヘッドランプ50Lにより生成されるロービームパターンの一例を示す。このロービームパターンは、ヘッドランプ50の双方のサブシェード70a,70bを直立させることにより形成される。
【0028】
ここで、図1を再度参照して、本実施例の制御ECU40について説明する。制御ECU40は、上述の如く、主なる機能として、画像認識部42と、ヘッドランプ制御部44と、ランプシェード制御部46と、スイブル制御部48と、カメラ感度制御部49とを含む。
【0029】
画像認識部42は、カメラ10から得られる前方環境画像を画像処理して、車両前方に存在しうる前方車両(先行車や対向車)を検出する。画像中の前方車両を検出する方法は、多種多様であり、任意の方法が採用されてもよい。典型的には、前方車両は、移動体であり、ブレーキランプ(又はテールランプ)やヘッドランプから光を発すると共に、後方から受けた光を反射する反射部(リフレクタ)を車両後部に備える。従って、かかる光の特徴に基づいて、画像中の前方車両を検出してもよい。例えば、画像中の光の特徴が所定の条件(明るさ、色、大きさ、パターン、動き等)を満たす場合に、当該光に関する像が、前方車両として検出(特定)されてもよい。より具体的には、前方車両検出方法の一例として、カメラ10から得られる前方環境画像を画像処理して、画像中の光(所定輝度以上の画素)を検出し、検出した光の中から、明るさ・光の動き(例えば光の物体の速度、進行方向等)・色(例えば、ブレーキランプの発光色や反射部の反射光の色等)、方向性、属性(例えば2個ペアか否か)、連続性等の要素に基づいて、当該光が前方車両によるものか或いは前方車両以外の外乱光(道路標識の反射板等による反射光)なのかを判断するものであってよい。また、この際、自車の速度、加減速度、ヨーレート、自車のヘッドランプの種類、走行環境(例えば明るい市街地を走行しているか否か等)のような他車両以外の他の要素が考慮されてもよい。画像認識部42は、前方車両の存在を検出すると、当該前方車両の位置や方位等を算出してもよい。
【0030】
ヘッドランプ制御部44は、スイッチ20の状態に基づいて、ヘッドランプ50のON/OFFの切り替え制御を行う。なお、ヘッドランプ制御部44は、日照センサの出力信号等に基づいて、周囲が暗くなったときに自動的にヘッドランプ50をオンする制御を実行してもよい。
【0031】
ランプシェード制御部46は、スイッチ20の状態に基づいて、例えばヘッドランプ50の配光制御がオンであるとき、シェード駆動用アクチュエータ54を介して配光パターンを制御する。具体的には、ランプシェード制御部46は、画像認識部42の前方車両の検出状況に基づいて、シェード駆動用アクチュエータ54によりランプシェード70を制御して、ヘッドランプ50の配光パターンを制御する。基本的には、ランプシェード制御部46は、画像認識部42により前方車両の位置及び方向等に基づいて、当該前方車両がハイビームにより照射されないようにサブシェード70a,70bの開閉状態を制御する。これにより、例えば図5に示すような各種配光パターンが選択的に実現される。尚、ランプシェード制御部46による制御方法の一例は、図6を参照して後述する。
【0032】
スイブル制御部48は、スイッチ20の状態に基づいて、例えばヘッドランプ50の配光制御がオンであるとき、スイブルアクチュエータ52を介して配光パターンの照射方向(ヘッドランプ50のスイブル角)を制御する。具体的には、スイブル制御部48は、画像認識部42の前方車両の検出状況に基づいて、スイブルアクチュエータ52によりヘッドランプ50の光軸方向を制御する。基本的には、スイブル制御部48は、画像認識部42により前方車両の位置及び方向等に基づいて、当該前方車両がハイビームにより照射されないようにヘッドランプ50の光軸の向きを制御する。尚、スイブル制御部48による制御方法の一例は、図6を参照して後述する。
【0033】
カメラ感度制御部49は、無線通信装置30による他車両の位置情報を用いて、カメラ感度を制御する。具体的には、カメラ感度制御部49は、カメラ10及び画像認識部42により車両前方の他車両が検知されていない状況下で、カメラ10及び画像認識部42により検知可能な他車両に関する位置情報が無線通信装置30により取得された場合に、該他車両がカメラ10及び画像認識部42により検知されるようにカメラ感度を変更する。この際、カメラ感度制御部49は、無線通信装置30からの他車両の位置情報に基づいて、当該他車との位置関係に応じてカメラ感度を変更する。カメラ感度の変更は、センサ(カメラ)ゲインやガンマ特性、シャッタ速度、レンズの絞り、ISO感度等を変更することにより実現されてもよいし、画像認識部42により他車両(の光)を検出するために用いる閾値(輝度に対する閾値)を変更することにより実現されてもよい。尚、カメラ感度制御部49による感度制御方法の詳細は後述する。
【0034】
図6は、本実施例の制御ECU40により実現される配光制御の一例を示す図である。図6では、左側ヘッドランプ50Lによる配光パターンが記号PLにより指示され、右側ヘッドランプ50Rによる配光パターンが記号PRにより指示されている。尚、本例では、図6に示すように、左右のヘッドランプ50L,50Rのハイビームパターン、ロービームパターン及びそれらによる照射領域は略同一であるとする。
【0035】
図6(A)は、車両前方がハイビームパターンで照射された状態(初期状態)を示す。この状態にて車両前方に他車両がカメラ10及び画像認識部42により検出された場合、スイブル制御部48は、画像認識部42から得られる前方車両の位置に基づいて、目標スイブル角を決定し、該目標スイブル角が実現されるようにスイブルアクチュエータ52によりヘッドランプ50の光軸方向を変化させる。ここでは、一例として、目標スイブル角は、一部遮光パターンの遮断部分内に前方車両が含まれ、且つ、一部遮光パターンのカットオフラインCL,CR(図5(A)及び図5(B)参照)が前方車両の近接側端部から所定距離離間した位置(方向)に来るように決定される。尚、一部遮光パターンの遮断部分とは、ハイビームパターン(図5(C)参照)から一部遮光パターン(図5(A)及び図5(B)参照)を差し引いた部分に相当する。また、ランプシェード制御部46は、右側ヘッドランプ50Rのランプシェード70を制御して、右側ヘッドランプ50Rの配光パターンをハイビームパターン(図6(A)の初期のパターン)から左側一部遮光パターン(図6(B))へと変更する。同様に、左側ヘッドランプ50Lのランプシェード70を制御して、左側ヘッドランプ50Lの配光パターンをハイビームパターン(図6(A)の初期のパターン)から右側一部遮光パターン(図6(B))へと変更する。以後、スイブル制御部48は、前方車両が所定の消失状態になるまで、前方車両の位置の変化に応じて、前方車両の右端に右側ヘッドランプ50Rのランプ中心軸が略一致した状態が維持されるように、右側ヘッドランプ50Rのスイブル角を制御・調整してもよい。このようにして、前方車両の運転者にグレアを与えるのを適切に防止することができる。尚、配光制御の態様は、多種多様であり、任意の態様が採用されてもよい。例えばスイブルアクチュエータ52及びシェード駆動用アクチュエータ54のうちのいずれか一方のみを用いる態様であってもよい。
【0036】
図7は、カメラ感度制御部49及び画像認識部42の主要動作を示すブロック図の一例を示す図である。
【0037】
カメラ10は、図7に示すように、撮像部10aと、シャッタ制御部10bと、特性調整部10cとを含む。尚、撮像部10a、シャッタ制御部10b及び特性調整部10cは、画像認識部42と共にカメラ制御ICとしてカメラ10に組み込まれてもよい。即ち、画像認識部42はカメラ10に内蔵されてもよい。
【0038】
カメラ感度制御部49には、画像認識部42から画像認識結果が入力される。カメラ感度制御部49は、画像認識部42から画像認識結果に基づいて、カメラ10及び画像認識部42により車両前方の他車両が検知されているか否かを判断する。カメラ10及び画像認識部42により車両前方の他車両が検知されている状況下では、上述の如く、ランプシェード制御部46等による配光制御が実現されうる。また、カメラ感度制御部49には、無線通信装置30により取得される他車両(特に前方車両)の位置情報が入力される。前方車両の位置情報(インフラ情報)は、無線通信装置30により取得されたときに随時入力されるものであってよい。カメラ感度制御部49は、画像認識部42から画像認識結果と、前方車両の位置情報とに基づいて、カメラ10及び画像認識部42により検知可能な前方車両であるが現在カメラ10により検知されていない前方車両が存在するかを判定する。かかる前方車両が存在する場合には、カメラ感度制御部49は、該前方車両がカメラ10及び画像認識部42により検知されるように、カメラ感度制御部49及び/又は画像認識部42を介してカメラ感度を変更する。本例では、カメラ感度制御部49は、カメラ感度制御部49及び画像認識部42の双方を介してカメラ感度を変更する。特性調整部10cは、カメラ感度制御部49からの指令に応じて、AGC(オートマチックゲインコントロール)によるセンサ(カメラ)ゲインの変更やガンマ特性の変更を実現する。同様に、画像認識部42は、カメラ感度制御部49からの指令に応じて、前方車両の探索・検知に用いる閾値(輝度の閾値)を変更する。
【0039】
図8は、カメラ10により捕捉される前方車両からの光の明るさと閾値との関係を概略的に示す図である。図8には、縦軸にカメラ10により捕捉される前方車両からの光の明るさ(カメラ出力)を示し、横軸に当該前方車両の距離(自車に対する距離)を示す。
【0040】
カメラ感度制御部49は、カメラ10により捕捉される前方車両からの光の明るさが増加するように、ゲインを増加させる。例えば、カメラ感度制御部49は、図8に示すように、カメラ10により捕捉される前方車両からの光の明るさの特性が、曲線Aから曲線Bへと変更されるように、ゲインを増加させる。また、カメラ感度制御部49は、カメラ10により捕捉される前方車両からの光が、画像認識部42により前方車両からの光として認識されるように、閾値(輝度の閾値)を減少させる(図8中の矢印参照)。これにより、通常時のカメラ感度では認識できないような前方車両であっても、インフラからの前方車両の位置情報を利用して、検知可能とすることができる。また、前方車両の位置情報がインフラから取得された場合だけ、カメラ感度を高めるので、常時カメラ感度を高めることによる弊害(例えば街路灯の光のような、車両でない物体を前方車両からの光として誤検知しやすくなるという弊害)を防止することができる。
【0041】
カメラ感度制御部49は、好ましくは、無線通信装置30からの前方車両の位置情報に基づいて、当該前方車両との位置関係に応じてカメラ感度を変更する。
【0042】
例えば、カメラ感度制御部49は、前方車両がカメラ10及び画像認識部42により検知可能な距離内に存在する場合のみ、カメラ感度を変更することとしてもよい。前方車両がカメラ10及び画像認識部42により検知可能な距離は、カメラ感度の可変範囲内で検知可能か否かが判断され、カメラ10の性能等に依存して設定されてもよい。或いは、前方車両がカメラ10及び画像認識部42により検知可能な距離は、検知すべき前方車両の最大距離(検知すべき最も遠方の前方車両の位置)に対応して設定されてもよい。これにより、カメラ10及び画像認識部42により検知可能な距離内の前方車両の位置情報がインフラから取得された場合だけ、カメラ感度を高めるので、検知不能な状況下でカメラ感度を高めることによる弊害(例えば街路灯の光のような、車両でない物体を前方車両からの光として誤検知しやすくなるという弊害)をより適切に防止することができる。
【0043】
また、例えば、カメラ感度制御部49は、前方車両までの距離(相対距離)に応じて、カメラ感度の変更量を決定することとしてもよい。例えば、前方車両までの距離が長くなるほど、カメラ感度が高くなる態様で、カメラ感度を決定してもよい。これは、前方車両までの距離が長くなるほど、カメラ10により捕捉される前方車両からの光の明るさが弱くなり、その分だけ検知が困難となるためである。この場合、前方車両までの距離に応じて2段階以上でカメラ感度を変化させてもよい。例えば3段階の場合、前方車両までの距離が第1所定距離以上であり且つ前方車両がカメラ10及び画像認識部42により検知可能な距離内である場合は、カメラ感度を第1所定感度まで高め、前方車両までの距離が第2所定距離以上であり且つ第1所定距離未満である場合は、カメラ感度を第2所定感度(<第1所定感度)まで高めることとしてもよい。これにより、前方車両までの距離に応じてカメラ感度を適切に設定することができ、遠方の前方車両の検出能力を高めつつ、不必要に感度を高めることを防止することができる。尚、前方車両までの距離(相対距離)は、典型的には、直線距離であってよいが、例えばナビゲーション装置から得られる道路情報に基づく道路形状に沿った距離で算出されてもよい。また、直線距離の場合、自車に搭載されるGPS受信機(図示せず)により算出される自車の位置が利用されてもよい。或いは、前方車両までの距離(相対距離)は、インフラ側で算出され、他車両の位置情報(インフラ情報)として若しくは他車両の位置情報に加えて取得されてもよい。
【0044】
図9は、本実施例の制御ECU40により実現される主要処理の一例を示すフローチャートである。
【0045】
ステップ900では、無線通信装置30によりインフラからのインフラ情報(前方車両の位置情報)が取得され、制御ECU40に取り込まれる。インフラ情報は、例えばビーコン通過毎に取得されてもよい。尚、インフラ情報が取得されない場合(或いは、インフラ情報が前方車両の不在を表す場合)、待機状態となり、ステップ900を繰り返してよい。
【0046】
ステップ902では、上記ステップ900にて取り込んだインフラ情報と自車位置(例えばGPS受信機により算出可能)とに基づいて、前方車両の相対位置(自車に対する相対距離)及び動きが検知される。
【0047】
ステップ904では、上記ステップ902におけるインフラ情報に基づく前方車両の検知結果と、カメラ10及び画像認識部42による前方車両の検知結果とを比較し、これらの2つの検知手段により検知状態が比較される。
【0048】
ステップ906では、インフラ情報に基づき検知された前方車両と同一の前方車両がカメラ10及び画像認識部42によっても検知されているか否かが判断される。インフラ情報に基づき検知された前方車両がカメラ10及び画像認識部42によって検知されている場合は、カメラ感度を調整する必要がないと判断して、ステップ920へ進む。この場合、カメラ感度は、標準値(デフォルト)に維持されてもよい。他方、インフラ情報に基づき検知された前方車両がカメラ10及び画像認識部42によって検知されていない場合は、ステップ908に進む。
【0049】
ステップ908では、上記ステップ902におけるインフラ情報に基づく前方車両の検知結果に基づいて、前方車両がカメラ10及び画像認識部42により検知可能な距離内であり、且つ、前方車両が所定距離以上離れた遠方位置に位置するか否かが判断される。所定距離は、例えば検知すべき前方車両の最大距離が800mであるとしたとき、最大距離よりも100−400m短い距離(例えば400m)であってよい。前方車両が遠方位置に位置し且つ前方車両がカメラ10及び画像認識部42により検知可能な距離内である場合には、ステップ910に進み、前方車両が遠方位置に位置しない場合(即ち所定距離未満の近い位置に位置する場合)は、ステップ914に進む。
【0050】
ステップ910では、カメラ感度が高められ、カメラ10及び画像認識部42によって再度前方車両が検索される。この際、カメラ感度は、上述の如く、前方車両の相対距離に応じてカメラ感度の増加量を可変してもよい。
【0051】
ステップ912では、上記ステップ910にて感度を高めることで、カメラ10及び画像認識部42により前方車両(ステップ906で検知されていないと判断された前方車両)が検知されたか否かが判断される。前方車両が検知された場合には、ステップ920に進む。他方、依然として前方車両が検知されない場合は、ステップ918に進む。尚、この場合、カメラ10及び画像認識部42によって前方車両が検知されるまで、カメラ感度を可変範囲内で可変してもよい。また、この際、上記ステップ902におけるインフラ情報に基づく前方車両の検知結果に基づいて、検知範囲の絞り込み(探索領域の制限)が実施されてもよい。また、この際、上記ステップ902におけるインフラ情報に基づく前方車両の検知結果に基づいて、前方車両の検知に使用する各種要素(例えば、光の位置、方向性等)の判断処理が簡易化されてもよい。
【0052】
ステップ914では、画像認識部42による前方車両の検知ロジックが変更される。例えば、検知ロジックは、比較的近くに位置する前方車両の検知に適した検知ロジックに変更されてもよい。また、この際、上記ステップ902におけるインフラ情報に基づく前方車両の検知結果に基づいて、検知範囲の絞り込みが実行されてもよい。また、この際、上記ステップ902におけるインフラ情報に基づく前方車両の検知結果に基づいて、前方車両の検知に使用する各種要素(例えば、光の位置、方向性等)の判断処理が簡易化されてもよい。
【0053】
ステップ916では、上記ステップ914にて検知ロジックを変更することで、カメラ10及び画像認識部42により前方車両(ステップ906で検知されていないと判断された前方車両)が検知されたか否かが判断される。前方車両が検知された場合には、ステップ920に進む。他方、依然として前方車両が検知されない場合は、ステップ918に進む。
【0054】
尚、ステップ914及びステップ916は、任意的な処理であり、省略されてもよい。この場合、ステップ908にて否定判定された場合は、ステップ918へと進む。また、ステップ912で否定判定された場合は、車両前方がハイビームパターンで照射された状態を維持しつつ、そのまま終了してもよい。この場合、前方車両が所定距離未満の近い位置に位置する場合(ステップ908にて否定判定された場合)に限り、後述のステップ918に進むことになる(光遮断物の存在が検出されることになる)。
【0055】
ステップ918では、自車と前方車両との間に光遮断物が存在すると判断される。これは、インフラ情報が「カメラ10及び画像認識部42により検知されるべき前方車両が存在すること」を示しているにも拘わらず、当該前方車両をカメラ10及び画像認識部42により検知することができない状況は、自車と前方車両との間に光遮断物(自車に向かう前方車両からの光を遮る光遮蔽物)が存在する可能性が高いためである。この場合、インフラ情報に基づく上述の配光制御(例えば図6で説明した配光制御)は実行されない。即ち、車両前方がハイビームパターンで照射された状態が維持される。このようにして、インフラ情報のみに基づいて配光制御を行う場合の不都合(光遮断物に起因して実際には見えていない前方車両に対してハイビーム光を遮断して運転者に違和感を与えてしまう等の不都合)を防止することができる。尚、光遮断物が存在すると判断した場合、その後、光遮断物で遮断されていた前方車両の出現時に当該前方車両の検知を早めるため、カメラ10の画像内における前方車両の出現予想位置付近の領域にて明るさ変化を優先判断する態様で検知ロジックを変更してもよい。光遮断物で遮断されていた前方車両が出現すると、その領域において急激に明るさが増加するため、かかる特徴を利用してカメラ10及び画像認識部42による前方車両の検知を早めることができる。
【0056】
ステップ920では、カメラ10及び画像認識部42により検知された検知結果に基づいて、上述の配光制御(例えば図6で説明した配光制御)が実行される。このようにして、図9に示す例では、インフラ情報から前方車両の存在が確認できる場合であっても、カメラ10及び画像認識部42により前方車両が検知された場合に限り、配光制御が実行される。
【0057】
図10は、図9の説明用の図であり、ある道路状況(自車と前方車両との間に建造物が存在する道路状況)の一例を示す上面図である。図11は、図10の状況下で自車のカメラ10により撮像される画像(撮像状況)のイメージを示す図である。
【0058】
図10には、自車Aに対して遠方位置に位置する前方車両D(自車前方の直線路を走行中の前方車両D)が示されると共に、建造物(光遮断物の一例)により自車Aのカメラ10により撮像できない前方車両C(自車前方のカーブ路を走行中の前方車両C)が示されている。
【0059】
前方車両Dの場合、図9のステップ906で検知されないものの、ステップ912で検知されることで、配光制御が実行される。尚、図11(A)は、前方車両Dを含む画像(撮像状況)のイメージを示す。図9のステップ910では、図11(A)に示すように、インフラ情報に基づく前方車両の検知結果に基づいて、探索領域の制限が実施されてもよい。また、前方車両Cの場合、相対距離が近いものの(図9のステップ908で否定判定されるほど相対距離が近いものの)、構造物(光遮断物の一例)に起因して、図11(B)に示すように、前方車両Cがカメラ10により捕捉されない。この場合、図9のステップ918の処理により構造物の存在が検出される。
【0060】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0061】
例えば、上述の実施例では、インフラから前方車両の位置情報が取得されているが、車車間通信用の通信装置による車車間通信により前方車両の位置情報が取得されてもよい。この場合、前方車両の位置情報は、車車間通信の相手である前方車両の位置情報であってもよいし、車車間通信の相手である前方車両以外の他の前方車両の位置情報(車車間通信の相手である前方車両が、当該他の前方車両との車車間通信により得た位置情報)を含んでもよい。
【0062】
また、上述の実施例では、カメラ10及び画像認識部42により前方車両が検知されていない状況下で、カメラ感度が高めることで、検知されていない前方車両を検知できるようにするものであるが、一旦カメラ感度が高めることで検知されていない前方車両を検知できた場合は、以後、カメラ感度を元の感度に下げてもよい。これは、一旦、前方車両を検知した後は、その検知結果を利用する態様で検知ロジックを変更すれば前方車両の検知状態(追跡状態)を維持できるためである。
【符号の説明】
【0063】
1 車両用照明装置
10 カメラ
10a 撮像部
10b シャッタ制御部
10c 特性調整部
20 スイッチ
30 無線通信装置
40 制御ECU
42 画像認識部
44 ヘッドランプ制御部
46 ランプシェード制御部
48 スイブル制御部
49 カメラ感度制御部
50(50L,50R) ヘッドランプ
52 スイブルアクチュエータ
54 シェード駆動用アクチュエータ
70 ランプシェード
70a,70b サブシェード
71 支持軸
72(72a,72b) 回転体
80 バルブ
82 投影レンズ
84 リフレクタ
86 ホルダ
90 情報処理部
92 車両検知センサ
94 ビーコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車前方の他車両を検知する車両検知装置であって、
車両前方を撮影するカメラで得られる撮像画像を画像処理し、該撮像画像中における自車前方の他車両からの光を特定することで、自車前方の他車両を検知する第1検知手段と、
前記第1検知手段とは異なる検知手段であって、少なくとも自車前方の他車両の位置に関する位置情報を取得する第2検知手段と、
カメラ感度を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記第1検知手段により自車前方の他車両が検知されていない状況下で、自車前方の他車両に関する前記位置情報が前記第2検知手段により取得された場合に、該他車両が前記第1検知手段により検知されるように、自車と前記自車前方の他車両との間の位置関係に応じて前記カメラ感度を変更することを特徴とする、車両検知装置。
【請求項2】
前記制御手段は、自車と前記自車前方の他車両との間の距離に応じて、前記カメラ感度の変更量を決定する、請求項1に記載の車両検知装置。
【請求項3】
前記制御手段は、自車と前記自車前方の他車両との間の距離が長いほど前記カメラ感度が高くなる態様で、前記カメラ感度の変更量を決定する、請求項2に記載の車両検知装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記カメラのカメラゲイン、及び、画像処理により他車両を検知するために設定される閾値であって、撮像画像中の像の明るさに対して設定される閾値、のうちの少なくともいずれか一方を変更することで前記カメラ感度を変更する、請求項1に記載の車両検知装置。
【請求項5】
前記第2検知手段は、車載通信装置を含み、
前記車載通信装置は、自車外部から送信される前記位置情報を受信する、請求項1に記載の車両検知装置。
【請求項6】
前記第2検知手段は、路側のインフラと通信可能な車載通信装置を含み、
前記車載通信装置は、該路側のインフラから送信される前記位置情報を受信する、請求項5に記載の車両検知装置。
【請求項7】
前記第2検知手段は、前記自車前方の他車両と通信可能な車載通信装置を含み、
前記車載通信装置は、該自車前方の他車両から送信される前記位置情報を受信する、請求項5に記載の車両検知装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記カメラ感度が変更された後に前記第1検知手段により前記自車前方の他車両が検出されない場合に、自車と前記自車前方の他車両との間に、自車に向かう前記自車前方の他車両からの光を遮る光遮蔽物が存在すると判断する、請求項1に記載の車両検知装置。
【請求項9】
請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載の車両検知装置と、
自車前方に照明光を照射する照明装置と、
前記車両検知装置の第1検知手段により前記自車前方の他車両が検知された場合に、該第1検知手段による検知結果に基づいて、該検知された自車前方の他車両が前記照明装置の照明光により照射されないように前記照明装置の照明光の配光を制御する制御装置とを備える、車両配光制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−185669(P2012−185669A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48168(P2011−48168)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】